JPWO2017135116A1 - 生体信号処理方法および生体信号処理装置 - Google Patents

生体信号処理方法および生体信号処理装置 Download PDF

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Abstract

生体信号処理装置は、心電計(1)が測定した心電図波形から生体信号を抽出する生体信号抽出部(2)と、生体信号抽出部(2)で抽出された生体信号の時系列データを用いて平均化データを算出する平均化処理部(3)と、生体信号抽出部(2)で抽出された生体信号のデータが適切かどうかを、このデータよりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出された平均化データに基づいてデータ毎に判定する異常値判定部(4)と、異常値判定部(4)で不適切と判定された生体信号のデータの削除および補間のいずれかを行う異常値処理部(5)とを備えている。

Description

本発明は、心電図波形から得られる生体信号に混入したノイズ成分を適切に除去して、生体信号の解析精度を向上させる生体信号処理方法および生体信号処理装置に関するものである。
心臓の拍動リズムは、自律神経すなわち交感神経・迷走神経の影響を受けて変動することが知られている。例えば、安静かつ寛いだ状態では、迷走神経が亢進し、呼吸に伴う心拍変動(呼吸性洞性不整脈)が顕著にみられるようになる。このときの呼吸数は、心電図波形から抽出される心拍(R波)時刻の時間間隔、すなわちR−R間隔を分析することで、推定することができる。
一方、心電図波形の振幅にも呼吸の影響が現れる。この心電図波形振幅への影響は、呼吸に伴って肺や胸郭が伸縮することで、心電図測定系から見たインピーダンスが変動することによると考えられる。
図17の(a)は、被験者が4−7−8呼吸法(吸気4秒−息止め7秒−呼気8秒)と呼ばれる呼吸方法を実践した際の心電図波形の例を示す図である。図17の(a)によると、心電図波形の高さが変動していることが容易に見て取れる。この心電図波形から、R波と1つ前のR波の時間間隔であるR−R間隔のデータを抽出して時系列にプロットした図を図17の(b)に示す。R−R間隔は、呼気時に長くなり、吸気時に短くなる(心拍は、呼気時に遅くなり、吸気時に速くなる)。図17の(b)によると、R−R間隔が、心電図波形と同期して変動していることが分かる。
また、図17の(c)は、R波のピーク値からS波のピーク値までの振幅、すなわちRS振幅のデータを心拍毎に抽出して時系列にプロットした図である。RS振幅は、例えば、抽出したR波に対して、前後一定の区間の心電図波形を探索し、その区間の最大値と最小値の差をとる、といった方法で取得できる。図17の(c)では、上述の吸気−息止め−呼気の時間幅がRS振幅の変動パターンに現れていることが分かる。
図18の(a)は、図17の(b)に示したR−R間隔のデータを最大エントロピー法(MEM:Maximum Entropy Method)で解析したスペクトルを示す図、図18の(b)は、図17の(c)に示したRS振幅のデータをMEMで解析したスペクトルを示す図である。MEMを用いることにより、60秒という短いデータからでも滑らかなスペクトル曲線が得られる。図18の(a)、図18の(b)の例では、RS振幅から得られたスペクトルは、R−R間隔から得られたスペクトルよりも明確に、19秒周期≒0.052Hzのピークを示している。このように、R−R間隔と併せて、RS振幅からも呼吸についての情報を得ることができる。
ところで、心電図波形を計測する際、波形にノイズが加わることがある。特に、携帯型の装置やウエアラブルな装置を用いて日常生活の中での心電図波形を取得する場合には、体動などによるノイズが入りやすい。そうしたノイズは、RS振幅にも混入する可能性がある。また、R波抽出の誤りを誘発し、その結果、R−R間隔などに不適切なデータを入り込ませる要因になる。
特許文献1には、心電図波形のT波のピーク値を基に呼吸推定を行う方法において、T波が発生しない場合もしくはT波のピーク値が非常に小さい場合を所定閾値により検出し、所定閾値より小さいピークの値を校正する構成が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、心電図波形に大きなノイズが重畳した場合、RS振幅やR−R間隔などの生体信号を補正することは不可能であった。
RS振幅やR−R間隔などの生体信号を基に、被験者の呼吸等に関する分析を行う場合、それら生体信号の、呼吸等に同期した変動成分に着目することになる。そこで、MEMや高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)といったスペクトル解析などの手法を生体信号に適用し、呼吸等に関する情報を抽出するといった方法が採られる。ところが、生体信号のデータ列に、ノイズ等に由来する不適切な値が含まれていると、解析の結果が本来のものとは乖離してしまうという問題点があった。
特許第5632570号公報
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、RS振幅やR−R間隔などの生体信号に混入したノイズ成分を適切に除去することができ、生体信号の解析の精度を向上させることができる生体信号処理方法および生体信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明の生体信号処理方法は、生体の心電図波形から生体信号を抽出する第1のステップと、この第1のステップで抽出した生体信号の時系列データを用いて平均化データを算出する第2のステップと、前記第1のステップで抽出した生体信号のデータが適切かどうかを、このデータよりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出した前記平均化データに基づいてデータ毎に判定する第3のステップと、この第3のステップで不適切と判定した生体信号のデータの削除および補間のいずれかを行う第4のステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の生体信号処理装置は、生体の心電図波形から生体信号を抽出するように構成された生体信号抽出部と、この生体信号抽出部で抽出された生体信号の時系列データを用いて平均化データを算出するように構成された平均化処理部と、前記生体信号抽出部で抽出された生体信号のデータが適切かどうかを、このデータよりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出された前記平均化データに基づいてデータ毎に判定するように構成された異常値判定部と、この異常値判定部で不適切と判定された生体信号のデータの削除および補間のいずれかを行うように構成された異常値処理部とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、第1のステップで抽出した生体信号のデータが適切かどうかを、このデータよりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出した平均化データに基づいてデータ毎に判定し、不適切と判定した生体信号のデータの削除および補間のいずれかを行うことにより、生体信号に混入したノイズ成分を適切に除去することができ、生体信号の解析の精度を向上させることができる。生体信号においては本来その値は変動するものであり、不適切なデータが混入しうる場合にそれを判別するためには、固定的な値ではなく、それまでの値の平均化した値に基づいて処理することが好ましい。
図1は、心電図波形およびR−R間隔の時系列データの例を示す図である。 図2は、RS振幅の時系列データの例を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施例に係る生体信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の第1の実施例に係る生体信号処理装置の動作を説明するフローチャートである。 図5は、RS振幅の時系列データ、RS振幅の平均化データ、および補間後のRS振幅のデータの例を示す図である。 図6は、RS振幅の時系列データ、およびRS振幅の時系列データを再サンプリングしたデータの例を示す図である。 図7は、RS振幅のスペクトルの例を示す図である。 図8は、本発明の第2の実施例に係る生体信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第2の実施例に係る生体信号処理装置の動作を説明するフローチャートである。 図10は、心電図波形、R−R間隔の時系列データ、R−R間隔の平均化データ、および補間後のR−R間隔のデータの例を示す図である。 図11は、本発明の第2の実施例によるR−R間隔の平均化データ、および補間後のR−R間隔のデータの例を示す図である。 図12は、本発明の第3の実施例に係る生体信号処理装置の動作を説明するフローチャートである。 図13は、RS振幅の時系列データの1階微分値および2階微分値と、変化量低下判定部の判定結果の例を示す図である。 図14は、本発明の第4の実施例においてRS振幅を高速フーリエ変換により周波数解析したスペクトルの例を示す図である。 図15は、本発明の第4の実施例においてRS振幅を最大エントロピー法により周波数解析したスペクトルの例を示す図である。 図16は、本発明の第1〜第5の実施例に係る生体信号処理装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。 図17は、心電図波形、R−R間隔の時系列データおよびRS振幅の時系列データの例を示す図である。 図18は、R−R間隔のスペクトルおよびRS振幅のスペクトルを示す図である。
[第1の実施例]
図1ないし図7を参照して本発明の第1の実施例について説明する。図1の(a)は心電図波形、および心電図波形から抽出したR−R間隔の時系列データの例を示す図であり、図1の(b)は図1の(a)の一部を拡大した図である。図1の(a)、図1の(b)において、100は心電図波形(単位[μV])を示し、101はR−R間隔(単位[ms])を示している。図1の(a)、図1の(b)の横軸は時間である。
心電図波形にはノイズが重畳しているものの、R波に相当する棘波が確認でき、R−R間隔は正しく抽出されている。図1の(a)を拡大した図1の(b)によると、102の部分に見られる心拍では、R波がノイズのピークと重なっており、S波はノイズのスロープにかかっていることが分かる。
図2は、図1の(a)の心電図波形からRS振幅のデータを心拍毎に抽出して時系列にプロットした図である。ここでは、RS振幅は、心拍時刻の±25msの区間での心電図波形の最大値と最小値の差から算出している。103の部分の点はノイズの影響を受けたものであり、不適切な値になっている。
図3は本実施例に係る生体信号処理装置の構成を示すブロック図である。生体信号処理装置は、心電計1が測定した心電図波形から生体信号を抽出する生体信号抽出部2と、生体信号抽出部2で抽出された生体信号の時系列データに対して平均化処理を行う平均化処理部3と、生体信号抽出部2で抽出された生体信号のデータとこのデータよりも前の時刻のデータを用いて算出された平均化データとを比較して、生体信号抽出部2で抽出された生体信号のデータが適切かどうかを判定する異常値判定部4と、異常値判定部4で不適切と判定された生体信号のデータを削除するか、もしくは適切なデータに置き換えて補間する異常値処理部5と、異常値処理部5によって処理された後の生体信号の1階微分値と2階微分値を算出する微分部6と、1階微分値と2階微分値を基に生体信号の変動が低いかどうかを判定する変化量低下判定部7と、異常値処理部5によって処理された生体信号の時系列データをサンプリングするリサンプリング部8と、リサンプリング部8が取得した生体信号の時系列データを周波数解析して生体信号のスペクトルを求める周波数解析部9と、異常値処理部5によって処理された後の生体信号、変化量低下判定部7の判定結果および周波数解析部9の周波数解析結果を表示する表示部10とを備えている。
次に、図4を参照して本実施例の生体信号処理装置の動作を説明する。本実施例では、図2に示したRS振幅の時系列データから不適切なデータを取り除く例について説明する。なお、微分部6と変化量低下判定部7の動作については他の実施例で説明する。
心電計1は、図示しない被験者(生体)の心電図波形を測定する。心電図波形の具体的な測定方法は周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
生体信号抽出部2は、心電計1が測定した心電図波形から生体信号(本実施例ではRS振幅)を抽出する(図4ステップS1)。本実施例の生体信号抽出部2は、上記のとおり、心拍時刻を中心とする所定の区間(ここでは心拍時刻の±25msの区間)での心電図波形の最大値(R波の最大値に相当)と心電図波形の最小値(S波の最小値に相当)との差をRS振幅として心拍毎に抽出する。
なお、心拍時刻を求める方法としては、例えば特開2015−156936号公報に開示された技術を用いることができる。この文献に開示された技術では、R波の代表点とこの点の後に存在するS波の代表点との間で、所定の閾値を跨ぐ心電図波形の2点のサンプリングデータを検出して、この2点のサンプリングデータを結ぶ直線が前記閾値と交わる時刻を心拍時刻として算出する。また、この心拍時刻を、RS振幅のデータの時刻とする。
異常値判定部4は、生体信号抽出部2が抽出した生体信号(RS振幅)のデータと平均化処理部3が直前の時刻までの生体信号(RS振幅)のデータを用いて算出した平均化データとを比較し、生体信号抽出部2が抽出した生体信号のデータが適切かどうかをデータ毎に判定する(図4ステップS2)。
具体的には、異常値判定部4は、ある時刻での生体信号のデータの値X(i)が、直前の時刻までの生体信号の平均化データX´(i−1)を中心とする所定の正常値の範囲内の場合、生体信号のデータX(i)は適切であると判定し、データX(i)が前記正常値の範囲から外れている場合、データX(i)は不適切であると判定する。本実施例では、平均化データX´(i−1)の±30%の範囲を正常値の範囲とする。なお、異常値判定部4は、過去の時刻の生体信号の平均化データX´(i−1)を用いて、生体信号のデータX(i)が適切かどうかを判定するので、生体信号抽出部2が抽出した1個目の生体信号のデータについては判定処理を実施しない。異常値判定部4が判定処理を実施するのは、生体信号抽出部2が抽出した2個目以降の生体信号のデータについてである。
次に、平均化処理部3は、生体信号抽出部2が抽出した生体信号(RS振幅)の時系列データに対して平均化処理を行う(図4ステップS3)。平均化処理部3は、平均化処理前のi番目の生体信号の値をX(i)、i番目までの生体信号を平均化した値をX´(i)としたとき、次式のようにして生体信号の平均化処理を行う。
X´(i)=r×X(i)+(1−r)×X´(i−1) ・・・(1)
式(1)におけるrは予め定められた係数である。係数rの値を小さくするほど、生体信号のデータ列の値の細かな変動が抑えられるものの、一方で生体信号の大まかな変化に追随し難くなるので、このような点を鑑みて、例えばr=0.2などとすると、生体信号の瞬時の変動が抑えられ、適度に平均化された生体信号のデータ列が得られる。
ただし、平均化処理部3は、誤った値が平均化処理に混入することを防ぐために、異常値判定部4が不適切と判定した生体信号(RS振幅)のデータを平均化処理に取り込まないようにする。例えば生体信号のデータX(i)が不適切と判定された場合、データX(i)を使用せずに、直前の時刻までの生体信号の平均化データX´(i−1)をそのまま平均化データX´(i)とすればよい。これにより、平均化データの値の推移をより安定させることができる。
異常値処理部5は、異常値判定部4が不適切と判定した生体信号(RS振幅)のデータを適切なデータに置き換えて補間する(図4ステップS4)。このときの補間の方法としては、不適切と判定された生体信号のデータを、その前後の適切なデータを用いて補間する線形補間がある。また、線形補間に代わってスプライン補間などの補間方法を用いてもよい。
生体信号抽出部2と異常値判定部4と平均化処理部3と異常値処理部5とは、例えば被験者から測定終了の指示があるまで(図4ステップS5においてYES)、ステップS1〜S4の処理を所定の周期毎(例えば心電計1のサンプリング毎)に行う。
表示部10は、異常値処理部5によって処理された生体信号(RS振幅)の時系列データを表示する(図4ステップS6)。
図5はRS振幅の時系列データ、このRS振幅の時系列データを平均化処理部3が平均化したデータ、および異常値処理部5が補間したRS振幅のデータの例を示す図である。図5の○印50は図2と同じRS振幅の時系列データを示し、破線51はこの時系列データを平均化したデータを示し、*印52は補間後のRS振幅のデータを示している。図5によれば、ノイズの影響を受けた不適切なRS振幅のデータを適切に補間できていることが分かる。
なお、平均化処理部3が平均化処理の対象とするのは、生体信号抽出部2が抽出した生体信号のデータであって、異常値処理部5が補間したデータではなく、補間したデータが、その後の平均化処理に組み込まれることはない。補間後のデータを平均化処理に使用しない理由は、補間後のデータは、平均化されたデータに基づいて推定されたものであり、その補間後のデータを、このデータ自身を導くのに用いた値に再び組み込むことは適切ではないからである。
次に、リサンプリング部8は、異常値処理部5によって処理された生体信号(RS振幅)の時系列データを、心電計1のサンプリング周波数よりも遅いサンプリング周波数(例えば1秒間隔)でサンプリングする(図4ステップS7)。
図6はRS振幅の時系列データ、およびRS振幅の時系列データを再サンプリングしたデータの例を示す図である。図6の○印60はRS振幅の時系列データを示し、*印61は異常値処理部5による補間後にリサンプリング部8が再サンプリングしたデータを示している。
周波数解析部9は、リサンプリング部8が取得した生体信号(RS振幅)の時系列データを高速フーリエ変換または最大エントロピー法(MEM)により周波数解析し、生体信号のスペクトルを求める(図4ステップS8)。
表示部10は、周波数解析部9による周波数解析結果のスペクトルを表示する(図4ステップS9)。
図7はMEMにより周波数解析したスペクトルの例を示す図である。図7の実線70はリサンプリング部8が取得したRS振幅の時系列データ(図6の61)をMEMにより周波数解析したスペクトルを示している。ここでは、比較のため、補間処理前のRS振幅の時系列データ(図6の60)をMEMにより周波数解析したスペクトルを破線71で示している。
補間処理前のRS振幅のデータから得られたスペクトルと、不適切なデータを補間した後のRS振幅のデータから得られたスペクトルとでは様相が異なっており、補間処理前のRS振幅のデータから得られたスペクトルには、不適切なデータに起因するスペクトルの成分ないしは分布(図7の72,73,74)が含まれていることが見て取れる。不適切なデータを補間した後のRS振幅のデータから得られたスペクトルの方が、生体の状態を正しく反映した結果を示していると考えられる。
以上のように、本実施例では、RS振幅などの生体信号に混入したノイズ成分を適切に除去することができ、生体信号の解析の精度を向上させることができる。
なお、本実施例では、異常値判定部4が不適切と判定した生体信号のデータをもっともらしいデータに置き換えて補間しているが、これに限るものではなく、異常値処理部5は、異常値判定部4が不適切と判定した生体信号のデータを削除(データ欠損)してもよい。
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図8は本実施例に係る生体信号処理装置の構成を示すブロック図である。本実施例の生体信号処理装置は、生体信号抽出部2と、平均化処理部3aと、異常値判定部4と、異常値処理部5と、微分部6と、変化量低下判定部7と、リサンプリング部8と、周波数解析部9と、表示部10とを備えている。本実施例では、R−R間隔の時系列データから不適切なデータを取り除く例について説明する。
次に、図9を参照して本実施例の生体信号処理装置の動作を説明する。生体信号抽出部2は、心電計1が測定した心電図波形から生体信号(本実施例ではR−R間隔)を抽出する(図9ステップS10)。R−R間隔を求める方法としては、例えば文献「“ECG Implementation on the TMS320C5515 DSP Medical Development Kit (MDK) with the ADS1298 ECG-FE”,Texas Instruments Incorporated,<http://www.ti.com/lit/an/sprabj1/sprabj1.pdf>,2011」に開示された技術を用いることができる。この文献に開示された技術では、心電図波形を時間差分した値の変化を基にR−R間隔を求めている。あるいは特開2015−156936号公報に開示された技術等を用いて心拍時刻を求め、心拍時刻の間隔をR−R間隔としてもよい。
異常値判定部4は、生体信号抽出部2が抽出した生体信号(R−R間隔)のデータと平均化処理部3aが直前の時刻までの生体信号(R−R間隔)のデータを用いて算出した平均化データとを比較し、生体信号抽出部2が抽出した生体信号のデータが適切かどうかをデータ毎に判定する(図9ステップS11)。
本実施例の異常値判定部4は、ある時刻での生体信号のデータの値X(i)が、直前の時刻までの生体信号の平均化データX´(i−1)の所定数倍(本実施例では1.35倍)の値を超える場合、データX(i)は不適切であると判定し、データX(i)が平均化データX´(i−1)の所定数倍以下の値である場合、データX(i)は適切であると判定する。すなわち、本実施例では、平均化データX´(i−1)の所定数倍以下の範囲が正常値の範囲となる。第1の実施例で説明したとおり、異常値判定部4が判定処理を実施するのは、生体信号抽出部2が抽出した2個目以降の生体信号のデータについてである。
次に、平均化処理部3aは、生体信号抽出部2が抽出した生体信号(R−R間隔)の時系列データに対して平均化処理を行う(図9ステップS12,S13)。本実施例の平均化処理については後述する。
異常値処理部5は、異常値判定部4が不適切と判定した生体信号(R−R間隔)のデータを適切なデータに置き換えて補間する(図9ステップS14)。まず、異常値処理部5は、異常値判定部4が生体信号(R−R間隔)に不適切なデータが生じていると判定した場合、不適切なデータが生じた時刻とその直前の時刻との間に挿入すべきデータの個数(心拍数に相当)を推定する。具体的には、異常値処理部5は、生体信号(R−R間隔)に不適切なデータが生じた時刻t2とその直前のデータの時刻t1との時間間隔(t2―t1)を、時刻t1までのR−R間隔の平均化データの値で除することによって、時刻t2と時刻t1との間に挿入するデータの個数Nを決める。
そして、異常値処理部5は、決定したデータの個数Nで時刻t2と時刻t1との時間間隔(t2―t1)を等分した値を、時刻t2と時刻t1との間に挿入するR−R間隔のもっともらしい値として算出する。こうして、異常値処理部5は、R−R間隔に不適切なデータが生じた時刻t2とその直前の時刻t1との間に、個数NだけR−R間隔のもっともらしい値を挿入することによりR−R間隔を補間することができる。
図10の(a)は心電図波形、および心電図波形から抽出したR−R間隔の時系列データの例を示す図である。図10の(a)において、80は心電図波形(単位[μV])を示し、81はR−R間隔(単位[ms])を示している。この図10の(a)に示した例では、16時31分40秒付近の時刻で、生体の呼吸運動に由来してR−R間隔が大きく揺らいでいる。
図10の(b)は図10の(a)に示したR−R間隔の時系列データを平均化したデータ、および異常値処理部5が補間したデータの例を示す図である。図10の(b)の破線82はR−R間隔の時系列データを第1の実施例で説明した手法で平均化したデータを示し、*印83は補間後のデータを示している。
図10の(b)の例では、R−R間隔を平均化した値を求める際に、R−R間隔そのものの値を用い平均化している。また、誤った値が平均化に混入することを防ぐために、それまでの平均化した値に比べ一定の割合(この例では±30%超)離れた値の場合には平均化に取り込まないこととしている。しかしそのため、本来の生体の状態に由来した揺らぎを示しているR−R間隔の値を不適切な値と見なして平均化に取り込まず、過去の値に固執する形となってしまい、それに基づいて無用な補間を続けるといった、誤った結果を招いていることが分かる。
そこで、本実施例の平均化処理部3aは、生体信号抽出部2が抽出した生体信号(R−R間隔)の平均化処理に際して、R−R間隔の逆数に基づく値に対して平均化処理を行い、この平均化処理で求めた値の逆数からR−R間隔の平均化データを算出することを、個々のデータ毎に行う。具体的には、R−R間隔の逆数に基づく値(以下、処理対象データCと呼ぶ)として、C=60000/R−R間隔=心拍数を用いる。i番目の処理対象データをC(i)、i−1番目までの処理対象データを平均化した値をC´(i−1)、所定の係数をrとすれば、i番目までの処理対象データを平均化した値C´(i)は、式(1)と同様の次式によって求めることができる。
C´(i)=r×C(i)+(1−r)×C´(i−1) ・・・(2)
平均化処理部3aの逆数平均化処理部30は、式(2)によりC´(i)を算出する(図9ステップS12)。そして、平均化処理部3aの平均化データ算出部31は、R−R間隔=60000/C´(i)により、R−R間隔の平均化データを算出すればよい(図9ステップS13)。
ただし、平均化処理部3aは、誤った値が平均化処理に混入することを防ぐために、ある時刻での処理対象データC(i)が、直前の時刻までの処理対象データを平均化した値C´(i−1)を中心とする所定の正常値範囲から外れている場合、処理対象データC(i)を不適切であると判定して、平均化処理に取り込まないようにする。例えば処理対象データC(i)が不適切と判定した場合、直前の時刻までの処理対象データを平均化した値C´(i−1)をそのままC´(i)とすればよい。ここでは、平均化データC´(i−1)の±30%の範囲を正常値範囲とする。
図9のステップS14,S15,S16,S17,S18,S19の処理は、それぞれ図4のステップS4,S5,S6,S7,S8,S9と同様であるので、説明は省略する。
図11は図10の(a)に示したR−R間隔の時系列データを本実施例の手法で平均化したデータ、および異常値処理部5が補間したデータの例を示す図である。図11の○印および*印91はR−R間隔の時系列データおよび補間後のR−R間隔のデータを示し、破線92はR−R間隔の平均化データを示している。
最も変動が急な部分のR−R間隔の変動域がおよそ650ms→900ms(変動量42%)であるのに対し、R−R間隔の逆数に比例する心拍数の変動域はおよそ92bpm→67bpm(変動量27%)となる。したがって、本実施例の手法によれば、R−R間隔が揺らいでいる箇所でも、それらの揺らぎは平均化に取り込まれており、補間処理したR−R間隔のデータが補間処理前のR−R間隔のデータから逸脱することがない。つまり、心拍数を用いることにより、変動のスケールが抑えられるので、平均化処理が安定化され、生体信号のデータ列に対する処理が正しく行なわれている。
生体信号のデータの値が変動する場合、ある数値域においては、データの値そのものよりも、データの値の逆数に基づく値に対して平均化処理を行うことで、平均化データの変動幅を抑えることができ、平均化処理を安定化することができる。本実施例によれば、生体信号の時系列データにおいて、ノイズ等に起因する不適切なデータを取り除いて、もっともらしく修復することができ、それにより生体の状態のより正確な分析に結び付けることができる。
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例においても、生体信号処理装置の構成は第1の実施例と同様であるので、図3の符号を用いて説明する。本実施例は、図3の生体信号処理装置の微分部6と変化量低下判定部7の動作を説明するものである。
図12を参照して本実施例の生体信号処理装置の動作を説明する。図12のステップS1〜S6の処理は第1の実施例で説明したとおりである。
次に、微分部6は、異常値処理部5によって処理された生体信号(RS振幅)の1階微分値と2階微分値を算出する(図12ステップS20)。
ある時刻tkにおける生体信号(RS振幅)の補間された値をf(tk)とすると、1階微分値f’(tk)は式(3)のように表すことができる。
f’(tk)={f(tk+1)−f(tk)}/(tk+1−tk)・・・(3)
また、2階微分値f”(tk)は式(4)のように表すことができる。
f”(tk)={f(tk+1)−2f(tk)+f(tk-1)}/(tk+1−tk2
・・・(4)
RS振幅の変化は呼吸運動に起因するため、息を止めているときなど、呼吸運動が停止している際は、1階微分値と2階微分値が共に0近傍の値をとる。そこで、変化量低下判定部7は、微分部6が算出した1階微分値と2階微分値が共に0を中心とする所定の範囲内の状態が所定時間以上継続した場合に、生体信号の変動が低い(呼吸運動が停止している)と判定し、1階微分値と2階微分値のうち少なくとも一方が0を中心とする所定の範囲から外れているか、あるいは1階微分値と2階微分値が共に所定の範囲内の状態の継続時間が所定時間未満の場合に、生体信号の変動が正常(呼吸運動が経時変化している)と判定する(図12ステップS21)。
表示部10は、変化量低下判定部7の判定結果を表示する(図12ステップS22)。これにより、生体信号の変動が低いことを警告することが可能になる。警告の方法としては、通知手段となる表示部10に警告メッセージを表示させてもよいし、LED等の発光器からなる通知手段を別に設けて点滅させてもよいし、スピーカ等の通知手段を別に設けて音声で警告を発するようにしてもよい。
図13は、図5に示したRS振幅の時系列データの1階微分値および2階微分値と、変化量低下判定部7の判定結果の例を示す図である。図13の□印110は1階微分値を示し、△印111は2階微分値を示し、実線112は変化量低下判定部7の判定結果を示している。
この図13の例では、1階微分値と2階微分値が共に±80[μV]の範囲内の状態が3秒以上継続した場合に、生体信号の変動が低いとして判定結果を“1”とし、1階微分値と2階微分値のうち少なくとも一方が±80[μV]の範囲から外れているか、あるいは1階微分値と2階微分値が共に±80[μV]の範囲内の状態の継続時間が3秒未満の場合に、生体信号の変動が正常として判定結果を“0”としている。
こうして、本実施例では、呼吸運動が経時変化しているのか、停止しているのかを判定することができ、生体の呼吸運動を監視することができる。
なお、本実施例では、図3に示した生体信号処理装置の微分部6と変化量低下判定部7の動作について説明しているが、図8に示した第2の実施例においても同様の動作を実現することができる。
[第4の実施例]
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例においても、生体信号処理装置の構成および処理の流れは第1の実施例と同様であるので、図3、図4の符号を用いて説明する。本実施例では、RS振幅の時系列データを周波数解析する例について説明する。
第1の実施例で説明したとおり、生体信号処理装置の周波数解析部9は、リサンプリング部8が取得した生体信号(RS振幅)の時系列データを周波数解析して生体信号のスペクトルを求め(図4ステップS8)、表示部10は、このスペクトルを表示する(図4ステップS9)。
図14はRS振幅を高速フーリエ変換により周波数解析したスペクトルの例を示す図である。横軸は周波数、縦軸は最大ピーク値が1となるように規格化されたスペクトルエネルギー密度である。このように、周波数分布を得たことにより、計測されたRS振幅は、どの周波数帯域の成分により構成されているのか把握可能となり、呼吸運動のより特徴的な知見を得ることができる。
図14の例では、0.2秒おきにサンプリングされたRS振幅の時系列データを32個すなわち、計6.2秒間のデータからフーリエ変換の計算を行っている。高速フーリエ変換における周波数分解能は、次の式(5)で規定されるため、横軸のプロット間隔はおよそ0.16Hzである(文献「三上直樹,“はじめて学ぶディジタル・フィルタと高速フーリエ変換”,CQ出版,p.135−137,2005年」参照)。
df=1/T(=1/6.4=1/(0.2×32)≒0.16) ・・・(5)
式(5)が意味するところは、周波数分解能は計測時間によって一意に定まるということである。周波数分解能を0.16Hzよりも高くしたい場合には、リサンプリング部8のサンプリングレートが固定されている状況においては、計測時間を長くするより他ない。
図15は、図14の場合と同じRS振幅のデータを用いて最大エントロピー法により周波数解析したスペクトルの例を示す図である。最大エントロピー法は高速フーリエ変換とは異なり、周波数分解能は計測時間に無関係であるため、計測時間を長くせずとも高い周波数分解能が得られる。
平時の呼吸の周期は3〜4秒であり、高速フーリエ変換で周波数分解能を高めようとして計測時間を長くすると複数周期分のデータを含むこととなり、得られる周波数分布はそれらの統計量となってしまい、単回の呼吸活動の情報が埋もれてしまう。しかし、最大エントロピー法を用いれば高い分解能を短い計測時間で得られるため、統計量ではない単回の呼吸についての周波数情報を得ることができる。
図15においては、図14に比べて周波数分解能が高まったために、呼吸周波数のピークが0.35Hzにあることが明瞭に観測でき、かつ、図14では確認できない0.23Hzのピークも検出できている。
最大エントロピー法による周波数の計算は、以下の方法により行う(文献「南茂夫,“科学計測のための波形データ処理”,CQ出版,p.173−174,1986年」参照)。最大エントロピー法には、Burg法とYule−Walker方があるが、ここではBurg法を例にとる。
求めたいスペクトルエネルギー密度S(ω)は次の式で与えられる。
Figure 2017135116
Δtはサンプリングレートであり、図15の例では0.2秒である。ωは角周波数であり、周波数fとω=2πfの関係をもつ。
スペクトルエネルギー密度S(ω)を求めるためには、自己回帰モデルの係数ami、予測誤差の分散Pm、および用いるモデル次数mが分かればよい。モデル次数mは任意の整数をとるが、ここでは最大モデル次数を16以上の値(文献「井上博,“循環器疾患と自律神経機能”,医学書院,p.85−86,2010年」参照)から20を選択し、次数mは1から20をとるものとする。
自己回帰モデルの係数amiを求めるためには、まず式(7)〜式(9)からammを求めておく必要がある。
Figure 2017135116
式(7)におけるNはRS振幅のデータの個数であり、ここでは32である。また、式(7)〜式(9)中の係数bmi,b’miの初期値は次式のようになる。xiはN個のデータのうちのi番目のデータを現す。
Figure 2017135116
求めたammから式(13)、式(14)の漸化関係式を用いて、自己回帰モデルの係数amiと予測誤差の分散Pmを求める。
Figure 2017135116
式(14)で用いるP0は、RS振幅のデータの平均値をxaveとすると式(15)で求められる。
Figure 2017135116
次に、式(6)に代入すべき係数amiを決定するための統計量Qmを計算する。
Figure 2017135116
式(16)を用いて統計量QmをQ1からQ20まで計算し、それらのうち最小のQmを与えるmが、式(6)で使用するモデル次数mである。計算はm=1から1ずつ増加させてQ20まで計算する途中において統計量Qmの極小値が最初に出現した段階で計算を打ち切り、Qmが極小値となったときのmを式(6)のモデル次数mとして使用してもよい。仮にQ20まで計算しても統計量の極小値が現れなかった場合には、次数の候補の最大値(この場合は20)を使用する。
以上により、自己回帰モデルの係数ami、予測誤差の分散Pmおよびモデル次数mが入手できたので、式(6)により、周波数分布を求めることができる。図15では、周波数分解能をΔf=0.001とした。すなわち、角周波数ωを0から0.00628ずつ増加させて、3.14まで計算した。高速フーリエ変換の際のΔf=0.16と比べて高い分解能を得ることができた。
[第5の実施例]
第1〜第4の実施例では、判定の対象となる生体信号のデータX(i)が、このデータX(i)よりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出された平均化データX´(i−1)に基づく所定の正常値の範囲外の場合に、判定の対象となる生体信号のデータX(i)を不適切と判定していたが、判定処理は上記の例に限るものではない。例えば、平均化データX´(i−1)±α(αは規定値)の範囲を正常値の範囲としてもよい。
また、第1〜第4の実施例の異常値判定部4は、判定の対象となる生体信号のデータX(i)とこのデータよりも過去の時刻の生体信号のデータ(直前の時刻までの生体信号のデータ)とを用いて算出した平均化データから得られる分散σ2を算出してもよい。そして、異常値判定部4は、この分散σ2が、過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出した平均化データから得られる分散σp 2に基づく所定の正常値の範囲外の場合に、生体信号のデータX(i)を不適切と判定するようにしてもよい。例えば2σp 2以下の範囲を正常値の範囲とし、分散σ2が2σp 2を上回る場合に、生体信号のデータX(i)を不適切と判定すればよい。
[第6の実施例]
第1〜第5の実施例で説明した生体信号処理装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインターフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図16に示す。コンピュータは、CPU40と、記憶装置41と、インターフェース装置(以下、I/Fと略する)42とを備えている。I/F42には、心電計1などが接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明の生体信号処理方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供され、記憶装置41に格納される。CPU40は、記憶装置41に記憶されたプログラムに従って第1〜第5の実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、心電図波形から得られる生体信号を解析する技術に適用することができる。
1…心電計、2…生体信号抽出部、3,3a…平均化処理部、4…異常値判定部、5…異常値処理部、6…微分部、7…変化量低下判定部、8…リサンプリング部、9…周波数解析部、10…表示部、30…逆数平均化処理部、31…平均化データ算出部。

Claims (9)

  1. 生体の心電図波形から生体信号を抽出する第1のステップと、
    この第1のステップで抽出した生体信号の時系列データを用いて平均化データを算出する第2のステップと、
    前記第1のステップで抽出した生体信号のデータが適切かどうかを、このデータよりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出した前記平均化データに基づいてデータ毎に判定する第3のステップと、
    この第3のステップで不適切と判定した生体信号のデータの削除および補間のいずれかを行う第4のステップとを含むことを特徴とする生体信号処理方法。
  2. 請求項1記載の生体信号処理方法において、
    前記第2のステップは、
    前記第1のステップで抽出した生体信号の時系列データのそれぞれの値の逆数に基づく値に対して平均化処理を行う第5のステップと、
    この第5のステップの平均化処理で求めた値の逆数から前記平均化データを算出する第6のステップとを含むことを特徴とする生体信号処理方法。
  3. 請求項1または2記載の生体信号処理方法において、
    前記第3のステップは、
    前記判定の対象となる生体信号のデータが、このデータよりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出した前記平均化データに基づく所定の正常値の範囲外の場合に、前記判定の対象となる生体信号のデータを不適切と判定するか、もしくは前記判定の対象となる生体信号のデータとこのデータよりも過去の時刻の生体信号のデータとを用いて算出した前記平均化データから得られる分散が、前記過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出した前記平均化データから得られる分散に基づく所定の正常値の範囲外の場合に、前記判定の対象となる生体信号のデータを不適切と判定するステップを含むことを特徴とする生体信号処理方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体信号処理方法において、
    前記第2のステップは、前記第1のステップで抽出した生体信号のデータの平均化処理に際して、このデータよりも過去の時刻のデータを用いて算出した前記平均化データの値を中心とする所定の範囲から外れている生体信号のデータ、および前記第4のステップで補間した生体信号のデータを、前記平均化データの算出に使用しないことを特徴とする生体信号処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生体信号処理方法において、
    前記生体信号は、R波と1つ前のR波の時間間隔であるR−R間隔、およびR波のピーク値からS波のピーク値までのRS振幅のいずれかであることを特徴とする生体信号処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体信号処理方法において、
    前記第4のステップで処理した後の生体信号の1階微分値と2階微分値とを算出する第7のステップと、
    前記1階微分値と前記2階微分値とが共に0を中心とする所定の範囲内の状態が所定時間以上継続した場合に、生体信号の変動が低いことを警告する第8のステップとをさらに含むことを特徴とする生体信号処理方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の生体信号処理方法において、
    前記第4のステップで処理した後の生体信号を高速フーリエ変換および最大エントロピー法のいずれかにより周波数解析して、生体信号のスペクトルを求める第9のステップをさらに含むことを特徴とする生体信号処理方法。
  8. 生体の心電図波形から生体信号を抽出するように構成された生体信号抽出部と、
    この生体信号抽出部で抽出された生体信号の時系列データを用いて平均化データを算出するように構成された平均化処理部と、
    前記生体信号抽出部で抽出された生体信号のデータが適切かどうかを、このデータよりも過去の時刻の生体信号のデータを用いて算出された前記平均化データに基づいてデータ毎に判定するように構成された異常値判定部と、
    この異常値判定部で不適切と判定された生体信号のデータの削除および補間のいずれかを行うように構成された異常値処理部とを備えることを特徴とする生体信号処理装置。
  9. 請求項8記載の生体信号処理装置において、
    前記平均化処理部は、
    前記生体信号抽出部で抽出された生体信号の時系列データのそれぞれの値の逆数に基づく値に対して平均化処理を行うように構成された逆数平均化処理部と、
    この逆数平均化処理部の平均化処理で求めた値の逆数から前記平均化データを算出するように構成された平均化データ算出部とから構成されることを特徴とする生体信号処理装置。
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