JPWO2017126153A1 - 光学式指紋認証装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、薄型で簡易な構成で、目的に応じて様々な形状の有機エレクトロルミネッセンス素子を照明光源として有する経済性に優れた光学式指紋認証装置を提供することである。
本発明の光学式指紋認証装置は、少なくとも光源とイメージセンサーを有し、拡散光を当該イメージセンサーにより検出する光学式指紋認証装置であって、光源として、有機エレクトロルミネッセンスパネルを有し、当該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、有機エレクトロルミネッセンス素子により構成される発光部領域と、光透過性の非発光部より構成され、前記イメージセンサーは、少なくとも有機光電変換層を有し、前記イメージセンサーは、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部又は前記非発光部に隣接して配置されている指紋情報読み取り部を具備していることを特徴とする光学式指紋認証装置。

Description

本発明は、指紋を利用して光学方式により個人認証を行う光学式指紋認証装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、照明用の光源として有機エレクトロルミネッセンス素子を用い、検出用のイメージセンサーとして光電変換方式を用いた指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置に関する。
近年、銀行のATM(Automated Teller Machine、現金自動支払機)、携帯電話機、PDA(Personal Data Assistant,携帯情報端末)、パーソナルコンピュータ等において、使用者を特定する方法の一つとして、使用者の指紋、静脈、声紋、虹彩等の生体パターンを用いた個人認証の必要性が増大している。その中でも指紋は最も歴史が古く実績のある生体認証方法である。古くから全反射プリズムを用いた指紋入力装置が実用化されているが、小型化が難しいためノートパソコンやPDA、携帯電話機などの携帯端末には不向きであった。そのため薄型化、小型化の進んだ様々な指紋入力装置が開示されている。
例えば、特許3684233号公報には、配線基板上の固体撮像素子の横に照明用光源として発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、LEDと略記する。)を配置し、当該照明用のLEDから出た光が指内部に入り、散乱光が指紋を通過して固体撮像素子に入り、指紋パターンを認識する方法が開示されている。
また、特開2005−18595号公報には、固体撮像素子の横に照明用LEDが配置され、当該照明用LEDから出た光が保護部材を通過して指内部に入り、散乱光が指紋、保護部材を通過して固体撮像素子に入り、指紋パターンを認識する方法が開示されている。
また、特開2003−233805号公報や特開2005−38406号公報には、回路基板上にイメージセンサー(固体撮像素子)、保護部材を積層し、保護部材表面に指を密着させる方法で、回路基板上であって光センサーの横に照明用LEDが配置され、その光を、ライトガイドを通して指に当てる方法が開示されている。
また、特許文献1には、照明用光源としてLEDを使用し、指と撮像素子の相対位置を移動させながら、指内部の散乱光により生じる指紋パターンを撮像素子で撮影する指紋入力装置が開示されている。
また、特許文献2には、LEDからの光を指面に照射し、指面からの反射光を撮像素子で受光する光学式指紋入力装置で、特定の構造を有する撮像チップを具備している構成が提案されている。
しかしながら、上記で提案されている各指紋認証装置においては、照明用の光源としてLEDを使用しているため、照明部としては、導光板の組み入れ等が必要となり、その結果、厚い構成となるため、装置の薄型化という観点からは、大きな障害となっていた。また、LEDを用いた指紋認証装置は、製造工程が複雑であり、コスト上昇の要因となっていた。加えて、LEDは、その構造に起因し、円形や楕円状といった曲面を有する形状への加工が難しいという問題を抱えている。
特開2007−328511号公報 特開2005−118289号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、照明光源として有機エレクトロルミネッセンスパネルと、イメージセンサーとして少なくとも有機光電変換層を有する光電変換方式のイメージセンサーを具備し、薄型で簡易な構成で、目的に応じて様々な形状の有機エレクトロルミネッセンス素子を照明光源として有し、低コストで作製が可能な光学式指紋認証装置を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、少なくとも光源とイメージセンサーを有し、当該光源として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう。)を有する有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、有機ELパネルともいう。)を適用し、イメージセンサーとして少なくとも有機光電変換層を有する構成の指紋情報読み取り部を具備している光学式指紋認証装置により、薄型で簡易な構成で、目的に応じて様々な形状の有機エレクトロルミネッセンス素子を照明光源として有し、低コストで作製が可能な光学式指紋認証装置を実現することができることを見出した。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.少なくとも光源とイメージセンサーを有し、拡散光を当該イメージセンサーにより検出する光学式指紋認証装置であって、
前記光源として、有機エレクトロルミネッセンスパネルを有し、
当該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、有機エレクトロルミネッセンス素子により構成される発光部領域と、光透過性の非発光部より構成され、
前記イメージセンサーが、少なくとも有機光電変換層を有し、かつ
前記イメージセンサーが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部又は前記非発光部に隣接して配置されている指紋情報読み取り部を具備している
ことを特徴とする光学式指紋認証装置。
2.前記イメージセンサーは、少なくとも対向電極、有機光電変換層、画素電極及び薄膜トランジスターにより構成されていることを特徴とする第1項に記載の光学式指紋認証装置。
3.前記イメージセンサーが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの発光面とは反対の面側に、独立して設置されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載の光学式指紋認証装置。
4.前記イメージセンサーが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの発光面側に、独立して設置されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載の光学式指紋認証装置。
5.前記イメージセンサーを構成する対向電極、有機光電変換層及び画素電極の少なくとも一つが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部に形成されていることを特徴とする第2項から第4項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
6.前記イメージセンサーを構成する対向電極、有機光電変換層及び画素電極の全てが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部で、有機エレクトロルミネッセンス素子と同一平面上に形成されていることを特徴とする第2項から第4項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
7.前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、一対の対向する電極間に有機機能層ユニットを有し、前記電極の一方が光透過性の電極であり、他方が非光透過性の電極であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
8.前記光透過性の電極が、酸化物半導体又は薄膜の金属若しくは合金で構成されていることを特徴とする第7項に記載の光学式指紋認証装置。
9.前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、外周部領域に、連続した構成の有機エレクトロルミネッセンス素子が配置され、中央部が前記光透過性の非発光部であることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
10.前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、ストライプ状に並列配置された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を有し、かつ前記ストライプ状の有機エレクトロルミネッセンス素子の間に、前記光透過性の非発光部を有していることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
11.前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、外周部領域に、独立した複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を有し、中央部に前記光透過性の非発光部を有することを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
12.前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、可視光領域の波長の光を発光することを特徴とする第1項から第11項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
13.前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、赤外領域の波長の光を発光することを特徴とする第1項から第11項までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
本発明によれば、薄型で簡易な構成で、目的に応じて様々な形状の有機エレクトロルミネッセンス素子を照明光源として有し、低コストで作製が可能な光学式指紋認証装置を提供することができる。
本発明で規定する構成からなる光学式指紋認証装置の技術的特徴とその効果の発現機構は、以下のように推察される。
従来の光学式指紋認証装置においては、前述のように光照射光源としては、LEDが広く使用されてきたが、LEDは光源寿命という点では利点を有しているが、その発光原理から、構造として厚くなること、あるいは、様々な形状への加工が極めて困難であるという問題を抱えていた。
本発明者は、この様の問題を解決する方法として、光源に有機EL素子を具備している有機エレクトロルミネッセンスパネルと適用することにより、上記課題を解決することができることを見いだしたものである。
すなわち、有機EL素子の薄膜発光素子としての特徴を生かすとともに、その形成方法(例えば、化学蒸着法や湿式塗布方式)により、任意の発光パターンを有する有機EL素子の形成を行うことができ、光学式指紋認証装置に要求される様々な形状の検出エリアを有する指紋情報読み取り部を設計することができ、様々なニーズの指紋認証装置に対応することが可能となった。また、様々な形状で、かつ均一な光照射光源を実現することで、指紋認証装置の認識率の向上が可能となる。
加えて、認証の対象である指の指紋部からの拡散光を検知するイメージセンサーとして、少なくとも有機光電変換層を有するイメージセンサーを用いること、更に詳しくは、対向電極、有機光電変換層、画素電極及び薄膜トランジスターにより構成されている光電変換方式のイメージセンサーを適用することにより、指紋部からの拡散光に対し優れた光電変換効率を発現するとともに、指紋情報読み取り部を形成する際に、有機EL素子を構成している陽極とイメージセンサーの対向電極、有機EL素子を構成している陰極とイメージセンサーの対向電極、あるいは有機EL素子を構成している有機機能層ユニットとイメージセンサーの有機光電変換層を、それぞれ同一の構成材料で形成することが可能であり、製造時の工程の簡略化、材料の共有化、一つの工程での同時形成が可能となり、製造コストの低減を実現することができる。
本発明の光学式指紋認証装置を構成する指紋情報読み取り部の全体構成の一例を示す概略図 本発明の光学式指紋認証装置を構成する指紋情報読み取り部の全体構成の他の一例を示す概略図 本発明に適用可能な有機EL素子の構成の一例を示す概略断面図 本発明に適用可能なイメージセンサーの構成の一例を示す概略断面図 本発明に適用可能な上面発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の一例を示す概略断面図(実施形態1) 本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態2) 本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態3) 本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態4) 本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態5) 本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の一例を示す概略断面図(実施形態6) 本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態7) 本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態8) 本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態9) 本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態10) ドーナツ状の有機EL素子を具備した有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態11) ドーナツ状の有機EL素子を具備した有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の他の構成の一例を示す概略構成図(実施形態12) 長方形型の有機EL素子を具備した有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態13) 短冊状の有機EL素子を4辺に配置した有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態14) 中心に長方形の非発光部を設けた円形の有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態15) 複数の短冊状の有機EL素子をストライプ状に並列配置した有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態16) 外周部に複数の有機EL素子を離間して配置した有機ELパネルを有する光学指紋情報読み取り部を具備した式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態17) イメージセンサーにおける画素電極の配列パターンの一例を示す模式図
本発明の光学式指紋認証装置は、少なくとも光源とイメージセンサーを有し、拡散光を当該イメージセンサーにより検出する光学式指紋認証装置であって、前記光源として、有機エレクトロルミネッセンスパネルを有し、当該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、有機エレクトロルミネッセンス素子により構成される発光部領域と、光透過性の非発光部より構成され、前記イメージセンサーは、少なくとも有機光電変換層を有し、前記イメージセンサーは、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部又は前記非発光部に隣接して配置されている指紋情報読み取り部を具備していることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施形態としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、イメージセンサーとして、少なくとも対向電極、有機光電変換層、画素電極及び薄膜トランジスターにより構成することが、光電変換効率に優れたイメージセンサーを実現することができる点で好ましい。
また、イメージセンサーが、有機ELパネルの発光面側、あるいは発光面とは反対側に配置されている構成であることが、様々な用途に応じた発光方式に対応させることができ、適用できる選択肢の幅が広がる観点から好ましい態様である。
また、イメージセンサーを構成する対向電極、有機光電変換層及び画素電極の少なくとも一つが、有機ELパネルの非発光部で、有機EL素子と同一平面上に形成されていること、あるいは、対向電極、有機光電変換層及び画素電極の全てが有機EL素子と同一平面上に形成されている構成とすることが、様々な用途に応じた発光方式に対応させることができ、適用できる選択肢の幅が広がるとともに、有機EL素子の陽極、有機機能層、陰極の形成材料と、対向電極、有機光電変換層、画素電極の形成材料を共通化することができ、作製における製造コストの低減及び製造工程の簡略化等を達成することができる点で好ましい。
また、有機EL素子が、一対の対向する電極間に有機機能層ユニットを有し、前記電極の一方が光透過性の電極であり、他方が非光透過性の電極とする構成が、効率よく照射光を指紋検出部に照射することができ、かつイメージセンサーの受光感度を高めることができる観点から好ましい。
また、有機EL素子を構成する透明電極としては、酸化物半導体又は薄膜の金属若しくは合金で構成することが、高い光透過性と導電性に優れた電極を得ることができる点で好ましい。
また、光透過性の非発光部に光透過性の電極を形成すること、あるいは光透過性の電極及び有機機能層ユニットを有する構成とすることが、光学式指紋認証装置の製造方法をより簡便にできる観点から好ましい。
また、本発明の光学式指紋認証装置を構成する有機ELパネルにおける有機EL素子の配置パターンとしては、外周部領域に連続した構成の有機EL素子を配置し、中央部に光透過性の非発光部を形成する方法、あるいは、複数のストライプ状の有機EL素子を並列配置し、有機EL素子間に光透過性の非発光部を形成する方法、外周部領域に、独立した複数の有機EL素子を配置し、中央部に非発光部を形成する方法等が、効率的に指紋認証に必要な光学情報を得ることができる観点から好ましい形態である。
また、有機エレクトロルミネッセンスパネルが可視光領域の波長の光を発光すること、あるいは、赤外領域の波長の光を発光する仕様であることが、使用用途を拡大することができる観点から好ましい。
以下の説明において、本発明でいう「有機ELパネル」とは、同一平面上に、有機EL素子により形成される発光部と、光透過性の非発光部より構成されているものをいう。
本発明でいう「有機EL素子」とは、指紋認証するため、検体面(具体的には、指紋面)に光照射する面光源であり、主には透明基材上に、対向する一対の光透過性を有する電極(陽極及び陰極)、あるいは光透過性の電極と非光透過性の電極から構成される電極対と、当該一対の電極間に、主に電子又は正孔の輸送を制御するキャリア輸送機能層と発光層により構成される有機機能層ユニットを有し、更にその上部に封止部材を設けた構成をいう。ただし、説明の都合で、封止部材の記載や説明を省略する場合がある。また、以下の説明においては、有機EL素子の発光を制御する制御回路や配線の記載や説明は省略する。
本発明でいう「有機機能層ユニット」とは、後述の図2で説明するが、一例としては、基材上に、第1のキャリア輸送機能層群1(例えば、正孔注入層、正孔輸送層等)と、リン光性化合物等を含有する発光層と、第2のキャリア輸送機能層群2(例えば、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)が積層配置されている構成をいう。
本発明でいう「発光エリア」とは、層厚方向で、陽極、有機機能層ユニット及び陰極の全てが存在している領域をいう。
本発明でいう「陽極」とは、電圧として(+)を印加する電極であり、「アノード」あるいは「第1の電極」という場合がある。また、「陰極」とは、電圧として(−)を印加する電極であり、「カソード」または「第2の電極」という場合がある。
また、本発明でいう「イメージセンサー」とは、指紋部からの拡散光を検知する機能を有する光電変換方式のイメージセンサーをいい、主には、対向電極、有機光電変換層、画素電極及び薄膜トランジスター(略称:TFT)により構成されているものをいう。
また、本発明でいう光電変換素子(略称:PED、Photo electronic device)とは、主には対向電極、有機光電変換層及び画素電極により構成されているものをいう。
また、本発明でいう「光透過性」とは、波長550nmにおける光透過率が60%以上であることをいい、好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。また、「非光透過性」とは、波長550nmにおける光透過率が40%以下であることをいい、好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは20%以下である。
以下、本発明の構成要素、及び本発明を実施するための形態について、図を交えて詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。なお、各図の説明において、構成要素の末尾に括弧内で記載した数字は、各図における符号を表す。
《光学式指紋認証装置の基本構成》
本発明の光学式指紋認証装置は、主に光源とイメージセンサーを有し、光源として、有機EL素子により構成される発光部領域と、光透過性の非発光部により構成される有機ELパネルを有し、前記非発光部内部又は前記非発光部に隣接している位置に光電変換方式のイメージセンサーが配置されている構成の指紋情報読み取り部を具備していることを特徴とする。
図1A及び図1Bは、本発明の光学式指紋認証装置を構成する指紋読み取り部の全体構成の一例を示す概略図である。
図1Aは、指紋情報読み取り部として、有機ELパネル(P)の光透過性の非発光部(12)で、有機EL素子と同一平面上にイメージセンサー(S)である光電変換素子(PED)を配置した一例を示してある。
図1Aにおいて、光学式指紋認証装置の指紋情報読み取り部(100)は、有機EL素子(OLED)と光透過性の非発光部(12)より構成される有機ELパネル(P)と、当該光透過性の非発光部(12)の内部に、イメージセンサー(S)の構成部材である光電変換素子(PED)が配置されている。更にその下部には、基材とTFTにより構成されているTFTユニット(53)が配置され、イメージセンサー(S)を構成している。11は、指触する指(F)面を保持するためのガラス基板である。
図1Bにおいて、光学式指紋認証装置の指紋情報読み取り部(100)としては、有機EL素子(OLED)と光透過性の非発光部(12)より構成される有機ELパネル(P)と、その下部に、イメージセンサー(S)の構成部材である光電変換素子(PED)と、基材とTFTにより構成されているTFTユニット(53)が積層配置され、イメージセンサー(S)を構成している。
図1A及び図1Bで示す構成では、上面側に光(L1)を発光する方式を示しており、有機ELパネル(P)を構成している光源である有機EL素子(OLED)より光(L1、照射光ともいう。)を放出して、指(F)の指紋面に照射し、指紋面からの反射光(L2、光信号ともいう。)を、有機ELパネル(P)の光透過性の非発光部(12)を通過させて、イメージセンサー(S)でその光学情報を読み取り、図には示していないが、イメージセンサー(S)で読み取った画像情報を解析し、保存してある(登録してある)指紋情報と比較判断して、指紋の認証を行う。
《指紋読み取り部の各構成要素》
次いで、本発明の光学式指紋認証装置を構成する有機EL素子及びイメージセンサーの構成の詳細について説明する。
《有機EL素子》
[有機EL素子の基本構成]
以下、本発明に係る有機ELパネルを構成する有機EL素子の基本的な構成について、図を交えて説明する。
図2は、本発明に適用可能な有機EL素子の有機機能層ユニットを含めた基本的な構成を示す概略断面図である。
図2で示す本発明に係る有機EL素子(OLED)は、光透過性を有する透明基材(1)、例えば、ガラス基材又はフレキシブル性樹脂基材上に、発光層を含む有機機能層ユニット(U)を積層した構造を示してある。
図2において、光透過性を有する透明基材(1)上に、ガスバリアー層(2)を形成している例を示してある。当該ガスバリアー層(2)上に、第1電極として陽極(3)を形成し、その上に、例えば、正孔注入層、正孔輸送層等から構成される第1のキャリア輸送機能層群1(4)、発光層(5)及び、例えば、電子輸送層、電子注入層等から構成される第2のキャリア輸送機能層群2(6)を順次積層して、有機機能層ユニット(U)を構成している。更に、有機機能層ユニット(U)の上部に、第2電極として、陰極(7)が設けられている。そして、上記積層体全体を被覆する構造で、封止用接着層(8)及びガスバリアー層(9)を有する封止基板(10)が配置されて、有機EL素子(OLED)を構成している。
図2に示す構成において、例えば、下面側が発光面である場合には、第1電極である陽極(3)が上記で規定する光透過率を有する透明電極であり、第2電極である陰極(7)が、非光透過性の電極であり、陽極(3)が配置されている指面側から、指(F)に光照射(L1)を行う方法の一例である。
発光エリア(13)とは、図2で示すように、陽極(3)と、有機機能層ユニット(U)、特には発光層(5)と、陰極(7)の全てが、同一面上に存在する領域をいう。
[有機EL素子の構成要素]
はじめに、本発明の有機ELパネルを構成する有機EL素子の主要構成要素の詳細について説明する。
本発明に係る光透過性を有する有機EL素子(OLED)においては、図2で説明したように、ガスバリアー層(2)を有する透明基板(1)上に、第1電極である光透過性を有する陽極(3)、次いで、例えば、正孔注入層、正孔輸送層等から構成されるキャリア輸送機能層群1(4)、発光層(5)、例えば、電子輸送層、電子注入層等から構成されるキャリア輸送機能層群2(6)が積層されている有機機能層群(U)により、発光領域を構成している。そして、さらに上部に、第2電極である陰極(7)、封止用接着層(8)及びガスバリアー層(9)を有する封止基板(10)が設けられている。
以下に、有機EL素子の構成の代表例を示す。
(i)光透過性を有する陽極(3)/有機機能層ユニット(U)〔キャリア輸送機能層群1(4:正孔注入輸送層)/発光層(5)/キャリア輸送機能層群2(6:電子注入輸送層)〕/非光透過性を有する陰極(7)
(ii)光透過性を有する陽極(3)/有機機能層ユニット(U)〔キャリア輸送機能層群1(4:正孔注入輸送層)/発光層(5)/キャリア輸送機能層群2(6:正孔阻止層/電子注入輸送層)〕/非光透過性を有する陰極(7)
(iii)光透過性を有する陽極(3)/有機機能層ユニット(U)〔キャリア輸送機能層群1(4:正孔注入輸送層/電子阻止層)/発光層(5)/キャリア輸送機能層群2(6:正孔阻止層/電子注入輸送層)〕/非光透過性を有する陰極(7)
(iv)光透過性を有する陽極(3)/有機機能層ユニット(U)〔キャリア輸送機能層群1(4:正孔注入層/正孔輸送層)/発光層(5)/キャリア輸送機能層群2(6:電子輸送層/電子注入層)〕/非光透過性を有する陰極(7)
(v)光透過性を有する陽極(3)/有機機能層ユニット(U)〔キャリア輸送機能層群1(4:正孔注入層/正孔輸送層)/発光層(5)/キャリア輸送機能層群2(6:正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層)〕/非光透過性を有する陰極(7)
(vi)光透過性を有する陽極(3)/有機機能層ユニット(U)〔キャリア輸送機能層群1(4:正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層)/発光層(5)/キャリア輸送機能層群2(6:正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層)〕/非光透過性を有する陰極(7)
上記(i)〜(vi)で説明した構成では、陽極(3)を光透過性、陰極(7)を非光透過性として説明したが、上面側に発光する方式では、その構成は逆となり、陽極(3)を非光透過性、陰極(7)を光透過性として構成する。更に、必要に応じて、陽極(3)及び陰極(7)の双方を、光透過性の電極で構成してもよい。
更に、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。中間層は電荷発生層であってもよく、マルチフォトンユニット構成であってもよい。
本発明に適用可能な有機EL素子の概要については、例えば、特開2013−157634号公報、特開2013−168552号公報、特開2013−177361号公報、特開2013−187211号公報、特開2013−191644号公報、特開2013−191804号公報、特開2013−225678号公報、特開2013−235994号公報、特開2013−243234号公報、特開2013−243236号公報、特開2013−242366号公報、特開2013−243371号公報、特開2013−245179号公報、特開2014−003249号公報、特開2014−003299号公報、特開2014−013910号公報、特開2014−017493号公報、特開2014−017494号公報等に記載されている構成を挙げることができる。
また、タンデム型の有機EL素子とすることもでき、タンデム型の具体例としては、例えば、米国特許第6,337,492号明細書、米国特許第7,420,203号明細書、米国特許第7,473,923号明細書、米国特許第6,872,472号明細書、米国特許第6,107,734号明細書、米国特許第6,337,492号明細書、国際公開第2005/009087号、特開2006−228712号公報、特開2006−24791号公報、特開2006−49393号公報、特開2006−49394号公報、特開2006−49396号公報、特開2011−96679号公報、特開2005−340187号公報、特許第4711424号公報、特許第3496681号公報、特許第3884564号公報、特許第4213169号公報、特開2010−192719号公報、特開2009−076929号公報、特開2008−078414号公報、特開2007−059848号公報、特開2003−272860号公報、特開2003−045676号公報、国際公開第2005/094130号等に記載の素子構成や構成材料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
更に、有機EL素子を構成する各層について説明する。
〔透明基材〕
有機EL素子(OLED)に適用可能な透明基材(1)としては、光透過性を有する基材であれば特に制限はなく、例えば、ガラス、プラスチック等の種類を挙げることができる。
本発明に適用可能な光透過性を有する基材(1)としては、ガラス、石英、樹脂基材を挙げることができる。更に好ましくは、有機EL素子にフレキシブル性を付与することができる観点からフレキシブル性樹脂基材である。
本発明に適用可能な樹脂基材を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(略称:TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(略称:CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート(略称:PC)、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(略称:PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)及びアペル(商品名、三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
これら樹脂基材のうち、コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)、ポリカーボネート(略称:PC)等を構成材料とするフィルムが、フレキシブル性を有する樹脂基材として好ましく用いられる。
また、上記の樹脂基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に適用可能な樹脂基材は、従来公知の一般的な製膜方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の樹脂基材を製造することができる。また、未延伸の樹脂基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、樹脂基材の搬送方向(縦軸方向、MD方向)、又は樹脂基材の搬送方向と直角の方向(横軸方向、TD方向)に延伸することにより、延伸樹脂基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、樹脂基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍の範囲内であることが好ましい。
樹脂基材の厚さとしては、3〜200μmの範囲内にある薄膜の樹脂基材であることが好ましいが、より好ましくは10〜150μmの範囲内であり、特に好ましくは、20〜120μmの範囲内である。
また、本発明に係る光透過性を有する基材として適用可能なガラス基材としては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
〔第1電極:陽極〕
有機EL素子を構成する陽極としては光透過性の電極であることが好ましく、例えば、酸化物半導体又は薄膜の金属若しくは合金で構成されていることが好ましい形態であり、例えば、Ag、Au等の金属又は金属を主成分とする合金、CuI、あるいはインジウム・スズの複合酸化物(ITO)、SnOやZnO等の酸化物半導体を挙げることができる。
陽極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法(例えば、抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法等)、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法等を挙げることができる。
光透過性を有する陽極を、銀を主成分として構成する場合、銀の純度としては、99%以上であることが好ましい。また、銀の安定性を確保するためにパラジウム(Pd)、銅(Cu)及び金(Au)等が添加されていてもよい。
光透過性を有する陽極は銀を主成分として構成されている層であるが、具体的には、銀単独で形成しても、あるいは銀(Ag)を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀−マグネシウム(Ag−Mg)、銀−銅(Ag−Cu)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銀−パラジウム−銅(Ag−Pd−Cu)、銀−インジウム(Ag−In)などが挙げられる。
上記陽極を構成する各構成材料の中でも、本発明に係る有機EL素子を構成する陽極としては、銀を主成分として構成し、厚さが2〜20nmの範囲内にある光透過性を有する陽極であることが好ましいが、更に好ましくは厚さが4〜12nmの範囲内である。厚さが20nm以下であれば、光透過性を有する陽極の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、高い光透過率が維持されるため好ましい。
本発明でいう銀を主成分として構成されている層とは、光透過性を有する陽極中の銀の含有量が60質量%以上であることをいい、好ましくは銀の含有量が80質量%以上であり、より好ましくは銀の含有量が90質量%以上であり、特に好ましくは銀の含有量が98質量%以上である。また、本発明に係る光透過性を有する陽極でいう「光透過性」とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
光透過性を有する陽極においては、銀を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。
また、本発明においては、陽極が、銀を主成分として構成する光透過性を有する陽極である場合には、形成する光透過性を有する陽極の銀膜の均一性を高める観点から、その下部に、下地層を設けることが好ましい。下地層としては、特に制限はないが、銀又は銀を主成分とする合金からなる陽極の成膜に際し、銀の凝集を抑制できるものであれば良く、例えば、窒素原子又は硫黄原子を有する有機化合物を含有する層であることが好ましく、当該下地層上に、光透過性を有する陽極を形成する方法が好ましい態様である。
〔有機機能層ユニット〕
(発光層)
有機EL素子(OLED)を構成する発光層(5)は、発光材料としてリン光発光化合物、あるいは蛍光性化合物を用いることができるが、本発明においては、特に、発光材料としてリン光発光化合物が含有されている構成が好ましい。
この発光層は、電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の厚さの総和は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1〜30nmの範囲内がさらに好ましい。なお、発光層の厚さの総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
以上のような発光層は、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)及びインクジェット法等の公知の方法により形成することができる。
また発光層は、複数の発光材料を混合してもよく、リン光発光材料と蛍光発光材料(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)とを同一発光層中に混合して用いてもよい。発光層の構成としては、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう)及び発光材料(発光ドーパント化合物ともいう。)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
〈ホスト化合物〉
発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらにリン光量子収率が0.01未満であることが好ましい。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、あるいは、複数種のホスト化合物を用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機電界発光素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
発光層に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
本発明に適用可能なホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2001−357977号公報、同2002−8860号公報、同2002−43056号公報、同2002−105445号公報、同2002−352957号公報、同2002−231453号公報、同2002−234888号公報、同2002−260861号公報、同2002−305083号公報、米国特許出願公開第2005/0112407号明細書、米国特許出願公開第2009/0030202号明細書、国際公開第2001/039234号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2005/089025号、国際公開第2007/063754号、国際公開第2005/030900号、国際公開第2009/086028号、国際公開第2012/023947号、特開2007−254297号公報、欧州特許第2034538号明細書等に記載されている化合物を挙げることができる。
〈発光材料〉
本発明で用いることのできる発光材料としては、リン光発光性化合物(リン光性化合物、リン光発光材料又はリン光発光ドーパントともいう。)及び蛍光発光性化合物(蛍光性化合物又は蛍光発光材料ともいう。)が挙げられるが、特に、リン光発光性化合物を用いることが、高い発光効率を得ることができる観点から好ましい。
〈リン光発光性化合物〉
リン光発光性化合物とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は、種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明においてリン光発光性化合物を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて、上記リン光量子収率として0.01以上が達成されればよい。
リン光発光性化合物は、一般的な有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)又は希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、少なくとも一つの発光層が、二種以上のリン光発光性化合物が含有されていてもよく、発光層におけるリン光発光性化合物の濃度比が発光層の厚さ方向で変化している態様であってもよい。
本発明に使用できる公知のリン光発光性化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物等が挙げられる。
Nature 395,151(1998)、Appl.Phys.Lett.78, 1622(2001)、Adv.Mater.19,739(2007)、Chem.Mater.17,3532(2005)、Adv.Mater.17,1059(2005)、国際公開第2009/100991号、国際公開第2008/101842号、国際公開第2003/040257号、米国特許出願公開第2006/835469号明細書、米国特許出願公開第2006/0202194号明細書、米国特許出願公開第2007/0087321号明細書、米国特許出願公開第2005/0244673号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。
また、Inorg.Chem.40,1704(2001)、Chem.Mater.16,2480(2004)、Adv.Mater.16,2003(2004)、Angew.Chem.lnt.Ed.2006,45,7800、Appl.Phys.Lett.86,153505(2005)、Chem.Lett.34,592(2005)、Chem.Commun.2906(2005)、Inorg.Chem.42,1248(2003)、国際公開第2009/050290号、国際公開第2009/000673号、米国特許第7332232号明細書、米国特許出願公開第2009/0039776号明細書、米国特許第6687266号明細書、米国特許出願公開第2006/0008670号明細書、米国特許出願公開第2008/0015355号明細書、米国特許第7396598号明細書、米国特許出願公開第2003/0138657号明細書、米国特許第7090928号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。
また、Angew.Chem.lnt.Ed.47,1(2008)、Chem.Mater.18,5119(2006)、Inorg.Chem.46,4308(2007)、Organometallics 23,3745(2004)、Appl.Phys.Lett.74,1361(1999)、国際公開第2006/056418号、国際公開第2005/123873号、国際公開第2005/123873号、国際公開第2006/082742号、米国特許出願公開第2005/0260441号明細書、米国特許第7534505号明細書、米国特許出願公開第2007/0190359号明細書、米国特許第7338722号明細書、米国特許第7279704号明細書、米国特許出願公開第2006/103874号明細書等に記載の化合物も挙げることができる。
さらには、国際公開第2005/076380号、国際公開第2008/140115号、国際公開第2011/134013号、国際公開第2010/086089号、国際公開第2012/020327号、国際公開第2011/051404号、国際公開第2011/073149号、特開2009−114086号公報、特開2003−81988号公報、特開2002−363552号公報等に記載の化合物も挙げることができる。
本発明においては、好ましいリン光発光性化合物としてはIrを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも1つの配位様式を含む錯体が好ましい。
上記説明したリン光発光性化合物(リン光発光性金属錯体ともいう)は、例えば、Organic Letter誌、vol3、No.16、2579〜2581頁(2001)、Inorganic Chemistry,第30巻、第8号、1685〜1687頁(1991年)、J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第40巻、第7号、1704〜1711頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第41巻、第12号、3055〜3066頁(2002年)、New Journal of Chemistry.,第26巻、1171頁(2002年)、European Journal of Organic Chemistry,第4巻、695〜709頁(2004年)、さらにこれらの文献中に記載されている参考文献等に開示されている方法を適用することにより合成することができる。
〈蛍光発光性化合物〉
蛍光発光性化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
〔キャリア輸送機能層群〕
次いで、キャリア輸送機能層群を構成する各層の代表例として、電荷注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び阻止層の順に説明する。
(電荷注入層)
電荷注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層の間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)にその詳細が記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。
電荷注入層としては、一般には、正孔注入層であれば、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、電子注入層であれば陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させることができるが、本発明においては、光透過性を有する電極に隣接して電荷注入層を配置させることを特徴とする。また、中間電極で用いられる場合は、隣接する電子注入層及び正孔注入層の少なくとも一方が、本発明の要件を満たしていれば良い。
正孔注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、光透過性を有する電極である陽極に隣接して配置される層であり、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
正孔注入層は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、正孔注入層に用いられる材料としては、例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体、及びポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えば、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルホン酸)、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α−NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)に代表されるベンジジン型や、MTDATA(4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン)に代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
また、特表2003−519432号公報や特開2006−135145号公報等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体も同様に正孔輸送材料として用いることができる。
電子注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陰極と発光層との間に設けられる層のことであり、陰極が本発明に係る光透過性を有する電極で構成されている場合には、当該光透過性を有する電極に隣接して設けられ、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、電子注入層に好ましく用いられる材料の具体例としては、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等に代表されるアルカリ金属化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等に代表されるアルカリ金属ハライド層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物層、酸化モリブデン、酸化アルミニウム等に代表される金属酸化物、リチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体等が挙げられる。また、本発明における光透過性を有する電極が陰極の場合は、金属錯体等の有機材料が特に好適に用いられる。電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、構成材料にもよるが、その層厚は1nm〜10μmの範囲が好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層及び電子阻止層も正孔輸送層の機能を有する。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー及びチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物を用いることができ、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(略称:TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン及びN−フェニルカルバゾール等が挙げられる。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲である。この正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよい。
また、正孔輸送層の材料に不純物をドープすることにより、p性を高くすることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報及びJ.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
このように、正孔輸送層のp性を高くすると、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料から構成され、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層構造又は複数層の積層構造として設けることができる。
単層構造の電子輸送層及び積層構造の電子輸送層において、発光層に隣接する層部分を構成する電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、カソードより注入された電子を発光層に伝達する機能を有していれば良い。このような材料としては、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体及びオキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送層の材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した高分子材料又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(略称:Znq)等及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送層の材料として用いることができる。
電子輸送層は、上記材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法等の公知の方法により、薄膜化することで形成することができる。電子輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲内である。電子輸送層は上記材料の一種又は二種以上からなる単一構造であってもよい。
(阻止層)
阻止層としては、正孔阻止層及び電子阻止層が挙げられ、上記説明したキャリア輸送機能層ユニット3の各構成層の他に、必要に応じて設けられる層である。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層等を挙げることができる。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有する。電子阻止層は、正孔を輸送する機能を有しつつ、電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に適用する正孔阻止層の層厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲である。
〔第2電極:陰極〕
本発明に係る陰極は、キャリア輸送機能層群や発光層に正孔を供給するために機能する光透過性を有する電極であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物若しくはこれらの混合物として、例えば、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO及びSnO等の酸化物半導体などが挙げられる。
陰極は、これらの導電性材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させて作製することができる。また、第2電極としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましく、膜厚は通常5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。
〔その他の構成要素〕
〈ガスバリアー層〉
透明基材(1)の片面又は両面、少なくとも陽極(第1電極)が形成される側の全面には、光透過性のあるガスバリアー層(2)を形成することにより、水分や酸素など、有機EL素子の構成材料に対し劣化をもたらす成分の侵入を抑制することができる。
ガスバリアー層(2)は、無機材料被膜だけでなく、有機材料との複合材料からなる被膜又はこれらの被膜を積層したハイブリッド被膜であってもよい。ガスバリアー層(2)の性能としては、JIS(日本工業規格)−K7129(2008年)に準拠した水蒸気透過度(環境条件:25±0.5℃、相対湿度(90±2)%)が約0.01g/m・24h以下、JIS−K7126(2006年)に準拠した酸素透過度が約0.01ml/m・24h・atm]以下、電気抵抗率が1×1012Ω・cm以上、光線透過率は可視光領域で約80%以上であるような、ガスバリアー性と光透過性を有する絶縁膜であることが好ましい。
ガスバリアー層(2)の形成材料としては、有機EL素子の劣化を招く、例えば水や酸素等のガスの有機EL素子への浸入を抑制できる材料であれば、任意の材料を用いることができる。
例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン等の無機材料からなる被膜で構成することができ、好ましくは、窒化ケイ素や酸化ケイ素等のケイ素化合物を主原料とする構成である。
ガスバリアー層の形成方法としては、従来公知の成膜方法を適宜選択して用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法(特開2004−68143号公報参照)、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、レーザーCVD法、熱CVD法、ALD(原子層堆積)法、また、ポリシラザン等を用いた湿式塗布法を適用することもできる。
〈封止材料〉
図2に示す有機ELパネル(P)では、陰極(7)まで形成した有機EL素子(OLED)を具備した有機ELパネル(P)に対し、更にその上部に封止部材を形成している一例を示してある。
図2で示すように、有機EL素子(OLED)の全面に、封止用接着剤(8)を付与した後、最表面にガスバリアー層(9)を具備している封止部材(10)で封止を行う。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また透明性及び電気絶縁性は特に限定されない。
具体的には、フレキシブル性を備えたガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルム、金属フィルム(金属箔)等が挙げられる。ガラス基板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、樹脂基板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
封止用接着剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系等の接着剤を用いることができる。必要に応じて硬化剤を併用してもよい。ホットメルトラミネーション法やエクストルージョンラミネート法および共押出しラミネーション法も使用できるがドライラミネート方式が好ましい。
本発明においては、封止部材としては、有機EL素子を薄膜化することできる観点から、樹脂基板及びカラス基板を好ましく使用することができる。さらに、樹脂基板は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm(1atmは、1.01325×10Paである)以下であって、温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましい。この条件を満たすため、前述の基材にて説明したのと同様のガスバリアー層を設けることが好ましい形態である。
封止部材と有機EL素子の表示領域(発光領域)との間隙には、気相及び液相では窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することもできる。また、封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙を真空とすることや、間隙に吸湿性化合物を封入することもできる。
また、有機EL素子における有機機能層ユニットを完全に覆い、かつ有機EL素子における第1電極である陽極(3)と、第2電極である陰極(7)の端子部分を露出させる状態で、光透過性を有する基板上に封止膜を設けることもできる。
《イメージセンサー》
[イメージセンサーの構成]
本発明に係るイメージセンサーは、少なくとも有機光電変換層を有する光電変換方式であり、更には、少なくとも対向電極、有機光電変換層、画素電極及び薄膜トランジスター(TFT)により構成されていることが好ましい。
図3は、本発明に適用可能なイメージセンサーの構成の一例を示す概略断面図である。
図3では、上面側(指面側)より、指紋部からの拡散光(L2)が照射される方式で示してある。本発明に係るイメージセンサー(S)は、拡散光(L2)が到達する面側から、対向電極(52)、有機光電変換層(51)、画素電極(54)は配置され、光電変換素子(PED)を構成している。光電変換素子(PED)の下部には、画素電極(54)と対向する位置にTFT(56)が配置され、その間が接続部(55)で接続されている。この時、画素電極(54)、接続部(55)及びTFT(56)は、絶縁層(57)内に配置され、その下部に、基材(58)が設けられている構成である。本発明では、接続部(55)、TFT(56)及び絶縁層(57)よりなる構成を、TFTユニット(53)と称す。また、必要により、基材(58)をTFTユニット(53)の構成要素として説明する場合がある。
また、本発明に適用可能な有機光電変換層を含む光学方式のイメージセンサー(S)の具体的な構成としては、例えば、特開2008−067034号公報、特開2009−207062号公報、特開2011−142318号公報、特開2011−222949号公報、特開2012−099592号公報、特開2012−227364号公報、特開2013−026483号公報、特開2013−084789号公報、特開2013−093353号公報、特開2014−022525号公報、特開2014−060315号公報、特開2015−015415号公報等で開示されている有機光電変換素子、光センサー等の記載内容及び構成要件を参照することができる。
以下、イメージセンサーの主要構成要素の詳細について、更に説明する。
〔対向電極〕
イメージセンサーを構成する対向電極(52)は、画素電極(54)と対向する電極であり、有機光電変換層(51)を覆うようにして設けられている。画素電極(54)と対向電極(52)との間に有機光電変換層(51)を含む光機能層が設けられている。
後述する図4〜図8に示すような対向電極(52T)面から反射光(L2)が入射される構成では、対向電極(52T)は、有機光電変換層(51)に光を入射させるため、反射光(L2)に対して透明な導電性材料で構成されている。対向電極(52T)は、有機光電変換層(51)よりも外側に配置された接続部(不図示)を介して、対向電極(52T)に所定の電圧を印加する対向電極用電圧供給部に接続されている(不図示)。
光透過性の対向電極(52T)は透明導電膜で構成されることが好ましく、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化チタン等の導電性金属酸化物、TiN等の金属窒化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性化合物、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。透明導電膜の材料として特に好ましいのは、ITO、IZO、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、弗素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)のいずれかの材料を挙げることができる。
なお、後述の図9〜図13で示すような下面発光方式で、対向電極(52)が、反射光(L2)の入射面に対し、最下部に配置する構成では、対向電極(52)としては、光透過性であっても、非光透過性であってもよい。
対向電極(52、52T)の面抵抗は、信号読出し回路(不図示)がCMOS型の場合は10kΩ/sq.以下が好ましく、より好ましくは、1kΩ/sq.以下である。また、CCD型の場合には1kΩ/sq.以下が好ましく、より好ましくは、0.1kΩ/sq.以下である。
対向電極(52T)が光透過性である場合、光透過率は、可視光波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
有機光電変換層(51)で発生した信号電荷のうち、正孔を画素電極(54)に捕集し、電子を対向電極(52)に捕集するため、対向電極(52)には画素電極(54)よりも高い電圧が印加される。高い感度と低い暗電流を両立するために、対向電極(54)に印加される電圧は5〜20V程度である。
また、本発明に係るイメージセンサー(S)における対向電極(52)は、後述の図5、図10で例示するように、前述の有機EL素子を構成する陽極(3)と同一の構成としてもよい。また、後述の図6〜図8、図11〜図13に例示するように、前述の有機EL素子を構成する陰極(7)と同一の構成としてもよい。
〔有機光電変換層〕
有機光電変換層(51)は、有機光電有機材料を含み、受光した光量に応じた信号電荷に変換する機能を有する。有機光電変換層(51)が有機光電変換材料を含有することにより、所望の分光感度を容易に得ることができる点で好ましい。
また、有機光電変換層(51)には、有機材料の中でも、特に、p型有機半導体とn型有機半導体とを含む構成であることが好ましい形態である。
p型有機半導体とn型有機半導体を接合させてドナー/アクセプター界面を形成することにより、励起子解離効率を増加させることができる点で好ましい。このために、p型有機半導体とn型有機半導体を接合させた構成の有機光電変換層(51)は、高い光電変換効率を発現させることができる。特に、p型有機半導体とn型有機半導体を混合した有機光電変換層(51)は、両者の接合界面が増大して光電変換効率が向上するので好ましい。
p型有機半導体は、ドナー性有機半導体であり、具体的な化合物としては、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある化合物を挙げることができる。さらに詳しくは、2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機半導体としては、電子供与性のある有機化合物であれば、いずれの有機化合物でも使用が可能である。
p型有機半導体の具体例としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体等)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を挙げることができる。なお、上記に記載した化合物に限らず、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であれば、ドナー性有機半導体として用いることができる。
n型有機半導体(化合物)は、アクセプター性半導体であり、主に電子輸送性化合物に代表される電子を受容しやすい性質を備えた化合物をいう。さらに詳しくは、n型半導体とは、2つの化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の化合物をいう。したがって、アクセプター性化合物は、電子受容性のある化合物であれば、いずれの化合物も使用可能である。
n型半導体としては、特に限定されないが、例えば、縮合芳香族炭素環化合物(例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体等)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5〜7員のヘテロ環化合物(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、p型(ドナー性)化合物として用いた化合物よりも電子親和力の大きな化合物であれば、アクセプター性半導体として用いることができる。
p型有機半導体又はn型有機半導体として、有機色素を用いることもできる。適用可能な有機色素としては、例えば、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、ペリノン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ジケトピロロピロール色素、ジオキサン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体等)を挙げることができる。
n型有機半導体として、電子輸送性に優れたフラーレン又はフラーレン誘導体を用いることが好ましい。フラーレンとは、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC80、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC96、フラーレンC240、フラーレン540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブを表し、フラーレン誘導体とはこれらに置換基が付加された化合物のことを表す。
有機光電変換層(51)がフラーレン又はフラーレン誘導体を含むことで、フラーレン分子またはフラーレン誘導体分子を経由して、光電変換により発生した電子を画素電極(54)又は対向電極(52)まで早く輸送できる。フラーレン分子またはフラーレン誘導体分子が連なった状態になって電子の経路が形成されていると、電子輸送性が向上して光電変換素子の高速の応答性を得ることができる。
有機光電変換層(51)において、フラーレン又はフラーレン誘導体と共に混合されるp型有機半導体として、例えば、特許第4213832号公報等に記載されたトリアリールアミン化合物を用いると、光電変換素子の高SN比が発現可能になり、特に好ましい。
本発明に係る有機光電変換層(51)としては、後述の図7、図8、図12、図13に記載するように、有機EL素子を構成する有機機能層ユニット(U)と、その構成の一部を共通化することもでき、指紋情報読み取り部の製造コストを低減することができる観点から好ましい形態の一つである。
〔画素電極〕
画素電極(54)は、指紋面からの反射光(L2)の照射により、画素電極(54)とそれに対向する対向電極(52)との間にある有機光電変換層(51)で発生した電荷を捕集するための電荷捕集用の電極である。画素電極(54)は、図3に示すように、接続部(55)を介してTFT部(56)に接続されている。この信号読出し回路であるTFT部(56)は、複数の画素電極(54)の各々に対応して基材(58)上に設けられており、対応する画素電極(54)で捕集された電荷に応じた信号を読出すものである。この各画素電極(54)で捕集された電荷が、対応する各画素のTFT部(56)で信号となり、複数の画素から取得した信号から画像が合成される。
画素電極(54)は、絶縁層(57)上にスパッタリング法などによって成膜された後、マスクを介してエッチングされ、所定のパターンで形成されたものであり、有機光電変換層(51)の形成前においては、画素電極(54)の間に層間絶縁膜が露出している。
画素電極(54)を形成する材料としては、一般に電極として用いられている導電性材料であれば特に制限はなく、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化チタン等の導電性金属酸化物、酸化窒化チタン(TiNxOx)、窒化チタン(TiN)等の金属窒化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性化合物、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。画素電極(54)の材料として特に好ましいのは、酸化窒化チタン、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タンタル、窒化タングステンのいずれかの材料である。
なお、画素電極(54)のサイズは3μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以下である。更に好ましくは1.5μm以下である。画素電極(54)同士の間隙(画素電極間間隙)は0.3μm以下が好ましく、より好ましくは0.25μm以下であり、更に好ましくは0.2μm以下である。
また、本発明に係るイメージセンサー(S)における画素電極(54)は、後述の図8、図13で例示するように、前述の有機EL素子を構成する陽極(3)と同一の構成としてもよい。また、後述の図4〜図8に示すような上面発光方式である場合には、画素電極(54)は光透過性であっても、非光透過性のいずれであってもよい。また、後述の図9〜図13に示すような下面発光方式では、画素電極(54)は光透過性である。
〔薄層トランジスター:TFT〕
本発明に適用可能な薄層トランジスター(TFT)の詳細については、例えば、特開平6−085260号公報、特開2006−108622号公報、再表2011−039853号公報、特開2009−207062号公報等に記載されている内容を参照することができ、ここではTFTに関する詳細な説明は割愛する。
代表的なTFTとしては、例えば、絶縁基板上にアドレス配線と一体のゲート電極をスパッタ法等により成膜し、このゲート電極上に、酸化珪素膜からなるゲート絶縁膜、非晶質珪素(a−Si)からなる半導体層、窒化珪素膜からなるチャンネル保護膜を順次積層されている。続いて、チャンネル保護膜および半導体層上に、プラズマCVD法によりリンをドープしたn型アモルファスシリコン膜(n+a−Si膜)が形成されている。トランジスター能動部のパターン形成およびITOからなる画素電極形成後、データ配線およびソース・ドレイン電極として、モリブデン、アルミニウムを連続してn+a−Si膜上に形成されている。その後、チャンネル上部のn+a−Si膜を除去することによりTFTを形成することができる。
〔基材〕
本発明に適用可能な基材(58)としては、特に制限はないが、樹脂基材又は薄膜ガラス基材を用いることが好ましい。
樹脂基材を構成する樹脂材料としては、前述の有機EL素子に適用可能な樹脂基材と同様もものを挙げることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(略称:TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(略称:CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート(略称:PC)、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(略称:PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)及びアペル(商品名、三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
これら樹脂基材のうち、コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)、ポリカーボネート(略称:PC)等を構成材料とするフィルムがフレキシブル性を有する樹脂基材として好ましく用いられる。
樹脂基材の厚さは、用途によって適宜選択されるため特に制限はないが、典型的には1〜800μmの範囲内であり、好ましくは10〜200μmの範囲内である。
また、イメージセンサーを構成する薄膜ガラスとしては、各種成形法によって成形されたものを使用することができる。例えばロールアウト法、リドロー法、ダウンドロー法、フロート法等によって成形された薄膜ガラスを使用できる。
薄膜ガラスの平均厚さは、5〜200μmの範囲内であることが好ましく、5〜100μmの範囲内であることがより好ましい。厚さが5μm未満では、搬送などの取り扱いが難しく、厚さが200μmを超えると、薄膜の価値が薄れてしまう。
薄膜ガラスとしては、多成分系酸化物ガラスであれば特に限定はなく、例えば、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英、無アルカリガラス等を挙げることができる。
また、有機ELパネルと共に指紋情報読み取り部を構成する場合には、図4〜図13に示すように、イメージセンサーを構成する基材(58)としては、有機EL素子を構成するガスバリアー層(2)を有する透明基材(1)と兼用してもよい。
樹脂基材の厚さとしては、3〜200μmの範囲内にある薄膜の樹脂基材であることが好ましいが、より好ましくは10〜150μmの範囲内であり、特に好ましくは、20〜120μmの範囲内である。
〔その他の構成層〕
(電子ブロッキング層)
電子ブロッキング層は、画素電極(54)から有機光電変換層(51)に電子が注入されるのを抑制するための層であり、暗電流を抑制する機能を有する。
電子ブロッキング層は複数の層から構成されていてもよく、例えば、第1ブロッキング層と第2ブロッキング層とから構成されていてもよい。このように、電子ブロッキング層を複数層にすることにより、第1ブロッキング層と第2ブロッキング層との間に界面が形成され、各層に存在する中間準位に不連続性が生じることで、中間準位を介して電荷担体が移動しにくくなり、暗電流を抑制することができる。なお、電子ブロッキング層は単層としてもよい。
電子ブロッキング層には、電子供与性有機材料を用いることができる。具体的には、低分子材料では、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(TPD)や4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4′,4"−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができる。電子供与性化合物でなくとも、充分な正孔輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。
電子ブロッキング層としては無機材料を用いることもできる。一般的に、無機材料は有機材料よりも誘電率が大きいため、電子ブロッキング層51に用いた場合に、光電変換層に電圧が多くかかるようになり、光電変換効率を高くすることができる。電子ブロッキング層となりうる材料としては、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化クロム銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ガリウム銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム銅、酸化インジウム銀、酸化イリジウム等がある。
《指紋情報読み取り部の具体的な構成》
次いで、本発明に係る指紋情報読み取り部の具体的な構成について説明する。
本発明に係る指紋情報読み取り部は、有機EL素子により構成される発光部領域と、光透過性の非発光部領域と、イメージセンサー(S)により構成されていることを特徴とする。
以下、発光部領域(発光エリア)と、非発光部より構成される有機ELパネルと、イメージセンサーにより構成される指紋情報読み取り部の具体的な構成について説明する。
[上面発光方式]
はじめに、上面発光方式の実施形態1〜5について、図を交えて説明する。なお、以下の各電極の表示の中で、各符号の後にTを付している電極は、光透過性電極であることを表示してある。
〔実施形態1:指紋情報読み取り部の構成例1〕
図4は、本発明に適用可能な上面発光方式の有機ELパネルを具備した光学式指紋認証装置の指紋情報読み取り部の構成の一例を示す概略断面図(実施形態1)である。
図4に示す指紋情報読み取り部(100)は、上面が検体である指面側であり、指面(不図示)に対し、有機EL素子(OLED)より上面側に照射光(L1)を照射し、指面からの反射光(L2)を、イメージセンサー(S)により読みより、指紋認証する方法である。
図4に記載の指紋情報読み取り部(100)は、本発明に係るイメージセンサー(S)が、有機ELパネル(P)の発光面とは反対の面側に、独立して設置されている構成例を示してある。
図4において、上面側に配置している有機ELパネル(P)は、上記図2で説明した有機EL素子(OLED)の構成を有し、基材(58)で担持されているイメージセンサー(S)上に有機EL素子(OLED)をそれぞれ離間した状態で配置して、独立した発光エリア(13)を形成している。詳しくは、基材(58)上にイメージセンサー(S)のユニットを形成し、その上に、例えば、陽極(3)、有機機能層ユニット(U)及び陰極(7T)等により構成されている有機EL素子(OLED)を複数個配置する。有機EL素子(OLED)は、封止用接着層(8)により封止され、最表面に、例えば、ガスバリアー層(9)を有する封止基板(10)により封止されている。
図4に示す構成においては、陽極(3)、有機機能層ユニット(U)及び陰極(7)の全てが存在する領域が発光エリア(13)であり、その間の領域が、光透過性の非発光部(12)である。
有機ELパネル(P)の下部には、反射光を受光するためのイメージセンサー(S)が配置されており、図4で示すように、受光面側より、対向電極(52T)、有機光電変換層(51)、画素電極(54)により、光電変換素子(PED)を構成している。その下部には、絶縁層(57、不図示)中に、TFT(56、不図示)を配置したTFTユニット(53)が設けられている。図4に示す上面側に発光する方式では、少なくとも、有機EL素子(OLED)を構成する陰極(7T)と、イメージセンサー(S)を構成する対向電極(52T)が透明電極となり、有機EL素子(OLED)の陽極(3)及びイメージセンサー(S)の画素電極(54)は、光透過性であっても、非光透過性であってもよい。
〔実施形態2:指紋情報読み取り部の構成例2〕
図5は、本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態2)である。
図5に示す構成の指紋情報読み取り部(100)は、上面発光タイプの一例で、図4で説明した実施形態1の構成に対し、イメージセンサー(S)を構成する対向電極(52T)が、有機ELパネルの非発光部(12)内に形成されている一例である。
すなわち、本発明に係るイメージセンサー(S)を構成する対向電極(52T)、有機光電変換層(51)及び画素電極(54)のうち、対向電極(52T)が、有機ELパネル(P)の非発光部(12)で、有機EL素子(OLED)と同一平面上に形成されている一例を示すものである。
実施形態2においては、実施形態1と同様に、発光側に位置する陰極(7T)及び対向電極(52T)をいずれも光透過性の電極で構成するが、実施形態2では、対向電極(52T)と、有機EL素子(OLED)を構成する陽極(3)と同一構成の電極とする例を示してあり、このような構成とする場合には、陽極(3T)及び対向電極(52T)の双方を同一構成の光透過性電極とすることで、形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる。このような陽極(3T)及び陰極(7T)がいずれも光透過性電極である場合には、有機EL素子としては両面発光方式となる。
〔実施形態3:指紋情報読み取り部の構成例3〕
図6は、本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態3)である。
図6に示す構成の指紋情報読み取り部(100)は、上面発光タイプの一例で、図4で説明した実施形態1の構成に対し、イメージセンサー(S)を構成する対向電極(52T)が、有機ELパネルの非発光部(12)内に形成されている一例である。
すなわち、本発明に係るイメージセンサーを構成する対向電極、有機光電変換層及び画素電極のうち、対向電極が、有機ELパネルの非発光部で、有機EL素子と同一平面上に形成されている他の一例を示すものである。
実施形態3においては、実施形態1と同様に、発光側に位置する陰極(7T)及び対向電極(52T)をいずれも光透過性の電極で構成するが、実施形態3では、対向電極(52T)と、有機EL素子(OLED)を構成する陰極(7T)とを同一構成の電極とする例を示してあり、陰極(7T)及び対向電極(52T)の双方を同一構成の光透過性電極として形成することにより、形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる。
〔実施形態4:指紋情報読み取り部の構成例4〕
図7は、本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態4)である。
図7に示す構成の指紋情報読み取り部(100)は、上面発光タイプの一例で、図6で説明した実施形態3の構成に対し、更に、イメージセンサー(S)を構成する有機光電変換層(51)を、有機ELパネルの非発光部(12)内に形成している一例である。
すなわち、本発明に係るイメージセンサーを構成する対向電極、有機光電変換層及び画素電極のうち、対向電極及び有機光電変換層の2つの構成要素を、有機ELパネルの非発光部で、有機EL素子と同一平面上に形成されている一例を示すものである。
実施形態4においては、実施形態3と同様に、対向電極(52T)を発光側に位置する陰極(7T)と同様の光透過性の電極で構成し、更に、有機光電変換層(51)を、有機EL素子(OLED)を構成している有機機能層ユニット(U)と同一構成で形成することが、形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる点で好ましい態様である。
〔実施形態5:指紋情報読み取り部の構成例5〕
図8は、本発明に適用可能な上面(陰極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態5)である。
図8に示す構成の指紋情報読み取り部(100)は、上面発光タイプの一例で、図5〜図7で説明した各実施形態の構成に対し、イメージセンサー(S)を構成する有機光電変換層(51)の全ての構成要素が、有機ELパネルの非発光部(12)内に形成している一例である。
すなわち、本発明に係るイメージセンサー(S)を構成する対向電極(52T)、有機光電変換層(51)及び画素電極(54)の全てが、有機ELパネル(P)の非発光部(12)で、有機EL素子(OLED)と同一平面上に形成されている構成例を示してある。
本発明においては、特に、図8で示すように、イメージセンサー(S)の構成として、対向電極(52T)を有機EL素子(OLED)の陰極(7T)と同一構成とし、有機光電変換層(51)を有機EL素子(OLED)の有機機能層ユニット(U)と同一構成とし、かつ画素電極(54)を有機EL素子(OLED)の陽極(3)と同一とした構成を示してあり、このような形成材料を共通化して形成することが、製造が容易で、かつ形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる点で好ましい態様である。
[下面発光方式]
次いで、下面発光方式の実施形態6〜10について、図を交えて説明する。
〔実施形態6:指紋情報読み取り部の構成例6〕
図9は、本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の一例を示す概略断面図(実施形態6)である。
図9で示す構成の有機ELパネル(P)は、下面が検体である指面側であり、指面(不図示)に対し、有機EL素子(OLED)より下面側に照射光(L1)を照射し、指面からの反射光(L2)を、イメージセンサー(S)により読み取り、指紋認証する方法である。
指紋情報読み取り部(100)の基本的な構成は、先に図4で説明した実施形態1と同様であるが、下面発光タイプであるため、有機EL素子(OLED)を構成する陽極(3T)及びイメージセンサー(S)を構成する画素電極(54T)が光透過性電極で構成されている。この時、有機EL素子(OLED)を構成する陰極(7)及びイメージセンサー(S)を構成する対応電極(52)は光透過性であっても、非光透過性であってもよい。
〔実施形態7:指紋情報読み取り部の構成例7〕
図10は、本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態7)である。
図10で示す構成の指紋情報読み取り部(100)の基本的な構成は、先に図5で説明した実施形態2と同様であるが、下面発光タイプであるため、有機EL素子(OLED)を構成する陽極(3T)及びイメージセンサー(S)を構成する画素電極(54T)が光透過性電極で構成されている。
図10に示す構成では、図5と同様に、対向電極(52T)と、有機EL素子(OLED)を構成する陽極(3T)を同一構成の光透過性電極とする例を示してあり、このような構成とすることにより、陽極(3T)及び対向電極(52T)の双方を同一構成の光透過性電極とすることで、形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる。この時、有機EL素子(OLED)を構成する陰極(7)は光透過性であっても、非光透過性であってもよい。
〔実施形態8:指紋情報読み取り部の構成例8〕
図11は、本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態8)である。
図11で示す構成の指紋情報読み取り部(100)の基本的な構成は、先に図7で説明した実施形態4と同様であるが、下面発光タイプであるため、有機EL素子(OLED)を構成する陽極(3T)及びイメージセンサー(S)を構成する画素電極(54T)が光透過性電極で構成されている。
図11に示す構成では、図6と同様に、対向電極(52)と、有機EL素子(OLED)を構成する陰極(7)を同一構成の電極とする例を示してあり、このような構成とすることにより陰極(7)及び対向電極(52)の双方を同一構成の非光透過性の電極とすることで、形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる。
〔実施形態9:指紋情報読み取り部の構成例9〕
図12は、本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態9)である。
図12で示す構成の指紋情報読み取り部(100)の基本的な構成は、先に図7で説明した実施形態4と同様であるが、下面発光タイプであるため、有機EL素子(OLED)を構成する陽極(3T)及びイメージセンサー(S)を構成する画素電極(54T)が光透過性電極で構成されている。
図12に示す構成では、図7と同様に、対向電極(52)と有機EL素子(OLED)を構成する陰極(7)と、有機光電変換層(51)と有機EL素子(OLED)を構成している有機機能層ユニット(U)とを同一構成で形成することが、形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる点で好ましい態様である。
〔実施形態10:指紋情報読み取り部の構成例10〕
図13は、本発明に適用可能な下面(陽極側)発光方式の有機ELパネルを具備した指紋情報読み取り部の構成の他の一例を示す概略断面図(実施形態10)である。
図13で示す構成の指紋情報読み取り部(100)の基本的な構成は、先に図8で説明した実施形態5と同様であるが、下面発光タイプであるため、有機EL素子(OLED)を構成する陽極(3T)及びイメージセンサー(S)を構成する画素電極(54T)が光透過性電極で構成されている。
図13に示す構成では、図8と同様に、イメージセンサー(S)の対向電極(52)と有機EL素子(OLED)の陰極(7)、有機光電変換層(51U)と有機EL素子(OLED)の有機機能層ユニット(U)、及び画素電極(54T)を有機EL素子(OLED)の陽極(3T)とを同一とした構成を示してあり、このような形成材料を共通化して形成することが、製造が容易で、かつ形成工程の共通化等により、製造コストの低減は図ることができる点で好ましい態様である。
《指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の実施形態》
次いで、本発明の光学式指紋認証装置を構成する有機ELパネル及びイメージセンサーを具備した指紋情報読み取り部の具体的な構成について、図を交えて説明する。
〔実施形態11:指紋情報読み取り部の構成例11〕
図14は、ドーナツ状の有機EL素子を具備した有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態11)である。
図14のAに記載の指紋情報読み取り部(100)の概略断面図は、先に、図1Aで説明した光学式指紋認証装置を構成する指紋情報読み取り部(100)と同様の構成であり、有機EL素子(OLED)と光透過性の非発光部(12)より構成される有機ELパネル(P)と、例えば、図8あるいは図13で例示したような構成の光電変換素子(PED)を、光透過性の非発光部(12)内に形成した構成である。更に、有機ELパネル(P)の下部に、樹脂基材とTFTにより構成されているTFTユニット(53)が配置され、検体である指(F)の指紋情報を光学方式で読み取るためのイメージセンサーを構成している。11は、指を保持するためのガラス基板である。
有機EL素子(OLED)より照射光(L1)を指(F)の指紋面に照射し、光信号である反射光(L2)を、光電変換素子(PED)とTFTユニット(53)により構成されるイメージセンサーで受光して、指紋パターン情報を得る方法である。
このような構成の指紋情報読み取り部(100)における有機EL素子(OLED)を含む有機ELパネル(P)の形状としては、図14のBで示すように、楕円形の有機ELパネル(P)の外周部に、連続したドーナツ状の有機EL素子(OLED)を配置し、その中心の空隙部に、非発光部(12)を形成する方法であり、このような有機EL素子(OLED)の形態とすることにより、指紋パターンを広い開口部により測定することができる。
図14のCは、図14のAで示した構成の指紋情報読み取り部(100)の下面図であり、検体である指(F)に対し、ドーナツ状の有機EL素子(OLED)とその非発光領域に光電変換素子(PED)が配置され、その下部全面にTFTユニット(53)が配置されている構成である。ただし、図14のCでは、最表面に位置するTFTユニット(53)及び最下面に位置するガラス基板(11)の記載は省略してある。
〔実施形態12:指紋情報読み取り部の構成例12〕
図15は、ドーナツ状の有機EL素子を具備した有機ELパネルを有する指紋情報読み取り部を具備した光学式指紋認証装置の構成の一例を示す概略構成図(実施形態12)である。
図15のAに記載の指紋情報読み取り部(100)の概略断面図は、先に、図1Bで説明した光学式指紋認証装置を構成する指紋情報読み取り部(100)と同様の構成であり、例えば、図4〜図6で例示したような有機EL素子(OLED)と光透過性の非発光部(12)より構成される有機ELパネル(P)と、その下部に光電変換素子(PED)と、樹脂基材とTFTにより構成されているTFTユニット(53)が配置され、検体である指(F)の指紋情報を光学方式で読み取るためのイメージセンサーを構成している。11は、指を保持するためのガラス基板である。
有機EL素子(OLED)より照射光(L1)を指(F)の指紋面に照射し、光信号である反射光(L2)を、光電変換素子(PED)とTFTユニット(53)により構成されるイメージセンサーで受光して、指紋パターン情報を得る方法である。
このような構成の指紋情報読み取り部(100)における有機EL素子(OLED)を含む有機ELパネル(P1)の形状としては、先に説明した図14のBで示す形状と同様である。
図15のCは、図15のAで示した指紋情報読み取り部(100)の下面図であり、検体である指(F)に対し、ドーナツ状の有機EL素子(OLED)と、その全面に光電変換素子(PED)が配置され、その下部全面にTFTユニット(53)が配置されている構成である。ただし、図15のCでは、最表面に位置するTFTユニット(53)及び最下面に位置するガラス基板(11)の記載は省略してある。
〔実施形態13:指紋情報読み取り部の構成例13〕
図16は、長方形型の有機EL素子を具備した有機ELパネルと、イメージセンサーを有する指紋情報読み取り部(100)の一例を示す概略構成図(実施形態13)である。
図16のAで示す概略断面図は、上記図14のAに記載の構成と同様であるが、図16のB及び図16のCで示すように、有機ELパネル(P)を構成する有機EL素子(OLED)及び光電変換素子(PED)の形状が、長方形になっているのが特徴である。このような構成の光学式指紋認証装置では、円形状の指紋全体をカバーすることはし難いが、重要な指紋中心部のパターン検出を行うには有効な方法の一つである。
図16のBに示すように、有機ELパネル(P)は長方形を有し、その端部に連続した長方形の有機EL素子(OLED)を配置している構成で、その内側に、同じく長方形のエリアを有する非発光部(12)が形成され、図16のCで示すように、その非発光部(12)の形態に合わせ、その内部に長方形の光電変換素子(PED)が配置され、その下部全面に長方形のTFTユニット(53)が配置されている。ただし、図16のCでは、最表面に位置するTFTユニット(53)及び最下面に位置するガラス基板(11)の記載は省略してある。
図14〜図16で示すように、有機ELパネル(P)に特定の形状、例えば、ドーナツ状や長方形の有機EL素子(OLED)を形成する方法としては、陽極(3)、有機機能層ユニット(U)及び陰極(7)を、例えば、真空蒸着法(例えば、抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法等)、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法や、スクリーン印刷法等の湿式塗布方法等により、所望の形状を有するマスク部材を用いて形成することができる。又、紫外線照射により有機機能層ユニット(U)の機能を失活させ、所望の形状を有する有機EL素子を形成することもできる。
〔実施形態14:指紋情報読み取り部の構成例14〕
図17は、短冊状の有機EL素子を4辺に離間して配置した有機ELパネルと、イメージセンサーを有する指紋情報読み取り部(100)の一例を示す概略構成図(実施形態14)である。
実施形態14における有機ELパネル(P)は、図17のBに示すように、長方形の有機ELパネル(P)のそれぞれの4辺に、独立した短冊状の有機EL素子(OLED)を配置した構成であり、非発光部(12)と光電変換素子(PED)の形状も、長方形になっているのが特徴である。
図17のCは、図17のAで示した指紋情報読み取り部(100)の下面図であり、検体である指(F)に対し、を4辺に離間して配置した有機EL素子(OLED)と、非発光部に光電変換素子(PED)が配置され、その下部全面に長方形のTFTユニット(53)が配置されている構成である。ただし、図17のCでは、最表面に位置するTFTユニット(53)及び最下面に位置するガラス基板(11)の記載は省略してある。
〔実施形態15:指紋情報読み取り部の構成例15〕
図18は、中心に長方形の非発光部を設けた円形の有機ELパネルと、長方形のイメージセンサーを有する指紋情報読み取り部(100)の一例を示す概略構成図(実施形態15)である。
図18のBで示すように、実施形態15の有機ELパネル(P)は、外周は図14と同様に楕円形であるが、中央部に配置している非発光部(12)と、光電変換素子(PED)が、図16と同様の長方形である例を示してある。
図18のCは、図18のAで示した指紋情報読み取り部(100)の下面図であり、検体である指(F)に対し、ドーナツ状の有機EL素子(OLED)と、その非発光部(12)に長方形の光電変換素子(PED)が配置されて、その下部全面にTFTユニット(53)が配置されている構成である。ただし、図18のCでは、最表面に位置するTFTユニット(53)及び最下面に位置するガラス基板(11)の記載は省略してある。
〔実施形態16:指紋情報読み取り部の構成例16〕
図19は、複数の有機EL素子をストライプ状に並列配置した有機ELパネルと、イメージセンサーを有する指紋情報読み取り部(100)の一例を示す概略構成図(実施形態16)である。
図19のBで示す構成では、楕円形の有機ELパネル(P)に対し複数のサイズの異なる矩形の有機EL素子(OLED)をストライプ状に並列配置した構成である。
図19のCは、図19のAで示した指紋情報読み取り部(100)の下面図であり、検体である指(F)に対し、複数のサイズの異なる矩形の有機EL素子(OLED)と、その非発光部(12)に光電変換素子(PED)が配置されて、その下部全面にTFTユニット(53)が配置されている構成である。ただし、図19のCでは、最表面に位置するTFTユニット(53)及び最下面に位置するガラス基板(11)の記載は省略してある。
図19に示す構成においては、複数の有機EL素子(OLED)の占める総面積が広すぎると、検知可能面積が狭くなるため、有機ELパネル(P)の全面積に対する非発光部(12)の占める比率、言い換えれば、有機ELパネル(P)の全面積に対するイメージセンサー(S)の占める比率である開口率(%)としては、50%以上であることが好ましく、さらに好ましくは60%以上であり、特に好ましくは70%以上である。開口率を高めるに従い、有機EL素子(OLED)による総発光量が低下するため、高い発光強度を備えた有機EL素子(OLED)を適用することが好ましい。高い発光強度を有する有機EL素子(OLED)としては、例えば、発光層を含む有機機能層ユニットを中間層や中間電極を介して2ユニット以上積層したタンデム構成の有機EL素子を挙げることができる。
〔実施形態17:指紋情報読み取り部の構成例17〕
図20は、外周部に複数の有機EL素子を離間して配置した有機ELパネルと、イメージセンサーを有する指紋情報読み取り部(100)の一例を示す概略構成図(実施形態17)である。
図20のBに示すように、楕円形の有機ELパネル(P)の外周部に、複数の長方形の有機EL素子(OLED)を独立して配置した構成で、その有機EL素子(OLED)の間及び中心部に非発光部(12)が形成されている。
図20のCは、図20のAで示した指紋情報読み取り部(100)の下面図であり、検体である指(F)に対し、円周状に複数の長方形の有機EL素子(OLED)を離間した状態で配置し、その非発光部(12)に光電変換素子(PED)が配置されて、その下部全面にTFTユニット(53)が配置されている構成である。ただし、図20のCでは、最表面に位置するTFTユニット(53)及び最下面に位置するガラス基板(11)の記載は省略してある。
このような構成では、図19で例示したストライプ状の構成に対し、高い開口率を得ることができる点で好ましい。
〔光電変換素子(PED)における画素電極の配列例〕
図21は、イメージセンサーを構成する光電変換素子(PED)における画素電極(54)の配列パターンの一例を示す模式図であり、光電変換素子(PED)では独立している複数の画素電極(54)が、規則正しい2次元配列をとる方法が好ましい。
《指紋認証方法》
本発明の光学式指紋認証装置を用いた指紋認証の具体的な方法としては、例えば、特開2003−256377号公報、特開2004−005619号公報、特開2004−246586号公報、特開2005−063246号公報、特開2005−118289号公報、特開2006−244224号公報、特開2007−289457号公報、特開2007−328511号公報、特開2008−009821号公報、特開2008−171238号公報、特開2009−271825号公報、特開2011−141880号公報等に記載の方法を適宜選択して適用することができる。
本発明の光学式指紋認証装置は、照明光源として有機ELパネルと、イメージセンサーとして有機光電変換層を有する光電変換方式のイメージセンサーを具備し、薄型で簡易な構成で、目的に応じて様々な形状の有機エレクトロルミネッセンス素子を照明光源として有し、低コストで作製が可能な光学式指紋認証装置であり、銀行のATM、携帯電話機、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等において、指紋パターンによる個人認証に好適に利用できる。
1 透明基材
2、9 ガスバリアー層
3 陽極
3T 陽極(光透過性)
4 キャリア輸送機能層群1
5 発光層
6 キャリア輸送機能層群2
7 陰極
7T 陰極(光透過性)
8 封止用接着層
10 封止基板
11 ガラス基板
12 光透過領域、非発光部
13 発光エリア
51 有機光電変換層
52 対向電極
52T 対向電極(光透過性)
53 TFTユニット
54 画素電極
54T 画素電極(光透過性)
55 接続部
56 TFT
57 絶縁層
58 基材
100 指紋情報読み取り部
F 指
L1 光、照射光
L2 反射光、光信号
OLED 有機EL素子
P 有機ELパネル
PED 光電変換素子
S イメージセンサー
U 有機機能層ユニット

Claims (13)

  1. 少なくとも光源とイメージセンサーを有し、拡散光を当該イメージセンサーにより検出する光学式指紋認証装置であって、
    前記光源として、有機エレクトロルミネッセンスパネルを有し、
    当該有機エレクトロルミネッセンスパネルは、有機エレクトロルミネッセンス素子により構成される発光部領域と、光透過性の非発光部より構成され、
    前記イメージセンサーが、少なくとも有機光電変換層を有し、かつ
    前記イメージセンサーが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部又は前記非発光部に隣接して配置されている指紋情報読み取り部を具備している
    ことを特徴とする光学式指紋認証装置。
  2. 前記イメージセンサーは、少なくとも対向電極、有機光電変換層、画素電極及び薄膜トランジスターにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式指紋認証装置。
  3. 前記イメージセンサーが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの発光面とは反対の面側に、独立して設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学式指紋認証装置。
  4. 前記イメージセンサーが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの発光面側に、独立して設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学式指紋認証装置。
  5. 前記イメージセンサーを構成する対向電極、有機光電変換層及び画素電極の少なくとも一つが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部に形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
  6. 前記イメージセンサーを構成する対向電極、有機光電変換層及び画素電極の全てが、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの非発光部で、有機エレクトロルミネッセンス素子と同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
  7. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、一対の対向する電極間に有機機能層ユニットを有し、前記電極の一方が光透過性の電極であり、他方が非光透過性の電極であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
  8. 前記光透過性の電極が、酸化物半導体又は薄膜の金属若しくは合金で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の光学式指紋認証装置。
  9. 前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、外周部領域に、連続した構成の有機エレクトロルミネッセンス素子が配置され、中央部が前記光透過性の非発光部であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
  10. 前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、ストライプ状に並列配置された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を有し、かつ前記ストライプ状の有機エレクトロルミネッセンス素子の間に、前記光透過性の非発光部を有していることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
  11. 前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、外周部領域に、独立した複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を有し、中央部に前記光透過性の非発光部を有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
  12. 前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、可視光領域の波長の光を発光することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
  13. 前記有機エレクトロルミネッセンスパネルが、赤外領域の波長の光を発光することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の光学式指紋認証装置。
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