JPWO2017069278A1 - 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、蓄電デバイスを高温で使用した場合のサイクル特性を向上させることができる蓄電デバイス用非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの非水電解液用添加剤を提供することを課題とする。
(1)非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、一般式(I)で表される化合物を含有する蓄電デバイス用非水電解液、(2)正極、負極、及び非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、該非水電解液が前記(1)に記載の非水電解液である蓄電デバイス、(3)一般式(II)で示される化合物又は一般式(III)で示される化合物を含む、蓄電デバイスの非水電解液用添加剤に関する。

Description

本発明は、高温での電気化学特性、特に高温サイクル特性と高温サイクル後のガス発生を抑制できる蓄電デバイス用非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの非水電解液用添加剤に関する。
近年、蓄電デバイス、特にリチウム二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の小型電子機器の電源、電気自動車や電力貯蔵用の電源として広く使用されている。中でも電気自動車や電力貯蔵など環境が変化しやすい場所で使用されるリチウム二次電池の場合、特に真夏のような高温環境下で使用すると電池特性の劣化が進みやすい。したがって、高温環境下でのサイクル特性に対する要求はますます高くなっており、更なる電池特性の改善が求められている。
なお、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
リチウム二次電池は、主にリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な材料を含む正極及び負極、リチウム塩、並びに非水溶媒からなる非水電解液から構成され、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネートが使用されている。
また、リチウム二次電池の負極としては、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、金属酸化物、リチウムとの合金等)や炭素材料が知られている。特にリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能なコークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料を用いたリチウム二次電池が広く実用化されている。
例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等の高結晶化した炭素材料を負極材料として用いたリチウム二次電池は、負極表面で還元分解することにより発生した分解物やガスが電池の望ましい電気化学的反応を阻害するため、高温サイクル特性の低下を生じることが分かっている。また、電極表面に非水溶媒の分解物が蓄積すると、正極及び負極へのリチウムの吸蔵及び放出がスムーズにできなくなり、高温サイクル特性が低下しやすくなる。
更に、リチウム金属やその合金、スズ又はケイ素等の金属単体や金属酸化物を負極材料として用いたリチウム二次電池は、初期の容量は高いものの蓄電デバイスとして使用中に微粉化が進むため、炭素材料の負極に比べて非水溶媒の還元分解が加速的に起こり、高温サイクル特性が大きく低下することが知られている。また、これらの負極材料の微粉化や非水溶媒の分解物の蓄積により、負極へのリチウムの吸蔵及び放出がスムーズにできなくなり、高温サイクル特性が低下しやすくなる。
一方、正極材料として、例えばLiCoO、LiMn、LiNiO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiFePO等を用いたリチウム二次電池は、高温下で非水電解液中の非水溶媒が充電状態で酸化分解され、その際発生する副反応物が負極に堆積し、高抵抗な被膜を形成することで高温サイクル特性の低下を生じることが分かっている。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、1,3,2−ジオキサチアン−2,2−ジオキシドや4−メチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、1,5,2,4−ジオキサジチエパン−2,2,4,4−テトラオキシドを含有する非水電解液が提案されており、サイクル特性、保存特性の向上が示唆されている。
特開平10−189042号 国際公開第2012/053644号 特開2004−281368号
本発明者らは、上記従来技術の非水電解液の性能について詳細に検討した結果、特許文献1の非水電解質二次電池では、蓄電デバイスを高温で使用した場合のサイクル特性を向上させるという課題や高温サイクル後のガス発生を抑制するという課題に対して十分に満足できるものではなかった。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物を含有することにより、蓄電デバイスを高温で使用した場合のサイクル特性や高温サイクル後のガス発生を抑制することができることを見出した。
本発明は、蓄電デバイスを高温で使用した場合のサイクル特性を向上させることができる蓄電デバイス用非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びそれを用いた蓄電デバイスの非水電解液用添加剤を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(3)を提供するものである。
(1)非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、下記一般式(I)で表される化合物を含有する蓄電デバイス用非水電解液。
Figure 2017069278

〔式中、
Xは、−S(=O)−、又は−S(=O)−CR(R)−S(=O)−を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
Yは、少なくとも1つの水素原子が−LOC(=O)R、−LOS(=O)、−LOP(=O)R(R)、−LS(=O)、又は−LP(=O)R(R)で置換された炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
ただし、X,Y,及び二つの酸素原子により形成される環構造は、6員環以上であり、
及びRのアルキル基、R〜Rで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
Yのアルキレン基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
前記一般式(I)で示される化合物は、好ましくは、一般式(II)又は一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2017069278

〔式中、
20〜R25の少なくとも1つは−LOC(=O)R26、−LOS(=O)27、又は−LOP(=O)R28(R29)を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R26〜R29はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示し、
他のR20〜R25はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基を示す。
ただし、R26〜R29のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。〕
Figure 2017069278

〔式中、
30及びR31はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
32は、少なくとも一つの水素原子が−LOC(=O)R33、−LOS(=O)34、−LOP(=O)R35(R36)、−LS(=O)37、又は−LP(=O)R38(R39)で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R33〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
ただし、R30及びR31のアルキル基、R33〜R39のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、R32のアルキレン基の水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
(2)正極、負極、及び非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、該非水電解液が前記(1)に記載の非水電解液である蓄電デバイス。
(3)一般式(II)で示される化合物又は一般式(III)で示される化合物を含む、蓄電デバイスの非水電解液用添加剤。
本発明によれば、蓄電デバイスを高温で使用した場合のサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できる蓄電デバイス用非水電解液、それを用いたリチウム二次電池等の蓄電デバイス、及びそれを用いた蓄電デバイスの非水電解液用添加剤を提供することができる。
本発明は、非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、新規化合物、及びそれを用いた蓄電デバイスの非水電解液用添加剤に関する。
[非水電解液]
本発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、一般式(I)で表される化合物を非水電解液中に含有する。
本発明の非水電解液が高温で使用した場合のサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できる理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。一般式(I)で表される化合物はスルホニル基を持つ6員環以上のヘテロ環と−LOC(=O)R、−LOS(=O)、−LOP(=O)R(R)、−LS(=O)、−LP(=O)R(R)などの電子吸引性基を有する。スルホニル基を持つ6員環以上のヘテロ環であるため、環骨格のひずみが小さく化学的に安定な化合物であるが、スルホニル基を持つヘテロ環に電子吸引基が結合しているため、化合物の電気化学的反応性が高まり、正極と負極の両方の活性点に素早く反応することで、より強固な被膜を形成し、高温サイクル特性を向上させるとともに、溶媒の分解によるガス発生を抑制するものと考えられる。
〔化合物〕
本発明の非水電解液に含まれる化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 2017069278

〔式中、
Xは、−S(=O)−、又は−S(=O)−CR(R)−S(=O)−を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
Yは、少なくとも1つの水素原子が−LOC(=O)R、−LOS(=O)、−LOP(=O)R(R)、−LS(=O)、又は−LP(=O)R(R)で置換された炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキレン基を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
ただし、X,Y,及び二つの酸素原子により形成される環構造は、6員環以上であり、
及びRのアルキル基、R〜Rで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
Yのアルキレン基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
本明細書において、各種置換基は、下記のように例示される。
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
炭素数2〜4のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基が挙げられる。
炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基が挙げられる。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
炭素数6〜12のアリールオキシ基は、例えば、フェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基が挙げられる。
炭素数1〜5の分岐又は直鎖のアルキレン基としては、例えば、メタンジイル基、エタン−1,2−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基、2,3−ジメチルブタン−1,4−ジイル基が挙げられる。
炭素数1〜3のアルキレン基としては、例えば、炭素数1〜3の分岐又は直鎖のアルキレン基が挙げられ、より具体的には、メタンジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基等が挙げられる。
及びRは、好ましくは水素原子である。
Yは、少なくとも1つの水素原子が−LOC(=O)R、−LOS(=O)、−LOP(=O)R(R)、−LS(=O)、又は−LP(=O)R(R)で置換された炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を示す。
Lは、好ましくは単結合又はメタンジイル基である。
〜Rは、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、より好ましくは、フッ素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2のアルケニル基、又は炭素数1〜2のアルコキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基である。
〜Rとしては、より具体的には、例えば、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−プロポキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基が好適に挙げられる。
Yの炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基である。
X,Y,及び二つの酸素原子により形成される環構造は、好ましくは6員環以上8員環以下、より好ましくは6員環以上7員環以下である。
なお、一般式(I)で表される化合物は、例えば、6員環以上のヘテロ環状化合物であり、式中、Xは−S(=O)−又は−S(=O)−CR(R)−S(=O)−基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示していてもよく、またYは、少なくとも1つの水素原子が−OC(=O)R、−OS(=O)、−OP(=O)R(R)、−S(=O)、−P(=O)R(R)で置換された炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を示していてもよく、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示していてもよく、前記R及びRで表されるアルキル基、R〜Rで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシ基の少なくとも1つの水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、また前記Yで表されるアルキレン基の少なくとも1つの水素原子はフッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。
前記一般式(I)で示される化合物は、好ましくは、一般式(II)又は一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2017069278

〔式中、
20〜R25の少なくとも1つは−LOC(=O)R26、−LOS(=O)27、又は−LOP(=O)R28(R29)を示し、Lは一般式(I)のLと同様であり,R26〜R29は、一般式(I)のR〜Rと同様であり、
他のR20〜R25は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基を示す。
ただし、R26〜R29のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。〕
20〜R25の中でも、R25が−LOC(=O)R26、−LOS(=O)27、又は−LOP(=O)R28(R29)であることが好ましい。
20〜R25は、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基を示し、より好ましくは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2のアルケニル基、又は炭素数1〜2のフッ素化アルキル基を示し、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜2のアルキル基である。
20〜R25は、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、又はエチニル基であり、より好ましくは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はビニル基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基が更に好ましい。
25は、−OC(=O)R26、−OS(=O)27、−OP(=O)R28(R29)を示し、中でも、−OC(=O)R26、−OS(=O)27が好ましく−OS(=O)27が更に好ましい。
26〜R29は、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、より好ましくは、フッ素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2のアルケニル基、又は炭素数1〜2のアルコキシ基を示し、更に好ましくは、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。
26〜R29としては、例えば、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−プロポキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基が挙げられ、中でも水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基、又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、ビニル基、メトキシ基、又はエトキシ基がより好ましい。
なお、一般式(II)で表される化合物は、例えば、式中、R20〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基を示し、R25は−OC(=O)R26、−OS(=O)27、又は−OP(=O)R28(R29)を示し、R26〜R29はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、また前記R26〜R29で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
一般式(II)の化合物としては、具体的に以下の化合物が好適に挙げられる。
Figure 2017069278
Figure 2017069278
Figure 2017069278
上記化合物の中でも、化合物A1〜A8、A11〜A14、A18〜A20が好ましく、(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチアン−5−イル)メタンスルホネート(化合物A1)、(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチアン−5−イル) メチル カーボネート(化合物A18)、(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチアン−5−イル) ジメチル ホスフェート(化合物A19)、又は(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチアン−5−イル) ジエチル ホスフェート(化合物A20)が更に好ましい。
一般式(II)で表される化合物は、例えば、下記一般式(II’)で表される化合物と塩化チオニルとの反応を経て、更に酸化することで得られる。
Figure 2017069278

〔式中、R20〜R25は、一般式(II)と同様である。〕
一般式(II’)で表される化合物と塩化チオニルとの反応において、トリエチルアミンアミンなどの塩基性物質を用いてもよい。反応は、無溶媒中又は溶媒中でおこなうことができ、溶媒としては、トルエンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルや炭酸ジメチルなどのエステル、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテルが好適に挙げられる。
また、上記酸化は、公知の酸化剤を用いて行うことができるが、例えば、RuClと過ヨウ素酸塩や次亜塩素酸塩とを組合せた酸化剤が用いられる。
溶媒としては、有機溶媒又は水が用いられ、有機溶媒としては、アセトニトリル、酢酸エチル、炭酸ジメチル、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどが好適に挙げられる。
また、一般式(II)で表される化合物の精製は、再結晶又はカラムクロマトグラフィーなどの公知の方法を用いて行うことができる。
また一般式(I)で示される化合物は、好ましくは、下記一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2017069278

〔式中、
30及びR31は、一般式(I)のR及びRと同様であり、
32は、少なくとも一つの水素原子が−LOC(=O)R33、−LOS(=O)34、−LOP(=O)R35(R36)、−LS(=O)37、又は−LP(=O)R38(R39)で置換された炭素数1〜4の分岐又は直鎖のアルキレン基を示し、Lは一般式(I)のLと同様であり、R33〜R39は、一般式(I)のR〜Rと同様であり、
ただし、R30及びR31のアルキル基、R33〜R39のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、R32のアルキレン基の水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
一般式(III)中、好ましい置換基は以下のとおりである。
32は、好ましくは、少なくとも一つの水素原子が−CHOC(=O)R33、−CHOS(=O)34、−CHOP(=O)R35(R36)、−CHS(=O)37、又は−CHP(=O)R38(R39)で置換された炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキレン基である。
33、R34、R37は、好ましくは、メチル基又はエチル基である。
35、R36、R38、R39は、好ましくは炭素数1〜3のアルキルオキシ基、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
なお、一般式(III)で表される化合物は、例えば、式中、R30及びR31はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R32は、少なくとも一つの水素原子が−CHOC(=O)R33、−CHOS(=O)34、−CHOP(=O)R35(R36)、−CHS(=O)37、又は−CHP(=O)R38(R39)で置換された炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R33〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、前記R30及びR31で表されるアルキル基、R33〜R39で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシ基の少なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、また前記R32で表されるアルキレン基の少なくとも一つの水素原子はフッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。
一般式(III)で示される化合物は、好ましくは一般式(IV)で表される化合物である。
Figure 2017069278

〔式中、
30及びR31は、一般式(I)のR及びRと同様であり、
40は−LOC(=O)R33、−LOS(=O)34、−LOP(=O)R35(R36)、−LS(=O)37、又は−LP(=O)R38(R39)を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、R33〜R39は、一般式(I)のR〜Rと同様であり、
41〜R43は、一般式(II)の他のR20〜R25と同様であり、
nは0〜2の整数を示す。
ただし、R30及びR31で表されるアルキル基、R41〜R43で表されるアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基の少なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。〕
33〜R39は、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、より好ましくは、フッ素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2のアルケニル基、又は炭素数1〜2のアルコキシ基を示し、更に好ましくは、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。
33〜R39としては、例えば、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−プロポキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基が好適に挙げられ、中でも、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ビニル基、メトキシ基、又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基、又はエトキシ基がより好ましい。
nは、0又は1が好ましく、0が更に好ましい。
40は、−CHOC(=O)R33、−CHOS(=O)34、−CHOP(=O)R35(R36)、−CHS(=O)37、又は−CHP(=O)R38(R39)を示し、中でも、−CHOC(=O)R33、−CHOS(=O)34、又は−CHOP(=O)R35(R36)が好ましく、−CHOS(=O)34が更に好ましい。
41〜43としては、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、又はビニル基が好ましく、水素原子又はメチル基が更に好ましい。
一般式(IV)で示される化合物は、例えば、式中、R30及びR31はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R40は−CHOC(=O)R33、−CHOS(=O)34、−CHOP(=O)R35(R36)、−CHS(=O)37、又は−CHP(=O)R38(R39)を示し、R41〜R43はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、又は炭素数2〜4のアルキニル基を示し、nは0〜2の整数を示す。前記R30及びR31で表されるアルキル基、R41〜R43で表されるアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基の少なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
一般式(III)で表される化合物としては、具体的に以下の化合物が好適に挙げられる。
Figure 2017069278
Figure 2017069278
Figure 2017069278
Figure 2017069278
上記化合物の中でも、化合物B1〜B8、B13〜B19、B23〜B26、B29〜B31、B33〜B35、B37、又はB38が好ましく、(2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル メタンスルホネート(化合物B1)、(7−メチル−2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル メタンスルホネート(化合物B2)、(2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル ベンゼンスルホネート(化合物B18)、(2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル アセテート(化合物B29)、ジエチル ((2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル) ホスフェート(化合物B34)、6−((メチルスルホニル)メチル)−1,5,2,4−ジオキサジチエパン 2,2,4,4−テトラオキシド(化合物B35)、((2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル) ジメチルホスホネート(化合物B37)、又は((2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル) ジエチルホスホネート(化合物B38)が更に好ましい。
一般式(III)で表される化合物は、例えば、下記一般式(III’’)で表される化合物と一般式(III’’’)で表される化合物とのエステル化反応により得られる。
Figure 2017069278

〔式中、R32は、一般式(III)と同様である。〕
Figure 2017069278

〔式中、R30及びR31は、一般式(III)と同様である。〕
一般式(III’’)で表される化合物として、下記一般式(III’)で表される化合物を用いてもよい。下記一般式(III’)で表される化合物を脱保護化することで、一般式(III’’)で表される化合物が生成する。
Figure 2017069278

〔式中、Rは、ジオールの保護基であり、例えば、ジメチルメチレン基、又はフェニルメチレン基であり、R32は、一般式(III)と同様である。〕
一般式(III’)で表される化合物から一般式(III’’)を得る反応では、酸触媒を用いると反応が加速されるので好ましく、酸触媒としては、塩酸、硫酸等の鉱酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸などが好適に挙げられる。
次に一般式(III’’)で表される化合物と一般式(III’’’)で表される化合物とのエステル化反応では、塩基を用いると反応が加速されるので好ましく、塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が好適に挙げられる。また、本反応中にR32で表される−LOC(=O)R33、−LOS(=O)34、−LOP(=O)R35(R36)部位がL−OHとなった場合には、引き続き塩基と求電子剤を反応させることで目的物である一般式(III)で表される化合物を得ることができる。塩基としてはトリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が好適にあげられ、求電子剤としては、例えばClC(=O)R33、ClS(=O)34、ClP(=O)R35(R36)などのハロゲン化物やR33C(=O)OC(=O)R33などの無水物が好適に挙げられる。
また、一般式(III)で表される化合物の精製は、晶析又はカラムクロマトグラフィーなどの公知の方法を用いて行うことができる。
上記一般式(I)で表される化合物は、種々の分野で有用であるが、例えば、蓄電デバイスの非水電解液用添加剤として用いられる。蓄電デバイスの非水電解液に対して、下記の所定量を添加して使用することで、蓄電デバイスを高温で使用した場合のサイクル特性を向上させることができる。
本発明の非水電解液において、一般式(I)で表される化合物の含有量は、非水電解液中に0.001〜10質量%が好ましい。該含有量が10質量%以下であれば、電極上に過度に被膜が形成され電池を高温で使用した場合のサイクル特性が低下するおそれが少なく、また0.001質量%以上であれば被膜の形成が十分であり、電池を高温で使用した場合のサイクル特性の改善効果が高まる。該含有量は、非水電解液中に0.05質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また、その上限は、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
本発明の非水電解液において、一般式(I)で表される化合物を以下に述べる非水溶媒、電解質塩、更にその他の添加剤を組合せることにより、サイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できる効果が相乗的に向上するという特異な効果を発現する。
〔非水溶媒〕
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル、及びアミドから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。高温での電気化学特性が相乗的に向上するため、鎖状エステルが含まれることが好ましく、環状カーボネートと鎖状エステルの両方が含まれることがより好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることがより好ましい。
なお、「鎖状エステル」なる用語は、鎖状カーボネート及び鎖状カルボン酸エステルを含む概念として用いる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、トランスもしくはシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、及び4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(EEC)から選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられ、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、及び4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(EEC)から選ばれる1種又は2種以上がより好適である。
環状カーボネートの含有量は、特に制限されないが、非水溶媒の総体積に対して、10〜45体積%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が10体積%以上であれば、非水電解液の電気伝導度が低下して高温サイクル特性が低下するおそれが少なく、45体積%以下であれば非水電解液の粘度が高くなりすぎないので上記範囲であることが好ましい。
環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは15体積%以上、より好ましくは20体積%以上であり、また、好ましくは40体積%以下、より好ましくは35体積%以下である。
環状カーボネートとしては、EC及びPCから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
また、上記の好ましい環状カーボネートに加えて、炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合又はフッ素原子を有する環状カーボネートのうち少なくとも1種を使用するとサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので好ましく、炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を含む環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートを両方含むことがより好ましい。炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートとしては、VC、VEC、又はEECが更に好ましく、フッ素原子を有する環状カーボネートとしては、FEC又はDFECが更に好ましい。
炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは0.07体積%以上、より好ましくは0.2体積%以上、更に好ましくは0.7体積%以上であり、また、その上限としては、好ましくは7体積%以下、より好ましくは4体積%以下、更に好ましくは2.5体積%以下であると、Liイオン透過性を損なうことなく一段とサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対して好ましくは0.07体積%以上、より好ましくは4体積%以上、更に好ましくは6体積%以上であり、また、その上限としては、好ましくは35体積%以下、より好ましくは25体積%以下、更に15体積%以下であると、Liイオン透過性を損なうことなく一段とサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので好ましい。
非水溶媒が炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートの両方を含む場合、フッ素原子を有する環状カーボネートの含有量に対する炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートの含有量は、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは3体積%以上、更に好ましくは7体積%以上であり、その上限としては、好ましくは40体積%以下、より好ましくは30体積%以下、更に15体積%以下であると、Liイオン透過性を損なうことなくサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので特に好ましい。
また、非水溶媒がエチレンカーボネートと炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートの両方を含むと電サイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので好ましく、エチレンカーボネート及び炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対し、好ましくは3体積%以上、より好ましくは5体積%以上、更に好ましくは7体積%以上であり、また、その上限としては、好ましくは45体積%以下、より好ましくは35体積%以下、更に好ましくは25体積%以下である。
これらの溶媒は1種類で使用してもよく、また2種類以上を組合せて使用した場合は、サイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので好ましく、3種類以上を組合せて使用することが特に好ましい。これらの環状カーボネートの好適な組合せとしては、ECとPC、ECとVC、PCとVC、VCとFEC、ECとFEC、PCとFEC、FECとDFEC、ECとDFEC、PCとDFEC、VCとDFEC、VECとDFEC、VCとEEC、ECとEEC、ECとPCとVC、ECとPCとFEC、ECとVCとFEC、ECとVCとVEC、ECとVCとEEC、ECとEECとFEC、PCとVCとFEC、ECとVCとDFEC、PCとVCとDFEC、ECとPCとVCとFEC、又はECとPCとVCとDFEC等が好ましい。前記の組合せのうち、ECとVC、ECとFEC、PCとFEC、ECとPCとVC、ECとPCとFEC、ECとVCとFEC、ECとVCとEEC、ECとEECとFEC、PCとVCとFEC、又はECとPCとVCとFEC等の組合せがより好ましい。
鎖状エステルとしては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MIPC)、メチルブチルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、及びジブチルカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の対称鎖状カーボネート、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、ピバリン酸プロピル等のピバリン酸エステル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酢酸メチル、及び酢酸エチル(EA)から選ばれる1種又は2種以上の鎖状カルボン酸エステルが好適に挙げられる。
前記鎖状エステルの中でも、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸メチル、及び酢酸エチル(EA)から選ばれるメチル基を有する鎖状エステルが好ましく、特にメチル基を有する鎖状カーボネートが好ましい。
また、鎖状カーボネートを用いる場合には、2種以上を用いることが好ましい。さらに対称鎖状カーボネートと非対称鎖状カーボネートの両方が含まれるとより好ましく、対称鎖状カーボネートの含有量が非対称鎖状カーボネートより多く含まれると更に好ましい。
鎖状エステルの含有量は、特に制限されないが、非水溶媒の総体積に対して、55〜90体積%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が55体積%以上であれば非水電解液の粘度が高くなりすぎず、90体積%以下であれば非水電解液の電気伝導度が低下して高温サイクル特性が低下するおそれが少ないので上記範囲であることが好ましい。
鎖状エステルの含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは60体積%以上、より好ましくは65体積%以上であり、また、好ましくは95体積%以下、より好ましくは80体積%以下、より好ましくは75体積%以下である。
鎖状カーボネート中に対称鎖状カーボネートが占める体積の割合は、51体積%以上が好ましく、55体積%以上がより好ましい。その上限としては、95体積%以下がより好ましく、85体積%以下であると更に好ましい。対称鎖状カーボネートにジメチルカーボネートが含まれると特に好ましい。また、非対称鎖状カーボネートはメチル基を有するとより好ましく、メチルエチルカーボネートが特に好ましい。上記の場合に一段とサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので好ましい。
環状カーボネートと鎖状エステルの割合は、高温下での電気化学特性向上の観点から、環状カーボネート:鎖状エステル(体積比)が10:90〜45:55が好ましく、15:85〜40:60がより好ましく、20:80〜35:65が特に好ましい。
その他の非水溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等の鎖状エーテル、ジメチルホルムアミド等のアミド、スルホラン等のスルホン、及びγ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、α−アンゲリカラクトン等のラクトンから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
上記その他の非水溶媒は通常、適切な物性を達成するために、混合して使用される。その組合せは、例えば、環状カーボネートと鎖状エステルとラクトンとの組合せ又は環状カーボネートと鎖状エステルとエーテルとの組合せ等が好適に挙げられ、環状カーボネートと鎖状エステルとラクトンとの組合せがより好ましく、ラクトンの中でもγ−ブチロラクトン(GBL)を用いると更に好ましい。
その他の非水溶媒の含有量は、非水溶媒の総体積に対して、通常1体積%以上、好ましくは2体積%以上であり、また通常40体積%以下、好ましくは30体積%以下、更に好ましくは20体積%以下である。
一段とサイクル特性を向上させる目的で、非水電解液中にさらにその他の添加剤を加えることが好ましい。
その他の添加剤の具体例としては、以下の(A)〜(I)の化合物が挙げられる。
(A)アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、及びセバコニトリルから選ばれる1種又は2種以上のニトリル。
(B)シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、又は1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン等の分枝アルキル基を有する芳香族化合物や、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、フルオロベンゼン、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、又はジフェニルカーボネート等の芳香族化合物。
(C)メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2−イソシアナトエチル アクリレート、及び2−イソシアナトエチル メタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のイソシアネート化合物。
(D)2−プロピニル メチル カーボネート、酢酸 2−プロピニル、ギ酸 2−プロピニル、メタクリル酸 2−プロピニル、メタンスルホン酸 2−プロピニル、ビニルスルホン酸 2−プロピニル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸2−プロピニル、ジ(2−プロピニル)オギザレート、2−ブチン−1,4−ジイル ジメタンスルホネート、及び2−ブチン−1,4−ジイル ジホルメートから選ばれる1種又は2種以上の三重結合含有化合物。
(E)1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、もしくは2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート等のスルトン、エチレンサルファイト等の環状サルファイト、エチレンサルフェート等の環状サルフェート、ブタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネート、ブタン−1,4−ジイル ジメタンスルホネート、もしくはメチレンメタンジスルホネート等のスルホン酸エステル、及びジビニルスルホン、1,2−ビス(ビニルスルホニル)エタン、もしくはビス(2−ビニルスルホニルエチル)エーテル等のビニルスルホン化合物から選ばれる1種又は2種以上のS=O基含有化合物。
(F)環状アセタール化合物としては、分子内に「アセタール基」を有する化合物であれば、その種類は特に限定されない。その具体的としては、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、又は1,3,5−トリオキサン等の環状アセタール化合物。
(G)リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)、エチル 2−(ジエトキシホスホリル)アセテート、及び2−プロピニル 2−(ジエトキシホスホリル)アセテートから選ばれる1種又は2種以上のリン含有化合物。
(H)カルボン酸無水物としては、分子内に「C(=O)−O−C(=O)基」を有する化合物であれば特にその種類は限定されない。その具体的としては、無水酢酸、無水プロピオン酸等の鎖状のカルボン酸無水物、無水コハク酸、無水マレイン酸、3−アリル無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、又は3−スルホ−プロピオン酸無水物等の環状酸無水物。
(I)ホスファゼン化合物としては、分子内に「N=P−N基」を有する化合物であれば、その種類は特に限定されない。その具体的としては、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、フェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、又はエトキシヘプタフルオロシクロテトラホスファゼン等の環状ホスファゼン化合物。
上記の中でも、(A)ニトリル、(B)芳香族化合物、及び(C)イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種以上を含むと一段と高温での電気化学特性が向上するので好ましい。
(A)ニトリルの中では、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、及びピメロニトリルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
(B)芳香族化合物の中では、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、及びtert−アミルベンゼンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ビフェニル、o−ターフェニル、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、及びtert−アミルベンゼンから選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
(C)イソシアネート化合物の中では、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2−イソシアナトエチル アクリレート、及び2−イソシアナトエチル メタクリレートから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
(A)〜(C)の化合物の含有量は、非水電解液中に0.01〜7質量%が好ましい。この範囲では、被膜が厚くなり過ぎずに十分に形成され、サイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できる。該含有量は、非水電解液中に0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、その上限は、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
また、(D)三重結合含有化合物、(E)スルトン、環状サルファイト、スルホン酸エステル、ビニルスルホンから選ばれる環状又は鎖状のS=O基含有化合物(但し、三重結合含有化合物、及び一般式(I)で表される化合物は含まない)、(F)環状アセタール化合物、(G)リン含有化合物(但し、一般式(I)で表される化合物は含まない)、(H)環状酸無水物、及び(I)環状ホスファゼン化合物を含むとサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できるので好ましい。
(D)三重結合含有化合物としては、2−プロピニル メチル カーボネート、メタクリル酸 2−プロピニル、メタンスルホン酸 2−プロピニル、ビニルスルホン酸 2−プロピニル、ジ(2−プロピニル)オギザレート、及び2−ブチン−1,4−ジイル ジメタンスルホネートから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、メタンスルホン酸 2−プロピニル、ビニルスルホン酸 2−プロピニル、ジ(2−プロピニル)オギザレート、及び2−ブチン−1,4−ジイル ジメタンスルホネートから選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。
(E)スルトン、環状サルファイト、環状サルフェート、スルホン酸エステル、及びビニルスルホン化合物から選ばれる環状又は鎖状のS=O基含有化合物を用いることが好ましい。
環状のS=O基含有化合物としては、1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート、メチレン メタンジスルホネート、エチレンサルファイト、及びエチレンサルフェートから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
また、鎖状のS=O基含有化合物としては、ブタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネート、ブタン−1,4−ジイル ジメタンスルホネート、ジメチル メタンジスルホネート、ペンタフルオロフェニル メタンスルホネート、ジビニルスルホン、及びビス(2−ビニルスルホニルエチル)エーテルから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
環状又は鎖状のS=O基含有化合物の中でも、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート、エチレンサルフェート、ペンタフルオロフェニル メタンスルホネート、及びジビニルスルホンから選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。
(F)環状アセタール化合物としては、1,3−ジオキソラン、又は1,3−ジオキサンが好ましく、1,3−ジオキサンが更に好ましい。
(G)リン含有化合物としては、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)、エチル 2−(ジエトキシホスホリル)アセテート、又は2−プロピニル 2−(ジエトキシホスホリル)アセテートが好ましく、2−プロピニル 2−(ジエトキシホスホリル)アセテートが更に好ましい。
(H)環状酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、又は3−アリル無水コハク酸が好ましく、無水コハク酸又は3−アリル無水コハク酸が更に好ましい。
(I)環状ホスファゼン化合物としては、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、又はフェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン等の環状ホスファゼン化合物が好ましく、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、又はエトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンが更に好ましい。
前記(D)〜(I)の化合物の含有量は、非水電解液中に0.001〜5質量%が好ましい。この範囲では、被膜が厚くなり過ぎずに十分に形成され、一段とサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できる。該含有量は、非水電解液中に0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、その上限は、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
また、一段と高温での電気化学特性を向上させる目的で、非水電解液中にさらに、シュウ酸骨格を有するリチウム塩、リン酸骨格を有するリチウム塩及びS=O基を有するリチウム塩の中から選ばれる1種以上のリチウム塩を含むことが好ましい。
リチウム塩の具体例としては、リチウム ビス(オキサラト)ボレート〔LiBOB〕、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート〔LiDFOB〕、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート〔LiTFOP〕、及びリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート〔LiDFOP〕から選ばれる少なくとも1種のシュウ酸骨格を有するリチウム塩、LiPOやLiPOF等のリン酸骨格を有するリチウム塩、リチウム トリフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ボレート〔LiTFMSB〕、リチウム ペンタフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ホスフェート〔LiPFMSP〕、リチウム メチルサルフェート〔LMS〕、リチウムエチルサルフェート〔LES〕、リチウム 2,2,2−トリフルオロエチルサルフェート〔LFES〕、及びFSOLiから選ばれる1種以上のS=O基を有するリチウム塩が好適に挙げられ、LiBOB、LiDFOB、LiTFOP、LiDFOP、LiPO、LiTFMSB、LMS、LES、LFES、及びFSOLiから選ばれるリチウム塩を含むことがより好ましい。
リチウム塩が非水溶媒中に占める割合は、0.001M以上0.5M以下である場合が好ましい。この範囲にあると一段とサイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できる。好ましくは0.01M以上、更に好ましくは0.03M以上、特に好ましくは0.04M以上である。その上限は、更に好ましくは0.4M以下、特に好ましくは0.2M以下である。(ただし、Mはmol/Lを示す。)
〔電解質塩〕
本発明に使用される電解質塩としては、下記のリチウム塩が好適に挙げられる。
リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO等の無機リチウム塩、LiN(SOF)〔LiFSI〕、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiC(SOCF、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CF、LiPF(iso−C7、LiPF(iso−C7)等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩や、(CF(SONLi、(CF(SONLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩等が好適に挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩が好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、LiPF、LiBF、LiN(SOCF、LiN(SO、及びLiN(SOF)〔LiFSI〕から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、LiPFを用いることがもっとも好ましい。電解質塩の濃度は、前記の非水溶媒に対して、通常0.3M以上が好ましく、0.7M以上がより好ましく、1.1M以上が更に好ましい。またその上限は、2.5M以下が好ましく、2.0M以下がより好ましく、1.6M以下が更に好ましい。
また、これらの電解質塩の好適な組合せとしては、LiPFを含み、更にLiBF、LiN(SOCF、及びLiN(SOF)〔LiFSI〕から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩が非水電解液中に含まれている場合が好ましく、LiPF以外のリチウム塩が非水溶媒中に占める割合は、0.001M以上であると、サイクル特性を向上させることができ、高温サイクル後のガス発生を抑制できやすく、1.0M以下であると高温サイクル特性が低下する懸念が少ないので好ましい。好ましくは0.01M以上、特に好ましくは0.03M以上、最も好ましくは0.04M以上である。その上限は、好ましくは0.8M以下、さらに好ましくは0.6M以下、特に好ましくは0.4M以下である。
〔非水電解液の製造〕
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩及び該非水電解液に対して前記一般式(I)で表される化合物を添加することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒及び非水電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の非水電解液は、例えば、下記の第1〜第4の蓄電デバイスに使用することができ、非水電解質として、液体状のものだけでなくゲル化されているものも使用し得る。更に本発明の非水電解液は固体高分子電解質用としても使用できる。中でも電解質塩にリチウム塩を使用する第1の蓄電デバイス用(即ち、リチウム電池用)又は第4の蓄電デバイス用(即ち、リチウムイオンキャパシタ用)として用いることが好ましく、リチウム電池用として用いることが更に好ましく、リチウム二次電池用として用いることが最も適している。
〔第1の蓄電デバイス(リチウム電池)〕
本発明の第1の蓄電デバイスであるリチウム二次電池は、正極、負極及び非水電解液を含む。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で用いるか又は2種以上を組合せて用いることができる。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO、LiCo1−x(但し、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、及びCuから選ばれる1種又は2種以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiMn、LiNiO、LiCo1−xNi(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiMnOとLiMO(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体、及びLiNi1/2Mn3/2から選ばれる1種以上が好適に挙げられ、2種以上がより好適である。また、LiCoOとLiMn、LiCoOとLiNiO、LiMnとLiNiOのように併用してもよい。
高充電電圧で動作するリチウム複合金属酸化物を使用すると、充電時における電解液との反応により高温サイクル特性が低下しやすいが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができる。
特にNiを含む正極活物質の場合にNiの触媒作用により正極表面での非水溶媒の分解が起き、電池の抵抗が増加しやすい傾向にある。特に高温環境下での電気化学特性が低下しやすい傾向にあるが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができるので好ましい。特に、正極活物質中の全遷移金属元素の原子濃度に対するNiの原子濃度の割合が、30atomic%を超える正極活物質を用いた場合に上記効果が顕著になるので好ましく、50atomic%以上が更に好ましく、75%以上が特に好ましい。具体的には、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05等が好適に挙げられる。
更に、正極活物質として、リチウム含有オリビン型リン酸塩を用いることもできる。特に鉄、コバルト、ニッケル及びマンガンから選ばれる少なくとも1種以上含むリチウム含有オリビン型リン酸塩が好ましい。その具体例としては、LiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiMnPO等が挙げられる。
これらのリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W及びZr等から選ばれる1種以上の元素で置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。これらの中では、LiFePO又はLiMnPOが好ましい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば前記の正極活物質と混合して用いることもできる。
また、リチウム一次電池用正極としては、CuO、CuO、AgO、AgCrO、CuS、CuSO、TiO、TiS、SiO、SnO、V、V12、VO、Nb、Bi、BiPb,Sb、CrO、Cr、MoO、WO、SeO、MnO、Mn、Fe、FeO、Fe、Ni、NiO、CoO、CoOなどの、1種もしくは2種以上の金属元素の酸化物あるいはカルコゲン化合物、SO、SOClなどの硫黄化合物、一般式(CFnで表されるフッ化炭素(フッ化黒鉛)などが挙げられる。中でも、MnO、V、フッ化黒鉛などが好ましい。
正極の導電剤は、化学変化を起こさない電子伝導材料であれば特に制限はない。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。また、グラファイトとカーボンブラックを適宜混合して用いてもよい。導電剤の正極合剤への添加量は、1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレンプロピレンジエンターポリマー等の結着剤と混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体のアルミニウム箔やステンレス製のラス板等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは2g/cm以上であり、より好ましくは、3g/cm以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm以上である。なお、上限としては、4g/cm以下が好ましい。
リチウム二次電池用負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料〔易黒鉛化炭素や、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化炭素や、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛など〕、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、LiTi12などのチタン酸リチウム化合物等を1種単独又は2種以上を組合せて用いることができる。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することが更に好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが特に好ましい。
複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合或いは結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、例えば鱗片状天然黒鉛粒子に圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、球形化処理を施した黒鉛粒子を用いることにより、負極の集電体を除く部分の密度を1.5g/cm以上の密度に加圧成形したときの負極シートのX線回折測定から得られる黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比I(110)/I(004)が0.01以上となると一段と正極活物質からの金属溶出量の改善と、充電保存特性が向上するので好ましく、0.05以上となることがより好ましく、0.1以上となることが更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下し電池の放電容量が低下する場合があるので、上限は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
また、高結晶性の炭素材料(コア材)はコア材よりも低結晶性の炭素材料によって被膜されていると、高温サイクル特性が一段と良好となるので好ましい。被覆の炭素材料の結晶性は、TEMにより確認することができる。
高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において非水電解液と反応し、界面抵抗の増加によって高温サイクル特性を低下させる傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池では高温サイクル特性が良好となる。
また、負極活物質としてのリチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物としては、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Al、Ga、In、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Mg、Sr、及びBa等から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する化合物が挙げられる。これらの金属化合物は単体、合金、酸化物、窒化物、硫化物、硼化物、リチウムとの合金等、何れの形態で用いてもよいが、単体、合金、酸化物、リチウムとの合金の何れかが高容量化できるので好ましい。中でも、Si、Ge及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものが好ましく、Si及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素を含むものが電池を高容量化できるので特に好ましい。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下加熱処理することにより作製することができる。
負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.1g/cm以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは1.5g/cm以上であり、特に好ましくは1.7g/cm以上である。なお、上限としては、2g/cm以下が好ましい。
また、リチウム一次電池用の負極活物質としては、リチウム金属又はリチウム合金が挙げられる。
リチウム電池の構造には特に限定はなく、単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池、円筒型電池、角型電池、ラミネート電池等を適用できる。
電池用セパレータとしては、特に制限はされないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層又は積層の微多孔性フィルム、織布、不織布等を使用できる。
本発明におけるリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2V以上、特に4.3V以上の場合にも高温サイクル特性に優れ、更に、4.4V以上においても特性は良好である。放電終止電圧は、通常2.8V以上、更には2.5V以上とすることができるが、本発明におけるリチウム二次電池は、2.0V以上とすることができる。電流値については特に限定されないが、通常0.1〜30Cの範囲で使用される。また、本発明におけるリチウム電池は、−40〜100℃、好ましくは−10〜80℃で充放電することができる。
本発明においては、リチウム電池の内圧上昇の対策として、電池蓋に安全弁を設けたり、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを入れる方法も採用することができる。また、過充電防止の安全対策として、電池の内圧を感知して電流を遮断する電流遮断機構を電池蓋に設けることができる。
〔第2の蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)〕
第2の蓄電デバイスは、電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。本発明の一例は、電気二重層キャパシタである。この蓄電デバイスに用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は概ね表面積に比例して増加する。
〔第3の蓄電デバイス〕
第3の蓄電デバイスは、電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。この蓄電デバイスに用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応にともなうエネルギー貯蔵が可能である。
〔第4の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)〕
第4の蓄電デバイスは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気ニ重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPF6などのリチウム塩が含まれる。
以下、本発明の実施例を示すが、本件の権利範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔合成例〕
合成例1(2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル メタンスルホネートの合成
100ml三口フラスコに(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル メタンスルホネート5.00g(23.8mmol)と5質量% HCl/MeOH30mlを室温下で加え、19時間室温で攪拌した。その後、減圧濃縮を行い、赤褐色の液体を4.25g得た。得られた反応濃縮液にトリエチルアミン9.63g(95.2mmol)、酢酸エチル50mlを加え、そこにメタンジスルホニル ジクロリド6.00g(28.2mmol)の酢酸エチル溶液を、室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後水50ml加え分液した後、有機層を5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた反応液を濃縮後、カラムクロマトグラフィーで精製し、白色の固体1.51gを得た。
得られた(2,2,4,4−テトラオキシド−1,5,2,4−ジオキサジチエパン−6−イル)メチル メタンスルホネート(化合物B1)について、H−NMRの測定を行い、その構造を確認した。結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,d−DMSO):δ6.40−6.31(2H,m),5.48−5.43(1H,m),4.94−4.83(2H,m),4.57−4.47(2H,m),3.27(3H、s).
合成例2(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチアン−5−イル)メタンスルホネートの合成
200ml三口フラスコにトリエチルアミン9.41g(93.0mmol)と酢酸エチル100mlを加えたのち、0℃に冷却した。そこへ(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)メタンスルホネート5.00g(23.8mmol)と塩化チオニル4.51g(37.9mmol)の酢酸エチル溶液を加え、1時間攪拌した。その後、水を加え、有機相を1N塩酸、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、有機相を減圧濃縮し、赤褐色の液体を5.84g得た。得られた濃縮液にRuCl・nHO128mg(0.62mmol)、アセトニトリル35ml、水35mlとを加え、そこに過ヨウ素酸ナトリウム9.07g(43.7mmol)を室温で加え、4時間攪拌した。反応終了後、水50ml加え分液した後、有機層を5質量%チオ硫酸ナトリウム水溶液と5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた反応液を濃縮後、カラムクロマトグラフィーで精製し、白色の固体3.50gを得た。
得られた(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチアン−5−イル)メタンスルホネート(化合物A1)について、H−NMRの測定を行い、その構造を確認した。結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,d−DMSO):δ5.12−5.06(3H,m),4.95−4.89(2H,m),3.39(3H,s).
〔高温サイクル特性の評価〕
(高温サイクル後の容量維持率)
上記の方法で作製した電池を用いて60℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.25Vまで3時間充電し、次に1Cの定電流下、放電電圧3.0Vまで放電することを1サイクルとし、これを200サイクルに達するまで繰り返した。そして、以下の式によりサイクル後の容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
(高温サイクル後のガス発生量)
高温サイクル(200サイクル)後のガス発生量はアルキメデス法により測定した。ガス発生量は、各表において、下記の比較例のガス発生量を100%としたときを基準とし、相対的なガス発生量を調べた。
表1及び表2:比較例1−1
表3及び表4:比較例2−1
表5:比較例3−1
表6:比較例4−1
また、電池の作製条件及び電池特性を表1〜表6に示す。
実施例1−1〜1−13、実施例2−1〜2−16、比較例1−1〜1−3、比較例2−1〜2−2
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiCo1/3Ni1/3Mn1/3;94質量%、アセチレンブラック(導電剤);3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、矩形の正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cmであった。また、ケイ素(単体);10質量%、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);80質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cmであった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表1〜表4に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート型電池を作製した。
Figure 2017069278
Figure 2017069278
Figure 2017069278
Figure 2017069278
実施例3−1、3−2、及び比較例3−1
実施例1−1で用いた正極活物質に変えて、LiNi1/2Mn3/2(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。LiNi1/2Mn3/2;94質量%、アセチレンブラック(導電剤);3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を4.9V、放電終止電圧を2.7Vとしたこと、非水電解液の組成を表に記載の所定のものに変えたことの他は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017069278
実施例4−1、4−2、及び比較例4−1
実施例1−1で用いた負極活物質に代えて、チタン酸リチウムLiTi12(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。チタン酸リチウムLiTi12;80質量%、アセチレンブラック(導電剤);15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を2.8V、放電終止電圧を1.2Vとしたこと、非水電解液の組成を表に記載の所定のものに変えたことの他は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 2017069278
上記実施例1−1〜1−13及び2−1〜2−16のリチウム二次電池は何れも、本発明の非水電解液において、一般式(I)で表される化合物を添加しない場合の比較例1−1、特許文献1〜3記載の化合物を添加した場合の比較例1−2〜1−3、及び比較例2−2のリチウム二次電池に比べ、高温でのサイクル特性を向上させている。また、実施例3−1〜3−2と比較例3−1との対比、実施例4−1〜4−2と比較例4−1との対比から、正極にニッケルマンガン酸リチウム塩(LiNi1/2Mn3/2)を用いた場合や負極にチタン酸リチウム(LiTi12)にも同様な効果がみられる。したがって、本発明の効果は、特定の正極や負極に依存した効果でないことは明らかである。
更に、本発明の非水電解液は、リチウム一次電池を高温で使用した場合の放電特性を改善する効果も有する。
本発明は、以下の発明を開示する。
〔1〕非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、下記一般式(I)で表される化合物を含有する非水電解液。
Figure 2017069278

〔式中、
Xは、−S(=O)−、又は−S(=O)−CR(R)−S(=O)−を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
Yは、少なくとも1つの水素原子が−LOC(=O)R、−LOS(=O)、−LOP(=O)R(R)、−LS(=O)、又は−LP(=O)R(R)で置換された炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
ただし、X,Y,及び二つの酸素原子により形成される環構造は、6員環以上であり、
及びRのアルキル基、R〜Rで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
Yのアルキレン基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
〔2〕正極、負極、及び非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、該非水電解液が上記〔1〕に記載の非水電解液である蓄電デバイス。
〔3〕一般式(I)で表される化合物。
〔4〕上記〔3〕に記載の化合物を含む、蓄電デバイスの非水電解液用添加剤。
〔5〕上記〔3〕に記載の化合物の蓄電デバイスの非水電解液へ使用。
本発明の非水電解液を用いた蓄電デバイスは、電池を高温で使用した場合の電気化学特性に優れたリチウム二次電池等の蓄電デバイスとして有用である。

Claims (6)

  1. 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、下記一般式(I)で表される化合物を含有する蓄電デバイス用非水電解液。
    Figure 2017069278

    〔式中、
    Xは、−S(=O)−、又は−S(=O)−CR(R)−S(=O)−を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
    Yは、少なくとも1つの水素原子が−LOC(=O)R、−LOS(=O)、−LOP(=O)R(R)、−LS(=O)、又は−LP(=O)R(R)で置換された炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
    ただし、X,Y,及び二つの酸素原子により形成される環構造は、6員環以上であり、
    及びRのアルキル基、R〜Rで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
    Yのアルキレン基の少なくとも1つの水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
  2. 前記一般式(I)で示される化合物が、下記一般式(II)で示される化合物である、請求項1に記載の非水電解液。
    Figure 2017069278

    〔式中、
    20〜R25の少なくとも1つは−LOC(=O)R26、−LOS(=O)27、又は−LOP(=O)R28(R29)を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R26〜R29はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示し、
    他のR20〜R25はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基を示す。
    ただし、R26〜R29のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。〕
  3. 前記一般式(I)で示される化合物が、下記一般式(III)で示される化合物である、請求項1に記載の非水電解液。
    Figure 2017069278

    〔式中、
    30及びR31はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
    32は、少なくとも一つの水素原子が−LOC(=O)R33、−LOS(=O)34、−LOP(=O)R35(R36)、−LS(=O)37、又は−LP(=O)R38(R39)で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R33〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
    ただし、R30及びR31のアルキル基、R33〜R39のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、R32のアルキレン基の水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
  4. 前記一般式(III)で示される化合物が、下記一般式(IV)で示される化合物である、請求項3に記載の非水電解液。
    Figure 2017069278

    〔式中、
    30及びR31はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
    40は−LOC(=O)R33、−LOS(=O)34、−LOP(=O)R35(R36)、−LS(=O)37、又は−LP(=O)R38(R39)を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、R33〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
    41〜R43はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、又は炭素数2〜4のアルキニル基を示し、
    nは0〜2の整数を示す。
    ただし、R30及びR31で表されるアルキル基、R41〜R43で表されるアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基の少なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。〕
  5. 正極、負極、及び非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、該非水電解液が請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解液である蓄電デバイス。
  6. 下記一般式(II)で示される化合物又は下記一般式(III)で示される化合物を含む、蓄電デバイスの非水電解液用添加剤。
    Figure 2017069278

    〔式中、
    20〜R25の少なくとも1つは−LOC(=O)R26、−LOS(=O)27、又は−LOP(=O)R28(R29)を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R26〜R29はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示し、
    他のR20〜R25はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基を示す。
    ただし、R26〜R29のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。〕
    Figure 2017069278

    〔式中、
    30及びR31はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
    32は、少なくとも一つの水素原子が−LOC(=O)R33、−LOS(=O)34、−LOP(=O)R35(R36)、−LS(=O)37、又は−LP(=O)R38(R39)で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Lは、単結合、又は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R33〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。
    ただし、R30及びR31のアルキル基、R33〜R39のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシ基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、R32のアルキレン基の水素原子は、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。〕
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