JPWO2017057588A1 - リチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタ - Google Patents

リチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタ Download PDF

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Abstract

非水溶媒にリチウム塩が特定の量にて溶解されている非水電解液において、前記非水溶媒が、特定量のエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、及びフッ素化鎖状エステルを含有し、前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量を特定の範囲とし、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量を特定の範囲とし、前記非水電解液の引火点が20℃以上である、リチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液が開示される。非水溶媒にリチウム塩が特定の量にて溶解されている非水電解液において、前記非水溶媒が、特定量のエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、及びエチルプロピオネートを含有し、前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量を特定の範囲とし、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量を特定の範囲とし、前記非水電解液の引火点が20℃以上である、リチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液も開示される。

Description

本発明は、−40℃の極低温下であっても非水電解液が凝固することなく、耐電圧など電池性能に優れたにも優れたリチウム二次電池用非水電解液又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液、及びそれを用いたリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタに関する。
近年、リチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタは、携帯電話やノート型パソコン等の小型電子機器のみならず、電気自動車やアイドリングストップ用の車載用電源、電力貯蔵用の電源として広く用いられるようになってきた。これら電気自動車は航続距離を伸ばすために蓄電デバイスの更なる高電圧化や高エネルギー密度化の開発が行われている。そのため、電気自動車は移動距離が長くなり、熱帯のような非常に暑い地域から極寒の地域まで幅広い温度の地域で使用される可能性が出てきた。そのため、これらのリチウム二次電池やリチウムイオンキャパシタは、炎天下の車の中では、60℃以上になることもある。また、−40℃以下の極寒の極低温下では、非水電解液が凝固してしまう可能性がある。そのため、60℃の高温から−40℃以下の極低温という「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で使用する場合であっても、液体状態を維持したまま使用でき、優れた電池性能を示すことが求められている。
リチウム二次電池は、主にリチウムを吸蔵及び放出可能な材料を含む正極及び負極、リチウム塩と非水溶媒からなる非水電解液から構成され、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)等のカーボネートが使用されている。
このような非水溶媒を含む非水電解液を4.2V以上の高電圧で使用する場合、溶媒の一部が分解されてしまうことがある。60℃以上の高温から−40℃以下の極低温の「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で使用する場合、引火点、凝固点、電気伝導率、あるいは粘度などの物性が電池特性に大きな影響を与えてしまうことが分かり、上記課題の改善が求められていた。
特許文献1には、非水溶媒が、環状エステルの1種以上と鎖状エステルの1種以上を含む混合溶媒からなり、かつ混合溶媒が互いに相溶し、かつ鎖状エステルの少なくとも1種がハロゲン化鎖状カーボネートである非水電解液二次電池が開示されており、安全性が向上することが示されている。
特許文献2には、非水溶媒がフッ素化鎖状カルボン酸エステルと、金属リチウムとリチウムイオンとの平衡電位を基準として+1.0〜3.0Vの範囲で分解される被膜生成化合物と、を含む二次電池用非水電解液が開示されており、高温条件下において電池容量の低下を抑制することが示されている。
また特許文献3には、非水溶媒が50〜90%の2,2−ジフルオロエチルアセテートを含むリチウムイオン電池用電解液が開示されており、高温条件下、高電圧においてサイクル特性が向上することが示されている。
さらに、特許文献4には、エチレンカーボネートを20〜35体積%、エチルメチルカーボネートを35〜45体積%、ジメチルカーボネートを15〜35体積%、及びジエチルカーボネート又はプロピレンカーボネートを3〜15体積%含む混合溶媒からなる非水電解液を用いたリチウム二次電池において、室温及び−30℃のサイクル特性が向上することが開示されている。
また特許文献5には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとプロピオン酸メチルを容積比で3:3:3:1で混合した溶媒に、LiPF を1Mになるように溶解し、ビニレンカーボネートを2質量%添加した非水電解液を用いたリチウム二次電池において、−30℃での出力特性が向上することが開示されている。
特開平11−40195号公報 国際公開第2008/102493号パンフレット 国際公開第2013/033579号パンフレット 特開2005−353579号公報 特開2006−172775号公報
本発明は、−40℃以下でも凝固することなく、「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で、液体状態を維持したまま使用でき、優れた電池性能を示すことが出来るリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用の非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池及びリチウムイオンキャパシタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の非水電解液の性能について詳細に検討した結果、前記特許文献1〜5の非水電解液を用いたリチウム二次電池では、安全性の向上や、高温条件下あるいは−30℃の条件下や高電圧電池でのサイクル特性を良好なものとすることができるものの、−40℃以下でも凝固することなく液体状態を維持したまま使用でき、優れた電池性能を示すという課題に対しては十分な効果が得られていないばかりか、−40℃以下でも凝固することがない電解液組成も開示している訳ではないのが実情である。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、10〜20体積%のフッ素化鎖状エステル、及び20〜40体積%のメチルエチルカーボネートを含有し、前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、このことにより、前記非水電解液の引火点は20℃以上となり、かつ、電気伝導率が8mS/cm以上となることを見出した。しかも、各種カーボネートと、フッ素化鎖状エステルと、を特定の比率で含有する混合溶媒を用いることにより、−40℃以下であっても凝固することなく、「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で液体状態を維持したまま使用でき、優れた電池性能を示す耐電圧も向上することも見出し、本発明を完成した。なお、このような作用効果は、前記特許文献1〜5の技術では全くなしえなかったものであり、また、前記特許文献1〜5にはまったく示唆されていないものである。
また、本発明者らは、上記課題を解決するためにさらなる鋭意研究を重ねた結果、非水溶媒にリチウム塩が0.9〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、および10〜20体積%のエチルプロピオネートを含有し、前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、このことにより、前記非水電解液の引火点は20℃以上となり、かつ、電気伝導率が8mS/cm以上となることを見出した。しかも、各種カーボネートと、エステル(−COO−)の両端に2つのエチル基を有するエチルプロピオネートと、を特定の比率で含有する混合溶媒を用いることにより、−40℃以下であっても凝固することなく、「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で液体状態を維持したまま使用でき、優れた電池性能を示す耐電圧も向上することも見出し、本発明を完成した。なお、このような作用効果は、前記特許文献1〜5の技術では全くなしえなかったものであり、また、前記特許文献1〜5にはまったく示唆されていないものである。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(4)を提供するものである。
(1)非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、10〜20体積%のフッ素化鎖状エステル、及び20〜40体積%のメチルエチルカーボネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
(2)非水溶媒にリチウム塩が0.9〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、および10〜20体積%のエチルプロピオネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
(3)正極、負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウム二次電池において、該非水電解液が前記(1)又は(2)に記載の非水電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。
(4)正極、負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウムイオンキャパシタにおいて、該非水電解液が前記(1)又は(2)に記載の非水電解液であることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
本発明の非水電解液は、リチウム塩濃度を特定の範囲とし、かつ、特定の溶媒を特定の比率で混合することにより、耐電圧に優れ、高い引火点(20℃以上)を有し、かつ、凝固点が低く−40℃で凝固することなく、高い電気伝導率を示すものであり、そのため、本発明の非水電解液によれば、高温から極低温まで幅広い温度範囲で優れた特性を示すリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタを提供することができる。
本発明は、リチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタに関する。
〔非水電解液〕
本発明の第1の観点に係る非水電解液は、非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、10〜20体積%のフッ素化鎖状エステル、及び20〜40体積%のメチルエチルカーボネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液である。
あるいは、本発明の第2の観点に係る非水電解液は、非水溶媒にリチウム塩が0.9〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、および10〜20体積%のエチルプロピオネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液である。
〔リチウム塩〕
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液に使用されるリチウム塩としては、下記のものが好適に挙げられる。
リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF等の無機リチウム塩、LiN(SOF)〔LiFSI〕、LiN(SOCF、LiN(SO等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩、リチウム メチルサルフェート〔LMS〕、リチウムエチルサルフェート〔LES〕、又はFSOLiなどのS=O基を有するリチウム塩、及びリチウム ビス(オキサラト)ボレート〔LiBOB〕、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート〔LiDFOB〕、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート〔LiTFOP〕、又はリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート〔LiDFOP〕などのシュウ酸骨格を有するリチウム塩が好適に挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、LiPF、LiPO、LiN(SOF)、リチウム メチルサルフェート、リチウムエチルサルフェート、又はリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートを用いることがより好ましく、最も好ましくは、LiPF、LiPO、LiN(SOF)、リチウム メチルサルフェート、又はリチウムエチルサルフェートである。リチウム塩の濃度は、第1の観点に係る非水電解液においては、前記の非水溶媒に対して、0.8M(mol/L)以上であり、1.0M以上が好ましく、1.1M以上がより好ましい。またその上限は、1.5M以下であり、1.45M以下が好ましく、1.4M以下がより好ましい。また、第2の観点に係る非水電解液における、リチウム塩の濃度は、前記の非水溶媒に対して、0.9M(mol/L)以上であり、1.0M以上が好ましく、1.1M以上がより好ましく、1.15M以上がさらに好ましく、1.2M以上が特に好ましい。またその上限は、1.5M以下であり、1.45M以下が好ましく、1.4M以下がより好ましい。
また、これらの電解質塩としては、LiPFを少なくとも含むものが好ましく、LiPFとLiN(SOF)とを少なくとも含むものがより好ましく、LiPFとLiN(SOF)とに加えて、これら以外のリチウム塩を含むものがさらに好ましい。「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で、LiPF及び/又はLiN(SOF)以外のリチウム塩、例えばLiPOが非水溶媒中に占める割合は、0.001M以上であると、広い温度範囲での電池特性が向上し、0.3M以下であると広い温度範囲での電池特性の向上効果が低下する懸念が少ないので好ましい。好ましくは0.01M以上、特に好ましくは0.03M以上、最も好ましくは0.04M以上である。その上限は、好ましくは0.3M以下、さらに好ましくは0.25M以下、特に好ましくは0.2M以下である。
シュウ酸骨格を有するリチウム塩及びS=O基を有するリチウム塩が非水溶媒中に占める割合は、0.001M以上0.5M以下である場合が好ましい。この範囲にあると広い温度範囲での電気化学特性の向上効果が一段と発揮される。好ましくは0.01M以上、更に好ましくは0.03M以上、特に好ましくは0.04M以上である。その上限は、更に好ましくは0.4M以下、特に好ましくは0.2M以下である。
〔非水溶媒〕
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液に使用される非水溶媒としては、広い温度範囲で電気化学特性が相乗的に向上するという観点より、環状カーボネート、鎖状カーボネート、及び鎖状エステルを含有する混合溶媒を用いる。
環状カーボネートとしては、少なくとも、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートを用いる。
エチレンカーボネートの含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、5体積%以上、好ましくは7体積%以上、より好ましくは9体積%以上である。また、エチレンカーボネートの含有量の上限としては、凝固点を低くするという観点より、非水溶媒全体に対して、25体積%以下、好ましくは22体積%以下、より好ましくは20体積%以下、さらに好ましくは17体積%以下、特に好ましくは15体積%以下である。
プロピレンカーボネートの含有量は、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、5体積%以上、好ましくは7体積%以上、より好ましくは9体積%以上である。また、プロピレンカーボネートの含有量の上限としては、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、25体積%以下、好ましくは20体積%以下、より好ましくは17体積%以下、更に好ましくは15体積%以下である。
更に、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの合計含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、20体積%以上、好ましくは22体積%以上である。また、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの合計含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、30体積%以下、好ましくは27体積%以下である。
また、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液に使用される非水溶媒中には、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート以外のその他の環状カーボネートが含まれていてもよい。「その他の環状カーボネート」としては、1,2−ブチレンカーボネート、又は2,3−ブチレンカーボネートなどのアルキル基を有する総炭素数5以上の環状カーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)又はトランスもしくはシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)などのフッ素原子を有する環状カーボネート、ビニレンカーボネート(VC)又はビニルエチレンカーボネート(VEC)などの炭素−炭素二重結合を有する環状カーボネート、並びに2−プロピニル 2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−カルボキシレート(PDC)又は4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(EEC)などの炭素−炭素三重結合を有する環状カーボネートからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
前記「その他の環状カーボネート」としては、特に4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、2−プロピニル 2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−カルボキシレート、及び4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オンから選ばれる1種又は2種以上がより好適である。
また、前記「その他の環状カーボネート」としては、炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合又はフッ素原子を有する環状カーボネートのうち少なくとも1種を使用すると、高温環境下での電気化学特性が一段と向上するので好ましく、炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を含む環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートを両方含むことがより好ましい。
炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒全体に対して、好ましくは0.07体積%以上、より好ましくは0.2体積%以上、更に好ましくは0.7体積%以上であり、また、その上限としては、好ましくは7体積%以下、より好ましくは4体積%以下、更に好ましくは2.5体積%以下であると、Liイオン透過性を損なうことなく一段と広い温度範囲での電気化学特性を増すことができるので好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒全体に対して好ましくは0.07体積%以上、より好ましくは0.3体積%以上、更に好ましくは0.7体積%以上であり、また、その上限としては、好ましくは10体積%以下、より好ましくは7体積%以下、更に5体積%以下であると、Liイオン透過性を損なうことなく一段と広い温度範囲での電気化学特性を向上させることができるので好ましい。
炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合等の不飽和結合を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートを併用する場合の総含有量は、非水溶媒全体に対して0.3体積%以上が好ましく、0.7体積%以上がより好ましい。また、その上限としては、7体積%以下が好ましく、5体積%以下がより好ましい。上記含有量の範囲であると、不飽和結合を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートの併用による相乗効果があり、より好ましい。
これらの環状カーボネートは3種類以上を組み合わせて使用した場合に、高温環境下での電気化学特性の改善効果が更に向上するので好ましく、4種類以上を組み合わせて使用することが特に好ましい。これらの環状カーボネートの好適な組合せとしては、ECとPCとVC、ECとPCとFEC、ECとPCとVEC、ECとPCとEEC、ECとPCとVCとFEC、ECとPCとVCとVEC、ECとPCとVCとEEC、ECとPCとFECとVEC、ECとPCとFECとEEC、又はECとPCとVECとEEC等が好ましい。前記の組合せのうち、ECとPCとVC、ECとPCとFEC、ECとPCとEEC、ECとPCとVCとFEC、又はECとPCとVCとEEC等の組合せがより好ましい。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液において、鎖状カーボネートとしては、少なくとも、メチルエチルカーボネート及びジメチルカーボネートを用いる。
メチルエチルカーボネートの含有量は、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、20体積%以上、好ましくは23体積%以上、より好ましくは30体積%以上、特に好ましくは33体積%以上である。また、メチルエチルカーボネートの含有量の上限としては、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、40体積%以下、好ましくは37体積%以下である。
ジメチルカーボネートの含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、20体積%以上、好ましくは23体積%以上である。また、ジメチルカーボネートの含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、30体積%以下、好ましくは27体積%以下である。
また、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液に使用される非水溶媒中には、メチルエチルカーボネート及びジメチルカーボネート以外のその他の鎖状カーボネートが含まれていてもよい。その他の鎖状カーボネートとしては、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MIPC)、メチルブチルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の非対称鎖状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、及びジブチルカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の対称鎖状カーボネートが好適に挙げられる。
本発明の第1の観点に係る非水電解液は、鎖状エステルとして、フッ素化鎖状エステルを含有する。本発明で用いるフッ素化鎖状エステルには、鎖状エステルの任意の炭素原子がフッ素原子に置換したものが挙げられる。特に、鎖状エステルのアルキルオキシ基部分の炭素原子がフッ原子で置換した化合物が好適に挙げられる。
フッ素化鎖状エステルとしては、特に下記一般式(I)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2017057588
(式中、Rは、CF3−m、又はOCF3−mであり、Rは、CH3、5、又はCH2CFn3−nであり、mは、0から3の整数であり、nは、2又は3を示す。ただし、R及びRのいずれかが少なくとも一つのフッ素原子で置換されている。)
また前記一般式(I)で表されるフッ素化鎖状エステルとしては、具体的には、2,2−ジフルオロエチルアセテート(DFEA)、2,2,2−トリフルオロエチルアセテート(TFEA)、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート(DFEMC)、2,2,2−トリルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)、メチルトリフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセテート、2,2−ジフルオロエチルトリフルオロアセテート、及び2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロアセテートからなる群より選ばれる1種以上が好適に挙げられる。
中でも高温環境下での電気化学特性向上の観点より、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルアセテート、又は2,2−ジフルオロエチルアセテートがより好ましい。
本発明の第1の観点において、フッ素化鎖状エステルの含有量は、耐電圧の向上及び高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、10体積%以上、好ましくは12体積%以上である。また、フッ素化鎖状エステルの含有量の上限としては、電気伝導率向上の観点より、20体積%以下、好ましくは18体積%以下である。
また、本発明の第1の観点に係る非水電解液に使用される非水溶媒中には、フッ素化鎖状エステル以外のその他の鎖状エステルが含まれていてもよい。その他の鎖状エステルとしては、メチルピバレート(MPv)、エチルピバレート、プロピルピバレート、メチルプロピオネート(MP)、プロピルプロピオネート、メチルアセテート、及びエチルアセテートから選ばれる1種又は2種以上の鎖状カルボン酸エステルが好適に挙げられる。中でも、エステルのα位の炭素の水素原子の全てがメチル基で置換された鎖状エステルであるメチルピバレート(MPv)、エチルピバレート、プロピルピバレートから選ばれる1種以上を含むと高温保存後の低温特性が更に良好となる。
また、本発明の第1の観点に係る非水電解液において、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルの合計含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、30体積%以上、好ましくは32体積%以上である。また、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルの合計含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、40体積%以下、好ましくは37体積%以下である。
本発明の第1の観点に係る非水電解液において、鎖状カーボネートとフッ素化鎖状エステルの合計含有量は、特に制限されないが、非水溶媒全体に対して、70〜80体積%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が70体積%以上であれば非水電解液の粘度が高くなりすぎず、80体積%以下であれば非水電解液の電気伝導率が低下して広い温度範囲での電気化学特性が低下するおそれが少ないので上記範囲であることが好ましい。
あるいは、本発明の第2の観点に係る非水電解液は、鎖状エステルとして、エチルプロピオネートを含有する。
本発明の第2の観点に係る非水電解液において、エチルプロピオネートの含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、10体積%以上、好ましくは12体積%以上である。また、エチルプロピオネートの含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、20体積%以下、好ましくは18体積%以下である。
また、本発明の第2の観点に係る非水電解液に使用される非水溶媒中には、エチルプロピオネート以外のその他の鎖状エステルが含まれていてもよい。その他の鎖状エステルとしては、メチルピバレート(MPv)、エチルピバレート、プロピルピバレート、メチルプロピオネート(MP)、プロピルプロピオネート、メチルアセテート、及びエチルアセテートから選ばれる1種又は2種以上の鎖状カルボン酸エステルが好適に挙げられる。中でも、エステルのα位の炭素の水素原子の全てがメチル基で置換された鎖状エステルであるメチルピバレート(MPv)、エチルピバレート、プロピルピバレートから選ばれる1種以上を含むと高温保存後の低温特性が更に良好となる。
また、本発明の第2の観点に係る非水電解液において、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートの合計含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、30体積%以上、好ましくは32体積%以上である。また、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートの合計含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、40体積%以下、好ましくは37体積%以下である。
本発明の第2の観点に係る非水電解液において、鎖状カーボネートとエチルプロピオネートの合計含有量は、特に制限されないが、非水溶媒全体に対して、70〜80体積%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が70体積%以上であれば非水電解液の粘度が高くなりすぎず、80体積%以下であれば非水電解液の電気伝導率が低下して広い温度範囲での電気化学特性が低下するおそれが少ないので上記範囲であることが好ましい。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液において、鎖状カーボネート中に非対称鎖状カーボネートが占める体積の割合は、50体積%以上が好ましく、52体積%以上がより好ましい。その上限としては、80体積%以下がより好ましく、78体積%以下であると更に好ましい。上記の場合に一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましい。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液において、環状カーボネートと鎖状カーボネートと鎖状エステルの割合は、高温下での電気化学特性向上の観点から、環状カーボネート:鎖状カーボネート:鎖状エステル(体積比)が(20〜30):(50〜60):(10〜20)が好ましい。上記の場合に一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましい。
また、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液に使用される非水溶媒中には、環状カーボネート、鎖状カーボネート、及び鎖状エステル以外のその他の非水溶媒が含まれていてもよい。その他の非水溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等の鎖状エーテル、ジメチルホルムアミド等のアミド、スルホラン等のスルホン、及びγ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、α−アンゲリカラクトン等のラクトンから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
その他の非水溶媒の含有量は、非水溶媒全体に対して、通常1体積%以上、好ましくは2体積%以上であり、また通常20体積%以下、好ましくは10体積%以下、更に好ましくは5体積%以下である。
一段と広い温度範囲での電気化学特性を向上させる目的で、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液中にさらにその他の添加剤を加えることが好ましい。
その他の添加剤の具体例としては、以下の(A)S=O基含有化合物又は(B)リチウム塩化合物が好適に挙げられる。
(A)1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート、又は5,5−ジメチル−1,2−オキサチオラン−4−オン 2,2−ジオキシド等のスルトン、エチレンサルファイト、ヘキサヒドロベンゾ[1,3,2]ジオキサチオラン−2−オキシド(1,2−シクロヘキサンジオールサイクリックサルファイトともいう)、又は5−ビニル−ヘキサヒドロ−1,3,2−ベンゾジオキサチオール−2−オキシド等の環状サルファイト、エチレンサルフェート、テトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、[4,4’−ビ(1,3,2−ジオキサチオラン)]2,2’,2’−テトラオキシド、(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチオラン−4−イル)メチル メタンスルホネート、又は4−((メチルスルホニル)メチル)−1,3,2−ジオキサチオラン 2,2−ジオキシド等の環状サルフェート、ブタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネート、ブタン−1,4−ジイル ジメタンスルホネート、又はメチレンメタンジスルホネート等のスルホン酸エステル、ジビニルスルホン、1,2−ビス(ビニルスルホニル)エタン、又はビス(2−ビニルスルホニルエチル)エーテル等のビニルスルホン化合物から選ばれる一種又は二種以上のS=O基含有化合物が挙げられる。
これら、スルトン、環状サルファイト、環状サルフェート、スルホン酸エステル、及びビニルスルホンからなる群より選ばれる環状又は鎖状のS=O基含有化合物の中では、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート、及び5,5−ジメチル−1,2−オキサチオラン−4−オン 2,2−ジオキシド、エチレンサルフェート、テトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、[4,4’−ビ(1,3,2−ジオキサチオラン)]2,2’,2’−テトラオキシド、(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチオラン−4−イル)メチル メタンスルホネート、ブタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネート、ペンタフルオロフェニル メタンスルホネート、及びジビニルスルホンからなる群より選ばれる一種又は二種以上が好ましい。更には、1,3−プロパンスルトン、2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート、エチレンサルフェート、テトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、[4,4’−ビ(1,3,2−ジオキサチオラン)]2,2’,2’−テトラオキシド、(2,2−ジオキシド−1,3,2−ジオキサチオラン−4−イル)メチル メタンスルホネート、及びペンタフルオロフェニル メタンスルホネートから選ばれる一種又は二種以上がより好ましく、エチレンサルフェート、テトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、及び[4,4’−ビ(1,3,2−ジオキサチオラン)]2,2’,2’−テトラオキシドから選ばれる一種又は二種以上の環状サルフェートがさらに好ましい。
S=O基含有化合物の含有量は、非水電解液中に0.001〜5質量%が好ましい。この範囲では、被膜が厚くなり過ぎずに十分に形成され、一段と広い温度範囲での電気化学特性が高まる。該含有量は、非水電解液中に0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、その上限は、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
(B)2,5,8,11−テトラオキサドデカン(以下、「TOD」ともいう)及び2,5,8,11,14−ペンタオキサペンタデカン(以下、「POP」ともいう)から選ばれる1種以上のエーテル化合物を配位子としたリチウムカチオンと、ジフルオロリン酸アニオンとからなる下記一般式(II)又は(III)で表されるリチウム塩化合物が挙げられる
Figure 2017057588
Figure 2017057588
広い温度範囲での電気化学特性を向上させる観点から中でも上記一般式(II)で表されるビス(ジフルオロホスホリル)(2,5,8,11−テトラオキサドデカン)ジリチウム(TOD錯体)がより好ましい。
上記一般式(II)又は(III)で表されるリチウム塩化合物の含有量は、非水電解液中に0.01〜5質量%が好ましい。この範囲では、被膜が厚くなり過ぎずに十分に形成され、一段と広い温度範囲での電気化学特性が高まる。該含有量は、非水電解液中に0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、その上限は、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
〔非水電解液の製造〕
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記のリチウム塩及び該非水電解液にその他の添加剤を添加することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒及び非水電解液に加える添加剤は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、下記のリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタに使用することができ、非水電解質として、液体状のものだけでなくゲル化されているものも使用し得る。更に本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は固体高分子電解質用としても使用できる。中でもリチウム二次電池用として用いることがより好ましい。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、上記各成分を上記した割合にて含有するものであるため、引火点が20℃以上であり、好ましくは20.5℃以上であり、高温環境下における安定性に優れたものである。
さらに、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、上記各成分を上記した割合にて含有するものであるため、凝固点が好ましくは−45℃以下であり、より好ましくは−48℃以下、更に好ましくは−50℃以下であり、低温環境下における電気特性にも優れたものである。
加えて、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、上記各成分を上記した割合にて含有するものであるため、25℃における電気伝導率が好ましくは8mS/cm以上であり、より好ましくは8.1mS/cm以上、更に好ましくは8.3mS/cm以上であり、更により好ましくは9mS/cm以上であり、特に好ましくは9.1mS/cm以上、最も好ましくは9.3mS/cm以上であり、電気伝導率にも優れたものである。
そのため、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、リチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタの非水電解液として、特に、幅広い温度範囲使用されるリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタの非水電解液として、好適に用いられるものである。
〔リチウム二次電池〕
本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極及び非水溶媒にリチウム塩が溶解されている前記本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液からなる。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物、又は、鉄、コバルト、ニッケル及びマンガンから選ばれる一種又は二種以上を含むリチウム含有オリビン型リン酸塩が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で用いるか又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiCo1−xNi(0.01<x<1)、LiNiMnCo(x+y+z=1)、LiMnOとLiMO(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体、LiNi1/2Mn3/2、LiFePO、LiMnPO、及びLiMn1−xFePO(0.01<x<1)から選ばれる1種以上が好適に挙げられ、2種以上がより好適である。これらのリチウムとの複合金属酸化物又はリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄の一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W、及びZrから選ばれる一種又は二種以上の元素で置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。
高充電電圧で動作するリチウム複合金属酸化物を使用すると、充電時における電解液との反応により高温環境下で電気化学特性が低下しやすいが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができる。
充電時の電圧としては、高電圧化の観点から、正極電位が4.3V(vs.Li/Li )以上が好ましく、4.35V(vs.Li/Li)以上がより好ましく、4.4V(vs.Li/Li)以上が特に好ましい。
更にNiを含む正極活物質の場合にNiの触媒作用により正極表面での非水溶媒の分解が起き、電池の抵抗が増加しやすい傾向にある。特に高温環境下での電気化学特性が低下しやすい傾向にあるが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができるので好ましい。特に、正極活物質中の全遷移金属元素の原子濃度に対するNiの原子濃度の割合が、10atomic%を超える正極活物質を用いた場合に上記効果が顕著になるので好ましく、20atomic%以上が更に好ましく、30atomic%以上が特に好ましい。具体的には、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3 、LiNi0.5Mn0.3Co0.2Mn0.3、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05等が好適に挙げられる。
また、リチウム一次電池用正極としては、MnO等の金属酸化物、SOCl等の硫黄化合物、一般式(CFnで表されるフッ化炭素(フッ化黒鉛)等が挙げられる。これらの中でも、MnO、フッ化黒鉛等が好ましい。
正極の導電剤は、化学変化を起こさない電子伝導材料であれば特に制限はない。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、又はサーマルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。また、グラファイトとカーボンブラックを適宜混合して用いてもよい。導電剤の正極合剤への添加量は、1〜10質量%が好ましく、特に2〜5質量%が好ましい。
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の結着剤と混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤スラリーとした後、これを集電体のアルミニウム箔等の上に塗布、乾燥、加圧して正極合剤層を形成して作製することができる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは2g/cm以上であり、より好ましくは、3g/cm以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm以上である。なお、その上限としては、4g/cm以下が好ましい。
リチウム二次電池用負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料〔易黒鉛化炭素や、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化炭素や、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛など〕、スズ(単体)、SnO(1≦x<2)等のスズ化合物、ケイ素(単体)、SiO(1≦x<2)等のケイ素化合物、もしくはLiTi12などのチタン酸リチウム化合物等を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することがより好ましく、格子面(002)の面間隔(d 02)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが更に好ましい。
負極の集電体を除く部分の密度を1.5g/cm以上の密度に加圧成形したときの負極シートのX線回折測定から得られる黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比I(110)/I(004)が0.01以上となると一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましく、0.05以上となることがより好ましく、0.1以上となることが更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下し電池の放電容量が低下する場合があるので、ピーク強度の比I(110)/I(004)の上限は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
また、高結晶性の炭素材料(コア材)はコア材よりも低結晶性の炭素材料によって被膜されていると、広い温度範囲での電気化学特性が一段と良好となるので好ましい。被覆の炭素材料の結晶性は、TEMにより確認することができる。
高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において非水電解液と反応し、界面抵抗の増加によって低温もしくは高温における電気化学特性を低下させる傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池では広い温度範囲での電気化学特性が良好となる。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤スラリーとした後、これを集電体の銅箔等の上に塗布、乾燥、加圧して正極合剤層を形成して作製することができる。
負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.1g/cm以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは1.5g/cm以上であり、より好ましくは1.7g/cm以上である。なお、その上限としては、2g/cm以下が好ましい。
また、リチウム一次電池用の負極活物質としては、リチウム金属又はリチウム合金が好適に挙げられる。
リチウム電池の構造には特に限定はなく、単層もしくは複層のセパレータを有するコイン型電池、円筒型電池、角型電池、又はラミネート電池等を適用できる。
電池用セパレータとしては、特に制限はないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層もしくは積層の微多孔性フィルム、織布、又は不織布等を使用できる。
本発明におけるリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2V以上、特に4.3V以上の場合にも広い温度範囲での電気化学特性に優れ、更に、4.4V以上においても特性は良好である。放電終止電圧は、通常2.8V以上、更には2.5V以上とすることができるが、本願発明におけるリチウム二次電池は、2.0V以上とすることができる。電流値については特に限定されないが、通常0.1〜30Cの範囲で使用される。また、本発明におけるリチウム電池は、−40〜100℃、好ましくは−20〜80℃で充放電することができる。
〔リチウムイオンキャパシタ〕
本発明のリチウムイオンキャパシタは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極、負極及び非水溶媒にリチウム塩が溶解されている前記本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液からなる。リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPF等のリチウム塩が含まれる。また、負極としては、上述したリチウム二次電池と同様なものを用いることができる。
以下、本発明の非水電解液の実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜14、比較例1〜8
〔非水電解液の物性測定〕
<引火点の測定>
表1、表2に記載の非水電解液の引火点をタグ密閉式の引火点試験機(田中科学機器製作株式会社製;型式ATG−7)を用いてJIS K−2265の規格に基づき測定した。
<凝固点の測定>
表1、表2に記載の非水電解液の凝固点を自動凝固点計(株式会社電気化学システムズ製;型式CP−2BX)を用いてJIS K−0065の規格に基づき測定した。
<電気伝導率の測定>
表1、表2に記載の非水電解液の電気伝導率を電気伝導率計(東亜ディーケーケー株式会社製;型式CM−30R)を用いて25℃の環境下で測定した。
各物性値を表1〜2に示す。
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiNi0.5Mn0.3Co0.2;92質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cmであった。また、ケイ素(単体);7質量%、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);85質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.6g/cmであった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表1又は表2に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
〔高温充電保存後の低温特性の評価〕
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.4V(正極の充電電位が4.5V(vs.Li/Li))まで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電して、初期の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を85℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.4Vまで3時間充電し、4.4Vに保持した状態で2日間保存を行った。2日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れを確認した。具体的には、比較例3のラミネート電池の保存前後の厚み変化を100とした場合の相対値を求めた。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電した。
<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃放電容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃放電容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃の放電容量/初期の−20℃の放電容量)×100
電池特性を表1〜2に示す。
なお、表1〜3中、「EC」はエチレンカーボネート、「PC」はプロピレンカーボネート、「DMC」はジメチルカーボネート、「EP」はエチルプロピオネート、「MEC」はメチルエチルカーボネート、「TFEMC」は2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、「DFEA」は2,2−ジフルオロエチルアセテート、「TFEA」は2,2,2−トリフルオロエチルアセテート、「DFEMC」は2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、「VC」はビニレンカーボネート、「FEC」は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、「TCDD」はテトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、「TOD錯体」はビス(ジフルオロホスホリル)(2,5,8,11−テトラオキサドデカン)ジリチウムの略称である。
Figure 2017057588
Figure 2017057588
実施例15〜25、及び比較例9〜16
〔リチウムイオンキャパシタの作製〕
比表面積600〜3000m/gの活性炭粉末;92質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製した。また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cmであった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。上記のように作成得られた正極と負極を加熱真空乾燥した後、負極については、負極活物質の単位質量あたり372mAh/gの電気量となるリチウムイオンを、電気化学的に吸蔵させた。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表3に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
〔高温充電保存後の低温特性の評価〕
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.3V(正極の充電電位が4.4V(vs.Li/Li))Vまで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電して、初期の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を85℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.3Vまで3時間充電し、4.3Vに保持した状態で2日間保存を行った。2日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れの有無を確認した。具体的には、比較例11のラミネート電池の保存前後の厚み変化を100とした場合の相対値を求めた。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電した。
<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃セル容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃セル容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃のセル容量/初期の−20℃のセル容量)×100
キャパシタ特性を表3に示す。
Figure 2017057588
〔実施例1〜14及び比較例1〜8、実施例15〜25及び比較例9〜16の評価〕
上記実施例1〜14のリチウム二次電池は何れも、本願発明の非水電解液と異なる組成比で混合した非水溶媒を含む非水電解液を用いた場合の比較例1〜8のリチウム二次電池に比べ、広い温度範囲での電気化学特性が顕著に向上している。以上より、本発明の効果は、本願発明の特定の組成の非水電解液を用いた場合に特有の効果であることが判明した。
また、実施例15〜25と比較例9〜16の対比からリチウムキャパシタを用いた場合にも同様な効果であることが判明した。
更に、本発明の第1の観点に係る非水電解液は、リチウム一次電池の広い温度範囲での広い温度範囲での放電特性を改善する効果も有する。
実施例26〜33、比較例17〜24
〔非水電解液の物性測定〕
<引火点の測定>
表4、表5に記載の非水電解液の引火点をタグ密閉式の引火点試験機(田中科学機器製作株式会社製;型式ATG−7)を用いてJIS K−2265の規格に基づき測定した。
<凝固点の測定>
表4、表5に記載の非水電解液の凝固点を自動凝固点計(株式会社電気化学システムズ製;型式CP−2BX)を用いてJIS K−0065の規格に基づき測定した。
<電気伝導率の測定>
表4、表5に記載の非水電解液の電気伝導率を電気伝導率計(東亜ディーケーケー株式会社製;型式CM−30R)を用いて25℃の環境下で測定した。
各物性値を表4〜5に示す。
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiNi0.33Mn0.33Co0.34;93質量%、アセチレンブラック(導電剤);4質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cmであった。また、ケイ素(単体);5質量%、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);85質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.6g/cmであった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表4、表5に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
〔高温充電保存後の低温特性の評価〕
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.35Vまで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電して、初期の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を60℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.3Vまで3時間充電し、4.35Vに保持した状態で14日間保存を行った。14日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れの有無を確認した。具体的には、保存前のラミネート電池の厚みを100%とした場合に保存後の厚みが110%以上を膨れ有りとした。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電した。
<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃放電容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃放電容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃の放電容量/初期の−20℃の放電容量)×100
電池特性を表4〜5に示す。
なお、表4〜6中、「EC」はエチレンカーボネート、「PC」はプロピレンカーボネート、「DMC」はジメチルカーボネート、「EP」はエチルプロピオネート、「MEC」はメチルエチルカーボネート、「MP」はメチルプロピオネート、「VC」はビニレンカーボネート、「FEC」は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、「TCDD」はテトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、「TOD錯体」はビス(ジフルオロホスホリル)(2,5,8,11−テトラオキサドデカン)ジリチウムの略称である。
Figure 2017057588
Figure 2017057588
実施例34〜37、比較例25〜32
〔リチウムイオンキャパシタの作製〕
比表面積600〜3000m/gの活性炭粉末;92質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製した。また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cmであった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。上記のように作成得られた正極と負極を加熱真空乾燥した後、負極については、負極活物質の単位質量あたり372mAh/gの電気量となるリチウムイオンを、電気化学的に吸蔵させた。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表6に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
〔高温充電保存後の低温特性の評価〕
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電して、初期の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を60℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.3Vまで3時間充電し、4.3Vに保持した状態で7日間保存を行った。14日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れの有無を確認した。具体的には、保存前のラミネート電池の厚みを100%とした場合に保存後の厚みが110%以上を膨れ有りとした。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電した。<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃セル容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃セル容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃のセル容量/初期の−20℃のセル容量)×100
キャパシタ特性を表6に示す。
Figure 2017057588
〔実施例26〜33及び比較例17〜24、実施例34〜37及び比較例25〜32の評価〕
上記実施例26〜33のリチウム二次電池は何れも、本願発明の非水電解液と異なる組成比で混合した非水溶媒を含む非水電解液を用いた場合の比較例17〜24のリチウム二次電池に比べ、広い温度範囲での電気化学特性が顕著に向上している。以上より、本発明の効果は、本願発明の特定の組成の非水電解液を用いた場合に特有の効果であることが判明した。
また、実施例34〜37と比較例25〜32の対比からリチウムキャパシタを用いた場合にも同様な効果であることが判明した。
更に、本発明の第2の観点に係る非水電解液は、リチウム一次電池の広い温度範囲での放電特性を改善する効果も有する。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液を使用すれば、高電位で使用可能な、広い温度範囲における電気化学特性に優れたリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタを得ることができる。特にハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、バッテリー電気自動車等に搭載されるリチウム二次電池等の蓄電デバイス用の非水電解液として使用すると、広い温度範囲で電気化学特性が低下しにくいリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタを得ることができる。

Claims (13)

  1. 非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
    前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、及び10〜20体積%のフッ素化鎖状エステルを含有し、
    前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、
    前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
  2. 非水溶媒にリチウム塩が0.9〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
    前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、および10〜20体積%のエチルプロピオネートを含有し、
    前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、
    前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
  3. 前記フッ素化鎖状エステルが、2,2−ジフルオロエチルアセテート(DFEA)、2,2,2−トリフルオロエチルアセテート(TFEA)、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート(DFEMC)、2,2,2−トリルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)、メチルトリフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセテート、2,2−ジフルオロエチルトリフルオロアセテート、及び2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロアセテートからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
  4. 前記非水電解液の凝固点が−45℃以下である請求項1または2に記載のリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
  5. さらに、非水溶媒全体に対し0.1〜5体積%の量にてビニレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解液。
  6. さらに、非水溶媒全体に対し1〜10体積%の量にてフルオロエチレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解液。
  7. 前記リチウム塩が、LiPF、(FSONLi、LiPO、リチウム メチルサルフェート、リチウム エチルサルフェート、FSOLi、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート、リチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、及びリチウム ビス(オキサラト)ボレートからなる群より選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水電解液。
  8. 正極、負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウム二次電池において、該非水電解液が請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。
  9. 前記正極が、正極活物質として、リチウム複合金属酸化物およびリチウム含有オリビン型リン酸塩から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8に記載のリチウム二次電池。
  10. 前記負極が、負極活物質として、リチウム金属、リチウム合金、リチウムを吸蔵および放出可能な炭素材料、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、ならびに、チタン酸リチウム化合物から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8または9に記載のリチウム二次電池。
  11. 正極、負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウムイオンキャパシタにおいて、該非水電解液が請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水電解液であることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
  12. 前記正極が、正極活物質として、活性炭を含むことを特徴とする請求項11に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  13. 前記負極が、負極活物質として、リチウム金属、リチウム合金、リチウムを吸蔵および放出可能な炭素材料、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、ならびに、チタン酸リチウム化合物から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項11または12に記載のリチウムイオンキャパシタ。
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