JPWO2016133047A1 - 磁性体薄膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

本発明は、Coを含有する合金と、ホウ素及び/又はホウ素の酸化物とを含むスパッタリングターゲットであって、水に溶けだす酸化ホウ素(B2O3)中の金属ホウ素が7000μg/m2以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。スパッタリングの際のB2O3の溶出に起因するパーティクルの発生を抑制することができる、磁気記録膜の形成に適したスパッタリングターゲットを提供することを課題とする。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特に垂直磁気記録方式を採用したハードディスクの磁気記録媒体におけるグラニュラー膜の成膜に使用される磁性材スパッタリングターゲットに関し、スパッタリング時のパーティクル発生を抑制することができる、Co又はFeを主成分とする非磁性材粒子分散型磁性材スパッタリングターゲットに関する。
垂直磁気記録方式を採用するハードディスクの記録層には、強磁性金属であるCo又はFeをベースとした材料が用いられている。中でも、Co−Cr系、Co−Pt、Co−Cr−Pt系、また、Fe−Pt系などの強磁性金属を主成分とする合金と非磁性の無機材料からなる複合材料が多く用いられている。そして、このようなハードディスクなどの磁気記録媒体の磁性薄膜は、生産性の高さから、上記の材料を成分とするスパッタリングターゲットをスパッタリングして作製されることが多い。
磁気記録媒体用スパッタリングターゲットの作製方法としては、溶解法や粉末冶金法が考えられる。どちらの手法で作製するかは、要求される特性によるため一概には言えないが、垂直磁気記録方式のハードディスクの記録層に使用される、強磁性金属を主成分とする合金と非磁性の無機物粒子からなるスパッタリングターゲットは、一般に粉末冶金法によって作製されている。これは酸化ホウ素などの無機物粒子を合金素地中に均一に分散させる必要があるため、溶解法では作製することが困難だからである。
磁気記録媒体に酸化ホウ素添加する公知文献を探索すると、次のような特許文献を挙げることができる。特許文献1には、「磁気データ記録層を有する磁気記録媒体であって、前記磁気データ記録層が、少なくとも0.5×10erg/cm(0.5/Jcm)の磁気異方性定数を有する第1の合金と、酸素と少なくとも1つの元素が負の還元電位を持つ1つ以上の元素とからなる酸化化合物と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体」が記載されている。前記酸化化合物として、酸化ホウ素の記載があるが、ターゲット中の酸化ホウ素の存在の問題点、その問題の解決方法については、一切記載がない。
特許文献2には「磁気記録媒体のCo系磁性層をスパッタリング法で形成するために用いるターゲットであって、前記ターゲットはCrまたはCr合金を5モル% 以上含み、CoOを5モル%以上含み、融点が800℃以下の酸化物を合計で3モル%〜20モル%の範囲内で含み、気孔率が7%以下であることを特徴とするターゲット」が記載され、融点が800℃以下の酸化物として、酸化ホウ素などが記載されている。この場合も、上記の文献1と同様に、焼結体又は焼結体からなるターゲット中の酸化ホウ素の存在の問題点、その問題の解決方法については、一切記載がない。
特許文献3には「Crが20mol%以下、残余がCoである強磁性合金と非金属無機材料からなる焼結体スパッタリングターゲットであって、前記非金属無機材料が占める体積率が40vol%以下で、前記非金属無機材料が少なくともコバルト酸化物とホウ素酸化物を含むことを特徴とするスパッタリングターゲット」が記載されている。この場合も、上記文献1、2と同様に、「ホウ素酸化物」を含有させることが記載されているが、ターゲット中の酸化ホウ素の存在の問題点、その問題の解決方法については、一切記載がない。
特許文献4には、「SiOを含有する磁気記録膜用スパッタリングターゲットであって、B(ボロン)を10〜1000wtppm含有することを特徴とする磁気記録膜用スパッタリングターゲット。」が記載されている。この場合には、酸化ホウ素も含まれるものであるが、上記文献1、2、3と同様に、焼結体又は焼結体からなるターゲット中の酸化ホウ素の存在の問題点、その問題の解決方法については、一切記載がない。
特開2008−59733号公報 特開2012−33247号公報 特開2012−117147号公報 特許第5009448号公報
磁気記録膜用スパッタリングターゲットには、強磁性合金と非磁性材料からなる複合材料が多く用いられ、非磁性材料として、酸化物などが知られているが、特に良好な特性を示すことから、酸化ホウ素(B)を添加することが行なわれている。しかし、酸化ホウ素を添加したターゲットでは、焼結後に酸化ホウ素の粒子が大きくなるという問題があり、一方、この粒成長を抑制するために焼結温度を下げると高密度が上げられず、パーティクルが多く発生するという問題があった。また、酸化ホウ素が低融点のためスパッタリング時に溶けだし、それがアーキングの起点となりパーティクルを発生させているものと考えられる。
このような問題に対し、本出願人は以前、ホウ素の酸化物として、CrBO、Co、Coの少なくとも1種以上の化合物(複合酸化物)を添加することにより微細な組織を維持し、パーティクル発生を抑制できるという技術を提供した(特願2013−095486)。しかし、研究を進めたところ、ホウ素の複合酸化物を添加しても、ターゲット中に酸化ホウ素が存在することがあり、これが原因となってパーティクルが発生するという問題があった。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、スパッタリングの際に融点の低いBが溶融して、パーティクルの要因となることから、ターゲット中に存在するホウ素をBの形態で存在しないように、Bが水に溶出するという性質を利用して、ターゲット中に存在するBの量を把握し、これを低減することにより、Bに由来するパーティクル発生を著しく抑制することができることを見出した。このような知見に基づき、以下の発明を提供するものである。
1)Coを含有する合金と、ホウ素及び/又はホウ素の酸化物とを含むスパッタリングターゲットであって、水に溶けだす酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の量が7000μg/m以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)ホウ素を0.5at%以上15at%以下含有することを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
3)Ti、Si、Co、Cr、Mnから選択した一種以上の元素を構成成分とする酸化物を含有することを特徴とする上記1)又は2)記載のスパッタリングターゲット。
4)Ti、V、Mn、Zr、Nb、Mo、Ta、W、Ru、Ptから選択した1元素以上の金属を含有し、前記金属元素の総含有量が0.5at%以上30at%以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
上記のようにして調整した本発明の非磁性材粒子分散型の磁性材スパッタリングターゲットは、スパッタリングの際、酸化ホウ素(B)の溶け出しによるパーティクル発生を著しく抑制することができるので、磁気記録膜の不良率が減少し、コスト低減化になるという大きな効果を有し、磁性薄膜の品質や生産効率の向上に大きく貢献することができる。
ホウ素の浸出量とパーティクルの相関を示すグラフである。
本発明のスパッタリングターゲットは、Co又はFeを含有する合金中に、非磁性材料として、少なくともホウ素を含む酸化物粒子が分散する組織を有する。Coを含有する合金としては、Co−Cr合金、Co−Pt合金、Co−Cr−Pt合金、などの強磁性合金が挙げられる。また、磁気特性を向上させるために、Ti、V、Mn、Zr、Nb、Mo、Ta、W、Ru、Ptから選択した1種以上の金属を0.5at%以上10at%以下含有させることが有効である。
本発明のスパッタリングターゲットには、金属ホウ素及び/又はホウ素の酸化物が含まれるものである。金属ホウ素を添加した場合であっても、その後に酸化してBが形成されることがあり、また、ホウ素と他の金属とを含む複合酸化物を添加する場合であっても、Bが形成されることがある。
本発明は、水に溶けだす酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素が7000μg/m以下であることを特徴とする。ここで、水に溶けだす金属ホウ素の量は、ターゲットの粉砕粉1.0gあたりの酸化ホウ素中の金属ホウ素の水への浸出量(μg/g)を測定し、この浸出量を粉砕粉の比表面積(m/g)で除した値(μg/m)と定義する。なお、粉末の比表面積が大きくなる(粒径が小さくなる)ほど、金属ホウ素の水への浸出量が多くなるため、規格化のため比表面積で除している。
水に溶けだす酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の量は、次のようにして測定することができる。まず、スパッタリングターゲットの表面を乾式加工して、切粉(1〜5g)を採取する。切粉は、ターゲットの表面には酸化被膜がついていない状態で、かつ、水やエタノールなどの溶媒に接触していない表面から採取するのが望ましい。そして、この切粉を比表面積が0.05〜1.00m/gとなるまで粉砕する。比表面積が0.05m/g未満では酸化物が十分に表面に露出しない可能性があり、比表面積が1.00m/gを超えると、粉砕装置に粉末が付着して回収が困難となる。粉砕装置は、粉末が飛散しないような密閉式の粉砕装置が望ましい。また、比表面積は、比表面積測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 モノソーブ)を用いて測定することができる。
次に、この粉砕粉1gを、常温の水50〜100ccに浸す。Bの溶解度は0.028g/ccであるため、水50cc以上であれば、Bは飽和しない。一方、水100cc超であると、B濃度が薄くなり分析しにくくなる。このようにして浸出させた水に対して、ICP(日立ハイテクサイエンス社製 SPS3500DD)を用いて、水に溶けだした酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の量を測定することができる。
ホウ素は、スパッタリングターゲットの組成に対して、0.5at%以上15at%以下含有することが好ましい。ホウ素は、単金属、合金、或いは、酸化物成分として存在し、その含有量が0.5at%未満、15at%超であると、所望の磁気特性が得にくくなる。ホウ素や上記の添加金属(Ti、V、Mn等)の含有量はスパッタリングターゲット(焼結体)から採取した切粉を酸で溶解し、ICP−AES装置を用いて測定することできる。
また、非磁性材料として公知の酸化物を含有することができ、例えば、Ti、Si、Co、Cr、Mnから選択した一種以上の元素を構成成分とする酸化物が挙げられる。
本発明のスパッタリングターゲットは、粉末冶金法により作製することができる。まず、金属粉として、Co粉、Fe粉、Pt粉などを用意する。このとき単元素の金属粉だけでなく、合金粉を用いることもできる、これらの金属粉は粒径が0.1〜10μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が0.1〜10μmであるとより均一な混合が可能であり、焼結ターゲットの偏析と粗大結晶化を防止できるためである。金属粉末の10μmより大きい場合には、酸化物相が微細に分散しないことがあり、また、0.1μmより小さい場合には、金属粉の酸化の影響が問題になることがある。
ホウ素の酸化物としては、予めBと他の酸化物(Cr、TiO、など)とを合成した複合酸化物を原料粉として使用するのが好ましい。複合酸化物としては、CrBO、Co、Co、Mn、TiBOなどの融点の比較的高い複合酸化物を原料粉として使用することができる。但し、原料としてBを用いることも可能であり、その場合には、焼結温度を調整することにより、焼結中に他の酸化物と複合酸化物を形成させる必要がある。
なお、例えば、TiBO粉末は、Ti粉末とB粉末とを混合、合成、粉砕したものを使用することができる。同様に、CrBO、Co、Co、Mn粉末についても、Cr、CoO、MnO粉末とB粉末とを混合、合成、粉砕したものを使用することができる。
この酸化物粉の平均粒径は、0.2〜5μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が0.2〜5μmであると金属粉との均一な混合が容易になるという利点がある。一方、酸化物粉の平均粒径が5μmより大きい場合には、焼結後に粗大な酸化物相が生じることがあり、0.2μmより小さい場合には、酸化物粉同士の凝集が生じることがある。
次に、上記の原料粉所望の組成になるように秤量し、ボールミル等の公知の手法を用いて粉砕を兼ねて混合する。混合時間を短縮して生産性を高めるためには、高エネルギーボールミルを用いることが好ましい。次に、このように得られる混合粉をホットプレス法で真空雰囲気中あるいは不活性ガス雰囲気において成型・焼結を行う。前記ホットプレス以外にも、プラズマ放電焼結法など様々な加圧焼結方法を使用することができる。特に熱間静水圧焼結法は焼結体の密度向上に有効である。焼結温度は、組成にもよるが、多くの場合700℃〜1400°Cの範囲にある。但し、原料粉にBを使用する場合は、1000〜1400°Cの範囲にする必要がある。
次に、得られた焼結体を旋盤で所望の形状に加工し、その表面を切削、研磨などすることにより、本発明のスパッタリングターゲットを作製することができる。このようにして製造したスパッタリングターゲットは、スパッタリング時に発生するパーティクル量を著しく低減することができるので、成膜時における歩留まりを向上することができるという優れた効果を有する。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
金属粉末として、Co粉末、Cr粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、Co3TiB28粉末、SiO粉末、CoO粉末を、用意した。Co3TiB28粉末については、予め、CoO粉末、TiO2粉末とB粉末を混合、合成、粉砕したものを使用した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成(at%):Co−1.17Cr−11.72Pt−3.13B−1.56Ti−3.13Si−20.31O
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度980°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件でホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が164mm、厚さが4mmの円盤状スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットの表面を旋盤加工して切粉を採取し、この切粉を比表面積が0.05m/g以上となるように粉砕した。この粉砕粉の比表面積は0.33m/gであった。次に、この粉砕粉1.0gを常温の水100ccに1時間浸した。その後、この浸出させた水をICPによりホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は590μgであった。したがって、このスパッタリングターゲットの粉砕中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は1788(=590/0.33)μg/mである。
次に、このスパッタリングターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.0kW、Arガス圧3.2Paとし、20秒間、4インチ径のシリコン基板上にスパッタした。そして、基板上に付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は平均2個と極めて少ないレベルにあった。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、CrBO3粉末、TiBO3粉末、TiO2粉末、Co34粉末を用意した。CrBO3粉末については予め、Cr23粉末、B23粉末を混合、合成、粉砕したもの、TiBO3粉末については、Ti粉末とB粉末を混合、合成、粉砕したものを使用した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。その後、秤量した粉末を実施例1と同様の方法を用いて混合した後、ホットプレスして、得られた焼結体を切削加工したスパッタリングターゲットを得た。
組成(at%):Co−1.19Cr−11.90Pt−3.17B−2.38Ti−15.87O
次に、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の方法により、採取した粉砕粉についてホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は40μgであった。この粉砕粉の比表面積は0.61m/gであったことから、このスパッタリングターゲットの粉砕粉中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は66(=40/0.61)μg/mである。また、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、パーティクル数は平均3個と極めて少ないレベルにあった。
(実施例3)
金属粉末として、Co粉末、Cr粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、CrBO3粉末、Mn326粉末、CoO粉末、SiO2粉末を用意した。Mn326粉末については、予め、MnO粉末、B23粉末を混合、合成、粉砕したものを使用した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。その後、秤量した粉末を実施例1と同様の方法を用いて混合した後、ホットプレスして、得られた焼結体を切削加工したスパッタリングターゲットを得た。
組成(at%):Co−3.2Cr−12.4Pt−3.20B−2.40Mn−1.60Si−18.40O
次に、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の方法により、採取した粉砕粉についてホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は180μgであった。この粉砕粉の比表面積は0.15m/gであったことから、このスパッタリングターゲットの粉砕粉中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は1200(=180/0.15)μg/mである。また、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、パーティクル数は平均5個と極めて少ないレベルにあった。
(実施例4)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、B粉末、Cr23粉末、CoO粉末、SiO2粉末を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。その後、秤量した粉末を実施例1と同様の方法を用いて混合した後、1300℃でホットプレスして、得られた焼結体を切削加工したスパッタリングターゲットを得た。
組成(at%):Co−6.25Cr−7.81Pt−2.34B−0.78Si−18.75O
次に、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の方法により、採取した粉砕粉についてホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は10μgであった。投入原料はBであるが、焼結温度が高いため、焼結中にCrなどの酸化物と複合酸化物を形成し、水の浸出量が小さくなったと考えられる。この粉砕粉の比表面積は0.35m/gであったことから、このスパッタリングターゲットの粉砕中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は29(=10/0.35)μg/mである。また、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、パーティクル数は平均6個と極めて少ないレベルにあった。
(比較例1)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末、B粉末を、非磁性材粉末として、TiO2粉末、SiO2粉末、CoO粉末を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。その後、秤量した粉末を実施例1と同様の方法を用いて混合した後、ホットプレスして、得られた焼結体を切削加工したスパッタリングターゲットを得た。
組成(at%):Co−15.57Pt−3.28B−4.92Ti−1.64Si−18.03O
次に、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の方法により、採取した粉砕粉についてホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は1300μgであった。この粉砕粉の比表面積は0.07m/gであったことから、このスパッタリングターゲットの粉砕粉中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は18571(=1300/0.07)μg/mである。また、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、パーティクル数は平均20個と多かった。
(比較例2)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末、B粉末を、非磁性材粉末として、TiO2粉末、SiO2粉末、Co粉末を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。その後、秤量した粉末を実施例1と同様の方法を用いて混合した後、ホットプレスして、得られた焼結体を切削加工したスパッタリングターゲットを得た。
組成(at%):Co−14.75Pt−4.92B−2.46Ti−1.64Si−14.75O
次に、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の方法により、採取した粉砕粉についてホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は4700μgであった。この粉砕粉の比表面積は0.15m/gであったことから、このスパッタリングターゲットの粉砕粉中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は31333(=4700/0.15)μg/mである。また、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、パーティクル数は平均27個と多かった。
(比較例3)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末、B粉末を、非磁性材粉末として、CrBO粉末、TiO2粉末、SiO粉末、CoO粉末を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。その後、秤量した粉末を実施例1と同様の方法を用いて混合した後、ホットプレスして、得られた焼結体を切削加工したスパッタリングターゲットを得た。
組成(at%):Co−1.14Cr−11.36Pt−4.55B−1.52Ti−3.03Si−21.97O
次に、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の方法により、採取した粉砕粉についてホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は650μgであった。この粉砕粉の比表面積は0.05m/gであったことから、このスパッタリングターゲットの粉砕粉中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は13000(=650/0.05)μg/mである。また、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、パーティクル数は平均17個と多かった。
(比較例4)
金属粉末として、Co粉末、Pt粉末を、非磁性材粉末として、B粉末、SiO粉末、Cr23粉末、CoO粉末を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。その後、秤量した粉末を実施例1と同様の方法を用いて混合した後、ホットプレスして、得られた焼結体を切削加工したスパッタリングターゲットを得た。
組成(at%):Co−6.25Cr−7.81Pt−2.34B−0.78Si−18.75O
次に、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の方法により、採取した粉砕粉についてホウ素の定量分析を行ったところ、粉砕粉1.0gに対して酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素の水への浸出量は1000μgであった。この粉砕粉の比表面積は0.12m/gであったことから、このスパッタリングターゲットの粉砕粉中の酸化ホウ素(B)の水への金属ホウ素浸出量は8333(=1000/0.12)μg/mである。また、このスパッタリングターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、パーティクル数は平均11個と多かった。
上記実施例及び比較例におけるスパッタリングターゲットについて、そのホウ素の浸出量とパーティクル数の関係を図1に示す。図1に示すように、ホウ素の浸出量とパーティクル数には相関があり、ターゲット中のホウ素(酸化物)の存在形態及びその量を適切に調整することにより、パーティクルの発生が少ないターゲットを得ることができることが示された。
本発明は、スパッタリングターゲット中に存在するホウ素の存在形態を制御することにより、スパッタリングの際のBの溶け出しによるパーティクル発生を著しく抑制することができるので、磁気記録膜の不良率が減少し、コスト低減化になるという優れた効果を有する。本発明は、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特にハードディスクドライブ記録層の成膜に使用される強磁性材スパッタリングターゲットとして有用である。

Claims (4)

  1. Coを含有する合金と、ホウ素及び/又はホウ素の酸化物とを含むスパッタリングターゲットであって、水に溶けだす酸化ホウ素(B)中の金属ホウ素が7000μg/m以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. ホウ素及び/又はホウ素の酸化物を0.5at%以上、15at%以下含有することを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  3. Ti、Si、Co、Cr、Mnから選択した一種以上の元素を構成成分とする酸化物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリングターゲット。
  4. Ti、V、Mn、Zr、Nb、Mo、Ta、W、Ru、Ptから選択した1元素以上の金属を含有し、前記金属元素の総含有量が0.5at%以上30at%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
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