JPWO2016052353A1 - ジェミナルジフルオロ化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ジェミナルジフルオロ化合物の新規な製造方法を提供すること。式(1)で表される化合物を、N−クロロイミド化合物の存在下に、フッ素化剤と反応させることにより、式(2)で表されるジェミナルジフルオロ化合物を、高収率で得る新規な製造方法。(式中、R1はC1−4アルキルを意味し、Xはハロゲン原子を意味する。)[化1]

Description

本発明は、オキシム化合物を出発原料としたジェミナルジフルオロ化合物の新規な製造方法に関する。
1つの炭素原子に2つのフッ素原子が置換した基を部分構造として有するジェミナルジフルオロ化合物は、医薬や農薬、又はその中間体として有用な化合物であり(特許文献1)、これらの化合物の製造方法として、多くの反応が開発されている。代表的なものとしては、オキシム化合物のジフッ素化反応が挙げられる(非特許文献1〜3)。
出発原料にオキシム化合物を用いるジフッ素化反応としては、一フッ化ヨウ素を用いる方法(非特許文献2)が報告されている。しかし、使用する一フッ化ヨウ素は低温でしか存在できず、また反応においては、系中で一フッ化ヨウ素を発生させるために、粉砕したヨウ素を反応溶液に投入し、−78℃でフッ素/窒素ガスを吹き込む操作が必要となる。そのため一フッ化ヨウ素の使用には、特殊な反応条件及び反応装置を使用するという問題がある(非特許文献2、4)。
また、ニトロシルテトラフルオロボラート及びフッ化水素−ピリジン錯体を用いる方法(非特許文献3)も報告されている。しかし、1−フェニル−1,1−ジフルオロエタン誘導体の合成に応用した例では、目的とする化合物が低収率でしか得られていない(特許文献2)。ニトロシルテトラフルオロボラートは、強い吸湿性を有するため、ジフッ素化反応を行う際は、乾燥した不活性ガス下で取り扱う必要があり、さらに、高価であること等の問題がある(非特許文献5、6)。
そこで、これらの試薬を用いずに、高収率で工業的生産法としても有用な、ジェミナルジフルオロ化合物の新規な製造方法が望まれていた。
国際公開第2011/154298号 国際公開第2012/139775号
Science of Synthesis、2007年、29巻、13−61頁 Journal of Organic Chemistry、1991年、56巻、4695−4700頁 Synlett、1994年、425−426頁 Chemische Berichte、1970年、103巻、590−593頁、880−884頁 Inorganic Synthesis、2004年、33巻、75−82頁 Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、1995年、6巻、3768−3770頁
本発明の目的は、特殊な反応装置や反応条件を必要としない、ジェミナルジフルオロ化合物の高収率な製造方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、N−クロロイミド化合物の存在下に、フッ素化剤とオキシム化合物とを反応させることにより、ジェミナルジフルオロ化合物を高収率で製造する新規な製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下を特徴とするものである。
〔1〕式(1)で表されるオキシム化合物を、N−クロロイミド化合物の存在下に、フッ素化剤と反応させることを特徴とする、式(2)で表されるジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
Figure 2016052353
[式中、RはC1−4アルキルを表し、Xはハロゲン原子を表す。]
Figure 2016052353
[式中、R及びXは前記と同じ意味を表す。]
〔2〕N−クロロイミド化合物が、N−クロロスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム又はトリクロロイソシアヌル酸である、上記〔1〕に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔3〕N−クロロイミド化合物が、N−クロロスクシンイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン又はトリクロロイソシアヌル酸である、上記〔2〕に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔4〕N−クロロイミド化合物の存在量が、式(1)のオキシム化合物1当量に対して、0.1当量乃至100当量である、上記〔1〕乃至〔3〕の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔5〕フッ素化剤の使用量が、式(1)のオキシム化合物1当量に対して、2〜1000当量である、上記〔1〕乃至〔4〕の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔6〕フッ素化剤が、フッ化水素−ピリジン錯体又はポリ[4−ビニルピリジニウムポリ(フッ化水素)]である、上記〔1〕乃至〔5〕の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔7〕フッ素化剤が、フッ化水素−ピリジン錯体である、上記〔6〕に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔8〕フッ化水素−ピリジン錯体中のフッ化水素とピリジンの重量比が、70:30乃至20:80である、上記〔7〕に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔9〕フッ素化剤が、フッ化水素である、上記〔1〕乃至〔5〕の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔10〕Rが、メチルである、上記〔1〕乃至〔9〕の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔11〕Xが、塩素原子又は臭素原子である、上記〔1〕乃至〔10〕の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔12〕Xが、臭素原子である、上記〔11〕に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔13〕溶媒の存在下に反応させる、上記〔1〕乃至〔12〕の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
〔14〕溶媒が、含ハロゲン炭化水素である、上記〔13〕に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
本発明により、医農薬の中間体等として有用なジェミナルジフルオロ化合物が、高収率で得られる新規な製造方法が提供される。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本明細書における「n−」はノルマル、「s−」はセカンダリー、「t−」はターシャリーを意味する。
また、化学構造の記載に用いる、「(E)」はE体を、「(Z)」はZ体を意味する。
「C1−4アルキル」とは、炭素数が1乃至4個である直鎖又は分岐鎖状のアルキルを意味する。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル又はt−ブチルを意味する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
(ジェミナルジフルオロ化合物の製造方法)
Figure 2016052353
式(1)で表されるオキシム化合物(化合物(1))を、N−クロロイミド化合物の存在下に、フッ素化剤を反応させることにより、式(2)で表されるジェミナルジフルオロ化合物(化合物(2))を製造することができる。
本明細書におけるN−クロロイミド化合物とは、窒素原子が塩素化されたイミド化合物を意味する。本発明で使用するN−クロロイミド化合物としては、例えば、N−クロロスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸等が挙げられる。好ましいN−クロロイミド化合物は、N−クロロスクシンイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン又はトリクロロイソシアヌル酸であり、より好ましいN−クロロイミド化合物は、トリクロロイソシアヌル酸である。
これらのN−クロロイミド化合物は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明で使用するN−クロロイミド化合物の内、トリクロロイソシアヌル酸は、プールの殺菌剤、脱臭剤等としての用途が知られている。さらに、トリクロロイソシアヌル酸は安定性が高く、安価な試薬であることが知られている(Organic Process Research and Development、2002年、6巻、384−393頁)。
N−クロロイミド化合物の使用量は、化合物(1)に対して、好ましくは0.1当量乃至100当量であり、より好ましくは0.5当量乃至30当量であり、さらに好ましくは1当量乃至15当量である。
本発明で使用するフッ素化剤は、例えば、フッ化水素−ピリジン錯体、ポリ[4−ビニルピリジニウムポリ(フッ化水素)]等が挙げられる。好ましいフッ素化剤は、フッ化水素−ピリジン錯体である。
フッ素化剤としては、フッ化水素を用いることもできる。
フッ化水素−ピリジン錯体の重量比が、フッ化水素:ピリジン=70:30であるものは、オラー試薬(Olah reagent)として知られている(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、1995年、6巻、4373−4375頁)。オラー試薬は、安定化され揮発性が小さいフッ化水素として働くことが知られており、工業的な使用に好適である。
ポリ[4−ビニルピリジニウムポリ(フッ化水素)]とは、ピリジン誘導体のポリマーとフッ化水素から構成される化合物である(Synlett、1990年、267−269頁)。
本発明で使用するフッ化水素−ピリジン錯体については、その重量比が、フッ化水素:ピリジン=70:30であるオラー試薬は、例えば、アルドリッチ社、フルオロケム社等より入手できる。また、その重量比が、フッ化水素:ピリジン=60:40、50:50、40:60及び20:80の組成のものは、例えば、マンチェスターオーガニックス社より入手でき、フッ化水素:ピリジン=55:45の組成のものは、例えば、アポロサイエンティフィック社より入手できる。
本発明で使用するフッ化水素−ピリジン錯体の重量比は、好ましくは、フッ化水素:ピリジン=70:30乃至20:80である。より好ましい重量比は、フッ化水素:ピリジン=70:30乃至50:50であり、さらに好ましい重量比は、フッ化水素:ピリジン=68:32乃至63:37である。
本発明で使用するフッ素化剤の使用量は、1当量の式(1)で表されるオキシム化合物に対して2当量から1000当量を用いることができ、好ましい使用量としては、2当量から500当量であり、より好ましい使用量としては、5当量から200当量である。
本発明で使用する化合物(1)は、式(1a)又は式(1b)で表されるオキシム化合物のいずれか一方、又は(1a)と式(1b)の混合物であることを意味する。
Figure 2016052353
順位法則に従い、式(1a)で表されるオキシム化合物は(E)の立体化学構造であり、式(1b)で表されるオキシム化合物は(Z)の立体化学構造である。
(E)の立体化学である化合物及び(Z)の立体化学である化合物は、互いに幾何異性体であり、多くの場合、それらは単離可能である。一方の異性体を得るためには、分別再結晶、塩酸処理等により熱力学的に安定な異性体への異性化を行うこともできる。本発明においては、オキシム化合物の一方の異性体のみの使用も可能であり、(E)及び(Z)のオキシム化合物の混合物を使用することも可能である。
オキシム化合物を製造する一般的な方法としては、例えば、カルボニル化合物とヒドロキシルアミンの縮合反応が挙げられ、既知の文献記載の方法に準じて、オキシム化合物を製造することができる(Comprehensive Organic Functional Group Transformations II、2005年、3巻、451−467頁)。
本発明で使用する溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されないが、その例としては以下が挙げられる。アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール)、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)、芳香族ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、脂肪族炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン)、アミン系溶媒(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジブチルブタン−1−アミン、2−メチル−N,N−ビス(2−メチルブチル)−1−ブタンアミン、N,N−ジメチルアニリン)、ピリジン系溶媒(例えば、ピリジン、ピコリン)、エーテル溶媒(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、1−メトキシ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン)等が挙げられる。
好ましくは含ハロゲン炭化水素溶媒、アミン系溶媒、ピリジン系溶媒又はエーテル溶媒であり、より好ましくは含ハロゲン炭化水素溶媒であり、さらに好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。
これらの溶媒は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の製造方法に用いることができる溶媒の使用量は、式(1)で表されるオキシム化合物に対して、好ましくは0重量倍乃至1000重量倍、より好ましくは1重量倍乃至100重量倍、さらに好ましくは5重量倍乃至50重量倍である。
反応温度は、特に制限は無いが、−78℃から反応混合物の還流温度までが好ましく、より好ましくは−60℃〜50℃であり、さらに好ましくは−40℃〜30℃である。また、好ましい反応の他の態様としては、反応開始から約7時間までは0℃であり、その後は20℃〜30℃で3〜21時間である。
全反応時間は、約28時間以内であり、好ましくは3〜21時間である。なお、フッ化水素をフッ素化剤として用いるときは、約20時間以内であり、好ましくは1〜5時間である。
以下に参考合成例、合成例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例(合成例)におけるプロトン核磁気共鳴(1H NMR)は、日本電子(JEOL)社製のJNM-ECP300、又は日本電子(JEOL)社製のJNM-ECX300を用いて、重クロロホルム溶媒中で測定し、化学シフトは、テトラメチルシランを内部標準(0.0ppm)としたときのδ値(ppm)で示した。
実施例のフッ素核磁気共鳴(19F NMR)は、日本電子(JEOL)社製のJNM-ECX300を用いて重クロロホルム溶媒中で測定し、化学シフトは、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準(-162.2ppm)としたときのδ値(ppm)で示した。
NMRスペクトルの記載において、「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「q」はカルテット、「m」はマルチプレット、「br」はブロード、「J」はカップリング定数、「Hz」はヘルツ、「CDCl3」は重クロロホルムを意味する。
合成例1
1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼンの製造
Figure 2016052353
テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFAと略す)の樹脂からなる反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、フッ化水素−ピリジン錯体(10.0g、[63.8%(フッ化水素):36.2%(ピリジン)]の重量比、フッ化水素として318.8mmol、アルドリッチ社製)を反応容器に加えて、0℃に冷却した。続いて、反応容器に、トリクロロイソシアヌル酸(2.70g、11.62mmol)及び、1−(4−ブロモフェニル)エタノンオキシム(1.00g、4.67mmol)のジクロロメタン(30.0g)溶液を順次加えて、反応混合物を0℃で7時間撹拌した。更に、反応温度を20℃へ昇温した後、同じ温度にて3時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えることで反応を停止させた。次に、反応混合物にクロロホルムを加え、有機層を分離した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン)で精製し、目的化合物(0.93g、収率90%)を無色液体として得た。
1H NMR(CDCl3):δ7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.37(d,J=8.6Hz,1H),1.90(t,J=18.3Hz,3H).
19F NMR(CDCl3):δ-88.3(2F,q,J=18.3Hz).
合成例2
1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼンの製造
PFAの樹脂からなる反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、フッ化水素−ピリジン錯体(10.0g、[63.8%(フッ化水素):36.2%(ピリジン)]の重量比、フッ化水素として318.8mmol、アルドリッチ社製)を反応容器に加えて、0℃に冷却した。続いて、反応容器に、N−クロロスクシンイミド(5.01g、37.52mmol)及び、1−(4−ブロモフェニル)エタノンオキシム(1.00g、4.67mmol)のジクロロメタン(30.0g)溶液を順次加えて、反応混合物を0℃で3時間撹拌した。更に、反応温度を25℃〜30℃へ昇温した後、同じ温度にて21時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えることで反応を停止させた。次に、反応混合物にクロロホルムを加え、有機層を分離した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン)で精製し、目的化合物(0.94g、収率88%)を無色液体として得た。
1H NMR(CDCl3):δ7.55(d,J=8.7Hz,1H),7.37(d,J=8.7Hz,1H),1.90(t,J=18.2Hz,3H).
合成例3
1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼンの製造
PFAの樹脂からなる反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、フッ化水素−ピリジン錯体(10.0g、[63.8%(フッ化水素):36.2%(ピリジン)]の重量比、フッ化水素として318.8mmol]、アルドリッチ社製)を反応容器に加えて、0℃に冷却した。続いて、反応容器に、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(4.60g、23.35mmol)及び、1−(4−ブロモフェニル)エタノンオキシム(1.00g、4.67mmol)のジクロロメタン(30.0g)溶液を順次加えて、反応混合物を0℃で7時間撹拌した。更に、反応温度を20℃へ昇温した後、同じ温度にて3時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えることで反応を停止させた。次に、反応混合物にクロロホルムを加え、有機層を分離した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン)で精製し、目的化合物(0.96g、収率93%)を無色液体として得た。
1H NMR(CDCl3):δ7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.37(d,J=8.6Hz,1H),1.90(t,J=18.1Hz,3H).
以下の合成例4から合成例6では、単離精製した1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼンを標準物質とし、4−ヒドロキシ安息香酸メチルを内部標準物質として、超高速液体クロマトグラフィーを用いた定量分析法にて反応収率を算出した。
超高速液体クロマトグラフィー:Waters社製 ACQUITY UPLC H-Class
カラム:Waters Acquity UPLC BEH C18 (1.7μm, 2.1x50mm) column
カラムオーブン温度:40℃
溶離液:アセトニトリル:10mM 酢酸アンモニウム水溶液/アセトニトリル= 100/5 (v/v), 30:70 (0-1min), 30:70-95:5 (1-3min), 95:5 (3-5min), (v/v)
溶離液速度:0.5 mL /min
検出波長:230 nm
合成例4
1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼンの製造
PFAの樹脂からなる反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、フッ化水素−ピリジン錯体(1.00g、[63.8%(フッ化水素):36.2%(ピリジン)]の重量比、フッ化水素として31.9mmol]、アルドリッチ社製)を反応容器に加えて、0℃に冷却した。続いて、反応容器に、トリクロロイソシアヌル酸(0.24g、1.03mmol)を加えて、次に1−(4−ブロモフェニル)エタノンオキシム(103.5mg、0.484mmol)のクロロホルム(2.01g)溶液を加えて、反応混合物を0℃で3時間、撹拌した。次いで、反応混合物にクロロホルム及び水を加えることで反応を停止させ、分液した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を定量したところ、1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼン(目的化合物)の定量収率は97%であった。
合成例5
1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼンの製造
PFAの樹脂からなる反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、フッ化水素−ピリジン錯体(1.00g、[63.8%(フッ化水素):36.2%(ピリジン)]の重量比、フッ化水素として31.9mmol]、アルドリッチ社製)を反応容器に加えて、0℃に冷却した。続いて、反応容器に、トリクロロイソシアヌル酸(0.23g、0.99mmol)を加えて、次に1−(4−ブロモフェニル)エタノンオキシム(104.3mg、0.487mmol)を加えて、反応混合物を0℃で3時間30分間、撹拌した。次いで、反応混合物にクロロホルム及び水を加えることで反応を停止させ、分液した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を定量したところ、1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼン(目的化合物)の定量収率は94%であった。
合成例6
三フッ化塩化エチレン共重合体の樹脂からなる反応容器に、1−(4−ブロモフェニル)エタノンオキシム(1.00g、4.67mmol)及び、トリクロロイソシアヌル酸(2.40g、10.33mmol)を順次加えた。次に、反応容器をドライアイス−メタノールバスで冷却し、減圧下、フッ化水素(11mL、551mmol)を導入した。次いで、反応容器の外温を−38〜−35℃に保ち、3時間撹拌した。続いて、反応容器をドライアイス−メタノール−水バスで冷却し、減圧下、フッ化水素を留去した。次いで、反応容器にクロロホルム及び水を加えて撹拌した後、分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を定量したところ、1−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ブロモベンゼン(目的化合物)の定量収率は51%であった。
参考合成例1
1−(4−ブロモフェニル)エタノンオキシムの製造
Figure 2016052353
ガラス反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、4’−ブロモアセトフェノン(50.0g、251.31mmol)、エタノール(100g)、及び塩酸ヒドロキシアミン(19.6g、282.05mmol)を反応容器に加えて、反応混合物を72℃に加熱した。次に、反応混合物を72℃〜80℃で3時間撹拌した。続いて、反応混合物を5℃へ冷却することで反応を停止させた。次に、反応混合物に水(100g)を加えて固体を析出させ、ろ過した後、得られた固体をエタノール(50g)と水(100g)との混合溶液で洗浄した。更に、得られた固体、及びエタノール(100g)を反応容器に加え、混合物を65℃に加熱した後、反応混合物を4℃へと冷却し、再度、固体を析出させてろ過した。得られた固体を、0℃に冷却したエタノール(50g)で洗浄し、50℃にて3時間の減圧乾燥を行い、目的化合物(26.15g、収率49%)を白色固体として得た。
1H NMR(CDCl3):δ8.59(s,1H),7.50(s,4H),2.27(s,3H).
本発明により得られるジェミナルジフルオロ化合物は、医農薬などの製造中間体等として広範な分野で使用される。
なお、2014年9月29日に出願された日本特許出願2014−199055号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (14)

  1. 式(1)で表されるオキシム化合物を、N−クロロイミド化合物の存在下に、フッ素化剤と反応させることを特徴とする、式(2)で表されるジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
    Figure 2016052353
    [式中、RはC1−4アルキルを表し、Xはハロゲン原子を表す。]
    Figure 2016052353
    [式中、R及びXは前記と同じ意味を表す。]
  2. N−クロロイミド化合物が、N−クロロスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム又はトリクロロイソシアヌル酸である、請求項1に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  3. N−クロロイミド化合物が、N−クロロスクシンイミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン又はトリクロロイソシアヌル酸である、請求項2に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  4. N−クロロイミド化合物の存在量が、式(1)のオキシム化合物1当量に対して、0.1当量乃至100当量である、請求項1乃至3の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  5. フッ素化剤の使用量が、式(1)のオキシム化合物1当量に対して、2〜1000当量である、請求項1乃至4の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  6. フッ素化剤が、フッ化水素−ピリジン錯体又はポリ[4−ビニルピリジニウムポリ(フッ化水素)]である、請求項1乃至5の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  7. フッ素化剤が、フッ化水素−ピリジン錯体である、請求項6に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  8. フッ化水素−ピリジン錯体中のフッ化水素とピリジンの重量比が、70:30乃至20:80である、請求項7に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  9. フッ素化剤が、フッ化水素である、請求項1乃至5の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  10. が、メチルである、請求項1乃至9の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  11. Xが、塩素原子又は臭素原子である、請求項1乃至10の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  12. Xが、臭素原子である、請求項11に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  13. 溶媒の存在下に反応させる、請求項1乃至12の何れか一項に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
  14. 溶媒が、含ハロゲン炭化水素である、請求項13に記載のジェミナルジフルオロ化合物の製造方法。
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