JPWO2015190458A1 - 組換えブレビバチルス属細菌による組換え蛋白質の製造方法 - Google Patents

組換えブレビバチルス属細菌による組換え蛋白質の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、組換え蛋白質の分泌生産量を向上し、より安価に組換え蛋白質を調製することが可能であり、工業化規模にスケールアップ可能なブレビバチルス属細菌による組換え蛋白質の製造方法を提供する。本発明は、組換え蛋白質をコードする遺伝子を有するブレビバチルス属細菌を、前記ブレビバチルス属細菌の対数増殖期初期以降から弱アルカリ性条件で培養する工程を含む、組換え蛋白質の製造方法を提供する。

Description

本発明は、組換えブレビバチルス属細菌を使用した、組換え蛋白質の製造方法に関する。
近年、遺伝子組換え微生物を培養することにより、微生物、動物又は植物等由来の様々な有用蛋白質が工業的規模で製造されている。遺伝子組換え微生物の宿主としては様々な種類の微生物が利用されているが、その中でブレビバチルス属細菌は目的蛋白質を細胞外に分泌発現させることが可能であり、種々の異種蛋白質の製造に用いられている(非特許文献1)。菌体当たりの組換え蛋白質の分泌生産量の向上および培養時の菌体の高密度化のために種々の培養条件の検討が行われている(特許文献1)。
一般に、微生物にはそれぞれ生育に適したpHの範囲が存在する。特に組換え蛋白質を生産する場合、宿主となる微生物にとって好適なpH範囲で培養を行うことは一般的である。例えば、有用蛋白質の生産を目的とした遺伝子組換え大腸菌の培養においては、培養中の培地のpHを6.8〜7.2に設定することが多く行われている。ブレビバチルス属細菌ではpHを7.0に設定することが多く行われている。
ところで、遺伝子組換え技術を用いて生産される蛋白質医薬品のうち、抗体医薬品は急速にその需要を拡大している。抗体医薬品は、約150kDaの糖蛋白質として、主にCHO培養細胞を用いて生産される。
抗体医薬品の製造には、一般に抗体結合能を有するアフィニティークロマトグラフィーが使用されており、プロテインA、プロテインG及びプロテインLなどの蛋白質を適当な樹脂に固定化して得られる抗体精製用担体による、クロマトグラフィーが最も多く使用されている。抗体結合能を有するリガンドとしては、プロテインAが特に多く使用されている。
蛋白質をリガンドとするアフィニティー担体は、医薬品製造用資材として高い品質が求められる。蛋白質からなるリガンド自体も蛋白質医薬品と同等レベルの品質を要求され、生産コストが高いので、アフィニティー担体を安価に供給できない状況となっている。抗体医薬品の製造コストのうち、アフィニティー担体の生産コストが占める割合は大きく、抗体医薬品の製造コスト低減に大きな足かせとなっている。よって、蛋白質からなるリガンドを高品質で安価に調達する方法が望まれている。
本発明者らは、これまでに、プロテインAの部分配列を安定的かつ大量に生産するために、ブレビバチルス属細菌を宿主に使い、プロテインAの部分配列を効率良く大量に分泌発現し、培養液中に安定的に蓄積させ、容易に高純度で分離回収できる方法を見いだしている(特許文献2)。
国際公開第10/001960号 国際公開第06/004067号
『蛋白質 核酸 酵素』 Feb;37(3 Suppl):258−68(1992)
本発明の課題は、ブレビバチルス属細菌を用いて組換え蛋白質を製造する際に、組換え蛋白質の分泌生産量を向上し、より安価に組換え蛋白質を調製することが可能であり、工業化規模にスケールアップ可能な、組換え蛋白質の生産方法を提供することである。また、本発明の課題は、特許文献1のように炭素源を変更することなく、グルコースを炭素源として使用しながら生産性を改善できる、組換え蛋白質の生産方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、対数増殖期に入って以降、菌体にとって好適なpHから外れた弱アルカリ性のpH範囲で培養することで組換え蛋白質の分泌生産量が向上できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、組換え蛋白質をコードする遺伝子を有するブレビバチルス属細菌を、前記ブレビバチルス属細菌の対数増殖期初期以降から弱アルカリ性条件で培養する工程を含む、組換え蛋白質の製造方法に関する。
弱アルカリ性条件がpH7.5以上8.1以下であることが好ましい。
ブレビバチルス(Brevibacillus)属細菌がブレビバチルス・チョウシネンシス(Brevibacillus choshinensis)であることが好ましい。
組換え蛋白質が抗体結合性蛋白質であることが好ましい。
抗体結合性蛋白質がプロテインAのEドメイン、Dドメイン、Aドメイン、Bドメイン、またはCドメイン、プロテインGのbeta−1ドメイン、beta−2ドメイン、またはbeta−3ドメイン、プロテインLのBドメイン、もしくはそれらの連結体または機能的変異体であることが好ましい。
グルコースを含む培地を使用することが好ましい。
本発明によれば、組換えブレビバチルス属細菌を用いた組換え蛋白質の製造において、組換え蛋白質の分泌生産量が向上し、微生物にとって好適なpH範囲(7.0〜7.2)で培養を行う場合と比べ、組換え蛋白質の生産性向上を達成することができる。
本発明は、組換え蛋白質をコードする遺伝子を有するブレビバチルス属細菌を、前記ブレビバチルス属細菌の対数増殖期初期以降から弱アルカリ性条件で培養する工程を含む、組換え蛋白質の製造方法に関する。
組換え蛋白質としては、例えば抗体結合性蛋白質、抗体、酵素、生理活性蛋白質が挙げられる。
抗体結合性蛋白質は、抗体の抗原認識部位以外の部分(例えば、Fc部分)と結合可能な蛋白質である。抗体の抗原認識部位以外の部分と結合し得る蛋白質であれば、その構造は特に限定されない。このような蛋白質としては、例えば、プロテインAのEドメイン、Dドメイン、Aドメイン、Bドメイン、またはCドメイン、プロテインGのbeta−1ドメイン、beta−2ドメイン、またはbeta−3ドメイン、プロテインLのBドメイン、もしくはそれらの連結体または機能的変異体が挙げられる。
プロテインAとは、グラム陽性細菌スタフィロコッカス・アウレウスによって生産される細胞壁蛋白質の1種であり、約42,000の分子量を有する蛋白質である。その構造は7つの機能ドメイン(アミノ末端からシグナル配列S、イムノグロブリン結合ドメインE、イムノグロブリン結合ドメインD、イムノグロブリン結合ドメインA、イムノグロブリン結合ドメインB、イムノグロブリン結合ドメインC、スタフィロコッカス・アウレウス細菌細胞壁結合ドメインX)から構成されている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1983,80:697−701、Gene,1987,58:283−295、J.Bio.Chem.,1984,259:1695−1702)。
プロテインAのイムノグロブリン結合ドメインに対する相対親和性は、pH、スタフィロコッカス・アウレウス菌株種(Infec.Immun.,1987,55:843−847)、またイムノグロブリンのクラス(IgG、IgM、IgA、IgD、IgE)及びサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2)などの多くの因子に依存することが知られ、特にイムノグロブリンのクラスではヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG4及びマウスIgG2a、マウスIgG2b,マウスIgG3のFc部分と強い結合を示す。
プロテインAのEドメイン、Dドメイン、Aドメイン、Bドメイン、Cドメインとしては、それぞれ、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する蛋白質が一例として挙げられる。
プロテインGは、ストレプトコッカス属細菌(Streptococcus)によって生産される細胞壁蛋白質の1種であり、哺乳動物のIgGのFc部分と結合活性を示す。この結合活性は、プロテインGのbeta−1ドメイン、beta−2ドメイン、およびbeta−3ドメインよりもたらされる。
プロテインGのbeta−1ドメイン、beta−2ドメイン、およびbeta−3ドメインとしては、それぞれ、配列番号6、配列番号7、配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する蛋白質が一例として挙げられる。
プロテインLとは、ペプトストレプトコッカス・マグニウス(Peptostreptococcus magnus)によって生産される蛋白質の1種であり、約79,000の分子量を有する蛋白質である。その構造は6つの機能ドメイン(アミノ末端から、シグナル配列SS、アミノ末端ドメインA、イムノグロブリン結合ドメインBの5回繰り返し、機能不明ドメインCの2回繰り返し、細胞壁貫通ドメインW、細胞膜貫通ドメインM)から構成されている。
このプロテインLのイムノグロブリン結合ドメインはイムノグロブリンのκ軽鎖と結合を示す。(J.Biol.Chem.,1989,264:19740−19746、J.Biol.Chem.,1992,267:12820−12825)。
プロテインLのBドメインとしては、配列番号9〜13に示されるアミノ酸配列を有する蛋白質が一例として挙げられる。
抗体結合性蛋白質の機能的変異体は、抗体結合性蛋白質の変異体のうち、抗体に結合する活性を有する蛋白質である。抗体結合性蛋白質の機能的変異体と、配列番号5に示すプロテインAのCドメインとの配列同一性は、60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、75%以上であることがさらにより好ましく、80%以上であることがさらにより好ましく、85%以上であることがさらにより好ましく、90%以上であることがさらにより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
抗体結合性蛋白質の連結体は、抗体結合性蛋白質を直列に連結して得られる蛋白質である。異なる抗体結合性蛋白質を連結してもよく、同じ抗体結合性蛋白質を連結してもよい。連結される抗体結合性蛋白質の数としては、例えば2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個が挙げられる。連結体としては、プロテインAのCドメインの機能的変異体5個を含む、配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する蛋白質が一例として挙げられる。
抗体としては、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEなどの完全長抗体、およびそれらの抗原結合部位からなる部分断片化抗体などが挙げられる。
酵素としては、例えばアミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコール脱水素酵素、アミノ酸脱水素酵素、D−アミノ酸オキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、アミノ基転移酵素、エステラーゼ、アシラーゼ、アミダーゼ、ヒダントイナーゼ、ヒダントインラセマーゼ、デカルバミラーゼ、ニトリラーゼ、ニトリルヒドラターゼ、N−アシルアミノ酸ラセマーゼ、D−スクシニラーゼ、L−スクシニラーゼ、カルバミルアミノ酸ラセマーゼ、アミノ酸アミドラセマーゼ、アミノペプチダーゼなどが挙げられる。
生理活性蛋白質は、医薬活性成分として用いられる蛋白質であり、例えばインシュリン、インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン、成長ホルモン、ペプチドホルモン、サイトカイン、成長因子、造血因子、酵素、およびそれらの受容体蛋白質などが挙げられる。
組換え蛋白質をコードする遺伝子は、組換え蛋白質をコードする塩基配列を有していれば特に限定されない。前記遺伝子を含むDNAは、通常用いられる公知の方法、例えば、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(以下、PCRと略す)法で取得できる。また、公知の化学合成法で合成することも可能であり(Nucleic acids Res.1984.12:4359)、DNAライブラリーからも取得できる。当該DNAにおいて、コドンが縮重コドンで置換されていてもよい。
ブレビバチルス属細菌で組換え蛋白質を発現させるために、発現ベクターを使用できる。発現ベクターは、組換え蛋白質をコードする遺伝子を含む。当該遺伝子を発現させるプロモーターとして、ブレビバチルス属細菌で機能しうるプロモーターを使用できる。
当該プロモーターは、ブレビバチルス属細菌で機能しうるものであればいかなるものでもよいが、大腸菌、枯草菌、ブレビバチルス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)等の細菌に由来し、ブレビバチルス属細菌内にて作動可能なプロモーターが好ましい。ブレビバチルス属細菌細胞壁蛋白質middle wall protein(MWP)、同蛋白質であるouter wall protein(OWP)、またはブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31細胞壁蛋白質HWP(Ebisu.Sら.J.Bacteriol.1990.172:1312−1320)をコードする遺伝子のプロモーターがより好ましい。具体例として、ブレビバチルス・ブレビス細胞壁蛋白質MWPのP5プロモーター領域や、ブレビバチルス・ブレビス細胞壁蛋白質MWPのP2プロモーター領域が挙げられる。
発現ベクターは、前記プロモーターの下流に、ブレビバチルス属細菌で機能しうるシャインダルガノ配列及びシグナル配列をさらに含むことが好ましい。シャインダルガノ配列は、大腸菌、枯草菌、ブレビバチルス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)等の細菌由来でブレビバチルス属細菌内にて作動可能なシャインダルガノ配列が好ましく、ブレビバチルス属細菌細胞壁蛋白質middle wall protein(MWP)、同蛋白質であるouter wall protein(OWP)、または、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31細胞壁蛋白質HWPをコードする遺伝子の上流に存在するシャインダルガノ配列がより好ましい。発現ベクターは、所望によりマーカー配列を含んでもよい。
発現ベクターは、シャインダルガノ配列の下流に分泌シグナルペプチドをコードするDNA配列を含んでいても良い。分泌シグナルペプチドをコードするDNA配列は、ブレビバチルス・ブレビス内で翻訳されたときに同一のアミノ酸をコードしている限り、本来のDNA配列と同一である必要性はない。分泌シグナルペプチドとしては、例えば、大腸菌、枯草菌、ブレビバチルス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)等の細菌由来で、ブレビバチルス属細菌内にて作動可能な分泌シグナルペプチドが好ましく、ブレビバチルス属細菌細胞壁蛋白質middle wall protein(MWP)、同蛋白質であるouter wall protein(OWP)または、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31細胞壁蛋白質HWPの分泌シグナルペプチドがより好ましい。また従来の分泌シグナルペプチドのアミノ酸配列を改良したものも使用できる。
分泌シグナルペプチドの具体例としては、middle wall protein(MWP)のシグナルペプチド、Met−Lys−Lys−Val−Val−Asn−Ser−Val−Leu−Ala−Ser−Ala−Leu−Ala−Leu−Thr−Val−Ala−Pro−Met−Ala−Phe−AlaをMet−Lys−Lys−Arg−Arg−Val−Val−Asn−Asn−Ser−Val−Leu−Leu−Leu−Leu−Leu−Leu−Ala−Ser−Ala−Leu−Ala−Leu−Thr−Val−Ala−Pro−Met−Ala−Phe−Alaの下線部のように塩基性や疎水性アミノ酸残基など付加または消失させた分泌シグナルペプチドも使用できる。また従来からブレビバチルス属の分泌蛋白質において使われている分泌シグナルペプチドも使用できる。
さらに該プロテインAが本来有するシグナルペプチド、すなわち、Met−Lys−Lys−Lys−Asn−Ile−Tyr−Ser−Ile−Arg−Lys−Leu−Gly−Val−Gly−Ile−Ala−Ser−Val−Thr−Leu−Gly−Thr−Leu−Leu−Ile−Ser−Gly−Gly−Val−Thr−Pro−Ala−Ala−Asn−Alaも使用できる。
上記のプロモーター、SD配列、および分泌シグナルペプチドをコードするDNAは、例えば、ブレビバチルス属細菌から得ることができる。好ましくは、ブレビバチルス・ブレビス47株(JCM6285)、ブレビバチルス・ブレビス47K株(FERM BP−2308)、ブレビバチルス・ブレビス47−5株(FERM BP−1664)、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31株(FERM BP−1087)、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S株(FERM BP−6623)、またはブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−OK株(FERMBP−4573)の染色体DNAを鋳型として、公知のPCR法で特異的に増やすことにより取得できる。
発現ベクターにおいては、前記プロモーター、前記シャインダルガノ配列、前記シグナルペプチド配列、および組換え蛋白質をコードする遺伝子が、ブレビバチルス属細菌内において作動可能に連結されていることが好ましい。
発現ベクターは、プラスミドベクターが好ましい。ブレビバチルス属細菌の遺伝子の発現に有用なプラスミドベクターとして具体的には、例えば、枯草菌ベクターとして公知であるpUB110、またはpHY500(特開平2−31682号公報)、pNY700(特開平4−278091号公報)、pHY4831(J.Bacteriol.1987.1239−1245)、pNU200(鵜高重三、日本農芸化学会誌1987.61:669−676)、pNU100(Appl.Microbiol.Biotechnol.,1989,30:75−80)、pNU211(J.Biochem.,1992,112:488−491)、pNU211R2L5(特開平7−170984号公報)、pNH301(Shiga.Y.ら.Appl.Environ.Microbiol.1992.58:525−531.)、pNH326、pNH400(Ishihara.Tら、1995.J.Bacteriol,177:745−749)、pHT210(特開平6−133782号公報)、pHT110R2L5(Appl.Microbiol.Biotechnol.,1994,42:358−363)、または大腸菌とブレビバチルス属細菌とのシャトルベクターであるpNCMO2(特開2002−238569号公報)が挙げられる。また、ブレビバチルス属細菌で機能するプロモーターとシャインダルガノ配列と目的蛋白質をコードするDNA配列とを含んだ発現ベクター、または、それらの各配列を含む遺伝子断片を染色体中へ直接組み込み、発現させる方法(特開平9−135693号公報)を用いてもよい。
組換え蛋白質は、ブレビバチルス属細菌において分泌させる方法、または分泌させない方法のいずれで生産されてもよいが、分離精製が容易であることから、培養液中へ分泌させる方法が好ましい。
組換え蛋白質を培養液中へ分泌させるためには、組換え蛋白質をコードする遺伝子の上流にブレビバチルス属細菌で機能するシグナルペプチドをコードするDNAを付加または連結するのが好ましい。
形質転換体を得るために用いる宿主細胞としては、任意のブレビバチルス(Brevibacillus)属細菌を使用し得る。ブレビバチルス属細菌としては、特に限定されないが、ブレビバチルス・アグリ、ブレビバチルス・ボルステレンシス、ブレビバチルス・ブレビス、ブレビバチルス・セントロポラス、ブレビバチルス・チョウシネンシス(Brevibacillus choshinensis)、ブレビバチルス・フォルモサス、ブレビバチルス・インボカツス、ブレビバチルス・ラチロスポラス、ブレビバチルス・リムノフィルス、ブレビバチルス・パラブレビス、ブレビバチルス・レウスゼリ、ブレビバチルス・サーモルバー等が挙げられる。
好ましくは、ブレビバチルス属細菌が、ブレビバチルス・ブレビス47株(JCM6285)、ブレビバチルス・ブレビス47K(FERM BP−2308)、ブレビバチルス・ブレビス47−5(FERM BP−1664)、ブレビバチルス・ブレビス47−5Q(JCM8970)、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31(FERM BP−1087)、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S(FERM BP−6623)、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−OK(FERM BP−4573)およびブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(Takara社製)からなる群より選択される。より好ましくは、ブレビバチルス・ブレビス47、ブレビバチルス・ブレビス47−5Q、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31、ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−OK、およびブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−Sからなる群より選択される。
ブレビバチルス・ブレビス47−5Q(JCM8970)は独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室(JCM)(〒305−0074茨城県つくば市高野台3−1−1)より入手することができる。
組換え蛋白質の生産量や品質を改善するために、上記ブレビバチルス属細菌のプロテアーゼ欠損株や高発現株のような変異株を使用してもよい。変異株として、例えば、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31由来のプロテアーゼ変異株であるブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−OK(特開平6−296485号公報)、ヒト唾液アミラーゼ高生産株であるブレビバチルス・ブレビス47K(Konishi,H.ら.Appl Microbiol.Biotechnol.1990.34:297−302)が挙げられる。前述した変異株から、さらに組換え蛋白質の生産量や品質が優れるブレビバチルス属細菌を取得して、組換え蛋白質の生産に用いることも可能である。
ブレビバチルス属細菌を含めた微生物において異種蛋白質を高発現させた場合、正しくフォールディングされずに不活性型の蛋白質を形成することが多く、特にジスルフィド結合の多い蛋白質を高発現させた場合、細胞内外にて不溶性化することも多い。一方で、目的蛋白質を発現させる際、シャペロン蛋白質やジスルフィド結合異性化酵素および/またはプロリン異性化酵素などを作用させることによって、目的蛋白質の不溶性化や分泌効率の低下を抑えられることが知られている。広く試みられている方法は、PDI(プロテインジスルフィドイソメラーゼ)および/またはDsbAなどのジスルフィド酸化還元活性を有する蛋白質を作用させる方法(特開昭63−294796号公報、特開平5−336986号公報)である。
さらに、ジスルフィド酸化還元活性を有する蛋白質をコードする遺伝子を宿主生物に導入し、目的蛋白質とジスルフィド酸化還元活性を有する蛋白質とを同時に発現させて正しいジスルフィド結合を有する蛋白質を生産する方法も知られている(特開2000−83670号公報、特表2001−514490号公報等)。
本発明による組換え蛋白質、好ましくはプロテインAまたはその部分的配列からなる蛋白質の発現の場合も、過度な蛋白質合成が行われることによる宿主細胞への負担を軽減し、蛋白質分泌をスムーズに行わせるために、当該蛋白質発現の際、数種類のシャペロン蛋白質、ジスルフィド結合酸化還元酵素、および/またはジスルフィド異性化酵素のようなフォールディングを促進する酵素を同時発現させることも可能である。具体的に挙げれば、ブレビバチルス属細菌において当該蛋白質発現時に、蛋白質のジスルフィド結合に関与し、プロテインジスルフィドイソメラーゼの類縁と考えられている大腸菌のDsbA(Bardwell,J.C.A.ら.Cell.1991.67:582−589、Kamitani.Sら.EMBO.J.1992.11:57−62.)および/または、DnaK、DnaJ、GrpE(特開平9−180558号公報)などのシャペロン蛋白質を同時に発現させることもできる。その他、ポリペプチドの正確なジスルフィド結合に関与している酵素PDI(特願2001−567367号公報)、ジスルフィド酸化還元酵素(特開2003−169675号公報)(Kontinen,V,P.ら Molecular Microbiology.1993.8:727−737)、および/またはジスルフィド異性化酵素のようなフォールディングを促進する酵素を当該蛋白質と同時に発現させ、更に分泌効率を向上させることもできる。
組換え蛋白質をコードする遺伝子による、ブレビバチルス属細菌の宿主細胞の形質転換は、公知のTakahahiらの方法(Takahashi.Wら.J.Bacteriol.1983.156:1130−1134)や、Takagiらの方法(Takagi.H.ら.1989.Agric.Biol.Chem,53:3099−3100)、またはOkamotoらの方法(Okamoto.A.ら 1997.Biosci.Biotechnol.Biochem.61:202−203)により行うことができる。
ブレビバチルス属細菌の培養に用いる培地は、組換え蛋白質を高効率、高収量で生産できるものであれば特に限定されない。具体的にはグルコース、蔗糖、グリセロール、ポリペプトン、肉エキス、酵母エキス、カザミノ酸などの炭素源や窒素源を使用することができる。グルコースを炭素源として含むことが好ましい。その他、カリウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩、マグネシウム塩、マンガン塩、亜鉛塩、鉄塩等の無機塩類を添加してもよい。
また、大豆油、ラード油、界面活性剤等の消泡効果のある、または、細胞膜の物質透過性を変化させ、菌体当たりの組換え蛋白質の分泌生産量の向上が期待される化合物を添加してもよい。界面活性剤の使用は、本発明の効果を増強する場合があり、好ましい。界面活性剤としては、ブレビバチルス属細菌の生育および/または組換え蛋白質生産に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されず、例えばポリオキシアルキレングリコール系の界面活性剤が挙げられる。
栄養要求性の宿主細胞を用いる場合は、生育に要求される栄養物質を添加してもよい。ペニシリン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、ネオマイシンなどの抗生物質を添加してもよい。
菌体内外に存在する宿主由来のプロテアーゼによる当該目的蛋白質の分解や低分子化を抑えるために、公知のプロテアーゼ阻害剤を添加してもよい。プロテアーゼ阻害剤として、例えばPhenylmethane sulfonyl fluoride(PMSF)、Benzamidine、4−(2−aminoethyl)−benzenesulfonyl fluoride(AEBSF)、Antipain、Chymostatin、Leupeptin、Pepstatin A、Phosphoramidon、Aprotinin、Ethylenediaminetetra acetic acid(EDTA)などが挙げられる。
培養は、通気攪拌条件で行う好気的培養、または通気を遮断した嫌気的培養が挙げられ、好気的培養が好ましい。また、回分式、連続式のいずれの培養方法も使用できる。
本発明の組換え蛋白質の製造方法は、ブレビバチルス属細菌の対数増殖期初期以降から弱アルカリ性条件で培養する工程を含む。新しい培養基にブレビバチルス属細菌を接種することにより培養を開始すると、培養初期の一定期間は菌の増殖が認められず、この期間が誘導期である。誘導期は、菌体濃度の指標として600nmの波長で測定される培地の吸光度(OD600値)が5未満までの状態である。誘導期にはpHをブレビバチルス属細菌が生育可能な任意のpHとすることができる。
対数増殖期とは一般的には、ある系に含まれるすべての細胞が一定の間隔で細胞***して増殖し、系全体に含まれる細胞の総数がそれぞれ2倍ずつになるため、時間軸に対して、細胞数の対数が直線となる時期のことである。本発明において、対数増殖期初期は、菌体濃度の指標であるOD600値が5以上であり、かつ菌体が増殖している期間を指す。
通常、ブレビバチルス属細菌を培養すると、誘導期には培地のpHがアルカリ性になる傾向があり、対数増殖期初期以降には酸性になる傾向がある。誘導期から対数増殖期初期にかけて、生育が阻害されるほどの過度なpHの上昇を抑えるために、酸の添加によりpHの上限制御を行う必要がある。さらに本発明の製造方法では、対数増殖期初期以降に、低下する培地のpHを制御して弱アルカリ性状態を維持する。pHを制御するために用いるpH調整剤としては、無機酸、有機酸、アルカリが挙げられ、無機酸、アルカリが好ましい。無機酸としては、硫酸、リン酸、塩酸、硝酸などが挙げられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アンモニアなどが挙げられる。
培養液のpHを弱アルカリ性に維持するための制御を開始する時期は、上記のように培養開始後pHが上昇し弱アルカリ性域に達して以降であり、好ましくは対数増殖期初期以降であるOD600値が5以上の時期であり、より好ましくはOD600値が5以上60以下の時期であり、さらに好ましくはOD600値が10以上50以下の時期であり、さらにより好ましくはOD600値が10以上45以下の時期であり、特に好ましくはOD600値が10以上40以下の時期である。
弱アルカリ性条件としては、培地のpHが好ましくはpH7.5以上8.1以下であり、より好ましくはpH7.6以上8.1以下であり、さらに好ましくはpH7.7以上8.1以下である。
培養液のpHを弱アルカリ性で制御する期間は、対数増殖期初期以降の培養期間の40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
生産された組換え蛋白質は、菌体外、すなわち培養上清中に大量に蓄積されるので、組換え蛋白質は培養上清中から回収し精製できる。また菌体内、及び菌体表層に存在する組換え蛋白質も、例えば超音波やフレンチプレス、アルカリ処理、SDS処理などの公知の方法により菌を破砕して、回収できる。培養上清や菌体から回収された蛋白質は、硫酸アンモニウムや硫酸ナトリウムなどを用いた塩析、エタノールやアセトンなどを用いた濃縮、ゲル濾過、イオン交換、ハイドロキシアパタイト、組換え蛋白質が有する親和性を利用したクロマトグラフィーなどを用いて精製できる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。本実施では、組換えDNAの作製や操作などは特に断わらない限り下記の実験書に従って実施した。(1)T.Maniatis,E.F.Fritsch,J.Sambrook著、「モレキュラー・クローニング/ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning/A Laboratory Manual)」、第2版(1989)、Cold Spring Harbor Laboratory刊(米国)。(2)村松正實編著「ラボマニュアル遺伝子工学」、第3版(1996)、丸善株式会社刊。また、本実施例で用いる試薬、制限酵素等については特に明記しない限り、市販品を用いた。
(実施例1)
配列番号15に示す塩基配列を有し、プロテインAをコードする遺伝子を含むDNAを全合成した。DNAの全合成は、タカラバイオ(株)に依頼した。納品されたDNAを制限酵素PstIおよびXbaI(共にタカラバイオ社製)で切断してプロテインA遺伝子を分画精製し、同じくPstIおよびXbaIで切断したブレビバチルス用発現ベクターpNCMO2(タカラバイオ社製)と混合後、Ligation High(TOYOBO社製)を用いたライゲーションを行い、得られたプラスミドを、ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3株(タカラバイオ社製)にエレクトロポレーション法により電気導入することで、プロテインAを発現するブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)を作製した。
(比較例1)ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)の培養
実施例1にて得られたブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)を、A培地(ペプトン1.5%、酵母エキス0.8%、グルコース2.0%、リン酸塩0.38%、MgSO・7HO 0.04%、MnSO・5HO 0.004%、FeSO・7HO 0.004%、ZnSO・7HO 0.0004%、pH7.2、培養開始後6時間目からグルコースを3.8%分連続添加)で好気的条件下で30℃で培養した。培地のpHは、培養開始から培養終了までpH7.0〜7.2の範囲となるように制御した。
培養開始から63時間後に培養液を採取し、遠心分離(15,000rpm、25℃、5分間)により菌体を除去した後、高速液体クロマトグラフィーで培養上清中の組換えプロテインA濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)のpHシフト培養
培地のpHを、誘導期はpH7.2〜8.0の範囲となるように制御し、培養を開始してから16時間後以降はpH7.4となるように制御した以外は、比較例1と同じ条件で培養した。なお、培養を開始してから16時間後の培地の、分光光度計を用いて測定した600nmにおける濁度は16であった。比較例1と同じ方法で培養上清中の組換えプロテインA濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例2)ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)のpHシフト培養
培地のpHを、誘導期はpH7.2〜7.6の範囲となるように制御し、培養を開始してから23時間後以降はpH7.9となるように制御した以外は、比較例1と同じ条件で培養した。なお、培養を開始してから23時間後の培地の、分光光度計を用いて測定した600nmにおける濁度は40であった。比較例1と同じ方法で培養上清中の組換えプロテインA濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例3)ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)のpHシフト培養
培地のpHを、誘導期はpH7.2〜8.0の範囲となるように制御し、培養を開始してから16時間後以降はpH7.6となるように制御した以外は、比較例1と同じ条件で培養した。なお、培養を開始してから16時間後の培地の、分光光度計を用いて測定した600nmにおける濁度は16であった。比較例1と同じ方法で培養上清中の組換えプロテインA濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例4)ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)のpHシフト培養
培地のpHを、誘導期はpH7.2〜8.0の範囲となるように制御し、培養を開始してから16時間後以降はpH7.8となるように制御した以外は、比較例1と同じ条件で培養した。なお、培養を開始してから16時間後の培地の、分光光度計を用いて測定した600nmにおける濁度は17であった。比較例1と同じ方法で培養上清中の組換えプロテインA濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例5)ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)のpHシフト培養
培地のpHを、誘導期はpH7.2〜8.0の範囲となるように制御し、培養を開始してから16時間後以降はpH7.9となるように制御した以外は、比較例1と同じ条件で培養した。なお、培養を開始してから16時間後の培地の、分光光度計を用いて測定した600nmにおける濁度は17であった。比較例1と同じ方法で培養上清中の組換えプロテインA濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例6)ブレビバチルス・チョウシネンシスSP3(pNCMO2Spa3)のpHシフト培養
培地のpHを、誘導期はpH7.2〜8.0の範囲となるように制御し、培養を開始してから16時間後以降はpH8.0となるように制御した以外は、比較例1と同じ条件で培養した。なお、培養を開始してから16時間後の培地の、分光光度計を用いて測定した600nmにおける濁度は14であった。比較例1と同じ方法で培養上清中の組換えプロテインA濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2015190458

Claims (6)

  1. 組換え蛋白質をコードする遺伝子を有するブレビバチルス属細菌を、前記ブレビバチルス属細菌の対数増殖期初期以降から弱アルカリ性条件で培養する工程を含む、組換え蛋白質の製造方法。
  2. 弱アルカリ性条件がpH7.5以上8.1以下である、請求項1に記載の組換え蛋白質の製造方法。
  3. ブレビバチルス(Brevibacillus)属細菌がブレビバチルス・チョウシネンシス(Brevibacillus choshinensis)である、請求項1または2に記載の組換え蛋白質の製造方法。
  4. 組換え蛋白質が抗体結合性蛋白質である、請求項1〜3のいずれかに記載の組換え蛋白質の製造方法。
  5. 抗体結合性蛋白質がプロテインAのEドメイン、Dドメイン、Aドメイン、Bドメイン、またはCドメイン、プロテインGのbeta−1ドメイン、beta−2ドメイン、またはbeta−3ドメイン、プロテインLのBドメイン、もしくはそれらの連結体または機能的変異体である、請求項4に記載の組換え蛋白質の製造方法。
  6. グルコースを含む培地を使用する、請求項1〜5のいずれかに記載の組換え蛋白質の製造方法。

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