JPWO2015190225A1 - 診断支援情報生成方法、画像処理装置、診断支援情報生成システム及び画像処理プログラム - Google Patents
診断支援情報生成方法、画像処理装置、診断支援情報生成システム及び画像処理プログラム Download PDFInfo
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Abstract
Description
観察対象となる組織標本や細胞には、例えば標本作成時に蛍光物質が凝集するなど、疾病の程度とは無関係な様々なノイズが発生し得ることが知られている。ノイズによって診断結果のばらつきが生じると、誤診に繋がったり、診断結果を一つ一つ再検査するため診断に時間がかかるという問題がある。そこで、組織分析においては、ノイズの影響を受けにくく、安定した高精度な定量結果を得ることが課題となっている。
特許文献1に記載の方法によれば、細胞内区画ごとのバイオマーカー量をスコア化することにより、ノイズの影響を受けにくく、再現性の高い定量が可能である。
蛍光物質を用いた染色試薬により特定の生体物質が染色された標本を用いて診断支援情報を生成する診断支援情報生成方法において、
前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す第一の画像を入力する第一入力工程と、
前記標本の所定の領域を解析領域として抽出し、前記解析領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む解析領域情報を算出する解析領域情報算出工程と、
前記第一の画像から前記蛍光輝点を示す輝点領域を抽出し、当該輝点領域の分布の情報を含む輝点領域情報を抽出する輝点領域情報抽出工程と、
前記解析領域情報及び前記輝点領域情報に基づいて、前記診断支援情報である画像スコアを算出する画像スコア算出工程と、
を有することを特徴とする診断支援情報生成方法が提供される。
前記染色試薬は、前記蛍光物質を複数集積した蛍光粒子であり、
前記輝点領域情報は、前記輝点領域のそれぞれに含まれる前記蛍光粒子の数の情報を含むことを特徴とする診断支援情報生成方法が提供される。
前記標本における細胞の所定の領域を抽出可能な第二の画像を入力する第二入力工程と、
前記第二の画像から、細胞の所定の領域を細胞領域として抽出し、前記細胞領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む細胞情報を算出する細胞情報算出工程と、を有し、
前記画像スコア算出工程は、
前記輝点領域情報及び前記細胞情報に基づいて、前記細胞領域当たりの前記生体物質の発現を解析した細胞スコアを算出し、
前記解析領域情報及び前記細胞スコアに基づいて、前記画像スコアを算出することを特徴とする診断支援情報生成方法が提供される。
前記画像スコア算出工程は、
前記輝点領域情報に基づいて、前記輝点領域当たりの前記生体物質の発現を解析した輝点スコアを算出し、
前記解析領域情報及び前記輝点スコアに基づいて、前記画像スコアを算出することを特徴とする診断支援情報生成方法が提供される。
前記標本における細胞の所定の領域を抽出可能な第二の画像を入力する第二入力工程と、
前記第二の画像から、細胞の所定の領域を細胞領域として抽出し、前記細胞領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む細胞情報を算出する細胞情報算出工程と、
を有し、
前記画像スコア算出工程は、
前記輝点領域情報に基づいて、前記輝点領域当たりの前記生体物質の発現を解析した輝点スコアを算出するとともに、
前記細胞情報及び前記輝点スコアに基づいて、前記細胞領域当たりの前記輝点スコアの分布を解析した細胞スコアを算出し、
前記解析領域情報及び前記細胞スコアに基づいて、前記画像スコアを算出することを特徴とする診断支援情報生成方法が提供される。
蛍光物質を用いた染色試薬により特定の生体物質が染色された標本を用いて診断支援情報を生成する画像処理装置において、
前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す第一の画像を入力する第一入力手段と、
前記標本の所定の領域を解析領域として抽出し、前記解析領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む解析領域情報を算出する解析領域情報算出手段と、
前記第一の画像から前記蛍光輝点を示す輝点領域を抽出し、当該輝点領域の分布の情報を含む輝点領域情報を抽出する輝点領域情報抽出手段と、
前記解析領域情報及び前記輝点領域情報に基づいて、前記診断支援情報である画像スコアを算出する画像スコア算出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置が提供される。
請求項6に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置で使用される、前記第一の画像を取得する画像取得装置と、
を備えることを特徴とする診断支援情報生成システムが提供される。
蛍光物質を用いた染色試薬により特定の生体物質が染色された標本を用いて診断支援情報を生成するコンピュータを、
前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す第一の画像を入力する第一入力手段、
前記標本の所定の領域を解析領域として抽出し、前記解析領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む解析領域情報を算出する解析領域情報算出手段、
前記第一の画像から前記蛍光輝点を示す輝点領域を抽出し、当該輝点領域の分布の情報を含む輝点領域情報を抽出する輝点領域情報抽出手段、
前記解析領域情報及び前記輝点領域情報に基づいて、前記診断支援情報である画像スコアを算出する画像スコア算出手段、
として機能させるための画像処理プログラムが提供される。
図1に、本発明の蛍光物質の定量方法を用いた診断支援情報生成システム100の全体構成例を示す。診断支援情報生成システム100は、所定の染色試薬で染色された人体の組織標本の顕微鏡画像を取得し、取得された顕微鏡画像を解析することにより、観察対象の組織標本における特定の生体物質の発現を定量的に表す特徴量を出力するシステムである。
顕微鏡画像取得装置1Aは、照射手段、結像手段、撮像手段、通信I/F等を備えて構成されている。照射手段は、光源、フィルター等により構成され、スライド固定ステージに載置されたスライド上の組織標本に光を照射する。結像手段は、接眼レンズ、対物レンズ等により構成され、照射した光によりスライド上の組織標本から発せられる透過光、反射光、又は蛍光を結像する。撮像手段は、CCD(Charge Coupled Device)センサー等を備え、結像手段により結像面に結像される像を撮像して顕微鏡画像のデジタル画像データを生成する顕微鏡設置カメラである。通信I/Fは、生成された顕微鏡画像の画像データを画像処理装置2Aに送信する。本実施の形態において、顕微鏡画像取得装置1Aは、明視野観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた明視野ユニット、蛍光観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた蛍光ユニットが備えられており、ユニットを切り替えることにより明視野/蛍光を切り替えることが可能である。蛍光観察時の光源としては、水銀ランプ、キセノンランプ、LED、レーザー光など、任意のものが使用できる。
図2に、画像処理装置2Aの機能構成例を示す。図2に示すように、画像処理装置2Aは、制御部21、操作部22、表示部23、通信I/F24、記憶部25等を備えて構成
され、各部はバス26を介して接続されている。
その他、画像処理装置2Aは、LANアダプターやルーター等を備え、LAN等の通信ネットワークを介して外部機器と接続される構成としてもよい。
明視野画像は、H(ヘマトキシリン)染色試薬、HE(ヘマトキシリン−エオジン)染色試薬等を用いて染色された組織標本を、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて明視野で拡大結像及び撮影することにより得られる顕微鏡画像であって、当該組織標本における細胞の形態を表す細胞形態画像である。ヘマトキシリンは青紫色の色素であり、細胞核、骨組織、軟骨組織の一部、漿液成分など(好塩基性の組織等)を染色する。エオジンは赤〜ピンク色の色素であり、細胞質、軟部組織の結合組織、赤血球、線維素、内分泌顆粒など(好酸性の組織等)を染色する。図3に、HE染色を行った組織標本を撮影した明視野画像の一例を示す。
蛍光画像は、特定の生体物質と特異的に結合及び/又は反応する蛍光物質又は蛍光物質を内包したナノ粒子(蛍光物質内包ナノ粒子と呼ぶ)を含む染色試薬を用いて染色された組織標本に対し、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて所定波長の励起光を照射して蛍光物質内包ナノ粒子を発光(蛍光)させ、この蛍光を拡大結像及び撮影することにより得られる顕微鏡画像である。
即ち、蛍光画像に現れる蛍光は、組織標本における、特定の生体物質の発現を示すものである。図4に、蛍光画像の一例を示す。
ここで、蛍光画像の取得方法について、この蛍光画像の取得に際して用いられる染色試薬、染色試薬による組織標本の染色方法等も含めて詳細に説明する。
蛍光画像の取得のための染色試薬に用いられる蛍光物質としては、蛍光有機色素及び量子ドット(半導体粒子)を挙げることができる。200〜700nmの範囲内の波長の紫外〜近赤外光により励起されたときに、400〜1100nmの範囲内の波長の可視〜近赤外光の発光を示すことが好ましい。
量子ドットは必要に応じて、有機ポリマー等により表面処理が施されているものを用いてもよい。例えば、表面カルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面アミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)等が挙げられる。
本実施の形態において蛍光物質内包ナノ粒子とは、蛍光物質がナノ粒子内部に分散されたものをいい、蛍光物質とナノ粒子自体とが化学的に結合していても、結合していなくてもよい。
ナノ粒子を構成する素材は特に限定されるものではなく、ポリスチレン、ポリ乳酸、シリカ、メラミン等を挙げることができる。
本実施の形態では、蛍光物質として蛍光物質内包ナノ粒子を用い、染色試薬として蛍光物質内包ナノ粒子と生体物質認識部位を予め直接結合したものを用いる場合を例にとって説明する。本実施の形態に係る生体物質認識部位とは、目的とする生体物質と特異的に結合及び/又は反応する部位である。目的とする生体物質は、それと特異的に結合する物質が存在するものであれば特に限定されるものではないが、代表的にはタンパク質(ペプチド)および核酸(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)、抗体等が挙げられる。したがって、そのような目的とする生体物質に結合する物質としては、前記タンパク質を抗原として認識する抗体やそれに特異的に結合する他のタンパク質等、および前記核酸にハイブリタイズする塩基配列を有する核酸等が挙げられる。具体的には、細胞表面に存在するタンパク質であるHER2に特異的に結合する抗HER2抗体、細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)に特異的に結合する抗ER抗体、細胞骨格を形成するアクチンに特異的に結合する抗アクチン抗体等があげられる。中でも抗HER2抗体及び抗ER抗体を蛍光物質内包ナノ粒子に結合させたものは、乳癌の投薬選定に用いることができ、好ましい。
蛍光物質内包メラミンナノ粒子へ生体物質認識部位を結合させる場合、蛍光物質内包シリカナノ粒子と同様の手順を適用することができる。また、より反応性を向上させるため、メラミンナノ粒子と多官能性アミン化合物をあらかじめ反応させて表面アミノ基数を増やしても良い。
以下、組織標本の染色方法について述べるが、本願発明は組織標本に限定されるものではなく、基板上に固定した細胞等の標本にも適用可能である。
また、以下に説明する染色方法が適用できる組織標本の作製法は特に限定されず、公知の方法により作製されたものを用いることができる。
キシレンを入れた容器に組織標本を浸漬させ、パラフィンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いで、エタノールを入れた容器に組織標本を浸漬させ、キシレンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
次いで、水を入れた容器に組織標本を浸漬させ、エタノールを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
公知の方法にならい、目的とする生体物質の賦活化処理を行う。賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、0.01M クエン酸緩衝液(pH6.0)、1mM EDTA溶液(pH8.0)、5% 尿素、0.1M トリス塩酸緩衝液等を用いることができる。加熱機器は、オートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバス等を用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50−130℃、時間は5−30分で行うことができる。
次いで、PBS(Phosphate Buffered Saline:リン酸緩衝生理食塩水)を入れた容器に、賦活化処理後の組織標本を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
生体物質認識部位が結合された蛍光物質内包ナノ粒子のPBS分散液を組織標本に載せ、目的とする生体物質と反応させる。蛍光物質内包ナノ粒子と結合させる生体物質認識部位を変えることにより、さまざまな生体物質に対応した染色が可能となる。数種類の生体物質認識部位が結合された蛍光物質内包ナノ粒子を用いる場合には、それぞれの蛍光物質内包ナノ粒子PBS分散液を予め混合しておいてもよいし、別々に順次組織標本に載せてもよい。
温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
蛍光物質内包ナノ粒子による染色を行う前に、BSA含有PBS等、公知のブロッキング剤を滴下することが好ましい。
次いで、PBSを入れた容器に、染色後の組織標本を浸漬させ、未反応蛍光物質内包ナノ粒子の除去を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。カバーガラスを組織標本に載せ、封入する。必要に応じて市販の封入剤を使用してもよい。
なお、HE染色試薬を用いて染色を行う場合、カバーガラスによる封入前にHE染色を行う。
染色した組織標本に対し顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、蛍光画像(第一の画像)及び明視野画像(第二の画像)を取得する。顕微鏡画像取得装置1Aにおいて、染色試薬に用いた蛍光物質の吸収極大波長及び蛍光波長に対応した励起光源及び蛍光検出用光学フィルターを選択する。
以下、診断支援情報生成システム100において、上記説明した蛍光画像及び明視野画像を取得して解析を行う動作について具体的な実施形態を挙げて説明する。ここでは、特定のタンパク質(ここでは、乳癌組織におけるHER2タンパクとする。以下、特定タンパクと呼ぶ。)を認識する生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子を含む染色試薬を用いて染色された組織標本を観察対象とする場合を例にとって説明するが、これに限定されるものではない。
その後、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて、(a1)〜(a5)の手順により明視野画像及び蛍光画像が取得される。なお、本実施形態において、顕微鏡画像取得装置1Aは、標本を上方から観察する正立型の顕微鏡とする。
(a1)操作者は、HE染色試薬と蛍光物質内包ナノ粒子を含む染色試薬とにより染色された組織標本をスライドに載置し、そのスライドを顕微鏡画像取得装置1Aのスライド固定ステージに設置する。
(a2)明視野ユニットに設定し、撮影倍率、ピントの調整を行い、組織上の観察対象の領域を視野に納める。
(a3)撮像手段で撮影を行って明視野画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
(a4)ユニットを蛍光ユニットに変更する。
(a5)視野及び撮影倍率を変えずに撮像手段で撮影を行って蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
図5に、画像処理装置2Aにおける画像解析処理のフローチャートを示す。図5に示す画像解析処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
ユーザーが操作部22を操作して画像解析処理を開始すると、制御部21により記憶部25に記憶された設定プログラムが実行される。
解析領域とは、本発明の診断支援情報生成方法によって診断を行うための、組織標本内の所定の領域であり、抽出方法は任意である。例えば、ステップS1で入力された明視野画像に基づいて解析領域を抽出する場合には、ユーザーが操作部22(例えば、マウス操作等)により明視野画像中の任意の領域を選択して抽出しても良いし、組織内の特定の領域を明視野画像の輝度や色から自動的に抽出するプログラムを実行しても良い。また、解析領域は、後述するステップS3で入力される蛍光画像に基づいて抽出されても良い。その場合にも、ユーザーが蛍光画像中の任意の領域を操作部22(例えば、マウス操作等)の操作を介して選択して抽出しても良いし、また、蛍光画像の輝度や色に基づいて組織内の特定の領域を自動的に抽出するプログラムを実行しても良い。
制御部21は、具体的には、例えば、組織内で細胞が密集している領域を解析領域として抽出する。1回の画像解析処理において抽出される解析領域の数は、任意である。
解析領域情報は、解析領域から一意に定まる値であれば任意であり、例えば、解析領域の数、面積、周長、等が挙げられる。算出される解析領域情報は、一種類でも複数種類でも良く、公知の任意の方法によって算出される。
まず、通信I/F24により顕微鏡画像取得装置1Aから図6Aに示されるような蛍光画像が入力されると(ステップS3:第一入力工程)、蛍光輝点の波長に応じた色成分の抽出が行われる(ステップS4)。たとえば、蛍光粒子の発する蛍光波長が550nmである場合には、その波長成分を有する蛍光輝点のみが蛍光画像として抽出される。
一般的に、蛍光粒子数が多いほど、癌の悪性度が高く、高い輝点スコアが算出されるが、蛍光粒子数が同じである場合には、蛍光粒子が広範囲に分布している方が悪性度が高いため、輝点領域の面積が大きいほど高い輝点スコアが算出される。同様に、一般的に、輝点領域の面積が大きいほど、癌の悪性度が高く、高い輝点スコアが算出されるが、輝点領域の面積が同じである場合には、蛍光粒子数が多い方が悪性度が高いため、高い輝点スコアが算出される。
次いで、モノクロ画像に対し予め定められた閾値を用いて閾値処理が施され、各画素の値が二値化される(ステップS102)。
また、輝点スコアの情報とは、細胞領域における輝点スコアの値から一意に定まる値であれば任意であり、例えば、1つの細胞領域に存在する輝点スコアの平均値、所定の輝点スコアを持つ輝点領域の数、分布、比率、密度、等があげられる。輝点スコアの情報は、一つでも複数でも良く、抽出方法は任意である。
一般的に、輝点スコアの平均値が大きいほど、癌の悪性度が高く、高い細胞スコアが算出されるが、輝点スコアの平均値が同じである場合には、輝点領域が細胞全体に広がって分布している方が悪性度が高く、高い細胞スコアが算出される。同様に、一般的に、輝点領域の分布が広がっているほど、癌の悪性度が高く、高い細胞スコアが算出されるが、輝点領域の分布が同じである場合には、輝点スコアの平均値が多い方が悪性度が高く、高い細胞スコアが算出される。
また、図10において、細胞領域の面積又は周長当たりの輝点スコアの平均値及び輝点領域の分布の広がりから細胞スコアを算出しても良い。
細胞領域の情報とは、例えば、細胞領域の数、面積、周長等である。
一般的に、蛍光粒子数が多いほど、癌の悪性度が高く、高い細胞スコアが算出されるが、蛍光粒子数が同じである場合には、蛍光粒子が広範囲に分布している方が悪性度が高いため、輝点領域の面積が大きいほど高い細胞スコアが算出される。同様に、一般的に、輝点領域の面積が大きいほど、癌の悪性度が高く、高い細胞スコアが算出されるが、輝点領域の面積が同じである場合には、蛍光粒子数が多い方が悪性度が高いため、高い細胞スコアが算出される。
子数も多い輝点領域の輝点スコアは3+と算出される。
また、図11において、細胞領域の面積又は周長当たりの蛍光粒子数及び輝点領域の面積から細胞スコアを算出しても良い。
細胞スコアの情報とは、解析領域における細胞スコアの値から一意に定まる値であれば任意であり、例えば、1つの解析領域に存在する細胞スコアの平均値や、所定の細胞スコアを持つ細胞の数、分布、比率、密度、等があげられる。細胞スコアの情報は、一つでも複数でも良く、抽出方法は任意である。
一般的に、細胞スコアの平均値が大きいほど、癌の悪性度が高く、高い画像スコアが算出されるが、細胞スコアの平均値が同じである場合には、細胞が画像全体に広がって分布している方が悪性度が高く、高い画像スコアが算出される。同様に、一般的に、細胞の分布が広がっているほど、癌の悪性度が高く、高い画像スコアが算出されるが、細胞の分布が同じである場合には、細胞スコアの平均値が大きい方が悪性度が高く、高い画像スコアが算出される。
また、図12において、解析領域の面積又は周長当たりの細胞スコアの平均値と細胞の分布の広がりから画像スコアを算出しても良い。
25に記憶される。
輝点スコアの情報とは、細胞領域における輝点スコアの値から一意に定まる値であれば任意であり、例えば、1つの細胞領域に存在する輝点スコアの平均値や、所定の輝点スコアを持つ輝点領域の数、分布、比率、密度、等があげられる。輝点スコアの情報は、一つでも複数でも良く、抽出方法は任意である。
一般的に、輝点スコアの平均値が大きいほど、癌の悪性度が高く、高い画像スコアが算出されるが、輝点スコアの平均値が同じである場合には、輝点領域が画像全体に広がって分布している方が悪性度が高く、高い画像スコアが算出される。同様に、一般的に、輝点領域の分布の広がりが大きいほど、癌の悪性度が高く、高い画像スコアが算出されるが、輝点領域の分布の広がりが同じである場合には、輝点スコアの平均値が大きい方が悪性度が高く、高い画像スコアが算出される。
また、図13において、解析領域の面積又は周長当たりの輝点スコアの平均値及び輝点領域の分布の広がりから画像スコアを算出しても良い。
解析領域の情報とは、例えば、解析領域の数、面積、周長等である。
一般的に、蛍光粒子数が多いほど、癌の悪性度が高く、高い画像スコアが算出されるが、蛍光粒子数が同じである場合には、蛍光粒子が広範囲に分布している方が悪性度が高いため、輝点領域の面積が大きいほど高い画像スコアが算出される。同様に、一般的に、輝点領域の面積が大きいほど、癌の悪性度が高く、高い画像スコアが算出されるが、輝点領域の面積が同じである場合には、蛍光粒子数が多い方が悪性度が高いため、高い画像スコアが算出される。
の面積が小さいが蛍光粒子数が多い画像、又は、左上に示されるように輝点領域の面積は大きいが蛍光粒子数が少ない画像の画像スコアは、2+と算出される。そして、右上に示されるように輝点領域の面積が大きく蛍光粒子数も多い画像の画像スコアは3+と算出される。
また、図11において、解析領域の面積又は周長当たりの蛍光粒子数及び輝点領域の面積から画像スコアを算出しても良い。
図15A及び図15Bは、輝点領域の包括面積を用いる方法を示す図である。包括面積とは、例えば、図15A及び図15Bの一点鎖線で示されるような、1つの細胞に含まれる輝点領域を全て包括する最小の長方形の面積として定義される。輝点領域の包括面積を、図示しない細胞の包括面積で割って正規化した値が、1に近い場合は輝点領域が図15Aのように細胞内で広範囲に分布し、0に近い場合は図15Bのように密集して存在している。
また、図15A〜図15Jに記載の方法は、ステップS12において輝点領域の分布を評価する場合だけでなく、ステップS8、ステップS13、ステップS18において輝点領域の分布を評価する場合、ステップS15において細胞の分布を評価する場合、ステップS17において輝点領域の分布を評価する場合にも適用可能である。
ここで、例えばNo.1の細胞において、ノイズにより1つの輝点領域の輝点スコアが10+と計測された場合であっても、No.1の細胞全体における分布によれば2+が支配的であるため、細胞スコアは2+と算出され、診断結果はノイズの影響を受けない。
No.5の細胞においては、輝点スコアが1+と2+の輝点領域が混在しているが、例えば、1+の輝点領域は2+の輝点領域に比べて数が多く、また、広範囲に分布している等の観点から、細胞スコアは1+と算出される。
No.4の細胞においては、輝点スコアが1+、2+、3+の輝点領域が混在しているが、例えば、輝点スコアの平均値から、細胞スコアは2+と算出される。
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
なお、複数の蛍光物質を用いて染色を行う場合には、蛍光物質の励起光及び蛍光波長が互いに干渉しないような組み合わせを選択する。
その他、診断支援情報生成システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
2A 画像処理装置
3A ケーブル
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信I/F
25 記憶部
26 バス
100 診断支援情報生成システム
Claims (8)
- 蛍光物質を用いた染色試薬により特定の生体物質が染色された標本を用いて診断支援情報を生成する診断支援情報生成方法において、
前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す第一の画像を入力する第一入力工程と、
前記標本の所定の領域を解析領域として抽出し、前記解析領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む解析領域情報を算出する解析領域情報算出工程と、
前記第一の画像から前記蛍光輝点を示す輝点領域を抽出し、当該輝点領域の分布の情報を含む輝点領域情報を抽出する輝点領域情報抽出工程と、
前記解析領域情報及び前記輝点領域情報に基づいて、前記診断支援情報である画像スコアを算出する画像スコア算出工程と、
を有することを特徴とする診断支援情報生成方法。 - 請求項1に記載の診断支援情報生成方法において、
前記染色試薬は、前記蛍光物質を複数集積した蛍光粒子であり、
前記輝点領域情報は、前記輝点領域のそれぞれに含まれる前記蛍光粒子の数の情報を含むことを特徴とする診断支援情報生成方法。 - 請求項1又は2に記載の診断支援情報生成方法において、
前記標本における細胞の所定の領域を抽出可能な第二の画像を入力する第二入力工程と、
前記第二の画像から、細胞の所定の領域を細胞領域として抽出し、前記細胞領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む細胞情報を算出する細胞情報算出工程と、
を有し、
前記画像スコア算出工程は、
前記輝点領域情報及び前記細胞情報に基づいて、前記細胞領域当たりの前記生体物質の発現を解析した細胞スコアを算出し、
前記解析領域情報及び前記細胞スコアに基づいて、前記画像スコアを算出することを特徴とする診断支援情報生成方法。 - 請求項1又は2に記載の診断支援情報生成方法において、
前記画像スコア算出工程は、
前記輝点領域情報に基づいて、前記輝点領域当たりの前記生体物質の発現を解析した輝点スコアを算出し、
前記解析領域情報及び前記輝点スコアに基づいて、前記画像スコアを算出することを特徴とする診断支援情報生成方法。 - 請求項1又は2に記載の診断支援情報生成方法において、
前記標本における細胞の所定の領域を抽出可能な第二の画像を入力する第二入力工程と、
前記第二の画像から、細胞の所定の領域を細胞領域として抽出し、前記細胞領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む細胞情報を算出する細胞情報算出工程と、
を有し、
前記画像スコア算出工程は、
前記輝点領域情報に基づいて、前記輝点領域当たりの前記生体物質の発現を解析した輝点スコアを算出するとともに、
前記細胞情報及び前記輝点スコアに基づいて、前記細胞領域当たりの前記輝点スコアの分布を解析した細胞スコアを算出し、
前記解析領域情報及び前記細胞スコアに基づいて、前記画像スコアを算出することを特徴とする診断支援情報生成方法。 - 蛍光物質を用いた染色試薬により特定の生体物質が染色された標本を用いて診断支援情報を生成する画像処理装置において、
前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す第一の画像を入力する第一入力手段と、
前記標本の所定の領域を解析領域として抽出し、前記解析領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む解析領域情報を算出する解析領域情報算出手段と、
前記第一の画像から前記蛍光輝点を示す輝点領域を抽出し、当該輝点領域の分布の情報を含む輝点領域情報を抽出する輝点領域情報抽出手段と、
前記解析領域情報及び前記輝点領域情報に基づいて、前記診断支援情報である画像スコアを算出する画像スコア算出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項6に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置で使用される、前記第一の画像を取得する画像取得装置と、
を備えることを特徴とする診断支援情報生成システム。 - 蛍光物質を用いた染色試薬により特定の生体物質が染色された標本を用いて診断支援情報を生成するコンピュータを、
前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す第一の画像を入力する第一入力手段、
前記標本の所定の領域を解析領域として抽出し、前記解析領域の数、面積、及び周長のうち少なくとも一つを含む解析領域情報を算出する解析領域情報算出手段、
前記第一の画像から前記蛍光輝点を示す輝点領域を抽出し、当該輝点領域の分布の情報を含む輝点領域情報を抽出する輝点領域情報抽出手段、
前記解析領域情報及び前記輝点領域情報に基づいて、前記診断支援情報である画像スコアを算出する画像スコア算出手段、
として機能させるための画像処理プログラム。
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