JPWO2015129291A1 - 圧電性高分子の造形方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、三次元造形装置を用いて、圧電性高分子を含む造形材料を、圧電性部位を有する構造体に造形すること;三次元造形装置の造形材料を吐出するノズルの温度が、圧電性高分子の結晶化温度以上、融点未満の温度であること;三次元造形装置のノズルの移動速度が、圧電性高分子を含む造形材料の吐出速度よりも速いこと;および、積層された圧電性高分子の少なくとも一部の延伸倍率が、1.5倍以上であることを特徴とする、圧電性高分子の造形方法を提供する。本発明によれば、圧電性高分子を、三次元造形装置を用いて所望の形状に造形すると共に、得られる構造体に圧電性を発現させることができる。

Description

本発明は、圧電性高分子の造形方法および当該造形方法により得られる構造体に関する。
従来から、圧電材料として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが広く用いられているが、近年、加工性、柔軟性、透明性、軽量性等に優れていることから、ポリフッ化ビニリデン、ポリペプチドおよびポリ乳酸等の圧電性高分子への関心が高まっている。その中でも、特許文献1に開示されるようなヘリカルキラリティを有するポリ乳酸が、ポーリング処理を必要とせず、延伸処理のみで比較的高い圧電性を発現し、さらに長期間圧電率を維持できることから、理想的な圧電性高分子材料として注目されている。
一方、樹脂などの高分子を、三次元の立体構造物に造形する技術として、ラピッドプロトタイピイング(Rapid Prototyping)と呼ばれる技術が知られている。このラピッドプロトタイピング技術を用いる造形法としては、溶融物堆積法(Fused Deposition Molding)、インクジェット法、インクジェットバインダ法、光造形法(Stereo Lithography)、粉末焼結法(Selective Laser Sintering)等が知られている。
特開平5−152638号公報
ヘリカルキラリティを有する圧電性高分子から形成される高分子圧電材料は、通常、圧電性高分子から形成されたフィルムを、一軸延伸処理することにより、圧電性高分子の分子を配向させることによって得られる。しかしながら、一軸延伸処理により得られる高分子圧電材料は平面状のフィルムであり、その用途はフィルムを加工して得られるものに限られる。
一方、ラピッドプロトタイピイング技術、例えば、溶融物堆積法での造形は、一般的には、3Dプリンタとも称される三次元造形装置を用いて行われるが、このような装置を用いて圧電性高分子を造形したとしても、圧電性高分子を配向させることはできず、得られた構造体は圧電性を示さない。
そこで、本発明の一の目的は、圧電性高分子を、三次元造形装置を用いて所望の三次元構造を有する構造体に造形すると共に、得られる構造体に圧電性を発現させることができる造形方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、圧電性高分子を、ノズルから圧電性高分子を含む造形材料を吐出して造形する三次元造形装置を用いることにより、所望の三次元構造を有し、良好な圧電特性を有する構造体を製造できることを見出した。
即ち、本発明の要旨によれば、ノズルから圧電性高分子を含む造形材料を吐出して造形する三次元造形装置を用いて、圧電性部位を有する構造体に造形することを特徴とする、圧電性高分子の造形方法が提供される。
本発明の造形方法によれば、圧電性高分子を様々な形状の構造体に造形することができ、同時に良好な圧電特性を発現させることができる。
図1は、本発明の1つの実施形態における感圧センサーの概略斜視図である。 図2は、実施例において測定された電圧を示すグラフである。
以下、本発明の圧電性高分子の造形方法について説明する。
なお、本明細書において、「圧電性高分子」とは、その分子が一軸配向した場合に、圧電性を発現し得る高分子であり、ヘリカルキラリティを有する高分子を言う。
本発明の方法において、圧電性高分子の造形は、ノズルから圧電性高分子を含む造形材料を吐出して造形する三次元造形装置を用いて行われる。
ここに、本明細書において、「三次元造形装置」とは、構造体の三次元立体情報に関する入力情報を基に三次元の構造体を造形する装置を意味し、一般的に、ノズルから溶融または軟化した造形材料を吐出し、造形テーブル上に造形材料を所定のパターンで順次積層することによって、構造体を造形する。このような三次元造形装置としては、特に限定されないが、例えば積層型の3Dプリンタが挙げられる。
本発明の造形方法においては、圧電性高分子を含む造形材料を、三次元造形装置のノズルから吐出し、造形する構造体の断面形状に対応した層を順次積層することにより、構造体を造形する。造形材料を積層する際、ノズルで造形材料を引っ張りながら積層することにより、造形材料が延伸され、圧電性高分子の分子が延伸方向に沿って、即ちノズルの移動方向に沿って配向し、圧電性が発現する。
本発明の造形方法において、造形材料としては、圧電性高分子を含む材料が用いられる。
当該圧電性高分子としては、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリメチルグルタメート、ポリベンジルグルタメート等のキラリティを持ち主鎖がらせんを描く高分子が挙げられ、ポリ乳酸または乳酸を構成単位として含む共重合体が好ましく、ポリ乳酸がさらに好ましい。当該ポリ乳酸は、L体またはD体のいずれであってもよいが、入手が容易であるL体から構成されるポリ乳酸が好ましい。
本発明の造形方法に付される圧電性高分子を含む造形材料は、圧電性高分子を主成分とする材料であり、例えば圧電性高分子の含有量が50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、または80質量%以上含む材料、あるいは実質的に圧電性高分子から成る材料、例えば圧電性高分子の含有量が99〜100質量%である材料が挙げられる。
上記圧電性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えばポリ乳酸である場合、好ましくは約10,000〜1,000,000、より好ましくは約15,000〜400,000、さらに好ましくは約20,000〜250,000である。重量平均分子量を、約10,000以上とすることにより、得られる構造体の機械的強度および弾性を確保することができる。また、重量平均分子量を、約1,000,000以下とすることにより、より配向させることができる。
一の態様において、圧電性高分子を含む造形材料は、柔軟化剤を含んでいてもよい。当該添加剤を用いることにより、圧電性高分子から形成された材料の柔軟性が増し、ノズルからの吐出が容易になる。
当該柔軟化剤としては、特に限定されないが、圧電性高分子がポリ乳酸である場合、ポリマー末端のカルボン酸基または水酸基との親和性または反応性を有するエラストマーが好ましい。このようなエラストマーとしては、カルボン酸基または水酸基との親和性に優れる官能基、例えばアミン、エポキシ、無水カルボン酸などを付加したスチレン系エラストマー(例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー)やこれを水素添加して得られるSEBS(スチレン・エチレン/ブタジエン・スチレンブロックコポリマー))、同様の官能基を付加したオレフィン系エラストマー、およびポリヒドロキシブチレート系軟質系コポリマー(アミン末端を持つスチレン系エラストマー)などが挙げられる。具体的には、ポリアルキルメタクリレートとポリアルキルアクリレートのブロック共重合体、例えばPMMA−PnBA−PMMA(ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチル−ポリメタクリル酸メチル)ブロック共重合体が挙げられる。当該ブロック共重合体は、例えば株式会社クラレ社製のLA2250(商品名)、LA2140(商品名)、LA4285(商品名)等として入手することができる。
上記柔軟化剤の添加量は、圧電性高分子と柔軟化剤の総量に対して、約0.1〜50質量%、好ましくは約1〜30質量%である。当該添加量を約1質量%以上とすることにより、ノズルからの吐出が容易になる。また、当該添加量を約40質量%以下とすることにより、得られる構造体の弾性率および圧電率の低下を抑制することができる。
また、本発明の造形方法に用いられる圧電性高分子を含む造形材料は、さらに別の添加剤、例えば、着色剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
本発明の造形方法に用いられる圧電性高分子を含む造形材料の形状は、一般的に三次元造形装置で用いることができる形状であれば特に限定されず、例えばペレット状であり得る。
一の態様において、三次元造形装置の造形材料を吐出するノズルの温度、即ち、吐出される造形材料の温度は、圧電性高分子の結晶化温度以上、融点未満の温度であってもよい。例えば、造形材料として、重量平均分子量100,000のポリ乳酸(結晶化温度=約110℃;融点=約180℃)を用いる場合、当該温度は、例えば、約110℃〜175℃であり、好ましくは約130〜170℃、より好ましくは約150〜165℃である。当該温度を結晶化温度以上とすることにより、造形材料の粘度を低下させ、ノズルからの吐出を容易にすることができる。一方、当該温度を融点未満の温度とすることにより、圧電性高分子をより配向させることが可能になり、得られる構造体の圧電率を向上させることができる。尚、ノズルの温度が融点に近づくに従って造形材料の粘度が上昇し、ノズルからの吐出が困難になっていくが、補助手段を用いることにより、例えばノズルから造形材料を押し出すように圧力を加えることにより、吐出を補助するができる。
上記「結晶化温度」および「融点」は、示差走査熱量測定 DSC(Differential scanning calorimetry)により測定することができる。
好ましい態様において、造形材料が吐出される造形箇所(例えば、積層型の三次元造形装置を用いる場合は、ノズルから吐出された造形材料を積層する箇所、即ち、第1層の場合は三次元造形装置の造形テーブル、2層目以降の場合は下層)の温度は、圧電性高分子の融点よりも、約10℃〜50℃、例えば約20℃〜30℃低い温度であり得る。好ましくは、この温度は、ノズルの温度よりも低く設定され得る。このように造形材料を積層する箇所の温度を、圧電性高分子の融点よりも約10℃〜50℃低く、好ましくはノズルの温度よりも低い温度とすることにより、ノズルから吐出された造形材料は、積層箇所に触れた際の、積層箇所への付着性が向上する。その結果、その付着箇所を基点にして、ノズルの移動により積層しながら造形材料を延伸することが容易になる。
尚、ノズル温度および造形箇所の温度は、造形中、必ずしも一定の温度である必要はなく、造形する構造体の形状、圧電性部位の位置および圧電特性に応じて適宜調整することができる。
一の態様において、三次元造形装置における造形材料を吐出するノズルの移動速度は、ノズルからの造形材料の吐出速度よりも速い。例えば、ノズルの移動速度は、造形材料の吐出速度の約1.5倍以上、好ましくは約2倍以上、より好ましくは約4倍以上である。ノズルの移動速度を造形材料の吐出速度よりも速くすることにより、吐出された造形材料は、ノズルに引っ張られて延伸する。その結果、圧電性高分子をより配向させることができる。また、造形の精度を高める観点からは、ノズルの移動速度は、例えば、造形材料の吐出速度の約10倍以下、好ましくは約7倍以下である。
ここに、ノズルからの圧電性高分子を含む造形材料の吐出速度とは、単位時間当たりに、ノズルから吐出される造形材料の長さであり、単位時間当たりの造形材料の吐出流量(単位時間当たりに吐出される造形材料の体積)を、ノズルの吐出口の断面積で除することにより算出することができる。
好ましい態様において、三次元造形装置のノズルの移動速度は、0.1〜100mm/秒、好ましくは1〜30mm/秒、好ましくは5〜15mm/秒である。ノズルの移動速度を、0.1mm/秒以上とすることにより、圧電性高分子をより配向させることができる。一方、ノズルの移動速度を、100mm/秒以下とすることにより、より精密な立体構造体を得ることができる。
ここに、本明細書において、「ノズルの移動速度」とは、ノズル自体の移動速度のみを意味するものではなく、造形材料が吐出される造形箇所(積層箇所)との相対速度を意味する。例えば、ノズルが固定されており、造形テーブルが移動することにより造形を行う三次元造形装置においては、ノズルの移動速度とは、造形テーブルの移動速度となる。また、ノズルが断続的に移動する場合は、ある一定の時間(例えば、1秒)における平均の速度を、「ノズルの移動速度」としてもよい。
尚、ノズルの移動速度は、造形中、必ずしも一定の速度である必要はなく、造形する構造体の形状、圧電性部位の位置および圧電特性に応じて適宜調整することができる。
また、ノズルの移動は、連続的であっても、断続的であってもよい。好ましい態様において、ノズルは、吐出した造形材料が上記した造形箇所の温度と実質的に同じ温度になるまで実質的に停止し、その後、所定の距離を移動してもよい。このようにノズルを断続的に移動させて造形を行うことにより、高分子材料をより配向させることができる。
一の態様において、造形材料は、少なくともその一部が約1.5倍以上、好ましくは約2倍以上、より好ましくは約4倍以上に延伸される。即ち、延伸倍率が、約1.5倍以上、好ましくは約2倍以上、より好ましくは約4倍以上である。延伸倍率を約1.5倍以上とすることにより、特に4倍以上とすることにより、圧電性高分子の分子をより良好に配向させることができ、より高い圧電率を得ることができる。また、得られる構造体の強度を確保する観点から、延伸倍率は、好ましくは約10倍以下であり、より好ましくは約7倍以下である。
延伸倍率は、例えば、ノズルの移動速度を、ノズルからの造形材料の吐出速度で除することにより算出することができる。
好ましい態様において、本発明の造形方法は、ノズルから圧電性高分子を含む造形材料を吐出して造形する三次元造形装置を用いて、圧電性部位を有する構造体に造形すること;
上記三次元造形装置の造形材料を吐出するノズルの温度が、圧電性高分子の結晶化温度以上、融点未満の温度であること;
上記三次元造形装置のノズルの移動速度が、圧電性高分子を含む造形材料の吐出速度よりも速いこと;および
積層された圧電性高分子の少なくとも一部の延伸倍率が、1.5倍以上であること
を特徴とする。
好ましい態様において、本発明の方法は、造形後、得られた構造体を冷却、好ましくは急冷することを含む。急冷することにより、圧電性に悪影響を及ぼす球晶の生成を抑制することができ、圧電性高分子の配向をより安定化することができる。
上記のような本発明の造形方法によれば、圧電性高分子を、圧電性部位を有する様々な形状の構造体に造形することが可能になる。また、本発明の造形方法によれば、ノズルの速度および造形材料の吐出速度を調整することにより、造形材料の延伸倍率および配向性を制御することができるので、構造体の任意の箇所に圧電性部位を形成することができ、また、その圧電特性も制御することが可能になる。
従って、本発明は、上記本発明の造形方法により得られる、圧電性部位を有する構造体をも提供する。
ここに、「圧電性部位」とは、圧電性を示す部位を意味する。圧電性部位の圧電率は、0.5pC/N以上であり、好ましくは2pC/N以上であり、より好ましくは3pC/N以上であり、さらに好ましくは5pC/N以上である。本発明の構造体において、圧電性部位は、構造体全体に存在してもよく、一部または複数箇所に存在してもよい。
本発明の造形方法により得られる構造体の圧電性部位は、0.1×10−3以上、より好ましくは1×10−3以上、さらに好ましくは10×10−3以上の配向複屈折を有する。
本発明の造形方法により得られる構造体の圧電性部位において、圧電性高分子の分子は、ノズルの移動方向に沿って配向している。
本発明の構造体は、様々な形状を有し得るので、圧電性材料としての機能を有しつつ、電子機器の筐体等としても用いることができる。
本発明の造形方法により得られる構造体は、圧電性を有するので、感圧センサーとして機能し得る。したがって、本発明は、
本発明の造形方法により得られる構造体と、
その圧電性部位に設置された少なくとも一対の電極と
を有して成る、感圧センサーをも提供する。
上記したように本発明の構造体は、様々な形状を有し得るので、これを用いる本発明の感圧センサーは、様々な形状とすることができる。したがって、例えば、従来ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、アクリル樹脂等で形成されていた電子機器の筐体を、本発明の造形方法を用いて圧電性高分子で形成することにより、筐体自体に感圧センサーとしての機能を持たせることが可能になる。このように1つの部品に複数の機能を持たせることは、機器の小型化の点からも有利である。
以下、本発明の感圧センサーについて、図面を参照しながら、詳細に説明する。
本実施形態の感圧センサー1を図1に模式的に示す。本実施形態の感圧センサー1は、圧電性高分子から形成された構造体2と、その側面(図1においては左側面14)に設置された電極6a、6bを有する。電極は対になっており、構造体側面を介して対向して設けられている。
構造体2は、圧電性高分子を含む造形材料を、三次元造形装置を用いる本発明の造形方法を用いて造形することにより得ることができる。本発明の造形方法を用いて得られた構造体2は、三次元造形装置のノズルの移動方向に沿って、圧電性高分子の分子が配向している。このように圧電性高分子が配向した箇所が、圧電性部位となる。
構造体2を構成する圧電性高分子は、上記造形方法において記載した圧電性高分子を用いることができる。例えば、ヘリカルキラリティを有する圧電性高分子、具体的には、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリメチルグルタメート、ポリベンジルグルタメート等のキラリティを持ち主鎖がらせんを描く高分子が挙げられる。ポリ乳酸または乳酸を構成単位として含む共重合体が好ましく、ポリ乳酸がさらに好ましい。
電極6a、6bは、例えば、所定の大きさの金属の薄膜を、図1に示すように構造体2の下段部(深部)における左側面14の略中央に左側面を介して対向して配置し、その上にリード(図示していない)を配置し、次いで、電極およびリードとの接続部を樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)で覆うことにより設置することができる。これらの電極により構造体2に力が作用した際に生じる電圧を検出する。
上記電極を形成する導電性材料は、特に限定されるものではないが、例えばAu、Cu、Ag、Ni等が挙げられ、特にAuが好ましい。電極の形成方法としては、特に限定されず、上記した方法の他に、例えば上記金属の薄膜を導電性接着材で貼り付けるなどの方法によっても形成することができる。
本発明の感圧センサーは、上記した本発明の造形方法を利用して製造できるので、本発明の造形方法で製造可能なあらゆる形状とすることができる。したがって、本発明の造形方法により、圧電性高分子を、例えば、携帯電話または携帯ゲーム機の筐体あるいはそれらの一部として造形することによって、それに感圧センサーとしての機能を付与することができる。
以上、本発明の一の実施形態により本発明の感圧センサーを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明に用いられるポリ乳酸のような圧電性高分子は圧電性、特にずり圧電性を有し得るので、本発明の方法により得られる構造体は、アクチュエータに用いることができる。したがって、本発明は、
本発明の造形方法により得られる構造体と、
その圧電性部位に設置された少なくとも一対の電極と
を有して成る、アクチュエータをも提供する。
アクチュエータとしては、駆動装置、圧電スピーカー、振動発生装置、ハプティクス等が挙げられる。
一の態様において、アクチュエータは、例えば、特開2012−157235号に開示されるような、圧電性高分子から形成された薄膜と、該薄膜の第1の主面に形成された第1の電極と、該薄膜の第2の主面に形成された第2の電極を備え、該第1の電極と該第2の電極間に所定の交流電圧を印加することで該薄膜の少なくとも一の端縁部において駆動力を発生させるアクチュエータ、例えば駆動装置であり得る。この態様においては、圧電性高分子から形成された薄膜は、本発明の造形方法により形成される。好ましくは、該薄膜は、円筒状であり得る。
また、別の態様において、アクチュエータは、例えば、圧電性高分子から形成された圧電性部位と、該圧電性部位の第1の主面に位置する第1電極と、該圧電性部位の第2の主面に位置する第2電極とを有する振動発生装置またはスピーカーであり得る。この態様においては、圧電性高分子から形成された圧電性部位は、本発明の造形方法により形成される。好ましくは、該圧電性部位は、円筒状に形成される。
尚、本発明のアクチュエータは、上記の態様に限定されるものではない。
以下の実施例において、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
市販の3Dプリンタ(3Dシステムズ社製、Cube)を用いて、下記する条件で、縦110mm×横60mm×高さ10mmの寸法を有し、各面の厚みが1mmである箱形の構造体(図1の構造体2に対応する)を造形した。構造体の右側面(図1の右側面14に対応する)を形成する際のノズルの移動方向は、図1の矢印Aで示される方向であった。

造形材料:ポリ乳酸(ペレット状、多木化学社製、数平均分子量7000)
ノズル(ヘッド)スピード:10mm/秒
ノズル温度:190℃
ノズル口断面積:0.1mm
造形テーブル温度:120℃
吐出流量:1ml/分
上記のようにして得られた構造体の右側面に1対の金箔(縦6mm×横12mm)を、各対の金箔が構造体の側面を介して対向するように3対貼り付け(図1の電極上部電極4a,b、中部電極6a,b、下部電極8a,bに対応する)、さらにその上に配線用のリードを配置して、これらの上からエポキシ樹脂でコーティングを施し、図1に示すような本発明の感圧センサーを作製した。
試験例1
実施例1で得られた感圧センサーの上部電極4、中部電極6および下部電極8を指で押し、生じる電圧を測定した。結果を、図2に示す。
図2から明らかなように、側面部の電極に力を加えた場合、電圧が検出され、センサーとして機能することが確認された。
本発明の造形方法は、圧電性部位を有する、種々の形状の圧電性材料の構造体を形成することができ、このような構造体は、感圧機能を有する筐体等として幅広く様々な用途に仕様され得る。
1…感圧センサー
2…成形体
4a…上部電極
4b…上部電極
6a…中部電極
6b…中部電極
8a…下部電極
8b…下部電極
14…右側面

Claims (11)

  1. ノズルから圧電性高分子を含む造形材料を吐出して造形する三次元造形装置を用いて、圧電性部位を有する構造体に造形すること;
    上記三次元造形装置の造形材料を吐出するノズルの温度が、圧電性高分子の結晶化温度以上、融点未満の温度であること;
    上記三次元造形装置のノズルの移動速度が、圧電性高分子を含む造形材料の吐出速度よりも速いこと;および
    積層された圧電性高分子の少なくとも一部の延伸倍率が、1.5倍以上であること
    を特徴とする圧電性高分子の造形方法。
  2. 造形材料が吐出される造形箇所の温度が、ノズルの温度よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の造形方法。
  3. 三次元造形装置のノズルの移動速度が、0.01〜100mm/秒であることを特徴とする、請求項1または2に記載の造形方法。
  4. 積層された圧電性高分子の少なくとも一部の延伸倍率が、4倍以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の造形方法。
  5. 圧電性高分子がポリ乳酸または乳酸を構成単位として含む共重合体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の造形方法。
  6. 圧電性高分子を含む造形材料が柔軟化剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の造形方法。
  7. 柔軟化剤が、PMMA−PnBA−PMMAブロック共重合体である、請求項6に記載の造形方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の造形方法により得られる、圧電性部位を有する構造体。
  9. 圧電性部位の圧電率が、0.5pC/N以上であることを特徴とする、請求項8に記載の構造体。
  10. 請求項8または9に記載の構造体と、
    その圧電性部位に設置された少なくとも一対の電極と
    を有して成る、感圧センサー。
  11. 請求項8または9に記載の構造体と、
    その圧電性部位に設置された少なくとも一対の電極と
    を有して成る、アクチュエータ。
JP2016505084A 2014-02-26 2015-01-06 圧電性高分子の造形方法 Active JP6592780B2 (ja)

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