JPWO2015115131A1 - 圧電性高分子の成形方法および成形体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、圧電性高分子から形成された材料を、当該圧電性高分子のガラス転移温度よりも約20℃低い温度からガラス転移温度未満の温度で成形することを特徴とする、圧電性高分子の成形方法を提供する。本発明によれば、圧電性高分子を様々な形状の高分子圧電材料に成形することができる。

Description

本発明は、圧電性高分子の成形方法および当該成形方法により得られる成形体に関する。
従来から、圧電材料として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが広く用いられているが、近年、加工性、柔軟性、透明性、軽量性等に優れていることから、ポリフッ化ビニリデン、ポリペプチドおよびポリ乳酸等の圧電性高分子への関心が高まっている。その中でも、特許文献1に開示されるようなヘリカルキラリティを有するポリ乳酸が、ポーリング処理を必要とせず、延伸処理のみで比較的高い圧電性を発現し、さらに長期間圧電率を維持できることから、理想的な圧電性高分子材料として注目されている。
特開平5−152638号公報
ヘリカルキラリティを有する圧電性高分子から形成される高分子圧電材料は、通常、圧電性高分子から形成されたフィルムを、一軸延伸処理することにより、圧電性高分子の分子を配向させることによって得られる。しかしながら、一軸延伸処理により得られる高分子圧電材料は平面状のフィルムであり、その用途はフィルムを加工して得られるものに限られる。また、延伸距離が短い場合、圧電性を発現させることは困難であった。
一方、樹脂などの高分子を、所望の形状に形成する方法として、真空成形等の種々の成形法が知られているが、通常の成形法を圧電性高分子に適用した場合、分子が配向せず、良好な圧電性が得られないという問題がある。
そこで、本発明の一の目的は、圧電性高分子を様々な形状の高分子圧電材料に成形することができる成形方法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、圧電性高分子の成形体であって、延伸した長さが40mm以下である圧電性部位を有することを特徴とする成形体を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、圧電性高分子を、特定の条件で成形することにより、所望の形状を有し、良好な圧電特性を有する成形体を製造できることを見出した。
すなわち、本発明の第1の要旨によれば、圧電性高分子から形成された材料を、当該圧電性高分子のガラス転移温度よりも約20℃低い温度からガラス転移温度未満の温度で成形することを特徴とする、圧電性高分子の成形方法が提供される。
また、本発明の第2の要旨によれば、圧電性高分子の成形体であって、圧電性高分子の配向方向の長さが40mm以下である圧電性部位を有することを特徴とする成形体が提供される。
さらに、本発明の第3の要旨によれば、上記の成形体と、
その圧電性部位の両主表面に対向して設置された少なくとも一対の電極と
を有して成る感圧センサーが提供される。
本発明の成形方法によれば、圧電性高分子を様々な形状の高分子圧電材料に成形することができる。
図1は、本発明の1つの実施形態における感圧センサーの斜視図である。 図2は、図1の実施他形態における成形体2を成形する金型およびプラグの概略断面図である。 図3は、試験例2において、電極8を押した場合に測定された電圧を示すグラフである。 図4は、試験例2において、電極6を押した場合に測定された電圧を示すグラフである。 図5は、試験例2において、電極4を押した場合に測定された電圧を示すグラフである。 図6は、試験例2において、電極10および12の中間を押した場合に測定された電圧を示すグラフである。
以下、本発明の圧電性高分子の成形方法について説明する。
なお、本明細書において、「圧電性高分子」とは、その分子が一軸配向した場合に、圧電性を発現し得る高分子を言う。また、「高分子圧電材料」とは、前記圧電性高分子により形成され、圧電性を有する高分子材料を意味する。
本発明の第1の要旨によれば、圧電性高分子から形成された材料を、当該圧電性高分子のガラス転移温度よりも約20℃低い温度からガラス転移温度未満の温度で成形することを特徴とする、圧電性高分子の成形方法が提供される。
本発明の成形方法に用いられる上記圧電性高分子は、ヘリカルキラリティを有する圧電性高分子である。当該ヘリカルキラリティを有する圧電性高分子としては、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリメチルグルタメート、ポリベンジルグルタメート等のキラリティを持ち主鎖がらせんを描く高分子が挙げられ、ポリ乳酸または乳酸を構成単位として含む共重合体が好ましく、ポリ乳酸がさらに好ましい。当該ポリ乳酸は、L体またはD体のいずれであってもよいが、入手が容易であるL体から構成されるポリ乳酸が好ましい。
本発明の成形方法に付される圧電性高分子から形成された材料は、圧電性高分子を主成分とする材料であり、例えば圧電性高分子の含有量が50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、または80質量%以上含む材料、あるいは実質的に圧電性高分子から成る材料、例えば圧電性高分子の含有量が99〜100質量%である材料が挙げられる。
本発明の成形方法に付される圧電性高分子から形成された材料は、各種成形方法に付すことができる形態であれば特に限定されないが、好ましくはシートまたはフィルムの形態である。当該シートまたはフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、約1μm〜2mm、好ましくは約0.03〜1.5mm、より好ましくは約0.1〜1.5mmである。
上記圧電性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えばポリ乳酸である場合、好ましくは約10,000〜1,000,000、より好ましくは約15,000〜400,000、さらに好ましくは約20,000〜250,000である。重量平均分子量を、約10,000以上とすることにより、得られる成形体(高分子圧電材料)の機械的強度および弾性を確保することができる。また、重量平均分子量を、約1,000,000以下とすることにより、より配向させることができる。
本発明の成形方法において、成形時の温度は、用いる圧電性高分子のガラス転移温度よりも約20℃低い温度からガラス転移温度未満の温度の範囲、好ましくは約10℃低い温度からガラス転移温度未満の温度の範囲、より好ましくは約5℃低い温度からガラス転移温度未満の温度の範囲にある。例えば、重量平均分子量100,000のポリ乳酸(ガラス転移温度=約75℃)を用いる場合、当該温度は、約55℃から75℃未満の温度であり、好ましくは約65℃から75℃未満の温度、より好ましくは約70℃から75℃未満の温度である。当該温度をガラス転移温度よりも約20℃低い温度以上の温度とすることにより、成形が容易になり、また、成型時の圧電性高分子から形成される材料の破損を防止することができる。一方、当該温度をガラス転移温度未満の温度とすることにより、より短い延伸距離で圧電性高分子を配向させることが可能になる。
上記「ガラス転移温度」は、示差走査熱量測定 DSC(Differential scanning calorimetry)で測定することができる。
本発明の成形方法は、特に限定されないが、真空成形、圧空成型、射出成形、圧縮成型、ブロー成形、プレス成形等を利用することができるが、好ましくは真空成形またはプレス成形、より好ましくは真空成形が用いられる。
本発明の成形方法は、真空成形で行う場合、(金)型(雌型および雄型を含み、その材質は問わない。以下、総称して単に「金型」という)にセットされた圧電性高分子から形成された材料を、プラグにより、金型と反対の面から金型の内部に向かってプレスし(押し込み)、真空形成を補助してもよい。当該プレス時の圧力は、プレス面積1cmあたり、約140〜20,000kg、好ましくは約200〜5,000kg、より好ましくは約300〜2,000kgの圧力である。プレス圧を前記範囲とすることにより、より高い圧電率を得ることができる。
本発明の方法において「真空」とは、一般的な真空ポンプを用いて得ることのできる圧力を意味しており、具体的には1×10−3Pa以下の圧力である。
好ましい態様において、圧電性高分子から形成される材料は、少なくともその一部が約1.5倍以上、好ましくは約2倍以上、より好ましくは約4倍以上に延伸される。即ち、延伸倍率が、約1.5倍以上、好ましくは約2倍以上、より好ましくは約4倍以上である。延伸倍率を約1.5倍以上とすることにより、特に4倍以上とすることにより、圧電性高分子の分子をより良好に配向させることができ、より高い圧電率を得ることができる。また、得られる成形体の強度を確保する観点から、延伸倍率は、好ましくは約10倍以下であり、より好ましくは約7倍以下である。
延伸倍率は、例えば、延伸前のシートに所定の間隔(例えば、1mm)を有する方眼状の枡目を引き、延伸後にその間隔を測定して、延伸前後の枡目の間隔を比較することにより測定することができる。
延伸する速度は、好ましくは0.01〜60cm/sであり、より好ましくは1〜30cm/sである。このような範囲の速度で延伸することにより、より圧電性高分子の分子配向が向上し、より高い圧電率を得ることができる。
好ましい態様において、本発明の方法は、成形後、得られた成形体を急冷することを含む。急冷することにより、配向した圧電性高分子の空間的に連続的な結晶化を抑制することができ、圧電性部位の分解能を高めることができる。また、圧電性に悪影響を及ぼす球晶の生成を抑制することもできる。
ここで、圧電性部位の「分解能」とは、圧電性部位が、力(例えば、圧力)を加えられている2点を識別できる最小の距離を意味し、換言すれば、圧電性部位のある1点に圧力を加えた場合、その点において生じた電圧が検出可能な領域の内、上記点から最も遠い箇所までの距離を意味する。分解能は、例えば、応力電荷法により測定することができる。
急冷は、成形後、可及的速やかに行うことが好ましく、例えば、成形後、10分以内、好ましくは5分以内、より好ましくは3分以内に急冷を行うことが好ましい。このように速やかに急冷を行うことにより、上記急冷の効果をより効果的に得ることができる。
急冷後の成形体の温度は、特に限定されないが、好ましくは成形時の温度よりも約10℃低い温度以下、より好ましくは約30℃低い温度以下、より好ましくは50℃低い温度以下であることが好ましい。
急冷は、所望の温度に約1分以内で達するような冷却速度で行うことが好ましい。具体的には、1分当たり100〜500℃の冷却速度で冷却することが好ましい。
急冷の方法は、当該分野で一般的な急冷方法を用いることができ、例えば、低温環境下に曝す、氷水などの液体に浸す、液体窒素を用いる等の方法により急冷することができる。
本発明の成形方法に用いられる圧電性高分子から形成された材料は、柔軟化剤を含んでいてもよい。当該添加剤を用いることにより、圧電性高分子から形成された材料の柔軟性が増し、成形が容易になる。
当該柔軟化剤としては、特に限定されないが、圧電性高分子がポリ乳酸である場合、ポリマー末端のカルボン酸基または水酸基との親和性または反応性を有するエラストマーが好ましい。このようなエラストマーとしては、カルボン酸基または水酸基との親和性に優れる官能基、例えばアミン、エポキシ、無水カルボン酸などを付加したスチレン系エラストマー(例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー)やこれを水素添加して得られるSEBS(スチレン・エチレン/ブタジエン・スチレンブロックコポリマー))、同様の官能基を付加したオレフィン系エラストマー、およびポリヒドロキシブチレート系軟質系コポリマー(アミン末端を持つスチレン系エラストマー)などが挙げられる。具体的には、ポリアルキルメタクリレートとポリアルキルアクリレートのブロック共重合体、例えばPMMA−PnBA−PMMA(ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチル−ポリメタクリル酸メチル)ブロック共重合体が挙げられる。当該ブロック共重合体は、例えば株式会社クラレ社製のLA2250(商品名)、LA2140(商品名)、LA4285(商品名)等として入手することができる。
上記柔軟化剤の添加量は、圧電性高分子と柔軟化剤の総量に対して、約0.1〜50質量%、好ましくは約1〜30質量%である。当該添加量を約1質量%以上とすることにより、成形が容易になる。また、当該添加量を約40質量%以下とすることにより、得られる成形体の弾性率および圧電率の低下を抑制することができる。
また、本発明の成形方法に用いられる圧電性高分子から形成される材料は、さらに別の添加剤、例えば、着色剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
本発明の成形方法によれば、得られる成形体の延伸部位に、優れた圧電性を発現させることができる。特に、従来圧電性を発現させることが困難であった延伸距離が短い場合、例えば40mm以下、特に5mm以下である場合であっても、優れた圧電性を発現させることができる。
本発明の成形方法により得られる成形体の圧電性部位は、0.1×10−3以上、より好ましくは1×10−3以上、さらに好ましくは10×10−3以上の配向複屈折を有する。
本発明の成形方法により得られる成形体の形状は、特に限定されず、特に真空成形で成形する場合、例えば円筒、円錐、三角柱および四角柱などの多角柱、三角錐および四角錐などの多角錐、ドーム形、ならびにこれらを組み合わせた任意の形状とすることができる。
本発明の成形方法により得られる成形体は、高い透明性を確保することができる。
本発明の成形方法により得られる成形体は、圧電性を有し、かつ任意の形状とすることができるので、感圧センサーとしての機能に加え、電子機器(例えば、携帯電話等)の筐体としても機能し得る。したがって、本発明によれば、従来の樹脂製品に、感圧センサーとしての機能を付与することができる。
本発明の第2の要旨によれば、圧電性高分子の成形体であって、成形後未加工である圧電性部位の圧電性高分子の配向方向の長さが40mm以下であることを特徴とする成形体が提供される。
上記「圧電性部位」とは、圧電性を示す部位を意味する。好ましくは、圧電性部位は、成形後の状態のままであり、即ち未加工であり、例えば切断等がなされていない。圧電性部位の圧電率は、0.5pC/N以上であり、好ましくは2pC/N以上であり、より好ましくは3pC/N以上であり、さらに好ましくは5pC/N以上である。
圧電性高分子の配向方向は、延伸処理により分子が配向されている場合、延伸方向と実質的に同じになる。
本発明の成形体において、圧電性部位の、圧電性高分子の配向方向に沿った長さ(以下、単に「圧電性部位の長さ」ともいう)は、40mm以下、例えば20mm以下または10mm以下であってもよい。
一の態様において、圧電性部位は、実質的に成形体の1つの面を構成してもよい。この場合、延伸した長さ、即ち延伸された面の長さと、圧電性部位の長さは、実質的に等しくなる。
本発明の成形体において、圧電性部位は、複数存在してもよい。例えば、成形体の側面および底面、あるいは複数の側面に存在してもよい。また、同一の面に、複数の圧電性部位が存在してもよく、その配向方向および長さが互いに異なっていてもよい。なお、同一成形体中に、本発明の特徴を有しない圧電性部位(例えば、長さが40mmよりも長い圧電性部位)が存在しても、本発明の特徴を有する圧電性部位が存在する限り、本発明の範囲内に含まれる。
好ましい態様において、本発明の成形体は、三次元構造を有する。「三次元構造」とは、例えば柱状、球状、箱状等の立体的な構造であって、フィルムおよびシート状(二次元構造)、棒状(一次元構造)以外の構造を意味する。
好ましい態様において、上記圧電性部位は、10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下の分解能を有する。このように優れた分解能を有することにより、1つの成形体に、複数の感圧センサーを設置することが可能になる。
本発明の成形体を構成する圧電性高分子は、特に限定されず、例えば上記成型方法において記載した圧電性高分子を用いることができる。
本発明の成形体は、上記した本発明の成形方法を利用して製造することができので、例えば円筒、円錐、三角柱および四角柱などの多角柱、三角錐および四角錐などの多角錐、ドーム形、ならびにこれらを組み合わせた任意の形状を有し得る。したがって、圧電性材料としての機能を有しつつ、電子機器の筐体等としても用いることができる。
本発明の第3の要旨によれば、上記本発明の成形体を用いた感圧センサーが提供される。詳細には、上記の成形体と、その対向する主表面に設置された少なくとも一対の電極とを有して成る感圧センサーが提供される。
上記したように本発明の成形体は、本発明の成型方法により製造され、種々の形状を有し得るので、これを用いる本発明の感圧センサーは、種々の形状とすることができる。したがって、例えば、従来ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、アクリル樹脂等で形成されていた電子機器の筐体を、本発明の成形方法を用いて圧電性高分子で形成することにより、筐体自体に感圧センサーとしての機能を持たせることが可能になる。このように1つの部品に複数の機能を持たせることは、機器の小型化の点からも有利である。
以下、本発明の感圧センサーについて、図面を参照しながら、詳細に説明する。
本実施形態の感圧センサー1を図1に示す。本実施形態の感圧センサー1は、圧電性高分子から形成された箱状の成形体2と、その側面に設置された第1電極4、第2電極6、第3電極8、第4電極10および第5電極12を有する。第1〜第3電極は、図1において成形体2の左側面14に設置され、第4および第5電極は、成形体2の手前側面16に設置されている。第1〜第5電極は、それぞれ対になっており、成形体側面を介して対向して設けられている。
成形体2は、本発明の成型方法を用いることにより、例えば、圧電性高分子のフィルムを、プラグで補助しながら真空成形し、次いで急冷することにより得ることができる。このような成形体2は、その側面部において、延伸方向(矢印Aで示す)に圧電性高分子の分子が配向されている。
本実施形態においては、成形体2の左側面14は、底面18に対して略垂直であり、右側面20は、外側に傾いている。本実施形態において、左側面14は、右側面20よりも圧電率が高い。この理由は以下のように考えられる。図2に示されるように、本実施形態の成形体は、プラグ30での補助を伴う真空成形により形成されており、プラグの圧電性高分子のフィルムを押し込む面は、金型32の底面34と略同形状(実際には、わずかに小さい、例えば方形である場合、各辺の長さが1〜2ミリ小さい)である。したがって、金型の側面に傾斜をつける(本実施形態においては外側に傾ける)ことにより、圧電性高分子のフィルムの延伸される部分の幅が大きくなる。図2に示されるように、金型の側面が略垂直である場合、フィルムの延伸される部分の幅はtであり、傾斜がある場合t’である(なお、実際にはtおよびt’で示す範囲の周辺部分も延伸され得るが、ここでは簡単の為に考慮していない)。即ち、延伸されるフィルムの幅が小さい略垂直の側面では、大きな延伸倍率となり、傾斜がある側面では延伸されるフィルムの幅が大きくなり、延伸倍率は小さくなる。即ち、本実施形態において、側面の圧電率は、その傾斜を変更することにより、調節することができる。
成形体2を構成する圧電性高分子は、上記成型方法において記載した圧電性高分子を用いることができる。例えば、ヘリカルキラリティを有する圧電性高分子、具体的には、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリメチルグルタメート、ポリベンジルグルタメート等のキラリティを持ち主鎖がらせんを描く高分子が挙げられる。ポリ乳酸または乳酸を構成単位として含む共重合体が好ましく、ポリ乳酸がさらに好ましい。
第1〜第5電極は、例えば、所定の大きさの金属の薄膜を、図示する箇所に配置し、その上にリード(図示していない)を配置し、次いで、電極を樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)で覆うことにより設置することができる。これらの電極により成形体2に力が作用した際に生じる電圧を検知する。成形体2は、分解能が高いことから、これらの電極が比較的接近している場合、例えば電極間の距離が数mm、例えば3mm程度であっても、別個のセンサーとして機能し得る。
上記電極を形成する導電性材料は、特に限定されるものではないが、例えばAu、Cu、Ag、Ni等が挙げられ、特にAuが好ましい。電極の形成方法としては、特に限定されず、上記した方法の他に、例えば上記金属の薄膜を導電性接着材で貼り付けるなどの方法によっても形成することができる。
本発明の感圧センサーは、上記した本発明の成形方法を利用して製造できるので、本発明の成形方法で製造可能なあらゆる形状とすることができる。したがって、本発明の成形方法により、圧電性高分子を、例えば、携帯電話または携帯ゲーム機の筐体あるいはそれらの一部として成形することによって、それに感圧センサーとしての機能を付与することができる。
以上、本発明の一の実施形態により本発明の感圧センサーを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例において、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
ポリ乳酸フィルム(多木化学株式会社製、数平均分子量70,000、ガラス転移温度70℃、厚み1mmのシート状)に1mm間隔の方眼状の枡目設け、これを真空成形機にセットした。金型は、開口部が縦110mm×横60mmであり、底面部は、浅部と深部を有しており、浅部は深さ5mmで、縦110mm×横58mmの寸法であり、深部は深さ10mmで、縦110mm×横56mmの寸法であり、金型の縦方向の側面の一方は底面に対して垂直であり、それに対向する側面は傾斜を有するものを用いた。上記フィルムを65℃に加温し、フィルムの上面から金型に向かって約10トンの圧力でプラグ(フィルムを押し込む面の形状は、金型の底面の形状に対応する)を押し込みながら、真空成形した。得られた成形体を真空成形機から取り出し、該成形体の形状に対応する冶具に固定し、液体窒素中につけた。このようにして、図1の成形体2に対応する成形体を得た。
試験例1
実施例1の成形体の左右の側面部の略中央部において、方眼状の枡目の間隔を測定し、延伸倍率を求めた。また、成形体の左右の側面部(図1の左側面14および右側面20に対応する)および手前の側面部(図1の手前側面16に対応する)の試料を切り出した。この試料の圧電率および誘起複屈折を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2015115131
表1に示されるように、本発明の成型方法を用いることにより、短い延伸距離であるにもかかわらず高い圧電率と誘起複屈折を有する成形体を得ることができることが確認された。また、延伸倍率を調整することにより、圧電率を調整できることも確認された。
実施例2
実施例1と同様にして得られた成形体の左側面に3対(図1の電極4、6および8に対応する)、および手前側面に2対(図1の電極10および12に対応する)の金箔(縦6mm×横10mm)を、各対の金箔が成形体の側面を介して対向するように貼り付け、さらにその上に配線用のリードを配置して、これらの上からエポキシ樹脂でコーティングを施し、図1に示すような本発明の感圧センサーを作製した。各面における電極間の距離は、約5mmであった。
試験例2
側面部の下部電極、中部電極および上部電極(それぞれ、図1の電極8、6および4)および手前側面の左部電極および右部電極(それぞれ、図1の電極10および12)の中間を、指で押し、生じる電圧を測定した。結果を、図3〜6に示す。
図3〜5から明らかなように、側面部の各電極を押した場合、電圧が検出されるのはその電極のみであり、他の電極からは電圧はほとんど検出されず、本発明の成形体が優れた分解能を有することが確認された。また、図6から明らかなように、2つ電極の中間を押した場合には、その両方の電極においてほぼ同等の電圧が検出された。このような特性を利用することにより、2カ所同時押し、押された箇所の位置の特定が可能になる。
本発明の成形方法は、種々の形状の圧電性材料の成形体を形成することができ、このような成形体は、感圧機能を有する筐体等として幅広く様々な用途に仕様され得る。
1…感圧センサー
2…成形体
4…第1電極
6…第2電極
8…第3電極
10…第4電極
12…第5電極
14…左側面
16…手前側面
18…底面
20…右側面
30…プラグ
32…金型
34…底面

Claims (19)

  1. 圧電性高分子から形成された材料を、当該圧電性高分子のガラス転移温度よりも約20℃低い温度からガラス転移温度未満の温度で成形することを特徴とする、圧電性高分子の成形方法。
  2. 成形を真空成形法にて行うことを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
  3. 補助プラグにより、圧電性高分子から形成された材料を押し込みながら真空成形を行うことを特徴とする、請求項1または2記載の成形方法。
  4. 成形をプレス成形にて行うことを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
  5. 成形後、さらに急冷することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の成形方法。
  6. 少なくとも一部の延伸倍率が、4倍以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 圧電性高分子がポリ乳酸または乳酸を構成単位として含む共重合体であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の成形方法。
  8. 圧電性高分子から形成された材料が柔軟化剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の成形方法。
  9. 柔軟化剤が、PMMA−PnBA−PMMAブロック共重合体である、請求項8に記載の成形方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の成形方法により得られる成形体。
  11. 圧電性高分子の成形体であって、成形後未加工である圧電性部位の圧電性高分子の配向方向の長さが40mm以下であることを特徴とする、成形体。
  12. 圧電性部位の圧電率が、0.5pC/N以上であることを特徴とする、請求項11に記載の成形体。
  13. 圧電性部位の分解能が、10mm以下であることを特徴とする、請求項11または12に記載の成形体。
  14. 三次元構造を有することを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の成形体。
  15. 箱形の形状を有し、その1つまたはそれ以上の側面が圧電性部位を有することを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載の成形体。
  16. 圧電性高分子がポリ乳酸または乳酸を構成単位として含む共重合体であることを特徴とする、請求項11〜15のいずれかに記載の成形体。
  17. 電子機器の筐体またはその一部であることを特徴とする、請求項11〜16のいずれかに記載の成形体。
  18. 請求項1〜9に記載の方法により成型されていることを特徴とする、請求項11〜17のいずれかに記載の成形体。
  19. 請求項11〜18のいずれかに記載の成形体と、
    その圧電性部位の両主表面に対向して設置された少なくとも一対の電極と
    を有して成る、感圧センサー。
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