JPWO2015107897A1 - 通信装置、復調装置、搬送波再生装置、位相誤差補償装置、位相誤差補償方法および位相誤差補償プログラムが記憶された記憶媒体 - Google Patents

通信装置、復調装置、搬送波再生装置、位相誤差補償装置、位相誤差補償方法および位相誤差補償プログラムが記憶された記憶媒体 Download PDF

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Abstract

[課題]位相雑音や、熱雑音を主要因とする劣悪なノイズ環境下にあっても、ビット誤り率特性に優れ、大容量かつ高品質なデータ通信を可能にすること。[解決手段]順系列の受信シンボルに基づいて第1位相差分値および第1位相誤差推定値を生成する第1位相誤差検出フィルタと、逆系列の受信シンボルに基づいて第2位相差分値および第2位相誤差推定値を生成する第2位相誤差検出フィルタと、第1位相誤差推定値および第2位相誤差推定値と、第1位相差分値および第2位相差分値のいずれか一方とに基づいて、第3位相誤差推定値を生成する位相誤差合成手段と、受信シンボルの位相誤差を第3位相誤差推定値に対応して補償する位相誤差補償手段と、を備える。

Description

本発明は、通信装置、復調装置、搬送波再生装置、位相誤差補償装置およびその制御方法ならびにその制御プログラムが記憶された記憶媒体に関する。
デジタル通信において、効率的なデータ伝送を行うための変復調方式として、位相情報と振幅情報との両方をデータの識別に利用する直交振幅変調(QAM;Quadrature Amplitude Modulation)方式がよく知られている。近年、通信システムの大容量化への要請に従い、変調多値数の増加が求められている。しかし、変調多値数の増加は、ノイズによる伝送誤り確率を増大させ、ノイズ耐性を低下させるという問題がある。特に、送信装置および受信装置の、主として基準発振器(LO;Local Oscillator)によって生じる位相雑音は、位相情報の不確定さを増大させ、ビット誤り率特性(BER;Bit Error Rate)を著しく劣化させる要因となる。そのため、信号点数が、例えば256以上の多値QAM方式によって信頼性が高いデータ通信を行うためには、この位相雑音によって生じる位相誤差を高い精度で推定して、補償する必要があり、同時に熱雑音など他の要因による誤りに対しても、耐性を向上させる必要がある。
上記技術分野において、位相ロックループによって位相誤差補償を行い、その後段において、尤度情報を反映したビット列を出力するQAMシンボルデマッピング装置とその尤度情報を入力して誤り訂正処理を行う誤り訂正復号器とを設けた、エラー耐性の向上を実現する復調装置が知られている。特許文献1には、QAMシンボルデマッピング装置の一例が記載されている。
しかしながら、検波器が出力するベースバンド信号に含まれる位相雑音の大きさ、あるいは熱雑音等に起因する位相検出の精度劣化により、十分に良好なビット誤り率特性を得られない場合がある。そのような場合に、位相ロックループにおけるループフィルタの帯域幅を適応的に調整することにより、位相誤差補償の精度を向上させる技術が知られており、特許文献2、特許文献3、特許文献4等に示されている。しかし、それでもエラー耐性が十分でない場合がある。
また、位相誤差補償の精度向上のため位相ロックループを改良した平滑化位相ロックループ(スムーシング位相ロックループS−PLL;Smoothing Phase Locked Loop)を利用する復調方法が知られている。このような平均化による位相雑音補償の原理については、例えば、非特許文献1、非特許文献2に示されている。
再公表特許WO2011/068119号公報 特開2000−101666号公報 特表2003−531523号公報 特開2011−101177号公報
J.Yang,B.Geller,C.Herzet,J.M.Brossier, "Smoothing PLLs for QAM Dynamical Phase Estimation," IEEE ICC 2009 Proceedings, 2009/6/14 J.Yang,B.Geller, "Near Optimal Low Complexity Smoothing Loops for Dynamical Phase Estimation-Application to BPSK Modulated Signal," IEEE Transactions on Signal Processing, 2009/9/1
しかしながら、上記文献に記載の技術において、位相ロックループによる位相雑音補償の効果は限定的である。すなわち、QAM方式の信号多値数に比して、検波器が出力するベースバンド信号に含まれる位相雑音レベルが大きい場合には、十分に良好なビット誤り率特性を得られず、大容量かつ高品質なデータ通信が困難である。また、平滑化位相ロックループについても同様であり、特に信号対雑音比(SNR;Signal to Noise Ratio)が大きな場合には位相ロックループと比較して改善が望めないため、十分なビット誤り率特性が得られず、大容量かつ高品質なデータ通信をすることが困難である。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る位相誤差補償装置は、
順系列の受信シンボルに基づいて第1位相差分値および第1位相誤差推定値を生成する第1位相誤差検出フィルタと、
逆系列の前記受信シンボルに基づいて第2位相差分値および第2位相誤差推定値を生成する第2位相誤差検出フィルタと、
前記第1位相誤差推定値および前記第2位相誤差推定値と、前記第1位相差分値および前記第2位相差分値のいずれか一方とに基づいて、第3位相誤差推定値を生成する位相誤差合成手段と、
前記受信シンボルの位相誤差を前記第3位相誤差推定値に対応して補償する位相誤差補償手段と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明に係る搬送波再生装置は、
上記位相誤差補償装置を含み、
前記位相誤差補償装置が位相誤差の補償を行った受信シンボルをデマッピングするシンボルデマッピング手段と、
前記シンボルデマッピング手段の出力に基づいて、前記位相誤差の補償が行われた受信シンボルに含まれるエラーを訂正して復調データを出力する誤り訂正復号手段と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明に係る復調装置は、
上記搬送波再生装置を含み、
固定周波数のリファレンス信号を出力する基準発振器と、
中間周波数の入力信号を直交検波して、IchとQchとの各ベースバンド信号を生成する検波器と、
生成されたベースバンド信号をデジタル信号に変換して、前記受信シンボルとして前記搬送波再生装置に入力するアナログデジタル変換器と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明に係る通信装置は、
上記復調装置を少なくとも含み、
アンテナが受信する電波から所定周波数帯域の電波を選択して中間周波数の信号に変換して、前記復調装置に入力する受信回路と、
前記復調装置が入力した復調データをデコードして受信データを生成する受信データデコード手段と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明に係る位相誤差補償方法は、
受信シンボルの系列と参照シンボルの系列との位相差分値からなる系列φ(1),φ(2),…,φ(M)(Mは正整数)を生成し、
前記位相差分値の系列に基づいて系列中に含まれる位相雑音によって生じる第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M),θ+(M+1)を順次算出し、
θ+(M+1)を初期値として、前記位相差分値の系列φ(M),φ(M-1),…,φ(1)に基づいて第2位相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を順次算出し、
前記第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と、前記2位相誤差推定値θ-(1),θ-(2),…,θ-(M)と、前記位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)との線形演算によって、第3位相誤差推定値θ±(1),θ±(2),…,θ±(M)を算出し、
前記各算出の処理によって、正整数kについて、位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)に含まれる前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値と、前記第3位相誤差推定値とを順次算出し、
前記第3位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を前記位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)から減算することにより、位相誤差の補償を行う。
上記目的を達成するため、本発明に係る記憶媒体に記憶された位相誤差補償プログラムは、
受信シンボルの系列と参照シンボルの系列との位相差分値からなる系列φ(1),φ(2),…,φ(M)(Mは正整数)を生成し、
前記位相差分値の系列に基づいて系列中に含まれる位相雑音によって生じる第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M),θ+(M+1)を順次算出し、
θ+(M+1)を初期値として、前記位相差分値の系列φ(M),φ(M-1),…,φ(1)に基づいて第2位相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を順次算出し、
前記第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と、前記2位相誤差推定値θ-(1),θ-(2),…,θ-(M)と、前記位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)との線形演算によって、第3位相誤差推定値θ±(1),θ±(2),…,θ±(M)を算出し、
前記各算出の処理によって、正整数kについて、位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)に含まれる前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値と、前記第3位相誤差推定値とを順次算出し、
前記第3位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を前記位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)から減算することにより、位相誤差の補償を行う、
処理をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、位相雑音や、熱雑音を主要因とする劣悪なノイズ環境下にあっても、ビット誤り率特性に優れ、大容量かつ高品質なデータ通信を可能にすることができる。
本発明の第1実施形態における位相誤差補償装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における位相誤差補償装置を含む通信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における位相誤差補償装置を含む復調装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における位相誤差補償装置の構成を示すブロック図である。 前提技術としての位相誤差補償装置の構成を示すブロック図である。 前提技術としての位相誤差補償装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における位相誤差検出フィルタの構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における位相誤差合成部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態におけるパラメータ生成部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における係数算出用テーブルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるパラメータ生成のための基準発振器の位相雑音スペクトルの一例を示した図である。 本発明の第2実施形態における位相雑音補償方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の位相誤差補償方法を用いたQPSKおよび256QAM伝送時の位相誤差に関する平均自乗誤差と搬送波対雑音比の関係を、従来技術と対比して示したグラフ図である。 本発明の第3実施形態における位相誤差補償装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態における位相誤差合成部の構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態における位相誤差補償装置を含む復調装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態における位相誤差補償装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態における位相誤差検出フィルタの構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態における位相誤差補償装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第6実施形態における復調装置の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての位相誤差補償装置100について、図1を用いて説明する。位相誤差補償装置100は、基準発振器で発生する位相雑音や、熱雑音を補償する装置である。
図1に示すように、位相誤差補償装置100は、第1位相誤差検出フィルタ101と、第2位相誤差検出フィルタ102と、位相誤差合成部103と、位相誤差補償部104と、を含む。第1位相誤差検出フィルタ101は、順系列の受信シンボルに基づいて第1位相差分値101bおよび第1位相誤差推定値101aを生成する。第2位相誤差検出フィルタ102は、逆系列の前記受信シンボルに基づいて第2位相差分値102bおよび第2位相誤差推定値102aを生成する。第1位相誤差推定値101aおよび第2位相誤差推定値102aと、第1位相差分値101bおよび第2位相差分値102bのいずれか一方とに基づいて、第3位相誤差推定値103aを生成する。位相誤差補償部104は、受信シンボルの位相誤差を第3位相誤差推定値103aに応じて補償する。
本実施形態によれば、順系列および逆系列の受信シンボルに基づいて生成した位相誤差推定値と位相差分値とを合成して位相誤差を補償する。従って、位相雑音や、熱雑音を主要因とする劣悪なノイズ環境下にあっても、ビット誤り率特性に優れ、大容量かつ高品質なデータ通信を可能にすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態における位相誤差補償装置について説明する。本実施形態の位相誤差補償装置は、順系列および逆系列の受信シンボルに基づいて生成した位相誤差推定値と位相差分値とを合成して位相誤差を補償する。さらに、本実施形態においては、位相誤差補償装置を含む搬送波再生装置と、当該搬送波再生装置を含む復調装置と、当該復調装置を含む通信装置とについて説明する。
本実施形態では、データの識別に位相情報を使用する変調方式を対象とする。本実施形態では、一例として変調方式がQAMである場合について説明するが、データの識別に位相情報を使用する変調方式であれば、本実施形態を適用可能である。また、本実施形態では、復調方式の検波方法として、復調回路がみずから生成する固定周波数の周期信号に基づいて検波を行い、検波後に位相誤差を差し引く準同期検波方式を対象とする。この検波方式は、搬送波に完全に同期する信号を生成する必要がないという利点を持つ。本実施形態は、準同期検波方式位相雑音による位相誤差を補償する位相誤差補償装置を提供する。なお、準同期検波方式による復調装置全体の構成については説明を簡略化し、以下、本実施形態の核である位相誤差推定部分を中心に説明する。
変復調の方式であるQAM方式において、信号点数が2個の場合(mは正整数)、送信側では伝送するビット列をmビットごとに区切り、各mビットを2個の信号点の1つにマッピングする。マッピングされた信号点は複素数値で表現可能であり、これを送信シンボルと呼ぶことにする。受信側で検波後デジタル信号に変換されたベースバンド信号は、送信シンボルに対応する受信シンボルであり、Ich、Qchのベースバンド信号を各々実部と虚部とに対応する複素数値で表現することができる。以下では、この複素数値を受信シンボルと呼び、本実施形態の位相誤差補償装置への入力とする。
《通信装置の構成》
図2Aは、本実施形態における位相誤差補償装置241を含む通信装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の通信装置を、携帯電話サービスや、デジタルデータ固定回線サービス等に必要不可欠なバックホール回線を提供するために使用することができる。特に、携帯電話サービスを行なう基地局間を結ぶ、高品質、かつ大容量のデジタル通信回線として使用することができる。なお、通信装置の構成は図2Aに示す構成に限定されるものではない。
本実施形態の通信装置は、受信系として、受信回路202と、復調装置200と、受信データデコード部203と、を有する。受信回路202は、アンテナ201が受信した電波から所定周波数帯域の電波を選択して中間周波数の信号に変換して、本実施形態の復調装置200に出力する。受信データデコード部203は、復調装置200が出力する復調データをデコードして受信データを生成する。また、本実施形態の通信装置は、送信系として、送信データエンコード部205と、変調装置204と、送信回路206と、を有してもよい。送信データエンコード部205は、送信データをエンコードする。変調装置204は、エンコードされた送信データを復調装置200の復調方式に対応して変調し、中間周波数の信号を生成する。送信回路206は、中間周波数の信号に基づいて送信用の所定周波数帯域の電波を生成してアンテナ201から送信する。
《復調装置の構成および動作》
図2Bは、本実施形態における位相誤差補償装置241を含む復調装置200の構成を示すブロック図である。
復調装置200は、QAM方式で変調されて伝送されたデータ信号を復調する装置であって、基準発振器220と、検波器210と、アナログ−デジタル変換器(以下、A/D変換器)230と、搬送波再生装置240とを備える。
基準発振器220は、固定周波数のリファレンス信号を検波器210に入力する。検波器210は、中間周波数(IF;Intermediate Frequency)の入力信号を直交検波して、同相成分(Ich)のベースバンド信号と直交成分(Qch)のベースバンド信号とを生成する。生成されたベースバンド信号は、A/D変換器230によってデジタル信号に変換され、受信シンボルとして搬送波再生装置240に入力される。
搬送波再生装置240は、本実施形態の位相誤差補償装置241と、QAMシンボルデマッピング部242と、誤り訂正復号器243と、を備える。QAMシンボルデマッピング部242には、位相誤差補償装置241によって位相誤差の補償がなされた受信シンボルが入力され、後段の誤り訂正復号器243への入力データを生成する。誤り訂正復号器243は、QAMシンボルデマッピング部242から入力されたデータに基づいて、受信シンボルに含まれるビットエラーの訂正処理を行う。誤り訂正処理後のデータは、復調装置200の出力である復調データとなる。このとき、位相誤差補償装置241による位相誤差の補償回数があらかじめ定められた規定回数に達した場合、または誤り訂正復号器243において誤りなしと判定された場合には、誤り訂正復号器243の出力が復調装置200の復調データとして出力される。そうでない場合には、位相誤差補償装置241において受信シンボル中の位相誤差を繰り返し補償して、補償の精度を高める。
このような場合に、搬送波再生装置240が、入力された受信シンボルをバッファに一時的に保持し、バッファに保持された受信シンボルの位相誤差を、位相誤差補償装置241を複数回使用して補償するような構成であってもよい。
《位相誤差補償装置》
次に、本実施形態における位相誤差補償装置241の構成について説明するが、その特徴を明瞭にするため、位相誤差補償装置の構成に関する前提技術について説明する。
《前提技術の位相誤差補償装置の構成》
図4Aは、前提技術としての位相誤差補償装置241Aの構成を示すブロック図である。図2Bに示す位相誤差補償装置241を図4Aに示す位相誤差補償装置241Aに置き換えることにより、前提技術としての復調装置になる。
図4Aに示す位相誤差補償装置241Aは、ループ状に結線された、回転行列乗算器411と、位相検出部412と、ループフィルタ413と、累積加算部414と、データ変換部415と、からなる位相ロックループ(PLL;Phase Locked Loop)を備える。
回転行列乗算器411は、A/D変換器230によりデジタル化されたIch、Qchの各ベースバンド信号に対応する受信シンボルの位相を、データ変換部415の出力情報に応じて回転させることにより、位相誤差を補償する。回転行列乗算器411の出力信号は、位相検出部412に入力される。
位相検出部412は、受信シンボルに残された位相誤差を検出し、ループフィルタ413に入力する。ループフィルタ413は、位相誤差中に含まれる不要な高周波成分を除去し、累積加算部414に、高周波成分の除去後の位相誤差を入力する。累積加算部414は、ループフィルタ413による入力に基づいて、回転行列乗算器411における位相回転量を指定する位相誤差情報を生成し、データ変換部415に入力する。データ変換部415は、累積加算部414が入力した位相誤差情報を、それに対応する正弦(サイン)、余弦(コサイン)データに変換し、回転行列乗算器411に入力する。
以上のように、ループ状に結線された回転行列乗算器411と、位相検出部412と、ループフィルタ413と、累積加算部414と、データ変換部415と、からなる位相ロックループの動作によって、安定した位相ロック状態を実現でき、位相誤差の補償を行うことができる。
なお、回転行列乗算器411によって位相誤差を補償された受信シンボルは、位相検出部412の他に、搬送波再生装置240のQAMシンボルデマッピング部242にも入力される。
以上のように、図4Aに示す位相誤差補償装置241Aは、位相ロックループによって位相誤差の補償を行い、後段の誤り訂正処理によって、エラー耐性の向上を実現している。しかしながら、検波器210が出力するベースバンド信号に含まれる位相雑音の大きさ、または熱雑音等に起因する位相検出部412の精度劣化により、十分に良好なビット誤り率特性を得られない場合がある。
図4Bは、前提技術としての位相誤差補償装置241Bの構成を示すブロック図である。図2Bに示す位相誤差補償装置241を図4Bに示す位相誤差補償装置241Bに置き換えることにより、前提技術としての復調装置になる。図4Bに示す位相誤差補償装置241Bは、位相誤差補償の精度向上のため位相ロックループを改良した平滑化位相ロックループ(S−PLL)を利用する復調方法を用いる。
平滑化位相ロックループを用いる位相誤差補償装置241Bは、バッファ421と、2つの位相ロックループ422および423と、平均化部424と、からなる。バッファ421は、位相誤差補償装置241Bへの入力を一時的に保持し、入力順序に応じたデータ系列と、入力順序を逆転したデータ系列との2種類のデータ系列のうちいずれかを、各々位相ロックループ422および423にそれぞれ入力する。各位相ロックループ422および423は、各入力データを処理し、その処理結果を平均化部424に入力する。平均化部424は、異なる順序で処理された2つのデータの平均を算出して出力する。
しかし、このような平滑化位相ロックループは、熱雑音に関するSNRが大きい場合に、その位相誤差補償精度が通常の位相ロックループと同程度となり、計算量の増加に見合う改善が見られないという問題点がある。
《本実施形態の位相誤差補償装置の構成》
図3は、本実施形態における位相誤差補償装置241の構成を示すブロック図である。本実施形態の位相誤差補償装置241は、受信シンボルが入力され、基準発振器の位相雑音による位相誤差の推定を行い、位相誤差の補償を施した受信シンボルを出力する。
図3に示す位相誤差補償装置241は、順系列受信シンボル用の位相誤差検出フィルタ301と、逆系列受信シンボル用の位相誤差検出フィルタ302と、FILOバッファ303および304と、位相誤差合成部300と、を備える。また、位相誤差補償装置241は、データ変換部306と、回転行列乗算器305と、FILOバッファ307と、パラメータ生成部308と、を備える。
位相誤差検出フィルタ301には、順系列受信シンボルが入力され、順系列受信シンボルの位相と位相誤差補償装置241の内部で生成する推定送信シンボルの位相との差分、および位相雑音によって受信シンボルの位相に生じた位相誤差の推定値を出力する。位相誤差検出フィルタ302には、逆系列受信シンボルが入力され、逆系列受信シンボルの位相と位相誤差補償装置241の内部で生成する推定送信シンボルの位相との差分、および位相雑音によって受信シンボルの位相に生じた位相誤差の推定値を出力する。
FILOバッファ303および304は、受信シンボル、および位相誤差検出フィルタ301の出力データ列をあらかじめ定められた一定数分保持し、入力順序とは逆順に出力するファーストイン・ラストアウト型の一時記憶部である。また、FILOバッファ307は、位相誤差を補償された逆系列受信シンボルを順系列受信シンボルに変換するファーストイン・ラストアウト型の一時記憶部である。なお、FILOバッファ307の代わりに、所定容量の記憶部を接続し、書込アドレスおよび読出アドレスを制御してもよい。
位相誤差合成部300は、位相誤差検出フィルタ301および302からの入力に基づいて、位相雑音により受信シンボルの位相に生じた位相誤差の推定値を出力する。図3に示す位相誤差補償装置241には、位相誤差検出フィルタ301からの位相誤差推定値301aがFILOバッファ304によって逆系列にされた位相誤差推定値304aと、位相誤差検出フィルタ302からの位相誤差推定値302aおよび位相差分値302bとが入力される。
データ変換部306は、位相誤差合成部300の出力データである位相誤差推定値300aが入力され、入力値の正弦値(サイン)と余弦値(コサイン)との位相補償データを出力する。回転行列乗算器305は、受信シンボル、およびデータ変換部306の出力である正弦値と余弦値とを入力し、正弦値と余弦値とを成分とする回転行列を受信シンボルに乗算して位相を回転し、FILOバッファ307を介して出力する。
パラメータ生成部308は、位相誤差検出フィルタ301および302における処理と、位相誤差合成部300における処理とのうちいずれかで使用する、各係数K1〜K5を基準発振器220の位相雑音パラメータと信号対雑音比とに基づいて生成する。
(位相誤差補償装置の動作)
次に、図3に示す位相誤差補償装置241の動作について説明する。位相誤差補償装置241には、受信シンボルが入力され、受信シンボルの位相が含む位相誤差を補償して出力する。位相誤差補償装置241への入力受信シンボルをr(1),r(2),…,r(M)と記す(Mは正整数)。受信シンボルに対応する送信シンボルをs(1),s(2),…,s(M)、発振器による位相雑音をθ(1),θ(2),…,θ(M)、熱雑音によるノイズをw(1),w(2),…,w(M)と表すと、受信シンボルは、次の式(1)のように表現できる。
Figure 2015107897
ここで、eはネイピア数、jは虚数単位を表す。
熱雑音はスペクトルが平坦な白色雑音であるが、位相雑音はスペクトルが平坦でない。一例として、位相雑音のスペクトルが図8に示す形状である場合について説明する。
図3に示す位相誤差補償装置241へのさらなる入力である位相参照用シンボルをa(1),a(2),…,a(M)と記す。位相参照用シンボルは、送信シンボルが事前に明らかである場合には送信シンボルと合致するものとする。送信シンボルが明らかでなく、誤り訂正処理を行った後に得られる誤り訂正後の推定送信シンボルを利用できる場合には、該推定送信シンボルと合致するものとする。さらに、送信シンボル、および誤り訂正後の推定送信シンボルを利用できない場合には、位相誤差補償装置241が内部で生成する推定送信シンボルを利用する。したがって、送信シンボルおよび誤り訂正後の推定送信シンボルを利用する場合には、位相参照用シンボルは外部から入力されるが、これらを利用せず、位相誤差補償装置241が内部で生成する推定送信シンボルを利用する場合には、位相参照用シンボル入力はNULLであるとする。なお、図3に示す位相誤差補償装置241は、位相誤差補償装置241が内部で生成する推定送信シンボルを利用する。
位相誤差補償装置241への入力シンボルは、位相誤差検出フィルタ301に入力される。位相誤差検出フィルタ301は、受信シンボルと推定送信シンボルとに基づいて、位相誤差推定値と位相差分値とを算出し、出力する。各出力データは位相を表す数値データであって、位相誤差検出フィルタ301の位相誤差推定値に関する出力データをθ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と表記する。位相差分値に関しては、φ(1),φ(2),…,φ(M)と表記する。
なお、図3に示す例では、位相誤差検出フィルタ301から出力される位相差分値は使用されない。
受信シンボルと、位相誤差検出フィルタ301からの位相誤差推定値301aとは、各々FILOバッファ303と304とに一時的に保持され、入力順序とは逆順に出力される。即ち、受信シンボルがr(1),r(2),…,r(M)の順序で入力された場合に、r(M),r(M-1),…,r(1)の順序で出力する。また、位相誤差推定値に関する出力データがθ+(1),θ+(2),…,θ+(M)の順序で入力された場合に、θ+(M),θ+(M-1),…,θ+(1)の順序で出力する。各FILOバッファ303と304から出力された、受信シンボルは位相誤差検出フィルタ302に入力され、位相誤差推定値304aは、位相誤差合成部300に入力される。
位相誤差検出フィルタ302は、位相誤差検出フィルタ301と同様に、受信シンボルと推定送信シンボルとに基づいて、位相誤差推定値302aと位相差分値302bとを算出し、出力する。位相誤差検出フィルタ301との違いは、入力順序と初期値設定とであって、FILOバッファ303によって、受信シンボルはr(M),r(M-1),…,r(1)の順序で位相誤差検出フィルタ302に入力される。また、初期値が係数K3に基づいて設定される。位相誤差検出フィルタ302の位相誤差推定に関する出力データをθ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)と表記し、位相差分値の出力については、位相誤差検出フィルタ301の出力と同様の記号を用いて、φ(M),φ(M-1),…,φ(1)と記す。
位相誤差検出フィルタ301、302の出力は、位相誤差合成部300に入力される。
位相誤差合成部300は、位相誤差推定値304aおよび302aと位相差分値302bとを合成し、位相誤差推定値300aを出力する。位相誤差合成部300aの出力をθ±(M),θ±(M-1),…,θ±(1)と記す。
位相誤差合成部300の出力は、データ変換部306を介して、正弦値データsin(θ±(M)),sin(θ±(M-1)),…,sin(θ±(1))と、余弦値データcos(θ±(M)),cos(θ±(M-1)),…,cos(θ±(1))とに変換される。正弦値データ、および余弦値データは、回転行列乗算器305に入力され、受信シンボルの位相を補償する。回転行列乗算器305の出力がFILOバッファ307によって逆順とされたものは、位相誤差補償装置241の出力データであり、前述記法を用いて次の式(2)のように表記できる。
Figure 2015107897
(位相誤差検出フィルタの構成)
図5は、本実施形態における位相誤差検出フィルタ301、302の構成を示すブロック図である。なお、位相誤差検出フィルタ301と302とは、位相誤差検出フィルタ302が初期値を係数K3に基づいて設定する他は同様の構成であるので、図5で兼用する。
図5に示す位相誤差検出フィルタ301、302には、受信シンボルが入力され、受信シンボルの位相と推定送信シンボルの位相との差分、および位相雑音によって受信シンボルの位相に生じた位相誤差の推定値を出力する。
図5に示す位相誤差検出フィルタ301、302は、位相検出部503と、1タップフィルタ504と、フィードバック係数付きの累積加算部505と、データ変換部506と、回転行列乗算器501と、判定部502と、を備える。
位相検出部503には、回転行列乗算器501からの出力シンボルと、判定部502からの出力シンボルとが入力され、両者の間の位相差分値を出力する。出力データは、次段である1タップフィルタ504の入力になると共に、加算器507によって、フィードバック係数付きの累積加算部505の出力に加算され、位相誤差検出フィルタ301、302の出力の1つである位相差分値301b、302bとなる。
1タップフィルタ504は、高周波成分を除去するための、タップ数が1つのフィルタであり、乗算器541からなる。1タップフィルタ504には、位相検出部503の出力が入力されて、タップ係数K2を乗算して出力する。タップ係数K2はパラメータ生成部308によって与えられる。なお、タップ係数K2は、突然発生するノイズを位相誤差の補償に反映させる程度を表わし、1よりかなり小さな値となる。
フィードバック係数付きの累積加算部505は、加算器551と、フリップフロップ552と、乗算器553とからなり、1タップフィルタ504の出力が入力され、フリップフロップ552に保持されたデータを出力する。なお、位相誤差検出フィルタ302において、フリップフロップ552に、初期値として初期係数K3に基づく値が設定される。フィードバック係数付きの累積加算部505の出力は、位相誤差検出フィルタ301、302の出力の1つである位相誤差推定値301a、302aであると共に、データ変換部506と加算器507とへの入力となる。また、乗算器553のフィードバック係数K1は、パラメータ生成部308によって与えられる。なお、フィードバック係数K1は、従前の受信シンボルの影響を位相誤差補償に反映させる程度を表わし、1より小さな値となる。
データ変換部506には、累積加算部505が出力した位相誤差推定値が入力され、それに対応する正弦値(サイン)、および余弦値(コサイン)を出力する。回転行列乗算器501は、複素数表示された受信シンボルに、データ変換部506の出力である正弦値、および余弦値を成分とする回転行列を乗じ、累積加算部505の出力数値分だけ受信シンボルの位相を回転して、位相を補償する。
判定部502には、回転行列乗算器501によって位相補償された受信シンボルが入力され、入力された受信シンボルに最も近い送信シンボルを、位相検出部503に入力する。
(位相誤差検出フィルタの動作)
次に、位相誤差検出フィルタ301、302の動作について説明する。位相誤差補償装置241は、位相誤差検出フィルタ301、302を備えるが、入力データに応じて出力データを生成する動作は同様であるため、位相誤差検出フィルタ301の動作を例に説明する。なお、初期設定として、フィードバック係数付きの累積加算部505のフリップフロップ552の初期値を適切に定めた値に設定する必要があるが、特に指定がない場合は“0”とする。
位相誤差検出フィルタ301に入力された受信シンボルは、回転行列乗算器501に入力される。回転行列乗算器501は、回転行列乗算器305と同様であり、データ変換部506からの出力データに応じて、受信シンボルの位相を回転する。時点nにおける入力受信シンボルをr(n)とし、フリップフロップ552に保持されたデータをθ+(n)と記す(nは1以上、M以下の整数)と、回転行列乗算器501の出力は以下の式(3)のように表記できる。
Figure 2015107897
式(3)に示した回転行列乗算器501の出力は、判定部502と位相検出部503とに入力される。判定部502は、式(3)のデータに最も近い送信シンボルを出力する。判定部502の出力は、位相検出部503に入力される。位相検出部503は、2つの入力シンボルの間の位相差を計算し、出力する。受信シンボルと判定部502の出力シンボルとの間の位相差をφ(1),φ(2),…,φ(M)と記すと、時点nにおける位相検出部503の出力は、式(3)に基づいて、式(4)に示す数値データとなる。
Figure 2015107897
位相検出部503の出力は、1タップフィルタ504と加算器507とに入力される。
加算器507へのもう一方の入力は位相誤差出力θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)であるため、上記式(4)によって、加算器507の出力は位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)となる。一方、1タップフィルタ504では、位相検出部503の出力と、パラメータ生成部308から供給されるタップ係数K2とが乗算器541で乗算処理され、その結果はフィードバック係数付きの累積加算部505に入力される。
フィードバック係数付きの累積加算部505では、1タップフィルタ504の出力と、乗算器553でパラメータ生成部308から供給されるフィードバック係数K1が乗算されたフリップフロップ552のデータとを、加算器551において加算する。そして、加算結果に基づいてフリップフロップ552のデータを更新する。時点nに保持されたフリップフロップ552のデータθ+(n)は、次の時点(n+1)で式(5)に示すように更新される。
Figure 2015107897
フリップフロップ552の出力データは、位相誤差推定値301aとして位相誤差検出フィルタ301から出力されると共に、データ変換部506によって、時点(n+1)の入力受信シンボルr(n+1)の位相の回転に用いられる。以下同様の動作により、位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)および位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)が生成され、出力される。
なお、M番目の入力受信シンボルr(M)と時点Mにおけるフリップフロップ552のデータθ+(M)とから、上記式(5)の形式に纏められた上記手順によってデータθ+(M+1)が生成される。そして、データθ+(M+1)は、位相誤差検出フィルタ302におけるフリップフロップ552の初期値として使用される。位相誤差検出フィルタ302は、次の式(6)に示す手順に従って、相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を生成し、出力する。
Figure 2015107897
(位相誤差合成部の構成)
図6は、本実施形態における位相誤差合成部300の構成を示すブロック図である。位相誤差合成部300には、位相誤差検出フィルタ301、302からの出力が入力され、位相雑音により受信シンボルの位相に生じた位相誤差の推定値を出力する。
図6に示す位相誤差合成部300は、2つの加算器601、604と、2つの乗算器602、603と、を備える。加算器601は、位相誤差検出フィルタ301からの逆順化された位相誤差推定値304aと位相誤差検出フィルタ302からの位相誤差推定値302aとを加算し、乗算器602に入力する。乗算器602は、加算器601による加算結果にパラメータ生成部308が生成した乗算係数K4を乗算し、乗算結果を加算器604に入力する。
乗算器603は、位相誤差検出フィルタ302からの位相差分値302bにパラメータ生成部308が生成した乗算係数K5を乗算し、乗算結果を加算器604へ入力する。
加算器604は、乗算器602による入力と乗算器603による入力とを加算し、加算結果を位相誤差合成部300の出力とする。
(位相誤差合成部の動作)
次に、位相誤差合成部300の動作について説明する。位相誤差合成部300は、位相誤差検出フィルタ301、302の出力が入力され、位相誤差推定値300aを出力する。位相誤差推定値301a:θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)、および、位相誤差推定値302a:θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)に基づいて、加算器601が、θ+(n)+θ-(n),n=M,M-1,…,1を順次算出する。そして、乗算器602が、θ+(n)+θ-(n)にパラメータ生成部308から供給される乗算係数K4を乗算して、K4×(θ+(n)+θ-(n)),n=M,M-1,…,1を得る。一方、乗算器603は、位相誤差検出フィルタ302からの位相差分値302bに、パラメータ生成部308から供給される乗算係数K5を乗算し、K5×φ(M),K5×φ(M-1),…,K5×φ(1)を得る。
乗算器602の出力と乗算器603の出力とが加算器604において加算され、次の式(7)に示す、位相誤差推定値300a:θ±(M),θ±(M-1),…,θ±(1)を得る。すなわち、乗算係数K4およびK5は、位相誤差推定値300aに対して位相誤差検出フィルタ301、302が出力した位相誤差推定値と位相差分値との信頼性に対応して、いずれを反映させるかの重み付け係数の役割を果たしている。
Figure 2015107897
(パラメータ生成部の構成)
図7Aは、本実施形態におけるパラメータ生成部308の構成を示すブロック図である。
図7Aに示すパラメータ生成部308は、雑音特性値取得部710と、係数算出部720と、係数算出用テーブル730と、係数保持部740と、を備える。雑音特性値取得部710は、基準発振器220の雑音特性値を取得する。なお、基準発振器220の雑音特性値はオペレータがマニュアルで入力しても、装置が自動的に検出してもよい。係数算出部720は、係数算出用テーブル730を使用して、所定アルゴリズムに従って、各係数K1〜K5を算出する。係数保持部740は、係数算出部720が算出した各係数K1〜K5を保持する。なお、各係数K1〜K5の算出を、別途用意されたコンピュータで行ない、その結果を係数保持部740に保持するように構成されてもよい。
(係数算出用テーブル)
図7Bは、本実施形態における係数算出用テーブル730の構成を示す図である。係数算出用テーブル730は、基準発振器220の雑音特性値に基づいて係数算出部720が各係数K1〜K5を生成するために使用される。
係数算出用テーブル730には、雑音特性値記憶部731に対応づけられて、中間値記憶部732と、係数記憶部733とが記憶される。雑音特性値記憶部731には、係数算出に必要な基準発振器220の雑音特性値である、fp、fz、fs、Kpn、σw 2、が記憶される。中間値記憶部732には、係数算出への中間値である、例えば、a0、a1、b1、α、γ、λ、η、などが記憶される。係数記憶部733には、算出された各係数K1、K2、K3、K4、K5が記憶される。
(パラメータ生成部の動作)
次に、各係数K1〜K5の算出について説明する。
図8は、本実施形態におけるパラメータ生成のための基準発振器の位相雑音スペクトルの一例を示した図である。以下の各係数K1〜K5の算出においては、基準発振器の位相雑音スペクトルを図8に示す形にモデル化した場合を例に説明する。図8に示すように、位相雑音スペクトルは、f(Hz)以下およびf(Hz)以上で一定であり、f(Hz)とf(Hz)の間は-20dBc/Decの傾き特性を持っている。周波数0(Hz)における電力スペクトル密度を、図8に示すように、Kpnと記し、伝送シンボルレートをfs(Hz)とする。基準発振器220の位相雑音は、この4つのパラメータfp,fz,fs,Kpnで指定される。熱雑音の分散に関するパラメータσw 2と合わせて、ノイズについては、これら5つのパラメータで指定される。
パラメータ生成部308は、これら5つのパラメータに基づいて、位相誤差検出フィルタ301、302に関するフィードバック係数K1,タップ係数K2と、位相誤差検出フィルタ302に関する初期係数K3と、位相誤差合成部300に関する乗算係数K4,K5とを生成する。以下、その生成工程の一例を説明する。
3つの定数a0,a1,b1は次の式(8)によって定められる。
Figure 2015107897
なお、円周率をπと記す。
式(8)によって定まる3つの定数a0,a1,b1を使って、2つの定数α,γを次の式(9)によって定める。
Figure 2015107897
式(9)に示すα,γ、および、式(8) に示すb1、さらに熱雑音の分散値から定まる定数σw 2に基づいて、定数λとηとは次の式(10)で定められる。
Figure 2015107897
パラメータ生成部308が生成するフィードバック係数K1と、タップ係数K2とは、次に示す式(11)によって算出される。
Figure 2015107897
パラメータ生成部308が生成する乗算係数K4とK5とは、次に示す式(12)によって算出される。
Figure 2015107897
また、初期係数K3は、各々式(8)、式(10)、式(11)に示したb1,λ,K1によって、次の式(13)のように定められる。
Figure 2015107897
《位相雑音補償方法の処理手順》
図9は、本実施形態における位相雑音補償方法の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、位相誤差補償装置241を構成するCPUがRAMを使用しながら実行する位相誤差補償プログラムに対応し、図3に示す各機能構成部を実現する。
位相誤差補償装置241は、ステップS901において、初期化(k←0;θ+(1)←0)を行なう。ここで初期化する2つのパラメータのうち、kは処理フレームを示すインデックスであり、θ+(1)は時点1の順系列受信シンボルに基づく位相誤差推定値である。
位相誤差補償装置241は、ステップS903において、受信シンボルと推定送信シンボルとの位相差分値からなる系列φ(1),φ(2),…,φ(M)の生成と初期化(n←1)とを行う。ここで、Mは処理単位となるフレームの長さを表す正整数である。
位相誤差補償装置241は、ステップS905において、式(5)に従って、位相差分値の系列から系列中に含まれる位相雑音によって生じる位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M),θ+(M+1)を順次算出する。
位相誤差補償装置241は、ステップS907において、θ+(M+1)を用いてθ-(M)を初期化する。ここで、θ-(M)は時点Mの逆系列受信シンボルに基づく位相誤差推定値である。
位相誤差補償装置241は、ステップS909において、式(6)に従って、位相差分値の系列φ(M),φ(M-1),…,φ(1)から位相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を順次算出する。また、位相誤差補償装置241は、ステップS907において、式(7)に従って、位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と、位相誤差推定値θ-(1),θ-(2),…,θ-(M)と、位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)との線形演算によって、位相誤差推定値θ±(1),θ±(2),…,θ±(M)を算出する。
位相誤差補償装置241は、ステップS911において、上記各ステップの処理に基づき、正整数kについて、位相差分φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)に含まれる位相誤差推定値θ+(kM+i)(i=1〜M+1)、θ-(kM+i)(i=1〜M)、θ±(kM+i)(i=1〜M)の算出を順次繰り返す。そして、各位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を出力する。
上記各ステップは、正整数kに関し、k+1として同様に繰り返される。正整数kがあらかじめ定められた整数値(L-1)に達したら終了する。以上の手順によって、位相差分φ(1),…,φ(kM+2),…,φ(LM)に対する位相誤差の推定値θ±(1),…,θ±(kM+2),…,θ±(LM)を算出できる。
そして、それぞれ、算出され位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を位相差分φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)から減算することによって、位相誤差の補償を行う。
《位相誤差補償結果》
図10は、本実施形態の位相誤差補償方法を用いた、QPSK変調および256QAM変調時の位相誤差に関する平均自乗誤差と搬送波対雑音比との関係を、従来技術と対比して示したグラフである。
図10に示す例では、図8に示した位相雑音スペクトルにおいて、4つのパラメータfp,fz,fs,Kpnを各々fp=100Hz,fz=7MHz,fs=24MHz,Kpn=-35dBc/Hzとする。これによって規定される位相雑音がある通信路で、QPSK変調と256QAM変調とでそれぞれデータ伝送を行い、本実施形態の位相誤差補償方法によって補償した後の位相に関する平均自乗誤差を、図3Aに示す前提技術による位相ロックループによるものと比較し、その結果を図10に示した。
横軸は熱雑音による搬送波対雑音比を、縦軸は平均自乗誤差をデジベル表記したものである。図10に示す●(丸印),▲(三角印)は、各々位相ロックループによる位相誤差補償と本実施形態の位相誤差補償方法に関する平均自乗誤差のシミュレーション結果とを表しており、シミュレーションでは位相参照用シンボルの入力はNULLとしている。また図10に示す実線と点線とは、各々の平均自乗誤差の理論値を表しており、搬送波対雑音比が大きい領域ではシミュレーションと合致している。
図10に示す例から明らかなように、QPSK変調方式、および256QAM変調方式いずれにおいても、大きな改善がみられる。
本実施形態では、順系列および逆系列の受信シンボルに基づいて生成した位相誤差推定値と位相差分値とが合成されて位相誤差が補償される。なお、本実施形態においては、余分な構成を除いて位相誤差の補償を実現した。従って、簡単な構成により、位相雑音や、熱雑音を主要因とする劣悪なノイズ環境下にあっても、ビット誤り率特性に優れ、大容量かつ高品質なデータ通信を可能にすることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態における位相誤差補償装置について説明する。本実施形態における位相誤差補償装置は、上記第2実施形態の位相誤差合成部が逆系列の受信シンボルに基づいて生成された位相差分値を使用するに対して、位相誤差合成部が順系列の受信シンボルに基づいて生成された位相差分値を使用する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態における構成および動作と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《位相誤差補償装置の構成》
図11は、本実施形態における位相誤差補償装置1141の構成を示すブロック図である。なお、図11において、図3と同様の機能構成部には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
位相誤差補償装置1141には、FILOバッファ1109を有し、位相誤差検出フィルタ301から出力された位相差分値がφ(1),φ(2),…,φ(M)の順序で入力され、φ(M),φ(M-1),…,φ(1)の順序で出力する。そして、位相誤差合成部1100は、位相誤差差分値として、FILOバッファ1109から出力されたφ(M),φ(M-1),…,φ(1)を使用して、推定した位相誤差推定値1100aをデータ変換部306に入力する。
(位相誤差合成部の構成)
図12は、本実施形態における位相誤差合成部1100の構成を示すブロック図である。
なお、図12において、図5と同様な機能構成部には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
乗算器1203は、位相誤差検出フィルタ301からの位相差分値301bをFILOバッファ1109で逆系列としたφ(M),φ(M-1),…,φ(1)に、パラメータ生成部308から供給される乗算係数K5を乗算し、K5×φ(M),K5×φ(M-1),…,K5×φ(1)を得る。乗算器1203の乗算結果は、乗算器602の乗算結果と加算器604によって加算されて、位相誤差推定値1100aが出力される。
本実施形態によれば、FILOバッファ1109が追加されるが、より正確な位相誤差の補償を実現でき、ビット誤り率特性に優れ、大容量かつ高品質なデータ通信を可能にすることができる。
なお、位相誤差合成部の乗算器603または1203の前段にセレクタを設けて、第2実施形態と第3実施形態とのいずれの構成で位相誤差合成部を使用するのかに応じて、セレクタで入力を選択するように構成することも可能である。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態における位相誤差補償装置について説明する。本実施形態における位相誤差補償装置は、上記第2実施形態および第3実施形態に対して、位相誤差を補償した結果のシンボルから生成された復号データを参照用送信シンボルに逆変換して、位相誤差補償に使用する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態または第3実施形態における構成および動作と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《復調装置の構成》
図13は、本実施形態における位相誤差補償装置1341を含む復調装置1300の構成を示すブロック図である。なお、位相誤差補償装置1341を含む搬送波再生装置1340が復調装置1300に含まれる。
位相誤差補償装置1341への入力である位相参照用シンボルをa(1),a(2),…,a(M)と記す。本実施形態では、送信シンボルが明らかでなく、誤り訂正処理を行った後に得られる誤り訂正後の推定送信シンボルを利用でき、送信シンボルは推定送信シンボルと合致するものとする。誤り訂正後の推定送信シンボルは、位相誤差補償装置1341に外部から入力される。
一方、誤り訂正復号器243から出力された復調データは、スイッチ1344によって、復調装置1300の出力、または位相誤差補償装置1341への入力データ1344aとなる。位相誤差補償装置1341における位相誤差の補償回数があらかじめ定めた規定回数に達した場合、または誤り訂正復号器243において誤りなしと判定された場合は、誤り訂正復号器243の出力は復調装置1300の復調データとして出力される。そうでない場合には、位相誤差補償装置1341へ入力され、位相誤差補償装置1341において位相参照用シンボルとして使用される。そのようなフィードバックにより、受信シンボルにおける位相誤差を繰り返し補償して、補償の精度を高める。
《位相誤差補償装置の構成》
図14は、本実施形態における位相誤差補償装置1341の構成を示すブロック図である。なお、図14において図3または図11と同様な機能構成部には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
位相誤差検出フィルタ1401、1402には、QAMシンボルマッピング部1403からの順系列参照シンボル1403aまたは逆系列参照シンボルが入力されて、位相誤差推定値および位相差分値の生成に使用される。QAMシンボルマッピング部1403は、図13に示す誤り訂正復号器243からの入力データ1344aをQAMシンボルとしてマッピングすることにより、順系列参照シンボル1403aと逆系列参照シンボルとを生成する。
なお、図14に示す例では、第3実施形態のように、位相誤差合成部1100が、順系列受信シンボルに基づいて生成された位相差分値を使用する構成とした。しかし、第2実施形態のように、位相誤差合成部1100が、逆系列受信シンボルに基づいて生成された位相差分値を使用するように構成されてもよい。また、図14に示す例では、QAMシンボルマッピング部1403が位相誤差補償装置内に設けられているが、位相誤差補償回路の外部の搬送波再生装置に設けられていてもよい。
(位相誤差検出フィルタの構成)
図15は、本実施形態における位相誤差検出フィルタ1401、1402の構成を示すブロック図である。なお、図15において、図5と同様な機能構成部には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
セレクタ1508は、判定部502の出力シンボルと位相誤差検出フィルタ1401、1402への入力データの1つである位相参照シンボルとを入力とし、いずれか一方を選択して出力する。本実施形態の位相誤差補償装置1341では、位相参照シンボルの入力がある場合には、セレクタ1508で位相参照シンボルが選択されるため、判定部502の出力は利用されない。一方、位相参照シンボルがNULL(ヌル)の場合は、常に判定部502の出力シンボルが選択される。
本実施形態では、位相誤差検出フィルタ内で生成された推定送信シンボルでなく、位相誤差補償装置で位相補償された受信シンボルに基づいて生成された推定送信シンボルが使用される。従って、さらにビット誤り率特性に優れ、大容量かつ高品質なデータ通信を可能にすることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態における位相誤差補償装置について説明する。本実施形態における位相誤差補償装置は、上記第2実施形態乃至第4実施形態に対して、初期シンボルについては位相誤差補償の処理を行なわない点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態乃至第4実施形態における構成および動作と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《位相誤差補償装置の構成》
図16は、本実施形態における位相誤差補償装置1641の構成を示すブロック図である。なお、図16において、図3、図11、または図14と同様な機能構成部については同じ参照番号を付して、説明を省略する。なお、図16に示す例では、第3実施形態のように、位相誤差合成部1100が、順系列受信シンボル基づいて生成された位相差分値を使用する構成とした。しかし、第2実施形態のように、位相誤差合成部1100が、逆系列受信シンボルに基づいて生成された位相差分値を使用するように構成されてもよい。また、第4実施形態のように、QAMシンボルマッピング部1403を有して、順系列参照シンボル1403aおよび逆系列参照シンボル1403bを使用する場合が示されていた。しかし、第2実施形態のように、位相誤差検出フィルタが内部で参照用推定送信シンボルを生成してもよい。
セレクタ1602は、入力された、位相誤差補償を行った受信シンボルとバッファ1601に保持された受信シンボルとのうち、一方を選択して、QAMシンボルデマッピング部に入力する。選択の方法は2種類あり、1回目のみバッファ1601に保持された受信シンボル側を選択し、2回目以降は位相誤差補償した受信シンボル側を選択する方法と、常に位相誤差を補償した受信シンボル側を選択する方法とである。両者の違いは、1回目に、位相誤差を補償した受信シンボルの出力を選択するか否かである。1回目に位相誤差を補償した受信シンボルの出力は、位相参照用シンボルの入力なしに位相誤差を補償したシンボルとなる。即ち、セレクタ1602の2つの選択方法の違いは、セレクタ1602の出力が、バッファ1601に保持された受信シンボルであるか、または位相参照シンボルなしに、位相誤差補償装置1641によって位相補償された受信シンボルであるかである。
なお、図16に示す例では、バッファ1601やセレクタ1602が位相誤差補償装置1641の内部に設けられているが、位相誤差補償装置1641の外部の搬送波再生装置に設けられてもよい。
本実施形態によれば、1回目に位相誤差補償した受信シンボルの出力を選択するか否かを選択することにより、1回目の位相参照用シンボルの入力なしの位相誤差の補償によるビット誤り率特性の低下を無くすことができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態における位相誤差補償装置について説明する。本実施形態における位相誤差補償装置は、上記第2実施形態乃至第5実施形態に対して、伝送信号中にパイロット信号を埋め込んだ位相誤差補償を行なう点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態乃至第5実施形態における構成および動作と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《復調装置の構成》
図17は、本実施形態における復調装置1700の構成を示すブロック図である。なお、図17に示す例において、図2Bと同様な機能構成部には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
復調装置1700は、搬送波再生装置1740を有する。搬送波再生装置1740は、遅延回路1741と、補間フィルタ1742と、位相回転器1743と、を備える。そして、乗算器である位相回転器1743の出力が、図17に示す例では、第2実施形態における位相誤差補償装置241に受信シンボルとして入力される。なお、位相誤差補償装置は、第3実施形態乃至第5実施形態における構成と同様であってもよい。
補間フィルタ1742は、パイロット信号に対応する受信パイロットシンボルに基づいて受信パイロットシンボル間の位相誤差を推定するために使用される。また、遅延回路1741は、補間フィルタ1742の補間処理に相当するシンボル数と同等の遅延を生じさせる。また、位相回転器1743は、推定した位相誤差の補償を行う。
デジタル化されたIch、Qchの各ベースバンド信号に対応する受信シンボルは、遅延回路1741に入力される。ここで、受信シンボルは、既知のパイロット信号に対応するパイロットシンボルである場合に限り、補間フィルタ1742にも入力される。補間フィルタ1742は、複数のパイロットシンボルに基づいて、パイロットシンボル間の受信シンボルにおける位相誤差を補間処理によって推定する。位相回転器1743は、補間フィルタ1742が出力した位相誤差情報に基づいて、受信シンボルの位相を回転し、受信シンボル中の位相誤差を補償する。補間フィルタ1742によって出力された位相誤差の補償後の受信シンボルは、本実施形態の位相誤差補償装置に入力される。
図17に示す搬送波再生装置1740は、さらに、補間フィルタ1742において位相誤差の推定処理に使用するデータを、位相雑音と熱雑音とに関する統計情報から生成し、補間フィルタ1742に供給するタップ係数生成部を備えていてもよい。
本実施形態では、伝送信号中にパイロット信号を埋め込んだ位相誤差の補償を行なう復調装置によって本位相誤差補償装置が採用されている。従って、位相雑音や、熱雑音を主要因とする劣悪なノイズ環境下であっても、ビット誤り率特性に優れ、大容量かつ高品質なデータ通信を可能にすることができる。
[他の実施形態]
ノイズパラメータにおいて、fpがfsと比較して極めて小さく、また式(9)に示すγが熱雑音の分散値によって定まるパラメータσw 2と比較して極めて小さい場合には、式(11)、式(12)、式(13)によって指定されるK1,K2,K3,K4,K5は、1に近い適切な実数λによって、以下の式(14)のように近似することができる。
従って、パラメータ生成部308は、図9に示すステップS907において、式(14)に従って各係数K1〜K5を設定する。
Figure 2015107897
本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
順系列の受信シンボルに基づいて第1位相差分値および第1位相誤差推定値を生成する第1位相誤差検出フィルタと、
逆系列の前記受信シンボルに基づいて第2位相差分値および第2位相誤差推定値を生成する第2位相誤差検出フィルタと、
前記第1位相誤差推定値および前記第2位相誤差推定値と、前記第1位相差分値および前記第2位相差分値のいずれか一方とに基づいて、第3位相誤差推定値を生成する位相誤差合成手段と、
前記受信シンボルの位相誤差を前記第3位相誤差推定値に対応して補償する位相誤差補償手段と、
を備える位相誤差補償装置。
(付記2)
前記第1位相誤差検出フィルタおよび前記第2位相誤差検出フィルタと、前記位相誤差合成手段とが使用する係数を生成するパラメータ生成手段を、さらに備える付記1に記載の位相誤差補償装置。
(付記3)
前記第1位相誤差検出フィルタおよび前記第2位相誤差検出フィルタは、
位相補償された受信シンボルに最も近い送信シンボルを算出する判定手段と、
前記算出した送信シンボルと前記位相補償された受信シンボルとの位相差分値を算出する位相検出手段と、
基準発振器の位相雑音パラメータと信号対雑音比とに基づいて算出されたタップ係数を使用して、前記位相検出手段の出力に含まれる高周波成分を除去する1タップフィルタと、
前記基準発振器の前記位相雑音パラメータと前記信号対雑音比とに基づいて算出されたフィードバック係数を使用して、前記1タップフィルタの出力に基づいて位相雑音によって前記受信シンボルに生じた位相誤差の推定値を算出する累積加算手段と、
前記位相誤差の推定値を受信シンボルの位相補償データに変換するデータ変換手段と、
前記データ変換手段の出力によって受信シンボルの位相を補償する乗算器と、
を有することを特徴とする付記1または2に記載の位相誤差補償装置。
(付記4)
前記第2位相誤差検出フィルタの前記累積加算手段は、さらに、初期値を設定するための初期係数を使用する付記3に記載の位相誤差補償装置。
(付記5)
前記第1位相誤差検出フィルタおよび前記第2位相誤差検出フィルタの位相検出手段は、 前記送信シンボルと、位相誤差補償された受信シンボルに基づいて変換された復調データから逆変換された位相参照用シンボルと、から選択されたいずれかのシンボルと、前記位相補償された受信シンボルとの位相差分値を算出する付記3または4に記載の位相誤差補償装置。
(付記6)
前記位相誤差合成手段は、
前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値とを加算する第1加算器と、
基準発振器の位相雑音パラメータと信号対雑音比とから算出された第1乗算係数を、前記加算器の加算結果に乗算する第2乗算器と、
前記基準発振器の前記位相雑音パラメータと前記信号対雑音比とから算出された第2乗算係数を、前記第1位相差分値および前記第2位相差分値のいずれか一方に乗算する第3乗算器と、
前記第2乗算器の乗算結果と前記第3乗算器の乗算結果とを加算した結果を、位相雑音によって受信シンボルの位相に生じた前記第3位相誤差推定値とする第2加算器と、
を有する付記1乃至5のいずれか1項に記載の位相誤差補償装置。
(付記7)
付記1乃至5のいずれか1項に記載の位相誤差補償装置を含み、
前記位相誤差補償装置が位相誤差の補償を行った受信シンボルをデマッピングするシンボルデマッピング手段と、
前記シンボルデマッピング手段の出力に基づいて、前記位相誤差の補償が行われた受信シンボルに含まれるエラーを訂正して復調データを出力する誤り訂正復号手段と、
を備える搬送波再生装置。
(付記8)
付記7に記載の搬送波再生装置を含み、
固定周波数のリファレンス信号を出力する基準発振器と、
中間周波数の入力信号を直交検波して、IchとQchとの各ベースバンド信号を生成する検波器と、
生成されたベースバンド信号をデジタル信号に変換して、前記受信シンボルとして前記搬送波再生装置に入力するアナログデジタル変換器と、
を備える復調装置。
(付記9)
付記8に記載の復調装置を少なくとも含み、
アンテナが受信する電波から所定周波数帯域の電波を選択して中間周波数の信号に変換して、前記復調装置に入力する受信回路と、
前記復調装置が入力した復調データをデコードして受信データを生成する受信データデコード手段と、
備える通信装置。
(付記10)
受信シンボルの系列と参照シンボルの系列との位相差分値からなる系列φ(1),φ(2),…,φ(M)(Mは正整数)を生成し、
前記位相差分値の系列に基づいて系列中に含まれる位相雑音によって生じる第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M),θ+(M+1)を順次算出し、
θ+(M+1)を初期値として、前記位相差分値の系列φ(M),φ(M-1),…,φ(1)に基づいて第2位相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を順次算出し、
前記第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と、前記2位相誤差推定値θ-(1),θ-(2),…,θ-(M)と、前記位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)との線形演算によって、第3位相誤差推定値θ±(1),θ±(2),…,θ±(M)を算出し、
前記各算出の処理によって、正整数kについて、位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)に含まれる前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値と、前記第3位相誤差推定値とを順次算出し、
前記第3位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を前記位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)から減算することにより、位相誤差の補償を行う、
位相誤差補償方法。
(付記11)
受信シンボルの系列と参照シンボルの系列との位相差分値からなる系列φ(1),φ(2),…,φ(M)(Mは正整数)を生成し、
前記位相差分値の系列に基づいて系列中に含まれる位相雑音によって生じる第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M),θ+(M+1)を順次算出し、
θ+(M+1)を初期値として、前記位相差分値の系列φ(M),φ(M-1),…,φ(1)に基づいて第2位相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を順次算出し、
前記第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と、前記2位相誤差推定値θ-(1),θ-(2),…,θ-(M)と、前記位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)との線形演算によって、第3位相誤差推定値θ±(1),θ±(2),…,θ±(M)を算出し、
前記各算出の処理によって、正整数kについて、位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)に含まれる前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値と、前記第3位相誤差推定値とを順次算出し、
前記第3位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を前記位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)から減算することにより、位相誤差の補償を行う、
処理をコンピュータに実行させる位相誤差補償プログラムが記憶された記憶媒体。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。本発明の活用例として、携帯端末装置、基幹無線装置を含むデジタル無線通信装置全般に好適である。
この出願は、2014年1月16日に出願された日本出願特願2014−006180を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (10)

  1. 順系列の受信シンボルに基づいて第1位相差分値および第1位相誤差推定値を生成する第1位相誤差検出フィルタと、
    逆系列の前記受信シンボルに基づいて第2位相差分値および第2位相誤差推定値を生成する第2位相誤差検出フィルタと、
    前記第1位相誤差推定値および前記第2位相誤差推定値と、前記第1位相差分値および前記第2位相差分値のいずれか一方とに基づいて、第3位相誤差推定値を生成する位相誤差合成手段と、
    前記受信シンボルの位相誤差を前記第3位相誤差推定値に対応して補償する位相誤差補償手段と、
    を備える位相誤差補償装置。
  2. 前記第1位相誤差検出フィルタおよび前記第2位相誤差検出フィルタと、前記位相誤差合成手段とが使用する係数を生成するパラメータ生成手段を、さらに備える請求項1に記載の位相誤差補償装置。
  3. 前記第1位相誤差検出フィルタおよび前記第2位相誤差検出フィルタは、
    位相補償された受信シンボルに最も近い送信シンボルを算出する判定手段と、
    前記算出した送信シンボルと前記位相補償された受信シンボルとの位相差分値を算出する位相検出手段と、
    基準発振器の位相雑音パラメータと信号対雑音比とに基づいて算出されたタップ係数を使用して、前記位相検出手段の出力に含まれる高周波成分を除去する1タップフィルタと、
    前記基準発振器の前記位相雑音パラメータと前記信号対雑音比とに基づいて算出されたフィードバック係数を使用して、前記1タップフィルタの出力に基づいて位相雑音によって前記受信シンボルに生じた位相誤差の推定値を算出する累積加算手段と、
    前記位相誤差の推定値を受信シンボルの位相補償データに変換するデータ変換手段と、
    前記データ変換手段の出力によって受信シンボルの位相を補償する乗算器と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の位相誤差補償装置。
  4. 前記第1位相誤差検出フィルタおよび前記第2位相誤差検出フィルタの位相検出手段は、 前記送信シンボルと、位相誤差補償された受信シンボルに基づいて変換された復調データから逆変換された位相参照用シンボルと、から選択されたいずれかのシンボルと、前記位相補償された受信シンボルとの位相差分値を算出する請求項3に記載の位相誤差補償装置。
  5. 前記位相誤差合成手段は、
    前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値とを加算する第1加算器と、
    基準発振器の位相雑音パラメータと信号対雑音比とから算出された第1乗算係数を、前記加算器の加算結果に乗算する第2乗算器と、
    前記基準発振器の前記位相雑音パラメータと前記信号対雑音比とから算出された第2乗算係数を、前記第1位相差分値および前記第2位相差分値のいずれか一方に乗算する第3乗算器と、
    前記第2乗算器の乗算結果と前記第3乗算器の乗算結果とを加算した結果を、位相雑音によって受信シンボルの位相に生じた前記第3位相誤差推定値とする第2加算器と、
    を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の位相誤差補償装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の位相誤差補償装置を含み、
    前記位相誤差補償装置が位相誤差の補償を行った受信シンボルをデマッピングするシンボルデマッピング手段と、
    前記シンボルデマッピング手段の出力に基づいて、前記位相誤差の補償が行われた受信シンボルに含まれるエラーを訂正して復調データを出力する誤り訂正復号手段と、
    を備える搬送波再生装置。
  7. 請求項6に記載の搬送波再生装置を含み、
    固定周波数のリファレンス信号を出力する基準発振器と、
    中間周波数の入力信号を直交検波して、IchとQchとの各ベースバンド信号を生成する検波器と、
    生成されたベースバンド信号をデジタル信号に変換して、前記受信シンボルとして前記搬送波再生装置に入力するアナログデジタル変換器と、
    を備える復調装置。
  8. 請求項7に記載の復調装置を少なくとも含み、
    アンテナが受信する電波から所定周波数帯域の電波を選択して中間周波数の信号に変換して、前記復調装置に入力する受信回路と、
    前記復調装置が入力した復調データをデコードして受信データを生成する受信データデコード手段と、
    備える通信装置。
  9. 受信シンボルの系列と参照シンボルの系列との位相差分値からなる系列φ(1),φ(2),…,φ(M)(Mは正整数)を生成し、
    前記位相差分値の系列に基づいて、系列中に含まれる位相雑音によって生じる第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M),θ+(M+1)を順次算出し、
    θ+(M+1)を初期値として、前記位相差分値の系列φ(M),φ(M-1),…,φ(1)に基づいて第2位相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を順次算出し、
    前記第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と、前記2位相誤差推定値θ-(1),θ-(2),…,θ-(M)と、前記位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)との線形演算によって、第3位相誤差推定値θ±(1),θ±(2),…,θ±(M)を算出し、
    前記各算出の処理によって、正整数kについて、位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)に含まれる前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値と、前記第3位相誤差推定値とを順次算出し、
    前記第3位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を前記位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)から減算することにより、位相誤差の補償を行う、
    位相誤差補償方法。
  10. 受信シンボルの系列と参照シンボルの系列との位相差分値からなる系列φ(1),φ(2),…,φ(M)(Mは正整数)を生成し、
    前記位相差分値の系列に基づいて系列中に含まれる位相雑音によって生じる第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M),θ+(M+1)を順次算出し、
    θ+(M+1)を初期値として、前記位相差分値の系列φ(M),φ(M-1),…,φ(1)に基づいて第2位相誤差推定値θ-(M),θ-(M-1),…,θ-(1)を順次算出し、
    前記第1位相誤差推定値θ+(1),θ+(2),…,θ+(M)と、前記2位相誤差推定値θ-(1),θ-(2),…,θ-(M)と、前記位相差分値φ(1),φ(2),…,φ(M)との線形演算によって、第3位相誤差推定値θ±(1),θ±(2),…,θ±(M)を算出し、
    前記各算出の処理によって、正整数kについて、位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)に含まれる前記第1位相誤差推定値と、前記第2位相誤差推定値と、前記第3位相誤差推定値とを順次算出し、
    前記第3位相誤差推定値θ±(kM+1),θ±(kM+2),…,θ±((k+1)M)を前記位相差分値φ(kM+1),φ(kM+2),…,φ((k+1)M)から減算することにより、位相誤差の補償を行う、
    処理をコンピュータに実行させる位相誤差補償プログラムが記憶された記憶媒体。
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