JPWO2015019928A1 - ビナフチルジアミン誘導体の合成方法 - Google Patents

ビナフチルジアミン誘導体の合成方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、より安全にかつ効率よく製造できる条件で、各種不斉合成に使用する触媒の合成原料として有用な光学活性ビナフチルジアミン誘導体を製造することができる、新規な合成方法に関し、光学活性ビナフチルジカルボン酸誘導体(化合物[VII])から熱転位により、光学活性ビナフチルジアミン誘導体(化合物[V])を製造する方法(式中、各記号は本明細書中で定義した通り)を提供する。

Description

本発明は、光学活性ビナフチルジアミン誘導体の新規合成法に関する。
光学活性ビナフチルジアミン誘導体(S−BNA)は、各種の不斉合成に使用する触媒の合成原料として有用である。
光学活性ビナフチルジアミン誘導体(S−BNA)の合成法としては、これまで、ラセミ体のビナフチルジアミン誘導体((±)−BNA)を得た後、光学分割する方法(非特許文献1)や光学活性ビナフチルジカルボン酸(S−BNC)(特許文献1)からCurtius転位で得る方法(非特許文献2)が知られている。
国際公開第99/46257号
Brown,K.J.;Berry,M.S.;Murdoch,J.R.、J.Org.Chem.、1985年、50巻、4345−4349頁 Mislow,K.;Grasemann,P.A.、J.Org.Chem.、1958年、23巻、2027−2028頁
非特許文献1に記載の合成方法は、ラセミ体のビナフチルジアミンの合成にヒドラジンなど危険な試薬や光学分割が必要になるという問題点がある。また、非特許文献2に記載の合成方法は爆発性がある危険なアシルアジド誘導体を経るうえ、低収率であるという問題点がある。
本発明は、より安全にかつ効率よく製造できる条件で、各種不斉合成に使用する触媒の合成原料として有用な光学活性ビナフチルジアミン誘導体(S−BNA)を製造することができる、新規な合成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、光学活性ビナフチルジカルボン酸アミド誘導体(例えば、後述のS−BNCL)から熱転位によって、光学活性ビナフチルジアミン誘導体(例えば、後述のS−BNA)を製造する新規な製法を見出し、本発明を完成させた。さらに、S−BNAから不斉合成用の触媒の一つであるジイミン誘導体(S−BNI)をも得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は;
[1]一般式[VII]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩(以下、化合物[VII]ともいう)を熱転位させることを特徴とする、
一般式[V]:
[式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩(以下、化合物[V]ともいう)を製造する方法。
[2]一般式[VII]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩を熱転位させた後、
一般式[III]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。]
で示される化合物またはその塩(以下、化合物[III]ともいう)と反応させることにより、
一般式[IV]:
[式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩を製造し、
さらに、前記一般式[IV]で示される化合物またはその塩(以下、化合物[IV]ともいう)を脱保護することを特徴とする、
一般式[V]:
[式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩を製造する方法。
[3]一般式[II]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩(以下、化合物[II]ともいう)と、ハロゲン化剤とを反応させることを特徴とする、
一般式[VII]:
[式中、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表し、その他の各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩を製造する方法。
[4]一般式[I]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩(以下、化合物[I]ともいう)と、カルボン酸活性化剤とを反応させることにより、酸ハライドまたは活性エステルへと変換した後、アンモニアと反応させることを特徴とする、一般式[II]:
[式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩を製造する方法。
[5]上記[1]、[3]および[4]に記載の方法を有することを特徴とする、
一般式[V]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩を製造する方法。
[6]上記[2]〜[4]に記載の方法を有することを特徴とする、
一般式[V]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩を製造する方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の方法を有することを特徴とする、
一般式[VI]:
[式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
で示される化合物またはその塩(以下、化合物[VI]ともいう)を製造する方法。
本発明によれば、上記従来法と比較して、危険な試薬を用いることなく、より安全に、かつ、より効率よく、光学活性ビナフチルジアミン誘導体(例えば、後述のS−BNA)を製造することができる。さらに、本発明の方法では、光学分割工程を要しないため、より低コストで、光学活性ビナフチルジアミン誘導体(例えば、後述のS−BNA)を製造することができる。
(発明の詳細な説明)
本発明において用いられる記号及び用語の定義について、以下に詳述する。
本明細書中、「S−BNC」とは、「(S)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジカルボン酸」を意味する。「S−BNC」は、化合物[I]の一例である。
本明細書中、「S−BNAD」とは、「(S)−2,2’−ビス(アミノカルボニル)−1,1’−ビナフタレン」を意味する。「S−BNAD」は、化合物[II]の一例である。
本明細書中、「S−BNMA」とは、「(S)2,2’−ビス(メトキシカルボニルアミノ)−1,1’−ビナフタレン」を意味する。「S−BNMA」は、化合物[IV]の一例である。
本明細書中、「S−BNA」とは、「(S)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジアミン」を意味する。「S−BNA」は、化合物[V]の一例である。
本明細書中、「S−BNI」とは、「(S)−2,2’−ビス[(2,3−ジヒドロキシ)ベンジリデンアミノ]−1,1’−ビナフタレン」を意味する。「S−BNI」は、化合物[VI]の一例である。
本明細書中、「S−BNCL」とは、「(S)−2,2’−ビス(クロロアミノカルボニル)−1,1’−ビナフタレン」を意味する。「S−BNCL」は、化合物[VII]の一例である。
本明細書中、「S−BNBR」とは、「(S)−2,2’−ビス(ブロモアミノカルボニル)−1,1’−ビナフタレン」を意味する。「S−BNBR」は、化合物[VII]の一例である。
本明細書中の「ハロゲン原子」としては、特に断りのない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
本明細書中の「アルキル基」としては、特に断りのない限り、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
本明細書中の「アルケニル基」としては、特に断りのない限り、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基が挙げられ、例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、2−ブテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、5−へキセン−1−イル、1,5−ジメチル−4−ヘキセン−1−イル、ヘプテン−1−イル、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−イル、ノネン−1−イル、デセン−1−イルなどが挙げられる。
本明細書中の「アラルキル基」としては、特に断りのない限り、炭素数7〜14のアラルキル基が挙げられ、例えば、ベンジル、フェネチル、1−メチル−2−フェニルエチル、ジフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、2−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルメチル、4−ビフェニリルメチルなどが挙げられる。
本明細書中の「アリール基」としては、特に断りのない限り、炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−アンスリルなどが挙げられる。該アリール基は、下記「C3−8シクロアルカン」または「C3−8シクロアルケン」と縮合していてもよく、例えば、テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。
本明細書中の「C3−8シクロアルカン」とは、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられる。
本明細書中、「C3−8シクロアルケン」とは、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
本明細書中の「置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基」または「置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基」としては、例えば、
(1)ハロゲン原子;
(2)ヒドロキシ;
(3)アミノ;
(4)ニトロ;
(5)シアノ;
(6)ハロゲン原子、ヒドロキシ化、アミノ化、ニトロ化、シアノ化またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基;
(7)モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ;
(8)モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ;
(9)モノ−又はジ−C7−14アラルキル−アミノ;
(10)N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−アミノ;
(11)N−C1−6アルキル−N−C7−14アラルキル−アミノ;
(12)C3−8シクロアルキル;
(13)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ;
(14)C1−6アルキルスルファニル;
(15)C1−6アルキルスルフィニル;
(16)C1−6アルキルスルホニル;
(17)エステル化されていてもよいカルボキシル;
(18)C1−6アルキル−カルボニル;
(19)C3−8シクロアルキル−カルボニル;
(20)C6−14アリール−カルボニル;
(21)カルバモイル;
(22)チオカルバモイル;
(23)モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル;
(24)モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル;
(25)N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−カルバモイル;
(26)モノ−又はジ−5ないし7員複素環−カルバモイル;
(27)カルボキシルで置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ;
(28)ハロゲン原子、ヒドロキシ化、アミノ化、ニトロ化、シアノ化またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリールオキシ;
(29)ハロゲン原子、ヒドロキシ化、アミノ化、ニトロ化、シアノ化またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール;
(30)複素環−オキシ;
(31)スルファモイル;
(32)モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル;
(33)モノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイル;
(34)ハロゲン原子、ヒドロキシ化、アミノ化、ニトロ化、シアノ化またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC7−14アラルキルオキシ;
(35)C1−6アルキル−カルボニルオキシ;
(36)C1−6アルコキシ−カルボニル;
(37)トリC1−6アルキルシリルオキシ;
などから選ばれる1ないし5個の置換基をそれぞれ置換可能な位置に有していてもよい、「アルキル基」、「アルケニル基」、「アラルキル基」、「アリール基」が挙げられる。置換基が複数存在する場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
次に本発明の製造方法について説明する。
[製造方法1]
[式中、各記号は前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
化合物[II](例えば、S−BNAD)は、(工程a)化合物[I](例えば、S−BNC)を、カルボン酸活性剤と反応させることにより、酸ハライドまたは活性エステルへと変換した後、(工程b)アンモニアと反応させることにより製造することができる。本反応は溶媒を用いて行うこともできる。
(工程a)
ビナフチルジカルボン酸誘導体である化合物[I]としては、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジカルボン酸、1,1’−ビナフチル−3,3’ジクロロ−2,2’−ジカルボン酸、1,1’−ビナフチル−3,3’ジブロモ−2,2’−ジカルボン酸などが挙げられる。
カルボン酸活性剤としては、ハロゲン化剤、活性エステル化剤等が挙げられる。
化合物[I]を酸ハライドへ変換する場合、該酸ハライドとしては、酸クロリド、酸ブロミド等が挙げられる。
ハロゲン化剤としては、塩化チオニル、塩化オキサリル、五塩化リン、三塩化リン、臭化チオニル、三臭化リン等が挙げられる。中でも、塩化チオニルが好ましい。
ハロゲン化剤の使用量は、化合物[I]に対して、2当量〜10当量、好ましくは2当量〜4当量である。
ハロゲン化の反応温度は、−10℃〜150℃、好ましくは、0℃〜100℃である。
ハロゲン化の反応時間は、通常0.01時間〜200時間、好ましくは0.5時間〜24時間である。
化合物[I]を活性エステルへ変換する場合、当該活性エステルとしては、低級アルコキシカルボニルオキシカルボニル誘導体、置換または無置換フェニルオキシカルボニルオキシカルボニル誘導体、低級アルキルスルホニルオキシカルボニル誘導体、置換または無置換フェニルスルホニルオキシカルボニル誘導体、低級アルキルホスホリルオキシカルボニル誘導体、置換または無置換フェニルホスホリルオキシカルボニル誘導体、イミダゾライド誘導体等が挙げられる。
活性エステル化剤としては、低級アルコキシカルボニルクロリド、置換または無置換フェニルオキシカルボニルクロリド、低級アルキルスルホニルクロリド、置換または無置換フェニルスルホニルクロリド、低級アルキルホスホリルクロリド、置換または無置換フェニルホスホリルクロリド、N,N−カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。
なお、上記「低級アルコキシ」または「低級アルキル」における「低級」とは、通常、炭素数1〜12、好ましくは、炭素数1〜8、特に好ましくは、炭素数1〜4を意味する。
活性エステル化剤の使用量は、化合物[I]に対して、2当量〜10当量、好ましくは2当量〜4当量である。
活性エステル化剤は、塩基の存在下で反応させても、塩基の非存在下で反応させてもよい。
塩基の存在下で反応させる場合、塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物[I]に対して、2当量〜10当量、好ましくは2当量〜4当量である。
活性エステル化の反応温度は、通常−30℃〜100℃、好ましくは−10℃〜30℃である。
活性エステル化の反応時間は、通常0.01時間〜200時間、好ましくは0.5時間〜24時間である。
溶媒としては、上記のハロゲン化の反応または活性エステル化の反応が進行する限り特に限定されないが、塩化メチレン、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、水などが挙げられる。中でも、塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒドロフランが好ましい。溶媒の使用量は、化合物[I]1mmolに対して、通常0.2mL〜20mL、好ましくは1mL〜3mLである。
(工程b)
使用するアンモニアとしては、濃アンモニア水溶液のほか、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロベンゼン等適当な溶媒に溶かしたアンモニアが挙げられる。アンモニアの濃度は、通常1重量%〜100重量%、好ましくは20重量%〜40重量%である。
アンモニアの使用量は、化合物[I]に対して、通常2当量〜1000当量、好ましくは2当量〜50当量である。
酸ハライドまたは活性エステルと、アンモニアの反応温度は、通常−30℃〜100℃、好ましくは−10℃〜40℃である。
酸ハライドまたは活性エステルと、アンモニアの反応時間は、通常0.01時間〜24時間、好ましくは0.1時間〜5時間である。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、アセトニトリルなどが挙げられる。中でも、トルエンが好ましい。溶媒の使用量は、化合物[I]1mmolに対して、通常0.1mL〜100mL、好ましくは1.0mL〜10mLである。
化合物[I]および[II]におけるnは、好ましくは0〜3であり、より好ましくは0である。
化合物[I]および[II]におけるRは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物[I]は、市販品を用いてもよく、公知の方法(例えば、国際公開第99/46257号)、またはそれに準じる方法で製造してもよい。化合物[I]は(R)体でも(S)体でも使用可能である。
[製造方法2]
[式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
化合物[VII](例えば、S−BNCL)は、化合物[II](例えば、S−BNAD)を、ハロゲン化剤と反応させることにより製造することができる(以下、化合物[VII]を「ハロゲン化誘導体」と称することがある)。本反応は溶媒を用いても行なうことができる。
ハロゲン化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜塩素酸メチル、N−クロロサクシンイミド(NCS)、N−ブロモサクシンイミド(NBS)、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)などが挙げられる。中でも、安価であることから、NBSまたはTCCAが好ましい。
ハロゲン化剤の使用量は、化合物[II]に対して、2当量〜10当量、好ましくは2当量〜4当量である。
ハロゲン化剤は、塩基の存在下で反応させても、塩基の非存在下で反応させてもよい。
塩基の存在下で反応させる場合、塩基としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等の無機塩基が挙げられる。中でも、高収率を与えることから、DBUが好ましい。
上述した塩基のうち、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DBU、DBN等の水酸基を有しない塩基を用いる場合、化合物[VII]から化合物[V]を製造する方法として、下記[製造方法3]が好ましい。また、塩基として水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物を用いる場合、化合物[VII]から化合物[V]を製造する方法として、下記[製造方法4]が好ましい。
塩基の使用量は、化合物[II]に対して、2当量〜10当量、好ましくは2当量〜8当量である。
反応温度は、通常−10℃〜200℃、好ましくは0℃〜80℃である。
反応時間は、通常0.001時間〜10時間、好ましくは、0.1時間〜5時間である。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、水、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、アセトニトリルなどが挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒が好ましく、安価であることからメタノールがより好ましい。溶媒の使用量は、化合物[II]1mmolに対して、通常0.1mL〜50mL、好ましくは1.0mL〜30mLである。
なお、得られる化合物[VII](ハロゲン化誘導体)を単離せずに、後述する熱転位反応(下記[製造方法3]または下記[製造方法4])を行なうことが好ましい。
化合物[II]および[VII]におけるnは、好ましくは0〜3であり、より好ましくは0である。
化合物[II]および[VII]におけるRは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物[VII]におけるXおよびXは、好ましくはBrまたはClであり、特に好ましくはClである。
[製造方法3]
[式中、各記号は前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
化合物[V](例えば、S−BNA)は、化合物[VII](例えば、S−BNCL)を熱転位させることにより製造することができる。
この熱転位は、Hofmann転位であることが好ましい。ハロゲン化誘導体である化合物[VII]をHofmann転位させることにより、ラセミ化が起こらず光学的に純粋な化合物[V](例えば、S−BNA)を得ることができるからである。
また、化合物[VII]が熱転位されると、中間体としてイソシアナートが生成する。
ハロゲン化誘導体である化合物[VII]の熱転位は、通常、加熱することにより行う。
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃である。
反応時間は、通常0.05時間〜24時間、好ましくは0.1時間〜5時間である。
本反応は、溶媒の存在下で行なう。溶媒としては、反応が進行する限り限定されないが、アルコール系溶媒、中でも、後述する化合物[III]を含む溶媒であることが好ましい。アルコール溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ベンジルアルコール、フェノール等が挙げられ、中でも、安価であることからメタノールが好ましい。また、溶媒としては、前記アルコール系溶媒に、酢酸エチル、THF、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、水、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、アセトニトリル等の溶媒を混合して用いることもできる。
ここで、化合物[VII]が熱転位したものの全部または一部がメタノール等のアルコールと反応することで、化合物[VII]のカルボキシル基が保護され、その後、脱保護が起こり、化合物[V]が生成される。
また、本反応は、アルカリ水溶液の存在下で行なってもよい。アルカリ水溶液としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液などが好ましく、中でも水酸化カリウム水溶液がより好ましい。
なお、化合物[VII]から化合物[V]を製造する方法として、後述の[製造方法4]も挙げられるが、生産効率という点では反応ステップ数が少ないため[製造方法3]の方が好ましい。
また、化合物[VII]から化合物[V]を製造する方法として、[製造方法3]を選択する場合は、[製造方法2]において、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DBU、DBN等の水酸基を有しない塩基を用いることが好ましい。[製造方法2]において、塩基としてアルカリ金属水酸化物を用いると、化合物[V]のほか化合物[IV]が生成する可能性があるためである。
化合物[V]および[VII]におけるnは、好ましくは0〜3であり、より好ましくは0である。
化合物[V]および[VII]におけるRは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物[VII]におけるXおよびXは、好ましくはBrまたはClであり、より好ましくはClである。
[製造方法4]
[式中、各記号は前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
化合物[V]は、(工程c)化合物[VII]を熱転位させた後、(工程d)化合物[III]と反応させることにより、化合物[IV]を製造し、さらに、(工程e)化合物[IV]を脱保護することにより製造することができる。本反応は、(工程c)〜(工程e)のいずれの工程においても、溶媒を用いて行なうこともできる。
(工程c)〜(工程e)における溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、アセトニトリルなどが挙げられる。化合物[III]を溶媒として用いてもよい。溶媒の使用量は、いずれの工程においても化合物[VII]1mmolに対して、通常0.01mL〜100mL、好ましくは0.1mL〜10mLである。
なお、化合物[VII]から化合物[V]を製造する方法として、[製造方法4]を選択する場合は、[製造方法2]において、塩基として水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物を用いることが好ましい。アルカリ金属水酸化物を用いると、(工程e)において化合物[IV]の副生を抑制することができるからである。
(工程c)
熱転位は、Hofmann転位であることが好ましい。Hofmann転位させることにより、ラセミ化が起こらず、最終的に((工程e)において)光学的に純粋な化合物[V](例えば、S−BNA)を得ることができる。
ハロゲン化誘導体である化合物[VII]の熱転位は、通常、加熱することにより行ない、加熱によりイソシアナートが生成する。
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃である。
反応時間は、通常0.05時間〜24時間、好ましくは0.1時間〜5時間である。
(工程d)
熱転位で得られた生成物(イソシアナート)と化合物[III]との反応は、化合物[III]を最初から仕込んでおけば、通常、上記の熱転位の反応条件下において進行する。
化合物[III]としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ベンジルアルコール、フェノール等が挙げられる。中でも、安価であることからメタノールが好ましい。化合物[III]は、上記の熱転位で得られた生成物(イソシアナート)に付加して保護基(−CO)となり、化合物[IV]が生成する。
上記の熱転位の反応と別に行なう場合、反応温度は、通常−10℃〜200℃、好ましくは0℃〜80℃である。反応時間は、通常0.001時間〜10時間、好ましくは、0.1時間〜5時間である。
(工程e)
化合物[IV]の保護基である−COを脱離させる方法として、例えば、加水分解が挙げられる。
加水分解は、アルカリまたは酸の存在下で行うことができる。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。中でも、安価であることから、水酸化カリウムが好ましい。
アルカリの量は、化合物[IV]に対して、2当量〜10当量、好ましくは2当量〜8当量である。
酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。
酸の量は、化合物[IV]に対して、2当量〜2000当量、好ましくは2当量〜300当量である。
反応温度は、通常−10℃〜300℃、好ましくは20℃〜150℃である。
反応時間は、通常0.01時間〜100時間、好ましくは0.3時間〜24時間である。
化合物[IV]、[V]および[VII]におけるnは、好ましくは0〜3であり、より好ましくは0である。
化合物[IV]、[V]および[VII]におけるRは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物[III]および[IV]におけるRは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物[VII]におけるXおよびXは、好ましくはBrまたはClであり、より好ましくはClである。
[製造方法5]
[式中、各置換基は前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
上述の製造方法1〜3のいずれかに記載の工程を経て得られた化合物[V](例えば、S−BNA)から、特開2010−95486号公報に記載の方法により、不斉合成用の触媒の一つである化合物[VI](例えば、S−BNI)を得ることができる。
化合物[V]および[VI]におけるnは、好ましくは0〜3であり、より好ましくは0である。
化合物[V]および[VI]におけるRは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
上述の各製造方法で得られた化合物は反応液のまま、または粗生成物として得た後に次の製造方法に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
反応式中の化合物[I]〜[VII]の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
化合物[I]〜[VII]またはそれらの塩は、溶媒和物を含む。溶媒和物としては、例えば、水和物、アルコール和物(例、メタノール和物、エタノール和物)が挙げられる。
本発明のビナフチルジアミン誘導体の好ましい製造方法としては、以下の合成ルートが挙げられる。以下の合成ルートにおいて、化合物[IV]は単離しても単離しなくてもよく、化合物[IV]を単離しない方法が上述の[製造方法3]に、化合物[IV]を単離する方法が上述の[製造方法4]に相当する。
[式中の各記号は前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
本発明のビナフチルジアミン誘導体のより好ましい製造方法としては、以下の合成ルートAまたはBが挙げられる。
合成ルートA:
合成ルートB:
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、濃度及び含量における「%」は、特段の記載が無い限り、「重量%」を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。溶出溶媒における「%」は、特に断らない限り、「容量%」を示す。
また、純度(%)、光学純度(%ee)、およびジアステレオマー過剰率(%de)は、いずれも、次の条件での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。
カラム:DAICEL CHIRALCEL OD(直径4.6mm、長さ250mm)
移動相:n−ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸=90/10/0.1
流速:1.0ml/分
検出波長:UV−254nm
温度:35℃
合成例1
(1)ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸(685mg、2mmol)および(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(509mg、4mmol)をメタノール(10.5mL)に加熱溶解し、反応液に水(7mL)を加え、撹拌しながら放冷した。8℃まで冷却後、更に2日間同温で撹拌して、結晶を析出させた。析出晶を濾取し、少量の50%メタノールで洗浄後、60℃で送風乾燥することにより、(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸・ジ(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(449mg、37.6%)を得た。
得られた化合物について分析を行なった結果を以下に示す。
融点(以下、「m.p.」):169℃〜172℃
[α]D 25:+130.1°(c=1.0、メタノール)
ジアステレオマー過剰率(HPLC):99.1%de
IR(cm-1) νmax:2925,1580,1550,1390
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):0.8−1.3(m,12H),0.99(d,6H),1.5−1.8(m,10H),2.75(m,2H),6.71(d,2H),7.23(t,2H),7.46(t,2H),7.65(d,2H),8.02(t,4H).
(2)(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸・ジ(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(298mg,0.5mmol)を酢酸エチル(5ml)に懸濁し、0.5N塩酸(5mL)を加えて、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を水洗後、濃縮し、さらに残渣を80℃で乾燥することにより、(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸(171mg、定量的)を得た。
得られた化合物について分析を行なった結果を以下に示す。
[α]D 25:+39.5°(c=1.0、メタノール)
光学純度(HPLC):99.1%ee
IR(cm-1)νmax:3065,1695,1250
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):6.88(d,2H),7.28(t,2H),7.55(t,2H),8.05(d,2H),8.09(s,4H).
合成例2〜3
合成例1の(1)、(2)の方法に準じ、表1に示す条件で、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸を、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミンを用いて光学分割した。
得られたそれぞれのジアステレオマー塩について、上記HPLC条件でジアステレオマー過剰率を分析した結果も表1に示す。
a) 1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸1モルに対し、2モル使用した。
b) 1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸1g当たりの溶媒量を示す。
c) HPLCによる分析結果を示す。
実施例1
S−BNADの合成(化合物[I]⇒化合物[II])
合成例3で得られた(S)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸(S−BNC)(1.0g,2.92mmol)および塩化チオニル(5.0mL,8.4g,7mmol)の混合物を、1.5時間加熱還流を行なった。その後、塩化チオニルを減圧留去した。得られた残渣にトルエン(5.0mL)を加えて、0℃〜5℃で、28重量%アンモニア水溶液(5.0mL、11当量)を10分間かけて加えた。アンモニア水溶液の滴下終了後、得られた反応液を25℃まで昇温し、25℃で、0.5時間攪拌した。その後、得られた反応液を5℃〜10℃になるまで冷却し、10%塩酸(18.0mL)を加えてpH7以下になるまで中和した。得られた生成物を、10%イソプロピルアルコールを含むクロロホルム(1回あたり50mL)で3回、抽出した。有機層を合わせて、そこに無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させた後、減圧濃縮して、得られた固体を減圧乾燥することにより、S−BNADを得た。
得られたS−BNADについて分析を行なった結果を、以下に示す。
収量:0.83g(収率:83.0%,純度(HPLC):95.68%)
m.p.:248.5℃
IR(KBr)(cm-1)νmax:3430,3157,1667,1644,1599,1466,1394,832,760,716
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):8.40(s,2H),8.12(d,J=8.0Hz,2H),8.03(d,J=8.4Hz,2H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.53−7.50(m,2H),7.31−7.28(m,4H),7.02(d,J=8.4Hz,2H);
13C−NMR δ(DMSO−d、ppm):171.1,135.0,133.0,132.0,131.3,127.7,127.5,126.3,126.2,125.6,123.8
Mass(M+H):341amu.
実施例2
S−BNMAの合成(化合物[II](⇒化合物[VII])⇒化合物[IV])
実施例1と同様の方法で製造したS−BNAD(2.0g,5.9mmol)、N−ブロモサクシンイミド(NBS)(2.0g,11.2mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−7−エン(DBU)(5.6mL,36.1mmol)およびメタノール(100mL)の混合物を、66℃で15分間攪拌した後、66℃に保持したままNBS(1.0g,0.96mmol)を加えて0.5時間攪拌した。温度を40℃まで冷却しメタノールを減圧留去した。得られた残渣に酢酸エチル(20.0mL)を加えた後、順次、5.0%塩酸(20.0mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20.0mL)で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラム(溶出液:10〜13%の酢酸エチルを含有するヘキサン)で精製することによりS−BNMAを得た。
なお、本実施例における反応中、S−BNADがNBSによりハロゲン化され、中間体としてS−BNBRが生成していたものと考えられる。
得られたS−BNMAについて分析を行なった結果を、以下に示す。
収量:1.9g(収率:80.9%,純度(HPLC):94.76%)
m.p.:135℃
IR(KBr)(cm-1)νmax:3406,3288,1738,1599,1503,1219,1084,820,784
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):δ=8.17(s,2Hexchangeable),8.09(d,J=8.8Hz,2H),8.00(d,J=8.0Hz,2H),7.87(d,J=8.8Hz,2H),7.45(t,J=7.2Hz,2H),7.26(t,J=7.6Hz,2H),6.84(d,J=8.4Hz,2H),3.45(s,3H),3.34(s,3H);
13C−NMR δ(DMSO−d、ppm):154.8,135.0,132.2,131.1,129.0,128.1,126.7,125.4,124.8,123.959.7,51.8
Mass(M+H):401amu.
実施例3
S−BNAの合成(化合物[IV]⇒化合物[V])
実施例2で得られたS−BNMA(0.5g,1.25mmol)、メタノール(6.0mL)および50%水酸化カリウム水溶液(5.0mL)の混合物を、3時間加熱還流した。その後、40℃まで冷却し、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣に、酢酸エチル(15.0mL)および水(15.0mL)を加えて分液し、水層を酢酸エチル(5.0mL)で抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水(10.0mL)で洗浄後、有機層を減圧濃縮することによりS−BNAを得た。
得られたS−BNAについて分析を行なった結果を以下に示す。
収量:0.305g(収率:85.9%,純度(HPLC):95.62%)
m.p.:242℃
IR(KBr)(cm-1)νmax:3476,3383,1615,1505,1382,814,761
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):7.76(d,J=8.4Hz,4H),7.22(d,J=8.8Hz,2H),7.12-7.10(m,4H),6.78(d,J=7.6Hz,2H),4.64(s,4H,exchangeable);
13C−NMR δ(DMSO−d、ppm):144.1,133.6,128.6,128.0,127.3,126.1,123.2,121.1,118.6,110.5
Mass(M+H):285amu.
実施例4
S−BNIの合成(化合物[V]⇒化合物[VI])
実施例3で得られたS−BNA(0.2g,0.703mmol)、2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド(0.21g,1.55mmol)およびエタノール(4.0mL)の混合物を、16時間加熱還流した。得られた反応液を、0℃〜5℃で15分間攪拌した。得られた固体を濾過した後、冷却したエタノール(2.0mL)で洗浄後、減圧乾燥することによりS−BNIを得た。
得られたS−BNIについて分析を行なった結果を以下に示す。
収量:0.27g(収率:73.6%,純度(HPLC):90.12%).
m.p.:209.2℃
IR(KBr)(cm-1)νmax:3427,3055,1610,1460,1270,1206,817,748
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):12.2(s,2H,exchangeable),8.98(s,2H,exchangeable),8.96(s,2H),8.23(d,J=8.8Hz,2H),8.08(d,J=8.4Hz,2H),7.96(d,J=8.8Hz,2H),7.49(t,J=7.2Hz,2H),7.31(t,J=8.0Hz,2H),7.00(d,J=8.4Hz,2H),6.94(d,J=7.2Hz,2H),6.78(d,J=7.2Hz,2H),6.66(t,J=7.6Hz,2H);
13C−NMR δ(DMSO−d、ppm):163.7,148.9,145.3,143.5,132.7,132.1,130.0,128.9,128.4,127.0,125.8,125.6,123.0,119.3,119.0,118.6,117.7
Mass(M+H):525amu.
実施例5
S−BNCLの合成(化合物[II]⇒化合物[VII])
実施例1で得られたS−BNAD(0.1g,0.29mmol)のメタノール溶液(2.0mL)を、0℃〜5℃まで冷却し、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)(0.055g)を15分間かけて添加した。さらに、得られた反応液を同温度で2時間攪拌した。反応終了後、反応液をセライト濾過し、セライト部分を塩化メチレン(2.0mL)で洗浄した。濾過液と洗浄液とを合わせて減圧濃縮することによりN−クロロ体であるS−BNCLを得た。得られたS−BNCLは、さらに精製することなく実施例6に用いた。
得られたS−BNCLについて分析を行なった結果を以下に示す。
収量:0.105g(収率:87.5%)
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):11.16(s,1H),11.00(s,1H),8.19(d,J=8.4Hz,2H),8.08(d,J=8.0Hz,2H),7.76(d,J=8.0Hz,2H),7.58(t,J=7.2Hz,2H),7.34(t,J=7.6Hz,2H),6.90(d,J=8.0Hz,2H)
Mass(M):409amu.
実施例6
S−BNAの合成(化合物[VII]⇒化合物[V])
実施例5で得られたS−BNCL(0.075g,0.183mmol)と、メタノール(2.0mL)と、50%水酸化カリウム水溶液(0.5mL)とを混合し、2時間、加熱還流した。反応終了後、得られた反応液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル(5.0mL)と食塩水(5.0mL)を加えて分液した。水層を酢酸エチル(2.0mL)で抽出し、有機層を合わせて減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出液は、酢酸エチル/n−ヘキサンの系で酢酸エチルの比率を12%から14%へ変化させた。)で精製することによりS−BNAを得た。
得られたS−BNAについて分析を行なった結果を以下に示す。
収量:0.04g(収率:76.9%,純度(HPLC):96.0%,光学純度(HPLC):99.96%ee)
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):7.76(d,J=8.4Hz,4H),7.22(d,J=8.8Hz,2H),7.12−7.10(m,4H),6.78(d,J=7.6Hz,2H),4.64(s,4H).
比較例1
従来合成法(Curtius転位)を用いたS−BNAの合成例
合成例3で得られたS−BNC(1.0g,2.92mmol)及び塩化チオニル(10.0mL)を25℃で混合し、2時間加熱還流した。反応終了後、塩化チオニルを減圧留去した。残渣をアセトン(20.0mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(1.2g,17.5mmol)の水溶液(3.0mL)を、25℃において加え15分間攪拌した。反応液を0〜5℃まで冷却し、水(30.0mL)を加え、トルエン(1回あたり20mL)で2回抽出した。有機層に無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥後、濾過した。濾液を1時間加熱還流した。この反応液に50%水酸化カリウム水溶液(40.0mL)を加えて一時間加熱還流した。反応液を25℃に冷却後、5mol/L塩酸(70.0mL)を加えて2.5時間加熱還流した。25℃に冷却した後、水層に50%水酸化カリウム水溶液を加えてpH10〜12に調整し、クロロホルム(1回あたり50mL)で3回抽出した。有機層を合わせて減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出液:30%の酢酸エチルを含有するヘキサン)で精製することによりS−BNAを得た。
得られたS−BNAについて分析した結果を以下に示す。
収量:0.15g(収率:18.0%,純度(HPLC):98.94%,光学純度(HPLC):99.80%ee)
m.p.:233.5℃
IR(KBr)(cm-1)νmax:3476,3383,1615,1505,1382,814,761
H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):7.76(d,J=8.4Hz,4H),7.22(d,J=8.8Hz,2H),7.12-7.10(m,4H),6.78(d,J=7.6Hz,2H),4.64(s,4H,exchangeable);
13C−NMR δ(DMSO−d、ppm):144.1,133.6,128.6,128.0,127.3,126.1,123.2,121.1,118.6,110.4
Mass(M+H):285amu.
本出願は、特願2013−162563(出願日:2013年8月5日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (7)

  1. 一般式[VII]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を熱転位させることを特徴とする、
    一般式[V]:

    [式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造する方法。
  2. 一般式[VII]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を熱転位させた後、
    一般式[III]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。]
    で示される化合物またはその塩と反応させることにより、
    一般式[IV]:

    [式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造し、
    さらに、前記一般式[IV]で示される化合物またはその塩を脱保護することを特徴とする、
    一般式[V]:

    [式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造する方法。
  3. 一般式[II]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩と、ハロゲン化剤とを反応させることを特徴とする、
    一般式[VII]:

    [式中、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表し、その他の各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造する方法。
  4. 一般式[I]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩と、カルボン酸活性化剤とを反応させることにより、酸ハライドまたは活性エステルへと変換した後、アンモニアと反応させることを特徴とする、一般式[II]:

    [式中、各記号は、前記と同義である。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造する方法。
  5. 請求項1、3および4に記載の方法を有することを特徴とする、
    一般式[V]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造する方法。
  6. 請求項2〜4に記載の方法を有することを特徴とする、
    一般式[V]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造する方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法を有することを特徴とする、
    一般式[VI]:

    [式中、Rは、それぞれ、置換されていてもよい、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、nは、それぞれ0ないし6の整数を表す。また、式中、1,1’位の回転異性に基づく軸不斉を有する。]
    で示される化合物またはその塩を製造する方法。
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