JPWO2014181515A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

有機エレクトロルミネッセンス素子は、光取り出し側に配置される第1基板1と、第1基板1と対向する第2基板2と、第1基板1と第2基板2との間に配置された有機発光積層体3と、を備える。第1基板1は、有機発光積層体3側の表面に、第1基板1の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質がドープされたドープ領域1aを有する。

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、一対の基板の間に、陽極、ホール輸送層、発光層、電子注入層、及び、陰極などを積層して形成した有機発光積層体が設けられた構造のものが一般的に知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、発光層で発した光が光透過性を有する基板を通して外部に取り出される。
有機EL素子においては、発光層で発した光をより多く外部に取り出すことが重要である。有機EL素子では、通常、屈折率差により全反射が生じるなどして、発光層から外部に向かう光が内部に閉じ込められ、外部への光の放出量が低減する。供給した電力量に対して取り出される光の量は、光取り出し効率として定義される。そのため光取り出し効率を上げる構造が望まれている。
光取り出し効率を向上するための試みがこれまでなされている。その一つとして、光取り出し側に配置される基板の表面形状を平坦な面から変更する方法が開発されている。例えば、日本国特開2004−164912号では、発光層の設けられていない位置に凹部を有する構造を光取り出し側に設ける技術が開示されている。しかしながら、この文献の方法では、発光層と凹凸構造とが重複した領域に形成されていないため、発光面積の広い有機EL素子の光取り出し効率を効果的に高めることは難しい。
本発明は、光取り出し効率を効果的に向上させる有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。有機エレクトロルミネッセンス素子は、光取り出し側に配置される第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置された有機発光積層体と、を備える。前記第1基板は、前記有機発光積層体側の表面に、前記第1基板の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質がドープされたドープ領域を有する。
本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記第1基板の表面に、前記第1基板の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質を注入する注入工程と、注入された前記ドープ物質を拡散させる拡散工程と、を有する。
本発明によれば、光取り出し側に配置される第1基板にドープ領域が設けられることにより、光取り出し効率を効果的に向上することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 図8は図8A及び図8Bから構成される。図8Aは第1基板の一例を示す断面図である。図8Bは第1基板の一例を示す断面図である。 第1基板の一例を示す断面図である。 第1基板の一例を示す断面図である。 面状の濃度分布のパターンの一例を示す断面図である。 図12は図12A及び図12Bから構成される。図12は面状の濃度分布のパターンの一例を示す断面図である。図12Aは四角格子の一例である。図12Bは六角格子の一例である。 図13は図13A〜図13Dから構成される。図13は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の一例を示す断面図である。図13Aは第1基板の加工前の様子を示している。図13Bは粗化された第1基板の様子を示している。図13Cは、ドープ物質が注入された第1基板の様子を示している。図13Dは、表面が溶融された第1基板の様子を示している。 図14は図14A〜図14Fから構成される。図14は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の一例を示す断面図である。図14Aは第1基板の加工前の様子を示している。図14Bは粗化された第1基板の様子を示している。図14Cは、ドープ物質が注入された第1基板の様子を示している。図14Dは、表面が溶融された第1基板の様子を示している。図14Eは、第1基板に樹脂層が形成された様子を示している。図14Fは、樹脂層に有機発光積層体が形成された様子を示している。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は本明細書で開示される。有機EL素子は、光取り出し側に配置される第1基板1と、第1基板1と対向する第2基板2と、第1基板1と第2基板2との間に配置された有機発光積層体3と、を備える。第1基板1は、有機発光積層体3側の表面に、第1基板1の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質がドープされたドープ領域1aを有する。この有機EL素子によれば、光取り出し側に配置される第1基板1にドープ領域1aが設けられることにより、発光層で発した光の全反射を抑制することができるため、光取り出し効率を簡単に効果的に向上することができる。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の一例を示す。有機EL素子は、第1基板1と第2基板2と有機発光積層体3と、を備えている。
第1基板1は、光取り出し側に配置される基板である。第1基板1は光透過性を有する。第2基板2は、第1基板1に対向する基板である。基板の対向とは、基板の表面が向かい合っている状態であってよい。第1基板1及び第2基板2のうちの一方は支持基板9となり、第1基板1及び第2基板2のうちの他方は封止基板8となる。図1では、第1基板1が封止基板8を構成し、第2基板2が支持基板9を構成している。
支持基板9は、有機発光積層体3を支持する基板である。有機発光積層体3は、通常、複数の層が基板上に積層されて形成される。支持基板9は、有機発光積層体3を積層形成するための形成基板としての機能を有する。有機発光積層体3は、支持基板9の表面に形成される。
封止基板8は、支持基板9上に形成された有機発光積層体3を封止する基板である。有機発光積層体3は、有機物を含んでおり劣化しやすいため、劣化を抑制することを目的として、水分や空気から有機発光積層体3を保護する構造が求められる。また、有機発光積層体3は、薄膜が積層した構造であり、物理的衝撃に弱いため、外部の物理的な衝撃から保護する構造が求められる。そのため、封止基板8により有機発光積層体3を封止して保護するようにしている。
支持基板9及び封止基板8は、平板状の基板であってよい。それにより、面状の有機EL素子を得ることができる。有機EL素子が面状となると、面状照明体として有用である。
図1の有機EL素子は、光取り出し側の基板である第1基板1が封止基板8を構成している。そのため、いわゆるトップエミッション構造の素子となる。図1及び以降の図では、光の出射する方向を白抜き矢印で示している。
このように、好ましい一態様では、第2基板2は有機発光積層体3の支持基板9を構成し、第1基板1は有機発光積層体3を封止する封止基板8を構成し、有機EL素子はトップエミッション構造である。それにより、光取り出し効率の高いトップエミッション構造の素子を得ることができる。
封止基板8には封止側壁8aが設けられていてよい。封止側壁8aは、封止基板8の外周部において、支持基板9側に突出して設けられる。封止側壁8aにより、有機発光積層体3の厚み分を確保するスペーサを形成することができるとともに、側部からの水分や空気の侵入を抑制することができ、有機発光積層体3の保護性を高めることができる。封止側壁8aの形成により、封止基板8の中央には有機発光積層体3を収容する収容凹部8bが設けられる。支持基板9と封止基板8とは、通常、封止側壁8aの位置に設けられた接着層により接着される。
封止基板8としては、封止側壁8aがない表面が平坦面となった封止基板8を用いることもできる。その場合、接着層の厚みを有機発光積層体3の厚み以上にすれば、接着層をスペーサとして機能させることができ、封止を行うこことができる。表面が平坦面となった封止基板8を用いる場合、封止側壁8a及び収容凹部8bを形成することを要さなくなり、平坦面の基板材料をそのまま封止に用いることができるので、有機EL素子をより簡単に製造することができる。
第2基板2は、光取り出し側とは反対側の基板であり、光透過性を有していてもよいし、あるいは光透過性を有していなくてもよい。ただし、両面取り出し構造の場合には、第2基板2は、光透過性を有することが好ましい。また、製造の容易性、外観等の観点から、第2基板2を透明にすることも好ましい。
第1基板1及び第2基板2は、適宜の材料で構成することができる。第1基板1は好ましくはガラス基板で構成される。それにより、光を効率よく外部に取り出すことができる。また、封止基板8がガラス基板で構成されると、封止性を高めることができる。第2基板2は好ましくはガラス基板で構成される。それにより、容易に素子を製造することができる。また、支持基板9がガラス基板で構成されると、容易に有機発光積層体3を積層形成することができるとともに、封止性を高めることができる。
有機発光積層体3は、第1電極5と、第2電極7と、第1電極5と第2電極7との間に配置された有機発光層6とを備える。第1電極5は、第1基板1側に配置される電極である。第2電極7は、第2基板2側に配置される電極である。有機発光積層体3は、支持基板9側から積層形成することができる。図1では、有機発光積層体3は、第2電極7、有機発光層6及び第1電極5の積層体で構成されている。
第1電極5及び第2電極7は、一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。図1では、第2電極7が陽極を構成し、第1電極5が陰極を構成する構造にすることができる。あるいは、第2電極7が陰極を構成し、第1電極5が陽極を構成する構造にすることもできる。
第1基板1側に配置される電極である第1電極5は、光透過性を有する電極であることが好ましい。それにより、外部に光を取り出すことが可能になる。光透過性は透明及び半透明を含む。
第2基板2側に配置される電極である第2電極7は、光反射性を有する電極であってよい。それにより、光取り出し側とは反対側に進む光を反射させて光取り出し側に進むように光の方向を変更させることができ、光取り出し効率を容易に高めることができる。もちろん、第2基板2側に配置される電極は、光透過性を有する電極であってもよい。その場合、両面取り出し構造の素子を形成することが可能になる。また、第2基板2側に配置される電極を光透過性の電極で構成し、この電極と第2基板2との間に反射膜を設けるようにすれば、光取り出し性を高める構造を形成することができる。
第1電極5及び第2電極7は、適宜の電極材料で形成することができる。光取り出し側の第1電極5は、例えば、金属薄膜、金属酸化物膜などで構成することができる。透明な金属酸化物膜としては、ITO、IZO、AZOなどが好ましく用いられる。第2電極7は、例えば、反射性の高い金属層で構成することができる。金属層としては、アルミニウム、銀などが好ましく用いられる。
有機発光層6は、有機EL素子を構成し得る適宜の一又は複数の層で構成される。有機発光層6は、少なくとも一つの発光材料含有層を含んでいる。発光材料含有層は、発光材料を含む層である。陽極から注入された正孔(ホール)と陰極から注入された電子とが発光材料含有層で結合することにより、光が生じる。発光材料含有層は、複数であってもよい。発光材料含有層が複数になると、所望の色の発光を作り出すことができる。例えば、赤緑青の三色の発光材料含有層を有することにより、白色発光を得ることが可能になり、照明用途として有用な有機EL素子を構成することができる。
有機発光層6は、電荷(正孔及び電子)の輸送性及び注入性を高めるための層を有することが好ましい。有機発光層6は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを有する構造にすることができる。これらの層は、発光層に電荷輸送可能なような順序で積層される。また、有機発光層6は、マルチユニット構造を有していてもよい。マルチユニット構造では、有機発光層6は中間層を有することができる。マルチユニット構造は、陽極と陰極とで挟んで電圧を印加すれば発光する機能を有する積層構造を1つの発光ユニットとして、複数の発光ユニットを光透過性および導電性を有する中間層を介して積層した構造である。マルチユニット構造では、1つの陽極と1つの陰極との間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットが電気的に直列接続して配置される。
有機EL素子では、二つの電極に電圧を印加することにより電流が生じて発光が生じる。そのため、各電極を封止された部分よりも外部側に引き出すことが求められる。図1では、第1電極5及び第2電極7のそれぞれから外部に引き出された電極引き出し部14が形成されている。電極引き出し部14は、第1電極5と導通する第1電極引き出し部14aと、第2電極7と導通する第2電極引き出し部14bとにより構成されている。第1電極引き出し部14aと第2電極引き出し部14bとは、接触しておらず、絶縁されている。それにより、ショート不良なく電圧を印加することができる。
第1電極引き出し部14aは、第1電極5に封止内部において接触した電極層が、封止基板8よりも外部側に延伸することにより、形成されている。第1電極引き出し部14aを構成する電極層は、第2電極7を構成する導電層がパターン形成されたものであってよい。第2電極引き出し部14bは、第2電極7が封止基板8よりも外部側に延伸することにより、外部側に引き出されて形成されている。このように、有機EL素子では、第1電極5と第2電極7とが直接接することなく形成されるとともに、外部から電圧を印加可能なように配線パターンが設けられることにより、ショート不良を抑制して良好な発光を得ることができる。もちろん、図1は、電極の引き出し構造の一例を示しているにすぎず、他の電極構造(積層構造及び引き出し構造)であってもよい。
有機EL素子では、第1基板1は、有機発光積層体3側の表面にドープ領域1aを有する。ドープ領域1aは、第1基板1の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質がドープされている。ドープ領域1aは、第1基板1の材料を母体として構成されるものであってよい。ドープ物質がドープされることにより、光取り出し性が高まる。基板と有機層においては、屈折率差が大きいと全反射する光の量が多くなり、光取り出し性が低下する。しかしながら、ドープ物質によって、第1基板1と有機発光層6との間の屈折率差が低減される。そのため、ドープ領域1aによって全反射を抑制して、光取り出し性を高めることができるのである。
ドープ物質として光散乱性を有するものをドープするようにしてもよい。その場合、ドープ物質の散乱機能によって全反射を抑制することができるため、さらに光取り出し効率を高めることができる。
図1では、ドープ領域1aの外縁(ドープされた部分とドープされていない部分の境界線)は、破線で示されている。図1以降の図においても特に断りのない限り、同様に破線で示す領域がドープ領域1aである。
ドープ領域1aでは、ドープ物質により第1基板1の屈折率が変化する。第1基板1の屈折率が有機発光層6の屈折率よりも低い場合、第1基板1の屈折率が大きくなるドープ物質がドープされる。それにより、屈折率差が低減される。例えば、ガラス基板と有機層では、通常、有機層の方が屈折率が高いことが多いため、ガラス基板の表面に屈折率を大きくするドープ物質がドープされたドープ領域1aが形成されて、屈折率差が低減され得る。なお、第1基板1の屈折率が有機発光層6の屈折率よりも高い場合には、第1基板1の屈折率が小さくなるドープ物質がドープされてもよい。それにより、屈折率差が低減される。ただし、屈折率の高い物質から屈折率の低い物質に光が進む場合に全反射は発生するため、第1基板1の屈折率が有機発光層6の屈折率よりも低く、第1基板1の屈折率が大きくなるようにドープ領域1aが形成される構造がより有利である。
第1基板1において、ドープ領域1aと、ドープ領域1aを構成しない領域との屈折率差は、絶対値で0.1以上であることが好ましい。それにより、光取り出し効率をさらに高めることができる。第1基板1において、ドープ領域1aと、ドープ領域1aを構成しない領域との屈折率差は、絶対値で2以下であることが好ましい。それにより、ドープ物質が多くなりすぎて第1基板1が変質したりすることを抑制することができる。なお、ドープ領域1aに濃度分布がある場合、屈折率差を求めるときのドープ領域1aの屈折率は、ドープ領域1aの平均の屈折率であってよい。
ドープ物質としては、粒子、イオンなどを用いることができる。粒子としては、例えば、金属粒子、金属酸化物粒子、金属窒化物粒子、無機粒子、などが例示される。イオンとしては、金属イオンなどが例示される。ドープ物質の具体例としては、Ag、Cu、TiO、ZnO、その他の遷移金属などが挙げられる。ドープ領域1aは、複数種類のドープ物質を含んでいてもよい。
ドープ領域1aは、第1基板1が母体となり、ドープ物質を分散して含有する領域であってよい。ドープ領域1aは、基本的には第1基板1の材料で構成される。そのため、ドープ物質は粒径が小さいことが好ましい。例えば、ドープ物質の平均粒径は、特に限定されるものではないが、1000nm以下であることが好ましい。それにより、ドープ物質によって、光取り出し性を効率よく高めることができる。ドープ物質の平均粒径の下限は特に限定されるものではないが、光取り出し性を効率よく高めるためには、ドープ物質の平均粒径は100nm以上であることが好ましい。
ドープ領域1aにおいては、ドープ物質は、1体積%以上で含有されていることが好ましい。それにより、光取り出し性を効率よく高めることができる。ドープ領域1aにおいては、ドープ物質は、50体積%以下で含有されていることが好ましい。それにより、ドープ物質が多くなりすぎて第1基板1が変質したり強度が弱くなったりすることを抑制することができる。
ドープ領域1aは、第1基板1の表面層として形成される。ドープ領域1aの厚みは、光取り出し性を高める観点から適宜に調整され得る。ドープ領域1aの厚みは、10um以下であってよい。ドープ領域1aの厚みが大きくなりすぎると、第1基板1が変質したり強度が弱くなったりするおそれがある。ドープ領域1aの厚みは、0.1um以上であってよい。ドープ領域1aの厚みが小さくなりすぎると、光取り出し性を高める効果が弱くなるおそれがある。ここで、ドープ領域1aの厚みは、第1基板1のドープ領域1a側の表面からドープ物質が存在する最も内部側の位置までの厚み方向の長さとして定義される。図1では、ドープ領域1aの厚みがD1で示されている。
図1では、第1基板1は封止基板8を構成しているため、ドープ領域1aは、封止基板8の有機発光積層体3側の表面に形成されている。ドープ領域1aは、平面視において、有機発光積層体3が設けられる領域と重複して設けられることが好ましい。それにより、光取り出し性を高めることができる。平面視とは、発光面から垂直に有機EL素子を見た場合のことである。図1では、封止基板8の収容凹部8bの底面にドープ領域1aが形成されている。この例では、ドープ領域1aは、収容凹部8bの底面全体に形成されている。そのため、簡単にドープ領域1aを形成することができる。
ドープ領域1aは、第1基板1と一体に形成されていることが好ましい。それにより、より容易にドープ領域1aを形成することができ、簡単に光取り出し効率を向上させることができる。
図1では、ドープ領域1aは、第1基板1と一体に形成されている。すなわち、ドープ領域1aは、第1基板1を構成する基板材料の一部にドープ物質がドープされて形成されている。このように、ドープ領域1aが第1基板1と一体化すると、光取り出し性の高いドープ領域1aをより容易に形成することができる。例えば、ドープ領域1aは、ドープ物質がドープされた基板材料を第1基板1に接着して形成することも可能である。しかしながら、この場合、材料点数が増えるために製造が煩雑になるおそれがある。また、ドープ領域1aを構成する基板材料と第1基板1との間に接着層が形成されると、接着層が光の取り出し性を低減させてしまうおそれがある。そのため、ドープ領域1aと第1基板1とが一体化した構造がより有利なのである。図1では、ドープ領域1aが第1基板1と一体化していることを分かりやすくするために、ドープ領域1aとそれ以外の領域との境界線を破線で示すようにしている。
ドープ領域1aは、ドープ物質が粒子で構成される場合には、粒子を第1基板1の表面に散布しておき、第1基板1を溶融させて、ドープ物質を構成する粒子を内部に拡散させることにより、形成することができる。ドープ領域1aは、ドープ物質がイオンで構成される場合には、第1基板1の表面にイオンを照射してイオン注入することにより、形成することができる。もちろん、ドープ領域1aは、それ以外の方法によって形成されてもよい。
第1基板1と第2基板2との間における、有機発光積層体3以外の部分(収容凹部8bの部分)は、充填剤が充填されていてもよいし、空洞になっていてもよい。封止内部に充填剤が充填された場合、有機EL素子は充填封止構造となる。封止内部が空洞となった場合、有機EL素子は、中空封止構造となる。充填封止構造では、樹脂が充填されていてもよい。樹脂の充填により、樹脂層を形成することができる。第1基板1と有機発光積層体3との間に樹脂層が設けられた場合には、堅牢性を高めることができる。中空封止構造の有機EL素子では、素子構成によっては、第1基板1が有機発光積層体3側に凹んで第1基板1と有機発光積層体3とが接触してショート不良の原因になるおそれがある。しかしながら、第1基板1と有機発光積層体3との間に樹脂層が設けられていると、第1基板1が凹みにくくなるため、第1基板1と有機発光積層体3とが接触することを抑制することができ、ショート不良の発生を抑えることができる。もちろん、ショート不良の問題がなければ中空封止構造であってもよい。中空封止構造では、有機EL素子をより容易に製造できるという利点がある。
図2は、有機EL素子の他の一例を示す。図1の例と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。図2の有機EL素子では、第1基板1の表面形状が、図1の有機EL素子とは異なっている。それ以外は、図1と同様の構成であってよい。
図2の有機EL素子は、図1と同様、トップエミッション構造の素子である。第1基板1は封止基板8を構成する。第2基板2は支持基板9を構成する。光は第1基板1側から取り出される。
第1基板1は、ドープ領域1a側の表面に凹凸構造10を有することが好ましい。それにより、凹凸構造10で全反射をさらに抑制することができるため、光取り出し効率をさらに向上させることができる。
図2では、第1基板1は、ドープ領域1a側の表面に凹凸構造10を有している。凹凸構造10を有することにより、凹凸構造10によって光を散乱させることができるため、全反射する角度で進入する光の方向を出射する方向に変更させて、より多く外部に光を取り出すことができる。そのため、ドープ物質と凹凸構造10との作用により、光取り出し効率をさらに高めることができる。
凹凸構造10は、凹部11と凸部12とにより構成されることが好ましい。凹部11は、好ましくは、複数の凹部11によって構成される。凸部12は、好ましくは複数の凸部12によって構成される。複数の凹部11及び凸部12によって凹凸構造10が構成されることにより、光取り出し性が高まる。
凹部11の底部は、厚み方向において、ドープ領域1aよりも浅いことが好ましい。凹部11の底部とは、凹部11において最も凹んだ部分のことである。凹部11の底部が、ドープ領域1aよりも深くなると、ドープ領域1aが形成されない領域が形成されるため、ドープ物質による光取り出し効果が弱くなるおそれがある。そのため、ドープ領域1aの厚みが凹部11の深さよりも大きいことが好ましいのである。
凹部11及び凸部12の大きさは、特に限定されるものではないが、平面視における一つの凹部11及び凸部12の径が、0.01〜100μmの範囲であってよい。凹部11の深さ及び凸部12の高さ、すなわち、凹凸構造10における凹凸高さは、特に限定されるものではないが、0.01〜100μmの範囲であってよい。ナノサイズあるいはマイクロサイズの微細な凹凸により、散乱性をさらに高めることができる。
凹凸構造10における凹凸は、規則的な凹凸であってもよいし、不規則な凹凸であってもよい。規則的な凹凸では、回折構造を形成することにより、光取り出し性を高めることが可能になる。不規則な凹凸では、角度依存性なく、目的とする色の光を外部に取り出すことができる。
凹凸構造10は、ブラスト法、溶融法、エッチング法などの適宜の処理方法で第1基板1の表面を粗化することにより得ることができる。このうち、粒子でブラスト処理するブラスト法が好ましく、サンド(砂)によりブラスト処理を行うサンドブラスト法がより好ましい。それにより、簡単に凹凸構造10を形成することができる。
図2では、凹凸構造10における凹部11の形状は、断面三角形状である。凹凸構造10における凸部12の形状は、断面三角形状である。そして、凹凸構造10は、断面がジグザグ形状となっている。もちろん、凹凸構造10の凹凸形状はこれに限定されるものではなく、適宜の形状であってよい。例えば、凹部11は、四角推状になったり、あるいは、円錐状になったりしてもよい。
図3は、有機EL素子の他の一例を示す。上記の例と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。図3の有機EL素子では、第1基板1に設けられる凹凸構造10の形状が、図2の有機EL素子とは異なっている。それ以外は、図2と同様の構成であってよい。
図3の有機EL素子は、図2と同様、トップエミッション構造の素子である。第1基板1は封止基板8を構成する。第2基板2は支持基板9を構成する。光は第1基板1側から取り出される。
図3では、第1基板1は、ドープ領域1a側の表面に凹凸構造10を有している。凹凸構造10を有することにより、凹凸構造10によって光を散乱させることができるため、全反射する角度で入射する光の方向を出射する方向に変更させて、より多く外部に光を取り出すことができる。そのため、ドープ物質と凹凸構造10との作用により、光取り出し効率をさらに高めることができる。
凹凸構造10は、第1基板1の内部側に湾曲した複数の凹部11を有することが好ましい。それにより、凹部11によって全反射をさらに抑制することができるので光取り出し効率をさらに向上させることができる。
図3では、凹凸構造10は、第1基板1の内部側に湾曲した複数の凹部11を有している。このように、凹部11が湾曲面となっていると、レンズ形状に近くなり、光の散乱作用を高めることができるため、光取り出し性をさらに向上することができる。凹部11の形状は半球状であってよいし、あるいは、半楕円体状であってもよい。その場合、レンズ作用が高まって光をより多く外部に取り出すことができる。断面で考慮すると、凹部11の形状は、断面半円状、あるいは、断面半楕円状であってもよいといえる。
凹部11の湾曲は、例えば、サンドブラスト法などで、粗く凹凸構造10を形成しておき、この凹凸面を凹凸が潰れない程度にわずかに溶融させることにより、形成することができる。
図4は、有機EL素子の他の一例を示す。上記の例と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。図4の有機EL素子では、第1基板1と有機発光積層体3との位置関係が、図3の有機EL素子とは異なっている。それ以外は、図3と同様の構成であってよい。
図4の有機EL素子は、図3と同様、トップエミッション構造の素子である。第1基板1は封止基板8を構成する。第2基板2は支持基板9を構成する。光は第1基板1側から取り出される。
図4においても、第1基板1は、ドープ領域1a側の表面に凹凸構造10を有している。凹凸構造10は、図3の場合と同じであってよい。すなわち、凹部11は湾曲した形状にすることができる。
凹凸構造10は、凸部12が有機発光積層体3に接していることが好ましい一態様である。それにより、第1基板1の変形を抑えて堅牢性を高めることができ、信頼性を向上することができる。
図4では、凹凸構造10における凸部12が有機発光積層体3に接している。それにより、第1基板1の表面が有機発光積層体3に支えられるため、第1基板1の変形を抑えて堅牢性を高めることができ、信頼性を向上することができる。また、第1基板1と有機発光積層体3との距離が面全体でほぼ均一になるため、凹凸面を発光面と平行に配置することができるので、光軸の調整を容易に行うことができ、発光効率を効果的に高めることができる。
図4の例では、複数の凸部12が設けられており、その複数の凸部12のそれぞれが有機発光積層体3に接している。有機発光積層体3における第1基板1側の層は第1電極5である。そのため、第1電極5と凸部12とが接している。複数の凸部12が接触する場合、応力が集中することを抑えることができ、凸部12によって有機発光積層体3が傷つくことを抑制することができる。
有機EL素子にあっては、素子構成によっては、第1基板1が有機発光積層体3側に凹んで第1基板1が有機発光積層体3を押圧してショート不良の原因になるおそれがある。第1基板1の凹みは中空封止構造においてより発生しやすい。しかしながら、第1基板1と有機発光積層体3とが接していると、第1基板1が有機発光積層体3で固定されて、第1基板1が凹みにくくなるため、第1基板1が有機発光積層体3を押圧することを抑制することができ、ショート不良の発生を抑えることができるのである。
凸部12は先端が丸まっていることが好ましい。それにより、凸部12と有機発光積層体3との接触によって有機発光積層体3が傷つくことを抑制することができ、信頼性を高めることができる。凸部12の先端の丸まりは溶融によって形成することができる。
凸部12と有機発光積層体3との接触は、第1基板1(封止基板8)の封止側壁8aと第2基板2(支持基板9)との間に設けられる接着層の厚みを調整することにより行うことができる。通常、第1基板1と第2基板2とは、接着層を構成する接着剤で張り合わされて、素子が封止される。そのため、接着剤の量を調整したり、貼り合わせの際に第1基板1と第2基板2とを近づけて第1基板1の凸部12が有機発光積層体3に接触したときに固定したりするようにすれば、接触状態を形成することができる。
なお、図4では、図3のような断面が半円状又は半楕円状となった凹部11の凹凸構造10が示されているが、もちろん、図2のような断面が三角状となった凹部11の凹凸構造10において、凸部12の接触構造が適用されてもよい。
図5は、有機EL素子の他の一例を示す。上記の例と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図5の有機EL素子は、図1の形態とは異なり、ボトムエミッション構造の素子である。第1基板1は支持基板9を構成する。第2基板2は封止基板8を構成する。光は第1基板1側から取り出される。白抜き矢印は光の出射方向を示している。
このように、好ましい一態様では、第1基板1は有機発光積層体3の支持基板9を構成し、第2基板2は有機発光積層体3を封止する封止基板8を構成し、有機EL素子はボトムエミッション構造である。それにより、光取り出し効率の高いボトムエミッション構造の素子を得ることができる。
図5では、第1基板1は支持基板9であるため、第1基板1の表面に有機発光積層体3が積層形成される。すなわち、第1基板1の上に、第1電極5、有機発光層6及び第2電極7がこの順で積層される。封止側壁8aは、封止基板8である第2基板2の外周部に形成されている。
ボトムエミッション構造の有機EL素子においても、第1基板1には、ドープ領域1aが設けられている。それにより、光取り出し効率が高まる。
ドープ領域1aは、第1基板1(支持基板9)の全面に設けられていてもよいし、図5のように、平面視において有機発光積層体3と重複する領域に形成されていてもよい。ドープ領域1aが第1基板1の全面に設けられる場合、簡単にドープ領域1aを形成することができる。ドープ領域1aが第1基板1の有機発光積層体3と重複する領域に設けられる場合、効率よく光取り出し性を高めることができる。また、ドープ領域1aが、封止側壁8aの位置に設けられていないことも好ましい。その場合、支持基板9のドープされていない部分で接着することができるため、支持基板9と封止基板8との接着性を高めることができる。
第1基板1のドープ領域1a側の表面は、平坦な面であることが好ましい。それにより、有機発光積層体3をショート不良なく積層形成することができる。もちろん、第1基板1の表面に、ドープ領域1aが形成された面をより平坦化するための平坦化層を設けてもよい。平坦化層は、樹脂層で構成することができる。
ところで、ドープ領域1aを有する基板を用いた場合、有機EL素子は、基板と電極との間に散乱層を有さない構造になることができる。散乱層がない場合、散乱層を形成する工程が不要となり、また平坦化層などの散乱層を補助するための層の形成も不要となるため、製造が簡略化される。もちろん、有機EL素子は散乱層を有していてもよい。散乱層が存在すると、基板と有機層との間の屈折率差の低減作用と光の散乱作用とを高く得ることができ、光取り出し効率を向上させることができる。
図6は、有機EL素子の他の一例を示す。上記の例と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。図6の有機EL素子では、第1基板1に凹凸構造10が設けられ、第1基板1の表面に樹脂層4が設けられている点が、図5の有機EL素子とは異なっている。それ以外は、図5と同様の構成であってよい。
図6の有機EL素子は、図5の有機EL素子と同様、ボトムエミッション構造の素子である。第1基板1は支持基板9を構成する。第2基板2は封止基板8を構成する。光は第1基板1側から取り出される。
図6では、第1基板1は支持基板9であるため、第1基板1の表面に有機発光積層体3が積層形成される。すなわち、第1基板1の上に、第1電極5、有機発光層6及び第2電極7がこの順で積層される。封止側壁8aは、封止基板8である第2基板2の外周部に形成されている。
ボトムエミッション構造の有機EL素子においても、第1基板1には、ドープ領域1aが設けられている。それにより、光取り出し効率が高まる。そして、好ましくは、図6に示すように、第1基板1の表面に凹凸構造10が形成される。それにより、光取り出し効率がさらに高まる。
ボトムエミッション構造において、第1基板1が凹凸構造10を有する場合には、第1基板1と有機発光積層体3との間に、樹脂層4が設けられていることが好ましい。第1基板1で支持基板9が構成され、第1基板1に凹凸構造10が設けられている場合に、凹凸構造10の上に直接有機発光積層体3の層を形成すると、凹凸構造10の表面の凹凸形状によって有機発光積層体3が良好に積層されなくなるおそれがある。層が段切れするなどして積層されると、ショート不良や発光不良の原因となり得る。そこで、第1基板1と有機発光積層体3との間に樹脂層4を設けることにより、この樹脂層4が凹凸構造10の凹凸面を平坦化して、この平坦化された面に、有機発光積層体3を形成することができる。そのため、ショート不良や発光不良が抑制された信頼性の高い素子を得ることができる。
凹凸構造10は、上記のトップエミッション構造において説明した凹凸形状を適用することができる。すなわち、例えば、断面三角形状の凹部11であってよい。あるいは、例えば、半球状又は半楕円体状の凹部11であってよい。図6では、湾曲した凹部11が図示されている。
凹凸構造10は、封止側壁8aの位置に設けられていないことが好ましい。樹脂層4は、封止側壁8aの位置に設けられていないことが好ましい。図6では、凹凸構造10を被覆するように樹脂層4を形成するが、樹脂層4が封止の外部にはみ出していると、水分が浸入しやすくなるおそれがある。そのため、封止された領域内で樹脂層4を設けることが好ましいのである。また、封止側壁8aの位置において樹脂層4で被覆しないで凹凸構造10を形成した場合、電極引き出し部14を凹凸面の上に直接形成することになり、通電性が低下するおそれがある。
樹脂層4は、光散乱性を有する微粒子を含有していることが好ましい。それにより、微粒子によって光散乱機能が付与されるため、光取り出し効率をさらに向上することができる。
微粒子としては、光散乱性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、無機物微粒子を用いることができる。特にシリカ微粒子が好ましい。シリカ微粒子を用いれば、光散乱性を効率よく高めることができる。
微粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、100nm以上1000nm以下であることが好ましい。それにより、光散乱作用を高めることができる。
光散乱性を有する微粒子は、内部に空隙を有する中空微粒子であることがより好ましい。それにより、基板と有機層との間の屈折率差を低減することができるため、光取り出し効率をさらに向上することができる。微粒子としては、例えば、中空構造を有する無機物微粒子を用いることができる。特に中空シリカ微粒子が好ましい。中空シリカ微粒子を用いれば、光取り出し性を効率よく高めることができる。
なお、樹脂層4の好ましい構成(微粒子の含有及び中空微粒子の含有)は、図1〜図4のトップエミッション構造において、充填封止構造によって樹脂層が形成される場合にも、適用され得る。このとき、図4の例では、凸部12が有機発光積層体3に接しているため、凹部11によって形成された隙間に樹脂層が充填されていてよい。
図6の有機EL素子において、図4の例のように、凸部12が有機発光積層体3の第1電極5に接してもよい。その場合、凸部12が有機発光積層体3に接しているため、凹部11によって形成された隙間に樹脂層4が充填されていてよい。
ところで、図5及び図6では、ボトムエミッション構造のため、電極を引き出す構造が、図1〜図4の場合と異なっている。すなわち、第1電極引き出し部14a及び第2電極引き出し部14bの配置が異なっている。しかしながら、電極引き出し構造のパターンは第1電極5と第2電極7とを相互に置換して考えればよいので、電極引き出し構造は容易に理解される。
図7は、有機EL素子の他の一例を示す。上記の例と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図7の有機EL素子は、図1と同様、トップエミッション構造の素子である。第1基板1は封止基板8を構成する。第2基板2は支持基板9を構成する。光は第1基板1側から取り出される。
図7の有機EL素子では、第1基板1と有機発光積層体3との間に樹脂層4が設けられている。ドープ領域1a及び凹凸構造10は、第1基板1の有機発光積層体3側の表面全体に形成されている。凹部11は、湾曲した形状となっている。
図7では、第1基板1(封止基板8)は平板状に形成されており、封止するための側壁は、スペーサ15で形成されている。スペーサ15はガラス材料や樹脂材料などにより構成される。
樹脂層4が設けられることにより、第1基板1(封止基板8)の変形が抑制されるため、第1基板1が有機発光積層体3を押圧してショート不良や発光不良が生じることを抑えることができる。
樹脂層4は、図6の例で説明した材料と同様の材料を用いることができる。樹脂層4は光散乱性を有する微粒子を含有していることが好ましい。微粒子は、内部に空隙を有する中空微粒子であることが好ましい。
図7の例では、有機発光積層体3が形成された支持基板9の上に、スペーサ15を有機発光積層体3の外周側部に配設し、スペーサ15で囲まれた部分に樹脂材料を充填し、封止基板8をスペーサ15に貼り合わせることにより、封止を行うことができる。スペーサ15はダム材となり、樹脂層4はフィル材となる。この例では、いわゆるダムフィル構造の有機EL素子を構成することができる。
このように、第1基板1と有機発光積層体3との間に、樹脂層4が設けられていることが好ましい一態様である。それにより、第1基板1によって封止している場合には、第1基板1の変形を抑えて堅牢性を高めることができ、第1基板1によって有機発光積層体3を支持している場合には、有機発光積層体3を良好に積層形成することができる。そのため、信頼性を向上することができる。
図8は、第1基板1の好ましい構成を示している。図8は図8A及び図8Bから構成される。この第1基板1の構成は、図1〜7のいずれの有機EL素子にも適用され得る。構成が同じものについては、同じ符号を付している。なお、トップエミッション構造を基準に図示しているため、凹凸構造10が下面となっているが、上下反転させれば、凹凸構造10が上面となり、ボトムエミッション構造に適用することが可能である。
第1基板1は、ドープ領域1a側の表面に、光透過性と光反射性とを有するコート層13を備えていることが好ましい。それにより、コート層13によって光散乱性を高めて全反射をさらに抑制することができるので光取り出し効率をさらに向上させることができる。
図8では、第1基板1は、ドープ領域1a側の表面に、光透過性と光反射性とを有するコート層13を備えている。それにより、コート層13によって全反射をさらに抑制することができるので光取り出し効率をさらに向上させることができる。
コート層13は、凹凸構造10が設けられた第1基板1においてより有効に機能する。凹凸構造10では表面の凹凸により光を散乱させて、外部に光を取り出すようにしているが、コート層13により、凹凸構造10の散乱作用を高めることができるからである。もちろん、コート層13は、第1基板1の表面が平坦な面である場合に設けられていてもよい。
図8Aでは、図2に示すような、断面三角形状となった凹凸構造10にコート層13を設けた例を示している。このように、コート層13は、凹凸構造10の凹凸形状に沿って形成されていることが好ましい。コート層13が凹凸を埋めてしまうと、光散乱機能が十分に得られなくなるおそれがある。
図8Bでは、図3、図4、図6及び図7に示すような、凹部11が湾曲した凹凸構造10にコート層13を設けた例を示している。この例でも、コート層13は、凹凸に沿って形成されている。この例では、コート層13により凸部12の先端を丸めることが可能である。凸部12の先端が丸まると、図4のように第1基板1と有機発光積層体3とが接触する場合には、有機発光積層体3が傷つくのを抑制することができる。
なお、図4の例においてコート層13を設けた場合、第1基板1の凸部12は、コート層13を介して有機発光積層体3に接することになる。ボトムエミッション構造において、凸部12が有機発光積層体3に接する場合も同様である。
コート層13は、金属薄膜により構成されていることが好ましい。それにより、全反射をさらに抑制することができるので光取り出し効率をさらに向上させることができる。
金属薄膜としては、銀、金、銅、アルミニウム、などの薄膜、あるいはこれらの合金薄膜、もしくは、これらと他の金属との合金薄膜などを用いることができる。その中でも銀又はアルミニウムを含有する薄膜が好ましい。それにより、光取り出し効率をさらに向上することができる。
図9は、第1基板1の好ましい一例を示している。この第1基板1の構成は、図1〜7のいずれの有機EL素子にも適用され得る。構成が同じものについては、同じ符号を付している。なお、ボトムエミッション構造を基準に図示しているため、ドープ領域1aが上側の配置となって図示されているが、上下反転させれば、ドープ領域1aが下側となり、トップエミッション構造に適用することが可能である。なお、この図では、有機発光積層体3は省略されているが、例えば、ボトムエミッション構造では、第1基板1(支持基板9)の上に有機発光積層体3が配置される。
ドープ領域1aは、第1基板1の厚み方向で濃度分布を有することが好ましい。それにより、ドープ物質の濃度が厚み方向で変化するため、反射による光取り出し効率の低下を抑制することができる。濃度分布とは、濃度が均一でないことを意味する。濃度分布とは厚み方向でドープ物質の濃度が変化することであってよい。第1基板1の厚み方向は、図1〜図7において光の出射方向として示された白抜き矢印と同方向である。図9では、第1基板1の厚み方向が双方向の矢印DSとして示されている。濃度分布は、濃度が徐々に変化することが好ましい。濃度変化が徐々になることで、屈折率の変化が滑らかになるため、反射による光取り出し効率の低下がさらに抑制され得る。
ドープ領域1aにおいて、第1基板1の厚み方向での濃度分布は、有機発光積層体3側の濃度が高くなる場合と、有機発光積層体3とは反対側(基板内部側)の濃度が高くなる場合とが存在し得る。このうち、第1基板1の厚み方向での濃度分布は、有機発光積層体3側の濃度が高いことが好ましい。それにより、第1基板1において有機発光積層体3側の屈折率の変化が大きくなるため、反射をより抑制することができ、光取り出し効率を向上することができる。濃度分布は、有機発光積層体3側になるほどドープ物質の濃度が高くなることが好ましい。第1基板1の厚み方向での濃度分布は、好ましくは、第1基板1の内部側になるほどドープ物質の濃度が低くなる。濃度分布は、高濃度の領域から低濃度の領域に濃度が段階的に変化していってもよいし、領域の境界線がなく高濃度から低濃度に濃度が連続的に変化していってもよい。
図9の第1基板1では、ドープ物質1dが模式的にドットで表されている。第1基板1のドープ領域1aは、第1基板1の厚み方向でドープ物質1dの濃度が変化する濃度分布を有する。図9では、有機発光積層体3側となる上側においてドットが濃くなっており、基板の内部側である下側においてドットが薄くなっている。そのため、第1基板1の厚み方向でのドープ物質の濃度分布は、有機発光積層体3側の濃度が高い。したがって、この態様は、反射をより抑制することができ、光取り出し効率を向上することができる。なお、図9では、ドープ物質1dのドットでドープ領域1aの外縁が分かるため、ドープ領域1aの外縁を示す破線は省略されている。また、ドットが見やすいよう、断面を示すハッチングも省略されている。
ドープ領域1aが第1基板1の厚み方向で濃度分布を有する場合、ドープ領域1aは複数種類のドープ物質を含んでいることがより好ましい。それにより、ドープ領域1aの厚み方向の濃度分布を容易に形成することができる。例えば、イオン注入のドープ物質として、重元素と軽元素とが用いられると、重元素のイオンは基板の深くまで入り込みにくく、軽元素のイオンは基板の深くまで入り込みやすい。そのため、ドープ物質の濃度を容易に厚み方向で変化させることができる。複数種類のドープ物質の種類数は、特に限定されるものでなく、3種類以上であってもよいが、2種類であることがより好ましい。ドープ物質の種類数が少ない方が、ドープ領域1aの作製が容易になる。なお、ドープ物質が1種類の場合、ドープする際の出力の変化などでドープ物質の注入深さを調整することにより、厚み方向の濃度分布を形成することができる。
ドープ領域1aが第1基板1の厚み方向で濃度分布を有する場合、濃度分布は厚みが0.1〜1μmの範囲であることが好ましい。それにより、イオン注入で濃度分布を容易に形成することができる。特に複数種類のドープ物質を用いた場合には濃度分布の形成が容易になる。濃度分布の厚みの範囲は、ドープ領域1aの厚みの範囲であってよい。
図10は、第1基板1の好ましい一例を示している。この第1基板1の構成は、図1〜7のいずれの有機EL素子にも適用され得る。構成が同じものについては、同じ符号を付している。なお、ボトムエミッション構造を基準に図示しているため、ドープ領域1aが上側の配置となって図示されているが、上下反転させれば、ドープ領域1aが下側となり、トップエミッション構造に適用することが可能である。なお、この図では、有機発光積層体3は省略されているが、例えば、ボトムエミッション構造では、第1基板1(支持基板9)の上に有機発光積層体3が配置される。
ドープ領域1aは、面状に濃度分布を有することが好ましい一態様である。それにより、ドープ領域1aにおいて屈折率の異なる領域が面状に配置されるため、反射を抑制して光取り出し効率を向上することができる。面状の濃度分布は、パターン状に形成され得る。面状の濃度分布を有する場合、第1基板1を平面視したときに、位置によりドープ物質の濃度が変化し得る。
面状の濃度分布は、ドープ物質の濃度の異なる第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とにより形成されることが好ましい。それにより、容易に光取り出し性に優れたパターンが形成され得る。第1の濃度領域21は、第2の濃度領域22よりもドープ物質の濃度が高い領域と定義される。面状の濃度領域は、第1の濃度領域21がドープ物質を含むドープ物質含有領域を構成し、第2の濃度領域22がドープ物質を含まないドープ物質非含有領域を構成することが好ましい一態様である。あるいは、第1の濃度領域21及び第2の濃度領域22の両方がドープ物質を含む場合、第1の濃度領域21は高濃度領域を構成し、第2の濃度領域22は低濃度領域を構成してもよい。高濃度領域と低濃度領域との組み合わせよりも、ドープ物質含有領域とドープ物質非含有領域との組み合わせの方が、濃度の差が大きくなって光取り出し性を高く得やすいという利点がある。また、ドープ物質の含有と非含有とで領域が形成されると、面状に濃度分布を有するドープ領域1aの形成が容易である。なお、面状の濃度分布は、3つ以上のドープ物質の濃度の異なる領域で形成されてもよい。
図10の第1基板1では、第1の濃度領域21と、第1の濃度領域21よりもドープ物質の濃度が低い第2の濃度領域22とが設けられている。図10では、第1の濃度領域21の外縁が破線で示されている。第2の濃度領域22は、第1の濃度領域21のよりもドープ物質の濃度が低く、ドープ物質を含まない場合もあるため、第1基板1の本体(ドープ領域1a以外の部分)と境界なく連結されて図示されている。このように、濃度分布が面状になった場合、図10のように断面で見たときには、第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とが第1基板1の表面と平行な方向で並んで配置され得る。
図11は、第1基板1に設けられた面状の濃度分布のパターンの一例である。面状の濃度分布は、マトリクス状の一区画20ごとに第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とが割り当てられた分布であることが好ましい。それにより、反射を抑制する効果が高まるため、光取り出し効率を高めることができる。図11では、複数の区画20に第1の濃度領域21及び第2の濃度領域22のいずれか一方が割り当てられている。図11では、第1の濃度領域21は斜線で表され、第2の濃度領域22は空白で表されている。なお、パターンが分かりやすくなるように、区画20の境界を実線で示しているが、実際には、同じ濃度領域が連続した部分には境界は存在しなくてよい。
区画20を構成するマトリクスのパターンは、格子状であることが好ましい。それにより、第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とが均一に配置されやすくなるため、光取り出し性を面内においてより均一に高めることができる。図11では、四角格子の場合が図示されている。四角格子は、同じ形状の複数の四角形が縦横に連続して並んで配置されたパターンであってよい。四角格子を構成する四角形は、長方形(正方形を含む)であり得る。
第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とは、格子状の区画20にランダムに割り当てられて配置されていることが好ましい一態様である。それにより、面内においてより均一に光取り出し効率が向上する。また、第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とは、交互に配置されていることが他の好ましい一態様である。その場合、濃度領域のパターンはギンガムチェック状になり得る。
図11に示すように、第1の濃度領域21は複数形成され、第2の濃度領域22は複数形成されている。第1の濃度領域21が区画20に連続して配置されると、第1の濃度領域21は連結されて大きい濃度領域が形成される。第1の濃度領域21が連結して形成された領域は第1濃度部と定義される。第2の濃度領域22が区画20に連続して配置されると、第2の濃度領域22は連結されて大きい濃度領域が形成される。第2の濃度領域22が連続して形成された領域は第2濃度部と定義される。
面状の濃度分布は、平面視での単位領域における第1の濃度領域21の面積率が各単位領域において略同一であることが好ましい。このような、濃度分布を設けることにより、光取り出し性を効率よく向上させることができる。同様に、面状の濃度分布は、平面視での単位領域における第2の濃度領域22の面積率が各単位領域において略同一であることが好ましい。ここで、面積率を考える場合の単位領域とは、複数の区画20を面状に複数個集めた領域と定義される。例えば、図11では、縦10個、横10個の合計100個の区画20が図示されており、このような100区画分の領域を単位領域にすることができる。図11では、50個分の第1の濃度領域21が設けられているため、区画数が同じで面積の等しい他の単位領域においても50個分程度(例えば45〜55個又は48〜52個)の第1の濃度領域21が設けられるものであってよい。単位領域は100区画分に限られるものではなく、適宜の区画数分の大きさにすることができる。例えば、1000区画、10000区画、100000区画、又はそれ以上の区画数であってもよい。第1の濃度領域21の面積率は、領域の取り方によって多少異なる場合があるが、この面積率は略同一であることが好ましい。例えば、面積率の上限及び下限の範囲を平均の10%以下にすることが好ましく、5%以下にすることがより好ましく、3%以下にすることがさらに好ましく、1%以下にすることがさらにより好ましい。面積率がより等しくなることにより面内においてより均一に光取り出し性を高めることができる。単位領域における第1の濃度領域21の面積率は、特に限定されるものではないが、例えば、20〜80%の範囲内に、好ましくは30〜70%の範囲内に、より好ましくは40〜60%の範囲内に設定することができる。第2の濃度領域22は、図11では、第1の濃度領域21以外の領域であり、上記と同様に設定され得る。同じ濃度領域の面積率が各単位領域で略同一になると、視野角依存性も低減され得る。
図11に示すように、この濃度分布は、縦横に複数の正方形がマス目(行列型)のように並んで構成されるマトリクス状の区画20に、第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とが割り当てられて配置されて形成されている。各区画20は面積が等しく形成されている。この割り当ては規則的であってもよいし、不規則であってもよい。図11では、ランダムに濃度領域が割り当てられている態様が示されている。複数の第1の濃度領域21は、濃度が略等しくてよい。複数の第2の濃度領域22は、濃度が略等しくてよい。
第1の濃度領域21及び第2の濃度領域22の連結個数は、特に限定されるものではないが、連結個数が大きくなると光取り出し性が不均一になるおそれがあるため、例えば、100個以下、20個以下、10個以下などに適宜設定することができる。3個以上又は2個以上連続で同一方向に第1の濃度領域21又は第2の濃度領域22が続いた場合に次の領域を反転(第1の場合は第2、第2の場合は第1)させるという設計ルールを設けてもよい。このルールにより、光取り出し性がより均一に高まる。
区画20の幅wは、例えば、0.1〜100μmにすることができるが、これに限定されるものではない。正方形で構成される四角格子のパターンの場合、区画20の幅wは正方形の一辺となる。区画20の幅wは、0.4〜10μmであってもよい。区画20の幅wは、第1の濃度領域21及び第2の濃度領域22の大きさを表す径と考えることができる。
面状の濃度分布は、回折構造を有していてもよい。それにより、光取り出し性を高めることができる。
面状の濃度分布は、境界回折構造を有していてもよい。境界回折構造は、第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とがランダムに配置された構造であり得る。境界回折構造では、同じ種類の濃度領域が同一方向に所定個数以上連続して並ばないとの原則のもと、不規則に第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とが区画20に配置されることが好ましい。同じ種類の濃度領域が同一方向に連続して並ばない所定の個数は、10個以下が好ましく、8個以下がより好ましく、5個以下がさらに好ましく、4個以下がさらにより好ましい。
図12に、面状の濃度分布のパターンの各一例を示す。図12は図12A及び図12Bから構成される。これらの濃度分布は、第1の濃度領域21及び第2の濃度領域22の配置がランダム性を有しつつ、同一方向に所定個数以上、同じ濃度の領域が並ばないように制御されている。図11同様、第1の濃度領域21は斜線で示され、第2の濃度領域22は空白で示されている。なお、第2の濃度領域22が連続した部分の境界線は、省略されている。図12のパターンは境界回折構造の一例である。
図12Aは四角格子の場合のパターンである。図12Aでは、3個以上同じ濃度の領域が、同一方向に並んでいない。そのため、光取り出し性が均一に高まる。
図12Bは六角格子の場合である。このように、格子状の区画20のパターンは、六角形であってもよい。六角形は正六角形であることがさらに好ましい。この場合、複数の六角形が充填構造で敷き詰められるハニカム状の格子(六角格子)となる。六角格子では、六角形の対向する2辺の間の距離が格子の幅wとなる。図12Bでは、4個以上同じ濃度の領域が、同一方向に並んでいない。そのため、光取り出し性が均一に高まる。
なお、第1基板1においては、面状の濃度分布と厚み方向の濃度分布とが混在していてもよい。それにより、光取り出し性を高めることができる。また、第1基板1は濃度分布と凹凸構造10との両方を有していてもよい。それにより、光取り出し性を高めることができる。
上記の有機EL素子の製造方法について説明する。
図13は、有機EL素子を製造する際における、第1基板1の加工を示している。図13は図13A〜図13Dから構成される。
有機EL素子の製造においては、注入工程と、拡散工程とを有することが好ましい。注入工程は、第1基板1の表面に、第1基板1の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質を注入する工程である。拡散工程は、注入されたドープ物質を拡散させる工程である。この注入工程及び拡散工程を行うことにより、第1基板1の表面に、ドープ領域1aを良好に簡単に形成することができる。そのため、ドープ物質の注入により光取り出し性を簡単に効率よく高めることができるので、光取り出し効率の高い有機EL素子を容易に製造することができる。
第1基板1の加工は、第1基板1が封止基板8を構成する場合には、有機EL素子を封止する前の基板材料の状態において行うことができる。第1基板1の加工は、第1基板1が支持基板9を構成する場合には、有機EL素子を積層形成する前の基板材料の状態において行うことができる。
有機EL素子の製造においては、粗化工程を有することがさらに好ましい。粗化工程は、第1基板1の表面を粗化する工程である。粗化工程を行うことにより、第1基板1の表面が粗化面となって、粗化面が凹凸構造10を構成し、この凹凸構造10で全反射を抑制することができるため、光取り出し効率をさらに向上することができる。粗化工程は、第1基板1の表面をブラスト処理により粗化する工程であることが好ましい。それにより、光取り出し性の高い粗化面を容易に形成することができる。
有機EL素子の製造においては、溶融工程を有することがさらに好ましい。溶融工程は、粗化された第1基板1の表面を加熱して粗化面の凹凸に沿って粗化面を溶融する工程である。凹凸に沿って粗化面を溶融するとは、凹凸構造10の凹凸を潰さないように第1基板1の表面をわずかに溶融するということであってよい。溶融工程を行うことによって、粗化面をやや滑らかにして粗化面に形成された凹部11を湾曲面にすることができる。そのため、凹部11を湾曲面にすることで、レンズ作用を得やすくすることができるので、光取り出し性をより効率よく高めることができる。
有機EL素子の製造においては、注入工程は粗化工程の後に行われることが好ましい。それにより、第1基板1の表面に光取り出し性の高い構造を効率よく簡単に形成することができるため、光取り出し効率の高い素子をさらに容易に製造することができる。もちろん、注入工程の後に、粗化工程を行うようにしてもよいが、その場合、注入したドープ領域1aが粗化によって削られることになり、製造の効率が悪くなるおそれがある。そのため、粗化工程の後に注入工程を行うことがより有利となる。
有機EL素子の製造においては、溶融工程と拡散工程とは、同時に行われることが好ましい。拡散工程は、第1基板1の表面に注入されたドープ物質を拡散する工程であるといえ、加熱により容易に行うことができる。一方、溶融工程は、粗化面の変形を行う工程であるといえ、第1基板1の表面を加熱することによって行うことができる。そのため、溶融工程と拡散工程とを同時行うようにすると、一度の加熱で、ドープ物質の拡散と粗化面の変形を行うことができる。したがって、有機EL素子を効率よく製造することができる。
第1基板1の加工にあっては、まず、図13Aに示すように、第1基板1を準備する。次に、第1基板1の表面をブラスト処理により粗化する。これが粗化工程である。図13Bに示すように、ブラスト処理により、第1基板1の表面が粗化され、凹凸構造10が形成される。ブラスト処理は、適宜のブラスト粒子を用いて行うことができる。サンドブラスト法が好ましい。それにより簡単に粗化を行うことができる。このときに形成される凹凸構造10は、断面三角形状の凹部11及び凸部12で形成される凹凸形状であってよい。
次に、注入工程を行う。図13Cに示すように、注入工程により、ドープ物質が第1基板1の表面にドープされ、ドープ領域1aが形成される。ドープ物質がイオンの場合、イオン照射により、ドープ領域1aが形成される。ドープ物質が粒子の場合、粒子を打ち込むことにより、ドープ領域1aが形成される。なお、図13Cでは、ドープ領域1aが形成された様子を示しているが、注入工程では、ドープ領域1aが厚み方向に形成されず、ドープ物質が第1基板1の表面に存在するだけでもよい。次の拡散工程及び溶融工程を行うことにより、ドープ物質を第1基板1の内部に侵入させて、ドープ領域1aを形成することができるからである。その場合、ドープ物質を構成する粒子を散布して、第1基板1の表面に粒子を配置するようにすればよい。
ここで、厚み方向に濃度分布を有するドープ領域1aを形成する場合、ドープ物質を厚み方向の濃度が異ならせるように注入することにより、厚み方向の濃度分布を形成することができる。厚み方向の濃度分布は複数のドープ物質を注入することで容易に行うことができる。複数のドープ物質の注入は同時に行うものであってもよいし、別に行うものであってもよいが、同時に行う方が製造が容易である。例えば、重元素のドープ物質と軽元素のドープ物質とを同時に注入すると、重元素は表面側での配置が多くなり、軽元素はより内部側への配置が多くなるため、ドープ領域1aに厚み方向の濃度分布が形成される。なお、1種類のドープ物質で厚み方向に濃度分布を形成する場合は、注入のエネルギーを変化させることで厚み方向の濃度分布を形成可能である。注入時のエネルギーが弱いと、ドープ物質は表面側での配置が多くなり、注入時のエネルギーが強いとドープ物質はより内部側への配置が多くなる。
また、面状に濃度分布を有するドープ領域1aを形成する場合、ドープ物質をパターン状に注入することにより、面状の濃度分布を形成することができる。注入のパターンは、上記で説明したような光取り出し性が高まるパターンであり得る。パターン状の注入法としては、マスクを用いる方法、描画する方法などが挙げられる。マスクを用いる方法では、注入しない部分をマスクで覆ってドープ物質を注入しないようにし、マスクで覆われていない部分にドープ物質を注入することができる。描画する方法では、注入する部分のパターンに沿ってドープ物質を吐出して描画することにより注入することができる。面状の濃度分布は、第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とが、ドープ物質含有領域とドープ物質非含有領域との組み合わせである場合に容易に製造できる。なお、出力や注入範囲の調整等によって、第1の濃度領域21と第2の濃度領域22とを、高濃度領域と低濃度領域との組み合わせにすることもできる。
ところで、第1基板1が封止基板8である場合、あらかじめ収容凹部8bを形成し、その収容凹部8bの底面に、凹凸構造10を形成し、ドープ物質を注入することができる。好ましくは、ブラスト処理により、第1基板1の表面を掘り込んで収容凹部8bを形成すると同時に、その収容凹部8bの表面の粗化を行うことができる。それにより、収容凹部8bの形成と粗化(凹凸構造10の形成)とを同時に行うことができるため、効率よく、基板の加工を行うことができる。
次に、第1基板1の表面を加熱する。この加熱が、拡散工程及び溶融工程となる。この例では、拡散工程と溶融工程とが同時に行われる。この工程により、第1基板1の表面がわずかに溶融して、凹凸を潰さない程度で流動するため、この溶融に伴ってドープ物質が拡散する。溶融で拡散させると、ドープ物質をより広い範囲で拡散することができる。溶融で拡散させると、ドープ領域1aの厚みを厚くすることができる。また、図13Dに示すように、この工程により、凹部11の表面が丸められて、湾曲面となり得る。
以上のように作製された第1基板1を有機EL素子の基板材料として使用することができる。図13では、第1基板1を封止基板8として使用することが可能である。
支持基板9である第2基板2上には、別途、有機発光積層体3を形成しておく。有機発光積層体3は、支持基板9上に有機発光積層体3を構成する各層を順次に積層させることにより形成することができる。これは有機発光積層体形成工程である。積層プロセスとしては、蒸着法、スパッタ法、塗布法など適宜の方法を用いることができる。
そして、封止基板8である第1基板1を、有機発光積層体3が形成された側で第2基板2に対向させて、第1基板1と第2基板2とを接着する。このとき、第1基板1のドープ領域1aが形成された面を、支持基板9である第2基板2に対向させて、第1基板1と第2基板2とを接着するようにする。第1基板1(封止基板8)には、あらかじめ収容凹部8bが形成されていてよい。あるいは、平板状の第1基板1(封止基板8)を用いて、ダム材とフィル材とを用いて充填封止構造にして封止するようにしてもよい。これにより、有機発光積層体3を封止することができる。
図13Dに示す第1基板1は、図3、図4及び図7の有機EL素子の製造に用いることができる。もちろん、図13Cの状態の第1基板1を用いるようにすれば、図2に示す有機EL素子の製造に用いることができる。図13Dの基板材料では、トップエミッション構造の有機EL素子を良好に製造することができる。
図13Dの後、コート層13を設けることも好ましい。コート層13を設けることにより、図8で説明したコート層13を有する第1基板1を形成することができる。コート層13は、コート層13の材料を用い、蒸着、スパッタ、塗布などの方法で形成することができる。これはコート層積層工程となる。
なお、凹凸構造10を形成しない場合においては、図13Aに示される第1基板1の表面に、注入工程及び拡散工程を行うことにより、基板の加工を行うことができる。この場合、ドープ領域1aが形成された側の第1基板1の表面は平坦な面となり得る。そのため、この第1基板1は、図1の有機EL素子の製造に用いることができる。
図14は、有機EL素子を製造する際における、第1基板1の加工及び有機発光積層体3の形成を示している。図14は図14A〜図14Fから構成される。図14では、ボトムエミッション構造の有機EL素子を製造することができる。
図14Aから図14Dまでの工程は、図13Aから図13Dまでの工程と同じである。図14Dのように作製された第1基板1は、有機発光積層体3を形成するための形成基板として使用することができる。もちろん、コート層13をさらに第1基板1の表面に設けてもよい。コート層13の形成方法は、上記で説明した通りである。
ボトムエミッション構造の有機EL素子では、好ましくは、第1基板1の表面に、樹脂層4を形成し、この樹脂層4の表面に有機発光積層体3を形成する。第1基板1の表面に樹脂層4を設ける工程は、樹脂層形成工程である。有機発光積層体3を形成する工程は有機発光積層体形成工程である。図14Eに示すように、樹脂層形成工程により、第1基板1の凹凸面を平坦化することができる。そのため、図14Fに示すように、有機発光積層体3を段切れすることなく良好に積層させることができる。このように、図14の方法では、良好な積層構造の有機発光積層体3を容易に形成することができ、信頼性の高い素子を簡単に製造することができる。
樹脂層4は、第1基板1の凹凸面に樹脂材料を塗布することにより形成することができる。塗布により、平坦な面を容易に形成することができる。このとき、光散乱性を有する微粒子を含む樹脂材料を用いれば、光散乱性を有する微粒子が分散された樹脂層4を得ることができる。その際、微粒子として中空微粒子を用いるようにしてもよい。
有機発光積層体3は、有機発光積層体3を構成する各層を順次に積層することにより形成することができる。積層プロセスとしては、蒸着法、スパッタ法、塗布法など適宜の方法を用いることができる。有機発光積層体3は、この例では、第1電極5、有機発光層6、第2電極7の順に積層形成することができる。有機発光層6が複数の層を有する場合は、第1電極5側の層から順に形成することができる。
そして、封止基板8である第2基板2を、有機発光積層体3が形成された側で第1基板1に対向させて、第1基板1と第2基板2とを接着することにより、有機発光積層体3を封止することができる。このとき、第2基板2(封止基板8)には、別途、収容凹部8bが形成されていてよい。あるいは、平板状の第2基板2(封止基板8)を用いて、ダム材とフィル材とを用いて充填封止構造にして封止するようにしてもよい。このようにして、図6の有機EL素子が製造され得る。なお、凹凸構造10及び樹脂層4を形成しないようにすると、図5の有機EL素子が製造され得る。
1 第1基板
1a ドープ領域
2 第2基板
3 有機発光積層体

Claims (20)

  1. 光取り出し側に配置される第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置された有機発光積層体と、を備え、
    前記第1基板は、前記有機発光積層体側の表面に、前記第1基板の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質がドープされたドープ領域を有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記ドープ領域は、前記第1基板と一体に形成されている、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記ドープ領域は、前記第1基板の厚み方向で濃度分布を有する、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記第1基板の厚み方向での濃度分布は、前記有機発光積層体側の濃度が高い、請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記ドープ領域は、面状に濃度分布を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記面状の濃度分布は、マトリクス状の一区画ごとに第1の濃度領域と第2の濃度領域とが割り当てられた分布である、請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記第1基板は、前記ドープ領域側の表面に凹凸構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記凹凸構造は、前記第1基板の内部側に湾曲した複数の凹部を有する、請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記凹凸構造は、凸部が前記有機発光積層体に接している、請求項7又は8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記第1基板は、前記ドープ領域側の表面に、光透過性と光反射性とを有するコート層を備えている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記コート層は、金属薄膜により構成されている、請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記第1基板と前記有機発光積層体との間に、樹脂層を備えている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記樹脂層は、光散乱性を有する微粒子を含有している、請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記微粒子は、内部に空隙を有する中空微粒子である、請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記第2基板は前記有機発光積層体の支持基板を構成し、
    前記第1基板は前記有機発光積層体を封止する封止基板を構成し、
    トップエミッション構造である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記第1基板は前記有機発光積層体の支持基板を構成し、
    前記第2基板は前記有機発光積層体を封止する封止基板を構成し、
    ボトムエミッション構造である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記第1基板の表面に、前記第1基板の屈折率を変化させて光取り出し性を高めるドープ物質を注入する注入工程と、
    注入された前記ドープ物質を拡散させる拡散工程と、を有する、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  18. 前記第1基板の表面をブラスト処理により粗化する粗化工程を有する、請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  19. 粗化された前記第1基板の表面を加熱して粗化面の凹凸に沿って前記粗化面を溶融する溶融工程を有し、
    前記注入工程は前記粗化工程の後に行われ、
    前記溶融工程と前記拡散工程とは、同時に行われる、請求項18に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  20. 前記第1基板の表面に、前記樹脂層を形成し、この樹脂層の表面に前記有機発光積層体を形成する、請求項17〜19のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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