JPWO2014168219A1 - 防火複層ガラス - Google Patents
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Abstract
断熱性を向上させつつ、総厚、重量が大きくなるのを抑え、視認性、意匠性にも優れた防火複層ガラスを提供する。スペーサ118を介して第1のガラス板112と第2のガラス板114とを隔置し、周縁をシールして構成される防火複層ガラス110において、第1のガラス板112と第2のガラス板114との間に化学強化ガラスで構成される第3のガラス板116を配置し、スペーサ118に備えられた保持部120で保持する。これにより、断熱性を向上させつつ、総厚、重量が大きくなるのを抑え、視認性、意匠性にも優れた防火複層ガラスを提供することができる。
Description
本発明は、防火複層ガラスに関する。
一般の複層ガラスは、2枚のガラス板をスペーサで隔置し、周縁部をシール材でシールすることによって構成される。
このような2枚のガラス板で構成される複層ガラスでは、中空層(すなわち、ガラス板とガラス板との間の層)が薄いと、U値(JIS R3107 1998)は高くなり(すなわち、断熱性能は低くなり)、中空層が厚くなると、U値は低くなる(すなわち、断熱性は高くなる)。しかし、中空層が厚すぎると、中空層内の気体が対流を起こし、熱を伝えやすくなってしまうので、かえってU値が上がる(すなわち、断熱性が下がる)ことがある。
そこで、3枚以上のガラス板を使用することにより中空層を2層以上設けて、更に断熱性能を向上させた複層ガラスが知られている(特許文献1、2等参照)。
ところで、耐火性能の高い建築物として位置づけられる耐火・準耐火建築(各種ビルなど)は、外壁開口部の延焼のおそれのある部分に遮炎性能のある防火設備(防火戸など)の設置が義務づけられている。また、都市防火の観点から防火・準防火地域では、耐火・準耐火建築以外の建築物(戸建て住宅など)にも外壁開口部に延焼のおそれのある部分に準遮炎性能のある防火設備の設置が義務づけられている。したがって、このような建築物の外壁開口部に複層ガラスを使用する場合には、一定の防火性能を具備した複層ガラス(防火複層ガラス)を使用することが必要とされる。
従来の防火複層ガラスは、複層ガラスを構成するガラス板に網入りガラスや耐熱強化ガラス等を使用することによって防火性能を確保していた(たとえば、特許文献3等参照)。
しかしながら、耐熱強化ガラスや網入りガラスは通常のガラスと比較して高価であり、また、網入りガラスは、網によって透視性が低下する。
また、通常の厚さの3枚のガラス板で複層ガラスを構成すると、総厚、重量が大きくなり、対応するサッシに制約が生じる。また、特許文献1、2の如くスペーサが2つ必要になるため、部材点数が多くなり、かつ意匠性(見栄え)が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、断熱性を向上させつつ、総厚、重量が大きくなるのを抑え、視認性にも優れた比較的安価な防火複層ガラスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する態様について説明する。
第1の態様は、第1のガラス板と第2のガラス板とを隔置し、周縁をシール材でシールして構成される複層ガラスであって、第1のガラス板と第2のガラス板との間に低膨張ガラス又は化学強化ガラスで構成される薄板の第3のガラス板を備えるとともに、第1のガラス板と第2のガラス板との間に第3のガラス板で仕切られた第1の中空層と第2の中空層とを備えた防火複層ガラスである。
本態様によれば、低膨張ガラス又は化学強化ガラスで構成される、薄板の第3のガラス板を含む3枚のガラス板によって複層ガラスを構成した。これにより、断熱性を向上させつつ、総厚、重量が大きくなるのを抑え、一定の防火性能を備えた複層ガラスを提供できる。また、防火性能を確保するための第3のガラス板に、透視性のよい低膨張ガラス又は化学強化ガラスを使用したので、視認性を確保できる。
第2の態様は、第3のガラス板は、化学強化ガラスで構成され、第1のガラス板と第1のスペーサを介して隔置され、かつ、第2のガラス板と第2のスペーサを介して隔置される態様である。
本態様によれば、第3のガラス板を化学強化ガラスで構成し、第1のガラス板に対して第1のスペーサを介して隔置し、かつ、第2のガラス板に対して第2のスペーサを介して隔置した。第3のガラス板を板厚の薄い化学強化ガラスで構成することにより、一定の防火性能を確保しつつ薄型化を図ることができる。
第3の態様は、第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置されるスペーサと、スペーサに備えられ、第3のガラス板を保持する保持部と、を備え、第3のガラス板が化学強化ガラスで構成される態様である。
本態様によれば、第1のガラス板と第2のガラス板とがスペーサで隔置され、そのスペーサに備えられた保持部に第3のガラス板が保持される。これにより、1つのスペーサで複層ガラスを保持できるので、部材点数を削減でき、かつ意匠性が向上する。また、生産性も向上する。更に、2つのスペーサを使用する防火複層ガラスと比較して、スペーサをガラス板に接着させるシール材(一次シール材)の塗布箇所が4箇所から2箇所に削減できるので、可燃性ガスの発生源となり得るシール材の量を減らすことが可能となり、防火性も向上する他、中空層に水蒸気が透過したり、あるいは中空層内に閉じ込めた気体が中空層外に漏れ出したりする可能性がある経路を減らすことができるので、耐久性も向上する。
なお、設計上許される範囲において、第1のガラス板と第2のガラス板とを隔置するスペーサに、第3のガラス板を保持するための保持部以外に、更に第4、第5、…のガラス板を保持するための保持部を備えさせてもよい。
第4の態様は、保持部は、第3のガラス板の周縁が接着剤を介して接着される被接着部として構成される態様である。
本態様によれば、第3のガラス板がスペーサに接着により接合される。これにより、第3のガラス板がスペーサに確実に保持される。もちろん、第3のガラス板がスペーサに確実に保持されるのであれば、ガラスの納まりとして一般的な不定形シーリング材構法、グレージングガスケット構法、構造ガスケット構法等により、第3のガラス板を保持部に嵌め込んでも良い。
第5の態様は、保持部は、第3のガラス板の周縁をカシメ留めるカシメ部として構成される態様である。
本態様によれば、第3のガラス板がスペーサにカシメ留めされて接合される。これにより、第3のガラス板がスペーサに確実に保持される。
第6の態様は、保持部は、第3のガラス板の周縁が締結部材を介して締結される被締結部として構成される態様である。これにより、第3のガラス板がスペーサに確実に保持される。
第7の態様によれば、前記スペーサの上方に配置される支持部材と、前記スペーサに備えられて前記支持部材に係合し、前記スペーサを吊り下げて支持する吊り下げ部材と、を更に備えることが好ましい。
本発明の態様は、スペーサに吊り下げ部材が備えられる。火災時の火炎によって第1又は第2のガラス板が破損、脱落、あるいは軟化して熱だれが発生し、建具から外れて落下しようとしても、第3のガラス板は、スペーサ及び吊り下げ部材を介して支持部材に吊り下げ支持されるので、第3のガラス板の落下を防止できる。
本発明によれば、断熱性を向上させつつ、総厚、重量が大きくなるのを抑え、視認性にも優れた防火複層ガラスを提供することができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
《第1の実施の形態》
図1は、本発明に係る防火複層ガラスの第1の実施形態を示す断面図である。
図1は、本発明に係る防火複層ガラスの第1の実施形態を示す断面図である。
図1に示す防火複層ガラス10は、第1のガラス板12と第2のガラス板14との間に第3のガラス板16を配置した構成の複層ガラスである。
第1のガラス板12と第2のガラス板14は、通常のフロートガラスである。一方、第3のガラス板16は、低膨張ガラス(たとえば、硼珪酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルカリ分のない又は少ないケイ酸ガラス等)又は化学強化ガラスであり、第1のガラス板12と第2のガラス板14と比較して厚さが十分に薄いものである。例えば、第3のガラス板16の板厚としては、1.0〜6.0mmのものが好ましく使用することができる。
また、第1のガラス板12および第2のガラス板14は、通常のフロートガラス板の場合、その板厚は、2.5〜19.0mmが使われる。主に外力の大きさと寸法により設定される第1のガラス板12と第2のガラス板14は、軽量化を目的にする場合には、可能な限り板厚を小さくする方が好ましい。
また、第1のガラス板12および第2のガラス板14は、通常のフロートガラス板の場合、その板厚は、2.5〜19.0mmが使われる。主に外力の大きさと寸法により設定される第1のガラス板12と第2のガラス板14は、軽量化を目的にする場合には、可能な限り板厚を小さくする方が好ましい。
このように、中間に配置される第3のガラス板16を低膨張ガラス又は化学強化ガラスで構成することにより、断熱性を向上させつつ、一定の防火性能を確保できる。特に、第3のガラス板16を化学強化ガラスとすれば、防火複層ガラス10の薄型化を図ることができ、総厚、重量を小さくできる。また、防火複層ガラス10では、網入りガラスを使用しないので、良好な視認性を確保できる。
なお、化学強化ガラスとは、化学強化法によって強度を向上させたガラスのことをいう。化学強化法とは、ガラス転移点以下の温度で、ガラス表面層のアルカリ金属イオン(例えば、Naイオン)をイオン半径がより大きいアルカリイオン(例えば、Kイオン)にイオン交換し、ガラス表面層に圧縮応力を形成して、ガラスを強化する方法である。化学強化法によれば、厚さの薄いガラス板を良好に強化できる。
第3のガラス板として使用される化学強化ガラス板としては、第1および第2の主面を有し、化学強化処理により前記主面の双方に表面圧縮応力が形成され内部に引張応力が形成されたガラス板であって、該ガラス板は、板厚が1.0〜2.5mm、前記双方の表面圧縮応力の値が400〜1000MPa、前記引張応力の値が1〜25MPa、前記主面の双方における圧縮応力層の板厚方向の厚さが7〜30μmであるものを好ましく使用することができる。
また、第3のガラス板として使用される低膨張ガラス板としては、板厚が1.0〜6.0mmであり、熱膨張係数が3.3〜8.0×10−6/℃であり、必要に応じて強化加工処理が施されたものを好ましく使用することができる。
第3のガラス板として使用される化学強化ガラス板としては、第1および第2の主面を有し、化学強化処理により前記主面の双方に表面圧縮応力が形成され内部に引張応力が形成されたガラス板であって、該ガラス板は、板厚が1.0〜2.5mm、前記双方の表面圧縮応力の値が400〜1000MPa、前記引張応力の値が1〜25MPa、前記主面の双方における圧縮応力層の板厚方向の厚さが7〜30μmであるものを好ましく使用することができる。
また、第3のガラス板として使用される低膨張ガラス板としては、板厚が1.0〜6.0mmであり、熱膨張係数が3.3〜8.0×10−6/℃であり、必要に応じて強化加工処理が施されたものを好ましく使用することができる。
ここで、化学強化ガラスは、酸化物基準のモル百分率表示でSiO2を56〜75%、Al2O3を1〜20%、Na2Oを8〜22%、K2Oを0〜10%、MgOを0〜14%、ZrO2を0〜5%、CaOを0〜10%含有することを特徴とする。以降、百分率表示は、特に断らない限り、モル百分率表示含有量を示す。
本実施形態の化学強化ガラスにおいて、ガラス組成を前記範囲に限定した理由を以下に説明する。
本実施形態の化学強化ガラスにおいて、ガラス組成を前記範囲に限定した理由を以下に説明する。
SiO2は、ガラス微細構造の中で網目構造を形成する成分として知られており、ガラスを構成する主要成分である。SiO2の含有量は、56%以上であり、好ましくは60%以上、より好ましくは63%以上、さらに好ましくは65%以上である。また、SiO2の含有量は、75%以下であり、好ましくは73%以下、より好ましくは71%以下である。SiO2の含有量が56%以上であるとガラスとしての安定性や耐候性の点で優位である。一方、SiO2の含有量が75%以下であると熔解性および成形性の点で優位である。
Al2O3は、化学強化におけるイオン交換性能を向上させる作用があり、特に表面圧縮応力(CS)を向上する作用が大きい。ガラスの耐候性を向上する成分としても知られている。また、フロート成形時にボトム面からの錫の浸入を抑制する作用がある。Al2O3の含有量は、1%以上であり、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。また、Al2O3の含有量は、20%以下であり、好ましくは17%以下、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは7%以下である。Al2O3の含有量が1%以上であると、イオン交換により、所望のCSが得られ、また、錫の浸入を抑制する効果が得られる。一方、Al2O3の含有量が20%以下であると、ガラスの粘性が高い場合でも失透温度が大きくは上昇しないため、ソーダライムガラス生産ラインでの熔解、成形の点で優位である。
SiO2およびAl2O3の含有量の合計SiO2+Al2O3は、80%以下であることが好ましい。80%超では高温でのガラスの粘性が増大し、溶融が困難となるおそれがあり、より好ましくは79%以下、さらに好ましくは78%以下である。また、SiO2+Al2O3は、70%以上であることが好ましい。70%未満では圧痕がついた時のクラック耐性が低下し、より好ましくは72%以上である。
Na2Oは、イオン交換により表面圧縮応力層を形成させる必須成分であり、圧縮応力深さ(DOL)を深くする作用がある。またガラスの高温粘性と失透温度を下げ、ガラスの熔解性、成形性を向上させる成分である。Na2Oの含有量は、8%以上であり、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上である。また、Na2Oの含有量は、22%以下であり、好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下である。Na2Oの含有量が8%以上であると、イオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することができる。一方、Na2Oの含有量が22%以下であると、充分な耐候性が得られる。
K2Oは、必須ではないが、イオン交換速度を増大しDOLを深くする効果があるため含有してもよい。一方、K2Oが多くなりすぎると十分なCSが得られなくなる。K2Oを含有する場合は10%以下が好ましく、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。K2Oの含有量が10%以下であると、充分なCSが得られる。
MgOは、必須ではないが、ガラスを安定化させる成分である。MgOの含有量は、2%以上が好ましく、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは3.6%以上である。また、MgOの含有量は、14%以下であり、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下である。MgOの含有量が2%以上であると、ガラスの耐薬品性が良好になる。高温での熔解性が良好になり、失透が起こり難くなる。一方、MgOの含有量が14%以下であると、失透の起こりにくさが維持され、充分なイオン交換速度が得られる。
MgOは、必須ではないが、ガラスを安定化させる成分である。MgOの含有量は、2%以上が好ましく、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは3.6%以上である。また、MgOの含有量は、14%以下であり、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下である。MgOの含有量が2%以上であると、ガラスの耐薬品性が良好になる。高温での熔解性が良好になり、失透が起こり難くなる。一方、MgOの含有量が14%以下であると、失透の起こりにくさが維持され、充分なイオン交換速度が得られる。
ZrO2は、必須ではないが、一般に、化学強化での表面圧縮応力を大きくする作用があることが知られている。しかし、少量のZrO2を含有してもコスト増加の割には、その効果は大きくない。したがって、コストが許す範囲で任意の割合のZrO2を含有することが出来る。含有する場合は、5%以下であることが好ましい。
CaOは、必須ではないが、ガラスを安定化させる成分である。CaOはアルカリイオンの交換を阻害する傾向があるため、特にDOLを大きくしたい場合は含有量を減らす、もしくは含まないことが好ましい。一方、耐薬品性を向上させるためには、2%以上が好ましく、より好ましくは4%以上、さらに好ましくは6%以上である。CaOを含有する場合の量は、10%以下であり、好ましくは9%以下、より好ましくは8.2%以下である。CaOの含有量が10%以下であると、充分なイオン交換速度が保たれ、所望のDOLが得られる。
CaOは、必須ではないが、ガラスを安定化させる成分である。CaOはアルカリイオンの交換を阻害する傾向があるため、特にDOLを大きくしたい場合は含有量を減らす、もしくは含まないことが好ましい。一方、耐薬品性を向上させるためには、2%以上が好ましく、より好ましくは4%以上、さらに好ましくは6%以上である。CaOを含有する場合の量は、10%以下であり、好ましくは9%以下、より好ましくは8.2%以下である。CaOの含有量が10%以下であると、充分なイオン交換速度が保たれ、所望のDOLが得られる。
SrOは、必須ではないが、ガラスの高温粘性を下げ、失透温度を下げる目的で含有してもよい。SrOはイオン交換効率を低下させる作用があるため、特にDOLを大きくしたい場合は含有しないことが好ましい。含有する場合のSrO量は3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
BaOは、必須ではないが、ガラスの高温粘性を下げ、失透温度を下げる目的で含有してもよい。BaOはガラスの比重を重くする作用があるため、軽量化を意図する場合には含有しないことが好ましい。含有する場合のBaO量は3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
TiO2は、天然原料中に多く存在し、黄色の着色源となることが知られている。TiO2の含有量は0.3%以下が好ましく、より好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。TiO2の含有量が0.3%を超えるとガラスが黄色味を帯びる。
BaOは、必須ではないが、ガラスの高温粘性を下げ、失透温度を下げる目的で含有してもよい。BaOはガラスの比重を重くする作用があるため、軽量化を意図する場合には含有しないことが好ましい。含有する場合のBaO量は3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
TiO2は、天然原料中に多く存在し、黄色の着色源となることが知られている。TiO2の含有量は0.3%以下が好ましく、より好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。TiO2の含有量が0.3%を超えるとガラスが黄色味を帯びる。
この他、ガラスの熔融の清澄剤として、塩化物、フッ化物などを適宜含有してもよい。本発明のガラスは本質的に以上で説明した成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合、それら成分の含有量の合計は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、典型的には1%以下である。以下、上記その他成分について例示的に説明する。
ZnOは、ガラスの高温での熔融性を向上するために、たとえば2%まで含有してもよい。しかし、フロート法で製造する場合には、フロートバスで還元され製品欠点となるので含有しないことが好ましい。
ZnOは、ガラスの高温での熔融性を向上するために、たとえば2%まで含有してもよい。しかし、フロート法で製造する場合には、フロートバスで還元され製品欠点となるので含有しないことが好ましい。
B2O3は、高温での熔融性またはガラス強度の向上のために、1%未満の範囲で含有してもよい。一般的には、Na2OまたはK2Oのアルカリ成分とB2O3を同時に含有すると揮散が激しくなり、煉瓦を著しく浸食するので、B2O3は実質的に含有しないことが好ましい。
Li2Oは、歪点を低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した表面圧縮応力層を得られなくする成分であるので含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%未満である。
Li2Oは、歪点を低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した表面圧縮応力層を得られなくする成分であるので含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%未満である。
第1のガラス板12と第3のガラス板16とは、第1のスペーサ18を介して互いに対向して隔置される。また、第2のガラス板14と第3のガラス板16とは、第2のスペーサ20を介して互いに対向して隔置される。
第1のスペーサ18は、中空部を有する略角筒状の形状を有し、第1のガラス板12と第3のガラス板16の周縁に沿って枠状に配置される。第1のガラス板12と第3のガラス板16は、この第1のスペーサ18によって一定の間隔をもって対向して隔置される。これにより、第1のガラス板12と第3のガラス板16との間に第1の中空層22が形成される。
第1のスペーサ18は、第1のガラス板12と対向する面が一次シール材24Aによって第1のガラス板12に密着(又は粘着)される。また、第3のガラス板16と対向する面が一次シール材24Bによって第3のガラス板16に密着(又は粘着)される。
また、第1のスペーサ18の外側(第1の中空層22と反対側)には、二次シール材26が充填、接着される。二次シール材26は、一次シール材24A、24Bと接するようにして、第1のガラス板12と第3のガラス板16と第1のスペーサ18との間に形成される凹状の空間に充填、接着される。この二次シール材26と一次シール材24A、24Bとによって、第1の中空層22がシール(密閉)される。
第2のスペーサ20は、第1のスペーサ18と同様の形状を有し、第2のガラス板14と第3のガラス板16の周縁に沿って枠状に配置される。第2のガラス板14と第3のガラス板16は、この第2のスペーサ20によって一定の間隔をもって対向して隔置される。これにより、第2のガラス板14と第3のガラス板16との間に第2の中空層28が形成される。
第2のスペーサ20は、第2のガラス板14と対向する面が一次シール材30Aによって第2のガラス板14に密着(又は粘着)される。また、第3のガラス板16と対向する面が一次シール材30Bによって第3のガラス板16に密着(又は粘着)される。
また、第2のスペーサ20の外側(第2の中空層28と反対側)には、二次シール材32が充填、接着される。二次シール材32は、一次シール材30A、30Bと接するようにして、第2のガラス板14と第3のガラス板16と第2のスペーサ20との間に形成される凹状の空間に充填、接着される。この二次シール材32と一次シール材30A、30Bとによって、第2の中空層28がシール(密閉)される。
なお、スペーサは、主にアルミニウムを主材質とする金属製スペーサが使用されるが、複層ガラス周辺部の熱伝導を減じる必要がある場合は、熱伝導率の比較的小さい金属であるステンレス材や硬質樹脂からなるものを使用することが好ましい。
また、スペーサは、必要に応じて中空部に粒状ゼオライト等の乾燥剤が充填される。これにより、中空層の空気を乾燥させることができる。なお、この場合、スペーサの内側(中空層側)には通気孔が備えられ、中空部が中空層に連通する構成とされる。
一次シール材としては、通常架橋処理されないブチルゴム、もしくは、ポリイソブチレンをベースとし、着色と補強を目的としたカーボンブラックなどのフィラーを含有せしめたものが好適である。
二次シール材としては、ポリサルファイド、シリコーン、ウレタンなどの硬化性エラストマをベースとし、ガラスとの接着性を発現するために適当な変性を加えられたものなどが好適である。
以上のように構成される本実施の形態の防火複層ガラス10によれば、第1のガラス板12と第2のガラス板14との間に低膨張ガラス又は化学強化ガラスで構成される第3のガラス板16を配置したので、断熱性を向上させつつ、一定の防火性能を確保できる。特に、第3のガラス板16を化学強化ガラスとすれば、防火複層ガラス10の薄型化を図ることができ、総厚、重量を小さくできる。また、防火複層ガラス10は網入りガラスを使用しないので、良好な視認性を確保できる。
《第2の実施の形態》
図2は、本発明に係る防火複層ガラスの第2の実施形態を示す断面図である。
図2は、本発明に係る防火複層ガラスの第2の実施形態を示す断面図である。
同図に示す防火複層ガラス110も第1のガラス板112と第2のガラス板114との間に第3のガラス板116が配置された構成の複層ガラスである。ただし、防火複層ガラス110は、スペーサが1つで構成されている点で上述した防火複層ガラス10と相違している。
なお、第1のガラス板112と第2のガラス板114は、通常のフロートガラスで構成され、第3のガラス板116は、低膨張ガラス又は化学強化ガラスで構成される点は、防火複層ガラス10と同じである。
第1のガラス板112と第2のガラス板114とは、スペーサ118を介して互いに対向して隔置される。
スペーサ118は、中空部を持つ略角筒状の形状を有し、第1のガラス板112と第2のガラス板114の周縁に沿って枠状に配置される。第1のガラス板112と第2のガラス板114は、このスペーサ118によって一定の間隔をもって対向して隔置される。
スペーサ118は、第1のガラス板112と対向する面が一次シール材124Aによって第1のガラス板112に密着(又は粘着)される。また、第2のガラス板114と対向する面が一次シール材124Bによって第2のガラス板114に密着(又は粘着)される。
スペーサ118の外側には、二次シール材126が充填、接着される。二次シール材126は、一次シール材124A、124Bと接するようにして、第1のガラス板112と第2のガラス板114とスペーサ118との間に形成される凹状の空間に充填、接着される。この二次シール材126と一次シール材124A、124Bとによって、第1のガラス板112と第2のガラス板114との間の空間がシール(密閉)される。
スペーサ118の内側(シールされた空間側)には、第3のガラス板116を保持する保持部120が備えられる。保持部120は、スペーサ118の長手方向に沿って配設された一対の突条片122によって構成される。一対の突条片122は、スペーサ118の内側の面に一定の間隔をもって配置され、その間に所定の幅のガラス保持溝128を形成する。第3のガラス板116は、その周縁部がガラス保持溝128に嵌められて、スペーサ118に保持される。
スペーサ118は、第3のガラス板116を第1のガラス板112と第2のガラス板114との中間位置で保持する。スペーサ118で第3のガラス板116を保持することにより、第1のガラス板112と第2のガラス板114との間の空間が第3のガラス板116によって仕切られ、第1のガラス板112と第2のガラス板114との間に第1の中空層130と第2の中空層132とからなる2つの中空層が形成される。
なお、このように、第3のガラス板116は、スペーサ118に備えられた保持部120に保持されて、第1のガラス板112と第2のガラス板114との間に配置されることから、第1のガラス板112及び第2のガラス板114よりも小サイズとされ、そのサイズは、保持部120のサイズによって規定される。
以上のように構成された防火複層ガラス110によれば、1つのスペーサ118によって複層ガラスが構成されるので、構造を簡素化でき、生産性が向上する。また、防火複層ガラス110の総厚、重量を小さくでき、意匠性も向上する。特に、第3のガラス板116を化学強化ガラスで構成することにより、更なる薄型化を図ることができ、総厚、重量を更に小さくできる。
なお、脱落を防止するためにも、第3のガラス板116は、スペーサ118に固定して取り付けることが好ましい。第3のガラス板116をスペーサ118に固定する方法としては、接着による方法、カシメ留めによる方法、部品接合による方法などを採用することができる。
接着によって固定する場合は、たとえば、被接着部としてのガラス保持溝128の内壁面に接着剤を塗布して、第3のガラス板116の周縁部をガラス保持溝128に嵌め込む。これにより、第3のガラス板116の周縁がガラス保持溝128の内壁面に接着される。
カシメ留めによって固定する場合は、たとえば、カシメ部として一対の突条片122を塑性変形可能に構成し、第3のガラス板116をガラス保持溝128に嵌め込んだ後、一対の突条片122を塑性変形させて、第3のガラス板116を挟持する。すなわち、第3のガラス板116を挟み込む方向に塑性変形させて固定する。この場合、第3のガラス板116が割れるのを防止するため、一対の突条片122と第3のガラス板116との間にゴム等の弾性シート材を介在させることが好ましい。
部品接合による方法は、たとえば、ボルトとナットとからなる締結手段によって第3のガラス板116を一対の突条片122に固定する。図3は、第3のガラス板を部品接合で固定する場合の一例を示す要部断面図である。
図3に示すように、ボルト134を用いて第3のガラス板116を固定する場合、一対の突条片122には、ボルト134を通すためのガラス固定用穴138が備えられる。また、このガラス固定用穴138に対応して、第3のガラス板116にも固定用穴140が備えられる。第3のガラス板116を固定する際は、第3のガラス板116をガラス保持溝128に嵌め込んだ後、ボルト134をガラス固定用穴138及び固定用穴140に通し、ボルト134にナット136を締結して固定する。なお、ボルト134による固定箇所は、第3のガラス板116のサイズ、重量などによって適宜調整され、少なくともガラス板の四隅が固定されるように構成することが好ましい。また、カシメ、接着、嵌め合いと併用し、ボルト本数を低減することもできる。
なお、図2では、第3のガラス板116の4辺がスペーサ118によって固定されているが、上下左右の一方だけで固定されていても良いことは言うまでもない。つまり、第1のガラス板112と第2のガラス板114との間に第3のガラス板116で仕切られた第1の中空層130と第2の中空層132が、完全に独立しても良く、繋がっていても良い。
《第3の実施の形態》
図4は、本発明に係る防火複層ガラスの第3の実施形態を示す断面図である。
図4は、本発明に係る防火複層ガラスの第3の実施形態を示す断面図である。
同図に示す防火複層ガラス210は、スペーサに吊り下げ部材212を備えている点で上述した第2の実施の形態の防火複層ガラス110と相違する。したがって、ここでは吊り下げ部材についてのみ説明し、他の構成については、同一符号を付して説明は省略する。
吊り下げ部材212は、第3のガラス板116を保持するスペーサ118と、防火複層ガラス210の設置部であるサッシ側に設置された支持部材214とに係合する。これにより、遮炎可能な第3のガラス板116が熱軟化し、建築物の窓用開口部から脱落するのを防止できる。
吊り下げ部材212は、スペーサ118の上辺部分に取り付けられる。なお、吊り下げ部材212を取り付ける位置、個数は、防火複層ガラス210のサイズ、重量などに応じて適宜設定されるが、少なくともスペーサ118の上辺部分の両端の2カ所に取り付けることが好ましい。
本実施の形態では、吊り下げ部材212は、丸棒状の軸部212Aと、軸部212Aの上端部分に備えられる円盤状の係合部212Bとを備えて構成される。
軸部212Aは、下端部分に雄ネジ部212aが備えられる。スペーサ118には、この軸部212Aの雄ネジ部212aが螺合される雌ネジ部216が備えられる。吊り下げ部材212は、この軸部212Aの雄ネジ部212aをスペーサ118の雌ネジ部216に螺合させることにより、スペーサ118の上辺部分に垂直に取り付けられる。
係合部212Bは、軸部212Aの同軸上に配置され、軸部212Aの上端部分に鍔状に張り出して設けられる。防火複層ガラス210が取り付けられる建築物の躯体220には、この係合部212Bが係合する支持部材214が備えられる。
支持部材214は、係合部212Bが収容される中空部214Aと、その中空部214Aに連通される挿通穴214Bとを備えた略角筒状の形状を有し、複層ガラス210の上辺部分に沿って配設される。中空部214Aは、内部に収容される係合部212Bが軸方向に移動できるように形成される。挿通穴214Bは、軸部212Aが挿通可能に形成され、係合部212Bが抜けない大きさで形成される。すなわち、支持部材214の係合部212Bが中空部214Aの内壁面に係合することにより、第3のガラス板116の落下が防止される。
以上のように構成された防火複層ガラス210によれば、火災時の火炎によって外側の一方のガラス板112(114)が熱割れ、あるいは軟化して熱だれが発生し、建具から外れて落下しても、第3のガラス板116は、スペーサ118及び吊り下げ部材212を介して支持部材214に吊り下げ支持され、落下を防止でき、遮炎性能を保持できる。
また、第3のガラス板116が脱落しないので、他の一方のガラス板(火災発生側が第1のガラス板112の場合は、第2のガラス板114)は温度の上昇が小さく、破損や軟化が防止される。
第3のガラス板116又は第2のガラス板114(又は第1のガラス板112)の中空層側表面に適切な反射膜を設けると、この効果が更に高くなる。
図5は、第3の実施の形態の防火複層ガラスの変形例を示す断面図である。
前記構成において、図5に示すように、スペーサ118の一部と支持部材214の一部とを、水平方向においてオーバーラップさせると遮炎効果をより高めることができる。
図5に示す例では、スペーサ118の上辺部分にスペーサ118の長手方向に沿って、かつ支持部材214方向に延長された突条片222が設けられ、また支持部材214の下面部分に支持部材214の長手方向に沿って、かつスペーサ118方向に延長された突条片224が設けられ、双方の突条片222、224が水平方向において、所定の隙間をもって重なるように配置される。これにより、スペーサ118の一部(突条片222)と支持部材214の一部(突条片224)が水平方向においてオーバーラップされる。
なお、係合部212Bが中空部214Aに常時係合していると、吊り下げ部材212やスペーサ118などに負荷がかかるので、防火複層ガラス210を躯体220に取り付ける際は、吊り下げ部材212の係合部212Bが支持部材214の中空部214Aの内壁面に接触しないように調整して取り付けることが好ましい。この調整は、たとえば、吊り下げ部材212の軸部212Aに備えられた雄ネジ部212aで係合部212Bの高さ位置を調整することにより行われる。
《その他の実施の形態》
図6は、吊り下げ部材と同等の機能をもつ他の実施の形態を示す断面図である。
図6は、吊り下げ部材と同等の機能をもつ他の実施の形態を示す断面図である。
第1のガラス板112及び第2のガラス板114に保持されるように、スペーサ118にホルダ230を設けている。ホルダ230は、板形状を有し、雄ネジ部232を備えている。ホルダ230は、スペーサ118の上辺部分に備えられた雌ネジ部216に雄ネジ部232を螺合させることにより、スペーサ118の上辺部分に取り付けられる。この形態においても、吊り下げ部材と同等の機能が得られる。
上記した図2〜6に示される実施の形態では、スペーサ118の長手方向に沿って配設される一対の突条片122によって第3のガラス板116の保持部120を構成しているが、保持部の構造は、これに限定されるものではない。
保持部と吊り下げ部材の他の実施の形態を示す斜視図を示す図7に示すように、スペーサ118の各コーナー部に一対の挟持片300を設け、この一対の挟持片300で第3のガラス板116のコーナー部を挟み込んで保持する構成とすることもできる。
保持部と吊り下げ部材の他の実施の形態を示す斜視図を示す図7に示すように、スペーサ118の各コーナー部に一対の挟持片300を設け、この一対の挟持片300で第3のガラス板116のコーナー部を挟み込んで保持する構成とすることもできる。
なお、図7に示す例では、矩形の板形状を有する一対の挟持片300を第3のガラス板116の厚さに対応する間隔でスペーサ118のコーナー部に設置し、この一対の挟持片300で第3のガラス板116のコーナー部を挟み込んで保持する構成としている。特に、同図に示す例では、スペーサ118を構成するコーナーキー118Aに一対の挟持片300を設ける構成としている。なお、コーナーキー118Aは、縦方向に配置さるスペーサ118と横方向に配置されるスペーサ118とをコーナー部分で接合する部材であり、吊り下げ部材310等の付属部品を容易に加工可能な部材である。
また、同図に示す例では、一対の挟持片300で挟持された第3のガラス板116をボルト134とナット136とからなる締結手段によって固定する構造としている。このため、一対の挟持片300には、ボルト134を通すためのガラス固定用穴302が備えられており、また、第3のガラス板116にもボルト134を通すための固定用穴304が備えられている。
なお、第3のガラス板116を固定する方法は、この他、接着による方法やカシメ留めによる方法などを採用することができる。
図8は、第3のガラス板116をスペーサ118に固定する他の実施の形態を示す断面図である。
図8に示す固定方法は、カシメ留めに類似した第3のガラス板116の固定方法である。スペーサ118には、一対の挟持片119、119が備えられ、挟持片119と挟持片119との間の隙間に第3のガラス板116の縁部が嵌入される。また、スペーサ118の側面に皿ビス320が配置されるとともに、スペーサ118の中空部内に、スペーサ118に固定された雌ネジ部322が配置されている。この固定方法によれば、皿ビス320を雌ネジ部322に締結していき、挟持片119と挟持片119との間の隙間を狭めていくことにより、第3のガラス板116が挟持片119、119に挟持され、スペーサ118に固定される。
また、上記実施の形態では、吊り下げ部材として、軸部と係合部とを備えた構成の吊り下げ部材を用いているが、吊り下げ部材の構成も、これに限定されるものではない。図7に示す例では、吊り下げ部材310を板形状とし、吊り下げ用の穴312を備えた構成としている。この場合、サッシ側にフック等を設け、穴312に係合させて、落下を防止する構成とされる。なお、同図に示す例では、吊り下げ部材310をコーナーキー118Aに設ける構成としている。
以上、本発明の実施の形態ないし実施例を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態ないし実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。たとえば、防火複層ガラス10、110、210を構成する第1のガラス板12、112と、第2のガラス板14、114としては、通常のフロートガラス板を用いる他、強化ガラス、合わせガラス、熱線吸収ガラス、更には、熱線反射ガラス、低反射率ガラスなどのように、表面に金属や他の無機物を薄くコーティングしたガラス板などを用いることができ、特に限定されない。また、第3のガラス板16、116の表面に金属や他の無機物を薄くコーティングしてもよい。更に、防火複層ガラス10、110は、第1の中空層22、130、第2の中空層28、132をアルゴンやクリプトン等の断熱ガスで置換したものでもよい。
本発明によれば、断熱性を向上させつつ、総厚および重量が大きくなることを抑え、視認性にも優れ、比較的安価であり、また破損の際にも防火性能をより長く維持することができる防火複層ガラスが得られることができる。
なお、2013年4月11日に出願された日本特許出願2013−083051号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
なお、2013年4月11日に出願された日本特許出願2013−083051号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
10…防火複層ガラス、12…第1のガラス板、14…第2のガラス板、16…第3のガラス板、18…第1のスペーサ、20…第2のスペーサ、22…第1の中空層、24A、24B…一次シール材、26…二次シール材、28…第2の中空層、30A、30B…一次シール材、32…二次シール材、110…防火複層ガラス、112…第1のガラス板、114…第2のガラス板、116…第3のガラス板、118…スペーサ、118A…コーナーキー、119…挟持片、120…保持部、122…突条片、124A、124B…一次シール材、126…二次シール材、128…ガラス保持溝、130…第1の中空層、132…第2の中空層、134…ボルト、136…ナット、138…ガラス固定用穴、140…固定用穴、210…防火複層ガラス、212…吊り下げ部材、212A…軸部、212a…雄ネジ部、212B…係合部、214…支持部材、214A…中空部、214B…挿通穴、216…雌ネジ部、220…躯体、222…突条片、224…突条片、230…ホルダ、232…雄ネジ部、300…挟持片、302…ガラス固定用穴、304…固定用穴、310…吊り下げ部材、312…穴、320…皿ビス、322…雌ネジ部
Claims (9)
- 第1のガラス板と第2のガラス板とを隔置し、周縁をシール材でシールして構成される複層ガラスであって、
前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に低膨張ガラス又は化学強化ガラスで構成される薄板の第3のガラス板を備えるとともに、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に前記第3のガラス板で仕切られた第1の中空層と第2の中空層とを備えたこと特徴とする防火複層ガラス。 - 前記第3のガラス板の板厚が、1.0〜6.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の防火複層ガラス。
- 前記第3のガラス板は、化学強化ガラスで構成され、前記第1のガラス板と第1のスペーサを介して隔置され、かつ、第2のガラス板と第2のスペーサを介して隔置されることを特徴とする請求項1または2に記載の防火複層ガラス。
- 前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に配置されるスペーサと、
前記スペーサに備えられ、第3のガラス板を保持する保持部と、
を備え、前記第3のガラス板が化学強化ガラスで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の防火複層ガラス。 - 前記保持部は、前記第3のガラス板の周縁が接着剤を介して接着される被接着部として構成されることを特徴とする請求項4に記載の防火複層ガラス。
- 前記保持部は、前記第3のガラス板の周縁をカシメ留めるカシメ部として構成されることを特徴とする請求項4に記載の防火複層ガラス。
- 前記保持部は、前記第3のガラス板の周縁が締結部材を介して締結される被締結部として構成されることを特徴とする請求項4に記載の防火複層ガラス。
- 前記スペーサの上方に配置される支持部材と、
前記スペーサに備えられて前記支持部材に係合し、前記スペーサを吊り下げて支持する吊り下げ部材と、
を更に備えることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の防火複層ガラス。 - 前記化学強化ガラスは、酸化物基準のモル百分率表示でSiO2を56〜75%、Al2O3を1〜20%、Na2Oを8〜22%、K2Oを0〜10%、MgOを0〜14%、ZrO2を0〜5%、CaOを0〜10%含有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の防火複層ガラス。
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