JPWO2014003137A1 - 高アフィニティー抗体、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされていない抗体を、温度応答型プロテインA担体により精製することを含む、抗原に対する解離定数(KD値)が、酸溶出型プロテインA担体で精製された抗体のKD値よりも小さい高アフィニティー抗体の製造方法。

Description

本発明は、精製技術に関し、特に抗体の精製方法に関する。
免疫グロブリン(抗体)は、免疫反応を司る生理活性物質である。近年、医薬品、診断薬、及び対応する抗原タンパク質の分離精製材料等の用途において、抗体の利用価値が高まっている。抗体は、免疫した動物の血液、抗体産生能を保有する細胞の細胞培養液、及び動物の腹水培養液等から得られる。ただし、血液や培養液は、抗体以外のタンパク質、及び複雑な夾雑物等の不純物を含んでいる。したがって、不純物から抗体を分離し、抗体を精製するためには、通常、煩雑で長い時間を要する精製工程が必要とされている。
不純物を除去して純度の高いイムノグロブリンを製造する方法として、アフィニティークロマトグラフィーが中心技術として使用されている。
アフィニティークロマトグラフィーにおいては、下記(A)〜(C)の工程を経て、純度及び濃度の高い抗体が精製される。
(A)不純物の混じった試料をカラムに負荷する工程(負荷工程)
(B)負荷したカラムから精製対象とする抗体以外の不純物を取り除く工程(洗浄工程)
(C)精製対象とする抗体をカラムから回収する工程(溶出工程)
その際、負荷工程と洗浄工程においては、クロマトグラフィーの固定相に結合されたアフィニティーリガンドに精製対象とする抗体が強く結合するように、カラム内の環境を設定する一方で、溶出工程では両者が分離するようにカラム内の環境を変化させることが必須であり、この環境変化には、通常pHの変化が利用されている。
抗体の精製に用いるアフィニティークロマトグラフィーのリガンドとしては、抗体の共通領域に極めて高い特異性と親和性を持つ、スタフィロコッカス(Staphylococcus)由来のプロテインA、及びその抗体結合ドメインが知られており、産業規模での抗体製造工程で広く使用されている。プロテインAは、一般に、生理条件下において抗体と結合し、酸性条件下において抗体を遊離させる。
また、近年、温度を変化させることによって、分離対象の生体物質との相互作用を変化させることが可能なプロテインA(以下、温度応答型プロテインA、と呼ぶ。)をアフィニティークロマトグラフィーに使用することが提案されている。なお、生理条件下において抗体と結合し、酸性条件下において抗体を遊離させる性質を有するが、温度を変化させても、分離対象の生体物質との相互作用が変化しないプロテインAを、以下、酸溶出型プロテインA、と呼ぶ。
特許文献1には、温度応答型プロテインAを用いた、市販の方法によって入手した抗体の精製方法が開示されており、実施例8において、市販の方法によって入手したヒトIgGを温度応答性プロテインAに一旦吸着させ、温度変化によって溶出させる抗体の精製方法が開示されている。
しかし、市販の方法によって入手可能な抗体は、一般に、ウイルス安全性の観点から、抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされている。例えば、抗体が組み換え細胞由来のヒトモノクロナール抗体の場合、一般に、低pH処理(一般的にはpH3.0〜4.0、1時間以上)が施されている。しかし、低pH処理を行った抗体においては、抗体が本来有する、抗原に対するアフィニティーは既に損なわれている。さらに、低pH処理を行うと、抗体に立体構造の変化、会合・凝集などが生じ、機能に不具合が生じることが明らかになっている(例えば、特許文献2参照。)。また、抗体がヒト血漿等の動物由来のヒトポリクロナール抗体の場合、一般に、加熱処理(一般的に60℃.10時間)が施されている(例えば、特許文献3参照。)。このように高温処理を行った抗体においても、抗体が本来有する、抗原に対するアフィニティーは既に損なわれている。
抗体が本来有する、抗原に対するアフィニティーを損なわずに、抗原に対するアフィニティーを高く維持したまま、抗体を、高純度に、高収率で精製可能な方法は、産業上非常に有用であるにも関わらずこれまで不明であり、検討されてこなかった。
国際公開第08/143199号 特開2005‐206602号公報 特開2008−94722号公報
本発明は、抗原に対するアフィニティーが維持された抗体を、高純度、高収率で製造する方法を提供することを課題とする。
現在、バイオ医薬品であるヒトモノクロナール抗体は、一般に、酸溶出型プロテインA担体によって精製されている。しかし、本発明者らは、鋭意検討の結果、抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされていない抗体を、温度応答型プロテインA担体により精製すると、抗原に対するアフィニティーが高い抗体が、高純度、高収率で得られることを見出した。
すなわち、本発明は、温度応答型プロテインAによる、抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされていない抗体を、抗原に対するアフィニティーを高く維持したまま、高純度に、高収率で精製する方法、及びそれにより得られた高アフィニティー抗体を提供するものである。
本発明の態様は、(A)モノクローナル抗体を産生する細胞を培養する工程と、(B)細胞を含む溶液から細胞を除去する工程と、(C)溶液に含まれるモノクローナル抗体を温度応答性プロテインA担体によって精製する工程と、を含む抗体の製造方法であって、(C)工程の前に、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も含まず、(B)工程で得られた除去された溶液を24時間以内に(C)工程に処する、高アフィニティー抗体の製造方法であることを要旨とする。
ここで、得られた抗体の抗原に対する解離定数(KD値)は、(C)工程の代わりに、モノクローナル抗体をpH4〜9で吸着し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKD値よりも小さい。
また、得られた抗体の抗原に対する解離速度定数(Kd値)は、(C)工程の代わりに、モノクローナル抗体をpH4〜9で固定し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKd値よりも小さい。
細胞は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)である。抗体は、例えば、ヒト抗体である。
(C)工程により、温度応答型プロテインA担体により抗体を精製した後、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も行わないことが好ましい。
また、本発明の態様は、(A)モノクローナル抗体を産生する細胞を培養する工程と、(B)細胞を含む溶液から細胞を除去する工程と、(C)溶液に含まれるモノクローナル抗体を温度応答性プロテインA担体によって精製する工程と、を含む抗体の製造方法で得られた高アフィニティー抗体であって、(C)工程の前に、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も含まず、(B)工程で得られた細胞を除去された溶液を24時間以内に(C)工程に処することで得られた高アフィニティー抗体であることを要旨とする。
ここで、当該高アフィニティー抗体の抗原に対する解離定数(KD値)は、(C)工程の代わりに、モノクローナル抗体をpH4〜9で固定し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKD値よりも小さい。
また、当該高アフィニティー抗体の抗原に対する解離速度定数(Kd値)は、(C)工程の代わりに、モノクローナル抗体をpH4〜9で固定し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKd値よりも小さい。
細胞は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)である。抗体は、例えば、ヒト抗体である。
(C)工程により、温度応答型プロテインA担体により当該抗体を精製した後、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も行われないことが好ましい。
本発明によれば、抗原に対する高いアフィニティーを維持したまま、高純度、高収率で抗体を精製する方法、及びその精製方法によって得られる抗体を提供可能である。
実施例、及び比較例に係る抗体アフィニティーの測定結果を示す表である。
以下、本発明の実施の形態(以下において、単に「実施の形態」という。)について詳細に説明する。実施の形態に係る高アフィニティー抗体の製造(精製)方法は、抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされていない抗体を、温度応答型プロテインA担体により精製することを含む。ここで、精製された抗体の抗原に対する解離定数(KD値)は、酸溶出型プロテインA担体で精製された抗体のKD値よりも小さい。
本実施の形態でいう抗体とは、生化学における一般的な定義のとおり、脊椎動物の感染防禦機構としてBリンパ球が産生する糖タンパク質分子(ガンマグロブリン又は免疫グロブリンともいう)のことである。特に、ヒトに対して医薬品として使用できる抗体は、医薬品として非常に有用であり、抗原に対するアフィニティーが低下しやすい性質を有することから、本実施の形態で製造するのに適している。ヒトに対して医薬品として使用できる抗体は、すなわち、ウイルス等の病原微生物との混合が実質的に認められず、投与対象であるヒトの体内にある抗体と実質的に同一の構造を有するものである。
抗体の種類については、クラス(アイソタイプ)やサブクラスは特に限定されない。例えば、抗体は定常領域の構造の違いにより、IgG,IgA,IgM,IgD,及びIgEの5種類のクラスに分類されるが、各免疫グロブリンの何れであってもよい。ヒト抗体においては、IgGにはIgG1〜IgG4の4つのサブクラスがあり、何れであってもよい。特に、IgG1及びIgG4は、抗体医薬としての有用性が高く、且つ、抗原に対するアフィニティーが低下しやすい傾向が顕著であるため、本実施の形態で製造するのに適している。IgAにはIgA1とIgA2の2つのサブクラスがあるが、これも特に限定されない。なお、医薬品として適用可能であれば、Fc領域が結合された抗体関連タンパク質も本実施の形態でいう抗体の範疇である。
本実施の形態において、ヒトIgGとのキメラ抗体とは、可変領域はマウスなどのヒト以外の生物由来であるが、その他の定常領域をヒト由来の免疫グロブリンに置換したものをいう。また、ヒト化抗体とは可変領域のうち、相補性決定領域(complementarity−determining region: CDR)がヒト以外の生物由来で、その他のフレームワーク領域(framework region: FR)をヒト由来としたものをいう。ヒト化抗体は、キメラ抗体よりも免疫原性がさらに低減される。
さらに、抗体は由来や製造方法によっても分類することができ、天然のヒト抗体や遺伝子組換え技術により生産された組換えヒト抗体、あるいはモノクローナル抗体やポリクローナル抗体の何れであってもよい。これらの抗体の中でも、抗体医薬としての需要や重要性の観点から、ヒトIgGへの適用が好適である。また、後述する特定のリガンドと特定の液性による本実施の形態の抗体精製条件は、ヒトIgGの精製に好適である。
医薬品としての抗体は、大略、以下の工程を経て製造される。すなわち、細胞培養工程、細胞分離(除去)工程、精製工程、ウイルス除去工程、濃縮・液交換工程、及びボトリング工程という順番である。勿論このフローに限定されるものではなく、付加的な工程が挿入されることや、各工程の一部が入れ替わることもある。上記は、細胞培養法によって目的抗体の生産を行う場合の代表的フローであるが、ヒトの体液又は細胞培養液から目的抗体を精製する場合は、細胞培養工程と細胞分離工程とが省略され、体液又は細胞培養液は精製工程に投入される。
精製工程に投入される溶液は、精製対象の抗体と、不純物と、を含んでいる。精製工程によって、溶液から、不純物が除去され、抗体が精製される。不純物は、夾雑物、精製対象の抗体以外のタンパク質、及び抗体の凝集体を含み得る。抗体の凝集体は、例えば抗体の二量体以上の多量体からなる。精製工程に投入される溶液が体液である場合、体液としては、血液、血漿、血清、リンパ液、腹水、胸水、あるいはそれらの混合液、それらに生理的食塩水、緩衝液、及び無菌水等の生理的溶液を加えた希釈液、並びに血液製剤等が挙げられる。
精製工程に投入される溶液が細胞培養液である場合、細胞培養液は、細胞懸濁液から濾過や沈殿により細胞を除去することにより得られる。細胞培養液は、生理的溶液で希釈されていてもよい。細胞培養液は、細胞が培養中に細胞外に放出又は分泌した抗体を含んでいる。細胞懸濁液としては、例えば医薬原料溶液を得ることを目的として培養された細胞が懸濁している液が挙げられる。細胞としては、動物の体液や組織から採取した細胞、人工的に癌化させた株化細胞、さらにはこれら細胞を生体外で培養した細胞等が挙げられる。
本実施形態において、温度応答性プロテインA担体によって精製される前の抗体は、実質的に、抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされていない抗体である。抗原に対するアフィニティーを低下させる処理としては、特に限定されないが、例えば、ウイルス不活化処理、あるいはアフィニティークロマトグラフィーによる精製処理などが挙げられる。ウイルス不活化処理としては、低pH処理、60℃以上の高温処理、UV照射、色素添加、及びソルベントデタージェント法などによるものが挙げられるが、低pH処理、及び、60℃以上の高温処理が最も一般的である。また、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理としては、酸溶出型プロテインAによる精製処理などが挙げられる。
本実施形態において、温度応答性プロテインA担体によって精製される前の抗体は、その収集工程において、実質的に、抗原に対するアフィニティーを低下させるリスクを、可能な限り低下させることが望ましい。収集工程において、抗原に対するアフィニティーを低下させるリスクとは、例えば、細胞分離工程から精製工程に要する時間等が例示される。抗体の製造で、最も一般的に使用されるチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を、細胞培養工程において使用した場合、細胞分離工程後の培養上澄に、CHO細胞由来の、タンパク質分解酵素等の不純物が混入する。これらの不純物と抗体とが、長時間接触することにより、抗原に対する抗体のアフィニティーは低下してしまう。抗原に対するアフィニティーを低下させるリスクを低下させるため、細胞を含む溶液から細胞を除去する工程である細胞分離(除去)工程から温度応答性プロテインA担体による抗体の精製工程までの時間を、24時間以内にすることが好ましく、12時間以内がより好ましく、6時間以内がさらに好ましい。
実施の形態に係る方法では、酸溶出型プロテインAによる精製処理を、一切含まない。酸溶出型プロテインAによる精製処理において、pH変化によってカラムから抗体を溶出させるには、抗体とプロテインAの親和性が高いpH6〜8の中性域(負荷・洗浄工程のpH)から、親和性が極端に低下するpH3〜4の酸性域(溶出工程のpH)に、水素イオン指数(pH)を変化させる。この酸性pH域では、抗体に立体構造の変化、会合凝集などが起こり、抗体の機能に不具合をきたす。
実施の形態に係る方法では、実質的に、抗原に対するアフィニティーを低下させる、ウイルス不活化処理を、一切含まない。ウイルス不活化処理は、酸溶出型プロテインAからの溶出液を、そのままの低いpH(pH3〜4)で、室温において、1時間程度インキュベートすることが一般的である。所定時間経過後、水酸化ナトリウム水溶液や、pH5〜9程度のTris塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、等の緩衝液を滴下し、水素イオン指数(pH)をpH5〜7程度まで上昇させ、中和させる。
実施の形態に係る精製工程は、温度応答型プロテインAを用いる。温度応答型プロテインAで使用される担体は、支持体と、支持体の表面に導入された、温度に応答して精製対象の抗体への親和性が変化する温度応答性リガンドと、を備える。
担体が備える支持体の形状は、特に限定されないが、例えば平膜状、中空糸状等の膜状、又はビーズ状である。中空糸状の支持体は、モジュール成型が容易であり、モジュールあたりの膜面積が大きいため、好適に用いられる。また、ビーズ状の支持体は、一般的に、体積あたりの表面積が、膜状の支持体の体積あたりの表面積と比較して大きく、大量の抗体を吸着できるため、好適に用いられる。
支持体の材料は、特に限定されないが、支持体が膜状である場合、多孔性膜を形成し得る高分子材料が好適に用いられる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の含フッ素樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、及びポリカーボネート等の非結晶性樹脂などが支持体の材料に使用できる。
支持体がビーズ状である場合、ガラス、シリカ、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、架橋アガロース、架橋デキストラン、架橋ポリビニルアルコール、及び架橋セルロースなどが支持体の材料に使用できる。架橋ポリビニルアルコール、及び架橋セルロースは親水性が高く、不純物の吸着を抑制できるため、支持体の材料として好適に用いられ得る。
支持体は、例えば複数の細孔を有し得る。細孔径は、特に限定されないが、例えば5〜1000nmであり、好ましくは10〜700nmであり、さらに好ましくは20〜500nmである。細孔径が5nm以下であると、分離できる抗体の分子量が低くなる傾向にある。また細孔径が1000nm以上であると、基材の表面積が小さくなり、抗体の結合量が少なくなる傾向にある。
支持体には、任意のカップリング基が導入され得る。カップリング基としては、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化されたカルボキシル基、カルボキシル基、臭化シアン活性化基、水酸基、エポキシ基、アルデヒド基、及びチオール基等が挙げられる。担体表面に導入されるリガンドが温度応答性プロテインAである場合、温度応答性プロテインAは一級アミノ基を有している。そのため、上述したカップリング基のうち、一級アミノ基とカップリングできるNHS活性化されたカルボキシル基、カルボキシル基、臭化シアン活性基、エポキシ基、及びホルミル基等が好適に使用される。例えば、NHSで活性化されたカルボキシル基は、カップリング反応時に他の薬品が不要であり、反応が迅速であり、一級アミノ基と強固な結合を形成するという利点を有する。
支持体と、カップリング基と、の間に、スペーサーが導入されてもよい。支持体へのカップリング基の導入方法は、さまざまな文献に開示されている。
カップリング基を末端、及び/又は側鎖に有するグラフト高分子鎖を支持体に導入してもよい。カップリング基を有するグラフト高分子鎖を支持体に導入することで、カップリング基の密度を任意に高める等、制御することが可能となる。カップリング基を有する高分子鎖を支持体にグラフトするか、あるいはカップリング基に変換し得る前駆体官能基を有する高分子鎖を支持体にグラフトし、その後にグラフトした前駆体官能基をカップリング基に変換してもよい。
グラフト高分子鎖の導入方法はいかなる方法でもよい。例えば、あらかじめ高分子鎖を調製し、支持体にカップリングしてもよい。あるいは、「リビングラジカル重合法」や「放射線グラフト重合法」の手法により、支持体上で直接グラフト鎖を重合してもよい。「放射線グラフト法」は、支持体にあらかじめ反応開始剤を導入する必要がなく、適応可能な支持体が多種であるため、好適に用いることができる。
「放射線グラフト重合法」でグラフト鎖を導入する場合、支持体にラジカルを生成させる手段は任意である。しかし、支持体全体に均一なラジカルを生成させるためには、電離性放射線を照射することが好ましい。電離性放射線の種類としては、γ線、電子線、β線、及び中性子線等が利用できるが、工業規模での実施には電子線又はγ線が好ましい。電離性放射線はコバルト60、ストロンチウム90、及びセシウム137などの放射性同位体から、あるいはX線撮影装置、電子線加速器及び紫外線照射装置等から得られる。
電離性放射線の照射線量は、例えば1kGy以上1000kGy以下が好ましく、より好ましくは2kGy以上500kGy以下、さらに好ましくは5kGy以上200kGy以下である。照射線量が1kGy未満では、ラジカルが均一に生成しにくくなる傾向にある。また、照射線量が1000kGyを超えると、支持体の物理的強度の低下を引き起こす傾向にある。
電離性放射線の照射によるグラフト重合法には、一般に、支持体にラジカルを生成させた後、次にそれらを反応性化合物と接触させる前照射法と、支持体を反応性化合物と接触させた状態で支持体にラジカルを生成させる同時照射法と、がある。実施の形態においては、いかなる方法も適用し得るが、オリゴマーの生成が少ない前照射法が好ましい。
グラフト重合時に使用する溶媒は、反応性化合物を均一に溶解できるものであれば特に限定されない。このような溶媒として、例えば、エタノールやイソプロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトンや2−ブタノン等のケトン類;水、又はそれらの混合物等が挙げられる。
グラフト重合に使用されるカップリング基を有するモノマーとしては、カルボキシル基をカップリング基とする場合、アクリル酸、及びメタクリル酸等のモノマーが挙げられる。一級アミノ基をカップリング基とする場合、アリルアミン等が挙げられる。そして、エポキシ基をカップリング基とする場合、グリシジルメタクリレート(GMA)等が挙げられる。グリシジルメタクリレートは、さまざまなエポキシ基の開環反応を利用してさまざまな官能基を形成することが可能であるため、工業的にも好適に用いることが可能である。
カルボキシル基をカップリング基とする場合には、まずグリシジルメタクリレートをグラフト重合後、グリシジルメタクリレートのエポキシ基を加水分解してジオールとする。そして、ジオール由来の水酸基に環状酸無水物を開環ハーフエステル化反応させることにより、環状酸無水物に由来するカルボキシル基を形成(開環ハーフエステル化反応)する。製造コストの点で、環状酸無水物は、無水コハク酸又は無水グルタル酸であることが望ましいが、これらに限定されない。
開環ハーフエステル化反応に用いられる触媒としては、本反応を促進するものであれば特に限定されないが、具体的にはトリエチルアミン、イソブチルエチルアミン、ピリジン、及び4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。これらの中で、トリエチルアミン又は4−ジメチルアミノピリジンが好ましく、反応速度や収率の点で4−ジメチルアミノピリジンが最も好ましい。
開環ハーフエステル化反応は、上記触媒を添加したトルエン等の不活性有機溶媒中で行われることが好ましい。
開環ハーフエステル化反応により形成されたカルボキシル基は、NHS活性反応によって、活性エステルに変換される。カルボキシル基と比較して活性エステルは反応性が高い。そのため、温度応答性プロテインA等のリガンドを担体上に迅速に固定することが望まれる場合、活性エステル化工程を行うことが好ましい。
活性エステルは、R−C(=O)−Xの化学構造を有する。Xは、ハロゲンやN−ヒドロキシスクシンイミド基又はその誘導体、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール基又はその誘導体、ペンタフルオロフェニル基、並びにパラニトロフェニル基などの脱離性基であるが、これらに限定されない。活性エステルとしては、反応性、安全性及び製造コストの観点から、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルが望ましい。カルボキシル基に、N−ヒドロキシスクシンイミドと、カルボジイミドと、を同時に反応させることによって、カルボキシル基が、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルへ変換される。
カルボジイミドは、−N=C=N−の化学構造を有する有機化合物である。カルボジイミドとしては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。N−ヒドロキシスクシンイミド及びカルボジイミドの濃度は、1〜100mmol/L、反応温度は0℃以上100℃未満、反応時間は2分〜16時間の範囲で設定されるのが望ましい。反応溶媒としては、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)やトルエンなどが使用できる。
以上説明した温度応答性アフィニティークロマトグラフィー担体の基材には、温度応答性リガンドとして、温度応答性プロテインAが導入される。温度応答性プロテインAは、温度に依存して、抗体との親和性が変化するよう変異されたプロテインAである。具体的には、温度応答性プロテインAは、低温で抗体と結合し、抗体と結合した時の温度よりも高い温度で抗体から解離する。温度応答性プロテインAは、特許文献(WO2008/143199号)を参考に調製することができる。
NHS活性化されたカルボキシル基と、温度応答性プロテインAと、のカップリング反応は、例えば以下のように行われる。まず、クエン酸緩衝液(pH3.0〜6.2)、酢酸緩衝液(pH3.6〜5.6)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH5.8〜8.5)、又は炭酸緩衝液(pH9.2〜10.6)などのアミノ基成分を含まない緩衝液を用いて、0.1〜100mg/mLの濃度で温度応答性プロテインAを含む溶液を準備する。この水溶液を担体表面の活性エステルと接触させると、温度応答性プロテインAに含まれるアミノ基等の官能基が活性エステルと反応し、アミド結合が形成される。その結果、温度応答性プロテインAが、共有結合によって、担体表面の活性エステルに固定化される。ここで、接触時間は2分〜16時間の範囲で設定するとよい。温度応答性プロテインAを担体の表面に固定した後は、適当な洗浄液で担体を洗浄することが望ましい。このとき、洗浄液は0.5mol/L程度の塩(NaCl)及び0.1%程度の非イオン性界面活性剤を含む緩衝液であることが望ましい。これによって、共有結合せずに物理吸着しているだけの温度応答性プロテインAを担体表面から取り除くことができる。
温度応答性プロテインAを担体表面に固定した後(好ましくは更に温度応答性プロテインAを固定した担体を洗浄した後)、未反応のカルボキシル基又は活性エステルを、アミノ基を有する低分子化合物と結合させることにより、未反応のカルボキシル基又は活性エステルを保護することが好ましい。これによって、不純物等の精製対象外の分子が不本意に担体表面に固定されるのを防ぐことができる。特に担体の基材表面に導入された官能基が活性エステルである場合、この操作がされることが好ましい。
本明細書では、活性エステル基にアミノ基を有する低分子化合物を反応させる操作を、「ブロッキング」と記述することがある。なお、カルボキシル基又は活性エステルを低分子化合物と反応させた後の担体表面は、親水性であることが望ましい。なぜなら、親水性の表面は、一般に、生体関連物質の基材表面への非特異的な吸着を抑制するからである。このためには、アミノ基を含有する低分子化合物として、アミノ基以外に親水性基を更に有する低分子化合物を用いることが好ましい。このような低分子化合物としては、例えば、エタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、及びジグリコールアミン(IUPAC名:2−(2−アミノエトキシ)エタノール)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの低分子化合物は、PBSなどの緩衝液に10〜1,000mmol/Lとなるように溶解される。低分子化合物の溶解液を、温度応答性プロテインAを固定した基材を備える担体と接触させることにより、基材表面の未反応の活性エステル基がブロッキングされる。反応温度は例えば4〜37℃の範囲で設定され、反応時間は例えば2分〜16時間の範囲で設定されるとよい。
温度応答性プロテインAが固定された基材を備える担体は、pH4〜8の範囲の中性溶液を保存液中に、2〜10℃程度の低温で保存される。保存液としては、抗菌性を考慮して、20%エタノールが好ましい。
上述したように、温度応答性プロテインAは、低温で抗体と結合し、抗体と結合した時の温度よりも高い温度で抗体から解離する。したがって、温度応答性プロテインAを備える担体が充填されたカラムを用いて抗体を精製する際には、まず、低温条件下で、精製対象の抗体と、不純物と、を含む溶液を、温度応答性プロテインAを備える担体が充填されたカラムに注入する。低温条件とは、例えば0℃以上20℃未満、好ましくは1℃以上15℃未満、最も好ましくは2℃以上13℃未満である。これにより、精製対象の抗体が、担体が備える温度応答性プロテインAによって捕捉される。一方、不純物は、温度応答性プロテインAによって捕捉されないので、カラムから溶媒と共に流れ去る。
なお、精製対象の抗体と、不純物と、を含む溶液を、温度応答性プロテインAを備える担体が充填されたカラムに注入する前に、溶液を、例えば細孔径0.2μmのマイクロフィルタを用いて粗精製してもよい。
次に、任意で、カラム内部を洗浄し、非特異的に担体表面に吸着している物質を除去する。その後、高温条件下で緩衝液等をカラムに流し、抗体を担体が備えるプロテインAから解離させ、抗体の精製液を回収する。高温条件とは、例えば20℃以上60℃未満、好ましくは25℃以上50℃未満、最も好ましくは30℃以上45℃未満である。これにより、不純物が除去された抗体の精製液を得ることができる。
温度応答性プロテインA担体によって精製された後の抗体も、実質的に、抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされないことが好ましい。抗原に対するアフィニティーを低下させる処理は、特に限定されないが、上述したとおりである。
精製されたヒトモノクロナール抗体の、抗原に対するアフィニティーは、公知の測定法により、解離速度定数や解離定数などで数値化することができる。公知の測定法としては、酵素免疫学的測定法(以下、ELISA法と記す)や表面プラズモン共鳴の原理(Journal of Immunological Method、145,229,1991)などを利用したバイオセンサー法(以下、Biacoreと記す)などが用いられる。Biacoreによる測定は、2分子間の結合と解離に伴うセンサーチップ表面で生じる微量な質量変化を、光学現象により、表面プラズモン共鳴(SPR)シグナルとして検出するものである。
具体的には、センサーチップの表面に、抗原を固定する。また、精製された抗体を含む溶液を、マイクロ流路系を介した連続送液方式により、センサーチップの表面に一定時間供給し続ける。ここで、抗原と、抗体と、の間の結合と解離に伴ってセンサーチップ表面で生じる微量な質量変化が、SPRシグナルとして検出される。
ある一定時間一定速度の連続した抗体の添加により、センサーチップに固定された抗原には抗体が結合する。ここから、抗体と抗原間の結合速度定数を求めることが可能である。また、抗体の添加が終わった後、緩衝液のみを流し、抗原に結合した抗体の解離をモニターすることによって、抗体と抗原間の解離速度定数を求めることが可能である。
解離定数は、下記(1)式に示すように、解離速度定数と、結合速度定数と、の比で与えられる。
解離定数(KD値)[M]=解離速度定数(Kd値)[S-1
/結合速度定数(Ka値)[M-1-1]・・・(1)
実施の形態に係る方法で精製された抗体の抗原に対する解離定数(KD値)は、酸溶出型プロテインA担体で精製された抗体のKD値よりも小さい。
実施の形態に係る温度応答型プロテインA担体により精製された抗体の抗原に対する解離速度定数(Kd値)は、酸溶出性プロテインA担体で精製された抗体のKd値よりも小さくなることが好ましい。
従来、抗体は、そのほとんどが酸溶出型プロテインAによって精製されている。これに対し、本発明者らは、温度応答性アフィニティークロマトグラフィーで得られた抗体は、抗原に対するアフィニティーが高くなることを見出した。当該知見に基づく、上述した実施の形態に係る精製方法によれば、高アフィニティーヒトポリクロナール抗体を、高純度、高収率で得ることが可能となる。
以下、実施例によって実施の形態をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(温度応答性プロテインA担体の調製)
架橋ポリビニルアルコールビーズにカルボキシル基を導入した後、カルボキシル基をNHS活性化した。さらに、NHS活性化された架橋ポリビニルアルコールビーズと、温度応答性プロテインAと、を接触させることで、温度応答性プロテインAを架橋ポリビニルアルコールビーズに固定化した。詳細は以下のとおりである。
1)カルボキシル基の導入
無水コハク酸3.0g及び4−ジメチルアミノピリジン3.6gをトルエン450mLに溶解させた反応液を用意した。次に、特開昭59−17354号公報の実施例1に記載の方法で調製した架橋ポリビニルアルコールビーズ(平均粒子径100μm)7.5mLを反応液と50℃で接触させ、2時間攪拌した。これにより、架橋ポリビニルアルコールビーズにカルボキシル基を導入した。その後、架橋ポリビニルアルコールビーズを脱水イソプロピルアルコールで洗浄した。
2)NHS活性化
カルボキシル基を導入したビーズ3mLを、NHS活性化反応液(NHS0.09g、脱水イソプロピルアルコール60mL、ジイソプロピルカルボジイミド0.12mL)に投入し、40℃で30分間反応し、ビーズ表面のカルボキシル基をNHS活性化した。反応後、氷冷した脱水イソプロピルアルコールでビーズを洗浄し、さらに、氷冷した1mM 塩酸で洗浄した。
3)温度応答性プロテインAのカップリング
温度応答性プロテインAは、特許文献(WO2008/143199号パンフレット)の実施例11を参考にして調製した。温度応答性プロテインA150mgを3mLのカップリング緩衝液(0.2mol/L リン酸緩衝液、0.5mol/L NaCl、pH8.3)に溶解した温度応答性プロテインA溶液を用意した。そして、上記、NHS活性化されたビーズを、温度応答性プロテインA溶液に投入し、25℃で、振とうしながら、4時間反応させた。所定時間経過後、ビーズをカップリング緩衝液で洗浄し、担体上のNHS活性基とカップリング反応しなかった温度応答性プロテインAを洗浄し、回収した。
5)ブロッキング
温度応答性プロテインAをカップリングしたビーズを、ブロッキング反応液(0.5mol/L エタノールアミン、0.5mol/LNaCl、pH8.0)10mLに浸漬し、室温で30分間放置することで、残留NHSをエタノールアミンでブロッキングした。反応後、このビーズを純水で洗浄し、その後20%エタノールでカラムに封入した状態で、4℃で保存した。
(温度応答性プロテインA担体による抗体の精製)
温度応答性プロテインA担体を、空カラム(GEヘルスケア・ジャパン(株)、Tricorn 5/100 column)に充填した。充填方法は、提供者の取扱説明書を参考に、実施した。そして、カラムをクロマトグラフィシステム(GEヘルスケア・ジャパン(株)、AKTA FPLC)に装着した。
また、抗原に対するアフィニティーを低下させる処理がなされていないヒトモノクロナール抗体として、AE6F4抗体を0.115mg/L含む培養上澄みを用意した。AE6F4産生細胞は、九州大学大学院農学研究院、片倉喜範准教授よりご提供頂いた。AE6F4抗体産生細胞の培養は、文献(日本生物工学会講演要旨集、1994年、65巻、65ページ)を参考に培養した。AE6F4抗体産生細胞を含む培養液を、ろ過膜(旭化成メディカル社製、商品名 BioOptimal(登録商標) MF−SL)を用いてろ過し、細胞を除去して、抗体を含む溶液(培養上澄)を取得した。ろ過は、提供者の取扱い説明書を参考に実施した。
次に、抗体を含む溶液(培養上澄)を取得してから6時間後に、下記の条件で、温度応答性プロテインA担体を充填したカラムに抗体を含む溶液を注入し、担体に抗体を吸着させた。各ステップの温度は、カラム、及びカラム上流の配管(1m)を、所定温度に設定した恒温水槽に浸漬することで、調整した。さらに、下記の条件で、カラムを洗浄し、その後、カラムから抗体を溶出させた。(サンプルA)
1−1)吸着ステップ
・抗体濃度:0.115mg/mL
・平衡化緩衝液:20mM リン酸緩衝液+150mM NaCl(pH8.0)
・平衡化:10ビーズ体積(吸着緩衝液使用)
・抗体負荷量:100mL
・流速:0.4mL/min
・ビーズ体積:1.96mL
・吸着温度:2℃
1−2)洗浄ステップ
・洗浄緩衝液:吸着緩衝液と同一
・流速:0.4mL/min
・洗浄温度:2℃
1−3)溶出ステップ
・溶出緩衝液:吸着緩衝液と同一
・流速:0.4mL/min
・透過液量:20mL
・溶出温度:40℃
(抗体及び凝集体の濃度測定)
溶出液中に含まれる抗体濃度は、280nmの紫外線吸収(UV吸収)を測定することで、下記(2)式を用いて算出した。
抗体濃度(mg/mL)=吸光度/1.38・・・(2)
抗体の回収率は、以下の式(3)を用いて算出した。
回収率(%)=100×((洗浄ステップで回収した抗体量)+(溶出ステップで回収した抗体量))/(吸着ステップで負荷した抗体量)・・・(3)
また、本実施の形態の抗体凝集の評価系として、高速液体クロマトグラフィーのシステムを利用した。すなわち、リザーバタンク(移動相、0.1mol/Lリン酸、0.2mol/Lアルギニン、pH6.8)、送液ポンプ(送液線速1.68cm/min)、サンプルループ(容量100μL)、カラム(室温)、検出器(紫外線、波長280nm)、ドレンの順に接続した該システムを用いて目的物をロードした後、検出器から検出された吸光度から、目的物に含有される凝集体の比率を定量した。内径(直径)7.8mm、ベッド高さ300mmの東ソーTSKGEL G3000SWXLカラムを用いた。典型的には、溶出時間16分迄に2量体以上の凝集体ピーク(ピークA)が検出され、溶出時間16分乃至18分に単量体ピーク(ピークB)が検出される。これらのピークの面積比から、下記(4)式を用いるプログラムを用いて抗体凝集度を算出した。
抗体凝集度(%)=100×(ピークAの面積比)・・・(4)
抗体の回収率は、88%であり、高い回収率であった。温度溶出ステップで温度応答性プロテインA担体カラムから溶出した溶液の分画に含まれる凝集体を測定した。すると、図1に示すように、抗体の凝集体がほとんど含まれていない(0.5%未満)ことが示された。
抗原に対する抗体のアフィニティーを、Biacore J(登録商標)(GEヘルスケア・ジャパン(株))を用いて測定した。まず、センサーチップ(GEヘルスケア・ジャパン(株)、CM5、research grade)に、AE6F4抗体の抗原であるサイトケラチン8(PROGEN社製)を固定した。固定化法は、アミンカップリングキット(GEヘルスケア・ジャパン(株)、カタログNo.BR−1000−50)を用い、提供者の取扱説明書に従ってアミンカップリング法で固定した。測定時のランニングバッファーは、HBS−EPバッファー(GEヘルスケア・ジャパン(株)、カタログNo.BR−1001−88)をそのまま使用し、設定温度25℃、流速30μL/分で通液した。抗体は、Biacore測定の前処理として、分取用ゲル濾過カラム(GEヘルスケア・ジャパン(株)、HiLoad 16/60 Superdex 200 prep grade)によって抗体の単量体のみが分取された。分取用ゲル濾過カラムでの精製には、50mM リン酸緩衝液+150mM NaCl(pH7.2)を使用し、移動相の流速は1mL/分、インジェクト量は1mLとした。典型的には、溶出時間60〜70分に、単量体のピークが検出される。それ以外は、提供者の取扱い説明書に従った。分取用ゲル濾過カラムで精製された抗体は、Biacore測定時のランニングバッファーへと、バッファー交換した。Biacoreへの抗体のインジェクト量は、200、400、800、1600、3200nMとし、装置提供者の取扱説明書に従い、下記(5)式で解離定数を計算した。
解離定数(KD値)[M]=解離速度定数(Kd値)[S-1
/結合速度定数(Ka値)[M-1-1]・・・(5)
Biacoreのよって測定された結果を、図1にまとめた。温度応答性プロテインA担体カラムで精製した抗体(サンプルA)の解離定数(KD値)は、2.61×10-7[M]であり、良好なアフィニティーを示した。
[比較例1]
(酸溶出型プロテインA担持担体による抗体の精製)
実施例1では温度応答性プロテインA担体を用いたが、比較例1及び2では酸溶出型プロテインA担体カラム(MabSelect、GEヘルスケア・ジャパン株式会社)を用いた。抗体の吸着及び溶出条件としては、以下の条件で行った。
1−1)吸着ステップ
・抗体濃度:0.115mg/mL
・平衡化緩衝液:20mM リン酸緩衝液+150mM NaCl(pH8.0)
・平衡化:10ビーズ体積(吸着緩衝液使用)
・抗体負荷量:100mL
・流速:0.4mL/min
・ビーズ体積:1.96mL
・吸着温度:25℃
1−2)洗浄ステップ
・洗浄緩衝液:吸着緩衝液と同一
・流速:0.4mL/min
・洗浄温度:25℃
1−3)溶出ステップ
・溶出緩衝液:50mM クエン酸緩衝液+0.3M NaCl(pH3.0)
・流速:0.4mL/min
・透過液量:20mL
・溶出温度:40℃
精製対象の抗体は、実施例1と同じである。回収された溶出液の水素イオン指数をpH計で測定すると、pH3.5であった。溶出直後に1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を滴定することで、溶出液の水素イオン指数は、pH5.0にされ、これをサンプルBとした。
(抗体及び凝集体の濃度測定)
抗体の回収率は、30%であり、低い回収率となった。酸処理をしなかった溶液(サンプルB)の分画に含まれる凝集体を測定した。すると、図1に示すように、抗体の凝集体が、12.1%(サンプルB)であり、多くの凝集体を含んでいた。
上記サンプルBの抗体を、実施例と同様の方法で、アフィニティーを測定した。Biacoreのよって測定された結果を、図1にまとめた。サンプルBの解離定数(KD値)は、1.09×10-6[M]であり、温度溶出型プロテインAで精製した抗体の解離定数(KD値)よりも4倍以上大きくなり、アフィニティーが低いことが分かった。
[比較例2]
(溶出液の酸処理)
溶出までは比較例1と同様に行い、pH3.5の溶出液を、室温で、1時間保持した。その後、pH3.5の溶出液を、1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を用いてpH5.0に滴定し、サンプルCとした。
(凝集体の濃度測定)
酸処理をした溶液(サンプルC)の分画に含まれる凝集体を測定した。すると、図1に示すように、抗体の凝集体が、18.1%(サンプルC)であり、多くの凝集体を含んでいた。
上記サンプルCの抗体を、実施例と同様の方法で、アフィニティーを測定した。Biacoreのよって測定された結果を、図1にまとめた。サンプルCの解離定数(KD値)は1.00×10-5[M]であり、いすれも、温度溶出型プロテインAで精製した抗体の解離定数(KD値)よりも38倍以上大きくなり、アフィニティーが低いことが分かった。
[比較例3]
AE6F4抗体を0.115mg/L含む培養上澄みを、酢酸を用いてpH3.5に滴定し、室温で1時間保持した。その後、pH3.5の溶出液を1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を用いてpH5.0に滴定した。次に、実施例1と同様の方法で、AE6F4抗体を精製し、これをサンプルDとした。
上記サンプルDの抗体を、実施例と同様の方法で、アフィニティーを測定した。サンプルDの解離定数(KD値)は、3.09×10-5[M]であり、酸処理をしない培養上澄みを温度溶出型プロテインAで精製した抗体よりも、アフィニティーが低いことが分かった。その他の測定値等も図1に示した。
[比較例4]
AE6F4産生細胞を培養し、培養上澄取得、48時間後に、温度応答性プロテインAカラムに抗体を含む溶液を注入し、担体に抗体を吸着させた以外、実施例1と同様の方法で、AE6F4抗体を精製し、これをサンプルEとした。
上記サンプルEの抗体を、実施例と同様の方法で、アフィニティーを測定した。サンプルEの解離定数(KD値)は、1.02×10-6[M]であり、培養上澄取得後、時間をかけずに温度溶出型プロテインAで精製した抗体よりも、アフィニティーが低いことが分かった。その他の測定値等も図1に示した。
[実施例2]
AE6F4産生細胞を培養し、培養上澄取得、24時間後に、温度応答性プロテインAカラムに抗体を含む溶液を注入し、担体に抗体を吸着させた以外、実施例1と同様の方法で、AE6F4抗体を精製し、これをサンプルFとした。
上記サンプルFの抗体を、実施例と同様の方法で、アフィニティーを測定した。サンプルFの解離定数(KD値)は、5.11×10-7[M]であり、比較例よりも小さかった。その他の測定値等も図1に示した。
[実施例3]
AE6F4産生細胞を培養し、培養上澄取得、12時間後に、温度応答性プロテインAカラムに抗体を含む溶液を注入し、担体に抗体を吸着させた以外、実施例1と同様の方法で、AE6F4抗体を精製し、これをサンプルGとした。
上記サンプルGの抗体を、実施例と同様の方法で、アフィニティーを測定した。サンプルGの解離定数(KD値)は、3.09×10-7[M]であり、比較例よりも小さかった。その他の測定値等も図1に示した。

Claims (12)

  1. (A)モノクローナル抗体を産生する細胞を培養する工程と、
    (B)前記細胞を含む溶液から前記細胞を除去する工程と、
    (C)前記溶液に含まれる前記モノクローナル抗体を温度応答性プロテインA担体によって精製する工程
    を含む抗体の製造方法であって、
    前記(C)工程の前に、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も含まず、
    前記(B)工程で得られた前記細胞を除去された溶液を、24時間以内に、前記(C)工程に処することを特徴とする、高アフィニティー抗体の製造方法。
  2. 得られた抗体の抗原に対する解離定数(KD値)が、前記(C)工程の代わりに、モノクローナル抗体をpH4〜9で吸着し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKD値よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の、高アフィニティー抗体の製造方法。
  3. 前記細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の、高アフィニティー抗体の製造方法。
  4. 前記抗体がヒト抗体であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の、高アフィニティー抗体の製造方法。
  5. 得られた抗体の抗原に対する解離速度定数(Kd値)が、前記(C)工程の代わりに、前記モノクローナル抗体をpH4〜9で固定し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKd値よりも小さい、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、高アフィニティー抗体の製造方法。
  6. 前記(C)工程により、前記温度応答型プロテインA担体により抗体を精製した後、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も行わないことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の、高アフィニティー抗体の製造方法。
  7. (A)モノクローナル抗体を産生する細胞を培養する工程と、
    (B)前記細胞を含む溶液から前記細胞を除去する工程と、
    (C)前記溶液に含まれる前記モノクローナル抗体を温度応答性プロテインA担体によって精製する工程と、
    を含む抗体の製造方法で得られた高アフィニティー抗体であって、
    前記(C)工程の前に、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も含まず、
    前記(B)工程で得られた前記細胞を除去された溶液を、24時間以内に、前記(C)工程に処することで得られたことを特徴とする、高アフィニティー抗体。
  8. 抗原に対する解離定数(KD値)が、前記(C)工程の代わりに、モノクローナル抗体をpH4〜9で固定し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKD値よりも小さいことを特徴とする、請求項7に記載の、高アフィニティー抗体。
  9. 前記細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)であることを特徴とする、請求項7または8に記載の、高アフィニティー抗体。
  10. 前記抗体がヒト抗体であることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の、高アフィニティー抗体。
  11. 抗原に対する解離速度定数(Kd値)が、前記(C)工程の代わりに、前記モノクローナル抗体をpH4〜9で固定し、pH2〜4で溶出する酸溶出型プロテインA担体を用いる精製工程を含む抗体の製造方法によって得られる抗体のKd値よりも小さい、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の、高アフィニティー抗体。
  12. 前記(C)工程により、前記温度応答型プロテインA担体により当該抗体を精製した後、低pH処理、60℃以上の高温処理、アフィニティークロマトグラフィーによる精製処理のいずれの処理も行われていない、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の、高アフィニティー抗体。
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