JPWO2013118252A1 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

選択還元型NOx触媒よりも上流にNH3を生成する触媒を備えている場合において、一方の触媒の浄化能力が低下したとしても、全体としての浄化能力を維持する。このため、NOxからNH3を生成する触媒であるNH3生成触媒と、NH3生成触媒よりも下流の排気通路に設けられてNH3を還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、NH3生成触媒に流入する排気の空燃比を、NH3生成触媒が吸蔵しているNOx量に基づいて、リッチとリーンとに切り替える制御装置と、を備え、制御装置は、選択還元型NOx触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度よりも高いとき又は低いときには、NOxを浄化可能な温度のときよりも、NH3生成触媒が吸蔵しているNOx量が少ないときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替える。

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気通路に吸蔵還元型NOx触媒(以下、NSR触媒ともいう。)を配置する技術が知られている。このNSR触媒は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する。
ここで、NSR触媒に吸蔵されているNOxを還元させるときに、内燃機関の運転条件やNSR触媒の温度、NSR触媒の酸素吸蔵能力に基づいて、排気の空燃比をリッチとリーンとに交互に変化させる周期及びその時の空燃比を調整する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術によれば、NOxの還元時に酸素吸蔵能力を利用して、NSR触媒から流出する排気の空燃比を理論空燃比に維持することができる。これにより、排気中の有害物質を低減することができる。
ところで、三元触媒またはNSR触媒よりも下流側に、選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒ともいう。)を設けることができる。このSCR触媒は、還元剤によりNOxを選択還元する触媒である。そして、三元触媒またはNSR触媒において排気中のHCやHがNOxと反応することでNHが生成される。このNHは、SCR触媒において還元剤となる。しかし、従来技術では、NSR触媒よりも下流側にSCR触媒を備えている場合については言及されていない。このため、SCR触媒へ還元剤を供給するために適した制御が行われるとは限らない。
例えば、NSR触媒及びSCR触媒には、夫々、NOxを浄化可能な温度領域(以下、温度ウィンドウとも称する。)が存在する。そして、一方の触媒の温度が温度ウィンドウ内であっても、他方の触媒の温度が温度ウィンドウ外となる場合がある。このような場合に、適切な制御を行わなければ、システム全体としてのNOx浄化率が低下する虞がある。
特開2005−139921号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、選択還元型NOx触媒よりも上流にNHを生成する触媒を備えている場合において、一方の触媒の浄化能力が低下したとしても、全体としての浄化能力を維持することにある。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路に設けられてNOxからNHを生成する触媒であるNH生成触媒と、
前記NH生成触媒よりも下流の排気通路に設けられてNHを還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒の温度を検出する検出部と、
前記NH生成触媒に流入する排気の空燃比を、前記NH生成触媒が吸蔵しているNOx量に基づいて、リッチとリーンとに切り替える制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度よりも高いとき又は低いときには、NOxを浄化可能な温度のときよりも、前記NH生成触媒が吸蔵しているNOx量が少ないときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替える。
NH生成触媒は、例えば、HやHCとNOとを反応させてNHを生成する触媒である。このNHは、排気の空燃比がリッチ空燃比のときに生成される。NH生成触媒は、NOxをためておくことが可能な触媒であり、例えば、三元触媒または吸蔵還元型NOx触媒(NSR触媒)とすることができる。NH生成触媒にはNOxをためておく機能があればよく、吸蔵、吸着、付着など、どのような状態でためておいてもよい。なお、以下では、NH生成触媒がNOxを吸蔵するものとして説明する。そして、NH生成触媒では、吸蔵していたNOxがリッチ空燃比のときに放出され、該放出されたNOxからNHが生成される。そして、選択還元型NOx触媒(SCR触媒)は、NH生成触媒において生成されたNHを吸着し、該NHによりNOxを還元する。
したがって、NH生成触媒にNOxが吸蔵されているときに、排気の空燃比をリッチ空燃比とすることで、該NH生成触媒においてNOxからNHが生成される。これにより、NH生成触媒からNOxを除去することができる。また、排気の空燃比をリッチ空燃比とすることにより、NH生成触媒に還元剤であるHC等を供給することができる。この還元剤により、NH生成触媒に吸蔵されていたNOxが還元される。すなわち、リッチ空燃比とすることにより、NH生成触媒においてNOxが浄化されるともいえる。
ところで、NH生成触媒よりも下流側にSCR触媒を設けた場合には、NH生成触媒から流出した排気の温度が、SCR触媒に到達するまでの間に低下する。したがって、NH生成触媒の温度よりもSCR触媒の温度のほうが低くなり易い。また、一般に、NH生成触媒の温度ウィンドウよりも、SCR触媒の温度ウィンドウのほうが低い。ここで、NH生成触媒の温度及びSCR触媒の温度は、内燃機関からの距離が長くなるほど低くなる。そして、夫々の触媒の温度ウィンドウに合わせて夫々の触媒を設置する位置を調整することができる。
しかし、夫々の触媒の温度ウィンドウに合わせて、夫々の触媒を設置しても、例えば内燃機関の運転状態によっては、SCR触媒の温度が、温度ウィンドウ外となる場合もある。このような場合には、SCR触媒においてNOxを浄化することは望めない。それどころか、高温のSCR触媒にNHを供給すると、酸素とNHとが反応してNOxが発生する虞もある。
このため、SCR触媒の温度が温度ウィンドウよりも高い場合又は温度ウィンドウよりも低い場合に、制御装置は、NH生成触媒におけるNHの生成を抑制する。ここで、NH生成触媒に吸蔵されているNOxが多いほど、リッチ空燃比としたときにNHを生成する反応が起こり易くなるので、生成されるNH量が多くなる。したがって、NOxの吸蔵量がより少ない状態で、排気の空燃比がリーンからリッチに切り替わるようにすれば、NHの生成量を少なくすることができる。なお、NOxの吸蔵量と、リーン空燃比とする時間と、には相関関係がある。すなわち、リーン空燃比とする時間を短くすることにより、NHの生成量が少なくなる。これは、リッチ空燃比とする間隔を短くすることにより、NHの生成量が少なくなるともいえる。
一方、NH生成触媒に吸蔵されているNOx量が少ない状態で、排気の空燃比がリーンからリッチに切り替わるようにすると、NH生成触媒では、NOx浄化率が高くなる。ここで、NH生成触媒においてNOx浄化率を高くするためには、NH生成触媒に吸蔵されているNOx量が少ない状態を維持したほうがよい。例えば、NH生成触媒に吸蔵されているNOx量が少ない状態で排気の空燃比をリーンからリッチへ切り替えればよい。このように、リッチ空燃比とする間隔を短くすることで頻繁にNOxを還元して、NOxの吸蔵量が少ない状態を維持するほうが、NOxを吸蔵し易い状態を維持できるので、NH生成触媒におけるNOx浄化率が高くなる。一方、NH生成触媒におけるNOx吸蔵量が多くなると、NOxが吸蔵され難くなり、NH生成触媒におけるNOx浄化率が低下してしまう。
NH生成触媒におけるNOxの吸蔵量が少ない状態でリーン空燃比からリッチ空燃比に切り替えると、NHの生成量は少なくなる。したがって、SCR触媒におけるNOx浄化率に対しては不利になる。しかし、SCR触媒の温度が温度ウィンドウよりも高い場合又は温度ウィンドウよりも低い場合には、該SCR触媒にNHを供給する必要はないので問題はない。
このように、NH生成触媒においてNOx浄化率を高くするために必要となる条件と、SCR触媒においてNOx浄化率を高くするために必要となる条件と、は異なる。そして、SCR触媒の温度が温度ウィンドウ外となるためにNOxを浄化することができなくても、NH生成触媒におけるNOx浄化率をより高くすることで、システム全体としてのNOx浄化率を高いまま維持することができる。
なお、制御装置は、SCR触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度のときには、NH生成触媒に吸蔵されているNOx量が比較的多いときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替えてもよい。すなわち、リッチ空燃比とする間隔を長くしてもよい。これは、リーン空燃比となっている時間を長くするとしてもよい。ここで、NH生成触媒に吸蔵されているNOx量が多いときにリーン空燃比からリッチ空燃比に切り替えることにより、NHの生成量を増加させることができる。これにより、SCR触媒におけるNOxの浄化率を高めることができる。
ところで、リーン空燃比とリッチ空燃比とを切り替える回数が多くなるほど、NH生成触媒の劣化が進行する。したがって、リーン空燃比とリッチ空燃比とを切り替える間隔を長くすることにより、NH生成触媒の劣化を抑制できる。すなわち、SCR触媒にてNOxを浄化可能な場合には、SCR触媒において積極的にNOxを浄化するように、NH生成触媒におけるNH生成量を増加させることにより、NH生成触媒の劣化を抑制することもできる。
なお、検出部は、選択還元型NOx触媒よりも下流側または上流側の排気の温度に基づいて、選択還元型NOx触媒の温度を推定してもよい。また、選択還元型NOx触媒よりも上流側または下流側の排気の温度を、選択還元型NOx触媒の温度としてもよい。
また、制御装置は、NH触媒が吸蔵しているNOx量に代えて、該NOx量と相関関係のある他の物理量等を用いて空燃比を切り替える時期を決定することもできる。例えば、吸入空気量の積算値、リーン空燃比の継続時間、またはリーン空燃比のときに設定される目標空燃比は、NH触媒が吸蔵しているNOx量と相関関係にある。例えば、SCR触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度よりも高いとき又は低いときには、NOxを浄化可能な温度のときよりも、内燃機関の吸入空気量の積算値が少ないときにリーン空燃比からリッチ空燃比に切り替えてもよい。また、リーン空燃比となっている時間が短い状態でリッチ空燃比に切り替えるとしてもよい。さらに、リーン空燃比となっているときの目標空燃比を高くしてもよい。目標空燃比を高くすることにより、燃焼温度が低下して、内燃機関からのNOx排出量が減少するため、NOx吸蔵量が減少する。このため、リーン空燃比となっている時間が変わらなくても、NOx吸蔵量が少ない状態でリーン空燃比からリッチ空燃比に切り替えることができる。
また、前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の温度がNOxを浄化可能な温度の場合であって、前記NH生成触媒の温度がNOxを浄化可能な温度よりも高いとき又は低いときには、前記NH生成触媒の温度がNOxを浄化可能な温度のときと比べて、前記NH生成触媒が吸蔵しているNOx量が多いときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替えてもよい。
ここで、NH生成触媒の温度が温度ウィンドウ外の場合であっても、SCR触媒の温度が温度ウィンドウ内の場合もある。このような場合には、SCR触媒におけるNOx浄化率を高くすれば、システム全体としてのNOx浄化率を高いまま維持することができる。そして、SCR触媒におけるNOx浄化率を高くするためには、NH生成触媒に吸蔵されているNOx量が比較的多い状態でリーン空燃比からリッチ空燃比に切り替えればよい。
このような条件では、NH生成触媒におけるNOx浄化率に対しては不利ではあるが、該NH生成触媒では温度ウィンドウ外であることによりNOxを浄化できないので問題はない。そして、NH生成触媒にて生成されるNH量を増加させることにより、SCR触媒により多くの還元剤を供給することができるため、該SCR触媒におけるNOx浄化率を高くすることができる。例えば、NH生成触媒におけるNOxの吸蔵量が多いために、NOxを吸蔵し切れずに下流へNOxが流出したとしても、NHの生成量が多くなることによりSCR触媒のNOx浄化率が高くなるので、システム全体としてのNOx浄化率は高いまま維持される。
このように、NH生成触媒においてNOxを浄化することができなくても、SCR触媒におけるNOx浄化率をより高くすることで、システム全体としてのNOx浄化率を高いまま維持することができる。
また、本発明においては、前記制御装置は、前記NH生成触媒におけるNOx吸蔵量に基づいて、リッチ空燃比が継続する時間またはリッチ空燃比とするときの目標空燃比の少なくとも一方を設定することができる。
なお、SCR触媒の温度が温度ウィンドウ内の場合には、NHの生成量が最も多くなるように、リッチ空燃比が継続する時間またはリッチ空燃比とするときの目標空燃比の少なくとも一方を設定してもよい。ここで、NH生成触媒に吸蔵されるNOx量が多くなるほど、吸蔵されているNOxを全て還元するまでに、より多くの還元剤を供給する必要がある。また、NHをより多く生成するために、より多くのHまたはHCを供給する必要がある。そして、リッチ空燃比となる時間を長くするか、または、目標空燃比をより低くすることにより、NH生成触媒により多くのHC等を供給することができる。
ところで、NH生成触媒に供給するHC量が多すぎると、反応しきれなかったHCが下流に流出する虞がある。ここで、NHの生成量を増加させることだけを考えると、リッチ空燃比とする時間は比較的長いほうが良い。しかし、燃費の悪化を抑制しようとしたり、HC,COの流出量を低減しようとしたりすると、リッチ空燃比とする時間は比較的短いほうがよい。したがって、NHの生成と、HC,COの排出量の低減または燃費の悪化の抑制と、のどちらを優先するかによって、リッチ空燃比が継続する時間またはリッチ空燃比とするときの目標空燃比の少なくとも一方を設定してもよい。
また、本発明においては、前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いに基づいて、前記NOxを浄化可能な温度を補正することができる。
ここで、NH生成触媒及びSCR触媒は、夫々、劣化の度合いが大きくなるにしたがって、温度ウィンドウが狭くなる。したがって、劣化の度合いに基づいて、NOxを浄化可能な温度を補正すれば、より適切な時期に空燃比を切り替えることができる。
また、本発明においては、前記制御装置は、排気の空燃比をリーンとしている場合において、前記選択還元型NOx触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度のときには、NOxを浄化可能な温度よりも高いときに比べて、前記NH生成触媒に流入するNOx量又はNOx濃度を増加させることができる。
例えば、EGRガスの供給量を減少させることにより、内燃機関における燃焼温度が高くなるので、内燃機関からのNOxの排出量を増加させることができる。また、空燃比を理論空燃比に近付けることにより、燃焼温度が高くなるので、内燃機関からのNOxの排出量を増加させることができる。このようにして内燃機関からのNOxの排出量を増加させることにより、NH生成触媒において、より多くのNHを生成することができる。したがって、NH生成触媒におけるNOx浄化率が低くなっても、SCR触媒におけるNOx浄化率を高くすることができるので、システム全体としてのNOx浄化率を高いまま維持することができる。
本発明によれば、選択還元型NOx触媒よりも上流にNHを生成する触媒を備えている場合において、一方の触媒の浄化能力が低下したとしても、全体としての浄化能力を維持することができる。
実施例に係る内燃機関と、その吸気系及び排気系との概略構成を示す図である。 NSR触媒及びSCR触媒の温度ウィンドウを示した図である。 リッチスパイクの間隔及び時間と、生成されるNH量と、の関係を示した図である。 リッチスパイクの間隔及び時間と、NOx浄化率と、の関係を示した図である。 実施例に係るリッチスパイクの制御フローを示したフローチャートである。 リッチスパイクの間隔が比較的短い場合の、NSR触媒から流出する排気の空燃比、NH濃度、NOx濃度、CO濃度、HC濃度の推移を示したタイムチャートである。 図6に示したリッチスパイクを行ったときのNSR触媒から流出する排気のNOx濃度と、SCR触媒5から流出する排気のNOx濃度と、の推移を示したタイムチャートである。 リッチスパイクの間隔が比較的長い場合の、NSR触媒から流出する排気の空燃比、NH濃度、NOx濃度、CO濃度、HC濃度の推移を示したタイムチャートである。 図8に示したリッチスパイクを行ったときのNSR触媒から流出する排気のNOx濃度と、SCR触媒から流出する排気のNOx濃度と、の推移を示したタイムチャートである。 実施例に係るリッチスパイクの制御フローを示した他のフローチャートである。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関と、その吸気系及び排気系との概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、ガソリン機関であるが、ディーゼル機関であってもよい。内燃機関1は、たとえば車両に搭載される。
内燃機関1には、排気通路2が接続されている。この排気通路2の途中には、上流側から順に、三元触媒3、吸蔵還元型NOx触媒4(以下、NSR触媒4という。)、選択還元型NOx触媒5(以下、SCR触媒5という。)が備えられている。
三元触媒3は、触媒雰囲気が理論空燃比のときにNOx,HCおよびCOを最大効率で浄化する。また、三元触媒3は、酸素ストレージ能を有している。すなわち、流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときに過剰分の酸素を吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比であるときに不足分の酸素を放出することにより、排気を浄化する。このような酸素ストレージ能の作用により、三元触媒3がHC,COおよびNOxを理論空燃比以外であっても浄化することができる。
なお、三元触媒3には、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を持たせることもできる。この場合、NSR触媒4は無くてもよい。
また、NSR触媒4は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する。NSR触媒4に供給する還元剤には、内燃機関1から排出される未燃燃料であるHCまたはCOを利用することができる。
なお、三元触媒3またはNSR触媒4を排気が通過するときに、排気中のNOxがHCまたはHと反応してアンモニア(NH)が生成されることがある。例えば、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により排気中のCOやHOからHが発生すれば、該Hが三元触媒3またはNSR触媒4においてNOと反応してNHが生成される。すなわち、本実施例においては三元触媒3またはNSR触媒4が、本発明におけるNH生成触媒に相当する。なお、本実施例では、NSR触媒4をNH生成触媒として説明するが、三元触媒3をNH生成触媒としても同様に考えることができる。
SCR触媒5は、還元剤を吸着しておき、NOxが通過するときに、吸着していた還元剤によりNOxを選択還元する。SCR触媒5へ供給する還元剤には、三元触媒3またはNSR触媒4にて生成されるNHを利用することができる。
また、三元触媒3よりも下流で且つNSR触媒よりも上流の排気通路2には、排気の温度を検出する第一温度センサ11と、排気の空燃比を検出する空燃比センサ12と、が取り付けられている。なお、第一温度センサ11により三元触媒3の温度、または、NSR触媒4の温度を検出することができる。また、空燃比センサ12により、内燃機関1の排気の空燃比、または、NSR触媒4に流入する排気の空燃比を検出することができる。
また、NSR触媒4よりも下流で且つSCR触媒5よりも上流の排気通路2には、排気の温度を検出する第二温度センサ13が取り付けられている。なお、第二温度センサ13によりNSR触媒4の温度、または、SCR触媒5の温度を検出することができる。
また、SCR触媒5よりも下流の排気通路2には、排気の温度を検出する第三温度センサ14が取り付けられている。なお、第三温度センサ14によりSCR触媒5の温度を検出することができる。すなわち、本実施例においては第二温度センサ13または第三温度センサ14が、本発明における検出部に相当する。なお、NSR触媒4及びSCR触媒5の温度は、内燃機関1の運転状態(例えば、内燃機関1の負荷)に応じて変化するため、該内燃機関1の運転状態に応じてNSR触媒4及びSCR触媒5の温度を推定してもよい。また、NSR触媒4及びSCR触媒5に温度センサを直接取り付けて、該NSR触媒4及びSCR触媒5の温度を検出してもよい。
なお、上記センサは、全て取り付ける必要はなく、適宜選択して取り付けてもよい。
また、内燃機関1には、内燃機関1へ燃料を供給する噴射弁6が取り付けられている。
一方、内燃機関1には、吸気通路7が接続されている。吸気通路7の途中には、内燃機関1の吸入空気量を調整するスロットル8が設けられている。また、スロットル8よりも上流の吸気通路7には、内燃機関1の吸入空気量を検出するエアフローメータ15が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1を制御する。
また、ECU10には、上記センサの他、運転者がアクセルペダル16を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検知するアクセル開度センサ17、および機関回転数を検知するクランクポジションセンサ18が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU10に入力される。
一方、ECU10には、噴射弁6及びスロットル8が電気配線を介して接続されており、該ECU10により噴射弁6の開閉時期及びスロットル8の開度が制御される。
例えばECU10は、アクセル開度センサ17により検出されるアクセル開度とクランクポジションセンサ18により検出される機関回転数とから要求吸入空気量を決定する。そして、エアフローメータ15により検出される吸入空気量が要求吸入空気量となるように、スロットル8の開度が制御される。このときに変化する吸入空気量に応じた燃料噴射量を供給するように噴射弁6を制御する。このときに設定される目標空燃比は、内燃機関1の運転状態に応じて設定される空燃比である。なお、本実施例に係る内燃機関1は、リーンバーン運転がなされている。ただし、高負荷運転時などにおいて、理論空燃比近傍で内燃機関1が運転されることもある。また、NOxを還元するためにリッチ空燃比で運転することもある。
そして、ECU10は、NSR触媒4に吸蔵されているNOxの還元処理を実施する。NSR触媒4に吸蔵されているNOxの還元時には、噴射弁6から噴射する燃料の量またはスロットル8の開度を調整することにより、NSR触媒4に流入する排気の空燃比を所定のリッチ空燃比まで低下させる所謂リッチスパイクを実施する。
このリッチスパイクは、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量が所定量となった場合に実施される。NSR触媒4に吸蔵されているNOx量は、たとえば、NSR触媒4に流入するNOx量と、NSR触媒4から流出するNOx量と、の差を積算することにより算出される。NSR触媒4に流入するNOx量と、NSR触媒4から流出するNOx量とは、センサを取り付けることにより検出できる。また、所定の時間または所定の走行距離ごとにリッチスパイクを実施してもよい。そして、本実施例では、リッチスパイクを実施する時期をNSR触媒4またはSCR触媒5の温度に基づいて変化させる。
ここで、三元触媒3、NSR触媒4およびSCR触媒5には、夫々、排気を浄化可能な温度領域(以下、温度ウィンドウとも称する。)が存在する。また、夫々の触媒の温度は、夫々の触媒よりも上流側の排気通路2の長さに応じて変わる。すなわち、触媒よりも上流側の排気通路2が長いほど、触媒に流入する排気の温度が低くなるため、触媒の温度が低くなる。このため、夫々の触媒よりも上流の排気通路2の長さを予め調整しておくことにより、夫々の触媒の温度が変化する範囲を予め設定することができる。そして、夫々の触媒の温度が変化する範囲と、温度ウィンドウと、が重なるような位置に、夫々の触媒が設置される。
しかし、これらの触媒が車両に搭載されている場合には、走行条件により排気の温度や排気の流量が変化するため、全ての走行条件において、全ての触媒の温度を温度ウィンドウ内に維持することは困難である。したがって、NSR触媒4またはSCR触媒5の一方の触媒の温度が温度ウィンドウ内であっても、他方の触媒の温度が温度ウィンドウ外の場合もある。
このように、何れかの触媒の温度が温度ウィンドウ外になると、システム全体としてのNOx浄化率が低下する虞がある。すなわち、SCR触媒5よりも下流側に流出するNOx量が増加する虞がある。これに対して本実施例では、NSR触媒4及びSCR触媒5の一方の触媒の温度が温度ウィンドウ外となっても、他方の触媒のNOx浄化率を高めることで、システム全体としてのNOx浄化率が低下することを抑制する。
なお、NOx浄化率は、流入するNOx量に対する、浄化されるNOx量の比である。システム全体としてのNOx浄化率とは、NSR触媒4に流入するNOx量に対する、NSR触媒4及びSCR触媒5で浄化されるNOx量の比である。
ここで、リーン空燃比及びリッチ空燃比の継続時間やそのときの目標空燃比を調整することにより、システム全体としてのNOx浄化率をほとんど変化させずに、NSR触媒4とSCR触媒5との夫々におけるNOx浄化率を変化させることができる。したがって、NSR触媒4またはSCR触媒5の一方の触媒の温度が温度ウィンドウ外であっても、他方の触媒の温度が温度ウィンドウ内であれば、該他方の触媒におけるNOx浄化率を高めることができる。
ここで、図2は、NSR触媒4及びSCR触媒5の温度ウィンドウを示した図である。「NSR」は、NSR触媒4の温度ウィンドウを示している。また、「SCR」は、SCR触媒5の温度ウィンドウを示している。矢印で示される範囲が温度ウィンドウである。
NSR触媒4の温度ウィンドウは、例えば340℃から470℃であり、例えば400℃のときにNOx浄化率が最も高くなる。一方、SCR触媒5の温度ウィンドウは、例えば230℃から340℃であり、例えば290℃のときにNOx浄化率が最も高くなる。
そして、排気通路2内で排気の温度が低下することを考慮して、NSR触媒4及びSCR触媒5が設置される。すなわち、内燃機関1の運転状態が変化したときに、夫々の触媒の温度が温度ウィンドウ内となるように内燃機関1からの距離が決定される。例えば、NSR触媒4のほうが、SCR触媒5よりも、高い温度でNOxが浄化されるので、NSR触媒4がSCR触媒5よりも上流側に備わる。また、NSR触媒4とSCR触媒5とは例えば1000mm離される。そうすると、NSR触媒4から流出した排気の温度は、SCR触媒5に到達するまでに、例えば100℃程度低下する。このようにしてNSR触媒4及びSCR触媒5が設置された後では、夫々の触媒の位置を動かすことは困難である。
ここで、例えば、NSR触媒4の温度が、温度ウィンドウの下限である340℃となる運転状態のときに、SCR触媒5の温度が、温度ウィンドウの下限である230℃となるように、NSR触媒4及びSCR触媒5を設置した場合を考える。この場合、NSR触媒4の温度が、温度ウィンドウの上限である470℃となる運転状態では、SCR触媒5の温度が例えば370℃となり、該SCR触媒5の温度は温度ウィンドウ外となる。すなわち、SCR触媒5においてNOxを浄化することができなくなる。それどころか、SCR触媒5が高温になると、該SCR触媒5において、NHとOとが反応してNOxが発生する虞もある。
一方、例えば、SCR触媒5の温度が最も高くなったとしても、温度ウィンドウの上限である340℃となり、このときのNSR触媒4の温度が、温度ウィンドウ内の440℃となるように、NSR触媒4及びSCR触媒5を設置した場合を考える。この場合、SCR触媒5の温度が、温度ウィンドウの下限である230℃となる運転状態では、NSR触媒4の温度が例えば330℃となり、該NSR触媒4の温度は温度ウィンドウ外となる。
このように、一方の触媒の温度が温度ウィンドウ外であっても、他方の触媒の温度が温度ウィンドウ内となることもある。そこで、本実施例では、NSR触媒4またはSCR触媒5の一方の触媒の温度が温度ウィンドウ外となっても、他方の触媒のNOx浄化率を高めることで、システム全体としてのNOx浄化率を高いまま維持する。
ここで、図3は、リッチスパイクの間隔及び時間と、生成されるNH量と、の関係を示した図である。縦軸は、リッチスパイクを1回行ったときに生成されるNH量を示している。図3では、リッチスパイクの間隔または時間が異なるAからEの条件の夫々で生成されるNH量が示される。
図3において「間隔」は、リッチスパイクの間隔であり、これは、前回のリッチスパイクが完了してから、今回のリッチスパイクが開始されるまでの時間(sec)である。この「間隔」は、リーン空燃比が継続する時間、又はリーン空燃比とする時間としてもよい。このリッチスパイクの間隔は、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量と相関関係にある。すなわち、リッチスパイクの間隔が長いほど、NSR触媒4に吸蔵されるNOx量が多くなる。
図3において「時間」は、リッチスパイクが行われている時間(sec)である。この「時間」は、リッチ空燃比が継続する時間、又はリッチ空燃比とする時間としてもよい。例えば、Aの条件では、20秒間リーン空燃比とし、その後、2.2秒間リッチ空燃比とすることを繰り返している。
そして、例えば、AとBとでは、リッチスパイクの間隔がAよりもBのほうで長くなり、リッチスパイクの時間は同じである。ここで、リッチスパイクの間隔を長くすると、NSR触媒4に吸蔵されるNOx量が多くなる。このため、リッチスパイクを行ったときに生成されるNH量が多くなる。したがって、AよりもBのほうが、生成されるNH量が多くなる。
しかし、BとCとを比較すると、BよりもCのほうがリッチスパイクの間隔が長いにもかかわらず、NH生成量はあまり変わらない。このときには、NOxと反応するHまたはHCが不足していると考えられる。すなわち、リッチスパイクの間隔が長いことにより、NSR触媒4に多くのNOxが吸蔵されているにもかかわらず、供給される還元剤量が不足しているために、生成されるNH量があまり多くならないと考えられる。
次に、CとDとを比較すると、リッチスパイクの間隔は同じであっても、リッチスパイクの時間が長いDのほうのNH生成量が多くなっている。したがって、リッチスパイクの間隔を長くするにしたがって、リッチスパイクの時間を長くすることにより、NH生成量が多くなることが分かる。このため、DよりもEのほうがリッチスパイクの間隔が長いにもかかわらず、リッチスパイクの時間が同じために、NH生成量はあまり変わらない。
このように、リッチスパイクの時間が同じであっても、リッチスパイクの間隔が長いほうが、NH生成量が多くなる。また、リッチスパイクの間隔が同じであっても、リッチスパイクの時間が長いほうが、NH生成量が多くなる。このようなことから、NH生成量は、NSR触媒4におけるNOx吸蔵量に影響されると考えられる。また、NH生成量をさらに増加させるためには、リッチスパイクの時間を長くして、より多くのHまたはHCを供給するとよいことも分かる。
また、図4は、リッチスパイクの間隔及び時間と、NOx浄化率と、の関係を示した図である。「全体」とは、NSR触媒4とSCR触媒5とを合わせたNOx浄化率であり、システム全体としてのNOx浄化率である。また、「NSR」とは、NSR触媒4におけるNOx浄化率である。さらに、「SCR」とは、SCR触媒5におけるNOx浄化率である。また、図4のAからEの条件は、図3のAからEの条件に対応している。
図4を見れば分かるように、NSR触媒4におけるNOx浄化率は、リッチスパイクの間隔を短くした方が高い。すなわち、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量が少ない状態でリッチスパイクを行うことにより、NSR触媒4におけるNOx浄化率を高くすることができる。一方、SCR触媒5におけるNOx浄化率は、リッチスパイクの間隔を長くした方が高い。すなわち、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量が多い状態でリッチスパイクを行うことにより、より多くのNHを生成させたほうが、SCR触媒5におけるNOx浄化率を高くすることができる。例えば、所定期間にNSR触媒4に流入するNOxの総量が同じであっても、リッチスパイクの間隔を長くした場合のほうが、短くした場合よりも、該所定期間におけるNH生成量が多くなる。
このように、NSR触媒4においてNOx浄化率が高くなる条件と、SCR触媒5においてNOx浄化率が高くなる条件とは異なる。そして、図4に示されるように、リッチスパイクの間隔を変化させても、システム全体としてのNOx浄化率はあまり変化しない。すなわち、一方の触媒のNOx浄化率が低くなっても、他方の触媒のNOx浄化率が高くなるため、システム全体としてのNOx浄化率は高いまま維持される。そうすると、リッチスパイクの間隔を変化させることで、システム全体としてのNOx浄化率を変化させずに、各触媒におけるNOx浄化率を変化させることができる。また、システム全体としてのNOx浄化率をほとんど変化させずに、夫々の触媒において浄化するNOx量の比率を変化させることができる。
そこで本実施例では、温度ウィンドウ外の一方の触媒のNOx浄化率が低くなり、且つ、温度ウィンドウ内の他方の触媒のNOx浄化率が高くなるように、リッチスパイクの間隔及びリッチスパイクの時間を制御する。例えば、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウ内で且つSCR触媒5の温度が温度ウィンドウ外の場合には、両触媒の温度が温度ウィンドウ内のときと比較して、リッチスパイクの間隔を短くする。すなわち、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量が少ないときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替える。これにより、NSR触媒4におけるNOx浄化率を高める。そして、リッチスパイクの時間は、リッチスパイクの間隔に応じて決定する。
一方、例えば、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウ外で且つSCR触媒5の温度が温度ウィンドウ内の場合には、両触媒の温度が温度ウィンドウ内のときと比較して、リッチスパイクの間隔を長くする。すなわち、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量が多いときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替える。これにより、SCR触媒5におけるNOx浄化率を高める。
なお、NSR触媒4及びSCR触媒5の温度と、リッチスパイクの間隔及びリッチスパイクの時間と、の関係を、例えばNOx浄化率が最も高くなるように予め実験等により求めておいてもよい。また、リッチスパイクの時間は、リッチスパイクの間隔に応じて決定してもよい。
図5は、本実施例に係るリッチスパイクの制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、ECU10により所定の時間毎に実行される。なお、本ルーチンは、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウの下限値となっているときに、SCR触媒5の温度が温度ウィンドウの下限値となるように、両触媒を配置していることが前提となる。なお、本実施例においては図5に示したルーチンを実行するECU10が、本発明における制御装置に相当する。
ステップS101では、内燃機関1の負荷が検出される。例えば、アクセル開度センサ17の検出値、または噴射弁6から噴射される燃料量に基づいて、内燃機関1の負荷が検出される。この負荷は、NSR触媒4及びSCR触媒5の温度と相関関係にある物理量として検出される。なお、本ステップでは、NSR触媒4及びSCR触媒5の温度を検出してもよい。
ステップS102では、内燃機関1の負荷が閾値よりも大きいか否か判定される。本ステップでは、SCR触媒5の温度が温度ウィンドウの上限を超えるか否か判定される。すなわち、閾値は、SCR触媒5の温度が温度ウィンドウの上限値となるときの内燃機関1の負荷とすることができる。
ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
ステップS103では、ステップS102で否定判定がなされたときと比較して、リッチスパイクの間隔が短くされる。すなわち、NSR触媒4が吸蔵しているNOx量が少ないときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替える。これに合わせて、リッチスパイクの時間が設定される。このときのリッチスパイクの間隔及びリッチスパイクの時間は、NSR触媒4におけるNOx浄化率が高くなるように、予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。
また、ステップS102で否定判定がなされた場合のリッチスパイクの間隔及びリッチスパイクの時間は、NSR触媒4及びSCR触媒5でNOxが浄化可能なように、予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。また、SCR触媒5の温度が温度ウィンドウ内の場合には、温度ウィンドウ外のときよりも、内燃機関1から排出されるNOxを増加させてもよい。例えば、EGRガスの供給量を減少させたり、または、空燃比を理論空燃比に近付けたりすることにより、燃焼温度が高くなるので、内燃機関1からのNOxの排出量またはNOxの濃度を増加させることができる。このようにして内燃機関1からのNOxの排出量またはNOxの濃度を増加させることにより、NSR触媒4により多くのNOxが吸蔵されるため、より多くのNHを生成することができる。したがって、SCR触媒5におけるNOx浄化率を高くすることができる。
このようにして、NSR触媒4またはSCR触媒5の一方の触媒の温度が温度ウィンドウ外となっても、他方の触媒のNOx浄化率を上昇させるようにリッチスパイクを制御するため、システム全体としてのNOx浄化率を高く維持することができる。
ところで、リーンバーンを行う内燃機関1では、リッチスパイク時にHCやCOが大気中に放出される虞がある。しかし、NSR触媒4でのNOx浄化率を高めるためには、リッチスパイク時に内燃機関1からCOやHCが排出されるほどの低い空燃比にする必要がある。また、SCR触媒5にNHを供給するためにも、内燃機関1からCOやHCが排出されるほどの低い空燃比にして、リッチスパイクを行う必要がある。したがって、NOx浄化率を高めようとすると、COまたはHCが大気中に放出される虞がある。
ここで、リッチスパイク時に内燃機関1からCOやHCが排出されたとしても、その総量が少なければ問題はない。そして、リッチスパイクの間隔を長くすることで、COやHCの排出量を低減することができる。そして、前記したように、リッチスパイクの間隔を長くしても、NOx浄化率はほとんど変化しない。
図6は、リッチスパイクの間隔が比較的短い場合の、NSR触媒4から流出する排気の空燃比、NH濃度、NOx濃度、CO濃度、HC濃度の推移を示したタイムチャートである。図6において、「NH」、「NOx」、「CO」、「HC」は、夫々、NH濃度、NOx濃度、CO濃度、HC濃度を示している。また、「A/F」は排気の空燃比を示しており、「リッチスパイク」で示される時間は、リッチスパイクが行われている時間であり、排気の空燃比はリッチ空燃比とされている。また、「リーン」で示される時間では、リーン空燃比とされている。すなわち、「リーン」で示される時間が、リッチスパイクの間隔となる。
また、図7は、図6に示したリッチスパイクを行ったときのNSR触媒4から流出する排気のNOx濃度と、SCR触媒5から流出する排気のNOx濃度と、の推移を示したタイムチャートである。
さらに、図8は、図6と同様にして、リッチスパイクの間隔が比較的長い場合の、NSR触媒4から流出する排気の空燃比、NH濃度、NOx濃度、CO濃度、HC濃度の推移を示したタイムチャートである。また、図9は、図8に示したリッチスパイクを行ったときのNSR触媒4から流出する排気のNOx濃度と、SCR触媒5から流出する排気のNOx濃度と、の推移を示したタイムチャートである。
リッチスパイクの間隔が比較的短い場合には、リッチスパイク時にNSR触媒4に吸蔵されているNOx量が少ない。このため、リッチスパイク時に放出されるNOx量及び生成されるNH量は比較的少なくなる。したがって、図6に示されるNH濃度及びNOx濃度は、比較的低い。
また、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量が少ないために、リッチスパイクの時間も短くてよいため、1回のリッチスパイクで排出されるCO量及びHC量は少ない。したがって、図6に示されるCO濃度及びHC濃度は、比較的低い。
一方、リッチスパイクの間隔が比較的長い場合には、リッチスパイク時にNSR触媒4に吸蔵されているNOx量が多い。このため、リッチスパイク時に放出されるNOx量及び生成されるNH量は比較的多くなる。したがって、図8に示されるNH濃度及びNOx濃度は、比較的高い。
また、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量に応じてリッチスパイクの時間が長くなるため、1回のリッチスパイクで排出されるCO量及びHC量は多い。したがって、図8に示されるCO濃度及びHC濃度は、比較的高い。
しかし、図6に示した場合と、図8に示した場合と、で複数回のリッチスパイクが行われる比較的長い同じ期間に排出されるCOの総量及びHCの総量を比較すると、図8に示した場合のほうが図6に示した場合よりも少なくなる。すなわち、リッチスパイクの間隔を比較的長くしたほうが、COの総量及びHCの総量を減少させることができる。
また、図7と図9とを比較すればわかるように、リッチスパイクの間隔を変えたとしても、SCR触媒5から流出する排気のNOx濃度はほとんど変わらない。すなわち、リッチスパイクの間隔を変えたとしても、システム全体としてのNOx浄化率は、ほとんど変わらない。
例えば、内燃機関1の冷間始動時や内燃機関1の温度が低いとき、又は、内燃機関1の負荷が低い場合等、三元触媒3の活性が低く、該三元触媒3においてHCやCOの浄化が望めない場合には、リッチスパイクの間隔を長くすることで、COやHCの排出量を低減することもできる。
なお、リッチスパイク時に内燃機関1から排出されるHC量を少なくするためには、リッチスパイクの間隔を長くし且つリッチスパイクの時間を短くすることが有効である。すなわち、内燃機関1から排出されるHC量を少なくするためには、リッチスパイクで発生したHを最大限に利用してNHを多く生成できるように、図4に示したCまたはEの条件でリッチスパイクを行うことが望ましい。
図10は、本実施例に係るリッチスパイクの制御フローを示した他のフローチャートである。本ルーチンは、ECU10により所定の時間毎に実行される。
ステップS201では、三元触媒3の温度が検出される。三元触媒3の温度は、第一温度センサ11により検出してもよいが、内燃機関1の負荷に基づいて推定してもよい。
ステップS202では、三元触媒3の温度が温度ウィンドウの下限値である閾値よりも低いか否か判定される。本ステップでは、三元触媒3が活性化しているか否か判定している。すなわち、本ステップでは、三元触媒3でHC及びCOが浄化されない状態であるか否か判定している。なお、例えば、排気のSVが閾値未満の場合に、三元触媒3の温度が温度ウィンドウの下限値よりも低いと判定してもよい。このときの閾値は、三元触媒3の温度が温度ウィンドウの下限値となるときの排気のSVとすることができる。
ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS203へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
ステップS203では、ステップS202で否定判定がなされた場合よりも、リッチスパイクの間隔が長くされる。このときには、内燃機関1の負荷に応じてリッチスパイクの間隔及び時間が設定される。内燃機関1の負荷と、リッチスパイクの間隔及び時間との関係は、HC量及びCO量を最小にするべく決定される。リッチスパイクの間隔が長く且つリッチスパイクの時間が短くなるように、例えば、前記CまたはEの条件でリッチスパイクを行ってもよい。
このように、システム全体としてのNOx浄化率の低下を抑制しつつ、HC,COを浄化することができる。
また、本実施例においては、NSR触媒4及びSCR触媒5の劣化の度合いに応じて、温度ウィンドウを補正してもよい。夫々の触媒の温度ウィンドウは、劣化の度合いに応じて狭くなる。このように狭くなる温度ウィンドウに応じてリッチスパイクの間隔及びリッチスパイクの時間を設定しなければ、NOx浄化率が低下する虞がある。例えば、過去の内燃機関1の負荷、過去のNSR触媒4またはSCR触媒5の温度、車両の走行距離、所定条件時におけるNSR触媒4またはSCR触媒5のNOx浄化率等から、夫々の触媒の劣化の度合いを求めることができる。そして、夫々の触媒の劣化の度合いと、温度ウィンドウとの関係を予め実験等により求めておけば、劣化の度合いに応じて温度ウィンドウを補正することができる。なお、NSR触媒4のほうがSCR触媒5よりも上流側に備わるため、温度が上昇し易いので、劣化が進みやすい。このため、NSR触媒4の劣化の度合いが高くなるほど、リッチスパイクの間隔を長くして、SCR触媒5におけるNOx浄化率を高めてもよい。
また、本実施例においては、リッチスパイクの間隔を変更することに代えて、リーン空燃比のときの空燃比を変更してもよい。ここで、リーン空燃比のときの空燃比を低くすることにより、燃焼温度が高くなるので、内燃機関1からのNOxの排出量が増加する。したがって、リッチスパイクの間隔を変えなくても、リーン空燃比からリッチ空燃比に切り替わるときの、NSR触媒4におけるNOxの吸蔵量を変化させることができる。すなわち、リーン空燃比のときの空燃比を低くすることにより、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量を増加させることができ、リーン空燃比のときの空燃比を高くすることにより、NSR触媒4に吸蔵されているNOx量を減少させることができる。
また、本実施例においては、NSR触媒4が吸蔵しているNOx量と相関関係のある他の物理量等に基づいて空燃比を切り替えることもできる。例えば、内燃機関1の吸入空気量の積算値が少なければ、NSR触媒4が吸蔵しているNOx量が少なくなるので、この関係にしたがってリッチスパイクを行ってもよい。
なお、NSR触媒4の温度及びSCR触媒5の温度が何れも温度ウィンドウ内となる場合には、リッチスパイクの間隔は、長くても又は短くてもよい。また、内燃機関1の負荷、又は、NSR触媒4及びSCR触媒5が設けられる位置、さらには、燃料中の硫黄成分の濃度に基づいて、以下の(1)から(10)ようにしてリッチスパイクの間隔を決定してもよい。
(1)例えば、内燃機関1が中負荷で運転されている場合に、NSR触媒4の温度及びSCR触媒5の温度が何れも温度ウィンドウ内となるように、両触媒が設けられている場合には、内燃機関1が中負荷で運転されているときにNSR触媒4またはSCR触媒5の何れであってもNOxを浄化することが可能となる。したがって、リッチスパイクの間隔及び時間を何れの触媒に合わせて設定しても、NOx浄化率は高くなる。このような場合には、リッチスパイクの間隔及び時間を任意に設定することができる。
(2)しかし、内燃機関1が中負荷で運転されている場合であっても、燃料中の硫黄成分の濃度が高い場合には、NSR触媒4の硫黄被毒により、該NSR触媒4におけるNOx浄化率が低下する。したがって、このような場合には、SCR触媒5によるNOx浄化を優先させるべく、リッチスパイクの間隔を長くし且つリッチスパイクの時間を長くしてもよい。すなわち、リーン空燃比となる時間を長くしてもよい。また、NSR触媒4の硫黄被毒の度合いが高くなるほど、リッチスパイクの間隔を長くしてもよい。
(3)また、内燃機関1からNSR触媒4までの距離が比較的短くなるように該NSR触媒4が設けられている場合には、内燃機関1が高負荷で運転されているときに、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウよりも高くなる場合がある。このような場合には、SCR触媒5によるNOx浄化を優先させるべく、リッチスパイクの間隔を長くし且つリッチスパイクの時間を長くしてもよい。すなわち、リーン空燃比となる時間を長くしてもよい。
(4)一方、内燃機関1からNSR触媒4までの距離が比較的長くなるように該NSR触媒4が設けられている場合であって、内燃機関1からSCR触媒5までの距離が比較的短くなるように該SCR触媒5が設けられている場合もある。このような場合には、内燃機関1が高負荷で運転されているときに、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウ内となり、SCR触媒5の温度が温度ウィンドウよりも高くなる場合がある。このような場合には、NSR触媒4によるNOx浄化を優先させるべく、リッチスパイクの間隔を短くし且つリッチスパイクの時間を短くしてもよい。すなわち、リーン空燃比となる時間を短くしてもよい。
(5)また、内燃機関1からNSR触媒4までの距離が比較的短くなるように該NSR触媒4が設けられている場合であって、燃料中の硫黄成分の濃度が高い場合には、内燃機関1が高負荷で運転されるときに、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウよりも高くなる場合がある。また、NSR触媒4の硫黄被毒も発生しやすい。このような場合には、NSR触媒4におけるNOx吸蔵量を少なくするように、リッチスパイクの間隔を短くし且つリッチスパイクの時間を短くしてもよい。すなわち、リーン空燃比となる時間を短くしてもよい。
(6)また、内燃機関1からNSR触媒4までの距離が比較的長くなるように該NSR触媒4が設けられている場合であって、内燃機関1からSCR触媒5までの距離が比較的短くなるように該SCR触媒5が設けられている場合において、さらに、燃料中の硫黄成分の濃度が高い場合には、内燃機関1が高負荷で運転されても、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウ内になる場合もある。しかし、NSR触媒4の硫黄被毒によりNSR触媒4におけるNOx浄化率が低下する。また、SCR触媒5の温度が、温度ウィンドウよりも高くなると、該SCR触媒5におけるNOx浄化率も低くなる。このような場合には、NSR触媒4及びSCR触媒5によるNOx浄化を期待できないため、三元触媒3にてNOxを浄化してもよい。
(7)また、内燃機関1からNSR触媒4及びSCR触媒5までの距離が比較的短くなるように該NSR触媒4及びSCR触媒5が設けられている場合には、内燃機関1が高負荷で運転されているときに、NSR触媒4の温度が温度ウィンドウよりも高くなる場合がある。このときに、SCR触媒5の温度が、温度ウィンドウ内であれば、SCR触媒5によるNOx浄化を優先させるべく、リッチスパイクの間隔を長くし且つリッチスパイクの時間を長くしてもよい。すなわち、リーン空燃比となる時間を長くしてもよい。
(8)また、内燃機関1からNSR触媒4及びSCR触媒5までの距離が比較的短くなるように該NSR触媒4及びSCR触媒5が設けられている場合であっても、内燃機関1が低負荷で運転されているときには、NSR触媒4の温度及びSCR触媒5の温度が温度ウィンドウ内となる場合がある。このような場合には、NSR触媒4またはSCR触媒5の何れであってもNOxを浄化することが可能となる。したがって、リッチスパイクの間隔及び時間を何れの触媒に合わせて設定しても、NOx浄化率は高くなる。すなわち、リッチスパイクの間隔及び時間を任意に設定することができる。
(9)ただし、内燃機関1からNSR触媒4及びSCR触媒5までの距離が比較的短くなるように該NSR触媒4及びSCR触媒5が設けられている場合であって、内燃機関1が低負荷で運転されている場合であっても、燃料中の硫黄成分の濃度が高い場合には、NSR触媒4の硫黄被毒により、該NSR触媒4におけるNOx浄化率が低下する。したがって、このような場合には、SCR触媒5によるNOx浄化を優先させるべく、リッチスパイクの間隔を長くし且つリッチスパイクの時間を長くしてもよい。すなわち、リーン空燃比となる時間を長くしてもよい。ただし、内燃機関1からNSR触媒4までの距離が比較的短いことにより、NSR触媒4の温度が比較的高くなる。このため、NSR触媒4の硫黄被毒は発生し難くなる。したがって、NSR触媒4によるNOx浄化も合わせて行えるように、リッチスパイクの間隔及びリッチスパイクの時間を決定してもよい。また、NSR触媒4の硫黄被毒の度合いが高くなるほど、リッチスパイクの間隔を長くしてもよい。
(10)また、内燃機関1からNSR触媒4までの距離が比較的短くなるように該NSR触媒4が設けられ、且つ、内燃機関1が低負荷で運転されている場合にSCR触媒5の温度が温度ウィンドウ内となるように該SCR触媒5が設けられている場合であって、さらに、燃料中の硫黄成分の濃度が高い場合には、NSR触媒4の硫黄被毒により、該NSR触媒4におけるNOx浄化率が低下する。一方、SCR触媒5の温度は温度ウィンドウ内となる。したがって、このような場合には、SCR触媒5によるNOx浄化を優先させるべく、リッチスパイクの間隔を長くし且つリッチスパイクの時間を長くしてもよい。すなわち、リーン空燃比となる時間を長くしてもよい。ただし、NSR触媒4によるNOx浄化も合わせて行えるように、リッチスパイクの間隔及びリッチスパイクの時間を決定してもよい。また、NSR触媒4の硫黄被毒の度合いが高くなるほど、リッチスパイクの間隔を長くしてもよい。
なお、NSR触媒4及びSCR触媒5の温度が同時に温度ウィンドウ内とならないように、両触媒を配置し、温度ウィンドウ内の触媒を優先的に活用することで、より広い運転領域においてNOxを浄化することも可能となる。すなわち、少なくとも一方の触媒の温度が温度ウィンドウ内となる運転領域を広げることで、NOxを浄化可能な運転領域を広げることができる。
1 内燃機関
2 排気通路
3 三元触媒
4 吸蔵還元型NOx触媒(NSR触媒)
5 選択還元型NOx触媒(SCR触媒)
6 噴射弁
7 吸気通路
8 スロットル
10 ECU
11 第一温度センサ
12 空燃比センサ
13 第二温度センサ
14 第三温度センサ
15 エアフローメータ
16 アクセルペダル
17 アクセル開度センサ
18 クランクポジションセンサ
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、三元触媒
、NH を生成する触媒、選択還元型NOx触媒を備えている場合において、全体としての浄化能力を維持することにある。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路に設けられてNOxからNH を生成する触媒であるNH 生成触媒と、
前記NH 生成触媒よりも下流の排気通路に設けられてNH を還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記NH 生成触媒よりも上流の排気通路に設けられる三元触媒と、
前記三元触媒の温度を検出する検出部と、
前記NH 生成触媒に流入する排気の空燃比を、リーン空燃比から所定のリッチ空燃比まで低下させるリッチスパイクを実施する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記三元触媒の温度が、活性化している温度の下限値である閾値よりも低い場合には、閾値以上の場合よりも、リッチスパイクの間隔を長くする。
また、前記制御装置は、前記三元触媒の温度が前記閾値よりも低い場合には、閾値以上の場合よりも、リッチスパイクを実施するときのリッチ空燃比が継続する時間を短くすることができる。
また、前記制御装置は、前記内燃機関の負荷に応じて、リッチスパイクの間隔を決定することができる。
前記制御装置は、前記内燃機関の負荷に応じて、リッチスパイクの間隔及びリッチスパイクを実施するときのリッチ空燃比が継続する時間を決定することができる。
なお、内燃機関の排気通路に設けられてNOxからNHを生成する触媒であるNH生成触媒と、
前記NH生成触媒よりも下流の排気通路に設けられてNHを還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒の温度を検出する検出部と、
前記NH生成触媒に流入する排気の空燃比を、前記NH生成触媒が吸蔵しているNOx量に基づいて、リッチとリーンとに切り替える制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度よりも高いとき又は低いときには、NOxを浄化可能な温度のときよりも、前記NH生成触媒が吸蔵しているNOx量が少ないときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替えることもできる
本発明によれば、三元触媒、NH を生成する触媒、選択還元型NOx触媒を備えている場合において、全体としての浄化能力を維持することができる。
なお、三元触媒3には、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を持たせることもできる
なお、三元触媒3またはNSR触媒4を排気が通過するときに、排気中のNOxがHCまたはHと反応してアンモニア(NH)が生成されることがある。例えば、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により排気中のCOやHOからHが発生すれば、該Hが三元触媒3またはNSR触媒4においてNOと反応してNHが生成される。すなわち、本実施例においてはNSR触媒4が、本発明におけるNH生成触媒に相当する

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられてNOxからNHを生成する触媒であるNH生成触媒と、
    前記NH生成触媒よりも下流の排気通路に設けられてNHを還元剤としてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
    前記選択還元型NOx触媒の温度を検出する検出部と、
    前記NH生成触媒に流入する排気の空燃比を、前記NH生成触媒が吸蔵しているNOx量に基づいて、リッチとリーンとに切り替える制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度よりも高いとき又は低いときには、NOxを浄化可能な温度のときよりも、前記NH生成触媒が吸蔵しているNOx量が少ないときに排気の空燃比をリーンからリッチに切り替える内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記制御装置は、前記NH生成触媒におけるNOx吸蔵量に基づいて、リッチ空燃比が継続する時間またはリッチ空燃比とするときの目標空燃比の少なくとも一方を設定する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の劣化の度合いに基づいて、前記NOxを浄化可能な温度を補正する請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記制御装置は、排気の空燃比をリーンとしている場合において、前記選択還元型NOx触媒の温度が、NOxを浄化可能な温度のときには、NOxを浄化可能な温度よりも高いときに比べて、前記NH生成触媒に流入するNOx量又はNOx濃度を増加させる請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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