JPWO2013008306A1 - 車両用駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

エンジンを非駆動状態として走行することができるハイブリッド車両において、加速操作に対する応答性が損なわれないように燃費悪化を抑えてエンジンのモータリングを行うことができる車両用駆動制御装置を提供する。モータリング制御手段(68)は、エンジン(14)を非駆動状態とした車両走行中に、車速Vが所定の判定車速以上である場合には、エンジン(14)を非駆動状態としたまま回転させる前記モータリングを実行する。そして、モータリング判断手段(66)は、走行路面斜度θrdが大きいほど上記判定車速を高く設定する。従って、前記モータリングを実行するか否かを判断する際に走行路面斜度θrdに応じた自重による車両推進力が加味されて、下り坂ではそのモータリングが実施され難くなり、登り坂ではそのモータリングが実施され易くなる。その結果、加速操作に対する応答性が損なわれないように燃費悪化を抑えて前記モータリングを行うことができる。

Description

本発明は、ハイブリッド車両の燃費を向上させる技術に関する。
エンジンと走行用電動機とを備えそのエンジンとその走行用電動機との少なくとも一方を走行用の駆動力源として走行するハイブリッド車両が、近年多く見られるようになってきている。そして、そのハイブリッド車両において、前記エンジンを非駆動状態とした車両走行中に、そのエンジンを非駆動状態としたまま回転させるモータリングを行う車両用駆動制御装置が、従来からよく知られている。例えば、特許文献1に開示されたハイブリッド車両の制御装置がそれである。その特許文献1の制御装置は、燃費性能よりも動力性能を重視して走行することができるパワー優先モードが選択されて走行している最中にアクセルオフされた場合には、車速が所定車速以上であれば前記モータリングを行う。これにより、運転者による加速操作時に応答性良くエンジンを始動させ迅速に駆動力を大きくすることができる。
特開2009−126253号公報
前記エンジンを非駆動状態とした車両走行中に前記モータリングが行われれば、確かに、運転者による加速操作に対して応答性良くエンジンを始動させることは可能であるが、その反面、前記モータリングは、前記走行用電動機やその他の電動機などによって行われるので、電力消費が増大し燃費悪化の原因となり得る。また、下り坂では、そもそも重力によって車両に推進力が生じているので、前記モータリングの必要性は低くなるものと考えられる。しかしながら、前記特許文献1の制御装置は、車両が走行している走行路面の斜度を加味せず、車速に基づいて前記モータリングを行うので、例えば下り坂などでは不必要に前記モータリングを行うおそれがあった。すなわち、前記特許文献1の制御装置は、ドライバビリティの悪化を抑えつつ燃費を更に向上させる余地を残していた。なお、このような課題は未公知である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンを非駆動状態として走行することができるハイブリッド車両において、加速操作に対する応答性が損なわれないように燃費悪化を抑えて前記モータリングを行うことができる車両用駆動制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンと走行用電動機とを備えそのエンジンとその走行用電動機との少なくとも一方を走行用の駆動力源として走行する車両において、前記エンジンを非駆動状態とした車両走行中には車速が所定の判定車速以上である場合にそのエンジンを非駆動状態としたまま回転させる車両用駆動制御装置であって、(b)前記車両が走行している走行路面の下りを正方向とした斜度が大きいほど、前記判定車速を高くすることを特徴とする。
前記エンジンを非駆動状態とした車両走行中にそのエンジンを非駆動状態としたまま回転させるモータリングの必要性は、加速操作に対する応答性確保の観点から、下り坂では重力により車両に推進力が作用するので、水平路面と比較して低くなる。その一方で、登り坂では重力により車両に制動力が作用するので、水平路面と比較して高くなる。この点、前記走行路面の斜度が大きいほど前記判定車速を高くする第1発明のようにすれば、上記走行路面の斜度が加味されて、前記モータリングの必要性の低い下り坂ではそのモータリングが実施され難くなり、前記モータリングの必要性の高い登り坂ではそのモータリングが実施され易くなる。従って、加速操作に対する応答性が損なわれないように燃費悪化を抑えて前記モータリングを行うことができる。なお、前記走行路面の斜度は、その走行路面が水平路面であれば零であり、下り坂であれば正の値であり、登り坂であれば負の値である。すなわち、登り坂が急であるほど、上記走行路面の斜度は小さくなる。また、燃費とは例えば、単位燃料消費量当たりの走行距離等であり、燃費の向上とはその単位燃料消費量当たりの走行距離が長くなることであり、或いは、車両全体としての燃料消費率(=燃料消費量/駆動輪出力)が小さくなることである。逆に、燃費の低下(燃費の悪化)とはその単位燃料消費量当たりの走行距離が短くなることであり、或いは、車両全体としての燃料消費率が大きくなることである。
また、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明の車両用駆動制御装置であって、前記走行路面の斜度に対する前記判定車速の変化割合は、その走行路面の斜度が零に近いほど大きいことを特徴とする。このようにすれば、重力により車両に作用する推力が、上記走行路面の斜度が零(水平)付近でその斜度の変化に対し最も大きく変化するところ、上記斜度に応じた上記重力による推力の大きさに対応させて上記判定車速を変更することができる。そのため、上記重力による推力に応じて、前記モータリングを過不足なく実施することが可能である。
また、第3発明の要旨とするところは、前記第1発明または前記第2発明の車両用駆動制御装置であって、(a)前記エンジンを非駆動状態とし且つ前記走行用電動機を走行用の駆動力源として走行するモータ走行での車両走行中に、前記車両に要求される要求駆動力が増大すると、前記車両の走行態様をそのモータ走行から、少なくとも前記エンジンを走行用の駆動力源として走行するエンジン走行に切り替えるものであり、(b)前記モータ走行での車両走行中において、前記走行路面の斜度が大きいほど、より大きな前記要求駆動力になるまで前記モータ走行を維持することを特徴とする。ここで、上記走行路面の斜度が大きいほど、重力による車両推進力が増すので、その分、より大きな要求駆動力になるまで前記モータ走行を行っても、走行性能を損なうことが殆どない。従って、上記第3発明のようにすれば、上記走行性能を損なわないようにしつつ、上記走行路面の斜度が大きいほど前記モータ走行をより長く行うことにより、燃費の向上を図ることが可能である。
また、第4発明の要旨とするところは、前記第3発明の車両用駆動制御装置であって、(a)前記要求駆動力が所定の要求駆動力判定値よりも大きい場合には、前記車両の走行態様を前記エンジン走行とし、(b)前記走行路面の斜度が大きいほど前記要求駆動力判定値を大きくすることを特徴とする。このようにすれば、その走行路面の斜度に基づいて上記要求駆動力判定値を決定することで、前記モータ走行の実施機会と前記エンジン走行の実施機会とを容易に調節することができ、制御負荷の軽減を図り得る。
また、第5発明の要旨とするところは、前記第4発明の車両用駆動制御装置であって、前記走行路面の斜度に対する前記要求駆動力判定値の変化割合は、車速が高いほど大きいことを特徴とする。ここで、高回転時に高トルクを発生させ難いという電動機の一般的な特性から、モータ走行中においては高車速時であるほど、すなわち、前記走行用電動機が高回転であるほど、前記走行路面の斜度が車両推進力全体に与える影響が相対的に大きくなる。前記第5発明のようにすれば、その走行路面の斜度の影響すなわち重力が上記車両推進力全体に与える影響を加味することで、車速の変化範囲の全般にわたって燃費性能と走行性能とを両立できるように、前記エンジン走行と前記モータ走行とを相互に切り替えることが可能である。
また、第6発明の要旨とするところは、前記第1発明または前記第2発明の車両用駆動制御装置であって、(a)前記エンジンを非駆動状態とし且つ前記走行用電動機を走行用の駆動力源として走行するモータ走行での車両走行中に、前記車両に要求される要求駆動力が所定の要求駆動力判定値よりも大きくなった場合には、前記車両の走行態様をそのモータ走行から、少なくとも前記エンジンを走行用の駆動力源として走行するエンジン走行に切り替えるものであり、(b)アクセル開度が大きいほど前記要求駆動力が大きくなるようにその要求駆動力を決定し、(c)前記走行路面の斜度が大きいほど前記要求駆動力が小さくなるようにその要求駆動力を決定することを特徴とする。このようにすれば、重力による車両推進力または車両制動力が加味されて、過不足のないように前記要求駆動力を決定することができる。その結果として、前記走行路面の斜度が異なっていても、車両の走行性能を損なわないようにしつつ、前記モータ走行による燃費向上効果を十分に大きく享受することが可能である。
また、第7発明の要旨とするところは、前記第6発明の車両用駆動制御装置であって、前記走行路面の斜度に応じた前記要求駆動力を、前記走行路面が水平であるときの前記要求駆動力から、重力により前記車両に作用する進行方向への推進力を差し引いて得た値とすることを特徴とする。このようにすれば、重力の影響を加味した前記要求駆動力を、前記走行路面の斜度から容易に算出することが可能である。
ここで、好適には、前記走行路面の斜度が大きいほど、前記アクセル開度に対する前記要求駆動力の変化割合を小さくする。
また、好適には、前記車両は、前記エンジンからの動力を駆動輪へ出力し差動用電動機により差動状態が制御される電気式差動機構を備えている。
本発明が適用される車両に備えられた車両用駆動装置を説明するための骨子図である。 図1の車両用駆動装置を制御するための車両用駆動制御装置として機能する電子制御装置に入力される信号を例示した図であると共に、その電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための実施例1の機能ブロック線図である。 図1の車両用駆動装置を備える車両において、モータ走行とエンジン走行との何れかに走行態様を切り替えるために用いられる走行領域マップを示した図である。 図1の車両用駆動装置を備える車両において、アクセル開度に基づいて要求駆動力を決定するために用いられる要求駆動力マップを示した図である。 図1の車両用駆動装置を備える車両が現在走行している走行路面の斜度である走行路面斜度について説明するための図である。 図1の車両用駆動装置を備える車両において、エンジンのモータリングを実行するか否かを判定するための判定車速を上記走行路面斜度に基づいて決定するために用いられる判定車速マップを示した図である。 図1のエンジンを非駆動状態とした車両走行中における第1遊星歯車装置の差動状態を表した共線図である。 図2の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、エンジンを非駆動状態とした車両走行中にモータリングを実行する制御作動を説明するための実施例1のフローチャートである。 実施例2の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図3に示す走行領域マップが走行路面斜度に応じて変更される例を表した図である。 図4に示す要求駆動力マップが走行路面斜度に応じて変更される例を表した図である。 図9の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、車両の走行態様をエンジン走行またはモータ走行に切り替える制御作動を説明するための実施例2のフローチャートである。 図12のフローチャートのSB3がSB3−1に置き換えられたフローチャートにおいて、そのSB3−1を示した図である。 図1の車両用駆動装置を備える車両がパラレルハイブリッド車両に置き換えられた場合に、そのパラレルハイブリッド車両の機械的構成を表した図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両6に備えられた車両用駆動装置8を説明するための骨子図である。この車両6は、エンジン14と第2電動機MG2との少なくとも一方を走行用の駆動力源として走行するハイブリッド車両である。図1に示すように、車両用駆動装置8は、走行用の動力を出力する一般的に知られた自動車用ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンであるエンジン14と、そのエンジン14と駆動輪40(図2参照)との間に介装された車両用動力伝達装置10(以下、「動力伝達装置10」という)とを備えている。動力伝達装置10はエンジン14からの動力を駆動輪40に伝達するトランスアクスルである。そして、動力伝達装置10は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスアクスル(T/A)ケース12(以下、「ケース12」という)内において、エンジン14側から順番に、そのエンジン14の出力軸15(例えばクランク軸)に作動的に連結されてエンジン14からのトルク変動等による脈動を吸収するダンパー16、そのダンパー16を介してエンジン14によって回転駆動させられる入力軸18、第1電動機MG1、動力分配機構として機能する第1遊星歯車装置20、減速装置として機能する第2遊星歯車装置22、および、駆動輪40に動力伝達可能に連結された第2電動機MG2を備えている。
この動力伝達装置10は、例えば前輪駆動すなわちFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両6の前方に横置きされ、駆動輪40を駆動するために好適に用いられるものである。動力伝達装置10では、エンジン14の動力がカウンタギヤ対32の一方を構成する動力伝達装置10の出力回転部材としての出力歯車24からカウンタギヤ対32、ファイナルギヤ対34、差動歯車装置(終減速機)36および一対の車軸38等を順次介して一対の駆動輪40へ伝達される(図2参照)。このように、本実施例では、入力軸18とエンジン14とはダンパー16を介して作動的に連結されており、エンジン14の出力軸15がエンジン14の出力回転部材であることはもちろんであるが、この入力軸18もエンジン14の出力回転部材に相当する。図1に示されているように、車両用駆動装置8はトルクコンバータのような流体伝動装置を備えていない。
入力軸18は、両端がボールベアリング26および28によって回転可能に支持されており、一端がダンパー16を介してエンジン14に連結されることでエンジン14により回転駆動させられる。また、他端には潤滑油供給装置としてのオイルポンプ30が連結されており入力軸18が回転駆動されることによりオイルポンプ30が回転駆動させられて、動力伝達装置10の各部例えば第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22、ボールベアリング26、および28等に潤滑油が供給される。
第1遊星歯車装置20は、エンジン14と駆動輪40との間の動力伝達経路の一部を構成しており、エンジン14からの動力を駆動輪40へ出力する差動機構である。そして、第1遊星歯車装置20は、第1電動機MG1により差動状態が制御される電気式差動機構として機能する。具体的に、第1遊星歯車装置20は、シングルピニオン型の遊星歯車装置であり、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、および、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ1は、第1サンギヤS1の歯数をZS1とし第1リングギヤR1の歯数をZR1とすれば、「ρ1=ZS1/ZR1」で算出される。
そして、第1遊星歯車装置20は、入力軸18に伝達されたエンジン14の出力を機械的に分配する機械的な動力分配機構であって、エンジン14の出力を第1電動機MG1および出力歯車24に分配する。つまり、この第1遊星歯車装置20においては、第1回転要素としての第1キャリヤCA1は入力軸18すなわちエンジン14に連結され、第2回転要素としての第1サンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、第3回転要素としての第1リングギヤR1は出力歯車24すなわちその出力歯車24に作動的に連結された駆動輪40に連結されている。これより、第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1は、それぞれ相互に相対回転可能となることから、エンジン14の出力が第1電動機MG1および出力歯車24に分配されると共に、第1電動機MG1に分配されたエンジン14の出力で第1電動機MG1が発電され、その発電された電気エネルギが蓄電されたりその電気エネルギで第2電動機MG2が回転駆動されるので、動力伝達装置10は、例えば無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、第1遊星歯車装置20の差動状態が第1電動機MG1により制御されることにより、エンジン14の所定回転に拘わらず出力歯車24の回転が連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する。また、第1遊星歯車装置20では、第1電動機MG1が無負荷状態とされて空転させられることで第1キャリヤCA1と第1リングギヤR1との間の動力伝達が遮断されるので、第1遊星歯車装置20は、エンジン14と駆動輪40との間の動力伝達を遮断可能な動力伝達遮断装置としても機能する。
第2遊星歯車装置22は、シングルピニオン型の遊星歯車装置である。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、および、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を回転要素として備えている。なお、第1遊星歯車装置20のリングギヤR1および第2遊星歯車装置22のリングギヤR2は一体化された複合歯車となっており、その外周部に出力歯車24が設けられている。そのため、本実施例では、リングギヤR1の回転速度Nr1とリングギヤR2の回転速度Nr2と出力歯車24の回転速度Noutとは互いに同一である。
この第2遊星歯車装置22においては、第2キャリヤCA2は非回転部材であるケース12に連結されることで回転が阻止され、第2サンギヤS2は第2電動機MG2に連結され、第2リングギヤR2は出力歯車24に連結されている。すなわち、第2電動機MG2は出力歯車24と第1遊星歯車装置20のリングギヤR1とに第2遊星歯車装置22を介して連結されている。これにより、例えば発進時などは第2電動機MG2が回転駆動することにより、第2サンギヤS2が回転させられ、第2遊星歯車装置22によって減速させられて出力歯車24に回転が伝達される。
本実施例の第1電動機MG1及び第2電動機MG2は何れも、発電機能をも有する所謂モータジェネレータである。具体的に第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、周方向に配設された複数の永久磁石と回転軸とを含むロータと、回転軸心まわりに回転磁界を形成する三相コイルが巻回された非回転部材のステータとを備えた同期電動発電機である。第1電動機MG1及び第2電動機MG2では、上記複数の永久磁石が発生させる磁界と上記三相コイルが発生させる磁界との相互作用により上記ロータが回転駆動され、或いは、それらの相互作用により上記三相コイルの端子間に起電力が生じさせられる。このような構成から、第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、上記三相コイルに通電される駆動電流が大きいほど、大きなトルクを発生させる。第1電動機MG1及び第2電動機MG2はそれぞれインバータ54(図2参照)を介して蓄電装置56に電気的に接続されており、第1電動機MG1と第2電動機MG2と蓄電装置56とは相互に電力授受可能な構成となっている。差動用電動機として機能する第1電動機MG1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備えている。また、走行用電動機として機能する第2電動機MG2は車両6の駆動力を出力するためのモータ(発動機)機能を少なくとも備えており、駆動輪40へ走行用の動力を出力する。上記蓄電装置56は、例えば、鉛蓄電池などのバッテリ(二次電池)又はキャパシタなどであって、第1電動機MG1及び第2電動機MG2に電力を供給し且つそれらの各電動機MG1,MG2から電力の供給を受けることが可能な電気エネルギ源である。
上述のように構成された車両用駆動装置8では、電子制御装置60(図2参照)は、例えば、キーがキースロットに挿入された後、フットブレーキ45が踏込操作された状態でパワースイッチが操作されることにより制御が起動されると、運転者が加速操作をする際に踏み込まれるアクセルペダル41(図2参照)の操作量であるアクセル開度(アクセル操作量)Accに応じた出力を、エンジン14および/または第2電動機MG2から発生させる。例えば、電子制御装置60は、車両6の走行態様を、エンジン14を非駆動状態とし且つ第2電動機MG2を走行用の駆動力源として走行するモータ走行(EV走行とも言う)、少なくともエンジン14を走行用の駆動力源として走行するエンジン走行等に、例えば車両6に対して要求される要求駆動力FRoutと車速Vとで示される車両6の走行状態に応じて択一的に切り換える。本実施例では、図3に示すような、前記モータ走行が行われるモータ走行領域と前記エンジン走行が行われるエンジン走行領域とから構成された走行領域マップが、車両6の燃費性能および走行性能を高く維持できるように予め実験的に設定されている。その走行領域マップは、車速Vと前記要求駆動力FRoutとをパラメータとし前記車両6の走行態様の切替を判断するためのマップであり、その走行領域マップでは、上記エンジン走行領域は上記モータ走行領域に対して、要求駆動力FRoutの大きい側に設けられている。電子制御装置60は、例えば車速Vと要求駆動力FRoutとで表される車両6の走行状態が上記エンジン走行領域に属すれば車両6の走行態様を上記エンジン走行に切り替え、上記車両6の走行状態が上記モータ走行領域に属すれば車両6の走行態様を上記モータ走行に切り替える。また、電子制御装置60は、前記要求駆動力FRoutを、例えば図4に示すような予め設定された関係である要求駆動力マップからアクセル開度Accに基づいて決定する。すなわち、図4に示すように、その要求駆動力FRoutはアクセル開度Accが大きいほど大きく決定される。例えば、図4においてアクセル開度AccがAcc1であれば、要求駆動力FRoutはFRout1に決定される。上記要求駆動力マップは、運転者の意思に即した駆動力がアクセル開度Accに基づいて発生されるように予め実験的に定められている。電子制御装置60は、前記モータ走行と前記エンジン走行との何れの走行態様であっても、車両6の駆動力が前記要求駆動力FRoutに一致するように前記走行用の駆動力源を制御する。すなわち、上記要求駆動力FRoutはその車両6の駆動力の目標値である目標駆動力でもある。なお、前記エンジン14の非駆動状態とは、エンジン14の駆動していない状態、すなわち、エンジン14への燃料供給が遮断されている状態又はエンジン点火がなされていない状態であり、エンジン14の出力軸15が回転しているか否かとは関係が無い。また、車両6の駆動力(単位は例えば「N」)とは駆動輪40から走行路面74に伝達される車両6の推進力である。
具体的に、電子制御装置60は、前記車両6の走行態様が前記エンジン走行である場合、すなわち、上記エンジン走行を行うエンジン走行モードでは、エンジン14を駆動状態として車両6を走行させる。そして、そのエンジン14が例えば最適燃費曲線等の予め定められた動作曲線に従って作動するように、第1電動機MG1によって第1遊星歯車装置20の変速比γ0(=入力軸18の回転速度/出力歯車24の回転速度)を無段階に制御する。上記エンジン走行モードでは、エンジン14と共に第2電動機MG2も必要に応じて駆動状態とされて第2電動機MG2がアシストトルクを出力することがある。すなわち、前記エンジン走行では、エンジン14のみ若しくはエンジン14および第2電動機MG2が走行用の駆動力源とされる。
また、車両6の後進走行は、例えば、第2電動機MG2を逆方向へ回転駆動することによって達成される。このとき、電子制御装置60は、第1電動機MG1を空転状態として、エンジン14の駆動状態または非駆動状態に関係なく出力歯車24が逆回転することを許容する。
さらに、電子制御装置60は、加速操作が解除された惰性走行であるコースト走行時には車両6の有する慣性エネルギーで第2電動機MG2を回転駆動することにより電力として回生し、蓄電装置56にその電力を蓄える。要するに、そのコースト走行中は、第2電動機MG2の回生作動により車両6が減速される減速回生走行が行われる。その減速回生走行中には、エンジン14の燃料消費を抑えるため、電子制御装置60はエンジン14を非駆動状態にする。
また、電子制御装置60は、前記車両6の走行態様が前記モータ走行である場合、すなわち、上記モータ走行を行うモータ走行モード(EV走行モードとも言う)では、エンジン14の運転を停止した状態すなわち非駆動状態で蓄電装置56からの電力により第2電動機MG2を駆動してその第2電動機MG2のみを走行用の駆動力源とする。このモータ走行モードでは、運転を停止しているエンジン14の引き摺りを抑制して燃費を向上させるために、例えば第1電動機MG1を無負荷状態とすることにより空転させて、第1遊星歯車装置20の差動作用によりエンジン14の回転速度Ne(以下、エンジン回転速度Neという)を零乃至略零に維持する。但し、上記モータ走行中または前記減速回生走行中、要するにエンジン14を非駆動状態とした車両走行中に、電子制御装置60は、エンジン始動の応答性を向上させるため、エンジン14を非駆動状態としたまま回転させるモータリングを行うことがある。このエンジン14のモータリングに関しては後述する。
図2は、本実施例の車両用駆動装置8を制御するための車両用駆動制御装置として機能する電子制御装置60に入力される信号を例示した図であると共に、電子制御装置60に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。この電子制御装置60は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン14、第1電動機MG1、第2電動機MG2に関するハイブリッド駆動制御等の車両制御を実行するものである。
電子制御装置60には、図2に示すような各センサやスイッチなどから、エンジン14のシリンダブロックに設けられたエンジン水温センサ51からのエンジン水温TEMPWを表す信号、エンジン回転速度Neを表すエンジン回転速度センサ50からの信号、出力歯車24の回転速度Nout(以下、「出力回転速度Nout」という)に対応する車速Vを表す車速センサ52からの信号、常用ブレーキであるフットブレーキ45の操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ46からのフットブレーキ操作を表す信号、運転者から車両6に対して要求される前記要求駆動力FRoutに対応するアクセルペダル41の操作量であるアクセル開度Accを表すアクセル開度センサ42からの信号、エンジン14の吸気管に設けられエンジン14の吸入空気量を電動で調節する電子スロットル弁のスロットル開度θthを表すスロットル弁開度センサ43からの信号、車両6が現在走行している走行路面74(図5参照)の斜度θrd(以下、走行路面斜度θrdという)を検出する路面斜度センサ44からのその走行路面斜度θrdを表す信号、第1電動機MG1の回転速度Ng(以下、「第1電動機回転速度Ng」という)を表す信号、第2電動機MG2の回転速度Nm(以下、「第2電動機回転速度Nm」という)を表す信号、蓄電装置56の充電残量(充電状態)SOCを表す信号、シフトレバーの操作位置(操作ポジション)POPEを検出する為の位置センサであるレバー操作位置センサ48からの操作ポジションPOPEに応じたシフトレバー位置信号、第1電動機MG1のトルクTg(以下、「第1電動機トルクTg」という)に対応する第1電動機MG1の駆動電流を表す信号、第2電動機MG2のトルクTm(以下、「第2電動機トルクTm」という)に対応する第2電動機MG2の駆動電流を表す信号等が、それぞれ供給される。本実施例において前記走行路面斜度θrd(単位は例えば「°」)は、車両6の進行方向が矢印FWDで表されている図5に示すように、走行路面74の下りを正方向とした水平面HZに対する角度である。すなわち、走行路面斜度θrdは、走行路面74が水平路面であれば零であり、下り坂であれば正の値であり、登り坂であれば負の値である。
また、電子制御装置60からは、エンジン出力を制御するエンジン出力制御のための制御信号例えば前記電子スロットル弁のスロットル開度θthを操作するスロットルアクチュエータへの駆動信号やエンジン14の燃料噴射装置による吸気管或いはエンジン14の筒内への燃料供給量を制御する燃料供給量信号やエンジン14の点火装置によるエンジン14の点火時期を指令する点火信号、各電動機MG1,MG2の作動を指令する指令信号等が、それぞれ出力される。電子制御装置60は、スロットル開度θthをアクセル開度Accに応じて調節するスロットル制御では、アクセル開度Accが増加するほどスロットル開度θthを増加させる。そのスロットル開度θthの増加に伴いエンジン14に吸入される吸入空気量も増加する。
ところで、エンジン14を非駆動状態とした車両走行中、具体的には、前記モータ走行中または前記減速回生走行中に、アクセルペダル41が踏み込まれる加速操作がなされた場合には、そのときのアクセル開度Accによっては、エンジン14が始動され前記エンジン走行が行われる。本実施例では、上記エンジン14を非駆動状態とした車両走行中に、エンジン始動の応答性を向上させるため、前記モータリングが実行されることがある。そのモータリングを実行するための制御機能の要部について、前記図2を用いて説明する。その図2に示すように、電子制御装置60は、車両走行態様判断部としての車両走行態様判断手段64と、モータリング判断部としてのモータリング判断手段66と、モータリング制御部としてのモータリング制御手段68とを備えている。
車両走行態様判断手段64は、車両6が、エンジン14を非駆動状態とした車両走行中であるか否か、具体的には、前記モータ走行中または前記減速回生走行中であるか否かを判断する。例えば、エンジン14への燃料供給状況またはエンジン14の点火状況、および、車速Vなどから判断する。
モータリング判断手段66は、車両6がエンジン14を非駆動状態とした車両走行中であると車両走行態様判断手段64によって判断された場合には、前記モータリングが実行される必要があるか否かを車速Vに基づいて逐次判断する。そのためには、車速Vと比較する閾値である判定車速Vmを、前記走行路面斜度θrdに基づいて決定する必要がある。そこで、先ず、モータリング判断手段66は、
路面斜度センサ44により検出される上記走行路面斜度θrdを取得する。そして、走行路面斜度θrdと前記判定車速Vmとの予め定められた関係である判定車速マップから、上記取得した走行路面斜度θrdに基づいて判定車速Vmを決定する。その判定車速マップの一例が図6に示されている。その図6の判定車速マップでは、走行路面斜度θrdが大きいほど上記判定車速Vmは大きくなるので、モータリング判断手段66は、その判定車速マップに従って、上記取得した走行路面斜度θrdが大きいほど、上記判定車速Vmを高く設定する。例えば、図6において上記取得した走行路面斜度θrdがθ1rdであれば、判定車速VmはV1mに決定される。すなわち、走行路面斜度θrdがθ1rdである走行路面74を車両6が走行しているときの判定車速Vmは、水平路面での判定車速VmであるV0mに対して矢印ARV01m分だけ高く決定され、それにより、前記モータリングが実行される機会が減少する。また、図6から判るように、上記走行路面斜度θrdとモータリング判断手段66が決定する判定車速Vmとの関係において、走行路面斜度θrdに対する判定車速Vmの変化割合は、その走行路面斜度θrdが零(水平)に近いほど大きい。上記走行路面斜度θrdに対する判定車速Vmの変化割合とは、図6に示す判定車速マップで言えば、その図6の縦軸を基準とした実線L01の勾配である。前記判定車速Vmは、前記モータリングを実行するか否かを判断するために図6の判定車速マップに示すように決定される所定の判定値である。そして、その図6の判定車速マップは、前記モータリングによる燃費悪化を抑えつつそのモータリングによるエンジン始動の応答性を適切に得られるように前記判定車速Vmを決定するために、予め実験的に設定されたマップである。
モータリング判断手段66は、前記走行路面斜度θrdに基づいて判定車速Vmを決定すると、現在の車速Vが上記判定車速Vm以上であるか否かを判断する。その判断の結果、車速Vが上記判定車速Vm以上であれば、前記モータリングが実行される必要があると判断する。その一方で、車速Vが上記判定車速Vm未満であれば、前記モータリングが実行される必要はないと判断する。
モータリング制御手段68は、エンジン14を非駆動状態とした車両走行中に、車速Vに応じて前記モータリングを実行する。具体的には、前記モータリングが実行される必要があるとモータリング判断手段66により判断された場合、すなわち、車速Vが前記判定車速Vm以上である場合には、前記モータリングを実行する。その一方で、上記モータリングが実行される必要はないとモータリング判断手段66により判断された場合、すなわち、車速Vが前記判定車速Vm未満である場合には、前記モータリングを実行せず、第1電動機MG1を空転させてエンジン回転速度Neを零乃至略零に維持する。
図7は、エンジン14を非駆動状態とした車両走行中における第1遊星歯車装置20の差動状態を表した共線図であり、左側から順に、第1電動機回転速度Ng、エンジン回転速度Ne、出力歯車24の回転速度Nout(出力回転速度Nout)を表している。そして、破線L02は、前記モータリングが実行されておらず第1電動機MG1が空転させられているときの上記第1遊星歯車装置20の差動状態を示している。実線L03は、前記モータリングが実行されているときの上記第1遊星歯車装置20の差動状態を示している。
図7に示すように、モータリング制御手段68は、前記モータリングを実行する際には、空転状態にある第1電動機MG1の回転速度Ngを矢印AR01のようにエンジン回転と同方向である正方向に引き上げることで、矢印AR02のようにエンジン回転速度Neを上昇させる。このとき、出力歯車24の回転速度Noutおよび第2電動機回転速度Nmは車速Vに拘束されているので、前記モータリングの実行前後で変化しないが、モータリング制御手段68は、エンジン14を回転させるために第1電動機MG1に正方向のトルクを発生させると共に、前記モータリング中のエンジン14の回転抵抗に起因して車速Vが低下しないように第2電動機MG2にもトルクを発生させる。そして、モータリング制御手段68は、エンジン14のアイドリング回転速度程度の一定値に予め設定されているモータリング時目標回転速度にエンジン回転速度Neが収束するように、第1電動機回転速度Ngを制御する。このように、モータリング制御手段68がエンジン14の前記モータリングを行うことにより、例えばアクセルペダル41が踏み込まれたとき等において、上記モータリングが行われない場合と比較してエンジン14を迅速に始動でき、早期に駆動力を増大させることができる。
図8は、電子制御装置60の制御作動の要部、すなわち、エンジン14を非駆動状態とした車両走行中に前記モータリングを実行する制御作動を説明するためのフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図8に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行される。
先ず、車両走行態様判断手段64に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、車両6がエンジン14を非駆動状態とした車両走行中であるか否かが判断される。具体的には、車両6が前記モータ走行中(EV走行中)または前記減速回生走行中であるか否かが判断される。このSA1の判断が肯定された場合、すなわち、車両6が前記モータ走行中または前記減速回生走行中である場合には、SA2に移る。一方、このSA1の判断が否定された場合には、本フローチャートは終了する。
SA2においては、路面斜度センサ44によって検出される前記走行路面斜度θrdが読み取られ取得される。SA2の次はSA3に移る。
SA3においては、図6の判定車速マップから、上記SA2にて取得された走行路面斜度θrdに対応した判定車速Vmが読み取られる。すなわち、上記SA2にて取得された走行路面斜度θrdに基づいて、図6の判定車速マップから、判定車速Vmが決定される。SA3の次はSA4に移る。
SA4においては、現在の車速Vが車速センサ52によって検出され、その車速Vが、上記SA3にて決定された判定車速Vm以上であるか否かが判断される。このSA4の判断が肯定された場合、すなわち、上記車速Vが判定車速Vm以上である場合には、SA5に移る。一方、このSA4の判断が否定された場合には、SA6に移る。なお、SA2からSA4はモータリング判断手段66に対応する。
SA5においては、エンジン14の前記モータリングが実行される。既にそのモータリングが実行中であれば、そのモータリングが継続される。
SA6においては、前記モータリングは実行されない。従って、第1電動機MG1が空転させられてエンジン回転速度Neは零乃至略零に保持される。既に第1電動機MG1が空転させられているのであれば、その第1電動機MG1の空転状態が継続される。なお、SA5およびSA6はモータリング制御手段68に対応する。
本実施例では次のような効果(A1)および(A2)がある。(A1)本実施例によれば、モータリング判断手段66は、図6の判定車速マップに従って、車両6が走行している走行路面74の下りを正方向とした斜度θrdすなわち前記走行路面斜度θrdが大きいほど、前記判定車速Vmを高く設定する。そして、モータリング制御手段68は、エンジン14を非駆動状態とした車両走行中に、車速Vが所定の上記判定車速Vm以上である場合には、エンジン14を非駆動状態としたまま回転させる前記モータリングを実行する。ここで、エンジン14を非駆動状態とした車両走行中における前記モータリングの必要性は、加速操作に対する応答性確保の観点から、下り坂では重力により車両6に推進力が作用するので、水平路面と比較して低くなる。その一方で、登り坂では重力により車両6に制動力が作用するので、水平路面と比較して高くなる。従って、前記モータリングを実行するか否かを判断する際に上記走行路面斜度θrdが加味されて、前記モータリングの必要性の低い下り坂ではそのモータリングが実施され難くなり、前記モータリングの必要性の高い登り坂ではそのモータリングが実施され易くなる。その結果、加速操作に対する応答性が損なわれないように燃費悪化を抑えて前記モータリングを行うことができる。要するに、加速操作に対してエンジン出力を過不足なく得ることができる。
(A2)また、本実施例によれば、図6から判るように、前記走行路面斜度θrdとモータリング判断手段66が決定する判定車速Vmとの関係において、走行路面斜度θrdに対する判定車速Vmの変化割合は、その走行路面斜度θrdが零に近いほど大きい。従って、重力により車両6に作用する推力すなわち車両6の自重による推力が、上記走行路面斜度θrdが零(水平)付近でその走行路面斜度θrdの変化に対し最も大きく変化するところ、上記走行路面斜度θrdに応じた上記自重による推力の大きさに対応させて上記判定車速Vmを変更することができる。そのため、上記自重による推力に応じて、前記モータリングを過不足なく実施することが可能である。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、実施例相互に重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例(実施例2)の説明では、前述の実施例1と共通する点は説明を省略し実施例1と異なる点を主に説明する。本実施例では、前述の実施例1と異なり、前記走行路面斜度θrdが大きいほど前記モータ走行が行われる機会が多くなるように、その走行路面斜度θrdに応じて図3に示す走行領域マップ或いは図4に示す要求駆動力マップが変更される。その制御機能の要部について図9を用いて説明する。その図9は、本実施例の電子制御装置160に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図9に示すように、電子制御装置160は、走行可能状態判断部としての走行可能状態判断手段164と、マップ変更部としてのマップ変更手段166と、要求駆動力決定部としての要求駆動力決定手段168と、走行態様切替制御部としての走行態様切替制御手段170とを備えている。
走行可能状態判断手段164は、車両6が、運転者がアクセルペダル41を踏み込めば直ちに車両6が発進・走行できる走行可能状態であるか否かを逐次判断する。上記走行可能状態とは、言い換えれば、アクセルペダル41が踏み込まれればアクセル開度Accに応じた駆動力が発生する状態である。例えば、キーがキースロットに挿入された後、フットブレーキ45が踏込操作された状態でパワースイッチが操作されることにより、車両6は、イグニッションオフ状態などの他の状態から上記走行可能状態になる。
マップ変更手段166は、前記走行路面斜度θrdに基づいて前記走行領域マップを逐次変更する。そのために、マップ変更手段166は、路面斜度センサ44により検出される上記走行路面斜度θrdを取得する。そして、その走行路面斜度θrdが大きいほど、上記走行領域マップを構成する前記モータ走行領域を前記要求駆動力FRoutの大きい側に拡大する。これを説明するための例が、図10に表されている。その図10は、図3に示す走行領域マップが上記走行路面斜度θrdに応じて変更される例を表した図である。例えば、マップ変更手段166は、図10に示すように、上記走行路面斜度θrdが零すなわち水平であるときの走行領域マップに対して、低中車速域では走行路面斜度θrdに応じて前記モータ走行領域と前記エンジン走行領域との間の走行領域境界線(実線LBdn、破線LBhz、または二点鎖線LBup)を変更しない。その一方で、高車速域でだけ、走行路面斜度θrdが大きいほど上記走行領域境界線を要求駆動力FRoutの大きい側にずらし、それにより、前記モータ走行領域を要求駆動力FRoutの大きい側に拡大する。例えば図10では、下り坂の走行路面斜度θrdは水平路面に対して大きいので、ある勾配の下り坂での走行領域境界線を表す実線LBdnは、その水平路面での走行領域境界線を表す破線LBhzに対して、矢印ARBdnのように要求駆動力FRoutの大きい側にずらされている。また、登り坂の走行路面斜度θrdは水平路面に対して小さいので、ある勾配の登り坂での走行領域境界線を表す二点鎖線LBupは、上記水平路面での走行領域境界線LBhzに対して、矢印ARBupのように要求駆動力FRoutの小さい側にずらされている。なお、前記走行領域境界線を走行路面斜度θrdに応じてずらす幅は、燃費性能および走行性能を高く維持できるように予め実験的に定められている。また、図10の低中車速域では、実線LBdn、破線LBhz、および二点鎖線LBupが相互に重なって認識し難くなることを避けるため、敢えてそれぞれを互いにずらして表示している。
ここで、図10から判るように、上記走行領域境界線LBdn、LBhz、LBupは、ある所定車速Vでの車両6の走行態様を前記エンジン走行または前記モータ走行の何れにするかを判定するための判定値である要求駆動力判定値FR1outを決定するものである。言い換えれば、上記走行領域境界線LBdn、LBhz、LBupは、車速Vと上記要求駆動力判定値FR1outとの関係を連ねたものである。例えば、走行路面斜度θrdに基づいて定まる走行領域境界線が二点鎖線LBupである場合に、車速VがV01であれば上記要求駆動力判定値FR1outは上記二点鎖線LBupからFR1out01に決定される。そして、前記要求駆動力FRoutがその要求駆動力判定値FR1out(=FR1out01)よりも大きい場合には前記エンジン走行が行われ、上記要求駆動力FRoutがその要求駆動力判定値FR1out(=FR1out01)以下である場合には前記モータ走行が行われる。従って、マップ変更手段166は、上述したように、走行路面斜度θrdが大きいほど前記モータ走行領域を要求駆動力FRoutの大きい側に拡大するので、言い換えれば、走行路面斜度θrdが大きいほど上記要求駆動力判定値FR1outを大きくする。
要求駆動力決定手段168は、車両6が前記走行可能状態であるときに、アクセル開度Accに基づいて要求駆動力FRoutを逐次決定する。車両6が前記走行可能状態であるか否かは走行可能状態判断手段164の判断による。例えば、要求駆動力決定手段168は、図4に示す前記要求駆動力マップからアクセル開度Accに基づいて、そのアクセル開度Accが大きいほど要求駆動力FRoutが大きくなるように、その要求駆動力FRoutを決定する。
走行態様切替制御手段170は、マップ変更手段166が走行路面斜度θrdに基づいて定めた前記走行領域マップに従って、車両6の走行態様を前記エンジン走行と前記モータ走行との何れか一方に切り替える。具体的には、車速センサ52により検出される車速Vと要求駆動力決定手段168により決定された要求駆動力FRoutとを取得し、その車速Vと要求駆動力FRoutとで示される車両6の走行状態が前記エンジン走行領域と前記モータ走行領域との何れに属するかを判断する。そして、上記車両6の走行状態が上記エンジン走行領域に属する場合には車両6の走行態様を上記エンジン走行に切り替える一方で、上記車両6の走行状態が上記モータ走行領域に属する場合には車両6の走行態様を上記モータ走行に切り替える。言い換えれば、走行態様切替制御手段170は、マップ変更手段166により走行路面斜度θrdに基づいて決定された前記走行領域境界線から、車速センサ52により検出される車速Vに基づいて要求駆動力判定値FR1outを決定する。そして、走行態様切替制御手段170は、要求駆動力決定手段168により決定された要求駆動力FRoutが上記要求駆動力判定値FR1outよりも大きいか否かを判断し、その判断の結果、要求駆動力FRoutが上記要求駆動力判定値FR1outよりも大きい場合には、車両6の走行状態が前記エンジン走行領域に属するので、走行態様切替制御手段170は車両6の走行態様を前記エンジン走行に切り替える。逆に、要求駆動力FRoutが上記要求駆動力判定値FR1out以下である場合には、車両6の走行状態が前記モータ走行領域に属するので、走行態様切替制御手段170は車両6の走行態様を前記モータ走行に切り替える。例えば前記モータ走行での車両走行中に、前記要求駆動力FRoutが増大した場合、詳細にはその要求駆動力FRoutが所定の上記要求駆動力判定値FR1outよりも大きくなった場合に、走行態様切替制御手段170は、車両6の走行態様を上記モータ走行から上記エンジン走行に切り替える。更に、同じ車速Vで比較してマップ変更手段166は走行路面斜度θrdが大きいほど上記要求駆動力判定値FR1outを大きくするので、走行態様切替制御手段170は、車両6の走行態様が前記モータ走行である場合、そのモータ走行での車両走行中において、走行路面斜度θrdが大きいほど、より大きな要求駆動力FRoutになるまで上記モータ走行を維持すると言える。
なお、前述したように本実施例では、前記走行領域マップが走行路面斜度θrdに応じて変更される一方で(図10参照)、前記要求駆動力マップは走行路面斜度θrdに応じて変更されるものではないが、逆に、上記走行領域マップが走行路面斜度θrdに応じては変更されないものとされ、その替わりに、上記要求駆動力マップが走行路面斜度θrdに応じて変更されても差し支えない。そのように走行路面斜度θrdに応じて上記要求駆動力マップが変更される例が、図11に表されている。その図11は、図4に示す要求駆動力マップが上記走行路面斜度θrdに応じて変更される例を表した図である。例えば図11では、アクセル開度Accが零であれば走行路面斜度θrdに拘らず要求駆動力FRoutは零であり、ある勾配の下り坂での要求駆動力FRoutとアクセル開度Accとの関係すなわちその下り坂での要求駆動力マップは実線LFRdnで示されており、水平路面での上記要求駆動力マップは破線LFRhzで示されており、ある勾配の登り坂での上記要求駆動力マップは二点鎖線LFRupで示されている。すなわち、水平路面での要求駆動力マップを基準とすれば、走行路面74が下り坂である場合には矢印ARFRdnのように要求駆動力マップは走行路面斜度θrdに応じて破線LFRhzから実線LFRdnに変更され、走行路面74が登り坂である場合には矢印ARFRupのように要求駆動力マップは走行路面斜度θrdに応じて破線LFRhzから二点鎖線LFRupに変更される。
要するに、前記要求駆動力マップが走行路面斜度θrdに応じて変更されるとすれば、この図11ように、マップ変更手段166は、同じアクセル開度Accに対して決定される要求駆動力FRoutが走行路面斜度θrdが大きいほど小さくなるように、前記要求駆動力マップを変更するということである。そして、そのように走行路面斜度θrdに応じて前記要求駆動力マップが変更される場合には、図11の実線LFRdn、破線LFRhz、二点鎖線LFRupを相互に比較すれば判るように、マップ変更手段166は、走行路面斜度θrdが大きいほど、アクセル開度Accに対する要求駆動力FRoutの変化割合を小さくする。そのアクセル開度Accに対する要求駆動力FRoutの変化割合とは、図11で言えば横軸に対する実線LFRdn、破線LFRhz、または二点鎖線LFRupの勾配である。そして、その要求駆動力マップに従って要求駆動力FRoutを決定する要求駆動力決定手段168は、同じアクセル開度Accで比較して、走行路面斜度θrdが大きいほど要求駆動力FRoutが小さくなるように要求駆動力FRoutを決定することになる。また、前記走行領域マップは走行路面斜度θrdに応じて変更されず、走行態様切替制御手段170は、例えば図3に示すような走行路面斜度θrdに応じて変更されない走行領域マップに従って、車両6の走行態様を前記エンジン走行と前記モータ走行との何れか一方に切り替える。なお、本実施例で図11のように要求駆動力マップが走行路面斜度θrdに応じて変更される場合には、その要求駆動力マップは、走行路面斜度θrdに応じた要求駆動力FRoutが、走行路面74が水平(水平路面)であるときの要求駆動力FRoutから、重力により車両6に作用する進行方向への推進力を差し引いて得た値になるように、予め設定されている。すなわち、その要求駆動力マップに従う要求駆動力決定手段168は、走行路面斜度θrdに応じた要求駆動力FRoutを、走行路面74が水平であるときの要求駆動力FRoutから、重力により車両6に作用する進行方向への推進力を差し引いて得た値とする。具体的に、重力加速度を「g」で表し、車両6の質量を「m」で表し、走行路面74が水平であるときの要求駆動力FRoutを「FRouthz」で表せば、上記走行路面斜度θrdに応じた要求駆動力FRoutは、「FRouthz−m×g×sinθrd」で算出される。
図12は、電子制御装置160の制御作動の要部、すなわち、車両6の走行態様を前記エンジン走行または前記モータ走行に切り替える制御作動を説明するためのフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図12に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行される。
先ず、走行可能状態判断手段164に対応するSB1においては、車両6が前記走行可能状態であるか否かが判断される。このSB1の判断が肯定された場合、すなわち、車両6が前記走行可能状態である場合には、SB2に移る。一方、このSB1の判断が否定された場合には、本フローチャートは終了する。
SB2においては、路面斜度センサ44により検出される走行路面斜度θrdが読み取られ取得される。SB2の次はSB3に移る。
SB3においては、図10に示すように、前記走行領域マップが、SB2にて取得された走行路面斜度θrdに応じて変更され決定される。SB3の次はSB4に移る。なお、SB2およびSB3はマップ変更手段166に対応する。
要求駆動力決定手段168に対応するSB4においては、要求駆動力FRoutがアクセル開度Accに基づいて決定される。このとき、アクセル開度Accと要求駆動力FRoutとの関係が走行路面斜度θrd応じては変わらない前記要求駆動力マップに従って、例えば図4に示すような要求駆動力マップに従って、要求駆動力FRoutが決定される。SB4の次はSB5に移る。
SB5においては、車速センサ52により検出される車速Vが取得される。そして、その車速VとSB4にて決定された要求駆動力FRoutとで示される車両6の走行状態が、SB3にて決定された走行領域マップにおいて前記エンジン走行領域に属するか否かが判断される。言い換えれば、前記要求駆動力判定値FR1outが、上記取得された車速Vに基づいて、そのSB3にて決定された走行領域マップにおける前記走行領域境界線から決定され、上記SB4にて決定された要求駆動力FRoutが上記要求駆動力判定値FR1outよりも大きいか否かが判断される。このSB5の判断が肯定された場合、すなわち、車両6の走行状態が前記エンジン走行領域に属する場合、言い換えれば、上記要求駆動力FRoutが上記要求駆動力判定値FR1outよりも大きい場合には、SB6に移る。一方、このSB5の判断が否定された場合、すなわち、車両6の走行状態が前記モータ走行領域に属する場合、言い換えれば、上記要求駆動力FRoutが上記要求駆動力判定値FR1out以下である場合には、SB7に移る。
SB6においては、車両6の走行態様が前記エンジン走行に切り替えられる。既に車両6がエンジン走行中であれば、そのエンジン走行が継続される。
SB7においては、車両6の走行態様が前記モータ走行に切り替えられる。既に車両6がモータ走行中であれば、そのモータ走行が継続される。なお、SB5からSB7は走行態様切替制御手段170に対応する。
本実施例の制御作動は上記図12に従って説明したとおりであり、その図12のSB3において前記走行領域マップは走行路面斜度θrdに応じて変更されるが、前述したように、上記走行領域マップが走行路面斜度θrdに応じては変更されないものとされ、その替わりに、上記要求駆動力マップが走行路面斜度θrdに応じて変更されても差し支えない。そのようにしたとすれば、図12のSB3が図13に示すSB3−1に置き換えられる。
その図13のSB3−1においては、図11に示すように、前記要求駆動力マップが走行路面斜度θrdに応じて変更され決定される。そして、そのSB3−1に続くSB4では、図4に示すような要求駆動力マップではなく、SB3−1にて決定された要求駆動力マップに従って、要求駆動力FRoutが決定される。また、図12のSB3が図13のSB3−1に置き換えられたフローチャートでは、SB5において、走行路面斜度θrdに応じては変わらない前記走行領域マップ、例えば図3に示すような走行領域マップで、車両6の走行状態が前記エンジン走行領域に属するか否かが判断される。なお、SB3−1はマップ変更手段166に対応する。
本実施例では次のような効果(B1)から(B5)がある。(B1)本実施例によれば、例えば前記モータ走行での車両走行中に、前記要求駆動力FRoutが増大すると、走行態様切替制御手段170は、車両6の走行態様を前記モータ走行から前記エンジン走行に切り替える。そして、走行態様切替制御手段170は、そのモータ走行での車両走行中において、走行路面斜度θrdが大きいほど、より大きな要求駆動力FRoutになるまで上記モータ走行を維持する。ここで、上記走行路面斜度θrdが大きいほど重力による車両推進力が増すので、その分、より大きな要求駆動力FRoutになるまで前記モータ走行が行われても、走行性能が損なわれることが殆どない。従って、電子制御装置160は、上記走行性能を損なわないようにしつつ、上記走行路面斜度θrdが大きいほど前記モータ走行をより長く行うことにより、燃費の向上を図ることが可能である。
(B2)また、本実施例によれば、マップ変更手段166は、前記走行領域マップにおいて前記走行領域境界線を走行路面斜度θrdが大きいほど要求駆動力FRoutの大きい側にずらすことで、走行路面斜度θrdが大きいほど前記要求駆動力判定値FR1outを大きくする。そして、走行態様切替制御手段170は、要求駆動力FRoutが所定の上記要求駆動力判定値FR1outよりも大きい場合には、車両6の走行状態が前記エンジン走行領域に属するので、車両6の走行態様を前記エンジン走行とする。従って、電子制御装置160は、その走行路面斜度θrdに基づいて上記要求駆動力判定値FR1outを決定することで、前記モータ走行の実施機会と前記エンジン走行の実施機会とを容易に調節することができ、制御負荷が軽減され得る。
(B3)また、本実施例によれば、図10に示すように、前記走行領域マップにおける前記走行領域境界線(実線LBdn、破線LBhz、または二点鎖線LBup)は、低中車速域では走行路面斜度θrdに応じて変更されないが、高車速域では走行路面斜度θrdが大きいほど要求駆動力FRoutの大きい側にずらされる。そのため、走行路面斜度θrdに対する要求駆動力判定値FR1outの変化割合は、車速Vが高いほど大きい。ここで、高回転時に高トルクを発生させ難いという電動機の一般的な特性から、モータ走行中においては高車速時であるほど、すなわち、第2電動機MG2が高回転であるほど、走行路面斜度θrdが車両推進力全体に与える影響、言い換えれば車両6の自重が車両推進力全体に与える影響が相対的に大きくなる。従って、その走行路面斜度θrdの影響すなわち上記自重が上記車両推進力全体に与える影響を加味することで、車速Vの変化範囲の全般にわたって燃費性能と走行性能とを両立できるように、前記エンジン走行と前記モータ走行とを相互に切り替えることが可能である。
(B4)また、本実施例によれば、例えば前記モータ走行での車両走行中に、要求駆動力FRoutが所定の前記要求駆動力判定値FR1outよりも大きくなった場合には、走行態様切替制御手段170は、車両6の走行態様を前記モータ走行から前記エンジン走行に切り替える。また、図4または図11から判るように、要求駆動力決定手段168は、アクセル開度Accが大きいほど上記要求駆動力FRoutが大きくなるように、その要求駆動力FRoutを決定する。そして、前記走行領域マップが走行路面斜度θrdに応じては変更されないものとされ、その替わりに、前記要求駆動力マップが走行路面斜度θrdに応じて変更されるとしてもよく、そのようにしたとすれば、図11に示すように、要求駆動力決定手段168は、同じアクセル開度Accで比較して、走行路面斜度θrdが大きいほど要求駆動力FRoutが小さくなるように要求駆動力FRoutを決定する。従って、重力による車両推進力または車両制動力が加味されて、過不足のないように要求駆動力FRoutを決定することができる。その結果として、走行路面斜度θrdが異なっていても、車両6の走行性能を損なわないようにしつつ、前記モータ走行による燃費向上効果を十分に大きく享受することが可能である。
(B5)また、本実施例によれば、前記走行領域マップが走行路面斜度θrdに応じては変更されないものとされ、その替わりに、前記要求駆動力マップが走行路面斜度θrdに応じて変更されるとしてもよく、そのようにしたとすれば、その要求駆動力マップに従う要求駆動力決定手段168は、走行路面斜度θrdに応じた要求駆動力FRoutを、走行路面74が水平であるときの要求駆動力FRoutから、重力により車両6に作用する進行方向への推進力を差し引いて得た値とする。従って、重力の影響を加味した要求駆動力FRoutを、走行路面斜度θrdから容易に算出することが可能である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
例えば、前述の実施例1において、前記モータリングの実行中におけるエンジン回転速度Neの目標値である前記モータリング時目標回転速度は予め定められた一定値であるが、車速Vに応じて変更されても差し支えない。例えば、車速Vが高いほど、上記モータリング時目標回転速度が高く設定されても差し支えない。
また、前述の実施例2の図10では、前記走行領域境界線は、低中車速域においては走行路面斜度θrdに応じて変更されず、高車速域においてだけ走行路面斜度θrdが大きいほど要求駆動力FRoutの大きい側にずらされているが、前記走行領域境界線は、全車速域で、走行路面斜度θrdが大きいほど要求駆動力FRoutの大きい側にずらされても差し支えない。
また、前述の実施例2の図10では、前記走行領域境界線を境として、要求駆動力FRoutの大きい側に前記エンジン走行領域が設けられ、その要求駆動力FRoutの小さい側に前記モータ走行領域が設けられているが、要求駆動力FRoutの脈動により前記エンジン走行とモータ走行との間での切替が頻繁になることを避けるため、上記走行領域境界線に所定のヒステリシスが設けられていても差し支えない。
また、前述の実施例2の図10において、前記走行領域境界線は走行路面斜度θrdに応じて変更されるが、その走行路面斜度θrdに応じて段階的に変更されてもよいし、連続的に変更されても差し支えない。
また、前述の実施例2において、図11の要求駆動力マップは、走行路面斜度θrdに応じた要求駆動力FRoutが、走行路面74が水平であるときの要求駆動力FRoutから、重力により車両6に作用する進行方向への推進力を差し引いて得た値になるように、予め設定されているが、水平路面での前記要求駆動力マップを示す破線LFRhzに対する要求駆動力FRoutの走行路面斜度θrdに応じた変更幅は、運転者の意思に即した要求駆動力FRoutが求められれば、どのように定められていても差し支えない。例えば、その変更幅は、走行路面斜度θrdに応じて段階的に定められていてもよいし連続的に定められていても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、図6に示す判定車速Vm、図10に示す走行領域マップ、および、図11に示す要求駆動力マップは、走行路面74が下り坂であっても登り坂であっても、走行路面斜度θrdに応じて変更されるものであるが、それらのうちの何れか又は全部が、登り坂では水平路面と同じものとされ、走行路面74が下り坂である場合に走行路面斜度θrdに応じて変更されるものとされても差し支えない。或いは、それらのうちの何れか又は全部が、下り坂では水平路面と同じものとされ、走行路面74が登り坂である場合に走行路面斜度θrdに応じて変更されるものとされても差し支えない。
また、前述の実施例1の図6では、走行路面斜度θrdに対する判定車速Vmの変化割合は、その走行路面斜度θrdが零(水平)に近いほど大きいが、例えば、判定車速Vmは走行路面斜度θrdの一次関数であっても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、図3および図10の走行領域マップでは前記要求駆動力判定値FR1outは車速Vが高いほど小さくなるが、その要求駆動力判定値FR1outは車速Vに対して変化しなくても差し支えない。
また、前述の実施例1,2の第1遊星歯車装置20において、第1キャリヤCA1はエンジン14に連結され、第1サンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、第1リングギヤR1は出力歯車24に連結されているが、それらの連結関係は、必ずしもそれに限定されるものではなく、エンジン14、第1電動機MG1、出力歯車24は、それぞれ第1遊星歯車装置20の3つの回転要素CA1、S1、R1のうちのいずれと連結されていても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、第2遊星歯車装置22のリングギヤR2は第1遊星歯車装置20のリングギヤR1に対し一体的に連結されているが、上記リングギヤR2の連結先は、上記リングギヤR1に限定されるものではなく、例えば第1遊星歯車装置20の第1キャリヤCA1に連結されていても差し支えない。また、上記リングギヤR2は、上記リングギヤR1ではなく第1遊星歯車装置20と駆動輪40との間の動力伝達経路のどこかに連結されていても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、出力歯車24と駆動輪40との間の動力伝達経路に変速機は設けられていないが、その動力伝達経路に、手動変速機もしくは自動変速機が設けられていても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、入力軸18はダンパー16を介してエンジン14に連結されているが、そのダンパー16が無く、入力軸18が直接に或いは伝動ベルトや歯車等を介してエンジン14に連結されていても差し支えない。
また、前述の実施例1,2の動力伝達装置10において、エンジン14と第1遊星歯車装置20との間にクラッチ等の動力断続装置は設けられていないが、そのような動力断続装置がエンジン14と第1遊星歯車装置20との間に介装されていても差し支えない。また、第1電動機MG1及び第2電動機MG2に関しても同様であり、上記動力断続装置が、第1電動機MG1と第1遊星歯車装置20との間または第2電動機MG2と第2遊星歯車装置22との間に介装されていても差し支えない。
また前述の実施例1,2においては、第1電動機MG1の運転状態が制御されることにより、第1遊星歯車装置20はその変速比が連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能するものであるが、例えば第1遊星歯車装置20の変速比を連続的ではなく差動作用を利用して敢えて段階的に変化させるものであってもよい。
また、前述の実施例1,2において、第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は何れもシングルプラネタリであるが、それらの一方または両方がダブルプラネタリであっても差し支えない。
また、前述の実施例1,2においては、第1遊星歯車装置20を構成する第1キャリヤCA1にはエンジン14が動力伝達可能に連結され、第1サンギヤS1には第1電動機MG1が動力伝達可能に連結され、第1リングギヤR1には駆動輪40への動力伝達経路が連結されているが、例えば、第1遊星歯車装置20が2つの遊星歯車装置に置き換えられて、その2つの遊星歯車装置がそれを構成する一部の回転要素で相互に連結された構成において、その遊星歯車装置の回転要素にそれぞれエンジン、電動機、駆動輪が動力伝達可能に連結されており、その遊星歯車装置の回転要素に連結されたクラッチ又はブレーキの制御により有段変速と無段変速とに切換可能な構成であってもよい。
また、前述の実施例1,2の第2電動機MG2はエンジン14から駆動輪40までの動力伝達経路の一部を構成する出力歯車24に第2遊星歯車装置22を介して連結されているが、第2電動機MG2がその出力歯車24に連結されていることに加え、クラッチ等の係合要素を介して第1遊星歯車装置20にも連結可能とされており、第1電動機MG1の代わりに第2電動機MG2によって第1遊星歯車装置20の差動状態を制御可能とする動力伝達装置10の構成であってもよい。
また、前述の本実施例1,2において、車両6は、第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22、および第1電動機MG1を備えているが、例えば図14に示すように構成された所謂パラレルハイブリッド車両であってもよい。その図14に示すパラレルハイブリッド車両は、第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22、および第1電動機MG1を備えてはおらず、エンジン14、クラッチ210、第2電動機MG2、自動変速機212、駆動輪(後輪)214が直列に連結されている車両である。なお、図14のパラレルハイブリッド車両においてエンジン14の前記モータリングは、例えばクラッチ210をスリップさせることにより行われる。
また前述した複数の実施例はそれぞれ、例えば優先順位を設けるなどして、相互に組み合わせて実施することができる。例えば、前述の実施例1と実施例2とが相互に組み合わせられた制御作動では、図8のフローチャートと図12のフローチャートとが交互に実行される。
6:車両
14:エンジン
60:電子制御装置(車両用駆動制御装置)
74:走行路面
MG2:第2電動機(走行用電動機)
θrd:走行路面斜度(斜度)

Claims (7)

  1. エンジンと走行用電動機とを備え該エンジンと該走行用電動機との少なくとも一方を走行用の駆動力源として走行する車両において、前記エンジンを非駆動状態とした車両走行中には車速が所定の判定車速以上である場合に該エンジンを非駆動状態としたまま回転させる車両用駆動制御装置であって、
    前記車両が走行している走行路面の下りを正方向とした斜度が大きいほど、前記判定車速を高くする
    ことを特徴とする車両用駆動制御装置。
  2. 前記走行路面の斜度に対する前記判定車速の変化割合は、該走行路面の斜度が零に近いほど大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動制御装置。
  3. 前記エンジンを非駆動状態とし且つ前記走行用電動機を走行用の駆動力源として走行するモータ走行での車両走行中に、前記車両に要求される要求駆動力が増大すると、前記車両の走行態様を該モータ走行から、少なくとも前記エンジンを走行用の駆動力源として走行するエンジン走行に切り替えるものであり、
    前記モータ走行での車両走行中において、前記走行路面の斜度が大きいほど、より大きな前記要求駆動力になるまで前記モータ走行を維持する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動制御装置。
  4. 前記要求駆動力が所定の要求駆動力判定値よりも大きい場合には、前記車両の走行態様を前記エンジン走行とし、
    前記走行路面の斜度が大きいほど前記要求駆動力判定値を大きくする
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両用駆動制御装置。
  5. 前記走行路面の斜度に対する前記要求駆動力判定値の変化割合は、車速が高いほど大きい
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用駆動制御装置。
  6. 前記エンジンを非駆動状態とし且つ前記走行用電動機を走行用の駆動力源として走行するモータ走行での車両走行中に、前記車両に要求される要求駆動力が所定の要求駆動力判定値よりも大きくなった場合には、前記車両の走行態様を該モータ走行から、少なくとも前記エンジンを走行用の駆動力源として走行するエンジン走行に切り替えるものであり、
    アクセル開度が大きいほど前記要求駆動力が大きくなるように該要求駆動力を決定し、
    前記走行路面の斜度が大きいほど前記要求駆動力が小さくなるように該要求駆動力を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動制御装置。
  7. 前記走行路面の斜度に応じた前記要求駆動力を、前記走行路面が水平であるときの前記要求駆動力から、重力により前記車両に作用する進行方向への推進力を差し引いて得た値とする
    ことを特徴とする請求項6に記載の車両用駆動制御装置。
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