JPWO2013005429A1 - 成形体 - Google Patents

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絵美 吉本
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Abstract

本発明の成形体は、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられ、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む。そして、上記成形体を1g/mLの濃度でシクロヘキサンに23℃、6時間攪拌しながら浸漬させたとき、液中パーティクルカウンターにより測定される、上記シクロヘキサン中に含まれる粒子径1μm以上2μm以下の不溶微粒子の数が、200個/ml以下である。

Description

本発明は、成形体、成形材料、光学部品および成形材料の製造方法に関する。
光学部品用の成形材料として、脂環式構造を有するポリマーを主成分とする成形材料が知られている(特許文献1参照)。こうしたポリマーを主成分とする成形材料は、射出成形によって安価に光学部品を製造できるというメリットがある。
特許文献1には、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を含むポリマー、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤およびリン系安定剤を含み、上記フェノール系安定剤および/または上記ヒンダードアミン系光安定剤の少なくとも一部が上記ポリマーからなる粒子の表面に付着して存在している成形材料が開示されている。
この文献には、充分な光学性能を有し、かつ、紫外線に近い領域の光源で用いても劣化が起こりにくく、使用に際して高い性能や光線透過率を維持することが可能となる光学部品を得ることができると記載されている。そのため、特に青紫レーザー光源を用いる光ピックアップ装置に適すると記載されている。
国際公開第2006/123679号パンフレット
しかしながら、このような脂環式構造を有するポリマーを主成分とする成形材料を用いて得られる成形体は、fθレンズ、撮像レンズなどの光学部品に用いたとき、像を上手く識別できない場合があった。また、上記成形体は、導光板などの光学部品に用いたとき、情報の表示に不具合が生じたりする場合があった。
本願発明者は、かかる不具合の原因を鋭意調べたところ、光学部品の表面に発生する凹みが原因であることを見出した。光学部品は、その表面に凹みがあると、光路が変化して像がぼやけてしまい、像を上手く識別できなくなる。また、光量が変化して情報の表示が不鮮明になってしまう。
上述したように、これまで、上記の脂環式構造を有するポリマーを主成分とする成形材料を用いて得られる成形体は、光ピックアップ装置に用いられるレンズに主に用いられてきた。光ピックアップ装置用のレンズは、光の信号の0か1を識別できれば良いため、レンズの表面に凹みがあっても、上記の不具合は問題になりにくい。
一方、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板は、像を高精度に識別する必要があるため、成形体表面に凹みがあると上記の不具合が問題となってしまう。そのため、表面の凹みの発生が抑制された成形体が望まれている。
一方、成形体表面の凹みの発生は、射出成形条件の変更によりある程度抑制することができる。しかしながら、射出成形条件によっては、成形体の形状など物性に影響を与えてしまうため好ましくない。そのため、広範囲の射出成形条件で、表面の凹みの発生が抑制された成形体を得ることができる成形材料が望まれている。
そこで、本発明では、外観品質に優れた光学部品用の成形体を提供することを課題とする。
本発明によれば、以下に示す成形体、成形材料、光学部品および成形材料の製造方法が提供される。
(1)
fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられる、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む成形体であって、
上記成形体を1g/mLの濃度でシクロヘキサンに23℃、6時間攪拌しながら浸漬させたとき、
液中パーティクルカウンターにより測定される、上記シクロヘキサン中に含まれる粒子径1μm以上2μm以下の不溶微粒子の数が、200個/ml以下である、成形体。
(2)
上記(1)に記載の成形体において、
上記ポリマーが、下記一般式(1)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形体。
Figure 2013005429
(式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
(3)
上記(1)に記載の成形体において、
上記ポリマーが、下記一般式(2)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形体。
Figure 2013005429
(式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)
(4)
上記(1)に記載の成形体において、
上記ポリマーが、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびエチレンからなる共重合体である、成形体。
(5)
fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられる、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーと添加剤とを含む成形材料であって、
上記添加剤の少なくとも一部が、上記ポリマーを含む粒子の表面に存在している、成形材料。
(6)
上記(5)に記載の成形材料において、
上記ポリマーを含む上記粒子がペレット形状である、成形材料。
(7)
上記(5)または(6)に記載の成形材料において、
上記粒子の表面に存在している上記添加剤が、フェノール系安定剤、高級脂肪酸金属塩、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、塩酸吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、スリップ剤、核剤、可塑剤、難燃剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、成形材料。
(8)
上記(5)乃至(7)いずれかに記載の成形材料において、
上記粒子の表面に存在している上記添加剤は、130℃における溶融粘度が100mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
上記添加剤の平均粒子径d50が1000μm以下である、成形材料。
(9)
上記(5)乃至(8)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーの相転移点温度から、上記粒子の表面に存在している上記添加剤の相転移点温度を差し引いた値が−100℃以上140℃以下である、成形材料。
(10)
上記(5)乃至(9)いずれかに記載の成形材料において、
当該成形材料に含まれる上記ポリマーを100質量部としたとき、
上記添加剤が、0.01質量部以上50質量部以下の範囲で上記粒子の表面に存在している、成形材料。
(11)
上記(5)乃至(10)いずれかに記載の成形材料において、
当該成形材料の総量を100質量部としたとき、
上記添加剤が、0.01質量部以上50質量部以下の範囲で上記粒子の表面に存在している、成形材料。
(12)
上記(5)乃至(11)いずれかに記載の成形材料において、
上記添加剤が上記粒子の表面に融着している、成形材料。
(13)
上記(12)に記載の成形材料において、
上記添加剤が表面に付着した上記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下で加熱することにより得られる、成形材料。
(ここで、TmおよびTmは上記添加剤の融点の下限および上限の温度をそれぞれ示す。)
(14)
上記(5)乃至(13)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、下記一般式(1)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
Figure 2013005429
(式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
(15)
上記(5)乃至(13)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、下記一般式(2)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
Figure 2013005429
(式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)
(16)
上記(5)乃至(13)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびエチレンからなる共重合体である、成形材料。
(17)
上記(5)乃至(16)いずれかに記載の成形材料を溶融成形して得られる、成形体。
(18)
上記(17)に記載の成形体からなる、光学部品。
(19)
上記(18)に記載の光学部品が、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板である、光学部品。
(20)
上記(5)乃至(16)いずれかに記載の成形材料の製造方法であって、
上記粒子の表面に上記添加剤を付着させる工程、または
上記粒子の表面に上記添加剤を付着させた後に、上記添加剤を上記粒子に融着させる工程
を含む、成形材料の製造方法。
(21)
上記(20)に記載の成形材料の製造方法において、
上記添加剤を付着させる工程では、
当該成形材料に含まれる上記ポリマーを100質量部としたとき、
上記粒子の表面に、上記添加剤を0.01質量部以上50質量部以下の範囲で付着させる、成形材料の製造方法。
(22)
上記(20)または(21)に記載の成形材料の製造方法において、
上記添加剤を上記粒子に融着させる工程では、
上記添加剤が表面に付着した上記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下の範囲内で加熱することにより、上記添加剤を上記粒子の表面に融着させる、成形材料の製造方法。
(ここで、TmおよびTmは上記添加剤の融点の下限および上限の温度をそれぞれ示す。)
本発明によれば、外観品質に優れた光学部品用の成形体を提供することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態によってさらに明らかになる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、「〜」は特に断りがなければ、以上以下を表す。
(成形体)
本発明の成形体は、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられ、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む。そして、上記成形体を1g/mLの濃度でシクロヘキサンに23℃、6時間攪拌しながら浸漬させたとき、液中パーティクルカウンターにより測定される、上記シクロヘキサン中に含まれる粒子径1μm以上2μm以下の不溶微粒子の数が、200個/ml以下であり、好ましくは150個/ml以下であり、より好ましくは120個/ml以下であり、さらに好ましくは100個/ml以下であり、特に好ましくは80個/ml以下である。
上記不溶粒子の数が上記上限値以下であることにより、成形体表面の凹みの発生が抑制される。成形体表面の凹みが抑制される理由は必ずしも明らかではないが以下のような理由が推察される。
上記不溶微粒子の数が上記上限値を超える成形体は、金型への成形材料の転写の際に、金型と接する面に上記不溶微粒子が比較的多く存在する。金型と接する面に不溶微粒子が多く存在すると、その不溶微粒子により金型への成形材料の転写が阻害されてしまう。そのため、得られる成形体表面に凹みが発生してしまうと考えられる。
これに対して、本発明の成形体は、上記不溶微粒子の数が上記上限値以下であるため、上記不溶微粒子により金型への成形材料の転写が阻害されるのを抑制することができる。そのため、本発明の成形体は、成形体表面の凹みの発生が抑制されると考えられる。
ここで、上記不溶微粒子は、例えば、ポリマー由来物や、ポリマーの劣化物等と推察される。後述する本実施形態の成形材料は、滑剤効果でペレット可塑時のせん断が抑制される。そのため、ポリマー由来物やポリマー劣化物等の生成が抑制され、上記不溶微粒子の数を上記上限値以下とすることができると推察される。
(ポリマー)
本実施形態の成形体に用いられるポリマーは、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有している。
本実施形態のポリマーは好ましくは下記一般式(1)で表わされる重合体から選ばれる。
Figure 2013005429
(式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
上記一般式(1)中の各記号については、次のような好ましい条件を挙げることができ、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、構造中に少なくとも1箇所の環構造を持つ基である。
[2]Rは、この基を含む構造単位の例示(n=0の場合)として、例示構造(a),(b),(c);
Figure 2013005429
ただし、式中Rは前述のとおりである。
[3]nが0である。
[4]y/xが、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。
[5]Rは、水素原子および/または-CHである。
[6]Qが、-COOHまたは、-COOCH基である。
これらの中で、最も好ましくは、上記一般式(1)中の各記号については、次のような条件を挙げることが出来、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1] R基が、一般式(3);
Figure 2013005429
(式中、pは、0乃至2の整数である。)
で表される二価の基である。さらに好ましくは、上記一般式(3)においてpが1である二価の基である。
[2] R基が、この基を含む構造単位の例示(n=0の場合)として、上記例示構造(a)である。
また、重合のタイプは本実施形態において全く制限されるものではなく、付加重合、開環重合などの公知の様々な重合タイプを適用することができる。付加重合としては、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合などを挙げることができる。本実施形態においては、光学性能の劣化を抑制する観点からランダム共重合体を用いることが好ましい。
主たる成分として用いられる樹脂の構造が上記のものであると、透明性、屈折率および複屈折率などの光学物性に優れ、高精度の光学部品を得ることができる。
(繰り返し構造単位の一部または全部に脂環族構造を有するポリマーの例示)
上記一般式(1)で表される重合体は、以下の(i)〜(iv)の4種の重合体に大別される。
(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体
(ii)開環重合体またはその水素添加物
(iii)ポリスチレン誘導体またはその水素添加物
(iv)その他の重合体
以下、順に説明する。
[(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体]
(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体は、一般式(2)で表現される環状オレフィン系共重合体である。例えば、エチレンまたは炭素原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン由来の構成単位(A)と、環状オレフィン由来の構成単位(B)とからなる。
Figure 2013005429
一般式(2)中、Rは、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜12の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10、好ましくは1〜5の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
なお、RおよびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。好ましくは50/50≦y/x≦95/5、さらに好ましくは、55/45≦y/x≦80/20である。x,yはモル基準である。
(エチレンまたはα−オレフィン由来の構成単位(A))
エチレンまたはα−オレフィン由来の構成単位(A)は、下記のようなエチレン、または炭素原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン由来の構成単位である。
具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのなかでも、エチレンが好ましい。上記エチレンまたはα−オレフィン由来の構成単位は、本発明の効果を損なわない範囲で2種以上含まれていてもよい。
(環状オレフィン由来の構成単位(B))
環状オレフィン由来の構成単位(B)は、下記一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)で表される環状オレフィン由来の構成単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる。
一般式(4)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、以下の構造を有するものである。
Figure 2013005429
一般式(4)中、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1である。なお、wが1の場合には、wを用いて表される環は6員環となり、wが0の場合には、この環は5員環となる。R61〜R78ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。また炭化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基などが挙げられる。
より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、上記炭素原子数1〜20のアルキル基に1個または複数のハロゲン原子が置換した基が挙げられる。また、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などが挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
さらに、上記一般式(4)において、R75とR76とが、R77とR78とが、R75とR77とが、R76とR78とが、R75とR78とが、またはR76とR77とがそれぞれ結合して、すなわち互いに共同して、単環または多環の基を形成していてもよい。さらに、このようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。単環よりも多環のほうが少ない含有量で、高いガラス転移温度(Tg)の共重合体を得られるので、耐熱性の面から多環が好ましい。さらに、少ない環状オレフィン仕込み量で製造できる利点がある。ここで、形成される単環または多環の基としては、具体的に以下のようなものが挙げられる。
Figure 2013005429
上記例示において、1または2の番号を付した炭素原子は、上記一般式(4)においてそれぞれR75(R76)またはR77(R78)が結合している炭素原子を表す。
75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。このアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20である。アルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基などが挙げられる。
一般式(5)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、以下の構造を有するものである。
Figure 2013005429
一般式(5)中、xおよびdは0または1以上の正の整数であり、yおよびzは0、1または2である。また、R81〜R99は、お互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
ハロゲン原子としては、上記一般式(4)中のハロゲン原子と同じものを例示することができる。
脂肪族炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数3〜15のシクロアルキル基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチルなどが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。ここで、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接または炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R89とR93とが、または、R90とR91とが互いに共同して、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)またはプロピレン基(−CHCHCH−)の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
さらに、y=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。具体的には、y=z=0のとき、R95とR92とにより形成される以下のような芳香族環が挙げられる。単環よりも多環のほうが少ない含有量で高いガラス転移温度(Tg)の共重合体を得られるので、耐熱性の面から多環が好ましい。また、少ない環状オレフィン仕込み量で製造できる利点がある。
Figure 2013005429
lは上記一般式(5)におけるdと同じである。
一般式(6)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、以下の構造を有するものである。
Figure 2013005429
一般式(6)中、R100とR101は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、またfは1≦f≦18の整数である。炭素原子数1〜5の炭化水素基としては好ましくはアルキル基、ハロゲン化アルキル基またはシクロアルキル基などを挙げることができる。これらの具体例は上記式(4)のR61〜R78の具体例から明らかである。
上記のような一般式(4)、(5)または(6)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)として、具体的には、ビシクロ−2−ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト−2−エン誘導体)、トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−3−ウンデセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ−5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物の誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン誘導体、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン誘導体などが挙げられる。
また、上記の一般式(4)、(5)または(6)で表わされる環状オレフィン由来の構成単位(B)の中で、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体およびヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,709,14]−4−ヘプタデセン誘導体が好ましく、特にテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
上記のような一般式(4)または(5)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とをディールス・アルダー反応させることによって製造することができる。これらの一般式(4)、(5)または(6)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、2種以上含まれていてもよい。また、上記モノマーを用いて重合したものは必要に応じて変性することができ、その場合にモノマー由来の構造単位の構造を変化させることができる。例えば、水素添加処理によって、条件によりモノマー由来の構造単位中のベンゼン環などをシクロヘキシル環とすることができる。
本実施形態において、「(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体」としては、エチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体であることが好ましい。
また、共重合のタイプは本実施形態において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合など、公知の様々な共重合タイプを適用することができるが、好ましくはランダムコポリマーである。
[(ii)開環重合体またはその水素添加物]
(ii)開環重合体またはその水素添加物とは、上記一般式(1)における好ましい例として挙げた構造のうち、上記例示構造(b)で表わされる構成単位を含む環式オレフィン重合体である。
また、環式オレフィン重合体は、極性基を有するものであってもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基などが挙げられる。
環式オレフィン重合体は、通常、環式オレフィンを重合することによって、具体的には、脂環式オレフィンを開環重合することによって得られる。また、極性基を有する環式オレフィン重合体は、例えば、上記環式オレフィン重合体に極性基を有する化合物を変性反応により導入することによって、あるいは極性基を含有する単量体を共重合成分として共重合することによって得られる。
環式オレフィン重合体を得るために使用される脂環式オレフィンとして具体的には、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3−エン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8.4.0.111,14.03,8〕−テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン)、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.02,7.09,13〕−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ〔7.4.0.13,6.110,13.02,7〕−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボルネン系単量体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテンのごとき単環のシクロアルケン;ビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの脂環式共役ジエン系単量体;などが挙げられる。脂環式オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、共重合可能な単量体を必要に応じて共重合させることができる。その具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂環式オレフィンの重合方法は、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。これらの開環重合物は、耐熱性、安定性、光学物性の面から、水素添加して用いることが好ましい。水素添加方法は公知の方法を用いることができる。
[(iii)ポリスチレン誘導体またはその水素添加物]
(iii)ポリスチレン誘導体またはその水素添加物とは、ビニル化合物を単量体として用いて得られる(共)重合体またはその水素添加物であり、上記一般式(1)における好ましい例として挙げた構造のうち、上記例示構造(c)で表わされる構造単位を含む環状オレフィン系重合体である。ビニル化合物としては、ビニル芳香族化合物、ビニル脂環式炭化水素化合物などを挙げることができる。
ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレンなどのスチレン類などを挙げることができる。
ビニル脂環式炭化水素化合物としては、ビニルシクロヘキサン、3−メチルイソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン類;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン類などを挙げることができる。
本実施形態においては、前述の単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン系単量体;シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−ジメチルシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどのシクロペンタジエン系単量体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのモノ環状オレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、フラン、チオフェン、1,3−シクロヘキサジエンなどの共役ジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのニトリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸系単量体;フェニルマレイミド;メチルビニルエーテル;N−ビニルカルバゾール、N−ビニル−2−ピロリドンなどの複素環含有ビニル化合物系単量体などが挙げられる。
重合に用いる上記単量体の混合物は、耐熱性、低複屈折性、機械強度などの観点から、ビニル芳香族化合物および/またはビニル脂環式炭化水素化合物を、通常、50質量%以上、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%含有するものが好ましい。単量体混合物は、ビニル芳香族化合物およびビニル脂環式炭化水素化合物の双方を含有していても構わない。
ビニル芳香族化合物およびビニル脂環式炭化水素化合物の重合方法には格別な制限はなく、公知の方法に従って行なうことができる。また得られる重合体は、必要に応じて水素添加して用いることができ、水素添加の方法は公知の方法を用いることができる。
[(iv)その他の重合体]
(iv)その他の重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物(エチレンや、α−オレフィンなど)との付加重合体、単環シクロアルケンの重合体、脂環式共役ジエン系単量体の重合体、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体、芳香族オレフィン重合体などが挙げられるが、上記(i)〜(iii)に含まれない構造であっても、一般式(1)の範囲内において、任意に選択可能である。例えば、上記、(i)〜(iii)相互、あるいは、公知の共重合可能なモノマーを共重合せしめたものが挙げられる。
上記(i)〜(iv)で大別される4種のポリマーの中でも、光学特性上好ましいものは(i)エチレンまたはα−オレフィンとシクロオレフィンとの共重合体であり、エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンのランダム付加重合によって得られるポリマーであることが全ての中で最も好ましい。本実施形態のこのような構造の範囲であると、本実施形態のポリマーの優れた特徴である成形時の歪みに起因する光学異方性が小さく、この結果、光学性能の悪化を招かない。すなわち光学異方性の小さいプラスチックであって、かつ、低吸水率、耐熱性、耐薬品性に優れるなどの性能が得られる。
(主鎖の一部として用いることのできるその他の構造)
また、本実施形態で用いられるポリマーは、本実施形態の成形方法によって得られる製品の良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下であり、さらに好ましくは10モル%以下であり、それ以上共重合させた場合、光学物性を損ない、高精度の光学部品が得られない恐れがある。また、共重合の種類は限定されないが、ランダムコポリマーが好ましい。
(ポリマーの分子量)
本実施形態の成形材料に用いられるポリマーの分子量は限定されるものではないが、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、好ましくは0.03dl/g〜10dl/g、より好ましくは0.05dl/g〜5dl/g、最も好ましくは0.10dl/g〜2dl/gを示す分子量である。
分子量が上記下限値以上であると、成形体の機械的強度を向上させることができる。また、分子量が上記上限値以下であると、成形性を向上させることができる。
(フェノール系安定剤)
本実施形態で用いられるフェノール系安定剤としては、構造中にフェノール骨格を有する安定剤が挙げられる。通常構造中に3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル基、2,4−ジメチル−3−ヒドロキシフェニル基、3−メチル−2−ヒドロキシフェニル基、あるいはその誘導体からなる基、例えば、
Figure 2013005429
などの特性基を含む。
具体例としては、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどや、市販品として販売されているアデカスタブAO−20、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330(以上4種類、旭電気化学工業製)やイルガノックス1010(チバ・ガイギー社製)などのヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。また、その他に、通常はリン系安定剤に分類されるような、一分子内に燐酸エステル構造およびフェノール構造を有する酸化防止剤、例えば、6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなども包含される。
また、フェノール系安定剤の融点範囲(Tm(下限、単位;℃)〜Tm(上限、単位;℃))は公知の方法で測定することができる。例えば、試料をキャピラリーに2〜3mm程度の厚さに採取し、浴液中で加熱した時の融けはじめの温度がTm(下限、単位;℃)、融け終わりの温度がTm(上限、単位;℃)となる。融点範囲は限定されないが、融点の下限(Tm)は好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上であり、融点の上限(Tm)は好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下である。また融点の幅(Tm−Tm)は、好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下である。
融点および融点幅がこの範囲にあると、成形前の乾燥操作などの取り扱いにより表面に付着したフェノール系安定剤が溶融して脱落することが防げ、かつ成形機内へフィードした際に樹脂の溶融に先立って溶融するため成型機内で均一に分散され、均一な成形体を得ることができる。
(高級脂肪酸金属塩)
本実施形態で用いられる高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、またそれらの複合体などが挙げられる。特に、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。
(酸化防止剤)
本実施形態で用いられる酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤や、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが挙げられる。
本実施形態で用いられるフェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系フェノール化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェノールなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。これらの中でも、アクリレート系フェノール化合物やアルキル置換フェノール系化合物が好ましく、アルキル置換フェノール系化合物が特に好ましい。
本実施形態で用いられるリン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレンなどのモノホスファイト系化合物;4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4'−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4'−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
本実施形態で用いられるイオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
本実施形態で用いられるチオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス{メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート}メタン、ビス〔メチル−4−{3−n−アルキル(C12 or C14)チオプロピオニオジル}−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、ジトリデシル−3,3'−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
本実施形態で用いられる紫外線吸収剤としては、樹脂工業で一般的に使用されるものであれば格別な限定がなく用いることができる。例えば、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、ベンゾトリアゾール系、アクリレート系、金属錯塩系などの紫外線吸収剤を挙げることができる。
本実施形態で用いられるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
本実施形態で用いられるサリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルチレート,4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
本実施形態で用いられるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]などが挙げられる。
本実施形態で用いられるアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2'−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
本実施形態で用いられる金属錯塩系紫外線吸収剤としては、通常ニッケルやコバルトの錯塩が用いられる。具体的には、ニッケル[2,2'チオビス(4−t−オクチル)フェノレート]ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルビス[o−エチル−3,5−(ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]ホスフェート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート、[1−フェニル,3−メチル,4−デカノニル,ピラゾレート(5)2]ニッケルなどが挙げられる。
(ヒンダードアミン系光安定剤)
本実施形態で用いられるヒンダードアミン系光安定剤としては、通常構造中に、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、ならびに2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基または1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有している化合物である。具体的には、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−N−オキシル、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジン)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(トリス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジル−4−オキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ)エチル)2,4,6,10−テトラオキサロスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(例えば、サノールLS−2626、三共社製))、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(例えば、Tinuvin144、日本チバガイギー社製)、ビス(2,2',6,6'−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(例えば、TINUVIN770、日本チバガイギー社製)、ポリ[6− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ](例えば、CHIMASSORB944、日本チバガイギー社製)などが挙げられる。
(塩酸吸収剤)
本実施形態で用いられる塩酸吸収剤としては、高級脂肪酸金属塩がある。具体的には、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛などがある。また、エポキシ化ステアリン酸オクチル、エポキシ化大豆油などのエポキシ系化合物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルナイトなどの無機化合物などが挙げられる。
(金属不活性化剤)
本実施形態で用いられる金属不活性化剤としては、N,N'−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N'−サリチロイルヒドラジン、N,N'−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N'−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドなどが挙げられる。
(帯電防止剤,防曇剤)
本実施形態で用いられる帯電防止剤,防曇剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
本実施形態で用いられるカチオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのテトラアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、デカンスルホン酸ナトリウム、インデカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、トリデンカンスルホン酸ナトリウム、テトラデカンスルホン酸ナトリウム、ペンタデンカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデンカンスルホン酸ナトリウム、オクタデカンスルホン酸ナトリウム、ノナデカンスルホン酸ナトリウム、ヘエイコサンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸カリウム、ウンデカンスルホン酸カリウム、ドデカンスルホン酸カリウム、トリデカンスルホン酸カリウム、テトラデカンスルホン酸カリウム、ペンタデカンスルホン酸カリウム、ヘキサデカンスルホン酸カリウム、ヘプタデカンスルホン酸カリウム、オクタデカンスルホン酸カリウム、ノナデカンスルホン酸カリウム、ヘエイコサンデカスルホン酸カリウムなどのアルキルスルホン酸塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェートなどが挙げられる。
本実施形態で用いられる両性界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ステアリルアミドプロピルベタインなどのベタイン化合物、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイドジメチルアミンオキサイド化合物、N-ステアリル-α-アラニナート、N-ラウリル-α-アラニナートなどのアラニン化合物などが挙げられる。
本実施形態で用いられるノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、カプリル酸モノグリセライド、ヤシ脂肪酸モノグリセライド、ラウリン酸ジグリセライド、パルミチン酸ジグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、オレイン酸ジグリセライド、ベヘニン酸ジグリセライド、カプリル酸ジグリセライド、ヤシ脂肪酸ジグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、オレイン酸トリグリセライド、ベヘニン酸トリグリセライド、カプリル酸トリグリセライド、ヤシ脂肪酸トリグリセライド、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトララウレートなどのペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールの脂肪酸エステルポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドなどのジエタノールアミド類などが挙げられる。
(滑剤,スリップ剤)
本実施形態で用いられる滑剤、スリップ剤としては、例えば、ワックス類、油剤、カプリン類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類またはこれらの金属塩類、すなわちリチウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩など、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなとの脂肪族アルコール類、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリル酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪族アミド類、脂肪酸とアルコールとのエステル類、フルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、フルオロアルキルスルホン酸金属塩などのフッ素化合物類などが挙げられる。
本実施形態で用いられるワックス類の例としては、モンタンワックス、ピートワックス、オゾケライト・セレシンワックス、石油ワックスなどの鉱物性ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、Fischer−Tropschワックス、化学修飾炭化水素ワックス、置換アミドワックスなどの合成ワックス、植物ろう、動物ろうなどが挙げられる。
本実施形態で用いられる油剤の例としては、芳香族系油、ナフテン系油、パラフィン系油の鉱物油、植物油、シリコンオイルなどの天然および合成油などが挙げられる。シリコンオイルは粘度10〜5000cSt、好ましくは500cStのジメチルポリシロキサンを使用することができる。
(核剤)
本実施形態で用いられる核剤としては、例えば、ナトリウム−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、[リン酸−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)] ジヒドロオキシアルミニウム、ビス[リン酸−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]ヒドロオキシアルミニウム、トリス[リン酸−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]アルミニウム、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸金属塩、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、1,3:2,4−ビス(O−ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−O−3,4−ジメチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデンソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−3,4−ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−O−p−クロロベンジリデン−2,4−O−3,4−ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3−O−3,4−ジメチルベンジリデン−2,4−O−p−クロロベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−p−クロロベンジリデン)ソルビトール、およびこれらの混合物などが挙げられる。
(可塑剤)
本実施形態で用いられる可塑剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニルジクレジルフォスフェート、ジクレジルモノキシレニルフォスフェート、アリールアルキルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニルフォスフェート、モルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェートなどのリン酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル系可塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−脂肪酸二塩基酸エステル系可塑剤;二価アルコールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤などが挙げられる。
(難燃剤)
本実施形態で用いられる難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤を使用することができる。
本実施形態で用いられるハロゲン系難燃剤としては、塩素系および臭素系の種々の難燃剤が使用可能であるが、難燃化効果、成形時の耐熱性、樹脂への分散性、樹脂の物性への影響などの面から、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノールA、およびその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)など]、テトラブロモビスフェノールS、およびその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)など]、テトラブロモ無水フタル酸、およびその誘導体[例えば、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミドなど]、エチレンビス(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1)−イソシアヌレート、ヘキサクロロシクロペンタジエンのディールス・アルダー反応の付加物、トリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、オクタブロモナフタレン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミンなどを使用するのが好ましい。
本実施形態で用いられるリン系難燃剤としては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル難燃剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどの脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルフホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリ(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリ(t―ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステルなどのノンハロゲン系リン酸エステル難燃剤などが挙げられる。
(リン系安定剤)
本実施形態で用いられるリン系安定剤としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジフォスフォナイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロフォスフォナイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミンなどが挙げられる。また、一分子内に燐酸エステル構造とフェノール構造とを有するものとして、例えば、6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなどが例示される。
本実施形態で用いられるこれらの安定剤は、成形時に発泡したり、高温での成形体表面から揮散したりすることなどを防止するため、20℃における蒸気圧が10-6Pa以下のものが好ましい。
上記の具体的に例示されたフェノール系安定剤、リン系安定剤はいずれも蒸気圧が10-6Pa以下のものが好ましい。
本実施形態で用いられるこれらのフェノール系安定剤、高級脂肪酸金属塩、酸化防止剤,紫外線吸収剤,ヒンダードアミン系光安定剤,塩酸吸収剤,金属不活性化剤,帯電防止剤,防曇剤,滑剤,スリップ剤,核剤,可塑剤,難燃剤、リン系安定剤は、成形時に発泡したり、高温での成形体表面から揮散したりすることなどを防止するため、20℃における蒸気圧が10-6Pa以下のものが好ましい。上記の具体的に例示されたフェノール系安定剤、リン系安定剤はいずれも蒸気圧が10-6Pa以下のものが好ましい。
(樹脂組成物)
本実施形態の成形材料を製造する際に用いられる樹脂組成物は、上記ポリマー100質量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましくは0.25質量部〜10質量部、より好ましくは0.3質量部〜5質量部、さらに好ましくは0.5質量部〜3質量部、フェノール系安定剤が好ましくは0.01質量部〜50質量部、より好ましくは0.04質量部〜20質量部、高級脂肪酸金属塩が好ましくは0.01質量部〜50質量部、より好ましくは0.04質量部〜20質量部、およびリン系安定剤が好ましくは0.01質量部〜5質量部、より好ましくは0.02質量部〜2質量部、さらに好ましくは0.05質量部〜1質量部配合したものであることが望ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤が少なすぎると耐光性、耐候性、耐熱性などが不足し、多すぎるとブリードして外観不良の原因となる場合がある。フェノール系安定剤が少なすぎると、やはり耐候性、耐熱性などが不足し、多すぎると着色してしまう場合がある。高級脂肪酸金属塩が多すぎると着色もしくは濁りが生じてしまう場合がある。リン系安定剤が少なすぎると組成物が白濁して透明性が不足し、多すぎるとブリードにより成形体の外観が悪化するという問題を生じる場合がある。つまり、これらの安定剤の配合量が、各々の数値範囲内にあると、上記の特性のバランスに優れる。
上記ポリマーにフェノール系安定剤、高級脂肪酸金属塩、ヒンダードアミン系光安定剤、リン系安定剤、さらに目的に応じて下記の添加剤を配合する方法は特に限定されない。ポリマーと混練してもよいし、ポリマー溶液にこれらを配合して溶媒を除去したり、貧溶媒中で析出させたりしてもよい。
(その他の添加剤)
目的に応じて本実施形態の成形材料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、これらのほかに、各種添加剤を添加してもよい。例えば、紫外線防止剤;アミン系などの帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステルおよび部分エーテルなどの滑剤;などの各種添加剤を添加してもよい。また、用途に応じて本実施形態の水素添加物の特性を失わない範囲で、エチレン系重合体などの樹脂やゴム質重合体を添加してもよい。
本実施形態においては、紫外線吸収剤を併用することが好ましく、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および/またはベンゾフェノン系紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−n−オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾールなどや、市販されているTinuvin 328、TinuvinPS(共に、日本チバガイギー社製)、SEESORB709(2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、白石カルシウム社製)などのベンゾトリアゾール誘導体などが例示される。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ−5−スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、Uvinul490(2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ・ベンゾフェノンと他の四置換ベンゾフェノンの混合物、GAF社製)、PermylB−100(ベンゾフェノン化合物、Ferro社製)などが例示される。
本実施形態のポリマー100質量部に対して、紫外線吸収剤を好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、特に好ましくは0.02質量部以上、かつ好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以下配合する。紫外線吸収剤が少なすぎると耐光性、耐候性などが不足する場合があり、多すぎると成形体が着色する場合がある。つまり、上記範囲にあると、耐光性および耐候性に優れ、成形体の着色が抑制される。
また、例えば、滑材として、特開昭63−273666号公報で公知のグリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコールを部分エステル化した構造を有する化合物;特開平3−39403号公報で公知の3−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(ベヘニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、2,2−ビス〔4−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニル〕プロパンなどの多価アルコールを部分エーテル化した化合物;12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、12−ヒドロキシステアリン酸ステアリルアルコール、ペンタエリスリトール−テトラ−12−ヒドロキシステアレート、エチレングリコール−ジ−12−ヒドロキシステアレート、プロピレングリコール−ジ−12−ヒドロキシステアレートなどのアルコール類の全てのOH基がOH基含有飽和脂肪酸とエステル結合した構造を有する化合物;12−ヒドロキシステアリン酸モノグリセリドなどのアルコール類の一部のOH基がOH基含有飽和脂肪酸とエステル結合した構造を有する化合物などが例示される。
(成形材料)
本実施形態の成形材料は、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられ、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーと添加剤とを含んでいる。このとき、上記添加剤の少なくとも一部は、上記ポリマーを含む粒子の表面に存在している。
ここで、上記粒子の表面に存在している上記添加剤は、フェノール系安定剤、高級脂肪酸金属塩、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、塩酸吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、スリップ剤、核剤、可塑剤、難燃剤、リン系安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましく、フェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上であることがより好ましく、フェノール系安定剤であることがとくに好ましい。
また、上記ポリマーを含む粒子は、通常はペレット形状である。
本実施形態の成形材料を用いると、充分な光学性能を有しかつ、表面の凹みの発生が抑制され、外観品質に優れたfθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品を得ることができる。さらに、本実施形態の成形材料においては、粒子表面に付着している安定剤が滑剤として働き、成形性が安定するため光学部品の大量生産に適している。
また、本実施形態の成形材料においては、成形材料に含まれるポリマーを100質量部とした場合に、上記粒子の表面に上記添加剤が0.01質量部〜50質量部、好ましくは0.04質量部〜20質量部の範囲で存在していることが好ましい。
また、本実施形態の成形材料においては、成形材料の総量を100質量部とした場合に、上記粒子の表面に上記添加剤が0.01質量部〜50質量部の範囲で存在していることが好ましい。
本実施形態の成形材料は、ポリマー100質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤を好ましくは0.25質量部〜10質量部、より好ましくは0.3質量部〜5質量部、さらに好ましくは0.5質量部〜3質量部、フェノール系安定剤が好ましくは0.01質量部〜50質量部、より好ましくは0.04質量部〜20質量部、高級脂肪酸金属塩が好ましくは0.01質量部〜50質量部、より好ましくは0.04質量部〜20質量部、およびリン系安定剤は好ましくは0.01質量部〜5質量部、より好ましくは0.02質量部〜2質量部、さらに好ましくは0.05質量部〜1質量部含有することが望ましい。なお、ヒンダードアミン系光安定剤とフェノール系安定剤とが共存する場合には、これらが反応して塩を形成することがあるが、上記数値範囲には塩の形成に用いられた各安定剤も含む。
ヒンダードアミン系光安定剤が少なすぎると耐光性、耐候性、耐熱性などが不足し、多すぎるとブリードして外観不良の原因となる。フェノール系安定剤が少なすぎるとやはり耐候性、耐熱性などが不足し、多すぎると着色してしまう。高級脂肪酸金属塩が多すぎると着色もしくは濁りが生じてしまう。リン系安定剤が少なすぎると組成物が白濁して透明性が不足し、多すぎるとブリードにより成形体の外観が悪化するという問題を生じる。つまり、これらの安定剤の配合量が、各々の数値範囲内にあると、上記の特性のバランスに優れる。
また、上記粒子の表面に存在している上記添加剤は、130℃における溶融粘度が好ましくは100mPa・s以上10000mPa・s以下であり、より好ましくは150mPa・s以上1000mPa・s以下である。ここで、上記溶融粘度は、すりモード、窒素雰囲気下、せん断速度100sec−1、130℃の条件で測定したときの値である。
また、上記添加剤の平均粒子径d50は好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、とくに好ましくは300μm以下である。ここで、上記平均粒子径d50の測定方法は、添加剤の種類によって異なる。例えば、フェノール系安定剤の場合は、レーザー回折式粒度分布測定装置の湿式分散ユニットを用いて測定できる。また、ポリエチレンワックスの場合は、メッシュ法により平均粒子径d50を測定することができる。メッシュ法では、目開きを変えたメッシュを有するふるいを多段に重ねて各メッシュオンの粒子重量を測定して粒度分布を測定し、その中心値を平均粒子径とすることができる。
また、本実施形態の成形材料は、上記ポリマーの相転移点温度から、上記粒子の表面に存在している上記添加剤の相転移点温度を差し引いた値が、好ましくは−100℃以上140℃以下であり、より好ましくは0℃以上50℃以下であり、とくに好ましくは10℃以上30℃以下である。ここで、上記相転移点温度は、物質によって異なるが、軟化温度、融点またはガラス転移温度を表す。
(成形材料の製造方法)
本実施形態の成形材料の製造方法は、上記粒子の表面に上記添加剤を付着させる工程、または上記粒子の表面に上記添加剤を付着後、上記添加剤を上記粒子に融着させる工程と、を含むものである。
繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む粒子は、上記添加剤を含む上述の樹脂組成物を、ヘンシェルミキサーなどで混合後、押出機などで造粒して、例えば、ペレット形状で得られる。
上記ペレット形状の粒子(以下、単にペレットとも呼ぶことがある。)の表面に、上記添加剤を付着させる方法は特に限定されるものではない。粒子表面に、上記添加剤がアンカー効果、表面張力、静電力などにより保持されていればよい。
さらに、上記添加剤を粒子表面に融着させることが好ましい。上記添加剤が常温で固体の場合、上記添加剤を粒子表面に融着させるには、上記添加剤が付着したペレットを加熱することにより行う。具体的には、上記添加剤が表面に付着した粒子を(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下で加熱することにより行う。これにより、粒子表面に付着した上記添加剤の脱落を防止することができる。ここで、TmおよびTmは上記添加剤の融点の下限および上限の温度をそれぞれ示す。
以下、成形材料の製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態の成形材料は、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられる、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーと添加剤とを含んでいる。また、上記添加剤の少なくとも一部が、上記ポリマーを含む粒子の表面に存在している。
本実施形態の成形材料は、好ましくは下記[1]のペレット表面に、[2]のパウダーを付着して得られる。
[1]一般式(1)で表される重合体から選ばれるポリマー100質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤を0.25質量部〜10質量部、リン系安定剤を0.01質量部〜5質量部含有する樹脂組成物からなるペレット。
[2]フェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤を含むパウダー(ヒンダードアミン系光安定剤を含まない。)。
ここで上記[1]のペレットは一般式(1)で表される重合体から選ばれるポリマー100質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤を0.25質量部〜10質量部、好ましくは0.3質量部〜5質量部、より好ましくは0.5質量部〜3質量部および、リン系安定剤を0.01質量部〜5質量部、好ましくは0.02質量部〜2質量部、より好ましくは0.05質量部〜1質量部含有する樹脂組成物からなることが望ましい。ペレットは上記の樹脂組成物をヘンシェルミキサーなどで混合後、押出機などで造粒して得られる。
本実施形態の成形材料を製造するには、好ましくは、まず一般式(1)で表される重合体から選ばれるポリマー100質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤を0.25質量部〜10質量部および、リン系安定剤を0.01質量部〜5質量部含有する樹脂組成物からなるペレットの外側にフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤をコーティングする。より好ましくはコーティングするフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤の量がペレット100質量部に対し、0.01質量部〜50質量部、好ましくは0.04質量部〜20質量部である。さらに好ましくはコーティングが、ペレットの表面にパウダー状のフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤を付着させることによりなされる。ここで付着とは粉体がアンカー効果、表面張力、静電力などにより粉体表面に保持された状態を意味する。
ペレットの表面に、常温で固体の上記添加剤を付着させる方法としては、例えばヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダーなどの公知のブレンダーを用いて、ペレットと上記添加剤を混合する方法、インライン外添装置を用いて、ペレットの気力輸送配管に上記添加剤を添加する方法、予め溶媒に溶解または分散させた上記添加剤をペレット表面に噴霧などすることで塗布した後、乾燥させる方法などを挙げることができる。ここで付着とは粉体がアンカー効果、表面張力、静電力などにより粉体表面に保持された状態を意味する。
本実施形態の成形材料は、好ましくは、常温で固体の上記添加剤が付着したペレットを、ペレットを構成するポリマーの融点より低い温度で加熱することにより、ペレットの表面に常温で固体の上記添加剤を融着、即ち、ペレットの表面に常温で固体の上記添加剤を密着させる。また加熱時間は特に限定されないが、5分〜24時間、好ましくは10分〜12時間である。
また、本実施形態の成形材料は、好ましくはフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤の融点範囲をTm(下限、単位;℃)〜Tm(上限、単位;℃)とした場合に、フェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤をコーティングしたペレットを(Tm−20)℃以上、(Tm+20℃)以下、好ましくは(Tm−15℃)以上、(Tm+15℃)以下の温度で、かつ、ペレットを構成するポリマーの融点より低い温度で加熱することにより、フェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤をペレットの表面に融着させる。すなわち、フェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤を上記の特定の温度で加熱することでフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤をペレットの表面に密着させる。また加熱時間は特に限定されないが、5分〜24時間、好ましくは10分〜12時間である。
ペレット表面に、常温で固体の上記添加剤を融着する方法としては、例えば前述の方法などによって予め表面に常温で固体の上記ポリマー以外の物質を付着させたペレットを公知の乾燥器によりペレットの乾燥処理と同時に加熱処理する方法、上記インライン外添装置を用いて気力輸送装置内で常温で固体の上記添加剤を表面に付着させたペレットを、二重管式加熱器などのインライン熱処理装置を用いて加熱処理する方法などを挙げることができる。
これにより、ペレットの表面に付着したパウダー状の常温で固体の上記添加剤の脱落を防止することができる。したがって、成形材料を輸送する際などの強い衝撃を受ける場合であっても、ペレット表面の常温で固体の上記添加剤が脱落することがないため、ペレット表面の付着量がほとんど変化せず、常温で固体の上記添加剤の保持性に優れる。
ペレットの表面に、常温で液体の上記添加剤を付着させる方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダーなどの公知のブレンダーを用いて、ペレットと上記添加剤を混合する方法などを挙げることができる。
(全光線透過率および分光光線透過率)
本実施形態の成形体を光学用途に使用する場合、光線を透過させることが必須であるので、光線透過率が良好であることが好ましい。光線透過率は用途に応じて分光光線透過率または全光線透過率により規定される。
全光線、あるいは複数波長域での使用が想定される場合、全光線透過率が良いことが必要であり、反射防止膜を表面に設けていない状態での全光線透過率は85%以上、好ましくは88〜93%である。全光線透過率が85%以上であれば必要な光量を確保することができる。全光線透過率の測定方法は公知の方法が適用でき、測定装置なども限定されないが、例えば、ASTM D1003に準拠して、熱可塑性、非晶性樹脂を厚み3mmのシートに成形し、ヘーズメーターを用いて、本実施形態の成形材料を成形して得られるシートの全光線透過率を測定する方法などが挙げられる。
また、特定波長域のみで利用される光学系、例えば、レーザー光学系の場合、全光線透過率が高くなくても、該波長域での分光光線透過率が良ければ使用することができる。この場合、使用波長における、反射防止膜を表面に設けていない状態での分光光線透過率は好ましくは85%以上、さらに好ましくは86%〜93%である。分光光線透過率が85%以上であれば必要な光量を確保することができる。また、測定方法および装置としては公知の方法が適用でき、具体的には分光光度計を例示することができる。
また、本実施形態の成形材料からなる成形体は、450nm〜800nmの波長の光の光線透過率に優れる。
なお、光学部品として用いる場合、公知の反射防止膜を表面に設けることにより、光線透過率をさらに向上させることができる。
(成形体)
本実施形態の成形材料から得られる成形体は、表面の凹みの発生が抑制されているため、外観品質に優れる。そのため、像を高精度に識別する必要がある光学系において、光学部品として用いることができる。光学部品とは光学系機器などに使用される部品であり、具体的には、レーザービームプリンターなどに用いられるfθレンズ、カメラの撮像レンズ、液晶ディスプレイなどに用いられる導光板が挙げられる。
本実施形態の成形材料は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、チューブ状、繊維状、フィルムまたはシート形状などに成形して、例えば上記の種々の形態で使用することができる。
成形材料を成型して成形体を得る方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。その用途および形状にもよるが、例えば、射出成形法、押出成形法、吹込成形法、真空成形法、スラッシュ成形法などが適用可能である。これらの中でも、成形性、生産性の観点から射出成形法が好ましい。また、成形条件は使用目的、または成形方法により適宜選択されるが、例えば射出成形における樹脂温度は、通常150℃〜400℃、好ましくは200℃〜350℃、より好ましくは230℃〜330℃の範囲で適宜選択される。
以下、本実施形態における成形材料が好適に用いられるfθレンズ、撮像レンズまたは導光板について説明する。
(fθレンズ)
fθレンズとは、被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行なう方式の光走査装置に用いられるレンズである。像高をY、レンズの焦点距離をf、レンズへの入射角度をθとすると、Y=fθで表されることからfθレンズと命名されている。なお、通常のカメラレンズはY=f・tanθの関係式で定義される。
このfθレンズを用いた光走査装置は偏向反射面を有する光偏向器により光束を角速度的に偏向させ、fθレンズにより被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行なう。光プリンターやデジタル複写機などの各種画像形成装置に関連して広く知られている。
fθレンズは、レンズの表面に凹みがあると、光が屈折して像がぼやけてしまい、像を上手く識別できなくなってしまう。本実施形態の成形材料は表面凹みの発生を抑制できる。そのため、射出成形にて表面の凹みが発生しやすく、かつ、像の識別精度が求められるfθレンズに好適に用いることができる。
(撮像レンズ)
撮像レンズとは、複数のレンズを鏡胴に組み込んだもので、カメラに取りつけて使う。近年、携帯電話やPDAなどの通信機器に、CCDイメージセンサや、CMOSイメージセンサなどの固体撮像素子を用いた撮像レンズが搭載され、急速に普及してきている。これらにはその用途のため、さらなる小型化が要求されている。
撮像レンズの小型化、高画質、高画素化が進むにつれて、表面凹みの発生が抑制された撮像レンズが求められる。本実施形態の成形材料は表面の凹みの発生を抑制できる。そのため、射出成形にて表面の凹みが発生しやすく、かつ、像の識別精度が求められる撮像レンズに好適に用いることができる。
(導光板)
導光板とは、光源からの光を液晶パネルに均一にかつ効率よく透過させるための板をいう。
近年、表示機器は、地上波デジタルテレビジョン放送への移行や、デジタル製品の普及、発展によって、ノートPCにおける表示機器に代表される薄型の平面型表示機器の普及が急速である。この平面型表示機器の1つに液晶ディスプレイがある。
液晶ディスプレイは、情報の表示のために液晶パネルに光を照射するバックライトとしての光源を持ち、光源からの光を液晶パネルに均一にかつ効率よく透過するために導光板を有している。液晶ディスプレイの大型化に伴って導光板自体も大面積化が求められている。
導光板の表面に凹みがあると、光量が変化して情報の表示に不具合が生じてしまう。本実施形態の成形材料は表面凹みの発生を抑制できるため、射出成形にて表面の凹みが発生しやすく、かつ、光量の安定性が求められる導光板により一層好適に用いることができる。
(実施例)
次に、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。実施例における物性測定方法は次の通りである。
実施例における物性測定方法は次の通りである。
(測定方法)
(1)溶融流れ指数(MFR)
ASTM D1238に準じ260℃、荷重2.16kgで測定。
(2)軟化温度(TMA)
デュポン社製Thermal Mechanical Analyzerを用いて、厚さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。シート上に石英製針を載せて荷重49gをかけ、速度5℃/分で昇温させ、針がシートに0.635mm侵入した温度を軟化温度とした。
(3)表面観察
実体顕微鏡(SZX16、オリンパス社製)で成形体表面を観察し、表面凹みの有無を評価した。
(4)不溶微粒子数の測定
後述するショートショット品から35mm×65mm×3mmの小片200mg切り出し、上記小片200mgを200mLのシクロヘキサンに23℃、6時間浸漬し、溶解させた。
次いで、液体用パーティクルカウンター(PAMAS、SVSS−C16/HCB−LD−25/25、パマス社製)装置を用いて、シクロヘキサン中に含まれる粒子径1μm以上2μm以下の不溶微粒子の濃度を測定した。
(5)添加剤の融点測定
使用した添加剤の融点は、メトラーFP融点測定装置を使用し、オープンキャピラリーを用いて、昇温速度0.2℃/分の条件で測定した。
(6)添加剤の平均粒子径d50の測定
使用した添加剤の平均粒子径d50はレーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、マスターサイザー2000)の湿式分散ユニット(Hydro 2000SM(A))を用いて体積基準で測定した。分散媒はデカンを用いた。
(7)添加剤の溶融粘度の測定
使用した添加剤の溶融粘度は、ティー・エイ・インスツルメント社製のARESを用いて、すりモード、窒素雰囲気下、せん断速度100sec−1、130℃の条件で測定した。
(外添方法)
(1)付着
減圧乾燥済ペレットと、添加剤をポリ袋に入れた。ポリ袋に窒素ガスを封入して膨らませ、口を縛り、ポリ袋の中が均一となるよう振り付着させた。付着量は、ポリ袋に投入したペレット重量と安定剤重量より算出した。
(2)融着
減圧乾燥済ペレットと、添加剤をポリ袋に入れた。ポリ袋に窒素ガスを封入して膨らませ、口を縛り、ポリ袋の中が均一となるよう振り付着させた。ペレットをバットに移し、窒素下で温度130℃、2時間加熱処理を行い融着させた。付着量は、ポリ袋に投入したペレット重量と安定剤重量より算出した。
(評価方法)
射出成形機(ROBOSHOT S2000i−30α、ファナック社製)を用いて、ショートショット品(充填率70%)を成形し、表面凹みの有無を評価した。結果は表1および表2に示す。
A:表面凹み無し
B:表面凹みがわずかに観察された
C:表面凹みが顕著に観察された
(実施例1)
TMA147℃、MFR37g/10min、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびエチレンからなる共重合体(以下、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体と呼ぶ。エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.10質量部を上記付着方法に従って付着させ、そのペレットを用いて射出成形機(ROBOSHOT S2000i−30α、ファナック社製)を用いて、ショートショット品(充填率70%)を成形した。
(実施例2)
TMA147℃、MFR37g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.05質量部を上記付着方法に従って付着させ、実施例1と同様にショートショット品を得た。
(実施例3)
TMA130℃、MFR35g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は71/29wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.10質量部を上記付着方法に従って付着させ、実施例1と同様にショートショット品を得た。
(実施例4)
TMA130℃、MFR35g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は71/29wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.10質量部を上記融着方法に従って融着させ、実施例1と同様にショートショット品を得た。
(比較例1)
TMA147℃、MFR37g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレットを射出成形機(ROBOSHOT S2000i−30α、ファナック社製)を用いて、ショートショット品(充填率70%)を成形した。
(比較例2)
TMA130℃、MFR35g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は71/29wt%)からなる減圧乾燥済ペレットを射出成形機(ROBOSHOT S2000i−30α、ファナック社製)を用いて、ショートショット品(充填率70%)を成形した。
Figure 2013005429
表1から明らかなように、本実施形態の成形材料を用いると、成形体表面の凹みの発生が抑制される。したがって、本実施形態における成形材料は、表面の凹みの影響を受けやすい、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品用の成形材料として好適に用いることができる。
(実施例5)
TMA147℃、MFR37g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.05質量部を上記付着方法に従って付着させ、実施例1と同様にショートショット品を得た。
(実施例6)
TMA147℃、MFR37g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.10質量部を上記付着方法に従って付着させ、実施例1と同様にショートショット品を得た。
(実施例7)
TMA147℃、MFR37g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.10質量部を上記融着方法に従って融着させ、実施例1と同様にショートショット品を得た。
(実施例8)
TMA147℃、MFR37g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレット100質量部に対し、フェノール系安定剤(イルガノックス1010、BASF社製、130℃の溶融粘度:184mPa・s、平均粒子径:280μm、融点:110〜125℃)0.03質量部を上記付着方法に従って付着させ、実施例1と同様にショートショット品を得た。
(比較例3)
TMA147℃、MFR37g/10minのエチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン/テトラシクロドデセン比率は76/24wt%)からなる減圧乾燥済ペレットを射出成形機(ROBOSHOT S2000i−30α、ファナック社製)を用いて、ショートショット品(充填率70%)を成形した。
Figure 2013005429
表1および表2から明らかなように、本実施形態の成形体は、表面の凹みの発生が抑制されている。したがって、本実施形態における成形体は、表面の凹みの影響を受けやすい、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品として好適に用いることができる。
本発明は以下の態様も取り得る。
(a1)
繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む成形材料であって、
フェノール系安定剤または高級脂肪酸金属塩のいずれか一方が、上記ポリマーからなる粒子の表面に存在している、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品用の成形材料。
(a2)
上記(a1)に記載の成形材料において、
当該成形材料に含まれる上記ポリマーを100質量部としたとき、
上記フェノール系安定剤または高級脂肪酸金属塩のいずれか一方の3質量部〜50質量部が、上記粒子の表面に存在している、成形材料。
(a3)
上記(a1)に記載の成形材料において、
当該成形材料の総量を100質量部としたとき、
上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方の3質量部〜50質量部が、上記粒子の表面に存在している、成形材料。
(a4)
上記(a1)乃至(a3)いずれかに記載の成形材料において、
上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方が上記粒子表面に融着している、成形材料。
(a5)
上記(a4)に記載の成形材料において、
上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方が表面に付着した上記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下で加熱することにより得られる、成形材料。
(ここで、TmおよびTmはそれぞれ、上記フェノール系安定剤、または上記高級脂肪酸金属塩の融点の下限および上限の温度を示す。)
(a6)
上記(a1)乃至(a5)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、下記一般式(1)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
Figure 2013005429
(式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
(a7)
上記(a1)乃至(a5)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、下記一般式(2)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
Figure 2013005429
(式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)
(a8)
上記(a1)乃至(a5)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびエチレンからなる共重合体である、成形材料。
(a9)
上記(a1)乃至(a8)いずれかに記載の成形材料を溶融成形して得られる、成形体。
(a10)
上記(a9)に記載の成形体からなる、光学部品。
(a11)
上記(a10)に記載の光学部品を用いるfθレンズ、撮像レンズまたは導光板。
(a12)
繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む成形材料において、フェノール系安定剤または高級脂肪酸金属塩のいずれか一方が、上記ポリマーからなる粒子の表面に存在している、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品用の成形材料の製造方法であって、
上記粒子の表面に上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方を付着させる工程、または上記粒子の表面に上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方を付着後、融着させる工程、を含む成形材料の製造方法。
(a13)
上記(a12)に記載の成形材料の製造方法において、
当該成形材料に含まれる上記ポリマーを100質量部としたとき、
上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方を付着させる工程が、
上記粒子の表面に、3質量部〜50質量部の上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方を付着する工程を含む成形材料の製造方法。
(a14)
上記(a12)または(a13)に記載の成形材料の製造方法において、
上記粒子の表面に上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方を付着させる工程が、
上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方が表面に付着した上記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下で加熱することにより、上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩のいずれか一方を粒子表面に融着させる工程を含む成形材料の製造方法。
(ここで、TmおよびTmはそれぞれ、上記フェノール系安定剤または上記高級脂肪酸金属塩の融点の下限および上限の温度を示す。)
さらに、本発明は以下の態様も取り得る。
(b1)
繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む成形材料であって、
上記ポリマー以外の物質が、上記ポリマーからなる粒子の表面に存在している、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品用の成形材料。
(b2)
上記(b1)に記載の成形材料において、
上記ポリマー以外の物質は、フェノール系安定剤、高級脂肪酸金属塩、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、塩酸吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、スリップ剤、核剤、可塑剤、難燃剤より選ばれる少なくとも1種以上である、成形材料。
(b3)
上記(b1)または(b2)に記載の成形材料において、
当該成形材料に含まれる上記ポリマーを100質量部としたとき、
上記ポリマー以外の物質の0.01質量部〜50質量部が、上記粒子の表面に存在している、成形材料。
(b4)
上記(b1)または(b2)に記載の成形材料において、
当該成形材料の総量を100質量部としたとき、
上記ポリマー以外の物質の0.01質量部〜50質量部が、上記粒子の表面に存在している成形材料。
(b5)
上記(b1)乃至(b4)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマー以外の物質が上記粒子表面に融着している、成形材料。
(b6)
上記(b5)に記載の成形材料において、
上記ポリマー以外の物質が表面に付着した上記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下で加熱することにより得られる、成形材料。
(ここで、TmおよびTmはそれぞれ、上記フェノール系安定剤、または上記高級脂肪酸金属塩の融点の下限および上限の温度を示す。)
(b7)
上記(b1)乃至(b6)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、下記一般式(1)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
Figure 2013005429
(式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
(b8)
上記(b1)乃至(b6)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、下記一般式(2)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
Figure 2013005429
(式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)
(b9)
上記(b1)乃至(b6)いずれかに記載の成形材料において、
上記ポリマーが、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびエチレンからなる共重合体である、成形材料。
(b10)
上記(b1)乃至(b9)いずれかに記載の成形材料を溶融成形して得られる、成形体。
(b11)
上記(b10)に記載の成形体からなる、光学部品。
(b12)
上記(b11)に記載の光学部品を用いる、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板。
(b13)
繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む成形材料において、上記ポリマー以外の物質が、上記ポリマーからなる粒子の表面に存在している、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品用の成形材料の製造方法であって、
上記粒子の表面に上記ポリマー以外の物質を付着させる工程、または上記粒子の表面に上記ポリマー以外の物質を付着後、融着させる工程、を含む成形材料の製造方法。
(b14)
上記(b13)に記載の成形材料の製造方法において、
当該成形材料に含まれる上記ポリマーを100質量部としたとき、
上記ポリマー以外の物質のいずれか一方を付着させる工程が、
上記粒子の表面に0.01質量部〜50質量部の上記ポリマー以外の物質を付着する工程を含む成形材料の製造方法。
(b15)
上記(b13)または(b14)に記載の成形材料の製造方法において、
上記粒子の表面に上記ポリマー以外の物質を付着させる工程が、
上記ポリマー以外の物質が表面に付着した上記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下で加熱することにより、上記ポリマー以外の物質を粒子表面に融着させる工程を含む成形材料の製造方法。
(ここで、TmおよびTmはそれぞれ、上記ポリマー以外の物質の融点の下限および上限の温度を示す。)
この出願は、2011年7月6日に出願された日本出願特願2011−150329号および2011年7月15日に出願された日本出願特願2011−156945号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
また、重合のタイプは本実施形態において全く制限されるものではなく、付加重合、開環重合などの公知の様々な重合タイプを適用することができる。付加重合としては、ランダム共重合、ブロック共重合、交互共重合などを挙げることができる。本実施形態においては、光学性能の劣化を抑制する観点からランダム共重合を用いることが好ましい。
本実施形態において、「(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体」としては、エチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体であることが好ましい。
また、共重合のタイプは本実施形態において全く制限されるものではなく、ランダム共重合、ブロック共重合、交互共重合など、公知の様々な共重合タイプを適用することができるが、好ましくはランダム共重合である。
環式オレフィン重合体を得るために使用される脂環式オレフィンとして具体的には、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3−エン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕−トリデカ−2,4,611−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8.4.0.111,14.03,8〕−テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン)、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.02,7.09,13〕−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ〔7.4.0.13,6.110,13.02,7〕−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボルネン系単量体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテンのごとき単環のシクロアルケン;ビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの脂環式共役ジエン系単量体;などが挙げられる。脂環式オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(主鎖の一部として用いることのできるその他の構造)
また、本実施形態で用いられるポリマーは、本実施形態の成形方法によって得られる製品の良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下であり、さらに好ましくは10モル%以下であり、それ以上共重合させた場合、光学物性を損ない、高精度の光学部品が得られない恐れがある。また、共重合の種類は限定されないが、ランダム共重合が好ましい。
本実施形態で用いられるフェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系フェノール化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリトールメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェールなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。これらの中でも、アクリレート系フェノール化合物やアルキル置換フェノール系化合物が好ましく、アルキル置換フェノール系化合物が特に好ましい。
本実施形態で用いられるチオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス{メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート}メタン、ビス〔メチル−4−{3−n−アルキル(C12 or C14)チオプロピオニル}−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、ジトリデシル−3,3'−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
(ヒンダードアミン系光安定剤)
本実施形態で用いられるヒンダードアミン系光安定剤としては、通常構造中に、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、ならびに2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基または1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有している化合物である。具体的には、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−N−オキシル、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジン)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(トリス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジル−4−オキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ)エチル)2,4,6,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(例えば、サノールLS−2626、三共社製、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(例えば、Tinuvin144、日本チバガイギー社製)、ビス(2,2',6,6'−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(例えば、TINUVIN770、日本チバガイギー社製)、ポリ[6− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ](例えば、CHIMASSORB944、日本チバガイギー社製)などが挙げられる。
(塩酸吸収剤)
本実施形態で用いられる塩酸吸収剤としては、高級脂肪酸金属塩がある。具体的には、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛などがある。また、エポキシ化ステアリン酸オクチル、エポキシ化大豆油などのエポキシ系化合物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルイトなどの無機化合物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、デカンスルホン酸ナトリウム、ンデカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、トリデカンスルホン酸ナトリウム、テトラデカンスルホン酸ナトリウム、ペンタデカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデカンスルホン酸ナトリウム、オクタデカンスルホン酸ナトリウム、ノナデカンスルホン酸ナトリウム、エイコサンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸カリウム、ウンデカンスルホン酸カリウム、ドデカンスルホン酸カリウム、トリデカンスルホン酸カリウム、テトラデカンスルホン酸カリウム、ペンタデカンスルホン酸カリウム、ヘキサデカンスルホン酸カリウム、ヘプタデカンスルホン酸カリウム、オクタデカンスルホン酸カリウム、ノナデカンスルホン酸カリウム、エイコサンデカスルホン酸カリウムなどのアルキルスルホン酸塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェートなどが挙げられる。
本実施形態で用いられる両性界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ステアリルアミドプロピルベタインなどのベタイン化合物、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイドなどのジメチルアミンオキサイド化合物、N-ステアリル-α-アラニナート、N-ラウリル-α-アラニナートなどのアラニン化合物などが挙げられる。
本実施形態で用いられるノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、カプリル酸モノグリセライド、ヤシ脂肪酸モノグリセライド、ラウリン酸ジグリセライド、パルミチン酸ジグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、オレイン酸ジグリセライド、ベヘニン酸ジグリセライド、カプリル酸ジグリセライド、ヤシ脂肪酸ジグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、オレイン酸トリグリセライド、ベヘニン酸トリグリセライド、カプリル酸トリグリセライド、ヤシ脂肪酸トリグリセライド、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトララウレートなどのペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールモノステアレートなどのソルビトールの脂肪酸エステルポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドなどのジエタノールアミド類などが挙げられる。
(滑剤,スリップ剤)
本実施形態で用いられる滑剤、スリップ剤としては、例えば、ワックス類、油剤、カプリン類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類またはこれらの金属塩類、すなわちリチウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩など、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなの脂肪族アルコール類、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリル酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪族アミド類、脂肪酸とアルコールとのエステル類、フルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、フルオロアルキルスルホン酸金属塩などのフッ素化合物類などが挙げられる。
(可塑剤)
本実施形態で用いられる可塑剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニルジクレジルフォスフェート、ジクレジルモノキシレニルフォスフェート、アリールアルキルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニルフォスフェート、モルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェートなどのリン酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル系可塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジブチルなどのアジピン酸ジ−n−脂肪酸二塩基酸エステル系可塑剤;二価アルコールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤などが挙げられる。
本実施形態で用いられるリン系難燃剤としては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル難燃剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどの脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリ(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリ(t―ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステルなどのノンハロゲン系リン酸エステル難燃剤などが挙げられる。
また、例えば、滑として、特開昭63−273666号公報で公知のグリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコールを部分エステル化した構造を有する化合物;特開平3−39403号公報で公知の3−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(ベヘニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、2,2−ビス〔4−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニル〕プロパンなどの多価アルコールを部分エーテル化した化合物;12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、12−ヒドロキシステアリン酸ステアリルアルコール、ペンタエリスリトール−テトラ−12−ヒドロキシステアレート、エチレングリコール−ジ−12−ヒドロキシステアレート、プロピレングリコール−ジ−12−ヒドロキシステアレートなどのアルコール類の全てのOH基がOH基含有飽和脂肪酸とエステル結合した構造を有する化合物;12−ヒドロキシステアリン酸モノグリセリドなどのアルコール類の一部のOH基がOH基含有飽和脂肪酸とエステル結合した構造を有する化合物などが例示される。
本実施形態の成形材料を製造するには、好ましくは、まず一般式(1)で表される重合体から選ばれるポリマー100質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤を0.25質量部〜10質量部および、リン系安定剤を0.01質量部〜5質量部含有する樹脂組成物からなるペレットの外側にフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤をコーティングする。より好ましくはコーティングするフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤の量がペレット100質量部に対し、0.01質量部〜50質量部、好ましくは0.04質量部〜20質量部である。さらに好ましくはコーティングが、ペレットの表面にパウダー状のフェノール系安定剤および高級脂肪酸金属塩より選ばれる少なくとも1種以上の添加剤を付着させることによりなされる。ここで付着とは粉体がアンカー効果、表面張力、静電力などによりペレット表面に保持された状態を意味する。
ペレットの表面に、常温で固体の上記添加剤を付着させる方法としては、例えばヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダーなどの公知のブレンダーを用いて、ペレットと上記添加剤を混合する方法、インライン外添装置を用いて、ペレットの気力輸送配管に上記添加剤を添加する方法、予め溶媒に溶解または分散させた上記添加剤をペレット表面に噴霧などすることで塗布した後、乾燥させる方法などを挙げることができる。ここで付着とは粉体がアンカー効果、表面張力、静電力などによりペレット表面に保持された状態を意味する。

Claims (22)

  1. fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられる、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーを含む成形体であって、
    前記成形体を1g/mLの濃度でシクロヘキサンに23℃、6時間攪拌しながら浸漬させたとき、
    液中パーティクルカウンターにより測定される、前記シクロヘキサン中に含まれる粒子径1μm以上2μm以下の不溶微粒子の数が、200個/ml以下である、成形体。
  2. 請求項1に記載の成形体において、
    前記ポリマーが、下記一般式(1)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形体。
    Figure 2013005429
    (式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
    nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
    は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
    は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
    は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
    Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
    、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
  3. 請求項1に記載の成形体において、
    前記ポリマーが、下記一般式(2)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形体。
    Figure 2013005429
    (式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
    は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
    およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
    x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)
  4. 請求項1に記載の成形体において、
    前記ポリマーが、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびエチレンからなる共重合体である、成形体。
  5. fθレンズ、撮像レンズまたは導光板から選ばれる光学部品に用いられる、繰り返し構造単位の一部または全部に脂環式構造を有するポリマーと添加剤とを含む成形材料であって、
    前記添加剤の少なくとも一部が、前記ポリマーを含む粒子の表面に存在している、成形材料。
  6. 請求項5に記載の成形材料において、
    前記ポリマーを含む前記粒子がペレット形状である、成形材料。
  7. 請求項5または6に記載の成形材料において、
    前記粒子の表面に存在している前記添加剤が、フェノール系安定剤、高級脂肪酸金属塩、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、塩酸吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、スリップ剤、核剤、可塑剤、難燃剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、成形材料。
  8. 請求項5乃至7いずれか一項に記載の成形材料において、
    前記粒子の表面に存在している前記添加剤は、130℃における溶融粘度が100mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
    前記添加剤の平均粒子径d50が1000μm以下である、成形材料。
  9. 請求項5乃至8いずれか一項に記載の成形材料において、
    前記ポリマーの相転移点温度から、前記粒子の表面に存在している前記添加剤の相転移点温度を差し引いた値が−100℃以上140℃以下である、成形材料。
  10. 請求項5乃至9いずれか一項に記載の成形材料において、
    当該成形材料に含まれる前記ポリマーを100質量部としたとき、
    前記添加剤が、0.01質量部以上50質量部以下の範囲で前記粒子の表面に存在している、成形材料。
  11. 請求項5乃至10いずれか一項に記載の成形材料において、
    当該成形材料の総量を100質量部としたとき、
    前記添加剤が、0.01質量部以上50質量部以下の範囲で前記粒子の表面に存在している、成形材料。
  12. 請求項5乃至11いずれか一項に記載の成形材料において、
    前記添加剤が前記粒子の表面に融着している、成形材料。
  13. 請求項12に記載の成形材料において、
    前記添加剤が表面に付着した前記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下で加熱することにより得られる、成形材料。
    (ここで、TmおよびTmは前記添加剤の融点の下限および上限の温度をそれぞれ示す。)
  14. 請求項5乃至13いずれか一項に記載の成形材料において、
    前記ポリマーが、下記一般式(1)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
    Figure 2013005429
    (式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
    nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
    は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
    は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
    は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
    Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
    、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
  15. 請求項5乃至13いずれか一項に記載の成形材料において、
    前記ポリマーが、下記一般式(2)で表される一種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体である、成形材料。
    Figure 2013005429
    (式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
    は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
    およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
    x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)
  16. 請求項5乃至13いずれか一項に記載の成形材料において、
    前記ポリマーが、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびエチレンからなる共重合体である、成形材料。
  17. 請求項5乃至16いずれか一項に記載の成形材料を溶融成形して得られる、成形体。
  18. 請求項17に記載の成形体からなる、光学部品。
  19. 請求項18に記載の光学部品が、fθレンズ、撮像レンズまたは導光板である、光学部品。
  20. 請求項5乃至16いずれか一項に記載の成形材料の製造方法であって、
    前記粒子の表面に前記添加剤を付着させる工程、または
    前記粒子の表面に前記添加剤を付着させた後に、前記添加剤を前記粒子に融着させる工程
    を含む、成形材料の製造方法。
  21. 請求項20に記載の成形材料の製造方法において、
    前記添加剤を付着させる工程では、
    当該成形材料に含まれる前記ポリマーを100質量部としたとき、
    前記粒子の表面に、前記添加剤を0.01質量部以上50質量部以下の範囲で付着させる、成形材料の製造方法。
  22. 請求項20または21に記載の成形材料の製造方法において、
    前記添加剤を前記粒子に融着させる工程では、
    前記添加剤が表面に付着した前記粒子を、(Tm−20)℃以上(Tm+20)℃以下の範囲内で加熱することにより、前記添加剤を前記粒子の表面に融着させる、成形材料の製造方法。
    (ここで、TmおよびTmは前記添加剤の融点の下限および上限の温度をそれぞれ示す。)
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