JPWO2012070337A1 - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

電流値に応じて2つのセンサを切り換えて測定する電流センサにおいて、小電流用に測定精度が高い磁気抵抗効果素子を用いても、ヒステリシスの影響によるオフセットを補正して、高精度でかつ広範囲の測定を可能とする。電流路(6)を流れる被測定電流を測定する大電流測定器(1)と小電流測定器(2)とを備え、大電流測定器(1)と小電流測定器(2)とを所定の測定電流値を閾値にして切り替える電流センサ装置において、小電流測定器(2)による測定電流値を大電流測定器(1)による測定電流値に基づいて補正する補正量算出器(11)と補正処理器(13)を設ける。

Description

本発明は、モータを駆動するための電流やバッテリーから供給される電流、さらには、各種電気機器を駆動するための電流等を測定するための電流センサに関する。
従来、電気自動車やハイブリッド車におけるモータ駆動用の電流を測定するためにホール素子等の磁気検出素子を備えた電流センサが用いられている。しかし、1個のホール素子では測定範囲が限られるため1つの電流センサで小電流から大電流までの広い範囲を測定することは難しかった。そこで、測定範囲を広げるために、特許文献1に開示されるように小電流用の磁気検出素子と大電流用の磁気検出素子を備え、それを切り替えて使う構成が提案されている。
特開2007−78417号公報
小電流用の磁気検出素子には、通常感度の高いものが必要であり、例えばGMR素子が用いられる。しかしながら、小電流用の磁気検出素子にGMR素子を用いた場合、一旦、被測定路に大電流が流れるとそこから発生する強力な磁界によってGMR素子にヒステリシスが発生するため、小電流を測定する際に正確な測定ができなくなるという問題が発生する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、測定範囲を広げることができ、かつ測定精度の高い電流センサを提供するところにある。
本発明は、電流路を流れる被測定電流を測定する小電流測定器と大電流測定器とを備え、前記小電流測定器と前記大電流測定器とを所定の測定電流値を閾値にして切り替える電流センサ装置において、前記小電流測定器は、前記被測定電流による飽和磁束密度が低くかつ前記被測定電流に対する測定感度の高い小電流用磁気抵抗効果素子を有し、前記大電流測定器は、前記被測定電流による飽和磁束密度が高くかつ前記被測定電流に対する測定感度が低い大電流用センサ素子を有し、前記小電流測定器による測定電流値を前記大電流測定器による測定電流値に基づいて補正する補正手段を設けた。この為、小電流用の測定に磁気抵抗素子を用いても、ヒステリシスの影響によるオフセットを補正できるので、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
また、本発明における前記大電流用センサ素子は、磁気抵抗効果素子であって、前記大電流用センサ素子は、前記電流路に対する距離が、前記小電流用磁気抵抗効果素子と前記電流路との距離よりも離れて配置されるようにすることができる。この為、大電流測定器と小電流測定器とのセンサ素子として同じ磁気抗効果素子を用いても、大電流用センサ素子にヒステリシスが生じないようにでき、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
また、本発明の前記大電流用センサ素子は、磁気抵抗効果素子であって、前記大電流用センサ素子と前記電流路との間に磁気シールドを配設して、前記磁気抵抗効果素子に対する感度を低めることができる。この為、大電流測定器と小電流測定器とのセンサ素子として同じ磁気抗効果素子を用いても、大電流用センサ素子にヒステリシスが生じないようにでき、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
また、本発明の前記大電流用センサ素子は、磁気抵抗効果素子であって、前記大電流用磁気抵抗効果素子に対して前記電流路を流れる被測定電流の磁界の向きに抗う方向のハードバイアスを印加して、前記大電流用磁気抵抗効果素子に対する感度を低めることができる。この為、大電流用センサ素子にヒステリシスが生じないようにでき、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
また、本発明の前記大電流用センサ素子は、磁気コアを有さないホール素子とすることができる。この為、大電流用センサ素子にヒステリシスが生じないため、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
また、本発明の前記大電流用センサ素子は、シャント抵抗とすることができる。この為、大電流用センサ素子にヒステリシスが生じないため、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
また、本発明の前記小電流用磁気抵抗効果素子の測定領域と前記大電流用センサ素子の測定領域とに一部が重複するオーバーラップ領域を有し、前記補正手段は、前記オーバーラップ領域における前記小電流測定器による測定値と前記大電流測定器による測定値の差から補正値を求めることができる。この為、オーバーラップ領域における複数のデータにより、オフセットを補正できるので、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
また、本発明の前記大電流測定器には、前記大電流用センサ素子の出力を増幅する第1の増幅器が設けられており、前記小電流測定器には、前記小電流用磁気抵抗効果素子の出力を増幅する第2の増幅器が設けられており、前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器は、B級プッシュプル増幅回路から構成することができる。この為、増幅器のダイナミックレンジを広げられ、かつ、(0A)付近で感度の高い小電流用素子を使うことにより、線形性の低い電流値の範囲を狭くでき、高精度でかつ広範囲の電流センサを提供することができる。
本発明によれば、大電流測定器と小電流測定器を設けたので小電流から大電流まで測定することができ測定範囲を広げることができる。しかも、小電流測定器を構成する磁気抵抗効果素子が大電流によるヒステリシスの影響を受けてもそれによるオフセット値を補正手段で補正することができ、測定精度を高めることができる。
本実施形態(第1実施形態)のブロック図を示す図である。 同実施形態(第1実施形態)の大電流センサと小電流センサの電流路からの位置関係を示す側面図である。 同実施形態(第1実施形態)の小電流用磁気抵抗素子における磁界と磁束密度のヒステリシスを示すグラフである。 同実施形態(第1実施形態)の被測定電流と検出電流の関係を示すグラフである。 同実施形態(第1実施形態)の電流検出過程を示すフローチャート図である。 同実施形態の電流検出過程を示す別のフローチャート図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の電流センサを具体化した第1実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。
まずは、本発明の電流センサの構成を図1に基づいて説明する。電流センサは、大電流測定器1と小電流測定器2を備えるとともに大電流測定器1と小電流測定器2から出力される信号を処理して後段のバッテリー残量を評価する回路へデータを出力する信号処理装置3を備えて構成される。
大電流測定器1は、例えば、GMR(Giant Magneto Resistive)素子等からなる大電流用センサ素子4と大電流用センサ素子4から出力される信号を増幅するための第1の増幅器5から構成される。大電流用センサ素子4は、例えば0.5A〜1500Aの大電流の測定に適したものになるように、電流路6から距離を離して配置して、被測定電流による飽和磁束密度が高くなるようにしている。但し、飽和磁束密度を高くしたために、大電流測定器1の大電流用センサ素子4は、電流路6を流れる被測定電流に対する測定感度が低くなり、0.5A以下の小電流の測定に向かなくなっている。
また、大電流用センサ素子4は、図示しないがブリッジ回路を構成し、被測定電流に対する電圧を出力するようになっている。大電流測定器1はハーフブリッジ回路で構成してもよく、また磁気比例式、磁気平衡式などの方式を用いることも可能である。
小電流測定器2は、GMR素子等からなる小電流用磁気抵抗効果素子7から出力される信号を増幅するための第2の増幅器8から構成される。小電流用磁気抵抗効果素子7は、大電流用センサ素子4とは逆に、電流路6を流れる被測定電流に対する測定感度が高く設定されており、小電流(1mA〜1A)の測定に適したものとなっている。但し、小電流測定器2の小電流用磁気抵抗効果素子7は、電流路6を流れる被測定電流による飽和磁束密度が低いため、電流路6に大電流が流れた後は、ヒステリシスの影響によるオフセットが生じるため、補正処理器13により、補正する必要がある。また、小電流用磁気抵抗効果素子7も大電流用センサ素子4同様、図示しないがブリッジ回路を構成し、被測定電流に対する電圧を出力するようになっている。小電流測定器1はハーフブリッジ回路で構成してもよく、また磁気比例式、磁気平衡式などの方式を用いることも可能である。
図2に、大電流測定器1を構成する大電流用センサ素子4と小電流測定器2を構成する小電流用磁気抵抗効果素子7の電流路6に対する配置を示す。図示するように、大電流用センサ素子4は電流路6との距離が遠い位置にあり、小電流用磁気抵抗効果素子7は電流路6との距離が近い位置に配置されている。これによって、大電流測定器1の大電流用センサ素子4は、電流路6を流れる被測定電流によって飽和しないように充分飽和磁束密度を高く設定し、ヒステリシス及びヒステリシスによるオフセットが生じないように設定する。一方、小電流測定器2の小電流用磁気抵抗効果素子7は、上述したとおり測定感度が高く、小電流の測定に適したように設定する。
また、大電流測定器1の測定範囲と小電流測定器2の測定範囲には、後述するグラフに示すようにオーバーラップ領域A(0.5A〜1A)、オーバーラップ領域B(―1A〜―0.5A)が設定されている。このオーバーラップ領域A、Bにおいては、大電流測定器1を構成する大電流用センサ素子4及び、小電流測定器2を構成する小電流用磁気抵抗効果素子7の磁束密度とも飽和することはない。この時大電流用センサ素子4によって正しい値を測定することができるが、小電流測定器2を構成する小電流用磁気抵抗効果素子7においてはヒステリシスの影響により正しい値からオフセットがかかっている。そして後述するようにこのオーバーラップ領域A、Bにおける大電流測定器1を構成する大電流用センサ素子4と小電流測定器2を構成する小電流用磁気抵抗効果素子7の測定値の差の平均から算出した補正値Δから電流の絶対値がオーバーラップ領域A、Bより小さな小電流領域における電流測定値を算出する。これにより、ヒステリシスの影響によりオフセットが生じた小電流測定器2の小電流用磁気抵抗効果素子7の電流測定値を正しい値に補正できる。
信号処理装置3は、レンジ判別器9、出力切替器10、補正量算出器11、メモリ12、補正処理器13とを備えて構成される。
レンジ判別器9は、被測定電流値がオーバーラップ領域A、B内か、オーバーラップ領域A、B外か、またオーバーラップ領域A、B外の場合、オーバーラップ領域A、Bを挟んで大電流の領域にあるのか小電流の領域にあるのかを判別するための機能である。
出力切替器10は、レンジ判別器9の判別に基づき出力を切り替えるための機能である。
メモリ12は、オーバーラップ領域A、Bにおいて、大電流用測定器1で測定した値と小電流用測定器2で測定した値、及びそれらから算出される補正値Δを保存しておくためのものである。
補正量算出器11は、オーバーラップ領域A、Bにおける大電流用測定器1で測定された値と小電流用測定器2で測定された値に基づき補正値を算出するための機能であり、大電流用測定器1で測定された値と小電流用測定器2で測定された値及び、算出された補正値はメモリ12に保存される。
補正処理器13は、被測定電流値が大電流用測定器1の検出可能領域外の微小電流域において、上記補正量算出器11で求めた補正値に基づき小電流測定器2によって測定した値を補正する。
次に、本発明の作用を図5のフローチャートに基づいて説明する。図5に示すフローチャートは、例えば、既に電流路に100A以上の電流が一旦流れて小電流測定器2を構成する小電流用磁気抵抗効果素子7の磁束密度が飽和された状態にあるところから開始する。大電流測定器1及び小電流測定器2によって電流路6の電流が測定される(51)。大電流測定器1によって測定された値をJ(t)、小電流測定器2によって測定された値をj(t)とする。
続いて、大電流測定器2によって測定された値J(t)が予め設定されている第1の設定値I2(1A)以上か否か判断する(52)。測定値J(t)の絶対値がI2以上であれば測定レンジを大電流レンジとして、そのまま大電流測定器1で測定した値であるJ(t)を出力値Iとして出力する(53)。
測定値J(t)の絶対値がI2より小さければ、引き続き測定値J(t)の絶対値が予め設定した第2の設定値I1以上か否かを判断する(54)。測定値J(t)の絶対値が第2の設定値I1以上であればオーバーラップ領域A、Bと判断する。測定値J(t)の絶対値が第2の設定値I1より小さければ測定レンジを小電流レンジとする。ここで、測定値J(t)の絶対値が第1の設定値I2以上か否かの判断(52)、及び測定値J(t)の絶対値が第2の設定値I1以上か否かの判断(54)が、上記レンジ判別器9に相当する。
測定値J(t)の絶対値が第2の設定値I1以上で、オーバーラップ領域A、Bと判断した場合には、大電流測定器1の測定値J(t)を出力値Iとして出力する(55)とともに大電流測定器1の測定値J(t)と小電流測定器2の測定値j(t)をメモリ12に保存する(56)。
測定値J(t)の絶対値が第2の測定値I1より小さく、小電流レンジとした場合、メモリ12に保存されている複数の測定値J(t)及び測定値j(t)を読み出してそれぞれの差(J(t)-j(t))の平均値を算出する(57)。この平均値が補正値Δとなる。この補正値Δの算出(57)が上記補正量算出器11に相当する。
補正値Δを算出後、小電流測定器2による測定値j(t)に補正値Δを加え、その値を出力値Iとして出力する(58)。
図6は、図5で示したフローチャートの別の例である。図5と同じ符号を付けた部分は、図5と同じであるため説明を省略する。図6のフローチャートでは、測定値J(t)の絶対値がI2以上の場合、出力値Iとして出力(53)した後、メモリに保存されている測定値の有無をフラグ「M」によって判断する(59)。フラグ「M」が1であれば、メモリに保存されている測定値が有ると判断し、J(t)とj(t)を削除する(60)。メモリに保存されている測定値を削除する理由は、測定値J(t)の絶対値がI2以上となると、小電力測定器2のGMR素子7が飽和し、オフセットの量が変化する可能性があり、オフセット量が変化する前の測定値、J(t)とj(t)が補正値Δの計算に使えなくなるからである。メモリに保存されているJ(t)とj(t)を消去(60)すると、フラグ「M」を0にする(61)。フラグ「M」を使う理由は、メモリに複数保存されているJ(t)とj(t)の有無を調べたり、削除したりすることは、信号処理装置3の負荷を減らすためである。また、フラグ「M」が1でない場合は、メモリに保存されている測定値が消去済みであるため、ステップ60、61を省略する。
測定値J(t)の絶対値が第2の設定値I1以上で、オーバーラップ領域A、Bと判断した場合には、大電流測定器1の測定値J(t)と小電流測定器2の測定値j(t)をメモリ10に保存(56)した後、フラグ「M」を1にする(62)と共に、フラグ「N」を0にする。フラグ「M」は上述したとおり、メモリに保存されているJ(t)とj(t)の有無を示すフラグであり、フラグ「N」は、後述するとおり、補正値Δが最新のデータで算出されているか示すフラグである。
測定値J(t)の絶対値が第2の測定値I1より小さく、小電流レンジとした場合、フラグ「N」が1であれば(64)、補正値Δが最新のデータで算出されていると判断し、既に計算済みの補正値Δを使って、出力値Iを出力する(58)。フラグ「N」が1でなければ、補正値Δが最新のデータで算出されていないと判断し、メモリ12に保存されている複数の測定値J(t)及び測定値j(t)を読み出してそれぞれの差(J(t)-j(t))の平均値を算出する(57)。その後、フラグ「N」を1にする(65)。フラグ「N」を使う理由は、同一の計算を繰り返すことを防止することにより、信号処理装置3の負荷を減らすためである。
図3は、小電流測定器2を構成する小電流用磁気抵抗効果素子7のヒステリシスループを示すグラフである。図3中、横軸は小電流用磁気抵抗効果素子7に印加される磁場(H)、縦軸は小電流用磁気抵抗効果素子7の磁束密度(B)を表し、小電流用磁気抵抗効果素子7の磁束密度が飽和していない状態であれば、磁場(H)と磁束密度(B)の関係は0を始点にして比例する(図3中、30)。しかし、小電流用磁気抵抗効果素子7に印加される磁場(H)が正の方向に増加し、小電流用磁気抵抗効果素子7の磁束密度(B)が一旦飽和(図3中、31)してしまうと、その後、印加される磁場(H)が減少しても磁束密度(B)にはオフセットΔBが発生する(図3中、32)。さらに、磁場(H)を負の方向に強くしていき、GMR素子7が負の方向に磁束密度(B)が飽和(図3中、33)すると、その後、磁場(H)を増加させるとオフセットΔBが発生することになる(図3中、34)。
図4は、第1実施形態の電流センサにおける被測定電流値と出力電流値の関係を示すグラフである。図4中、J(t)は大電流測定器1によって測定された測定値を示し、大電流測定器1を構成する大電流用センサ素子4は印加される磁場によって磁束密度が飽和してしまうことがないため、常に直線となり、被測定電流値がそのまま出力電流値となる。但し、絶対値が設定値I1以下においては、大電流用センサ素子4の測定感度が低いため大電流測定器1によって測定することはできない(実際にはI1の値には余裕を持たせており、I1においても大電流測定器1によって測定できる)。
図4中、j(t)が小電流測定器2によって測定された測定値を示し、図3のグラフで示すように磁束密度が一旦飽和するとヒステリシスが発生するため、オーバーラップ領域A、B、I1<|J(t)|<I2おいて補正を必要とするオフセット値が発生する。
上述したオーバーラップ領域A、Bにおいて、大電流測定器1によって測定された測定値J(t)と小電流測定器2によって測定された測定値j(t)との差の平均から補正値Δが算出され、その補正値ΔによってI1<|J(t)|領域におけるj(t)を補正する。
上記の通りの構成としたため、大電流測定器1と小電流測定器2を設け切り替えて使う電流センサにおいて、小電流測定器2を構成する小電流用磁気抵抗効果素子4が大電流によるヒステリシスの影響を受けても補正量算出器11及び補正処理器13によってオフセット値を補正することができ、測定精度を高めることができる。
大電流用センサ素子4と小電流用磁気抵抗効果素子7とに共に磁気抵抗効果素子を用いると共に、電流路6と大電流用センサ素子4との距離を、電流路6と小電流用磁気抵抗効果素子7との距離よりも長くすることによって、大電流及び小電流の測定を可能な構成としたため、同一のセンサ素子によって、簡単な構成で本発明を実現できる。
<変形例>
本発明は上記第1実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
(1)大電流用センサ素子4と小電流用磁気抵抗効果素子7とに共に磁気抵抗効果素子を用いると共に、大電流用センサ素子4と電流路との間に磁気シールドを配置して大電流用センサ素子4の感度を小電流測定用磁気抵抗効果素子7の感度より低めるように構成してもよい。これによって、上記第1実施形態同様、測定範囲を広げることと、測定精度を高めることができる。しかも、大電流用センサ素子4と小電流用磁気抵抗効果素子7の電流路6に対する距離は同じでよいので組み立てが容易となる。
(2)大電流用センサ素子4に対しては電流路6を流れる被測定電流の磁界の向きに抗う方向のハードバイアスを印加することで大電流用センサ素子4の感度を小電流用磁気抵抗効果素子7の感度より低めるように構成してもよい。これによって、上記第1実施形態同様、測定範囲を広げることと、測定精度を高めることができる。しかも、大電流用センサ素子4と小電流用磁気抵抗効果素子7の電流路6に対する距離は同じでよいので組み立てが容易となる。
(3)大電流用センサ素子4として磁気コアを有さないホール素子であってもよい。これによって、上記第1実施形態同様、測定範囲を広げることと、測定精度を高めることができる。しかも、高価な磁気抵抗効果素子を使わずに安価なホール素子を用いることができるためコストダウンが可能となる。磁気コアを有するホール素子は、ホール素子の感度を補ったもので、高価である上に磁気コアに起因したヒステリシスを持つものであるが、この例では大電流用センサ素子4として用いるため、ホール素子の感度を補う必要が無く、磁気コアを有さないホール素子を用いることが可能で、コアに起因したヒステリシスも無く、コストダウンが可能となる。
(4)大電流用センサ素子4としてシャント抵抗を用いてもよい。これによって、上記第1実施形態同様、測定範囲を広げることと、測定精度を高めることができる。しかも、高価な磁気抵抗効果素子を使わずに安価なシャント抵抗を用いることができるためコストダウンが可能となる。シャント抵抗を用いて大電流から小電流まで広いレンジで電流を計測する場合、大電流では発熱を抑えるために抵抗は出来るだけ小さくしたいが、抵抗が小さいと小電流での信号電圧が小さくなるため、あまり抵抗を小さくできないという問題がある。一方、この例では、大電流用センサ素子4としてシャント抵抗を用い、小電流用の測定にはGMR素子を用いるので、シャント抵抗の抵抗値は十分に小さく出来、発熱を抑えることができる。また、シャント抵抗はヒステリシスがないため、小電流用磁気抵抗効果素子7の測定値を正しく補正できるため測定精度を高くできる。
(5)大電流用センサ素子4から出力される電圧や、小電流用磁気抵抗効果素子7から出力される電圧を増幅するための第1の増幅器5及び第2の増幅器8としてトランジスタを組み合わせたB級プッシュプル増幅回路によって構成するものであってもよい。B級プッシュプル増幅回路を用いる場合通常0V又は0A付近の入力に対する出力値が歪んで正確な測定が難しくなるが、小電流用に感度の高い磁気抵抗効果素子と組み合わせることでB級プッシュプル増幅回路を用いた場合でも0V又は0A付近の入力に対する出力値の線形性を維持でき、上記第1実施形態同様、測定範囲を広げることと、測定精度を高めることができる。特に、安価で構成が簡単なB級プッシュプル増幅回路を用いた場合でも微小電流に対する測定精度を高めることができる。尚、回路規模を大きくできる場合には、第1の増幅器5及び第2の増幅器8として、オペアンプを用いることもできる。
(6)大電流用センサ素子4や、小電流用磁気抵抗効果素子7を構成する素子は、GMR素子の他に、AMR(Anisotropic Magneto Resistive)素子やTMR(Tunneling Magneto Resistive)素子であってもよい。
その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。
本出願は、2010年11月26日出願の特願2010−264088に基づく。この内容は、全てここに含めておく。

Claims (9)

  1. 電流路を流れる被測定電流を測定する小電流測定器と大電流測定器とを備え、前記小電流測定器と前記大電流測定器とを所定の測定電流値を閾値にして切り替える電流センサ装置において、
    前記小電流測定器は、前記被測定電流による飽和磁束密度が低くかつ前記被測定電流に対する測定感度の高い小電流用磁気抵抗効果素子を有し、
    前記大電流測定器は、前記被測定電流による飽和磁束密度が高くかつ前記被測定電流に対する測定感度が低い大電流用センサ素子を有し、
    前記小電流測定器による測定電流値を前記大電流測定器による測定電流値に基づいて補正する補正手段を設けたことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記大電流用センサ素子は、磁気抵抗効果素子であって、
    前記大電流用センサ素子は、前記電流路に対する距離が、前記小電流用磁気抵抗効果素子と前記電流路との距離よりも離れて配置されていることを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
  3. 前記大電流用センサ素子は、磁気抵抗効果素子であって、
    前記大電流用センサ素子と前記電流路の間に磁気シールドを配設して、前記大電流用磁気抵抗効果素子に対する感度を低めたことを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
  4. 前記大電流用センサ素子は、磁気抵抗抵抗効果素子であって、
    前記大電流用センサ素子に対して前記電流路を流れる被測定電流の磁界の向きに抗う方向のハードバイアスを印加して、前記大電流用センサ素子に対する感度を低めたことを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
  5. 前記大電流用センサ素子は、磁気コアを有さないホール素子であることを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
  6. 前記大電流用センサ素子は、シャント抵抗であることを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
  7. 前記小電流用磁気抵抗効果素子の測定領域と前記大電流用センサ素子の測定領域とは、一部が重複するオーバーラップ領域を有し、前記補正手段は、前記オーバーラップ領域における前記小電流測定器による測定値と前記大電流測定器による測定値の差から補正値を求めることを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の電流センサ。
  8. 前記大電流測定器には、前記大電流用センサ素子の出力を増幅する第1の増幅器が設けられており、
    前記小電流測定器には、前記小電流用磁気抵抗効果素子の出力を増幅する第2の増幅器が設けられており、
    前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器は、B級プッシュプル増幅回路から構成されることを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の電流センサ。
  9. 前記大電流測定器には、前記大電流用センサ素子の出力を増幅する第1の増幅器が設けられており、
    前記小電流測定器には、前記小電流用磁気抵抗効果素子の出力を増幅する第2の増幅器が設けられており、
    前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器は、B級プッシュプル増幅回路から構成されることを特徴とする請求項7に記載の電流センサ。
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