JPWO2011145388A1 - セルフロッククラッチ - Google Patents
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Abstract
ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、軸部の端部を駆動軸の一端に対して第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、軸部と駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、ホイールギヤに作用する外力により軸部が第1軸芯に沿う方向に変位した場合に回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、軸部を第1軸芯の方向での中立位置に保持して回転体と制動部材とを離間させ、外力が作用する状態では、軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで回転体と制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構を備えるセルフロッククラッチ。
Description
本発明は、食い違い関係となる軸芯の一方に駆動側のウォームギヤを備え、軸芯の他方に従動側のホイールギヤをウォームギヤに咬合する状態で備えたギヤ伝動系において、特に、ウォームギヤの進み角が大きくウォームギヤ自体のセルフロック機能が期待しにくい諸元の場合に、ホイールギヤに外力が作用した際のホイールギヤの回転を阻止するセルフロッククラッチに関する。
上記のセルフロッククラッチに関連するものとして特許文献1には、モータの駆動力によって回転する駆動側回転体と、この駆動側回転体の回転力が当接によって伝えられる従動側回転体とが同軸芯上に配置された構成が示されている。このセルフロッククラッチは、これらを取り囲む位置に軸芯と同軸芯の円筒状となるクラッチハウジングを備え、駆動側回転体の回転力が接当によって伝えられるサポート部材に複数のローラ状の転動体を備えている。
特許文献1では、従動側回転体に一体的に形成された制御面の中央部とクラッチハウジング内面との距離を転動体の直径より少し大きく設定してある。この中央部から周方向に離れる部位では、クラッチハウジングの内面との距離を転動体の直径より短くしている。この制御面とクラッチハウジングの内面との間に転動体が配置され、クラッチハウジングは回転不能に支持されている。
このような構造からモータが駆動回転することにより、従動側回転体とサポート部材とが一体的に回転し、このサポート部材の回転により転動体が前記制御面の中央部の位置で回転する。そして、モータが停止している状態で従動側回転体に外部から回転力が作用した場合には、従動側回転体の回転に伴い制御面とクラッチハウジングの内面との間に転動体が挟み込まれる状態に達し、この回転が阻止される。
また、上記のように構成されたセルフロッククラッチに関連するものとして、特許文献2には別の構成を備えたセルフロッククラッチが開示されている。このセルフロッククラッチは、モータの駆動力によって回転する駆動側回転体を備え、この駆動側回転体と同軸芯上に従動回転体を備え、これらを取り囲む筒状形状となるリテーナを駆動側回転体と同軸芯上で備え、この従動回転体とリテーナとに駆動側回転体の回転力が当接によって伝える伝動構造を備え、更に、これらを取り囲む外側に外輪を備えている。
リテーナの複数のボール保持孔の夫々にスチールボールを支持することで、このスチールボールの外周に外輪が配置され、このスチールボールの内側に従動側回転体に一体的に形成された制御面が配置されるように位置関係が設定される。制御面は、外輪の内周面に対して径方向の間隔が回転方向に変化するように成形されている。
このような構造からモータが駆動回転することにより、従動側回転体とリテーナとが一体的に回転し、このリテーナの回転によりスチールボールが前記制御面の中央部の位置で回転する。そして、モータが停止している状態で従動側回転体に外部から回転力が作用した場合には、従動側回転体の回転に伴い制御面と外輪の内面との間に転動体が挟み込まれる状態に達し、この回転が阻止される。
特許文献1あるいは特許文献2に記載されるように、従動側回転体に外力が作用した場合に、ローラ状の転動体やスチールボールを従動体の制御面と円筒状のクラッチハウジング等の内面との間に挟み込むことでロック状態に達するものでは、外力の作用によって従動側回転体が僅かに回転してもロック状態に達して逆転を抑制し得るものである。
しかし、このような構成のものは高い精度が要求されるだけではなく、転動体やボールの外面と円筒状内面との接触によって回転を阻止するトルク(ロックトルク)を発生させるため、接触面積が狭く高負荷が作用した場合には滑りを発生させる虞があった。また、このように転動体やボールを用いる構成のもので大きいロックトルクを得るために大型化を招くものとなり改善の余地があった。
特に、転動体やボールを回転系と固定系との間に挟み込む構成では、転動体やボールが強力に挟み込まれた後に外力が低下した場合にも転動体やボールが回転系と固定系との間から分離し難い状況に達しロック解除不能に陥ることもあった。
また、アクチュエータで駆動されるウォームギヤの回転をホイールギヤに伝える減速系の伝動効率を高めるためにウォームギヤとして進み角の大きいものを用いることも考えられる。しかしながら、進み角の大きい減速系では、ホイールギヤに作用する外力によってウォームギヤの回転を招きやすく、このような点からも確実なロック状態を現出するセルフロッククラッチの望まれている。
本発明の目的は、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチを合理的に構成する点にある。
本発明の特徴は、食い違い関係となる第1軸芯と第2軸芯とのうち第1軸芯を中心に回転する駆動側のウォームギヤを備え、前記第2軸芯を中心に回転する従動側のホイールギヤを前記ウォームギヤに咬合する位置に備えると共に、
前記ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、前記軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が前記第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、前記軸部の端部を前記駆動軸の一端に対して前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、
前記軸部と前記駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、前記ホイールギヤに作用する外力により前記軸部が前記第1軸芯に沿う方向に変位した場合に前記回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、
前記ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、前記軸部を前記第1軸芯の方向での中立位置に保持して前記回転体と前記制動部材とを離間させ、前記外力が作用する状態では、前記軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで前記回転体と前記制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構が備えられている点にある。
前記ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、前記軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が前記第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、前記軸部の端部を前記駆動軸の一端に対して前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、
前記軸部と前記駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、前記ホイールギヤに作用する外力により前記軸部が前記第1軸芯に沿う方向に変位した場合に前記回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、
前記ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、前記軸部を前記第1軸芯の方向での中立位置に保持して前記回転体と前記制動部材とを離間させ、前記外力が作用する状態では、前記軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで前記回転体と前記制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構が備えられている点にある。
この構成によると、ウォームギヤの駆動力をホイールギヤに伝える際には、ガイド機構が軸部を中立位置に保持するため回転体を制動部材から離間させ夫々が接触せず良好な伝動状態を現出する。
また、例えば、ウォームギヤの回転が停止している状態で外力の作用でホイールギヤが回転した場合には、ガイド機構が、このホイールギヤの回転に伴いウォームギヤと軸部とが一体的に第1軸芯に沿う方向への変位を許す。この変位により軸部が中立位置から離れる方向へ移動して回転体が制動部材に接触する状態に達し、ウォームギヤの回転が阻止される。このように回転体と制動部材との相対位置の変化により制動力を作用させる状態を作り出すので、特許文献1や特許文献2のように制動力を発生させる部位を高精度に仕上げる加工を行わずとも、夫々の接触面の面積を広くして大きいロックトルクを得ることも可能となる。このことは進み角の大きいウォームギヤを用いて伝動効率を高める構成を採用しても確実なロック実現する。更に、駆動源に小容量の電動モータを備える構成を採用しても確実なロックにより電動モータに不要な外力を作用させないものにできる。
従って、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチが合理的に構成された。
また、例えば、ウォームギヤの回転が停止している状態で外力の作用でホイールギヤが回転した場合には、ガイド機構が、このホイールギヤの回転に伴いウォームギヤと軸部とが一体的に第1軸芯に沿う方向への変位を許す。この変位により軸部が中立位置から離れる方向へ移動して回転体が制動部材に接触する状態に達し、ウォームギヤの回転が阻止される。このように回転体と制動部材との相対位置の変化により制動力を作用させる状態を作り出すので、特許文献1や特許文献2のように制動力を発生させる部位を高精度に仕上げる加工を行わずとも、夫々の接触面の面積を広くして大きいロックトルクを得ることも可能となる。このことは進み角の大きいウォームギヤを用いて伝動効率を高める構成を採用しても確実なロック実現する。更に、駆動源に小容量の電動モータを備える構成を採用しても確実なロックにより電動モータに不要な外力を作用させないものにできる。
従って、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチが合理的に構成された。
本発明は、前記ガイド機構が、前記嵌合構造の部位において前記軸部と前記駆動軸との一方に前記駆動軸の回転方向を対角線とする平行四辺形に形成されたガイド辺を有する凹部と、この凹部に挿入されるように前記軸部と前記駆動軸との他方に突出形成されたガイド体とを備えて構成され、このガイド体が前記対角線上に存在する状態で前記軸部を前記中立位置に設定されても良い。
これによると、例えば、ホイールギヤが回転する方向と逆方向にホイールギヤを回転させる外力が作用した場合には、駆動軸と軸部とが相対回転するためガイド体がガイド辺に沿って移動することになり、この移動に伴い軸部が第1軸芯に沿う方向に変位する。この変位により回転体が制動部材に接触しホイールギヤの回転が阻止される。
本発明は、前記嵌合構造が、前記軸部の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記駆動軸の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が、前記第1軸芯の方向に離間して位置固定状態で備えられ、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記軸部に備えられても良い。
一対の前記制動部材が、前記第1軸芯の方向に離間して位置固定状態で備えられ、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記軸部に備えられても良い。
これによると、軸部の端部の孔部に駆動軸の端部が内嵌されることにより、軸部の端部が駆動軸によって支持される。また、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う何れの方向に変位した場合でも、軸部に備えた回転体が制動部材に接触する状態に達し、ロックトルクを得る。
本発明は、前記嵌合構造が、前記駆動軸の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記軸部の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が前記第1軸芯の方向に離間し、かつ、前記軸部の第1軸芯に沿う方向への変位と連係して移動自在に支持され、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記駆動軸に備えられても良い。
一対の前記制動部材が前記第1軸芯の方向に離間し、かつ、前記軸部の第1軸芯に沿う方向への変位と連係して移動自在に支持され、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記駆動軸に備えられても良い。
これによると、駆動軸の端部の孔部に軸部の端部が内嵌されることにより、軸部の端部が駆動軸によって支持される。また、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う何れか一方に変位した場合には、この変位に連係して制動部材が変位して回転体に接触する状態に達し、ロックトルクを得る。
本発明は、前記制動部材に、前記外力の作用によって前記軸部が変位する下流側ほど先すぼまりとなるように前記第1軸芯を中心とするホーン状の摩擦面が形成され、
前記回転体に、前記摩擦面に沿う形状の円錐状の接触面が外周部に形成されても良い。
前記回転体に、前記摩擦面に沿う形状の円錐状の接触面が外周部に形成されても良い。
これによると、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う方向に変位した場合には、制動部材の外周のホーン状の摩擦面に対して、回転体の外周の円錐状の接触面が接触する状態に達しロックトルクを得る。また、このようにホーン状(円錐内面状)の摩擦面に回転体の円錐状の接触面が接触する構成では、接触方向に変位するほど制動部材から回転体に対して外周から第1軸芯に向けて抱き込む方向にも力が作用することになり、大型化を招くことなく一層強力なロックトルクを得る。
本発明は、前記制動部材に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢の平坦な摩擦面が形成され、
前記回転体に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢で前記摩擦面に接触する接触面が形成されても良い。
前記回転体に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢で前記摩擦面に接触する接触面が形成されても良い。
これによると、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う方向に変位した場合には、制動部材の平坦な摩擦面に対して、回転体の接触面が接触する状態に達しロックトルクを得る。また、この構成では複雑化を招くことなく単純な構造でロックトルクを得る。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように本発明のセルフロッククラッチは、第1軸芯X1を中心に回転自在に支持されたウォームギヤ10と、第2軸芯X2を中心に回転自在に支持されたホイールギヤ20とで成るギヤ減速系を備えている。ウォームギヤ10は、第1軸芯X1に沿う方向に変位自在に支持され、外力の作用によってホイールギヤ20が回転した際にはウォームギヤ10の第1軸芯X1に沿う方向への変位に伴いウォームギヤ10に制動力を作用させて回転を阻止するロック機構30を備えている。このように構成されたセルフロッククラッチは、例えば、車両のドアガラスの上下に作動させる伝動系に備えられるものであり、その詳細を以下に説明する。
図1及び図2に示すように本発明のセルフロッククラッチは、第1軸芯X1を中心に回転自在に支持されたウォームギヤ10と、第2軸芯X2を中心に回転自在に支持されたホイールギヤ20とで成るギヤ減速系を備えている。ウォームギヤ10は、第1軸芯X1に沿う方向に変位自在に支持され、外力の作用によってホイールギヤ20が回転した際にはウォームギヤ10の第1軸芯X1に沿う方向への変位に伴いウォームギヤ10に制動力を作用させて回転を阻止するロック機構30を備えている。このように構成されたセルフロッククラッチは、例えば、車両のドアガラスの上下に作動させる伝動系に備えられるものであり、その詳細を以下に説明する。
〔ギヤ減速系〕
第1軸芯X1と第2軸芯X2とは互いに直交する方向で、食い違い関係に配置され、第1軸芯X1を中心に回転する駆動側のウォームギヤ10が備えられている。また、第2軸芯X2を中心に回転する従動側のホイールギヤ20がウォームギヤ10に咬合する位置関係で配置されている。そして、このウォームギヤ10とホイールギヤ20とでギヤ減速系が構成されている。
第1軸芯X1と第2軸芯X2とは互いに直交する方向で、食い違い関係に配置され、第1軸芯X1を中心に回転する駆動側のウォームギヤ10が備えられている。また、第2軸芯X2を中心に回転する従動側のホイールギヤ20がウォームギヤ10に咬合する位置関係で配置されている。そして、このウォームギヤ10とホイールギヤ20とでギヤ減速系が構成されている。
ウォームギヤ10には断面形状が円形となる一対の支持軸部11(軸部の一例)が形成される。この支持軸部11の一方の端部と、これと逆側の筒状部12とはラジアルボールベアリングで成る軸受13によって回転自在、かつ、この軸受13のインナーレースに対して第1軸芯X1に沿う方向に変位自在に支持されている。また、この支持軸部11の他方の端部(軸端)に筒状部12が一体回転するように備えられ、この筒状部12には第1軸芯X1と同軸芯の孔部12Aが形成されている。
支持軸部11と筒状部12とは別個に製造されたものである。支持軸部11の端部に断面形状が非円形(断面形状が円形であっても良い)となる嵌合片11Tが形成され、筒状部12には嵌合片11Tが嵌合する嵌合孔12Tが形成される。嵌合片11Tと嵌合孔12Tとを圧入等の技術で嵌合連結することにより、支持軸部11と筒状部12とが一体化されている。尚、このセルフロッククラッチでは、単一の素材を切削加工することで支持軸部11と筒状部12とを一体形成しても良い。更に、ウォームギヤ10と支持軸部11とを別個に製造し、ネジ式に連結されることや接着や溶接により一体化して形成しても良い。
アクチュエータとしての電動モータ15の回転力が伝えられる駆動軸16が第1軸芯X1と同軸芯に配置される。さらに、この駆動軸16がラジアルボールベアリングで成る軸受17と止め輪18とによって回転自在、かつ、第1軸芯X1に沿う方向に移動不能に支持されている。この駆動軸16が筒状部12に形成された孔部12Aに対して相対回転自在に内嵌しており、このように支持軸部11の筒状部12に駆動軸16が内嵌する構造を嵌合構造と称している。尚、軸受13と軸受17とは、このセルフロッククラッチの固定系のフレームに支持される。
前述した構成から、この嵌合構造の部位では、筒状部12と駆動軸16とが第1軸芯X1に沿う方向に相対移動自在に支持されると共に、筒状部12と駆動軸16とが第1軸芯X1を中心として相対回転自在に支持されることになる。これによりウォームギヤ10を第1軸芯X1に沿う方向への変位させる力が作用した場合には、支持軸部11と筒状部12とが一体的に第1軸芯X1に沿う方向に変位することになる。
駆動軸16に対して直径方向に貫通するガイド体としてガイドピン31が、その両端部が駆動軸16の外面から突出するように固設され、このガイドピン31の両端部が貫通する位置に凹部としてガイド開口32が筒状部12に形成されている。つまり、ガイドピン31とガイド開口32とでガイド機構が構成されている。この実施形態では、ガイド開口32を2組備えるものであるが、ガイドピン31とガイド開口32とを1組だけ備えてガイド機構を構成しても良い。
ガイド開口32は、図2及び図3に示すように、駆動軸16の回転方向(支持軸部11の回転方向でも同様)に沿う方向を対角線とする平行四辺形となるガイド辺を有する凹部の一例である。この対角線上にガイドピン31が位置する状態で支持軸部11が第1軸芯X1に沿う方向での中立位置Nに維持される。
ガイド機構は、駆動軸16の駆動力を支持軸部11に伝えるための伝動機構としても機能するものである。駆動軸16の回転力はガイドピン31からガイド開口32に伝えられ、更に、筒状部12、ウォームギヤ10、ホイールギヤ20夫々に順次伝えられ、減速された回転力をホイールギヤ20の出力軸21から取り出せるようにしている。
このセルフロッククラッチでは、電動モータ15の回転駆動力をウォームギヤ10からホイールギヤ20に対して適正に伝える定常状態で駆動する場合においては、図1〜図3に示すように、ガイドピン31が中立位置Nに保持される。図2及び図3にはロック位置Lを示しており、ガイドピン31がロック位置Lに達した状態では、ロック機構30が筒状部12に対して制動力を作用させることになる。また、中立位置Nと一対のロック位置Lとは第1軸芯X1に直交する姿勢の仮想平面上に存在する。
ガイド開口32は、図3に示すように、前述した中立位置Nが存在する仮想平面と交わる位置の2つの主頂点32Nと、前述したロック位置Lが存在する2つの仮想平面と交わる位置の2つの副頂点32Lとを有する平行四辺形となる形状を有している。本発明ではガイド開口32を菱形に形成するものを除外するものではない。ガイド開口32を菱形に形成した場合は、2つの対角線の1つが中立位置Nに一致するように形成される。
ガイド開口32の4つのガイド辺のうち短辺と、第1軸芯X1と平行する基準ラインX1’との角度がθ1に設定され、4つのガイド辺のうち長辺と、第1軸芯X1と平行する基準ラインX1’との角度がθ2に設定されている。また、角度θ1は角度θ2より小さい角度に設定されている。
ガイド開口32は、外力の作用によってホイールギヤ20が回転した場合に、支持軸部11の変位に伴いガイドピン31をロック位置Lまで相対移動させ得る形状に成形されている。特に、後述するように制動プレート35の摩擦面35Sに対して回転体36の接触面36Sを接触させて確実な制動力を得るため、ガイドピン31がロック位置Lに達した場合に、このガイドピン31はガイド開口32の開口縁には接触せず、開口縁から少し浮き上がる状態となる。
〔ロック機構〕
第1軸芯X1に沿う方向で筒状部12の両端部の近傍に制動部材として制動プレート35が位置固定状態で配置される。この一対の制動プレート35により第1軸芯X1に沿う方向で挟まれる領域に回転体36が配置されている。この回転体36は筒状部12において第1軸芯X1に沿う方向での両端部に一体的に形成されている。
第1軸芯X1に沿う方向で筒状部12の両端部の近傍に制動部材として制動プレート35が位置固定状態で配置される。この一対の制動プレート35により第1軸芯X1に沿う方向で挟まれる領域に回転体36が配置されている。この回転体36は筒状部12において第1軸芯X1に沿う方向での両端部に一体的に形成されている。
一対の制動プレート35はスペーサ37により相対的な位置関係が維持される。この一対の制動プレート35はスペーサ37を介して、セルフロッククラッチの固定系のフレームに支持される。このように、この一対の制動プレート35と、一対の回転体36と、前述したガイド機構とによって本発明のロック機構が構成されている。
制動プレート35は、全体的にディスク状であり、支持軸部11が中立位置Nから離間する方向の下流側ほど先すぼまりとなるように第1軸芯X1を中心とするホーン状の摩擦面35Sが形成されている。これに対応して回転体36がフランジ状となるように筒状部12に形成され、その外周部には、ホーン状の摩擦面35Sに接触するように第1軸芯X1を中心とする円錐状の接触面36Sが形成されている。
制動プレート35の摩擦面35Sに対して第1軸芯X1の方向(中心側)に連なる位置に、第1軸芯X1に対して直交する姿勢の縦壁35Tが形成されている。また、回転体36の接触面36Sの小径側において、前述した縦壁35Tに対向する位置に、第1軸芯X1に対して直交する姿勢の端壁36Tが形成されている。
このような構成から、筒状部12(支持軸部11)が中立位置Nを基準にして第1軸芯X1に沿う方向の何れに変位した場合にも、ガイドピン31がロック位置Lに達した状態では、制動プレート35の摩擦面35Sに対して回転体36の接触面36Sが接触する状態に達する。このように摩擦面35Sに対して接触面36Sが接触する状態においては、制動プレート35の縦壁35Tと回転体36の端壁36Tとは離間するように形状を設定しており、摩擦面35Sと接触面36Sとを確実に接触させて良好な摩擦力を得るようにしている。
本発明のセルフロッククラッチでは、制動プレート35と、回転体36とは金属材で製造されるものを想定しているが、一方又は双方を樹脂で製造しても良い。特に、摩擦面35Sと接触面36Sとの接触時に良好なロック状態を現出するために、夫々が粗面に仕上げられても良い。また、一対の制動プレート35をセルフロッククラッチのフレーム等固定系に支持することでスペーサ37を備えないで構成しても良い。
〔ロック作動〕
このセルフロッククラッチでは、前述したように電動モータ15の駆動力をガイドピン31から支持軸部11に伝えてウォームギヤ10を駆動回転させ、更にホイールギヤ20を回転させることになる。このようにウォームギヤ10でホイールギヤ20を定常状態で駆動する際には、図3に示す如く、ガイドピン31がガイド開口32の開口縁のうち主頂点32Nの位置で安定することになる。よって、ガイドピン31(支持軸部11)は、中立位置Nに保持され、回転体36の接触面36Sが制動プレート35の摩擦面35Sに接触することはない。
このセルフロッククラッチでは、前述したように電動モータ15の駆動力をガイドピン31から支持軸部11に伝えてウォームギヤ10を駆動回転させ、更にホイールギヤ20を回転させることになる。このようにウォームギヤ10でホイールギヤ20を定常状態で駆動する際には、図3に示す如く、ガイドピン31がガイド開口32の開口縁のうち主頂点32Nの位置で安定することになる。よって、ガイドピン31(支持軸部11)は、中立位置Nに保持され、回転体36の接触面36Sが制動プレート35の摩擦面35Sに接触することはない。
そして、例えば、電動モータ15の回転が停止した状態で外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、筒状部12が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って相対移動しロック位置Lに達する。このようにガイドピン31がロック位置Lに達することで図4〜図6に示す如く、回転体36の接触面36Sが制動プレート35の摩擦面35Sに接触して制動力を発生させる。こうして大きいロックトルクを発生させることにより、支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
特に、このセルフロッククラッチは、ホイールギヤ20に負荷が作用する状況下で電動モータ15からの駆動力で図1に示す方向に支持軸部11が回転している状態(例えば、ドアガラスを上昇作動させる状態)では、ホイールギヤ20に対して逆トルク(負荷)が常に作用する。このような場合には、支持軸部11を引き出す方向にスラスト力が作用するとともに、進み角が大きいウォームギヤ10では、この進み角に応じた逆回転トルクが支持軸部11に作用する。
このとき、逆トルクによるスラスト力は、ガイドピン31が短辺上を滑ってロック位置Lの方向(図1、図2では右方向)に相対移動させる力として働く。同時に作用する逆回転トルクは短辺上でガイドピン31を中立位置Nの方向(図1、図2では上方向)に相対移動させる力として働く。尚、外力の作用により支持軸部11が第1軸芯X1に沿う方向に移動する際には、ガイドピン31が第1軸芯X1に沿う方向で位置固定状態にあり、ガイド開口32が第1軸芯X1に沿う方向に移動する。この結果、ガイド開口32に対して見掛け上でガイドピン31が移動する。この移動を相対移動と称している。
これにより、逆トルクが作用する状況では、逆入力による逆回転トルクと電動モータ15の駆動による回転トルクがともにロック解除力として働くため、ガイドピン31は中立位置Nに安定的に保持されるのである。
そして、電動モータ15の回転を緩め、この電動モータ15の駆動力に対してホイールギヤ20に作用する逆トルク(負荷)が勝ってきた場合には、モータ駆動トルクによるロック解除力だけではガイドピン31を中立位置Nに保持する力として不足してくる。このため、ガイド開口32の短辺とガイドピン31とが摺接しながら支持軸部11が左方向に移動する。その結果、ガイドピン31が右側のロック位置Lに達し、回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させ、摩擦力による確実なロック状態に達する。
ここで、短辺の角度θ1(図3参照)を小さくすればガイドピン31が右側のロック位置Lの方向に相対移動し易くなる。角度θ1を大きくすれば右側のロック方向には相対移動し難くなり、中立位置Nに相対移動し易くなる。これとは逆に、ホイールギヤ20に対して順トルクが増大して作用する場合には次のように作用する。これは、例えば、ドアガラスを下降作動させている状態で更にドアガラスに対して下げ方向の外力が加わったような場合である。
図1においては、電動モータ15が白矢印と反対方向に回転している状態にあり、ガイドピン31は、ガイド開口32の下側の中立位置Nにある。この状態から更なる外力が加わると、支持軸部11には引き出し方向にスラスト力が作用する。ウォームギヤ10の進み角が大きい場合には、この進み角に応じた順回転トルクが支持軸部11に加えられる。この結果、ガイドピン31とガイド開口32の長辺とが摺接した状態で支持軸部11が左側に移動し、ガイドピン31が図2中の右側のロック位置Lに相対移動する。この相対移動により制動プレート35の摩擦面35Sに対して回転体36の接触面36Sが接触する状態に達し、支持軸部11の回転が一時停止する。このように、電動モータ15がドアガラスを下げ駆動している場合でも、上記押し下げ外力が作用した場合には支持軸部11の回転が停止され、電動モータ15が破損する等の不都合の発生を有効に防止することができる。
筒状部12に形成したガイド開口32は左右非対称に形成してある。これは以下の理由による。例えば、今、図1のように定常状態で回転している電動モータ15が停止する場合を想定する。このとき、ホイールギヤ20には時計方向のトルクが作用しており、支持軸部11の回転停止に伴ってホイールギヤ20は支持軸部11を図1に示す左側に引き出そうとする。よって、ガイドピン31は、まず、右向きに相対移動しようとする。これと同時に、ホイールギヤ20によってウォームギヤ10が、図1中の白抜き矢印の方向とは反対方向への回転を強いられる。この力と、上記引き出し方向の力とが支持軸部11には作用するから、ガイドピン31には反力が作用し、図3に示したように右上向きの合力F1を伴って相対移動しようとする。この結果、ガイドピン31はガイド開口32の短辺上を滑って右側の副頂点32Lに到達する。
一方、図1のように電動モータ15が定常状態で回転している際に、さらにホイールギヤ20の回転を加速する外力が作用した場合を想定する。このとき、ホイールギヤ20には反時計方向のトルクが作用し、支持軸部11は図1に示す右側に押し込まれる。よって、ガイドピン31は、まず左向きに相対移動しようとする。同時に、ホイールギヤ20によってウォームギヤ10の回転が、図1中の白抜き矢印の方向に加速される。この加速される力と、上記押し込み方向の力とが支持軸部11には作用するから、その反力としてガイドピン31は、図3に示したように左下向きの合力F2を伴って相対移動しようとする。この結果、ガイドピン31はガイド開口32の長辺上を滑って左側の副頂点32Lに到達する。
本セルフロッククラッチでは、電動モータ15が定常状態で回転している状態から上記停止或いは加速が行なわれた場合に、トルク変動が略同じであれば、ガイドピン31が左右何れにも同じ相対移動特性を備えるように構成してある。つまり、ガイド開口32の短辺の角度θ1と長辺の角度θ2とを図3のように設定し、合力F1と短辺とのなす角度α1と、合力F2と長辺とのなす角度α2とを略等しく設定してある。これにより、ガイドピン31に対して左右何れの方向に力が加わっても、ガイドピン31が短辺上を滑る際の抵抗力と、長辺上を滑る際の抵抗力とが略等しくなるように設定してある。
〔ロック位置からの離脱〕
上記構成であれば、ガイドピン31が左右のロック位置Lから離脱し、中立位置Nに相対移動する際にも、左右の特性が略同じとなる。例えば、支持軸部11が引き出されようとする状態でロックしている場合には、ガイドピン31にはガイド開口32から左下向きの力F2が作用し続けている。この状態から、支持軸部11を負荷の大きい方に再度回転させる場合には、支持軸部11を上側に移動(回転)させるため、電動モータ15を図1中の白抜き矢印の方向に回転駆動する。このとき、ガイドピン31は短辺に沿って中立位置Nに戻る必要がある。ガイドピン31には反力F1が生じているから、ガイドピン31をロック位置から離脱させようとする力は、合力F1及び合力F1と短辺とのなす角度α1に基づいて決定される。
上記構成であれば、ガイドピン31が左右のロック位置Lから離脱し、中立位置Nに相対移動する際にも、左右の特性が略同じとなる。例えば、支持軸部11が引き出されようとする状態でロックしている場合には、ガイドピン31にはガイド開口32から左下向きの力F2が作用し続けている。この状態から、支持軸部11を負荷の大きい方に再度回転させる場合には、支持軸部11を上側に移動(回転)させるため、電動モータ15を図1中の白抜き矢印の方向に回転駆動する。このとき、ガイドピン31は短辺に沿って中立位置Nに戻る必要がある。ガイドピン31には反力F1が生じているから、ガイドピン31をロック位置から離脱させようとする力は、合力F1及び合力F1と短辺とのなす角度α1に基づいて決定される。
一方、電動モータ15が図1中の白抜き矢印とは反対方向に回転駆動しているときに、支持軸部11に一時的に加速が加わり、支持軸部11が引き出されようとする状態で左側にロックしている場合には、ガイドピン31には右上向きの反力F1が生じている。しかし、この状態から、一時的な外力の作用が弱まり、再び電動モータ15の駆動力が勝ってきた場合には、ガイドピン31はガイド開口32の長辺上を滑って下側の中立位置Nに移動を始める。このとき、ガイドピン31をロック位置から離脱させようとする力は、合力F1及び合力F1と長辺とのなす角度α2に基づいて決定される。
因みに、ガイド開口32が、その対角線が第1軸心X1とこれに直角な方向とに向く菱形であるものを想定すると、長辺と短辺との区別がなくなり、ウォームギヤ10の進み角による回転トルクの影響を考慮しないものとなる。このような場合には、モータ回転方向に対しホイールギヤ20に順トルクが作用する側へのロックが入り易く、順トルクが弱くなってもロック解除し難い。電動モータ15の回転方向に対して逆トルクが作用する側にはロックが入り難くなり、逆トルクが弱くなると容易にロック解除する。ホイールギヤ20に作用するトルクが変動するとき、トルクの方向によってロックの入り方に差が生ずる。
このような現象に対して、前述したように基準ラインX1’に対して短辺の角度θ1を長辺の角度θ2より小さく設定することにより、逆トルクも順トルクも等しいトルク(絶対値が等しいトルク)でロック状態にするようにしている。
〔実施形態の作用・効果〕
このように本発明のセルフロッククラッチでは、電動モータ15を停止した状態であっても、電動モータ15が稼働する状況にあっても、外部の作用によってホイールギヤ20が回転した場合には、その回転力でウォームギヤ10を第1軸芯X1に沿う方向に変位させる。この変位に伴い回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させるため、比較的広い面での摩擦力により大きいロックトルクを得ながら確実なロック状態を現出する。
このように本発明のセルフロッククラッチでは、電動モータ15を停止した状態であっても、電動モータ15が稼働する状況にあっても、外部の作用によってホイールギヤ20が回転した場合には、その回転力でウォームギヤ10を第1軸芯X1に沿う方向に変位させる。この変位に伴い回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させるため、比較的広い面での摩擦力により大きいロックトルクを得ながら確実なロック状態を現出する。
また、電動モータ15の稼動時にロック状態に達する際には、制動プレート35の摩擦面35Sに対して、回転状態の回転体36の接触面36Sが接触するため異音を発生させることがない。これとは逆にロック状態に達した後にロック状態から離脱する際には、摩擦面35Sから接触面36Sを離脱させる作動形態であるため、例えば、前述した特許文献1や特許文献2等の転動体やボールを挟み込む形態でロックを行うものと比較して、ロック解除も円滑に行える。
回転体36が接触方向に変位するほど制動プレート35のホーン状の摩擦面35Sから回転体36の円錐状の接触面36Sに対して外周から第1軸芯X1の方向に向けて抱き込む力が作用して大きいロックトルクを得るためロック機構30の大型化を招くことがない。更に、伝動効率を高くするように進み角の大きいウォームギヤを用いた減速系を構成することが可能となり、また、電動モータ15も小容量のもので済む。
特に、ガイド開口32の形状を平行四辺形に設定することにより、逆トルクが作用した場合と、順トルクが作用した場合とで、ガイドピン31に作用する滑り方向の分力を調節できるように構成されている。そして、電動モータ15が作動している状況で逆トルクが作用してロック状態に達する際の逆トルクの絶対値と、順トルクが作用してロック状態に達する際の順トルクの絶対値とを等しくすることにより、ロック作動のバランスを良くしている。
〔別実施形態〕
この別実施形態では前述した実施形態と同じ機能を有するものについて共通する番号・符号を付している。
この別実施形態では前述した実施形態と同じ機能を有するものについて共通する番号・符号を付している。
(a)図7に示すように、ウォームギヤ10とホイールギヤ20とで成る減速系を備え、ウォームギヤ10の支持軸部11と駆動軸16との支持形態が前述した実施形態と共通する。嵌合構造として駆動軸16に一体形成された大径部19に第1軸芯X1と同軸芯で孔部19Aが形成され、この孔部19Aに対し、支持軸部11の端部が内嵌している。これにより、この嵌合構造では、支持軸部11と大径部19とが第1軸芯X1に沿う方向に相対移動自在に支持されると共に、支持軸部11と大径部19とが第1軸芯X1を中心として相対回転自在に支持される。
支持軸部11に直径方向にガイドピン31を貫通して備え、大径部19にはガイドピン31の両端部に対応してガイド開口32を形成してガイド機構を構成している。このガイド開口32の形状は実施形態と同様に平行四辺形に成形されている。また、大径部19の第1軸芯X1の方向での両端部に回転体36を形成する。この回転体36を挟み込む位置に2つの制動プレート35を第1軸芯X1に沿う方向に移動自在に支持し、この2つの制動プレート35と支持軸部11とを第1軸芯X1に沿う方向に一体的にシフトさせる連動部を備えている。
2つの制動プレート35はスペーサ37によって連結されると共に、スペーサ37が第1軸芯X1と平行姿勢のガイド軸38に沿って移動自在、かつ、回転不能に支持されている。連係部は、支持軸部11に対して止め輪41により位置固定状態に備えられた軸受42とこの軸受42を制動プレート35に連結するサポートブロック43とで構成されている。尚、ガイド軸38はセルフロッククラッチの固定系のフレームに支持される。
このような構成から、外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って移動しロック位置に達する。これにより、連係部を介して制動プレート35が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、制動プレート35の摩擦面35Sが回転体36の接触面36Sを接触させ、大きいロックトルクを発生させて支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
(b)図8に示すように、ウォームギヤ10とホイールギヤ20とで成る減速系を備え、ウォームギヤ10の支持軸部11と駆動軸16との支持形態が前述した実施形態と共通し、嵌合構造が実施形態と共通する。ロック機構30として、支持軸部11のうち筒状部12と反対側の端部側に一対の制動プレート35を備え、この2つの制動プレート35に挟まれる領域に支持軸部11と一体回転するよう回転体36を備えている。
このような構成から、外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って移動しロック位置Lに達する。これにより、回転体36が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、この回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させ、大きいロックトルクを発生させて支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
(c)図9に示すように、ウォームギヤ10とホイールギヤ20とで成る減速系を備え、ウォームギヤ10の支持軸部11と駆動軸16との支持形態が前述した実施形態と共通し、嵌合構造が実施形態と共通する。ロック機構30として、筒状部12の近傍位置に一対の制動プレート35を備え、この一対の制動プレート35に挟まれる領域に筒状部12と一体的に回転する平坦な回転体36を備える。特に、この別実施形態(c)では、制動プレート35には第1軸芯X1と直交する姿勢の摩擦面35Sを形成し、回転体36には第1軸芯X1と直交する姿勢の接触面36Sを形成しており、ロック機構30の構造の単純化が図られている。
このような構成から、外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って移動しロック位置Lに達する。これにより、回転体36が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、この回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させ、大きいロックトルクを発生させて支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
特に、この別実施形態(c)のように、ロック機構30として、摩擦面35Sと接触面36Sとを平坦に形成した構成を別実施形態(a)や別実施形態(b)のロック機構30に代えて備えるように構成しても良い。
(d)図10に示すように、嵌合構造として、支持軸部11の筒状部12の孔部12Aに対して駆動軸16が内嵌するものにおいて、ガイド開口32を駆動軸16の外面に凹状に形成し、このガイド開口32に係入するガイドピン31を筒状部12の孔部12Aに突出するように備えることでガイド機構を構成する。この別実施形態(d)においても、実施形態と同様にガイド開口32は平行四辺形に形成されている。
特に、嵌合部として、図7に示す如く駆動軸16に一体形成された大径部19の孔部19Aに支持軸部11が内嵌する構成のものに、この別実施形態(d)の構成を適用しても良い。この場合、支持軸部11の外面にガイド開口32を形成し、大径部19の孔部19Aに突出するように備えることになる。
本発明は、ウォームギヤの回転力をホイールギヤに伝える減速系において、この減速系自体のセルフロック機能に頼ることなく高いロックトルクを必要とする伝動系全般に利用することができる。
10 ウォームギヤ
11 軸部(制御軸部)
12A 孔部
15 アクチュエータ(電動モータ)
16 駆動軸
19A 孔部
20 ホイールギヤ
31 ガイド体(ガイドピン)
32 ガイド開口(凹部)
35 制動部材(制動プレート)
35S 摩擦面
36 回転体
36S 接触面
N 中立位置
X1 第1軸芯
X2 第2軸芯
L ロック位置
11 軸部(制御軸部)
12A 孔部
15 アクチュエータ(電動モータ)
16 駆動軸
19A 孔部
20 ホイールギヤ
31 ガイド体(ガイドピン)
32 ガイド開口(凹部)
35 制動部材(制動プレート)
35S 摩擦面
36 回転体
36S 接触面
N 中立位置
X1 第1軸芯
X2 第2軸芯
L ロック位置
本発明は、食い違い関係となる軸芯の一方に駆動側のウォームギヤを備え、軸芯の他方に従動側のホイールギヤをウォームギヤに咬合する状態で備えたギヤ伝動系において、特に、ウォームギヤの進み角が大きくウォームギヤ自体のセルフロック機能が期待しにくい諸元の場合に、ホイールギヤに外力が作用した際のホイールギヤの回転を阻止するセルフロッククラッチに関する。
上記のセルフロッククラッチに関連するものとして特許文献1には、モータの駆動力によって回転する駆動側回転体と、この駆動側回転体の回転力が当接によって伝えられる従動側回転体とが同軸芯上に配置された構成が示されている。このセルフロッククラッチは、これらを取り囲む位置に軸芯と同軸芯の円筒状となるクラッチハウジングを備え、駆動側回転体の回転力が接当によって伝えられるサポート部材に複数のローラ状の転動体を備えている。
特許文献1では、従動側回転体に一体的に形成された制御面の中央部とクラッチハウジング内面との距離を転動体の直径より少し大きく設定してある。この中央部から周方向に離れる部位では、クラッチハウジングの内面との距離を転動体の直径より短くしている。この制御面とクラッチハウジングの内面との間に転動体が配置され、クラッチハウジングは回転不能に支持されている。
このような構造からモータが駆動回転することにより、従動側回転体とサポート部材とが一体的に回転し、このサポート部材の回転により転動体が前記制御面の中央部の位置で回転する。そして、モータが停止している状態で従動側回転体に外部から回転力が作用した場合には、従動側回転体の回転に伴い制御面とクラッチハウジングの内面との間に転動体が挟み込まれる状態に達し、この回転が阻止される。
また、上記のように構成されたセルフロッククラッチに関連するものとして、特許文献2には別の構成を備えたセルフロッククラッチが開示されている。このセルフロッククラッチは、モータの駆動力によって回転する駆動側回転体を備え、この駆動側回転体と同軸芯上に従動回転体を備え、これらを取り囲む筒状形状となるリテーナを駆動側回転体と同軸芯上で備え、この従動回転体とリテーナとに駆動側回転体の回転力が当接によって伝える伝動構造を備え、更に、これらを取り囲む外側に外輪を備えている。
リテーナの複数のボール保持孔の夫々にスチールボールを支持することで、このスチールボールの外周に外輪が配置され、このスチールボールの内側に従動側回転体に一体的に形成された制御面が配置されるように位置関係が設定される。制御面は、外輪の内周面に対して径方向の間隔が回転方向に変化するように成形されている。
このような構造からモータが駆動回転することにより、従動側回転体とリテーナとが一体的に回転し、このリテーナの回転によりスチールボールが前記制御面の中央部の位置で回転する。そして、モータが停止している状態で従動側回転体に外部から回転力が作用した場合には、従動側回転体の回転に伴い制御面と外輪の内面との間に転動体が挟み込まれる状態に達し、この回転が阻止される。
特許文献1あるいは特許文献2に記載されるように、従動側回転体に外力が作用した場合に、ローラ状の転動体やスチールボールを従動体の制御面と円筒状のクラッチハウジング等の内面との間に挟み込むことでロック状態に達するものでは、外力の作用によって従動側回転体が僅かに回転してもロック状態に達して逆転を抑制し得るものである。
しかし、このような構成のものは高い精度が要求されるだけではなく、転動体やボールの外面と円筒状内面との接触によって回転を阻止するトルク(ロックトルク)を発生させるため、接触面積が狭く高負荷が作用した場合には滑りを発生させる虞があった。また、このように転動体やボールを用いる構成のもので大きいロックトルクを得るために大型化を招くものとなり改善の余地があった。
特に、転動体やボールを回転系と固定系との間に挟み込む構成では、転動体やボールが強力に挟み込まれた後に外力が低下した場合にも転動体やボールが回転系と固定系との間から分離し難い状況に達しロック解除不能に陥ることもあった。
また、アクチュエータで駆動されるウォームギヤの回転をホイールギヤに伝える減速系の伝動効率を高めるためにウォームギヤとして進み角の大きいものを用いることも考えられる。しかしながら、進み角の大きい減速系では、ホイールギヤに作用する外力によってウォームギヤの回転を招きやすく、このような点からも確実なロック状態を現出するセルフロッククラッチが望まれている。
本発明の目的は、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチを合理的に構成する点にある。
本発明の特徴は、食い違い関係となる第1軸芯と第2軸芯とのうち第1軸芯を中心に回転する駆動側のウォームギヤを備え、前記第2軸芯を中心に回転する従動側のホイールギヤを前記ウォームギヤに咬合する位置に備えると共に、
前記ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、前記軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が前記第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、前記軸部の端部を前記駆動軸の一端に対して前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、
前記軸部と前記駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、前記ホイールギヤに作用する外力により前記軸部が前記第1軸芯に沿う方向に変位した場合に前記回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、
前記ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、前記軸部を前記第1軸芯の方向での中立位置に保持して前記回転体と前記制動部材とを離間させ、前記外力が作用する状態では、前記軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで前記回転体と前記制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構が備えられ、
前記嵌合構造が、前記軸部の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記駆動軸の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が、前記第1軸芯の方向に離間して位置固定状態で備えられ、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記軸部に備えられている点にある。
前記ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、前記軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が前記第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、前記軸部の端部を前記駆動軸の一端に対して前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、
前記軸部と前記駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、前記ホイールギヤに作用する外力により前記軸部が前記第1軸芯に沿う方向に変位した場合に前記回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、
前記ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、前記軸部を前記第1軸芯の方向での中立位置に保持して前記回転体と前記制動部材とを離間させ、前記外力が作用する状態では、前記軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで前記回転体と前記制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構が備えられ、
前記嵌合構造が、前記軸部の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記駆動軸の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が、前記第1軸芯の方向に離間して位置固定状態で備えられ、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記軸部に備えられている点にある。
この構成によると、ウォームギヤの駆動力をホイールギヤに伝える際には、ガイド機構が軸部を中立位置に保持するため回転体を制動部材から離間させ夫々が接触せず良好な伝動状態を現出する。
また、例えば、ウォームギヤの回転が停止している状態で外力の作用でホイールギヤが回転した場合には、ガイド機構が、このホイールギヤの回転に伴いウォームギヤと軸部とが一体的に第1軸芯に沿う方向への変位を許す。この変位により軸部が中立位置から離れる方向へ移動して回転体が制動部材に接触する状態に達し、ウォームギヤの回転が阻止される。このように回転体と制動部材との相対位置の変化により制動力を作用させる状態を作り出すので、特許文献1や特許文献2のように制動力を発生させる部位を高精度に仕上げる加工を行わずとも、夫々の接触面の面積を広くして大きいロックトルクを得ることも可能となる。このことは進み角の大きいウォームギヤを用いて伝動効率を高める構成を採用しても確実なロック実現する。更に、駆動源に小容量の電動モータを備える構成を採用しても確実なロックにより電動モータに不要な外力を作用させないものにできる。
加えて、軸部の端部の孔部に駆動軸の端部が内嵌されることにより、軸部の端部が駆動軸によって支持される。また、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う何れの方向に変位した場合でも、軸部に備えた回転体が制動部材に接触する状態に達し、ロックトルクを得る。
従って、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチが合理的に構成された。
また、例えば、ウォームギヤの回転が停止している状態で外力の作用でホイールギヤが回転した場合には、ガイド機構が、このホイールギヤの回転に伴いウォームギヤと軸部とが一体的に第1軸芯に沿う方向への変位を許す。この変位により軸部が中立位置から離れる方向へ移動して回転体が制動部材に接触する状態に達し、ウォームギヤの回転が阻止される。このように回転体と制動部材との相対位置の変化により制動力を作用させる状態を作り出すので、特許文献1や特許文献2のように制動力を発生させる部位を高精度に仕上げる加工を行わずとも、夫々の接触面の面積を広くして大きいロックトルクを得ることも可能となる。このことは進み角の大きいウォームギヤを用いて伝動効率を高める構成を採用しても確実なロック実現する。更に、駆動源に小容量の電動モータを備える構成を採用しても確実なロックにより電動モータに不要な外力を作用させないものにできる。
加えて、軸部の端部の孔部に駆動軸の端部が内嵌されることにより、軸部の端部が駆動軸によって支持される。また、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う何れの方向に変位した場合でも、軸部に備えた回転体が制動部材に接触する状態に達し、ロックトルクを得る。
従って、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチが合理的に構成された。
本発明の特徴は、食い違い関係となる第1軸芯と第2軸芯とのうち第1軸芯を中心に回転する駆動側のウォームギヤを備え、前記第2軸芯を中心に回転する従動側のホイールギヤを前記ウォームギヤに咬合する位置に備えると共に、
前記ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、前記軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が前記第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、前記軸部の端部を前記駆動軸の一端に対して前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、
前記軸部と前記駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、前記ホイールギヤに作用する外力により前記軸部が前記第1軸芯に沿う方向に変位した場合に前記回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、
前記ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、前記軸部を前記第1軸芯の方向での中立位置に保持して前記回転体と前記制動部材とを離間させ、前記外力が作用する状態では、前記軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで前記回転体と前記制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構が備えられ、
前記嵌合構造が、前記駆動軸の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記軸部の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が前記第1軸芯の方向に離間し、かつ、前記軸部の第1軸芯に沿う方向への変位と連係して移動自在に支持され、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記駆動軸に備えられている点にある。
前記ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、前記軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が前記第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、前記軸部の端部を前記駆動軸の一端に対して前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、
前記軸部と前記駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、前記ホイールギヤに作用する外力により前記軸部が前記第1軸芯に沿う方向に変位した場合に前記回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、
前記ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、前記軸部を前記第1軸芯の方向での中立位置に保持して前記回転体と前記制動部材とを離間させ、前記外力が作用する状態では、前記軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで前記回転体と前記制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構が備えられ、
前記嵌合構造が、前記駆動軸の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記軸部の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が前記第1軸芯の方向に離間し、かつ、前記軸部の第1軸芯に沿う方向への変位と連係して移動自在に支持され、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記駆動軸に備えられている点にある。
この構成によると、ウォームギヤの駆動力をホイールギヤに伝える際には、ガイド機構が軸部を中立位置に保持するため回転体を制動部材から離間させ夫々が接触せず良好な伝動状態を現出する。
また、例えば、ウォームギヤの回転が停止している状態で外力の作用でホイールギヤが回転した場合には、ガイド機構が、このホイールギヤの回転に伴いウォームギヤと軸部とが一体的に第1軸芯に沿う方向への変位を許す。この変位により軸部が中立位置から離れる方向へ移動して回転体が制動部材に接触する状態に達し、ウォームギヤの回転が阻止される。このように回転体と制動部材との相対位置の変化により制動力を作用させる状態を作り出すので、特許文献1や特許文献2のように制動力を発生させる部位を高精度に仕上げる加工を行わずとも、夫々の接触面の面積を広くして大きいロックトルクを得ることも可能となる。このことは進み角の大きいウォームギヤを用いて伝動効率を高める構成を採用しても確実なロック実現する。更に、駆動源に小容量の電動モータを備える構成を採用しても確実なロックにより電動モータに不要な外力を作用させないものにできる。
加えて、駆動軸の端部の孔部に軸部の端部が内嵌されることにより、軸部の端部が駆動軸によって支持される。また、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う何れか一方に変位した場合には、この変位に連係して制動部材が変位して回転体に接触する状態に達し、ロックトルクを得る。
従って、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチが合理的に構成された。
また、例えば、ウォームギヤの回転が停止している状態で外力の作用でホイールギヤが回転した場合には、ガイド機構が、このホイールギヤの回転に伴いウォームギヤと軸部とが一体的に第1軸芯に沿う方向への変位を許す。この変位により軸部が中立位置から離れる方向へ移動して回転体が制動部材に接触する状態に達し、ウォームギヤの回転が阻止される。このように回転体と制動部材との相対位置の変化により制動力を作用させる状態を作り出すので、特許文献1や特許文献2のように制動力を発生させる部位を高精度に仕上げる加工を行わずとも、夫々の接触面の面積を広くして大きいロックトルクを得ることも可能となる。このことは進み角の大きいウォームギヤを用いて伝動効率を高める構成を採用しても確実なロック実現する。更に、駆動源に小容量の電動モータを備える構成を採用しても確実なロックにより電動モータに不要な外力を作用させないものにできる。
加えて、駆動軸の端部の孔部に軸部の端部が内嵌されることにより、軸部の端部が駆動軸によって支持される。また、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う何れか一方に変位した場合には、この変位に連係して制動部材が変位して回転体に接触する状態に達し、ロックトルクを得る。
従って、伝動効率が高いウォームギヤを使用しても確実で高いロックトルクのセルフロックを実現するセルフロッククラッチが合理的に構成された。
本発明は、前記ガイド機構が、前記嵌合構造の部位において前記軸部と前記駆動軸との一方に前記駆動軸の回転方向を対角線とする平行四辺形に形成されたガイド辺を有する凹部と、この凹部に挿入されるように前記軸部と前記駆動軸との他方に突出形成されたガイド体とを備えて構成され、このガイド体が前記対角線上に存在する状態で前記軸部を前記中立位置に設定されても良い。
これによると、例えば、ホイールギヤが回転する方向と逆方向にホイールギヤを回転させる外力が作用した場合には、駆動軸と軸部とが相対回転するためガイド体がガイド辺に沿って移動することになり、この移動に伴い軸部が第1軸芯に沿う方向に変位する。この変位により回転体が制動部材に接触しホイールギヤの回転が阻止される。
本発明は、前記制動部材に、前記外力の作用によって前記軸部が変位する下流側ほど先すぼまりとなるように前記第1軸芯を中心とするホーン状の摩擦面が形成され、
前記回転体に、前記摩擦面に沿う形状の円錐状の接触面が外周部に形成されても良い。
前記回転体に、前記摩擦面に沿う形状の円錐状の接触面が外周部に形成されても良い。
これによると、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う方向に変位した場合には、制動部材の外周のホーン状の摩擦面に対して、回転体の外周の円錐状の接触面が接触する状態に達しロックトルクを得る。また、このようにホーン状(円錐内面状)の摩擦面に回転体の円錐状の接触面が接触する構成では、接触方向に変位するほど制動部材から回転体に対して外周から第1軸芯に向けて抱き込む方向にも力が作用することになり、大型化を招くことなく一層強力なロックトルクを得る。
本発明は、前記制動部材に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢の平坦な摩擦面が形成され、
前記回転体に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢で前記摩擦面に接触する接触面が形成されても良い。
前記回転体に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢で前記摩擦面に接触する接触面が形成されても良い。
これによると、軸部が中立位置を基準にして第1軸芯に沿う方向に変位した場合には、制動部材の平坦な摩擦面に対して、回転体の接触面が接触する状態に達しロックトルクを得る。また、この構成では複雑化を招くことなく単純な構造でロックトルクを得る。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように本発明のセルフロッククラッチは、第1軸芯X1を中心に回転自在に支持されたウォームギヤ10と、第2軸芯X2を中心に回転自在に支持されたホイールギヤ20とで成るギヤ減速系を備えている。ウォームギヤ10は、第1軸芯X1に沿う方向に変位自在に支持され、外力の作用によってホイールギヤ20が回転した際にはウォームギヤ10の第1軸芯X1に沿う方向への変位に伴いウォームギヤ10に制動力を作用させて回転を阻止するロック機構30を備えている。このように構成されたセルフロッククラッチは、例えば、車両のドアガラスの上下に作動させる伝動系に備えられるものであり、その詳細を以下に説明する。
図1及び図2に示すように本発明のセルフロッククラッチは、第1軸芯X1を中心に回転自在に支持されたウォームギヤ10と、第2軸芯X2を中心に回転自在に支持されたホイールギヤ20とで成るギヤ減速系を備えている。ウォームギヤ10は、第1軸芯X1に沿う方向に変位自在に支持され、外力の作用によってホイールギヤ20が回転した際にはウォームギヤ10の第1軸芯X1に沿う方向への変位に伴いウォームギヤ10に制動力を作用させて回転を阻止するロック機構30を備えている。このように構成されたセルフロッククラッチは、例えば、車両のドアガラスの上下に作動させる伝動系に備えられるものであり、その詳細を以下に説明する。
〔ギヤ減速系〕
第1軸芯X1と第2軸芯X2とは互いに直交する方向で、食い違い関係に配置され、第1軸芯X1を中心に回転する駆動側のウォームギヤ10が備えられている。また、第2軸芯X2を中心に回転する従動側のホイールギヤ20がウォームギヤ10に咬合する位置関係で配置されている。そして、このウォームギヤ10とホイールギヤ20とでギヤ減速系が構成されている。
第1軸芯X1と第2軸芯X2とは互いに直交する方向で、食い違い関係に配置され、第1軸芯X1を中心に回転する駆動側のウォームギヤ10が備えられている。また、第2軸芯X2を中心に回転する従動側のホイールギヤ20がウォームギヤ10に咬合する位置関係で配置されている。そして、このウォームギヤ10とホイールギヤ20とでギヤ減速系が構成されている。
ウォームギヤ10には断面形状が円形となる一対の支持軸部11(軸部の一例)が形成される。この支持軸部11の一方の端部と、これと逆側の筒状部12とはラジアルボールベアリングで成る軸受13によって回転自在、かつ、この軸受13のインナーレースに対して第1軸芯X1に沿う方向に変位自在に支持されている。また、この支持軸部11の他方の端部(軸端)に筒状部12が一体回転するように備えられ、この筒状部12には第1軸芯X1と同軸芯の孔部12Aが形成されている。
支持軸部11と筒状部12とは別個に製造されたものである。支持軸部11の端部に断面形状が非円形(断面形状が円形であっても良い)となる嵌合片11Tが形成され、筒状部12には嵌合片11Tが嵌合する嵌合孔12Tが形成される。嵌合片11Tと嵌合孔12Tとを圧入等の技術で嵌合連結することにより、支持軸部11と筒状部12とが一体化されている。尚、このセルフロッククラッチでは、単一の素材を切削加工することで支持軸部11と筒状部12とを一体形成しても良い。更に、ウォームギヤ10と支持軸部11とを別個に製造し、ネジ式に連結されることや接着や溶接により一体化して形成しても良い。
アクチュエータとしての電動モータ15の回転力が伝えられる駆動軸16が第1軸芯X1と同軸芯に配置される。さらに、この駆動軸16がラジアルボールベアリングで成る軸受17と止め輪18とによって回転自在、かつ、第1軸芯X1に沿う方向に移動不能に支持されている。この駆動軸16が筒状部12に形成された孔部12Aに対して相対回転自在に内嵌しており、このように支持軸部11の筒状部12に駆動軸16が内嵌する構造を嵌合構造と称している。尚、軸受13と軸受17とは、このセルフロッククラッチの固定系のフレームに支持される。
前述した構成から、この嵌合構造の部位では、筒状部12と駆動軸16とが第1軸芯X1に沿う方向に相対移動自在に支持されると共に、筒状部12と駆動軸16とが第1軸芯X1を中心として相対回転自在に支持されることになる。これによりウォームギヤ10を第1軸芯X1に沿う方向への変位させる力が作用した場合には、支持軸部11と筒状部12とが一体的に第1軸芯X1に沿う方向に変位することになる。
駆動軸16に対して直径方向に貫通するガイド体としてガイドピン31が、その両端部が駆動軸16の外面から突出するように固設され、このガイドピン31の両端部が貫通する位置に凹部としてガイド開口32が筒状部12に形成されている。つまり、ガイドピン31とガイド開口32とでガイド機構が構成されている。この実施形態では、ガイド開口32を2組備えるものであるが、ガイドピン31とガイド開口32とを1組だけ備えてガイド機構を構成しても良い。
ガイド開口32は、図2及び図3に示すように、駆動軸16の回転方向(支持軸部11の回転方向でも同様)に沿う方向を対角線とする平行四辺形となるガイド辺を有する凹部の一例である。この対角線上にガイドピン31が位置する状態で支持軸部11が第1軸芯X1に沿う方向での中立位置Nに維持される。
ガイド機構は、駆動軸16の駆動力を支持軸部11に伝えるための伝動機構としても機能するものである。駆動軸16の回転力はガイドピン31からガイド開口32に伝えられ、更に、筒状部12、ウォームギヤ10、ホイールギヤ20夫々に順次伝えられ、減速された回転力をホイールギヤ20の出力軸21から取り出せるようにしている。
このセルフロッククラッチでは、電動モータ15の回転駆動力をウォームギヤ10からホイールギヤ20に対して適正に伝える定常状態で駆動する場合においては、図1〜図3に示すように、ガイドピン31が中立位置Nに保持される。図2及び図3にはロック位置Lを示しており、ガイドピン31がロック位置Lに達した状態では、ロック機構30が筒状部12に対して制動力を作用させることになる。また、中立位置Nと一対のロック位置Lとは第1軸芯X1に直交する姿勢の仮想平面上に存在する。
ガイド開口32は、図3に示すように、前述した中立位置Nが存在する仮想平面と交わる位置の2つの主頂点32Nと、前述したロック位置Lが存在する2つの仮想平面と交わる位置の2つの副頂点32Lとを有する平行四辺形となる形状を有している。本発明ではガイド開口32を菱形に形成するものを除外するものではない。ガイド開口32を菱形に形成した場合は、2つの対角線の1つが中立位置Nに一致するように形成される。
ガイド開口32の4つのガイド辺のうち短辺と、第1軸芯X1と平行する基準ラインX1’との角度がθ1に設定され、4つのガイド辺のうち長辺と、第1軸芯X1と平行する基準ラインX1’との角度がθ2に設定されている。また、角度θ1は角度θ2より小さい角度に設定されている。
ガイド開口32は、外力の作用によってホイールギヤ20が回転した場合に、支持軸部11の変位に伴いガイドピン31をロック位置Lまで相対移動させ得る形状に成形されている。特に、後述するように制動プレート35の摩擦面35Sに対して回転体36の接触面36Sを接触させて確実な制動力を得るため、ガイドピン31がロック位置Lに達した場合に、このガイドピン31はガイド開口32の開口縁には接触せず、開口縁から少し浮き上がる状態となる。
〔ロック機構〕
第1軸芯X1に沿う方向で筒状部12の両端部の近傍に制動部材として制動プレート35が位置固定状態で配置される。この一対の制動プレート35により第1軸芯X1に沿う方向で挟まれる領域に回転体36が配置されている。この回転体36は筒状部12において第1軸芯X1に沿う方向での両端部に一体的に形成されている。
第1軸芯X1に沿う方向で筒状部12の両端部の近傍に制動部材として制動プレート35が位置固定状態で配置される。この一対の制動プレート35により第1軸芯X1に沿う方向で挟まれる領域に回転体36が配置されている。この回転体36は筒状部12において第1軸芯X1に沿う方向での両端部に一体的に形成されている。
一対の制動プレート35はスペーサ37により相対的な位置関係が維持される。この一対の制動プレート35はスペーサ37を介して、セルフロッククラッチの固定系のフレームに支持される。このように、この一対の制動プレート35と、一対の回転体36と、前述したガイド機構とによって本発明のロック機構30が構成されている。
制動プレート35は、全体的にディスク状であり、支持軸部11が中立位置Nから離間する方向の下流側ほど先すぼまりとなるように第1軸芯X1を中心とするホーン状の摩擦面35Sが形成されている。これに対応して回転体36がフランジ状となるように筒状部12に形成され、その外周部には、ホーン状の摩擦面35Sに接触するように第1軸芯X1を中心とする円錐状の接触面36Sが形成されている。
制動プレート35の摩擦面35Sに対して第1軸芯X1の方向(中心側)に連なる位置に、第1軸芯X1に対して直交する姿勢の縦壁35Tが形成されている。また、回転体36の接触面36Sの小径側において、前述した縦壁35Tに対向する位置に、第1軸芯X1に対して直交する姿勢の端壁36Tが形成されている。
このような構成から、筒状部12(支持軸部11)が中立位置Nを基準にして第1軸芯X1に沿う方向の何れに変位した場合にも、ガイドピン31がロック位置Lに達した状態では、制動プレート35の摩擦面35Sに対して回転体36の接触面36Sが接触する状態に達する。このように摩擦面35Sに対して接触面36Sが接触する状態においては、制動プレート35の縦壁35Tと回転体36の端壁36Tとは離間するように形状を設定しており、摩擦面35Sと接触面36Sとを確実に接触させて良好な摩擦力を得るようにしている。
本発明のセルフロッククラッチでは、制動プレート35と、回転体36とは金属材で製造されるものを想定しているが、一方又は双方を樹脂で製造しても良い。特に、摩擦面35Sと接触面36Sとの接触時に良好なロック状態を現出するために、夫々が粗面に仕上げられても良い。また、一対の制動プレート35をセルフロッククラッチのフレーム等固定系に支持することでスペーサ37を備えないで構成しても良い。
〔ロック作動〕
このセルフロッククラッチでは、前述したように電動モータ15の駆動力をガイドピン31から支持軸部11に伝えてウォームギヤ10を駆動回転させ、更にホイールギヤ20を回転させることになる。このようにウォームギヤ10でホイールギヤ20を定常状態で駆動する際には、図3に示す如く、ガイドピン31がガイド開口32の開口縁のうち主頂点32Nの位置で安定することになる。よって、ガイドピン31(支持軸部11)は、中立位置Nに保持され、回転体36の接触面36Sが制動プレート35の摩擦面35Sに接触することはない。
このセルフロッククラッチでは、前述したように電動モータ15の駆動力をガイドピン31から支持軸部11に伝えてウォームギヤ10を駆動回転させ、更にホイールギヤ20を回転させることになる。このようにウォームギヤ10でホイールギヤ20を定常状態で駆動する際には、図3に示す如く、ガイドピン31がガイド開口32の開口縁のうち主頂点32Nの位置で安定することになる。よって、ガイドピン31(支持軸部11)は、中立位置Nに保持され、回転体36の接触面36Sが制動プレート35の摩擦面35Sに接触することはない。
そして、例えば、電動モータ15の回転が停止した状態で外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、筒状部12が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って相対移動しロック位置Lに達する。このようにガイドピン31がロック位置Lに達することで図4〜図6に示す如く、回転体36の接触面36Sが制動プレート35の摩擦面35Sに接触して制動力を発生させる。こうして大きいロックトルクを発生させることにより、支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
特に、このセルフロッククラッチは、ホイールギヤ20に負荷が作用する状況下で電動モータ15からの駆動力で図1に示す方向に支持軸部11が回転している状態(例えば、ドアガラスを上昇作動させる状態)では、ホイールギヤ20に対して逆トルク(負荷)が常に作用する。このような場合には、支持軸部11を引き出す方向にスラスト力が作用するとともに、進み角が大きいウォームギヤ10では、この進み角に応じた逆回転トルクが支持軸部11に作用する。
このとき、逆トルクによるスラスト力は、ガイドピン31が短辺上を滑ってロック位置Lの方向(図1、図2では右方向)に相対移動させる力として働く。同時に作用する逆回転トルクは短辺上でガイドピン31を中立位置Nの方向(図1、図2では上方向)に相対移動させる力として働く。尚、外力の作用により支持軸部11が第1軸芯X1に沿う方向に移動する際には、ガイドピン31が第1軸芯X1に沿う方向で位置固定状態にあり、ガイド開口32が第1軸芯X1に沿う方向に移動する。この結果、ガイド開口32に対して見掛け上でガイドピン31が移動する。この移動を相対移動と称している。
これにより、逆トルクが作用する状況では、逆入力による逆回転トルクと電動モータ15の駆動による回転トルクがともにロック解除力として働くため、ガイドピン31は中立位置Nに安定的に保持されるのである。
そして、電動モータ15の回転を緩め、この電動モータ15の駆動力に対してホイールギヤ20に作用する逆トルク(負荷)が勝ってきた場合には、モータ駆動トルクによるロック解除力だけではガイドピン31を中立位置Nに保持する力として不足してくる。このため、ガイド開口32の短辺とガイドピン31とが摺接しながら支持軸部11が左方向に移動する。その結果、ガイドピン31が右側のロック位置Lに達し、回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させ、摩擦力による確実なロック状態に達する。
ここで、短辺の角度θ1(図3参照)を小さくすればガイドピン31が右側のロック位置Lの方向に相対移動し易くなる。角度θ1を大きくすれば右側のロック方向には相対移動し難くなり、中立位置Nに相対移動し易くなる。これとは逆に、ホイールギヤ20に対して順トルクが増大して作用する場合には次のように作用する。これは、例えば、ドアガラスを下降作動させている状態で更にドアガラスに対して下げ方向の外力が加わったような場合である。
図1においては、電動モータ15が白矢印と反対方向に回転している状態にあり、ガイドピン31は、ガイド開口32の下側の中立位置Nにある。この状態から更なる外力が加わると、支持軸部11には引き出し方向にスラスト力が作用する。ウォームギヤ10の進み角が大きい場合には、この進み角に応じた順回転トルクが支持軸部11に加えられる。この結果、ガイドピン31とガイド開口32の長辺とが摺接した状態で支持軸部11が左側に移動し、ガイドピン31が図2中の右側のロック位置Lに相対移動する。この相対移動により制動プレート35の摩擦面35Sに対して回転体36の接触面36Sが接触する状態に達し、支持軸部11の回転が一時停止する。このように、電動モータ15がドアガラスを下げ駆動している場合でも、上記押し下げ外力が作用した場合には支持軸部11の回転が停止され、電動モータ15が破損する等の不都合の発生を有効に防止することができる。
筒状部12に形成したガイド開口32は左右非対称に形成してある。これは以下の理由による。例えば、今、図1のように定常状態で回転している電動モータ15が停止する場合を想定する。このとき、ホイールギヤ20には時計方向のトルクが作用しており、支持軸部11の回転停止に伴ってホイールギヤ20は支持軸部11を図1に示す左側に引き出そうとする。よって、ガイドピン31は、まず、右向きに相対移動しようとする。これと同時に、ホイールギヤ20によってウォームギヤ10が、図1中の白抜き矢印の方向とは反対方向への回転を強いられる。この力と、上記引き出し方向の力とが支持軸部11には作用するから、ガイドピン31には反力が作用し、図3に示したように右上向きの合力F1を伴って相対移動しようとする。この結果、ガイドピン31はガイド開口32の短辺上を滑って右側の副頂点32Lに到達する。
一方、図1のように電動モータ15が定常状態で回転している際に、さらにホイールギヤ20の回転を加速する外力が作用した場合を想定する。このとき、ホイールギヤ20には反時計方向のトルクが作用し、支持軸部11は図1に示す右側に押し込まれる。よって、ガイドピン31は、まず左向きに相対移動しようとする。同時に、ホイールギヤ20によってウォームギヤ10の回転が、図1中の白抜き矢印の方向に加速される。この加速される力と、上記押し込み方向の力とが支持軸部11には作用するから、その反力としてガイドピン31は、図3に示したように左下向きの合力F2を伴って相対移動しようとする。この結果、ガイドピン31はガイド開口32の長辺上を滑って左側の副頂点32Lに到達する。
本セルフロッククラッチでは、電動モータ15が定常状態で回転している状態から上記停止或いは加速が行なわれた場合に、トルク変動が略同じであれば、ガイドピン31が左右何れにも同じ相対移動特性を備えるように構成してある。つまり、ガイド開口32の短辺の角度θ1と長辺の角度θ2とを図3のように設定し、合力F1と短辺とのなす角度α1と、合力F2と長辺とのなす角度α2とを略等しく設定してある。これにより、ガイドピン31に対して左右何れの方向に力が加わっても、ガイドピン31が短辺上を滑る際の抵抗力と、長辺上を滑る際の抵抗力とが略等しくなるように設定してある。
〔ロック位置からの離脱〕
上記構成であれば、ガイドピン31が左右のロック位置Lから離脱し、中立位置Nに相対移動する際にも、左右の特性が略同じとなる。例えば、支持軸部11が引き出されようとする状態でロックしている場合には、ガイドピン31にはガイド開口32から左下向きの力F2が作用し続けている。この状態から、支持軸部11を負荷の大きい方に再度回転させる場合には、支持軸部11を上側に移動(回転)させるため、電動モータ15を図1中の白抜き矢印の方向に回転駆動する。このとき、ガイドピン31は短辺に沿って中立位置Nに戻る必要がある。ガイドピン31には反力F1が生じているから、ガイドピン31をロック位置Lから離脱させようとする力は、合力F1及び合力F1と短辺とのなす角度α1に基づいて決定される。
上記構成であれば、ガイドピン31が左右のロック位置Lから離脱し、中立位置Nに相対移動する際にも、左右の特性が略同じとなる。例えば、支持軸部11が引き出されようとする状態でロックしている場合には、ガイドピン31にはガイド開口32から左下向きの力F2が作用し続けている。この状態から、支持軸部11を負荷の大きい方に再度回転させる場合には、支持軸部11を上側に移動(回転)させるため、電動モータ15を図1中の白抜き矢印の方向に回転駆動する。このとき、ガイドピン31は短辺に沿って中立位置Nに戻る必要がある。ガイドピン31には反力F1が生じているから、ガイドピン31をロック位置Lから離脱させようとする力は、合力F1及び合力F1と短辺とのなす角度α1に基づいて決定される。
一方、電動モータ15が図1中の白抜き矢印とは反対方向に回転駆動しているときに、支持軸部11に一時的に加速が加わり、支持軸部11が引き出されようとする状態で左側にロックしている場合には、ガイドピン31には右上向きの反力F1が生じている。しかし、この状態から、一時的な外力の作用が弱まり、再び電動モータ15の駆動力が勝ってきた場合には、ガイドピン31はガイド開口32の長辺上を滑って下側の中立位置Nに移動を始める。このとき、ガイドピン31をロック位置Lから離脱させようとする力は、合力F1及び合力F1と長辺とのなす角度α2に基づいて決定される。
因みに、ガイド開口32が、その対角線が第1軸芯X1とこれに直角な方向とに向く菱形であるものを想定すると、長辺と短辺との区別がなくなり、ウォームギヤ10の進み角による回転トルクの影響を考慮しないものとなる。このような場合には、モータ回転方向に対しホイールギヤ20に順トルクが作用する側へのロックが入り易く、順トルクが弱くなってもロック解除し難い。電動モータ15の回転方向に対して逆トルクが作用する側にはロックが入り難くなり、逆トルクが弱くなると容易にロック解除する。ホイールギヤ20に作用するトルクが変動するとき、トルクの方向によってロックの入り方に差が生ずる。
このような現象に対して、前述したように基準ラインX1’に対して短辺の角度θ1を長辺の角度θ2より小さく設定することにより、逆トルクも順トルクも等しいトルク(絶対値が等しいトルク)でロック状態にするようにしている。
〔実施形態の作用・効果〕
このように本発明のセルフロッククラッチでは、電動モータ15を停止した状態であっても、電動モータ15が稼働する状況にあっても、外部の作用によってホイールギヤ20が回転した場合には、その回転力でウォームギヤ10を第1軸芯X1に沿う方向に変位させる。この変位に伴い回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させるため、比較的広い面での摩擦力により大きいロックトルクを得ながら確実なロック状態を現出する。
このように本発明のセルフロッククラッチでは、電動モータ15を停止した状態であっても、電動モータ15が稼働する状況にあっても、外部の作用によってホイールギヤ20が回転した場合には、その回転力でウォームギヤ10を第1軸芯X1に沿う方向に変位させる。この変位に伴い回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させるため、比較的広い面での摩擦力により大きいロックトルクを得ながら確実なロック状態を現出する。
また、電動モータ15の稼動時にロック状態に達する際には、制動プレート35の摩擦面35Sに対して、回転状態の回転体36の接触面36Sが接触するため異音を発生させることがない。これとは逆にロック状態に達した後にロック状態から離脱する際には、摩擦面35Sから接触面36Sを離脱させる作動形態であるため、例えば、前述した特許文献1や特許文献2等の転動体やボールを挟み込む形態でロックを行うものと比較して、ロック解除も円滑に行える。
回転体36が接触方向に変位するほど制動プレート35のホーン状の摩擦面35Sから回転体36の円錐状の接触面36Sに対して外周から第1軸芯X1の方向に向けて抱き込む力が作用して大きいロックトルクを得るためロック機構30の大型化を招くことがない。更に、伝動効率を高くするように進み角の大きいウォームギヤ10を用いた減速系を構成することが可能となり、また、電動モータ15も小容量のもので済む。
特に、ガイド開口32の形状を平行四辺形に設定することにより、逆トルクが作用した場合と、順トルクが作用した場合とで、ガイドピン31に作用する滑り方向の分力を調節できるように構成されている。そして、電動モータ15が作動している状況で逆トルクが作用してロック状態に達する際の逆トルクの絶対値と、順トルクが作用してロック状態に達する際の順トルクの絶対値とを等しくすることにより、ロック作動のバランスを良くしている。
〔別実施形態〕
この別実施形態では前述した実施形態と同じ機能を有するものについて共通する番号・符号を付している。
この別実施形態では前述した実施形態と同じ機能を有するものについて共通する番号・符号を付している。
(a)図7に示すように、ウォームギヤ10とホイールギヤ20とで成る減速系を備え、ウォームギヤ10の支持軸部11と駆動軸16との支持形態が前述した実施形態と共通する。嵌合構造として駆動軸16に一体形成された大径部19に第1軸芯X1と同軸芯で孔部19Aが形成され、この孔部19Aに対し、支持軸部11の端部が内嵌している。これにより、この嵌合構造では、支持軸部11と大径部19とが第1軸芯X1に沿う方向に相対移動自在に支持されると共に、支持軸部11と大径部19とが第1軸芯X1を中心として相対回転自在に支持される。
支持軸部11に直径方向にガイドピン31を貫通して備え、大径部19にはガイドピン31の両端部に対応してガイド開口32を形成してガイド機構を構成している。このガイド開口32の形状は実施形態と同様に平行四辺形に成形されている。また、大径部19の第1軸芯X1の方向での両端部に回転体36を形成する。この回転体36を挟み込む位置に2つの制動プレート35を第1軸芯X1に沿う方向に移動自在に支持し、この2つの制動プレート35と支持軸部11とを第1軸芯X1に沿う方向に一体的にシフトさせる連動部を備えている。
2つの制動プレート35はスペーサ37によって連結されると共に、スペーサ37が第1軸芯X1と平行姿勢のガイド軸38に沿って移動自在、かつ、回転不能に支持されている。連係部は、支持軸部11に対して止め輪41により位置固定状態に備えられた軸受42とこの軸受42を制動プレート35に連結するサポートブロック43とで構成されている。尚、ガイド軸38はセルフロッククラッチの固定系のフレームに支持される。
このような構成から、外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って移動しロック位置Lに達する。これにより、連係部を介して制動プレート35が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、制動プレート35の摩擦面35Sが回転体36の接触面36Sを接触させ、大きいロックトルクを発生させて支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
(b)図8に示すように、ウォームギヤ10とホイールギヤ20とで成る減速系を備え、ウォームギヤ10の支持軸部11と駆動軸16との支持形態が前述した実施形態と共通し、嵌合構造が実施形態と共通する。ロック機構30として、支持軸部11のうち筒状部12と反対側の端部側に一対の制動プレート35を備え、この2つの制動プレート35に挟まれる領域に支持軸部11と一体回転するよう回転体36を備えている。
このような構成から、外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って移動しロック位置Lに達する。これにより、回転体36が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、この回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させ、大きいロックトルクを発生させて支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
(c)図9に示すように、ウォームギヤ10とホイールギヤ20とで成る減速系を備え、ウォームギヤ10の支持軸部11と駆動軸16との支持形態が前述した実施形態と共通し、嵌合構造が実施形態と共通する。ロック機構30として、筒状部12の近傍位置に一対の制動プレート35を備え、この一対の制動プレート35に挟まれる領域に筒状部12と一体的に回転する平坦な回転体36を備える。特に、この別実施形態(c)では、制動プレート35には第1軸芯X1と直交する姿勢の摩擦面35Sを形成し、回転体36には第1軸芯X1と直交する姿勢の接触面36Sを形成しており、ロック機構30の構造の単純化が図られている。
このような構成から、外力の作用によりホイールギヤ20が回転した場合には、この回転方向が何れの方向であっても、ホイールギヤ20の回転に伴いウォームギヤ10と共に支持軸部11が第1軸芯X1に沿って変位する。その結果、ガイドピン31がガイド開口32の内周面に沿って移動しロック位置Lに達する。これにより、回転体36が第1軸芯X1に沿う方向に変位し、この回転体36の接触面36Sを制動プレート35の摩擦面35Sに接触させ、大きいロックトルクを発生させて支持軸部11の回転を阻止し、ホイールギヤ20の回転を阻止する。
特に、この別実施形態(c)のように、ロック機構30として、摩擦面35Sと接触面36Sとを平坦に形成した構成を別実施形態(a)や別実施形態(b)のロック機構30に代えて備えるように構成しても良い。
(d)図10に示すように、嵌合構造として、支持軸部11の筒状部12の孔部12Aに対して駆動軸16が内嵌するものにおいて、ガイド開口32を駆動軸16の外面に凹状に形成し、このガイド開口32に係入するガイドピン31を筒状部12の孔部12Aに突出するように備えることでガイド機構を構成する。この別実施形態(d)においても、実施形態と同様にガイド開口32は平行四辺形に形成されている。
特に、嵌合部として、図7に示す如く駆動軸16に一体形成された大径部19の孔部19Aに支持軸部11が内嵌する構成のものに、この別実施形態(d)の構成を適用しても良い。この場合、支持軸部11の外面にガイド開口32を形成し、大径部19の孔部19Aに突出するように備えることになる。
本発明は、ウォームギヤの回転力をホイールギヤに伝える減速系において、この減速系自体のセルフロック機能に頼ることなく高いロックトルクを必要とする伝動系全般に利用することができる。
10 ウォームギヤ
11 軸部(制御軸部)
12A 孔部
15 アクチュエータ(電動モータ)
16 駆動軸
19A 孔部
20 ホイールギヤ
31 ガイド体(ガイドピン)
32 ガイド開口(凹部)
35 制動部材(制動プレート)
35S 摩擦面
36 回転体
36S 接触面
N 中立位置
X1 第1軸芯
X2 第2軸芯
L ロック位置
11 軸部(制御軸部)
12A 孔部
15 アクチュエータ(電動モータ)
16 駆動軸
19A 孔部
20 ホイールギヤ
31 ガイド体(ガイドピン)
32 ガイド開口(凹部)
35 制動部材(制動プレート)
35S 摩擦面
36 回転体
36S 接触面
N 中立位置
X1 第1軸芯
X2 第2軸芯
L ロック位置
Claims (6)
- 食い違い関係となる第1軸芯と第2軸芯とのうち第1軸芯を中心に回転する駆動側のウォームギヤを備え、前記第2軸芯を中心に回転する従動側のホイールギヤを前記ウォームギヤに咬合する位置に備えると共に、
前記ウォームギヤと、これに一体形成された軸部とが前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に支持され、前記軸部にアクチュエータの回転力を伝える駆動軸が前記第1軸芯と同軸芯上で第1軸芯に沿う方向に移動不能に支持され、前記軸部の端部を前記駆動軸の一端に対して前記第1軸芯に沿う方向に変位自在に内嵌又は外嵌した嵌合構造を有し、
前記軸部と前記駆動軸との何れか一方に対して一体回転する回転体を備え、前記ホイールギヤに作用する外力により前記軸部が前記第1軸芯に沿う方向に変位した場合に前記回転体に接触して摩擦により制動力を作用させる制動部材を備え、
前記ウォームギヤからホイールギヤに駆動力が伝えられる状態では、前記軸部を前記第1軸芯の方向での中立位置に保持して前記回転体と前記制動部材とを離間させ、前記外力が作用する状態では、前記軸部を第1軸芯に沿う方向へ変位させることで前記回転体と前記制動部材とを接触させて制動力を発生させるガイド機構が備えられているセルフロッククラッチ。 - 前記ガイド機構が、前記嵌合構造の部位において前記軸部と前記駆動軸との一方に前記駆動軸の回転方向を対角線とする平行四辺形に形成されたガイド辺を有する凹部と、この凹部に挿入されるように前記軸部と前記駆動軸との他方に突出形成されたガイド体とを備えて構成され、このガイド体が前記対角線上に存在する状態で前記軸部を前記中立位置に設定する請求項1記載のセルフロッククラッチ。
- 前記嵌合構造が、前記軸部の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記駆動軸の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が、前記第1軸芯の方向に離間して位置固定状態で備えられ、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記軸部に備えられている請求項1又は2記載のセルフロッククラッチ。 - 前記嵌合構造が、前記駆動軸の端部に前記第1軸芯と同軸芯で形成された孔部に対して前記軸部の端部を内嵌して成ると共に、
一対の前記制動部材が前記第1軸芯の方向に離間し、かつ、前記軸部の第1軸芯に沿う方向への変位と連係して移動自在に支持され、この一対の前記制動部材に挟まれる領域に一対の前記回転体が配置され、この一対の回転体が前記駆動軸に備えられている請求項1又は2記載のセルフロッククラッチ。 - 前記制動部材に、前記外力の作用によって前記軸部が変位する下流側ほど先すぼまりとなるように前記第1軸芯を中心とするホーン状の摩擦面が形成され、
前記回転体に、前記摩擦面に沿う形状の円錐状の接触面が外周部に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルフロッククラッチ。 - 前記制動部材に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢の平坦な摩擦面が形成され、
前記回転体に、前記第1軸芯に対して直交する姿勢で前記摩擦面に接触する接触面が形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルフロッククラッチ。
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