JPWO2011115306A1 - 反芻動物の飼料利用効率改善剤 - Google Patents

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Abstract

抗生物質や特殊なアミノ酸等を用いることなく、牛、めん羊、山羊のような反芻動物において、ルーメン発酵を改善し、かつ、体内の有用菌を増加させ、飼料消化率を向上させ、エネルギー損失を減少させて、飼料利用効率および乳量が改善した健康な家畜を育成できる効果を奏する反芻動物の飼料利用効率改善剤、反芻動物の飼料利用効率改善の方法、反芻動物の飼育方法、および反芻動物用飼料を提供する。バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を有効成分として用いることにより反芻動物の飼料利用効率改善剤、反芻動物の飼料利用効率改善の方法、反芻動物の飼育方法、および反芻動物用飼料が提供される。

Description

本発明は、反芻胃を有する動物(以下、「反芻動物」という。)の飼料利用効率および乳量改善に関する。より詳細には、牛、めん羊、山羊のような反芻動物において、一般にルーメン発酵と呼ばれる第一胃内の発酵(以下、「ルーメン発酵」ともいう。)を改善し、かつ、体内の有用菌を増加させ、飼料消化率を向上させるとともにエネルギー損失を減少して、飼料利用効率を改善し、結果として乳量が改善した健康な家畜を育成できる効果を奏する反芻動物の飼料利用効率改善剤、飼料利用効率改善の方法、飼育方法、および反芻動物用飼料に関する。
なお、本発明でいう飼料消化率とは、通常DM(DRY MATTER)消化率と言われるものであり、具体的には、飼料消化率(%)=「1−(糞固形物重量)/(飼料固形物重量)」×100で表されるものである。このDM消化率には、飼料成分のうち、分解されガスとして排出された成分や、尿中に排出された成分等(ロス成分)は反映されない。本発明では、それらロス成分(エネルギー損失)をも含めた全体の効率を飼料利用効率という。
反芻動物は、豚などの単胃動物とは異なる特殊な消化吸収機構やエネルギー代謝機構を有するので、その飼育、管理には特別な知識や技術を要するものである。
そして、牛、めん羊、山羊のように乳も商品となる反芻動物においては、体調不良や病気による乳量低下は、酪農農家にとって深刻な経済問題である。また、動物の体調が良好な場合であっても、一頭当たりの乳量が増加すれば、酪農家の収入増加につながるため好ましい。さらに、そのような効果が、より少ない餌により、効率よく得られればより好ましいものである。
従来、反芻動物の場合には、その第一胃即ちルーメンの中の微生物(細菌とプロトゾア(プロトゾアは原生動物又は原虫と言われる);以下「ルーメン内微生物」ともいう。)が必須アミノ酸を産生するため、飼料に必須アミノ酸等を補給する必要性はないとされてきた。しかし、近年、高乳量の安定な生産や健康維持のために蛋白質や必須アミノ酸の一定量の補給が必要と考えられるようになってきた。例えば、乳牛においては、飼料の添加物として種々の栄養素と共に蛋白源である穀類や魚粉や血粉などの添加が試みられていたが、これらは牛自身の嗜好およびそれら蛋白源の摂取による牛の代謝に及ぼす負荷の問題があり、十分な効果が得られなかった。さらに、乳量を増大させる方法として、ルーメン内では分解されない保護アミノ酸の飼料への添加が検討されている(特許文献2)が、添加時期の調節等が煩雑であり、保護アミノ酸の吸収が悪く効果も十分でなかった。他に、アミノ酸を含有する液状組成物を反芻動物に経口投与することが知られている(特許文献1)が、液状組成物中のアミノ酸の分解、投与方法、飼養方法などに問題があった。
また、バチルス・ズブチリスを飼育動物に投与することで、飼育動物体内の病原性細菌の増殖を抑制することや、さらには該動物の体重増加、及び飼料要求率を改善することは知られており、例えば、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)C−3102株の生菌体を有効成分とする幼豚用配合飼料による増体効果等が知られ(特許文献3)、さらに、バチルス・サブチルスJA‐ZK株を有効成分とする飼料添加剤が、飼育動物体内の病原性細菌増殖抑制や該動物の体重増加、及び飼料要求率の改善効果が得られること(特許文献4)や、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilisC−3102株やバチルス・サブチリスを含む枯草菌AT−3株を有効成分とする抑制剤を用い、主に鳥類の体内に存在するサルモネラ菌等の有害細菌の繁殖を抑える方法(特許文献5、6)などが知られている。しかし、いずれにも、豚や鳥などとは異なる特異な消化吸収機構を有する反芻動物の飼料利用効率改善剤や乳量改善剤として使用することについての具体的開示はない。
この牛などの反芻動物に、発酵が進んだ飼料や発酵しやすい飼料を与えて、飼料消化を高める試みもあるが、発酵しやすい飼料等を一度に大量に給餌すると、ルーメン内において急激発酵が起こりやすく、ルーメン内環境が酸性化し、微生物による発酵効率の低下や異常を引き起すとともに大量のガスが発生し、結果としてエネルギー損失が増大する。この一時的なルーメンアシドーシスの発生は、食欲も低下させる。そして、このような現象は、第一胃(ルーメン)胃液のpHの異常、胃壁の損傷、アミン類等の異常な代謝産物の産生、異常な発酵熱等を引き起こし、正常な消化や、吸収を阻害する。更に、ルーメン内微生物以外の細菌が異常増殖し、これが血中へ移行して消化管疾患、肝障害、運動器疾患、繁殖障害、熱射病、***炎、皮膚炎等の原因となることもあり、問題であった。
さて、牛などの反芻動物の特異な消化吸収機構やエネルギー代謝機構は周知の技術的事項である(非特許文献1)が、その特徴をここで簡単に説明する。
豚、馬などの単胃動物では、摂取された飼料は、口腔、食道、胃、小腸、大腸と順次輸送される際に、自身から分泌される酵素により順次分解され(例えばデンプンなどはブドウ糖になる)、消化管壁から吸収される。人間も含め豚などの単胃動物はエネルギー源を糖に求めていることから糖動物と言われる。
一方、牛などの反芻動物は、単胃動物と違った消化・吸収の仕組みがある。第1胃内の発酵はルーメン発酵と言われるが、その特徴は、植物繊維などの炭水化物源からの揮発性脂肪酸(VFA)の生成と蛋白質の再合成である。一度飲み込んだ粗飼料は再び口にもどされ再咀嚼(反芻)され、再び第一胃のルーメン発酵をうける。第一胃はいわゆる「連続発酵タンク」とよばれ、多種多様の嫌気性微生物(細菌とプロトゾア(原生動物))が生息しており、反芻動物はこれら微生物と共生し、炭水化物の消化に当たっては、微生物がこれらを分解して酢酸、プロピオン酸、酪酸などの揮発性脂肪酸(VFA)を産生する。これらの脂肪酸はルーメン壁から直接吸収され、最終消化産物である乳成分などの原料となるほか、体組織で消費するエネルギーの6割以上、***で乳成分の組立に使われる燃料の約半分を賄う活力源となっている。揮発性脂肪酸(VFA)のうち、最もエネルギー効率が高いのがプロピオン酸である。そして、牛などの反芻動物は脂肪酸にエネルギー源を求める脂防酸動物と呼ばれている。
また、蛋白質については、豚などの単胃動物では、飼料の蛋白質は胃では殆ど消化されず腸に運ばれ、そこで動物自身がもつ消化酵素の働きでアミノ酸に分解されてから吸収される。一方、牛などの反芻動物では、ルーメン内微生物の蛋白分解酵素の作用でアミノ酸に、ついでアンモニアに分解され、さらに微生物はこのアンモニアを材料として新たに自らに必要なアミノ酸、つまり栄養価値の高い微生物体蛋白質(菌体蛋白質、虫体蛋白質)を合成する。こうしてできた「微生物体蛋白質」は胃内容物と共に第4胃以降へ運ばれ、単胃動物と同じく、主に小腸でアミノ酸に分解され吸収される過程をたどる。ここで牛などの蛋白質の消化・吸収にはもう一つのルートがあり、ルーメン内で微生物によって分解されないまま小腸に運ばれ、そこで消化されるバイパス蛋白質である。これは微生物体蛋白質と共に代謝蛋白質と呼ばれるが、これらは小腸でアミノ酸にされて吸収される。
このように、第一胃(ルーメン)は、いわゆる生きた発酵装置であり、必要なエネルギー源を供給するが、一方メタンや炭酸ガス、窒素および少量の酸素、水素、硫化水素などが発酵の副産物として生成され、その殆どは利用されることなくガスとして大気中に放出され、エネルギー損失となる。また、第一胃での発酵が不十分な場合、飼料中の栄養分は、糞中に窒素などの有機物やミネラル類などの無機物として利用されることなく排出される。さらに、飼料から摂取された窒素の3分の1が糞に、3分の1が尿に排出され、残りが乳中に移行または体に蓄積されるといわれる。
したがって、乳量が増大した健康な家畜の育成には、ルーメン発酵を改善して、ルーメン微生物の増加や活性化、エネルギー効率が高いプロピオン酸生産の向上や栄養価値の高い蛋白源である微生物体蛋白質合成の向上、飼料消化率の向上およびエネルギー損失を低減し、飼料利用効率を高めることが重要であり、そのような有効な反芻動物の飼料利用効率の改善剤の開発が求められている。
特開平2−255047号公報 特開平6−237701号公報 特開昭62−232343号公報 特開2008−187929号公報 特開平5−146260号公報 特開平11−332555号公報
佐藤末太郎、"河−その13−乳牛の生理の特異性その2 単胃動物との比較"、[online]、LIAJNEWS No.65(2000.9.25)、[平成22年2月16日検索]、インターネット〈URL:http://liaj.lin.gr.jp/japanese/liajnews/65/6560.html〉
かかる状況に鑑み、本発明は、反芻動物の飼料利用効率改善剤を提供することを目的とする。特に、本発明は、反芻動物の固形物含有飼料での飼料利用効率改善剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、飼料利用効率改善剤を乳量改善剤として用いることを特徴とする飼料利用効率改善剤の使用方法を提供することを目的とする。また、本発明は、飼料利用効率改善剤を反芻動物に直接または飼料に添加して給与することを特徴とする、反芻動物の飼育方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を有効成分として用いることにより、反芻動物の特異な消化吸収機構やエネルキー代謝機構全般が改善されること、すなわち、反芻動物のルーメン発酵が改善されてルーメン内微生物の増加および/または活性化が促進され、かつルーメン内のプロピオン酸の生成、微生物体蛋白質の合成が向上し、さらに、体内の有用菌が増加し消化吸収効率が向上し、飼料の消化率、特に固形物を含有する飼料の消化率が向上し、エネルギー損失が減少することを動物実験等により確認して、本願発明である反芻動物の飼料利用効率改善剤、反芻動物の飼料利用効率改善の方法、反芻動物の飼育方法、および反芻動物用飼料を完成させた。
本発明は、以下の(1)ないし(9)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤、および以下の(10)ないし(18)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法を要旨とする。
(1)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を有効成分として含有することを特徴とする反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(2)飼料利用効率改善が、飼料消化率向上を伴うものである(1)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(3)飼料利用効率改善が、ルーメン発酵改善を伴うものである(1)または(2)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(4)飼料利用効率改善が、ルーメン内微生物の増殖促進および/または活性化促進、ルーメン内のプロピオン酸の生成の向上、ルーメン内の微生物体蛋白質の生成の向上、体内の有害菌の減少、および体内の有用菌の増加の少なくとも一つを伴うものである(1)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(5)有用菌が、乳酸桿菌およびビフィズス菌である(4)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(6)飼料利用効率改善が、乳量の改善効果を発揮させる(1)または(2)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(7)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である(1)または(2)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(8)反芻動物が、離乳後期以降の反芻胃機能が備わった動物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(9)反芻動物が、牛、めん羊、山羊のいずれかである(1)または(2)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
(10)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を直接または飼料に添加して給与することを特徴とする反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(11)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、体重あたり1×10個/Kg・日以上となるように給与する(10)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(12)飼料に添加して給与する場合、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、飼料中10〜10個/gとなるように添加する(10)または(11)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(13)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である、(10)または(11)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(14)飼料利用効率改善が、飼料消化率向上、ルーメン内微生物の増殖促進および/または活性化促進、ルーメン内のプロピオン酸の生成の向上、ルーメン内の微生物体蛋白質の生成の向上、体内の有害菌の減少、および体内の有用菌の増加の少なくとも一つを伴うものである(10)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(15)有用菌が、乳酸桿菌およびビフィズス菌である(14)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(16)飼料利用効率改善が、乳量の改善効果を発揮させる(10)または(11)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(17)反芻動物が、離乳後期以降の反芻胃機能が備わった動物であることを特徴とする(10)または(11)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
(18)反芻動物が、牛、めん羊、山羊のいずれかである請求項10または(11)に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
さらに、本発明は、以下の(19)ないし(23)に記載の反芻動物の飼育方法、および以下の(24)ないし(28)に記載の反芻動物用飼料を要旨とする。
(19)離乳後期以降の反芻胃機能が備わった反芻動物に、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を直接または飼料に添加して給与することを特徴とする反芻動物の飼育方法。
(20)反芻動物が、牛、めん羊、山羊のいずれかである(19)に記載の反芻動物の飼育方法。
(21)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、体重あたり1×10個/Kg・日以上となるように給与する(19)または(20)に記載の反芻動物の飼育方法。
(22)飼料に添加して給与する場合、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、飼料中10〜10個/gとなるように添加する(19)または(20)に記載の反芻動物の飼育方法。
(23)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である(19)または(20)に記載の反芻動物の飼育方法。
(24) バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を有効成分とし、生菌数が飼料中10〜10個/gとなるように配合し、かつ該生菌数が、体重あたり1×10個/Kg・日以上となるように給与する飼料であることを特徴とする、離乳後期以降の反芻胃機能が備わった反芻動物に用いる飼料利用効率の改善効果および/または乳量の改善効果を発揮させるための反芻動物用飼料。
(25)反芻動物が牛、めん羊または山羊である(24)に記載の反芻動物用飼料。
(26)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である(24)または(25)に記載の反芻動物用飼料。
(27)飼料消化率向上、ルーメン内微生物の増殖促進および/または活性化促進、ルーメン内のプロピオン酸の生成の向上、ルーメン内の微生物体蛋白質の生成の向上、体内の有害菌の減少、および体内の有用菌の増加の少なくとも一を伴う飼料である(24)に記載の反芻動物用飼料。
(28)有用菌が、乳酸桿菌およびビフィズス菌である(27)に記載の反芻動物用飼料。
本発明は、反芻動物の特異な消化吸収機構やエネルギー代謝機構全般を改善することができる効果を奏する改善剤を提供することができる。
本発明は、抗生物質や特殊なアミノ酸等を用いることなく、反芻動物のルーメン発酵を改善して、ルーメン内微生物の増加および/または活性化を促進し、かつルーメン内のプロピオン酸の生成、微生物体蛋白質の合成を向上し、さらに、体内の有害菌を減少させかつ有用菌を増加させて消化吸収効率を向上し、飼料の消化率、特に固形物を含有する飼料の消化率を向上させ、エネルギー損失を低減することを特徴とする反芻動物の飼料利用効率改善剤や乳量改善剤を提供することができる。
本発明の改善剤を家畜である反芻動物に、直接、または飼料に添加して給与することにより、飼料利用効率や乳量が改善した健康な家畜を育成できる効果を奏する。
本発明の改善剤を直接、または飼料に添加して給与することにより、反芻動物のルーメン発酵を改善してルーメン内の微生物体蛋白質の合成が向上するので、ルーメン液中の毒性の強いアンモニア濃度が減少し、また、体内の有害菌が減少しかつ有用菌が増加するので、消化吸収効率が向上し、健康で乳質の改善した家畜を育成できる効果を奏する。
本発明の改善剤を直接、または飼料に添加して給与することにより、飼料利用効率の向上、すなわち飼料の消化率の向上とエネルギー損失の低減ができるので、与える飼料量を少なくすることができ、生産性が向上し経済的にも有利であるうえ、家畜の排出物量と質を改善でき、環境改善にも貢献することができるという効果を奏する。
試験例2の飼料消化率の変化(向上)を示す図である。 試験例3のルーメン液中のプロピオン酸モル比率の変化(増加)を示す図である。 試験例4のルーメン液中のアンモニア態窒素濃度の変化(減少)を示す図である。 試験例5のルーメン液中のプロトゾア数の変化(増加)を示す図である。 試験例6の糞中の種々の菌数の変化(有害菌の減少及び有用菌の増加)を示す図である。
本発明において、必須の有効成分として含有させる生菌体は、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)であって、その菌学的性質はバージーズ・マニュアル・オブ・バクテリオロジーVol.11(1986)に記載されている。本発明においては、公知のいずれのバチルス・ズブチリスを用いることができ、例えば、バチルス・ズブチリスC−3102等が好ましく挙げられる。
公知菌であるバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)C−3102菌株は、1985年12月25日に、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1つくばセンター中央第6(郵便番号305−5866)[寄託時;日本国茨城県筑波郡谷田部町東1丁目1番地3(郵便番号305)]の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター[寄託時;通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所]に寄託番号 微工研菌寄第8584号として原寄託し、1986年6月28日に、同機関にて寄託番号FERM BP−1096(移管時;微工研条寄第1096号)として国際寄託に移管した。なお、バチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)の菌学的性質は、既に公開されている(特許文献3)。
前記バチルス・ズブチリスを培養するには、培地として微生物培養に通常使用される炭素源、窒素源、無機物等を含む液体培地又は固体培地を用いることができる。炭素源としては、バチルス・ズブチリスが資化可能な炭素源であればよく、例えばグルコース、フルクトース、スークロース、スターチ、糖蜜等を、また窒素源としては、例えばペプトン、カゼイン加水分解物、肉エキス、硫安等を挙げることができる。更に、必要に応じて燐酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、鉄およびマンガン等の塩類、ビタミン類、アミノ酸類、界面活性剤等を添加することもできる。培養条件としては、好気的条件下にて行うのが好ましく、培養装置として例えばジャーファーメンターによる通気撹拌液体培養、棚式固体培養、自動製麹培養装置等を用いるのが好ましい。培養温度は20〜50℃、特に30〜45℃が好ましく、培養時間は12時間〜7日間、培養pHは5〜9、特に好ましくは6〜8が好適である。
前記培養された培養物は、培養物自体、その濃縮物又はそれから分離した菌体をそのまま有効成分とすることができる。この際有効成分中には、例えばバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)株の生菌体、即ち芽胞及び/又は栄養細胞を10〜1012個/g、好ましくは10〜1011個/g含有するのが良い。
そして、本発明の反芻動物の飼料利用効率、乳量改善剤を調製するには、好ましくは例えば前記有効成分をそのまま若しくは必要に応じて賦形剤等を添加し、乾燥又は製剤化する方法等により得ることができるが、前記有効成分をそのまま改善剤とすることもできる。該賦形剤は特に限定されず、例えば炭酸カルシウム、脱脂米糖、コーングリッツ、コーンフラワー、ふすま、脱脂粉乳等を用いることができる。
本発明の反芻動物の飼料利用効率改善剤の投与形態は特に限定されず、そのまま反芻動物に与えても良いが、好適には粉末、特に微粉末等として、公知の飼料に添加・混合して使用することができる。公知の飼料へ添加混合する際の本発明の改善剤の添加量は、家畜の種類、日齢等により異なるが、例えば飼料へ添加した後のバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)の生菌数が、10〜10個/g、特に10〜10個/gとなるように添加・混合するのが好ましい。
また本発明の反芻動物の飼料利用効率改善剤の有効摂取量は、反芻動物の種類、日齢等により異なるが、例えばバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)の生菌数が、1×10個/Kg・日以上、特に5×10〜1×10個/Kg・日となるように摂取するのが好ましい。更に投与時期も、反芻動物の種類、日齢等により異なるが、連続投与するのが好ましい。例えば、牛の場合には、固形物含有飼料を用いる離乳期、または離乳後の育成牛に投与するのが特に効果的である。仔牛、特に哺乳中の(濃厚飼料、租飼料、他の固形飼料等の固形物を食べていない)仔牛では、牛の胃は分化しておらず、ルーメン(となる部位)は存在しているが発達していない。しかも、ミルクや液もののみを摂取する場合は、ルーメンの入口が閉じ、ルーメンにはモノが入らない状態で下に流れるようになっており、人間や豚と同様の単胃動物と同じ状態になっているのであるが、固形物を食べ始めると、それに反応してルーメンの入口が開くのである。このように、固形物を食べ始めることにより、反芻による消化(分解)力の強化が必要となり、第一胃(ルーメン)が発達していくものであるから、この時期に本発明の改善剤を与えてルーメン発酵を改善、調整し、ルーメン内のプロトゾアなどの微生物の増加、活性化を促進させることはその後の成長に大きな効果を奏するといえる。
本発明の対象となる反芻動物の種類としては、特に限定されないが、例えば好ましくは牛、めん羊、山羊等のように乳が商品となる反芻動物であって家畜として飼育されるものが挙げられる。なお、本発明の飼料利用効率改善剤は、乳量改善剤としても使用できるものであるが、対象が乳牛等に限られるものではない。
以下に本発明の詳細および効果を、実施例および試験例により説明するが、本発明はこれらの実施例等によってなんら限定されるものではない。
(生菌末および飼料利用効率改善剤の製造)
水道水10リットルに、大豆ペプトン200g、リン酸2カリウム10g及び糖蜜200gを溶解させて培地を調製し、更に1N水酸化ナトリウム水溶液を添加して培地のpHを7.5に調整した後、ジャーファーメンターに仕込み、121℃、15分間滅菌した。次いで、37℃まで冷却して、予め前培養しておいたバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)の培養液100mlを摂取し、37℃で40時間通気振盪培養を行った。次に得られた培養液を遠心分離して菌体を収集し、乾燥させた後、炭酸カルシウム180gを混合して反芻動物の飼料利用効率改善剤(以下、「改善剤1」と言う)を200g製造した。得られた改善剤1中のバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)の生菌数は、1×1010個/gであった。
(I)イン ビトロ(In vitro)試験;試験例1
実施例1で得られた改善剤1を用いて以下に示す試験条件でイン ビトロ試験を行なった。
(培養液):泌乳牛より、朝の給餌前にルーメン液をカテーテルを用いて採取し、濾過後のルーメン液とバッファーを1:2の割合で希釈し培養液を調製した。
(基質):濃厚飼料(森永乳業製「乳牛用配合飼料」)と乾草(スーダングラス)を1:1で混合した飼料を調製し、基質とした。
(試験試料):基質に改善剤1をそれぞれ30ppm、60ppm、90ppmを添加した血清びん(60ml容)を用意した。この30ppm、60ppm、90ppmを添加した試料は、それぞれ基質(混合飼料)に生菌を、3×10個/g、6×10個/g、9×10個/g添加したものになる。基質のみ(改善剤1無添加)のものを対照とした。
(試験方法):各試料のびんに上記培養液を入れ、ガス置換し、39℃で、6時間嫌気培養した。6時間後にpH、メタンガス、水素ガス等について測定をおこなった。
(結果)
pH値、メタンガス発生量は、対照と各試料において変化はなかった。
水素ガス発生量に関しては、変化があり、改善剤1の添加量に反比例して発生量が減少する傾向がみられた。結果を表1に示す。
Figure 2011115306
(結果の検討)
pH値が変化しなかったことは、改善剤1の添加で、過度の発酵がなく、揮発性脂肪酸(VFA)の産生バランスが崩れなかったこと、ルーメンアシドーシスの発生の心配がないことを示唆する。そして、反芻動物がルーメン発酵により、炭水化物源を分解し揮発性脂肪酸(VFA)にする際に、ギ酸、酢酸、酪酸の生成の際には水素ガスが発生するが、プロピオン酸生成の際には水素が消費されるという技術常識からみて、この試験例1での水素ガスに関する結果(改善剤添加により水素ガス発生量が減少する)は、揮発性脂肪酸のうち、プロピオン酸生成の割合が増えたことを示唆する。
揮発性脂肪酸は***で乳成分の組立に使われるエネルギー源あり(非特許文献1参照)、このプロピオン酸は、揮発性脂肪酸のうち、最もエネルギー効率が高い酸であり、しかもルーメンからの吸収が良い酸として知られているものである。
したがって、この試験例1の結果は、本発明の改善剤のルーメン発酵改善やそれによる飼料利用効率の改善および乳量改善を示唆するものと言える。
次に実際の牛を飼育して、その効果を確認した。
(II)イン ビボ(In vivo)試験;試験例2〜7
実施例1で得られた改善剤1を用いて以下に示す試験条件でイン ビボ試験(動物実験)を行なった。
(試験牛):平均体重約160Kg、日齢約4ケ月齢の育成牛4頭(黒毛和牛の雄:2頭、ホルスタインの雄:2頭)
(基本飼料):濃厚飼料(森永乳業製「乳牛用配合飼料」)と乾草(スーダングラス)を、「濃厚飼料:乾草=1:1.5」で混合した飼料。
(試験期飼料):基本飼料に対して改善剤1を100ppm添加した飼料(飼料へ添加した生菌数は10個/gとなる)。
(試験方法):各試験牛に2週間基本飼料を連続給与(対照期1)、その後2週間試験期飼料を連続給与(試験期)、後にまた2週間基本飼料を連続給与(対照期2)した。
(1)試験例2<飼料消化率の向上について>
上記の試験条件で試験を行い、対照期1、試験期、対照期2の各期後半に各牛の糞(全量)を採取し、糞を完全に乾燥させ、その重量(糞固形物重量)を測定した。
また、基本飼料、試験期飼料も完全に乾燥させ、その重量(飼料固形物重量)を測定した。(全糞採取法)
飼料消化率(%)=「1−(糞固形物重量)/(飼料固形物重量)」×100
として対照期(1、2)と試験期のそれぞれの平均消化率を出した。値は平均値±標準偏差で示した(以下の試験例においても同様)。この消化率は通常DM(DRY MATTER)消化率と言われるものである。結果を表2および図1に示す。
Figure 2011115306
(結果の検討)
飼料消化率(%)は、対照期1、2の平均が58.6%、試験期の平均が62.3%であり、飼料消化率は改善剤1を使用した試験期において、有意(p<0.05)に向上したことが認められた。これにより、本発明の飼料利用効率改善剤を添加した飼料により、飼料消化率が向上することが確認された。
飼料消化率の向上は、飼料の有効利用を示すものであり、***で乳成分の組立に使われるエネルギー源の増加を示すものであるから、本結果は、本発明の飼料利用効率改善剤の使用により飼料利用効率および乳量が改善されることを示すと言える。
(2)試験例3<ルーメン液中のプロピオン酸モル比率増加について>
上記の試験条件で試験を行い、対照期1、試験期、対照期2の各期の最終日にそれぞれのルーメン液を採取し、液中の各揮発性脂肪酸(VFA)を分析し、総揮発性脂肪酸量(mM)、総揮発性脂肪酸に対する酢酸、プロピオン酸、酪酸の各モル比率(mol%)をそれぞれ計算し各平均値を出した。結果を表3に示し、そのうちのプロピオン酸モル比率に係る結果を図2に示す。
Figure 2011115306
(結果の検討)
ルーメン液中の総揮発性脂肪酸量、酢酸モル比率については、対照期と試験期での変化率は小さく、有意な差は認められなかった。
一方、ルーメン液中のプロピオン酸モル比率は、対照期1、2の平均が17.0%、試験期の平均が18.3%であり、改善剤1を使用した試験期において有意(p<0.001)に増加したことが確認された。また、酪酸モル比率は、対照期1、2の平均が12.4%、試験期の平均が9.7%であり、改善剤1を使用した試験期において有意(p<0.001)に減少したことが確認された。
この結果は、イン ビトロ試験(試験例1)の結果と整合するものと言える。
本発明の飼料利用効率改善剤の使用により、ルーメン発酵を改善、調整し、過度の揮発性脂肪酸量は生成しないが、その脂肪酸の組成を良好な組成に変化させるというこの結果は驚くべきものである。
揮発性脂肪酸(VFA)はルーメン壁から直接吸収され、乳牛などにおいて最終消化産物である乳成分などの原料となるほか、体組織で消費するエネルギーの6割以上、***で乳成分の組立に使われる燃料の約半分を賄う活力源となっていることは技術常識であり(非特許文献1参照)、揮発性脂肪酸(VFA)のうち、最もエネルギー効率が高いのがプロピオン酸であり、ルーメンからの吸収も良い酸であることから、本結果(プロピオン酸モル比率増加)は、本発明の飼料利用効率改善剤の使用により飼料利用効率が改善され、その結果乳量が改善されることを示すと言える。
(3)試験例4<ルーメン液中のアンモニア態窒素濃度の減少(微生物体蛋白質合成の向上)について>
上記の試験条件で試験を行い、対照期1、試験期、対照期2の各期の最終日にそれぞれのルーメン液を採取し、液中のアンモニア態窒素濃度(mg/dl)を測定し、対照期(1、2)と試験期のそれぞれの平均値を出した。結果を表4および図3に示す。
Figure 2011115306
(結果の検討)
ルーメン液中のアンモニア態窒素濃度(mg/dl)は、対照期1、2の平均が5.7、試験期の平均が2.5であり、改善剤1を使用した試験期においてアンモニア態窒素濃度が有意(p<0.001)に減少したことが確認された。
牛などの反芻動物において、飼料中の蛋白源は、ルーメン内微生物の蛋白分解酵素の作用でアミノ酸に、ついでアンモニアに分解され、さらに微生物はこのアンモニアを材料として新たに栄養価値の高い微生物体蛋白質を合成することは技術常識である(非特許文献1参照)から、本結果(アンモニア態窒素濃度の減少)は、ルーメン内微生物による栄養価値の高い微生物体蛋白質の合成が向上したことを示すものであり、飼料から摂取された窒素の利用効率の向上(エネルギー損失の減少)を示すものである。微生物体蛋白質は小腸において分解吸収され、乳成分の原料などになるものである。さらに、体内にアンモニア量が多いと、アンモニアの強い毒性が中毒を招来することも知られていることから、本発明の改善剤の使用により、アンモニアが有意に減少するので、健康が向上し吸収力も向上すると言える。
したがって、本結果は、本発明の飼料利用効率改善剤の使用により飼料利用効率が改善され、その結果乳量が改善されることを示すと言える。
(4)試験例5<ルーメン内微生物の増加および/または活性化について>
上記試験条件で試験を行い、試験牛3頭について、対照期1、試験期、対照期2の各期の最終日に、それぞれの、給餌前0時間、給餌後2時間、給餌後5時間に、ルーメン液を採取し、液中のプロトゾア(原生動物)の数を測定し、対照期1、2の各時間の測定値すべてと試験期の各時間の測定値すべてをそれぞれまとめて平均値を出した。結果を表5および図4に示す。
Figure 2011115306
(結果の検討)
プロトゾア数のまとめの平均値は、対照期が3.5×10個/ml、試験期が4.3×10個/mlであり、改善剤1を使用した試験期のプロトゾア数の平均値が高い値であった。
ルーメン内微生物(細菌とプロトゾア)は、ルーメン発酵に関与し、蛋白質を分解するとともに、蛋白源の分解物であるアンモニアを材料として新たに栄養価値の高い微生物体蛋白質(菌体蛋白質、虫体蛋白質)を合成し、さらにプロトゾア等は微生物体蛋白質として胃内容物と共に第4胃以降へ運ばれ小腸で消化吸収される仕組みになっているのであるから、プロトゾア数のルーメン液中の変動は大きいものであるが、少なくともこの試験例5の結果は、上記試験例2の飼料消化率の向上や試験例4の微生物体蛋白質合成の向上などと合わせみると、本発明の飼料利用効率改善剤使用によるルーメン内微生物の増加および/または活性化の促進を示すものといえる。
(5)試験例6<有害菌の減少及び有用菌の増加について>
上記の試験条件で試験を行い、対照期1、試験期、対照期2の各期後半に各牛の新鮮な糞を採取し、糞中の菌叢を光岡法変法にて培養、測定し、各々の期について平均値を出した。結果を表6および図5に示す。なお、表中のNDは、検出限界(2.30CFU/g)以下を示し、数値(平均値±標準偏差)の下の(分数)は検出率を示す。
Figure 2011115306
(結果の検討)
糞中菌叢の各菌種の菌数の変化は、(i)有害菌である大腸菌群の菌数は、対照期1に比し、試験期および対照期2において減少した、(ii)有用菌である乳酸桿菌、ビフィズス菌の菌数は、対照期1に比し、試験期において増加し、その後の対照期2において減少した。特に試験期おけるビフィズス菌の増加は顕著であった。
試験期においてだけ、即ち、本発明の飼料利用効率改善剤の使用期においてだけ、有用菌である乳酸桿菌、ビフィズス菌が増加するという本結果は、驚くべきことである。特にビフィズス菌は、対照期1、対照期2とも検出限界以下(ND)であり、試験期だけに顕著に増加していることは、注目すべきことである。
従来から、バチルス・ズブチリスを飼育動物に投与することで、飼育動物体内の病原性細菌の増殖を抑制することは知られていた(特許文献4〜6参照)が、有用菌が増加することは知られていなかった。また、乳酸桿菌、ビフィズス菌が、腸内環境を良好に保ち、吸収力を向上させ、健康維持に役立つこと自体は周知であるが、それらの菌を外部から飼料添加物として用いることには扱いが面倒であるなど問題が多いとされている(例えば特開2009−45号公報参照)。したがって、外部からの有用菌の投与ではなく、本発明の改善剤を使用することにより、体内の有用菌を増加できることは、驚くべき効果であり、これにより、健康が向上し吸収力も向上する。したがって、本結果(有害菌の減少及び有用菌の増加)は、本発明の飼料利用効率改善剤の使用により飼料利用効率が改善され、その結果乳量が改善されることを示すと言える。
(6)試験例7<メタンガス発生量について>
上記の試験条件で試験を行い、対照期1、試験期、対照期2の各期の最終日に、それぞれのメタンガス発生量(L/DMI/day)をフード式呼吸試験装置にて測定し、対照期(1、2)と試験期のそれぞれの平均値を出した。結果を表7に示す。
Figure 2011115306
(結果の検討)
メタン発生量は、対照期1、2の平均値と試験期の平均値において、有意な変化は認められなかった。
通常メタンは、発生ガス中の30%を占め、飼料として摂取したエネルギーの約5〜8%が有効に利用されることなくメタンとして大気中に放出されるといわれている。
上記試験例2(飼料消化率の向上)などからみて、試験期(本発明の飼料利用効率改善剤使用期)では、飼料の分解率が向上しているといえるのであるが、それにもかかわらず、メタン発生率が増加しないという本結果は、エネルギー損失が抑えられて飼料利用効率が改善されたことを示すものであり、結果として乳量が改善されることを示すものと言える。
本発明は、反芻動物の特異な消化吸収機構やエネルギー代謝機構全般を改善することができる効果を奏する改善剤を提供することができるので、産業上の利用可能性が大きいものである。
本発明は、抗生物質や特殊なアミノ酸等を用いることなく、反芻動物のルーメン発酵を改善して、ルーメン微生物の増加および/または活性化を促進し、かつルーメン内のプロピオン酸の生成、微生物体蛋白質の生成を向上し、さらに、体内の有害菌を減少させかつ有用菌を増加させ、飼料の消化率、特に固形物を含有する飼料の消化率を向上させ、エネスギー損失を減少させることを特徴とする反芻動物の飼料利用効率改善剤や乳量改善剤を提供することができるので、産業上の利用可能性が大である。
この本発明の改善剤を直接、または飼料に添加して給与することにより、反芻動物のルーメン発酵を改善してルーメン内の菌体蛋白質の合成が向上するので、ルーメン液中の毒性の強いアンモニア濃度が減少し、また、体内の有害菌が減少しかつ有用菌が増加するので、健康で乳量や乳質の改善した家畜を育成でき、生産性が向上し経済的にも貢献するので、産業上の利用可能性が大である。
さらに、本発明の改善剤を直接、または飼料に添加して給与することにより、飼料利用効率の向上、すなわち飼料の消化率の向上とエネルギー損失の低減ができるので、与える飼料量を少なくすることができ、生産性が向上し経済的にも有利であるうえ、家畜の排出物量と質を改善でき、環境改善にも貢献する。

Claims (28)

  1. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を有効成分として含有することを特徴とする反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  2. 飼料利用効率改善が、飼料消化率向上を伴うものである請求項1に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  3. 飼料利用効率改善が、ルーメン発酵改善を伴うものである請求項1または2に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  4. 飼料利用効率改善が、ルーメン内微生物の増殖促進および/または活性化促進、ルーメン内のプロピオン酸の生成の向上、ルーメン内の微生物体蛋白質の生成の向上、体内の有害菌の減少、および体内の有用菌の増加の少なくとも一つを伴うものである請求項1に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  5. 有用菌が、乳酸桿菌およびビフィズス菌である請求項4に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  6. 飼料利用効率改善が、乳量の改善効果を発揮させる請求項1または2に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  7. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である請求項1または2に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  8. 反芻動物が、離乳後期以降の反芻胃機能が備わった動物であることを特徴とする請求項1または2に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  9. 反芻動物が、牛、めん羊、山羊のいずれかである請求項1または2に記載の反芻動物の飼料利用効率改善剤。
  10. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を直接または飼料に添加して給与することを特徴とする反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  11. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、体重あたり1×10個/Kg・日以上となるように給与する請求項10に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  12. 飼料に添加して給与する場合、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、飼料中10〜10個/gとなるように添加する請求項10または11に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  13. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である、請求項10または11に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  14. 飼料利用効率改善が、飼料消化率向上、ルーメン内微生物の増殖促進および/または活性化促進、ルーメン内のプロピオン酸の生成の向上、ルーメン内の微生物体蛋白質の生成の向上、体内の有害菌の減少、および体内の有用菌の増加の少なくとも一つを伴うものである請求項10に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  15. 有用菌が、乳酸桿菌およびビフィズス菌である請求項14に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  16. 飼料利用効率改善が、乳量の改善効果を発揮させる請求項10または11に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  17. 反芻動物が、離乳後期以降の反芻胃機能が備わった動物であることを特徴とする請求項10または11に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  18. 反芻動物が、牛、めん羊、山羊のいずれかである請求項10または11に記載の反芻動物の飼料利用効率改善の方法。
  19. 離乳後期以降の反芻胃機能が備わった反芻動物に、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を直接または飼料に添加して給与することを特徴とする反芻動物の飼育方法。
  20. 反芻動物が、牛、めん羊、山羊のいずれかである請求項19に記載の反芻動物の飼育方法。
  21. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、体重あたり1×10個/Kg・日以上となるように給与する請求項19または20に記載の反芻動物の飼育方法。
  22. 飼料に添加して給与する場合、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌数が、飼料中10〜10個/gとなるように添加する請求項19または20に記載の反芻動物の飼育方法。
  23. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である請求項19または20に記載の反芻動物の飼育方法。
  24. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の生菌体を有効成分とし、生菌数が飼料中10〜10個/gとなるように配合し、かつ該生菌数が、体重あたり1×10個/Kg・日以上となるように給与する飼料であることを特徴とする、離乳後期以降の反芻胃機能が備わった反芻動物に用いる飼料利用効率の改善効果および/または乳量の改善効果を発揮させるための反芻動物用飼料。
  25. 反芻動物が牛、めん羊または山羊である請求項24に記載の反芻動物用飼料。
  26. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)がバチルス・ズブチリスC−3102(FERM BP−1096)である請求項24または25に記載の反芻動物用飼料。
  27. 飼料消化率向上、ルーメン内微生物の増殖促進および/または活性化促進、ルーメン内のプロピオン酸の生成の向上、ルーメン内の微生物体蛋白質の生成の向上、体内の有害菌の減少、および体内の有用菌の増加の少なくとも一を伴う飼料である請求項24に記載の反芻動物用飼料。
  28. 有用菌が、乳酸桿菌およびビフィズス菌である請求項27に記載の反芻動物用飼料。
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