JPWO2011086689A1 - 電池用電極、当該電池用電極を備えた電池、及び、当該電池用電極の製造方法 - Google Patents

電池用電極、当該電池用電極を備えた電池、及び、当該電池用電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

電池に組み込まれた際に当該電池が高出力を発揮できる電池用電極、当該電池用電極を備えた電池、及び当該電池用電極の製造方法を提供する。無機系固体電解質、電極活物質、及び、当該無機系固体電解質中に分散した高分子化合物を含むことを特徴とする、電池用電極。

Description

本発明は、電池に組み込まれた際に当該電池が高出力を発揮できる電池用電極、当該電池用電極を備えた電池、及び当該電池用電極の製造方法に関する。
二次電池は、化学反応に伴う化学エネルギーの減少分を電気エネルギーに変換し、放電を行うことができる他に、放電時と逆方向に電流を流すことにより、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積(充電)することが可能な電池である。二次電池の中でも、リチウム二次電池は、エネルギー密度が高いため、ノート型のパーソナルコンピューターや、携帯電話機等の電源として幅広く応用されている。
リチウム二次電池においては、負極活物質としてグラファイト(Cと表現する)を用いた場合、放電時において、負極では式(1)の反応が進行する。
Li → C + Li + e (1)
式(1)で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、式(1)で生じたリチウムイオン(Li)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
また、正極活物質としてコバルト酸リチウム(Li0.4CoO)を用いた場合、放電時において、正極では式(2)の反応が進行する。
Li0.4CoO + 0.6Li + 0.6e → LiCoO (2)
充電時においては、負極及び正極において、それぞれ上記式(1)及び式(2)の逆反応が進行し、負極においてはグラファイトインターカレーションによりリチウムが入り込んだグラファイト(CLi)が、正極においてはコバルト酸リチウム(Li0.4CoO)が再生するため、再放電が可能となる。
リチウム二次電池の場合、充放電サイクルの進行に伴って、電極中の活物質の膨張・収縮が繰り返されることにより、電極全体が膨張・収縮し、ケースあるいは封口板との接触不良が生じたり、あるいは電極中での粒子間の接合が弛緩したりするといった課題があった。このような課題の解決を目的とする全固体リチウム二次電池の技術として、特許文献1には、正極と負極がリチウムイオン導電性固体電解質を挟んで対峙してなる全固体リチウム電池において、正極あるいは負極の少なくともいずれか一方の電極材料が、リチウムイオン導電性ポリマーで被覆した活物質と、リチウムイオン導電性無機固体電解質粉末から成る全固体リチウム電池の技術が開示されている。
特開平11−7942号公報
上記特許文献1には、異種物質間、例えば、リチウムイオン導電性ポリマーと、リチウムイオン導電性無機固体電解質との間の界面抵抗の問題については、全く記載されていない。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、電池に組み込まれた際に当該電池が高出力を発揮できる電池用電極、当該電池用電極を備えた電池、及び当該電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電池用電極は、無機系固体電解質、電極活物質、及び、当該無機系固体電解質中に分散した高分子化合物を含むことを特徴とする。
このような構成の電池用電極は、前記高分子化合物を含むため、電極活物質−無機系固体電解質間の界面の抵抗を下げることができ、したがって、電池に組み込まれた際に、当該電池が高い出力を発揮することができる。
本発明の電池用電極は、前記高分子化合物が合成ゴムであることが好ましい。
本発明の電池用電極の一形態としては、前記高分子化合物が、ブタジエンゴム又はスチレン−ブタジエンゴムであるという構成をとることができる。
本発明の電池用電極の一形態としては、前記高分子化合物が粒子状であるという構成をとることができる。
本発明の電池用電極は、前記無機系固体電解質、及び、前記高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の、前記高分子化合物の含有割合が1〜30体積%であることが好ましい。
このような構成の電池用電極は、前記高分子化合物を適切な割合で含むため、電池に組み込まれた際に、特に長時間使用後の抵抗を低減させることができる。
本発明の電池は、少なくとも、正極と、負極と、当該正極及び当該負極との間に介在する電解質層とを備える電池であって、前記正極及び前記負極の少なくともいずれか一方が、上記電池用電極であることを特徴とする。
本発明の電池用電極の製造方法は、無機系固体電解質原料及び高分子化合物原料を混合する工程、前記混合工程により得られた無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物を、粉砕混合する工程、並びに、前記粉砕混合工程により粉砕混合された前記混合物と、電極活物質原料とを混合した後、溶着して、電池用電極を形成する工程、を有することを特徴とする。
このような構成の電池用電極の製造方法により、本発明に係る電池用電極が得られる。また、このような構成の電池用電極の製造方法は、前記粉砕・混合工程において前記高分子化合物原料が前記無機系固体電解質原料内に均一に分散することで、電極活物質−無機系固体電解質間の界面の抵抗層が消失し、イオン伝導性の高い電極を得ることができる。
本発明によれば、前記高分子化合物を含むため、電極活物質−無機系固体電解質間の界面の抵抗を下げることができ、したがって、電池に組み込まれた際に、当該電池が高い出力を発揮することができる。
本発明に係るリチウム空気電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 実施例1乃至4、並びに、比較例1、3及び4の全固体二次電池の初期抵抗及び100サイクル運転後の抵抗を比較したグラフである。
1.電池用電極
本発明の電池用電極は、無機系固体電解質、電極活物質、及び、当該無機系固体電解質中に分散した高分子化合物を含むことを特徴とする。
固体電解質及び電極活物質を含む従来の全固体電池は、特に軟化点以上、ガラス転移点以下の温度で加圧成型した場合に、充放電を繰り返すことにより電池の膨張・収縮が起こり、その結果、固体電解質−電極活物質間の界面でストレスが発生し、当該界面で剥離が生じてイオン伝導パスが断絶し、抵抗が高くなるという問題点があった。また、電池の膨張・収縮により電解質自体にクラックが入るため、電池自体の耐久性を高く保つことができないことも、従来の全固体電池の課題であった。
さらに、固体電解質及び電極活物質を含む従来の全固体電池においては、固体電解質−電極活物質間の界面における抵抗層が存在したため、高出力が期待できなかった。
上記課題について精査した結果、発明者らは、電極中に、無機系固体電解質、電極活物質の他に高分子化合物を配合することで、従来の電池用電極において存在していた固体電解質−電極活物質間の界面における抵抗層が消失し、その結果、当該電極が電池に組み込まれた際に、当該電池が高い出力を発揮することができることを発見した。また、発明者らは、高分子化合物が、充放電による電極全体の体積変化のストレスを解消し、その結果、当該電極が電池に組み込まれた際に、電池全体の耐久性の向上に寄与することを見出した。
本発明に用いられる無機系固体電解質としては、イオン伝導性を有する無機固体であれば特に限定されないが、具体的には、固体酸化物系電解質及び固体硫化物系電解質等を挙げることができる。
固体酸化物系電解質としては、具体的には、LiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド)、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO、La0.51Li0.34TiO0.74、LiPO、LiSiO、LiSiO、Li0.5La0.5TiO、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO等を例示することができる。
固体硫化物系電解質としては、具体的には、LiPS、LiS−P、LiS−P、LiS−P−P、LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、LiPS−LiGeS、Li3.40.6Si0.4、Li3.250.25Ge0.76、Li4−xGe1−x、Li11等を例示することができる。
本発明に用いられる高分子化合物は、無機系固体電解質中に分散した状態で電池用電極中に存在する。従来の電池用電極の製造方法のように、無機系固体電解質と高分子化合物をそれぞれ溶媒に溶解させて混合した場合には、当該製造方法から得られた電池用電極中においては、無機系固体電解質微粒子の表面が高分子化合物によって覆われて高分子膜を形成し、当該高分子膜が抵抗層となってしまう。これに対し、本発明の電池用電極中においては、高分子化合物は無機系固体電解質中に高分散状態で存在するため、電子伝導やリチウムイオン伝導を阻害するおそれが無い。
本発明の電池用電極の一形態としては、前記高分子化合物が粒子状であるという構成をとることができる。
本発明に用いられる高分子化合物は、合成ゴムであることが好ましい。本発明に用いられる合成ゴムとしては、化学的に合成されたゴム弾性を示す高分子化合物であれば特に限定されないが、具体的には、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。これらのゴムの内、ブタジエンゴム又はスチレン−ブタジエンゴムを用いることが特に好ましい。
無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の、高分子化合物の含有割合が1〜30体積%であることが好ましい。本発明に係る電池用電極が、当該範囲内の含有割合で高分子化合物を含むことにより、当該電池用電極が電池に組み込まれた際に、特に長時間使用後の抵抗を低減させることができる。
仮に高分子化合物の前記含有割合が1体積%未満であるとすると、高分子化合物添加による、固体電解質−電極活物質間の界面における充放電時の応力解消の効果を十分に得ることができず、抵抗を低減させることができない。また、仮に高分子化合物の前記含有割合が30体積%を超える場合には、無機系固体電解質の含有割合が相対的に減少してしまうため、却って抵抗が増大してしまうおそれがある。
なお、無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の、高分子化合物の含有割合が5〜10体積%であることが特に好ましい。
本発明に用いられる電極活物質については、後述する正極活物質層、負極活物質層の項で詳しく説明する。
本発明の電池用電極の典型例としては、リチウム二次電池用電極が挙げられる。以下、本発明に係る電池用電極が、リチウム二次電池の正極に用いられた場合、又は負極に用いられた場合について、それぞれ説明する。
1−1.本発明に係る電池用電極が、リチウム二次電池の正極に用いられた場合
本発明に係るリチウム二次電池の正極は、上記本発明に係る製造方法により製造された電池用電極を備え、好ましくは、さらに当該電池用電極に接続された正極リードを有するものである。
以下、正極活物質層及び正極集電体について説明する。
(正極活物質層)
本発明に用いられる正極活物質としては、具体的には、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNiPO、LiMnPO、LiNiO、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiFe(PO及びLi(PO等を挙げることができる。これらの中でも、本発明においては、LiCoOを正極活物質として用いることが好ましい。
本発明に用いられる正極活物質層の厚さは、目的とするリチウム二次電池の用途等により異なるものであるが、10μm〜250μmの範囲内であるのが好ましく、20μm〜200μmの範囲内であるのが特に好ましく、特に30μm〜150μmの範囲内であることが最も好ましい。
正極活物質の平均粒径としては、例えば1μm〜50μmの範囲内、中でも1μm〜20μmの範囲内、特に3μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。正極活物質の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、正極活物質の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になる場合があるからである。なお、正極活物質の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される活物質担体の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
正極活物質層は、必要に応じて導電化材および結着材等を含有していても良い。
本発明において用いられる正極活物質層が有する導電化材としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、正極活物質層における導電化材の含有量は、導電化材の種類によって異なるものであるが、通常1質量%〜10質量%の範囲内である。
本発明において用いられる正極活物質層が有する結着材としては、例えばポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。また、正極活物質層における結着材の含有量は、正極活物質等を固定化できる程度の量であれば良く、より少ないことが好ましい。結着材の含有量は、通常1質量%〜10質量%の範囲内である。
(正極集電体)
本発明において用いられる正極集電体は、上記の正極活物質層の集電を行う機能を有するものである。上記正極集電体の材料としては、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウムおよびSUSが好ましい。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
1−2.本発明に係る電池用電極が、リチウム二次電池の負極に用いられた場合
本発明に係るリチウム二次電池の負極は、上記本発明に係る製造方法により製造された電池用電極を備え、好ましくは、さらに当該電池用電極に接続された負極リードを有するものである。
以下、負極活物質層及び負極集電体について説明する。
(負極活物質層)
負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、およびグラファイト等の炭素材料等を挙げることができる。また、負極活物質は、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
負極活物質層は、必要に応じて導電化材および結着材等を含有していても良い。
負極活物質層中に用いることができる結着材および導電化材は、上記正極活物質層の説明において既に述べたものを用いることができる。また、結着材および導電化材の使用量は、リチウム二次電池の用途等に応じて、適宜選択することが好ましい。また、負極活物質層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10μm〜100μmの範囲内、中でも10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
(負極集電体)
負極集電体の材料としては、上述した正極集電体の材料に加えて、銅を用いることができる。また、負極集電体の形状としては、上述した正極集電体の形状と同様のものを採用することができる。
本発明に係る負極は、上述した本発明に係る電池用電極の製造方法により製造される。
なお、本発明に係る電池用電極は、上述したリチウム二次電池用電極に必ずしも限定されない。すなわち、上述したように、無機系固体電解質、電極活物質、及び、高分子化合物を含む電池用電極であれば、本発明に係る電池用電極に含まれる。
2.電池
本発明の電池は、少なくとも、正極と、負極と、当該正極及び当該負極との間に介在する電解質層とを備える電池であって、前記正極及び前記負極の少なくともいずれか一方が、上記電池用電極であることを特徴とする。
図1は、本発明に係る電池の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。なお、本発明に係る電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。図1には積層型電池のみが示されているが、この他にも、捲回型電池等を用いることもできる。
電池100は、正極活物質層2及び正極集電体4を含有する正極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を含有する負極7と、前記正極6及び前記負極7に挟持される電解質層1を備える。これらの内、正極及び/又は負極として、上述した本発明に係る電池用電極を備える。
本発明の電池の典型例としては、リチウム二次電池が挙げられる。以下、本発明の典型例であるリチウム二次電池の他の構成要素である、リチウムイオン伝導性電解質層及びその他の構成要素(セパレータ等)について説明する。
(リチウムイオン伝導性電解質層)
本発明に用いられるリチウムイオン伝導性電解質層は、リチウムイオン伝導性を有していれば特に限定されず、固体・液体を問わない。ポリマー電解質やゲル電解質等を用いることもできる。
本発明に用いられるリチウムイオン伝導性固体電解質層としては、具体的には、上述した固体酸化物系電解質、固体硫化物系電解質等を用いることができる。
本発明に用いられるリチウムイオン伝導性電解液としては、具体的には、水系電解液及び非水系電解液を用いることができる。
リチウム二次電池に用いる水系電解液としては、通常、水にリチウム塩を含有させたものを用いる。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;及びLiCFSO、LiN(SOCF(Li−TFSI)、LiN(SO、LiC(SOCF等の有機リチウム塩等を挙げることができる。
本発明に用いられる非水系電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、リチウム二次電池の非水系電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を含有する。上記リチウム塩としては、上述したものを用いることができる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの混合物等を挙げることができる。非水系電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L〜3mol/Lの範囲内である。
なお、本発明においては、非水系電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を含有していても良い。
本発明に用いられるポリマー電解質は、リチウム塩およびポリマーを含有するものであることが好ましい。リチウム塩としては、上述したリチウム塩を挙げることができる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明に用いられるゲル電解質は、リチウム塩とポリマーと非水溶媒とを含有するものであることが好ましい。
リチウム塩としては、上述したリチウム塩を用いることができる。
非水溶媒としては、上述した非水溶媒を用いることができる。これらの非水溶媒は、一種のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。また、非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
ポリマーとしては、ゲル化が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロプレンオキシド、ポリアクリルニトリル、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロース等が挙げられる。
(その他の構成要素)
その他の構成要素として、セパレータを本発明の電池に用いることができる。セパレータは、上述した正極集電体及び上記負極集電体の間に配向されるものであり、通常、正極活物質層と負極活物質層との接触を防止し、固体電解質を保持する機能を有する。さらに、上記セパレータの材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロースおよびポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、PP/PE/PPの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。さらに、本発明においては、上記セパレータが、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。また、上記セパレータの膜厚は、特に限定されるものではなく、一般的なリチウム二次電池に用いられるセパレータの膜厚と同様である。
3.電池用電極の製造方法
本発明の電池用電極の製造方法は、無機系固体電解質原料及び高分子化合物原料を混合する工程、前記混合工程により得られた無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物を、粉砕混合する工程、並びに、前記粉砕混合工程により粉砕混合された前記混合物と、電極活物質原料とを混合した後、溶着して、電池用電極を形成する工程、を有することを特徴とする。
以下、本発明に係る製造方法の上記3工程について順を追って説明する。なお、本発明に係る製造方法は、必ずしも上記3工程のみに限定されることはない。
3−1.無機系固体電解質原料及び高分子化合物原料を混合する工程
本工程においては、まず、上述した無機系固体電解質の原料と高分子化合物原料を用意し、混合する。本工程における混合は、後述する粉砕混合工程の前段階の予備的な混合であるため、特に混合の方法は限定されず、スターラー等を用いた攪拌混合等の一般的な混合方法を採用することができる。
無機系固体電解質の原料と高分子化合物原料を混合する際には、予め溶媒により高分子化合物原料を溶解させることが、均一な混合という観点から好ましい。
使用できる溶媒としては、溶質となる高分子化合物原料の極性にもよるが、速やかに留去できるという観点から、比較的低い沸点を有する溶媒を用いることが好ましい。使用できる溶媒例としては、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、ヘキサン、デカン等を使用することができ、この内、取り扱いが容易であり、98℃という比較的低い沸点を有するn−ヘプタンを使用することが好ましい。
溶媒を用いた場合には、上記予備的混合を行った後、固体電解質原料−高分子化合物原料混合物を乾燥若しくは半乾燥させ、溶媒を除去することが好ましい。乾燥の方法としては、加熱乾燥、減圧乾燥等を用いることができる。加熱乾燥する場合には、60〜120℃の条件で1〜50時間乾燥させることが好ましい。
なお、本工程終了後においては、高分子化合物原料の形状は、固体電解質原料の周囲を膜状に取り巻いた状態である。
3−2.無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物を、粉砕混合する工程
本工程において、粉砕混合の方法は特に限定されないが、具体的には、常温での処理が可能であり、製造工程の簡略化を図ることができるという観点から、メカニカルミリング法等を例示することができる。
メカニカルミリングは、無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物を、機械的エネルギーを付与しながら粉砕混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルが好ましく、特に、無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物中の高分子化合物原料を、当該混合物中に粒子状に均一に分散させるという観点から、遊星型ボールミルが好ましい。
メカニカルミリングの各種条件は、適宜調製することができる。例えば、遊星型ボールミルにより粉砕混合する場合、ポット内に、予めメノウ乳鉢等で混合した原料及び粉砕用ボールを加え、所定の回転数および時間で処理を行う。遊星型ボールミルを行う際の回転数としては、例えば50rpm〜1000rpmの範囲内、中でも200rpm〜500rpmの範囲内であることが好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば0.1時間〜100時間の範囲内、中でも5時間〜50時間の範囲内であることが好ましい。
このように粉砕混合工程を経ることによって、無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物中の高分子化合物原料を、当該混合物中に均一に分散させることができる。
3−3.粉砕混合された無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物に、電極活物質を混合した後、溶着して、電池用電極を形成する工程
溶着の方法としては、無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物と電極活物質とが、分子レベルで互いに十分に結合でき、結果的に電極活物質−無機系固体電解質間の界面における抵抗層が消失する方法であれば特に限定されないが、例えば、高周波溶着、熱溶着、超音波溶着等を挙げることができる。
特に、熱溶着(軟化溶着)法を使用する場合には、高分子化合物原料の熱分解温度以下の温度条件で、0.01〜1時間溶着することが好ましい。熱溶着の具体例としては、ホットプレスが挙げられる。
このような構成の電池用電極の製造方法により、本発明に係る電池用電極が得られる。また、このような構成の電池用電極の製造方法は、粉砕・混合工程において高分子化合物原料が無機系固体電解質原料内に均一に分散することで、電極活物質−無機系固体電解質間の界面の抵抗層が消失し、イオン伝導性の高い電極を得ることができる。
以下に、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
1.全固体二次電池の作製
[実施例1]
高分子化合物原料の一種として、スチレン−ブタジエンゴム(以下、SBRと称する。)を、ヘプタンに溶解させた。当該溶液を、無機系固体電解質の一種であるLiPSと攪拌混合した。当該混合溶液を120℃の温度条件で乾燥後、遊星型ボールミル(フリッチェ社製、P−7型)により、350rpm、室温(15〜25℃)の条件で、10時間粉砕・混合し、高分子化合物を含有した無機系固体電解質を得た。
無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の含有割合は、無機系固体電解質(LiPS):高分子化合物(SBR)=90体積%:10体積%であった。なお、無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の、ヘプタンの含有割合は100体積%であった。
高分子化合物を含有した無機系固体電解質を、正極活物質の一種であるLiCoOと混合し、正極用合材を得た。このとき、高分子化合物と無機系固体電解質の体積割合の和:正極活物質の体積割合=50:50となるように、正極活物質の量を調節した。
高分子化合物を含有した無機系固体電解質を、負極活物質の一種であるカーボンと混合し、負極用合材を得た。このとき、高分子化合物と無機系固体電解質の体積割合の和:負極活物質の体積割合=50:50となるように、負極活物質の量を調節した。
無機系固体電解質の一種であるLiPSを含む固体電解質層の一方の面に正極用合材を、他方の面に負極用合材を、それぞれ塗布し、200℃のホットプレスにより加熱・加圧成型し、実施例1の全固体二次電池が得られた。
[実施例2]
無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の含有割合を、無機系固体電解質(LiPS):高分子化合物(SBR)=98体積%:2体積%としたこと以外は、実施例1と同様に高分子化合物含有固体電解質を調製した。
調製した高分子化合物含有固体電解質を用いて、実施例1と同様に実施例2の全固体二次電池を作製した。
[実施例3]
無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の含有割合を、無機系固体電解質(LiPS):高分子化合物(SBR)=95体積%:5体積%としたこと以外は、実施例1と同様に高分子化合物含有固体電解質を調製した。
調製した高分子化合物含有固体電解質を用いて、実施例1と同様に実施例3の全固体二次電池を作製した。
[実施例4]
無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の含有割合を、無機系固体電解質(LiPS):高分子化合物(SBR)=80体積%:20体積%としたこと以外は、実施例1と同様に高分子化合物含有固体電解質を調製した。
調製した高分子化合物含有固体電解質を用いて、実施例1と同様に実施例4の全固体二次電池を作製した。
[比較例1]
無機系固体電解質の一種であるLiPSを、正極活物質の一種であるLiCoOと、50:50の体積割合で混合し、正極用合材を得た。また、LiPSを、負極活物質の一種であるカーボンと、50:50の体積割合で混合し、負極用合材を得た。
無機系固体電解質の一種であるLiPSを含む固体電解質層の一方の面に正極用合材を、他方の面に負極用合材を、それぞれ塗布し、200℃のホットプレスにより加熱・加圧成型し、比較例1の全固体二次電池が得られた。
[比較例2]
高分子化合物原料の一種として、SBRをヘプタンに溶解させた。当該溶液を、無機系固体電解質の一種であるLiPS、及び、正極活物質の一種であるLiCoOと混合し、正極用合材とした。
同様に、SBRのヘプタン溶液を、無機系固体電解質の一種であるLiPS、及び、負極活物質の一種であるカーボンと混合し、負極用合材とした。
無機系固体電解質、正極活物質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の、正極用合材中の最終的な含有割合は、無機系固体電解質(LiPS):正極活物質(LiCoO):高分子化合物(SBR)=40体積%:50体積%:10体積%となった。なお、正極用合材中のヘプタンの含有割合は200体積%となった。
無機系固体電解質、負極活物質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の、負極用合材中の最終的な含有割合は、無機系固体電解質(LiPS):負極活物質(カーボン):高分子化合物(SBR)=40体積%:50体積%:10体積%となった。なお、負極用合材中のヘプタンの含有割合は200体積%となった。
無機系固体電解質の一種であるLiPSを含む固体電解質層の一方の面に正極用合材を、他方の面に負極用合材を、それぞれ塗布し、200℃のホットプレスにより加熱・加圧成型し、比較例2の全固体二次電池が得られた。
[比較例3]
無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の含有割合を、無機系固体電解質(LiPS):高分子化合物(SBR)=60体積%:40体積%としたこと以外は、実施例1と同様に高分子化合物含有固体電解質を調製した。
調製した高分子化合物含有固体電解質を用いて、実施例1と同様に比較例3の全固体二次電池を作製した。
[比較例4]
無機系固体電解質、及び、高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の含有割合を、無機系固体電解質(LiPS):高分子化合物(SBR)=40体積%:60体積%としたこと以外は、実施例1と同様に高分子化合物含有固体電解質を調製した。
調製した高分子化合物含有固体電解質を用いて、実施例1と同様に比較例4の全固体二次電池を作製した。
2.全固体二次電池の抵抗測定
電気化学測定システム(ソーラトロン社製、12608W型)を用いて、インピーダンス測定により、実施例1乃至4、及び、比較例1乃至4の全固体二次電池の直流抵抗成分を測定した。
図2(a)は、実施例1乃至4、並びに、比較例1、3及び4の全固体二次電池の初期抵抗を比較したグラフであり、SBR含有割合(vol%)を横軸に、抵抗(Ω)を縦軸にとったグラフである。なお、図中のSBR含有割合(vol%)とは、無機系固体電解質(LiPS)、及び、高分子化合物(SBR)の合計の含有量を100体積%とした時の、高分子化合物(SBR)の含有割合を意味する。
図から分かるように、SBR含有割合が増加するほど、初期抵抗が増加することが分かる。例えば、SBRを含有しない電極を備えた、比較例1の全固体二次電池の初期抵抗値は85Ωであるのに対し、SBR含有割合が10体積%の電極を備えた、実施例1の全固体二次電池の初期抵抗値は97Ωであった。
なお、グラフにはプロットされていないが、比較例2の全固体二次電池の初期抵抗値は957Ωであった。粉砕混合工程を経ずに作製した比較例2の固体二次電池は、実施例1乃至4、及び、比較例1乃至4の全固体二次電池中で最も大きい初期抵抗値を有する結果となった。
図2(b)は、実施例1乃至4、並びに、比較例1、3及び4の全固体二次電池の、100サイクル運転後の抵抗を比較したグラフであり、SBR含有割合(vol%)を横軸に、抵抗(Ω)を縦軸にとったグラフである。なお、図中のSBR含有割合(vol%)は、図2(a)と同様である。
図から分かるように、SBRを一定の割合で含有することにより、SBRを全く含有しない比較例1の全固体電池と比較して、抵抗を低減できることが分かる。例えば、SBRを含有しない電極を備えた、比較例1の全固体二次電池の100サイクル運転後の抵抗値は156Ωであるのに対し、SBR含有割合が10体積%の電極を備えた、実施例1の全固体二次電池の100サイクル運転後の抵抗値は104Ωであった。図2(b)のグラフにおける比較例1、実施例1の抵抗値を、図2(a)のグラフにおける比較例1、実施例1の値とそれぞれ比較すると、比較例1の全固体二次電池は、100サイクル運転後に抵抗値がほぼ2倍となったのに対し、実施例1の全固体二次電池は、100サイクル運転後であっても抵抗値がほとんど増加しない結果となった。
なお、グラフにはプロットされていないが、比較例2の全固体二次電池の100サイクル運転後の抵抗値は1003Ωであった。粉砕混合工程を経ずに作製した比較例2の固体二次電池は、実施例1乃至4、及び、比較例1乃至4の全固体二次電池中で、最も大きい100サイクル運転後の抵抗値を有する結果となった。
また、図2(b)のグラフから、SBR含有割合が1〜30体積%の電極を備えた全固体二次電池は、SBRを含有しない電極を備えた比較例1の全固体二次電池よりも、100サイクル運転後の抵抗値が低いことが分かる。
1 電解質層
2 正極活物質層
3 負極活物質層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 正極
7 負極
100 全固体リチウム二次電池
本発明の電池用電極は、無機系固体電解質、電極活物質、及び、当該無機系固体電解質中に分散した高分子化合物を含み、前記無機系固体電解質、及び、前記高分子化合物の合計の含有量を100体積%としたときの、前記高分子化合物の含有割合が10〜30体積%であることを特徴とする。
このような構成の電池用電極は、前記高分子化合物を含むため、電極活物質−無機系固体電解質間の界面の抵抗を下げることができ、したがって、電池に組み込まれた際に、当該電池が高い出力を発揮することができる。また、このような構成の電池用電極は、前記高分子化合物を適切な割合で含むため、電池に組み込まれた際に、特に長時間使用後の抵抗を低減させることができる。

Claims (7)

  1. 無機系固体電解質、電極活物質、及び、当該無機系固体電解質中に分散した高分子化合物を含むことを特徴とする、電池用電極。
  2. 前記高分子化合物が合成ゴムである、請求の範囲第1項に記載の電池用電極。
  3. 前記高分子化合物が、ブタジエンゴム又はスチレン−ブタジエンゴムである、請求の範囲第1項又は第2項に記載の電池用電極。
  4. 前記高分子化合物が粒子状である、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の電池用電極。
  5. 前記無機系固体電解質、及び、前記高分子化合物の合計の含有量を100体積%とした時の、前記高分子化合物の含有割合が1〜30体積%である、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の電池用電極。
  6. 少なくとも、正極と、負極と、当該正極及び当該負極との間に介在する電解質層とを備える電池であって、
    前記正極及び前記負極の少なくともいずれか一方が、前記請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一項に記載の電池用電極であることを特徴とする、電池。
  7. 無機系固体電解質原料及び高分子化合物原料を混合する工程、
    前記混合工程により得られた無機系固体電解質原料−高分子化合物原料混合物を、粉砕混合する工程、並びに、
    前記粉砕混合工程により粉砕混合された前記混合物と、電極活物質原料とを混合した後、溶着して、電池用電極を形成する工程、を有することを特徴とする、電池用電極の製造方法。
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