JPWO2011083622A1 - 環状吸音材およびタイヤ - Google Patents

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Abstract

タイヤの空気室内に用いることのできる環状吸音材であって優れた騒音低減効果を有する環状吸音材、および該環状吸音材を空気室内に備えてなる、優れた騒音低減効果を有するタイヤを提供する。繊維構造体を含み、かつ肉厚が1mm以上の環状吸音材であって、上記繊維構造体が下記の要件(1)を満足する環状吸音材。(1)非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と上記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し、かつ上記熱接着性複合短繊維と上記非弾性捲縮短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列してなる繊維構造体。

Description

本発明は、タイヤの空気室内に用いることのできる環状吸音材および該環状吸音材を空気室内に備えてなるタイヤに関するものである。
自動車のタイヤは、走行時に回転して路面に接触する際、大きな騒音を発生するので、かかる騒音の対策として、今までタイヤの空気室内に抵抗バリアを設ける方法、タイヤの空気室内にバッフルを設ける方法、タイヤの空気室を仕切ることにより内圧を互いに異ならせる方法などが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
しかしながら、このような技術においては、自動車のタイヤとして用いた際、走行時の騒音低減効果および耐久性の点でまだ十分とはいえなかった。
特表2008−543675号公報 特開平8−282220号公報 特開昭62−50203号公報
本発明の目的は、タイヤの空気室内に用いることのできる環状吸音材であって、優れた騒音低減効果を有する環状吸音材、および該環状吸音材を空気室内に備えてなるタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討した結果、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを用いて、繊維が厚さ方向に配列しかつ熱固着点を有する、環状の繊維構造体を得た後、該繊維構造体をタイヤの空気室内に備えることにより、優れた騒音低減効果が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「繊維構造体を含み、かつ肉厚が1mm以上の環状吸音材であって、上記繊維構造体が下記の要件(1)を満足することを特徴とする環状吸音材。」が提供される。
(1)非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と上記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し、かつ上記熱接着性複合短繊維と上記非弾性捲縮短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列してなる繊維構造体。
その際、環状吸音材において、該環状吸音材の中心軸方向の長さが250mm以上であることが好ましい。
また、上記環状吸音材が円環状であることが好ましい。
また、上記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなることが好ましい。
また、上記熱接着性複合短繊維の熱融着成分が共重合ポリエステルからなることが好ましい。
また、上記繊維構造体の平均密度が20〜200kg/mの範囲内にあることが好ましい。
また、上記繊維構造体にシート状物が積層されてなることが好ましい。
その際、上記シート状物が厚さ0.01〜5mmの不織布であることが好ましい。
次に、本発明によれば、上記の環状吸音材をタイヤの空気室内に備えてなることを特徴とするタイヤが提供される。
その際、上記環状吸音材により、タイヤの空気室が仕切られていることが好ましい。
また、上記環状吸音材を走行中の安全性を確保できるレベルで着脱自在にタイヤの空気室内に備えていることが好ましい。
本発明によれば、タイヤの空気室内に用いることのできる環状吸音材であって、優れた騒音低減効果を有する環状吸音材、および該環状吸音材を空気室内に備えてなる、優れた騒音低減効果を有するタイヤが提供される。
本発明で用いられる繊維構造体を作成するための熱処理機の一例を示す側面図である。 繊維構造体における後記のB/Aの測定方法を説明するための模式図である。 ウエブをアコーディオン状に折りたたんだものを模式的に示す図である。 繊維構造体にシート状物を積層したものを模式的に示す図である。 本発明に係る環状吸音材を模式的に示す図である。 本発明に係るタイヤの断面を模式的に示す断面構成図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で使用する非弾性捲縮短繊維に用いられる素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリ乳酸(PLA)や、これらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。さらに、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、その他のポリアミド、ポリオレフィン、アクリル、モダクリル等の合成繊維やレーヨン、および絹、綿、麻、羊毛等の天然繊維が挙げられる。さらに、衣料等の繊維製品を、物理的にほぐし、綿または毛状の単繊維に戻した反毛等も使用できる。
これらの短繊維のうち、繊維形成性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
この場合の捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、捲縮数が3〜40個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
ここで、上記非弾性捲縮短繊維において、単繊維径が20〜200μmの範囲内であることが好ましい。上記単繊維径が20μmよりも小さいと、充分な剛性が得られないおそれがある。逆に、上記単繊維径が200μmよりも大きいと、充分な吸音特性が得られないおそれがある。
上記非弾性捲縮短繊維の単繊維横断面形状は、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、上記単繊維径は丸断面に換算した値を使用するものとする。さらに、丸中空断面の場合は外径寸法を測定するものとする。さらに、ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤、分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
また、上記非弾性捲縮短繊維の繊維長としては、5〜100mmの範囲内であることが好ましい。上記繊維長が5mmよりも小さいと、繊維間の絡みが低下し充分な強度、剛性が得られないおそれがある。逆に、上記繊維長が100mmよりも大きいと、工程安定性が損なわれるおそれがある。
次に、熱接着性複合短繊維の熱融着成分は、上記の非弾性捲縮短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが必要である。この温度差が40℃未満では接着が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となり、本発明の目的が達せられないおそれがある。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマーの共重合物(共重合ポリエステル系ポリマー)、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコール系ポリマー等を挙げることができる。
このうち、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6,000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
ポリエステル系エラストマーとしては、ポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常、30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合ポリエステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマー(共重合ポリエステル)が特に好ましい。なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤、分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
熱接着性複合短繊維において、熱融着成分の相手側成分としては上記のような非弾性のポリエステルが好ましく例示される。その際、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と非弾性ポリエステルが、複合比率で30/70〜70/30の範囲にあるのが適当である。熱接着性複合短繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と非弾性ポリエステルとが、サイドバイサイド、芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、非弾性ポリエステルが芯部となり、熱接着成分が鞘部となるが、この芯部は同心円状、若しくは、偏心状であってもよい。
かかる熱接着性複合短繊維において、単繊維径としては20〜50μmの範囲内であることが好ましい。かかる熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
本発明においては、上記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿させ、加熱処理することにより、熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点、および熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体が形成される。
この際、非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は90/10〜10/90である必要がある。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がなく、成型性が不良となる。一方、熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より多い場合は、接着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取扱い性、成型性などが低下する。
さらに、本発明においては、上記繊維構造体の厚さが1mm以上(好ましくは1〜50mm)であり、かつ上記熱接着性複合短繊維と上記捲縮短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列していることが肝要である。
ここで、「厚さ方向に配列している」とは、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(B)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(A)とするとき、B/Aが1.5以上であることである。
すなわち、本発明においては、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されているため、吸音、剛性特性に優れなお且つ成型性の良好な吸音用繊維構造体を得ることができる。また、構成繊維が厚み方向に配列していると、環状に成形する場合、繊維配向が少しずつずれることで、均一な成形品が可能となる、また、タイヤ等に装着して使用した場合、繊維構造体内においてタイヤの路面設置方向への厚みが変化しにくく安定した性能を得ることができる。
一方、構成繊維が繊維構造体の面方向に配列している場合(B/Aが1.5未満の場合)は、環状への成形が均一にできず、また、本発明の効果が充分に奏されず、吸音特性が不十分であり、長期使用においては振動により吸音材の層が剥離して効果が落ちるとともに厚みが増加しタイヤ等へ接触することとなる。
このような繊維構造体を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、図1に示すような熱処理機を用いて、ウエブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば、特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。
なお、図1において、符号1はウエブ、符号2はコンベア、符号3はヒータ、符号4は繊維構造体である。
かくして得られる繊維構造体は、圧縮成形(プレス加工)されていることが好ましい。
本発明に用いられる繊維構造体は、図2〜3に示すように、構成繊維が該繊維構造体の厚さ方向に配列されているため、プレス加工した場合、繊維自体の剛性により反発性が非常に高いため、表層側より密度がアップすることとなり、あたかもダンボール構造のような形状となるため、剛性がアップすることとなる。また、表層側の密度がアップするため、後記する不織布などのシート状物との接着性も向上することとなる。
なお、圧縮成形(プレス成形)の温度条件としては、加熱温度が110〜220℃、好ましくは130〜200℃である。
なお、図2において、符号4は繊維構造体、Dは繊維構造体の厚さ方向、Dは非弾性捲縮短繊維または熱接着性複合短繊維の配列方向、Fは非弾性捲縮短繊維または熱接着性複合短繊維を示し、また、図3において、符号5は、ウエブの山を示す。
かかる繊維構造体の平均密度は20〜200kg/mの範囲にあることが好ましい。この密度が20kg/m未満では、充分な剛性が得られないおそれがある。逆に、平均密度が200kg/mを超えると、板状となり、その後の成型が困難になる他、音が反射するようになり、環状吸音材として使用できなくなるおそれがあるとともに、重量増加となりタイヤ用途等には好ましくない。ここで、平均密度とは、2,500mm以上の大きさのサンプルを10枚採取して、密度を算出しその平均値を算出した値である。
また、本発明の繊維構造体の厚さとしては、1mm以上であることが好ましい。さらに好ましくは、1.5〜40mmである。厚さが1mmより薄い場合は、吸音性に劣り、また、剛性も低くなる。厚みは構造体の剛性、成形性およびタイヤ内部の空洞のサイズによって適当に決定される必要がある。
本発明に用いられる繊維構造体において、剛性を高めるために繊維構造体の表面に熱を付与し表面を溶融させることは好ましいことである。この熱処理は、上記圧縮成形(プレス成形)により実施することができる。
また、剛性を高めるために、図4に示すように、繊維構造体にシート状物を積層することは好ましいことである。
なお、図4において、符号4は繊維構造体、符号6はシート状物である。
その際、シート状物を貼り合せる繊維構造体の面は、繊維構造体の厚み方向(すなわち繊維構造体の構成繊維の配列方向)と垂直な面であることが好ましい。かかる面にシート状物を貼りあわせることにより、繊維構造体を構成する繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列しているので、繊維がアンカー効果を発揮し繊維構造体内で剥離しにくい。なお、繊維構造体を構成する繊維の繊維長が5mm未満であるとこの効果が低くなるおそれがある。また、繊維構造体の厚み方向に繊維が配列している場合、シート状物をラミネートする際、圧縮しながらラミネートすることが一般的であるが、厚み方向に対しての剛性が高いため、厚みを確保でき、軽量化が達成できる。
なお、シート状物を繊維構造体に貼り合わせる場合、片面であっても両面であってもよい。
ここで、上記シート状物としては、スパンボンドまたはメルトブローまたはフラッシュボンド等の直接紡糸法による不織布や、スパンレースまたはエアレイドまたはカード法による短繊維構造体による不織布、さらには、それらを組み合わせた物などが好ましい。また、強度や経済性、使用時の作業性を考慮すると、シート状物の厚さは0.01〜5mmが好ましい。特に好ましくは、0.1〜2mmである。使用する素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリ乳酸(PLA)やこれらの共重合体に代表されるポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、その他ポリオレフィン、アクリル、モダクリル等の合成繊維やレーヨン繊維等が挙げられる。
以上のように、少なくとも繊維構造体の片面にシート状物を積層することにより、シート状物側からの入射音に対する吸音性能が飛躍的に向上する。なお、この場合、シート状物の通気度は、5〜200cm/cm/secが好ましく、これにより、環状吸音材の表面を低通気にすることで、タイヤ内に入った路面からの音が本吸音材を通過する際に大きく減衰する。シート状物が、通気度5cm/cm/sec未満の通気度がほとんど無いフィルム状の物であると、剛性の高い繊維構造体と組み合わせた場合、音が反射する構造となり、好ましくない。逆に、シート状物の通気度が200cm/cm/secより大であると、通気性が高く、繊維構造体による吸音性は期待できるが、特に低周波の騒音(500Hz以下)において大きな吸音性が得られないおそれがある。
なお、シート状物は、片面以外に裏面や繊維構造体内部の中間層に設置することも可能である。
繊維構造体とシート状物を貼り合せる方法としては、単に繊維構造体とシート状物を加熱プレスする方法や、機械的にニードル等により接合する方法、または、接着層を設ける方法等がある。接着層としては、粉体又はシート状、ネット状等で、熱により初めて溶融接着されるホットメルトタイプの樹脂や低融点樹脂繊維からなる不織布が好ましい。なお、低融点樹脂または低融点樹脂繊維の組成としては、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアクリル系等の樹脂でもよい。
また、上記シート状物の上や、上記シート状物とは繊維構造体を介して反対側に、高通気のシート状物を貼り合せることもできる。
本発明において、繊維構造体を構成する繊維が、該繊維構造体の厚さ方向(すなわち、シート状物に対して垂直方向)に配列しているので、繊維構造体とシート状物との優れた剥離強度が得られる。かかる繊維構造体とシート状物との剥離強度としては、密度0.01kg/mあたり5N/25mm以上(より好ましくは6〜30N/25mm)であることが好ましい。なお、この剥離強度は、以下の方法により測定される。
すなわち、25mm×150mmの長方形の試料片を取り、試料片からシート状物と繊維構造体との界面を長片に平行に約50mm剥がす。剥がしたシート状物と繊維構造体を引張り試験機〔例えばテンシロン(商品名)〕に取り付け、速度200mm/分で引き剥がし、このときの剥離強度を求める。この剥離強度が密度0.01kg/mあたり5N/25mm未満である場合は、タイヤ等で使用した場合、遠心力や振動等でシート状物が剥離してしまい、本来の吸音性を得ることができないおそれがある。
本発明の環状吸音材は、例えば以下の製造方法により製造することができる。すなわち、前述のように、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、図1に示すような熱処理機を用いて、ウエブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させることにより、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列した、厚さ1mm以上の繊維構造体を得た後、必要に応じて、繊維構造体の少なくとも表面および/または裏面に上記シート状物を貼り合せた後、または、それらを合わせたのみで金型により円環状に熱成型することで環状吸音材を製造することが可能である。この場合の熱成型温度は、通常、100〜230℃、好ましくは110〜200℃程度である。
また、熱成形は、熱風炉や、熱プレス等により加工できるが、熱処理を湿熱処理下で行うことで、低通気のシート状物を貼り合せた物でも効率的に且つ均一な製品を製造することが可能である。この場合「湿熱処理」とは、高熱蒸気による繊維構造体の湿熱熱成形処理をいう。温度、時間などの湿熱処理条件は適宜決めればよい。
かくして得られた環状吸音材において、寸法は特に制限されないが、図5に示すように、タイヤの空気室内で用いる上で、環状吸音材の中心軸方向の長さが250mm以上であり、好ましくは300〜900mmの範囲、最外径が300〜800cmの範囲内であることが好ましい。
なお、図5において、符号7は環状吸音材、符号8は該環状吸音材に取り付けられた面ファスナーである。
また、本発明の環状吸音材は、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
かかる環状吸音材は、吸音性が極めて良好で、また、繊維構造体にシート状物が積層されている場合にはシート状物が剥離しにくく、しかも優れた剛性を有する。
次に、本発明のタイヤは、上記の円環状の環状吸音材を、タイヤの空気室内に備えてなるタイヤである。タイヤの空気室内に上記環状吸音材を備えることにより、走行時に優れた騒音低減効果が得られる。その際、図6に模式的に示すように、環状吸音材によりタイヤの空気室が仕切られるように取り付けると優れた騒音低減効果が得られ好ましい。タイヤまたはホイールに接触した状態で使用される場合、騒音低減効果があまり得られないおそれがある。特に、環状吸音材が、タイヤのトレッド部内壁に接触する場合は、振動が直接伝わり、かつ、路面摩擦およびタイヤ素材の変形による熱が直接環状吸音材に伝わり、耐久性等が低下するおそれがある。
なお、上記の環状吸音材をタイヤまたはホイールに固定する方法は、接着、熱溶着、クランプを用いる方法など特に限定されず、さらに固定後に着脱が可能であるなしに限定されないが、安全性を確保できるレベルで着脱自在な固定方法であることが好ましい。例えば、図6に示すように、面ファスナー8を、縫製や接着剤等を使用し環状吸音材7とタイヤ9(またはホイール)にオスメスの面ファスナーを設置することで、安全性を確保しながらも着脱自在となり、何らかの要因でタイヤを内側から修理する必要がある場合や環状吸音材が劣化した場合、容易に修理したり交換したりできる。また、タイヤと吸音材との間に適切なアタッチメントを設置し、二つを連結することも出来る。
なお、上記の環状吸音材をタイヤ用途以外の用途に用いることは何ら差しつかえない。また、上記タイヤは、乗用車、トラック、オートバイ、航空機、自転車、リヤカーなど各種のタイヤに用いることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)融点
Du Pont社製、熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)捲縮数
JIS L 1015 7.12に記載の方法により測定した。なお、n数5でその平均値を求めた。
(3)B/A
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている繊維(図2において0°≦θ≦45°)の総本数を(B)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維(図1において45°<θ≦90°)の総本数を(A)としてB/Aを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
(4)騒音測定
測定環境として、半無響室内に設置されたシャシダイナモメーター(シングルローラータイプ)を用い、車両の定常走行を模擬して騒音測定を行った。タイヤの駆動はシャシダイのモーターを用い、車のエンジンは使用しなかった。
試験速度は50km/hで車両左前のタイヤ側方にマイクを設置した。測定地点は、タイヤより1.875m離れ高さ0.3mで測定。また、測定値は3回実施しその平均とした、なお、計測時間は5秒間行い,その間の最高値を記録。車両はトヨタ エスティマ、タイヤサイズ及びメーカーとしては、Michelin Pilot Primacy 205/60/R16を使用した。
(5)繊維構造体およびシート状物の厚さ(mm)
JIS K6400により測定した。
(6)剛性(硬度測定)
ゴム硬度計(高分子計器株式会社製、スプリング゛式硬さ試験機)、形式:FPを使用して測定した(15mmΦの圧縮剛性測定)。
(7)繊維構造体の平均密度(g/cm
下記式により密度(g/cm)を求めた。
密度(g/cm)=ウエブの目付け(g/cm)/繊維構造体の厚さ(cm)
次に、平均密度は、2,500mm(1辺が50mmの正方形)の大きさのサンプルを10枚採取して、密度を算出しその平均値を算出した値である。
(8)通気度
フランジール法によって測定。単位はcm/cm・secで示した。
[実施例1]
帝人ファイバー(株)製、ポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維(1.7dtex×51mm、捲縮数9ケ/2.54cm、単繊維断面形状:丸断面)を50重量%、帝人ファイバー(株)製、芯鞘型熱融着複合繊維(2.2dtex×51mm、捲縮数9ケ/2.54cm、単繊維断面形状:丸断面)を50重量%用いた。なお、この芯鞘型熱融着複合繊維は、融点が110℃の共重合ポリエステル(テレフタル酸とイソフタル酸とを60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとジエチレングリコールとを85/15(モル%)で混合したジオール成分とからなる。)を鞘成分に配し、通常のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配したものである。これら2タイプの繊維を開繊、混綿し、ローラーカード、クロスレイ、ローラーカードの順に通し、次にStruto社製、Struto設備を使用し、ウエブを図3のようにアコーディオン状に折りたたみ大部分の繊維を厚み方向に配列(B/A=4.7)させた後、170℃で加熱処理を施し、目付け800g/m、厚さ30mmの繊維構造体を得た。このものの平均密度は、26.7kg/mであった。
次に、シート状物として目付け30g/m、厚さ0.3mmの特殊長繊維不織布(旭化成社製、“プレシゼ”(商品名)、素材:ポリエチレンテレフタレート繊維)を巻き出しながら、一方、PE(ポリエチレン)バウダーを上記繊維構造体に20g/m散布しながら異なる巻き出し口より同時に巻きだしながら、ベルトタイプのラミネート設備を利用して加熱圧着、冷却を実施することにより、繊維構造体の片面に特殊長繊維不織布を貼り合せたロール状の吸音材を作製した(図4参照)。なお、特殊長繊維不織布の通気度は、80cm/cm/secであった。
次いで、吸音材を環状に成形できる、タイヤ形状に類似した円環状の金型を使用し、作製したロール状の吸音材を長方形に裁断したのち、圧縮しながらこの金型にセットした。その際、シート状物が環の外側に位置するよう配置した。そして、120℃の湿熱缶にて15分熱処理した後、金型を扇風機で空冷した。その後、金型より環状吸音材を取り出して成形品を得た。
得られた環状吸音材において、タイヤ側中央部の表面硬度は、成形前(金型で熱処理する前):20、成形品(金型で熱処理したもの)は90、平均密度は41.5kg/mであった。また、環状吸音材の肉厚は20mm、環状吸音材の中心軸方向の長さは550mm、外径は570mmであった。
次いで、環状吸音材の両端部に巾2cmの面ファスナーのフック側を縫着した。一方、タイヤ内側のビード部付近に接着剤で巾2cmの面ファスナーのループ側を接着した。
次いで、環状吸音材を取り付けた上記タイヤを乗用車に取り付け(前後輪左右1個ずつ計4個)、上記(4)に示す車外騒音の測定を行った。車外騒音の評価結果を表1に示す。また、加えて80km/hの速度で高速道路を走行したが、その時のロードノイズは、環状吸音材を装着しない比較例1と比較し、大きく低減した。また、走行時や路面の継ぎ目を乗り越える際の振動も低下したように感じられ、カーブでのハンドリングも非常にスムースであった。
[実施例2]
実施例1と同様な繊維配合にて、目付け600g/m、厚さ25mmの繊維構造体を得た。このものの配列(B/A)は4.5、平均密度は24kg/mであった。それ以外は、実施例1と同様にして環状吸音材を作製した。実施例1と同様に上記(4)に示す車外騒音の測定を行った。測定した車外騒音の評価結果を表1に示す。高速道路での走行テストでは、車内のロードノイズは、環状吸音材を装着しない比較例1と比較し、大きく低減した。
なお、面ファスナー装着前の得られた環状吸音材において、表面硬度は、成形前:18、成形品は85であった。また、環状吸音材の肉厚は15mm、環状吸音材の中心軸方向の長さは550mm、外径は570mmであった。
[実施例3]
実施例1と同様の繊維構造体を使用し、次に実施例1と同様のスパンボンドメルトブロー不織布を実施例1と同様なことを2回繰返して、表面及び裏面がスパンボンドメルトブロー不織布で被覆されたシート状物を作成、その後、実施例1と同様にして環状吸音材を作製し、タイヤに装着し吸音性能を測定した。測定した車外騒音の評価結果を表1に示す。高速道路での走行テストでは、車内のロードノイズは、環状吸音材を装着しない比較例1と比較し、大きく低減した。
なお、面ファスナー装着前の得られた環状吸音材において、表面硬度は、成形前:20、成形品は90であった。また、環状吸音材の肉厚は20mm、環状吸音材の中心軸方向の長さは550mm、外径は570mmであった。
[実施例4]
実施例1と同様の繊維構造体を使用し、次に実施例1同様のスパンボンドメルトブロー不織布を実施例1と同様にして環状吸音材とした場合の内側になるほうに貼りあわせ、反対側の面には、スパンボンド不織布50g/m品(東洋紡株式会社製、通気度:150cm/cm/sec)を1枚貼り合わせたシート状物を作製し、その後、実施例1と同様にして環状吸音材を作製し、タイヤに装着し吸音性能を測定した。測定した車外騒音の評価結果を表1に示す。高速道路での走行テストでは、車内のロードノイズは、環状吸音材を装着しない比較例1と比較し、大きく低減した。
なお、面ファスナー装着前の得られた環状吸音材において、表面硬度は、成形前:25、成形品は95であった。また、環状吸音材の肉厚は20mm、環状吸音材の中心軸方向の長さは550mm、外径は570mmであった。
[実施例5]
実施例1において、スパンボンドメルトブロー不織布を繊維構造体に貼り合せることなしに、環状吸音材を作成し、その後、実施例1と同様にして環状吸音材を作製し、タイヤに装着し吸音性能を測定した。測定した車外騒音の評価結果を表1に示す。高速道路での走行テストでは、車内のロードノイズは、環状吸音材を装着しない比較例1と比較し、大きく低減した。
なお、面ファスナー装着前の得られた環状吸音材において、表面硬度は、成形前:15、成形品は70であった。また、環状吸音材の肉厚は20mm、環状吸音材の中心軸方向の長さは550mm、外径は570mmであった。
[比較例1]
環状吸音材を装着しないタイヤでの速度50km/hにおけるシャシダイ上での上記(4)に示す車外騒音測定結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様の原綿配合にて開繊、混綿し、ローラーカード、クロスレイ、ローラーカードの順に通し、重ねたまま170℃で加熱処理を施し、目付け800g/m、厚さ30mmの繊維構造体を得た。(B/A=0.9)。このものの平均密度は、26.7kg/mであった。
次に、シート状物として目付け30g/m、厚さ0.3mmスパンボンドメルトブロー不織布(旭化成社製)を巻き出しながら、一方、PE(ポリエチレン)バウダーを上記繊維構造体に20g/m散布しながら異なる巻き出し口より同時に巻きだしながら、ベルトタイプのラミネート設備を利用して加熱圧着、冷却を実施することにより、繊維構造体の片面にスパンボンドメルトブロー不織布を貼り合せたロール状の吸音材を作製した。なお、スパンボンドメルトブロー不織布の通気度は、50cm/cm/secであった。
次いで、吸音材を環状に成形できる、タイヤ形状に類似した金型を使用し、作製したロール状の吸音材を長方形に裁断したのち、圧縮しながらこの金型にセットしようとしたが、本シートは金型に添うことなく、くの字型に折れ曲がり、均一にセットすることができず、タイヤ形状に成形することが出来なかった。また、表面の剛性も不十分であった。
本発明によれば、タイヤの空気室内に用いることのできる環状吸音材であって優れた騒音低減効果を有する環状吸音材、および該環状吸音材を空気室内に備えてなる、優れた騒音低減効果を有するタイヤが得られる。本発明の環状吸音材は、乗用車、トラック、オートバイ、航空機、自転車、リヤカーなど各種のタイヤに適用でき、その工業的価値は極めて大である。
F :非弾性捲縮短繊維または熱接着性複合短繊維
:繊維構造体の厚さ方向
:非弾性捲縮短繊維または熱接着性複合短繊維の配列方向
1 :ウエブ
2 :コンベア
3 :ヒータ
4 :繊維構造体
5 :ウエブの山
6 :シート状物
7 :環状吸音材
8 :面ファスナー
9 :タイヤ

Claims (11)

  1. 繊維構造体を含み、かつ肉厚が1mm以上の環状吸音材であって、上記繊維構造体が下記の要件(1)を満足することを特徴とする環状吸音材。
    (1)非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と上記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し、かつ上記熱接着性複合短繊維と上記非弾性捲縮短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列してなる繊維構造体。
  2. 環状吸音材において、環状吸音材の中心軸方向の長さが250mm以上である、請求項1に記載の環状吸音材。
  3. 上記環状吸音材が円環状である、請求項1に記載の環状吸音材。
  4. 上記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなる、請求項1に記載の環状吸音材。
  5. 上記熱接着性複合短繊維の熱融着成分が共重合ポリエステルからなる、請求項1に記載の環状吸音材。
  6. 上記繊維構造体の平均密度が20〜200kg/mの範囲内にある、請求項1に記載の環状吸音材。
  7. 上記繊維構造体にシート状物が積層されてなる、請求項1に記載の環状吸音材。
  8. 上記シート状物が厚さ0.01〜5mmの不織布である、請求項7に記載の環状吸音材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の環状吸音材を、タイヤの空気室内に備えてなることを特徴とするタイヤ。
  10. 上記環状吸音材により、タイヤの空気室が仕切られてなる、請求項9に記載のタイヤ。
  11. 上記環状吸音材を走行中の安全性を確保できるレベルで着脱自在にタイヤの空気室内に備えてなる、請求項9に記載のタイヤ。
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