JPWO2010140561A1 - 脱脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

脱脂組成物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010140561A1
JPWO2010140561A1 JP2010538673A JP2010538673A JPWO2010140561A1 JP WO2010140561 A1 JPWO2010140561 A1 JP WO2010140561A1 JP 2010538673 A JP2010538673 A JP 2010538673A JP 2010538673 A JP2010538673 A JP 2010538673A JP WO2010140561 A1 JPWO2010140561 A1 JP WO2010140561A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
less
silicate
degreasing composition
chelating agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010538673A
Other languages
English (en)
Inventor
成彦 野嶋
成彦 野嶋
裕作 石原
裕作 石原
山本 秀之
秀之 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yuken Industry Co Ltd
Original Assignee
Yuken Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yuken Industry Co Ltd filed Critical Yuken Industry Co Ltd
Publication of JPWO2010140561A1 publication Critical patent/JPWO2010140561A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/14Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with alkaline solutions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D3/00Other compounding ingredients of detergent compositions covered in group C11D1/00
    • C11D3/16Organic compounds
    • C11D3/20Organic compounds containing oxygen
    • C11D3/2003Alcohols; Phenols
    • C11D3/2006Monohydric alcohols
    • C11D3/201Monohydric alcohols linear
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/02Inorganic compounds
    • C11D7/04Water-soluble compounds
    • C11D7/06Hydroxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/02Inorganic compounds
    • C11D7/04Water-soluble compounds
    • C11D7/10Salts
    • C11D7/14Silicates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/50Solvents
    • C11D7/5004Organic solvents
    • C11D7/5022Organic solvents containing oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/22Organic compounds
    • C11D7/26Organic compounds containing oxygen
    • C11D7/261Alcohols; Phenols

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

低温保管時の結晶化が抑制され、しかも環境負荷が少ない洗浄液を調製するためのスラリー状の脱脂組成物の製造方法として、第1の液体と粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩とを混合してスラリーを得る工程を備え、前記第1の液体は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、水とを含有し、前記脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の前記アルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下の前記アルコールと、1質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、キレート剤を含有しない製造方法が提供される。

Description

本発明は一般的な金属表面処理用の洗浄作業における補給管理の省力化および作業安全性の向上を可能とする濃厚アルカリ液体による脱脂組成物およびその製造方法であって、高濃度でありながら保管安定性に優れた脱脂組成物およびその製造方法に関する。
めっき、塗装、熱処理等の表面処理方法にあって、目的とする表面処理工程に先立つ金属素材の洗浄工程は、一連の加工工程中でも不良率を大きく左右する重要な工程である。したがって、生産品の品質の低下を抑制する観点から、洗浄工程の管理、具体的には洗浄液中の洗浄剤濃度管理を容易にする手段が望まれている。
上記の洗浄工程で従来用いられていた脱脂用の洗浄剤は、強アルカリ性物質からなるアルカリ成分を含む粉末状の固体洗浄剤であり、これを溶媒(主として水)に溶解して洗浄液としていた。この洗浄液は、洗浄能力は良好であるものの、洗浄剤が粉体状であるために、現場の作業者が洗浄剤保管場所から運び出し、洗浄槽へ必要量を投入・溶解する手間が不可欠であった。また、その作業において強アルカリ性の粉末が飛散し、これを作業者が吸引すると健康障害を起こす可能性があるため、安全性を確保するための対策を講じる必要があった。
そこで、従来試みられていたのは、この様な粉体状の洗浄剤を水溶液化して自動補給装置を用いて補給する手段であった。しかしながら、この場合には洗浄剤を一旦溶解して得られる大量のストック液を保管するスペースが必要とされる。このスペースを生産現場で確保するのは困難であった。このため、ストック槽の容積を小さくすることが可能であり、かつ昨今大幅に負担が増加している流通コストをも低減することが可能な濃厚液体洗浄剤が熱望されている。
このような濃厚液体洗浄剤(本発明において「脱脂組成物」という。)は、従来技術に係る粉体状のアルカリ洗浄剤を単に少量の溶媒で溶解しただけでは得ることができない。その理由は次のとおりである。すなわち、洗浄力を確保するための必須成分である上記のアルカリ成分の含有量が全組成物に対して25質量%以上となると、アルカリ成分は特に結晶化しやすくなる。このため、そのような脱脂組成物は、製造直後は液状であっても、氷点下のような低温環境に保管されると速やかに結晶化してしまい、そのままでは洗浄液を調製するための脱脂組成物として使用することができなくなってしまう。
かかる結晶化を抑制して保管安定性を確保する手段の一つとして、特許文献1に記載されるように、脱脂組成物にカチオン化された糖類などの分散剤を配合することが挙げられる。
特開平6−184775号公報
上記の特許文献1に記載される手段は、結晶化の抑制という目的に対しては高い効果を有するものの、分散剤として添加する物質、例えばカチオン化デンプンやポリエチレングリコールが洗浄液のCODやBODを上昇させる。このため、排水規制の厳しい地域では洗浄液中におけるこれらの分散剤の成分の濃度を高めることが困難である。このことは、その洗浄液を調製するための脱脂組成物におけるこれらの分散剤の成分の濃度を高めることが困難であることも意味する。それゆえ、結果的に、高い洗浄性を有する洗浄液を安定的に提供することが困難となる場合もあった。
また、洗浄される対象物(以下、「洗浄対象」ともいう。)に含まれる金属成分が洗浄剤に溶解して脱脂組成物の成分と不溶性塩を作る場合があり、これは洗浄液の品質低下をもたらす。このため、洗浄液の成分としてキレート剤を含有させることがある。ところが、上記のような分散剤を用いた脱脂組成物では、キレート剤を配合させると、分散剤が配合されているにもかかわらず結晶化を生じる場合があった。このような場合にはキレート剤を脱脂組成物に配合することができず、別添加とする必要があった。このことは洗浄液の調整における作業負荷を増大させ、フットプリントや輸送コストの減少の観点からも好ましいことではない。
本発明はかかる現状を鑑み、環境負荷が大きな上記の分散剤を用いることなく、かつキレート剤を含有させることが可能な脱脂組成物、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために提供される本発明の一態様は、洗浄液を調製するためのスラリー状の脱脂組成物の製造方法であって、具体的には次の4形態を含む。
本発明に係る第1の脱脂組成物の製造方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第1の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第1の液体は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、キレート剤を含有しない。
「珪酸塩」とは、珪酸の金属塩、典型的にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩をいい、その具体的な種類として、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムが例示される。なお、本発明において、珪酸塩の含有量は、珪酸塩が水和物である場合にはその水和水も含む含有量を意味する。
本発明に係る第2の脱脂組成物の製造方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第2の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第2の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、キレート剤と、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、0.0質量%超5質量%未満のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有する。
本発明に係る第3の脱脂組成物の製造方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第3の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第3の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、キレート剤と、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、0.0質量%超5質量%以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有する。
本発明に係る第4の脱脂組成物の製造方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第4の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第4の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、キレート剤と、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、炭素数3以下のアルコールを含有しない。
上記の製造方法において、キレート剤がEDTAであることが好ましい。脱脂組成物がさらに界面活性剤を含有してもよく、その場合には、その含有量は、全組成物に対して30質量%以下とすることが好ましい。
また、上記の粉状の珪酸塩と混合される液体、すなわち第1から第4の液体のいずれかの該珪酸塩が添加されるときの温度が35℃以下であることが好ましい。以下、粉状の珪酸塩と混合される第1から第4の液体のいずれかを「混合用液体」という。
本発明は、別の一態様として、洗浄液を調製するための脱脂組成物を提供する。その組成物は、具体的には次の4形態を含む。
本発明に係る第1の脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下の炭素数3以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、キレート剤を含有せず、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じない。
本発明に係る第2の脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下の炭素数3以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、0.0質量%超5質量%未満のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じない。
本発明に係る第3の脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、0.0質量%超5質量%以下の炭素数3以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じない。
本発明に係る第4の脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、炭素数3以下のアルコールを含有せず、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じない。
上記のキレート剤がEDTAであり、その少なくとも一部は前記スラリーに分散していてもよい。脱脂組成物がさらに界面活性剤を含有をしてもよく、その場合には、その含有量は、全組成物に対して30質量%以下とすることが好ましい。
上記の発明によれば、調製された脱脂組成物中の珪酸塩が過飽和状態となって、保管中に組成物の一部が塊状に結晶化したり組成物全体が結晶化したりする事態が生じにくい。また、脱脂組成物が保管中に固相と液相とに分離すること(以下、「固液相分離」という。)も起こりにくい。
このため、特許文献1に開示されるような分子量の大きな有機分散剤を配合しなくても、脱脂組成物の洗浄成分濃度を高めることと保管安定性を高めることとを両立させることが可能となる。
したがって、分子量の大きな有機分散剤を配合する場合に問題となっていた、分散剤に起因して洗浄液のCODやBODが高まることが抑制される。それゆえ、環境負荷の緩和と洗浄力の向上とを両立した洗浄液が得られる。さらに、キレート剤を配合しても脱脂組成物の結晶化が起こりにくいため、キレート剤を別途添加する構成によりもたらされる不利益(保管スペースの増加、別添作業の追加)を回避することも可能となる。
本発明に係るスラリー状の脱脂組成物の製造方法は、次の4形態を含む。
第1の方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第1の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第1の液体は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、キレート剤を含有しない。
第2の方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第2の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第2の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、キレート剤と、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、0.0質量%超5質量%未満のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有する。
第3の方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第3の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第3の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、キレート剤と、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、0.0質量%超5質量%以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有する。
第4の方法は、粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第4の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、第4の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、キレート剤と、水とを含有し、脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下のアルカリ成分と、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、炭素数3以下のアルコールを含有しない。
「スラリー」とは、液体に固体の分散質が分散した二相(固液相)からなる懸濁液をいう。上記の0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩を混合用液体と混合すると、珪酸塩の一部は溶解するが、少なくとも一部は粒径10mm以下の粉体の形態を有する未溶解分(本発明において、この粉体の未溶解分を「珪酸塩粒子」という。)となる。本発明に係るスラリー状の脱脂組成物における分散質はこの珪酸塩粒子を含む。このほか、本発明に係るスラリー状の脱脂組成物における分散質として、EDTAなどのキレート剤の未溶解分が含まれる場合もある。
本発明に係る脱脂組成物はアルカリ成分など他の成分を含有するため、その液相は適度に粘性を有している。このため、固相をなす珪酸塩および必要に応じ含有されるEDTAなどのキレート剤は長期保管後も沈降しにくい。したがって、本発明に係る脱脂組成物は長期にわたってスラリー状態を維持しうる。具体的には、本発明に係る脱脂組成物は−2℃の環境において24時間静置されても塊状の結晶を生じない。ここで、「塊状の結晶」とは、脱脂組成物の一部が結晶化したものであって、脱脂組成物中に分散する珪酸塩粒子よりも十分に大きく、脱脂組成物をポンプなどで移送する際に障害となる程度の大きさの結晶を意味する。塊状の結晶の具体的な形状は確定的に規定されないが、上記の移送の障害の観点から、長径が30mm以上に成長した結晶は塊状の結晶と判断されるであろう。
このように、初期状態は均一な液体ではあるが保管している間に結晶化や粘度の著しい上昇が生じたり、逆に固液相分離が生じたりする従来の脱脂組成物に比べると、本発明に係る脱脂組成物は保管安定性に優れる。
以下、脱脂組成物の組成、製造方法などについて詳しく説明する。
1.脱脂組成物
(1)アルカリ成分
本発明に係る脱脂組成物には、洗浄作用を直接的にもたらす成分の一つとして、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分を含有する。
アルカリ成分は、脱脂組成物が固液相分離しないように液相の粘性を適切に設定する作用も有する。
アルカリ成分の含有量は、組成物全体に対する合計含有量として10質量%以上60質量%以下とする。含有量が少なすぎる場合には、本発明に係る脱脂組成物から得られる洗浄液(以下、単に「洗浄液」という。)の洗浄力が低下する。また、液相の粘性が低下するため、珪酸塩粒子が沈降して脱脂組成物の性状が劣化する。含有量が多すぎる場合には、洗浄液における珪酸塩の含有量が相対的に低下するため、洗浄力が低下してしまう。アルカリ成分の好ましい含有量は20質量%以上60質量%以下であり、40質量%以上55質量%以下がさらに好ましい。
(2)珪酸塩
「珪酸塩」とは、珪酸の金属塩、典型的にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩をいい、その具体的な種類として、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、オルソ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、セスキ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸カリウムが例示される。これらは通常水和水を有している。したがって、本発明において珪酸塩の含有量とは、水和水と珪酸塩との総和についての含有量を意味する。
本発明に係る脱脂組成物における珪酸塩の含有量は、組成物全体に対する含有量として1質量%以上50質量%以下である。含有量が少なすぎる場合には、洗浄液の洗浄力が低下する。含有量が多すぎる場合には、洗浄液におけるアルカリ成分の含有量が相対的に低下するため、洗浄液の洗浄力が低下する。また、液相の粘性が低下するため珪酸塩粒子が沈降して、脱脂組成物の性状が劣化する。
本発明に係る脱脂組成物を製造する際に用いられる珪酸塩は、粉末状の固体(本発明において、この珪酸塩を「粉状の珪酸塩」という。)であって、その粒径は0.2mm以上10mm以下である。この特定の粒径分布を有する粉状の珪酸塩は、粉末の形状を有する珪酸塩のうち、JIS Z−8801−1に規定される目開き9.5mmのふるいを通過するが、目開き212μmのふるいを通過しないものを収集することにより得られる。したがって、本発明において「粒径が0.2mm以上10mm以下である粉状の珪酸塩」とは「粉末の形状を有する珪酸塩のうち、Z−8801−1に規定される目開き9.5mmのふるいを通過するが、目開き212μmのふるいを通過しないもの」を意味する。
本発明に係る脱脂組成物を製造する際に用いられる粉状の珪酸塩は上記の定義により規定されるため、0.2mm未満の粒径のものや10mm超の粒径のものを偶発的に含む場合がある。そのような粒径分布を有する粉状の珪酸塩であっても、本発明の効果が安定的に得られる限り、本発明に係る脱脂組成物を製造する際に用いられる珪酸塩である、「粒径が0.2mm以上10mm以下である粉状の珪酸塩」に含まれる。
このような特定の粒径分布を有する粉状の珪酸塩を混合用液体と混合すると、混合された粉状の珪酸塩の一部は水に対して溶解するため、得られた脱脂組成物の液相における珪酸塩濃度は飽和する。そして、溶解しなかったまたは溶解し残った珪酸塩、すなわち珪酸塩粒子は、上記のアルカリ成分等の他の含有成分により適度の粘性を有する液相に対して分散する。このように液相全体に珪酸塩粒子が均一に分散するため、脱脂組成物における珪酸塩の含有量を飽和濃度以上に高くしても、固液相分離や塊状の結晶の生成など、保管中に脱脂組成物が不均一になってしまうことが抑制される。
これに対し、粒径が0.2mm以下の粉体(目開き212μmのふるいを通過する粉状体)を主成分とする珪酸塩が配合された場合には、多くの珪酸塩が水に対して溶解してしまい、スラリー状の脱脂組成物は形成されにくい。このとき、珪酸塩は過飽和状態で脱脂組成物の液相に溶解することになるため、製造された脱脂組成物が冷却されたり、長期間保管されたりすると、珪酸塩は液相から析出し、その際に塊状の結晶を形成したり、結晶水として水分を大量に取り込んで液相の粘度を過度に高めたりする。このような現象を回避する手段のうち現実的な取り得る手段は脱脂組成物に含有させる珪酸塩の含有量を少なくすることのみである。したがって、粒径が0.2mm以下である粉状の珪酸塩を配合する場合には、粒径が0.2mm以上10mm以下である粉状の珪酸塩を配合する場合に比べて、珪酸塩の含有量はSiO濃度換算で1/2程度となってしまう。
なお、本発明の脱脂組成物のように珪酸塩粒子が液中に分散した状態であっても、冷却されたときに珪酸塩、アルカリ成分などの溶質が析出する現象は発生していると想定される。しかしながら、珪酸塩粒子が均一に分散しているため、この珪酸塩粒子を核としてこれを成長させるように溶質は析出する。それゆえ、塊状の結晶が生成したり液粘性が著しく上昇したりすることは抑制される。
以上説明したように、粉状の珪酸塩の粒径の下限は、珪酸塩粒子が分散するスラリーを安定的に形成する観点から設定されている。
一方、粉状の珪酸塩の粒径の上限は、珪酸塩粒子の沈降を抑制する観点から設定されている。すなわち、粉状の珪酸塩の粒径が10mmを超えると、低温保管された場合においても珪酸塩粒子を含む固相を液相に均一に分散させることが困難となる。このため、スラリー状の脱脂組成物の分散状態が不均一となり、これを用いてなる洗浄液の洗浄能力が不均一になったり、低温保管されても結晶化しにくいという本発明に係る脱脂組成物の効果を得ることが困難となったりする。
(3)キレート剤
本発明に係る脱脂組成物を製造するにあたって、上記のアルカリ成分および粉状の珪酸塩に加えて、キレート剤を配合してもよい。キレート剤は、洗浄対象から洗浄液中に溶出した金属イオンが、洗浄液に含まれうる洗浄成分、例えばリン酸分と反応して不溶性塩を形成し、これが洗浄液の性状を低下させる(懸濁、液粘性の上昇、結晶化など)ことを抑制する。
キレート剤としては、例えば、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族または脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤、ポリアルコール、ジメチルグリオキシム、アスコルビン酸、チオグリコール酸、フィチン酸、グリオキシル酸、グリオキサール酸等が挙げられる。これらのキレート剤は、それぞれフリーの酸型であっても、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩の形であってもよい。さらに、それらは、加水分解可能なそれらのエステル誘導体の形であってもよい。
アミノポリカルボン酸系キレート剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、エチレンジアミンジ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(DHEDDA)、ニトリロ酸酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、β−アラニンジ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸、グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸、グルタミン酸ジ酢酸、アスパラギン酸ジ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸、セリンジ酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ジヒドロキシエチルグリシン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸、ならびにこれらの塩類およびエステル類など誘導体が挙げられる。
芳香族または脂肪族カルボン酸系キレート剤としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イタコン酸、アコニット酸、ピルビン酸、グルコン酸、ピロメリット酸、ベンゾポリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸(アントラニル酸を含む)、フタル酸、フマル酸、トリメリット酸、没食子酸、およびヘキサヒドロフタル酸、ならびにこれらの塩類および誘導体が挙げられる。
アミノ酸系キレート剤としては、例えば、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン、およびメチオニン、ならびにこれらの塩類および誘導体が挙げられる。
エーテルカルボン酸塩としては、カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノサクシネート、および酒石酸ジサクシネート、ならびにこれらの塩類および誘導体が挙げられる。
ホスホン酸系キレート剤としては、例えば、イミノジメチルホスホン酸、アルキルジホスホン酸、ならびに1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ならびにこれらの塩類および誘導体が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸系キレート剤としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酒石酸、および乳酸、ならびにこれらの塩類および誘導体が挙げられる。
高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤としては、例えば、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体、これらの重合体の構成モノマー2種以上からなる共重合体およびエポキシコハク酸重合体が挙げられる。
ポリアルコールとしては、ピロカテコール、ピロガロール、ビスフェノール、およびタンニン酸、ならびにこれらの誘導体が挙げられる。
これらのキレート剤は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらキレート剤の中で好ましいものは、脱脂組成物を製造する段階で溶解したものが保管中に析出しにくいキレート剤である。そのような好ましいキレート剤としてEDTAが例示される。EDTAは、脱脂組成物を製造する際の液温(おおむね50℃以下)における水への溶解度が低い(約0.05g/100ml以下)ため、製造された段階においても脱脂組成物に対する溶解量が少なく、ほとんどが脱脂組成物中で分散した状態で存在する。このため保管中に冷却されてもEDTAの析出量は少なく、塊状の結晶の生成を引き起こしにくい。
キレート剤の溶解度は低く、脱脂組成物中で分散していることが次の観点からも好ましい。脱脂組成物中に分散するキレート剤は、媒体である水と相互作用(水素結合など)することにより、その周囲の水分を自らの近傍に緩やかに束縛する。この束縛された水分は脱脂組成物中の水以外の他の成分と相互作用しにくい。このため、脱脂組成物中で珪酸塩を溶解する溶媒として機能する水分量が減少する。したがって、溶解度の低いキレート剤を脱脂組成物中に分散させることにより、脱脂組成物に対する珪酸塩の溶解量が少なくなる。このことは、製造段階で溶解しているが低温保管時に結晶化する珪酸塩量を少なくすることになるため、脱脂組成物の保管時の性状安定性を高めることに貢献する(以下、この機能を「結晶化抑制機能」という。)。また、そのように分散する固体粒子(キレート剤)に対して緩やかに束縛された水が存在することにより、脱脂組成物における液相の粘度が高まる。このため、脱脂組成物中の分散質(珪酸塩粒子、キレート剤など)は沈降しにくくなり、固液相分離が生じにくくなる(以下、この機能を「固液相分離抑制機能」という。)。
キレート剤の含有量は特に限定されない。ただし、キレート剤の含有量が過度に多い場合には、得られた脱脂組成物における他の成分の含有量が相対的に低下し、洗浄液を調製する際の希釈倍率が低下したり、洗浄液の洗浄能力が低下したりすることが懸念される。このため、キレート剤の含有量は、全組成物に対して50質量%以下とすることが好ましい。一方、キレート剤の含有量が過度に少ない場合には、上記の分散するキレート剤に由来する結晶化抑制機能や固液相分離抑制機能が得られにくくなる。このため、後述する低級アルコールを含有させずにキレート剤を含有させる場合には、キレート剤の含有量は5質量%以上とする。この場合における好ましい含有量は10質量%以上40質量%以下である。
(4)低級アルコール
本発明に係る脱脂組成物は、上記のキレート剤を含有しない場合、またはキレート剤を含有するものの含有量が0.0質量%超5質量%未満であるため上記の結晶化抑制機能や固液相分離抑制機能が得られにくい場合(以下、これらを「キレート剤の含有量が5質量%未満の場合」と総称する。)には、炭素数が3以下のアルコール(本発明において、「低級アルコール」ともいう。)を0.1質量%以上含有する。
低級アルコールは媒体である水に溶解することにより、珪酸塩などの溶質の凝固点を降下させる。このため、低温保管時の結晶化を抑制する。また、キレート剤と同様に水と相互作用することにより、珪酸塩の溶媒となる媒体量を減らしたり、媒体の粘度を高めたりする。さらに、媒体をなす水と混和することによって液相の比重を高め、固相との比重差を少なくする。このことは固液相分離の抑制に貢献する。
キレート剤の含有量が5質量%以上の場合には、低級アルコールを含有させることは必須とされないが、含有させることが保管時の性状安定性確保の観点から好ましい。
上記のいずれの場合においても、低級アルコールを含有させる場合には、その含有量の上限は、5質量%以下とすることが、脱脂組成物の安定性や洗浄液の洗浄力確保の観点から好ましい。キレート剤の含有量が5質量%未満の場合における低級アルコールの特に好ましい含有量は2質量%以上であり、キレート剤の含有量が5質量%以上の場合における低級アルコールの特に好ましい含有量は0.1質量%以上である。
低級アルコールは、炭素数が3以下であれば、水酸基の数や置換位置は限定されない。低級アルコールを具体的に例示すれば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンが挙げられる。水との相互作用が大きい方が保管時の性状安定により貢献するため、水酸基は複数であることが好ましい。
(5)界面活性剤
本発明に係る脱脂組成物は、上記の成分に加えて界面活性剤を含有してもよい。その種類は限定されない。界面活性剤の具体例として、陰イオン型界面活性剤、陽イオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤等が挙げられる。
陰イオン型界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、αスルホ脂肪酸誘導体、αオレフィンスルホン酸塩、αスルホ脂肪酸アルキルエステル塩、スルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、天然脂肪酸石鹸、アルキルエトキシサルフェート、アミドエーテルカルボン酸、アミノ酸系アニオン活性剤等が例示される。
陽イオン型界面活性剤としては、具体的には、ジ長鎖アルキルジメチル4級アンモニウム塩、長鎖アルキルジメチル4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩酸塩、第4級アンモニウム塩等が例示される。
非イオン型界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ソルビタンエステル、ソルビトールエステル、蔗糖脂肪酸エステル、メチルグルコシドエステル、メチルマンノシドエステル、エチルグルコシドエステル、N−メチルグルカミド、環状N−メチルグルカミド、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステル、脂肪酸グリコシドエステル、脂肪酸メチルグリコシドエステル、アルキルメチルグルカミド等が例示される。
両性界面活性剤としては、具体的には、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、アルキルスルホベタイン、ヒドロキシアルキルスルホベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン等が例示される。
半極性界面活性剤としては、具体的には、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドアミンオキシド、アルキルヒドロキシアミンオキシド等が例示される。
上記界面活性剤の中で、好ましくは、陰イオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。更に、好ましい界面活性剤の具体例として、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ヤシ脂肪酸アルカノールアミド、および脂肪酸アミドプロピルベタインが例示される。
本発明において、上記界面活性剤は一種単独で使用してもよく、また二種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、添加濃度は脱脂組成物に含有させる他の成分や洗浄対象の種類や汚れの程度にも影響されるため、これらの影響を考慮して適宜設定される。界面活性剤の含有量を全組成物に対して30質量%以下とすることが、脱脂組成物としての機能に悪影響を与える可能性が特に低いため、好ましい。20質量%以下であればさらに好ましい。
(6)液状媒体
本発明に係る脱脂組成物の媒体となる液体は水である。ただし、アルコールやケトンなど極性有機液状物質を含有させてもよい。これらの極性有機液状物質の濃度は、脱脂組成物の安定性の観点から、水に対して約5質量%以下にすることが好ましい。
(7)その他の成分
本発明に係る脱脂組成物を製造するにあたって、上記の成分に加えて、必要に応じさらに他の成分を配合してもよい。その種類、含有量は、本発明に係る脱脂組成物が所期の効果が得られる限り特に限定されない。そのような他の成分を例示的に示せば、金属補足剤としてのゼオライトが挙げられる。
なお、本発明に係る脱脂組成物を製造するにあたって、特許文献1に記載されるような分散剤を配合してもよい。その場合には、分散する珪酸塩がさらに沈降しにくくなる。しかしながら、分散剤として分子量の大きな有機物を用いると、前述のように洗浄液の環境に対する負荷が高くなってしまう。したがって、分子量の大きな有機物からなる分散剤を配合しないことが好ましい。
2.脱脂組成物の製造方法
脱脂組成物を得るために、アルカリ成分および水を含有し、キレート剤および/または低級アルコールを必要に応じ含有する混合用液体と、上記の粉状の珪酸塩とを混合させる。
上記の混合用液体は、次の4種類に分類される:
第1の液体であって、アルカリ成分、水、および低級アルコールを含有する;
第2の液体であって、アルカリ成分、水、低級アルコール、およびキレート剤を含有し、キレート剤の含有量は脱脂組成物に対して0.0質量%超5質量%未満である;
第3の液体であって、アルカリ成分、水、低級アルコール、およびキレート剤を含有し、キレート剤の含有量は脱脂組成物に対して5質量%以上50質量%以下である;および
第4の液体であって、アルカリ成分、水、およびキレート剤を含有する。
ここで、混合用液体における「液体」とは、溶液またはスラリーを意味する。
上記のように、混合用液体のいずれかと粉状の珪酸塩とを混合させることは、アルカリ成分ならびに必要に応じ添加された低級アルコールおよびキレート剤と水との相互作用(具体的には溶解、水素結合など)を粉状の珪酸塩と水と相互作用に先んじて行わせることを意味する。このように混合用液体を調整しておくことにより、粉状の珪酸塩と相互作用しうる水分を可能な限り少なくすることが実現される。このため、これらの液体における液相に対する珪酸塩の溶解量が少なくなり、低温保管時において塊状の結晶が生じにくくなる。
また、珪酸塩と混合される混合用液体は溶質および/または分散質と媒体である水との相互作用が十分に行われているため、粘度が高まっている。このため、粉状の珪酸塩を混合して得られるスラリーにおいて、液相に分散する珪酸塩粒子が沈降しにくい。それゆえ、粉状の珪酸塩を他の配合成分に先んじて混合した場合に比べて固液相分離が生じにくい。
さらに、最も溶解熱を発生させる成分であるアルカリ成分を溶解させてから粉状の珪酸塩を配合するため、珪酸塩粒子を含有するスラリーの温度を制御しやすい。このスラリーにアルカリ成分を添加する場合には、その温度が過度に高くなる危険性があり、このときアルカリ成分を添加した後のスラリーにおける珪酸塩の溶解量が高まってしまう。このように製造過程のスラリーに含有される珪酸塩の溶解量が過度に多くなると、このスラリーから得られた脱脂組成物が低温保管中に過飽和状態になる可能性が高まる。なお、製造過程における珪酸塩の溶解量を可能な限り少なくする観点から、粉状の珪酸塩を添加するときの混合用液体の温度は35℃以下であることが好ましい。
なお、混合用液体を調製する際の含有成分の配合順番は特に限定されない。作業の容易さおよび安全性を確保する観点から、水の入った反応槽にアルカリ成分を投入し、溶解熱の発生に基づく液温の上昇を安定的に制御できるようになってから他の成分を投入することが好ましい。
界面活性剤など他の成分の添加時期は特に限定されない。粉状の珪酸塩が添加される液体において珪酸塩を溶解可能な媒体量が少ないことが好ましいこと、固液相分離を抑制する観点からこの液体の粘度が高いことが好ましいこと、および脱脂組成物の製造過程において粉状の珪酸塩を含有する液体の温度は過度に高まらないことが好ましいことを考慮すると、粉状の珪酸塩の添加に先立って上記の混合用液体に添加されることが好ましい。
3.洗浄液
本発明に係る脱脂組成物を水などの溶媒と混ぜることにより、洗浄液を得ることができる。また、洗浄液の機能を維持するための補充剤として本発明に係る脱脂組成物を用いてもよい。
脱脂組成物の建浴時における添加量および補充量は、洗浄対象に応じて適宜設定すればよい。
ここで、脱脂組成物において固体の珪酸塩粒子として分散していた珪酸塩は洗浄液においてはほとんどが溶解することになる。このため、溶液状態の脱脂組成物から得られる洗浄液よりも高濃度の珪酸塩を含有する洗浄液が得られることになる。洗浄液中の珪酸塩の含有量は1〜20g/Lとすることが好ましく、2〜15g/Lとすればさらに好ましい。
洗浄方法は任意である。洗浄液内に洗浄対象を浸漬させてもよいし、スプレーなどを用いて洗浄対象に洗浄液を吹き付けてもよい。洗浄液の温度や洗浄時間も適宜設定すればよい。洗浄液の攪拌、洗浄対象の揺動、洗浄対象への超音波衝撃の付与など物理的手段をも用いて洗浄効率を高めてもよい。
4.洗浄対象
本発明に係る洗浄液により洗浄される洗浄対象は、その材質および形状のいずれについても限定されない。材質に関しては、その表面は金属を含む場合が一般的である。また、形状に関しては、たとえば鋼板のように平坦なものであってもよいし、二次加工されたもの(ここで、二次加工とは、塑性加工や機械加工など、JIS B 0122において規定される加工方法全てを意味する。)であってもよい。二次加工品を具体的に例示すれば、ネジ、ボルトなどの締結部品、プレス加工品、鍛造品が挙げられる。その大きさも任意であり、建設資材のように大きなものでもよく、時計に使用されるような小さなものでもよい。そのような二次加工品が適用される製品も特に限定されず、自動車、船舶などの輸送機器、家電品、建築用品、および電気・電子機器が例示される。
[実施例1]
1.脱脂組成物の製造
表1に示される各成分を配合して脱脂組成物を製造した。
具体的には、水が入った反応槽に、液体を攪拌しながら水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを添加した。続いて、液温が50℃以下になるように留意しつつEDTAを添加した。得られた液体が35℃以下であることを確認してから、所定の粒径分布を有するメタ珪酸ナトリウム5水和物をさらに添加した。この際、液温が35℃以下となるように留意した。
その結果、試験番号1の配合の場合には珪酸ナトリウム分が全て溶解し、液体組成物(脱脂組成物1)が得られた。一方、試験番号2の配合の場合には珪酸ナトリウム分が固体状態で残留し、スラリー(脱脂組成物2)が得られた。得られた脱脂組成物はいずれも35℃以下であった。
Figure 2010140561
なお、表1における粒径が0.1mmのメタ珪酸ナトリウム・5水和物とは、粉体のメタ珪酸ナトリウム・5水和物について株式会社サンポー製目開き212μmのステンレスふるいを用いてふるい分けを行い、このふるいを通過した成分を意味する。
また、表1における粒径が0.5〜1mmのメタ珪酸ナトリウム・5水和物とは、粉体のメタ珪酸ナトリウム・5水和物(広栄化学工業株式会社製ドライメタケイソー5aq)について株式会社サンポー製目開き500μmのステンレスふるいを用いてふるい分けを行い、このふるいを通過しない成分を意味する。
2.評価
得られた脱脂組成物1および2が入った容器を−2℃の恒温槽に24時間静置した。この静置後に容器内の脱脂組成物を観察し、流動性および結晶化の程度の観点で、製造直後の状態と比較して評価した。
その結果、脱脂組成物1には、塊状の結晶が多数形成され、そのままでは洗浄剤を調製するための原料組成物として使用できない状態であった。これに対し、脱脂組成物2は製造直後と同様にスラリー状であったものの、目立った結晶成長は認められず、また粘度の増加も認められなかった。
[実施例2]
表2から5に示される各成分を配合して脱脂組成物を製造した。なお、表2から4における各成分の配合量、すなわち脱脂組成物の含有量を示す数値の単位は質量部である。
具体的には、水が入った反応槽に、液体を攪拌しながら水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを添加した。次に、液温が50℃以下になるように留意しつつ、EDTAを含有させる場合にはこれを添加した。続いて、液温が50℃以下になるように留意しつつ、グリセリンを含有させる場合にはこれを添加した。脱脂組成物が界面活性剤(本実施例においてはポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリデシルエーテル)を含有する場合には、グリセリンを添加した後のこの段階で添加した。得られた液体が35℃以下であることを確認してから、実施例1において用いた粒径が0.5〜1mmのメタ珪酸ナトリウム5水和物をさらに添加した。この際、液温が35℃以下となるように留意した。
いずれの場合にも、得られた脱脂組成物は、メタ珪酸ナトリウムが、EDTAを添加した場合にはEDTAも分散したスラリー状であった。
Figure 2010140561
Figure 2010140561
Figure 2010140561
Figure 2010140561
2.評価
得られた脱脂組成物1−1から3−6が入った容器を−2℃の恒温槽に24時間静置した。この静置後に容器内の脱脂組成物を目視で観察し、固液相分離の発生または結晶化の有無の観点で評価した。
評価結果を表2〜5に示す。

Claims (13)

  1. 洗浄液を調製するためのスラリー状の脱脂組成物の製造方法であって、
    粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第1の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、
    前記第1の液体は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、水とを含有し、
    前記脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の前記アルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下の前記アルコールと、1質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、キレート剤を含有しないこと
    を特徴とする脱脂組成物の製造方法。
  2. 洗浄液を調製するためのスラリー状の脱脂組成物の製造方法であって、
    粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第2の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、
    前記第2の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、キレート剤と、水とを含有し、
    前記脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の前記アルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下の前記アルコールと、1質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩と、0.0質量%超5質量%未満のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有すること
    を特徴とする脱脂組成物の製造方法。
  3. 洗浄液を調製するためのスラリー状の脱脂組成物の製造方法であって、
    粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第3の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、
    前記第3の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、炭素数3以下のアルコールと、キレート剤と、水とを含有し、
    前記脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の前記アルカリ成分と、0.0質量%超5質量%以下の前記アルコールと、1質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有すること
    を特徴とする脱脂組成物の製造方法。
  4. 洗浄液を調製するためのスラリー状の脱脂組成物の製造方法であって、
    粒径が0.2mm以上10mm以下の粉状の珪酸塩と第4の液体とを混合してスラリーを得る工程を備え、
    前記第4の溶液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、キレート剤と、水とを含有し、
    前記脱脂組成物は、全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の前記アルカリ成分と、1質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、炭素数3以下のアルコールを含有しないこと
    を特徴とする脱脂組成物の製造方法。
  5. キレート剤がEDTAである請求項2から4のいずれか一つに記載される脱脂組成物の製造方法。
  6. 前記粉状の珪酸塩と混合される液体の該珪酸塩が添加されるときの温度が35℃以下である請求項1から4のいずれか一つに記載される脱脂組成物の製造方法。
  7. 前記脱脂組成物が全組成物に対して30質量%以下の界面活性剤を含有する請求項1から4のいずれか一つに記載される脱脂組成物の製造方法。
  8. 全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下の炭素数3以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、キレート剤を含有せず、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じないことを特徴とする、洗浄液を調製するための脱脂組成物。
  9. 全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、0.1質量%以上5質量%以下の炭素数3以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、0.0質量%超5質量%未満のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じないことを特徴とする、洗浄液を調製するための脱脂組成物。
  10. 全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、0.0質量%超5質量%以下の炭素数3以下のアルコールと、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じないことを特徴とする、洗浄液を調製するための脱脂組成物。
  11. 全組成物に対して、10質量%以上60質量%以下の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一種からなるアルカリ成分と、1質量%以上50質量%以下の珪酸塩と、5質量%以上50質量%以下のキレート剤と、20質量%以上50質量%以下の前記珪酸塩の水和水を含む水とを含有し、炭素数3以下のアルコールを含有せず、前記珪酸塩の少なくとも一部が粒径10mm以下の珪酸塩粒子として分散するスラリーであり、−2℃環境に24時間静置しても塊状の結晶を生じないことを特徴とする、洗浄液を調製するための脱脂組成物。
  12. キレート剤がEDTAであり、その少なくとも一部は前記スラリーに分散する請求項9から11のいずれか一つに記載される脱脂組成物。
  13. 全組成物に対して30質量%以下の界面活性剤を含有する、請求項8から11のいずれか一つに記載される脱脂組成物。
JP2010538673A 2009-06-01 2010-05-31 脱脂組成物およびその製造方法 Pending JPWO2010140561A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009132286 2009-06-01
JP2009132286 2009-06-01
PCT/JP2010/059194 WO2010140561A1 (ja) 2009-06-01 2010-05-31 脱脂組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2010140561A1 true JPWO2010140561A1 (ja) 2012-11-22

Family

ID=43297695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010538673A Pending JPWO2010140561A1 (ja) 2009-06-01 2010-05-31 脱脂組成物およびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20120115766A1 (ja)
JP (1) JPWO2010140561A1 (ja)
WO (1) WO2010140561A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2951096B1 (fr) * 2009-10-09 2013-03-15 Total Sa Procede d'oxydation de composes organiques
JP5728709B2 (ja) * 2012-03-15 2015-06-03 ユケン工業株式会社 洗浄剤組成物、およびその製造方法、ならびにその洗浄剤組成物の保管および運搬方法
JP6533030B2 (ja) * 2013-12-17 2019-06-19 第一工業製薬株式会社 シリコンウエハ用洗浄剤組成物
US9834741B1 (en) * 2016-08-31 2017-12-05 William Berry All-purpose degreaser
US11421186B2 (en) 2019-02-28 2022-08-23 Ecolab Usa Inc. Hardness additives and block detergents containing hardness additives to improve edge hardening

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58108300A (ja) * 1981-12-21 1983-06-28 旭電化工業株式会社 硬表面洗浄用スラリ−状アルカリ性洗浄剤
JPH07506608A (ja) * 1992-05-18 1995-07-20 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン ポンプ送り可能なアルカリ性清浄化用濃厚物
JPH08176589A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Lion Corp 硬表面洗浄剤組成物
JPH11181587A (ja) * 1996-11-12 1999-07-06 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2380986A1 (fr) * 1977-02-16 1978-09-15 Rhone Poulenc Ind Nouveau procede de stabilisation du metasilicate de sodium anhydre et produit ainsi obtenu
FR2529876A1 (fr) * 1982-07-09 1984-01-13 Rhone Poulenc Chim Base Nouveaux granules de metasilicate de sodium, leur procede d'obtention et leur utilisation dans les compositions detergentes pour lave-vaisselle
FR2613377B1 (fr) * 1987-03-30 1989-06-16 Rhone Poulenc Chimie Utilisation dans les compositions detergentes pour lave-linge de co-granules silicate-silice
US5525256A (en) * 1995-02-16 1996-06-11 Henkel Corporation Industrial and institutional liquid cleaning compositions containing alkyl polyglycoside surfactants
DE19507532C2 (de) * 1995-03-03 2000-01-05 Henkel Ecolab Gmbh & Co Ohg Pastenförmiges Reinigungsmittel
WO1998013466A1 (de) * 1996-09-24 1998-04-02 Henkel-Ecolab Gmbh & Co. Ohg Tensidhaltiger kompaktreiniger
DE19741874A1 (de) * 1997-09-23 1999-04-01 Henkel Ecolab Gmbh & Co Ohg Alkoholathaltiger Reiniger
US6194371B1 (en) * 1998-05-01 2001-02-27 Ecolab Inc. Stable alkaline emulsion cleaners
US20030194445A1 (en) * 2001-11-12 2003-10-16 Kuhner Carla H. Compositions and methods of use of peptides in combination with biocides and/or germicides

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58108300A (ja) * 1981-12-21 1983-06-28 旭電化工業株式会社 硬表面洗浄用スラリ−状アルカリ性洗浄剤
JPH07506608A (ja) * 1992-05-18 1995-07-20 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン ポンプ送り可能なアルカリ性清浄化用濃厚物
JPH08176589A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Lion Corp 硬表面洗浄剤組成物
JPH11181587A (ja) * 1996-11-12 1999-07-06 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20120115766A1 (en) 2012-05-10
WO2010140561A1 (ja) 2010-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2010140561A1 (ja) 脱脂組成物およびその製造方法
US5340501A (en) Solid highly chelated warewashing detergent composition containing alkaline detersives and Aminocarboxylic acid sequestrants
BR112016005323B1 (pt) mistura de enantiômeros, solução aquosa, processo para produzir uma mistura ou uma solução aquosa, e, uso de uma solução aquosa
BR112019017127A2 (pt) processo para produção de sal de metal alcalino de diacetato de metilglicina sólido, partículas sólidas de sal de metal alcalino de diacetato de metilglici-na, e, uso de partículas sólidas
EP3263691A1 (en) Pot and pan soaking composition
JP2019527741A (ja) 粉末及び顆粒、並びにその粉末及び顆粒を製造する方法
JP2012001685A (ja) 自動洗浄機用固型洗浄剤組成物及びその製造方法
JP4069443B2 (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄剤及びそれを用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄方法
JP5903682B2 (ja) アルカリ洗浄液用腐食抑制剤、アルカリ洗浄液及び該アルカリ洗浄液を用いた金属の洗浄方法
JP2024050946A (ja) 吸湿性種の界面活性剤の安定化
WO2014086662A1 (en) Solid glda compositions
JP2010202792A (ja) アクリル酸共重合体含有粒子およびその製造方法、粒状洗剤組成物およびその製造方法
JP5728709B2 (ja) 洗浄剤組成物、およびその製造方法、ならびにその洗浄剤組成物の保管および運搬方法
JP6634294B2 (ja) スケール除去剤及びスケール除去方法
JPS6042279B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP5210243B2 (ja) 無リン系粒状洗浄剤及び無リン系粒状洗浄剤の製造方法
US20190316062A1 (en) Phosphate-free detergent compositions and their applications
JP5851408B2 (ja) 粒状洗剤組成物及びその製造方法
JP2014114410A (ja) 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物
JPH115998A (ja) 洗浄剤組成物
WO2021115851A1 (en) Granules of mgda and (meth)acrylic acid homo- or co-polymer; process for making the same
JP2013075971A (ja) 洗浄剤組成物およびその製造方法
JP2002509187A (ja) 溶解性を改良した顆粒状組成物
JP5590473B2 (ja) 水性液体洗浄剤組成物の製造方法
WO2015007347A1 (en) Mild alkaline solid instrument cleaner

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101112

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130516

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140218