JPWO2010113344A1 - 遮光装置及び遮光方法 - Google Patents

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Abstract

気象を制御するための大規模な遮光装置及び遮光方法を提供することを目的とする。遮光装置1は、太陽光のスペクトルの一部又は全部を遮光する遮光部材11と、浮力部材41を有する浮力付与部13と、駆動機構15を備える。遮光部材11は、太陽光のスペクトルの一部又は全部を遮光すべく、遮光部35と通過部37を備える。駆動機構15は、遮光装置1の位置を固定し又は変更する駆動部21と、駆動部21の制御部25を備える。浮力部材41により浮力が発生し、遮光装置1に対して、本体の自重による重力とは逆方向の向きに浮力が与えられる。浮力部材11に発生する浮力の大きさは、浮力部材11が押しのけた気体に作用する重力の大きさに依存しており、遮光装置1を浮遊させることも可能である。

Description

本発明は、遮光装置及び遮光方法に関し、特に、気象を制御するために、太陽光を遮光することが可能な遮光装置及び遮光方法に関する。
近年、地球温暖化に伴って、CO2の排出量を世界的に減少させるため、植林等によるCO2の有機化による減少やCO2排出量規制など、多くの研究・開発や規程の作成を進めており、世界的に精力的に取り組まれている。また、地球温暖化に起因すると想定される異常気象が発生しており、台風の大型化や都市における地域的な高熱化によるゲリラ豪雨などが生起している。
異常気象による被害をおさえるために、多くの研究・開発が進められており、特に台風の進路予測技術やその報道システムは、国内では既に完備している。しかし、都心で生起するゲリラ豪雨は、その地域での夏におけるビルディング内の冷房や照明などの消費電力によって生じる発熱量が高いことに一因がある。このため、その発生予測は困難であり、まだ発生予測方法や防止方法は実現していない。
地球は、常時、太陽光によって暖められている。例えば、福岡県での受光できる1時間あたりの太陽光エネルギーの最大値は、約800ワット/平方メートルであり、また地球上での受光できる1時間あたりの最大太陽光エネルギーは約1300ワット/平方メートルある。また、1000ワット・時間のエネルギーは、約0.860×106カロリーであり、つまり1トンの水を約0.9℃上昇させることができる熱量で、非常に大きく、常温の1リットルの水を蒸発させることもできる。また、深さ10cmの水面のみを暖めると仮定すれば、約9度も温度を上昇させることができる。言い換えると、熱帯地方の約1000ワット/平方メートル以上の太陽光エネルギーを受けている地域は常時暖められており、その地域の太陽光エネルギーを遮断することは、1時間あたり約1000ワット/平方メートルでその地方を冷却していることになる。
温暖化自体の回避は即効性があるが、雲による遮光効果や大気中に微粉末の大量散布による遮光法等が検討されているのみである。また、太陽光を遮光して影を作って影になった場所を冷却する技術は、これまで、窓の日除け、ブラインド、カーテン、などによって実現されている。大きな区域を影にするには、建物内部かドームで定常的に覆う方法が主体で実現されている。小さな場所、例えば縦5メートル、横10メートルの場所を日陰にするのは、テントを張ることが行われている。先行技術文献の一例として、特許文献1を挙げる。
特開平9−170308号公報
しかしながら、従来の技術では、建築物等の日除け・日覆いという観点から、遮光する遮光部材の重さを支える支持機構が必要であり、大きな区域に影を作ろうとすればするほど、遮光部材の自重による荷重を支えるべく強固な支持機構が要求され、支持機構の耐久性を考慮する必要があった。
ゆえに、本発明は、気象を制御するための大規模な遮光装置及び遮光方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、気象を変動させるために、所定の高度において太陽光のスペクトルを遮光する遮光部材を備えた遮光装置において、前記所定の高度は地上100m以上の高高度であり、前記遮光部材は照射される太陽光の一部又は全部を反射して宇宙に放射する機能を有し、前記遮光部材に対し、その自重とは逆方向の向きに浮力を与える浮力付与手段を備え、前記浮力付与手段は、空気より軽い気体が充填され、当該遮光装置に分散した配置で設けられる複数の浮力部材を備え、前記遮光部材及び前記遮光部材に係合しているものに対し、これらが地表に接していない状態である浮遊状態とするものであり、前記浮力部材の一部又は全部は、当該遮光装置本体を形成する。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の遮光装置であって、前記浮力部材の一部又は全部は、当該遮光装置本体を形成する各浮力部材における前記空気より軽い気体の内部圧力が、地表においては外気の圧力よりも低く、前記所定の高度において外気の圧力よりも高くなるように調整されることにより、前記所定の高度において形状維持のための強度を保つ。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の遮光装置であって、前記浮力付与手段は、当該各浮力部材の浮力と当該遮光装置本体の各部位での重力による自重とのバランスをとる浮力部材制御手段を備え、前記各浮力部材は、当該各浮力部材に充填される空気より軽い気体の量を個別に調整する気体調整手段を有する。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の遮光装置であって、複数の高度において太陽光のスペクトルを遮光するものであって、前記遮光装置本体を構成する浮力部材は、それぞれ、前記複数の高度のいずれかにおいて、前記空気より軽い気体の前記浮力部材における内部圧力が外気の圧力よりも高くなるように調整される。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の遮光装置であって、当該遮光装置を回転させる遮光装置回転手段を備え、前記遮光装置回転手段が、当該遮光装置を回転させて生じる遠心力により前記遮光装置本体を外側に引っ張る機構によっても、形状維持のための強度を保つ。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれかに記載の遮光装置であって、前記遮光部材は、風が通過する又は/及び水が地上に流れ落ちる隙間を有する。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の遮光装置であって、前記隙間は、弁を有し、前記弁は、風が通過する又は/及び水が地上に流れ落ちる場合に開く。
請求項8に係る発明は、請求項1から7のいずれかに記載の遮光装置であって、前記遮光部材は、表面の一部又は全部が着色されて太陽光を吸収して遮断するものであり、吸収された太陽光エネルギーが熱に変わることにより、前記空気より軽い気体の温度を上昇させる。
請求項9に係る発明は、請求項8記載の遮光装置であって、前記浮力部材は、上部の外部表面ではなく、下部の内部表面が着色されており、前記浮力部材の着色により吸収された太陽光エネルギーによっても、前記空気より軽い気体の温度を上昇させる。
請求項10に係る発明は、請求項1から9のいずれかに記載の遮光装置であって、前記浮力部材は、前記所定の高度で前記内部に充填される気体を通過させない柔軟な膜で構成され、前記遮光部材は、膜状に構成されて軽量化されている。
請求項11に係る発明は、請求項1から10のいずれかに記載の遮光装置であって、当該遮光装置を移動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記遮光部材の移動を制御する移動制御手段と、前記遮光部材の位置を検出する位置検出手段と、地球上の所定の位置の情報を入力する位置入力手段を備え、前記移動制御手段は、前記位置検出手段の検出出力を用いて、前記遮光部材を前記位置入力手段により入力された位置へ移動させ若しくは移動させて固定させ、又は、前記位置入力手段により入力された位置にそのまま固定させる。
請求項12に係る発明は、請求項1から11のいずれかに記載の遮光装置であって、当該遮光装置を移動させる駆動手段と、前記駆動手段による当該遮光装置の移動を制御する移動制御手段と、地球表面温度を測定する表面温度測定手段を備え、前記移動制御手段は、前記表面温度測定手段により測定された地球表面温度に基づいて当該遮光装置を移動させる。
請求項13に係る発明は、気象を変動させるために、太陽光のスペクトルを遮光する遮光部材と、前記遮光部材に対して浮力を与えて浮遊状態とする浮力付与手段とを備える遮光装置を用いた遮光方法であって、前記遮光部材は、膜状の材質で構成されており、前記浮遊状態は、前記遮光部材及び前記遮光部材に係合しているものが地表に接していない状態であり、前記浮力付与手段は、空気より軽い気体が充填された浮力部材を含み、前記浮力部材は、複数個存在し、分散した配置で設けられて、当該遮光装置本体の一部又は全部を形成し、充填される前記空気より軽い気体の量を個別に調整する気体調整手段を備え、各浮力部材に充填される前記空気より軽い気体の量を前記期待調整手段により個別に調整して、分散して配置された複数の前記浮力部材の浮力と、当該遮光装置本体の各部位での重力による自重とのバランスを保ちつつ、前記遮光部材に浮力を与えるステップ、を含む。
請求項14に係る発明は、請求項13記載の遮光方法であって、前記浮力を与えられた前記遮光部材が、少なくとも地表より上空1km以上に位置して、地球外へ太陽光を反射するステップを含む。
なお、複数の浮力部材を備える点について補足説明する。装置本体の自重が重いことから1個の浮力部材で浮かすことが困難である場合がある。この場合、例えば、設置する計画の高度において、装置は、全体的に分布させて例えば5m×5mの面積毎に浮力部材を配置して浮力を発生させることとし、100m×100mの全部で400個の浮力部材で浮力の大きさと自重とをほぼ同一化させてバランスさせればよい。これにより、特定の部分に大きな力がかからなくてすむ。また、複数のうちの破損等して壊れるものがあったとしても、全体の浮力としては大きな障害とはならないですむことになる。また、上記のような大きさで広げるには軽い枠組みや骨組を持たせる必要があり、浮力部材としては、気体を充填させてピンと張ったチューブ(袋)や、発泡スチロールなどの利用が具体的には挙げられる。このようにすることで、実施例で説明しているが、特定の高度の設置位置で、遠隔制御で重くしたい部分のヘリウム等の気体を少しボンベで吸い上げると自重で垂れ下がって折りたたむこともできる。
また、遮光装置が浮遊状態となる場合、すぐさま、次の問題に直面すると考えられる。すなわち、強風や豪雨に遭遇しうる上空において、そのような空中浮遊型の遮光装置をどのように安定して浮遊させるか、という問題である。
ここで「安定」とは、少なくとも以下の3つの安定性を含むものと考えられる。
第1に、地表面に平行な方向(X軸方向及びY軸方向)および鉛直方向(Z軸方向)に対する位置の安定性である。
地球の大気は、地上からの高さに対応して大気密度が低下している。また、ジェット機が通常上空約10000メートルで飛行するように、特に、上空約10000メートル以上では、雨は降らず、かつ定常的な気流があるのみで、ほぼ安定している。台風の場合でも、ジェット機はその上空を飛行している。したがって、遮光装置を設置する場合には、高さ10000メートルから20000メートル程度に設置すれば、気流には流されるものの突風などはほぼ無く、安定に流される。流されるのが問題であれば、遮光装置に駆動手段による動力を持たせて、流れに対して反対の方向へ力を加える必要がある。また、太陽が常時移動しているために、固定の場所に影を作るには、常時遮光装置の位置制御が必要になる。影を作る場所が特定の場所でなく、一定の地域であれば、太陽が移動するままに、遮光装置が流れるまま、影を作ればよい。
また、実際の装置としては、遮光装置には縦横の長さがある。このため、遮光装置が水平面に対して傾く場合、傾いて上空の位置になった端は、高さが高くなり空気密度が薄くなるために、浮力が通常の場所にある場合より小さくなり、下方に引かれる。また、傾いて下空の位置になった端は、高さが低く空気密度が高いために、浮力が通常の場所にある場合より大きくなり、上方に引かれる。そのため、遮光装置は、水平面に対して安定になる性質を持っている。また、水平面内における遮光装置の回転は、大きな問題とはならない。影にする場所は、都市のブロックに沿って精密に影を作るようなことは無く、だいたい都市の部分や、砂漠の一部や、農耕地域の一部や、漁業地域の一部であればよい。したがって、遮光装置は、上空10000メートル以上であれば、ほぼ安定に設置できる。逆に、10000メートル以下の場所では、その場所の風・地形・設置場所の特性に基づいて、遮光装置の大きさなどを考慮して運用する。
本願発明によれば、遮光部材に浮力を与えることができ、空中浮遊が可能になる。そして、空中浮遊とできることで、必要な高度で必要なサイズの遮光部材を浮遊させて、広域なエリアに影を作ることも実現できる。それにより、太陽光による温暖化等の自然環境への影響を予測、調整することも実現できる。本願発明は、遮光装置等によって太陽光を遮光することにより、温暖化自体を回避するものである。
さらに、地球温暖化を防止しつつ、大気の流れを大きく変更させないで影を造るためには、遮光部材が大気を加熱しないようにして、地球上に影を造る必要がある。本願発明によれば、影を造る場合に、地上100m以上の高高度において太陽光エネルギーを反射して宇宙へ放出させて、熱エネルギーに変換して大気に放射することを防ぐことにより、地球温暖化を防ぐことができる。
また、地球は、太陽光によって常時暖められている。太陽光を受ける日中は暖められ、夜は冷える。赤道近くは暑く、南極は寒い。また、地球を雲が覆い太陽光を地球外へ反射することで地球が冷却されることは、既に明らかにされている。本願発明の遮光装置を、例えば赤道近辺の上空(例えば10km以上)に人工的な反射機構として設置して太陽光を地球外・宇宙へ放出すれば、地球は冷却される。遮光装置の表面は、例えばメタリック色に塗装し太陽光を宇宙方向に反射させる。多数の遮光装置を用いることにより、平均温度を約1度下げるには反射する太陽光の量として、その総合面積が地球の常時受光する面積の0.01%〜1%程度に設定する。その最適値は、シミュレーションや実験により確認して設定すればよい。
遮光装置は、大きく、浮力付与部による浮遊機能、遮光部材による太陽光遮断機能、駆動機構による移動機能を備える。各機能の特性は、例えば、浮遊機能は、ヘリウムを充填して円盤状気球で浮遊し、ビニール等の外皮を100g/m2とするものであり、太陽光遮断機能は、太陽光を宇宙に反射して放出するものであり、移動機能は、電動プロペラで移動可能とし、GPS機能による位置計測や通信機能による遠隔操作を可能とするものである。
例えば、地球の表面積は5.1x108であり、この1%の表面を影にするには、径1000mの円盤状の遮光装置を用いて温暖化防止を実施する場合、最低で約160万個必要になる。これは、常時1時間当たり約1.3x1012kW・時のエネルギーを地球外へ放出している状態であり、約130万機の原子力発電機の電力と等しいエネルギーを除去して常時冷却していることに相当する。
本願発明の遮光装置を用いれば、地球が受光している太陽光が減少するので、即座に冷却されていく。将来、本願発明による冷却が不要となった場合でも、遮光装置を地上に降ろすだけで即座に中止できる。本願発明の運用ではCO2は発生せず、かつ運用エネルギーも不要である。
なお、浮力部材に入れる空気より軽い気体の量の目安として、遮光装置を浮遊させるための目標とする高度において、遮光装置に発生する浮力がほぼ自重と同一になる程度の量の気体を入れることで、自重方向に安定した浮遊を実現できる。少し少な目に気体を注入すると、目標とする高度では、浮力部材はピンとはらないが、駆動機構で上昇させることで浮力部材をピンと広がった状態にすることができる。逆に、目標位置以下の高度に駆動機構で下げると、浮力部材を垂れ下がった状態にすることも可能である。
また、遮光部材は、一部の太陽光スペクトラムを遮断する偏光機能を持たせたり、太陽側の遮光部材表面に反射率のよいアルミニウム金属を蒸着若しくは簡単にアルミ箔等を付着して鏡面にして太陽光をほぼ全て反射したり、銀色などのメタリックカラーを含む任意の色に着色した部分によって太陽光を部分的に吸収もしくは反射して遮断するといったことが挙げられる。
ここで、請求項7にあるように、遮光部材の表面に着色して太陽光を部分的に吸収することで遮断する場合は、吸収した太陽光エネルギーは遮光部材で熱に変わるため、浮力部材の内外の気体を暖めることができる。これによって、浮力部材内の気体の温度を上げて浮力を上昇させることも可能である。
また、請求項5及び6にあるように、遮光部材の一部が隙間のある構造とし、又は、風雨が吹き抜ける場合の時にだけ開閉を可能とする弁の機能を有する隙間のある構造として、遮光装置に対する風雨の影響を低減する(特に、水平に風が吹くだけでなく、風が上下に吹く場合もあり、水平に大きく広がった遮光部材を大きな力を受けにくくする)ことができる。さらに、遮光部材に雨、水滴や雪が降りかかっても、それらによって大幅に重量を増加させないようにすることもできる。
また、請求項10にあるように、プラスチック等の軽量で強度を備えた素材で構築することにより、特に50メートルを超える幅や長さの遮光部材を太陽光に対してピンと張って広げた状態で高高度に設置して移動させることができる。
また、請求項11及び12にあるように、遮光部材の位置を移動・制御する機能により、遮光部材を高高度に設定して特定の地域の太陽光を遮り影にするには、太陽の移動に連れて、遮光部材を移動させることができる。遮光部材は大きなものであり、一旦遮光部材を設定した後は、長期に地上に下ろすことなく運用することができる。
本発明の遮光装置全体についての概念を示すブロック図である。 図1の遮光部材11による遮光の概要を示す。 図1の浮力部材41の一例である浮遊機能部61における内部でのヘリウムガスの挿脱機能を示す。 図1の浮力部材41の内部気圧を複数設定した一例である遮光装置80を示す。 図1の回転部23の一例を備える遮光装置91の(a)側面図及び(b)平面図を示す。 本発明の第1の実施例における遮光装置の側面図である。 本発明の第1の実施例における遮光装置の平面図である。 本発明の第2の実施例における遮光装置の側面図である。 本発明の第2の実施例における遮光装置の平面図である。 本発明の第2の実施例における折りたたんだ場合の遮光装置の側面図である。 本発明の第2の実施例における折りたたんだ場合の遮光装置の平面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について述べる。
図1は、本発明に係る遮光装置の主要な構成を示すブロック図である。まず、図1を参照して本発明の遮光装置の主要な構成について述べる。
遮光装置1は、太陽光のスペクトルを遮光する遮光部材11、遮光部材11に対してその自重とは逆方向の向きに浮力を与える浮力付与部13、遮光装置1を移動させる駆動機構15を備える。なお、浮力付与部13及び駆動機構15等において動作に電気エネルギーが必要な場合、この電気エネルギーは、遮光部材11の一部を太陽電池で構成して発電し、各部に蓄電手段を持たせて蓄電して供給する。
駆動機構15は、遮光装置1を移動させる駆動部21と、遮光装置1を回転させる回転部23と、駆動部21及び回転部23を制御する制御部25と、GPS等により遮光装置1の位置を検出し、高度を検出する位置検出部27と、移動後の位置を入力する位置入力部29と、地球表面温度を測定する表面温度測定部31と、遮光する目標地域を入力する地域入力部33を備える。制御部25は、位置検出部27の検出出力を用いて、遮光部材11を位置入力部29により入力された位置へ移動させ、移動させて固定させ又はその位置にそのまま固定させる。また、制御部25は、表面温度測定部31により測定された地球表面温度と目標地域の情報とに基づいて遮光装置1を移動させる。
表面温度測定部31は、例えば赤外線カメラで地上の温度を測定した温度測定画像や、別途気象庁などから入手したその日時の天気の現状・予測データから、地上のどの区域が最も温度が高い区域から冷却対象区域をいくつか検出して、複数の遮光装置1が存在する場合、最も冷却対象区域に移動しやすい遮光装置1の制御部25は、太陽の動きを考慮して、影が冷却対象区域にできる位置に移動させる。
なお、例えば、各遮光装置1が温度測定画像を地上局へ送信し、地上局において複数の遮光装置1の動作を調整して各遮光装置1の地域入力部33に送信して、各制御部25が冷却対象区域を遮光するようにしてもよい。また、各遮光装置に、通信ネットワーク機能をもった通信ネットワーク装置を装備してもよい。例えば通常の無線LANにおける無線電波の電力をあげて、約40kmの範囲まで、無線電波が届くように構成する。これは、衛星を用いた携帯電話方式において、衛星の代わりに通信ネットワーク機能をもったものである。このような遮光装置1を用いることで、経済的な通信ネットワークが形成できる。ここでは無線電波の電力を約40kmの範囲までを例にしたが、特に限定するものではない。
遮光部材11は、地上100m以上の高高度において、照射される太陽光の一部又は全部を反射して宇宙に放射する機能を有し、太陽光のスペクトルの一部又は全部を遮光すべく、太陽光のスペクトルの一部又は全部を遮光する遮光部35と、遮光部35が太陽光のスペクトルの一部を通過させる場合に太陽光のスペクトルの一部を通過させる通過部37と、風が通過する又は/及び水が地上に流れ落ちる隙間39を有する。隙間39には弁40があり、弁40は風が通過する又は/及び水が地上に流れ落ちる場合に開く。遮光部材11は、膜状に構成されており、例えばプラスチックの素材で構成されて軽量化されている。
図2を参照して、遮光部材11による遮光について説明する。太陽の直径は、地球と太陽間の距離に比較して大きい。そのため、図2(a)にあるように、太陽の左右の端から出た光は、地上に届く際に平行にはならず角度θをもつ。太陽の左右の端から出た光は約0.53度の角度を持つ。この角度を考慮した場合の遮光装置1の地上での影の形のイメージを図2(b)に示す。この角度によって、地上の遮光装置の影は、端の部分が薄い影となる。例えば遮光装置1の中央に「E」の文字を入れ、この部分を透過させた場合、この文字も、文字の端の部分は薄い影となり、にじんだ文字になる。なお、他の文字・シンボル・ロゴなどを用いてもよい。
人にとって、急激に暗くなると目が見えなくなり、危険である。特に自動車の運転中などは、急に影の部分に入ると危険である。しかし、この薄い影の部分から入って、約100m以上すぎてから本格的な影の部分に入るようになっていると、目が暗さに順次なれるようになり、より安全に運用できる。なお、遮光装置1の端から100m中央よりの部分までの太陽光遮断率を90%程度に設定して、人が遮光装置1の影に入っても、急激には暗くしないようにして、安全性を確保することもできる。さらに、本格的な影の部分も100%光を反射して宇宙に放出するのではなく、5%程度もしくは1%程度の太陽光を透過して、本格的な影の部分に入っても人間の目にとって暗すぎないように設定することもできる。
気象の変動として、竜巻や台風は、地域的な熱によって発生する。そのため、大量の遮光装置1を用いて、その地域を時間的に5%程度に平均的に影を作れば、温度は約3.5℃下がるため、竜巻や台風の発生を抑えることが期待される。もちろん、効果が薄ければ、10%にすれば約7℃も冷却できる。
なお、遮光部材11は、表面の一部又は全部が着色されて太陽光を反射して宇宙に放出又は吸収して遮断するものであり、吸収された太陽光エネルギーが熱に変わることにより、浮力部材内の空気より軽い気体の温度を上昇させるものであってもよい。
浮力付与部13は、空気より軽い気体が充填され、遮光装置1に分散した配置で設けられる複数の浮力部材411,・・・,41N(以下、添え字が複数のものを示す場合には基本的に添え字を省略し、例えば「複数の浮力部材41」等と記載する。)と、各浮力部材41と遮光装置1本体の自重とのバランスをとり、遮光部材11及びこれに係合しているものを地表に接していない状態である浮遊状態とする浮力部材制御部43を備える。各浮力部材41には、各浮力部材41に対応して、充填される空気より軽い気体を個別に調整するを調整する気体調整部47がある。以下では、気体調整部47について、気体の量を調整するポンプ(ガスボンベを含む。)を用いて説明する。浮力部材41により浮力が発生し、遮光装置1に対して、本体の自重による重力とは逆方向の向きに浮力が与えられる。浮力部材41に発生する浮力の大きさは、浮力部材41が押しのけた気体に作用する重力の大きさに依存しており、遮光装置1を浮遊させることも可能である。
なお、上記した浮力のベクトルと重力による自重のベクトルとは逆向きであり、各ベクトルの始点については、浮力のベクトルの始点が自重のベクトルの始点よりも上方に位置することが装置本体の水平を保つ上では好ましい。
また、浮力部材41の一部又は全部は遮光装置1本体を形成し、空気より軽い気体の各浮力部材41における内部圧力が所定の高度において外気の圧力よりも高くなるように調整することにより、この高度における形状維持のための強度を保つようにしてもよい。
また、回転部23が遮光装置1を回転させて生じた遠心力により、遮光装置1本体を外側に遠心力により引っ張る機構によっても形状維持のための強度を保つことはできる。さらに、浮力部材41は、上部の外部表面ではなく、下部の内部表面が着色されており、この着色により吸収された太陽光エネルギーによっても、空気より軽い気体の温度を上昇させるものであってもよい。
さらに、浮力付与部13は、遮光装置1が存在する位置の外気の圧力を検出する外気圧力検出部45を備える。各ポンプは、空気より軽い気体の各浮力部材41における内部圧力が、遮光装置1が遮光する位置における外気の圧力よりも高くなるように調整するものであってもよい。
さらに、遮光装置1の遮光部材11を、浮力付与部13と一体にして構成しても、別に構成してもよい。浮力付与部13は、破損して小さな穴が空いても、ヘリウムガスが漏れるとそのセルは利用できない。遮光部材11は、破損して大きな穴が空いても、反射機能・太陽光遮断機能としてその部分が利用できなくなるだけであり、遮光部材としてはほんの少し影が小さくなるだけで問題とならない。そこで、遮光装置は、例えば、光遮断制御装置の軽量化もかねて、薄布にメタリック塗装して太陽光を反射できるようにして構成してもよい。
続いて、各部位でのバランスについて、柔軟な膜で構成されたチューブ(袋)にヘリウムガスを充填した場合の浮遊機能の特性を例として、具体的に説明する。ここで、容積は器の大きさを示し、容量は器に入った量を示すとする。このチューブは、柔軟ではあるが、その容積は変化しないものである。なお、ここでは、ヘリウムガスを閉じこめための柔軟な膜としてプラスチック膜を想定しているが、約−70℃でヘリウムガスなどの気体を通過させない柔軟で軽量な膜であればよい。また、充填するガスとしてヘリウムガスを用いる例を述べたが、浮遊機能と区別して、空気を充填する構成にしても良い。
遮断装置1は、その応用領域によって外部環境条件が大きく変更される。応用領域は、その設置高度により、約10km以上の成層圏での設置と約10km以下の領域とに分けることができる。成層圏では、温度が約−70℃以上で、気圧は約0.1気圧以下で、微風はあるが雨の無い状態である。一方、10km以下では、温度が約−70℃〜50℃で、気圧は約0.1〜1気圧で、雨・風は激しい状態である。
また、遮断装置1は、縦・横が100m以上になる場合もあり、巨大な装置である。成層圏を含む高高度に1年間以上の長期間かつ適切な場所に移動・設置する必要があるため、軽量に構成することが望ましい。
浮遊機能を実現するチューブとして、気圧の変化につれてヘリウムガスの容積を変化させるものと、気圧が変化してもヘリウムガスの容積が変化しないものが考えられる。チューブの外気圧と内気圧が異なる場合、チューブの素材には気圧差分の力がかかることになる。
まず、気圧の変化につれてヘリウムガスの容積を変化させるものについて、図3を参照して、浮力部材41及び浮力部材制御部43の構成の一例を具体的に説明する。図3は、図1の浮力部材41及び浮力部材制御部43を併せた浮遊機能部61における内部でのヘリウムガスの挿脱機能を示す図である。
浮遊機能部61は、内部に圧縮ヘリウムガスを溜めるガスボンベ63と、ガス圧縮を行う圧縮ポンプ65を内蔵している。ガスボンベ63はその出力口に出力ガスの気圧を測定する機能も持ち、そのガス圧の値によってボンベ内のガスの量を間接的に測定することができる。ガスボンベ63および圧縮ポンプ65は、図示を省略する制御機能部からの無線信号を送受する機能も装備しており、ガスボンベ65はガス量の値も含めて制御機能部と無線信号を送受信できる。無線機能や無線信号による無線機能や放出弁67等の開閉制御機能は、既存のものを用いることができる。
遮光装置の浮力を上昇させるために、浮力機能部の内部にヘリウムガスを浮遊機能部61の内部に放出する場合、ガスボンベ63は、制御機能部からの無線信号を受信して、ガスボンベ63のガス量が制御機能部の指示した値になるまでガスの放出弁67を開けてヘリウムガスを放出する。
一方、遮光装置の浮力を減少させるために、浮力機能部61の内部から抜いてガスボンベ63にヘリウムガスを充填する場合、圧縮ポンプ65は、制御機能部からの無線信号を受信してその信号に基づいて、浮力機能部61の内部のヘリウムガスを入力口69から入力して圧縮して、出力口71から圧縮したヘリウムガスをガスボンベ63の入力口73からガスボンベ63のガス量が制御機能部の指示した値になるまで注入する。
続いて、ヘリウムガスの容積を変化させないものについて説明する。遮光装置1の形状を安定に形成するための素材として、例えば、空気やヘリウムガスを閉じこめたプラスチック膜などの気体を通過させないものを用いて、遮光装置1の骨格を形成する。閉じこめるヘリウムガスの量を、1気圧の状態での容量が骨格の容積の0.1倍の量にする。チューブは、1気圧の地上では容積の10分の1しか膨らんでいない状態である。遮光装置1は、1気圧の地上では骨格としては柔らかく、広がった形状にはならない。
地上から約12kmの高度では、気圧が0.1気圧になり、ヘリウムガスはチューブの中でいっぱいに広がり、チューブはピンと広がった状態になる。この場合の浮力は、外気圧の元でのチューブの容積と等しい外気の重さである。つまり、1気圧の状態では、チューブ内のヘリウムガス容積はWの0.1倍で、一方大気圧が下がればヘリウムガス容積は増えていき、0.1気圧の状態では、ヘリウムガス容積はWの1倍であるから、外気が1気圧から0.1気圧の高度までは、浮力は変化せず、一定である。そのため、チューブの外気圧と内気圧が等しいため、チューブの素材に気圧による力はかからない。よって、0.1気圧以下の大気圧の成層圏では、骨格内部の気圧が外気圧より高くなり、骨格はピンと張力を持つ状態になり、堅さを持った骨格を形成して、遮光装置1を広げる状態になる。
より具体的に説明すると、ヘリウムガスは、1気圧におけるチューブ容積(容積をWm3とする)の10分の1の容量が充填される。ヘリウムガスを含んだチューブ全体の自重はRgとする。このときの地上の1気圧の大気の中での浮力は、ヘリウムガスの容積と等しい空気の重さであるから、ρW/10である。ただし、ρは1気圧における1m3の空気の密度である。
ρW/10が自重Rより大きい場合には、チューブは空に浮かび上がっていくが、約0.1気圧の高度に浮かびあがると、ヘリウムガスがチューブの容積いっぱいに広がり、かつ容積はWに、その時の空気密度はρ/10になった状態になり、浮力はρW/10である。つまり、この高度までは浮力は高度によって変わらない。約0.1気圧の高度より高く上昇すると、気圧は0.1気圧より下がるが、ヘリウムの容積はチューブの容積以上には大きくなれないために、浮力が小さくなる。浮力がRgと等しくなった高度Lmで上昇は止まり、移動機能で引き上げない限りその高度で留まる。そこで、移動機能で引き上げない場合は、一部のチューブはピンと張らない状態にヘリウムを挿入しておいて、影を作る場合は移動機能で引き上げて全てのチューブをピンと張って運用して、影を作る必要がない場合は移動機能で引き上げずに高度を下げると、一部のチューブはピンと張らないで折り畳まれた状態になるようにして運用することもできる。
なお、ヘリウムガスの容積が一定になる高度について、どの気圧でもヘリウムガスの容積を一定になるように設計できる。そして、ヘリウムガスの設計精度については、容量の設計は容易に1%以下で設計でき、設計通りに充填すると1%以下の誤差で浮力を得ることができる。また、遮光部材や浮力部材も、その面積を設計通りに構築すると、容易に1%以下の誤差で実現できる。例えば1mmの精度で裁断・接着などの加工が出来るとすれば、10m以上の装置は0.1%の精度で設計が可能である。したがって、設置位置の目標高度を決定したら、浮力部材で構成された容量と、充填すべきガス容量が決定されて、これらは、約1%精度で実現でき、設計だけで自重と約1%の精度で釣り合わせることができる。実際に運用する際には、この約1%の浮力と自重との差は、遮光装置1の浮遊する高度を多少変えるだけである。
また、複数の浮遊部材によって構成された遮光装置でも、複数の浮遊部材の浮力と自重が1%程度の誤差があっても、浮遊部材毎に多少の浮力が大きいものと、小さいもので上下に膨らむ影響があるだけで、その姿勢の安定には大きな影響はない。
また、ヘリウムガスの容量を数%多くチューブに入れた場合、0.1気圧の高度よりは高いがLmより低い高さで、ヘリウムガスの容積がW以上に膨らむことができずに一定になり、かつチューブ全体の質量は多く充填したヘリウムガスの分だけ大きくなるため、チューブの留まる高度が低くなる。また、ヘリウムガスの容積がW以上に膨らむことができずに一定になった場合は、チューブの表面はピンと張っている張力を持った状態で、全体を形作る骨格として使用できる。このように、充填するヘリウムガス容量やチューブ容積の誤差による影響は、チューブが浮遊して留まる高度が上下するだけであり、チューブの浮遊する安定度には、影響しない。さらに、遮光装置1が浮遊して留まる高度は、例えば10kmから50kmの間で設計すれば、設計値から数%の高度の誤差によって、影の形状は数%の変化があるが、装置が破壊されたり、影が大幅に小さくなったりはしないため、運用には問題はない。
したがって、設計通りに構築された複数の浮力部材の浮力や自重も1%以下の誤差で釣り合うことができる。また、遮光装置1は、1〜10度以下の傾きで設置されても、地表の影の面積が少し小さくなる影響はあるが、使用不可能になるような問題になることではない。そのため、釣り合う率が1%以上異なっていても、大きく傾くわけでもない。
遮光装置1の浮遊する高度によって空気密度が変わり、遮光装置1が受ける浮力が変わる。地上0kmから50kmでは、空気密度は高度が上がるにつれて約1〜0.001に変化する。このため、例えば、直径1kmの遮光装置が、約6度傾くと両端の高度差が100mもできるため、両端の浮力が約1.4%異なり、傾きを水平にするような大きな力が働く。そのため、10度など大きく傾いた場合には、高度による空気密度の変化によって大きな浮力の変化があり、平行になるように浮力が働き、戻され、安定した姿勢で設置・運用できる。
また、特定の地域の温暖化防止のための運用の場合でも、特定の小さな地域(例えば1km四方の区域)のみに影を落とさなければならないようなことは無く、特定の小さな地域を含む大きな区域(例えば10km四方の区域)に影を落としていれば良い。この場合、遮光装置をある時点に太陽光の方向を考慮して大きな区域の端の風上に設置して、風に流されて他端に移動したら、再度、移動機能で風上に移動させる。その移動している間には、遮光装置は多少の姿勢が悪くなっても、遮光装置や地上が破壊されるわけでもないため問題ない。また、最も反射効率の良く遮光装置の姿勢を制御して、影を地上に落とさなければならないようなことは無く、5度程度の傾きがあっても運用することはできる。
なお、1気圧から0.1気圧の間の任意の気圧で張力を持つ骨格になるものも併用して用いるようにしてもよい。例えば、ヘリウムガスを1気圧におけるチューブ容積(容積をWm3とする)の値と等しい容量を充填したものは、1気圧の地上ではチューブの全体が膨らんでおり、チューブはピンと広がった状態になる。気圧が0.1気圧になっても、チューブの容積はこれ以上に広がる余裕がないから、チューブはピンと広がった状態のままである。この場合の浮力は、1気圧の状態および0.1気圧のもとで、容積はWのままで一定であり、外気が1気圧から0.1気圧に変化しても、0.1気圧の状態でも容積はWの1倍であるから、外気が1気圧から0.1気圧の変化につれて、浮力は1気圧の地上の地上での浮力の1倍から0.1倍に減少していく。
また、例えば、この現象を利用して、異なった気圧で張力が形成できる骨格を数種構成しておいて、地上では、柔らかく折り畳まれている遮光装置1が、上空にあがり気圧が下がるにつれて、順次骨格が形成されて、次第に広げられるように骨格を作成することもできる。すなわち、遮光装置1の骨格を形成する浮力部材の内部圧力を複数設定することで、遮光装置1が上昇しつつ、設定した高度で順次に遮光装置1の骨組みを形成していくことができる。例えば、0.5気圧の高度で1次骨格、0.4気圧の高度で2次骨格、0.3気圧の高度で3次骨格、0.2気圧の高度で4次骨格と形成していくように設定できる。このようにすると、遮光装置1を設置する場合に、地上での遮光装置1を小さくたたんでおき、高度をあげるにつれて気圧の低下につれて自動的に骨組みができていき、順次骨組みを構成していくことで大きく広げることができる。このようにすると、地上での遮光装置1の保守・管理がやりやすいメリットがある。また、地上での作業場所の面積が小さくてすむこととなる。さらに、上昇途中での風雨による設置場所の誤差等の被害が、遮光装置1の面積や・体積が小さなことによって小さく抑えることができる。この骨格の形成する気圧は、1気圧以下であればどのような気圧でも設定できる。
図4は、図1の浮力部材41の内部気圧を複数設定した一例である遮光装置80を示す図である。遮光装置80の全自重をWとする。浮力部材は3種類の内部圧力を設定したものを使用する。上述のように、浮遊力は押しのける気体の体積により浮遊力が得られ、各浮遊部材に充填される気体の量により所定の気圧においてピンとなる。上中下に横断する3つの浮力部材81は、0.1気圧で4W/24の浮遊力を持ち、0.5気圧でピンとなるものである。浮力部材81を左右外側でつなぐ4つの浮力部材82は、0.1気圧で2W/24の浮遊力を持ち、0.4気圧でピンとなるものである。浮力部材81を中央でつなぐ2つの浮力部材83は、0.1気圧で2W/24の浮遊力を持ち、0.2気圧でピンとなるものである。また、遮光部材84は、布等にアルミニウムを蒸着させ、反射機能を持つ。弁85は、遮光部材84に切れ目を入れてゴム等の伸縮機能を持つもので接続された部分である。
浮力部材81、82及び83の総浮力によって、0.1気圧の高度で、自重と釣り合うようになり、かつ各浮力部材は個々に自重と釣り合っている。この浮力の設計は概略、浮力機能部のチューブの容積を、0.1気圧状態でそのチューブが担う自重の量と等しくして、かつチューブがピンとなる気圧でのヘリウム容積をチューブに挿入することで、実現できる。
このように設計された太陽光反射制御装置を高高度に設置する場合、装置は地上では小さく折り畳まれている。装置は浮力を持った部分が上で、遮光部材84は下に垂れた状態である。遮光装置80は、上空に上昇するにつれて、まず浮力部材81が0.5気圧の高度で張力を持ち、浮力部材82が0.4気圧の高度で張力を持ち、最後に浮力部材83が0.1気圧の高度で張力を持ち、骨格を形成して、全体が平たく広がった状態になる。運用中には、移動機能部によって常時上空に引き上げて、かつ装置を0.1気圧より上昇させると、移動機能部で一部の自重を上に引っ張っている状態で、装置の自重の一部を重心の上で持ち上げた状態になって安定した設置が実現できる。
また、回転部23による姿勢の安定について、図5を参照して具体的に説明する。図5は、図1の回転部23の一例を備える遮光装置91の(a)側面図及び(b)平面図を示す。遮光装置91は、駆動部92と、制御部93と、骨格を構成する6個の浮遊部材94と、遮光装置91を中心軸の回りに回転させるための4個の回転用プロペラ95と、100個の浮遊部材97を備える。浮遊部材94は、1気圧の元でチューブ容積いっぱいにヘリウムガスを充填したものである。浮遊部材97は、1気圧の元でチューブ容積の0.1倍の容量のヘリウムガスを充填したものである。
図5(b)に示すように、成層圏で安定に巨大な遮光装置91を広げた状態を維持するために、遮光装置91の外枠の点対称な数点に、電気駆動のプロペラ95を複数装備する。このプロペラ用の電気エネルギーは、遮光装置91の表面に太陽光発電器を設置して用いればよい。プロペラ95は、遮光装置91を一定方向に回転するように駆動され、遮光装置91は、水平に独楽のように回転する。その回転速度はプロペラ95の駆動力に依存するが、高速にする必要はない。この回転によって、安定に水平に保たれ、かつ円心力が働くことで、遮光装置1は外側に引っ張られて、その形状を維持する力が働く。
その遠心力は、角速度をω、遮光装置1の中心からの距離をr、引っ張り機構は一様なものとして遮光装置1の単位体積あたりの質量をmとすると、各質量は以下の張力Fで引っ張られた状態であり、安定した形状を保てる。但し、r=1000m、ω=π/180、m=100gとする。
F=r×ω2×m・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(1)
=1000×(π/180)2×100
≒30.4
一方、遮光装置1の全体の重さをMとして、100個の部分で構成されているとすると、各部分は中心点で、式(2)で示されるGの力の円心力が働いている。但し、R1=600m(中心から各部分の重心までの距離とする)、ω=π/180、M1=(π×106)/100gとする。
G=R1×ω2×M1 ・・・・・・・・・・・・・・・・式(2)
= 600×(π/180)2×(π×106)/100
≒ 5710
よって、遮光装置91の重さが約3.14トンで、360秒間で1回転する各速度で回っている場合、100個の各部分は約5710gの遠心力が働き、この力で遮光装置91は水平に広げられて安定に設置される。この遠心力は、半径が大きくなるほど、また遮光装置91の素材の質量が大きくなるほど、大きくなるが、角速度が小さくなるほど、小さくなる。そこで、遮光装置91の構成に対応して、角速度を適切に設計・実施することで、遠心力を適切な値に保つことができる。
この遠心力の大きさは、設置している場所の風の強さ、方向、変化などによって異なる。成層圏での設置の場合で、突風はほとんど無く定常的な風があるだけある。そして、地球温暖化防止のための運用の場合のように特定の地域に影を落とすのではなく、太陽光を反射して宇宙に放出して影をどこでも落とせば良いような場合の、風に乗って流されていれば良いような運用であれば、この遠心力は非常に小さくても良い。上記のように、例えば30度傾くと、元に戻す方向に、自重の約10%の力で押されることになり、平行に戻る。このため、一旦遮光装置が水平に広がれば、姿勢は水平に保たれる。
また、遮光装置1を例えば半径100m程度に小さく作り、かつ遠心力も大きくすることで、突風を受けても突風がすぎれば即座に水平に姿勢を復元することができ、その復元速度は遠心力に依存する。これは、独楽と同様で、独楽の端を欠いて5%程度の重力のバランスを失っていても高速で回転していれば、回転軸を垂直に保って回転し、多少の外からの力を受けても、外力が無くなると軸は垂直に復元する。従って、遠心力は大きいほど復元力がでるが、遮光装置は回転すると遠心力で引っ張られるため、素材が遠心力に耐えられる設計にする必要がある。安全設計では、遮光装置が耐えられる程度の約半分の遠心力になる回転速度に設定すべきである。
また、回転部23は、回転によって、遮光装置1の上に何らかの原因で乗った雨、雪やゴミなどを、遠心力で振り落とすこともできる。
そして、風は、遮光装置が浮いている媒体の流れである。遮光装置1が風と共に流されている場合に、流れのままに流れていれば、遮光装置1から空気を見ると静止状態であり、空気密度の変化によって姿勢が水平に戻される性質があるため、大きな問題はない。しかし、遮光装置1が風と共に流されている場合に、流れに逆らって留まるときは、大きな力が必要である。設置する地域の風の季節や時刻の特性に依存して運用する必要がある。風が定常的なものであれば、駆動機構15の駆動部21の力を大きくすることで、流れに逆らって留まることができる。しかし、特に遮光装置1が大きい場合には、例えば風速10m/秒の強い風や突風がある地域では運用困難である。この場合、強い風で運用できなければ、地上に降ろして、弱い風になった時にのみ運用すればよい。遮光装置1は、特定の時期に必ず運用しなければいけないというものではなく、風の予報などを参考にしてできるときに実施する。よって、遮光装置1は、定常的な風が吹く地域や弱い風の場合に、流れに逆らって設置・運用すればよい。風の流れに逆らって遮光装置1を移動すると、遮光装置1は大きく傾く可能性があるが、傾いていても影の大きさに与える影響は小さい。
なお、遮光装置1の回転のために、電気プロペラに変えて、例えばお椀状のものを回転方向に曲面が向くように遮光装置の周囲に複数設置して、風速計のように風の力で回転させるようにしてもよい。また、駆動部21(移動用の駆動プロペラ)と回転部23(回転用電気プロペラ)は、一体にした構成としてもよい。
さらに、遮光装置1の浮遊機能を実現する場合に、複数種類の構成を適用して、一部の浮遊機能が破壊されても、地上に落下しない遮光装置1の構成を経済的に実現することができる。ここでは、浮遊機能を実現するチューブとして、気圧の変化につれてヘリウムガスの容積を変化させるものと、気圧が変化してもヘリウムガスの容積が変化しないものを組み合わせた場合を例にして、具体的に説明する。
気圧が変化してもヘリウムガスの容積が変化しないもの(これをT1と呼ぶ)の容積をSWm3とする。また、気圧が0.1気圧から1気圧までの変化につれてヘリウムガスの容積が変化するもの(これをT2と呼ぶ)の容積をWWm3とし、ヘリウムガスは0.1気圧で容積がWWm3になるとする。また、遮光装置1の全体の質量をWGgとする。この場合、0.1気圧の高度で、浮力と重力が釣り合うものとする。また、1気圧での空気の1m3あたりの密度はρとする。このとき、0.1気圧の元で、浮力と重力が釣り合うので、式(3)が成り立つ。また、地上の1気圧の元では、遮光装置に対して、式(4)が成り立ち、上昇していき、外気が0.1気圧になった高度で浮遊静止する。ここで、WWをSWの9倍に設定すると、式(5)及び式(6)が成り立つ。このときの地上での浮力は、式(7)である。
WG=0.1×ρ×WW+0.1×ρ×SW・・・・・・・・・・式(3)
WG<ρ×0.1×WW+ρ×SW・・・・・・・・・・・・・・式(4)
SW=WG/((0.9+0.1)×ρ)=WG/(ρ)・・・・・・・式(5)
WW=9×WG/(ρ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(6)
0.1×ρ×WW+ρ×SW=0.9WG+WG=1.9WG>WG・・式(7)
遮光装置1としては、0.9WGの浮力を失わなければ、地上では浮力と自重が釣り合う。また、T1は破壊されて9割のヘリウムガスが放出されても釣り合い、T2は全て破壊されて全てのヘリウムガスが放出されても釣り合うことがわかる。すなわち、遮光装置の全ての浮力機能のうちで、約45%が破壊されて失われても、落下は免れることを示している。このとき必要なヘリウムガスの容量は、1気圧の状態下で、(0.1xWW+SW)=1.9×WG/(ρ)である。一方、T1の構成法のみによって構成された場合には、WG=0.1×ρ×SWであり、必要なヘリウムガスの容量は、1気圧の状態下で、SW=10×WG/(ρ)であり、約5倍のヘリウムガスの容量を必要とする。従って、このT1及びT2を用いた構成は、T1の構成法のみによって構成された方法よりヘリウムガスの容量を大幅に少なくでき、経済的な構成である。
以下では、図6以降を用いて、本発明に係る遮光装置について具体的に述べる。なお、本発明の実施の形態は、以下に述べる実施例に限定されるものではない。
図6は本発明に係る遮光装置の実施例1を横から見た図であり、図7はそれを上から見た図である。以下では、図6及び図7を参照して実施例1について述べる。
図6に示すように、遮光装置は、浮力部材110と遮光部材120を備える。図7に示すように、遮光部材120は、遮光部121と通過部122とで構成される。遮光部121は、その太陽に面する表面にアルミ箔を張り付けてあり、太陽光を反射し、影を作る。通過部122は、透明なビニールで構成されており、太陽光を通過させる太陽光通過部分である。なお、この遮光部材120の内部には、ヘリウムなどの空気より軽い気体が充填されている。
さらに、図7に示すように、遮光装置には、遮光部材120の外周に沿って、地表での空気又はヘリウムなどの空気より軽い気体が充填された浮力部材123が本体の外周部として設けられている。この外周部にピンと張る程度に気体を充填して、所定の高度で外周部を膨張させることが可能である。このとき、遮光部材120には外周部の張力が働き、遮光部材120は周りに引っ張って広げられる。これにより遮光部材の遮光する面積が確保されるため、遮光装置1は、効果的に遮光することが可能となる。
また、遮光部材120の外周側に浮力を発生させる構成とすることで、下記のように遮光装置1が回転に対してバランスをとりやすくなる効果も期待できる。遮光装置1が水平面に対して、傾く場合、傾いて上空になった端は、高さが高く空気密度が薄いために、浮力が通常の場所に或る場合より小さくなり、下方に引かれる。また、傾いて下空になった端は、高さが低く空気密度が高いために、浮力が通常の場所に或る場合より大きくなり、上方に引かれる。このように、遮光装置1は、水平面に対して安定になる性質を備え、この性質は遮光部材120の外側に浮力が生じるほど大きいものとなる。
浮力部材110は、ビニールで構成されたチューブにヘリウムガスなどの空気より軽い気体が充填されたものであり、遮光部材120を備える遮光装置1の自重とは逆方向の向きに、浮力を与えることができる。この浮力部材110を充分な容積に構成することで、遮光部材120及び遮光部材120に係合した部材である浮力部材123を、目標とした高度の空中に浮かべて空中で安定させる浮力を生じさせることも可能である。ここではビニールのチューブを用いる場合について述べたが、他のプラスチックやゴムを用いたものなど気体を通過させない軽量で柔軟な素材であればよい。
また、遮光装置を雲の下に設置する場合には、風と雨の影響で遮光装置が大きく揺れ動く。そのため、図7にあるように、遮光部材120には、垂直方向の風雨に対して、遮光装置の抵抗が少なくなるように、隙間125(穴)及び隙間に弁126を有するものを設けている。隙間125は、遮光部121と通過部122との間に切れ目をいれて分離できる部分を示しており、弁126は、遮光部121と浮力部材123との間に切れ目をいれてかつ柔軟に伸張できる素材(例えば、ゴムやバネ)で接続した構成である。これにより、弁126は、強風が吹くと遮光部121と通過部123との間を分離されて、風が止むと元の位置に戻る構成であり、風雨に対して必要に応じて開閉される弁の機能を実現している。弁126は、風雨が弱い状態でも、完全に接着した状態である必要は無く、太陽光を100%遮断するようなことは要望されないため、隙間125と同様に一定の幅で隙間があっても、影を作る機能として問題ない。
なお、ここでは遮光部材120も浮力部材の役割を果たしているが、それらにおける浮力に加えて浮力部材110と浮力部材123とによる浮力と遮光装置1全体にかかる自重とをバランスさせたが、遮光装置1全体(本体)にかかる自重と、例えば、遮光部材120は浮力を発生しないものとし、さらに、浮力部材123を不要として浮力部材110の浮力のみとバランスさせる構成としてもよく、或いは浮力部材110を不要として浮力部材123の浮力のみとバランスさせる構成としてもよい。すなわち、遮光装置1の水平が保たれる構成とすればよく、そのためには各部位での重力による自重と浮力とのバランスが図られる構成とすればよい。
図8は本発明に係る遮光装置の実施例2を横から見た図で、図9はそれを上から見た図である。以下では、実施例2について、図8及び図9と同一符号は同一の性質の部材であり、図8及び図9を参照して特に相違点について詳しく述べる。
実施例2の遮光装置は、実施例1に係る遮光装置に、駆動機構130を追加し、かつ、駆動機構130に浮力部材110に生じる浮力を増減させる機能を持たせたものである。駆動機構130は、図1に示したものと同様に、遮光部材120を駆動させる駆動部と、駆動部を制御する移動制御部と、遮光部材120の位置を検出する位置検出部を備える。
位置検出部は、GPSを持っており、GPSによって自己の3次元位置を検出する。移動制御部には、位置入力部が地上の運用局と通信することにより、遮光装置(遮光部材120)が留まるべき目標とする目標3次元位置情報を得る。さらに、移動制御部は、目標3次元位置に自己の3次元位置を合わせるように駆動部31を用いて遮光装置1(遮光部材120)を移動させる。
さらに、移動制御部は、必要に応じて、上下の移動のために、浮力部材110による浮力の大きさを変更する指示情報を、浮力部材制御部に出す。浮力部材110は、その容積を変更でき、浮力増減機構(図3の浮遊機能部61参照)に含まれるヘリウムガスのポンプとガスボンベにより、移動制御部32からの指示情報によって浮力部材110内のヘリウムガスを減らして浮力を減らし、逆の指示情報に従ってヘリウムガスを浮力部材110内で増加させて浮力を増加させる。
このような駆動機構130による遮光部材120の位置制御によって、移動するものに対して遮光することが可能となる。遮光部材120を巨大なものとした場合、空中に浮遊して巨大な日陰を作ることが可能である。そのため、台風の目の上空に目の大きさと同等の大きさの遮光部材120を設置すると、影になった空気を冷却して重くすることで目の部分を高気圧にできる。これによって台風の勢力を減少させることができる。
あるいは、発生した台風の勢力を減少させる以外にも、竜巻や砂嵐などが生じる地域で、上空に遮光装置を設置して一定の時間割合で移動周回させて地域全体の温度を一定値以下で平坦にすれば、予め竜巻や砂嵐の発生率を下げることができる。
移動制御部は、具体的な実現例としては、遠隔移動位置制御を持っている従来の無人飛行船で行われている構成とすればよい。また、この無人飛行船の動力として電力を利用する場合、遮光部121の表面に太陽電池を装備させて、太陽光から動力を得る構成とすることもできる。
浮力部材110の浮力の増減機能は、特にここで述べた方法に限定せず、通常のヘリウムガスによる飛行船で利用されるものを利用してもよい。また、この浮力増減機構は、浮力部材110に付随して設ければよいが、遮光部材120又は駆動機構130側に付随して設ける構成としてもよい。
移動制御部は、地上にある運用局が担う構成としてもよい。このとき、位置検出部は、検出した自己位置情報を地上にある運用局に通信する。運用局は、目標3次元位置の情報と位置検出部から通信された位置情報に基づき、上下左右への移動を示す移動制御情報を遮光装置1に通信する。駆動部は、運用局から通信された移動制御情報に基づいて、遮光部材120を移動させる。このようにすると、運用局は、遮光装置1から受け取った自己位置情報に基づき、遮光部材120を目標3次元位置に移動させるように、駆動部を動作させる情報処理を行うことになる。
また、駆動機構から駆動部を外して、外部接続端子を付けて、遠隔制御ヘリコプタなどを駆動部として接続し、ヘリコプタで牽引して移動できる構成としてもよい。この場合、必要に応じて、遮光装置1は自己位置情報を地上にある運用局に通信する。運用局は、上下左右への移動を示す移動制御情報を算出して、移動制御情報を、遮光装置1を経由して遠隔制御ヘリコプタに伝えて駆動させる。このようにすると、運用局は、遮光装置1から受け取った自己位置情報に基づき、遮光部材120を目標3次元位置に移動させるように、遠隔制御ヘリコプタを動作させる情報処理と駆動を行うことになる。
なお、図9に示すように、遮光部材120における遮光部121と通過部122との関係は、図7に示されるものに限定されなるものではなく、要求される遮光度合いに応じてそれらの面積の割合は選択されればよい。すなわち、遮光部121と通過部122との面積割合が10対0の割合であってもよい。
また、図7では本体の外周の全域にわたって浮力部材123を設けたが、図5に示すように一部であってもよい。
図10は図8及び図9に示した遮光装置においてその本体外周部を形成する浮力部材123内の気体を抜いて張力を減らした状態を横から見た図で、図11はそれを上から見た図である。但し、外周をなす浮力部材123内の気体を抜いた状態でも、浮力部材110の浮力を調整して全体の浮力は同一レベルに保つことが可能な状態である。
浮力部材123の張力が減少させるともしくは浮力部材内の気圧が外気圧より小さくなる高度に下降すると、減少前には水平に広がっていた遮光部材120は、2つに折れてほぼ垂直に垂らした状態となる。このとき、太陽光線を大量には遮断しない。これによって、太陽光を遮断する必要がない場合に、遮光装置1を上空に設置したままでも、地上への日射量を遮光装置1がない状態に近づけることができる。
上記では、遮光装置1を折りたたむことで地上での日射量がほぼ設置していない状態と同様にすることを述べた。それに代えて、積極的に遮光部材120の浮力のバランスを崩して、左右に傾けるようにして、遮光部材120を太陽光とほぼ平行にするようにして、地上への日射量を遮光装置1がない状態に近づけるようにしてもよい。
なお、上記全ての実施例において、浮力部材110は、ビニールで構成されているとした。しかし、気体を通さない柔軟な材質であれば、別の材質であってもよい。ただし、遮光装置の自重が大きくならないように軽い材質で、かつ、容易に損傷しないように強度の大きい材質であることが好ましい。
また、上記では、浮力部材110(及び遮光部材120)に詰める気体をヘリウムとした。しかし、浮力を生じさせるために、空気より軽量な気体であればヘリウム以外の気体であってもよいし、複数の気体の混合気体であってもよい。
さらに、浮力部材110は、空中設置している状態で鳥などによって破損する場合がある。そのため、数カ所の破損のみによって大きく浮力を無くしたり、バランスを無くしたりしないように、浮力部材110は数十個以上に分割されることが好ましく、さらに位置としては1箇所に集中したものであるよりも分散した配置となる構成することが望ましい。また、1個の浮力部材を実現する方法は、どのような方法でも適用できる。例えば、1つの空気を通す布等のチューブに複数の小さなビニールのチューブにヘリウムを詰めたものを入れて構成することもできる。この浮力部材を分散配置して浮力部材110を構成することもできる。
また、遮光装置1において、浮力部材110と遮光部材120は、別々の構成としているが、遮光部材120が浮力部材110を兼ねてもよい。例えば、遮光部121にヘリウムガスを充填したビニールのチューブを追加して多数のチューブで構成して遮光部材と浮力部材とを完全に一体化し、浮力部材110を省いた構成も可能である。ただし、図1を用いた説明の最後に記載したが、本体の重心位置と一致するような本体の中央位置に近い位置かつその上方に浮力の合成力は生じるようにし、空中での安定を実現できるようにすることが望ましい。また、骨格にヘリウムのチューブを用いる例について述べたが、炭素繊維や発泡スチロールなどを素材にした骨格を用いることもできる。
遮光装置の設置高度が高くなると、空気密度や大気の温度がさがり、この影響で浮力部材の温度が下がって浮力が低下する。このため浮力部材の温度を高くして、浮力を保持するために、設置高度に依存して太陽光エネルギーを受けて温度を暖めるように、浮力部材の表面の色彩を、太陽光エネルギーを吸収し易い色彩に彩色することもできる。
また、上記では、遮光部材120は、例えば、膜状の布やビニールなどを加工して太陽光を完全にもしくは部分的に遮断するように構成したものを、日中であれば地球表面に対してほぼ並行に広げることで実現できる。
浮力部材110によって、遮光装置全体を空中に浮かせるためには、できるだけ軽量な部品によって構築する必要がある。1平方メートル当たり数グラム以下が望ましい。例えば、大きさは半径1kmの円形の遮光部材120は、1平方メートル当たり1グラムで作成しても約3,100,000グラムになる。
遮光部材120の中の遮光部121と通過部122は、軽量化のために膜状の材質としてもよいが、両者ともに或いはいずれか一方でも浮力部材を兼ねるためにビニールで構成されたチューブにヘリウムガス等の空気より軽い気体を充填させて浮力を生じさせてもよい。
また、遮光部材120の形状は特定しない。例えば、上から見て長方形でもよい。また、遮光部121と通過部122の面積比率は、太陽光の遮断率や表面の色彩などを考慮して決定すればよい。
遮光装置1は、遮光装置1の姿勢制御法や移動方法や浮力のリヤルタイム制御方法などとは独立に構成できる。
さらに上記では、遮光部121の表面にアルミ箔を張り付けるとしたが、表面をメタリックカラーも含めて種々の色彩で彩色して、彩色の色を選定することで、一部の太陽光スペクトラムのみ通過させる構成としてもよい。あるいは、一部の太陽光スペクトラムを遮断する偏光機能を持たせてもよい。もしくは、太陽に面した表面にアルミ箔などを付着して鏡面にして太陽光をほぼ全て反射してもよい。あるいは、銀色などのメタリックカラーを含む任意の色に着色した部分によって太陽光を部分的に吸収することで遮断するとしてもよい。例えば、黒であれば、全てのスペクトラムを吸収する。また、太陽光通過部分に彩色することも可能であり、この場合には太陽光通過部分での遮断に遮断機能を加えたようになり、全体の太陽光遮断率を上げる構成にできる。また、太陽光通過部分を文字状やシンボルマーク状に形成して、彩色すると、遮光装置1を地上から見ると文字が色彩に色づいて見え、宣伝として利用できる。
通過部122は、遮光装置の物理的・構造的な力が可能な大きさや設置場所であれば、ビニールを外して空間としてもよい。さらに、通過部122を相互に接続している部分などに、切れ目を入れて、風が遮光装置1を通過できるように、また、水が遮光装置1の上に貯まらず地上に流れ落ちるように設定することもできる。
遮光装置の太陽に面した表面に着色して太陽光を部分的に吸収して遮断する場合は、吸収した太陽光エネルギーはそこで熱に変わり、遮光装置の周囲の地球の大気を暖める。これによって、浮力部材110の温度を上昇させて、浮力部材110内部のヘリウムの温度を上げて浮力を上昇させる構成としてもよい。また、浮力部材110の柔軟性を確保するために、それらに着色する場合、それらを全体的に温めることを狙って、着色をそれらの部材の上部の外部表面ではなく、下部の内部表面に着色することで、それらの内部のヘリウムを暖められる構成にしてもよい。内部ヘリウムは閉じ込められておりヘリウムに接している内部全体を暖めることが可能で、かつ熱気が逃げなくて効率よく全体を暖められる。外部表面を着色した場合、外部の大気に接した部分で発熱するため、熱気が外部に逃げやすくなっている。この浮力部材110の内部表面の着色による内部温度を上げる方法は、他の構成部分でも同様に利用できる。
遮光部材の面積を増大させることにより、ビルディング群や運動場のような大面積に対して影を作ることが可能となる。このため、そこに存在するビルディングなどの冷房が一部不要になり、電力の省力化及び経済化が達成でき、結果的に減少した消費電力分のCOの削減が可能となる。また、一定の地域が冷却されるため、例えば、砂漠や熱帯地域で例えばインドで、遮光装置によって太陽光が遮断され影にすることで、一定の広さの区域の町や道路の全体を涼しくすることができ、日常的に過ごし易くできる。
また、半径10kmの円形のような巨大な遮光装置1を地表1kmの位置に設置して約100%の太陽光を遮断したような場合、影となる地域は昼間でも暗くなる。このため、一定の明るさを得るために、太陽光を一部透過させることが望ましい。また、この場合には、ビルディング群以外にも立木などの太陽光を必要とするものもあるため、真夏の数日の昼間のみに設置として、太陽光の減衰率を適切に抑える必要もある。
また、遮光装置は、基本的には太陽光を遮断して影になった地球上の部分を、遮断された太陽光エネルギーに相当する熱エネルギー分だけ冷却したことと見なすことができる。この冷却効果によって、例えば、遮光装置を雲の上空に設置すれば、雲を冷却して降雨を発生させることもできる。
通常、地上で建物やテントで地上に影を作る場合には、影になった地上部分は冷却されるが、遮断された太陽光エネルギーはテントや建物で熱となって、周りの大気すなわち地球を暖める。しかしここで、遮断機能部の表面にアルミ箔を張り付けた構成の場合には、太陽光遮断は単に影になったテントや建物の部分が冷却されるのではなく、遮断された太陽光が宇宙に放出でき、地球自体が冷却される。従って、遮光装置を多数地球上に分散設置して、それらの日傘機能装置の太陽に面した表面積を一定値以上にすれば、地球が受光する太陽光エネルギーの受光を一定値以下にすることも可能であり、地球温暖化の防止システムとして利用することもできる。
浮力部材110、遮光部121、通過部122、浮力部材123は、遮光装置1が風などの影響で、上下さかさまになった場合に、この浮力部材110、遮光部121、通過部122、外延部123の浮力と、他の部分の重さのバランスによって、浮力部材110の浮力の大きさと遮光装置1での浮力の働く位置などを調整して、上下を元に戻すような構成とすることもできる。
本発明によれば、太陽光エネルギーを完全にもしくは部分的に遮断して地球上に影を作ることができる。影になった地球上の部分は、受信太陽光エネルギーが減り、冷却される。例えば、真夏の昼間は、太陽光による加熱に加えて大都市のビルディング群の冷房装置や照明機器やコンピュータ等の電子機器による発熱によって、大都市全体が高温度となっている。この大都市の上空に本発明を設置した場合、地上100m以上の高高度において太陽光エネルギーを反射して宇宙へ放出させて、熱エネルギーに変換して大気に放射することを防ぐことができる。これにより、太陽光遮断によって冷却され、都市全体が過ごし易くなるとともに、冷房装置の冷却運用も弱めることができ、消費電力も減少させることができる。よって本発明の産業上の利用可能性はきわめて大きい。
1 遮光装置、11 遮光部材、13 浮力付与部、15 駆動機構部、21 駆動部、23 回転部、25 制御部、27 位置検出部、29 位置入力部、31 表面温度測定部、33 地域入力部、35 遮光部、37 通過部、39 隙間、40 弁、41 浮力部材、43 浮力部材制御部、47 気体調整部
請求項1に係る発明は、気象を変動させるために、所定の高度において太陽光のスペクトルを遮光する遮光部材を備えた遮光装置において、前記所定の高度は地上100m以上の高高度であり、前記遮光部材は照射される太陽光の一部又は全部を反射して宇宙に放射する機能を有して、地球上に影を作り、前記影になった地球上の部分を冷却するものであり、前記遮光部材に対し、その自重とは逆方向の向きに浮力を与える浮力付与手段を備え、前記浮力付与手段は、空気より軽い気体が充填され、当該遮光装置に分散した配置で設けられる複数の浮力部材を備え、前記遮光部材及び前記遮光部材に係合しているものに対し、これらが地表に接していない状態である浮遊状態とするものであり、前記浮力部材の一部又は全部は、当該遮光装置本体を形成する。
なお、本願発明は、気象を変動させるために、太陽光のスペクトルを遮光する遮光部材と、前記遮光部材に対して浮力を与えて浮遊状態とする浮力付与手段とを備える遮光装置を用いた遮光方法であって、前記遮光部材は、膜状の材質で構成されており、前記浮遊状態は、前記遮光部材及び前記遮光部材に係合しているものが地表に接していない状態であり、前記浮力付与手段は、空気より軽い気体が充填された浮力部材を含み、前記浮力部材は、複数個存在し、分散した配置で設けられて、当該遮光装置本体の一部又は全部を形成し、充填される前記空気より軽い気体の量を個別に調整する気体調整手段を備え、各浮力部材に充填される前記空気より軽い気体の量を前記期待調整手段により個別に調整して、分散して配置された複数の前記浮力部材の浮力と、当該遮光装置本体の各部位での重力による自重とのバランスを保ちつつ、前記遮光部材に浮力を与えるステップ、を含むものとして捉えてもよい
また、本願発明は、上記の遮光方法であって、前記浮力を与えられた前記遮光部材が、少なくとも地表より上空1km以上に位置して、地球外へ太陽光を反射するステップを含むものとして捉えてもよい

Claims (14)

  1. 気象を変動させるために、所定の高度において太陽光のスペクトルを遮光する遮光部材を備えた遮光装置において、
    前記所定の高度は地上100m以上の高高度であり、前記遮光部材は照射される太陽光の一部又は全部を宇宙に反射して放射する機能を有し、
    前記遮光部材に対し、その自重とは逆方向の向きに浮力を与える浮力付与手段を備え、
    前記浮力付与手段は、
    空気より軽い気体が充填され、当該遮光装置に分散した配置で設けられる複数の浮力部材を備え、
    前記遮光部材及び前記遮光部材に係合しているものに対し、これらが地表に接していない状態である浮遊状態とするものであり、
    前記浮力部材の一部又は全部は、当該遮光装置本体を形成する遮光装置。
  2. 前記浮力部材の一部又は全部は、当該遮光装置本体を形成する各浮力部材における前記空気より軽い気体の内部圧力が、地表においては外気の圧力よりも低く、前記所定の高度において外気の圧力よりも高くなるように調整されることにより、前記所定の高度において形状維持のための強度を保つ、請求項1記載の遮光装置。
  3. 前記浮力付与手段は、当該各浮力部材の浮力と当該遮光装置本体の各部位での重力による自重とのバランスをとる浮力部材制御手段を備え、
    前記各浮力部材は、当該各浮力部材に充填される空気より軽い気体の量を個別に調整する気体調整手段を有する、請求項1又は2記載の遮光装置。
  4. 複数の高度において太陽光のスペクトルを遮光するものであって、
    前記遮光装置本体を構成する浮力部材は、それぞれ、前記複数の高度のいずれかにおいて、前記空気より軽い気体の前記浮力部材における内部圧力が外気の圧力よりも高くなるように調整される、請求項1から3のいずれかに記載の遮光装置。
  5. 当該遮光装置を回転させる遮光装置回転手段を備え、
    前記遮光装置回転手段が、当該遮光装置を回転させて生じる遠心力により前記遮光装置本体を外側に引っ張る機構によっても、形状維持のための強度を保つ、請求項1から4のいずれかに記載の遮光装置。
  6. 前記遮光部材は、風が通過する又は/及び水が地上に流れ落ちる隙間を有する、請求項1から5のいずれかに記載の遮光装置。
  7. 前記隙間は、弁を有し、
    前記弁は、風が通過する又は/及び水が地上に流れ落ちる場合に開く、請求項6記載の遮光装置。
  8. 前記遮光部材は、表面の一部又は全部が着色されて太陽光を吸収して遮断するものであり、
    吸収された太陽光エネルギーが熱に変わることにより、前記空気より軽い気体の温度を上昇させる、請求項1から7のいずれかに記載の遮光装置。
  9. 前記浮力部材は、上部の外部表面ではなく、下部の内部表面が着色されており、
    前記浮力部材の着色により吸収された太陽光エネルギーによっても、前記空気より軽い気体の温度を上昇させる、請求項8記載の遮光装置。
  10. 前記浮力部材は、前記所定の高度で前記内部に充填される気体を通過させない柔軟な膜で構成され、前記遮光部材は、膜状に構成されて軽量化されている、請求項1から9のいずれかに記載の遮光装置。
  11. 当該遮光装置を移動させる駆動手段と、
    前記駆動手段による前記遮光部材の移動を制御する移動制御手段と、
    前記遮光部材の位置を検出する位置検出手段と、
    地球上の所定の位置の情報を入力する位置入力手段を備え、
    前記移動制御手段は、前記位置検出手段の検出出力を用いて、前記遮光部材を前記位置入力手段により入力された位置へ移動させ若しくは移動させて固定させ、又は、前記位置入力手段により入力された位置にそのまま固定させる、請求項1から10のいずれかに記載の遮光装置。
  12. 当該遮光装置を移動させる駆動手段と、
    前記駆動手段による当該遮光装置の移動を制御する移動制御手段と、
    地球表面温度を測定する表面温度測定手段を備え、
    前記移動制御手段は、前記表面温度測定手段により測定された地球表面温度に基づいて当該遮光装置を移動させる、請求項1から11のいずれかに記載の遮光装置。
  13. 気象を変動させるために、太陽光のスペクトルを遮光する遮光部材と、前記遮光部材に対して浮力を与えて浮遊状態とする浮力付与手段とを備える遮光装置を用いた遮光方法であって、
    前記遮光部材は、膜状の材質で構成されており、
    前記浮遊状態は、前記遮光部材及び前記遮光部材に係合しているものが地表に接していない状態であり、
    前記浮力付与手段は、空気より軽い気体が充填された浮力部材を含み、
    前記浮力部材は、
    複数個存在し、分散した配置で設けられて、当該遮光装置本体の一部又は全部を形成し、
    充填される前記空気より軽い気体の量を個別に調整する気体調整手段を備え、
    各浮力部材に充填される前記空気より軽い気体の量を前記期待調整手段により個別に調整して、分散して配置された複数の前記浮力部材の浮力と、当該遮光装置本体の各部位での重力による自重とのバランスを保ちつつ、前記遮光部材に浮力を与えるステップ、を含む遮光方法。
  14. 前記浮力を与えられた前記遮光部材が、少なくとも地表より上空1km以上に位置して、地球外へ太陽光を反射するステップを含む請求項13記載の遮光方法。
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