JPWO2010095484A1 - ポリクロロプレンエラストマー組成物及びその製造方法、加硫物並びに成形体 - Google Patents

ポリクロロプレンエラストマー組成物及びその製造方法、加硫物並びに成形体 Download PDF

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Abstract

押出加工性及び機械的特性に優れるポリクロロプレンエラストマー組成物、及びその製造方法、加硫物並びに成形体を提供する。ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとの配合比(ゾル/ゲル)が、質量比で、30/70〜80/20となるようにすると共に、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルからなるポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部配合して、ポリクロロプレンエラストマー組成物とする。

Description

本発明は、ポリクロロプレンエラストマー組成物及びその製造方法、加硫物並びに成形体に関する。より詳しくは、押出成形用のポリクロロプレンエラストマー組成物及び加硫物、並びにこれらを押出成形して得た成形体に関する。
ポリクロロプレンエラストマーは、工業用ゴム部品用などの材料として広く使用されている。その中でも、押出成形用のポリクロロプレンエラストマーには、モジュラス(弾性率)や引張り強さなどの機械的特性と共に、押出加工性や耐スコーチ性も求められる。
従来、ポリクロロプレンエラストマーのモジュラスや引張り強さなどを向上させる方法としてポリクロロプレンゾルを硫黄変性させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、押出加工性を向上させる方法としては、クロロプレンゴムにゲルポリマーを混合する方法(例えば、特許文献2〜4参照。)が知られており、耐スコーチ性を改善する方法としては、チウラム化合物やチアゾール化合物を配合する方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。
特開昭59−135214号公報 特開昭49−22444号公報 特開昭2005−220190号公報 特開昭59−066433号公報 特公昭61−46697号公報
しかしながら、前述した従来の技術では、押出加工性及び機械特性の両方を向上させることは難しく、高モジュラスかつ高引張り強さで、押出加工性も良好なポリクロロプレンエラストマー組成物は未だ実現されていない。
そこで、本発明は、押出加工性及び機械的特性に優れるポリクロロプレンエラストマー組成物、その製造方法、加硫物並びに成形体を提供することを主目的とする。
本発明に係るポリクロロプレンエラストマー組成物は、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルからなるポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部含有し、ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとの配合比(ゾル/ゲル)が、質量比で、30/70〜80/20となっている。
本発明においては、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルを特定の比率で配合し、更に、ポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部添加しているため、押出加工性及び機械的特性の両方が向上する。
この組成物では、チウラム化合物として、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドから選ばれる少なくとも1種類を使用することができる。
また、本発明に係るポリクロロプレンエラストマー組成物の製造方法は、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルからなるポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部配合する工程と、ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとを、質量比(ゾル/ゲル)で、30/70〜80/20となるように配合する工程と、を有する。
この製造方法では、チウラム化合物を、乳化重合終了後で、かつ、未反応単量体を除去する前のポリクロロプレンゲルに配合してもよい。
更に、本発明に係る加硫物は、前述したポリクロロプレンエラストマー組成物を加硫したものである。
更にまた、本発明に係る成形体は、前述したポリクロロプレンエラストマー組成物又は加硫物を押出成形したものである。
このような成形体としては、例えば、ワイパーブレード材、ホース材、建築用ガスケット材又はケーブル材などが挙げられる。
本発明によれば、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルを特定の比率で配合し、更に、特定量のチウラム化合物を配合しているため、押出加工性及び機械的特性に優れるクロロプレンエラストマー組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態に係るポリクロロプレンエラストマー組成物は、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルからなるポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部配合したものである。
[ポリクロロプレンゾル]
ポリクロロプレンゾルは、2−クロロ−1,3−ブタジエンと、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンとを、分子量調整剤の存在下で、重合開始剤を用いて乳化重合して得ることができる。
2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンには、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の耐結晶性を向上させる効果がある。しかしながら、その配合量が1質量部に満たないと、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の耐結晶性が向上せず、0℃以下の環境下で機械的強度が低下する場合がある。また、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの配合量が10質量部を超えると、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の引張り強度などの機械的特性が低下する場合がある。このため、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの配合量は、2−クロロ−1,3−ブタジエン100質量部に対して、1〜10質量部の範囲が好ましく、3〜7質量部の範囲がより好ましい。
一方、分子量調整剤は、単量体同士の重合速度を調整するものであり、脂肪族メルカプタンやジアルキルキサントゲンジスルフィド化合物などを使用することができる。例えば、脂肪族メルカプタンとしては、ノルマルドデシルメルカプタンやターシャルドデシルメルカプタン、ノルマルオクチルメルカプタンなどがあり、ジアルキルキサントゲンジスルフィド化合物としては、ジエチルキサントゲンジスルフォドやジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジブチルキサントゲンジスルフィドなどがある。
この分子量調整剤の配合量は、重合させる全単量体100質量部に対して、0.02〜3質量部の範囲が好ましく、押出加工性及び機械物性を更に向上させるという観点から、0.02〜2質量部の範囲とすることがより好ましい。なお、分子量調整剤の配合量が0.02質量部に満たないと、単量体の重合速度を調整することができずに、得られるポリクロロプレンゾルの最終転化率が大きなものになる場合がある。一方、3質量部を超えて配合すると、単量体の重合を阻害する原因となり、得られるポリクロロプレンゾルの最終転化率が小さなものになる場合がある。
また、ポリクロロプレンゾルには、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物に、さらに種々の特性を付与させるために、他の共重合可能な単量体を共重合させることもできる。他の共重合可能な単量体としては、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン並びにアクリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステル類などがある。
これらの単量体の配合量は、20質量部以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、得られるポリクロロプレンエラストマーの特性を阻害することなく、種々の特性を付与させることができる。
[ポリクロロプレンゲル]
ポリクロロプレンゲルは、2−クロロ−1,3−ブタジエンと、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンと、分子内に2個又は3個以上のビニル基を有する多官能性単量体とを、特定の条件で乳化重合することにより得られる。その際、必要に応じて、分子量調整剤を使用することができる。
2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンは、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の耐結晶性を向上させる効果がある。しかしながら、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの配合量が1質量部に満たないと、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の耐結晶性が向上せず、0℃以下の環境下で機械的強度が低下する場合がある。また、43質量部を超えて2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを配合すると、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の引張り強度などの機械的特性が低下する場合がある。このため、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの配合量は、2−クロロ−1,3−ブタジエン100質量部に対して、1〜43質量部が好ましく、2〜15質量部の範囲がより好ましい。
分子内に2個又は3個以上のビニル基を有する多官能性単量体は、ポリクロロプレンゲルのゲル化度を調整する効果がある。
分子内に2個のビニル基を有する多官能性単量体としては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、トリメチレングリコールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
これら化合物を使用する場合、その配合量が0.5質量部に満たないと、生成するポリクロロプレンゲルが十分にゲル化せずに、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の押出加工性が向上しない場合がある。また、25質量部を超えて配合すると、ポリクロロプレンゲルが必要以上にゲル化して、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の機械的強度が低下する場合がある。このため、分子内に2個のビニル基を有する多官能性単量体を使用する場合は、その配合量を、2−クロロ−1,3−ブタジエンと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの合計100質量部に対して、0.5〜25質量部の範囲にすることが好ましく、押出加工性及び機械物性を更に向上させるという観点から、3〜8質量部の範囲にすることがより好ましい。
一方、分子内に3個のビニル基を有する多官能性単量体としては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールヒドロキシエタントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル誘導体、トリメチルヒドロキシエタントリメタクリルアミド、トリメタクリルフォスフェート、トリアリルイソシアネート、1,3,5−トリメタクリレートベンゼンなどが挙げられる。
これら化合物を使用する場合、その配合量が0.5質量部に満たないと、生成するポリクロロプレンゲルが十分にゲル化せずに、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の押出加工性が向上しない場合がある。また、25質量部を超えて配合すると、ポリクロロプレンゲルが必要以上にゲル化して、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の機械的強度が低下する場合がある。このため、分子内に3個のビニル基を有する多官能性単量体を使用する場合は、その配合量を、2−クロロ−1,3−ブタジエンと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの合計100質量部に対して、0.5〜25質量部の範囲にすることが好ましく、押出加工性及び機械物性を更に向上させるという観点から、1〜5質量部の範囲にすることがより好ましい。
なお、これらの多官能性単量体は、そのビニル基の数に係らず併用することもできる。これらを併用する場合には、その合計の配合量が2−クロロ−1,3−ブタジエンと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの合計100質量部に対して、0.5〜25質量部となるようにすることが望ましい。
分子量調整剤は、単量体同士の重合速度を調整するために補助的に用いるものであり、脂肪族メルカプタンやジアルキルキサントゲンジスルフィド化合物などを使用することができる。例えば、脂肪族メルカプタンとしては、ノルマルドデシルメルカプタンやターシャルドデシルメルカプタン、ノルマルオクチルメルカプタンなどが挙げられ、ジアルキルキサントゲンジスルフィド化合物としては、ジエチルキサントゲンジスルフィドやジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジブチルキサントゲンジスルフィドなどが挙げられる。
これら分子量調整剤の配合量は、重合させる全単量体100質量部に対して、0〜3質量部の範囲とすることが好ましく、押出加工性及び機械物性を向上させるという観点から、0.02〜2質量部の範囲とすることがより好ましい。
また、ポリクロロプレンゲルには、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物に、さらに種々の特性を付与させるために、他の共重合可能な単量体を共重合させることもできる。他の共重合可能な単量体としては、例えば1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン並びにアクリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステル類などが挙げられる。これらの単量体の配合量は、20質量部以下とすることが好ましい。これにより、得られるポリクロロプレンエラストマーの特性を阻害することなく、種々の特性を付与させることができる。
更に、ポリクロロプレンゲルのゲル分率は、50〜100%であることが好ましい。ゲル分率をこの範囲に調整すると、得られるポリクロロプレンエラストマー及びその加硫物の押出加工性及び機械的特性が、より優れたものになる。
[ポリクロロプレンエラストマーの配合比]
本実施形態のポリクロロプレンエラストマー組成物では、前述したポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとを、質量比(ゾル/ゲル)で、30/70〜80/20の割合で配合する。なお、これらポリクロロプレンエラストマー中のポリクロロプレンゾルの割合が80質量%を超えると、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物及びその加硫物の押出加工性が低下する。一方、ポリクロロプレンエラストマー中のポリクロロプレンゾルの割合が30質量%に満たないと、成形体の機械的特性が不足する。
[チウラム化合物]
チウラム化合物は、得られるポリクロロプレンエラストマー組成物の耐スコーチ性を向上させるものであり、例えばテトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどを使用することができる。
また、チウラム化合物の配合量は、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルからなるポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、0.2〜5質量部の範囲とすることが好ましく、0.2〜3質量部の範囲とすることがより好ましい。ポリクロロプレンエラストマー100質量部あたりのチウラム化合物の配合量が0.2質量%に満たないと、ポリクロロプレンエラストマー組成物の耐スコーチ性を向上させる効果が得られない。一方、ポリクロロプレンエラストマー100質量部あたり、5質量部を超える量のチウラム化合物を配合すると、圧縮永久歪みなどの機械的特性が不足する場合がある。
なお、前述したチウラム化合物は、重合を停止させた後で、かつ、未反応の単量体を除去する前のラテックス状のポリクロロプレンゾル又はポリクロロプレンゲルの少なくとも一方に配合すればよい。また、これらのポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルを混合して得られたラテックスに配合してもよい。特に、押出加工性を向上させるという観点からは、ラテックス状のポリクロロプレンゲルに配合することが好ましい。
次に、本実施形態のポリクロロプレンエラストマー組成物の製造方法について説明する。本実施形態においては、先ず、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルを乳化重合する。その際使用する2−クロロ−1,3−ブタジエン及び2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンは、通常、保管中の重合を防止するために冷却保存されている。このため、これら単量体は、−120℃〜0℃の温度条件下で重合装置内へ配合することが好ましく、経済的な観点から、−20℃〜0℃の範囲で配合することがより好ましい。
また、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルの重合温度は、いずれも20〜55℃の範囲であることが好ましい。更に、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルの重合開始剤としては、クロロプレンの乳化重合に一般に用いられる公知の過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物類を使用することができる。
更に、ポリクロロプレンゾルの重合では、最終転化率を40〜95質量%とすることが好ましく、ポリクロロプレンゲルの重合では、最終転化率を80%以上とすることが好ましい。これらの最終転化率を調整するためには、所望する転化率になった時に、重合反応を停止させる重合禁止剤を配合して重合を停止させればよい。その際、重合禁止剤としては、例えばチオジフェニルアミン、4−ターシャリーブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノールなどの通常用いられているものを使用することができる。
次に、未反応の単量体を、例えば、スチームストリッピング法によって除去した後、従来公知のpH調整剤を配合して、ラテックスのpHを5.5〜7.5に調整する。なお、ポリクロロプレンゾル及び/又はポリクロロプレンゲルにチウラム化合物を配合する場合は、重合を停止後、かつ、未反応の単量体除去前に、所定量を添加する。
次に、ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとを混合する。その際、全ポリマー固形分100質量部あたりポリクロロプレンゲルが30〜80質量%の割合となるようにラテックス状態で両者を混合すればよい。なお、ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとを混合して得られたラテックスに、チウラム化合物を配合する場合は、この時点で所定量を添加すればよい。そして、得られた混合物から、通常の凍結凝固、水洗、熱風乾燥などの方法により重合体を単離することにより、ポリクロロプレンエラストマー組成物とすることができる。
なお、本実施形態のポリクロロプレンエラストマー組成物には、必要に応じて天然ゴム、ブチルゴム、BR、NBR、EPDMなどを含有させてもよい。
また、本実施形態のポリクロロプレンエラストマー組成物は、クロロプレンゴムに使用されている加硫剤や加硫促進剤を配合させて、加硫温度以下の温度で混練した後、所望する各種の形状に成形された後に加硫して加硫物とすることができる。その際の加硫温度はポリクロロプレンエラストマー組成物の組成や加硫剤の種類によって適宜設定できるが、通常は140〜190℃の範囲が好ましく、150〜180℃の範囲がより好ましい。
また、加硫剤としては、ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、バリウム、ゲルマニウム、チタニウム、錫、ジルコニウム、アンチモン、バナジウム、ビスマス、モリブデン、タングステン、テルル、セレン、鉄、ニッケル、コバルト、オスミウムなどの金属単体、及びこれらの酸化物や水酸化物などを使用することができる。これら金属化合物のなかでも、特に、酸化カルシウムや酸化亜鉛、二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、酸化マグネシウムが、加硫効果が高いため好ましい。なお、これらの加硫剤は2種以上を併用して用いてもよい。
本実施形態のポリクロロプレンエラストマー組成物を混練、成形又は加硫する装置、及びポリクロロプレンエラストマー組成物の加硫物を混練又は成形する装置は、通常クロロプレンゴムで用いるものを使用することができる。
また、ポリクロロプレンエラストマー組成物は、実用に供するに際してその目的に応じ、軟化剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、老化防止剤、安定剤、シランカップリング剤などを配合して成形、加硫を行うことができる。
その際使用する充填剤及び補強剤としては、通常のクロロプレンゴム用途に使用されているものを用いることができ、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどがある。これら配合剤は、合計で、ポリクロロプレンエラストマー組成物100質量部に対して、30〜100質量部の範囲が好ましい。
また、可塑剤としては、通常のクロロプレンゴムに使用されている可塑剤を用いることができ、例えば、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートなどが挙げられる。この可塑剤の配合量は、ポリクロロプレンエラストマー組成物100質量部に対して、50質量部程度までの範囲が好ましい。
老化防止剤としては、通常のクロロプレンゴムに使用されている老化防止剤を用いることができる。具体的には、アミン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、カルバミン酸金属塩、フェノール系老化防止剤、ワックスなどを使用することができ、これらは単独のみならず併用することもできる。特に、これらの老化防止剤のなかでも、アミン系老化防止剤である4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどを用いると、ポリクロロプレンエラストマー組成物の耐熱性を向上させることができる。
軟化剤としては、通常のクロロプレンゴムに使用されている軟化剤を用いることができる。具体的には、潤滑油、プロセスオイル、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、石油アスファルトなどの石油系軟化剤、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油などの植物油系軟化剤を使用することができ、これらの単独のみならず併用することもできる。
更に、本実施形態のポリクロロプレンエラストマー組成物は、押出成形により、ワイパーブレード材、ホース材、建築用ガスケット材、ケーブル材などの各種成形体を形成することができる。その場合、押出成形後に加硫しても、成形前に加硫を行い、その加硫物を各種形状に押出成形してもよい。
以上詳述したように、本実施形態のポリクロロプレンエラストマー組成物は、主成分であるポリクロロプレンを、ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとで構成し、その配合比(ゾル/ゲル)を、質量比で、30/70〜80/20にすると共に、ポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部配合しているため、押出加工性及び機械的特性の両方を向上させることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。本実施例においては、先ず、以下に示す方法で、ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルを作製した。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゾル(ゾルA)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩4質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン4質量部およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が70%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、メルカプタン変性ポリクロロプレンゾルのラテックスを得た。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゾル(ゾルB)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩4質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン4質量部およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が70%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラエチルチウラムジスルフィド1.5質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、チウラム化合物を配合させたメルカプタン変性ポリクロロプレンゾルのラテックスを得た。
<キサントゲン変性ポリクロロプレンゾル(ゾルC)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩4質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン4質量部およびジエチルキサントゲンジスルフィド0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が70%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、キサントゲン変性ポリクロロプレンゾルのラテックスを得た。
<キサントゲン変性ポリクロロプレンゾル(ゾルD)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩4質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン4質量部およびジエチルキサントゲンジスルフィド0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が70%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラエチルチウラムジスルフィド1.5質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、チウラム化合物を配合させたキサントゲン変性ポリクロロプレンゾルのラテックスを得た。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルa)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、メルカプタン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルb)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラエチルチウラムジスルフィド1.5質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、メルカプタン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<キサントゲン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルc)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびジエチルキサントゲンジスルフィド0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、キサントゲン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<キサントゲン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルd)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびジエチルキサントゲンジスルフィド0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラエチルチウラムジスルフィド1.5質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、キサントゲン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルe)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラエチルチウラムジスルフィド0.5質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、メルカプタン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルf)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラエチルチウラムジスルフィド5.0質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、メルカプタン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルg)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラブチルチウラムジスルフィド1.5質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、メルカプタン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<メルカプタン変性ポリクロロプレンゲル(ゲルh)の重合>
内容積5リットルの4ツ口フラスコに、純水130質量部、ロジン酸カリウム塩5質量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン0.5質量部、2−クロロ−1,3−ブタジエン95質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、およびn−ドデシルメルカプタン0.3質量部および他の化学品を仕込み、過硫酸カリウムを開始剤として、窒素気流下で重合を行った。モノマーの転化率が90%に到達したとき、チオジフェニルアミンを加えて重合を停止させ、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド1.5質量部を加えた。次いで、常法のスチームトラップ法で未反応モノマーを除去し、メルカプタン変性ポリクロロプレンゲルのラテックスを得た。
<ポリクロロプレンエラストマー組成物の作製>
次に、得られたポリクロロプレンゾルのラテックスとポリクロロプレンゲルのラテックスを下記表1又は表2に示す割合で混合し、その後、常法の凍結凝固乾燥法により実施例1〜11及び比較例1〜5のポリクロロプレンエラストマー組成物を得た。
<混練>
その後、得られた実施例及び比較例の各クロロプレンエラストマー組成物100質量部に対し、ステアリン酸0.5質量部、老化防止剤(大内新興化学工業社製 ノクラックPA)1質量部、SRFカーボンブラック(旭カーボン社製 #50)30質量部、FEFカーボンブラック(旭カーボン社製 #60)質量部、石油系プロセスオイル(出光興産社製 ダイアナプロセスオイル)12質量部、パラフィンワックス(日本精蝋社製 パラフィン130°F)1.5質量部、ワセリン1.5質量部、酸化マグネシウム4質量部を、3リットルニーダー(32rpm、冷却水温度30℃)を使用して混練した。その後、反転し、更に1分間混練して排出した。このコンパウンドに、8インチロールを用いて酸化亜鉛5質量部およびエチレンチオウレア0.5質量部を配合し、2.3mmの評価用シートを作製した。
そして、前述した方法で作製したシートを使用して、下記に示す方法により、実施例及び比較例の各組成物の「耐スコーチ性」及び「押出加工性」を評価した。
<ポリクロロプレンエラストマー組成物の評価方法>
(A)耐スコーチ性:JIS K6300に準拠して、得られたポリクロロプレンエラストマー組成物の125℃におけるスコーチタイム(MLt5)を測定した。
(B)押出加工性:60φの押出機を使用し、押出温度50℃にてASTM D2230−77のA法に準拠したガーベイダイを使用して押出速度を測定した。
<加硫物サンプルの作製>
次に、実施例及び比較例の各ポリクロロプレンエラストマー組成物を、160℃×30分の条件でプレス加硫して、厚さ2mmの加硫シートを作製した。そして、得られた加硫シートを、3号ダンベルを使用して成形し、加硫物サンプルとした。この加硫サンプルを使用して、下記に示す方法により、実施例及び比較例の各加硫物の「100%モジュラス」、「引張り強度」、「伸び」、「硬度」及び「圧縮永久歪み」を評価した。
<加硫物サンプルの評価方法>
(C)引張り物性試験:JIS K6251に準拠して、加硫物サンプルの100%モジュラス、引張り強度、伸びの値を測定した。
(D)硬度:JIS K6253に準拠して、加硫物の硬度を測定した。
(E)圧縮永久歪み:JIS K6262に準拠して、加硫物の圧縮永久歪みを測定した。
以上の結果を、下記表1及び表2にまとめて示す。
Figure 2010095484
Figure 2010095484
上記表1及び表2に示すように、本発明の範囲内で作製した実施例1〜11のポリクロロプレンエラストマー組成物は、従来の方法で製造された比較例1〜5のポリクロロプレンエラストマー組成物と比べて、押出加工性に優れる上、引張り物性、圧縮永久歪みも含めた物性バランスに優れていた。
なお、上記表1及び表2には記載していないが、公知の硫黄変性ポリクロロプレンゾルや硫黄変性ポリクロロプレンゲルを用いて調整したポリクロロプレンエラストマー組成物は、本発明の範囲内で作製した実施例1〜11のポリクロロプレンエラストマー組成物と比べて耐熱性が低下していた。

Claims (7)

  1. ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルからなるポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部含有し、
    ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとの配合比(ゾル/ゲル)が、質量比で、30/70〜80/20であるポリクロロプレンエラストマー組成物。
  2. チウラム化合物が、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドから選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1に記載のポリクロロプレンエラストマー組成物。
  3. ポリクロロプレンゾル及びポリクロロプレンゲルからなるポリクロロプレンエラストマー100質量部に対して、チウラム化合物を0.2〜5質量部配合する工程と、
    ポリクロロプレンゾルとポリクロロプレンゲルとを、質量比(ゾル/ゲル)で、30/70〜80/20となるように配合する工程と、
    を有するポリクロロプレンエラストマー組成物の製造方法。
  4. チウラム化合物を、乳化重合終了後で、かつ、未反応単量体を除去する前のポリクロロプレンゲルに配合することを特徴とする請求項3に記載のポリクロロプレンエラストマー組成物の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のポリクロロプレンエラストマー組成物を加硫した加硫物。
  6. 請求項1若しくは2に記載のポリクロロプレンエラストマー組成物、又は請求項5に記載の加硫物を押出成形した成形体。
  7. ワイパーブレード材、ホース材、建築用ガスケット材又はケーブル材であることを特徴とする請求項6に記載の成形体。
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