JPWO2010074057A1 - 磁気共鳴イメージング装置及びパルスシーケンス調整方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びパルスシーケンス調整方法 Download PDF

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Abstract

所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスを用いた撮像パルスシーケンスを実行する際に、当該高周波磁場パルスと同時に印加されるスライス傾斜磁場の印加開始時点を補正する。具体的には、所定の波形を有する高周波磁場パルスを用いたプリスキャンシーケンスを実行して撮像パルスシーケンスを補正するための磁気共鳴信号を取得し、補正用の磁気共鳴信号を用いて、撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時を補正し、補正された印加開始時を有するスライス選択傾斜磁場を印加して撮像パルスシーケンスを実行する。

Description

本発明は磁気共鳴イメージング装置(以下MRI装置という)に関し、特に、半波形の高周波パルスを用いてスライス選択励起し、超短エコー時間(UTE)で信号を計測するUTE撮像を行なうMRI装置及びパルスシーケンス調整方法に関する。
MRI装置では、被検体の原子核スピンを励起して核磁気共鳴信号を発生させる際に、特定の領域を選択して励起するために、高周波磁場パルスとともにスライス選択傾斜磁場を印加する。高周波磁場パルスとしては、通常、対称sinc関数などのエンベロープで変調された高周波が用いられる。sinc関数で変調された高周波磁場を周波数方向にフーリエ変換したプロファイルは矩形であり、スライス傾斜磁場で決まる所定の矩形の領域が励起されることになる。
上述した対称関数をエンベロープ(所定の波形)とする高周波磁場パルス(これをフルRFパルスという)に対し、その半分の波形(所定の波形の一部分の波形)の高周波磁場パルス(ハーフRFパルスという)を用いた方法がある(特許文献1、特許文献2など)。ハーフRFパルスは、例えば対称sincパルスをそのピークを中心として時間方向の前後に分けたとき、その前半の波形のみを用いたパルスである。この方法を適用し、位相エンコード傾斜磁場を用いず、またエコーを計測する際の読み出し傾斜磁場としてディフェイズ傾斜磁場を用いずに読み出し傾斜磁場の立ち上がりから信号を計測することにより、スピン励起から極めて短時間(TE)で信号を計測できる。この撮像方法は、超短TE撮像(UTE撮像)と呼ばれている。UTE撮像は、このようにTEを更に短縮することができるため、従来MRIでは画像化が困難であった横緩和時間T2の短い組織、例えば骨組織等の撮像への応用が期待されている。
ハーフRFパルスによる励起で得られるエコーは、k空間のスライス軸を考えたときに、その原点から片側からの計測データである。このため、UTE撮像では、ハーフRFパルスとともに印加するスライス傾斜磁場の極性を異ならせた2回の計測を行ない、これら2回の計測で得られた信号(生データ)を複素加算することにより、フルRFパルスを用いたときと等価な信号を得る。
米国特許5025216号公報 米国特許5150053号公報
UTE撮像において、ハーフRFパルスとスライス傾斜磁場とは、その印加開始時点と印加終了時点が一致するように設定されているが、実際には傾斜磁場コイルの特性や渦電流に起因して、RFパルスに対し傾斜磁場パルスが理想からずれて印加される可能性がある。
傾斜磁場パルスがずれて印加された場合、本来のスライス面外のスピンが励起されることになる。励起パルスがフルRFパルスの場合には、このずれは単にスライス面内の位相がリフォーカスしていないだけであるが、UTE撮像では、スライス傾斜磁場の正極性のときに励起された信号と負極性のときに励起された信号とを複素加算するため、加算結果にずれによる位相エラーが残留し、スライス面外の励起信号によるアーチファクトが生じる。
また、UTE撮像では、前述したようにスライス傾斜磁場を正極性と負極性にしてRF励起するため、オフセンターされたスライス位置では両者で相対的な位相オフセットが生じる。そのため、スライス傾斜磁場の極性を異ならせて計測した2つの信号をそのまま複素加算するとアーチファクトが生じてしまう。
本発明は、スライス傾斜磁場の理想(設定値)からのずれに相当する位相エラー成分を測定する手法および測定した位相エラー成分に基づきスライス傾斜磁場の印加開始時間(GCdelay)を補正する手法を提供することを目的とする。また、スライス傾斜磁場の極性を異ならせて計測された2つのデータ間の相対的な位相オフセットも併せて補正する手法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスを用いた撮像パルスシーケンスを実行する際に、当該高周波磁場パルスと同時に印加されるスライス傾斜磁場の印加開始時点を補正する。具体的には、本発明のMRI装置は、第1の計測と第2の計測とを組み合わせて成る撮像パルスシーケンスを備え、第1の計測は、所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスと、スライス選択傾斜磁場とを印加し、第2の計測は、所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスと、第1の計測のスライス選択傾斜磁場と異なるスライス選択傾斜磁場を印加するものであって、スライス選択傾斜磁場の印加開始時を補正する補正部を備えることを特徴とする。また、本発明のパルスシーケンス調整方法は、上記撮像パルスシーケンスの調整方法であって、プリスキャンシーケンスを実行して撮像パルスシーケンスを補正するための磁気共鳴信号を取得するプリスキャンステップと、補正用の磁気共鳴信号を用いて、撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時を補正する補正ステップと、補正された印加開始時を有するスライス選択傾斜磁場を印加して前記撮像パルスシーケンスを実行する計測ステップと、を有して成ることを特徴とする。
また、スライス傾斜磁場の極性を異ならせて計測された2つのデータ間の相対的な位相オフセットを補正する。
また、プリスキャンシーケンス(前計測)によって得た磁気共鳴信号からスライス傾斜磁場のずれ(スライス傾斜磁場の印加開始時の補正値)を算出し、算出された補正値をもとに、スライス傾斜磁場の印加開始時点を補正する。
また、異なる極性のスライス傾斜磁場を有するプリスキャンシーケンスで計測された2つの磁気共鳴信号間の相対的な位相オフセットを算出し、算出された補正値をもとに、撮像パルスシーケンスで計測された対応するスライス位置の計測データに対して相対的な位相オフセットを除去し、補正する。
例えば、プリスキャンシーケンスは、高周波磁場パルスとスライス傾斜磁場の印加後に当該スライス傾斜磁場と同一の軸の読み出し傾斜磁場を印加して磁気共鳴信号を計測する第1のプリスキャンシーケンスと、前記高周波磁場パルス印加と同時に印加されるスライス傾斜磁場を異ならせてそれ以外は第1のプリスキャンシーケンスと同じ読み出し傾斜磁場を印加して磁気共鳴信号を計測する第2のプリスキャンシーケンスとからなる。
或いは、プリスキャンシーケンスは、全波形の高周波磁場パルスとスライス傾斜磁場の印加後に当該スライス傾斜磁場方向を読み出し方向として磁気共鳴信号を計測するプリスキャンシーケンスからなり、プリスキャンシーケンスはスライス傾斜磁場を異ならせて少なくとも2回実行される。
或いは、プリスキャンシーケンスを、その高周波数磁場パルスを撮像パルスシーケンスで用いる高周波数磁場パルスと同一にし、補正値が適用された上で実行する。この場合、このプリスキャンシーケンスは、撮像パルスシーケンスと同じスライス数、スライス位置について実行される。
本発明のMRI装置によれば、撮像パルスシーケンスのスライス傾斜磁場の印加開始時(GCdelay)を補正する手段と異なるスライス傾斜磁場で励起された2つの信号の相対的な位相オフセット量を補正する手段とを備えたことにより、ハーフRFパルスを用いたUTE撮像において、フルRFパルスを用いた撮像と同様のアーチファクトのない良好な画像を得ることができる。
本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図 本発明のMRI装置による撮像手順を示す図 本発明のMRI装置に備えられるUTEパルスシーケンスの一例を示す図 図3のパルスシーケンスにより励起されるスライスのk空間走査を示す図 第1の実施の形態による前計測のパルスシーケンスの一例を示す図 前処理のパルスシーケンスのパラメータを示す表 第1の実施の形態による前計測のパルスシーケンスの他の例を示す図 前処理の手順の詳細を示す図 前処理で行なう信号処理の手順を示す図 第2の実施の形態による前処理の手順を示す図 前処理で得たローデータの位相プロファイルを示す図。それぞれ、第1の計測、第2の計測のローデータの位相プロファイル 図11の位相プロファイルを位相差分した結果を示す図で、(a)は第1の計測と第2の計測の結果の位相差分、(b)は第2の計測と第3の計測の結果の位相差分を示す 実施例1の撮像により得られたk空間信号プロファイルを示す図で(a)は補正前、(b)は補正後を示す 実施例1の撮像により得られた画像を示す図で(a)は補正前画像(Half RFパルス)、(b)は補正後画像(Half RFパルス)、(c)はFull RFパルスによる画像を示す 実施例2の撮像により得られたk空間信号プロファイルを示す図で(a)はhalf rf(補正前)、(b)はhalf rf(補正後)、(c)はfull rfを示す 実施例2の撮像により得られた画像を示す図で(a)は補正前画像(Half RFパルス)、(b)は補正後画像(Half RFパルス)、(c)はFull RFパルスによる画像を示す 本MRI装置における位相オフセット補正に関する手順を示す図 (a)は前処理での手順、(b)は本計測での補正手順を示す 位相オフセット値を測定する前処理のパルスシーケンスの一例を示す図 位相オフセット値を測定する前処理のパルスシーケンスのパラメータを示す表 位相オフセット値の算出及び補正処理に関するフローを示す図
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1に本発明が適用されるMRI装置の全体構成図を示す。
MRI装置は、図1に示すように、主として、被検体10の周囲に均一な静磁場を発生する静磁場発生系11と、静磁場に直交する3軸方向(x、y、z)の磁場勾配を与える傾斜磁場発生系12と、被検体10に高周波磁場を印加する高周波磁場発生系13と、被検体10から発生する磁気共鳴信号を検出する受信系14と、受信系14が受信した磁気共鳴信号を用いて被検体の断層画像やスペクトルなどを再構成する再構成演算部15と、傾斜磁場発生系12、高周波磁場発生系13および受信系14の動作を制御する制御系16を備えている。
静磁場発生系11は、図示していないが、永久磁石や超電導磁石などの磁石が配置され、磁石のボア内に被検体が置かれるようになっている。傾斜磁場発生系12は3軸方向の傾斜磁場コイル121と、これら傾斜磁場コイル121を駆動する傾斜磁場電源122とからなる。高周波磁場発生系13は、高周波発振器131と、高周波発振器131が発生する高周波信号を変調する変調器132と、変調された高周波信号を増幅する高周波増幅器133と、高周波増幅器133からの高周波信号を受けて高周波磁場パルスを被検体10に照射する照射コイル134とからなる。
受信系14は、被検体10からの磁気共鳴信号を検出する受信コイル141と、受信コイル141が検出した信号を受信する受信回路142と、受信回路142で受信したアナログ信号を所定のサンプリング周波数でデジタル信号に変換するA/D変換器143とからなる。A/D変換器143から出力されるデジタル信号は再構成演算部15で、補正計算、フーリエ変換などの演算が施され、画像が再構成される。再構成演算部15における処理結果は、ディスプレイ17に表示される。
制御系16は、上述した装置全体の動作を制御するもので、特に、傾斜磁場発生系12、高周波磁場発生系13及び受信系14の動作を撮像方法によって決まる所定のタイミングで制御するためにシーケンサ18と、制御に必要なパラメータ等を記憶する記憶部(図示せず)などを備えている。シーケンサ18で制御される各磁場パルス発生のタイミングは、パルスシーケンスと呼ばれ、各種のパルスシーケンスが予め記憶部に格納されており、所望のパルスシーケンスを読み出し実行することにより撮像が行なわれる。
制御系16および再構成演算部15は、それら内部の処理に必要な条件などをユーザーが設定するためのユーザーインターフェイスを備えている。このユーザーインターフェイスを通して、撮像方法の選択やパルスシーケンスの実行に必要なパラメータの設定が行なわれる。
以上の装置の概要を踏まえて、本発明の第1の実施の形態を説明する。図2に本実施の形態によるMRI装置の撮像手順を示す。本実施の形態のMRI装置では、被検体の画像データを取得するための撮像200に先立って、本撮像で使用する傾斜磁場の条件を補正するための補正データを取得するための前計測(プリスキャン)210を実行することが特徴である。前計測210では、RFパルス関数とそれにより励起された横磁化Mxy間でフーリエ変換による関係が成立することを利用し、フルRF(所定の波形を有する高周波磁場パルス)励起で正極性と負極性のスライス傾斜磁場を用いてそれぞれ測定した2つの信号から、位相エラーを測定し、補正する。
フーリエ変換の特性では、k空間信号のピークの位置シフトが実空間の位相の傾きに相当するという「フーリエシフトの原理」が成り立つ。一般にRFパルスによる励起で生じる横磁化MxyはBlochの方程式に従う。ここでRFパルスが約20°以下の低フリップ角FA(flip angle)であれば、RFパルスとそれにより生じる横磁化Mxyとの関係はフーリエ変換の関係(線形変換)で、よく近似できる。その場合、正極性と負極性のスライス傾斜磁場でそれぞれ測定された2つのk空間信号のピークシフト(一方のピーク位置に対する他方のピーク位置のずれ)は、実空間の位相の傾きに相当することになり、「フーリエシフトの原理」に従う。そこで前計測210では、低FA条件で計測したデータからピーク位置のずれに相当する位相ずれを求め、求めた位相ずれからピーク位置のずれを換算し、最終的にスライス傾斜磁場の印加開始時GCdelayの補正値を計算により求める。
具体的には、前計測210は、プリスキャンシーケンスを実行するステップ211と、プリスキャンで得られた計測データから位相ずれを求め、位相ずれから傾斜磁場印加時(GCdelayの補正値)を算出するステップ212と、補正値を撮像パルスシーケンスを制御するシーケンサに渡すステップ213とからなる。撮像200は、前計測210で得た補正値すなわちスライス傾斜磁場の印加時間GCdelayの補正値を用いてUTEパルスシーケンス(撮像パルスシーケンス)を実行するステップ201と、正極性と負極性のスライス傾斜磁場で取得された2組のデータの複素加算処理202と、複素加算後のデータを用いた画像再構成ステップ203とからなる。
図3に、UTEパルスシーケンスの一例を示す。図3に示すように、UTE撮像では、半波形(所定の波形の一部分の波形)の高周波(RF)パルス301をスライス傾斜磁場パルス302とともに印加した後、読み出し傾斜磁場パルス304、305を印加し、その印加と同時にエコー信号を計測する。図中A/D307は、エコー信号のサンプリング時間を示す。UTEパルスシーケンスは、スライス傾斜磁場パルス302のリフォーカスパルスを用いないことが特徴であり、これにより極めて短TEで信号の計測307が可能となる。図示するように一般的にはスライスリフォーカスパルスは用いないが、もちろんリフォーカスパルスを用いてもよい。図示する例では、読み出し傾斜磁場パルスは、ディフェイズ傾斜磁場を用いずに立ち上がりから計測(ノンリニア計測)しているが、本発明においてはディフェイズ傾斜磁場を用いることも可能である。但し、UTE撮像の特徴であるTE時間を短くするために、ディフェイズ傾斜磁場を用いないことが一般的である。
次にスライス傾斜磁場パルス302の極性を反転させて(パルス303を印加し)、それ以外は図3に示すパルスシーケンスと同じパルスシーケンスを繰り返す。これら2回の計測における、スライス励起時のスライス方向のk空間走査の様子を図4に示す。図中、図4(a)、(b)は正極性のスライス傾斜磁場を印加した場合、図4(c)、(d)は負極性のスライス傾斜磁場を印加した場合であり、図4(a)、(c)はRFパルスとスライス選択パルスとの関係、図4(b)、(d)はスライス励起時のk空間走査の様子を示す。
図示するように、正極性のスライス傾斜磁場を印加した場合には、k空間のkz軸の左端(-kmin)から原点までが走査され、負極性のスライス傾斜磁場を印加した場合には、k空間のkz軸の右端(-kmax)から原点までが走査される。従ってこれらを複素加算することにより、kz軸の左端から右端までを走査したことと同じことになり、走査後の最終点が理想的には原点であることから、スライス方向の位相がリフォーカスしていることになる。
ここでスライス傾斜磁場303がRFパルスに対し、ずれていた場合、すなわちスライス傾斜磁場の計算値(印加開始時点、強度)と実際に印加されたスライス傾斜磁場とがずれていた場合には、図4の(d)に点線で示すように、k空間の原点からずれて走査されることになる。このずれは傾斜磁場の印加開始時間GCdelayを補正することにより解消することができる。そこで前計測210では、この補正値を測定する。
以下、前計測210の各処理を詳述する。
≪ステップ211≫
ここでは位相ずれを求めるためにプリスキャンシーケンスを実行し、エコー信号を計測する。プリスキャンシーケンスの一例を図5に、そのパラメータの一例を図6に示す。一般に、撮像パルスシーケンスが選択されると、ユーザーの指定により或いはデフォルト値として、そのパラメータTE、TR、FOV等がシーケンサに設定される。前計測210では、撮像200のパラメータを参照して、プリスキャンシーケンスのパラメータを設定する。
プリスキャンシーケンスは、図5に示すように、通常の2Dグラディエントエコー系のパルスシーケンスであり、RFパルス501と同時にスライス傾斜磁場パルス502を印加し、その後極性が反転する読み出し傾斜磁場パルス503、505を印加し、読み出し傾斜磁場パルス505の印加中に発生するグラディエントエコーを計測する。
RFパルス501は対称関数をエンベロープとするフルRFパルスであり、その印加時間は撮像シーケンスであるUTEパルスシーケンスで用いるハーフRFパルスの印加時間の2倍とする。RFパルスのフリップ角は、RFパルスとそれにより励起された横磁化との間でフーリエ変換の関係が成り立ち、フーリエシフトの原理が成立できる範囲とするため、できるだけ小さいことが好ましく、例えば20°以下、より好ましくは5°程度とする。
RFパルスと同時に印加されるスライス傾斜磁場は、撮像パルスシーケンスで用いるスライス傾斜磁場と同じ軸、同じ強度G1、同じスリューレートとする。軸および強度が異なれば、ずれも異なるからである。リフォーカス傾斜磁場とディフェイズ傾斜磁場の強度G2も同一である。なお、スライスリフォーカス傾斜磁場については、本撮像のUTE撮像では用いられない場合があるので、リフォーカス傾斜磁場の強度およびスリューレートは低いほうが望ましい。オブリーク撮像の場合は、撮像と同じオブリーク角度となる軸及び強度の組み合わせとする。またスライス厚も撮像と同一とする。位相エンコード傾斜磁場は用いない。
読み出し傾斜磁場503、505は、スライス傾斜磁場502と同じ軸とし、エコー時間TEが他の撮像条件から決まる最短TEとし、望ましくは水と脂肪が同じ位相となるTEに印加タイミングを設定する。エコーの計測は、FOVを撮像のFOVと同じにする。本実施の形態では、計測データは倍サンプリングデータとしている。次いでスライス傾斜磁場502の極性を反転し、読み出し傾斜磁場503、505の極性を変えることなく同じパルスシーケンスを実行しエコーを計測する。この繰り返し時間TRは撮像パルスシーケンスのTRと同じにする。
スライス傾斜磁場の極性を変えた2回の計測(正極性の計測と負極性の計測)を1組とする計測を行なう。撮像断面がオブリーク面の場合には、図7に示すように、オブリーク展開された直交3方向(X、Y、Z)の傾斜磁場成分についてそれぞれ実行する。これら1組ないし3組のプリスキャン701〜703で得た計測データは、次のステップ212で位相ずれを求めるために用いられる。
≪ステップ212≫
ステップ212では、2回の計測で得られたデータのそれぞれに含まれる位相エラーのうち、スライス方向の傾斜磁場に関する位相エラー成分を計算によって求める。ステップ212で行なう処理の詳細を図8に示す。
正極性のスライス傾斜磁場を印加して計測した信号をS1+(k)とし、負極性のスライス傾斜磁場を印加して計測した信号をS1-(k)とし(ステップ800)、これら信号をそれぞれ1次元フーリエ変換し画像空間データM1xy+、M1xy-を得る(ステップ801)。この画像空間データ(複素データ)の位相Φ1+(x)、Φ1-(x)を次式(1)、(2)により求める(ステップ802)。
Φ1+(x)=atan2(imag(M1xy+(x)),real(M1xy+(x))) (1)
Φ1-(x)=atan2(imag(M1xy-(x)),real(M1xy-(x))) (2)
式中xは、画像空間におけるピクセル番号である。これら位相Φ1+(x)、Φ1-(x)に含まれる位相エラー成分には、位相の極性が異なる位相エラー成分(k空間で異なる方向にシフトする成分)と、両者で同じ位相の極性で生じる位相エラー成分(k空間で同じ方向にシフトする成分)がある。前者は渦電流等で生じる位相エラー成分であり、この処理で求めようとする位相エラーであり、後者は静磁場不均一や傾斜磁場オフセットずれで生じる位相エラーである。極性が異なる位相エラー成分をΔE(x)、極性が同じ位相エラー成分を纏めてΔB(x)とすると、位相Φ1+(x)、Φ1-(x)はそれぞれ式(3)、(4)で表すことができる。
Φ1+(x)=ΔB(x)+ΔE(x) (3)
Φ1-(x)=ΔB(x)−ΔE(x) (4)
正極性と負極性の位相Φ1+(x)、Φ1-(x)の差分処理することによりΔB(x)は消去されるので、位相エラー成分ΔE(x)を求めることができる(ステップ803)。すなわち位相エラー成分ΔE(x)は式(5)で求められる。
ΔE(x)=(Φ1-(x)−Φ1+(x))/2 (5)
この位相エラーは、画像空間データの位相の傾きに相当するので、位相エラー成分を線形フィッティングし、その傾きを求める(ステップ805)。線形フィッティングに先立ち、フィッティング精度を高めるために、画像空間データのマスク処理を行なう(ステップ804)。マスク処理は、例えば画像空間データM1xy+の絶対値に対して、最大値の50%以上を1、50%未満を0としたマスク画像Mask(x)を作成し、式(6)で示すように、このマスク画像をΔE(x)に乗算することにより行なう。
ΔE’(x)=ΔE(x)×Mask(x) (6)
マスク後のΔE’(x)を線形フィッティング処理し、式(7)を得る。
ΔE’(x)=a×(±π/(2×FOV))×x+b×2π (7)
式中、FOVは視野サイズである。式(7)の1次の係数aが求める位相エラー成分であり、k空間のピーク位置のシフト量に相当する。k空間のピーク位置のシフト量は、次式(8)により時間のずれ量、すなわちGCdelayの補正量Δtに換算することができる(ステップ806)。
Δt(ΔGCdelay)=a×(k空間信号のサンプリング時間)
=a×1/(2×BW) (8)
式中、BWは受信帯域幅である。分母を2×BWとしたのは、k空間の信号が倍サンプリングデータだからである。
こうしてステップ212で求められた補正値はシーケンサに渡され、撮像パルスシーケンスにおけるスライス軸のGCdealy(デフォルト値)が補正後のGCdelay値に置き換わる。なお、プリスキャンを図7に示すように3軸方向について行った場合には、上記ステップ212を3組の前計測データについて行い、それぞれの軸の補正値がシーケンサに渡される。
撮像200では、ステップ212で算出されたGCdelayの補正値を用いてUTEパルスシーケンスを実行し、画像用のデータ(エコー)を計測する(ステップ201)。UTEパルスシーケンスが位相エンコードを含む場合には、正極性のスライス傾斜磁場を用いたデータ計測と、負極性のスライス傾斜磁場を用いたデータ計測とからなる1組の計測を、位相エンコードを変えながら繰り返して、位相エンコード毎に正/負1組のデータを得る。
UTEパルスシーケンスが、図3に示すような位相エンコードを用いないノンリニア計測の場合には、読み出し傾斜磁場の強度を変えながら計測を繰り返すことにより、k空間の原点から放射状に広がる計測データが得られる。このような計測をスライス傾斜磁場の極性を正と負の両方で行い、1組の計測データを得る。
次いで計測データを処理し、1組の計測データを複素加算し、k空間データを作成する(ステップ202)。位相エンコードを用いた計測の場合には、正極性のスライス傾斜磁場を印加して計測したデータと負極性のスライス傾斜磁場を印加して計測したデータとを複素加算し、k空間の横軸に沿った1本のデータを作成する。位相エンコードの異なる計測データのすべてについて複素加算を行ないk空間を埋めるデータを得る。ノンリニア計測で得たデータの場合には、放射状のデータを同一角度同士で複素加算した後、座標変換(グリッディング)し、k空間データとする。
加算処理は、具体的には、図9に示すように、スライス傾斜磁場が正極性のときのデータS+(k)と負極性のときのデータS-(k)のそれぞれについて、まずデータの先頭サンプル点における位相値φ+、φ-を算出する(ステップ901、902)。次いで式(9)により複素加算を行なう(ステップ903)。
S(k)=S+(k)×exp(-i×φ+)+S-(k)×exp(-i×φ-) (9)
複素加算後のk空間データをフーリエ変換し、画像データを得る(ステップ203)。
式(9)での位相オフセット値φ+、φ-の補正は、前述では簡易的な方法について記述したが、望ましくは、位相オフセット値を測定するための前計測を実行し、実測された補正値(位相オフセット値)を用いて補正することが望ましい。
以下で、位相オフセット値を実測する前処理1710について図17(a)を用いて詳述する。
≪ステップ1710〜1712≫
ここでは、位相オフセットを求めるために、前述した210の前処理(ステップ1711)で算出されたGC delay補正値を適用したプリスキャンシーケンスを実行し(ステップ1712、1713)、エコー信号を計測する。プリスキャンシーケンスの一例を図18に、その時のパラメータの一例を図19に示す。一般に、撮像パルスシーケンスが選択されると、ユーザーの指定により或いはデフォルト値としてそのパラメータTE、TR、FOV等がシーケンサに設定される。前処理1710では、撮像パラメータを参照して、プリスキャンシーケンスのパラメータを設定する。
プリスキャンシーケンスは、図18に示すように、通常の2Dのグラディエントエコー系のパルスシーケンスであり、RFパルスと同時にスライス傾斜磁場パルスを印加し、その後読み出し傾斜磁場のディフェーズパルスを印加し続けて読み出し傾斜磁場パルスを印加し、その印加中に発生するグラディエントエコーを計測する。
RFパルスは本撮像と同じハーフRFパルスを用いる。RFパルスのフリップ角はRFパルスとそれにより励起された横磁化との間でフーリエ変換の関係が成り立ち、フーリエシフトの原理が成立できる範囲とするため、できるだけ小さいことが好ましく、例えば20°以下、より好ましくは5°程度とする。励起周波数は、本撮像と同じ周波数を用い、本撮像と同一撮像面、同一スライス位置を励起するようにする。
RFパルスと同時に印加されるスライス傾斜磁場は、撮像パルスシーケンスで用いるスライス傾斜磁場と同じ軸、同じ強度、同じスリューレートとする。軸および強度が異なれば、測定する位相オフセット値が異なるからである。スライスリフォーカス傾斜磁場の強度も同一である。オブリーク撮像の場合は本撮像と同じオブリーク角度とする。またスライス厚も撮像と同一とする。位相エンコード傾斜磁場は用いない。
読み出し傾斜磁場は、スライス傾斜磁場と同じ軸とし、エコー時間TEが他の撮像条件から決まる最短TEとし望ましくは水と脂肪が同じ位相となるTEに印加タイミングを設定する。
次いでスライス傾斜磁場の極性を反転し、読み出し傾斜磁場の極性を変えることなく同じパルスシーケンスを実行しエコーを計測する。この繰り返し時間TRは撮像パルスシーケンスのTRと同じにする。
スライス傾斜磁場の極性を変えた2回の計測(正極性の計測と負極性の計測)を1組とする計測を1つのスライス位置につき1回行い、スライス位置全てに対して計測する。
≪ステップ1714≫
ステップ1714では、1スライス位置につき、2回の計測で得られたデータからスライス中心位置における両者の位相オフセット差を算出する。ステップ1714で行なう処理の詳細を図20に示す。
正極性のスライス傾斜磁場を印加して計測した信号をS1+(k)とし、負極性のスライス傾斜磁場を印加して計測した信号をS1-(k)とし(ステップ2011)、これら信号をそれぞれ1次元フーリエ変換し画像空間データM1xy+(x,n)、M1xy-(x,n)を得る(ステップ2012)。この画像空間データ(複素データ)の位相Φ+(x,n)、Φ-(x,n)を[数1]の(1)、(2)により求める。
その後、任意のスライス番号nのスライス位置offcenterPos(n)と撮像視野FOV、周波数エンコード数Freq#を用いて、各スライスにおけるスライス中心位置のピクセル番号xc(n)を次式(16)により算出する。
Xc(n) = offcenterPos(n)/(FOV/Freq#) + (Freq#/2 + 1) (16)
式中、offcenterPos(n)はn番目のスライスにおけるスライス位置、FOVは撮像視野、Freq#は周波数エンコード数である。
最後に1つのスライス位置nに対して、正極性と負極性のスライス傾斜磁場で計測された2つのデータM1xy+(x,n)、M1xy-(x,n)を用いて、Xc(n)の位置における位相差を式(17)から算出する。ここで算出した値が、このスライス位置における位相オフセット値である。
φ(n) = φ(Xc(n),n)-φ-(Xc(n),n) (17)
この計算は全てのスライスについて行ない、格納しておく。
≪ステップ1721≫
ステップ201と同様である。
≪ステップ1722≫
ステップ1722は、本計測での補正処理のステップで、前処理で格納されている位相オフセット値φ(n)を用いて本計測で撮像されたデータについて式(18)を用いて位相オフセットを補正する。1プロジェクション毎に補正を行ない、1スライス分の全てのデータに対して補正を行なった後、画像再構成処理を行う。
S1補正後(proj#,n) = S1+(proj#,n) + S1-(proj#,n)・exp(i*φ(n)) (18)式中、proj#はUTE計測におけるプロジェクション番号で、nはスライス番号である。
尚、Half rf励起自体はスライス選択性が低いため被検体から外れた領域がスライス中心として励起される場合でも別のスライス位置の磁化が励起され、信号が発生してしまう。そのため、望ましくは、スライス中心位置が被検体から外れた領域か否かを信号強度から判定し、被検体からはずれた領域が励起されている場合は式(18)による補正を行なわず、ブランク画像(0値画像)とすることがよい。
例えば、各スライス位置におけるx方向の最大信号値をPeakValue(n)とすると、全スライス位置における最大信号値の最大値をMaxSignalとして、式(19)を満たす場合はその位置に被検体がないと判断する。
PeakValue(n)/MaxSignal<0.05 (19)
ここでは閾値を0.05としたが、閾値を厳しくして0.1としてもよい。
本実施の形態によれば、前処理に基づき補正されたスライス傾斜磁場のGCdelayを用いてUTE撮像を行なうことにより、ハーフRFパルスと正極性及び負極性のスライス傾斜磁場とのずれをなくすことができ、また、位相オフセット値も補正できるためフルRFパルスを用いたときと同様の画質の良好な画像を得ることができる。
本実施形態によれば、ユーザーから設定される様々な撮像条件に応じて最適な補正値を測定でき、条件によらず安定なRF励起が可能となる。
本実施の形態でも、撮像の前に前計測を行なうこと、またフーリエシフトの原理を用いて、前計測で得たデータから正極性のスライス傾斜磁場を用いた場合と負極性のスライス傾斜磁場を用いた場合の位相ずれを求め、傾斜磁場の印加開始時点GCdelayを算出することは第1の実施の形態と同じである。しかし、第1の実施の形態では、位相エラー分に相当するGCdelayは、受信帯域幅BWを用いて式(8)により求めたが、本実施の形態では、前計測としてGCdelayの異なる2回以上の計測を行ない、単位GCdelay当たりの位相ずれを求める。
第2の実施の形態の処理手順を図10に示す。まず、プリスキャンパルスシーケンスを実行する。プリスキャンパルスシーケンスは、図5に示すものと同様であり、そのパラメータ(スライス厚、TR、FOV等)を撮像パルスシーケンスと同じにし、RFパルスとしてフルRFパルスを用いる。ただし本実施の形態では、スライス傾斜磁場として正極性のパルスを用いるプリスキャン(第1のプリスキャン)および負極性のパルスを用いるプリスキャン(第2のプリスキャン)に加えて、第1及び第2のプリスキャンとスライス傾斜磁場の印加開始時GCdelayが異なるプリスキャン(第3のプリスキャン)を行なう(ステップ100)。第3のプリスキャンは、スライス傾斜磁場の極性は正極性、負極性のいずれでもよいが、本実施の形態では負極性のパルスを用いた場合を説明する。
これら第1〜第3のプリスキャンで得た信号をフーリエ変換して実空間データとし、第1の実施の形態で用いた式(1)、(2)により位相プロファイルを求める(ステップ101、102)。次にこれら位相プロファイルから、以下の計算により、位相エラー成分を求める(ステップ103〜107)。
第1〜第3のプリスキャンで得た信号(実空間データ)の位相プロファイルをそれぞれΦ1+(x)、Φ1-(x)、Φ2-(x)とすると、これらは次式で表される。
Φ1+(x)=ΔB(x)+ΔE(x) (3)
Φ1-(x)=ΔB(x)−ΔデルタE(x) (4)
Φ2-(x)=ΔB(x)−ΔE(x)+ΔD(x) (10)
式(3)、(4)は第1の実施の形態の式(3)、(4)と同じであり、ΔB(x)及びΔE(x)も同じ位相エラーを表す。Φ1+(x)とΦ1-(x)を位相差分することにより(式(5))、極性が異なる位相エラー成分ΔE(x)が求められる(ステップ103)。このΔE(x)をマスク処理後に、線形フィッティングし(式(11))、傾きa1を求める(ステップ104)。
ΔE(x)=(Φ1-(x)−Φ1+(x))/2 (5)
ΔE(x)=a1(±π/(2×FOV))x+b1×2π (11)
一方、式(10)の右辺のΔD(x)は、GCdelayを変更したことにより生じる位相エラー成分であり、式(12)によりΦ1-(x)とΦ2-(x)の差分を取ることにより求めることができる(ステップ105)。位相エラー成分ΔD(x)についても、ΔE(x)と同様に、マスク処理をしたものを線形フィッティングし、得られた直線(式(13))の傾きa2を求める(ステップ106)。この傾きa2を、第1及び第2の計測のGCdelay(delay1とする)と第3の計測のGCdelay(delay2とする)との差で割ることにより(式(14))、単位GCdelay当たりの位相エラー成分Aが求められる(ステップ107)。
ΔD(x)=Φ2-(x)−Φ1-(x) (12)
ΔD(x)=a2(±π/(2×FOV))x+b2×2π (13)
A=a2/(delay1-delay2) (14)
さらに、式(11)で求めた傾きa1を、式(14)で求めた単位当たりの傾きAで割ることにより(式(15))、a1に相当するGCdelayの補正量Δdelayを求めることができる(ステップ108)。
Δdelay=a1/A (15)
こうして求めたGCdelayの補正量Δdelayは、シーケンサに渡され、撮像パルスシーケンスは補正されたGCdelay(デフォルトのGCdelay+Δdelay)で実行される。これは第1の実施の形態と同様であり、撮像の手順も第1の実施の形態と同様である。撮像がオブリーク面である場合には、上記プリスキャンはX,Y,Zの3軸について行ない、それぞれのGCdelay補正量を求める。
本実施の形態は、GCdelayの補正量Δdelayの求め方が異なるが、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また本実施形態によれば、本補正用プリスキャンによるGCdelayを変化させたときの実際の位相の応答がわかるため、補正用プリスキャンによる計測誤差も吸収できる。
<その他の実施の形態>
第1及び第2の実施の形態では、撮像対象である被検体について前計測を行ないスライス傾斜磁場のずれを求め、本撮像の際にそのずれに基づきスライス傾斜磁場のGCdelayを補正して撮像を行なう場合を説明したが、スライス傾斜磁場のずれは被検体に対する前計測で求めるのではなく、ファントムを用いた装置特性測定として予め求めておくことも可能である。
その場合には、ファントムを用いて、図5に示すようなフルRFパルスを用いた計測を、スライス傾斜磁場(GC)強度を変化させて1軸に対して最低2回行ない、得られた計測データのプロファイル間でのピーク位置ずれから、単位GC強度あたりの位相エラー量を算出する。この計測を1軸方向に対して最低2箇所の位置、基本的には原点を挟んで対称の位置、で計測し、同様に単位GC強度あたりの位相エラー量を算出する。2つの位置の単位GC強度あたりの位相エラー量を用いて、単位位置あたりの[単位GC強度あたりの位相エラー量]を算出する。この処理を直交3軸方向について行なうことにより傾斜磁場特性を求めることができる。
求めた傾斜磁場特性はメモリに記憶され、撮像の際に参照され、撮像条件に応じて適切な補正値に換算され、スライス傾斜磁場のGCdelayの補正に用いられる。具体的には、撮像条件により決定されるスライス傾斜磁場強度及び撮像スライス位置から、その位置の位相エラー量を算出し、シーケンスに設定することで補正できる。
<実施例1による撮像例>
円柱形状のファントムを用いて、第1の実施の形態により前計測と撮像を行なった。撮像はUTEパルスシーケンス(ハーフRFパルス)を用い、撮像パラメータは、FOV=250mm、TR/TE/FA=100ms/7ms/20°、スライス厚=10mm、周波数エンコード数/位相エンコード数=256/128、BW=48kHz(スライス厚10mmのスライス傾斜磁場強度と同等の読み出し傾斜磁場強度となるBW)で行なった。前計測は、図5に示す2D GEパルスシーケンス(フルRFパルス)を用い、正極性のスライス傾斜磁場を用いた第1の計測、負極性のスライス傾斜磁場を用いた第2の計測、第1及び第2の計測と異なるGCdelayの負極性のスライス傾斜磁場を用いた第3の計測を行なった。第1及び第2の計測のGCdelayはデフォルト値の52[us]とし、第3の計測のGCdelayは60[us]とした。パラメータは撮像パラメータと同じパラメータ(但し位相エンコードは用いない)とし、同じ撮像断面(z軸と直交する断面)とした。
結果を図11〜図14に示す。図11は、第1、第2のプリスキャン(正極性(delay1)、負極性(delay1))で得たデータ(画像空間データ)の位相プロファイル(式(3)、(4)、(10)のΦ1+(x)、Φ1-(x)に相当)である。
図12(a)は、第1のプリスキャンのデータと第2のプリスキャンのデータとを位相差分(正極性と負極性の位相差分)した結果(式(5)のΔE(x)に相当)を示し、図12(b)は、第2のプリスキャンのデータと第3のプリスキャンのデータとを位相差分(異なるGCdelay間の位相差分)した結果(式(12)のΔD(x)に相当)を示す。
図12(a)に示す位相差分ΔE(x)を直線フィッティングした後の直線の傾き(a1)は−2.2309[×2π/FOV]であった。また図12(b)に示す位相差分ΔD(x)を直線フィッティングした後の直線の傾き(a2)は−1.5530[×2π/FOV]であり、単位delay当たりの傾き(A)は−0.1941[×2π/FOV](=−1.5530÷8(2回の負極性スライス傾斜磁場GCdelayの差))であった。これらの値から、ピークずれの位相量に相当する位相の傾きを生じさせる傾斜磁場印加開始時点のずれ量Δdelayを算出したところ、11.49[us](=2.2309÷0.1941)であった。
撮像は、GCdelayをデフォルト値52[us]に設定した撮像(補正前)と、前計測で得た補正値で補正した値64[us](約52+11.5)に設定した撮像(補正後)を行なった。図13は、2回の撮像により得られた計測データのk空間信号プロファイルの模式図を示し、(a)は補正前のGCdelayで撮像したもの、(b)は補正後の値を用いたものであり、いずれも正極性のスライス傾斜磁場を用いたデータと負極性のスライス傾斜磁場を用いたデータとを複素加算した結果である。図14は、複素加算後のデータから作成した画像を示す図で、(a)は補正前のGCdelayで撮像したもの、(b)は補正後の値を用いたものである。またリファレンス画像として、フルRFパルスを用いた以外はUTEパルスシーケンスと同様の条件で撮像した計測データの画像を(c)に示す。
図13からわかるように、(a)では信号プロファイルの中央部分で歪みが認められるが、(b)ではGCdelayを補正することにより、この歪みが改善した。また図14からわかるように、補正前は本来のスライスの外部からの信号がアーチファクトとして現れているのに対し、補正後はスライス外部からのアーチファクトが消失し、(c)のリファレンス画像と同様の良好な画像が得られた。
<実施例2による撮像例>
円柱形状のファントムを用いて、第1の実施の形態により前計測と撮像(オブリーク撮像)を行なった。撮像はUTEパルスシーケンス(ハーフRFパルス)を用い、撮像パラメータは、FOV=250mm、TR/TE/FA=100ms/10ms/20°、スライス厚=10mm、周波数エンコード数/位相エンコード数=256/128、BW=50kHzで行なった。前計測は、図7に示す2D GEパルスシーケンス(フルRFパルス)を用い、オブリーク画像の各GC軸の補正値を求めるために、X軸、Y軸及びZ軸の各軸について正極性のスライス傾斜磁場を用いたプリスキャンと負極性のスライス傾斜磁場を用いたプリスキャンを行なった。両計測共にGCdelayはデフォルト値(X軸:67[us]、Y軸:72[us]、Z軸:52[us])を用いた。パラメータは、撮像と同じパラメータ(ただし位相エンコードは用いない)とした。
X軸、Y軸及びZ軸について得られた計測データをフーリエ変換した実空間データの位相プロファイルを求め、それぞれ正極性と負極性との位相差分を求め、その傾きから式(8)により、傾斜磁場のGCdelayを計算した。その結果、GCdelay補正量は、X軸が14[us](補正後のGCdelay=81[us])、Y軸が12[us](補正後のGCdelay=84[us])、Z軸が13[us](補正後のGCdelay=64[us])であった。
撮像は、オブリーク断面について、X軸、Y軸及びZ軸のGCdelayをそれぞれ補正前の値(デフォルト値)に設定した撮像と、補正後の値に設定した撮像を行った。その結果を図15及び図16に示す。図15は計測データのk空間信号プロファイルの模式図であり、正極性のスライス傾斜磁場を用いたデータと負極性のスライス傾斜磁場を用いたデータとを複素加算した結果である。図16は複素加算後のデータから再構成した画像である。両図において(a)は補正前の撮像結果、(b)は補正後の撮像結果を示し、(c)はフルRFパルスを用いて撮像した結果(リファレンス)である。
本実施例においても、実施例1と同様に、補正前には見られた信号プロファイルの中央部分の歪み(図15(a))およびスライス外からのアーチファクト(図16a))が、補正によって消失し、フルRFパルスを用いたリファレンスと同様の結果が得られることが確認された。
11 静磁場発生系、12 傾斜磁場発生系、13 高周波磁場発生系、14 受信系、15 再構成演算部、16 制御系、17 ディスプレイ、18 シーケンサ。
Φ1+(x)=ΔB(x)+ΔE(x) (3)
Φ1-(x)=ΔB(x)−ΔE(x) (4)
Φ2-(x)=ΔB(x)−ΔE(x)+ΔD(x) (10)
式(3)、(4)は第1の実施の形態の式(3)、(4)と同じであり、ΔB(x)及びΔE(x)も同じ位相エラーを表す。Φ1+(x)とΦ1-(x)を位相差分することにより(式(5))、極性が異なる位相エラー成分ΔE(x)が求められる(ステップ103)。このΔE(x)をマスク処理後に、線形フィッティングし(式(11))、傾きa1を求める(ステップ104)。
Δdelay=a1/A (15)
こうして求めたGCdelayの補正量Δdelayは、シーケンサに渡され、撮像パルスシーケンスは補正されたGCdelay(デフォルトのGCdelay+Δdelay)で実行される。これは第1の実施の形態と同様であり、撮像の手順も第1の実施の形態と同様である。撮像断面がオブリーク面である場合には、上記プリスキャンはX,Y,Zの3軸について行ない、それぞれのGCdelay補正量を求める。

Claims (19)

  1. 傾斜磁場発生部と、
    所定の波形を有する高周波磁場パルスを発生する高周波磁場パルス発生部と、
    被検体からの磁気共鳴信号を受信する受信部と、
    撮像パルスシーケンスに基づいて前記各部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記撮像パルスシーケンスは、第1の計測と第2の計測とを組み合わせて成り、
    前記第1の計測は、前記所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスと、スライス選択傾斜磁場とを印加し、前記第2の計測は、前記所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスと、前記第1の計測のスライス選択傾斜磁場と異なるスライス選択傾斜磁場を印加する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記スライス選択傾斜磁場の印加開始時を補正する補正部を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御部は、前記所定の波形を有する高周波磁場パルスを用いて磁気共鳴信号を計測するプリスキャンシーケンスを備え、
    前記補正部は、前記プリスキャンシーケンスで取得した磁気共鳴信号を用いて、前記撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時の補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記プリスキャンシーケンスは、前記スライス選択傾斜磁場の印加後に当該スライス選択傾斜磁場と同一の軸の読み出し傾斜磁場を印加して磁気共鳴信号を計測する第1のプリスキャンシーケンスと、前記第1のプリスキャンシーケンスと前記スライス選択傾斜磁場が異なる第2のプリスキャンシーケンスと、を備え、
    前記補正部は、前記第1および第2プリスキャンシーケンスで取得した磁気共鳴信号を用いて、前記撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時の補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記補正部は、スライス選択傾斜磁場の印加開始時の異なる複数のプリスキャンシーケンスを用いて取得した複数の磁気共鳴信号に基づいて、前記撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時の補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記プリスキャンシーケンスで印加する高周波磁場パルスの波形は、前記所定の波形と同一であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記撮像パルスシーケンスで印加する高周波磁場パルスの波形は、前記プリスキャンシーケンスで印加する高周波磁場パルスの波形の略半分であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記プリスキャンシーケンスに用いる高周波磁場パルスのフリップ角は20°以下であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記プリスキャンシーケンスに用いるエコー時間(TE)は水と脂肪の核種が同位相となる時間であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御部は、前記撮像パルスシーケンスと同じスライス位置で、プリスキャンシーケンスを実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御部は、前記プリスキャンシーケンスで励起するスライス位置を、前記撮像パルスシーケンスの励起領域の略中央とすることを特徴する磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御部は、前記プリスキャンシーケンスを、直交する3軸の傾斜磁場方向のそれぞれについて実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御部は、前記第1プリスキャンシーケンスによる計測と第2のプリスキャンシーケンスによる計測とを、直交する3軸の傾斜磁場方向のそれぞれについて、実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  13. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御部の制御に必要なパラメータを記憶する記憶部を備え、
    前記補正部が用いる補正値は、ファントムを用いて複数の傾斜磁場ディレイ値で計測された複数の磁気共鳴信号から算出されたものであって、予め前記記憶部に記憶されており、
    前記補正部は、前記記憶部に記憶された補正値を用いることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  14. 請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記補正部は、前記補正値に基づいて前記スライス選択傾斜磁場の印加開始時を補正した第1および第2プリスキャンシーケンスを用いて取得した磁気共鳴信号を用いて、前記撮像パルスシーケンスにおいてスライス選択傾斜磁場が異なることに起因する磁気共鳴信号間の相対的な位相オフセット量を測定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  15. 所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスと、スライス選択傾斜磁場とを印加する第1の計測と、所定の波形の一部分の波形を有する高周波磁場パルスと、前記第1の計測のスライス選択傾斜磁場と異なるスライス選択傾斜磁場を印加する第2の計測と、を組み合わせて成る撮像パルスシーケンスの調整方法であって、
    プリスキャンシーケンスを実行して前記撮像パルスシーケンスを補正するための磁気共鳴信号を取得するプリスキャンステップと、
    前記補正用の磁気共鳴信号を用いて、前記撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時を補正する補正ステップと、
    前記補正された印加開始時を有するスライス選択傾斜磁場を印加して前記撮像パルスシーケンスを実行する計測ステップと、
    を有して成ることを特徴とするパルスシーケンス調整方法。
  16. 請求項15記載のパルスシーケンス調整方法において、
    前記プリスキャンシーケンスは、前記所定の波形を有する高周波磁場パルスを用いて磁気共鳴信号を計測することを特徴とするパルスシーケンス調整方法。
  17. 請求項15記載のパルスシーケンス調整方法において、
    前記プリスキャンシーケンスは、前記スライス選択傾斜磁場の印加後に当該スライス選択傾斜磁場と同一の軸の読み出し傾斜磁場を印加して磁気共鳴信号を計測する第1のプリスキャンシーケンスと、前記第1のプリスキャンシーケンスと前記スライス選択傾斜磁場が異なる第2のプリスキャンシーケンスと、を備え、
    前記補正ステップは、前記第1および第2プリスキャンシーケンスで取得した磁気共鳴信号を用いて、前記撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時の補正値を算出することを特徴とするパルスシーケンス調整方法。
  18. 請求項15に記載のパルスシーケンス調整方法であって、
    前記プリスキャンステップは、スライス選択傾斜磁場の印加開始時を異ならせた複数のプリスキャンシーケンスを実行して複数の磁気共鳴信号を取得し、
    前記補正ステップは、前記スライス選択傾斜磁場の印加開始時の異なる複数のプリスキャンシーケンスを用いて取得した複数の磁気共鳴信号を用いて、前記撮像パルスシーケンスにおけるスライス選択傾斜磁場の印加開始時の補正値を算出することを特徴とするパルスシーケンス調整方法。
  19. 請求項15に記載のパルスシーケンス調整方法であって、
    前記補正ステップは、ファントムを用いて複数の傾斜磁場ディレイ値で計測された複数の磁気共鳴信号から算出した補正値を用いることを特徴とするパルスシーケンス調整方法。
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