JPWO2010053162A1 - ピリジル5員複素環誘導体を含有する非水電解液及びリチウム二次電池 - Google Patents

ピリジル5員複素環誘導体を含有する非水電解液及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

本発明では、下記一般式(I)で表される化合物を含有する非水電解液が提供される。一般式(I)中、Pyは、1個〜3個の置換基により置換されてもよいピリジル基を表し、Qは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる原子を1個〜4個含有してもよい、芳香族又は非芳香族5員複素環を表し、当該複素環は1個〜2個の置換基により置換されてもよい。nは1または2を表す。

Description

本発明は、非水電解液及びリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池用正極活物質としては、リチウムと遷移金属とを含む活物質が各種知られている。従来実用化されたリチウム二次電池の多くでは、正極活物質として用いられる遷移金属の主成分は、コバルトあるいはニッケルであった。コバルトあるいはニッケルが多用された背景としては、他の遷移金属に比較して電池長寿命を実現しやすい為である。
しかし、従来多用されてきたコバルトまたはニッケルは、高価な上に資源量も限られている。近年のリチウム二次電池の大きな需要増加から、さらには近い将来、自動車用途や新エネルギー関連の蓄電用途などの大型電池用途での劇的な需要増加が予想されることから、コバルトまたはニッケルに代わる、安価でかつ資源量の豊富な遷移金属正極活物質への転換が強く求められている。
その中でも、コバルトまたはニッケルに比較して安価で資源量が豊富なマンガンは、有力な次世代正極活物質候補の一つである。しかし、一般にマンガン正極を用いた電池は、コバルトまたはニッケル正極を用いた電池に比べ、短寿命である。一方、近い将来において劇的な需要増加が予想される大型電池市場における要求性能は、電池の長寿命化である。
とりわけ解決すべき問題は、高温環境下での電池性能の劣化である。リチウム二次電池の高温環境下での劣化は、様々な要因により引き起こされる。そのような要因としては、例えば、リチウム遷移金属酸化物の変質や、電解液の分解、負極表面に形成された皮膜の破壊等を挙げることができる。このような電池性能の劣化を防止する方法の一つとして、電解液にピリジン誘導体を添加することにより長寿命化を図る試みがなされてきた。例えば、特開2002−83631号公報ではピリジンを、また特開2002−93462号公報ではアルキルピリジン誘導体を、さらに特開2004−14352号公報ではビピリジン誘導体を添加する例が開示されているが、いずれも高温条件での容量劣化の改善は更なる改善が求められる状況である。
本発明の課題は、リチウム二次電池において、高温環境下における保存特性を改善し、長寿命化を実現できる非水電解液及びリチウム二次電池用添加剤、並びに前記非水電解液を用いたリチウム二次電池を提供することである。
本発明者は上記課題に対し鋭意検討した結果、リチウム二次電池の非水電解液に対し、特定の添加剤を加えることにより、高温環境下における保存特性を改善し、長寿命化を実現できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物を含有するリチウム二次電池用の非水電解液。
一般式(I)中、Pyは、下記A群から選ばれる1個〜3個の置換基により置換されてもよいピリジル基を表す。
A群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
nは、1または2を表す。
Qは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる原子を1個〜4個含有してもよい、芳香族又は非芳香族5員複素環基を表し、当該複素環は下記B群から選ばれる1個〜2個の置換基により置換されてもよい。
B群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
<2> 前記一般式(I)におけるQが、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、オキサゾリニル基、イソオキサゾリニル基、イミダゾリニル基、又はピラゾリニル基である<1>に記載の非水電解液。
<3> 前記一般式(I)におけるQが、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾリン−3−イル基、イソオキサゾリン−5−イル基、又は1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基である<1>に記載の非水電解液。
<4> 前記一般式(I)で表される化合物が、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(ピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−メチル−5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール、5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル、5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボニトリル、3−メチル−5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール、5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル、又は5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボニトリルである<1>に記載の非水電解液。
<5> 更に、下記一般式(II)で表される化合物を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載の非水電解液。
一般式(II)中、R、R、R、及びRは、各々独立に、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、水素原子、又はフッ素原子であり、mは0〜3の整数を表す。mが2または3であるときは、複数存在するR及びRは、それぞれ、同一でも互いに異なっていてもよい。
<6> 前記一般式(II)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である<5>に記載の非水電解液。
<7> 更に、下記一般式(III)で表される化合物を含有する<1>〜<6>のいずれか1項に記載の非水電解液。
一般式(III)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。
<8> 前記一般式(III)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である<7>に記載の非水電解液。
<9> 更に、下記一般式(IV)で表される化合物を含有する<1>〜<8>のいずれか1項に記載の非水電解液。

〔一般式(IV)中、X、X、X及びXは、各々独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、X、X、X及びXが同時に水素原子である場合は除く。〕
<10> 前記一般式(IV)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である<9>に記載の非水電解液。
<11> 前記一般式(I)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である<1>〜<10>のいずれか1項に記載の非水電解液。
<12> 正極と、
金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれた少なくとも1種を負極活物質として含む負極と、
<1>〜<11>のいずれか1項に記載の非水電解液と、
を有するリチウム二次電池。
<13> 下記一般式(I)で表される化合物を含有するリチウム二次電池用添加剤。
一般式(I)中、Pyは、下記A群から選ばれる1個〜3個の置換基により置換されてもよいピリジル基を表す。
A群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
nは、1または2を表す。
Qは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる原子を1個〜4個含有してもよい、芳香族又は非芳香族5員複素環基を表し、当該複素環は下記B群から選ばれる1個〜2個の置換基により置換されてもよい。
B群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
本発明によれば、リチウム二次電池において、高温環境下における保存特性を改善し、長寿命化を実現できる非水電解液及びリチウム二次電池用添加剤、並びに前記非水電解液を用いたリチウム二次電池を提供することができる。
本発明のリチウム二次電池の一例を示すコイン型電池の模式的断面図である。
本発明の非水電解液、及びこの非水電解液を用いたリチウム二次電池、並びにリチウム二次電池用添加剤について具体的に説明する。
<非水電解液>
本発明の非水電解液は、添加剤として、本明細書記載の一般式(I)で表される化合物であるピリジル5員複素環化合物(以下、「一般式(I)で表されるピリジル5員複素環化合物」ともいう)を含有する、リチウム二次電池用途の非水電解液である。
本発明の非水電解液は、添加剤として、更に、一般式(II)で表される化合物である不飽和スルトン(以下、「一般式(II)で表される不飽和スルトン」ともいう)、一般式(III)で表される化合物であるビニレンカーボネート誘導体(以下、「一般式(III)で表されるビニレンカーボネート誘導体」ともいう)、及び一般式(IV)で表される化合物であるハロゲン化環状カーボネート誘導体(以下、「一般式(IV)で表されるハロゲン化環状カーボネート誘導体」ともいう)からなる群から選択される少なくとも1種を含有していてもよい。
(ピリジル5員複素環化合物)
本発明のリチウム二次電池の非水電解液は、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「一般式(I)で表されるピリジル5員複素環化合物」ともいう)を含有する。
一般式(I)中、Pyは、A群から選ばれる1個〜3個の置換基により置換されてもよいピリジル基を表す。
前記A群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
nは、1または2を表す。
Qは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる原子を1個〜4個含有してもよい、芳香族又は非芳香族5員複素環基を表し、当該複素環はB群から選ばれる1個〜2個の置換基により置換されてもよい。
前記B群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
前記一般式(I)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
中でも、好ましくはフッ素原子及び塩素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
前記一般式(I)における炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1−メチルエチル基、1−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルエチル基、2,2−ジメチルプロピル基が例示される。
中でも、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2,2−ジメチルエチル基であり、より好ましくは、メチル基、tert-ブチル基である。
一般式(I)における炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。
中でも、好ましくはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であり、より好ましくは、シクロヘキシル基である。
一般式(I)における炭素数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基が例示される。
中でも、好ましくは、2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基であり、より好ましくは、2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基である。
一般式(I)における炭素数2〜6のアルキニル基としては、エチニル基、プロプ−2−イニル基、ブト−3−イニル基、ペント−4−イニル基、ヘキサ−5−イニル基、プロプ−1−イニル基、ブト−1−イニル基、2−ブト−2−イニル基が例示される。
中でも、好ましくは、エチニル基、プロプ−2−イニル基、ブト−3−イニル基、ペント−4−イニル基、ヘキサ−5−イニル基であり、より好ましくは、エチニル基又はプロプ−2−イニル基である。
一般式(I)における炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、iso-プロポキシ基、ブトキシ基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ぺンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2,2−ジメチル−1−プロポキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が例示される。
中でも、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、iso-プロポキシ基、ブトキシ基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ぺンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基であり、より好ましくは、メトキシ基、iso-プロポキシ基、tert-ブトキシ基である。
一般式(I)における炭素数2〜6のアルケニルオキシ基としては、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基、ブト−2−エニルオキシ基、3−メチル−ブト−2−エニルオキシ基、ブト−3−エニルオキシ基、ペント−4−エニルオキシ基、ヘキサ−5−エニルオキシ基が例示される。
中でも、好ましくは、アリルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基、ブト−2−エニルオキシ基、3−メチル−ブト−2−エニルオキシ基、ブト−3−エニルオキシ基であり、より好ましくは、アリルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基である。
一般式(I)における炭素数2〜6のアルキニルオキシ基としては、エチニルオキシ基、プロプ−2−イニルオキシ基、ブト−3−イニルオキシ基、ペント−4−イニルオキシ基、ヘキサ−5−イニルオキシ基が例示される。
中でも、好ましくは、プロプ−2−イニルオキシ基、ブト−3−イニルオキシ基、ペント−4−イニルオキシ基であり、より好ましくは、プロプ−2−イニルオキシ基である。
一般式(I)における炭素数1〜8のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、ぺンチルチオ基、ヘキシルチオ基、2,2−ジメチル−1−プロピルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が例示される。
中でも、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、ぺンチルチオ基、ヘキシルチオ基であり、より好ましくは、メチルチオ基、iso-プロピルチオ基、tert-ブチルチオ基である。
一般式(I)における炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、iso-プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、iso-ブチルスルフィニル基、tert-ブチルスルフィニル基、ぺンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、2,2−ジメチル−1−プロピルスルフィニル基、ヘプチルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基が例示される。
中でも、好ましくは、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、iso-プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、iso-ブチルスルフィニル基、tert-ブチルスルフィニル基、ぺンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基であり、より好ましくは、メチルスルフィニル基、iso-プロピルスルフィニル基、tert-ブチルスルフィニル基である。
一般式(I)における炭素数1〜8のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、iso-プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、iso-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、ぺンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、2,2−ジメチル−1−プロピルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基が例示される。
中でも、好ましくは、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、iso-プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、iso-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、ぺンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基であり、より好ましくは、メチルスルホニル基、iso-プロピルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基である。
一般式(I)における炭素数1〜8のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、iso-プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、iso-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ぺンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、2,2−ジメチル−1−プロピルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基が例示される。
中でも、好ましくは、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、iso-プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、iso-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ぺンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基であり、より好ましくは、メチルアミノ基、iso-プロピルアミノ基、tert-ブチルアミノ基である。
前記一般式(I)における、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジ−iso−プロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ−iso−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、アジリジン−1−イル基、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、4−モルホリノ基、4−チオモルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、4−エチルピペラジン−1−イル基、4−プロピルピペラジン−1−イル基であり、好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジ−iso−プロピルアミノ基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、4−モルホリノ基、4−チオモルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基が例示される。
中でも、より好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピペリジン−1−イル基である。
前記一般式(I)におけるアルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)とは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、iso-ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ぺンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、2,2−ジメチル−1−プロポキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基が例示される。
中でも、好ましくは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、iso-プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、iso-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ぺンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基であり、より好ましくは、メトキシカルボニル基、iso-プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基である。
前記一般式(I)における、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)としては、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、iso-プロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、iso-ブチルアミノカルボニル基、tert-ブチルアミノカルボニル基、ぺンチルアミノカルボニル基、ヘキシルアミノカルボニル基、2,2−ジメチル−1−プロピルアミノカルボニル基、ヘプチルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基が例示される。
中でも、好ましくは、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、iso-プロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、iso-ブチルアミノカルボニル基、tert-ブチルアミノカルボニル基、ぺンチルアミノカルボニル基、ヘキシルアミノカルボニル基であり、より好ましくは、メチルアミノカルボニル基、iso-プロピルアミノカルボニル基、tert-ブチルアミノカルボニル基である。
前記一般式(I)における、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジ−iso−プロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル基、ジ−iso−ブチルアミノカルボニル基、ジペンチルアミノカルボニル基、ジヘキシルアミノカルボニル基、ジヘプチルアミノカルボニル基、ジオクチルアミノカルボニル基、アジリジン−1−カルボニル基、アゼチジン−1−カルボニル基、ピロリジン−1−カルボニル基、ピペリジン−1−カルボニル基、モルホリン−4−カルボニル基、チオモルホリン−4−カルボニル基、4−メチルピペラジン−1−カルボニル基、4−エチルピペラジン−1−カルボニル基、4−プロピルピペラジン−1−カルボニル基が例示される。
中でも、好ましくは、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジ−iso−プロピルアミノカルボニル基、ピロリジン−1−カルボニル基、ピペリジン−1−カルボニル基、モルホリン−4−カルボニル基、4−メチルピペラジン−1−カルボニル基であり、より好ましくは、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ピペリジン−1−カルボニル基である。
前記一般式(I)における、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、ブロモフェニル基が例示される。
中でも、好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基であり、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、フルオロフェニル基である。
前記一般式(I)における芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基またはテトラゾリル基が例示される。
中でも、好ましくは、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基またはテトラゾリル基であり、より好ましくは、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基である。
前記一般式(I)における芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)としては、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基が例示される。
中でも、好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基であり、より好ましくはピリジル基である。
前記一般式(I)中のQである、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる原子を1個〜4個含有してもよい、芳香族又は非芳香族5員複素環基(当該複素環は前記B群から選ばれる1個〜2個の置換基により置換されてもよい)としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、オキサゾリニル基、オキサゾリジニル基、イソオキサゾリニル基、イソオキサゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、が挙げられる。
上記Qとしては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリル基が好ましく、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、オキサゾリニル基、イソオキサゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基がより好ましい。
更には、イソオキサゾリル基、イソオキサゾリニル基、又は1,2,4−オキサジアゾリル基が好ましく、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾリン−3−イル基、又は1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基が更に好ましく、イソオキサゾール−3−イル基又はイソオキサゾリン−3−イル基が特に好ましい。
本発明において、前記Pyで表されるピリジル基を置換する置換基としては、高温環境下における保存特性をより向上させる観点からは、前記A群として例示した置換基のうち、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のアルキニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜6である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜6である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜6である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい)からなる群が好ましく、
フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペン−2−イル基、プロペン−1−イル基、エチニル基、プロプ−2−イニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、アリルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基、エチニル基、プロプ−2−イニル基、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、tert-ブチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジ-iso-プロピルアミノ基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、4−モルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、カルバモイル基、N−メチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−tert−ブチルアミノカルボニル基、ピペリジン−1−カルボニル基、モルホリン−4−カルボニル基、4−メチルピペラジン−1−カルボニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、ピロール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、イミダゾール−1−イル基、トリアゾール−1−イル基、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−2イル基、ピラジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、トリアジン−2−イル基、からなる群がより好ましい。
さらに好ましくは、フッ素原子、塩素原子、メチル基、tert-ブチル基、ビニル基、プロペン−2−イル基、プロペン−1−イル基、エチニル基、プロプ−2−イニル基、メトキシ基、tert-ブトキシ基、アリルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基、エチニル基、メチルチオ基、tert−ブチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、メチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ピペリジン−1−イル基、4−モルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、シアノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、N−メチルアミノカルボニル基、N−tert−ブチルアミノカルボニル基、ピペリジン−1−カルボニル基、モルホリン−4−カルボニル基、ピロール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、イミダゾール−1−イル基、トリアゾール−1−イル基、からなる群である。
また、前記Pyで表されるピリジル基を置換するA群から選ばれる置換基の数は、0個〜2個が好ましく、Pyで表されるピリジル基が1置換または無置換であることがより好ましい。
本発明において、前記Qで表される5員複素環基を置換する置換基としては、高温環境下における保存特性をより向上させる観点からは、前記B群として例示した置換基のうち、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素数2〜4のアルキニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜6である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜6である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜6である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい)からなる群が好ましく、
フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペン−2−イル基、プロペン−1−イル基、エチニル基、プロプ−2−イニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、アリルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基、エチニル基、プロプ−2−イニル基、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、tert-ブチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジ-iso-プロピルアミノ基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、4−モルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、カルバモイル基、N−メチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−tert−ブチルアミノカルボニル基、ピペリジン−1−カルボニル基、モルホリン−4−カルボニル基、4−メチルピペラジン−1−カルボニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、ピロール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、イミダゾール−1−イル基、トリアゾール−1−イル基、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−2イル基、ピラジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、トリアジン−2−イル基、からなる群がより好ましい。
さらに好ましくは、フッ素原子、塩素原子、メチル基、tert-ブチル基、ビニル基、プロペン−2−イル基、プロペン−1−イル基、エチニル基、プロプ−2−イニル基、メトキシ基、tert-ブトキシ基、アリルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基、エチニル基、メチルチオ基、tert−ブチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、メチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ピペリジン−1−イル基、4−モルホリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、シアノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、N−メチルアミノカルボニル基、N−tert−ブチルアミノカルボニル基、ピペリジン−1−カルボニル基、モルホリン−4−カルボニル基からなる群である。
また、前記Qで表される5員複素環基を置換する置換基の数は、1個〜2個が好ましく、1個が特に好ましい。
また、本発明において、前記Pyと前記Qとは、前記Pyの2位、3位、又は4位で結合することが好ましい。
特に、前記Qがイソオキサゾリル基又はイソオキサゾリニル基である場合には、前記Pyと前記Qとは、前記Pyの2位、3位、又は4位と、前記Qの3位又は5位と、で結合することが好ましい。
また、本発明において、一般式(I)で表される化合物の最も好ましい形態としては、高温環境下における保存特性をより向上させる観点より、前記Pyが無置換のピリジル基であって、前記Qが5位に置換基を有するイソオキサゾリル基又はイソオキサゾリニル基であって、nが1であって、前記Pyと前記Qとが、前記Pyの2位、3位、又は4位と、前記Qの3位又は5位と、で結合する形態が挙げられる。
以下、前記一般式(I)で表される化合物の具体例(具体例(1)〜(51))を例示するが本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
以下、具体例(1)〜(51)を、例示化合物1〜51ともいう。
本発明における一般式(I)で表される化合物として、好ましくは、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(ピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−メチル−5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール、5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル、5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボニトリル、3−メチル−5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール、5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル、又は5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボニトリルである。
本発明の非水電解液中における、前記一般式(I)で表される化合物の含有量は、0.0001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜7質量%が更に好ましく、0.2質量%〜5質量%が更に好ましい。
ピリジル5員複素環化合物の非水電解液への含有量が上記範囲内にあると、高温環境下における保存特性をより改善し、より長寿命化を実現できる電解液を提供することができる。
前記一般式(I)で表される化合物において、ピリジルイミダゾール化合物は、例えばDE1985819 記載の方法、又はOrg. Biomol. Chem., 5 (16), 2567-2571, (2007) 記載の方法により製造される。
ピリジルイミダゾリン化合物は、例えば、J. Comb. Chem., 2 (6), 675-680, (2000) 記載の方法、Synlett, (18), 2747-2750, (2005) 記載の方法、Tetrahedron Lett., 39 (5-6), 459-462, (1998) 記載の方法、又は Synthetic Commun., 26 (7), 1335-1340, (1996) 記載の方法により合成される。
ピリジルイソオキサゾール化合物は、例えば、Org. Lett., 3 (26), 4185-4187, (2001) 記載の方法、J. Chem. Soc. Perkin Trans., I, (1), 67-72, (1986) 記載の方法、又は Synthesis-Stuttgart, (1), 20-24, (1989) 記載の方法により製造される。
ピリジルイソオキサゾリン化合物は、例えば、Synthesis-Stuttgart, (11), 1158-1162, (1994) 記載の方法、Febs. Letters, (1994), 35 (2), 168-170 記載の方法、又は、Tetrahedron Lett., 36 (2), 327-330, (1995) 記載の方法により製造される。
ピリジルイミダゾール化合物は、例えば、Tetrahedron Lett., 29 (39), 5013-5016, (1988)記載の方法、Tetrahedron Lett., 45 (47), 8687-8690, (2004) 又は Heterocycles, 32 (11), 2111-2118, (1991) 記載の方法により製造される。
ピリジルイミダゾリン化合物は、例えば、Tetrahedron Lett., 47 (13), 2129-2132, (2006)記載の方法、又は Chem-Eur. J ., 13 (6), 1863-1871, (2007) 記載の方法により製造される。
ピリジルピラゾール化合物は、例えば、Tetrahedron Lett., 44 (33), 6305-6307, (2003) 記載の方法、DE 19642320 記載の方法、又は Synthesis-Stuttgart, (1), 55-62, (2001) 記載の方法により製造される。
ピリジルピラゾリン化合物は、例えば、Collect Czech. Chem. C., 54 (6), 1716-1720, (1989) 記載の方法により製造される。
ピリジル−1,2,4−オキサジアゾール化合物は、例えば、Tetrahedron Lett., 42 (8), 1495-1498, (2001) 記載の方法により製造される。
ピリジル−1,3,4−オキサジアゾール化合物は、例えば、J. Org. Chem., 65 (7), 2246-2248, (2000) 記載の方法により製造される。
前記一般式(I)で表されるピリジル5員複素環化合物は、電解液中で、水分及び酸分をトラップする働きをもっているものと考えられる。このトラップ効果は主に、正極の遷移金属の溶出やガス発生を抑制しているものと推察できる。
従って、非水電解液が前記一般式(I)で表される化合物を含有することで、負極上での金属析出や、負極上での非水溶媒の分解等が抑制される結果、電池抵抗の増大が抑制され、高温環境下における保存特性が改善されるものと推測される。
但し、本発明は上記の推測によって限定されることはない。
以上のように、一般式(I)で表される化合物は、負極上の非水電解液の還元分解を抑制する効果が高く、高温保存試験による電池の容量低下を抑制する。また、高温保存試験やサイクル試験時の正極の界面インピーダンスの上昇を抑制して、負荷特性の劣化を抑制する。
前記一般式(I)で表されるピリジル5員複素環化合物は、単独で用いてもよいが、下記一般式(II)で表されるスルトン化合物、下記一般式(III)で表されるビニレンカーボネート又はその誘導体、及び、下記一般式(IV)で表されるハロゲン化カーボネート誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と組み合わせて用いてもよい。このように組み合わせて用いることで、更に、電池の高温サイクル特性を向上させることができると考えられる。
下記に示す一般式(II)で表されるスルトン化合物は、電解液用添加剤として有効であり、電解液中において負極で還元分解し、硫黄化合物が正極側で皮膜をつくることが考えられる。
詳細には、一般式(II)で表される不飽和スルトン化合物中の不飽和結合が負極上で反応し、負極上に結合して安定的な皮膜を形成する。その一方で、負極上で皮膜を形成しなかった不飽和スルトンは、スルトン基が負極上で還元分解することで不飽和スルトン化合物自体が分解し、この分解で生成した硫黄化合物が正極上で酸化反応を行い、正極上にも皮膜を生成することが考えられる。すなわち、不飽和スルトンは、正極、負極共に、皮膜を作ることが可能な化合物であると考えられる。
すなわち、下記一般式(II)で表される不飽和スルトンは、正極を構成するマンガンなどの溶出によるサイクル特性の低下を抑制することができると考えられる。
また、下記に示す一般式(III)で表されるビニレンカーボネート又はその誘導体は、負極側にて表面皮膜を作り、負極の安定化に寄与する。
また、下記に示す一般式(IV)で表されるハロゲン化環状カーボネート誘導体も同様に、負極側にて表面皮膜を作り、負極の安定化に寄与する。
したがって、非水電解液が、前記一般式(I)で表される化合物と、下記一般式(II)で表される化合物、下記一般式(III)で表される化合物、及び下記一般式(IV)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種と、を含有することにより、負極上の非水電解液の還元分解が抑制され、高温保存試験の電池の容量低下が抑制され、非水電解液の分解に伴うガスの発生が抑制される。また、高温保存試験やサイクル試験時の正極の界面インピーダンスの上昇が抑制され、負荷特性の劣化が抑制される。
特に、電極上で、一般式(I)で表される化合物が存在することにより酸分及び水分がトラップされ、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、及び一般式(IV)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種による皮膜の形成が、より適切なものとなり、正極の遷移金属の溶出やガス発生を効果的に抑え、正極及び負極での副反応が相乗的に抑制されるものと推測される。なお、本発明は上記推測によって制限されない。
(不飽和スルトン)
本発明のリチウム二次電池の非水電解液は、下記一般式(II)で表される化合物を含有することが好適である。
前記一般式(II)中、R、R、R、及びRは、各々独立に、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、水素原子、又はフッ素原子であり、mは0〜3の整数を示す。mが2または3であるときは、複数存在するR及びRは、それぞれ、同一でも互いに異なっていてもよい。
つまり、上記一般式(II)で表される化合物は、環状スルホン酸エステルであって環内に炭素−炭素不飽和結合を有するスルトン化合物である。
一般式(II)中、R、R、R、及びRは、各々独立に、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、水素原子、又はフッ素原子であり、R、R、R 及R は、互いに同一でも異なってもよい。mは0〜3の整数を示す。
一般式(II)中、R、R、R、及びRで表されるフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基は、具体的には、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチレンプロピル基、1−メチル−2−プロペニル基、1,2−ジメチルビニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−メチル−2−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ビニルフェニル基、エチニルフェニル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが例示される。
以上例示した中でも、R、R、R、及びRで表される炭化水素基は、炭素数が4以下であることが望ましく、より望ましくは2以下である。
前記一般式(II)において、特に望ましくはR、R、R、及びRの全てが水素原子の場合である。
前記一般式(II)中、mは0〜3の整数を表す。m=1又は2であることが好ましく、更にはm=1であることが好ましい。
前記一般式(II)で表される化合物のうち最も望ましい化合物は、下記式で表される1,3−プロパ−1−エンスルトンである。
この化合物(1,3−プロパ−1−エンスルトン)は、以下の文献に記載される方法などで合成することができる。
Angew. Chem. /70. Jahrg. 1958 / Nr.16、 Ger. Pat. 1146870 (1963) (Ca 59, 11259(1963))、Can. J. Chem., 48, 3704 (1970)、 Synlett, 1411, (1988)、 Chem. Commun., 611 (1997)、Tetrahedron, 55, 2245 (1999)。
本発明の非水電解液が前記一般式(II)で表される化合物を含む場合、本発明の非水電解液中における前記一般式(II)で表される化合物の含有量は、0.0001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜7質量%が更に好ましく、0.2質量%〜5質量%が更に好ましい。
不飽和スルトンの非水電解液への添加量が上記範囲内にあると、本発明の効果が奏され、且つ負極の界面インピーダンスの上昇が抑えられる。
(ビニレンカーボネート又はビニレンカーボネート誘導体)
本発明のリチウム二次電池の非水電解液は、下記一般式(III)で表される化合物を含有することが好適である。
一般式(III)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。R及びRは、互いに同一でも異なってもよい。つまり、上記一般式(III)で表される化合物は、ビニレンカーボネート又はビニレンカーボネート誘導体である。
一般式(III)で表されるビニレンカーボネート又はビニレンカーボネート誘導体の添加は、電池の保存特性及びサイクル特性を改善する点で好ましい。
一般式(III)で表されるビニレンカーボネート又はビニレンカーボネート誘導体としては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ブロピルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ジプロピルビニレンカーボネートなどが例示される。
これらのうち一般式(III)で表される化合物としては、R及びRが水素原子の場合、すなわちビニレンカーボネートが最も好ましい。
本発明の非水電解液が前記一般式(III)で表される化合物を含む場合、本発明の非水電解液中における前記一般式(III)で表される化合物の含有量は、目的に応じて適宜選択できるが、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましい。
(ハロゲン化環状カーボネート誘導体)
本発明の非水電解液は、本発明の効果をより効果的に奏する観点より、ハロゲン化環状カーボネート誘導体である、下記一般式(IV)で表される化合物を含有することが好適である。
一般式(IV)中、X、X、X及びXは、各々独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、X、X、X及びXが同時に水素原子である場合は除く。
つまり、上記一般式(IV)で表される化合物は、ハロゲン化環状カーボネート誘導体である。
一般式(IV)で表されるハロゲン化環状カーボネート誘導体としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ビストリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが例示される。
これらのうち一般式(IV)で表される化合物としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、或いは、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが最も好ましい。
本発明の非水電解液が前記一般式(IV)で表される化合物を含む場合、本発明の非水電解液中における前記一般式(IV)で表される化合物の含有量は、目的に応じて適宜選択できるが、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましい。
(非水溶媒)
本発明の非水電解液は、非水溶媒を含有する。
前記非水溶媒としては、種々公知のものを適宜選択することができるが、特には、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒とからなることが好ましい。
環状の非プロトン性溶媒は、電池の安全性の向上のために、溶媒の引火点の向上を志向する場合は、非水溶媒として、使用することが好ましい。環状の非プロトン性溶媒は単独で使用してもよいし、複数種混合して使用してもよい。また、環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒を混合して使用してもよいが、鎖状の非プロトン性溶媒を混合して使用する場合には、鎖状の非プロトン性溶媒の混合比は、非水溶媒全体に対して質量比で20%未満に制限することが望ましい。
−環状の非プロトン性溶媒−
前記環状の非プロトン性溶媒としては、エチレンカーボネートのような環状カーボネート、γ−ブチロラクトンのような環状カルボン酸エステル、スルホランのような環状スルホン、ジオキソランのような環状エーテルが例示される。
環状カーボネートの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネートなどが挙げられる。特に、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。負極活物質に黒鉛を使用した電池の場合は、特にエチレンカーボネートが好ましい。また、これら環状カーボネートは2種類以上混合して使用してもよい。
環状カルボン酸エステルとして、具体的にはγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、あるいはメチルγ−ブチロラクトン、エチルγ−ブチロラクトン、エチルδ−バレロラクトンなどのアルキル置換体などを例示することができる。
環状カルボン酸エステルは、蒸気圧が低く、粘度が低く、かつ誘電率が高い。このため、電解液の引火点と電解質の解離度を下げることなく電解液の粘度を下げることができる。このため、電解液の引火性を高くすることなく電池の放電特性に関わる指標である電解液の伝導度を高めることができるという特徴を有するので、溶媒の引火点の向上を指向する場合は、前記環状の非プロトン性溶媒として環状カルボン酸エステルを使用することが好ましい。特にγ−ブチロラクトンが最も望ましい。
また、環状カルボン酸エステルは他の環状の非プロトン性溶媒との混合物にするのが好ましい。例えば、環状カルボン酸エステルと、環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートとの混合物にすることが考えられる。
環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせの例として、具体的には、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとスルホラン、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとスルホランとジメチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カルボン酸エステルの非水溶媒中の混合割合は、10質量%〜100質量%、さらに好ましくは20質量%〜90質量%、特に好ましくは30質量%〜80質量%である。このような比率にすることによって、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
環状スルホンの例としては、スルホラン、2−メチルスルホラン、3―メチルスルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホンなどが挙げられる。
−鎖状の非プロトン性溶媒−
前記鎖状の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカーボネートのような鎖状カーボネート、ピバリン酸メチルのような鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタンのような鎖状エーテル、リン酸トリメチルのような鎖状のリン酸エステルが例示される。
鎖状カーボネートとして具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、エチルペンチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、エチルヘプチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、エチルヘキシルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、エチルオクチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。これら鎖状カーボネートは2種類以上混合して使用してもよい。
鎖状カルボン酸エステルとして具体的には、ピバリン酸メチルなどが挙げられる。
鎖状エーテルとして具体的には、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
鎖状のリン酸エステルとして具体的には、リン酸トリメチルなどが挙げられる。
前記鎖状の非プロトン性溶媒は、電池の安全性向上のために溶媒の引火点の向上を志向するために、混合することができる。例えば、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状リン酸エステルが例示され、特に、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが好ましい。
−溶媒の組み合わせ−
本発明における非水溶媒は、1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。また、環状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、鎖状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、又は環状の非プロトン性溶媒及び鎖状のプロトン性溶媒を混合して用いてもよい。
これらの中でも、電池の負荷特性、低温特性の向上を特に意図した場合は、非水溶媒を環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒の組み合わせにすることが望ましい。さらに、電解液の電気化学的安定性から、環状の非プロトン性溶媒には環状カーボネートを、鎖状の非プロトン性溶媒には鎖状カーボネートを適用することが最も好ましい。また、環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせによっても電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの組み合わせとして、具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合割合は、質量比で表して、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、5:95〜80〜20、さらに好ましくは10:90〜70:30、特に好ましくは15:85〜55:45である。このような比率にすることによって、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができるため、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。また、電解質の溶解度をさらに高めることができる。よって、常温又は低温での電気伝導性に優れた電解液とすることができるため、常温から低温での電池の負荷特性を改善することができる。
−その他の溶媒−
本発明に係る非水電解液は、非水溶媒として、上記以外の他の溶媒を含んでいてもよい。他の溶媒としては、具体的には、ジメチルホルムアミドなどのアミド、メチル−N,N−ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート、N−メチルピロリドンなどの環状アミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリオクチル、ほう酸トリメチルシリル等のホウ素化合物、及び下記の一般式で表されるポリエチレングリコール誘導体などを挙げることができる。
HO(CHCHO)
HO[CHCH(CH)O]
CHO(CHCHO)
CHO[CHCH(CH)O]
CHO(CHCHO)CH
CHO[CHCH(CH)O]CH
19PhO(CHCHO)[CH(CH)O]CH
(Phはフェニル基)
CHO[CHCH(CH)O]CO[OCH(CH)CHOCH
前記式中、a〜fは、5〜250の整数、g〜jは2〜249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である。
(電解質)
本発明の非水電解液は、電解質を含有する。
前記電解質としては、種々公知の電解質を使用することができ、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。電解質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解質の具体例としては、(CNPF、(CNBF、(CNClO、(CNAsF、(CSiF、(CNOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、(CNPF[C(2k+1)(6−n)(n=1〜5、k=1〜8の整数)などのテトラアルキルアンモニウム塩、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF[C(2k+1)(6−n) (n=1〜5、k=1〜8の整数)などのリチウム塩が挙げられる。また、次の一般式で表されるリチウム塩も使用することができる。
LiC(SO)(SO)(SO)、LiN(SOOR10)(SOOR11)、LiN(SO12)(SO13)(ここでR〜R13は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)。これらの電解質は単独で使用してもよく、また2種類以上を混合してもよい。
これらのうち、特にリチウム塩が望ましく、さらには、LiPF、LiBF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiClO、LiAsF、LiNSO[C(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF[C(2k+1)(6−n)(n=1〜5、k=1〜8の整数)が好ましい。
本発明における電解質は、通常は、非水電解質中に0.1モル/リットル〜3モル/リットル、好ましくは0.5モル/リットル〜2モル/リットルの濃度で含むことが好ましい。
本発明の非水電解液において、非水溶媒として、γ−ブチロラクトンなどの環状カルボン酸エステルを併用する場合には、特にLiPFを含有することが望ましい。LiPFは、解離度が高いため、電解液の伝導度を高めることができ、さらに負極上での電解液の還元分解反応を抑制する作用がある。LiPFは単独で使用してもよいし、LiPFとそれ以外の電解質を使用してもよい。それ以外の電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されるものであれば、いずれも使用することができるが、前述のリチウム塩の具体例のうちLiPF以外のリチウム塩が好ましい。
具体例としては、LiPFとLiBF、LiPFとLiN[SO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPFとLiBFとLiN[SO(2k+1)](k=1〜8の整数)などが例示される。
リチウム塩中に占めるLiPFの比率は、1質量%〜100質量%、好ましくは10質量%〜100質量%、さらに好ましくは50質量%〜100質量%が望ましい。このような電解質は、0.1モル/リットル〜3モル/リットル、好ましくは0.5モル/リットル〜2モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれることが好ましい。
本発明の非水電解液は、リチウム二次電池用の非水電解液として好適であるばかりでなく、一次電池用の非水電解液、電気化学キャパシタ用の非水電解液、電気二重層キャパシタ、アルミ電解コンデンサー用の電解液としても用いることができる。
<リチウム二次電池用添加剤>
本発明のリチウム二次電池用添加剤は、前記一般式(I)で表される化合物を含む。
本発明のリチウム二次電池用添加剤は、リチウム二次電池の非水電解液に添加する添加剤として用いたときに、電池抵抗の増大を抑制し、電池の高温環境下における保存特性を改善する。従って、本発明のリチウム二次電池用添加剤を含む非水電解液を用いることで、リチウム二次電池の長寿命化が実現される。
本発明のリチウム二次電池用添加剤は、前記一般式(I)で表される化合物単体であってもよいし、必要に応じ、一般式(I)で表される化合物以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、上記効果をより効果的に得る観点より、前記一般式(II)で表される化合物、前記一般式(III)で表される化合物、及び前記一般式(IV)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
<リチウム二次電池>
本発明のリチウム二次電池は、負極と、正極と、前記の非水電解液とを基本的に含んで構成されており、通常、負極と正極との間にセパレータが設けられている。
(負極)
前記負極を構成する負極活物質としては、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープ可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。リチウムイオンとの合金化が可能な金属もしくは合金としては、シリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金などを挙げることができる。
負極活物質としては、これらの中でもリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が好ましい。
このような炭素材料は、カーボンブラック、活性炭、黒鉛材料(例えば、人造黒鉛、天然黒鉛等)、非晶質炭素材料、等が挙げられる。
また、前記炭素材料の形態は、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状いずれの形態であってもよい。
前記非晶質炭素材料として具体的には、ハードカーボン、コークス、1500℃以下に焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソペーズビッチカーボンファイバー(MCF)などが例示される。
また、前記黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛などが例示される。
前記人造黒鉛としては、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが用いられる。また、黒鉛材料としては、ホウ素を含有する黒鉛材料なども用いることができる。
また、前記炭素材料としては、金、白金、銀、銅、スズなどの金属で被覆した黒鉛材料や、非晶質炭素で被覆した黒鉛材料、を用いることもできる。
また、前記炭素材料としては、非晶質炭素材料と黒鉛材料との混合物も使用することができる。
これらの炭素材料は、1種類で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。炭素材料としては、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔d(002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましく、真密度が1.70g/cm以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が好ましい。このような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
(正極)
本発明における正極を構成する正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な遷移金属を含有する物質であり、当該遷移金属の少なくとも一部としてマンガンを含有する物質が用いられる。マンガンは安価で入手が容易であり、かつ安全性が高いことから、正極活物質として好ましい。
本発明における正極活物質は、含有される遷移金属のうち35モル%以上がマンガンである複合酸化物であることが好ましい。
前記遷移金属中におけるマンガンの含有率は、さらに好ましくは50モル%以上、最も好ましくは80モル以上である。このように正極活物質中の遷移金属に占めるマンガンの割合が多い場合には、経済的に低コストである点で好ましい。
さらに前記複合酸化物はリチウムを含有することが好ましい。さらに、前記複合酸化物としては、リチウムとマンガンを含有する複合酸化物がより好ましい。
上記のマンガンを含有する正極活物質に特に制限はないが、例えば、下記の組成式(V)で表される複合酸化物が好ましい。
LiMn(1−y) 組成式(V)
組成式(V)中、xは0<x≦1.2を満たす数、yは0≦y≦0.65を満たす数、MはNi、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
組成式(V)において、MはNi、Co、Feであることが特に好ましく、また、xは0.2≦x≦1.15であることが特に好ましく、yは0≦y≦0.5であることが特に好ましく、yは0≦y≦0.2であることが最も好ましい。
また、上記のマンガンを含有する正極活物質としては、下記の組成式(VI)で表される複合酸化物も好ましい。
LiMn(2−y) 組成式(VI)
組成式(VI)中、xは0<x≦1.2を満たす数、yは0≦y≦1.3を満たす数、MはNi、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
組成式(VI)において、MはNi、Co、Al、Mgであることが特に好ましく、また、xは0.05≦x≦1.15であることが特に好ましく、yは0≦y≦1であることが特に好ましく、yは0≦y≦0.4であることが最も好ましい。
組成式(VI)で表される複合酸化物の具体例としては、例えばLiMn1.8Al0.2、LiMn1.5Ni0.5等を挙げることができる。
上記の正極活物質は、1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。正極活物質は導電性が不充分である場合には、導電性助剤とともに使用して正極を構成することができる。
前記導電性助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
(セパレータの説明)
本発明におけるセパレータは、正極と負極を電気的に絶縁し且つリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
前記多孔性膜としては、特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
前記高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
(電池の構成)
本発明のリチウム二次電池は、前記の負極活物質、正極活物質及びセパレータを含む。本発明のリチウム二次電池は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
本発明のリチウム二次電池の一例として、図1に示すコイン型電池が挙げられる。
例えば、図1に示すコイン型電池では、円盤状負極2、非水電解液を注入したセパレータ5、円盤状正極1、必要に応じて、ステンレス、又はアルミニウムなどのスペーサー板7,8が、この順序に積層された状態で、正極缶3と封口板4との間に収容される。正極缶3と封口板4とはガスケット6を介してかしめ密封する。
本発明の非水電解液、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池用添加剤の用途は特に限定されず、種々公知の用途に用いることができる。例えば、ノートパソコン、モバイルパソコン、携帯電話、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、電子手帳、電卓、ラジオ、バックアップ電源用途、モーター、自動車、電気自動車、バイク、電動バイク、自転車、電動自転車、照明器具、ゲーム機、時計、電動工具、カメラ等に広く利用可能なものである。
以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
<一般式(I)で表される化合物の合成>
以下、一般式(I)で表される化合物の合成例を示す。
〔合成例1〕
<3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル(例示化合物15)の合成>
N−クロロスクシンイミド(16.02g、0.120mol)およびピリジン(0.6ml, 7.6mmol)をクロロホルム(108ml)に溶かし、室温で、3−ピリジンアルドキシム(14.65g,81.2mmol)を加えた。反応液の温度は上昇するが60℃に保つように加熱し、30分撹拌した。その後、温度を45℃に保ち、アクリル酸メチル(12.91g,0.150mol)、続いてトリエチルアミン(12.74g,0.126mol)を滴下し、45℃で20分撹拌した。反応液をクロロホルム(72ml)で薄め、水(180ml)で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、例示化合物15(13.50g,収率55%)を得た。例示化合物15のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.84 (1H, d, J=2.3), 8.68 (1H, dd, J=2.0, 4.6), 8.07 (1H, dt, J=2.0, 7.9), 7.35 (1H, dd, J=7.9, 4.6), 5.25 (1H, dd, J=7.9, 10.6), 3.84 (3H,s), 3.74−3.60 (2H, m)
〔合成例2〕
<3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(例示化合物14)の合成>
上記で得た、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル(8.45g,41mmol)をメタノール(45ml)に溶かし、30℃で、1規定NaOH水溶液(45ml,45mmol)を加え30分撹拌した。室温で1規定塩酸水溶液(45ml,45mmol)を加え中和した後、反応液を減圧下濃縮した。残渣に水を加え52.5gとし、80℃に加熱後、15℃まで徐々に冷却した。スラリー状の生成物をろ別し、固体を水(8ml)で2回洗浄後、減圧下乾燥し、淡黄色結晶として例示化合物14(5.70g、収率72%)を得た。例示化合物14のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 13.20 (1H, brd.s), 8.88 (1H, d, J=2.0), 8.66 (1H, dd, J=1.6, 4.9), 8.10 (1H, dt, J=7.9, 2.0), 7.50 (1H, dd, J=7.9, 4.6), 5.23 (1H,dd, J=11.5, 7.2), 3.78 (1H,dd, J=17.5, 11.5), 3.67 (1H, dd,J=17.5, 6.9)
〔合成例3〕
<3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル(例示化合物2)の合成>
合成例1において、3−ピリジンアルドキシムを2−ピリジンアルドキシムに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物2(6.24g、76%)を得た。例示化合物2のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.62−8.60 (1H, m), 8.03 (1H, dt, J=2.3, 1.4), 7.74 (1H, td, J=7.9, 1.6), 7.35−7.28 (1H, m), 5.23 (1H, dd, J=10.2, 8.9), 3.82 (3H, s), 3.84−3.78 (2H, m)
〔合成例4〕
<3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(例示化合物1)の合成>
合成例2において、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチルを3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチルに変更したこと以外は合成例2と同様の方法により、例示化合物1(4.47g、78%)を得た。例示化合物1のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 13.26 (1H, brd.s), 8.66 (1H, dt,J=4.9, 1.3), 7.96−7.86 (2H, m), 7.51−7.46 (1H, m), 5.23 (1H, dd, J=11.9, 6.9), 3.77 (1H, dd, 17.8, 11.9), 3.61 (1H, dd, J=17.8, 6.9)
〔合成例5〕
<3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル(例示化合物3)の合成>
合成例1において、3−ピリジンアルドキシムを2−ピリジンアルドキシムに、アクリル酸メチルをアクリロニトリルに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物3(5.15g、74%)を得た。例示化合物3のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.63 (1H, dd, J=4.9, 1.0), 8.04−8.01 (1H, m), 7.78 (1H, dt, J=1.6, 7.9), 7.39−7.35 (1H, m), 5.40 (1H, dd, J=9.9, 7.2), 4.02−3.85 (2H, m)
〔合成例6〕
<3−メチル−5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール(例示化合物28)の合成>
合成例1において、3−ピリジンアルドキシムをアセトアルドキシムに、アクリル酸メチルを2−ビニルピリジンに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物28(4.48g、55%)を得た。例示化合物28のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.57 (1H, ddd, J=4.9, 1.6, 1.0), 7.71 (1H, dt, J=1.6, 7.6), 7.52 (1H, d, J=7.9), 7.24−7.19 (1H, m), 5.65 (1H, dd, J=10.9, 6.6), 3.49−3.38 (1H, m), 3.25 (1H, ddd, J=17.1, 6.9, 1.0), 2.02 (3H, d, 1.0)
〔合成例7〕
<3−メチル−5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール(例示化合物31)の合成>
合成例1において、3−ピリジンアルドキシムをアセトアルドキシムに、アクリル酸メチルを3−ビニルピリジンに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物31(4.14g、64%)を得た。例示化合物31のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.58−8.55 (2H, m), 7.69 (1H, dt, J=7.9, 2.0), 7.30 (1H, ddd, 7.9, 4.9, 0.7), 5.59 (1H, dd, J=10.6, 7.9), 3.49−3.38 (1H, m), 2.96−2.86 (1H, m), 2.04 (3H, d, J=1.0)
〔合成例8〕
<5−メチル−3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル(例示化合物8)の合成>
合成例1において、3−ピリジンアルドキシムを2−ピリジンアルドキシムに、アクリル酸メチルをメタクリル酸メチルに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物8(7.39g、84%)を得た。例示化合物8のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.60 (1H, ddd, J=4.9, 1.6, 1.0), 8.01 (1H, d, J=7.9), 7.73 (1H, dt, J=1.6, 7.6), 7.32−7.28 (1H, m), 4.00 (1H, d, J=17.8), 3.81 (3H, s), 3.40 (1H, d, J=17.8), 1.73 (3H, s)
〔合成例9〕
<5−フェニル−3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル(例示化合物11)の合成>
合成例1において、3−ピリジンアルドキシムを2−ピリジンアルドキシムに、アクリル酸メチルをスチレンに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物11(2.34g、52%)を得た。例示化合物11のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.59 (1H, ddd, J=4.9, 2.0, 1.0), 8.07 (1H, dt, J=7.9, 1.0), 7.73 (1H, dt, J=1.6, 7.6), 7.43−7.26 (6H, m), 5.79 (1H, dd, J=11.2, 8.2), 3.93 (1H, dd, J=17.5, 10.9), 3.53 (1H, dd, J=17.5, 8.6)
〔合成例10〕
<5−ブトキシ−3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール(例示化合物16)の合成>
合成例1において、アクリル酸メチルをブチルビニルエーテルに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物16(14.76g、67%)を得た。例示化合物16のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.84 (1H, d, J=2.0), 8.65 (1H, dd, J=4.6, 1.6), 8.08 (1H, dt, J=7.9, 2.0), 7.35 (1H, dd, J=8.2, 4.9), 5.72 (1H, dd, J=6.6, 1.6), 3.92−3.84 (1H, m), 3.60−3.52 (1H, m), 3.40 (1H, dd, J=17.1, 6.1), 3.23 (1H, dd, J=17.1, 2.0), 1.63−1.53 (2H, m), 1.44−1.30 (2H, m), 0.92 (3H, t, J=7.2)
〔合成例11〕
<3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル(例示化合物21)の合成>
合成例1において、アクリル酸メチルをアクリロニトリルに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物21(4.78g、46%)を得た。例示化合物21のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.83 (1H, d, J=2.0), 8.72 (1H, dd, J=4.9, 1.6), 8.06 (1H, dt, J=7.9, 1.6), 7.41 (1H, dd, J=8.2, 4.9), 5.44 (1H, dd, J=10.2, 6.9), 3.88−3.73 (2H, m)
〔合成例12〕
<3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル(例示化合物23)の合成>
合成例1において、3−ピリジンアルドキシムを4−ピリジンアルドキシムに変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物23(1.20g、29%)を得た。例示化合物23のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm): 8.70 (1H, dd, J=4.6, 1.6), 7.54 (1H, dd, J=4.6, 1.6), 5.27 (1H, dd, J=10.6, 7.9), 3.84 (3H, s), 3.89−3.60 (2H, m)
以上、一般式(I)で表される化合物の合成例として、例示化合物15、例示化合物14、例示化合物2、例示化合物1、例示化合物3、例示化合物28、例示化合物31、例示化合物8、例示化合物11、例示化合物16、例示化合物21、及び例示化合物23の合成例を説明したが、上記以外の一般式(I)で表される化合物についても上記合成例と同様の方法により合成できる。
[評価方法]
<初期特性評価>
作製された試験用電池を、1mA定電流かつ4.2V定電圧で充電し、1mA定電流で2.85Vまで放電を10サイクル行った。
その際、1サイクル目の充電容量[mAH]及び放電容量[mAH]から、初回の充放電効率を下記式にて計算を行った。
初回の充放電効率[%]
=1サイクル目の放電容量[mAH]/1サイクル目の充電容量[mAH]×100[%]
更に、定電圧4.0V充電し、Solartronを用いて、恒温槽内で電池を−10℃に冷却し、インピーダンス測定を行った。
上記初回の充放電効率及びインピーダンス測定を、初期特性評価とした。
なお、下記実施例1〜25及び比較例1〜7では初期特性評価に関し、いずれも実用上問題のない程度の評価結果であったため、評価結果の記載は省略した。
<高温保存試験>
インピーダンス測定を終えた試験用電池を、25℃の恒温槽中で1mA定電流かつ4.2V定電圧で充電し、この25℃の恒温槽中で1mA定電流で2.85Vまで放電し、高温保存前の放電容量[mAh]を測定した。
次に、上記試験用電池に対し、25℃の恒温槽中で1mA定電流かつ4.2V定電圧充電を行った後、恒温槽の温度を80℃に上昇させ、80℃の恒温槽中に上記試験用電池を2日間保存した(高温保存)。
上記高温保存後、恒温槽の温度を25℃に戻し、25℃の恒温槽中で上記試験用電池を1mA定電流で2.85Vまで放電し、電池に残っている残存放電容量[mAh](即ち、高温保存後の放電容量[mAh])を測定した。
そして、下記式にて、高温保存前後の容量維持率を算出した。
高温保存前後の容量維持率[%]
=(高温保存後の放電容量[mAh]/高温保存前の放電容量[mAh])×100[%]
[実施例1]
<負極の作製>
人造黒鉛20質量部、天然黒鉛系黒鉛80質量部、カルボキシメチルセルロース1質量部及びSBRラテックス2質量部を水溶媒で混錬してペースト状の負極合剤スラリーを調製した。
次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して負極集電体と負極活物質層とからなるシート状の負極を得た。このときの負極活物質層の塗布密度は10mg/cmであり、充填密度は1.5g/mlであった。
<正極の作製>
LiMnを90質量部、アセチレンブラック5質量部及びポリフッ化ビニリデン5質量部をN−メチルピロリジノンを溶媒として混錬してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。
次に、この正極合剤スラリーを厚さ20μmの帯状アルミ箔の正極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して正極集電体と正極活物質とからなるシート状の正極を得た。このときの正極活物質層の塗布密度は30mg/cmであり、充填密度は2.5g/mlであった。
<非水電解液の調製>
非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とメチルエチルカーボネート(EMC)とをそれぞれ34:33:33(質量比)の割合で混合した。
得られた混合溶媒中に、電解質であるLiPFを、最終的に調製される非水電解液全量中における電解質濃度が1モル/リットルとなるように溶解させた。
前記で得られた溶液に対して、添加剤として、一般式(I)で表される化合物である3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A(例示化合物14))を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加し、非水電解液を得た。
なお、上記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸は、一般式(I)におけるQがイソオキサゾリニル基に相当する化合物である。
<コイン型電池の作製>
上述の負極を直径14mmで、上述の正極を直径13mmで、それぞれ円盤状に打ち抜いて、コイン状の電極(負極及び正極)を得た。また厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを直径17mmの円盤状に打ち抜きセパレータを得た。
得られたコイン状の負極、セパレータ及びコイン状の正極を、この順序でステンレス製の電池缶(2032サイズ)内に積層し、上記で得られた非水電解液20μlを注入してセパレータと正極と負極とに含漬させた。
更に、正極上にアルミニウム製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)及びバネを乗せ、ポリプロピレン製のガスケットを介して、電池缶蓋をかしめることにより電池を密封し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池(試験用電池)を作製した。
得られたコイン型電池(試験用電池)について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例2]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル(添加剤B(例示化合物3))を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
なお、上記3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリルは、3−(ピリジン−2−イル)−5−シアノ−イソオキサゾールと同義である。
[実施例3]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール(添加剤C(例示化合物34))を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例4]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール(添加剤D(例示化合物37))を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例5]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール(添加剤E(例示化合物42))を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例6]
添加剤として、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)、及び1,3−プロパ−1−エンスルトン(PRS)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例7]
添加剤として、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)、1,3−プロパ−1−エンスルトン(PRS)、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[比較例1]
非水電解液として、添加剤を無添加にしたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価及び高温保存試験を実施した。
[比較例2]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、ピリジンを、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価及び高温保存試験を実施した。
[比較例3]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、2−クロロ−ピリジンを、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価及び高温保存試験を実施した。
[比較例4]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、ビピリジンを、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価及び高温保存試験を実施した。
[比較例5]
前記3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸(添加剤A)に代えて、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンを、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価及び高温保存試験を実施した。
実施例1〜7及び比較例1〜5の高温保存試験の評価結果を表1に示す。
実施例1〜7と比較例1とを比較すると、非水電解液に添加剤として一般式(I)で表される化合物を添加することにより、リチウム二次電池の高温保存特性を向上させることができることがわかる。
更に、実施例1〜7と比較例2〜5とを比較すると、添加剤として一般式(I)で表される化合物を添加することにより、ピリジン骨格持つ他の添加剤を添加した場合と比べて、高温保存特性を向上させることができることがわかる。
更に、添加剤として、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを併用した実施例6及び実施例7(特に、これらに加えて更に一般式(III)で表される化合物を用いた実施例7)において、高温保存特性を更に向上させることができることが明らかとなった。
次に、添加剤の種類を、後述する表2又は表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製し、実施例1と同様の評価を行った(実施例8〜25、比較例6〜7)。
実施例8〜25及び比較例6〜7の詳細を以下に説明する。
[実施例8]
添加剤として、例示化合物14、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例9]
添加剤として、例示化合物15、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例10]
添加剤として、例示化合物21、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例11]
添加剤として、例示化合物41、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例12]
添加剤として、例示化合物37、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例13]
添加剤として、例示化合物1、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例14]
添加剤として、例示化合物38、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例15]
添加剤として、例示化合物23、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例16]
添加剤として、例示化合物16、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例17]
添加剤として、例示化合物6、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例18]
添加剤として、例示化合物8、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例19]
添加剤として、例示化合物11、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例20]
添加剤として、例示化合物28、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例21]
添加剤として、例示化合物31、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例22]
添加剤として、例示化合物14、及び、4−フルオロエチレンカーボネート(FEC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例23]
添加剤として、例示化合物14、及び、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例24]
添加剤として、例示化合物15、及び、4−フルオロエチレンカーボネート(FEC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[実施例25]
添加剤として、例示化合物15、及び、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[比較例6]
添加剤として、ビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
[比較例7]
ビピリジン、及びビニレンカーボネート(VC)を、最終的に調製される非水電解液全量中におけるそれぞれの含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び高温保存試験を実施した。
実施例8〜25及び比較例6〜7の高温保存試験の評価結果を表2及び表3に示す。
更に、対比のため、表1に示した比較例1の評価結果を、再度表3に示す。
表2及び表3に示すように、実施例8〜25においても、各比較例に比べて高温保存前後の容量維持率が高く、高温環境下における電池の保存特性に優れていた。
日本出願2008−287055の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (13)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物を含有するリチウム二次電池用の非水電解液。

    〔一般式(I)中、Pyは、下記A群から選ばれる1個〜3個の置換基により置換されてもよいピリジル基を表す。
    A群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
    nは、1または2を表す。
    Qは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる原子を1個〜4個含有してもよい、芳香族又は非芳香族5員複素環基を表し、当該複素環は下記B群から選ばれる1個〜2個の置換基により置換されてもよい。
    B群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。〕
  2. 前記一般式(I)におけるQが、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、オキサゾリニル基、イソオキサゾリニル基、イミダゾリニル基、又はピラゾリニル基である請求項1に記載の非水電解液。
  3. 前記一般式(I)におけるQが、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾリン−3−イル基、イソオキサゾリン−5−イル基、又は1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基である請求項1に記載の非水電解液。
  4. 前記一般式(I)で表される化合物が、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボニトリル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸メチル、3−(ピリジン−2−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−3−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−4−イル)−イソオキサゾール、3−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(ピリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−メチル−5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール、5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル、5−(ピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボニトリル、3−メチル−5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール、5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル、又は5−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−カルボニトリルである請求項1に記載の非水電解液。
  5. 更に、下記一般式(II)で表される化合物を含有する請求項1に記載の非水電解液。

    〔一般式(II)中、R、R、R、及びRは、各々独立に、フッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、水素原子、又はフッ素原子であり、mは0〜3の整数を表す。mが2または3であるときは、複数存在するR及びRは、それぞれ、同一でも互いに異なっていてもよい。〕
  6. 前記一般式(II)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である請求項5に記載の非水電解液。
  7. 更に、下記一般式(III)で表される化合物を含有する請求項1に記載の非水電解液。


    〔一般式(III)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。〕
  8. 前記一般式(III)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である請求項7に記載の非水電解液。
  9. 更に、下記一般式(IV)で表される化合物を含有する請求項1に記載の非水電解液。

    〔一般式(IV)中、X、X、X及びXは、各々独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、X、X、X及びXが同時に水素原子である場合は除く。〕
  10. 前記一般式(IV)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である請求項9に記載の非水電解液。
  11. 前記一般式(I)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である請求項1に記載の非水電解液。
  12. 正極と、
    金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれる少なくとも1種を負極活物質として含む負極と、
    請求項1に記載の非水電解液と、
    を有するリチウム二次電池。
  13. 下記一般式(I)で表される化合物を含有するリチウム二次電池用添加剤。

    〔一般式(I)中、Pyは、下記A群から選ばれる1個〜3個の置換基により置換されてもよいピリジル基を表す。
    A群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。
    nは、1または2を表す。
    Qは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる原子を1個〜4個含有してもよい、芳香族又は非芳香族5員複素環基を表し、当該複素環は下記B群から選ばれる1個〜2個の置換基により置換されてもよい。
    B群は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素数2〜6のアルキニルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニルオキシ基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、カルバモイル基、N−アルキルアミノカルボニル基(アルキル基の炭素数は1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノカルボニル基(2つのアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に1〜8である。当該2つのアルキル基は、直接、又は、酸素原子、硫黄原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された窒素原子を介し、互いに結合して3〜7員環を形成してもよい)、フェニル基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、芳香族5員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び芳香族6員複素環基(ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)からなる群である。〕
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