JPWO2009101813A1 - スピーカ、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

本発明のスピーカは、1つの開口面を有する縦長の箱型5面体である振動板と、振動板を振動可能に支持するエッジと、振動板を構成する5面のうち開口面に隣接する4つの側面に巻きつけられて固定されるボイスコイルと、ボイスコイルに駆動力を与える磁気回路とを備え、振動板において、開口面から当該開口面に対向する上面までの高さはボイスコイルの厚さの2倍以上であり、当該上面の長辺は当該上面の短辺の2倍以上の長さであり、振動板の長手方向を形成する2つの側面及び上面には、凹凸形状から成る複数の補強リブが形成される。

Description

本発明はスピーカに関し、より特定的には、スリム化及び薄型化が可能なスピーカに関する。
近年、ハイビジョンテレビやワイドビジョンテレビ等の普及によって、テレビの画面は横長のものが一般的になりつつある。また、我が国の比較的狭い住宅事情を理由として、テレビセット全体として狭幅で薄型のものが望まれている。
テレビ用のスピーカユニット(以下、単に、スピーカという)は、通常、ブラウン管の両脇に取り付けられるので、テレビセットの横幅を大きくする一因となっている。そのため、従来から、テレビ用のスピーカとして、角型や楕円型等の細長構造のスピーカが用いられてきた。また、ブラウン管の横長化によって、スピーカの横幅を更に狭くすることが要求されている。一方で、画面の高画質化に対応した音声の高音質化がスピーカに要求されている。加えて、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイを用いた薄型テレビが増加していることによって、スピーカのスリム化及び薄型化は更に要求されている。
ここで、従来の細長型(スリム型)のスピーカについて説明する。図37は、従来のスリム型スピーカ900の構造を示す図である。図37(a)は従来のスリム型スピーカ900の平面図であり、図37(b)は従来のスリム型スピーカ900の長手方向(c−c’)に関する断面図であり、図37(c)は短手方向(o−o’)に関する断面図である。図37に示すように、従来のスリム型スピーカ900は、マグネット901、プレート902、ヨーク903、フレーム904、ボイスコイルボビン905、ボイスコイル906、ダンパ907、振動板909、ダストキャップ910、及びエッジ911を備える。
ボイスコイル906は、銅、アルミ等から成る導体の巻き線であり、円筒形状のボイスコイルボビン905に固着される。ボイスコイルボビン905は、マグネット901とプレート902とヨーク903とから成る構造体の磁気ギャップ908中にボイスコイル906が位置するように、ボイスコイル906を支持する。また、ボイスコイルボビン905は、ダンパ907を介してフレーム904に接続される。また、ボイスコイルボビン905は、ボイスコイル906が固着される側の反対側において、楕円形状又は略楕円形状の振動板909に接着される。振動板909の中央部には、断面が略半円形状であるダストキャップ910が固着される。エッジ911は、環形状であり、かつ、断面が半円形状である。また、エッジ911の内周部は、振動板909の外周部に固着される。エッジ911の外周部は、フレーム904に固着される。
従来のスリム型スピーカ900を駆動させる場合、ボイスコイル906に駆動電流が印可される。この場合、ボイスコイル906に印可される駆動電流及びボイスコイル906の周りの磁界の作用によって、ボイスコイルボビン905はピストン運動を行う。このことによって、振動板909は、ボイスコイルボビン905のピストン運動の方向に振動する。この結果として、振動板909から音波が放射される。ここで、図37に示す従来のスリム型スピーカ900は、例えば、特許文献1に記載されている。図38は、従来のスリム型スピーカ900において、1Wの電力が入力された場合における再生音圧レベルと周波数特性との関係を示す図である。図38において、縦軸は再生音圧レベルを示し、横軸は駆動周波数を示す。なお、図38に示した再生音圧レベルを測定するマイクの配置位置は、スリム型スピーカ900の中心軸上であってスリム型スピーカ900から正面側に1m離れた位置である。
特開2004−32659号公報
しかしながら、上記した従来のスリム型スピーカ900には、以下の問題点があった。図37に示すように、従来のスリム型スピーカ900は、細長構造の振動板909の中央部分を駆動するという駆動方法を採っているために、振動板909の長手方向に関して分割共振が発生し易い。この結果として、再生音圧レベルに関する周波数特性は、音声再生帯域における中高帯域にピークディップを生じる特性となり、音質の劣化を招いていた。例えば、図38に示す特性では、2kHz、3kHzおよび5kHz付近に顕著なディップが見られる。
それ故に、本発明の目的は、上記した問題を解消することであって、スリム型(細長構造)でありながら分割共振が起こりにくく、広帯域にわたって平坦な周波数特性を得ることができる、音質の優れたスピーカを提供することである。
上記した問題を解決するために、本発明のスピーカは、1つの開口面を有する縦長の箱型5面体である振動板と、振動板を振動可能に支持するエッジと、振動板を構成する5面のうち開口面に隣接する4つの側面に巻きつけられて固定されるボイスコイルと、ボイスコイルに駆動力を与える磁気回路とを備え、振動板において、開口面から当該開口面に対向する上面までの高さはボイスコイルの厚さの2倍以上であり、当該上面の長辺は当該上面の短辺の2倍以上の長さであり、振動板の長手方向を形成する2つの側面及び上面には、凹凸形状から成る複数の補強リブが形成される。
また、振動板の開口面に隣接する4つの側面にはフランジが設けられ、ボイスコイルは、更に、フランジにも固定されることが好ましい。
また、振動板の内側には、少なくとも1つの仕切りが設けられてもよい。
また、エッジは、断面が弧形状であるシートから成り、当該弧形状の中央部から端部にかけて徐々に厚みが増してもよい。
また、エッジは、振動板とは異なる材質から成ってもよい。
また、エッジは、発泡ゴム又は高分子エラストマーから成り、振動板は、ポリイミド樹脂又はパルプから成ってもよい。
また、磁気回路は、直方体形状の1つの内磁極と直方体形状の2つの外磁極とを含み、1つの内磁極は、振動板の開口面に近接して配置され、2つの外磁極は、振動板の両サイドにそれぞれ配置されることが好ましい。
また、振動板の開口面に対向する上面に接続されて、当該振動板を振動可能に支持する少なくとも1つのダンパを更に備え、エッジは、振動板の開口面に隣接する4つの側面の当該開口面側の端部に接続されて当該振動板を支持してもよい。
また、ダンパは、断面が弧形状である扇状のシートから成ってもよい。
また、ダンパは、断面が弧形状である短冊状のシートから成ってもよい。
また、振動板の開口面に対向する上面に接続されて、当該振動板を振動可能に支持する複数のダンパを更に備え、複数のダンパのうち少なくとも2つは、振動板の開口面に対向する上面の同一位置に一端が接続され、他端は互いに異なる方向に向いて当該振動板を支持してもよい。
また、本発明は、上記したスピーカを備えた電子機器(典型的にはテレビジョン放送受信機)としてとらえることもできる。
本発明によれば、スリム型でありながら、分割共振が起こりにくく、広帯域にわたって平坦な周波数特性を得ることができる音質の優れたスピーカを提供できる。また、本発明によれば、薄型化されたスピーカを提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係るスピーカ100の一例を示す斜視図である。 図2は、第1の実施形態に係るスピーカ100の振動系150を示す図である。 図3は、スピーカ100の振動系150の構成要素を説明するための図である。 図4は、図1に示すスピーカ100のA−A’断面を示す図である。 図5は、スピーカ100が備えるボイスコイル115を示す図である。 図6は、有限要素法解析対象であるスピーカ100の平面図であり、振動板111の長辺方向に関する共振について説明するための図である。 図7は、中心線A−A’上のみに駆動力Fを印加した場合(f_l=0の場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図である。 図8は、Xで示す周波数付近で生じたピークにおけるボイスコイル115の長辺方向に関する振動モードを示す図である。 図9は、ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合(f_l=c_lの場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図である。 図10は、有限要素法解析によって求めた、長辺方向に関して振動系150に占める振動板の駆動部分長さ(f_l/d_l)とピークディップ(音圧偏差)との関係を示す図である。 図11は、第1の実施形態に係るスピーカ100の他の一例を示す斜視図である。 図12は、第1の実施形態に係るスピーカ100の他の一例を示す斜視図である。 図13は、第2の実施形態に係るスピーカ200の一例を示す斜視図である。 図14は、第2の実施形態に係るスピーカ200の振動系250を示す図である。 図15は、第2の実施形態に係るスピーカ200の振動系250を示す図である。 図16は、振動系250を構成する箱型5面体201を示す斜視図である。 図17は、補強リブ235が箱型5面体201の上面にのみ形成された場合における振動系250の短辺方向の断面形状のモデル250−1を示す図である。 図18は、モデル250−1の有限要素法解析結果を示す図である。 図19は、モデル250−2、250−1、及び250−3を示す図である。 図20は、図19のモデル250−2、250−1、及び250−3の有限要素法解析結果を示す図である。 図21は、図17に示したモデル250−1において、変形前の形状に、5.5kHzでの共振モード形状(変形後の形状)を重畳した図である。 図22は、図17に示したモデル250−1において、箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にした場合の解析結果を示す図である。 図23は、図17に示すモデル250−1を3次元モデル化し、また、箱型5面体201の側面と上面とに、連続した凹凸形状によって形成される補強リブ235を設けたモデルである。 図24は、図23に示す補強リブ235を有するモデルの有限要素法解析の結果を示す図である。 図25は、第3の実施形態に係るスピーカ300が備える振動系350を示す図である。 図26は、箱型5面体201の凹形状内部に仕切り362を設けたスピーカ300の振動系350を示す図である。 図27は、図26の振動系350の断面図である。 図28は、図11に示した裏面から音声を放射するタイプのスピーカに、仕切り362を適用する場合に用いられる磁気回路の下部分の斜視図である。 図29は、図28に示す磁気回路の下部分の断面図である。 図30は、第4の実施形態に係るスピーカ400を示す斜視図である。 図31は、図30に示すスピーカ400が備える振動系450を示す平面図である。 図32は、図31に示す振動系450のB−B’断面を示す図である。 図33は、図30に示すスピーカ400が備える振動系450の他の例を示す平面図である。 図34は、図30に示すスピーカ400が備える振動系450の他の例を示す平面図である。 図35は、図30に示すスピーカ400が備える振動系450の他の例を示す断面図である。 図36は、本発明のスピーカを備える薄型テレビを示す図である。 図37は、従来のスリム型スピーカ900の構造を示す図である。 図38は、従来のスリム型スピーカ900において、1Wの電力が入力された場合における再生音圧レベルと周波数特性との関係を示す図である。
符号の説明
100、200、300、400、900 スピーカ
101、201 箱型5面体
103 逆L字型フランジ
111、211、909 振動板
112、312、911 エッジ
113、114、904 フレーム
115、906 ボイスコイル
116、117、901 マグネット
118、121、122、903 ヨーク
119、120、902 プレート
150、250、350、450 振動系
235 補強リブ
250−1、250−2、250−3 モデル
356 突起部
362 仕切り
366 空隙
471、907 ダンパ
473 ダンパ台
905 ボイスコイルボビン
910 ダストキャップ
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るスピーカ100の一例を示す斜視図である。第1の実施形態に係るスピーカ100は、細長形状(スリム型)であって、振動板の駆動部分が大きく、また、振動板の剛性が高いことに、特に特徴を有する。
図2は、第1の実施形態に係るスピーカ100の振動系150を示す図である。図3は、スピーカ100の振動系150の構成要素を説明するための図である。図4は、図1に示すスピーカ100のA−A’断面を示す図である。図1及び図4に示す通り、スピーカ100は、振動板111と、エッジ112と、上フレーム113と、下フレーム114と、ボイスコイル115と、上マグネット116と、下マグネット117と、上ヨーク118と、上プレート119と、下プレート120と、下ヨーク121と、サイドヨーク122とを備える。また、図1に示す通り、スピーカ100は、縦方向の長さと横方向の長さとが異なる細長形状である。
まず、スピーカ100の振動系150の構造について説明する。図2及び図3に示すように、振動系150は、振動板111とエッジ112とから構成される。振動板111は、細長形状であって、縦方向と横方向の長さの比は、2以上:1であることが好ましい。言い換えると、振動板111において、縦方向の長さを1とした場合に横方向の長さは0.5以下であることが好ましい。なお、以下では、図2に示すように、振動板111の縦方向を長辺方向と呼び、横方向を短辺方向と呼ぶ。振動板111は、箱型5面体101と逆L字型フランジ103とで構成される。箱型5面体101は、細長い6面体の箱の長辺方向を構成する長方形面の1つを取り去った形状である。この取り去られた面を開口面と呼んでもよい。逆L字型フランジ103は、断面形状がL字形状(図4を参照)であって、箱型5面体101と同様に細長形状である。箱型5面体101の開口部102には、逆L字型フランジ103が固着される。図5は、スピーカ100が備えるボイスコイル115を示す図である。逆L字型フランジの平面部104(図3を参照)には、ボイスコイル115が固着される(図4を参照)。逆L字型フランジ103の下端部105(図3を参照)には、エッジ112の内周部106が接続される。エッジ112は、細長環形状であり、断面が略半円形状(弧形状)であるロールエッジ(図4を参照)である。エッジ112の凸方向と振動板111の凸方向とは、互いに反対方向を向く。エッジ112の外周107(図3を参照)は、上フレーム113と下フレーム114に挟持固着される(図4を参照)。上フレーム13及び下フレーム14は、略四角筒形状である。
なお、振動板111及びエッジ112を形成する材料は、ポリイミド樹脂又はPEN樹脂等であって、厚さが50μm〜数100μmである薄い高分子フィルムが好適である。図2に示す振動系150は、真空成型等を用いてこの高分子フィルムを一体成型することによって、連続した一体形状に形成される。しかし、振動系150は、インジェクション成型等を用いて一体成型されることによって、連続した一体形状に形成されてもよい。
次に、スピーカ100の全体構造について、図1及び図4を主に用いて説明する。図4に示すように、振動板111における箱型5面体101の開口部102の下側には、下プレート120が空間を空けて配置され、下プレート120の下側には下マグネット117が固着され、また、下マグネット117の下側には下ヨーク121が固着される。この様に、下プレート120、下マグネット117、及び下ヨーク121は、振動板111の凸方向とは逆の方向に位置する。下ヨーク121は、振動板111の短辺方向に延長されて、下フレーム114に固着される。エッジ112の上側には、上プレート119が空間を空けて配置され、上プレート119の上側には上マグネット116が固着され、上マグネット116の上側には上ヨーク118が固着され、上ヨーク118は上フレーム113と固着される。上ヨーク118と下ヨーク121とは、サイドヨーク122により磁気的に接続される。以上の構造によって構成された、下プレート120から上プレート119までの磁気回路によって、図4に示す磁気ギャップGに磁束が発生する。なお、上マグネット116及び下マグネット117は、振動板111と同様に、上側から視た形状は矩形形状である。上マグネット116は、当該上マグネット116の長辺方向と、振動板111の長辺方向とが一致する向きで配置される。同様に、下マグネット117は、当該下マグネット117の長辺方向と、振動板111の長辺方向とが一致する向きで配置される。また、上記した磁気回路において、下プレート120及び下マグネット117を内磁極と呼び、また、上プレート119及び上マグネット116を外磁極と呼んでもよい。
振動板111には、図4に示すように、図5に示すボイスコイル115が固着される。図5に示すように、ボイスコイル115を上面から視た形状は矩形である。ボイスコイル115は、振動板111と中心軸が一致するように、振動板111の外周の段差部分に巻き付けられて固着される。より具体的には、ボイスコイル115は、箱型5面体101の側面下端と逆L字型フランジ103の平面部104の両面に、例えば接着剤を介して、固着される。ここで、箱型5面体101は、ボイスコイル115の厚さ(高さ)の2倍以上の高さを有する。このことから、ボイスコイル115は、図4に示すように、上下方向に関して、振動系150の中間位置付近に配置可能となる。より具体的には、ボイスコイル115は、箱型5面体101の上端とエッジ112の下端との中間位置付近に配置可能となる。なお、図37に示す従来のスリム型スピーカ900のような一般的なスピーカでは、ボイスコイルは、振動板の下端部又は当該下端部よりも下側に配置される。ボイスコイル115の両端には引き出し配線110が設けられ(図5を参照)、当該引き出し配線110は、上フレーム113等に設けられた入力端子(図示せず)に、空間中を経て接続される。そして、引き出し配線110には、駆動電流が供給される。ここで、図4に示すように、振動板111は、エッジ112が上フレーム113と下フレーム114とに狭持保持されることによって支持されて、磁気ギャップG中に配置される。また、エッジ112は高い柔軟性を有する。また、上述したように、ボイスコイル115は、振動板111に固着される。このことによって、ボイスコイル115に電流を印可することで生じたボイスコイル115の駆動力によって、振動板111が振動して空間に音波が放射され音声が再生される。
以下では、口径8cmの円形スピーカ相当の出力をスピーカ100によって発生させる場合において、振動系150及びボイスコイル115の好ましい寸法の一例について、具体的に説明する。この場合には、ボイスコイル115に用いる銅線の直径は、通常φ0.1mmからφ0.2mm程度となる。このことから、ボイスコイル115において、銅線の束の巻き幅は、2層巻きの場合、0.5mm程度となる。ここで、逆L字型フランジ103の平坦部104の幅は、ボイスコイル115を構成する巻き線の巻き幅以上であることが好ましい。従って、逆L字型フランジ103の平坦部104の幅は、0.5mmから1mm程度と短くなる。そして、口径8cmの円形スピーカ相当の出力をスピーカ100によって発生させるためには、箱型5面体101の短辺長さは7mm、長辺長さは120mmが好ましく、また、エッジ112の短辺長さは20mm、長辺長さは140mmが好ましい。なお、上記したように逆L字型フランジ103の平坦部104の幅は狭いので、振動板111の長辺長さは、箱型5面体101の長辺長さとほぼ等しくなる。また、以上に説明したの寸法の場合、箱型5面体101の長辺長さは、振動系150の長辺長さの85.7%となる。
以上に説明した構成によって、スピーカ100において、振動板111は、長辺方向に関しては全体が駆動され、短辺方向に関しては最端部が駆動される。また、この構成によって、スピーカ100は、振動板111の共振を抑制できる。以下では、スピーカ100における、振動板111の共振抑制効果について説明する。
まず、振動板111の長辺方向に関する共振抑制効果を説明する。ここで、仮に、従来のスリム型スピーカ900と同様に、振動板111を1点のみで中心駆動した場合には、多数の共振が誘起されて、音圧周波数特性は、ピーク及びディップの多い特性となる(図38を参照)。これは、振動板111が薄いフィルムから成る細長形状であるために、振動板111の長辺方向に低周波数から多数の共振が生じるからである。
しかしながら、本発明のスピーカ100では、振動板111の長辺方向全体に駆動力を与えるので、振動板111の長辺方向に関する共振を抑制できる。以下に、スピーカ100における振動板111の長辺方向の駆動部分長さと共振抑制効果との関係について、有限要素法解析を用いて説明する。
図6は、有限要素法解析対象であるスピーカ100の平面図であり、振動板111の長辺方向に関する共振について説明するための図である。有限要素法解析において、ボイスコイル115の特定の部分(f_lで示す部分)に、ボイスコイル115に駆動電流が印加されることによって生じる駆動力Fを印加した。図6に示す白抜き矢印は、駆動力Fが印加される部分を示す。そして、駆動力Fが印加されるf_lで示す部分の長さを「0」から徐々に増加させて、音圧周波数特性の変化を求めた。具体的には、f_lの長さを、振動系150の中心線A−A’上のみに駆動力Fを印加した場合の長さ「0」から、ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合の「c_l」まで増加させた。なお、上記した解析において、振動系150は厚さ0.075mmのポリイミド樹脂フィルムから成り、振動系150の全長d_lは90mmであり、ボイスコイル115の全長c_lは65mmである。この場合、ボイスコイル115が振動系150に占める割合は、約72%である。
図7は、中心線A−A’上のみに駆動力Fを印加した場合(f_l=0の場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図である。図7に示すように、Xで示す800Hz付近に最初の大きなピークディップが発生し、Yで示す周波数付近に次の大きなピークディップが発生し、また、Zで示す周波数付近にその次の大きなピークディップが発生している。これらX、Y、Zで示す周波数付近で生じる振動モードを精査した結果、X、Y付近のピークディップは振動系150の長辺方向の共振モードによって生じ、Z付近のピークディップは振動系150の短辺方向の共振モードによって生じたことが判った。なお、最低共振周波数Fは、140Hz付近に存在している。
図8は、Xで示す周波数付近で生じたピークにおけるボイスコイル115の長辺方向に関する振動モードを示す図である。Xで示す周波数付近で生じたピークにおけるボイスコイル115の振動モードは、図6に示す中心線A−A’を中心として左右対称形状であるので、図8には右半分のモード形状のみを示している。なお、図8において、モード形状の左端が、中心線A−A’の位置に対応し、モード形状の右端が、ボイスコイル115の長辺方向の端部に対応する。図8に示された共振モードは、振動板111の中心部及び端部の振幅が極大となる共振モードであるので、長辺方向に関する第1次共振モードである。
駆動力Fが印加されるf_lで示す部分の長さを0から徐々に増やすと、振動板111の長辺方向の共振は抑制され、この結果として、X及びY付近のピークディップは小さくなる。図9は、ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合(f_l=c_lの場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図である。図9に示すように、ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合には、振動系150の長辺方向の共振モードによって生じたX、Y付近のピークディップは、ほぼ消滅している。このことによって、スピーカ100において高音質で使用可能な音声再生帯域は、図9に示すZ付近の周波数帯域まで拡大される。つまり、振動板111の長辺方向に関して駆動部分長さを増加させることによって、当該長辺方向における共振モードは抑制される。図10は、以上に説明した有限要素法解析によって求めた、長辺方向に関して振動系150に占める振動板の駆動部分長さ(f_l/d_l)とピークディップ(音圧偏差)との関係を示す図である。図10に示すように、長辺方向に関して振動系150全体のうち60%以上を駆動すれば、音圧偏差は、一般に好ましいとされる音圧偏差3dB以内となることが判る。
以上では振動板111の長辺方向に関する共振抑制効果について説明を行った。以下では、振動板111の短辺方向に関する共振抑制効果について説明を行う。
既に説明しように、スピーカ100において、振動板111は、長辺方向に関しては全体が駆動され、短辺方向に関しては最端部が駆動される。このことから、振動板111の短辺方向に関する共振を完全に抑制することは困難である。この結果、図9に示すように、振動板111の短辺方向に関する第1次共振モード(Zを参照)は存在する。
しかしながら、振動板111は、箱形5面体101が有する張り出し構造の効果によって、短辺方向に関する共振周波数は平面形状に比べて高くなる。振動板111(箱形5面体101)は、既に説明したように、ポリイミド樹脂等の薄いフィルム材料から成り、通常50μm〜数100μmの厚さである。また、箱形5面体101の張り出し高さ(厚さ)は、ボイスコイル115の高さ(厚さ)の2倍以上の高さであることが好ましい。なお、口径8cmの円形スピーカ相当の出力をスピーカ100によって発生させる場合には、箱形5面体101の張り出し高さは、5mm程度となる。ここで、箱形5面体101の厚さが50μmであって、箱形5面体101の張り出し高さが5mmである場合、これら50μmと5mmとを単純に比較すると100倍の差がある。この100倍の差が短辺方向に関する共振抑制効果に直接反映するわけではないが、上記した張り出し構造によって振動板111の短辺方向の剛性は大幅に向上する。この結果として、振動板111の短辺方向に関して、共振は抑制され、第1次共振モードの共振周波数は高くなる。
以上に説明した通り、第1の実施形態に係るスピーカ100によれば、長辺方向に関しては振動系150の全長の60%以上の長さに駆動力を与えることによって長辺方向の共振を抑制し、また、短辺方向に関しては高剛性な振動板111の構造によって短辺方向の共振周波数を高くできる。このことによって、スピーカ100は、音圧周波数特性を高周波数まで平坦にでき、振動板111に高周波数まで共振の影響を抑制したピストン運動を行わせることができる。この結果として、第1の実施形態に係るスピーカ100は、従来のスリム型スピーカ900(図37を参照)に比べて音質を大幅に改善できる。
なお、既に説明したように、振動板111の寸法において、長辺方向の長さを1とした場合に短辺方向の長さは0.5以下であることが好ましい。ここで、振動板111が仮に平板形状である場合、振動板111において、短辺方向の第1次共振周波数は、長辺方向の第1次共振周波数の2乗に反比例する。例えば、振動板111の寸法の縦横比を2:1とし、振動板111の長辺方向の第1次共振周波数をfL1[Hz]とし、振動板111の短辺方向の第1次共振周波数をfS1[Hz]とする場合、fS1は、4*fL1の値になる。振動板111が箱型5面体形状である場合は短辺方向の長さが張り出しにより長くなるので共振周波数は下がるが、第1の実施形態に係るスピーカ100の共振抑制効果は、振動板111が細長形状になるほど大きくなるといえる。
以下では、第1の実施形態に係るスピーカ100が有する、薄型形状を実現できる効果について説明する。図4に示すように、第1の実施形態に係るスピーカ100では、ボイスコイル115は、箱型5面体101の凸部頂点とエッジ112のロール形状の凸部頂点との略中間に位置する。つまり、ボイスコイル115は、上下方向に関して振動系150の略中間位置に配置される。また、下プレート120及び下マグネット117から成る内磁極は、振動板111の凹部に配置される。また、上プレート119及び上マグネット116から成る2つの外磁極は、振動板111の両サイドであってエッジ112のロール形状の凹方向に配置される。そして、内磁極と外磁極との間に、ボイスコイル115は位置する。このような配置によって、内磁極及び外磁極は、振動板111とエッジ112とから成る振動系150の凹部分に入れ込まれる。また、このような配置によって、内磁極の位置を設定する際には、内磁極と振動板111とのクリアランスを考慮すればよく、また、外磁極の位置を設定する際には、外磁極とエッジ112とのクリアランスを考慮すればよい。より具体的には、内磁極の位置を設定する際には、振動板111が振動して下がる距離のみを考慮すればよい。なぜなら、振動板111が振動して上がる方向には接触する部品は原則として存在しないので、振動板111の上側のクリアランスは考慮する必要が無いからである。また、外磁極の位置を設定する際には、エッジ112が振動して上がる距離のみを考慮すればよい。なぜなら、エッジ112が振動して下がる方向には接触する部品は原則として存在しないので、エッジ112の下側のクリアランスは考慮する必要が無いからである。以上に説明したように、第1の実施形態に係るスピーカ100は、内磁極及び外磁極が振動系150の凹部分に入れ込まれて配置されるので、一般的なスピーカ(図37を参照)よりも大幅な薄型化を実現できる。
以上に説明した通り、第1の実施形態に係るスピーカ100によれば、従来のスリム型スピーカ900(図37を参照)に比べて、音質を大幅に改善でき、加えて、薄型形状を実現できる。
なお、以上では、上ヨーク118側に開口部を設けて、上ヨーク118側から音声を放射する構造とした(図1及び図4を参照)。しかしながら、図11に示すように、上ヨーク118側に開口部を設けず、下ヨーク121側に開口部125を設けて、下ヨーク121側から音声を放射する構造としてもよい。このことによって、振動系150の裏側から生じる音声を放射できる。
また、図12に示すように、上ヨーク118側に開口部を設けず、サイドヨーク122側に開口部127を設けて、サイドヨーク122側から音声を放射する構造としてもよい。この場合、上ヨーク118側の開口部は、例えば、上部フレーム130によって塞がれる。このことによって、スピーカ100の側面から音声を放射できるので、スピーカ100をより狭い隙間に実装できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るスピーカ200は、第1の実施形態に係るスピーカ100が有する特徴に加えて、振動板の短辺方向に関する剛性を高める補強リブが振動板に設けられていることに、特に特徴を有する。なお、第2の実施形態に係るスピーカ200において、第1の実施形態に係るスピーカ100と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、原則として説明を省略する。
図13は、第2の実施形態に係るスピーカ200の一例を示す斜視図である。図14及び図15は、第2の実施形態に係るスピーカ200の振動系250を示す図である。図16は、振動系250を構成する箱型5面体201を示す斜視図である。
図13〜図15に示すように、第2の実施形態に係るスピーカ200は、第1の実施形態に係るスピーカ100(図1及び図2を参照)に対して、振動系150を振動系250に置き換えた構成である。振動系250は、振動系150に対して、振動板111を振動板211に置き換えた構成である。振動板211は、振動板111に対して、箱型5面体101を箱型5面体201に置き換えた構成である。
図16に示すように、箱型5面体201は、箱型5面体101(図3を参照)における長辺方向と平行な3つの面に、短辺方向に関する剛性を高める凹凸から成る複数の補強リブ235を設けた構造である。なお、補強リブ235は、図16に示すように、箱型5面体201における長辺方向と平行な3つの面に、連続した凹凸形状によって設けられるのが好ましい。また、補強リブ235は、振動系250を一体成型する際に、同時に一体的に形成されるのが好ましい。
以下では、第2の実施形態に係るスピーカ200が奏する効果について説明する。第2の実施形態に係るスピーカ200は、振動板211の短辺方向の剛性を補強リブ235によって更に高めることによって、第1の実施形態に係るスピーカ100が奏する効果に加えて、共振周波数を更に高めることができる。以下に、補強リブ235の効果について、有限要素法解析を用いて具体的に説明する。
図17は、補強リブ235が箱型5面体201の上面にのみ形成された場合における振動系250の短辺方向の断面形状のモデル250−1を示す図である。図17において、モデル250−1は、左右対称である振動系250の断面形状の中心線o−o’から左半分のモデルである。図17に示すように、補強リブ235は、箱型5面体201の上面にのみ形成される。ボイスコイル115は、箱型5面体201と逆L字型フランジ103との接合点近傍に固着される。逆L字型フランジ103の端部にはエッジ112の内周部が接合され、エッジ112の外周部は上フレーム113等(図示せず)によって固定される。モデル250−1において、厚さを50μmとし、振動系250の左半分の幅(中心線o−o’からエッジ112の外周部までの幅)を10mmとし、箱型5面体201の左半分の幅を3.5mmとし、材料をポリイミド樹脂とした。そして、有限要素法解析を用いて、モデル250−1のボイスコイル115に駆動力を加えてモデル250−1の変形を解析し、中心線o−o’上であって箱型5面体201の上面から1m離れた観測点における音圧周波数特性を計算した。
図18は、上記したモデル250−1の有限要素法解析結果を示す図である。図18において、横軸は音声の再生周波数、縦軸は音声の再生音圧レベルを示す。図18に示すように、周波数5.5kHzと10.05kHzとに共振に起因する再生音圧のピークが発生して、特性が乱れている。なお、Fは、最低共振周波数を示す。一般に、スピーカには、再生周波数が変動しても再生音圧は一定となる特性が求められる。このため、モデル250−1において、高音質で音声再生可能な使用帯域は、5.5kHzまでとなる。このことから、高音質で音声再生可能な使用帯域を拡大するためには、5.5kHzと10.05kHzとに存在する再生音圧のピークを、より高い周波数まで持ち上げる必要がある。
ここで、第1の実施形態で説明した通り、スピーカ200において、振動系250の長辺方向に関しては振動板211全体が駆動されるので、長辺方向に関しての共振は抑制される。従って、振動系250の短辺方向に関しての共振周波数によって、高音質で音声再生可能な使用帯域(以下、単に、使用帯域と呼ぶ)の限界が決まる。そこで、モデル250−1に比べて、振動系250全体の短辺方向の幅は変更せず、箱型5面体201の幅を変更した2つのモデル250−2及び250−3を作成し、モデル250−1を含めた3つのモデルの使用帯域を比較した。
図19は、モデル250−2、250−1、及び250−3を示す図である。図19に示すように、モデル250−2の箱型5面体201の幅の半分は4.5mm、モデル250−1の箱型5面体201の幅の半分は3.5mm、モデル250−3の箱型5面体201の幅の半分は2.5mmである。なお、図19では、図17と同様に、振動系250の左半分をモデル化している。また、図19に示すモデル250−1は、図17に示すモデル250−1と同一である。
図20は、図19のモデル250−2、250−1、及び250−3の有限要素法解析結果を示す図である。なお、図20に示すモデル250−1の解析結果は、図18に示すモデル250−1の解析結果と同一である。また、Fは、最低共振周波数を示す。図20に示す通り、3つのモデルの音圧周波数特性を比較すると、2つ目の再生音圧のピークβが生じる周波数は、モデル250−2では9.9kHz、モデル250−1では10.5kHz、モデル250−3では10.9kHzである。このことから、箱型5面体201の幅が狭くなるに伴って、ピークβの周波数は高くなることが判る。一方で、図20に示す通り、1つ目の再生音圧のピークαが生じる周波数は、3つのモデルの全てにおいて5.5KHz近傍である。このことから、図19に示したモデルのように、単に、箱型5面体201の幅を変更することでは、使用帯域は拡大しないことが判る。
図21は、図17に示したモデル250−1において、変形前の形状に、5.5kHzでの共振モード形状(変形後の形状)を重畳した図である。図21に示す通り、5.5kHzで生じる共振は、ボイスコイル115が固着された箱型5面体201の側面部(図21のXで示す部分)の変形に起因することが判る。
そこで、使用帯域を拡大するために、箱型5面体201の側面部のヤング率を、10倍にして再度解析した。図22は、図17に示したモデル250−1において、箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にした場合の解析結果を示す図である。図22(a)は、箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にしたモデル250−1を示す図である。図22(a)に示すように、RFで示す箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にしている。なお、他の条件は、図17に示したモデル250−1と同一である。図22(b)は、図22(a)に示すモデル250−1の有限要素法解析の結果を示す図である。図22(b)に示す通り、5.5kHzに存在した再生音圧のピークαは消滅して、使用帯域が10.05kHzまで拡大している。この解析結果から、短辺方向に関する箱型5面体201の側面部の剛性を高めることによって、使用帯域を拡大できることが判る。
そこで、短辺方向に関する箱型5面体201の側面部の剛性を高めるために、箱型5面体201の上面部に加えて、側面部にも複数の凹凸から成る補強リブを設ける。以下に、有限要素法解析によって、この補強リブの効果を検証した。図23は、図17に示すモデル250−1を3次元モデル化し、また、箱型5面体201の側面と上面とに、連続した凹凸形状によって形成される補強リブ235を設けたモデルである。なお、計算都合上、図23のモデルにおいて、振動系250の長辺方向(B−B’方向)の幅は、補強リブ235が1つ形成される幅としている。図24は、図23に示す補強リブ235を有するモデルの有限要素法解析の結果を示す図である。図24に示す通り5.5kHzに存在した再生音圧のピークαは消滅して、使用帯域が10.05kHzまで拡大している。なお、以上では、補強リブ235は、箱型5面体201にのみ形成された。しかし、補強リブ235は、箱型5面体201から、最大で、逆L字型フランジ103の端部まで、一体形状で延長形成されてもよい。
以上に説明した有限要素解析結果から、第2の実施形態に係るスピーカ200によれば、振動系250を構成する箱型5面体201に複数の補強リブ235を設けることによって、第1の実施形態に係るスピーカ100(図1を参照)の効果に加えて、更に、音質を向上させることができる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態に係るスピーカ100及び200において、振動系を構成する振動板及びエッジは、同一材料を用いて1つの部材として一体的に形成された。第3の実施形態に係るスピーカ300(図示せず)では、振動系を構成する振動板とエッジとは、互いに別個の部材として形成され、その後互いに接続される点に、特に特徴を有する。以下では、一例として、第2の実施形態に係るスピーカ200と比較し、相違点を中心に説明を行う。なお、第3の実施形態に係るスピーカ300において、第2の実施形態に係るスピーカ200と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、原則として説明を省略する。
図25は、第3の実施形態に係るスピーカ300が備える振動系350を示す図である。図25に示すように、逆L字型フランジ103の下端部には、エッジ312が固着されている。振動板211は、例えば、ポリイミド樹脂等の高分子フィルムを材料に用いて真空成型等によって成型されてもよいし、更には、パルプ等を材料に用いて成型されてもよい。エッジ312は、振動板211とは異なる材料から成る。エッジ312は、例えば、粘弾性体である発泡ゴムを成型金型内で発泡成型することによって成型されてもよいし、また、例えば、ゴムと高分子との重合体である高分子エラストマー材料を用いてインジェクション成型されてもよい。
また、エッジ312は、図25に示すように断面が略半円形状(弧形状)であるロールエッジあり、ロール形状の最下部357の厚さが、ロール形状の基部358の厚さに比べて薄い形状である。ロール形状の基部358の厚さは、ロール形状の最下部357の厚さの1.5倍以上であることが好ましい。
また、図25中の拡大図(b)に示すように、逆L字型フランジ103の外周面に沿うように、エッジ312の内周面が接合される。逆L字型フランジ103とエッジ312とは、接着剤を用いて接合されてもよいし、インサート成型によって融着接合されてもよい。また、逆L字型フランジ103とエッジ312とを接合する際に、突起部356が形成されるようにすることが好ましい。
以下では、第3の実施形態に係るスピーカ300の動作および効果について説明する。スピーカ300では、振動系350を構成する振動板211とエッジ312とを別個の材料で形成する。このため、スピーカ300では、振動板211及びエッジ312の材料を、要求される特性に応じて選択できる。この結果として、スピーカ300によれば、更なる性能向上が図れる。以下、具体的に説明する。
上記したように、振動板211は、軽量で高剛性であるポリイミド樹脂等の高分子フィルム又はパルプ等から成る。このことから、振動板211は、少ない変形で高周波数まで振動できるので、使用帯域の上限が拡大する。また、エッジ312は、柔軟性が高い発泡ゴム又は高分子エラストマー等から成る。このことから、振動系350における最低共振周波数Fは低下するので、使用帯域の下限が拡大する。この結果として、使用帯域は大幅に拡大する。
加えて、上記したように、エッジ312は、ロール形状の最下部357の厚さが、ロール形状の基部358の厚さに比べて薄い形状である。このことによって、エッジ312の力変位特性において、振動板211の振動振幅が小さい領域ではロール形状の最下部357が主に変形し、振動振幅が増加するに伴ってロール形状の基部358の変形が徐々に生じるようにできる。この結果として、エッジ312において、低剛性を実現しつつ直線性に優れた力変位特性を実現できる。また、振動振幅が増加するに伴ってロール形状の基部358(厚い部分)の変形が徐々に生じるので、エッジ312は耐屈曲性に優れる。
更に、図25中の拡大図(b)に示すように、突起部356を形成する場合には、突起部356によって、振動板211にボイスコイル115(図示せず)を接着剤を用いて接着する際に、接着剤をせき止めて保持することが容易となる。このことによって、接着剤がエッジ312のロール部に流出して生じる最低共振周波数Fの変化及び異常音の発生を防ぐことができる。
以上に説明したように、第3の実施形態に係るスピーカ300によれば、第2の実施形態に係るスピーカ200の効果に加えて、更に、使用帯域を拡大し、また、信頼性に優れたスピーカを実現できる。
なお、以上では、スピーカ300は、補強リブを有する振動板211を備えるものとして説明した。しかしながら、スピーカ300は、補強リブを有さない振動板111を備えてもよい。
また、スピーカ300において、箱型5面体201の凹形状内部に仕切り262を設けてもよい。図26は、箱型5面体201の凹形状内部に仕切り362を設けたスピーカ300の振動系350を示す図である。図27は、図26の振動系350の断面図である。仕切り362は、例えば、箱形5面体201の中央に長辺方向と平行な3つの面をつなぐ形状で設けられる。また、仕切り362は、箱形5面体201の凹形状の深さと等しい高さまで形成されるのが好ましい。仕切り362を設けることによって、振動板211の剛性を更に高めることができる。ここで、他の実施形態に係るスピーカにおいても同様に仕切りを設けることができる。しかしながら、第3の実施形態に係るスピーカ300においては、振動板211はエッジ312と別個に成型されるので、製造都合上、他の実施形態に係るスピーカよりも容易に仕切りを設けることができる。ここで、仕切り362を設ける場合には、仕切り362と磁気回路との接触を回避するために、磁気回路を分割構造にする必要がある。図11に示した裏面から音声を放射するタイプのスピーカに、上記した仕切り362を適用する場合を例に挙げて説明する。図28は、この場合に用いられる磁気回路の下部分の斜視図である。図29は、図28に示す磁気回路の下部分の断面図である。図28及び図29に示すように、下マグネット117及び下プレート120には、仕切り362との接触を避けるために、空隙366が設けられる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るスピーカ400は、第1〜第3の実施形態に係るスピーカ100〜300が有する特徴に加えて、振動板のローリング運動を抑制するダンパが設けられることに、特徴を有する。以下では、一例として、第2の実施形態に係るスピーカ200と比較し、相違点を中心に説明を行う。なお、第4の実施形態に係るスピーカ400において、第2の実施形態に係るスピーカ200と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、原則として説明を省略する。
図30は、第4の実施形態に係るスピーカ400を示す斜視図である。図31は、図30に示すスピーカ400が備える振動系450を示す平面図である。図32は、図31に示す振動系450のB−B’断面を示す図である。図30〜図32に示すように、スピーカ400において、振動板211を構成する箱型5面体201の上面の長辺方向の両側端部には、それぞれ、ダンパ471の一端が接着される。ダンパ471は、図32に示す通り、断面が略半円状(弧形状)のロール形状である。ダンパ471の他端は、図30に示す通り、上フレーム113に設けられたダンパ台473に接着される。なお、ダンパ台473は、上フレーム113の一部を延長して形成されてもよい。ダンパ471の材料には、布にフェノール樹脂を含侵硬化したもの、高分子フィルム、発泡ゴムや粘弾性体エラストマー等から成る薄いシート等が用いられる。
図32に示すように、振動板211は、エッジ112とダンパ471とによって、Z方向に振動可能に支持される。より具体的には、振動板211は、箱型5面体201の上面の長辺方向の両側端部においてダンパ471に支持され、また、逆L字型フランジ103の下端外周においてエッジ112に支持される。このことによって、振動板211は立体的に支持されるので、振動板211のローリング運動を効果的に抑制できる。この結果として、第4の実施形態に係るスピーカ400によれば、振動板211は図32に示すZ方向にのみ振動するため、高音質の音声再生を実現できる。
なお、ダンパ471の形状は、図30〜図32に示したロールした短冊形状には限られず、例えば、図33に示すように、ロールした扇形状であってもよい。また、例えば、図34に示すように、振動板211は、箱型5面体201の上面の長辺方向の両側端部のそれぞれにおいて、放射状に接続される複数のダンパ471に支持されてもよい。図33又は図34に示すダンパの構成にすることによって、振動板211のローリング運動を更に効果的に抑制できる。また、図35に示す振動系450の断面図のように、ダンパ471のロール方向を反対にしても同様の効果が得られる(図32を参照)。
以上に説明した各実施形態係るスピーカは、高音質でありながらスリム化および薄型化が容易であるので、図36に示すように、薄型テレビ(薄型のテレビジョン放送受信機)に実装することが有効である。また、同様に、携帯電話やPDA等の電子機器に実装することも有効である。
本発明は、スピーカ等に利用可能であり、特に、スリム型スピーカにおいて高音質で音声を再生したい場合等に有用である。
本発明はスピーカに関し、より特定的には、スリム化及び薄型化が可能なスピーカに関する。
近年、ハイビジョンテレビやワイドビジョンテレビ等の普及によって、テレビの画面は横長のものが一般的になりつつある。また、我が国の比較的狭い住宅事情を理由として、テレビセット全体として狭幅で薄型のものが望まれている。
テレビ用のスピーカユニット(以下、単に、スピーカという)は、通常、ブラウン管の両脇に取り付けられるので、テレビセットの横幅を大きくする一因となっている。そのため、従来から、テレビ用のスピーカとして、角型や楕円型等の細長構造のスピーカが用いられてきた。また、ブラウン管の横長化によって、スピーカの横幅を更に狭くすることが要求されている。一方で、画面の高画質化に対応した音声の高音質化がスピーカに要求されている。加えて、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイを用いた薄型テレビが増加していることによって、スピーカのスリム化及び薄型化は更に要求されている。
ここで、従来の細長型(スリム型)のスピーカについて説明する。図37は、従来のスリム型スピーカ900の構造を示す図である。図37(a)は従来のスリム型スピーカ900の平面図であり、図37(b)は従来のスリム型スピーカ900の長手方向(c−c’)に関する断面図であり、図37(c)は短手方向(o−o’)に関する断面図である。図37に示すように、従来のスリム型スピーカ900は、マグネット901、プレート902、ヨーク903、フレーム904、ボイスコイルボビン905、ボイスコイル906、ダンパ907、振動板909、ダストキャップ910、及びエッジ911を備える。
ボイスコイル906は、銅、アルミ等から成る導体の巻き線であり、円筒形状のボイスコイルボビン905に固着される。ボイスコイルボビン905は、マグネット901とプレート902とヨーク903とから成る構造体の磁気ギャップ908中にボイスコイル906が位置するように、ボイスコイル906を支持する。また、ボイスコイルボビン905は、ダンパ907を介してフレーム904に接続される。また、ボイスコイルボビン905は、ボイスコイル906が固着される側の反対側において、楕円形状又は略楕円形状の振動板909に接着される。振動板909の中央部には、断面が略半円形状であるダストキャップ910が固着される。エッジ911は、環形状であり、かつ、断面が半円形状である。また、エッジ911の内周部は、振動板909の外周部に固着される。エッジ911の外周部は、フレーム904に固着される。
従来のスリム型スピーカ900を駆動させる場合、ボイスコイル906に駆動電流が印可される。この場合、ボイスコイル906に印可される駆動電流及びボイスコイル906の周りの磁界の作用によって、ボイスコイルボビン905はピストン運動を行う。このことによって、振動板909は、ボイスコイルボビン905のピストン運動の方向に振動する。この結果として、振動板909から音波が放射される。ここで、図37に示す従来のスリム型スピーカ900は、例えば、特許文献1に記載されている。図38は、従来のスリム型スピーカ900において、1Wの電力が入力された場合における再生音圧レベルと周波数特性との関係を示す図である。図38において、縦軸は再生音圧レベルを示し、横軸は駆動周波数を示す。なお、図38に示した再生音圧レベルを測定するマイクの配置位置は、スリム型スピーカ900の中心軸上であってスリム型スピーカ900から正面側に1m離れた位置である。
特開2004−32659号公報
しかしながら、上記した従来のスリム型スピーカ900には、以下の問題点があった。図37に示すように、従来のスリム型スピーカ900は、細長構造の振動板909の中央部分を駆動するという駆動方法を採っているために、振動板909の長手方向に関して分割共振が発生し易い。この結果として、再生音圧レベルに関する周波数特性は、音声再生帯域における中高帯域にピークディップを生じる特性となり、音質の劣化を招いていた。例えば、図38に示す特性では、2kHz、3kHzおよび5kHz付近に顕著なディップが見られる。
それ故に、本発明の目的は、上記した問題を解消することであって、スリム型(細長構造)でありながら分割共振が起こりにくく、広帯域にわたって平坦な周波数特性を得ることができる、音質の優れたスピーカを提供することである。
上記した問題を解決するために、本発明のスピーカは、1つの開口面を有する縦長の箱型5面体である振動板と、振動板を振動可能に支持するエッジと、振動板を構成する5面のうち開口面に隣接する4つの側面に巻きつけられて固定されるボイスコイルと、ボイスコイルに駆動力を与える磁気回路とを備え、振動板において、開口面から当該開口面に対向する上面までの高さはボイスコイルの厚さの2倍以上であり、当該上面の長辺は当該上面の短辺の2倍以上の長さであり、振動板の長手方向を形成する2つの側面及び上面には、凹凸形状から成る複数の補強リブが形成される。
また、振動板の開口面に隣接する4つの側面にはフランジが設けられ、ボイスコイルは、更に、フランジにも固定されることが好ましい。
また、振動板の内側には、少なくとも1つの仕切りが設けられてもよい。
また、エッジは、断面が弧形状であるシートから成り、当該弧形状の中央部から端部にかけて徐々に厚みが増してもよい。
また、エッジは、振動板とは異なる材質から成ってもよい。
また、エッジは、発泡ゴム又は高分子エラストマーから成り、振動板は、ポリイミド樹脂又はパルプから成ってもよい。
また、磁気回路は、直方体形状の1つの内磁極と直方体形状の2つの外磁極とを含み、1つの内磁極は、振動板の開口面に近接して配置され、2つの外磁極は、振動板の両サイドにそれぞれ配置されることが好ましい。
また、振動板の開口面に対向する上面に接続されて、当該振動板を振動可能に支持する少なくとも1つのダンパを更に備え、エッジは、振動板の開口面に隣接する4つの側面の当該開口面側の端部に接続されて当該振動板を支持してもよい。
また、ダンパは、断面が弧形状である扇状のシートから成ってもよい。
また、ダンパは、断面が弧形状である短冊状のシートから成ってもよい。
また、振動板の開口面に対向する上面に接続されて、当該振動板を振動可能に支持する複数のダンパを更に備え、複数のダンパのうち少なくとも2つは、振動板の開口面に対向する上面の同一位置に一端が接続され、他端は互いに異なる方向に向いて当該振動板を支持してもよい。
また、本発明は、上記したスピーカを備えた電子機器(典型的にはテレビジョン放送受信機)としてとらえることもできる。
本発明によれば、スリム型でありながら、分割共振が起こりにくく、広帯域にわたって平坦な周波数特性を得ることができる音質の優れたスピーカを提供できる。また、本発明によれば、薄型化されたスピーカを提供することができる。
第1の実施形態に係るスピーカ100の一例を示す斜視図 第1の実施形態に係るスピーカ100の振動系150を示す図 スピーカ100の振動系150の構成要素を説明するための図 図1に示すスピーカ100のA−A’断面を示す図 スピーカ100が備えるボイスコイル115を示す図 有限要素法解析対象であるスピーカ100の平面図 中心線A−A'上のみに駆動力Fを印加した場合(f_l=0の場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図 Xで示す周波数付近で生じたピークにおけるボイスコイル115の長辺方向に関する振動モードを示す図 ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合(f_l=c_lの場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図 有限要素法解析によって求めた、長辺方向に関して振動系150に占める振動板の駆動部分長さ(f_l/d_l)とピークディップ(音圧偏差)との関係を示す図 第1の実施形態に係るスピーカ100の他の一例を示す斜視図 第1の実施形態に係るスピーカ100の他の一例を示す斜視図 第2の実施形態に係るスピーカ200の一例を示す斜視図 第2の実施形態に係るスピーカ200の振動系250を示す図 第2の実施形態に係るスピーカ200の振動系250を示す図 振動系250を構成する箱型5面体201を示す斜視図 補強リブ235が箱型5面体201の上面にのみ形成された場合における振動系250の短辺方向の断面形状のモデル250−1を示す図 モデル250−1の有限要素法解析結果を示す図 モデル250−2、250−1、及び250−3を示す図 、図19のモデル250−2、250−1、及び250−3の有限要素法解析結果を示す図 図17に示したモデル250−1において、変形前の形状に、5.5kHzでの共振モード形状(変形後の形状)を重畳した図 図17に示したモデル250−1において、箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にした場合の解析結果を示す図 図17に示すモデル250−1を3次元モデル化し、また、箱型5面体201の側面と上面とに、連続した凹凸形状によって形成される補強リブ235を設けたモデルを示す図 図23に示す補強リブ235を有するモデルの有限要素法解析の結果を示す図 第3の実施形態に係るスピーカ300が備える振動系350を示す図 箱型5面体201の凹形状内部に仕切り362を設けたスピーカ300の振動系350を示す図 図26の振動系350の断面図 図11に示した裏面から音声を放射するタイプのスピーカに、仕切り362を適用する場合に用いられる磁気回路の下部分の斜視図 図28に示す磁気回路の下部分の断面図 第4の実施形態に係るスピーカ400を示す斜視図 図30に示すスピーカ400が備える振動系450を示す平面図 図31に示す振動系450のB−B’断面を示す図 図30に示すスピーカ400が備える振動系450の他の例を示す平面図 図30に示すスピーカ400が備える振動系450の他の例を示す平面図 図30に示すスピーカ400が備える振動系450の他の例を示す断面図 本発明のスピーカを備える薄型テレビを示す図 従来のスリム型スピーカ900の構造を示す図 従来のスリム型スピーカ900において、1Wの電力が入力された場合における再生音圧レベルと周波数特性との関係を示す図
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るスピーカ100の一例を示す斜視図である。第1の実施形態に係るスピーカ100は、細長形状(スリム型)であって、振動板の駆動部分が大きく、また、振動板の剛性が高いことに、特に特徴を有する。
図2は、第1の実施形態に係るスピーカ100の振動系150を示す図である。図3は、スピーカ100の振動系150の構成要素を説明するための図である。図4は、図1に示すスピーカ100のA−A’断面を示す図である。図1及び図4に示す通り、スピーカ100は、振動板111と、エッジ112と、上フレーム113と、下フレーム114と、ボイスコイル115と、上マグネット116と、下マグネット117と、上ヨーク118と、上プレート119と、下プレート120と、下ヨーク121と、サイドヨーク122とを備える。また、図1に示す通り、スピーカ100は、縦方向の長さと横方向の長さとが異なる細長形状である。
まず、スピーカ100の振動系150の構造について説明する。図2及び図3に示すように、振動系150は、振動板111とエッジ112とから構成される。振動板111は、細長形状であって、縦方向と横方向の長さの比は、2以上:1であることが好ましい。言い換えると、振動板111において、縦方向の長さを1とした場合に横方向の長さは0.5以下であることが好ましい。なお、以下では、図2に示すように、振動板111の縦方向を長辺方向と呼び、横方向を短辺方向と呼ぶ。振動板111は、箱型5面体101と逆L字型フランジ103とで構成される。箱型5面体101は、細長い6面体の箱の長辺方向を構成する長方形面の1つを取り去った形状である。この取り去られた面を開口面と呼んでもよい。逆L字型フランジ103は、断面形状がL字形状(図4を参照)であって、箱型5面体101と同様に細長形状である。箱型5面体101の開口部102には、逆L字型フランジ103が固着される。図5は、スピーカ100が備えるボイスコイル115を示す図である。逆L字型フランジの平面部104(図3を参照)には、ボイスコイル115が固着される(図4を参照)。逆L字型フランジ103の下端部105(図3を参照)には、エッジ112の内周部106が接続される。エッジ112は、細長環形状であり、断面が略半円形状(弧形状)であるロールエッジ(図4を参照)である。エッジ112の凸方向と振動板111の凸方向とは、互いに反対方向を向く。エッジ112の外周107(図3を参照)は、上フレーム113と下フレーム114に挟持固着される(図4を参照)。上フレーム113及び下フレーム114は、略四角筒形状である。
なお、振動板111及びエッジ112を形成する材料は、ポリイミド樹脂又はPEN樹脂等であって、厚さが50μm〜数100μmである薄い高分子フィルムが好適である。図2に示す振動系150は、真空成型等を用いてこの高分子フィルムを一体成型することによって、連続した一体形状に形成される。しかし、振動系150は、インジェクション成型等を用いて一体成型されることによって、連続した一体形状に形成されてもよい。
次に、スピーカ100の全体構造について、図1及び図4を主に用いて説明する。図4に示すように、振動板111における箱型5面体101の開口部102の下側には、下プレート120が空間を空けて配置され、下プレート120の下側には下マグネット117が固着され、また、下マグネット117の下側には下ヨーク121が固着される。この様に、下プレート120、下マグネット117、及び下ヨーク121は、振動板111の凸方向とは逆の方向に位置する。下ヨーク121は、振動板111の短辺方向に延長されて、下フレーム114に固着される。エッジ112の上側には、上プレート119が空間を空けて配置され、上プレート119の上側には上マグネット116が固着され、上マグネット116の上側には上ヨーク118が固着され、上ヨーク118は上フレーム113と固着される。上ヨーク118と下ヨーク121とは、サイドヨーク122により磁気的に接続される。以上の構造によって構成された、下プレート120から上プレート119までの磁気回路によって、図4に示す磁気ギャップGに磁束が発生する。なお、上マグネット116及び下マグネット117は、振動板111と同様に、上側から視た形状は矩形形状である。上マグネット116は、当該上マグネット116の長辺方向と、振動板111の長辺方向とが一致する向きで配置される。同様に、下マグネット117は、当該下マグネット117の長辺方向と、振動板111の長辺方向とが一致する向きで配置される。また、上記した磁気回路において、下プレート120及び下マグネット117を内磁極と呼び、また、上プレート119及び上マグネット116を外磁極と呼んでもよい。
振動板111には、図4に示すように、図5に示すボイスコイル115が固着される。図5に示すように、ボイスコイル115を上面から視た形状は矩形である。ボイスコイル115は、振動板111と中心軸が一致するように、振動板111の外周の段差部分に巻き付けられて固着される。より具体的には、ボイスコイル115は、箱型5面体101の側面下端と逆L字型フランジ103の平面部104の両面に、例えば接着剤を介して、固着される。ここで、箱型5面体101は、ボイスコイル115の厚さ(高さ)の2倍以上の高さを有する。このことから、ボイスコイル115は、図4に示すように、上下方向に関して、振動系150の中間位置付近に配置可能となる。より具体的には、ボイスコイル115は、箱型5面体101の上端とエッジ112の下端との中間位置付近に配置可能となる。なお、図37に示す従来のスリム型スピーカ900のような一般的なスピーカでは、ボイスコイルは、振動板の下端部又は当該下端部よりも下側に配置される。ボイスコイル115の両端には引き出し配線110が設けられ(図5を参照)、当該引き出し配線110は、上フレーム113等に設けられた入力端子(図示せず)に、空間中を経て接続される。そして、引き出し配線110には、駆動電流が供給される。ここで、図4に示すように、振動板111は、エッジ112が上フレーム113と下フレーム114とに狭持保持されることによって支持されて、磁気ギャップG中に配置される。また、エッジ112は高い柔軟性を有する。また、上述したように、ボイスコイル115は、振動板111に固着される。このことによって、ボイスコイル115に電流を印可することで生じたボイスコイル115の駆動力によって、振動板111が振動して空間に音波が放射され音声が再生される。
以下では、口径8cmの円形スピーカ相当の出力をスピーカ100によって発生させる場合において、振動系150及びボイスコイル115の好ましい寸法の一例について、具体的に説明する。この場合には、ボイスコイル115に用いる銅線の直径は、通常φ0.1mmからφ0.2mm程度となる。このことから、ボイスコイル115において、銅線の束の巻き幅は、2層巻きの場合、0.5mm程度となる。ここで、逆L字型フランジ103の平面部104の幅は、ボイスコイル115を構成する巻き線の巻き幅以上であることが好ましい。従って、逆L字型フランジ103の平面部104の幅は、0.5mmから1mm程度と短くなる。そして、口径8cmの円形スピーカ相当の出力をスピーカ100によって発生させるためには、箱型5面体101の短辺長さは7mm、長辺長さは120mmが好ましく、また、エッジ112の短辺長さは20mm、長辺長さは140mmが好ましい。なお、上記したように逆L字型フランジ103の平面部104の幅は狭いので、振動板111の長辺長さは、箱型5面体101の長辺長さとほぼ等しくなる。また、以上に説明した寸法の場合、箱型5面体101の長辺長さは、振動系150の長辺長さの85.7%となる。
以上に説明した構成によって、スピーカ100において、振動板111は、長辺方向に関しては全体が駆動され、短辺方向に関しては最端部が駆動される。また、この構成によって、スピーカ100は、振動板111の共振を抑制できる。以下では、スピーカ100における、振動板111の共振抑制効果について説明する。
まず、振動板111の長辺方向に関する共振抑制効果を説明する。ここで、仮に、従来のスリム型スピーカ900と同様に、振動板111を1点のみで中心駆動した場合には、多数の共振が誘起されて、音圧周波数特性は、ピーク及びディップの多い特性となる(図38を参照)。これは、振動板111が薄いフィルムから成る細長形状であるために、振動板111の長辺方向に低周波数から多数の共振が生じるからである。
しかしながら、本発明のスピーカ100では、振動板111の長辺方向全体に駆動力を与えるので、振動板111の長辺方向に関する共振を抑制できる。以下に、スピーカ100における振動板111の長辺方向の駆動部分長さと共振抑制効果との関係について、有限要素法解析を用いて説明する。
図6は、有限要素法解析対象であるスピーカ100の平面図であり、振動板111の長辺方向に関する共振について説明するための図である。有限要素法解析において、ボイスコイル115の特定の部分(f_lで示す部分)に、ボイスコイル115に駆動電流が印加されることによって生じる駆動力Fを印加した。図6に示す白抜き矢印は、駆動力Fが印加される部分を示す。そして、駆動力Fが印加されるf_lで示す部分の長さを「0」から徐々に増加させて、音圧周波数特性の変化を求めた。具体的には、f_lの長さを、振動系150の中心線A−A’上のみに駆動力Fを印加した場合の長さ「0」から、ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合の「c_l」まで増加させた。なお、上記した解析において、振動系150は厚さ0.075mmのポリイミド樹脂フィルムから成り、振動系150の全長d_lは90mmであり、ボイスコイル115の全長c_lは65mmである。この場合、ボイスコイル115が振動系150に占める割合は、約72%である。
図7は、中心線A−A’上のみに駆動力Fを印加した場合(f_l=0の場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図である。図7に示すように、Xで示す800Hz付近に最初の大きなピークディップが発生し、Yで示す周波数付近に次の大きなピークディップが発生し、また、Zで示す周波数付近にその次の大きなピークディップが発生している。これらX、Y、Zで示す周波数付近で生じる振動モードを精査した結果、X、Y付近のピークディップは振動系150の長辺方向の共振モードによって生じ、Z付近のピークディップは振動系150の短辺方向の共振モードによって生じたことが判った。なお、最低共振周波数F0は、140Hz付近に存在している。
図8は、Xで示す周波数付近で生じたピークにおけるボイスコイル115の長辺方向に関する振動モードを示す図である。Xで示す周波数付近で生じたピークにおけるボイスコイル115の振動モードは、図6に示す中心線A−A’を中心として左右対称形状であるので、図8には右半分のモード形状のみを示している。なお、図8において、モード形状の左端が、中心線A−A’の位置に対応し、モード形状の右端が、ボイスコイル115の長辺方向の端部に対応する。図8に示された共振モードは、振動板111の中心部及び端部の振幅が極大となる共振モードであるので、長辺方向に関する第1次共振モードである。
駆動力Fが印加されるf_lで示す部分の長さを0から徐々に増やすと、振動板111の長辺方向の共振は抑制され、この結果として、X及びY付近のピークディップは小さくなる。図9は、ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合(f_l=c_lの場合)における、スピーカ100の音圧周波数特性の解析結果を示す図である。図9に示すように、ボイスコイル115全体に駆動力Fを印加した場合には、振動系150の長辺方向の共振モードによって生じたX、Y付近のピークディップは、ほぼ消滅している。このことによって、スピーカ100において高音質で使用可能な音声再生帯域は、図9に示すZ付近の周波数帯域まで拡大される。つまり、振動板111の長辺方向に関して駆動部分長さを増加させることによって、当該長辺方向における共振モードは抑制される。図10は、以上に説明した有限要素法解析によって求めた、長辺方向に関して振動系150に占める振動板の駆動部分長さ(f_l/d_l)とピークディップ(音圧偏差)との関係を示す図である。図10に示すように、長辺方向に関して振動系150全体のうち60%以上を駆動すれば、音圧偏差は、一般に好ましいとされる音圧偏差3dB以内となることが判る。
以上では振動板111の長辺方向に関する共振抑制効果について説明を行った。以下では、振動板111の短辺方向に関する共振抑制効果について説明を行う。
既に説明しように、スピーカ100において、振動板111は、長辺方向に関しては全体が駆動され、短辺方向に関しては最端部が駆動される。このことから、振動板111の短辺方向に関する共振を完全に抑制することは困難である。この結果、図9に示すように、振動板111の短辺方向に関する第1次共振モード(Zを参照)は存在する。
しかしながら、振動板111は、箱形5面体101が有する張り出し構造の効果によって、短辺方向に関する共振周波数は平面形状に比べて高くなる。振動板111(箱形5面体101)は、既に説明したように、ポリイミド樹脂等の薄いフィルム材料から成り、通常50μm〜数100μmの厚さである。また、箱形5面体101の張り出し高さ(厚さ)は、ボイスコイル115の高さ(厚さ)の2倍以上の高さであることが好ましい。なお、口径8cmの円形スピーカ相当の出力をスピーカ100によって発生させる場合には、箱形5面体101の張り出し高さは、5mm程度となる。ここで、箱形5面体101の厚さが50μmであって、箱形5面体101の張り出し高さが5mmである場合、これら50μmと5mmとを単純に比較すると100倍の差がある。この100倍の差が短辺方向に関する共振抑制効果に直接反映するわけではないが、上記した張り出し構造によって振動板111の短辺方向の剛性は大幅に向上する。この結果として、振動板111の短辺方向に関して、共振は抑制され、第1次共振モードの共振周波数は高くなる。
以上に説明した通り、第1の実施形態に係るスピーカ100によれば、長辺方向に関しては振動系150の全長の60%以上の長さに駆動力を与えることによって長辺方向の共振を抑制し、また、短辺方向に関しては高剛性な振動板111の構造によって短辺方向の共振周波数を高くできる。このことによって、スピーカ100は、音圧周波数特性を高周波数まで平坦にでき、振動板111に高周波数まで共振の影響を抑制したピストン運動を行わせることができる。この結果として、第1の実施形態に係るスピーカ100は、従来のスリム型スピーカ900(図37を参照)に比べて音質を大幅に改善できる。
なお、既に説明したように、振動板111の寸法において、長辺方向の長さを1とした場合に短辺方向の長さは0.5以下であることが好ましい。ここで、振動板111が仮に平板形状である場合、振動板111において、短辺方向の第1次共振周波数は、長辺方向の第1次共振周波数の2乗に反比例する。例えば、振動板111の寸法の縦横比を2:1とし、振動板111の長辺方向の第1次共振周波数をfL1[Hz]とし、振動板111の短辺方向の第1次共振周波数をfS1[Hz]とする場合、fS1は、4*fL1の値になる。振動板111が箱型5面体形状である場合は短辺方向の長さが張り出しにより長くなるので共振周波数は下がるが、第1の実施形態に係るスピーカ100の共振抑制効果は、振動板111が細長形状になるほど大きくなるといえる。
以下では、第1の実施形態に係るスピーカ100が有する、薄型形状を実現できる効果について説明する。図4に示すように、第1の実施形態に係るスピーカ100では、ボイスコイル115は、箱型5面体101の凸部頂点とエッジ112のロール形状の凸部頂点との略中間に位置する。つまり、ボイスコイル115は、上下方向に関して振動系150の略中間位置に配置される。また、下プレート120及び下マグネット117から成る内磁極は、振動板111の凹部に配置される。また、上プレート119及び上マグネット116から成る2つの外磁極は、振動板111の両サイドであってエッジ112のロール形状の凹方向に配置される。そして、内磁極と外磁極との間に、ボイスコイル115は位置する。このような配置によって、内磁極及び外磁極は、振動板111とエッジ112とから成る振動系150の凹部分に入れ込まれる。また、このような配置によって、内磁極の位置を設定する際には、内磁極と振動板111とのクリアランスを考慮すればよく、また、外磁極の位置を設定する際には、外磁極とエッジ112とのクリアランスを考慮すればよい。より具体的には、内磁極の位置を設定する際には、振動板111が振動して下がる距離のみを考慮すればよい。なぜなら、振動板111が振動して上がる方向には接触する部品は原則として存在しないので、振動板111の上側のクリアランスは考慮する必要が無いからである。また、外磁極の位置を設定する際には、エッジ112が振動して上がる距離のみを考慮すればよい。なぜなら、エッジ112が振動して下がる方向には接触する部品は原則として存在しないので、エッジ112の下側のクリアランスは考慮する必要が無いからである。以上に説明したように、第1の実施形態に係るスピーカ100は、内磁極及び外磁極が振動系150の凹部分に入れ込まれて配置されるので、一般的なスピーカ(図37を参照)よりも大幅な薄型化を実現できる。
以上に説明した通り、第1の実施形態に係るスピーカ100によれば、従来のスリム型スピーカ900(図37を参照)に比べて、音質を大幅に改善でき、加えて、薄型形状を実現できる。
なお、以上では、上ヨーク118側に開口部を設けて、上ヨーク118側から音声を放射する構造とした(図1及び図4を参照)。しかしながら、図11に示すように、上ヨーク118側に開口部を設けず、下ヨーク121側に開口部125を設けて、下ヨーク121側から音声を放射する構造としてもよい。このことによって、振動系150の裏側から生じる音声を放射できる。
また、図12に示すように、上ヨーク118側に開口部を設けず、サイドヨーク122側に開口部127を設けて、サイドヨーク122側から音声を放射する構造としてもよい。この場合、上ヨーク118側の開口部は、例えば、上部フレーム130によって塞がれる。このことによって、スピーカ100の側面から音声を放射できるので、スピーカ100をより狭い隙間に実装できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るスピーカ200は、第1の実施形態に係るスピーカ100が有する特徴に加えて、振動板の短辺方向に関する剛性を高める補強リブが振動板に設けられていることに、特に特徴を有する。なお、第2の実施形態に係るスピーカ200において、第1の実施形態に係るスピーカ100と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、原則として説明を省略する。
図13は、第2の実施形態に係るスピーカ200の一例を示す斜視図である。図14及び図15は、第2の実施形態に係るスピーカ200の振動系250を示す図である。図16は、振動系250を構成する箱型5面体201を示す斜視図である。
図13〜図15に示すように、第2の実施形態に係るスピーカ200は、第1の実施形態に係るスピーカ100(図1及び図2を参照)に対して、振動系150を振動系250に置き換えた構成である。振動系250は、振動系150に対して、振動板111を振動板211に置き換えた構成である。振動板211は、振動板111に対して、箱型5面体101を箱型5面体201に置き換えた構成である。
図16に示すように、箱型5面体201は、箱型5面体101(図3を参照)における長辺方向と平行な3つの面に、短辺方向に関する剛性を高める凹凸から成る複数の補強リブ235を設けた構造である。なお、補強リブ235は、図16に示すように、箱型5面体201における長辺方向と平行な3つの面に、連続した凹凸形状によって設けられるのが好ましい。また、補強リブ235は、振動系250を一体成型する際に、同時に一体的に形成されるのが好ましい。
以下では、第2の実施形態に係るスピーカ200が奏する効果について説明する。第2の実施形態に係るスピーカ200は、振動板211の短辺方向の剛性を補強リブ235によって更に高めることによって、第1の実施形態に係るスピーカ100が奏する効果に加えて、共振周波数を更に高めることができる。以下に、補強リブ235の効果について、有限要素法解析を用いて具体的に説明する。
図17は、補強リブ235が箱型5面体201の上面にのみ形成された場合における振動系250の短辺方向の断面形状のモデル250−1を示す図である。図17において、モデル250−1は、左右対称である振動系250の断面形状の中心線o−o’から左半分のモデルである。図17に示すように、補強リブ235は、箱型5面体201の上面にのみ形成される。ボイスコイル115は、箱型5面体201と逆L字型フランジ103との接合点近傍に固着される。逆L字型フランジ103の端部にはエッジ112の内周部が接合され、エッジ112の外周部は上フレーム113等(図示せず)によって固定される。モデル250−1において、厚さを50μmとし、振動系250の左半分の幅(中心線o−o’からエッジ112の外周部までの幅)を10mmとし、箱型5面体201の左半分の幅を3.5mmとし、材料をポリイミド樹脂とした。そして、有限要素法解析を用いて、モデル250−1のボイスコイル115に駆動力を加えてモデル250−1の変形を解析し、中心線o−o’上であって箱型5面体201の上面から1m離れた観測点における音圧周波数特性を計算した。
図18は、上記したモデル250−1の有限要素法解析結果を示す図である。図18において、横軸は音声の再生周波数、縦軸は音声の再生音圧レベルを示す。図18に示すように、周波数5.5kHzと10.05kHzとに共振に起因する再生音圧のピークが発生して、特性が乱れている。なお、F0は、最低共振周波数を示す。一般に、スピーカには、再生周波数が変動しても再生音圧は一定となる特性が求められる。このため、モデル250−1において、高音質で音声再生可能な使用帯域は、5.5kHzまでとなる。このことから、高音質で音声再生可能な使用帯域を拡大するためには、5.5kHzと10.05kHzとに存在する再生音圧のピークを、より高い周波数まで持ち上げる必要がある。
ここで、第1の実施形態で説明した通り、スピーカ200において、振動系250の長辺方向に関しては振動板211全体が駆動されるので、長辺方向に関しての共振は抑制される。従って、振動系250の短辺方向に関しての共振周波数によって、高音質で音声再生可能な使用帯域(以下、単に、使用帯域と呼ぶ)の限界が決まる。そこで、モデル250−1に比べて、振動系250全体の短辺方向の幅は変更せず、箱型5面体201の幅を変更した2つのモデル250−2及び250−3を作成し、モデル250−1を含めた3つのモデルの使用帯域を比較した。
図19は、モデル250−2、250−1、及び250−3を示す図である。図19に示すように、モデル250−2の箱型5面体201の幅の半分は4.5mm、モデル250−1の箱型5面体201の幅の半分は3.5mm、モデル250−3の箱型5面体201の幅の半分は2.5mmである。なお、図19では、図17と同様に、振動系250の左半分をモデル化している。また、図19に示すモデル250−1は、図17に示すモデル250−1と同一である。
図20は、図19のモデル250−2、250−1、及び250−3の有限要素法解析結果を示す図である。なお、図20に示すモデル250−1の解析結果は、図18に示すモデル250−1の解析結果と同一である。また、F0は、最低共振周波数を示す。図20に示す通り、3つのモデルの音圧周波数特性を比較すると、2つ目の再生音圧のピークβが生じる周波数は、モデル250−2では9.9kHz、モデル250−1では10.5kHz、モデル250−3では10.9kHzである。このことから、箱型5面体201の幅が狭くなるに伴って、ピークβの周波数は高くなることが判る。一方で、図20に示す通り、1つ目の再生音圧のピークαが生じる周波数は、3つのモデルの全てにおいて5.5KHz近傍である。このことから、図19に示したモデルのように、単に、箱型5面体201の幅を変更することでは、使用帯域は拡大しないことが判る。
図21は、図17に示したモデル250−1において、変形前の形状に、5.5kHzでの共振モード形状(変形後の形状)を重畳した図である。図21に示す通り、5.5kHzで生じる共振は、ボイスコイル115が固着された箱型5面体201の側面部(図21のXで示す部分)の変形に起因することが判る。
そこで、使用帯域を拡大するために、箱型5面体201の側面部のヤング率を、10倍にして再度解析した。図22は、図17に示したモデル250−1において、箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にした場合の解析結果を示す図である。図22(a)は、箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にしたモデル250−1を示す図である。図22(a)に示すように、RFで示す箱型5面体201の側面部のヤング率を10倍にしている。なお、他の条件は、図17に示したモデル250−1と同一である。図22(b)は、図22(a)に示すモデル250−1の有限要素法解析の結果を示す図である。図22(b)に示す通り、5.5kHzに存在した再生音圧のピークαは消滅して、使用帯域が10.05kHzまで拡大している。この解析結果から、短辺方向に関する箱型5面体201の側面部の剛性を高めることによって、使用帯域を拡大できることが判る。
そこで、短辺方向に関する箱型5面体201の側面部の剛性を高めるために、箱型5面体201の上面部に加えて、側面部にも複数の凹凸から成る補強リブを設ける。以下に、有限要素法解析によって、この補強リブの効果を検証した。図23は、図17に示すモデル250−1を3次元モデル化し、また、箱型5面体201の側面と上面とに、連続した凹凸形状によって形成される補強リブ235を設けたモデルである。なお、計算都合上、図23のモデルにおいて、振動系250の長辺方向(B−B’方向)の幅は、補強リブ235が1つ形成される幅としている。図24は、図23に示す補強リブ235を有するモデルの有限要素法解析の結果を示す図である。図24に示す通り5.5kHzに存在した再生音圧のピークαは消滅して、使用帯域が10.05kHzまで拡大している。なお、以上では、補強リブ235は、箱型5面体201にのみ形成された。しかし、補強リブ235は、箱型5面体201から、最大で、逆L字型フランジ103の端部まで、一体形状で延長形成されてもよい。
以上に説明した有限要素解析結果から、第2の実施形態に係るスピーカ200によれば、振動系250を構成する箱型5面体201に複数の補強リブ235を設けることによって、第1の実施形態に係るスピーカ100(図1を参照)の効果に加えて、更に、音質を向上させることができる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態に係るスピーカ100及び200において、振動系を構成する振動板及びエッジは、同一材料を用いて1つの部材として一体的に形成された。第3の実施形態に係るスピーカ300(図示せず)では、振動系を構成する振動板とエッジとは、互いに別個の部材として形成され、その後互いに接続される点に、特に特徴を有する。以下では、一例として、第2の実施形態に係るスピーカ200と比較し、相違点を中心に説明を行う。なお、第3の実施形態に係るスピーカ300において、第2の実施形態に係るスピーカ200と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、原則として説明を省略する。
図25は、第3の実施形態に係るスピーカ300が備える振動系350を示す図である。図25に示すように、逆L字型フランジ103の下端部には、エッジ312が固着されている。振動板211は、例えば、ポリイミド樹脂等の高分子フィルムを材料に用いて真空成型等によって成型されてもよいし、更には、パルプ等を材料に用いて成型されてもよい。エッジ312は、振動板211とは異なる材料から成る。エッジ312は、例えば、粘弾性体である発泡ゴムを成型金型内で発泡成型することによって成型されてもよいし、また、例えば、ゴムと高分子との重合体である高分子エラストマー材料を用いてインジェクション成型されてもよい。
また、エッジ312は、図25に示すように断面が略半円形状(弧形状)であるロールエッジあり、ロール形状の最下部357の厚さが、ロール形状の基部358の厚さに比べて薄い形状である。ロール形状の基部358の厚さは、ロール形状の最下部357の厚さの1.5倍以上であることが好ましい。
また、図25中の拡大図(b)に示すように、逆L字型フランジ103の外周面に沿うように、エッジ312の内周面が接合される。逆L字型フランジ103とエッジ312とは、接着剤を用いて接合されてもよいし、インサート成型によって融着接合されてもよい。また、逆L字型フランジ103とエッジ312とを接合する際に、突起部356が形成されるようにすることが好ましい。
以下では、第3の実施形態に係るスピーカ300の動作および効果について説明する。スピーカ300では、振動系350を構成する振動板211とエッジ312とを別個の材料で形成する。このため、スピーカ300では、振動板211及びエッジ312の材料を、要求される特性に応じて選択できる。この結果として、スピーカ300によれば、更なる性能向上が図れる。以下、具体的に説明する。
上記したように、振動板211は、軽量で高剛性であるポリイミド樹脂等の高分子フィルム又はパルプ等から成る。このことから、振動板211は、少ない変形で高周波数まで振動できるので、使用帯域の上限が拡大する。また、エッジ312は、柔軟性が高い発泡ゴム又は高分子エラストマー等から成る。このことから、振動系350における最低共振周波数F0は低下するので、使用帯域の下限が拡大する。この結果として、使用帯域は大幅に拡大する。
加えて、上記したように、エッジ312は、ロール形状の最下部357の厚さが、ロール形状の基部358の厚さに比べて薄い形状である。このことによって、エッジ312の力変位特性において、振動板211の振動振幅が小さい領域ではロール形状の最下部357が主に変形し、振動振幅が増加するに伴ってロール形状の基部358の変形が徐々に生じるようにできる。この結果として、エッジ312において、低剛性を実現しつつ直線性に優れた力変位特性を実現できる。また、振動振幅が増加するに伴ってロール形状の基部358(厚い部分)の変形が徐々に生じるので、エッジ312は耐屈曲性に優れる。
更に、図25中の拡大図(b)に示すように、突起部356を形成する場合には、突起部356によって、振動板211にボイスコイル115(図示せず)を接着剤を用いて接着する際に、接着剤をせき止めて保持することが容易となる。このことによって、接着剤がエッジ312のロール部に流出して生じる最低共振周波数F0の変化及び異常音の発生を防ぐことができる。
以上に説明したように、第3の実施形態に係るスピーカ300によれば、第2の実施形態に係るスピーカ200の効果に加えて、更に、使用帯域を拡大し、また、信頼性に優れたスピーカを実現できる。
なお、以上では、スピーカ300は、補強リブを有する振動板211を備えるものとして説明した。しかしながら、スピーカ300は、補強リブを有さない振動板111を備えてもよい。
また、スピーカ300において、箱型5面体201の凹形状内部に仕切り362を設けてもよい。図26は、箱型5面体201の凹形状内部に仕切り362を設けたスピーカ300の振動系350を示す図である。図27は、図26の振動系350の断面図である。仕切り362は、例えば、箱形5面体201の中央に長辺方向と平行な3つの面をつなぐ形状で設けられる。また、仕切り362は、箱形5面体201の凹形状の深さと等しい高さまで形成されるのが好ましい。仕切り362を設けることによって、振動板211の剛性を更に高めることができる。ここで、他の実施形態に係るスピーカにおいても同様に仕切りを設けることができる。しかしながら、第3の実施形態に係るスピーカ300においては、振動板211はエッジ312と別個に成型されるので、製造都合上、他の実施形態に係るスピーカよりも容易に仕切りを設けることができる。ここで、仕切り362を設ける場合には、仕切り362と磁気回路との接触を回避するために、磁気回路を分割構造にする必要がある。図11に示した裏面から音声を放射するタイプのスピーカに、上記した仕切り362を適用する場合を例に挙げて説明する。図28は、この場合に用いられる磁気回路の下部分の斜視図である。図29は、図28に示す磁気回路の下部分の断面図である。図28及び図29に示すように、下マグネット117及び下プレート120には、仕切り362との接触を避けるために、空隙366が設けられる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るスピーカ400は、第1〜第3の実施形態に係るスピーカ100〜300が有する特徴に加えて、振動板のローリング運動を抑制するダンパが設けられることに、特徴を有する。以下では、一例として、第2の実施形態に係るスピーカ200と比較し、相違点を中心に説明を行う。なお、第4の実施形態に係るスピーカ400において、第2の実施形態に係るスピーカ200と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、原則として説明を省略する。
図30は、第4の実施形態に係るスピーカ400を示す斜視図である。図31は、図30に示すスピーカ400が備える振動系450を示す平面図である。図32は、図31に示す振動系450のB−B’断面を示す図である。図30〜図32に示すように、スピーカ400において、振動板211を構成する箱型5面体201の上面の長辺方向の両側端部には、それぞれ、ダンパ471の一端が接着される。ダンパ471は、図32に示す通り、断面が略半円状(弧形状)のロール形状である。ダンパ471の他端は、図30に示す通り、上フレーム113に設けられたダンパ台473に接着される。なお、ダンパ台473は、上フレーム113の一部を延長して形成されてもよい。ダンパ471の材料には、布にフェノール樹脂を含侵硬化したもの、高分子フィルム、発泡ゴムや粘弾性体エラストマー等から成る薄いシート等が用いられる。
図32に示すように、振動板211は、エッジ112とダンパ471とによって、Z方向に振動可能に支持される。より具体的には、振動板211は、箱型5面体201の上面の長辺方向の両側端部においてダンパ471に支持され、また、逆L字型フランジ103の下端外周においてエッジ112に支持される。このことによって、振動板211は立体的に支持されるので、振動板211のローリング運動を効果的に抑制できる。この結果として、第4の実施形態に係るスピーカ400によれば、振動板211は図32に示すZ方向にのみ振動するため、高音質の音声再生を実現できる。
なお、ダンパ471の形状は、図30〜図32に示したロールした短冊形状には限られず、例えば、図33に示すように、ロールした扇形状であってもよい。また、例えば、図34に示すように、振動板211は、箱型5面体201の上面の長辺方向の両側端部のそれぞれにおいて、放射状に接続される複数のダンパ471に支持されてもよい。図33又は図34に示すダンパの構成にすることによって、振動板211のローリング運動を更に効果的に抑制できる。また、図35に示す振動系450の断面図のように、ダンパ471のロール方向を反対にしても同様の効果が得られる(図32を参照)。
以上に説明した各実施形態係るスピーカは、高音質でありながらスリム化および薄型化が容易であるので、図36に示すように、薄型テレビ(薄型のテレビジョン放送受信機)に実装することが有効である。また、同様に、携帯電話やPDA等の電子機器に実装することも有効である。
本発明は、スピーカ等に利用可能であり、特に、スリム型スピーカにおいて高音質で音声を再生したい場合等に有用である。
100、200、300、400、900 スピーカ
101、201 箱型5面体
103 逆L字型フランジ
111、211、909 振動板
112、312、911 エッジ
113、114、904 フレーム
115、906 ボイスコイル
116、117、901 マグネット
118、121、122、903 ヨーク
119、120、902 プレート
150、250、350、450 振動系
235 補強リブ
250−1、250−2、250−3 モデル
356 突起部
362 仕切り
366 空隙
471、907 ダンパ
473 ダンパ台
905 ボイスコイルボビン
910 ダストキャップ

Claims (13)

  1. スピーカであって、
    1つの開口面を有する縦長の箱型5面体である振動板と、
    前記振動板を振動可能に支持するエッジと、
    前記振動板を構成する5面のうち開口面に隣接する4つの側面に巻きつけられて固定されるボイスコイルと、
    前記ボイスコイルに駆動力を与える磁気回路とを備え、
    前記振動板において、前記開口面から当該開口面に対向する上面までの高さは前記ボイスコイルの厚さの2倍以上であり、当該上面の長辺は当該上面の短辺の2倍以上の長さであり、
    前記振動板の長手方向を形成する2つの側面及び前記上面には、凹凸形状から成る複数の補強リブが形成されることを特徴とする、スピーカ。
  2. 前記振動板の開口面に隣接する4つの側面にはフランジが設けられ、
    前記ボイスコイルは、更に、前記フランジにも固定されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記振動板の内側には、少なくとも1つの仕切りが設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスピーカ。
  4. 前記エッジは、断面が弧形状であるシートから成り、当該弧形状の中央部から端部にかけて徐々に厚みが増すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載のスピーカ。
  5. 前記エッジは、前記振動板とは異なる材質から成ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載のスピーカ。
  6. 前記エッジは、発泡ゴム又は高分子エラストマーから成り、
    前記振動板は、ポリイミド樹脂又はパルプから成ることを特徴とする、請求項5に記載のスピーカ。
  7. 前記磁気回路は、直方体形状の1つの内磁極と直方体形状の2つの外磁極とを含み、
    前記1つの内磁極は、前記振動板の開口面に近接して配置され、
    前記2つの外磁極は、前記振動板の両サイドにそれぞれ配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載のスピーカ。
  8. 前記振動板の開口面に対向する上面に接続されて、当該振動板を振動可能に支持する少なくとも1つのダンパを更に備え、
    前記エッジは、前記振動板の開口面に隣接する4つの側面の当該開口面側の端部に接続されて当該振動板を支持することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載のスピーカ。
  9. 前記ダンパは、断面が弧形状である扇状のシートから成ることを特徴とする、請求項8に記載のスピーカ。
  10. 前記ダンパは、断面が弧形状である短冊状のシートから成ることを特徴とする、請求項8に記載のスピーカ。
  11. 前記振動板の開口面に対向する上面に接続されて、当該振動板を振動可能に支持する複数のダンパを更に備え、
    前記複数のダンパのうち少なくとも2つは、前記振動板の開口面に対向する上面の同一位置に一端が接続され、他端は互いに異なる方向に向いて当該振動板を支持することを特徴とする、請求項10に記載のスピーカ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載のスピーカを備えた、電子機器。
  13. 請求項1〜11のいずれか1つに記載のスピーカを備えた、テレビジョン放送受信機。
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