以下に添付図面を参照して、本発明にかかる経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(経路探索装置の機能的構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示すように、経路探索装置100は、入力部101と、探索部102と、出力部103とを備える。
入力部101は、目的地に関する目的地情報の入力を受け付ける機能を有する。ここで、目的地情報とは、目的地の名称、住所、電話番号など、目的地を地図情報上で一意に特定可能な情報である。目的地情報は、目的地が地図情報上で一意に特定できる情報であればよく、地図情報に記録された任意の座標系を用いてあらわしてもよいし、緯度および経度などを用いてあらわしてもよい。入力部101は、たとえば、マウスやキーボードなどの各種の入力デバイスによって実現される。
探索部102は、入力部101によって入力された目的地情報に基づいて、所定の経由地を経由して目的地に至る経路を探索する機能を有する。ここで、所定の経由地とは、車両から公共交通機関に乗り継ぐ乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場などである。また、経由地は、これに限らず、利用者によって設定された任意の地点などであってもよい。探索部102は、公知の技術のため詳細な説明を省略するが、ダイクストラ法などを用いて、目的地までの経路を探索する。
たとえば、探索部102は、現在位置から所定の経由地を経由して目的地までのコスト(所要時間など)が最小となる経路を探索する。探索部102は、たとえば、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータに実行させることによって実現される。
出力部103は、探索部102によって探索された経路に関する経路情報を出力する機能を有する。ここで、経路情報とは、探索された経路を利用者に提示する情報であり、たとえば、経路を線状にして表現した情報である。経路情報は、利用者が探索された経路を認識できる情報であればよく、現在地、経由地、目的地などの名称を線分でつなぎ、経路全体を模式的にあらわしたものなどであってもよい。
ここで、出力部103による出力は、たとえば、図示を省略する表示部に所定の画像(文字を含む)を表示することによりおこなわれる。また、出力は、画像の表示だけに限らず、所定の音声を出力することによっておこなうこととしてもよいし、表示と音声などを同時に用いておこなうこととしてもよい。出力部103は、たとえば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの各種の表示装置や、スピーカなどの音声出力装置によって実現される。
また、経路探索装置100は、駐車場の利用状況に関する利用状況情報を取得する取得部104を備えてもよい。ここで、利用状況情報とは、駐車場の満車/空車の状態や、駐車場の空き台数などをあらわす情報である。取得部104は、たとえば、VICS(Vehicle Information and Communication System)を用いて配信される情報を受信するビーコンレシーバなどの受信装置によって実現される。なお、VICSは登録商標である。取得部104を備えた場合には、探索部102は、取得部104によって取得された利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として経路を探索する。
また、探索部102は、判定部102aを備えてもよい。判定部102aは、取得部104によって取得された利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場があるか否かを判定する機能を有する。判定部102aを備えた場合には、探索部102は、たとえば、判定部102aによって乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場がないと判定された場合に、所定範囲内に利用可能な駐車場を有する乗り継ぎ地とは異なる他の乗り継ぎ地を経由する経路を探索する。また、さらに、探索部102は、他の乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として経路を探索する。
ここで、他の乗り継ぎ地とは、たとえば、当初の乗り継ぎ地周辺で、公共交通機関への乗り継ぎが可能であり、当初の乗り継ぎ地とは異なる乗り継ぎ地である。たとえば、当初の乗り継ぎ地がA駅であれば、他の乗り継ぎ地はA駅の隣の駅であるB駅などである。なお、探索部102は、乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場がない場合には、他の乗り継ぎ地を探索することなく、そのまま、乗り継ぎ地までの経路を探索してもよい。ただし、この場合には、車両から公共交通機関に乗り継ぐ際に、利用者が別途駐車場を探す必要がある。
(経路探索装置の処理手順)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の処理手順について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の処理手順を示すフローチャートである。なお、図2に示すフローチャートは、たとえば、経路探索装置100の電源がオンとされた場合に開始される。
図2に示すように、経路探索装置100は、まず、目的地情報の入力を受け付けるまで待機する(ステップS201:No)。具体的には、経路探索装置100は、入力部101によって、目的地情報の入力を受け付けるまで待機する。たとえば、目的地情報は、利用者により図示しない入力デバイスが操作されることによって経路探索装置100に入力される。
ステップS201において、目的地情報の入力を受け付けたと判定された場合(ステップS201:Yes)には、経路探索装置100は、車両から公共交通機関に乗り継ぐ経路で、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として、目的地へ至る経路を探索する(ステップS202)。具体的には、経路探索装置100は、探索部102によって、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として目的地へ至る経路を探索する。この際に探索される経路は、駐車場を経由地とし、目的地までの所要時間が最小となる経路などである。
ステップS202において、経路を探索したのち、経路探索装置100は、探索された経路の経路情報を出力し(ステップS203)、一連の処理を終了する。具体的には、経路探索装置100は、出力部103によって、探索された経路の経路情報を出力する。たとえば、経路探索装置100は、探索された経路の経路情報を図示しないディスプレイなどに表示する。
以上に説明したように、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置100によれば、目的地情報が入力されると、たとえば、目的地まで車両から公共交通機関に乗り継いで向かう経路を探索することができる。これにより、利用者は、目的地までもっとも早く到着できる経路を知ることができるので、目的地までの移動にかかる手間や時間を削減させて、利便性の向上を図ることができる。
また、経路探索装置100によれば、目的地情報が入力されると、公共交通機関に乗り継ぐ乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として経路を探索することができる。これにより、利用者は乗り継ぎ地周辺であらためて駐車場を探す手間がなくなるので、利用者の労力を低減させて、利便性の向上を図ることができる。
そして、経路探索装置100によれば、利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として、目的地まで至る経路を探索することができる。これにより、利用者は経由地とされた駐車場にて確実に駐車できるので、駐車場の満車に起因する理由で他の駐車場を探す手間を削減させ、利便性の向上を図ることができる。
つぎに、前述した実施の形態にかかる経路探索装置100の実施例について説明する。本実施例は、前述した実施の形態にかかる経路探索装置100を、車両(二輪・四輪を含む)などに搭載されたナビゲーション装置に適用した場合の例である。なお、本実施例のナビゲーション装置は、車両への搭載が可能であるとともに、車両から取り外して利用者が携行することも可能な、いわゆる、ポータブルナビゲーション装置である。たとえば、ナビゲーション装置は、車両に搭載された場合には車両が有するACC電源によって駆動し、車両から取り外された場合には内蔵バッテリによって駆動する。また、ナビゲーション装置は、ポータブルナビゲーション装置のほか、携帯電話などの情報処理端末によって実現してもよい。
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
まず、図3を用いて、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、カメラ314と、通信I/F315と、GPSユニット316と、各種センサ317と、を備えている。また、各構成部301〜317はバス320によってそれぞれ接続されている。
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302には、ブートプログラム、現在位置特定プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、音声生成プログラム、地図情報表示プログラム、駐車場検索プログラムなどの各種プログラムが記録されている。なお、これらの各種プログラムは、ROM302のほか、後述する磁気ディスク305や光ディスク307などの不揮発性メモリに記録されてもよい。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302などに記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。現在位置特定プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット316および各種センサ317の出力情報に基づいて、ナビゲーション装置300の現在位置を特定させる。
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305または光ディスク307に記録された地図情報などを利用して、出発地(たとえば、現在位置)から所定の経由地を経由して目的地に至る最適な経路や、当該最適な経路を外れた場合の迂回経路を探索させる。ここで、所定の経由地とは、後述する駐車場検索プログラムを実行することによって検索された駐車場などである。
また、ここで、最適な経路とは、目的地までのコスト(所要時間など)が最小の経路や利用者が指定した条件にもっとも合致する経路などである。経路探索プログラムは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、ダイクストラ法などを利用して、最適な経路を探索させる。経路探索プログラムを実行することによって探索された経路の経路情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F312へ出力される。
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された経路の経路情報、現在位置特定プログラムを実行することによって特定されたナビゲーション装置300の現在位置の現在位置情報、磁気ディスク305または光ディスク307から読み出された地図情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなわせる。経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F312へ出力される。
音声生成プログラムは、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成させる。すなわち、経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこなわせる。音声ガイダンス情報には、たとえば、右左折地点を経路通りに右左折すべき旨の警報、右左折地点の手前で減速すべき旨の警報、右左折し損なった場合の迂回経路についての情報や、右左折し損なった場合に引き返すべき旨の案内情報が含まれる。生成された音声ガイダンス情報は、CPU301を介して音声I/F308へ出力される。
地図情報表示プログラムは、映像I/F312によって磁気ディスク305または光ディスク307から読み出された地図情報をディスプレイ313に表示させる。地図情報表示プログラムは、たとえば、ナビゲーション装置300の現在位置周辺の地図情報をディスプレイ313に表示させる。また、地図情報表示プログラムは、たとえば、利用者によって指定された任意の位置周辺の地図情報をディスプレイ313に表示させてもよい。
駐車場検索プログラムは、車両から公共交通機関に乗り継ぐ経路である場合に、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を探索させる。駐車場検索プログラムを実行することによって探索された駐車場は、目的地までの経路の経由地として設定される。
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305には、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータが記録される。磁気ディスク305としては、たとえば、HDやFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307としては、たとえば、CD(Compact Disc)、DVDを用いることができる。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体は、光ディスク307のほか、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどであってもよい。
磁気ディスク305または光ディスク307に記録される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地点表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、ディスプレイ313の表示画面において2次元または3次元に描画される。
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路)などの情報が含まれている。
また、交通条件データには、過去の渋滞情報を、季節・曜日・大型連休・時刻などを基準に統計処理した過去渋滞情報を記録している。ナビゲーション装置300は、後述する通信I/F315によって受信される道路交通情報によって現在発生している渋滞の情報を得るが、過去渋滞情報により、指定した時刻における渋滞状況の予想をおこなうことが可能となる。
さらに、地図情報には、公共交通機関の路線情報も含まれる。ここで、路線情報とは、たとえば、駅名、それぞれの駅に乗り入れをおこなっている路線名、区間ごとの利用料金、区間ごとの所要時間などをあらわす情報である。すなわち、路線情報は、たとえば、或る駅から他の駅まで公共交通機関を利用した場合に、利用する路線名、或る駅から他の駅までの所要時間および利用料金などを特定可能な情報である。
また、磁気ディスク305または光ディスク307には、後述する駐車場データベースが記録される。駐車場データベースについては図4を用いて詳細に後述するため、ここでの説明は省略する。
なお、本実施例では地図情報を磁気ディスク305または光ディスク307に記録することとしたが、これらに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置300のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置300の外部に設けられていてもよい。この場合には、ナビゲーション装置300は、たとえば、通信I/F315を介して接続された外部のコンピュータ装置から地図情報を取得する。取得された地図情報はRAM303や磁気ディスク305などに記録され、必要に応じて読み出される。
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。また、スピーカ310からは音声が出力される。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
映像I/F312は、ディスプレイ313およびカメラ314と接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ313を表示制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
カメラ314は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよい。たとえば、カメラ314は、車両内部の搭乗者の挙動を撮影する。また、カメラ314は、車両外部の対向車や歩行者などの挙動を撮影する。カメラ314は、撮影した映像を映像I/F312を介してCPU301あるいは磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、記録媒体に出力された映像は、ドライブレコーダ用画像として上書き記録や保存がおこなわれる。
通信I/F315は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F315は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F315は、テレビ放送やラジオ放送を受信する。
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F315は、たとえば、FMチューナー、VICS/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。
GPSユニット316は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を算出する。GPSユニット316の出力情報は、後述する各種センサ317の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の特定に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
各種センサ317は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を決定することが可能な情報を出力する。各種センサ317の出力値は、CPU301による車両の現在位置の特定や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
なお、図1に示した実施の形態にかかる経路探索装置100の入力部101はCPU301と入力デバイス311とによって、探索部102はCPU301とROM302とによって、出力部103は音声I/F308とスピーカ310と、または映像I/F312とディスプレイ313とによって、それぞれの機能を実現できる。
(駐車場データベースの記録内容)
つぎに、前述した磁気ディスク305または光ディスク307に記録される駐車場データベースについて説明する。図4は、駐車場データベースの記録内容を示す説明図である。図4に示すように、駐車場データベース400には、乗り継ぎ地ごとに、乗り継ぎ地(図4では、A駅)と、当該乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場の情報とが関連づけられて記録される。駐車場データベース400に記録される駐車場の情報としては、それぞれの駐車場の、名称と、位置と、駅からの距離と、空き台数と、利用の可否などをあらわす情報などがある。
ここで、それぞれの駐車場の、名称、位置、および駅からの距離をあらわす情報は、あらかじめ駐車場データベース400に記録される。そして、それぞれの駐車場の、空き台数や、利用の可否をあらわす情報は、たとえば、通信I/F315を介して利用状況情報を取得するたびに自動的に更新される。
(ナビゲーション装置の処理手順)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置の処理手順について説明する。図5は、本実施例のナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートは、たとえば、ナビゲーション装置300の電源がオンとされた場合に開始される。
図5に示すように、ナビゲーション装置300は、まず、現在位置情報を取得する(ステップS501)。具体的には、ナビゲーション装置300は、GPSユニット316および各種センサ317の出力情報を利用して、CPU301が現在位置特定プログラムを実行することによって現在位置情報を取得する。また、現在位置情報は、たとえば、所定の時間間隔(たとえば、数秒間隔)で定期的に取得される。なお、取得された現在位置情報は、たとえば、現在位置を示すアイコンなどによってディスプレイ313上に表示されるとともに、RAM303に格納され、必要に応じて読み出される。
ステップS501において、現在位置情報を取得したのち、ナビゲーション装置300は、目的地情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、ナビゲーション装置300は、入力デバイス311が利用者によって操作されることによって目的地情報が入力された否かを判定する。なお、ステップS502において、目的地情報が入力されていないと判定された場合(ステップS502:No)には、ステップS501へ復帰して、上記の処理を繰り返す。
ステップS502において、目的地情報の入力を受け付けたと判定された場合(ステップS502:Yes)には、ナビゲーション装置300は、経路候補を探索する(ステップS503)。ここで、経路候補とは、目的地へ至る経路の候補となるものである。なお、入力された目的地情報および探索された経路候補は、たとえば、RAM303に格納され、必要に応じて読み出される。
ステップS503において、経路候補を探索したのち、ナビゲーション装置300は、経路候補上に乗り継ぎ地があるか否かを判定する(ステップS504)。具体的には、ナビゲーション装置300は、経路候補上に所定の属性を有する施設(たとえば、駅の属性を有する施設)があるか否かを判定するとともに、この乗り継ぎ地から先の区間が公共交通機関を利用する区間であるか否かを判定する。ここで、属性とは、施設が有する種別や特徴をあらわす情報であり、地図情報中にあらかじめ埋め込まれる。
ステップS504において、経路候補上に乗り継ぎ地があると判定された場合(ステップS504:Yes)には、ナビゲーション装置300は、利用状況情報を取得する(ステップS505)。具体的には、ナビゲーション装置300は、通信I/F315を介して接続された外部のコンピュータ装置から利用状況情報を受信することによって取得する。また、利用状況情報は、たとえば、所定の時間間隔で定期的に取得してもよい。
なお、前述したように、ナビゲーション装置300は、利用状況情報を取得すると、取得した利用状況情報に基づいて、駐車場データベース400の更新をおこなう。この際に更新される情報は、それぞれの駐車場の空き台数や利用の可否をあらわす情報などである。また、ステップS504において、経路候補上に乗り継ぎ地がないと判定された場合(ステップS504:No)には、ナビゲーション装置300は、探索された経路候補を目的地へ至る経路とし、そのまま、後述するステップS510へ進む。
ステップS505において、利用状況情報を取得したのち、ナビゲーション装置300は、駐車場データベース400で経路候補上の乗り継ぎ地と関連づけられた駐車場から、利用可能な駐車場を検索する(ステップS506)。なお、ナビゲーション装置300は、空き台数が所定台数(たとえば、5台)以上の駐車場を検索することとしてもよい。ここで、所定台数は、たとえば、利用者によって設定された任意の台数である。
ステップS506において、利用可能な駐車場が検索したのち、ナビゲーション装置300は、利用可能な駐車場が検索されたか否かを判定する(ステップS507)。たとえば、ナビゲーション装置300は、駐車場データベース400を参照して、乗り継ぎ地と関連づけられた駐車場のうち、1つでも利用可能な駐車場があれば、駐車場が検索されたとする。
ステップS507において、利用可能な駐車場が検索されたと判定された場合(ステップS507:Yes)には、ナビゲーション装置300は、検索された駐車場を経由地として設定する(ステップS508)。なお、複数の駐車場が検索された場合には、ナビゲーション装置300は、たとえば、乗り継ぎ地に一番近い駐車場を経由地として設定する。ナビゲーション装置300は、一番空き台数が多い駐車場を経由地として設定してもよい。
また、ナビゲーション装置300は、現在位置から駐車場までの所要時間に応じて、駐車場を設定してもよい。たとえば、現在位置から駐車場までの所要時間が小さい場合(たとえば、10分未満)には、乗り継ぎ地に一番近い駐車場を経由地として設定する。そして、現在位置から駐車場までの所要時間が大きい場合(たとえば、10分以上)には、一番空き台数の多い駐車場を経由地として設定する。なお、ステップS507において、駐車場が検索されなかったと判定された場合(ステップS507:No)には、ナビゲーション装置300は、後述するステップS511へ進む。
ステップS508において、駐車場を経由地として設定したのち、ナビゲーション装置300は、現在位置から、設定された経由地を経由して目的地へ至る経路を探索する(ステップS509)。具体的には、ナビゲーション装置300は、現在位置情報や、目的地情報、ステップS508で設定された経由地の情報などを利用して、CPU301が経路探索プログラムを実行することによって現在位置から、設定された経由地を経由して目的地へ至る経路を探索する。
ステップS509において、経路を探索したのち、ナビゲーション装置300は、探索された経路を誘導し(ステップS510)、一連の処理を終了する。具体的には、ナビゲーション装置300は、現在位置情報、探索された経路の経路情報、地図情報などに基づいて、経路誘導プログラムを実行し、経路を誘導する。たとえば、ナビゲーション装置300は、ディスプレイ313に経路を誘導する誘導経路を表示する。なお、経路の誘導は、たとえば、ナビゲーション装置300の現在位置が目的地付近となるまで継続される。
一方、ステップS507において、利用可能な駐車場が検索されなかったと判定された場合(ステップS507:No)には、ナビゲーション装置300は、他の乗り継ぎ地を検索するか否かを判定する(ステップS511)。たとえば、ナビゲーション装置300は、利用者に利用可能な駐車場が検索されなかった旨の情報を報知する。そして、利用者に他の乗り継ぎ地を検索するか否かを選択させる。また、ナビゲーション装置300は、利用可能な駐車場が検索されなかった場合に、他の乗り継ぎ地を探索するか否かをあらかじめ利用者に設定させることとしてもよい。
ステップS511において、他の乗り継ぎ地を検索すると判定された場合(ステップS511:Yes)には、ナビゲーション装置300は、所定範囲内に利用可能な駐車場を有する他の乗り継ぎ地を検索する(ステップS512)。たとえば、ナビゲーション装置300は、駐車場データベース400を参照して、A駅と関連づけられた駐車場で利用可能な駐車場がなかった場合には、A駅の隣の駅であるB駅と関連づけられた駐車場で利用可能な駐車場があるかを検索する。
B駅と関連づけられた駐車場で利用可能な駐車場が検索された場合には、B駅と関連づけられた駐車場を当該検索の検索結果として出力する。B駅と関連づけられた駐車場にも、利用可能な駐車場がなかった場合には、同様の手順で、当初の乗り継ぎ地であるA駅に近い駅から順次利用可能な駐車場を有する駅を検索していく。なお、ステップS511において、他の乗り継ぎ地を検索しないと判定された場合(ステップS511:No)には、ナビゲーション装置300は、前述したステップS510へ進む。
ステップS512において、利用可能な駐車場を有する他の乗り継ぎ地を検索したのち、ナビゲーション装置300は、検索結果として得られた他の乗り継ぎ地および駐車場を経由地として設定し(ステップS513)、前述したステップS508へ進み、他の乗り継ぎ地および駐車場を経由して目的地へ至る経路を探索する。その後、ナビゲーション装置300は、ステップS510へ進み、経路を誘導し、一連の処理を終了する。
(ナビゲーション装置の具体的な表示例)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例について説明する。図6は、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図である。図6に示すように、ナビゲーション装置300のディスプレイ313には、ナビゲーション装置300の現在位置周辺の地図情報600と、各種のアイコンやウインドウなどが表示される。
ナビゲーション装置300の現在位置周辺の地図情報600には、現在位置周辺の道路や、駐車場601およびA駅602などが含まれている。そして、地図情報600上に表示された符号610で示すアイコンは、ナビゲーション装置300の現在位置を示す現在位置アイコン610である。また、符号611a、611bで示すアイコンは、経由地をあらわす経由地アイコン611a、611bである。さらに、符号612a、612bで示すのは、現在位置アイコン610から経由地を経由して目的地まで至る経路を示す誘導経路612a、612bである。
経由地アイコン611a、611bには、数字が記され、それぞれの経由地を経由する順番を示している。たとえば、図6において、駐車場601には、「1」と記された経由地アイコン611aが表示されている。A駅602には、「2」と記された経由地アイコン611bが表示されている。この場合には、ナビゲーション装置300は、「1」と記された経由地アイコン611aを有する駐車場601を経由したのちに、「2」と記された経由地アイコン611bを有するA駅602を経由する経路を誘導する。
誘導経路612aは、現在位置アイコン610から駐車場601を経由してA駅602までの経路である。また、誘導経路612bは、A駅602から公共交通機関に乗り継いで目的地へ向かう経路である。なお、図示を省略するが、目的地とされた地点には、目的地アイコンが表示される。
そして、図6において、符号602aで示す円は、A駅602を中心とする所定半径(たとえば、半径400m)を有する円である。たとえば、駐車場データベース400において、A駅602には、円602a内にある駐車場が関連づけられる。ここで、所定半径は、ナビゲーション装置300の製造者によってあらかじめ設定される。また、所定半径は、利用者によって任意に設定されることとしてもよい。この場合には、ナビゲーション装置300は、所定半径が利用者によって設定されると、地図情報を参照して、設定された所定半径内の駐車場を抽出し、駐車場データベース400を更新する。
また、図6において、符号620で示すウインドウは、目的地まで至る経路に関する情報を表示する経路情報ウインドウ620である。経路情報ウインドウ620に表示される内容としては、目的地までの距離(図6では、55km)、目的地へ到着する到着予定時刻(図6では、17:45)などがある。
以上に説明したように、本実施例のナビゲーション装置300によれば、目的地情報が入力されると、たとえば、目的地まで車両から公共交通機関に乗り継いで向かう経路を探索することができる。これにより、利用者は、目的地までもっとも早く到着できる経路を知ることができるので、目的地までの移動にかかる手間や時間を削減させて、利便性の向上を図ることができる。
さらに、本実施例のナビゲーション装置300は、目的地情報が入力されると、目的地までの経路候補を探索する。そして、この経路候補が、車両から公共交通機関に乗り継いで目的地まで向かう経路であった場合には、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として設定し、この駐車場を経由する経路を探索して、誘導することができる。これにより、利用者は乗り継ぎ地周辺であらためて駐車場を探す手間がなくなるので、利用者の労力を低減させて、利便性の向上を図ることができる。
そして、本実施例のナビゲーション装置300によれば、利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として、目的地まで至る経路を探索することができる。これにより、利用者は経由地とされた駐車場にて確実に駐車できるので、駐車場の満車に起因する理由で他の駐車場を探す手間を削減させ、利便性の向上を図ることができる。
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、当初の乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場がないと判定された場合に、所定範囲内に利用可能な駐車場を有する他の乗り継ぎ地を検索することができる。これにより、利用者は周辺の駐車場の利用状況に応じた乗り継ぎ地から公共交通機関を利用することができる。
本実施例のナビゲーション装置300は、さらに、渋滞を考慮することとしてもよい。たとえば、ナビゲーション装置300は、VICSによって渋滞情報を受信する。目的地情報が入力されると、渋滞情報によって得られた渋滞を考慮して、目的地までの経路を探索する。
その結果、たとえば、目的地までの所要時間が最小となる経路として、A駅から公共交通機関を利用する経路が探索される。しかし、A駅周辺には利用可能な駐車場がなかった場合に、ナビゲーション装置300は、つぎに、A駅の隣のB駅から公共交通機関を利用する経路を探索する。ナビゲーション装置300は、B駅から公共交通機関を利用する経路を探索したのち、たとえば、この経路と、目的地まで車両で向かう経路との所要時間を比較する。そして、B駅から公共交通機関を利用する経路の方が、車両で向かう経路に比べて所要時間が小さかった場合に、ナビゲーション装置300は、B駅から公共交通機関を利用する経路を誘導する。なお、この際には、経由地としてB駅周辺の駐車場が設定される。
なお、本実施の形態で説明した経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(経路探索装置の機能的構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示すように、経路探索装置100は、入力部101と、探索部102と、出力部103とを備える。
入力部101は、目的地に関する目的地情報の入力を受け付ける機能を有する。ここで、目的地情報とは、目的地の名称、住所、電話番号など、目的地を地図情報上で一意に特定可能な情報である。目的地情報は、目的地が地図情報上で一意に特定できる情報であればよく、地図情報に記録された任意の座標系を用いてあらわしてもよいし、緯度および経度などを用いてあらわしてもよい。入力部101は、たとえば、マウスやキーボードなどの各種の入力デバイスによって実現される。
探索部102は、入力部101によって入力された目的地情報に基づいて、所定の経由地を経由して目的地に至る経路を探索する機能を有する。ここで、所定の経由地とは、車両から公共交通機関に乗り継ぐ乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場などである。また、経由地は、これに限らず、利用者によって設定された任意の地点などであってもよい。探索部102は、公知の技術のため詳細な説明を省略するが、ダイクストラ法などを用いて、目的地までの経路を探索する。
たとえば、探索部102は、現在位置から所定の経由地を経由して目的地までのコスト(所要時間など)が最小となる経路を探索する。探索部102は、たとえば、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータに実行させることによって実現される。
出力部103は、探索部102によって探索された経路に関する経路情報を出力する機能を有する。ここで、経路情報とは、探索された経路を利用者に提示する情報であり、たとえば、経路を線状にして表現した情報である。経路情報は、利用者が探索された経路を認識できる情報であればよく、現在地、経由地、目的地などの名称を線分でつなぎ、経路全体を模式的にあらわしたものなどであってもよい。
ここで、出力部103による出力は、たとえば、図示を省略する表示部に所定の画像(文字を含む)を表示することによりおこなわれる。また、出力は、画像の表示だけに限らず、所定の音声を出力することによっておこなうこととしてもよいし、表示と音声などを同時に用いておこなうこととしてもよい。出力部103は、たとえば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの各種の表示装置や、スピーカなどの音声出力装置によって実現される。
また、経路探索装置100は、駐車場の利用状況に関する利用状況情報を取得する取得部104を備えてもよい。ここで、利用状況情報とは、駐車場の満車/空車の状態や、駐車場の空き台数などをあらわす情報である。取得部104は、たとえば、VICS(Vehicle Information and Communication System)を用いて配信される情報を受信するビーコンレシーバなどの受信装置によって実現される。なお、VICSは登録商標である。取得部104を備えた場合には、探索部102は、取得部104によって取得された利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として経路を探索する。
また、探索部102は、判定部102aを備えてもよい。判定部102aは、取得部104によって取得された利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場があるか否かを判定する機能を有する。判定部102aを備えた場合には、探索部102は、たとえば、判定部102aによって乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場がないと判定された場合に、所定範囲内に利用可能な駐車場を有する乗り継ぎ地とは異なる他の乗り継ぎ地を経由する経路を探索する。また、さらに、探索部102は、他の乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として経路を探索する。
ここで、他の乗り継ぎ地とは、たとえば、当初の乗り継ぎ地周辺で、公共交通機関への乗り継ぎが可能であり、当初の乗り継ぎ地とは異なる乗り継ぎ地である。たとえば、当初の乗り継ぎ地がA駅であれば、他の乗り継ぎ地はA駅の隣の駅であるB駅などである。なお、探索部102は、乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場がない場合には、他の乗り継ぎ地を探索することなく、そのまま、乗り継ぎ地までの経路を探索してもよい。ただし、この場合には、車両から公共交通機関に乗り継ぐ際に、利用者が別途駐車場を探す必要がある。
(経路探索装置の処理手順)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の処理手順について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置の処理手順を示すフローチャートである。なお、図2に示すフローチャートは、たとえば、経路探索装置100の電源がオンとされた場合に開始される。
図2に示すように、経路探索装置100は、まず、目的地情報の入力を受け付けるまで待機する(ステップS201:No)。具体的には、経路探索装置100は、入力部101によって、目的地情報の入力を受け付けるまで待機する。たとえば、目的地情報は、利用者により図示しない入力デバイスが操作されることによって経路探索装置100に入力される。
ステップS201において、目的地情報の入力を受け付けたと判定された場合(ステップS201:Yes)には、経路探索装置100は、車両から公共交通機関に乗り継ぐ経路で、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として、目的地へ至る経路を探索する(ステップS202)。具体的には、経路探索装置100は、探索部102によって、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として目的地へ至る経路を探索する。この際に探索される経路は、駐車場を経由地とし、目的地までの所要時間が最小となる経路などである。
ステップS202において、経路を探索したのち、経路探索装置100は、探索された経路の経路情報を出力し(ステップS203)、一連の処理を終了する。具体的には、経路探索装置100は、出力部103によって、探索された経路の経路情報を出力する。たとえば、経路探索装置100は、探索された経路の経路情報を図示しないディスプレイなどに表示する。
以上に説明したように、本発明の実施の形態にかかる経路探索装置100によれば、目的地情報が入力されると、たとえば、目的地まで車両から公共交通機関に乗り継いで向かう経路を探索することができる。これにより、利用者は、目的地までもっとも早く到着できる経路を知ることができるので、目的地までの移動にかかる手間や時間を削減させて、利便性の向上を図ることができる。
また、経路探索装置100によれば、目的地情報が入力されると、公共交通機関に乗り継ぐ乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として経路を探索することができる。これにより、利用者は乗り継ぎ地周辺であらためて駐車場を探す手間がなくなるので、利用者の労力を低減させて、利便性の向上を図ることができる。
そして、経路探索装置100によれば、利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として、目的地まで至る経路を探索することができる。これにより、利用者は経由地とされた駐車場にて確実に駐車できるので、駐車場の満車に起因する理由で他の駐車場を探す手間を削減させ、利便性の向上を図ることができる。
つぎに、前述した実施の形態にかかる経路探索装置100の実施例について説明する。本実施例は、前述した実施の形態にかかる経路探索装置100を、車両(二輪・四輪を含む)などに搭載されたナビゲーション装置に適用した場合の例である。なお、本実施例のナビゲーション装置は、車両への搭載が可能であるとともに、車両から取り外して利用者が携行することも可能な、いわゆる、ポータブルナビゲーション装置である。たとえば、ナビゲーション装置は、車両に搭載された場合には車両が有するACC電源によって駆動し、車両から取り外された場合には内蔵バッテリによって駆動する。また、ナビゲーション装置は、ポータブルナビゲーション装置のほか、携帯電話などの情報処理端末によって実現してもよい。
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
まず、図3を用いて、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、カメラ314と、通信I/F315と、GPSユニット316と、各種センサ317と、を備えている。また、各構成部301〜317はバス320によってそれぞれ接続されている。
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302には、ブートプログラム、現在位置特定プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、音声生成プログラム、地図情報表示プログラム、駐車場検索プログラムなどの各種プログラムが記録されている。なお、これらの各種プログラムは、ROM302のほか、後述する磁気ディスク305や光ディスク307などの不揮発性メモリに記録されてもよい。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302などに記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。現在位置特定プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット316および各種センサ317の出力情報に基づいて、ナビゲーション装置300の現在位置を特定させる。
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305または光ディスク307に記録された地図情報などを利用して、出発地(たとえば、現在位置)から所定の経由地を経由して目的地に至る最適な経路や、当該最適な経路を外れた場合の迂回経路を探索させる。ここで、所定の経由地とは、後述する駐車場検索プログラムを実行することによって検索された駐車場などである。
また、ここで、最適な経路とは、目的地までのコスト(所要時間など)が最小の経路や利用者が指定した条件にもっとも合致する経路などである。経路探索プログラムは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、ダイクストラ法などを利用して、最適な経路を探索させる。経路探索プログラムを実行することによって探索された経路の経路情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F312へ出力される。
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された経路の経路情報、現在位置特定プログラムを実行することによって特定されたナビゲーション装置300の現在位置の現在位置情報、磁気ディスク305または光ディスク307から読み出された地図情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなわせる。経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F312へ出力される。
音声生成プログラムは、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成させる。すなわち、経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこなわせる。音声ガイダンス情報には、たとえば、右左折地点を経路通りに右左折すべき旨の警報、右左折地点の手前で減速すべき旨の警報、右左折し損なった場合の迂回経路についての情報や、右左折し損なった場合に引き返すべき旨の案内情報が含まれる。生成された音声ガイダンス情報は、CPU301を介して音声I/F308へ出力される。
地図情報表示プログラムは、映像I/F312によって磁気ディスク305または光ディスク307から読み出された地図情報をディスプレイ313に表示させる。地図情報表示プログラムは、たとえば、ナビゲーション装置300の現在位置周辺の地図情報をディスプレイ313に表示させる。また、地図情報表示プログラムは、たとえば、利用者によって指定された任意の位置周辺の地図情報をディスプレイ313に表示させてもよい。
駐車場検索プログラムは、車両から公共交通機関に乗り継ぐ経路である場合に、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を探索させる。駐車場検索プログラムを実行することによって探索された駐車場は、目的地までの経路の経由地として設定される。
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305には、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータが記録される。磁気ディスク305としては、たとえば、HDやFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307としては、たとえば、CD(Compact Disc)、DVDを用いることができる。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体は、光ディスク307のほか、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどであってもよい。
磁気ディスク305または光ディスク307に記録される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地点表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、ディスプレイ313の表示画面において2次元または3次元に描画される。
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路)などの情報が含まれている。
また、交通条件データには、過去の渋滞情報を、季節・曜日・大型連休・時刻などを基準に統計処理した過去渋滞情報を記録している。ナビゲーション装置300は、後述する通信I/F315によって受信される道路交通情報によって現在発生している渋滞の情報を得るが、過去渋滞情報により、指定した時刻における渋滞状況の予想をおこなうことが可能となる。
さらに、地図情報には、公共交通機関の路線情報も含まれる。ここで、路線情報とは、たとえば、駅名、それぞれの駅に乗り入れをおこなっている路線名、区間ごとの利用料金、区間ごとの所要時間などをあらわす情報である。すなわち、路線情報は、たとえば、或る駅から他の駅まで公共交通機関を利用した場合に、利用する路線名、或る駅から他の駅までの所要時間および利用料金などを特定可能な情報である。
また、磁気ディスク305または光ディスク307には、後述する駐車場データベースが記録される。駐車場データベースについては図4を用いて詳細に後述するため、ここでの説明は省略する。
なお、本実施例では地図情報を磁気ディスク305または光ディスク307に記録することとしたが、これらに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置300のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置300の外部に設けられていてもよい。この場合には、ナビゲーション装置300は、たとえば、通信I/F315を介して接続された外部のコンピュータ装置から地図情報を取得する。取得された地図情報はRAM303や磁気ディスク305などに記録され、必要に応じて読み出される。
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。また、スピーカ310からは音声が出力される。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
映像I/F312は、ディスプレイ313およびカメラ314と接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ313を表示制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
カメラ314は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよい。たとえば、カメラ314は、車両内部の搭乗者の挙動を撮影する。また、カメラ314は、車両外部の対向車や歩行者などの挙動を撮影する。カメラ314は、撮影した映像を映像I/F312を介してCPU301あるいは磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、記録媒体に出力された映像は、ドライブレコーダ用画像として上書き記録や保存がおこなわれる。
通信I/F315は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F315は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F315は、テレビ放送やラジオ放送を受信する。
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F315は、たとえば、FMチューナー、VICS/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。
GPSユニット316は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を算出する。GPSユニット316の出力情報は、後述する各種センサ317の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の特定に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
各種センサ317は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を決定することが可能な情報を出力する。各種センサ317の出力値は、CPU301による車両の現在位置の特定や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
なお、図1に示した実施の形態にかかる経路探索装置100の入力部101はCPU301と入力デバイス311とによって、探索部102はCPU301とROM302とによって、出力部103は音声I/F308とスピーカ310と、または映像I/F312とディスプレイ313とによって、それぞれの機能を実現できる。
(駐車場データベースの記録内容)
つぎに、前述した磁気ディスク305または光ディスク307に記録される駐車場データベースについて説明する。図4は、駐車場データベースの記録内容を示す説明図である。図4に示すように、駐車場データベース400には、乗り継ぎ地ごとに、乗り継ぎ地(図4では、A駅)と、当該乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場の情報とが関連づけられて記録される。駐車場データベース400に記録される駐車場の情報としては、それぞれの駐車場の、名称と、位置と、駅からの距離と、空き台数と、利用の可否などをあらわす情報などがある。
ここで、それぞれの駐車場の、名称、位置、および駅からの距離をあらわす情報は、あらかじめ駐車場データベース400に記録される。そして、それぞれの駐車場の、空き台数や、利用の可否をあらわす情報は、たとえば、通信I/F315を介して利用状況情報を取得するたびに自動的に更新される。
(ナビゲーション装置の処理手順)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置の処理手順について説明する。図5は、本実施例のナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートは、たとえば、ナビゲーション装置300の電源がオンとされた場合に開始される。
図5に示すように、ナビゲーション装置300は、まず、現在位置情報を取得する(ステップS501)。具体的には、ナビゲーション装置300は、GPSユニット316および各種センサ317の出力情報を利用して、CPU301が現在位置特定プログラムを実行することによって現在位置情報を取得する。また、現在位置情報は、たとえば、所定の時間間隔(たとえば、数秒間隔)で定期的に取得される。なお、取得された現在位置情報は、たとえば、現在位置を示すアイコンなどによってディスプレイ313上に表示されるとともに、RAM303に格納され、必要に応じて読み出される。
ステップS501において、現在位置情報を取得したのち、ナビゲーション装置300は、目的地情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、ナビゲーション装置300は、入力デバイス311が利用者によって操作されることによって目的地情報が入力された否かを判定する。なお、ステップS502において、目的地情報が入力されていないと判定された場合(ステップS502:No)には、ステップS501へ復帰して、上記の処理を繰り返す。
ステップS502において、目的地情報の入力を受け付けたと判定された場合(ステップS502:Yes)には、ナビゲーション装置300は、経路候補を探索する(ステップS503)。ここで、経路候補とは、目的地へ至る経路の候補となるものである。なお、入力された目的地情報および探索された経路候補は、たとえば、RAM303に格納され、必要に応じて読み出される。
ステップS503において、経路候補を探索したのち、ナビゲーション装置300は、経路候補上に乗り継ぎ地があるか否かを判定する(ステップS504)。具体的には、ナビゲーション装置300は、経路候補上に所定の属性を有する施設(たとえば、駅の属性を有する施設)があるか否かを判定するとともに、この乗り継ぎ地から先の区間が公共交通機関を利用する区間であるか否かを判定する。ここで、属性とは、施設が有する種別や特徴をあらわす情報であり、地図情報中にあらかじめ埋め込まれる。
ステップS504において、経路候補上に乗り継ぎ地があると判定された場合(ステップS504:Yes)には、ナビゲーション装置300は、利用状況情報を取得する(ステップS505)。具体的には、ナビゲーション装置300は、通信I/F315を介して接続された外部のコンピュータ装置から利用状況情報を受信することによって取得する。また、利用状況情報は、たとえば、所定の時間間隔で定期的に取得してもよい。
なお、前述したように、ナビゲーション装置300は、利用状況情報を取得すると、取得した利用状況情報に基づいて、駐車場データベース400の更新をおこなう。この際に更新される情報は、それぞれの駐車場の空き台数や利用の可否をあらわす情報などである。また、ステップS504において、経路候補上に乗り継ぎ地がないと判定された場合(ステップS504:No)には、ナビゲーション装置300は、探索された経路候補を目的地へ至る経路とし、そのまま、後述するステップS510へ進む。
ステップS505において、利用状況情報を取得したのち、ナビゲーション装置300は、駐車場データベース400で経路候補上の乗り継ぎ地と関連づけられた駐車場から、利用可能な駐車場を検索する(ステップS506)。なお、ナビゲーション装置300は、空き台数が所定台数(たとえば、5台)以上の駐車場を検索することとしてもよい。ここで、所定台数は、たとえば、利用者によって設定された任意の台数である。
ステップS506において、利用可能な駐車場が検索したのち、ナビゲーション装置300は、利用可能な駐車場が検索されたか否かを判定する(ステップS507)。たとえば、ナビゲーション装置300は、駐車場データベース400を参照して、乗り継ぎ地と関連づけられた駐車場のうち、1つでも利用可能な駐車場があれば、駐車場が検索されたとする。
ステップS507において、利用可能な駐車場が検索されたと判定された場合(ステップS507:Yes)には、ナビゲーション装置300は、検索された駐車場を経由地として設定する(ステップS508)。なお、複数の駐車場が検索された場合には、ナビゲーション装置300は、たとえば、乗り継ぎ地に一番近い駐車場を経由地として設定する。ナビゲーション装置300は、一番空き台数が多い駐車場を経由地として設定してもよい。
また、ナビゲーション装置300は、現在位置から駐車場までの所要時間に応じて、駐車場を設定してもよい。たとえば、現在位置から駐車場までの所要時間が小さい場合(たとえば、10分未満)には、乗り継ぎ地に一番近い駐車場を経由地として設定する。そして、現在位置から駐車場までの所要時間が大きい場合(たとえば、10分以上)には、一番空き台数の多い駐車場を経由地として設定する。なお、ステップS507において、駐車場が検索されなかったと判定された場合(ステップS507:No)には、ナビゲーション装置300は、後述するステップS511へ進む。
ステップS508において、駐車場を経由地として設定したのち、ナビゲーション装置300は、現在位置から、設定された経由地を経由して目的地へ至る経路を探索する(ステップS509)。具体的には、ナビゲーション装置300は、現在位置情報や、目的地情報、ステップS508で設定された経由地の情報などを利用して、CPU301が経路探索プログラムを実行することによって現在位置から、設定された経由地を経由して目的地へ至る経路を探索する。
ステップS509において、経路を探索したのち、ナビゲーション装置300は、探索された経路を誘導し(ステップS510)、一連の処理を終了する。具体的には、ナビゲーション装置300は、現在位置情報、探索された経路の経路情報、地図情報などに基づいて、経路誘導プログラムを実行し、経路を誘導する。たとえば、ナビゲーション装置300は、ディスプレイ313に経路を誘導する誘導経路を表示する。なお、経路の誘導は、たとえば、ナビゲーション装置300の現在位置が目的地付近となるまで継続される。
一方、ステップS507において、利用可能な駐車場が検索されなかったと判定された場合(ステップS507:No)には、ナビゲーション装置300は、他の乗り継ぎ地を検索するか否かを判定する(ステップS511)。たとえば、ナビゲーション装置300は、利用者に利用可能な駐車場が検索されなかった旨の情報を報知する。そして、利用者に他の乗り継ぎ地を検索するか否かを選択させる。また、ナビゲーション装置300は、利用可能な駐車場が検索されなかった場合に、他の乗り継ぎ地を探索するか否かをあらかじめ利用者に設定させることとしてもよい。
ステップS511において、他の乗り継ぎ地を検索すると判定された場合(ステップS511:Yes)には、ナビゲーション装置300は、所定範囲内に利用可能な駐車場を有する他の乗り継ぎ地を検索する(ステップS512)。たとえば、ナビゲーション装置300は、駐車場データベース400を参照して、A駅と関連づけられた駐車場で利用可能な駐車場がなかった場合には、A駅の隣の駅であるB駅と関連づけられた駐車場で利用可能な駐車場があるかを検索する。
B駅と関連づけられた駐車場で利用可能な駐車場が検索された場合には、B駅と関連づけられた駐車場を当該検索の検索結果として出力する。B駅と関連づけられた駐車場にも、利用可能な駐車場がなかった場合には、同様の手順で、当初の乗り継ぎ地であるA駅に近い駅から順次利用可能な駐車場を有する駅を検索していく。なお、ステップS511において、他の乗り継ぎ地を検索しないと判定された場合(ステップS511:No)には、ナビゲーション装置300は、前述したステップS510へ進む。
ステップS512において、利用可能な駐車場を有する他の乗り継ぎ地を検索したのち、ナビゲーション装置300は、検索結果として得られた他の乗り継ぎ地および駐車場を経由地として設定し(ステップS513)、前述したステップS508へ進み、他の乗り継ぎ地および駐車場を経由して目的地へ至る経路を探索する。その後、ナビゲーション装置300は、ステップS510へ進み、経路を誘導し、一連の処理を終了する。
(ナビゲーション装置の具体的な表示例)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例について説明する。図6は、本実施例のナビゲーション装置の具体的な表示例を示す説明図である。図6に示すように、ナビゲーション装置300のディスプレイ313には、ナビゲーション装置300の現在位置周辺の地図情報600と、各種のアイコンやウインドウなどが表示される。
ナビゲーション装置300の現在位置周辺の地図情報600には、現在位置周辺の道路や、駐車場601およびA駅602などが含まれている。そして、地図情報600上に表示された符号610で示すアイコンは、ナビゲーション装置300の現在位置を示す現在位置アイコン610である。また、符号611a、611bで示すアイコンは、経由地をあらわす経由地アイコン611a、611bである。さらに、符号612a、612bで示すのは、現在位置アイコン610から経由地を経由して目的地まで至る経路を示す誘導経路612a、612bである。
経由地アイコン611a、611bには、数字が記され、それぞれの経由地を経由する順番を示している。たとえば、図6において、駐車場601には、「1」と記された経由地アイコン611aが表示されている。A駅602には、「2」と記された経由地アイコン611bが表示されている。この場合には、ナビゲーション装置300は、「1」と記された経由地アイコン611aを有する駐車場601を経由したのちに、「2」と記された経由地アイコン611bを有するA駅602を経由する経路を誘導する。
誘導経路612aは、現在位置アイコン610から駐車場601を経由してA駅602までの経路である。また、誘導経路612bは、A駅602から公共交通機関に乗り継いで目的地へ向かう経路である。なお、図示を省略するが、目的地とされた地点には、目的地アイコンが表示される。
そして、図6において、符号602aで示す円は、A駅602を中心とする所定半径(たとえば、半径400m)を有する円である。たとえば、駐車場データベース400において、A駅602には、円602a内にある駐車場が関連づけられる。ここで、所定半径は、ナビゲーション装置300の製造者によってあらかじめ設定される。また、所定半径は、利用者によって任意に設定されることとしてもよい。この場合には、ナビゲーション装置300は、所定半径が利用者によって設定されると、地図情報を参照して、設定された所定半径内の駐車場を抽出し、駐車場データベース400を更新する。
また、図6において、符号620で示すウインドウは、目的地まで至る経路に関する情報を表示する経路情報ウインドウ620である。経路情報ウインドウ620に表示される内容としては、目的地までの距離(図6では、55km)、目的地へ到着する到着予定時刻(図6では、17:45)などがある。
以上に説明したように、本実施例のナビゲーション装置300によれば、目的地情報が入力されると、たとえば、目的地まで車両から公共交通機関に乗り継いで向かう経路を探索することができる。これにより、利用者は、目的地までもっとも早く到着できる経路を知ることができるので、目的地までの移動にかかる手間や時間を削減させて、利便性の向上を図ることができる。
さらに、本実施例のナビゲーション装置300は、目的地情報が入力されると、目的地までの経路候補を探索する。そして、この経路候補が、車両から公共交通機関に乗り継いで目的地まで向かう経路であった場合には、乗り継ぎ地から所定範囲内の駐車場を経由地として設定し、この駐車場を経由する経路を探索して、誘導することができる。これにより、利用者は乗り継ぎ地周辺であらためて駐車場を探す手間がなくなるので、利用者の労力を低減させて、利便性の向上を図ることができる。
そして、本実施例のナビゲーション装置300によれば、利用状況情報に基づいて、乗り継ぎ地から所定範囲内の利用可能な駐車場を経由地として、目的地まで至る経路を探索することができる。これにより、利用者は経由地とされた駐車場にて確実に駐車できるので、駐車場の満車に起因する理由で他の駐車場を探す手間を削減させ、利便性の向上を図ることができる。
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、当初の乗り継ぎ地から所定範囲内に利用可能な駐車場がないと判定された場合に、所定範囲内に利用可能な駐車場を有する他の乗り継ぎ地を検索することができる。これにより、利用者は周辺の駐車場の利用状況に応じた乗り継ぎ地から公共交通機関を利用することができる。
本実施例のナビゲーション装置300は、さらに、渋滞を考慮することとしてもよい。たとえば、ナビゲーション装置300は、VICSによって渋滞情報を受信する。目的地情報が入力されると、渋滞情報によって得られた渋滞を考慮して、目的地までの経路を探索する。
その結果、たとえば、目的地までの所要時間が最小となる経路として、A駅から公共交通機関を利用する経路が探索される。しかし、A駅周辺には利用可能な駐車場がなかった場合に、ナビゲーション装置300は、つぎに、A駅の隣のB駅から公共交通機関を利用する経路を探索する。ナビゲーション装置300は、B駅から公共交通機関を利用する経路を探索したのち、たとえば、この経路と、目的地まで車両で向かう経路との所要時間を比較する。そして、B駅から公共交通機関を利用する経路の方が、車両で向かう経路に比べて所要時間が小さかった場合に、ナビゲーション装置300は、B駅から公共交通機関を利用する経路を誘導する。なお、この際には、経由地としてB駅周辺の駐車場が設定される。
なお、本実施の形態で説明した経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。