JPWO2009084245A1 - 圧縮機用電動機及び圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

圧縮機用電動機及び圧縮機及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

部品価格の高騰及び運転中の効率の低下を抑えつつ、且つ起動トルクを大きくできる圧縮機用電動機を提供することを目的とする。この発明に係る圧縮機用電動機は、密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、圧縮要素と駆動軸により連結して圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、密閉容器の内周部に固定される固定子と、固定子の内側に設けられ、回転子鉄心11aを有する回転子11と、回転子鉄心11aに鋳込まれる、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリング32とで構成される二重かご形導体とを備え、回転子鉄心11aには、冷媒の通路となる風穴33が設けられ、エンドリング32は、その内径側が、風穴33を塞ぐように、駆動軸側に拡大するとともに、風穴33を塞がないようにするために、風穴33を密閉容器の空間に連通させる切欠き34を有するものである。

Description

この発明は、圧縮機用電動機及び圧縮機及び冷凍サイクル装置に関するものである。
空気調和機等の冷凍空調装置に使用される圧縮機において、圧縮機構を駆動する電動機には、ブラシレスDCモータ、誘導電動機等が使用されている。誘導電動機では、普通かご形誘導電動機(一重かご形)が主に用いられる。
誘導電動機には、三相誘導電動機と単相誘導電動機とがある。圧縮機に誘導電動機を使用する場合、三相誘導電動機は起動トルクが大きいため起動に関する課題は少ない。しかし、単相誘導電動機では、外部に接続される運転用のコンデンサだけでは、十分な起動トルクがでない。そのため、運転用のコンデンサの他に、起動用のコンデンサを追加することがある(例えば、特許文献1参照)。
また、単相誘導電動機の固定子に巻線される主巻線と補助巻線との位相差を90°(電気角)からずらすことも行われる。
さらに、回転子の二次抵抗を大きくして、起動トルクを大きくすることも行われる。
特開平6−213167号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、起動用のコンデンサを追加する方法は、起動用のコンデンサを開閉する開閉器も必要なため部品価格が高くなるという課題がある。
また、主巻線と補助巻線との位相差を90°(電気角)からずらす方法は、固定子鉄心のスロット数によっては実現できないという課題がある。
さらに、回転子の二次抵抗を大きくして、起動トルクを大きくする方法は、単相誘導電動機の運転中の効率が低下するという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、部品価格の高騰及び運転中の効率の低下を抑えつつ、且つ起動トルクを大きくできる圧縮機用電動機及び圧縮機及び冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、圧縮要素と駆動軸により連結して圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、
密閉容器の内周部に固定される固定子と、
固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、
回転子鉄心に鋳込まれる、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご形導体とを備え、
回転子鉄心には、冷媒の通路となる風穴を設け、
エンドリングは、その内径側が、風穴を塞ぐように、駆動軸側に拡大するとともに、
風穴を塞がないようにするために、風穴を密閉容器の空間に連通させる逃がし部を設けたことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、逃がし部をエンドリングの内周に設けた切欠きで構成したことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、逃がし部をエンドリングに設けたエンドリング風穴で構成したことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、圧縮要素と駆動軸により連結して該圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、
密閉容器の内周部に固定される固定子と、
固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、
回転子鉄心に鋳込まれる、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご形導体とを備え、
固定子には、冷媒の通路となる固定子風穴を設け、
エンドリングの内径側を駆動軸の近傍に位置するように構成することを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、固定子は固定子鉄心を備え、固定子鉄心の外周部に切欠きを設け、密閉容器と固定子鉄心の外周部の切欠きとの間に固定子風穴を設けたことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、回転子鉄心は駆動軸と嵌合する軸孔を備え、エンドリングの内径を軸孔の直径よりも8mm以上大きくしたことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、エンドリングの合計の体積を、回転子鉄心の体積の13%以上としたことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、圧縮要素は軸受けを備え、圧縮機用電動機は、圧縮要素の軸受けで片側が支持される、軸受けが片持ち構造であり、固定子と回転子との間の空隙の径方向長さを以下のようにすることを特徴とする。
(1)固定子の外径が140mmより小さい場合、空隙の径方向長さを0.6mm以下;
(2)前記固定子の外径が140mmを超える場合、空隙の径方向長さを0.8mm以下。
この発明に係る圧縮機用電動機は、回転子鉄心の圧縮要素の軸受けの反対側の外周を切削し、回転子鉄心の圧縮要素の軸受け側の外周よりも外径を小さくしたことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機は、上記圧縮機用電動機を搭載したことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機は、冷媒にR22を使用することを特徴とする。
この発明に係る圧縮機は、冷媒にR410aを使用することを特徴とする。
この発明に係る圧縮機は、冷媒にCOを使用することを特徴とする。
この発明に係る冷凍サイクル装置は、上記圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを冷媒配管で接続したことを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、上記構成により、部品価格の高騰及び運転中の効率の低下を抑えつつ、且つ起動トルクを大きくできる。
実施の形態1.
図1乃至14は実施の形態1を示す図で、図1は回転式圧縮機100の縦断面図、図2は電動要素13を示す横断面図、図3は電動要素13の回転子11を示す横断面図、図4は電動要素13の回転子11を示す斜視図、図5はエンドリング32に切欠き34を設けた回転子11の側面図、図6はエンドリング風穴32aを設けた回転子11の側面図、図7は固定子12側に風穴を設ける例を示す電動要素13付近の横断面図、図8、図9は回転子11のスロットの横断面図、図10はエンドリング32と回転子鉄心11aとの体積比率と、二次抵抗R2及びモータ効率との関係を示す図、図11は電動要素13の部分横断面図、図12は一重かご形と二重かご形のトルクリップルを示す図、図13は外周の一部に切削部を設けた回転子11の側面図、図14は回転式圧縮機100を使用する冷凍サイクル装置の構成図である。
本実施の形態は、回転式圧縮機等の圧縮機に使用される電動機の回転子の構造に特徴がある。
回転式圧縮機における電動機の回転子の構造以外は公知のものである。従って、図1を参照しながら1シリンダの回転式圧縮機(圧縮機の一例)の全体構成を簡単に説明する。
図1に示すように、回転式圧縮機100(圧縮機の一例)は、密閉容器4内に、圧縮要素10と電動要素13(圧縮機用電動機と呼ぶ)と図示しない冷凍機油とを収納している。冷凍機油は、密閉容器4内の底部に貯留している。冷凍機油は、主に圧縮要素10の摺動部を潤滑する。密閉容器4は、胴部1と上皿容器2と下皿容器3とからなる。
圧縮要素10は、シリンダ5、上軸受け6(軸受けの一例)、下軸受け7(軸受けの一例)、駆動軸8、ローリングピストン9、ベーン等で構成される。シリンダ5は内部に圧縮室を形成する。上軸受け6、下軸受け7は、シリンダ5の両端開口部(軸方向)を閉塞する。また、上軸受け6、下軸受け7は、駆動軸8の偏芯部が受ける圧縮荷重を支持する。ローリングピストン9が、駆動軸8の偏芯部に嵌合する。ベーンは、シリンダ5の溝内を往復運動し、先端がローリングピストン9と接する。シリンダ5と、ローリングピストン9と、ベーンとにより圧縮室が形成される。
電動要素13は、密閉容器4の胴部1に固定される固定子12と、固定子12の内部で回転する回転子11とを有する。
回転子11は、詳細は後述するが、アルミダイキャスト製の二重かご形回転子である。回転子11は、その内周に駆動軸8が固定される。
固定子12の巻線20にリード線21が接続される。リード線21は、ガラス端子17に接続する。ガラス端子17は、密閉容器4に溶接により固定されている。ガラス端子17に、外部の電源から電力が供給される。
回転式圧縮機100は、密閉容器4の外部に吸入マフラー14を備える。吸入マフラー14は、液冷媒が直接回転式圧縮機100に吸入されないようにするために設けられる。吸入マフラー14の吸入管15が圧縮要素10のシリンダ5に接続する。圧縮要素10で圧縮された高温・高圧のガス冷媒は、電動要素13を通過し、最後に吐出管16から外部へ吐出される。
ここで、本実施の形態の基本概念を説明しておく。単相の交流電源用の回転式圧縮機100の電動要素13に、単相誘導電動機を用いるとする。単相誘導電動機は、部品価格を抑えるために、運転用のコンデンサのみを用いるコンデンサモータとする。コンデンサモータは、三相誘導電動機に比べると起動トルクが小さい。また、コンデンサモータの起動トルクは、回転子11(かご形回転子)の二次抵抗に関係する。コンデンサモータの起動トルクは、回転子11の二次抵抗を大きくするほど大きくなる。しかし、回転子11の二次抵抗は、コンデンサモータの運転中の効率にも関係する。回転子11の二次抵抗が大きいと、コンデンサモータの運転中の効率は低下する。
回転子11の二次抵抗R2は、アルミバーの抵抗をRb、エンドリングの抵抗をRrとすると、
R2=k1×(Rb+Rr) (1)
で表される。ここで、k1は定数である。
回転子11が普通かご形回転子(一重かご形)の場合、アルミバーの抵抗Rbは、すべり(固定子12の巻線20が形成する回転磁界と回転子11との相対速度)の大きい起動時と、すべりの小さい運転時とで余り変わらない。アルミバーの径方向の深さが長い場合、多少起動時の抵抗Rbよりも運転時の抵抗Rbが小さくなる程度である。
運転中の効率を考慮して回転子11の二次抵抗R2は、余り大きくできない。そのため、二次抵抗R2に関係する起動トルクは、比較的小さい。
そこで、通常は起動用のコンデンサを追加して、起動トルクを大きくすることが行われる。しかし、起動用のコンデンサを追加すると部品価格が上がる。
部品価格を上げないで、且つ運転中の効率も下げないで起動トルクを改善する方法を模索した。
その結果、二重かご形回転子が有力であることが判明した。二重かご形回転子は、以下に示す特徴を有する。
即ち、二重かご形回転子は、抵抗の大きい外層スロット(回転子鉄心の外周に沿って設けられたスロット)と、抵抗の小さい内層スロット(外層スロットよりも回転子鉄心の内周に近い部分に、外層スロットに沿って設けられたスロット)を備える。二重かご形回転子を有する誘導電動機は一般的な特徴として、起動時はすべり周波数が高くなる。そのため、回転子外周側に磁束が流れる。主として抵抗の高い外層スロットのみに二次電流が流れることで、起動トルクが大きくなる。また通常運転時は、すべり周波数が低い。そのため、二次電流は外層スロットと内層スロットの両方に流れる。従って、二次抵抗が小さくなり、二次銅損が低くなる。よって、高効率化が実現できるという特性を有している。
二重かご形回転子を回転式圧縮機100の回転子11に適用する場合の実施例について以下説明を行う。
先ず、図2乃至図4により、単相誘導電動機を用いる電動要素13の構成を簡単に説明する。電動要素13は、固定子12と、固定子12の内部で回転する回転子11とを有する。
図1に示す固定子12は、二極の単相誘導電動機の固定子である。固定子12は、固定子鉄心12aと固定子スロット12bに挿入される主巻線20aおよび補助巻線20bとを備える。主巻線20aおよび補助巻線20bで、巻線20を構成する。固定子スロット12bには巻線20と固定子鉄心12aとの間の絶縁を確保するために絶縁材が挿入されるが、ここでは省略する。この例では、固定子スロット12bの数は24である。但し、これは一例であり、スロット数が24に限定されるものではない。
固定子鉄心12aは、板厚が0.1〜1.5mmの電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向に積層し、カシメや溶接等により固定して製作される。固定子鉄心12aの外周面には、外周円形状を略直線状に切り欠いた略直線部をなす切欠き12cが設けられている。
回転式圧縮機100に図2の固定子12を用いた単相誘導電動機を使用する場合に、固定子12は回転式圧縮機100の円筒状の密閉容器4に焼き嵌めされる。そのため、切欠き12cが、固定子12と密閉容器4との間に冷媒の通路を確保するために必要である。
固定子スロット12bには、同心巻方式又は重ね巻方式の主巻線20aが挿入される。主巻線20aに電流を流すことで主巻線磁束が生成される。また固定子スロット12bには主巻線20aと同様に同心巻方式又は重ね巻方式の補助巻線20bが挿入される。補助巻線20bに電流を流すことで補助巻線磁束が生成される。
一般的には主巻線磁束と補助巻線磁束のなす角度は電気角で90度である(ここでは極数が二極であるため、機械角も90度である)。補助巻線20bと直列に運転コンデンサ(図示せず)を接続したものに主巻線を並列接続させる。そして、その両端を単相交流電源へ接続する。それにより、主巻線磁束および補助巻線磁束を生成し、二極の回転磁界を生成することができる。
また、回転子11は回転子鉄心11aと二重かご形導体を備える。二重かご形導体は、アルミバー30と、エンドリング32とで構成される。アルミバー30は、外層スロット40aに鋳込まれる外層アルミバー30a(外層二次導体)と、内層スロット40bに鋳込まれる内層アルミバー30b(内層二次導体)とで構成される。エンドリング32(二個)は、回転子11の軸方向両端に設けられる。エンドリング32は、文字通りリング状(ドーナッツ状)である。エンドリング32は、各アルミバー30(外層アルミバー30a、内層アルミバー30b)の両端に連結する。
回転子鉄心11aは、固定子鉄心12aと同様に板厚が0.1〜1.5mmの電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向に積層して製作される。一般的には回転子鉄心11aは、固定子鉄心12aと同一の材料から打ち抜くことが多い。但し、回転子鉄心11aと固定子鉄心12aの材料を変えても構わない。
回転子鉄心11aは、二重かご形状の回転子スロット40を有する。回転子スロット40は、外層スロット40aと内層スロット40bとからなる。外層スロット40aは、半径方向外周側に設けられる。内層スロット40bは、外層スロット40aの内側に設けられる。
外層スロット40a及び内層スロット40bともに導電性材料であるアルミが鋳込まれる。そして、外層スロット40a内に外層アルミバー30aが鋳込まれる。また、内層スロット40b内に内層アルミバー30bが鋳込まれる。外層アルミバー30a及び内層アルミバー30bと、回転子11の積層方向両端面に設けられたエンドリング32と共にかご形二次巻線を形成する。一般的にアルミバー30とエンドリング32はダイキャストにより同時にアルミを鋳込むことで製作される。
図2において、二重かご形状を構成する外層スロット40aと内層スロット40bは電磁鋼板からなる内周薄肉(外層スロット40aと内層スロット40bとの間に設ける薄肉部分)によって分離されている。外層スロット40a内部の外層アルミバー30aと内層スロット40b内部の内層アルミバー30bとは、エンドリング32によって電気的に連結されている構造である。
既に述べたように、二重かご形回転子を用いる電動要素13(単相誘導電動機)は、起動時には外層アルミバー30aに電流が流れる。内層アルミバー30bには電流が殆ど流れない。そのため、アルミバー30の抵抗Rbが大きくなり、二次抵抗R2が大きくなる。二次抵抗R2は、(1)式に示すようにアルミバー30の抵抗Rb、エンドリング32の抵抗Rrの和に比例する。要求される起動トルクを出すために必要な二次抵抗R2は、アルミバー30の抵抗Rbで稼げる。従って、エンドリング32の抵抗Rrは小さくてよい。
電動要素13(単相誘導電動機)の運転中の効率を上げるには、二次抵抗R2は小さい方がよい。電動要素13(単相誘導電動機)の運転中は、前述の理由により、内層アルミバー30bにも電流が流れる。その分、アルミバー30の面積が増加して、アルミバー30の抵抗Rbは起動時よりも運転中の方が小さくなる。
エンドリング32の抵抗Rrも小さければ、二次抵抗R2はさらに小さくなる。
電動要素13に普通かご形回転子(一重かご形)を用いる場合は、アルミバー30の抵抗Rbが起動時と運転時で余り変わらない。そのため、要求される起動トルクを出すためには、エンドリング32の抵抗Rrは余り小さくできない。
電動要素13に二重かご形回転子を用いることで、要求される起動トルクを出すために必要な二次抵抗R2は、アルミバー30の抵抗Rbで稼げる。従って、エンドリング32の抵抗Rrを小さくして、運転中の効率を上げることができる。
エンドリング32の抵抗Rrを小さくするには、エンドリング32の体積を大きくすることになる。エンドリング32の体積を大きくする場合、エンドリング32の外周を、径方向に延ばすことは難しい。それは、エンドリング32のダイキャスト型が回転子鉄心11aの軸方向の端面の外周部近傍を押さえる押さえ代が必要なためである。即ち、エンドリング32は、回転子11の径方向の外側には拡大できない。
エンドリング32を軸方向に延ばすことは可能である。しかし、エンドリング32を軸方向に延ばすと、回転式圧縮機100の高さが高くなる。特に、図1の上軸受け6側のエンドリング32は、回転式圧縮機100の高さへの影響が大である。
そこで、エンドリング32の体積を大きくする、残された方法は、エンドリング32を回転子11の径方向の内側に延ばすことである。
エンドリング32を回転子11の径方向の内側に延ばす場合、種々の制約がある。
(1)回転式圧縮機100の回転子11には、通常冷媒の通路となる風穴33(図2、図3)が開けられている。エンドリング32を回転子11の径方向の内側に延ばすと、この風穴33を塞いでしまう。従って、エンドリング32は風穴33を塞がないように、逃がし部(風穴33を外部と連通させる部分)が必要になる。
(2)アルミダイキャストで回転子11を製作する場合、ダイキャスト型の内周部が回転子鉄心11aを押さえる押さえ代が少なくとも数ミリ必要である。例えば、押さえ代は4mm以上必要である。従って、エンドリング32の内径は、回転子11の軸孔31(図2、図3)の直径よりも8mm以上大きくする必要がある。
エンドリング32の内径側は風穴33を塞ぐように駆動軸側に拡大するため、風穴33を塞がないようにするために、エンドリング32に逃がし部(風穴33を外部と連通させる部分、例えば、風穴33を密閉容器4内の空間に連通させる部分)を設ける例を以下説明する。
図5に示す例は、逃がし部をエンドリング32の内周に設けた切欠き34で形成している。切欠き34は、エンドリング32の風穴33相当部分に形成する。切欠き34は、風穴33が露出するように設けられる。図5に示す回転子11には、4個の風穴33が開けられている。従って、切欠き34も4箇所に設けられる。
また、アルミダイキャストで回転子11を製作する場合の、ダイキャスト型の内周部が回転子鉄心11aを押さえる押さえ代を確保するために、エンドリング32の内周と軸孔31との距離Lを4mm以上とする。
回転子鉄心11aの風穴33とエンドリング32の切欠き34との位置決めは、アルミダイキャスト型の切欠き34対応部分の軸方向先端に位置決め用突起を設けることで可能となる。位置決め用突起を回転子鉄心11aの風穴33に挿入して位置決めを行う。
単相誘導電動機は、通常回転子11のアルミバー30は、スキューが行われる。即ち、アルミバー30は、回転子11の軸に平行ではなく傾いている。スキューは、固定子12の巻線20の発生する磁界の中の高調波成分(特にスロット高調波)の電圧がアルミバー30に誘起しないようにするために行われる。
回転子11のアルミバー30がスキューされていると、アルミダイキャスト型の位置決め用突起を回転子鉄心11aの風穴33に挿入しにくい。そこで、アルミバー30の軸方向の両端部は、所定の長さ(アルミダイキャスト型の位置決め用突起の軸方向長さより長い)を軸と平行にする。これにより、アルミダイキャスト型の位置決め用突起をスムーズに回転子鉄心11aの風穴33に挿入することができる。但し、回転子11のアルミバー30が全長に亘ってスキューされていても、アルミダイキャスト型の位置決め用突起の径を小さくすれば挿入可能である。この場合、回転子鉄心11aの風穴33とエンドリング32の切欠き34との位置決めの精度が若干悪くなる程度である。
エンドリング32の内径側は風穴33を塞ぐように駆動軸側に拡大するため、風穴33を塞がないようにするために、エンドリング32に逃がし部(風穴33を外部と連通させる部分、例えば、風穴33を密閉容器4内の空間に連通させる部分)を設ける他の例を図6により説明する。
図6に示すように、回転子鉄心11aの風穴33に連通するエンドリング風穴32aを形成する。エンドリング風穴32aは、回転子鉄心11aの風穴33に連通するようにアルミダイキャスト時に位置決めされて形成される。図6に示す回転子11には、4個の風穴33が開けられている。従って、エンドリング風穴32aも4箇所に設ける。
また、図5のケースと同様、アルミダイキャストで回転子11を製作する場合の、ダイキャスト型の内周部が回転子鉄心11aを押さえる押さえ代を確保するために、エンドリング32の内周と軸孔31との距離Lを4mm以上とする。
さらに、回転子鉄心11aの風穴33とエンドリング32のエンドリング風穴32aとの位置決めは、アルミダイキャスト型のエンドリング風穴32a対応部分の軸方向先端に位置決め用突起を設けることで可能となる。位置決め用突起を回転子鉄心11aの風穴33に挿入して位置決めを行う。
従って、エンドリング風穴32aの直径は、回転子鉄心11aの風穴33の直径よりも若干大きい。
図5、図6では、回転子11に風穴33を設ける例を示した。図7に示すように、風穴を固定子12側に設けてもよい。図7に示すように、固定子鉄心12aの外周に切欠き12cを設ける。図7では、切欠き12cを6箇所に設ける。固定子鉄心12aの切欠き12cと密閉容器4(胴部1)との間に空間が形成される。この空間が固定子風穴35になる。これらの6箇所の固定子風穴35と、固定子12と回転子11との間の空隙36(径方向の寸法が、例えば0.5mm程度)とが、圧縮要素10から吐出される高温・高圧のガス冷媒の通路となる。電動要素13を通過した高温・高圧のガス冷媒は吐出管16から外部(冷凍サイクル)へ吐出される。
図7では固定子鉄心12aの外周に切欠き12cを設けたが、外周ではなく固定子鉄心12aのコアバック(固定子スロット12bの外側の部分)に固定子風穴35を設けてもよい。
このように、風穴(固定子風穴35)を固定子12側に設けることにより、エンドリング32の拡大(エンドリング32の内径側を駆動軸の近傍に位置するように延ばす)ができる。また、固定子12を通過する冷媒流量が増加するので、固定子12の巻線20が冷却されて温度上昇が抑制される効果も有する。
尚、図7では固定子12はスロット12b等を省略している。回転子11のスロット形状は、図8、図9に示すような所謂二重かご形である。外層スロット40aと内層スロット40bとは、図8に示すように連結していても、図9に示すように連結していなくてもよい。
次に、両側のエンドリング32の合計の体積と、回転子鉄心11aの体積との比(これを、エンドリング体積比とする)と、回転子11の二次抵抗R2及びモータ効率との関係を図10により説明する。
既に説明したように、回転子11の二次抵抗R2は、(1)式で表される。即ち、二次抵抗R2は、アルミバーの抵抗Rbとエンドリングの抵抗Rrの和に比例する。従って、エンドリング体積比を大きくしてエンドリングの抵抗Rrを小さくしても、二次抵抗R2はアルミバーの抵抗Rbに収束する。
エンドリング体積比が大きくなると、二次抵抗R2が小さくなることによりモータ効率が増加する。しかし、二次抵抗R2が下限値に近づく(収束する)とともに、モータ効率も上限値に収束する。
従って、エンドリング体積比は、例えば、13%以上が好ましい。
次に、固定子12と回転子11との間に作用する磁気吸引力について言及する。固定子12と回転子11との間に作用する磁気吸引力Pは、次式で表される。
P=k2×W×Bm2 (2)
ここで、k2は定数、Wは固定子鉄心12aのコア幅(軸方向の長さ)、Bmは空隙36(固定子12と回転子11との間の距離、図11参照)における最大磁束密度である。
回転子11に二重かご形回転子を用いることにより、回転子11の二次抵抗R2を小さくできる。そのため、停動トルク(起動から無負荷に近い回転数における最大トルクをいう)を大きくすることができる。従って、停動トルクが一定であれば、空隙41の最大磁束密度Bmをその分小さくする設計が可能となる(固定子12の巻線20の仕様を変更する)。
空隙36の最大磁束密度Bmが小さくなれば、(2)式より固定子12と回転子11との間に作用する磁気吸引力Pが小さくなる。図1に示すように、電動要素13は、圧縮要素10の上軸受け6で片側を支持されているだけである。即ち、電動要素13は、軸受けが片持ち構造である。従って、軸受けで支持されていない上軸受け6側と反対側の回転子11部分(図1では回転子11の上部)は、振れ回る。この回転子11の振れ回りは、磁気吸引力Pに関係する。磁気吸引力Pが大きいと、回転子11の振れ回りも大きくなる。
このように、回転式圧縮機100は回転子11の振れ回りがあるため、空隙長(空隙36の径方向の長さ)を、電動要素13の軸受けが両持ち構造の場合よりも大きくしている。
回転子11に二重かご形回転子を用いることにより、固定子12と回転子11との間に作用する磁気吸引力Pを小さくできる。そのため、回転子11に一重かご形回転子(普通かご形)を用いる場合より、空隙長を小さくできる。例えば、固定子12と回転子11との間の空隙長(空隙の径方向長さ)を以下のようにすることができる。
(1)固定子12の外径が140mm以下の場合、空隙長を0.6mm以下;
(2)固定子12の外径が140mmを超える場合、空隙長を0.8mm以下。
また、図12に示すように、電動要素13(誘導電動機)の発生するトルクには高調波成分(トルクリップル)が重畳する。図12は、横軸が負荷トルク[Nm]、縦軸がトルクリップル[%](基本波トルクに対する比率)である。二重かご形と一重かご形(普通かご形)を比較すると、負荷トルクの略全域において、二重かご形のトルクリップルが一重かご形のトルクリップルよりも小さくなっている。
回転子11を二重かご形にすることにより、同一停動トルクにおいて磁気吸引力P(P=k2×W×Bm2)が小さくなり、回転子11の振れ回りを抑えることができ、固定子12の外径に応じて空隙長を0.6mm又は0.8mm以下にすることができることは既に述べた。さらに、図13に示すように、回転子鉄心11aの外周の一部(図1の上軸受け6側と反対側)を所定量切削して切削部38とする。そして、切削部38における空隙長を固定子12の外径に応じて0.6mm又は0.8mm以下にすれば、切削部38以外の部分(図1の上軸受け6に近い部分)の空隙長をさらに小さくでき、モータ効率を向上させることができる。
二重かご形回転子は、回転子鉄心11aのスロット40が、外層スロット40aと内層スロット40bとで構成される。そのため、スロット40部で、コア(回転子鉄心11a)と二次導体(外層アルミバー30aと内層アルミバー30b)の接触面積が広く、コアと二次導体間の絶縁が悪化する為、ブルーイングまたはポストヒートにより、コアと二次導体の絶縁を行う。ブルーイングとは、回転子鉄心11aを熱処理し、回転子鉄心11a表面に酸化被膜を形成するものである。ポストヒートとは、導体をダイキャスト後、回転子11を加熱、水などの液体に浸して急冷し、スロット40内の二次導体と回転子鉄心11aとの間に隙間を作り回転子鉄心と二次導体を絶縁するものである。
回転子鉄心11aと二次導体間の絶縁が悪化すると、電動要素13のトルク波形(回転数に対するトルク特性)にたるみが発生する。電動要素13のトルク波形にたるみが発生すると、回転式圧縮機100の起動不良に繋がる。
回転式圧縮機100が組み込まれる冷凍サイクルの冷媒に、R22冷媒を使用することもある。その場合、R22冷媒を使用すると固定子12の巻線20温度が上昇しやすい。そのため、モータの小型化が困難である。電動要素13に二重かご形回転子を用いることで、効率が改善されるので、小型化又は同一サイズで能力アップが可能になる。
また、回転式圧縮機100が組み込まれる冷凍サイクルの冷媒に、R410a冷媒を使用する。R410a冷媒を使用する場合は、R22冷媒に比べ冷凍能力が約10%増加する。そのため、電動要素13のトルクもR410a冷媒を使用する場合は、R22冷媒に比べその分(約10%)大きくする必要がある。この場合、回転子11に二重かご形回転子を使用することによるトルク改善が有効である。
R22冷媒使用の回転式圧縮機100に対し、冷凍能力比でモータを選定し、従来の一重かご形回転子から二重かご形回転子に置き換えるだけで、R410a冷媒対応の電動要素13を構成することができる。
さらに、回転式圧縮機100が組み込まれる冷凍サイクルの冷媒に、CO(R744)冷媒を使用する。CO冷媒は圧縮比が非常に高く、現在、CO冷媒を使用する回転式圧縮機100の電動要素13はブラシレスDCモータが主流となっている。CO冷媒を使用する回転式圧縮機100に二重かご形電動機を用いることにより、圧縮機サイズを大型化せずに、一定速誘導電動機を搭載したCO冷媒を用いた回転式圧縮機100を実現できる。
図14は回転式圧縮機100を使用する冷凍サイクル装置の構成図である。冷凍サイクル装置は、例えば、空気調和機である。回転式圧縮機100は単相電源18に接続される。回転式圧縮機100の単相誘導電動機の補助巻線20bと単相電源18との間に運転コンデンサ60が接続される。単相電源18から電力が回転式圧縮機100に供給され、回転式圧縮機100が駆動する。冷凍サイクル装置(空気調和機)は、回転式圧縮機100、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁51、室外熱交換器52、減圧装置53、室内熱交換器54等で構成される。これらが冷媒配管で接続される。
冷凍サイクル装置(空気調和機)は、例えば、冷房運転時、図14の矢印のように冷媒が流れる。室外熱交換器52は凝縮器になる。また、室内熱交換器54は蒸発器になる。
図示はしないが、冷凍サイクル装置(空気調和機)の暖房運転時は、冷媒は図11の矢印と反対方向の流れとなる。四方弁51によって、冷媒の流れる方向が切り替えられる。このときは、室外熱交換器52は蒸発器になる。また、室内熱交換器54は凝縮器になる。
また、冷媒としてR134a、R410a、R407c等に代表されるHFC系冷媒、および、R744(CO)、R717(アンモニア)、R600a(イソブタン)、R290(プロパン)等に代表される自然冷媒が使用される。冷凍機油としてアルキルベンゼン系油に代表される弱相溶性の油又はエステル油に代表される相溶性の油が使用される。圧縮機には、回転式(ロータリ式)以外に、レシプロ式、スクロール式などが使用可能である。
二重かご形回転子を搭載した回転式圧縮機100を冷凍サイクルに用いることにより、冷凍サイクル装置の性能の向上、小型化、低価格化が可能となる。
以上の説明では、かご形巻線の材料にアルミを使用する例を示したが、アルミに代えて銅を使用してもよい。
また、二重かご形回転子を用いた単相誘導電動機について説明したが、三相誘導電動機に適用しても同様の効果を奏する。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、逃がし部をエンドリングの内周に設けた切欠きで構成したことにより、回転子鉄心の風穴を塞ぐことなくエンドリングを拡大できる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、逃がし部をエンドリングに設けたエンドリング風穴で構成したことにより、回転子鉄心の風穴を塞ぐことなくエンドリングをさらに拡大できる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、圧縮要素と駆動軸により連結して圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、密閉容器の内周部に固定される固定子と、固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、回転子鉄心に鋳込まれる、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご形導体とを備え、固定子には、冷媒の通路となる固定子風穴を設け、エンドリングの内径側を駆動軸の近傍に位置するように構成することにより、エンドリングをより一層拡大できる。(1)式で示したように、回転子11の二次抵抗R2は、アルミバーの抵抗Rbとエンドリングの抵抗Rrとの和である。エンドリングを拡大することにより、エンドリングの抵抗Rrが小さくなり、その結果回転子11の二次抵抗R2が小さくなる。回転子11の二次抵抗R2が小さくなると、圧縮機用電動機の運転中の効率が向上する。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、固定子は固定子鉄心を備え、固定子鉄心の外周部に切欠きを設け、密閉容器と固定子鉄心の外周部の切欠きとの間に固定子風穴を設けたことにより、固定子風穴を通過する冷媒により固定子の巻線が冷却されて温度上昇が抑制される。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、回転子鉄心が駆動軸と嵌合する軸孔を備え、エンドリングの内径を軸孔の直径よりも8mm以上大きくしたことにより、二重かご形導体のダイキャスト時の型の押さえ代を確保することができる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、エンドリングの合計の体積を、回転子鉄心の体積の13%以上としたことにより、モータ効率を改善できる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、圧縮要素は軸受けを備え、圧縮機用電動機は、圧縮要素の軸受けで片側が支持される、軸受けが片持ち構造であり、固定子と回転子との間の空隙の径方向長さを以下のようにすることにより、モータ効率を改善できる。
(1)固定子の外径が140mmより小さい場合、空隙の径方向長さを0.6mm以下;
(2)固定子の外径が140mmを超える場合、空隙の径方向長さを0.8mm以下。
この発明の実施の形態に係る圧縮機用電動機は、回転子鉄心の圧縮要素の軸受けの反対側の外周を切削し、回転子鉄心の圧縮要素の軸受け側の外周よりも外径を小さくしたことにより、さらに固定子と回転子との間の空隙の径方向長さを小さくでき、モータ効率を改善できる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機は、上記圧縮機用電動機を搭載したことにより、省エネ、小型化及び低価格化を実現できる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機は、冷媒にR22を使用する場合でも、小型化又は同一サイズで能力アップが可能になる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機は、冷媒にR410aを使用する場合、回転子に二重かご形回転子を使用することによるトルク改善が有効である。
この発明の実施の形態に係る圧縮機は、冷媒にCOを使用する場合でも、圧縮機サイズを大型化せずに、一定速電動機を搭載したCO冷媒を用いた圧縮機を実現できる。
この発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置は、上記圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを冷媒配管で接続したことにより、冷凍サイクル装置の性能の向上、小型化、低価格化が可能となる。
実施の形態1を示す図で、回転式圧縮機100の縦断面図。 実施の形態1を示す図で、電動要素13を示す横断面図。 実施の形態1を示す図で、電動要素13の回転子11を示す横断面図。 実施の形態1を示す図で、電動要素13の回転子11を示す斜視図。 実施の形態1を示す図で、エンドリング32に切欠き34を設けた回転子11の側面図。 実施の形態1を示す図で、エンドリング風穴32aを設けた回転子11の側面図。 実施の形態1を示す図で、固定子12側に風穴を設ける例を示す電動要素13付近の横断面図。 実施の形態1を示す図で、回転子11のスロットの横断面図。 実施の形態1を示す図で、回転子11のスロットの横断面図。 実施の形態1を示す図で、エンドリング32と回転子鉄心11aとの体積比率と、二次抵抗R2及びモータ効率との関係を示す図。 実施の形態1を示す図で、電動要素13の部分横断面図。 実施の形態1を示す図で、一重かご形と二重かご形のトルクリップル波形を示す図。 実施の形態1を示す図で、外周の一部に切削部を設けた回転子11の側面図。 実施の形態1を示す図で、回転式圧縮機100を使用する冷凍サイクル装置の構成図。
符号の説明
1 胴部、2 上皿容器、3 下皿容器、4 密閉容器、5 シリンダ、6 上軸受け、7 下軸受け、8 駆動軸、9 ローリングピストン、10 圧縮要素、11 回転子、11a 回転子鉄心、12 固定子、12a 固定子鉄心、12b 固定子スロット、12c 切欠き、13 電動要素、14 吸入マフラー、15 吸入管、16 吐出管、17 ガラス端子、18 単相電源、20 巻線、20a 主巻線、20b 補助巻線、21 リード線、30 アルミバー、30a 外層アルミバー、30b 内層アルミバー、31 軸孔、32 エンドリング、32a エンドリング風穴、33 風穴、34 切欠き、35 固定子風穴、36 空隙、38 切削部、40a 外層スロット、40b 内層スロット、51 四方弁、52 室外熱交換器、53 減圧装置、54 室内熱交換器、60 運転コンデンサ、100 回転式圧縮機。
この発明に係る圧縮機用電動機は、密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、圧縮要素と駆動軸により連結して圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、
密閉容器の内周部に固定される固定子と、
固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、
回転子鉄心に設けられ、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご形導体とを備え、
回転子鉄心には、冷媒の通路となる風穴を設け、
エンドリングは内径側が風穴の少なくとも一部を塞ぐように設けられるとともに、該エンドリングに風穴を密閉容器の空間に連通させる逃がし部を有することを特徴とする。
この発明に係る圧縮機用電動機は、密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、圧縮要素と駆動軸により連結して該圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、
密閉容器の内周部に固定される固定子と、
固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、
回転子鉄心に設けられ、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご形導体とを備え、
固定子には、冷媒の通路となる固定子風穴を設け、
エンドリングの内径側を駆動軸の近傍に位置するように構成することを特徴とする。
回転子11に二重かご形回転子を用いることにより、回転子11の二次抵抗R2を小さくできる。そのため、停動トルク(起動から無負荷に近い回転数における最大トルクをいう)を大きくすることができる。従って、停動トルクが一定であれば、空隙36の最大磁束密度Bmをその分小さくする設計が可能となる(固定子12の巻線20の仕様を変更する)。
図示はしないが、冷凍サイクル装置(空気調和機)の暖房運転時は、冷媒は図14の矢印と反対方向の流れとなる。四方弁51によって、冷媒の流れる方向が切り替えられる。このときは、室外熱交換器52は蒸発器になる。また、室内熱交換器54は凝縮器になる。

Claims (19)

  1. 密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、前記圧縮要素と駆動軸により連結して該圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、
    前記密閉容器の内周部に固定される固定子と、
    前記固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、
    前記回転子鉄心に鋳込まれる、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご形導体とを備え、
    前記回転子鉄心には、前記冷媒の通路となる風穴を設け、
    前記エンドリングは、その内径側が前記風穴を塞ぐように前記駆動軸側に拡大するとともに、前記風穴を塞がないようにするために、前記風穴を前記密閉容器の空間に連通させる逃がし部を有することを特徴とする圧縮機用電動機。
  2. 前記逃がし部を前記エンドリングの内周に設けた切欠きで構成したことを特徴とする請求項1記載の圧縮機用電動機。
  3. 前記逃がし部を前記エンドリングに設けたエンドリング風穴で構成したことを特徴とする請求項1記載の圧縮機用電動機。
  4. 密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、前記圧縮要素と駆動軸により連結して該圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、
    前記密閉容器の内周部に固定される固定子と、
    前記固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、
    前記回転子鉄心に鋳込まれる、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご形導体とを備え、
    前記固定子には、前記冷媒の通路となる固定子風穴を設け、
    前記エンドリングの内径側を前記駆動軸の近傍に位置するように構成することを特徴とする圧縮機用電動機。
  5. 前記固定子は固定子鉄心を備え、前記固定子鉄心の外周部に切欠きを設け、前記密閉容器と前記固定子鉄心の外周部の切欠きとの間に前記固定子風穴を設けたことを特徴とする請求項4記載の圧縮機用電動機。
  6. 前記回転子鉄心は前記駆動軸と嵌合する軸孔を備え、前記エンドリングの内径を前記軸孔の直径よりも8mm以上大きくしたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機用電動機。
  7. 前記回転子鉄心は前記駆動軸と嵌合する軸孔を備え、前記エンドリングの内径を前記軸孔の直径よりも8mm以上大きくしたことを特徴とする請求項4記載の圧縮機用電動機。
  8. 前記エンドリングの合計の体積を、前記回転子鉄心の体積の13%以上としたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機用電動機。
  9. 前記エンドリングの合計の体積を、前記回転子鉄心の体積の13%以上としたことを特徴とする請求項4記載の圧縮機用電動機。
  10. 前記圧縮要素は軸受けを備え、前記圧縮機用電動機は、前記圧縮要素の軸受けで片側が支持される、軸受けが片持ち構造であり、
    前記固定子と前記回転子との間の空隙の径方向長さを以下のようにすることを特徴とする請求項1記載の圧縮機用電動機。
    (1)前記固定子の外径が140mmより小さい場合、前記空隙の径方向長さを0.6mm以下;
    (2)前記固定子の外径が140mmを超える場合、前記空隙の径方向長さを0.8mm以下。
  11. 前記回転子鉄心の前記圧縮要素の軸受けの反対側の外周を切削し、前記回転子鉄心の前記圧縮要素の軸受け側の外周よりも外径を小さくしたことを特徴とする請求項10記載の圧縮機用電動機。
  12. 請求項1記載の圧縮機用電動機を搭載したことを特徴とする圧縮機。
  13. 冷媒にR22を使用することを特徴とする請求項12記載の圧縮機。
  14. 冷媒にR410aを使用することを特徴とする請求項12記載の圧縮機。
  15. 冷媒にCOを使用することを特徴とする請求項12記載の圧縮機。
  16. 請求項12記載の圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを冷媒配管で接続したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  17. 請求項13記載の圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを冷媒配管で接続したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  18. 請求項14記載の圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを冷媒配管で接続したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  19. 請求項15記載の圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを冷媒配管で接続したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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