JPWO2009044561A1 - 抗proNT/NMNモノクローナル抗体 - Google Patents
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Abstract
proNeurotensin/Neuromedin N(proNT/NMN)タンパクに対する特異的モノクローナル抗体と、それを用いた高感度のproNT/NMNタンパクの検出/測定法を確立することにより、小細胞肺癌の早期診断法等を提供するものである。proNT/NMNタンパクのアミノ酸配列−1〜38番、又は8〜87番のペプチド断片を含む抗原を、マウスに免疫することにより7種類の抗proNT/NMNモノクローナル抗体を作製し、さらにそれらの抗体を用いたproNT/NMN測定法を確立した。
Description
本発明は、小細胞肺癌の腫瘍マーカーであるproNeurotensin/Neuromedin N(proNT/NMN)のモノクローナル抗体と、それを用いたproNT/NMNタンパクの検出/測定法や、小細胞肺癌の診断方法・診断キットに関する。
癌治療における診断・判定法として血中腫瘍マーカーの検出・計測を挙げることができる。腫瘍マーカーは腫瘍または腫瘍と反応した正常細胞が作る物質の中で、血中や尿中などに放出され腫瘍の体外診断を可能としているものである。
上記腫瘍マーカーに関しては、乳癌患者と正常人の胸部組織に差異的に発現する遺伝子を使用した悪性腫瘍、特に乳癌を予想、診断 、予後判定、予防および処置するための新規な組成物、方法および使用(例えば、特許文献1参照)や、肝炎ウイルスの感染に起因し慢性肝炎または肝硬変を発症した患者に対し、肝炎ウイルスに感染した患者のミトコンドリアDNAの塩基配列を評価することによって肝臓癌の発癌リスクを評価する方法(例えば、特許文献2参照)や、その遺伝子産物がCLL細胞および前立腺癌細胞の新生物性または腫瘍形成性増殖を抑制するmiR15およびmiR16のコピー数、変異状態または遺伝子発現を検出することによる慢性リンパ性白血病または前立腺癌の診断方法(例えば、特許文献3参照)や、無症候性期または初期段階の患者における発癌過程の存在を検出するのに適当な迅速な癌の診断方法や、癌患者の血清中に存在する炭酸脱水酵素IIの活性化化合物、すなわち腫瘍マーカー、該癌の診断方法によって、無症候性期または初期段階の患者の癌を検出することを特徴とする癌の処置方法ならびに該癌の診断方法を行うためのキット(例えば、特許文献4参照)等が知られている。
また、肺癌は小細胞癌と非小細胞癌の2つの型に大きく分類され、非小細胞癌はさらに腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌の3タイプに分類され、それぞれのタイプによって発生する部位がある程度決まっており、小細胞癌と扁平上皮癌は肺門部に、腺癌と大細胞癌は肺野部にできやすい肺癌といわれている。肺癌に関して、小細胞肺癌 (SCLC)を患う患者を治療し、またはSCLC腫瘍の存在を検出するための、比較的短いペプチド、詳細には、α−コノトキシンペプチドMIIおよびU002を使用して小細胞肺癌の存在または位置を決定することにより検出する方法(例えば、特許文献5参照)や、血清中の優れた肺癌マーカーとしての血管透過性因子を測定することにより、特に化学発光検出系酵素免疫測定法を用いて高感度で測定することにより、肺癌の早期診断、さらには治療効果の判定、経過観察を行う方法(例えば、特許文献6参照)等が知られている。
現在日本において肺癌は男性の癌死亡率の第1位であり、女性では胃癌に次いで第2位であることから、肺癌特異的な腫瘍マーカーを開発することにより、肺癌の早期診断・治療成績の向上が期待されていた。本発明の課題は、proNT/NMNタンパクに対する特異的モノクローナル抗体と、それを用いた高感度のproNT/NMNタンパクの検出/測定法を確立することにより、小細胞肺癌の早期診断法等を提供することにある。
本発明者らは、先にヒト肺癌由来培養細胞株の培養上清に放出されるたんぱく質・ペプチドのプロテオーム解析を行い、小細胞肺癌培養細胞株であるSBC3の培養上清にproNT/NMNが放出されているが、小細胞肺癌以外の肺癌細胞株(腺癌・大細胞癌・扁平上皮癌)の培養上清にはproNT/NMNが検出されないとの知見を得て、proNT/NMNが有用な腫瘍マーカーであることを明らかにしている(特願2007−086831号公報)。そこで、本発明者らは、proNT/NMNタンパクのアミノ酸配列−1〜38番(配列番号2)、又は8〜87番(配列番号3)のペプチド断片を含む抗原を、マウスに免疫することにより7種類の抗proNT/NMNモノクローナル抗体を作製し、さらに、それらの抗体を用いたproNT/NMN測定法を確立し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)と結合し、配列番号3〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−001や、(2)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)と結合し、配列番号3〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−002や、(3)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)及び配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号4〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−003や、(4)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)と結合し、配列番号3〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−004に関する。
また本発明は、(5)配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)、及び配列番号5〜7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−005や、(6)配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)、及び配列番号5〜7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−006や、(7)配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)、及び配列番号5〜7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−007に関する。
また本発明は、(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を用いることを特徴とするproNT/NMNタンパクを検出/測定する方法や、(9)proNT/NMNタンパクを検出/測定する方法が、サンドイッチELISA法であることを特徴とする上記(8)記載の方法や、(10)上記(1)〜(4)のいずれか記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体と、上記(5)〜(7)のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体とを、組み合わせて用いるサンドイッチELISA法であることを特徴とする上記(9)記載の方法や、(11)上記(1)〜(7)のいずれか記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株又はそれらに由来する細胞株に関する。
さらに本発明は、(12)上記(1)〜(7)のいずれか記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を用いて、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定することを特徴とする小細胞肺癌の診断方法や、(13)上記(1)〜(7)のいずれか記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を備え、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定しうることを特徴とする小細胞肺癌の診断キットに関する。
本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体、SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004は、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原をマウスに免疫することにより作製されたモノクローナル抗体であり、proNT/NMNタンパクに由来するペプチド断片である、proNT/NMN(aa−1〜38):配列番号2、proNT/NMN(aa26〜38):配列番号4、proNT/NMN(aa8〜87):配列番号3、proNT/NMN(aa26〜87):配列番号5、proNT/NMN(aa39〜87):配列番号6、proNT/NMN(aa47〜87):配列番号7、及びproNT/NMN(aa66〜87):配列番号8のうち、SCC−MGD−001はproNT/NMN(aa−1〜38)を、SCC−MGD−002はproNT/NMN(aa−1〜38)を、SCC−MGD−003はproNT/NMN(aa−1〜38)及びproNT/NMN(8〜87)を、SCC−MGD−004はproNT/NMN(aa−1〜38)を、それぞれインビトロで認識する。これらSCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004が認識するエピトープは、proNT/NMNタンパクのアミノ酸配列−1〜7番にあると推定される。
また、本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体、SCC−MGD−005、SCC−MGD−006、SCC−MGD−007は、配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を含む抗原をマウスに免疫することにより作製されたモノクローナル抗体であり、これら3種の抗体は、上記proNT/NMNタンパクに由来する7種のペプチド断片のうちのproNT/NMN(aa8〜87)、proNT/NMN(aa26〜87)、proNT/NMN(aa39〜87)、及びproNT/NMN(aa47〜87)をインビトロで認識する。これらSCC−MGD−005、SCC−MGD−006、SCC−MGD−007が認識するエピトープは、proNT/NMNタンパクのアミノ酸配列47〜66番にあると推定される。
本発明のproNT/NMNを検出/測定する方法としては、上記本発明のモノクローナル抗体 、該モノクローナル抗体の可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメントを用いる方法であれば特に制限されるものではなく、したがって、本発明のモノクローナル抗体には、これらモノクローナル抗体の可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメントも便宜上含まれる。これら本発明のモノクローナル抗体等を用いて、RIA法、ELISA法、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、血球凝集反応法、オクタロニー法等の免疫学的測定方法を行うことによりproNT/NMNを特異的かつ正確に測定することができる。例えば、固相化された本発明の第1のモノクローナル抗体と、これらモノクローナル抗体とは認識部位を異にする、標識化された第2のモノクローナル抗体とを用いる方法を挙げることができる。以下、かかるproNT/NMNタンパクを認識する本発明のモノクローナル抗体を用いた直接競合ELISA法及びサンドイッチELISA法について説明する。
直接競合ELISA法では、抗マウスIgG抗体を担体に固相化(固相化二次抗体)する。これにヒト血液(血清)や尿等の検体、酵素標識抗原、及び抗proNT/NMNモノクローナル抗体(一次抗体)を加え、抗体抗原反応により形成される一次抗体と検体中のproNT/NMN、又は酵素標識抗原の抗原抗体複合体と、固相化二次抗体を結合させる。抗体に結合しなかった酵素標識抗原を除去し、基質を加えて酵素反応を行う。検体中のproNT/NMNと標識抗原の一次抗体への結合は競合するため、検体中のproNT/NMN量と酵素活性は逆の相関関係を示し、既知量のproNT/NMNと二次抗体に標識した酵素活性との関係を示す検量線から、検体中のproNT/NMN量を求めることができる。サンドイッチELISA法では、抗proNT/NMNモノクローナル抗体を担体に固相化(固相化一次抗体)し、これにヒト血液(血清)や尿等の検体を加え、抗原抗体反応により検体中のproNT/NMNを抗原抗体反応により固相化一次抗体に結合させる。次に酵素標識した認識部位を異にする抗proNT/NMNモノクローナル抗体(酵素標識二次抗体)を反応させ、抗原抗体反応により酵素標識二次抗体を上記固相化一次抗体に結合している抗原に結合させる。その後、抗原に結合しなかった酵素標識二次抗体を除去し、基質を加えて酵素反応を行うことにより、既知量のproNT/NMNと二次抗体に標識した酵素活性との関係を示す検量線から、検体中のproNT/NMN量を求めることができる。これらのELISA法を用いて測定されたproNT/NMNタンパク測定値は、肺癌細胞の有無の指標として用いることができる。
上記ELISA 法において、本発明のモノクローナル抗体に便宜上含まれるモノクローナル抗体の可変領域からなる抗体結合部位を含む抗体フラグメントも使用することができる。モノクローナル抗体に代えて、例えば、F(ab′)2、Fabなどの該モノクローナル抗体の可変領域からなる抗体結合部位を含むproNT/NMNに結合する抗体フラグメントを使用することもできる。また、これらモノクローナル抗体や抗体フラグメントを標識する酵素としては、β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等を例示することができ、これら酵素は「酵素標識法(生物化学実験法 27 ) 」 (第1版、石川栄治著、学会出版センター、1991年) などに記載されている方法で標識することができる。またこれら酵素に代えて、例えば、125I、32P、35S、3H等のラジオアイソトープや、FITC(フルオレセインイソシアネート)、テトラメチルローダミンイソシアネート等の蛍光物質や、GFP(グリーン蛍光タンパク質)等の蛍光発光タンパク質などを融合させた融合タンパク質を用いることもできる。一方、固相としては、シリコン、ナイロン、プラスチック、ガラスからなるビーズ、マイクロプレート、試験管、フィルター、メンブレン等を用いることができる。
本件モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、例えば、配列番号2に示されるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原や配列番号3に示されるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を免疫し、免疫されたマウスの抗体産生細胞とマウスミエローマ細胞とを、常法により細胞融合させ、免疫蛍光染色パターンによりスクリーニングすることにより、本件モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作出することができる。免疫する動物としてはマウス、ラット、ウサギ、ウマ等が挙げられる。免疫は、例えば配列番号2に示されるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)や配列番号3に示されるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)をそのまま又は適当なアジュバントと共に動物の皮下、筋肉内又は腹腔内に1〜2回/月、1〜6ケ月間投与することにより行なわれる。抗体産生細胞の分離は、最終免疫から2〜4日後に免疫動物から採取することにより行なわれる。ミエローマ細胞としては、マウス、ラット由来のもの等を使用することができる。抗体産生細胞とミエローマ細胞とは同種動物由来であることが好ましい。細胞融合は、例えばダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)等の培地中で抗体産生細胞とミエローマ細胞とをポリエチレングリコール等の融合促進剤の存在下で混合することにより行なうことができる。細胞融合終了後、DMEM等で適当に希釈し、遠心分離し、沈殿をHAT培地等の選択培地に懸濁して培養することによりハイブリドーマを選択し、次いで、培養上清を用いて酵素抗体法により抗体産生ハイブリドーマを検索し、限界希釈法等によりクローニングを行ない、本件モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得ることができる。前記のように、抗体産生ハイブリドーマを培地中又は生体内で培養しモノクローナル抗体を培養物から採取することができるが、培養物又は腹水からのモノクローナル抗体の分離・精製方法としては、タンパク質の精製に一般的に用いられる方法であればどのような方法でもよく、例えば、IgG精製に通常使用される硫安分画法、陰イオン交換体又はプロテインA、G等のカラムによるクロマトグラフィーによって行なうことができる。
本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体、SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004、SCC−MGD−005、SCC−MGD−006、SCC−MGD−007をそれぞれ産生する本件モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、静岡県立静岡がんセンター研究所遺伝子診療研究部(日本国静岡県駿東郡長泉町下長窪1007番地)に保管されており、一定の条件下で分譲を受けることができる。
本発明の小細胞肺癌の診断(判定)方法としては、上記本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を用いて、ヒト血清等の試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定する方法であれば特に制限されず、proNT/NMNタンパクの検出/測定方法としては、例えば、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、発光イムノアッセイ、免疫沈降法、免疫比濁法、フローサイトメトリー、ウエスタンブロッテイング、免疫染色、免疫拡散法等の免疫学的測定方法を挙げることができ、また、直接競合ELISA法及びサンドイッチELISA法を好適に例示することができる。
本発明の小細胞肺癌の診断(判定)キットとしては、上記本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を備え、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定しうるキットであれば特に制限されず、抗proNT/NMNモノクローナル抗体固相化ELISA用アッセイプレートや標識化抗proNT/NMNモノクローナル抗体等の1又は2以上の本発明の抗proNT/NMNモノクローナル抗体の他、各種緩衝液、反応終了液、検出基質などを含んでいてもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[抗proNT/NMNモノクローナル抗体の作製]
proNT/NMNは、147アミノ酸からなる分子量17236のタンパク質である(配列番号1)。配列番号2及び3に示す2種類のペプチド、proNT/NMN(aa−1〜38)及びproNT/NMN(aa8〜87)を合成し、キャリアであるKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)と結合させ、抗原となるproNT/NMN(aa−1〜38)−KLHおよびproNT/NMN(aa8〜87)−KLHを作製した。免疫方法として、初回は、免疫原とフロイント完全アジュバンドを用いてエマルジョンを作製し、マウス(Balb/c、雌、7週齢)腹腔内に投与した(ペプチド換算約0.2mg/マウス)。2回目からは、同様に調製したエマルジョンをマウス腹腔内に投与し(ペプチド換算約0.1mg/マウス)、計6回の追加免疫を行った後、最終免疫より4週間後にブート免疫を行い、その3日後に細胞融合を行った。
proNT/NMNは、147アミノ酸からなる分子量17236のタンパク質である(配列番号1)。配列番号2及び3に示す2種類のペプチド、proNT/NMN(aa−1〜38)及びproNT/NMN(aa8〜87)を合成し、キャリアであるKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)と結合させ、抗原となるproNT/NMN(aa−1〜38)−KLHおよびproNT/NMN(aa8〜87)−KLHを作製した。免疫方法として、初回は、免疫原とフロイント完全アジュバンドを用いてエマルジョンを作製し、マウス(Balb/c、雌、7週齢)腹腔内に投与した(ペプチド換算約0.2mg/マウス)。2回目からは、同様に調製したエマルジョンをマウス腹腔内に投与し(ペプチド換算約0.1mg/マウス)、計6回の追加免疫を行った後、最終免疫より4週間後にブート免疫を行い、その3日後に細胞融合を行った。
免疫マウスより脾臓細胞を調製し、ポリエチレングリコールを用いてマウスミエローマ細胞P3U1と細胞融合した。標準抗原としてproNT/NMN(aa−1〜38)ペプチド、標識抗原としてビオチン標識proNT/NMN(aa−1〜38)ペプチドを用い酵素免疫測定法による一次スクリーニングを行い、陽性ハイブリドーマを選出した後、さらに限界希釈法によるスクリーニングを行った。上記のスクリーニングにより選出されたハイブリドーマ細胞をヌードマウス腹腔内に投与し腹水を作製し、その腹水を回収した。脱脂後プロテインAアフィニティーカラムにより、腹水よりモノクローナル抗体を精製し、Isotyping Test kit(大日本製薬製)を用いてIsotypeを調べた。その結果、proNT/NMN(aa−1〜38)を抗原とする5種類の抗体(SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004、SCC−MGD−008)と、proNT/NMN(aa8−87)を抗原とする3種類の抗体(SCC−MGD−005、SCC−MGD−006、SCC−MGD−007)を得た(図1)。
[モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティング]
上記の抗体を用いたウエスタンブロッティングを行い、培養上清中及び培養細胞抽出液中のproNT/NMNタンパクの検出を行った。小細胞癌由来細胞株であるSBC3細胞を1×106となるよう10cmシャーレに播種し、一晩インキュベートして細胞をシャーレに接着させた。培地は10%のFBSを含むRPMI1640を用いた。次にPBSで2回洗浄した後、FBSを含まないRPMI1640培地に交換した。RPMI1640培地で1時間インキュベートした後、培地を捨て、PBSでさらに2回洗浄し、RPMI1640培地を7ml加えた。48時間インキュベートした後この培地を回収した。また、培養後の細胞を0.25mlのlysis buffer(7.5M urea,2.5M thiourea,12.5% glycerol,50mM Tris,2.5% N-octylglucoside,6.25mM TCEP[Tris-carboxyethyl phosphine hydrocholine],1.25mM protease inhibitor)で溶解し、細胞抽出液を調製した。
上記の抗体を用いたウエスタンブロッティングを行い、培養上清中及び培養細胞抽出液中のproNT/NMNタンパクの検出を行った。小細胞癌由来細胞株であるSBC3細胞を1×106となるよう10cmシャーレに播種し、一晩インキュベートして細胞をシャーレに接着させた。培地は10%のFBSを含むRPMI1640を用いた。次にPBSで2回洗浄した後、FBSを含まないRPMI1640培地に交換した。RPMI1640培地で1時間インキュベートした後、培地を捨て、PBSでさらに2回洗浄し、RPMI1640培地を7ml加えた。48時間インキュベートした後この培地を回収した。また、培養後の細胞を0.25mlのlysis buffer(7.5M urea,2.5M thiourea,12.5% glycerol,50mM Tris,2.5% N-octylglucoside,6.25mM TCEP[Tris-carboxyethyl phosphine hydrocholine],1.25mM protease inhibitor)で溶解し、細胞抽出液を調製した。
調整した培養上清及び細胞抽出液におけるproNT/NMNタンパク発現を、ウエスタンブロッティングにより検討した。対照として、すでに市販されている2種類の抗proNT/NMN抗体(いずれもSanta Cruz Biotechnology社製)を用いた。図2に培養上清の、図3に細胞抽出液のウエスタンブロッティングの結果を示す。本発明の8種の抗体のうち、SCC−MGD−008以外の全ての抗体により20kDaのバンドが検出された。これはproNT/NMNタンパクの分子量と一致しており、さらに、対象の抗体で検出されたバンド位置と一致していることから、本発明のモノクローナル抗体はウエスタンブロッティングによりproNT/NMNタンパクを検出することが可能あることが示された(図2及び3)。また、上清と細胞抽出液の両方に関して、SCC−MGD−003により複数のバンドが検出されたことから、SCC−MGD−003は非特異的に他のタンパクを認識する可能性が示された。以上の結果より、実施例1で得られたモノクローナル抗体のうち、SCC−MGD−008以外の7種の抗体が、proNT/NMNタンパクの測定系に使用できる可能性が示された。
[直接競合ELISA法(化学発色)]
さらに、実施例1で作製した抗体を用いた酵素免疫測定を行い、培養上清中のproNT/NMNタンパクの測定を行った。酵素免疫測定の測定系は以下に示す通りである。0.1M炭酸水素ナトリウム溶液で希釈したヤギ抗マウスIgG(Fc)抗体(Cosmo Bio社製)を96ウェルプレートへ分注し4℃で一晩静置した。その後、ブロックエース(大日本製薬製)を用い4℃で一晩静置しブロッキングを行った。これを抗マウスIgG抗体固定化プレート(プレート)とし、以下のアッセイに用いた。プレートの各ウェルを洗浄液(0.05%Tween20を含むPBS(−))で3回洗浄後、ビオチン標識した、又は標識していないproNT/NMNペプチドを緩衝液(0.1%BSAを含むPBS(−))で希釈し、抗proNT/NMNモノクローナル抗体とともにプレートに分注し、室温で3時間反応させた(シェーカー100rpm)。洗浄液で4回洗浄後、緩衝液で希釈したStreptavidin-Horseradish Peroxidase Conjugate(メルク社製)溶液を分注し室温で2時間反応させた(シェーカー100rpm)。洗浄液で4回洗浄後、OPD基質溶液[基質溶解液(0.067Mリン酸水素二ナトリウム十二水和物、0.033Mクエン酸一水和物および0.015%H2O2)にOPD錠(Sigma社製)を使用直前に溶解]を分注し室温で20分間反応させた(静置)。1mol/LのH2SO4で反応を停止させ、マイクロプレートリーダーを用い標識抗原の酵素活性をO.D.492nmで測定した。
さらに、実施例1で作製した抗体を用いた酵素免疫測定を行い、培養上清中のproNT/NMNタンパクの測定を行った。酵素免疫測定の測定系は以下に示す通りである。0.1M炭酸水素ナトリウム溶液で希釈したヤギ抗マウスIgG(Fc)抗体(Cosmo Bio社製)を96ウェルプレートへ分注し4℃で一晩静置した。その後、ブロックエース(大日本製薬製)を用い4℃で一晩静置しブロッキングを行った。これを抗マウスIgG抗体固定化プレート(プレート)とし、以下のアッセイに用いた。プレートの各ウェルを洗浄液(0.05%Tween20を含むPBS(−))で3回洗浄後、ビオチン標識した、又は標識していないproNT/NMNペプチドを緩衝液(0.1%BSAを含むPBS(−))で希釈し、抗proNT/NMNモノクローナル抗体とともにプレートに分注し、室温で3時間反応させた(シェーカー100rpm)。洗浄液で4回洗浄後、緩衝液で希釈したStreptavidin-Horseradish Peroxidase Conjugate(メルク社製)溶液を分注し室温で2時間反応させた(シェーカー100rpm)。洗浄液で4回洗浄後、OPD基質溶液[基質溶解液(0.067Mリン酸水素二ナトリウム十二水和物、0.033Mクエン酸一水和物および0.015%H2O2)にOPD錠(Sigma社製)を使用直前に溶解]を分注し室温で20分間反応させた(静置)。1mol/LのH2SO4で反応を停止させ、マイクロプレートリーダーを用い標識抗原の酵素活性をO.D.492nmで測定した。
実施例2でproNT/NMNタンパクを認識することが確認された4種類のモノクローナル抗体(SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004)を用いて直接競合ELISA法を行い、SBC3細胞の培養上清中のproNT/NMタンパク濃度を測定した。測定系には、標識抗原としてビオチン標識proNT/NMN(aa39〜87)ペプチドを用い、標準抗原としてproNT/NMN(aa8〜87)ペプチドを用いた。また、SBC3無血清培養上清(5、12、25、38および50μl)を標識抗原としてビオチン標識proNT/NMN(aa−1〜38)ペプチドと競合させ濃度を測定した。図4に示すように、全ての抗体において、培養上清の量にともなってO.D.値が低くなることが明らかとなった。また、このような阻害曲線は培養液のみを測定した結果では得られなかった(図5)。これらの結果から、本測定系により培養上清中のproNT/NMタンパクを特異的に測定できることが示された。
[モノクローナル抗体のエピトープ解析]
続いて、実施例3の直接競合ELISA法を用い、7種のモノクローナル抗体のエピトープを解析した。解析には以下に示す7種のproNT/NMNペプチドを用いた(図6)。
proNT/NMN(aa−1〜38):配列番号2
proNT/NMN(aa26〜38):配列番号4
proNT/NMN(aa8〜87) :配列番号3
proNT/NMN(aa26〜87):配列番号5
proNT/NMN(aa39〜87):配列番号6
proNT/NMN(aa47〜87):配列番号7
proNT/NMN(aa66〜87):配列番号8
続いて、実施例3の直接競合ELISA法を用い、7種のモノクローナル抗体のエピトープを解析した。解析には以下に示す7種のproNT/NMNペプチドを用いた(図6)。
proNT/NMN(aa−1〜38):配列番号2
proNT/NMN(aa26〜38):配列番号4
proNT/NMN(aa8〜87) :配列番号3
proNT/NMN(aa26〜87):配列番号5
proNT/NMN(aa39〜87):配列番号6
proNT/NMN(aa47〜87):配列番号7
proNT/NMN(aa66〜87):配列番号8
各測定では、一次抗体として0.5μg/mlに希釈した各モノクローナル抗体、及び5−1000ng/mlの非標識ペプチドを用いた。また、ビオチン標識抗原として、SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004の検討には20ng/mlのproNT/NMN(aa−1〜38)を(図7)、SCC−MGD−005、SCC−MGD−006、SCC−MGD−007の検討には10ng/mlのproNT/NMN(aa39〜87)を用いた(図8)。
図7に、proNT/NMN(aa−1〜38)の免疫により作製した4種類の抗体(SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004)の測定結果を、図8に、proNT/NMN(aa8〜87)の免疫により作製した3種類の抗体(SCC−MGD−005、SCC−MGD−006、SCC−MGD−007)の測定結果を示す。図7に示すように、proNT/NMN(aa−1〜38)の免疫により作製した4種類の抗体は全て、proNT/NMN(aa−1〜38)を認識すること、その阻害濃度はほぼ同じであることが明らかとなった。また、SCC−MGD−003のみがproNT/NMN(aa8〜87)にも結合を示したが、それ以外のペプチドに関しては、5種類すべての抗体が全く認識しないことが明らかとなった。一方、図8に示すように、proNT/NMN(aa8〜87)の免疫により作製した3種類の抗体では、3種類全てがproNT/NMN(aa8〜87)、proNT/NMN(aa26〜87)、proNT/NMN(aa39〜87)、proNT/NMN(aa47〜87)を認識したが、それぞれのペプチドに対する各抗体の親和性は異なっており、
SCC−MGD−005とSCC−MGD−006では、
proNT/NMN(aa47〜87)>proNT/NMN(aa8〜87)=proNT/NMN(aa39〜87)>proNT/NMN(aa26〜87)、
SCC−MGD−007は、
proNT/NMN(aa8〜87)>proNT/NMN(aa47〜87)>proNT/NMN(aa39〜87)>proNT/NMN(aa26〜87)であった。
以上の結果から、本発明において作製された抗proNT/NMNモノクローナル抗体は、異なる性質を持つことが確認された。
SCC−MGD−005とSCC−MGD−006では、
proNT/NMN(aa47〜87)>proNT/NMN(aa8〜87)=proNT/NMN(aa39〜87)>proNT/NMN(aa26〜87)、
SCC−MGD−007は、
proNT/NMN(aa8〜87)>proNT/NMN(aa47〜87)>proNT/NMN(aa39〜87)>proNT/NMN(aa26〜87)であった。
以上の結果から、本発明において作製された抗proNT/NMNモノクローナル抗体は、異なる性質を持つことが確認された。
[直接競合ELIZA法(化学発光)]
基質溶液として、OPD基質溶液に代えてBM ChemiluminescenceELISA Substrate(POD)(Roche社製)を用い、マルチプレートリーダーで96穴プレートの各ウェルの発光を測定する以外は、実施例3と同様に直接競合ELISA法を行い、標準物質による標準曲線を作成した。すなわち、ELIZA反応後の96穴プレートの各ウェルを洗浄液(0.05%Tween20を含むPBS(−))で4回洗浄し、 Substrate reagent A : Starting reagent B =100:1で混合後、各ウェルに100mlずつ分注し、3分間反応させてマルチプレートリーダーで96穴プレートの各ウェルの発光を測定することにより、標準物質による標準曲線を作成した。抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004はすべてproNT/NMN(aa−1〜38)ペプチドを標準物質とした。これらの標準曲線を図9に示す。また、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−005(標準物質;proNT/NMNaa39〜87)、SCC−MGD−006(標準物質;proNT/NMNaa8〜87)、SCC−MGD−007(標準物質;proNT/NMNaa−1〜38)の標準曲線を図10に示す。
基質溶液として、OPD基質溶液に代えてBM ChemiluminescenceELISA Substrate(POD)(Roche社製)を用い、マルチプレートリーダーで96穴プレートの各ウェルの発光を測定する以外は、実施例3と同様に直接競合ELISA法を行い、標準物質による標準曲線を作成した。すなわち、ELIZA反応後の96穴プレートの各ウェルを洗浄液(0.05%Tween20を含むPBS(−))で4回洗浄し、 Substrate reagent A : Starting reagent B =100:1で混合後、各ウェルに100mlずつ分注し、3分間反応させてマルチプレートリーダーで96穴プレートの各ウェルの発光を測定することにより、標準物質による標準曲線を作成した。抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−001、SCC−MGD−002、SCC−MGD−003、SCC−MGD−004はすべてproNT/NMN(aa−1〜38)ペプチドを標準物質とした。これらの標準曲線を図9に示す。また、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−005(標準物質;proNT/NMNaa39〜87)、SCC−MGD−006(標準物質;proNT/NMNaa8〜87)、SCC−MGD−007(標準物質;proNT/NMNaa−1〜38)の標準曲線を図10に示す。
次に、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−002及びSCC−MGD−005を用いて、SBC3細胞の培養上清(希釈倍率1〜107)中のproNT/NMタンパク濃度を測定した。結果を図11に示す。図11より、SBC3細胞の無血清培養上清の測定値と標準曲線とが平行関係にあり、直接競合ELIZA法(化学発光)により試料中のproNT/NMタンパク濃度を測定できることがわかる。そこで、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−002及びSCC−MGD−005を用いて、小細胞癌由来細胞株であるSBC1、SBC2、SBC3、SBC5、NCI−H69、及び対照としての大細胞癌由来細胞株であるNCI−H661、Lu65、Lu99の無血清培養上清中のproNT/NMN免疫活性を測定した。結果を図12に示す。図12より、SBC1、SBC2、SBC3、特にSBC3の無血清培養上清中に高いproNT/NMN濃度が測定されることがわかる。
また、実施例2に記載されている方法に準じて、各種肺癌細胞株の各無血清培養上清1mlを濃縮し、電気泳動後、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−002を用いてウエスタンブロッティングを行った。結果を図13に示す。図13より、SBC1、SBC2、SBC3、特にSBC3の無血清培養上清中に高い濃度のproNT/NMNが発現していることがわかる。
[小細胞肺癌の診断]
小細胞肺癌患者の血清50μlを、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−002を用いて、実施例5の直接競合ELIZA法(化学発光)により患者血清中のproNT/NMNタンパクを測定したところ、7pmol/mlのproNT/NMNタンパクが検出された。一方、対照となる健常人の血清中のproNT/NMNペプチドの測定値は有意に低かった。
小細胞肺癌患者の血清50μlを、抗proNT/NMNモノクローナル抗体SCC−MGD−002を用いて、実施例5の直接競合ELIZA法(化学発光)により患者血清中のproNT/NMNタンパクを測定したところ、7pmol/mlのproNT/NMNタンパクが検出された。一方、対照となる健常人の血清中のproNT/NMNペプチドの測定値は有意に低かった。
本発明の7種類の抗proNT/NMNモノクローナル抗体は、それぞれ異なる配列への結合能を有しており、これらの抗体を単独または組み合わせて使用することにより、高感度で確実なproNT/NMN検出・測定法を確立することができる。
Claims (13)
- 配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)と結合し、配列番号3〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−001。
- 配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)と結合し、配列番号3〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−002。
- 配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)及び配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号4〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−003。
- 配列番号2に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa−1〜38)と結合し、配列番号3〜8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−004。
- 配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)、及び配列番号5〜7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−005。
- 配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)、及び配列番号5〜7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−006。
- 配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)を含む抗原の免疫により作製されたモノクローナル抗体であって、前記ペプチド断片proNT/NMN(aa8〜87)、及び配列番号5〜7に示すアミノ酸配列からなるペプチド断片と結合し、配列番号2、4及び8に示すアミノ酸配列からなるいずれのペプチド断片とも結合しないことを特徴とするモノクローナル抗体SCC−MGD−007。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を用いることを特徴とするproNT/NMNタンパクを検出/測定する方法。
- proNT/NMNタンパクを検出/測定する方法が、サンドイッチELISA法であることを特徴とする請求項8記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体と、請求項5〜7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体とを、組み合わせて用いるサンドイッチELISA法であることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株又はそれらに由来する細胞株。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を用いて、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定することを特徴とする小細胞肺癌の診断方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のモノクローナル抗体から選択される1又は2以上のモノクローナル抗体を備え、試料中のproNT/NMNタンパクを検出/測定しうることを特徴とする小細胞肺癌の診断キット。
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