JPWO2009031560A1 - 磁気検知装置、特に注射針の脱落を事前に検知する磁気検知装置及び磁気検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】注射針の脱落を簡単な構成で信頼性良く検知する磁気検知装置を提供する。【解決手段】検知対象用磁石と、磁気バイアス磁石と、磁気センサと、制御部と、リセット部と、記憶部と、警報部とを備え、制御部が、リセット部から送信される開始信号に応答して、磁気センサに、初期環境の磁界強度を測定させるとともに、定期的な時間間隔で磁界強度を測定させ、記憶部の初期磁界強度記憶手段に、初期環境の磁界強度を記憶させるとともに、計算手段に、初期環境の磁界強度と記憶部の閾値記憶手段に記憶された閾値とに基づいて警報を出すべき警報範囲を計算させ、かつ計算された警報範囲を比較手段に送信させ、比較手段に、定期的な時間間隔で測定された磁界強度と警報範囲とを比較させるとともに、測定された磁界強度が警報範囲を越える場合には、警報信号を警報部に送信させ、警報部に、警報信号に応答して注射針の脱落に対する警報を出させる。【選択図】図1
Description
本発明は、磁気検知装置に関し、特に透析治療等のために人体の腕の血管に長時間穿刺される注射針の脱落を事前に検知する磁気検知装置及び磁気検知方法に関する。
透析治療では、一般的に、患者の動脈側から血液を取り出し、浄化された血液を静脈側から患者に戻すために、患者の腕において血管に穿刺された注射針を介して血液の交換を行う。この注射針が、腕の血管から脱落すると、大量の出血あるいは空気の流入などの致命的な事故を引き起こすことがあるので、注射針の血管からの脱落に対する細心の注意、および注射針が脱落したときの迅速でかつ適切な対応が必要となる。また、点滴においても同様であり、注射針の脱落は思わぬ事故に繋がる。
注射針が血管から脱落することは、注射針に接続される注射器を腕に固定する粘着性テープなどの固定具の不備により生じることがあり、または透析治療中の患者動作等によりそのような固定具に力が加わり、腕から固定具が剥がれることにより生じることがある。この点も点滴においても同様である。
このような透析治療中の注射針の血管からの脱落を検出するために、いくつかの方法が提案されている。例えば、特開平11−104233号には、透析装置において圧脈拍を監視することによって注射針の血管からの脱落を検出する方法、および特開2007−621号には、透析装置において複合インピーダンスを測定することによって注射針の血管からの脱落を検出する方法が開示されている。しかしながらこれらの方法は、透析装置を複雑にして価格を高くする欠点を有する。また、特開2007−151624号には、血液の漏出を水分センサにより検知して、血液の漏出に基づき注射針の血管からの脱落を判定する方法が開示されている。しかしながらこの方法は、水分センサ自体が血液以外の液体にも反応するために、検出精度が悪い欠点を有する。
そのため、簡単な構成でありしたがって価格が安く、かつ小型で装着する患者に対する違和感が少ないにも係わらず、信頼性良く注射針の血管からの脱落を検知できる検知装置が望まれていた。
特開平11−104233号公報
特開2007−621号公報
特開2007−151624号公報
注射針の血管からの脱落は、注射針に接続される注射器を腕に固定する粘着性テープなどの固定具が、何らかの原因で腕から剥がれたりズレたりすることに起因することが多い。そこで、注射針の血管からの脱落につながるそのような固定具の腕からの剥がれ又はズレを検出することによって、注射針の脱落を事前に検出する方法が考えられる。
そのような検出方法の一例として、簡単な構成でありしたがって価格が安く、かつ小型で装着する患者に対する違和感が少ない小型の磁石と小型の磁気センサとを用いて、固定具の腕からの剥がれを検出することが想定される。具体的には、粘着性テープなどの固定具に小型の磁石を配置して、磁石が配置される固定具の腕からの剥がれ又はズレを、磁気センサによって検知される磁界強度変化により検知する方法である。
本発明は、そのような注射針の脱落の事前検出装置の新規な一例として、固定具を介して小型の磁石2個を腕に対して固定的に配置しておき、その近傍に、磁気センサを腕に対して固定的に配置することによって、腕に対して固定的に配置された2個の小型磁石と磁気センサ相互間での位置変動を検出することにより、注射針の脱落を事前に検出する装置を提案するものである。具体的には、粘着性テープなどの固定具によって注射針に接続される注射器を腕に固定する際に、固定具を介して小型の磁石を固定的に配置し、もう1つの小型の磁石を、やはり粘着性テープなどの固定具を介して腕に対して固定的に配置し、さらに、それらの2つの小型磁石の近傍に磁気センサを固定的に配置しておく。これにより、注射器を固定する固定具の腕からの剥がれ又はズレを、2個の磁石と磁気センサ間の位置変化によって生起される磁界強度変化として検知する磁気検知装置及び磁気検知方法である。
しかしながら、単に、磁石を配置した固定具によって固定された注射器と磁気センサにより、固定具に配置した磁石の位置変化を検知しようとしても、磁気センサは、地磁気、および透析治療を受ける患者周囲に存在する磁性体の影響を強く受けるために、信頼性良く、検知対象とする磁石(注射器を固定する固定具に対して配置された磁石)の位置変化によって生起される磁界強度変化を検知ができない問題があった。特に、患者が透析治療を受けながら移動する場合には、磁気センサは、患者周囲の存在する磁性体に接近または離間することによる磁性体からの磁界強度の変化を受け、あるいは患者が、透析治療中に注射針が穿刺された腕の向きを変更する場合には、磁気センサは、腕の向きに応じて変化する地磁気の変化の影響を受ける。そのために、磁気センサによって検知された磁界強度変化には、検知対象とする磁石(注射器を固定する固定具に対して配置された磁石)の位置変化による磁界強度変化だけでなく、周囲環境に存在する磁性体および地磁気による磁界強度変化も含まれるために、対象とする磁石(注射器を固定する固定具に対して配置された磁石)の位置変化を信頼性良く検知することができなかった。
本発明は、小型の磁石と小型の磁気センサとを用いて、簡単な構成でありしたがって価格が安く、かつ小型で装着する患者に対する違和感が少ないにも係わらず、地磁気および環境に存在する磁性体からの影響を低減することが可能な、透析治療のために人体の腕の血管に穿刺される注射針の脱落を信頼性良く事前に検知する磁気検知装置及び磁気検知方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明によれば、磁気検知装置であって、検知対象用磁石と、磁気バイアス磁石と、近傍の磁界強度を定期的に検知する磁気センサとを備え、
当該磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には異常信号を発信することを特徴とする。
当該磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には異常信号を発信することを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、前記磁気センサが測定開始時の初期環境の磁界強度を記憶しておき、測定動作開始によって当該磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には異常信号を発信することを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、長時間穿刺される注射針のズレ又は脱落を事前に検知する磁気検知装置であって、
当該注射針に接続された注射器を固定する固定具に対して特定の位置関係を固定的に配置された検知対象用磁石と、位置関係を固定的に配置された磁気バイアス磁石と、同じく位置関係を固定的に配置されて定期的に近傍の磁界強度を検知する磁気センサとを備え、
当該磁気センサが測定開始時の初期環境の磁界強度を記憶しておき、測定動作開始によって前記磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には、前記注射針が所定値以上に変動したと判断して異常信号を発信することを特徴とする。
当該注射針に接続された注射器を固定する固定具に対して特定の位置関係を固定的に配置された検知対象用磁石と、位置関係を固定的に配置された磁気バイアス磁石と、同じく位置関係を固定的に配置されて定期的に近傍の磁界強度を検知する磁気センサとを備え、
当該磁気センサが測定開始時の初期環境の磁界強度を記憶しておき、測定動作開始によって前記磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には、前記注射針が所定値以上に変動したと判断して異常信号を発信することを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、血管に長時間穿刺される注射針の脱落を事前に検知する磁気検知装置であって、
注射針に接続された注射器を腕に固定する固定具に配置され、位置変化に基づく磁界強度変化が検知される検知対象用磁石と、
位置関係を固定的に配置され、バイアス磁界を与える磁気バイアス磁石と、
同じく位置関係を固定的に配置され、磁界強度を測定する磁気センサと、
計算手段および比較手段を含み、磁気検知装置の動作を制御する制御部と、
磁気検知装置の動作を開始する開始信号を制御部に送信するリセット部と、
初期環境の磁界強度を記憶する初期磁界強度記憶手段、および注射針の脱落に対する警報を出すための初期環境の磁界強度に対する所定の閾値を記憶する閾値記憶手段を含む記憶部と、
注射針の脱落に対する警報を出す警報部と、
前記初期環境の磁界強度と前記閾値と検出磁界強度とに基づいて前記注射針がズレたか又は脱落したと判断する制御手段を備えたことを特徴とする。
注射針に接続された注射器を腕に固定する固定具に配置され、位置変化に基づく磁界強度変化が検知される検知対象用磁石と、
位置関係を固定的に配置され、バイアス磁界を与える磁気バイアス磁石と、
同じく位置関係を固定的に配置され、磁界強度を測定する磁気センサと、
計算手段および比較手段を含み、磁気検知装置の動作を制御する制御部と、
磁気検知装置の動作を開始する開始信号を制御部に送信するリセット部と、
初期環境の磁界強度を記憶する初期磁界強度記憶手段、および注射針の脱落に対する警報を出すための初期環境の磁界強度に対する所定の閾値を記憶する閾値記憶手段を含む記憶部と、
注射針の脱落に対する警報を出す警報部と、
前記初期環境の磁界強度と前記閾値と検出磁界強度とに基づいて前記注射針がズレたか又は脱落したと判断する制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、透析治療等のために人体の腕の血管に穿刺される注射針の脱落を事前に検知する磁気検知装置であって、
注射針に接続された注射器を腕に固定する固定具に配置され、位置変化に基づく磁界強度変化が検知される検知対象用磁石と、
腕に固定して配置され、バイアス磁界を与える磁気バイアス磁石と、
腕に固定して配置され、磁界強度を測定する磁気センサと、
計算手段および比較手段を含み、磁気検知装置の動作を制御する制御部と、
磁気検知装置の動作を開始する開始信号を制御部に送信するリセット部と、
初期環境の磁界強度を記憶する初期磁界強度記憶手段、および注射針の脱落に対する警報を出すべき警報範囲を設定するための初期環境の磁界強度に対する所定の閾値を記憶する閾値記憶手段を含む記憶部と、
注射針の脱落に対する警報を出す警報部とを備え、
前記制御部が、リセット部から送信される開始信号に応答して、磁気センサに、初期環境の磁界強度を測定させるとともに、定期的な時間間隔で磁界強度を測定させ、記憶部の初期磁界強度記憶手段に、初期環境の磁界強度を記憶させるとともに、計算手段に、初期環境の磁界強度と記憶部の閾値記憶手段に記憶された閾値とに基づいて警報を出すべき警報範囲を計算させ、かつ計算された警報範囲を比較手段に送信させ、比較手段に、定期的な時間間隔で測定された磁界強度と警報範囲とを比較させるとともに、測定された磁界強度が警報範囲を越える場合には、警報信号を警報部に送信させ、警報部に、警報信号に応答して注射針の脱落に対する警報を出させることを特徴とする。
注射針に接続された注射器を腕に固定する固定具に配置され、位置変化に基づく磁界強度変化が検知される検知対象用磁石と、
腕に固定して配置され、バイアス磁界を与える磁気バイアス磁石と、
腕に固定して配置され、磁界強度を測定する磁気センサと、
計算手段および比較手段を含み、磁気検知装置の動作を制御する制御部と、
磁気検知装置の動作を開始する開始信号を制御部に送信するリセット部と、
初期環境の磁界強度を記憶する初期磁界強度記憶手段、および注射針の脱落に対する警報を出すべき警報範囲を設定するための初期環境の磁界強度に対する所定の閾値を記憶する閾値記憶手段を含む記憶部と、
注射針の脱落に対する警報を出す警報部とを備え、
前記制御部が、リセット部から送信される開始信号に応答して、磁気センサに、初期環境の磁界強度を測定させるとともに、定期的な時間間隔で磁界強度を測定させ、記憶部の初期磁界強度記憶手段に、初期環境の磁界強度を記憶させるとともに、計算手段に、初期環境の磁界強度と記憶部の閾値記憶手段に記憶された閾値とに基づいて警報を出すべき警報範囲を計算させ、かつ計算された警報範囲を比較手段に送信させ、比較手段に、定期的な時間間隔で測定された磁界強度と警報範囲とを比較させるとともに、測定された磁界強度が警報範囲を越える場合には、警報信号を警報部に送信させ、警報部に、警報信号に応答して注射針の脱落に対する警報を出させることを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、検知対象用磁石および磁気バイアス磁石の少なくとも一方が、複数の磁石からなり、該複数の磁石それぞれが、一直線状に配置され、かつ配置される直線方向に対してほぼ垂直な所定方向に所定の同一極を向けて、互いに密接して配置されることを特徴とする。
請求項7に係る発明によれば、磁気検知方法であって、下記(a)乃至(c)の操作を行い、その後、下記(1)乃至(4)のステップによって2個以上の磁石と磁気センサとの間の位置関係の変化を検知することを特徴とする。
(a)地磁気の変化及び周囲に存在する磁性体からの磁力の変化を総合した外部磁力の影響を排除できる磁力を持った磁石を2個以上配置する。
(b)上記2個以上の磁石の位置変動により生起される磁力変化を検知できる範囲内に磁気センサを配置する。
(c)磁石の位置変動により生起される磁力変化が所定値以上であれば警報を発するべき閾値を記憶する。
(1)検知動作開始時に、前記磁気センサにより周囲の磁力を検知し、それを初期環境磁界強度として記憶するステップ
(2)前記磁気センサによって定期的に周囲の磁力を検知するステップ
(3)定期的に検知された周囲の磁力を、前記初期環境磁界強度と事前に設定記憶した閾値を基にして、検知した周囲の磁力の変化が所定値以上か否かを判断するステップ
(4)検知した周囲の磁力の変化が所定値以上と判断された場合には、警報信号を発するステップ
(a)地磁気の変化及び周囲に存在する磁性体からの磁力の変化を総合した外部磁力の影響を排除できる磁力を持った磁石を2個以上配置する。
(b)上記2個以上の磁石の位置変動により生起される磁力変化を検知できる範囲内に磁気センサを配置する。
(c)磁石の位置変動により生起される磁力変化が所定値以上であれば警報を発するべき閾値を記憶する。
(1)検知動作開始時に、前記磁気センサにより周囲の磁力を検知し、それを初期環境磁界強度として記憶するステップ
(2)前記磁気センサによって定期的に周囲の磁力を検知するステップ
(3)定期的に検知された周囲の磁力を、前記初期環境磁界強度と事前に設定記憶した閾値を基にして、検知した周囲の磁力の変化が所定値以上か否かを判断するステップ
(4)検知した周囲の磁力の変化が所定値以上と判断された場合には、警報信号を発するステップ
請求項1に係る発明によって、検知対象物に対して小型の磁石を2個と磁気センサを簡便な手段により固定的に配置することにより、測定環境における地磁気や周囲に存在する磁性体から影響されることなく、検知対象物の位置の変動によって生起される磁界強度の変化として簡単で正確に検知することができる。
請求項2に係る発明によって、検知対象物の初期状態からの位置変移が簡単で正確に検知することができる。
請求項3に係る発明によって、安価で簡単な構成の磁気検出装置により、容易に注射針の脱落につながる固定具の腕からの剥がれを事前に検出できる。また、磁気検出装置の端末装置である磁気バイアス磁石、検知対象用磁石および磁気センサの3つの手段の装着や取り外しも極めて簡単であり、従前の処置動作と大きな差異はない。また、注射針の脱落につながる固定具の腕からの剥がれを事前に検出するための磁界強度の測定値は、初期環境の磁界強度に対して所定の閾値を用いて判定されるので、測定環境における地磁気や周囲に存在する磁性体からの影響を低減させることができる。
請求項4に係る発明によって、容易に注射針の脱落につながる固定具の腕からの剥がれを事前に検出可能な安価で簡単な構成の磁気検出装置が提供できる。
請求項5に係る発明によって、注射針の脱落につながる固定具の腕からの剥がれを事前に検出するための磁界強度の測定値は、初期環境の磁界強度に対して所定の閾値を用いて設定される警報範囲と比較されるので、測定環境における地磁気および存在する磁性体からの影響を低減させることができる。この測定環境が初期設定される構成に加えて、磁気バイアス磁石によるバイアス磁界を測定環境に与える構成によって、それら地磁気および存在する磁性体の影響をさらに低減させることができる。これら構成を備えることによって、患者が透析治療を受けながら移動する場合であっても、あるいは透析治療中に腕の向きを変更する場合であっても、本願請求項5に係る発明は、十分に信頼性良く、透析治療中の注射針の脱落につながる、注射器の腕への固定具の剥がれを検出することができる。
請求項6に係る発明によって、検知対象用磁石または磁気バイアス磁石からの磁気センサへの磁界強度を強くすることができる。そのため、本願請求項6に係る発明は、検知対象用磁石または磁気バイアス磁石をより小型にすることができる、磁気センサの感度を下げることができる、または磁気センサから検知対象用磁石または磁気バイアス磁石までの距離を長くとることができるなど、磁気検知装置の設計における自由度を高めることができる。
請求項7に係る発明によって、困難な操作もなく、簡単で正確な磁気検知方法が実現できる。
1 腕
2 注射針
3 注射器
4 チューブ
5、6 固定具
7 磁気センサ
8 磁気バイアス磁石
9 検知対象用磁石
11 コード
12 リセット部
13 ポート
20 制御部
21 計算手段
22 比較手段
30 記憶部
31 初期磁界強度記憶手段
32 閾値記憶手段
40 警報部
81、82、83、84 磁石
2 注射針
3 注射器
4 チューブ
5、6 固定具
7 磁気センサ
8 磁気バイアス磁石
9 検知対象用磁石
11 コード
12 リセット部
13 ポート
20 制御部
21 計算手段
22 比較手段
30 記憶部
31 初期磁界強度記憶手段
32 閾値記憶手段
40 警報部
81、82、83、84 磁石
図1に、本発明による、透析治療等のために人体の腕の血管に穿刺された注射針の脱落を事前に検知する磁気検知装置の構成例を示す。これは点滴の場合も同様の状態となる。以下の具体的実施例においては、人体の腕の血管に穿刺された注射針の脱落を事前に検知することを事例として説明しているが、これは、本発明の用途が、人体に穿刺された注射針の脱落検知に限られるという意味合いのものではない。本発明は、小型の検知対象用磁石手段と、小型の磁気バイアス磁石手段と、近傍の磁界強度を定期的に検知する磁気センサ手段とを備えることによって、3つの手段の間での位置関係の変移を磁界強度の変化として検出しようとする磁気検知装置を対象とするものである。
以下、透析治療等のために人体の腕の血管に穿刺された注射針の脱落事前検知装置に限定して説明する。患者の腕1の血管には、透析治療のための注射針2が穿刺される。注射針2は、注射器3に接続され、注射器3は、チューブ4に接続されている。注射針2、注射器3、およびチューブ4を介して、患者の腕1の血管から血液が取り出され、かつ浄化された血液が患者の血管に戻される。点滴の場合は、チューブ4に点滴液が滴下され、注射針2から患者の腕1の血管中に注入される。注射器3は、粘着性テープなどの固定具5を介することによって患者の腕1に固定され、同様にチューブ4の一部も、粘着性テープなどの固定具6を介することによって患者の腕1に固定される。固定具6は単純にチューブ4を固定しているために固定具6には力がほとんど働かず、患者の腕1に確実に固定されるが、固定具5は構造物の注射器3を固定するために当該固定具5には力が加わり、患者の腕1からズレたり剥がれたりすることがある。固定具5が患者の腕1からズレたり剥がれたりすると、注射針2が患者の腕1の血管から脱落することにつながり、大量の出血あるいは空気の流入などの致命的な事故を引き起こすことがある。
本発明の磁気検知装置100は、注射針2の患者の腕1の血管からの脱落につながる、固定具5が患者の腕1からのズレ又は剥がれを事前に検知するものである。
本発明の磁気検知装置100は、磁気センサ7、磁気バイアス磁石8、検知対象用磁石9、リセット部12、磁気センサ7にポート部13を介して接続される制御部20、制御部20に接続される記憶部30、および制御部20に接続される警報部40を備える。
磁気センサ7は、患者の腕1に固定するのに適した小さな寸法を有し、例えば縦横の長さが1cmから2cm程度であり、厚みが1mm程度である。磁気センサ7は、例えばホール素子または磁気抵抗素子などの磁界強度を検出することができる任意の種類の磁気センサである。これは公知の技術によって提供できるものであるので、ここでは詳細な説明はしない。
磁気センサ7には、図1に示されるようなコード11を用いて外部から給電されるか、あるいは内蔵された電池から給電されることもできる。磁気バイアス磁石8は、チューブ4を固定する固定具6によって患者の腕1に確実に固定して配置される。つまり、粘着性テープ等の固定具6の適宜箇所、例えば、端部近傍に接着固定することができる。検知対象用磁石9も、注射器3を固定する固定具5によって患者の腕1に固定される。同様に、粘着性テープ等の固定具5の端部近傍に接着固定することができる。磁気バイアス磁石8および検知対象用磁石9は、非常に小さい磁石であり、例えば2mm角程度であって、一例としてネオジウムを含む永久磁石などである。これは、固定具5又は固定具6の端部に小型磁石を予め埋め込んだものを用いても良いし、所望の小型磁石を各固定具5又は固定具6に対して、別の粘着手段により配置する方法を採用しても良い。
図2に、磁気センサ7、磁気バイアス磁石8、および検知対象用磁石9の配置構成の一例を概念図として示す。図2に示される構成では、磁気バイアス磁石8が、複数の要素磁石81、82、83、および84からなり、複数の要素磁石81、82、83、および84それぞれが、一直線状に配置され、且つ配置される直線方向に対してほぼ垂直な所定方向に所定の同一極(S極又はN極)を向けて、互いに密接して配置される。なお図2に示される構成では、検知対照用磁石9は、単一の磁石からなる。この場合、検知対照用磁石9と磁気バイアス磁石8の磁極の向きは同一方向が望ましい。この図2に示した構成では、磁気センサ7に向かう面に磁気バイアス磁石8のS極が配置され、また磁気センサ7に向かう面にも検知対象用磁石9のS極が配置される。このような磁石配置の複数の要素磁石からなる磁気バイアス磁石8を用いると、磁気バイアス磁石8からの磁気センサ7への磁界強度を強くすることができる。そのため、磁気バイアス磁石8をより小型にすることができる、磁気センサ7の外乱に対する感度を下げることができる、または磁気センサ7から磁気バイアス磁石8までの距離を長くとることができるなど、磁気検知装置の設計における自由度を高めることができる。検知対象用磁石9に、磁気バイアス磁石8が複数の要素磁石からなる上述の磁石構成を採用すれば、検知対象用磁石9に関する設計に同様の利点を有することができる。また磁気バイアス磁石8および検知対象用磁石9を、それぞれ単一の磁石から構成しても良い。
磁気センサ7、磁気バイアス磁石8、および検知対象用磁石9の配置構成の概念は、磁気バイアス磁石8と検知対象用磁石9を直線状に配置し、磁気センサ7を検知対象用磁石9の垂直方向に配置した図2に示される配置に限らず、様々な配置構成が可能である。要するに、磁気バイアス磁石8、検知対象用磁石9および磁気センサ7の3つの手段が必要な構成であり、その配置構成は適宜実施すれば良いものである。しかし、磁気バイアス磁石8と検知対象用磁石9とは、別構造の磁石でなければならないというものではなく、例えば、磁気バイアス磁石8自体を複数個配置することもできる。また、配置構成においても、磁気バイアス磁石8および検知対象用磁石9を、磁気センサ7に対して同じ側に配置する図2の配置構成ではなく、両者を磁気センサ7に対して互いに異なる側に配置することもできる。要するに、磁気バイアス磁石8、検知対象用磁石9および磁気センサ7の3つの手段を適宜近傍に配置することが肝要である。ここで、「近傍」との技術的意味合いは、磁気バイアス磁石8は、地磁気や患者周囲に存在する磁性体の影響をバイアスできる程度に磁気バイアス磁石8と磁気センサ7が配置されている必要があり、検知対象用磁石9は、ズレや剥がれ等による数ミリ程度の位置変化が生起する磁界強度の変化を検地できる程度に検知対象用磁石9と磁気センサ7が配置されている必要があるということである。
この実施例では、磁気バイアス磁石8は、磁気センサ7とは別手段として構成した例を示しているが、検知対象用磁石9の位置の変化を検知しようとするのであれば、磁気バイアス磁石8と磁気センサ7との位置関係は固定的であっても良いのであるから、図5に示すように、磁気バイアス磁石8は磁気センサ7の内部に取り込んで構成することも可能である。このような、磁気バイアス磁石8を自らの磁気センサ7内に設けたものは、磁気検知装置を構成する端末部分として有効である。また、図5においては、検知対象用磁石9を粘着性テープの固定具5に対して配置する手段としては、別の粘着手段15を用いて固定具5に配置する方法を採用した。粘着手段15は、図示では円形状で裏面に粘着材を設けたものである。
図3に、本発明の磁気検知装置100の制御部を含む構成の一例を示す。図3には、磁気センサ7、磁気検知装置の動作を開始する開始信号を制御部20に送信するリセット部12、磁気センサ7およびリセット部12を制御部に接続し、相互間の信号送受信をするポート13、磁気検知装置100の動作を制御する制御部20、初期環境の磁界強度を記憶する初期磁界強度記憶手段31、および注射針2の脱落に対する警報を出すべき警報範囲を設定するための初期環境の磁界強度に対する所定の閾値を記憶する閾値記憶手段32を含む記憶部30、および注射針2の脱落に対する警報を出す警報部40が含まれる。
次に、図4に示されるフローチャートを参照して、本発明による磁気検知装置の動作を説明する。
ステップS1(測定準備)で、まず注射針2の脱落検知(脱落の事前検知のための検知を簡単に言う)のために行われる磁界強度測定の準備を行う。具体的には、患者の腕1の血管に、注射器3の注射針2を穿刺して、粘着性テープなどの固定具5、及び固定具6を用いて、注射器3を固定具5により固定し、およびチューブ4を固定具6により固定するとともに、これに対して、磁気バイアス磁石8および検知対象用磁石9を適宜手段(粘着性固定具)によって患者の腕1に固定する。この場合は、磁気バイアス磁石8を固定具6に対して配置し、検知対象用磁石9を固定具5に対して配置する。その後、磁気センサ7を適切な手段を用いて患者の腕1に固定する。これは、両面粘着テープを用いてもよいし、裏面に粘着テープを配した磁気センサ7を構成しても良い。磁気センサ7は、ポート13を介して制御部20に接続される。
ステップS2(リセット部オン)で、押されると開始信号を制御部20へ送信するスイッチなどのリセット部12を作動させることで、磁気検知装置の動作は開始される。なお、図1に示される例では、リセット部12は磁気センサ7の上部に設けられる。また、このリセット部12は、動作の開始の指示と、開始所期状態での磁気センサ7によって検出される初期環境の磁界を検知し記憶することであるので、これらの動作が達成されるのであれば制御部20側に取り込むことも可能である。
ステップS3(測定開始)で、制御部20は、磁気センサ7に、初期環境の磁界強度を測定させるとともに、定期的な時間間隔で環境の磁界強度を測定させる。ここで、初期環境の磁界には、磁気バイアス磁石8および検知対象用磁石9からの磁界と、磁気センサ7が配置される環境における磁性体および地磁気からの磁界とが含まれる。これを、「初期環境の磁界強度」等と称する。磁気バイアス磁石8を配置する目的は、磁気バイアス磁石8から与えられるバイアス磁界によって、使用環境における磁性体および地磁気の変化による測定される磁界強度への影響が低減されるようにするものである。したがって、磁気センサ7に対する磁気バイアス磁石8の位置、磁気バイアス磁石8の強度、および磁気センサ7の検知感度などを選択する必要がある。その際、検知対象用磁石9の位置変化に基づく磁界強度変化が、磁気センサ7によって十分検知できる状態を維持することも考慮する必要がある。固定した注射器のズレ又は剥がれの検知の度合いは、どの程度ずれた際に異常と検出するか、どの程度のタイミングで異常を検出すれば安全を確保できるかによって決まる。つまり、固定した注射器のズレ又は剥がれの位置変化の検出は、検出する必要がある距離(1cm或いは5mm等)により決まる。磁界強度の測定を行う定期的な時間間隔は、例えば1分間隔或いは30秒間隔など必要に応じて適宜決定される。また、このような定期的な磁界強度の測定は、透析治療又は点滴に必要な所定の時間期間、例えば数時間にわたって継続して行われる。固定した注射器のズレ又は剥がれの位置変化の検出目標となる変移距離は、磁界強度の変化検出の閾値として記憶部30の閾値記憶手段32に記憶されている。
ステップS4(初期値記憶)で、制御部20は、測定された初期環境の磁界強度を、記憶部30の初期磁界強度記憶手段31に記憶させるとともに、計算手段21に送る。
ステップS5(警報範囲計算)で、制御部20は、計算手段21に、動作開始時に記憶部30の初期磁界強度記憶手段31に記憶された初期環境の磁界強度と、記憶部30の閾値記憶手段32に記憶された所定の閾値とに基づいて、警報を出すべき警報範囲を計算させて、計算された警報範囲を比較手段22に送らせる。初期環境の磁界強度に対する所定の閾値は、固定した注射器のズレ又は剥がれの位置変化の検出目標となる変移距離(1cm或いは5mm等)によって適宜決定されるものであり、例えば、目標となる変移距離に応じて初期環境の磁界強度からの検出時の磁界強度の上下30%などが閾値として決定されるものである。一例として、動作開始時に測定された初期環境の磁界強度が10ガウスであり、所定の閾値が上下30%であるなら、警報範囲は、7〜13ガウスになる。この閾値は、この値に限定されず所期の目的を達成できる範囲であれば自由に設定できるものである。また、図3の実施例では、初期環境の磁界強度と閾値とに基づいて、事前に警報を出すべき警報範囲を比較手段22に送っておき、測定時の磁界強度が警報範囲内に入っているか否かを判断するようにしたが、初期環境の磁界強度と閾値が解っていれば、測定タイミング毎に、その時の磁界強度と初期環境の磁界強度と閾値とから計算することにより、固定した注射器のズレ又は剥がれの位置変化の判別は容易にできるものである。つまり、この場合は、ステップS5(警報範囲計算)を省くことが可能である。この場合は、図4のS5が削除されたフローが行われる。また、閾値も一定の目標値が事前に定められているのであれば、その度毎に設定する必要はなく、システムを立ち上げる段階で装置内に取り込んでおくことも可能である。
ステップS6(測定範囲は警報範囲を超えるか?)で、制御部20は、比較手段22に、定期的な時間間隔で測定された磁界強度と、計算手段21から送られた警報範囲とを比較させる。比較の結果、測定された磁界強度が警報範囲を越えないなら、ステップS6を繰り返す。警報範囲を越える場合には、ステップS7に進む。
上述の初期環境の磁界強度と閾値が解っていれば、測定タイミング毎に、その時の磁界強度と初期環境の磁界強度と閾値とから計算することにより、固定した注射器のズレ又は剥がれの位置変化の判別する場合には、ステップS5(警報範囲計算)は不要であるので、ステップS6(測定範囲は警報範囲を超えるか?)では、制御部20が、初期磁界強度記憶手段31に記憶された初期環境の磁界強度と、閾値記憶手段32に記憶された所定の閾値とを参照して、所定のタイミングで検出された磁界強度が警報範囲を越えるか否かを判別することになる。判別の結果、測定された磁界強度が警報範囲を越えないなら、ステップS6を繰り返す。警報範囲を越える場合には、ステップS7に進む。
ステップS7(警報を出す)で、制御部20は、比較手段22に、警報信号を警報部40へ送信させ、警報部40は、注射針の脱落に対する警報を出す。この警報は、例えば、警報音によっても、ランプ等の視覚的表示によっても良く、透析治療等を行っている患者が居住する家屋にいる家族などの他の人物に、または患者を収容している病院の医療従事者に知らされる。家族に対しても病院の医療従事者に対しても、個々に所持する携帯電話機等に直接連絡することも可能である。知らされた家族または医療従事者は、患者に対して適切な処置を行うことができる。
その後、ステップS8で終了する。
ある変形実施形態として、本発明の磁気検出装置100を、複数の患者の透析治療等を行う病院などで使用することができる。その場合には、各患者に磁気検出装置の検出端末部分(磁気バイアス磁石8、検知対象用磁石9および磁気センサ7の3つの手段)を設置して、各患者の磁気センサ7を、各ポート13を介して共通の制御部20に接続する。その際、各ポート13に識別情報を割り当て、どの磁気センサ7から警報信号が送信されているかを、共通の制御部20が識別できるように構成することもできる。なお識別情報が、患者名を含むこともできる。
本発明は、新規な磁気検知装置を提供するものであるが、それに利用する新規な磁気検知装置用の検出端末部分(磁気バイアス磁石8、検知対象用磁石9および磁気センサ7の3つの手段)に用いる、磁気バイアス磁石8を配置した固定手段、検知対象用磁石9を配置した固定手段、およびリセット部を設けた磁気センサ7を提供するものでもある。また、磁気センサは磁気バイアス磁石8を内部に配置構成も可能である。
本発明の磁気検知装置は、本明細書で記載された構成以外にも、様々な変形実施形態が可能であり、例えば、本発明の磁気検知装置が備える各構成要素の構成、および制御部が行う処理には、様々な変更が可能である。
本発明は、上述したように透析治療用や点滴等の医療現場だけでなく、一般産業用としても微小の位置変動を検知する手段として広い分野において、例えば、美術館での展示品の盗難防止のための微小位置ズレ検知や、耐震実験における構造体の変形検出や、商品の保管・物流における荷崩れ検知等として、基準位置に対して被測定位置が微小距離変移したか否かを検知する磁気検知装置に利用が可能なものである。
Claims (7)
- 検知対象用磁石と、磁気バイアス磁石と、近傍の磁界強度を定期的に検知する磁気センサとを備え、
当該磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には異常信号を発信することを特徴とする磁気検知装置。 - 前記磁気センサが測定開始時の初期環境の磁界強度を記憶しておき、測定動作開始によって当該磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には異常信号を発信することを特徴とする請求項1に記載の磁気検知装置。
- 長時間穿刺される注射針のズレ又は脱落を事前に検知する磁気検知装置であって、
当該注射針に接続された注射器を固定する固定具に対して特定の位置関係を固定的に配置された検知対象用磁石と、位置関係を固定的に配置された磁気バイアス磁石と、同じく位置関係を固定的に配置されて定期的に近傍の磁界強度を検知する磁気センサとを備え、
当該磁気センサが測定開始時の初期環境の磁界強度を記憶しておき、測定動作開始によって前記磁気センサが所定時間ごとに近傍の磁界強度を検出し、該磁気センサが前記検知対象用磁石と前記磁気バイアス磁石と磁気センサ自らの間の相互距離の変化により生起される磁界強度の所定以上の変化を検出した際には、前記注射針が所定値以上に変動したと判断して異常信号を発信することを特徴とする磁気検知装置。 - 血管に長時間穿刺される注射針の脱落を事前に検知する磁気検知装置であって、
注射針に接続された注射器を腕に固定する固定具に配置され、位置変化に基づく磁界強度変化が検知される検知対象用磁石と、
位置関係を固定的に配置され、バイアス磁界を与える磁気バイアス磁石と、
同じく位置関係を固定的に配置され、磁界強度を測定する磁気センサと、
計算手段および比較手段を含み、磁気検知装置の動作を制御する制御部と、
磁気検知装置の動作を開始する開始信号を制御部に送信するリセット部と、
初期環境の磁界強度を記憶する初期磁界強度記憶手段、および注射針の脱落に対する警報を出すための初期環境の磁界強度に対する所定の閾値を記憶する閾値記憶手段を含む記憶部と、
注射針の脱落に対する警報を出す警報部と、
前記初期環境の磁界強度と前記閾値と検出磁界強度とに基づいて前記注射針がズレたか又は脱落したと判断する制御手段を備えたことを特徴とする磁気検知装置。 - 透析治療等のために人体の腕の血管に穿刺される注射針の脱落を事前に検知する磁気検知装置であって、
注射針に接続された注射器を腕に固定する固定具に配置され、位置変化に基づく磁界強度変化が検知される検知対象用磁石と、
腕に固定して配置され、バイアス磁界を与える磁気バイアス磁石と、
腕に固定して配置され、磁界強度を測定する磁気センサと、
計算手段および比較手段を含み、磁気検知装置の動作を制御する制御部と、
磁気検知装置の動作を開始する開始信号を制御部に送信するリセット部と、
初期環境の磁界強度を記憶する初期磁界強度記憶手段、および注射針の脱落に対する警報を出すべき警報範囲を設定するための初期環境の磁界強度に対する所定の閾値を記憶する閾値記憶手段を含む記憶部と、
注射針の脱落に対する警報を出す警報部とを備え、
前記制御部が、リセット部から送信される開始信号に応答して、磁気センサに、初期環境の磁界強度を測定させるとともに、定期的な時間間隔で磁界強度を測定させ、記憶部の初期磁界強度記憶手段に、初期環境の磁界強度を記憶させるとともに、計算手段に、初期環境の磁界強度と記憶部の閾値記憶手段に記憶された閾値とに基づいて警報を出すべき警報範囲を計算させ、かつ計算された警報範囲を比較手段に送信させ、比較手段に、定期的な時間間隔で測定された磁界強度と警報範囲とを比較させるとともに、測定された磁界強度が警報範囲を越える場合には、警報信号を警報部に送信させ、警報部に、警報信号に応答して注射針の脱落に対する警報を出させることを特徴とする、磁気検知装置。 - 検知対象用磁石および磁気バイアス磁石の少なくとも一方が、複数の磁石からなり、該複数の磁石それぞれが、一直線状に配置され、かつ配置される直線方向に対してほぼ垂直な所定方向に所定の同一極を向けて、互いに密接して配置されることを特徴とする、請求項4に記載の磁気検知装置。
- 請求項2記載の磁気検知装置を用いた磁気検知方法であって、下記(a)乃至(c)の操作を行い、その後、下記(1)乃至(4)のステップによって2個以上の磁石と磁気センサとの間の位置関係の変化を検知することを特徴とする磁気検知方法。
(a)地磁気の変化及び周囲に存在する磁性体からの磁力の変化を総合した外部磁力の影響を排除できる磁力を持った磁石を2個以上配置する。
(b)上記2個以上の磁石の位置変動により生起される磁力変化を検知できる範囲内に磁気センサを配置する。
(c)磁石の位置変動により生起される磁力変化が所定値以上であれば警報を発するべき閾値を記憶する。
(1)検知動作開始時に、前記磁気センサにより周囲の磁力を検知し、それを初期環境磁界強度として記憶するステップ
(2)前記磁気センサによって定期的に周囲の磁力を検知するステップ
(3)定期的に検知された周囲の磁力を、前記初期環境磁界強度と事前に設定記憶した閾値を基にして、検知した周囲の磁力の変化が所定値以上か否かを判断するステップ
(4)検知した周囲の磁力の変化が所定値以上と判断された場合には、警報信号を発するステップ
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