JPWO2009020136A1 - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

マルチエネルギー撮影のCTスキャンを高速で行えるとともに、物質弁別能に優れた画像が得られるX線CT装置を提供する。X線CT装置において、第1のX線エネルギーによる第1のCTスキャンと第2のX線エネルギーによる第2のCTスキャンをCTスキャンの中断をすることなく連続的に行わせる手段と、前記第1のCTスキャンの終期と第2のCTスキャンの初期とを含む遷移期間TRに前記X線から放射されるX線エネルギーを第1のX線エネルギーから第2のX線エネルギーへ遷移させる手段と、前記遷移期間のスキャンデータを残余のスキャン期間の対向データで補償して画像再構成を行う手段を備える。

Description

本発明は、X線CT装置に係り、特にマルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置に関する。
近年、同一断層面を複数の異なる管電圧を使用してスキャンしたり、X線検出器にX線光子エネルギーの弁別機能を持たせることにより、異なる実効光子エネルギーによるCT画像を得る、マルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置が登場している。
このマルチエネルギー撮影の利点は、単一実効エネルギーでは同一CT値となって弁別できない対象物、例えば、骨と適当な造影濃度の造影血管とが異なる実効エネルギーでは異なるCT値となることにより弁別可能となることにある。
上記マルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置として以下のものがあり、いずれも下記の特許文献及び2006年の北米放射線学会で周知となっている。
(1)第1の方法
X線CT装置にX線管とX線検出器の対を複数搭載し、各々の対で異なる管電圧による計測を行う方法である(以下、多線源・多検出器法と記す)。この方法は、特許文献1に開示されている。
(2)第2の方法
X線検出器をX線の透過方向に対して多層化し、検出器の層毎に異なる実効エネルギーによる計測データを得る方法である(以下、多層検出器法と記す)。この多層検出器法は、異なる管電圧によるスキャンを行わずにマルチエネルギー撮影が可能というもので、特許文献2に開示されている。
(3)第3の方法
一組のX線管と非多層のX線検出器を備えて同一断層面に対して管電圧の異なる複数回のスキャンを行う方法である。
特に、スキャン開始後1回転中の約2/3回転の間にX線を照射し、次の約1/3回転の間にX線照射を止めて次に行うスキャンのために最初のスキャンと異なる管電圧を設定し、次の約2/3回転のスキャンを最初のスキャンとは異なるように設定された管電圧で行う、という方法が代表的である(以下、マルチハーフスキャン法と記す)。
この方法は、2006年の北米放射線学会の非特許文献1に開示されている。
特許第3405760号公報 特開2001-174564号公報 A.Ueno et al. "Evaluation and Assessment of Material Decomposition between Bone/Calcification and Iodine for CT Angiography Using 40mm Coverage Volumetric CT with Novel High-Speed Pulsed Dual Energy Scanning", Radiological Society of North America; Scientific Assembly and Annual Meeting Program 2006 PP962,LL_VI2525
しかし、上記のマルチエネルギー撮影方法には、経済性、性能の点において以下の課題がある。すなわち、
(1)多線源・多検出器法
複数のX線発生系及びX線検出系をスキャナ回転部に搭載する必要があるので、装置が非常に大型で高価なものとなる。また、臨床に使用する上では、複数のX線発生系及びX線検出系同士の特性を合わせる必要がある。
したがって、複数のX線発生系及びX線検出系の特性を合わせるために多くの時間を要し、また前記特性差を補正するための手段等も必要となることが推定される。
(2)多層検出器法
異なる管電圧(X線管の陽極と陰極間に印加される電圧)でスキャンするマルチエネルギー撮影に比べて検出器の各層で検出されるX線エネルギーの実効エネルギーの差が小さく、従って上記他のマルチエネルギー撮影法に比べて物質弁別性能の改善が必要と思われる。
また、多層X線検出器を使用するため、多線源・多検出器法ほどではないが、装置が高価になる。
(3)マルチハーフスキャン法
本撮影法では、画像再構成法として、約2/3回転で計測されたデータに対してハーフスキャン再構成法を適用すると考えられるため、通常のいわゆるフルスキャン(1回転中にX線無照射時間がない)による画像再構成を行うものに比べて画像ノイズが大きくなると考えられる。
また、ハーフスキャンでは対向データ(X線管が180度の対向位置にある時の計測データ)が存在しないため、いわゆるオフセットディテクタの効果(空間分解能向上、ストリークアーチファクト低減)が得られないという課題も残されている。
さらに、この方法は約1/3回転のX線無照射時間を必要とするため、ハーフスキャン法の採用による高速化のメリットが十分に享受されているとは言い難いものである。
このように、従来のマルチエネルギー撮影方法には、それぞれ重要な課題が残されている。本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであって、同一の撮影部を複数回のスキャンを行うマルチエネルギー撮影において,高速で物質弁別能の優れた画像が得られるマルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、被検体へX線を照射して前記被検体を透過したX線を検出する一組のX線管とX線検出器と、この一組のX線管とX線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、前記被検体の同一スライス位置を異なるX線エネルギーを持ったX線でCTスキャンするマルチエネルギー撮影計画手段と、前記異なるX線エネルギーのX線を前記X線管から放射させる制御を行うX線制御手段とを有するX線CT装置において、第1のX線エネルギーによる第1のCTスキャンと第2のX線エネルギーによる第2のCTスキャンをCTスキャンの中断をすることなく連続的に行わせる手段と、前記第1のCTスキャンの終期と第2のCTスキャンの初期とを含む遷移期間に前記X線管から放射されるX線エネルギーを第1のX線エネルギーから第2のX線エネルギーへ遷移させる手段と、前記遷移期間のスキャンデータを遷移期間を除く期間のスキャンデータで補償して画像再構成を行う手段を備えたことを特徴としている。
上記本発明のX線CT装置は、第1のX線エネルギーのよる第1のCTスキャンと、第2のX線エネルギーによる第2のCTスキャンをCTスキャンの中断をすることなく連続的に行うことでマルチエネルギーCT撮影を高速に行う。そして、第1のCTスキャンにおける第1のX線エネルギーから第2のCTスキャンにおける第2のX線エネルギーへの切替えのために、第1のCTスキャンの終期と第2のCTスキャンの始期を含む期間をX線条件の切替期間としての遷移期間とする。この遷移期間はスキャン時間に占める割合は極小さなものであるために、急激にX線条件(管電圧、管電流)が変わることとなる。そのために、この期間に得られたスキャンデータを他の期間に得られたスキャンデータとともに画像再構成に用いると、悪影響が生ずる可能性は否定できない。
そこで、その影響を小さくするために、遷移期間のスキャンデータを残余の期間のスキャンデータで補償する。詳しくは、遷移期間のスキャンデータの重みを小さくして、遷移期間のスキャンデータの画像再構成への寄与を小さくし、その小さくした分を対向データの重みを大きくすることで補償する。
本発明は、上記データ補償を行うために遷移期間のスキャンデータの対向データが必要とされるが、遷移期間の対向データが残余のスキャン期間に得られるのであれば、第1のCTスキャンと第2のCTスキャンは1回転のフルスキャンの他に、1回転以下のいわゆるハーフスキャンとして行われても良い。
以上、本発明によれば、一組のX線管と検出器を用いて複数の異なる管電圧をX線の無照射期間無しで切り替えるようにしたので、多線源・多検出器法や多層検出器法よりも安価で十分なX線実効エネルギーの差を有するマルチエネルギー撮影が可能で、かつ各管電圧でのスキャンがフルスキャンであることにより、ハーフスキャンよりも物質弁別能力があって、画像ノイズやストリークアーチファクトが少ない高画質な画像が得られるマルチエネルルギー撮影機能を備えたX線CT装置を提供することができる。
本発明が適用されるX線CT装置の全体構成図。 本発明が適用されるX線CT装置の全体概観図。 本発明が適用されるX線CT装置のX線検出器の構成及びX線照射との関係を説明する模式図。 本発明が適用されるX線CT装置のスキャナガントリ、被検体テーブル、被検体の関係を側面方向から示す図。 本発明によるマルチエネルギーフルスキャンを用いたマルチエネルギー撮影の動作フロー図。 望ましいスキャン開始位相を示す図。 フルスキャンの場合のビュー重みを示す図。 望ましい管電圧及び管電流遷移の説明図。 ハーフスキャンの場合のビュー重みを示す図。
符号の説明
1 スキャナガントリ、2 被検体テープル、3 操作卓、4 天板、5 表示装置、6 操作装置、7 X線制御装置、8 X線管、11 非多層のX線検出器、13 スキャナ回転板、17 被検体、19 マルチエネルギー撮影対応システム制御装置、20 被検体テーブル制御装置、21被検体テーブル上下移動装置、22 天板移動装置、23 画像再構成装置、24 記憶装置、25 マルチエネルギー撮影対応スキャン計画装置、27 管電圧・管電流検出装置、k スキャンカウンタ、P 管電圧の種類数
以下、添付図面に従って本発明のX線CT装置の第一の実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明は、シングルスライス型、マルチスライス型のいずれにも適用可能であるが、ここではマルチスライス型のX線CT装置に適用した場合について説明する。
図2に本発明が適用されるX線CT装置の全体概観図、図1にその全体構成図を示す。
図2に示すX線CT装置は、被検体にX線を照射して前記被検体の透過X線データを収集し、この収集したX線データを再構成演算して断層像を得るもので、被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線データを収集するスキャナガントリ1と、被検体を載置する移動可能な天板4を備えた被検体テーブル2と、操作装置6及び表示装置5等を備え各種動作設定を行うと共に収集したX線データに基づいてX線断層像を再構成し表示する操作卓3とにより構成される。
前記スキャナガントリ1は、図1に示すように構成され、X線制御装置7によって制御されてX線を発生するX線管8とX線検出器11とを有している。該X線管8から放射されたX線はコリメータ制御装置9によって制御されるコリメータ10により、例えば角錐形のX線ビーム、すなわちコーンビームX線とされ、被検体17に照射される。そして、被検体17を透過したX線は非多層のX線検出器11に入射する(一組のX線管及び非多層のX線検出器)。
前記X線検出器11と前記X線管8の焦点との位置関係として、空間分解能向上とファインストリークアーチファクトの低減を図るために1/4チャネルオフセットディテクタ方式が採用され、前記X線検出器11は、図3に示すようにチャネル方向と列方向に二次元的に配列された複数のX線検出素子18を有する。
このX線検出素子18は、例えばシンチレータとフォトダイオードとの組み合わせによって構成され、全体として円筒面状若しくはチャネル方向に関して折れ線状に湾曲したX線入射面を構成しており、例えばチャネル番号iは1〜1000程度、列番号jは1〜1000程度である。
前記X線検出器11におけるチャネルの配列方向に一致するコーンビームX線のチャネル方向の広がり角度、すなわちファン角度はαであり、またX線検出器11における列の配列方向に一致するコーンビームX線の列方向の広がり角度、すなわちコーン角度はγである。
このように構成されたX線検出器11にはデータ収集装置12が接続され、このデータ収集装置12はX線検出器11を構成するX線検出素子18の検出データを収集する。
前記X線制御装置7は、X線管8の陽極と陰極間に印加される電圧(以下、管電圧と記す)とX線管8の陽極と陰極間に流れる電流(以下、管電流と記す)を制御するもので、管電圧・管電流検出装置27で検出された管電圧と管電流が、前記操作装置6で設定され後述のスキャン計画装置で計画したスキャン条件に対応する管電圧と管電流になるように制御する(X線制御手段)。
上記のX線制御装置7からデータ収集装置12までの構成要素は、スキャナガントリ1の回転板13(スキャナ回転手段)に搭載されている。この回転板13は回転制御装置14によって制御される回転板駆動装置15からの駆動力が駆動力伝達系16により伝達されて被検体17の周囲を回転する。
図1に示す被検体17を載置する移動可能な天板4を備えた被検体テーブル2は、被検体17をスキャナガントリ1のX線照射空間(開口部)28に搬入および搬出するものであり、被検体テーブル制御装置20によって被検体テーブル上下移動装置21と天板移動装置22を制御することで、テーブル高さの調整と天板4の前後移動が可能となっている。
なお、天板位置センサ26は、体軸方向および鉛直方向の天板位置を検知するための位置センサである。天板位置センサ26の情報は被検体テーブル制御装置20が正しい天板位置になるように天板移動装置22及び被検体テーブル上下移動装置21を制御するために用いられる。
操作卓3は、本発明によるX線CT装置のマルチエネルギー撮影システム全体を制御するマルチエネルギー撮影対応システム制御装置19(以下、システム制御装置19と記す)を備え、このシステム制御装置19には、スキャナガントリ1と被検体テーブル2が接続されている。すなわち、このシステム制御装置19により、スキャナガントリ1内のX線制御装置7、コリメータ制御装置9、データ収集装置12、回転制御装置14及び被検体テーブル2内の被検体テーブル制御装置20が制御される。
前記データ収集装置12で収集されたデータは、システム制御装置19の制御によって画像再構成装置23に入力される。
この画像再構成装置23は、スキャノグラム撮影時にはデータ収集装置12が収集したスキャノグラム投影データ(被検体透視データ)を用いてスキャノグラム画像を作成し、スキャン時にはデータ収集装置12が収集した複数ビューの投影データを用いてCT画像再構成を行う。
前記画像再構成装置23で作成されたスキャノグラム画像及び再構成されたCT画像や、各種データ、及びX線CT装置の機能を実現するためのプログラム等は、システム制御装置19に接続された記憶装置24に格納されている。
また、前記システム制御装置19には、表示装置5と操作装置6がそれぞれ接続されている。
前記表示装置5は、画像再構成装置23や記憶装置24から出力される再構成画像やシステム制御装置19が取り扱う種々の情報を表示する。
前記操作装置6は、操作者が各種の指示や情報等をシステム制御装置19に入力するもので、操作者は前記表示装置5および操作装置6を使用して対話的に本X線CT装置を操作する(操作手段)。
前記システム制御装置19には、本発明の要部であるマルチエネルギー撮影対応スキャン計画装置25(以下、スキャン計画装置25と記す)が接続されている(スキャン計画手段)。このスキャン計画装置25は、操作者が前記操作装置6を操作して入力した操作指令と前記記憶装置24から読み出したスキャノグラム画像を用いてスキャン条件をスキャン開始前に予め決定するものである。
すなわち、前記記憶装置24から読み出されたスキャノグラム画像が表示装置5に表示され、操作者は表示された被検体スキャノグラム画像上で操作装置6を用いてCT画像再構成位置(以下、スライス位置と記す)の座標を指定することにより、スライス位置を設定することができ、ここで設定したスライス位置の情報は記憶装置24に保存されると共にX線量制御条件等を設定するために用いられる。
本発明は、このような構成のX線CT装置を用い、被検体による減弱を考慮したスキャン開始位相の設定や、被曝線量率を一定化し、各管電圧による画像のノイズを同等化するための管電圧・管電流の設定及び管電圧・管電流の遷移によって、同一スライス位置で複数種類の管電圧によるスキャンを連続回転、連続X線照射して高画質な画像が得られるマルチエネルギー撮影を行うものである。
ここで、上記のスキャン全体の制御は、システム制御装置19の制御下で行われ、またスキャン開始位相の設定や管電圧・管電流の設定を含むスキャン条件の設定及び管電圧・管電流遷移はスキャン計画装置25によって行われる。
このように、システム制御装置19及びスキャン計画装置25は本発明における重要な構成要素である。
図5は、本発明によるマルチエネルギーフルスキャン撮影の動作フローチャートである。以下、このフローチャート図を用いて、本発明のマルチエネルギー撮影の動作について説明する。
(1)スキャノグラム撮影の実施の要否設定(S110)
マルチエネルギー撮影においては、スキャン条件の設定と、このスキャン条件でスキャンする複数の管電圧、管電流のX線条件を設定する必要がある。
前記スキャン条件は、スキャノグラム画像を用いて設定する場合と、スキャノグラム画像を撮影せずに設定する場合の2通りが可能である。本ステップS110では、操作者が操作装置6を用いて表示装置5の画面上からスキャノグラム撮影の要否の入力を行う。スキャノグラム撮影が「要」と入力された場合にはステップS120でスキャノグラム撮影が行われる。ステップS120で行われるスキャノグラム撮影については、既に各種文献で公知であるので、ここではその説明を省略する。
一方、操作者によってスキャノグラム撮影が「否」と入力された場合にはステップS130へ進む。
(2)スキャン条件、X線条件の設定(S130)
(i)スキャノグラム画像を用いて設定する場合
操作者によって、ステップS120で撮影されたスキャノグラム画像を用いてスキャン条件が設定される。ここで設定されるスキャン条件とは、先頭CT画像・末尾CT画像の体軸方向位置(スキャン範囲又はスライス数)、体軸方向におけるCT画像作成間隔(スライスピッチ)、スキャン開始位相(被検体のどの方向からスキャンを開始するか)、スキャン速度(X線管が1回転するのに要する時間)、X線コリメーション条件(スライス厚)、X線条件(管電圧、管電流)、管電流の切替え時間(以下、遷移時間という。)と切替えタイミング、再構成フィルタ関数の種類、視野サイズ等の諸条件を指す。
ステップS130で設定される管電圧は、同一の被検体断面(スライス)を異なる管電圧でスキャンするために複数種類(K種類)の値が設定される。それらの管電圧値は、被検体の体格、体質、検査の識別対象物(臓器と造影剤の識別)等の条件によって異なるので、ステップS130での管電圧設定には、
{1}予め実験的に前記条件に対応した管電圧を求めて、記憶装置へ記憶しておき、操作者によって入力された前記被検体の体格、体質、検査の識別対象物(臓器と造影剤の識別)等に応じた管電圧を設定する。
{2}スキャノグラム画像から管電圧を自動設定して,その値へ医師が経験を加味して最終的に複数の値を決める。
等を適宜採用することができる。
また、管電流についても、K種類の各管電圧に対応してK種類の適切な管電流が設定される。これらのK種類の管電流の値は、以下のようにして算出され、設定される。
マルチエネルギー撮影では同一のスライスに対してK回のスキャンを行うが、各スキャンにおいて得られた画像のノイズは平準化されることが望ましい。このことに鑑みて、K種類の管電圧に対応する管電流XAを式(1)によって算出する。
XA=XAstAnd×f(VXstAnd)/P×f(XVk) ・・・式(1)
ここに、XAstAnd :シングルエネルギースキャンの標準的管電流
XVstAnd :シングルエネルギースキャンの標準的管電圧
P :適用する管電圧の数
f(XV):管電圧XVに対する単位管電流当たりの被曝線量
である。
これらの管電流は、操作者がXAstAndを設定すると、スキャン計画装置25がK種類の管電圧に対して、式(1)により自動的に算出される。
そして、上記の如く、装置により自動設定された管電圧又は操作者によって設定された管電圧と、上記式(1)によって算出された管電流は、記憶装置24へ記憶される。
次に、管電圧、管電流の切替え時間と切替えのタイミングについて説明する。管電圧及び管電流は瞬時に切替えを行うことがスキャンデータの収集に対しては望ましいが、管電流を決めるX線管の陰極フィラメントの熱慣性が障害となって、管電流は管電圧のように瞬時に切替えることは難しい。すなわち、管電圧よりも管電流の切替え時間(遷移時間)が長く必要となる。そこで、本発明では、管電流の切替えに及ぼすフィラメントの熱慣性の影響を和らげ、少しでも短時間で管電流を切り替えるために、管電流は昇順に変え、管電圧はスキャンが進むに従って降順に変え、かつ管電圧の遷移時間を管電流の遷移時間へ合わせる方法が採用されている。
この理由は、X線管の陰極フィラメントの熱慣性の影響で、管電流をある値から上下する場合に、管電流を大きくする場合の方が小さくする場合よりも遷移時間が短くて済むためであり、管電圧の遷移時間を管電流の遷移時間へ合わせることは、その逆よりは容易であり、またそれにより管電圧波形にオーバーシュートを生じにくくするためである。
管電流の遷移時間は、約0.05秒程度であるが、あるスライスに対する任意のk回目のスキャンにおける管電流XAから(k+1)回目のスキャンにおける管電流XAk+1への遷移時間TRは正確には、X線管フィラメント加熱回路によりフィラメントへ流す電流(フィラメント電流)とフィラメントの温度の関係と、フィラメントの温度と管電流の関係との過渡応答を計算することにより求めることができる。この計算プログラムは、予め記憶装置24へ格納しておき、K種類の管電圧と管電圧の組合せが成されたら、スキャン計画装置25がそのプログラムを用いて計算するようにするとよい。
このようにして求められた遷移時間TRは、記憶装置24へ記憶され、操作者によって撮影開始指令が入力されると読み出されて、管電圧、管電流の切替え制御に使用される。すなわち、遷移時間TRは、あるX線エネルギーによる1回転スキャンからその次のX線エネルギーによる1回転スキャンの間に配置される。すなわち、あるX線エネルギーによる1回転スキャンの終了直前にTR/2が、そして次のX線エネルギーによる1回転スキャンの開始直後に残りのTR/2が配置される。
なお、TR又はTR/2は時間として計測する他に、スキャン時間に基づく角度として計測する方法や、1スキャンの計測ビュー数に基づくビュー数として計測することが可能である。それらに応じて、角度検出スイッチやカウンタを利用することができる。
また、管電流切替え開始後の時刻trにおける管電流値XAtrは、上記計算で求めることができるので、管電流の遷移期間中の管電圧XVtrを以下の式(2)によって求め、管電流と管電圧が遷移時間TR経過後に、両者が同時に切替えを終わるように制御することができる。
XVtr=f−1(XAstAnd×(XVstAnd)/(P×XAtr)) ・・・式(2)
ここに、XAtrは時間の関数であり、XVtrも時間の関数である。また、関数f(XVstAnd)は式(1)で用いた関数であり、関数f−1は関数f(XV)の逆関数である。更にXAtrは遷移期間における管電流で、遷移期間開始時はXAkに等しく、遷移期間終了後はXAk+1に等しい。
なお、上記式(2)によって算出されるXVtrは、スキャン開始前に予めスキャン計画装置25が算出を済ませ記憶装置24へ記憶しておいてもよいし、スキャンの進行とともに計算を行うようにしてもよい。
XVtrはスキャンが遷移期間へ入った時の管電圧制御信号として使用される。
次に、ステップS130で設定されるスキャン開始位相について説明する。X線透過データの計測を開始するX線管の位置であるスキャン開始位相は、被検体によるX線減弱が最小となる角度(位置)に設定される。例えば、鉛直方向でのX線減弱が最小となる場合(被検体が仰臥位の場合)には、スキャン開始位相は図6(a)に示すようなスキャン開始位相1(X線管が被検体の真上の位置で角度0°)またはスキャン開始位相2(X線管が被検体の真下の位置で角度180°)に設定される。また、水平方向でのX線減弱が最小となる場合(被検体が横臥位の場合)には、スキャン開始位相は図6(b)に示すようなスキャン開始位相1(X線管が被検体の正面の位置で角度90°)またはスキャン開始位相2(X線管が被検体の真後ろの位置で角度270°)に設定される。
スキャン開始位相の設定は、スキャン計画装置25がスキャノグラムデータから被検体の断面形状を推定し、被検体によるX線減弱が最小となる方向を算出して、スキャン開始位相を自動設定する方法や、操作者が手動で入力設定する方法を採用することができる。なお、スキャノグラムデータから被検体の断面を推定する方法については、特開2001-276040号公報を参照することができる。
なお、設定されたスキャン開始位相は、記憶装置24へ記憶され、前述のように撮影開始指令が操作者によって入力されると、システム制御装置19によって読み出され、スキャン制御に用いられる。
本発明のX線CT装置では、途中でスキャナの回転を止めずにスキャンとスキャンの間でX線条件を変えながらマルチエネルギー撮影が行われる。このため、X線条件が遷移する期間の計測データは、他のスキャン期間の計測データとは相関がなく、遷移期間の計測データをそのまま画像再構成に用いると、アーチファクトが発生する等の悪影響が懸念される。そこで、本発明では、画像再構成において遷移期間の計測データを使用する割合を少なくし、その少なくなった分を対向データに大きな重みを付けて補うこととした。そのために計測データの重み付けを行う。
上記計測データの重み付けの概念を図7に示す。図7に示すように、本発明の計測データの重み付け方法は、1回目のスキャン終了(360°)直前の遷移期間TR/2の範囲内のビューデータを構成する検出器の各チャンネルの計測データをそれ以前に計測された対向データとの間で補償するものである(図7では、検出器の中心のチャンネルの重み付けを示している)。なお、遷移期間TR/2の重みの値は、例えば1から0の間で変化させ、対向データに与える重みの値は、例えば1から2の範囲で変化させるとよい。また、2回転目の計測データの重み付けも同じ考え方により実施される。
以上の重み付けデータは、遷移期間TRが算出された後に、スキャン計画装置25で演算により設定され、記憶装置24へ格納され、画像再構成時に使用される。
上記重み付け方法は、1スキャンを全く同一のX線条件で行うものに比べれば、画像ノイズの点では若干劣るけれども、スキャンの中断がないことによる短時間計測が可能であるというメリットがある。またこの方法は、ハーフスキャン再構成方法と比べれば、スキャン時間は長いが、画像ノイズの点では優れているということができる。
(ii)スキャノグラム画像を用いない場合
ステップS110において操作者がスキャノグラム撮影を「否」と選択した場合には、スキャノグラム撮影が行われずに、ステップS130へ進む。上記スキャン条件、X線条件は前述のステップS130と同様であるが、先頭CT画像と末尾CT画像の位置は、ガントリ1に設置された位置決め用投光器によって設定される。
以上のステップS130で設定されたスキャン条件及びX線条件は、スキャン計画装置25によって記憶装置24へ格納される。
(3)被検体の移動と撮影開始(S140)
スキャン条件及びX線条件の設定終了が終了すると、操作者は操作卓3へ被検体を撮影位置へ移動させる指令を入力する。すると、システム制御装置19は、被検体テーブル制御装置20へ被検体17を撮影位置(先頭CT画像撮影位置)へ移動させる指令を出力する。これによって天板移動装置22が制御され、被検体17の先頭CT画像撮影位置、すなわちスライスNo.1の位置がX線管8と検出器11の回転面位置へ移動される。
(4)撮影開始とスキャンカウンタKとスライスカウンタMの初期値の設定(S150)
被検体の移動が終了後、操作者は操作卓3へ撮影開始指令を入力する。するとシステム制御装置19は、スキャンカウンタKとスライスカウンタMへそれぞれ初期値K=1,M=1を設定するとともに、スキャナガントリ1へ撮影開始信号を出力する。なお、スキャンカウンタKは同一スライスに対するスキャン回数をカウントするものであり、またスライスカウンタMは何番目のスライスの撮影を行っているかをカウントするものである。これらのスキャンカウンタKとスライスカウンタMはシステム制御装置19へカウンタ回路として組み込まれている。
撮影開始信号を受け取ったスキャナガントリ1において、X線管8と検出器11を搭載したスキャナ回転板13が回転板駆動装置15によって回転させられる。
一方、スキャンカウンタKへ設定された初期値K=1に対応して、記憶装置24からはマルチエネルギー撮影のK種類のX線条件のうちの最初(k=1)のX線条件が読み出され、X線制御装置7へ管電圧、管電流設定信号として出力される。これにより、X線制御装置7が管電圧、管電流を設定する。
(5)スキャンS(m,k)の実行(S210)
そして、スキャナ回転板13の回転を検出する検出器によってX線管8がスキャン開始位相に来たことが検出されると、設定された管電圧、管電流がX線管8へ印加され、第1スライス(M=1)に対しK=1のX線エネルギーでCTスキャンS(1,1)が開始される。そして、スキャンの開始と共に、X線管8から放射され被検体17を透過したX線は検出器11で検出され、データ収集装置12で各ビューの検出データとされ、記憶装置24へ格納される。
なお、スキャンの実行中は、管電圧、管電流はそれらの設定値と、管電圧・管電流検出装置27の検出値とが比較され、管電圧、管電流が設定値となるようにフィードバック制御されている。
(6)X線条件(X線エネルギー)の変更
(i)遷移領域に入ったか否かの判定(S220)
CTスキャンの進行状態はシステム制御装置19によって監視され、X線管8がスキャン開始位相から1回転の終了前のTR/2領域(遷移領域)へ達したか否かが判定される。
(ii)スキャンカウンタKの更新(S230)
そして、X線管8が遷移領域へ達したと判定されると、システム制御装置19は、スキャンカウンタKへ1を加算する。
(iii)X線条件の変更(S240)
スキャンカウンタKが更新されると、システム制御装置19はK=2のX線条件を記憶装置24から読出し、スキャン計画装置25へ出力する。すると、スキャン計画装置25は、時々刻々と設定されるべき管電圧値、管電流値を出力する。そしてシステム制御装置19がそれらの値に応じた管電圧・管電圧設定信号をX線制御装置7へ出力する。これによって、図8に示すようにX線条件が逐次変更される。
(7)スキャンS(m,k)の終了判定(S250)
次いで、システム制御装置19は第1スライスに対するスキャンが終了したか否かの判定を行う。この判定はスキャンカウンタKの値と、スキャナ回転板13の1回転終了検出信号又は計測ビュー数が所定値になったことを用いて行われる。上記までの説明例では、スキャナ回転板13の1回転終了信号によりm=1,k=1に対するスキャンが終了したと判定される。
引き続いてm=1,k=2のスキャンS(1,2)が実行される。
スキャンS(1,2)はX線管8がスキャン開始位相を通過した時から開始される。スキャンS(1,2)が開始される時に、X線条件は変更過程にあり、X線管8がスキャン開始位相からTR/2だけ進んだ時に、k=2のX線条件となる。
以上のステップS210からステップS250がスキャンS(1,2)及び、その後のスキャンS(1,k)に対しても実行される。そして、設定されたK種類のX線条件のスキャンが行われると、スキャンカウンタKが更新されなくなるので、第1スライスm=1に対するスキャンS(1,k)が終了する。そして、X線放射が停止される。なお、X線放射が停止されても、スキャナ回転板13の回転はそのまま継続して行われるようにするとよい。これによって、次のスライスのスキャンを行う際に、スキャナ回転板13の回転速度を定常速度へ到達させる加速工程を省略することができる。
(8)スライスカウンタMの更新(S270)
スキャンS(1,k)が終了すると、システム制御装置19は、スライスカウンタMへ1を加算し、m=2とする。このとき、システム制御装置19は、同時にスキャンカウンタKを初期値k=1に戻すとともに、X線制御装置7へk=1のX線条件を設定させる信号を送る。
(9)スライス位置の変更(S280)
ステップS270の実行とともに、システム制御装置19は、テーブル制御装置20へ天板を1スライスピッチ分だけ移動するように指令を発する。これによって、天板移動装置22は天板を1スライスピッチだけ移動し、被検体17の第2スライス位置がX線管8と検出器11の回転面位置へ移動される。
そして、被検体17の移動が終了すると、X線管8がスキャン開始位相に来たタイミングでスキャンS(2,1)が実行開始される。
以後、第1スライスに対するスキャンと同様に第2スライスに対するマルチエネルギースキャンが実行される。そしてさらに、設定されたスライス位置の全てに対するマルチエネルギースキャンが行われる。
(10)画像再構成の前処理
(i)スキャンデータR(m,k)の補正処理と重み付け(S310)
スキャンS(m,k)が終了すると、システム制御装置19は、画像再構成装置23に対し画像再構成を行うように指令を発する。すると、画像再構成装置23は、R(m,k)のスキャンデータを記憶装置24から読出し、各スキャンデータを構成する投影データ(ビューデータ)を補正処理する。ここで行われる補正処理には、例えば
{1}X線無照射時の検出器出力を計測データから差し引く(検出器の)オフセット補正
{2}X線検出器の素子間の感度ばらつきを補正する(検出器の)感度ばらつき補正
{3}これらの補正後の計測データをX線透過経路におけるX線吸収係数積分値に比例した投影データに変換するlog変換処理
が含まれる。
これらの補正処理の後、画像再構成装置23は、図7に示すようなスキャンデータの重み付けを行う。この重み付けは、一例として次のような手順で行われる。
{11}図7の重み付けデータを記憶装置24から読み出す。
{12}各スキャンデータR(m,k)におけるX線条件遷移期間内のビューデータへ該当する重み(<1)を乗算する。
{13}上記重みを乗算されたビューデータの各チャンネルの対向データを読出し、図7の180°直前のTR/2の期間内に有り、前記乗算重みデータに角度的に対向する重み(>1)を乗算する。
上記{11}から{13}の重み付けを行って、各スキャンデータR(m,k)の画像再構成用投影データが作成される。
(ii)画像再構成(S320)
画像再構成装置23は、前記重み付けが成された各スキャンデータR(m,k)に対しぼけ補正のための再構成フィルタリング処理を施した後、逆投影を行う。
これによって、m個の各スライスについて、高エネルギーX線と低エネルギーX線とによるK種類のCT画像が得られる。なお、本実施形態では、上記ステップS310及びS320をスキャンS(m,k)が全て終了してから実施するように説明したが、本発明はそれに限定されることはなく、各X線エネルギーによるスキャンの終了とともに、または各スライスに対するマルチエネルギー撮影の終了とともに実行しても良い。
(11)CT画像の記憶(S330)
上記得られたマルチエネルギー撮影画像は、記憶装置24へ記憶される。
(12)マルチエネルギー撮影画像の表示(S340)
記憶装置24へ記憶されたマルチエネルギー撮影画像は、操作者の求めに応じた態様で表示装置5の表示画面へスライス位置又は番号や、X線条件等の付帯情報とともに表示され、医師による画像診断へ供される。
マルチエネルギー撮影画像の表示態様としては、異なるX線エネルギーで撮影されたCT画像を表示装置5の表示画面へ並列表示する態様や、異なるX線エネルギーで撮影されたCT画像同士の差分演算を行って得られた差分画像を表示する態様、更には、各スライスのマルチエネルギー撮影画像をX線エネルギー毎に3次元再構成して表示する態様等が考えられる。
このようなマルチエネルギー撮影画像を表示することにより、被検体へ投与されたX線造影剤と骨の弁別が可能と成る。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、変形が可能である。
以下、本発明の第二の実施形態を説明する。
この第二の実施形態が第一の実施形態と異なる点は、第一の実施形態では、第1のX線エネルギーによるCTスキャンと第2のX線エネルギーによるCTスキャンとが1回転スキャン(フルスキャン)であるが、第二の実施形態では1回転未満の、好ましくはスキャン角度が(1/2回転+X線ビームのファン角度≒240°)のいわゆるハーフスキャンを続けて行なう点にある。
このために、先に説明した第一の実施形態に対し次のような変更が必要となる。
(a)1スキャンのスキャン角度をα(<360°)または1スキャンの計測ビュー数をハーフスキャンに対応したものとする。これに対応して、例えば、1スキャンの角度検出センサーの位置変更または1スキャンに対する計測ビューのカウンタの最大値の変更を行う。
(b)スキャン開始位相を変更する。これに対応して、例えば1回目のスキャンのスキャン開始位相を0°とした時には2回目のスキャンはαをスキャン開始位相とする。
(c)図7に示す重み付けデータを図9に示す重み付けデータに変更する。
(d)管電圧、管電流の遷移領域における計測ビューの対向データの再設定を行う。これは、幾何学的な演算をコンピュータで行うことにより求めることができる。なお、X線ビームのファン角度を60°と仮定した場合には、180°(1/2回転)+60°=240°のハーフスキャンでは、本発明で定義される遷移期間の各ビューデータの対向データが得られることは、幾何学的に容易に理解される。
(e)記憶装置へハーフスキャンによる画像再構成ソフトウェアを格納する。
上記(a)から(e)のハードウェア及び/またはソフトウェアの変更を行った上で、図5に示すフローチャートに則ってマルチエネルギーCT撮影を行えば、より高速に被検体のマルチエネルギーCT画像が入手できる。
以上、説明した如く、本発明により提供されるマルチエネルギー撮影機能を適用したX線CT装置は、X線管と非多層の検出器を1組のみ有することで、多線源・多検出器法や多層検出器法のように高価なX線CT装置でなく、管電圧切り替えにより十分なX線実効エネルギーの差を有するマルチエネルギー撮影を実現でき、かつ各管電圧でのスキャンがフルスキャンであることにより、ハーフスキャンよりも画像ノイズやストリークアーチファクトが少ない、高画質な画像を得ることができる。
なお、上記の実施形態を用いて本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、一対のX線源と非多層のX線検出器によるスキャナによって同一のスライス位置を異なるX線条件で複数回撮影するマルチエネルギーフルスキャン手法を逸脱しない範囲で種々変更、応用が可能である。

Claims (9)

  1. 被検体へX線を照射して前記被検体を透過したX線を検出する一組のX線管とX線検出器と、この一組のX線管とX線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、前記被検体の同一スライス位置を異なるX線エネルギーを持ったX線でCTスキャンするマルチエネルギー撮影計画手段と、前記異なるX線エネルギーのX線を前記X線管から放射させる制御を行うX線制御手段とを有するX線CT装置において、
    第1のX線エネルギーによる第1のCTスキャンと第2のX線エネルギーによる第2のCTスキャンをCTスキャンの中断をすることなく連続的に行わせる手段と、前記第1のCTスキャンの終期と第2のCTスキャンの初期とを含む遷移期間に前記X線管から放射されるX線エネルギーを第1のX線エネルギーから第2のX線エネルギーへ遷移させる手段と、前記遷移期間のスキャンデータを残余の期間のスキャンデータで補償して画像再構成を行う手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記第1のX線エネルギーによる第1のCTスキャンと、前記第2のX線エネルギーによる第2のCTスキャンは1回転のフルスキャンとして行われることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記第1のX線エネルギーによる第1のCTスキャンと、前記第2のX線エネルギーによる第2のCTスキャンはハーフスキャンとして行われることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 前記マルチエネルギー撮影計画手段は、前記X線管のスキャン開始位置であるスキャン開始位相を、被検体によるX線減弱が最小となる角度に設定するスキャン開始位相設定手段と、前記第1のCTスキャンと第2のCTスキャンとの間における前記被検体の被曝線量率を同等にするX線条件を設定するX線条件設定手段と、前記第1のCTスキャンと第2のCTスキャン間におけるX線条件の遷移状態を設定するX線条件遷移手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載のX線CT装置。
  5. 前記スキャン開始位相設定手段は、前記被検体スキャノグラム画像から被検体の断面形状を推定し、前記被検体によるX線減弱が最小となる位相を求めるスキャン開始位相算出手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
  6. 前記画像再構成手段は、前記遷移期間のスキャンデータと、前記遷移期間のスキャンデータの対向データとに重み付けを行って、前記遷移期間のスキャンデータの再構成画像への寄与を小さくすることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  7. 前記X線条件設定手段は、設定された管電圧毎に得られる画像の画像ノイズが実質的に同等になるような管電流値を算出する管電流算出手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
  8. 前記X線条件設定手段は、設定された管電圧をスキャン順に降順に設定し、求められた管電流をスキャン順に昇順に設定することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  9. 前記X線条件遷移手段は、管電流の遷移時間を求め、管電圧の遷移を管電流の遷移に合わせて行うことを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
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