JPWO2008126488A1 - 経口投与剤およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

服用時に口腔粘膜に付着しにくく、仮に付着したとしても剥がしやすいフィルム状の経口投与剤を提供する。 薬物保持層11を少なくとも有するフィルム状の経口投与剤1であって、前記経口投与剤1の少なくとも一の表面に凸部が形成されている。この凸部は、錐体状、柱体状、半球状及び錐体台状から選ばれた少なくとも1種の形状である。薬物含有層は、薬剤及び基剤からなる。

Description

本発明は経口投与剤およびその製造方法に関する。
経口投与剤の一般的な剤形としては、錠剤やカプセル剤等の固形製剤が用いられている。しかしながら、これらの固形製剤は、そのままでは飲み込み難いため、通常は多量の水とともに服用しなければならず、さらに多量の水とともに服用したとしても、やはり飲み込み難い場合もある。したがって、服薬コンプライアンスが低下する場合がある。また、固形製剤を誤って気管に詰まらせてしまう場合や、固形製剤が食道に貼り付き、その部分に食道腫瘍が形成されてしまう場合がある。
特に高齢者や幼児においては、固形製剤を飲み込むことができない場合があるので、このような固形製剤の飲み込み難さを改善し、その服用の容易性や安全性を向上させるべく、ゼリーのような半固形状の剤形が望まれている。しかしながら、ゼリーのような半固形製剤は、水分を多量に含むため、薬物(特に加水分解しやすい薬物)の安定性が低下する等の問題点がある。
そのため、薬物の安定性を向上させるべく、剤形をフィルム状(シート状)に加工することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。フィルム状に加工すれば、製剤中の水分含有量を低く抑えることができるので、薬物、特に加水分解しやすい薬物の安定性を向上させることができるとともに、取り扱いが容易で包装コストの軽減を図ることが可能となる。
国際公開WO2002/087622号公報(請求項1、2及び図1参照)
ところで、フィルム状製剤の場合、服用時に口腔粘膜、特に上顎の口腔粘膜に付着してしまう場合があり、付着してしまうと口腔粘膜から剥がしにくい。
本発明は、かかる実情に鑑み、服用時に口腔粘膜に付着しにくく、仮に付着したとしても剥がしやすいフィルム状の経口投与剤とその製造方法とを提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、薬物含有層を少なくとも有するフィルム状の経口投与剤であって、前記経口投与剤の少なくとも一の表面に凸部が形成されていることを特徴とする経口投与剤に関する。凸部が形成されていることで、凸部の上面で口腔粘膜と直接接触するため、経口投与剤と口腔粘膜との接触面積が小さくなる。従って、服用時に経口投与剤が口腔粘膜に付着したとしても剥がしやすい。
前記経口投与剤は、前記経口投与剤の最外層としてゲル形成層を備え、前記ゲル形成層の表面には凸部が形成されていることが好ましい。経口投与剤のゲル化が遅いと、経口投与剤が口腔粘膜に付着しやすいが、凸部が形成されたことで、経口投与剤全体の表面積が大きくなり、その結果、経口投与剤のゲル化が早く、経口投与剤が口腔粘膜に付着しにくい。
この場合、前記凸部は、錐体状、柱体状、半球状及び錐体台状から選ばれた少なくとも1種の形状であることが好ましい。また、前記凸部の高さは、10〜5000μmの間にあることが好ましく、前記凸部は、経口投与剤の少なくとも一方の面に複数形成されていることが好ましい。
本発明の経口投与剤は、前記薬物含有層が薬剤及び基剤からなることが好ましい。この場合、前記薬物含有層の厚さは、0.1〜1000μmであることが好ましく、前記ゲル形成層は、水膨潤性ゲル形成剤及びフィルム形成剤を含有することが好ましい。また、前記ゲル形成層の凸部を含んだ厚さは、20〜6000μmであることが好ましい。
本発明の第2の態様は、表面に凹部が形成された工程フィルム上にゲル形成層の塗工液を塗布し乾燥させる工程と、前記ゲル形成層の上に薬物含有層の塗工液を塗布し乾燥させて、薬物含有層/ゲル形成層/工程フィルムの順で積層された積層体を形成する工程と、前記積層体を二つ準備し、前記薬物含有層同士を貼り合わせて圧着する工程と、前記工程フィルムを除去し、所定の形状にカットして、経口投与剤を作製する工程とを有する経口投与剤の製造方法に関する。
本発明の第3の態様は、表面に凹部が形成された第1の工程フィルム上に第1のゲル形成層の塗工液を塗布し乾燥させて第1のゲル形成層を形成する工程と、前記第1のゲル形成層の上に薬物含有層の塗工液を印刷し乾燥させて、前記第1のゲル形成層よりも小さい薬物含有層を形成する工程と、表面に凹部が形成された第2の工程フィルム上に第2のゲル形成層の塗工液を塗布し乾燥させて第2のゲル形成層を形成する工程と、前記第1および第2のゲル形成層の周縁部同士を接合して経口投与剤を作製する工程とを有する経口投与剤の製造方法に関する。
本発明の第1の態様における経口投与剤は、フィルム状製剤であっても、口腔粘膜に付着しにくく、また、付着した場合には剥がしやすいので、服薬コンプライアンスがよいという優れた効果を奏し得る。
本発明の第2の態様および第3の態様によれば、口腔粘膜に付着しにくく、また、付着した場合にも剥がしやすいという服薬コンプライアンスのよい経口投与剤が提供される。
本発明の経口投与剤の断面模式図。 本発明の経口投与剤の表面に設けられた第1の実施形態に係る凸部の構造を示す図。 本発明の経口投与剤の表面に設けられた第2の実施形態に係る凸部の構造を示す図。 本発明の経口投与剤の表面に設けられた第3の実施形態に係る凸部の構造を示す図。 本発明の経口投与剤の表面に設けられた第4の実施形態に係る凸部の構造を示す図。 本発明の第2の経口投与剤の断面模式図。
符号の説明
1 経口投与剤
2 経口投与剤
11 薬物含有層
12 ゲル形成層
13 ゲル形成層
21 第1のゲル形成層
22 第2のゲル形成層
23 薬物含有層
24 ゲル形成層の表面
以下、本発明の経口投与剤を図1を参照して説明する。
本発明の経口投与剤1は、薬物含有層11を少なくとも有するフィルム状製剤である。薬物含有層11は、本発明の経口投与剤1に一層のみ設けられていてもよいし、複数層設けられていてもよい。この場合、各層ごとに異なる薬剤を含有せしめてもよい。本発明の経口投与剤1に薬物含有層11を複数層設ける場合には、薬物含有層11同士を直接積層させてもよいし、接着層を介して積層させてもよい。また、複数の薬物含有層を積層方向と鉛直な方向につなげて、一層の薬物含有層として形成していてもよく、この場合も複数の薬物含有層のそれぞれを接着層を介してつなげてもよい。
薬物含有層11の上面及び下面の少なくとも一の面にゲル形成層が設けられていることが好ましい。特に好ましくは、経口投与剤1の最外層として上面及び下面にそれぞれ水膨潤性のゲル形成層12及び13を設けることである。経口投与剤の最外層に設けられた水膨潤性のゲル形成層は、患者の口腔内において唾液等の水分により膨潤してゲル化し、経口投与剤は飲み込みやすい大きさ、形状、弾力、粘度等を有する剤形に変化する。したがって、服用者は経口投与剤を容易に服用することができる。また、服用の際、経口投与剤が服用者の気管に詰まる危険性が低下するので、服用者が老人や乳幼児の場合であっても安全に服用することができる。唾液が少なく水膨潤性のゲル形成層が十分にゲル化しない患者の場合には、少量の水とともに服用させたり、投与前に予め水に浸したりすることで同様の効果を発揮させることができる。このときに必要となる水は、錠剤、カプセル剤等の固形製剤を服用するときに必要となる水と比べて非常に少量である。また、経口投与剤の最外層に設けられた水膨潤性のゲル形成層は、服用者の口腔内において唾液等の水分により膨潤してゲル化し、薬物含有層に含有される薬物の味(例えば苦味、渋味)、臭い等をマスキングすることができる。
ゲル形成層12及び13の表面のうち少なくとも一面には、凸部が形成されている。製剤のゲル化が遅いと、製剤が口腔粘膜に付着しやすいが、凸部が形成されていることで、製剤の表面積が大きくなり、製剤のゲル化が早くなり、製剤が口腔粘膜に付着しにくい。また、凸部が形成されていることで、経口投与剤の表面と口腔粘膜との直接の接触面積が小さくなるので、服用時に経口投与剤が口腔粘膜に付着したとしても剥がしやすい。この場合、経口投与剤1の最外層であるゲル形成層12及び13の両表面に凸部を設けることが好ましい。どちらの面を上にして服用しても、経口投与剤が上顎の口腔粘膜に付着しにくくなり、かりに付着したとしても剥がしやすいからである。
凸部の形状は、口腔粘膜との接触面積を減らすものであれば、どのようなものであってもよく、面接触するものであっても、点接触するものであってもよい。例えば、凸部の形状としては、錐体状、柱体状、半球状等や、錐体台状が挙げられる。ここで、錐体状には、底面が円又は楕円の円錐体、及び角錐体が含まれ、また、略円錐体や略角錐体等も含まれる。柱体状には、略柱体等も含まれ、例えば、柱体の上面が湾曲面であるものなども含まれる。半球状には、半球だけでなく、湾曲面で形成されているもの、また、半球の一部を切り取った形状等が含まれる。錐体台状は、角錐台や底面が円や楕円の円錐台を含み、また、略錐体台状のものや、錐体を底面と水平な面で切り取ったものだけでなく、錐体を底面と水平ではない面で切り取ったものも含む。
凸部が一つだけ設けられていると、凸部以外の部分を含んだ経口投与剤1の表面全体が口腔粘膜と接触する可能性があり、この場合、経口投与剤1の表面に唾液等の流路が形成されない。そうすると、水分が供給されないので経口投与剤1がゲル化しにくくなり、その結果、上顎の口腔粘膜から剥がしにくくなることがあるため、凸部は、形成面全体に複数形成されていることが好ましい。例えば、複数の凸部が、直線状に設けられていたり、水玉模様状を構成するように設けられていてもよい。このように複数の凸部が設けられていることで、凸部間は口腔粘膜に直接接触せず、唾液の流路として機能するので、ゲル化に必要な水分を確保できゲル化を促進した結果、口腔粘膜に付着したとしても、より経口投与剤を剥がしやすくすることができる。特に好ましくは、凸部が所定の微細な(例えばマイクロメートルオーダー)パターンで多数形成されていることである。好適な凸部の形成例を、図2〜図5に示す。これらの図2〜図5に示したような形状の凸部が形成されていれることで、各凸部の上面で口腔粘膜と接触することができる。この場合、平坦なシート状の製剤よりも口腔粘膜と接触する面が小さく、かつ、唾液等の流路を確保できるので、例え口腔粘膜に付着したとしても剥がしやすく、また、表面積が増大するのでゲル化時間が短縮され、口腔粘膜に付着しにくくなる。
図2(a)及び(b)は、第1の実施形態に係る凸部の形状を説明するためのものであり、図2(a)に第1の実施形態に係る凸部が複数形成されたゲル形成層12の一部拡大図、(b)にその断面図を示す。第1の凸部の形状は、底面が正方形の角錐台形状であり、角錐台の上面で口腔粘膜と接触する。図2(a)及び(b)に示す第1の実施の形態にかかる凸部の場合、各凸部の大きさは、例えば、底面の正方形の一辺が450μm、上面の正方形の一辺が184μm、底面と上面との間の高さが30μmである。
この第1の実施形態に係る凸部は、ゲル形成層12の表面全体にわたって規則的にパターン形成されていてもよく、また、ランダムに形成されていてもよい。例えば、図中では例として凸部の形成パターンは、碁盤目状であり、各凸部の間隔は、100μmである。
図3(a)及び(b)は、第2の実施形態に係る凸部の形状を説明するためのものであり、図3(a)に第2の実施形態に係る凸部が2以上形成されたゲル形成層12の一部拡大図、(b)にその断面図を示す。この第2の実施形態に係る凸部も、底面が正方形の角錐台形状であり、その上面で口腔粘膜と接触する。図3(a)及び(b)に示す第2の実施形態に係る凸部の場合、各凸部の大きさは、例えば、底面の正方形の一辺が600μm、上面の正方形の一辺が100μm、底面と上面との間の高さが66μmである。
この第2の実施形態に係る凸部も、ゲル形成層の表面全体にわたって規則的にパターン形成されていてもよく、また、ランダムに形成されていてもよい。例えば、図中では例として凸部の形成パターンは、碁盤目状であり、各凸部の間隔は、75μmである。
また、図4(a)及び(b)は、第3の実施形態に係る凸部の形状を説明するためのものであり、図4(a)に第3の実施形態に係る凸部が2以上形成されたゲル形成層12の一部拡大図、(b)にその断面図を示す。第3の実施形態に係る凸部は、円錐台であり、その上面で口腔粘膜と接触する。図4(a)及び(b)に示す第3の実施形態に係る凸部の場合、大きさは、例えば直径が1750μm、上面の直径が1000μm、高さが183μmである。この凸部も、ゲル形成層の表面全体にわたって規則的にパターン形成されていてもよく、また、ランダムに形成されていてもよい。例えば、図中では例として凸部の形成パターンは、市松模様状になるように配置され、形成されている。
さらに、図5に示す第4の実施の形態にかかる凸部のように、2種以上の(図5中では例として3種類)形状の凸部をゲル形成層12の表面に形成してもよい。図5の場合には、図4(a)及び(b)に示した第3の実施の形態にかかる凸部と、底面が長方形の角錐台形状の凸部と、底面が菱形の角錐台形状の凸部とからなる。それぞれの大きさは、例えば、底面が長方形の場合は、底面が1500μm×1150μmで、上面が750μm×150μm、高さが183μm、底面が菱形の場合は、底面が1680μm×1680μmで、上面が1150μm×1150μm、高さが23μmである。このように、各凸部の高さが異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、図5に示すように、2以上の形状の凸部を形成する場合にも、それぞれを規則的に配置して形成してもよく、また、ランダムに配置して形成することも可能である。
凸部の形状は、その高さが10〜5000μmの間にあることが好ましく、より好ましくは、20〜1000μmの間にあることである。5000μmより高いと凸部の形成が困難であり、他方で、10μmより低いと表面全体が口腔粘膜に付着してしまうからである。また、凸部の数が100mm当たり1〜10000個で形成されていることが好ましい。また、凸部の上面が平面である場合、フィルム状経口投与剤の凸部の最上面の面積の合計が、凸部が形成されている面全体の面積に対して、0.01〜30%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜20%である。これらの範囲に入っていれば、服薬コンプライアンスのよい所望の経口投与剤を得ることができる。
薬物含有層11の厚さは、経口投与し得る厚さの範囲内において、薬物含有量などに応じて適宜調節し得るが、0.1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは、10〜200μmである。薬物含有層11の厚さが0.1μm未満であると、薬物含有量が層全体でばらつきが生じる。他方で、薬物含有層11の厚さが1000μmより厚いと、フィルムが厚すぎて服用し難い。
ゲル形成層12及び13は、凸部を含んだ厚さが20〜6000μmであることが好ましく、より好ましくは、30〜2000μmである。ゲル形成層12及び13の厚さが20μm未満であると、経口投与剤1が飲み込みやすい大きさ、形状、弾力、粘度等を有する剤形に変化しにくい。他方で、ゲル形成層12及び13の厚さが6000μmより厚いと、フィルムが厚すぎて服用し難い。
薬物含有層11は、薬剤のみからなるものであってもよいが、薬剤を所望の状態で保持するための基剤を含有することが好ましい。薬物含有層11には、投与量が微量でもよい薬物(例えば1回の投与量が1mg以下)から大量に要する薬物(例えば1回の投与量が300mg以上)まで広範な種類の薬物を含有させることができる。また、薬物含有層11には、適度な柔軟性を付与するために、可塑剤を添加させてもよい。
ゲル形成層12及び13は、水膨潤性のもの、即ち、水分により膨張して、ゲルを形成することができる水膨潤性ゲル形成剤を少なくとも有する。ただし、この水膨潤性ゲル形成剤だけではフィルム状製剤を作製することが難しい場合には、フィルム形成剤を添加することが好ましい。また、ゲル形成層には、適度な柔軟性を付与するために、可塑剤を添加させてもよい。
さらに、薬物含有層11及びゲル形成層12、13には、それぞれマスキング剤、着色剤及び防腐剤等を添加してもよい。なお、薬物含有層のみからなる経口投与剤を作製する場合には、薬物含有層11の基剤として、水膨潤性ゲル形成剤としても機能するものを用いることが好ましく、添加目的に応じて適宜選択することができる。
以下、上記の薬物含有層11及びゲル形成層12、13を構成する各材料を詳細に説明する。
(薬剤)
薬剤としては、患者等に投与すべき薬物で、経口投与し得る薬物であれば特に限定されない。経口投与し得る薬物として、例えば、中枢神経に作用する薬物では、アモバルビタール、エスタゾラム、トリアゾラム、ニトラゼパム、ペントバルビタール等の催眠薬;塩酸アミトリプチン、塩酸イミプラミン、オキサゾラム、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、ジアゼパム、スルピリド、ハロペリドール等の向精神薬;トリヘキシフェニジル、レボドパ等の抗パーキンソン薬;アスピリン、イソプロピルアンチピリン、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼ、セラペプターゼ、プロナーゼ、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム等の鎮痛薬および抗炎症薬;ATP、ビンポセチン等の中枢神経代謝賦活薬;呼吸器に作用する薬物としては、カルボシステイン、塩酸ブロムヘキシン等の去痰薬;塩酸アゼラスチン、オキサトミド、テオフィリン、硫酸テルブタリン、トラニラスト、塩酸プロカテロール、フマル酸ケトチフェン等の抗喘息薬;循環器系に作用する薬物としては、アミノフィリン、ジギトキシン、ジゴキシン等の強心薬;アジマリン、ジソピラミド、塩酸プロカインアミド、塩酸メキシレチン等の抗不整脈薬;亜硝酸アミル、塩酸アルプレノロール、硝酸イソソルビド、ニコランジル、オキシフェドリン、ジピリダモール、塩酸ジラゼプ、塩酸ジルチアゼム、ニトログリセリン、ニフェジピン、塩酸ベラパミル等の抗狭心症薬;カリジノゲナーゼ等の末梢血管拡張薬;アテノロール、カプトプリル、塩酸クロニジン、酒石酸メトプロロール、スピロノラクトン、トリアムテレン、トリクロルメチアジド、ニカルジピン、塩酸ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、塩酸プラゾシン、フロセミド、塩酸プロプラノロール、マレイン酸エナラプリル、メチルドパ、塩酸ラベタロール、レセルピン等の抗高血圧薬;クロフィブラート、デキストラン硫酸、ニコモール、ニセリトロール等の抗動脈硬化薬;血液および造血作用薬として、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、トラネキサム酸等の止血薬;塩酸チクロピジン、ワルファリンカリウム等の抗血栓症薬;硫酸鉄等の貧血治療薬;消化器系に作用する薬物として、アズレン、アルジオキサ、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、テプレノン、レバミピド等の抗潰瘍薬;ドンペリドン、メトクロプラミド等の制吐剤;センノシド等のしゃ下薬;消化酵素製剤;グリチルリチン、肝臓エキス製剤等の肝疾患治療薬;代謝性疾患に作用する薬物として、グリベンクラミド、クロルプロパミド、トルブタミド等の抗糖尿病薬;アロプリノール、コルヒチン等の痛風治療薬;眼科領域の薬物として、アセタゾラミド;耳鼻科領域の薬物として、塩酸ジフェニドール、メシル酸ベタヒスチン等の抗めまい薬;化学療法薬および抗生物質として、イソニアジド、塩酸エタンブトール、オフロキサシン、ステアリン酸エリスロマイシン、セファクロル、ノルフロキサシン、ホスホマイシンカルシウム、塩酸ミノサイクリン、リファンピシン、ロキタマイシン等;抗悪性腫瘍薬として、シクロホスファミド、テガフール等;免疫抑制薬として、アザチオプリン等;ホルモン類および内分泌治療薬として、黄体ホルモン、唾液腺ホルモン、チアマゾール、プレドニゾロン、ベタメタゾン、リオチロニン、レボチロキシン等;生体内活性物質(オータコイド)として、フマル酸クレマスチン、D−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン等の抗ヒスタミン薬;アルファカルシドール、コバマミド、ニコチン酸トコフェロール、メコパラミン等のビタミン等が挙げられ、治療目的に合わせて1又は2以上を用いることができる。
薬物含有層における薬物の含有量は特に限定されず、薬物の種類に応じて適宜調節することができるが、薬物含有層の通常80重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。薬物の含有量が80重量%を越えると経口投与剤のフィルム強度が低下する。なお、薬物含有層中の薬物含有量の下限値は、薬物含有層に含有させる薬物の種類に応じて適宜設定され、通常は0.001重量%程度である。
(基剤)
薬物含有層に薬物とともに含有される基剤は特に限定されず、添加目的に応じて適宜選択することができる。薬物含有層に含有される基剤の具体例としては、例えば、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース等のセルロース及びその誘導体又はそれらの薬学的に許容される塩(例えばナトリウム塩);α−デンプン、酸化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、デキストリン、デキストラン等のデンプン及びそれらの誘導体;白糖、麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、果糖、プルラン、キサンタンガム、シクロデキストリン等の糖類;キシリトール、マンニトール、ソルビトール等の糖アルコール類;メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸コポリマー、メタアクリル酸・アクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸・メタアクリル酸メチルコポリマー、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸塩化メチルコポリマー、メタアクリル酸・アクリル酸塩化エチルコポリマー等のアクリル酸誘導体;シェラック;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート;酢酸ビニル;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;アラビアゴム、トラガカントゴム等の天然ゴム類;キチン、キトサン等のポリグルコサミン類;ゼラチン、カゼイン、ダイズ蛋白等の蛋白質;酸化チタン;リン酸一水素カルシウム;炭酸カルシウム;タルク;ステアリン酸塩;メタケイ酸アルミン酸マグネシウム;ケイ酸マグネシウム;無水ケイ酸;酢酸ビニルービニルピロリドン共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの基剤のうち、可食性高分子が好ましい。可食性高分子は、合成高分子及び天然高分子のいずれであってもよく、その種類は特に限定されるものではない。
可食性高分子としては、胃溶性高分子または腸溶性高分子が好ましい。可食性高分子のうち、好ましいものとしては、セルロース及び/又はセルロース誘導体が挙げられ、特に好ましいものとしては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等が挙げられる。特に、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、フィルム形成性に優れているため、有用である。
薬物含有層における可食性高分子の含有量は、層を形成することが可能となる量であり、その量は可食性高分子の種類等に応じて適宜調節し得るが、薬物含有層の通常20重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。可食性高分子が20重量%未満であると薬物含有層の形成が不十分となる。なお、薬物含有層における可食性高分子の含有量の上限値は、100重量%から薬物含有層に含有される薬物の最小含有量を差し引いた値であり、薬物の種類等に応じて適宜設定される。
(可塑剤)
可塑剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトール、グリセリントリアセテート、フタル酸ジエチルおよびクエン酸トリエチル、ラウリル酸、ショ糖等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
ところで、薬物含有層11の割れや欠けを防止すべく薬物含有層に可塑剤を多く含有せしめると、経口投与剤の端部からしみだしが生じることがある。そこで、しみだしを防止すべく、基剤としてK値が70以上のポリビニルピロリドンを含有することが好ましい。ここで、K値とは高分子の溶液の固有粘度であり、フィケンチャーのK価ともよばれるものである。K値が70以上のポリビニルピロリドンは、賦形剤、安定剤、結合剤としての役割を果たすため、有用である。このK値が70以上のポリビニルピロリドンを含有することで、薬物含有層に含有される可塑剤の量が少なくても薬物含有層の割れや欠けを防止することができるとともに、水分含有量を低く抑えて、薬物含有層に含有される薬物の安定性を向上させることができる。
薬物含有層の基剤としてK値が70以上のポリビニルピロリドンのみを含有してもよいが、その他の上述の基剤をさらに含有してもよく、また、この場合にさらにK値が70未満のポリビニルピロリドンを含有していてもよい。好ましくはフィルム形成性に優れているヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを併用することである。
薬物含有層11に含有される基剤の総含有量は、薬物含有層11を形成することが可能となる量であり、その量は基剤の種類等に応じて適宜調節することができるが、薬物含有層11の30重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。基剤の総含有量が30重量%未満であると薬物含有層11の形成が不十分となる。なお、基剤の総含有量の上限値は、100重量%から薬物含有層11に含有される薬物の最小含有量を差し引いた値(薬物含有層11が可塑剤を含有する場合には、100重量%から薬物含有層11に含有される薬物及び可塑剤の最小含有量を差し引いた値)であり、薬物の種類、可塑剤の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、薬物の最小含有量が薬物含有層11の0.01重量%である場合、基剤の総含有量の上限値は薬物含有層11の99.99重量%である。また、薬物及び可塑剤の最小含有量がそれぞれ薬物含有層11の0.01重量%及び2重量%である場合、基剤の総含有量の上限値は薬物含有層11の97.99重量%である。
この場合、薬物含有層11に含有される可塑剤の量は、薬物含有層11に含有されるK値が70以上のポリビニルピロリドンの量等に応じて適宜調節することができるが、薬物含有層11の通常2〜25重量%、好ましくは4〜21重量%、さらに好ましくは6〜17重量%である。可塑剤の含有量が25重量%を超えると経口投与剤1の端部から薬物含有層11の染み出しを生じさせる一方、2重量%未満であると可塑剤としての作用を十分に発揮することができない。
薬物含有層11が可塑剤を含有する場合、薬物含有層11に含有されるK値が70以上のポリビニルピロリドンの量が薬物含有層11の30重量%以上であり、薬物含有層11に含有される可塑剤の量が薬物含有層11の2〜25重量%であると、薬物含有層11の割れや欠けを効果的に防止することができるとともに、経口投与剤1の端部からの薬物含有層11の染み出しを効果的に防止することができる。
薬物含有層11が可塑剤を含有する場合、薬物含有層11に含有される薬物の量は、薬物の種類に応じて適宜調節することができるが、薬物含有層11の70重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。薬物含有量が70重量%を越えると、フィルム強度が低下する。なお、薬物含有量の下限値は、薬物含有層11に含有させる薬物の種類に応じて適宜設定され、通常は0.01重量%程度である。
(水膨潤性ゲル形成剤)
水膨潤性ゲル形成剤は、水分により膨潤してゲルを形成し得る限り、その種類は特に限定されるものではない。水膨潤性ゲル形成剤の具体例としては、カルボキシビニルポリマー、デンプン及びその誘導体、寒天、アルギン酸、アラビノガラクタン、ガラクトマンナン、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース及びその誘導体、カラゲーン、デキストラン、トラガカント、ゼラチン、ペクチン、ヒアルロン酸、ジェランガム、コラーゲン、カゼイン、キサンタンガム、グルコマンガン等が挙げられる。これらのゲル形成剤は、架橋化されたものであっても架橋化されていないものであってもよいが、架橋化カルボキシビニルポリマーが好ましく、架橋化ポリアクリル酸が特に好ましい。架橋化カルボキシビニルポリマー、特に架橋化ポリアクリル酸を用いることで、フィルム形成剤のフィルム形成能に悪影響を及ぼさず、膨潤時に好適なゲル強度を示すことができる。また、基剤としてK値が70以上のポリビニルピロリドンを用いる場合、架橋化ポリアクリル酸は、ポリビニルピロリドンと相互作用して好適なゲル強度を示すことができるため好ましい。
架橋化は、架橋される分子の種類に応じて架橋剤によって行なうことができる。上述の水膨潤性ゲル形成剤のうち、カルボキシビニルポリマーや、アルギン酸、ペクチン、カルボキシルセルロース、グルコマンガン等は、例えば、多価金属化合物によって架橋することができる。このような多価金属化合物の具体例としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリミョウバン、塩化鉄ミョウバン、アンモニウムミョウバン、硫酸第二鉄、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、クエン酸鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸亜鉛等が挙げられる。これらのうち、基剤としてK値が70以上のポリビニルピロリドンを用いる場合、三価の金属化合物を使用すると、ポリアクリル酸の架橋化度が高まり、架橋化ポリアクリル酸とK値が70以上のポリビニルピロリドンとの相互作用が起こったときに、ゲル強度が大きいゲルを形成させることができる。
(フィルム形成剤)
フィルム形成能を有する限り、その種類は特に限定されるものでない。フィルム形成剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルフタレート、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、アルキルセルロース(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース)、カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)、(メタ)アクリル酸およびそのエステル、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸等が挙げられる。
フィルム形成剤は水溶性であることが好ましい。フィルム形成剤が水溶性である場合には、水膨潤性のゲル形成層に水分が浸入しやすくなり、口腔内においてゲル形成層の膨潤及びゲル形成を速やかに生じさせることができる。
水溶性のフィルム形成剤としては、例えば、ポリビニルアルコール;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;ポリビニルピロリドン;キサンタンガム;カラギーナン;アルギン酸等が挙げられる。これらのうち、マスキング剤としての役割も果たすことができるポリビニルアルコール等が好ましい。
ゲル形成層12及び13に含有されるフィルム形成剤の量は、フィルム形成剤の種類等に応じて適宜調節することができるが、好ましくはゲル形成層12及び13の30〜85重量%である。
(マスキング剤)
マスキング剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸等の酸味を与えるもの、サッカリン、アスパルテーム、ステビオサイド、グリチルリチン酸、白糖、果糖、マンニトール等の甘味剤、メントール、ハッカ油、ペパーミント、スペアミント等の清涼化剤、天然又は合成の香料等が挙げられ、これらのうち1種類又は2種類を選択して使用することができる。
(着色剤)
食用レーキ着色剤等の着色剤があげられる。
(防腐剤)
ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル等の防腐剤があげられる。
ところで、ゲル形成層が水分を含んで膨潤した場合に、ゲルの強度がより高いほうが服用しやすいので、架橋剤として多価金属化合物を含有せしめることが好ましいのは上述の通りである。しかし、多価金属イオンで架橋された水膨潤性ゲル形成剤を用いてゲル形成層を作製する場合、塗工液の粘度が上昇して塗布しにくいことがある。そこで、ゲル形成層ではなく薬物含有層に多価金属イオンを生じさせるための多価金属化合物を含有せしめ、かつ、ゲル形成層に多価金属イオンにより架橋されるゲル形成剤を含有せしめることで、ゲル形成層が十分な強度を有する経口投与剤を作製することが可能である。この場合の多価金属化合物としては、上述の多価金属化合物を用いることができる。
薬物含有層に多価金属化合物を含有せしめる場合、薬物含有層に含有される基剤は、上述した基剤を用いることができるが、好ましくは、多価金属化合物から生じた多価金属イオンと反応し得るイオン性官能基を有しない基剤を用いることである。薬物含有層に含有される基剤が、多価金属イオンと反応し得るイオン性官能基を有する場合、水膨潤性のゲル形成層が患者の口腔内において唾液等の水分により膨潤する際に、多価金属化合物から生じた多価金属イオンが薬物含有層に含有する基剤の架橋に利用されてしまい、ゲル形成層に含有される水膨潤性ゲル形成剤の架橋が不十分になるおそれがあるからである。
多価金属イオンと反応し得るイオン性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。上述の基剤のうち多価金属イオンと反応し得るイオン性官能基を有しない基剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース及びそのアルキルエステル、デンプン及びその誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、糖類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
薬物含有層に多価金属化合物を含有せしめる場合、薬物含有層11に含有される基剤の総量は、薬物含有層11を形成することが可能となる量であり、その量は基剤の種類等に応じて適宜調節することができるが、薬物含有層11の通常30質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。基剤の総含有量が30質量%未満であると薬物含有層11の形成が不十分となる。なお、基剤の総含有量の上限値は、薬物の含有量に応じて適宜設定することができる。
薬物含有層に多価金属化合物を含有せしめる場合、薬物含有層11に含有される薬物の量は特に限定されず、薬物の種類に応じて適宜調節することができるが、通常、薬物含有層11の70質量%以下、好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。薬物含有量が70質量%を越えると、経口投与剤1のフィルム強度が低下する。なお、薬物含有量の下限値は、薬物含有層11に含有させる薬物の種類に応じて適宜設定され、通常は0.01質量%程度である。
上記含有量であれば、ゲル形成層が水分により膨潤する際に、薬物含有層に含有される水膨潤性ゲル形成剤を多価金属イオンにより架橋させることができるので、十分に架橋された水膨潤性ゲル形成剤をゲル形成層に予め含有せしめる必要がない。従って、ゲル形成層を作製する場合に、塗工液の粘度が上昇して塗布しにくいということがなく、かつ、十分な強度のゲルを得ることができる。
水膨潤性のゲル形成層12及び13に含有され、多価金属イオンにより架橋され得る水膨潤性ゲル形成剤は特に限定されるものではないが、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、グルコマンナン等が挙げられ、これらのうち1種類又は2種類以上を選択して使用することができる。
水膨潤性のゲル形成層12及び13には、多価金属イオンにより架橋され得ない水膨潤性ゲル形成剤が含有されていてもよい。多価金属イオンにより架橋され得ない水膨潤性ゲル形成剤としては、例えば、デンプン及びその誘導体、寒天、カラギーナン、ジェランガム、ゼラチン、コラーゲン、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム等が挙げられ、これらのうち1種類又は2種類以上を選択して使用することができる。
水膨潤性のゲル形成層12及び13に含有され、多価金属イオンにより架橋され得る水膨潤性ゲル形成剤の量は、水膨潤性ゲル形成剤の種類等に応じて適宜調節することができるが、通常ゲル形成層の5〜90質量%、好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは15〜70質量%である。
薬物含有層11に含有される多価金属化合物の量は、ゲル形成層12及び13に含有され、多価金属イオンにより架橋され得る水膨潤性ゲル形成剤の量に応じて適宜調製することができ、通常、多価金属イオンにより架橋され得る水膨潤性ゲル形成剤1質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部、さらに好ましくは0.05〜5質量部である。多価金属化合物の量が0.01質量部未満であると、ゲル形成層が患者の口腔内において唾液等の水分により膨潤する際に多価金属化合物から生じる多価金属イオンの量が不十分となり、ゲル形成層に含有される水膨潤性ゲル形成剤を十分に架橋することができない一方、多価金属化合物の量が10質量部を超えると、薬物含有層11に含有される薬物量の減少、多価金属化合物自体の味(苦味等)の知覚、多価金属化合物の吸湿作用による薬物含有層11の可塑化、薬物含有層11の安定性の低下等を生じる。
また、ゲル形成層と薬物含有層との間に中間層を設け、この中間層に多価金属化合物を含有せしめてもよい。この場合、中間層は、多価金属化合物を保持するために、薬物含有層と同一の基剤を含有してもよい。水膨潤性のゲル形成層12及び13が、それぞれ中間層に直接積層された状態で経口投与剤1の最外層に設けられていることで、ゲル形成層12及び13が患者の口腔内において唾液等の水分により膨潤してゲル化する際、中間層に含有される多価金属化合物が電離して多価金属イオンが生じ、この多価金属イオンにより、ゲル形成層12及び13に含有される水膨潤性ゲル形成剤が架橋される。したがって、十分に架橋された水膨潤性ゲル形成剤をゲル形成層12及び13に予め含有しておかなくても、十分に強度が大きいゲルが形成される。
さらにまた、水膨潤性のゲル形成層12及び13の表面のコーティングに多価金属化合物を使用してもよい。多価金属化合物は、経口投与剤1の薬物含有層11に含有される多価金属化合物と同様である。なお、経口投与剤1においては、薬物含有層11に多価金属化合物を含有させてもよいが、薬物含有層11に多価金属化合物を必ずしも含有させる必要はない。
経口投与剤1においては、ゲル形成層12及び13が患者の口腔内において唾液等の水分により膨潤してゲル化する際、水膨潤性のゲル形成層12及び13の表面にコーティングされた多価金属化合物が電離して多価金属イオンが生じ、この多価金属イオンにより、水膨潤性のゲル形成層12及び13に含有される水膨潤性ゲル形成剤が架橋される。したがって、十分に架橋された水膨潤性ゲル形成剤を水膨潤性のゲル形成層12及び13に予め含有しておかなくても、十分に強度が大きいゲルが形成される。
水膨潤性のゲル形成層12及び13の表面にコーティングされた多価金属化合物の厚さは、経口投与可能な範囲内において適宜調節することができるが、1〜500μmであることが好ましく、5〜100μmであることがさらに好ましい。多価金属化合物の厚さが1μm未満であると、均一な膜厚が得ることができず、また十分なゲル強度が得られる量の多価金属化合物を含有することができなくなる一方、多価金属化合物の厚さが500μmを超えると、服用時に唾液等の少量の水分だけでは十分なゲル形成ができず、服用し難くなる。
ところで、ゲル形成層が患者の口腔内において唾液等の水分により膨潤してゲル化する際、薬物含有層まで到達した水分により、薬物含有層に含有される薬物が溶解し、経口投与剤から溶出する場合がある。このように患者の口腔内において経口投与剤から薬物が溶出すると、上述したマスキング剤を含有せしめたとしても、薬物の味、臭い等のマスキングが不十分なものとなる。そこで、薬物含有層に含有される薬物を水分から保護し、経口投与剤からの薬物の溶出を防止すべく、薬物含有層に基剤として水難溶性高分子が含有されていることが好ましい。このように水難溶性高分子が含有されていることで、薬物の味、臭い等のマスキング効果が向上している。
この場合、ゲル形成層が水分を含んで膨潤した場合に、ゲルの強度をより高くすべく、ゲル形成層と薬物含有層との間にポリビニルピロリドンからなる中間層を設けることが好ましい。ゲル形成層に含有される水膨潤性ゲル形成剤と中間層に含有されるポリピロリドンとが相互作用し、より強度の高いゲルを形成することが可能だからである。
薬物含有層11に含まれる水難溶性高分子は特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル・(メタ)アクリル酸コポリマー、(メタ)アクリル酸・アクリル酸エチルコポリマー、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸メチルコポリマー、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)アクリル酸塩化トリメチルアンモニウムコポリマー、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル・(メタ)アクリル酸塩化メチルコポリマー、(メタ)アクリル酸・アクリル酸塩化エチルコポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリ酢酸ビニル、シェラック等が挙げられ、これらのうちの1種類又は2種類以上を選択して使用することができる。好ましくは、ポリビニルアルコールを単独で使用するか、又はポリビニルアルコールを他の水難溶性高分子と組み合わせて使用することである。ポリビニルアルコールは、上述のように薬物の味、臭い等のマスキング効果を有しているので、薬物含有層11にポリビニルアルコールを含有せしめることで、経口投与剤1からの薬物の溶出を効果的に防止することができるとともに、薬物含有層11に含有される薬物の味、臭い等を効果的にマスキングすることができる。
薬物含有層11に含有される水難溶性高分子の量は、薬物含有層11の通常10質量%以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。薬物含有層11に含有される水難溶性高分子の量が上記範囲にあると、経口投与剤1からの薬物の溶出を効果的に防止することができる。なお、薬物含有層11に含有される水難溶性高分子の量の上限値は、100質量%から薬物の最小含有量を差し引いた値である。例えば、薬物の最小含有量が薬物含有層11の0.01質量%である場合、水難溶性高分子の含有量の上限値は薬物含有層11の99.99質量%である。
薬物含有層11は、基剤として水難溶性高分子のみを含有してもよいが、水難溶性高分子とともに水溶解性高分子を含有してもよい。水溶解性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、アラビアガム、デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン等が挙げられる。薬物含有層11に含有される水溶解性高分子の量は、薬物含有層11の通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。なお、水溶解性高分子の含有量の下限値は0である。
薬物含有層11に水難溶性高分子を含有せしめる場合、中間層は、上述の通りポリビニルピロリドンを含有する層である。中間層は、ポリビニルピロリドンのみを含有してもよいし、ポリビニルピロリドンを所望の状態で中間層に保持することができる基剤を含有してもよい。中間層に含有されるポリビニルピロリドンの量は、中間層の通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である中間層に含有されるポリビニルピロリドンのK値は、30以上であれば強度が十分に強いゲルを形成できるが、より好ましくは、K値が90以上である。
中間層の厚さは1〜80μm、より好ましくは、10〜50μmであることが好ましい。この範囲であれば、経口投与可能である。
上記した本発明の各経口投与剤のいずれにおいても、層間に、中間層とは別の接着剤層を設けてもよい。接着剤層に含有される接着剤は、薬学的に許容され得る接着剤である限り特に限定されるものではない。溶媒を含んだ状態で用いることによって接着性を示す接着剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸又はその薬学的に許容される非毒性塩、アクリル酸共重合体又はその薬学的に許容される塩、カルボキシメチルセルロース及びナトリウム塩等の親水性セルロース誘導体、プルラン、ポビドン、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、トラガント、アルギン酸、アラビアゴム、酸性多糖類又はその誘導体若しくはその薬学的に許容される塩等が挙げられ、これらの1種類又は2種類以上を選択して使用することができる。また、加熱によって接着性を示す(すなわち熱融着可能な)接着剤としては、例えば、酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン等のホモポリマー、酢酸ビニルとビニルピロリドンとのコポリマー等が挙げられ、これらの1種類又は2種類以上を選択して使用することができる。
接着剤層の厚さは、経口投与可能な範囲内において適宜調節することができるが、1〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。接着剤層の厚さが1μm未満であると接着不良を招くおそれがある一方、接着剤層の厚さが50μmを超えると、経口投与剤の服用時に唾液等による膨潤を妨げるおそれがあるとともに、接着剤層に含まれる接着剤が水に不溶性のものである場合には服用感の悪化を招くおそれがあるからである。
以下、経口投与剤1の作製方法について説明する。
初めに、ゲル形成層12、13及び薬物含有層11の塗工液を調製する。次いで、ゲル形成層の塗工液を、工程フィルム上に塗布し、乾燥させる。この工程フィルムには、経口投与剤1のゲル形成層12の表面に所望の凸部を設けることができるように凹部が形成されており、この工程フィルム上に塗工液を塗布することで、表面に所望の凸部が形成されたゲル形成層を作製する。例えば、図2に示した凹凸と逆の凹凸のエンボス模様を表面に有する工程フィルムを用いれば、簡易にマイクロメートルオーダーの凸部を形成することができる。このゲル形成層をもう一つ作った後に、それぞれゲル形成層12上(凸部の形成された面とは反対側の表面上)に薬物含有層11の塗工液を塗布し乾燥させ、薬物含有層11を形成する。得られた“薬物含有層/ゲル形成層/工程フィルム”の順で積層された積層体を二つ、薬物含有層同士を貼り合わせて圧着した後、工程フィルムを剥離除去し所定形状にカットして、経口投与剤1を作製する。このようにして得られた経口投与剤は、その両表面に凸部が形成されている。なお、工程フィルムを外さずに、経口投与剤の保持基材として投与時まで残しておいてもよい。
以上、経口投与剤1の両面に凸部を形成する場合について述べたが、経口投与剤のいずれか一方の表面のみに凸部を形成する場合は、凸部を形成しない方の工程フィルムとして平坦な工程フィルムを用いればよい。
前記凹部を有する工程フィルムは、プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂からなる基材フィルムにエンボス加工等の方法により凹部を形成することにより作製することができる。また、必要により基材フィルムの少なくとも片面に剥離処理を施してもよい。
上記では、凹部を有する工程フィルムにより経口投与剤1に凸部を形成したが、例えば、圧縮成形や、凸部の部分塗布により、所定のパターンで凸部を形成することも可能である。
水膨潤性のゲル形成層12及び13の表面に多価金属化合物のコーティングをする場合には、多価金属イオンを生じ得る多価金属化合物を添加した溶液(溶媒は、例えば精製水、エタノール等)を、所望の凸部を形成するための凹凸部を有する工程フィルム上に塗布、噴霧等した後、乾燥させ、その上側に水膨潤性のゲル形成層を形成するための塗工液を塗布、噴霧等した後、乾燥させ、水膨潤性のゲル形成層12及び13を形成するか、又は、多価金属イオンを生じ得る多価金属化合物を添加した溶液を、水膨潤性のゲル形成層12及び13の表面に塗布、噴霧等した後、乾燥させることにより行うことができる。当該溶液は、水溶性高分子を含んでいてもよく、水溶性高分子としては、例えば、上記に例示したフィルム形成剤、上記に例示した薬物含有層の基剤等が挙げられる。
本発明の第2の実施形態にかかる経口投与剤を、図6を用いて説明する。図6に示した経口投与剤2は、第1のゲル形成層21及び第2のゲル形成層22と、この第1のゲル形成層21及び第2のゲル形成層22より小さい薬物含有層23とを有し、ゲル形成層間に薬物含有層をはさみ、ゲル形成層の周縁部同士を結合せしめ、薬物含有層23が第1のゲル形成層21と第2のゲル形成層22とで包まれるように構成したものである。この場合も、各ゲル形成層の表面24には、凸部が設けられて、口腔粘膜と経口投与剤2との接触面積を減らすように構成している。好ましくは凸部が、図2〜図5に示すようなパターン形状で形成されていることである。
この経口投与剤2も、上述の経口投与剤1と同様の材料から構成されることが好ましく、また、中間層や接着層を設けてもよい。
本発明の第2の経口投与剤2の作製方法は、初めに、第1のゲル形成層21、第2のゲル形成層22及び薬物含有層23の塗工液を調製する。次いで、第1のゲル形成層21の塗工液を所望の凸部を形成できるように凹部が設けられている第1の工程フィルム上に塗布し、乾燥させ、表面に凸部が形成された第1のゲル形成層を作製する。その後、例えば、スクリーン印刷法等の公知の方法を利用した印刷により、薬物含有層23の塗工液を第1のゲル形成層21上に、第1のゲル形成層21よりも小さく形成し、乾燥させて薬物含有層23を形成する。一方、第2のゲル形成層22の塗工液を所望の凸部を形成できるように凹部が設けられている第2の工程フィルム上に塗布し、乾燥させ、表面に凸部が形成された第2のゲル形成層を作製する。次いで、第1のゲル形成層21及び第2のゲル形成層22の周縁部同士を接合して経口投与剤2を作製する。なお、周縁部の接合の方法としては、例えば(i)第1のゲル形成層21の周縁部を水で濡らしてゲル化せしめ、ゲル化した周縁部に第2のゲル形成層22を圧着し、乾燥することによって接合する方法、(ii)第1のゲル形成層21及び第2のゲル形成層22の周縁部同士を直接熱融着によって接合する方法、あるいは(iii)第1のゲル形成層21及び第2のゲル形成層22のいずれか一方又は両方に接着層を形成し、その接着層によって接合する方法が挙げられる。
以上、経口投与剤2の両面に凸部を形成する場合について述べたが、経口投与剤のいずれか一方の表面のみに凸部を形成する場合は、前記第1又は第2の工程フィルムとして平坦な工程フィルムを用いればよい。
本発明の第3の実施形態にかかる経口投与剤として、フィルム状の経口投与剤1自体を蛇腹折にし、凸部を形成した経口投与剤がある。この場合は、蛇腹折にした折曲部で口腔粘膜と接触するので、接触面積が非常に小さく、付着しても剥がしやすい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ゲル形成層形成用塗工液の調製:
精製水300gを取り、その中に架橋剤としての塩化カルシウム(商品名塩化カルシウムH(富田製薬社製))0.3gを添加し、攪拌して溶解させた。次いで、水膨潤性ゲル形成剤としてのポリアクリル酸(商品名カーボボール974P(ノベオン社製))11.3gを攪拌しながらゆっくりと添加し、攪拌して溶解させた。この溶液に、フィルム形成剤としてのポリビニルアルコール(商品名ゴーセノールEG−05T(日本合成化学社製))33.8gを攪拌しながらゆっくり添加し、水浴を用いて70℃に加温しながら約1時間半攪拌して完全に溶解させた。その後、溶液を室温に戻し、可塑剤としての濃グリセリン(商品名日本薬局方濃グリセリン(旭電化工業社製))4gを添加し、5分間攪拌し、ゲル形成層形成用塗工液を調製した。
(2)薬物含有層形成用塗工液の調製:
精製水53.7gを取り、その中に薬剤としてのファモチジン(胃潰瘍薬)2.5g及び基剤としての酸化チタン(商品名タイペークCR−50(石原産業社製))0.6gを添加し、ホモジナイザーを用いて十分分散させた。次いで、さらに基剤としてのポリビニルピロリドン(商品名プラスドンK−90(ISPジャパン社製))13.8gを攪拌しながら添加し、約30分攪拌して完全に溶解させた。次いで、溶液を室温に戻し、可塑剤としての濃グリセリン(商品名日本薬局方濃グリセリン(旭電化工業社製))4gを添加し、5分間攪拌し薬物含有層形成用塗工液を調製した。
(3)ゲル形成層の形成:
前記ゲル形成層形成用塗工液を十分に脱泡した後、アプリケーターを用いて、所定の方法でエンボス加工されたポリエチレンテレフタレート(PET)製の工程フィルム(図2に示す凸部のパターンを形成できるように逆の凹部のパターンが形成されているもの)上に展延塗布し、80℃で5分間乾燥して水膨潤性のゲル形成層を形成させた。得られたゲル形成層(凸部を含む)の厚さは、38μmであった。
(4)薬物含有層の形成:
薬物含有層形成用塗工液を十分に脱泡した後、乾燥後の塗布量が50g/m(厚さ50μm)となるようにギャップを調整したアプリケーターを用いて、ゲル形成層上に展延塗布し、80℃で5分間乾燥して薬物含有層を形成させた。こうして、工程フィルム上にゲル形成層及び薬物含有層が順次積層されたものを2シート製造した。
100℃、1kgf/cm、1秒間の条件にて、上記したようにして製造された2つのゲル形成層及び薬物含有層が順次積層されたシートの薬物含有層同士を熱融着させた。次いで、エンボス加工されたPET製の工程フィルムをゲル形成層から剥離除去した後、15mmφの打ち抜き型を用いて打ち抜いて、ゲル形成層、薬物含有層及びゲル形成層が順次積層され、最外層であるゲル形成層の表面に工程フィルムのエンボス形状が転写されてなる凸部が形成された経口投与剤を製造した。
実施例1とは、図3に示された凸部がゲル形成層の表面全体に形成されるようにエンボス加工された工程フィルムを用いた点以外は、実施例1と同一の手順で経口投与剤を作製した。得られたゲル形成層(凸部を含む)の厚さは、80μmであった。
実施例1とは、図5に示された凸部が経口投与剤のゲル形成層の表面全体に形成されるようにエンボス加工された工程フィルムを用いた点以外は、実施例1と同一の手順で経口投与剤を作製した。得られたゲル形成層(凸部を含む)の厚さは、205μmであった。
(比較例1)
実施例1とは、エンボス加工されていない平坦なPET製の工程フィルムを用いた点以外は、実施例1と同一の手順で経口投与剤を作製した。
<経口投与剤の口腔粘膜への付着性の評価>
各実施例及び比較例で作製した経口投与剤を、それぞれ被験者5名に対し、故意に上顎に付着しやすいようにして、水無しで服用せしめて、経口投与剤の上顎への付着性について以下の5段階の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
1:経口投与剤の片面の全体が上顎に付着し、容易に剥がすことができなかった。
2:経口投与剤の片面の一部が上顎に付着し、付着部分を容易に剥がすことができなかった。
3:経口投与剤の片面の一部が上顎に付着したものの、付着部分を舌で容易に剥がすことができ、服用できた。
4:経口投与剤の片面の一部が上顎に付着したものの、すぐに剥がれて、服用できた。
5:経口投与剤が上顎に付着せず、すみやかに服用できた。
表1の結果から、凸部を形成した実施例1〜3の経口投与剤は、口腔粘膜への付着性が少なく、水無しでも服用が容易であることがわかった。他方、比較例1の経口投与剤は、口腔粘膜に付着してしまい、服用しにくいことがわかった。

Claims (11)

  1. 薬物含有層を少なくとも有するフィルム状の経口投与剤であって、前記経口投与剤の少なくとも一の表面に凸部が形成されていることを特徴とする経口投与剤。
  2. 前記経口投与剤の最外層としてゲル形成層を備え、前記ゲル形成層の表面に凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の経口投与剤。
  3. 前記凸部が、錐体状、柱体状、半球状及び錐体台状から選ばれた少なくとも1種の形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の経口投与剤。
  4. 前記凸部の高さが、10〜5000μmの間にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の経口投与剤。
  5. 前記凸部は、経口投与剤の少なくとも一方の面に複数形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の経口投与剤。
  6. 前記薬物含有層が、薬剤及び基剤からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の経口投与剤。
  7. 前記薬物含有層の厚さが、0.1〜1000μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の経口投与剤。
  8. 前記ゲル形成層が、水膨潤性ゲル形成剤及びフィルム形成剤を有することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の経口投与剤。
  9. 前記ゲル形成層の凸部を含んだ厚さが、20〜6000μmであることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の経口投与剤。
  10. 表面に凹部が形成された工程フィルム上にゲル形成層の塗工液を塗布し乾燥させる工程と、
    前記ゲル形成層の上に薬物含有層の塗工液を塗布し乾燥させて、薬物含有層/ゲル形成層/工程フィルムの順で積層された積層体を形成する工程と、
    前記積層体を二つ準備し、前記薬物含有層同士を貼り合わせて圧着する工程と、
    前記工程フィルムを除去し、所定の形状にカットして、経口投与剤を作製する工程とを有する経口投与剤の製造方法。
  11. 表面に凹部が形成された第1の工程フィルム上に第1のゲル形成層の塗工液を塗布し乾燥させて第1のゲル形成層を形成する工程と、
    前記第1のゲル形成層の上に薬物含有層の塗工液を印刷し乾燥させて、前記第1のゲル形成層よりも小さい薬物含有層を形成する工程と、
    表面に凹部が形成された第2の工程フィルム上に第2のゲル形成層の塗工液を塗布し乾燥させて第2のゲル形成層を形成する工程と、
    前記第1および第2のゲル形成層の周縁部同士を接合して経口投与剤を作製する工程とを有する経口投与剤の製造方法。
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