JPWO2008108402A1 - シンチレータプレート - Google Patents

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Abstract

本発明は、基板上に、ヨウ化セシウムおよびタリウムを含む蒸着結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートであって、該蒸着結晶が、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属とから選ばれる少なくとも1つを0.01以上100ppm以下含有することを特徴とし、保存性に優れたシンチレータプレートが提供できる。

Description

本発明は被写体の放射線画像を形成する際に用いられるシンチレータプレートに関する。
従来から、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史の中で高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、いまなお、世界中の医療現場で用いられている。
しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送ができない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像のデジタル技術の一つとしてコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不充分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。そして、さらに新たなデジタルX線画像技術として、例えば雑誌Physics Today,1997年11月号24頁のジョン・ローランズ論文“Amorphous Semiconductor Usher in Digital X−ray Imaging”や、雑誌SPIEの1997年32巻2頁のエル・イー・アントヌクの論文”Development of a High Resolution,Active Matrix,Flat−Panel Imager with Enhanced Fill Factor”等に記載された、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されている。
平板X線検出装置(FPD)はCRより装置が小型化し、高線量での画質が優れているという特徴がある。しかし、一方ではTFTや回路自体のもつ電気ノイズのため、低線量の撮影においてSN比が低下し十分な画質レベルには至っていない。
放射線を可視光に変換する為に放射線により発光する特性を有するX線蛍光体で作られたシンチレータプレートが使用されるが、低線量の撮影においてSN比を向上するためには、発光効率の高いシンチレータプレートを使用することが必要になってくる。一般にシンチレータプレートの発光効率は、蛍光体層の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、蛍光体層内での発光光の散乱が発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画質に必要な鮮鋭性を決めると、膜厚が決定する。
その中でも、ヨウ化セシウム(CsI)はX線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成できるため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった(特許文献1参照)
また、発光効率を向上させるため、タリウム、ナトリウム、ルビジウムなどの賦活剤と呼ばれる元素をヨウ化セシウムに含有させることが知られている。
しかしながら、これらの賦活剤によってシンチレータプレートの発光効率は向上するものの、結晶自体が潮解性を有し、耐湿性が低下し経時で特性が劣化するという問題があった。
このような経時劣化を防止するためにCsIシンチレータの表面に防湿性保護層を形成することが提案されている。このような潮解性のあるシンチレータ蛍光体層の表面(基板に面していない側の表面)には、通常、保護膜が設けられており、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。この保護膜としては、ポリパラキシリレンやパリレン製の有機膜あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが知られている。
例えば、特開2000−9846号公報ではポリパラキシリレンによる保護層が、特開2000−284053号公報ではパリレン製の有機膜による保護層が提案されている。しかしながらこれらの有機膜保護層は防湿性が弱く、十分に蛍光体を保護できないことと柱状結晶の間隙にもこれら樹脂が進入し、光ガイド効果を阻害するという欠点があった。
これに対し、ポリプロプレンやポリエチレンテレフタレートの如き透明な有機高分子フィルムを保護層として蛍光体層に設置した場合は高い防湿性が得られるものの、フィルムの屈折率が大である。このため、保護フィルム内部に入射した発光光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して離れた場所まで伝搬し、鮮鋭性が低下するという問題があった。これを回避するためにはフィルムの厚みを5μ以下にする必要があり、上記有機高分子フィルムは、実質的に保護層として用いることは困難であった。
特開昭63−215987号公報
本発明の目的は、保存性に優れたシンチレータプレートを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.基板上に、ヨウ化セシウムおよびタリウムを含む蒸着結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートであって、該蒸着結晶が、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属とから選ばれる元素の少なくとも1つを0.01以上100ppm以下含有することを特徴とするシンチレータプレート。
2.前記セシウム以外のアルカリ金属がNaであることを特徴とする1に記載のシンチレータプレート。
3.前記アルカリ土類金属がCaであることを特徴とする1または2に記載のシンチレータプレート。
4.前記蒸着結晶が、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属とから選ばれる元素の少なくとも1つを0.01以上30ppm以下含有することを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載のシンチレータプレート。
本発明の上記手段により、特に輝度、鮮鋭性の劣化が少なく保存性に優れたシンチレータプレートが提供できる。
シンチレータプレートの断面図 蒸着装置の概略構成図
符号の説明
1 基板
2 シンチレータ層
10 シンチレータプレート
20 蒸着装置
21 真空ポンプ
22 真空容器
23 抵抗加熱ルツボ
24 回転機構
25 基板ホルダ
本発明は、基板上に、ヨウ化セシウムおよびタリウムを含む蒸着結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートであって、該蒸着結晶が、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属とから選ばれる元素の少なくとも1つを0.01以上100ppm以下含有することを特徴とする。
本発明は特に、シンチレータ層の結晶に、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属とから選ばれる元素の少なくとも1つを0.01以上100ppm以下含有させることで、保存性に優れたシンチレータプレートが提供できる。
本発明のシンチレータプレートは、基板上に、シンチレータ層を有する。
本発明に係るシンチレータ層は、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する蛍光体(シンチレータ)を含有する層であり、ヨウ化セシウムとタリウムを含有する蒸着結晶からなる。
(基板)
本発明に係る基板は、シンチレータ層を担持可能な板状、フィルム体であり、X線等の放射線を入射線量に対し10%以上を透過させることが可能なものである。
基板としては、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。
基板としては、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム)、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シートおよび該金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどが挙げられる。
基板としては、厚さ50〜500μmの可とう性を有する高分子フィルムであることが好ましい。
ここで、「可とう性を有する基板」とは、120℃での弾性率(E120)が1000〜6000N/mm2である基板をいい、かかる基板としてポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
なお、「弾性率」とは、引張試験機を用い、JIS−C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、かかるヤング率を弾性率と定義する。
本発明に用いられる基板は、上記のように120℃での弾性率(E120)が1000N/mm2〜6000N/mm2であることが好ましい。より好ましくは1200N/mm2〜5000N/mm2である。
具体的には、ポリエチレンナフタレート(E120=4100N/mm2)、ポリエチレンテレフタレート(E120=1500N/mm2)、ポリブチレンナフタレート(E120=1600N/mm2)、ポリカーボネート(E120=1700N/mm2)、シンジオタクチックポリスチレン(E120=2200N/mm2)、ポリエーテルイミド(E120=1900N/mm2)、ポリアリレート(E120=1700N/mm2)、ポリスルホン(E120=1800N/mm2)、ポリエーテルスルホン(E120=1700N/mm2)等からなる高分子フィルムが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく積層あるいは混合して用いてもよい。中でも、特に好ましい高分子フィルムとしては、上述のように、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
(シンチレータ層)
本発明に係るシンチレータ層は、放射線の照射により、蛍光を発する放射線蛍光体を含有する層であり、ヨウ化セシウムおよびタリウムを含有する蒸着結晶からなる。
本発明に係る蒸着結晶は、ヨウ化セシウムおよびタリウムを含む化合物を蒸着源として、あるいはヨウ化セシウムを含む化合物とタリウムを含む化合物とを蒸着原として、蒸着源を加熱し、基板上に形成した結晶である。
蒸着結晶中のタリウムの濃度としては、ヨウ化セシウムに対して、発光効率の面から、0.001〜50モル%の範囲が好ましく、特に0.1〜20.0モル%の範囲が好ましい。
蒸着結晶としては、柱状結晶であることが好ましい。
アルカリ金属とアルカリ土類金属とは、元素周期表Ia族(水素を除く)又は、IIa族の元素をいう。本発明においては、これらの中でも、NaまたはCaが、保存性、輝度維持の面から好ましい。
また、アルカリ金属とアルカリ土類金属から選ばれる元素の含有量は、蒸着結晶に対して、0.01〜100ppmであることが必要であるが、保存性、輝度維持の面から特に0.01〜30.0ppm含有することが特に好ましい。本発明において、0.01以上100ppm以下含有するとは、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属を複数種含む場合は、その合計量が0.01以上100ppm以下であることをいう。
ここでの含有量とは、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)を用いて定量測定した値である。蒸着結晶を王水(濃塩酸:濃硝酸=3:1(体積比))に溶かしたものを測定試料とする。溶液中のアルカリ金属、アルカリ土類金属の元素がプラズマ中で励起されたときに発生する光を分光し、各元素特有の波長から定性分析を行い、発光強度から定量分析を行うことで各元素の含有量値が得られる。
本発明においては、ヨウ化セシウムの蒸着結晶が、アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有することにより賦活剤であるタリウムとの相互作用により、保存性の劣化を防ぎつつ、輝度を維持できると推測される。
アルカリ金属、アルカリ土類金属を上記の量、含有した蒸着結晶を形成するには、例えばNaI、CaI2などのアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物と、高純度のヨウ化セシウムとを混合した混合物を蒸発源として用い、基材上に蒸着結晶を形成させればよい。
シンチレータ層の膜厚は300μm〜700μmが好ましく、特に400μm〜600μmが
好ましい。膜厚をこの範囲とすることで、輝度と鮮鋭性をより向上させることができる。
(シンチレータプレート)
本発明に係るシンチレータプレートについて図1を参照して説明する。
本発明に係るシンチレータプレート10は、図1に示すように基板1上にシンチレータ層2を備えるものであり、シンチレータ層2に放射線が照射されると、シンチレータは入射した放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する。
以下、基板1上にシンチレータ層2を形成させる方法について説明する。
シンチレータ層2は、蒸着法により形成される。蒸着法は基板1を公知の蒸着装置内に設置するとともに、蒸着源にヨウ化セシウム、タリウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むシンチレータ層2の原材料を充填したのち、装置内を排気すると同時に窒素等の不活性なガスを導入口から導入して1.333Pa〜1.33×10-3Pa程度の真空とし、次いで、原材料を抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて基板1表面にヨウ化セシウムの蒸着結晶を堆積し、基板1上にシンチレータ層2が形成される。
蒸着源を加熱する温度としては、500℃〜800℃が好ましく、特に630℃〜750℃が好ましい。基板温度は100℃〜250℃が好ましく、特に150℃〜250℃とするのが好ましい。基板温度をこの範囲とすることで、柱状結晶の形状が良好となり、輝度特性が向上する。
次に、図2を参照して、蒸着法を行う際に使用する蒸着装置の一例として、蒸着装置20について説明する。
蒸着装置20には、真空ポンプ21と、真空ポンプ21の作動により内部が真空となる真空容器22とが備えられている。真空容器22の内部には、蒸着源として抵抗加熱ルツボ23が備えられており、この抵抗加熱ルツボ23の上方には回転機構24により回転可能に構成された基板1が基板ホルダ25を介して設置されている。また、抵抗加熱ルツボ23と、基板1との間には、必要に応じて抵抗加熱ルツボ23から蒸発する蛍光体の蒸気流を調節するためのスリットが設けられている。なお、基板1は、蒸着装置20を使用する際に基板ホルダ25に設置して使用するようになっている。
(反射層)
本発明においては、基板とシンチレータ層との間に反射層を有してもよい。
反射層は、シンチレータ層で発せられた蛍光の基板方向に放射進行する電磁波を反射しうる層である。
反射層としては、金属薄膜が好ましく用いられる。金属薄膜としては、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる群の中の物質を含む材料からなる膜が好ましく用いられる。更に、Cr膜上にAu膜を形成する等、金属薄膜を2層以上形成してもよい。
反射層としては、上記のなかでも特にアルミニウムを含有する膜を用いる態様が好ましい態様である。
(中間層)
本発明においては、反射層とシンチレータ層の間に、中間層を有してもよい。
中間層としては、例えばポリエステル樹脂、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド又はこれらの誘導体及び部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸エステル等のビニル重合体及びその共重合体、ロジン、シェラック等の天然物及びその誘導体などの樹脂を含有する層が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。下記の方法に従って本発明の実施例である試料2〜5、8〜11、13〜15、比較例である試料1、6、7、12の放射線用シンチレータプレートを作製した。
(蒸着基板の作製)
厚さ0.5mmのAlを10cm×10cmのサイズに切り出して基板とした。
(シンチレータ層の作製)
ヨウ化セシウム(CsI)に添加剤としてTlを混合し、蒸着材料を得た。TlはCsIに対して0.3mol%の蒸着材料を作製した。蒸着材料を抵抗加熱ルツボに充填し蒸発源とし、また回転する支持体ホルダに基板を設置し、基板と蒸発源との間隔を400mmに調節した。
続いて蒸着装置内を一旦排気した後に、Arガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板11を回転しながら基板11の温度を200℃に保持した。次いで、蒸着材料が入っている抵抗加熱ルツボを加熱してシンチレータ用蛍光体を蒸着する。シンチレータ(蛍光体層)の膜厚が500μmになったところで、蒸着を終了させシンチレータプレート試料12を得た。
蒸着材料内のNaやCa等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の濃度を調整して作製した蒸着材料を用い、プレートの蒸着結晶内での濃度を表1のように変化させ、放射線用シンチレータプレート試料1〜11および13〜15を作製した。
(評価)
(耐湿性の評価)
上記で得られたシンチレータプレートの試料を、30℃70%の環境下に3日間放置し、放置前と放置後の鮮鋭性と輝度を比較した。評価は各々後述する方法で実施し、シンチレータの面内の20箇所の平均値を求めこれを各試料の値とした。
シンチレータパネルを、PaxScan2520(Varian社製FPD)にセットし鮮鋭性及び輝度を、以下に示す方法で評価した。
「鮮鋭性の評価」
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線をFPDの放射線入射面側に照射し、画像データを検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。
「輝度の評価」
電圧80kVpのX線を試料の裏面(シンチレータ層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したFPDで検出し、画像の平均シグナル値を発光輝度とした。
表1に輝度、鮮鋭性について、放置後の値の、放置前の値に対する比を示した。つまり、30℃70%の環境下での特性の劣化が少ないものほど値は1.0に近くなる。
表1から、本発明のシンチレータプレートは、輝度、鮮鋭性の劣化が少なく保存性に優れることが分かる。

Claims (4)

  1. 基板上に、ヨウ化セシウムおよびタリウムを含む蒸着結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートであって、該蒸着結晶が、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属とから選ばれる元素の少なくとも1つを0.01以上100ppm以下含有することを特徴とするシンチレータプレート。
  2. 前記セシウム以外のアルカリ金属がNaであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のシンチレータプレート。
  3. 前記アルカリ土類金属がCaであることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のシンチレータプレート。
  4. 前記蒸着結晶が、セシウム以外のアルカリ金属とアルカリ土類金属とから選ばれる元素の少なくとも1つを0.01以上30ppm以下含有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載のシンチレータプレート。
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