JPWO2008062560A1 - 非鉛系塩化ビニル系樹脂組成物及び非鉛系塩化ビニル系押出成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
このような優れた諸特性を有する本発明の樹脂組成物による成形体は、パイプ、プレート、継手等の素材、特に屋外使用される素材や屋外保管後に2次加工される素材として好適である。
本塩化ビニル系樹脂組成物に用いる塩化ビニル系樹脂としては、特に限定されず、JIS K6721に準拠した平均重合度が600〜2000の範囲のもの、中でも平均重合度が700〜1450の範囲のもの、その中でも特に平均重合度が800〜1300の範囲のものを好適に用いることができる。
本塩化ビニル系樹脂組成物に用いるエポキシ基含有イソシアヌレートは、下記の一般式で表すことができる。
エポキシ基を有する官能基の好ましい具体例としては、例えば2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基などのエポキシアルキル基、β−メチルエポキシプロピル基、β−エチルエポキシプロピル基などのアルキルエポキシアルキル基、カルボキシメチル・グリシジルエステル基、カルボキシメチル・β−メチルグリシジルエステル基、カルボキシエチル・グリシジルエステル基などのカルボキシアルキル・アルキルグリシジルエステル基を挙げることができる。
また、他の官能基の具体例としては、例えば水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、エステル基、カルボキシル基、不飽和炭化水素基、シアノ基、メルカプト基、アルコキシ基、アミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびN−アルキル−N−アリールアミノ基、その他芳香族炭化水素基やハロゲン原子を構造中に含む基などを挙げることができる。
「エポキシ当量」は、エポキシ基1個あたりの当量であり、JIS K 7236に準拠して求められる値である。
「平均粒径」は、標準ふるいなどを用いたふるいわけ法により求められる平均粒径であり、目開きの異なるいくつかの標準ふるい(40,60,80,115,170,250メッシュ)を用いて 、その目開きを通過したふるい下通過量(アンダーサイズ量)の全体に対する比率を測定し、積算・重量百分率が50%となる粒度(D50)で表した値である。
本塩化ビニル系樹脂組成物において、塩基性無機金属塩は、樹脂組成物に主に熱安定化作用をもたらすことができる。
この塩基性無機金属塩の金属成分としては、Mg、Ca、Sr、Ba等が挙げられ、無機成分としては、水酸化、酸化、無機酸(リン酸、亜リン酸、ケイ酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、ホウ酸、炭酸など)の塩が挙げられる。
1)金属水酸化物として、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Mg(OH)2・Ca(OH)2など
2)金属酸化物として、MgO、CaO、BaO、MgO・CaOなど
3)無機酸の塩として、MgO・Mg3(PO4)2、3CaO・Ca3(PO4)2、Ca(OH)2・Ca3(PO4)2、Ba(OH)2・Ca3(PO4)2・3H2O、Sr(OH)2・Sr3(PO4)2、BaO・Ba3(PO4)2、3Ba(OH)・Ba3(PO4)2などのリン酸塩、
MgO・MgPHO3、5Mg(OH)2・(2) MgPHO3、CaO・CaPHO3、3CaO(OH)2CaPHO3、Ba(OH)2・CaPHO3、5CaO・CaPHO3、BaO・BaPHO3、2Ba(OH)2・BaPHO3、3Ba(OH)2・BaPHO3・3H2Oなどの亜リン酸塩、
Mg(OH)2・Mg2SiO4、3MgO・MgSiO3、CaO・Ca2SiO4、3CaO・Li2SiO3、3CaO・CaSi2O5、2Ca(OH)2・Ca2Si3O8、SrO・SrSiO3、5BaO・Ba2SiO4、Ba(OH)2・Ba2SiO4・6H2O、Ba(OH)2・BaSiO3、3Ba(OH)・BaSi2O5、3BaO・Ba2SiO4、Ba(OH)2・CaSiOなどのケイ酸塩、
Mg(OH)・Mg(NO3)2 (3) 、3CaO・Ca(NO3)2、2Ca(OH)2・Ca(NO2)2・5H2O、3BaO・Ba(NO3)2、Ba(OH)2・NaNO3などの硝酸塩及び亜硝酸塩、
3CaO・K2SO3、Mg(OH)2・MgSO4、5MgO・MgSO3、2MgO・MgSO3、MgO・CaSO3、5CaO・CaSO4、Ca(OH)2・CaSO4、3CaO・CaSO3、3BaO・BaSO4、3BaO・CaSO3、Ba(OH)2・BaSO4などの硫酸塩及び亜硫酸塩、
MgO・Mg3(BO4)2、CaO・(BO4)2、5Ca(OH)2・Ca3(BO4)2 、3CaO・Ca(BO2)2、3Ba(OH)2・Ba3(BO4)2、3BaO・BaB4 H7、5Ba(OH)2・Ba(BO2)2などのホウ酸塩、Mg(HCO3)2、BaCO3、MgCO3、CaCO3、Mg(CO3)・Ca(CO3)などの炭酸塩が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、上記化合物(これらの化合物からなる表面処理剤を、以下、「特定の表面処理剤」と記す)以外に、工業的に通常使用されている他の表面処理剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じ適宜に併用してもよい。その具体例としては、シラン系、アルミニウム系、リン系等のカップリング剤や、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性剤、高分子系の分散剤等を挙げることができる。但し、これら他の表面処理剤の使用量は、非鉛系塩化ビニル系樹脂組成物(例えば、鉛系ではなく複合金属石鹸系の安定剤が添加された樹脂組成物)が十分な持続熱安定化効果を得るためには、有機酸、有機酸金属塩または多価アルコール化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物(特定の表面処理剤としての化合物)の使用量に対して、多くとも同量以下にすることが好ましい。
特定の表面処理剤の使用量が0.05重量%未満では表面処理の効果がほとんどなく、一方、40重量%より多く使用しても、塩基性無機金属塩の粉体粒子の表面が処理剤で飽和してしまい、表面処理の効果はそれ以上向上しない。
また、表面処理された塩基性無機金属塩と表面処理されていない塩基性無機金属塩とを併用添加することもでき、この併用添加によって当該塩化ビニル系樹脂組成物の持続熱安定化効果を著しく向上させることができる。
本塩化ビニル系樹脂組成物に用いる酸化チタンとしては、ルチル型二酸化チタンを使用するのが好ましく、通常市販されている二酸化チタン化合物をそのまま使用することができる。また、表面処理された二酸化チタンも使用できる。
酸化チタンの平均粒径は0.2μm〜1.0μmであるのが好ましい。
本塩化ビニル系樹脂組成物の組成としては、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、エポキシ基含有イソシアヌレート0.01〜1重量部、塩基性無機金属塩0.01〜1重量部、酸化チタン0.01〜2重量部を含んでなることが特に好ましい。
これら各化合物を、このような特定の配合比率(特に酸化チタン添加量が少ない系)で組み合わせる場合において、本発明の目的(熱安定性が優れると共に耐金型汚染性が良好で、耐候性はもとより耐候耐熱性が優れた非鉛系硬質塩化ビニル系樹脂組成物を得ること)をより良好に達成することができる。
本塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、安定剤、滑剤、衝撃改良剤、加工助剤、充填剤、帯電防止剤、着色剤等を、効果的かつ支障とならない範囲で添加してもよい。さらに、紫外線吸収剤、光安定剤、過塩素酸塩等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合してもよい。
この複合金属石鹸系安定剤は、複合して用いられる金属石鹸の中の金属が、鉛及びカドミウム以外の、いわゆる無毒性の金属石鹸であれば、特に限定されず、例えば、バリウム(Ba)/亜鉛(Zn)系、カルシウム(Ca)/Zn系、Ca/マグネシウム(Mg)系、Ba/Ca/Zn系、Ca/Mg/Zn系等の複合金属石鹸が挙げられる。
また、上記金属石鹸の中の酸についても、特に限定されない。例えば、脂肪酸系では、2−エチルヘキソイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、ベヘン酸等が挙げられる。また、アミノ酸系では、グリシン酸、アラニン酸、ロイシン酸、イソロイシン酸、セリン酸、トレオニン酸、システイン酸、シスチン酸、メチオニン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン酸、アルギン酸、フェニルアラニン酸、チロシン酸、ヒスチジン酸、トリプトファン酸、プロニン酸、オキシプロニン酸等が挙げられる。
この安定化助剤としては、一般的に複合金属石鹸系安定剤と相乗作用が知られている安定化助剤であれば、特に限定されず、例えば、亜リン酸エステル化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール類、ハイドロタルサイトやゼオライト類、酸化防止剤等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用されるものであれば、特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用されるものであれば、特に限定されず、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックス、アクリル系高分子滑剤等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(イ)第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、ピリジン誘導体等のカチオン系のもの、
(ロ)硫酸化油、石ケン、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコール硫酸エステル塩、アルキル硫酸エルテル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、
(ハ)多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール等の非イオン系のもの、
(ニ)カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等の両性系のもの、
等が一般的に使用可能であるが、特に非イオン系、中でもポリオキシエチレンアルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミドないしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸エステル等が好ましい。
シル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート等のヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
本塩化ビニル系樹脂組成物の用途は特に限定されるものではなく、例えば成形体、特に押出成形体を製造するのに適している。すなわち、本塩化ビニル系樹脂組成物を単軸押出機、二軸押出機等の押出混練装置によって押出成形することにより、優れた押出成形体(以下「本押出成形体」という)を得ることができる。
本明細書において「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「耐候耐熱性」とは、一時的に屋外に保管される場合など、屋外に短期間暴露された成型体を熱加工する際に、成形体が変色することのない性質の意味である。
下記の原料を、表1に示す割合で、30Lスーパーミキサー(カワタ社製)中に投入し、低速回転で5分間になった時点で、混合を完了して抜き出し、非鉛系硬質塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
[塩化ビニル系樹脂]
・平均重合度1030の塩化ビニル単独重合体(ヴイテック社製“MT−1100”、かさ比重0.52g/ml、平均粒径(D50)100μm)
・水酸化カルシウム(協和化学工業社製“アルカマイザーCA”、BET比表面積13m2/g、平均粒径(D50)2μm、アルミ−シリカ表面処理)、
・水酸化マグネシウム(協和化学工業社製“キスマ5B”、BET比表面積4m2/g、平均粒径(D50)1μm、脂肪酸表面処理)、
・酸化マグネシウム(協和化学工業社製“マグサラット30”、BET比表面積38m2/g、平均粒径(D50)2μm、脂肪酸表面処理)、
・軽焼ドロマイト(味の素ファインテクノ社製“HC103S”、平均粒径(D50)2μm、有機酸塩多価アルコール表面処理)
・エポキシ基含有イソシアヌレートA(日産化学工業社製“TEPIC−S”、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート、エポキシ当量100g/eq、粒径160μm、融点90〜125℃)
・エポキシ基含有イソシアヌレートB(日産化学工業社製“TEPIC−G”、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート、エポキシ当量100g/eq、粒径360μm、融点90〜125℃)
・エポキシ基含有イソシアヌレートC(日産化学工業社製“TEPIC−SP”、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート、エポキシ当量100g/eq、粒径10μm、融点90〜125℃)
・エポキシ基含有イソシアヌレートD(日産化学工業社製“MT239”、トリ(β−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ当量122g/eq、液体)
・エポキシ基含有イソシアヌレートE(四国化成工業社製“DA−MGIC”、1,3−ジアリル−5−(2,3−エポキシプロパン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、エポキシ当量270g/eq)
・ヒドロキシ基含有イソシアヌレート(日産化学工業社製“タナックP”)
・ルチル型酸化チタン(堺化学工業社製“R−3L”、平均粒径(D50)0.26μm、アルミ−シリカ表面処理)
・ステアリン酸カルシウム(日本油脂社製“カルシウムステアレートGF200”)
・ステアリン酸亜鉛(日本油脂社製“ジンクステアレートGF200”)
[安定化助剤]
・ハイドロタルサイト(協和化学工業社製“アルカマイザーP93”)
・ステアロイルベンゾメタン(ローデア社製“RHODIASTAB55”)
・トリスノニルフェニルホスファイト(城北化学工業社製JP351)
[滑剤]
・パラフィン系滑剤(サゾール社製“H1−N4”)
・エステル系滑剤(理研ビタミン社製“SL−02”)
[充填剤]
・炭酸カルシウム(日東粉化社製“NS−400”)
得られた塩化ビニル系樹脂組成物を、押出量約20Kg/h、金型流動樹脂温度約205℃となる成形条件下で、30mm異方向回転二軸押出機(ブラベンダー社製“プラスチコーダー”)を用い、金型については出口幅50mm、厚み2mmでギャップ4mmから2mmの圧縮部を有するスリットダイを用いてそれぞれ押出成形を行い、成形体(シート)を得た。
各塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体につき、物性を下記の評価方法で評価し、この結果を表1及び表2に合わせて示す。
混練押出成形したシートを、オーブン中にて185℃×60分間加熱し、目視にて着色度合いを観察し、次の基準で評価した。
○:着色度合いが無色〜淡黄色であるもの。
△:着色度合いが黄色〜黄褐色であるもの。
×:着色度合いが赤褐色〜黒色であるもの。
前記のように塩化ビニル系樹脂組成物を押出した後、すぐに金型を解体して、金型表面の付着物量を目視観察し、次の基準で評価した。
○:金型付着物が全くないもの。
△:コーナー部等の付着しやすい部分に若干付着しているもの。
×:付着物量が多いもの。
混練押出成形したシートについて、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、形式S80D、光源:サンシャインカーボンアーク、試料面放射照度:255 W/m2)を使用し、JIS A 1415に準拠して、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%RHにて、102分照射・18分噴射のサイクルで50時間照射した。照射前後のサンプルについて、ミノルタ社製CHROMA METER「CR−200」を使用して色差(ΔE)を測定し、次の基準で評価した。
○:色差(ΔE)が0≦ΔE≦3
△:色差(ΔE)が3<ΔE≦5
×:色差(ΔE)が5<ΔE
混練押出成形したシートについて、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、形式S80D、光源:サンシャインカーボンアーク、試料面放射照度:255 W/m2)を使用し、JIS A 1415に準拠して、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%RHにて、102分照射・18分噴射のサイクルで50時間照射し、照射後のサンプルについて、ミノルタ社製CHROMA METER「CR−200」を使用して色差(ΔE)を測定した。
また、サンシャインウェザーメーター照射後、さらにオーブン中にて160℃×40分間加熱し、加熱後のサンプルについて、ミノルタ社製CHROMA METER「CR−200」を使用して色差(ΔE)を測定した。
そして、加熱前後の着色変化度合いを次の基準で評価した。
○:色差(ΔE)が0≦ΔE≦3
△:色差(ΔE)が3<ΔE≦5
×:色差(ΔE)が5<ΔE
ヒドロキシ基含有イソシアヌレートを添加したサンプル例21及び24−26に比べて、エポキシ基含有イソシアヌレートを添加したサンプル例1−16はいずれも、金型汚染性(金型付着性)が顕著に優れることが分かった。
また、エポキシ基当量270g/eqのエポキシ基含有イソシアヌレートを添加したサンプル例9と比較して、エポキシ基当量がより小さなエポキシ基含有イソシアヌレートを添加したサンプルは、金型汚染性(金型付着性)がより良好であった点を考慮すると、エポキシ基含有イソシアヌレートのエポキシ基当量は少なくとも270g/eq未満であるのが好ましく、より好ましくは250g/eq以下、中でもより好ましくは200g/eq以下、その中でも特に130g/eq以下であるのが好ましいと考えられる。
また、エポキシ基当量が同じで粒径が異なるエポキシ基含有イソシアヌレートを添加したサンプル例3、6及び7を比較すると、いずれも全ての評価項目が「○」評価であったが、粒径が小さい程少量で効果を発揮することが分かった。
このような優れた諸特性を有する本発明による成形体は、屋外使用はもとより、屋外保管後の2次加工にも適しており、パイプ、プレート、継手等として好適に使用することができるものである。
Claims (7)
- エポキシ基を有するイソシアヌレートのエポキシ当量が90〜250g/eqであることを特徴とする請求項1記載の非鉛系塩化ビニル系樹脂組成物。
- さらに塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.01〜1重量部の塩基性無機金属塩を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の非鉛系塩化ビニル系樹脂組成物。
- 塩基性無機金属塩が、塩基性無機酸マグネシウム塩、塩基性無機酸カルシウム塩、及び、塩基性無機酸カルシウム−マグネシウム複塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである請求項3に記載の非鉛系塩化ビニル系樹脂組成物。
- さらに塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.01〜2重量部の酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の非鉛系塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1〜5の何れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物を押出成形してなる非鉛系塩化ビニル系押出成形体。
- サンシャインウェザーメーターを使用して、JIS A 1415に準拠し、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%RHにて50時間照射した際の色差(ΔE)と、さらにオーブンにて160℃×40分間加熱した後の色差(ΔE)との差が、0≦ΔE≦5であることを特徴とする請求項6に記載の非鉛系塩化ビニル系押出成形体。
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2007
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