JPWO2007132825A1 - 医薬 - Google Patents

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JPWO2007132825A1
JPWO2007132825A1 JP2008515551A JP2008515551A JPWO2007132825A1 JP WO2007132825 A1 JPWO2007132825 A1 JP WO2007132825A1 JP 2008515551 A JP2008515551 A JP 2008515551A JP 2008515551 A JP2008515551 A JP 2008515551A JP WO2007132825 A1 JPWO2007132825 A1 JP WO2007132825A1
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雅幸 伊井
秀康 松田
秀康 松田
恒次 毛利
恒次 毛利
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Abstract

式(I):[式中、各記号は明細書中と同意義を示す。]または、式(II):[式中、各記号は明細書中と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる冠動脈バイパス手術後の合併症、または冠動脈バイパス手術患者用の心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックの予防・治療剤。エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを特定の投与量および投与時間で投与するように調製されたセプシス等、または冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤。

Description

本発明は、誘導型一酸化窒素合成酵素由来一酸化窒素(NO)産生抑制作用および/またはTNF−α、IL−1、IL−6などの炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する特定のシクロアルケン化合物を含有する冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤、および当該シクロアルケン化合物を特定の投与量および投与時間に投与するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤などに関する。
発明の背景
特許文献1には、(i)式:
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bは水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を、R1cはR1bと同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0は一緒になって結合手を形成し、
環Aは(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子から選ばれる1〜4個で置換されたシクロアルケンを示し、Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物、および
(ii)式:
Figure 2007132825
[式中、Raは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a(式中、R1aは水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R4aおよびR5aは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0aは水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRaとR0aは一緒になって結合手を形成し、
Araは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物、これらの化合物の塩並びにこれらのプロドラッグが、
また、特許文献2には、式:
Figure 2007132825
[式中、R1は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a(式中、R1aは水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環Aは(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2(式中、R2は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
mは0乃至2の整数を示し、
nは1乃至3の整数を示し、
mとnの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグが、一酸化窒素(NO)産生抑制作用およびTNF−α、IL−1、IL−6などの炎症性サイトカイン産生抑制作用を有しており、心疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、中枢神経系疾患、感染性疾患、セプシス、セプティックショックなどの疾患の予防・治療剤として有用であることが、それぞれ記載されている。
特許文献3には、上記の化合物がTLRシグナル阻害剤、重症セプシスの予防・治療剤として有用であることが記載されている。
国際公開第99/46242号パンフレット 国際公開第01/10826号パンフレット 国際公開第03/84527号パンフレット
本発明は、冠動脈バイパス手術後の合併症の予防または治療に有効な医薬、及び効率よくセプシス等を予防または治療できる医薬を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、上記のシクロアルケン化合物が予想外にも冠動脈バイパス手術後の合併症などの虚血再潅流障害、手術後合併症、臓器移植後の組織障害および拒絶反応においても有効であること、さらに当該シクロアルケン化合物を特定の投与量および投与時間で投与することにより予想外にも効率良くセプシス等を予防・治療できることを見出した。本発明者らは、この知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤、
〔2〕式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる冠動脈バイパス手術患者用の心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療剤、
〔3〕式(I)が、式(Ia):
Figure 2007132825
[式中、R1aはC1-6アルキル基を、R2aは水素原子またはC1-6アルキル基を、Arは1または2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示す。]であり、式(II)が、式(IIa):
Figure 2007132825
[式中、R1a’’はC1-6アルキル基を、Xはメチレン基または酸素原子を、Yはメチレン基または−NH−を、Ara’はハロゲン原子およびC1-6アルコキシ基からなる群より選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいフェニル基を示す。ただし、Xがメチレン基の場合、Yはメチレン基を示す。]である上記〔1〕または〔2〕記載の剤、
〔4〕抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、抗凝血薬、細胞障害抑制薬および抗セプシス薬からなる群より選ばれる少なくとも1種の薬物を組み合わせて使用する上記〔1〕または〔2〕記載の剤、
〔5〕哺乳動物に対して、式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法、
〔6〕冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するための、式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの使用、
〔7〕冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤としての使用のための、式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔8〕冠動脈バイパス手術患者に対して、式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療方法、
〔9〕冠動脈バイパス手術患者用の心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療剤を製造するための、式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの使用、
〔10〕冠動脈バイパス手術患者用の心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療剤としての使用のための、式(I):
Figure 2007132825
[式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は、式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
式(II):
Figure 2007132825
[式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、
sは0乃至2の整数を示し、
tは1乃至3の整数を示し、
sとtの和は4以下である;
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔11〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤、
〔12〕哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法、
〔13〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用、
〔14〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤としての使用のためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔15〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、一日1回〜6回を1日〜1ヶ月投与するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤、
〔16〕哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、一日1回〜6回を1日〜1ヶ月投与することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法、
〔17〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、一日1回〜6回を1日〜1ヶ月投与するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用、
〔18〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、一日1回〜6回を1日〜1ヶ月投与するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤としての使用のためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔19〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤、
〔20〕哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法、
〔21〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用、
〔22〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤としての使用のためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔23〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与した後、次いで、エチル(6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤、
〔24〕哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与した後、次いで、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法、
〔25〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与した後、次いで、エチル(6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用、
〔26〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与した後、次いで、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤としての使用のためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔27〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5に調整された乳化組成物として使用する上記〔11〕、〔15〕、〔19〕または〔23〕記載の剤、
〔28〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5に調整された乳化組成物として使用する上記〔12〕、〔16〕、〔20〕または〔24〕記載の方法、
〔29〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5に調整された乳化組成物として使用する上記〔13〕、〔17〕、〔21〕または〔25〕記載の使用、および
〔30〕エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5に調整された乳化組成物として使用される上記〔14〕、〔18〕、〔22〕または〔26〕記載の化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグに関する。
さらに、本発明は、
〔31〕緩衝剤が、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤からなる群より選ばれる1または2以上の緩衝剤である上記〔27〕記載の剤、上記〔28〕記載の方法、上記〔29〕記載の使用または上記〔30〕記載の化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔32〕緩衝剤が酢酸緩衝剤であり、当該酢酸緩衝剤が、酢酸と酢酸ナトリウムを含有する上記〔31〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔33〕緩衝剤の濃度が、約100mM以下である上記〔27〕記載の剤、上記〔28〕記載の方法、上記〔29〕記載の使用、または上記〔30〕記載の化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔34〕乳化組成物が、油成分、乳化剤、水およびその混合物からなる群より選ばれる成分をさらに含有する上記〔27〕記載の剤、上記〔28〕記載の方法、上記〔29〕記載の使用、または上記〔30〕記載の化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔35〕乳化組成物が水中油型である上記〔34〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔36〕乳化組成物が、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグ、油成分および乳化剤を含む分散相粒子と、この分散相粒子が分散された上記緩衝剤を含む水とで構成される上記〔27〕記載の剤、上記〔28〕記載の方法、上記〔29〕記載の使用、または上記〔30〕記載の化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔37〕分散相粒子の平均粒子径が約0.025〜約0.7μmである上記〔36〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔38〕分散相粒子と、この分散相粒子が分散された水とが、相分離せず安定である上記〔36〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔39〕乳化組成物が可視的に認められる遊離の油滴を含まない上記〔35〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔40〕油成分が植物油である上記〔34〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔41〕植物油が大豆油である上記〔40〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔42〕乳化剤がリン脂質である上記〔34〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔43〕リン脂質が卵黄レシチンおよび/またはフォスファチジルグリセロールである上記〔42〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔44〕油成分の量が乳化組成物全体に対して約1〜約30重量%である上記〔34〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔45〕乳化剤の量が乳化組成物全体に対して約0.1〜約10%(W/V)である上記〔34〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔46〕フォスファチジルグリセロールが、ジミリストイルフォスファチジルグリセロールである上記〔43〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔47〕大豆油、リン脂質、グリセリンおよび精製水を含有する上記〔34〕記載の剤、方法、使用、または化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、
〔48〕乳化組成物が注射用である上記〔27〕記載の剤、上記〔28〕記載の方法、上記〔29〕記載の使用、または上記〔30〕記載の化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、および
〔49〕乳化組成物全体に対して、エチル(6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.001〜約95重量%含有する上記〔27〕記載の剤、上記〔28〕記載の方法、上記〔29〕記載の使用、または上記〔30〕記載の化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグに関する。
本発明の式(I)及び式(II)で表される化合物、その塩及びそのプロドラッグ、並びにそれらを含有する医薬組成物は、冠動脈バイパス手術後の予後改善剤、特に冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤などとして有用である。
また、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(参考例B66の化合物72)、その塩、そのプロドラッグを特定の投与量および投与時間で投与することにより、心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックおよび冠動脈バイパス手術後の合併症を効率良く予防・治療できる。
本発明においては上記式(I)及び式(II)で表される化合物、それらの塩並びにそれらのプロドラッグが有効成分として用いられる。
以下、上記化合物について詳細に説明する。
本明細書において、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、または式:
Figure 2007132825
(式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示すか、あるいはR0と一緒になって結合手を形成し、とりわけ、式:−OR1[R1は前記と同意義を示す。]で表される基が好ましい。
RとR0が一緒になって結合手を示しているとき、式(I)で表される化合物は、式:
Figure 2007132825
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表すことができ、具体的には、式:
Figure 2007132825
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]または
Figure 2007132825
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表すことができる。
Rが、式:−OR1[式中、R1は前記と同意義を示す。]で表される基であるとき、式(I)で表される化合物は、式:
Figure 2007132825
[式中、R2は水素原子または脂肪族炭化水素基を、その他の各記号は前記と同意義を示す。]で表すことができ、具体的には、式:
Figure 2007132825
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]または
Figure 2007132825
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表すことができる。
式(I)で表される化合物としては式(Icc)または式(Inn)で表される化合物が好ましい。
0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいは前述のようにRと結合して結合手を形成するが、Rが水素原子または脂肪族炭化水素基を示すときは、Rは水素原子またはC1-6アルキル基が好ましい。Rで表されるC1-6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、メチル基などが好ましい。Rとしては、水素原子、メチル基などが好ましい。
R、R1、R11、R1b、R1cで表される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「脂肪族炭化水素基」、R0、R2で表される「脂肪族炭化水素基」としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが好ましい。
該アルキル基としては、例えば、直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜20のアルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基など)などが好ましく、とりわけ、例えば、炭素数1〜6の低級アルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など)などが好ましい。
該シクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基など)などが好ましく、とりわけ、例えば、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)などが好ましい。
該シクロアルキルアルキル基としては、例えば、炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基(例、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基など)などが好ましく、とりわけ、例えば、炭素数4〜8(なかでも4〜7)のシクロアルキルアルキル基(例、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基など)などが好ましい。
該アルケニル基としては、例えば、炭素数3〜6の低級アルケニル基(例、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基など)などが好ましく、とりわけ、例えば、炭素数3または4の低級アルケニル基(例、プロペニル基、ブテニル基など)などが好ましい。
該アルキニル基としては、例えば、炭素数3〜6の低級アルキニル基(例、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基など)などが好ましく、とりわけ、例えば、炭素数3または4の低級アルキニル基(例、プロピニル基、ブチニル基など)などが好ましい。
前記「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「置換基」としては、例えば、複素環基、オキソ基、水酸基、C1-6アルコキシ基、C3-10(なかでもC3-6)シクロアルキルオキシ基、C6-10アリールオキシ基、C7-19(なかでもC7-12)アラルキルオキシ基、複素環オキシ基、C1-6アルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)、C3-10(なかでもC3-6)シクロアルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)、C6-10アリールチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)、C7-19(なかでもC7-12)アラルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)、複素環チオ基、複素環スルフィニル基、複素環スルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、C1-10(なかでもC1-6)アルコキシ−カルボニル基、C3-6シクロアルキルオキシ−カルボニル基、C6-10アリールオキシ−カルボニル基、C7-19(なかでもC7-12)アラルキルオキシ−カルボニル基、複素環オキシカルボニル基、C6-10アリール−カルボニル基、C1-6アルカノイル基、C3-5アルケノイル基、C6-10アリール−カルボニルオキシ基、C2-6アルカノイルオキシ基、C3-5アルケノイルオキシ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいチオカルバモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ基、C1-6アルカノイルアミノ基、C6-10アリール−カルボニルアミノ基、C1-10(なかでもC1-6)アルコキシ−カルボキサミド基、C6-10アリールオキシ−カルボキサミド基、C7-19(なかでもC7-12)アラルキルオキシ−カルボキサミド基、C1-10(なかでもC1-6)アルコキシ−カルボニルオキシ基、C6-10アリールオキシ−カルボニルオキシ基、C7-19(なかでもC7-12)アラルキルオキシ−カルボニルオキシ基、C3-10(なかでもC3-6)シクロアルキルオキシ−カルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいウレイド基、置換基を有していてもよいC6-10アリール基などが用いられる。
これらの置換基は前記「脂肪族炭化水素基」の置換可能な部位に置換されており、該置換基は1個に限定されず、同一または異なって複数個(好ましくは2〜4個)であってもよい。
「C1-6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが、「C3-10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが、「C6-10アリールオキシ基」としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが、「C7-19アラルキルオキシ基」としては、例えば、ベンジルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、ベンズヒドリルオキシ基、1−ナフチルメチルオキシ基などが、「C1-6アルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)」としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基などが、「C3-10シクロアルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)」としては、例えば、シクロプロピルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロペンチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルホニル基などが、「C6-10アリールチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)」としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、フェニルスルフィニル基、フェニルスルホニル基などが、「C7-19アラルキルチオ基(該硫黄原子がオキシド化されていてもよい)」としては、例えば、ベンジルチオ基、フェニルエチルチオ基、ベンズヒドリルチオ基、ベンジルスルフィニル基、ベンジルスルホニル基などが、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が、「C1-10アルコキシ−カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などが、「C3-6シクロアルキルオキシ−カルボニル基」としては、例えば、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などが、「C6-10アリールオキシ−カルボニル基」としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などが、「C7-19アラルキルオキシ−カルボニル基」としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、ベンズヒドリルオキシカルボニル基、2−フェネチルオキシカルボニル基などが、「C6-10アリール−カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基などが、「C1-6アルカノイル基」としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基などが、「C3-5アルケノイル基」としては、例えば、アクリロイル基、クロトノイル基などが、「C6-10アリール−カルボニルオキシ基」としては、例えば、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基などが、「C2-6アルカノイルオキシ基」としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基などが、「C3-5アルケノイルオキシ基」としては、例えば、アクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基などが用いられる。
「置換基を有していてもよいカルバモイル基」としては、例えば、C1-4アルキル(例、メチル、エチルなど)、フェニル、C1-7アシル(例、アセチル、プロピオニル、ベンゾイルなど)、C1-4アルコキシ−フェニル(例、メトキシフェニルなど)などから選ばれた1または2個の置換基で置換されていてもよい、カルバモイル基あるいは環状アミノ(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルなど)カルボニル基などが用いられ、具体的には、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−アセチルカルバモイル基、N−ベンゾイルカルバモイル基、N−(p−メトキシフェニル)カルバモイル基、1−ピロリジニルカルボニル基、ピペリジノカルボニル基、1−ピペラジニルカルボニル基、モルホリノカルボニル基などが用いられる。「置換基を有していてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、C1-4アルキル(例、メチル、エチルなど)、フェニルなどから選ばれた1または2個の置換基で置換されていてもよいチオカルバモイル基が用いられ、具体的には、例えば、チオカルバモイル基、N−メチルチオカルバモイル基、N−フェニルチオカルバモイル基などが用いられる。「置換基を有していてもよいカルバモイルオキシ基」としては、例えば、C1-4アルキル(例、メチル、エチルなど)、フェニルなどから選ばれた1または2個の置換基で置換されていてもよいカルバモイルオキシ基が用いられ、具体的には、例えば、カルバモイルオキシ基、N−メチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−エチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基などが用いられる。
「C1-6アルカノイルアミノ基」としては、例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブチロアミド基、バレロアミド基、ピバロアミド基などが、「C6-10アリール−カルボニルアミノ基」としては、例えば、ベンズアミド基、ナフトアミド基、フタルイミド基などが、「C1-10アルコキシ−カルボキサミド基」としては、例えば、メトキシカルボキサミド(CH3OCONH−)基、エトキシカルボキサミド基、tert−ブトキシカルボキサミド基などが、「C6-10アリールオキシ−カルボキサミド基」としては、例えば、フェノキシカルボキサミド(C65OCONH−)基などが、「C7-19アラルキルオキシ−カルボキサミド基」としては、例えば、ベンジルオキシカルボキサミド(C65CH2OCONH−)基、ベンズヒドリルオキシカルボキサミド基などが、「C1-10アルコキシ−カルボニルオキシ基」としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ基などが、「C6-10アリールオキシ−カルボニルオキシ基」としては、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、ナフチルオキシカルボニルオキシ基などが、「C7-19アラルキルオキシ−カルボニルオキシ基」としては、例えば、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、1−フェニルエチルオキシカルボニルオキシ基、2−フェニルエチルオキシカルボニルオキシ基、ベンズヒドリルオキシカルボニルオキシ基などが、「C3-10シクロアルキルオキシ−カルボニルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基などが用いられる。
「置換基を有していてもよいウレイド基」としては、例えば、C1-4アルキル基(例、メチル基、エチル基など)、フェニル基などから選ばれた1〜3個(なかでも1または2個)の置換基で置換されていてもよいウレイド基が用いられ、例えばウレイド基、1−メチルウレイド基、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基、3−フェニルウレイド基などが用いられる。
「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「置換基」として、複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、複素環スルフィニル基、複素環スルホニル基または複素環オキシカルボニル基が用いられる場合、該複素環基は複素環に結合している水素原子を1個とりのぞいてできる基を表し、例えば窒素原子(オキシド化されていてもよい)、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1〜数個、好ましくは1〜4個含む5〜8員環(なかでも5〜6員環)基、またはその縮合環基を示す。このような複素環基としては、例えばピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,2,5−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ピラニル基、チオピラニル基、ジオキシニル基、ジオキソリル基、キノリル基、ピリド〔2,3−d〕ピリミジル基、1,5−,1,6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジル基、チエノ〔2,3−d〕ピリジル基、ベンゾピラニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などが用いられる。
これら複素環基は、C1-4アルキル(例、メチル、エチルなど)、ヒドロキシ、オキソ、C1-4アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)などから選ばれた1〜3個の置換基によって置換可能な部位に置換されていてもよい。
「置換基を有していてもよいC6-10アリール基」の「C6-10アリール基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが用いられる。該C6-10アリール基は、前記「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「置換基」(置換基を有していてもよいC6-10アリール基を除く)から選ばれた置換基で置換可能な部位が置換されていてもよい。それらの置換基は、該置換基は1個に限定されず、同一または異なって複数個(好ましくは2〜4個)であってもよい。
また、「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」は、置換基が脂肪族炭化水素基と一緒になって置換されていてもよい縮合環基を形成していてもよく、このような縮合環基としてはインダニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基などが用いられる。この縮合環基は、前記「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「置換基」から選ばれた置換基で置換可能な部位が置換されていてもよい。それらの置換基は、該縮合環基の置換可能な部位に置換されており、該置換基は1個に限定されず、同一または異なって複数個(好ましくは2〜4個)であってもよい。
上記「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の中で、R、R1、R11、R1b、R1cの好ましい例示としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の低級アルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、ヒドロキシエチル基など)などが挙げられ、なかでも、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などがより好ましく、特にエチル基などが好ましい。
Rで表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」における「芳香族炭化水素基」としては、炭素数6乃至14の芳香族炭化水素基(例、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、インデニル基など)などが好ましく、とりわけ、例えば、炭素数6乃至10のアリール基(例、フェニル基、ナフチル基など)などが好ましく、なかでもフェニル基などが特に好ましい。
Rで表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」における「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、低級(C1-4)アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、低級(C1-4)アルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など)、低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基など)、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アシルアミノ基(例、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基などの炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基など)、炭素数3乃至6のシクロアルキル基(例、シクロプロピル基、シクロペンチル基など)、炭素数6乃至10のアリール基(例、フェニル基、ナフチル基、インデニル基など)、ハロゲノ低級(C1-4)アルキル基(例、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基など)、ハロゲノ低級(C1-4)アルコキシ基(例、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基など)、低級(C1-4)アルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基など)、低級(C1-4)アルカンスルホニル基(例、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基など)、低級(C1-4)アルカノイル基(例、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基など)、5員の芳香族複素環基(例、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、チエニル基、フリル基など)、カルバモイル基、低級(C1-4)アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基など)、低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル−低級(C1-4)アルキル−カルバモイル基(例、ブトキシカルボニルメチルカルバモイル基、エトキシカルボニルメチルカルバモイル基など)、1,3−ジアシルグアニジノ−低級(C1-4)アルキル基(例、1,3−ジアセチルグアニジノメチル、2,3−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノメチルなど)などが、好ましくはハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、低級(C1-4)アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)などが、より好ましくはフッ素原子、塩素原子、メチル基が用いられる。
これらの置換基は該芳香族炭化水素基の置換可能な部位に置換されており、置換基の数は1乃至5個が好ましく、1乃至3個がより好ましく、1乃至2個がとりわけ好ましい。該置換基が2個以上存在するときはそれら置換基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Rで表される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」は、例えば窒素原子(オキシド化されていてもよい)、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1乃至数個、好ましくは1乃至4個含む5乃至8員環(なかでも5乃至6員環)基およびその縮合環基を示す。このような複素環基としては、例えばピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,2,5−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、ピラニル基、チオピラニル基、ジオキシニル基、ジオキソリル基、キノリル基、ピリド〔2,3−d〕ピリミジル基、1,5−,1,6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジル基、チエノ〔2,3−d〕ピリジル基、ベンゾピラニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などが用いられる。
これら複素環基は、C1-4アルキル(例、メチル、エチルなど)、ヒドロキシ、オキソ、C1-4アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)などから選ばれた1乃至3個の置換基によって置換可能な部位に置換されていてもよい。
Arで表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」における「芳香族炭化水素基」としては、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基(例、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、インデニル基など)などが好ましく、とりわけ、例えば、炭素数6〜10のアリール基(例、フェニル基、ナフチル基など)などが好ましく、なかでもフェニル基などが特に好ましい。
Arで表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」における「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、低級(C1-4)アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基など)、低級(C1-4)アルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など)、低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基など)、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アシルアミノ基(例、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基などの炭素数1〜4のアルカノイルアミノ基など)、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例、シクロプロピル基、シクロペンチル基など)、炭素数6〜10のアリール基(例、フェニル基、ナフチル基、インデニル基など)、ハロゲノ低級(C1-4)アルキル基(例、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基など)、ハロゲノ低級(C1-4)アルコキシ基(例、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基など)、低級(C1-4)アルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基など)、低級(C1-4)アルカンスルホニル基(例、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基など)、低級(C1-4)アルカノイル基(例、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基など)、5員の芳香族複素環基(例、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、チエニル基、フリル基など)、カルバモイル基、低級(C1-4)アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、プロピオニルカルバモイル基など)、低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル−低級(C1-4)アルキル−カルバモイル基(例、ブトキシカルボニルメチルカルバモイル基、tert−ブトキシカルボニルメチルカルバモイル基、エトキシカルボニルメチルカルバモイル基など)、1,3−ジアシルグアニジノ−低級(C1-4)アルキル基(例、1,3−ジアセチルグアニジノメチル、1,3−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノメチルなど)などが、好ましくはハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、低級(C1-4)アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)などが、より好ましくはフッ素原子、塩素原子、メチル基が用いられる。
これらの置換基は該芳香族炭化水素基の置換可能な部位に置換されており、置換基の数は1〜5個が好ましく、1〜3個がより好ましく、1〜2個がとりわけ好ましい。該置換基が2個以上存在するときはそれら置換基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Arとして、具体的には、例えば、置換基を有していてもよいフェニル基(例、フェニル基、ハロゲノフェニル基、低級(C1-4)アルキルフェニル基、低級(C1-4)アルコキシフェニル基、低級(C1-4)アルコキシ−カルボニルフェニル基、カルボキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ハロゲノ低級(C1-4)アルキルフェニル基、ハロゲノ低級(C1-4)アルコキシフェニル基、低級(C1-4)アルカノイルフェニル基、5員の芳香族複素環基で置換されたフェニル基、低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル−低級(C1-4)アルキル−カルバモイルフェニル基、1,3−ジアシルグアニジノ−低級(C1-4)アルキルフェニル基、ハロゲン原子および低級(C1-4)アルキル基で置換されたフェニル基、ハロゲン原子および低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル基で置換されたフェニル基、ハロゲン原子およびシアノ基で置換されたフェニル基、ハロゲン原子および5員の芳香族複素環で置換されたフェニル基、ハロゲン原子および低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル−低級(C1-4)アルキル−カルバモイル基で置換されたフェニル基など)などが用いられる。
Arとしては、置換基を有していてもよいフェニル基が好ましく、中でもハロゲノフェニル基、低級(C1-4)アルキルフェニル基、ハロゲン原子および低級(C1-4)アルコキシカルボニル基で置換されたフェニル基、ハロゲン原子および低級(C1-4)アルキル基で置換されたフェニル基などが好ましく用いられる。上記フェニル基の置換基であるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Arとしては、式:
Figure 2007132825
[式中、R4およびR5は同一または異なってハロゲン原子または低級(C1−4)アルキル基を、mは0〜2の整数を示す。]で表される基がより好ましく、R4およびR5の少なくとも一方がハロゲン原子であるものがさらに好ましい。
4およびR5で示されるハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)としては、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
該ハロゲノフェニル基としては、例えば、2,3−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−クロロ−2−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、4−ブロモ−2−フルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル基、4−ブロモ−2−クロロフェニル基などが用いられる。
該低級(C1-4)アルキルフェニル基としては、例えば、2−エチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基などが好ましく用いられ、該低級(C1-4)アルコキシフェニル基としては、例えば4−メトキシフェニルなどが好ましく用いられる。
該低級(C1-4)アルコキシ−カルボニルフェニル基としては、例えば、2−エトキシカルボニルフェニル基、2−メトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基などが好ましく用いられ、該ハロゲノ低級(C1-4)アルキルフェニル基としては、例えば、2−トリフルオロメチルフェニル基などが好ましく用いられ、該ハロゲノ低級(C1-4)アルコキシフェニル基としては、例えば、2−トリフルオロメトキシフェニル基、4−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)フェニル基などが好ましく用いられる。
該低級(C1-4)アルカノイルフェニル基としては、例えば、2−アセチルフェニル基などが好ましく用いられ、該5員の芳香族複素環基で置換されたフェニル基としては、例えば、4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル基、4−(2H−テトラゾール−2−イル)フェニル基、4−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル基、4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル基などが好ましく用いられ、該低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル−低級(C1-4)アルキル−カルバモイルフェニル基としては、例えば、4−(N−エトキシカルボニルメチルカルバモイル)フェニル基などが好ましく用いられ、該1,3−ジアシルグアニジノ−低級(C1-4)アルキルフェニル基としては、例えば、4−(1,3−ビス−tert−ブトキシカルボニルグアニジノメチル)フェニル基などが好ましく用いられる。
該ハロゲン原子および低級(C1-4)アルキル基で置換されたフェニル基としては、例えば、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、4−フルオロ−2−メチルフェニル基などが好ましく用いられ、該ハロゲン原子および低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル基で置換されたフェニル基としては、例えば、2−クロロ−4−メトキシカルボニルフェニル基などが好ましく用いられ、該ハロゲン原子とシアノ基で置換されたフェニル基としては、2−クロロ−4−シアノフェニル基などが好ましく用いられ、該ハロゲン原子と5員の芳香族複素環基で置換されたフェニル基としては、例えば、2−フルオロ−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニルなどが好ましく用いられ、該ハロゲン原子および低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル−低級(C1-4)アルキル−カルバモイル基で置換されたフェニル基としては、例えば、2−クロロ−4−(N−tert−ブトキシカルボニルメチルカルバモイル)フェニル基、2−クロロ−4−(N−エトキシカルボニルメチルカルバモイル)フェニル基などが好ましく用いられる。
さらに具体的に、Arとしては、とりわけフェニル基、1〜3個(なかでも1〜2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)で置換されたフェニル基(例、2,3−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、4−ブロモ−2−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−フルオロ−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2−ブロモ−4−フルオロフェニル基、4−ブロモ−2−クロロフェニル基など)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)および低級(C1-4)アルキル基で置換されたフェニル基(例、2−クロロ−4−メチルフェニル基、4−フルオロ−2−メチルフェニル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基など)などが好ましい。なかでも、1〜3個(なかでも1〜2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)で置換されたフェニル基(例、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基など)、ハロゲン原子および低級(C1-4)アルキル基で置換されたフェニル基(例、2−クロロ−4−メチルフェニル基、4−フルオロ−2−メチルフェニル基など)などが好ましい。特に、2,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基などが好ましく、2,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基などが好ましい。
本明細書において環A1は(i)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(ii)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(iii)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(iv)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示すが、(i)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(ii)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基および(iv)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンが好ましい。
これら(i)〜(iv)の置換基は、環A1上の置換可能な炭素原子上に置換しており、環A1が複数個の置換基で置換されている場合、それらの置換基の種類は同一であっても異なっていてもよい。また、同一の炭素原子上に2個の置換基が置換していてもよく、異なった炭素原子上に複数の置換基が置換していてもよい。
環A1の置換基である「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」としては、例えば、前述のRなどで表される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」と同様のものを用いることができる。
環A1の置換基である「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」としては、例えば、前述のArなどで表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」と同様のものを用いることができる。
環A1の置換基としては、1または2個のC1-6アルキル基(例、メチル基、tert-ブチル基などのC1-4アルキル基)、フェニル基、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)などが好ましく用いられる。
nで表される1〜4の整数としては、1〜3が好ましく、とりわけ2が好ましい。
式(I)で表される化合物としては、式(Ibb')で表されるものが好ましく、式(Inn)で表されるものがより好ましい。
さらに式(Ibb')または式(Inn)で表される化合物としては、R1が置換基を有していてもよい低級アルキル基(より好ましくはR1はC1-6アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など))であり、R2が水素原子または低級(C1-6)アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など)であり、Arが置換基を有していてもよいフェニル基(より好ましくはArは1または2個のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されたフェニル基)であり、nが1、2または3(より好ましくはnは2)であるものが好ましい。
式(I)で表される化合物としては、式(Ia):
Figure 2007132825
[式中、R1aはC1-6アルキル基を、R2aは水素原子またはC1-6アルキル基を、Arは1または2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示す。]で表される化合物が好ましい。
1aで表されるC1-6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが好ましく、特にエチル基などが好ましい。
2aで表されるC1-6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。R2aとしては、水素原子、メチル基などが好ましい。
Arで表される「1または2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」における「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子などが好ましい。Arで表される「1または2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」としては、例えば、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基などが挙げられ、2,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基などが好ましく、2,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基などがさらに好ましい。
式(I)で表される化合物としては、具体的には、後述する参考例Bで得られる化合物などが用いられ、なかでも
(1)d-エチル 6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート、
(2)エチル 6-[N-(2-クロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート、
(3)エチル 6-[N-(2-クロロ-4-メチルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート、および
(4)エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート並びにこれらの塩などが好ましい。
式(II)で表される化合物について詳細に説明する。
本明細書において、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、または式:
Figure 2007132825
(式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、とりわけ、式:−OR1a'で表される基が好ましい。
1'で表される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、Rにおけるこれらと同様のものを用いることができる。
1a'で表される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」としては、例えば、前述のRで表される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」と同様のものを用いることができる。R1a'としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1乃至6の低級アルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、ヒドロキシエチル基など)などが好ましく用いられ、なかでも、例えば、炭素数1乃至6の低級アルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基など)などが好ましく用いられる。とりわけ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが好ましく、なかでもエチル基などが好ましい。
1b'およびR1c'で示される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」としては、例えば、前述のR1bおよびR1cで表される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」と同様のものを用いることができる。R1b'およびR1c'としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1乃至6の低級アルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、ヒドロキシエチル基など)などが好ましく用いられ、なかでも、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが好ましく用いられる。とりわけ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが好ましく、なかでもエチル基などが好ましい。
1'としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1乃至6の低級アルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、ヒドロキシエチル基など)などが好ましく用いられ、なかでも、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが好ましく用いられる。とりわけ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが好ましく、なかでもエチル基などが好ましい。
本明細書において、Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示す。
Yで示される「置換基を有していてもよいメチレン基」における「置換基」としては、たとえば、C1-6アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基など)、ヒドロキシ置換−C1-6アルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基など)、C1-4アルコキシ−カルボニル−C1-4アルキル基(例えば、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、tert−ブトキシカルボニルエチル基など)などが挙げられ、なかでもメチル基が好ましいが、とりわけ無置換のメチレンが好ましい。
Yで示される「置換基を有していてもよいNH」における「置換基」としては、C1-6アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基など)、ヒドロキシ置換−C1-6アルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基など)、C1-4アルコキシ−カルボニル−C1-4アルキル基(例えば、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、tert−ブトキシカルボニルエチル基など)などが挙げられ、なかでもメチル基が好ましいが、とりわけ無置換のNHが好ましい。
Ar'で表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」においては、前述のArにおける「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」と同様のものを用いることができる。
特に、Ar'は、Arと同様なものが好ましいが、とりわけ式(c):
Figure 2007132825
[式中、R3'はハロゲン原子または低級アルキル基を示し、環B'はさらに1ないし4個のハロゲン原子で置換されていてもよい。]で表される基が好ましく、式(c1):
Figure 2007132825
[式中、R3a'およびR3b'は同一または異なって、ハロゲン原子を示す。]で表される基がさらに好ましい。
Ar’としては、また、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましい。)およびC1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ基など)からなる群より選ばれる1個または2個の置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
式(c)中、R3'で示されるハロゲン原子および環B'の置換基であるハロゲン原子及び式(c1)中、R3a'およびR3b'で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子または塩素原子が好ましい。式(c)中、R3'で示される低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピルなどのC1-4アルキル基が挙げられ、メチル基などが好ましい。式(c)で表される基のなかでも、2,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基などが好ましく、式(c1)で表される基のなかでも、2,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基などが好ましい。
Ar’としては、また、フェニル基、4−メトキシフェニル基なども好ましい。
Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示すが、なかでもメチレン基または酸素原子が好ましい。
ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。
環A'は式:−CO−R1'(式中、R1'は前記と同意義である。)で表される基及び式:−SO2−Y−Ar'(式中、YおよびAr'は前記と同意義である。)で表される基で置換されており、さらに(i)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(ii)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(iii)式:−OR2'(式中、R2'は前記と同意義を示す。)で表される基および(iv)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5乃至8員環を示すが、(i)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(ii)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基および(iv)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5乃至8員環を示す。
これらの置換基は、環A'上の置換可能な位置に置換しうる。環を構成するXがNHまたはメチレン基である場合には該NHまたは該メチレン基にも置換可能である。環A'が複数個の置換基で置換されている場合、それらの置換基の種類は同一であっても異なっていてもよい。また、同一の炭素原子上に2個の置換基が置換していてもよい。
環A'の置換基である「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」および「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」としては、例えば、前述のRなどにおけるそれらと同様のものが挙げられる。
2'における「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」としては、例えば、前述のR11におけるそれらと同様のものが挙げられる。
環A'の置換基としては、1または2個のC1-6アルキル基(例、メチル基、tert-ブチル基などのC1-4アルキル基)、フェニル基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)などが好ましく用いられる。
sは0ないし2の整数を、tは1ないし3の整数を示し、sとtの和は4以下であるが、sが1、tが1であるのが好ましい。
式:
Figure 2007132825
で表される基は式:
Figure 2007132825
で表される基を示し、式(b1)で表される基が好ましい。
式(II)で表される化合物(化合物(II))としては、例えば、次の化合物などが好ましい。
(1)R1'が式:−OR1a'で表される基であり、R1a'がC1-6アルキル基であり、
式:
Figure 2007132825
で表される基が式:
Figure 2007132825
で表される基であり、
Xがメチレン基または酸素原子であり、
Yがメチレン基または−NH−であり、かつ
Ar'がハロゲン原子およびC1-6アルコキシ基からなる群より選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいフェニル基である化合物(II)、即ち、式(IIa):
Figure 2007132825
[式中、R1a''はC1-6アルキル基を、Xはメチレン基または酸素原子を、Yはメチレン基または−NH−を、Ara'はハロゲン原子およびC1-6アルコキシ基からなる群より選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいフェニル基を示す。ただし、Xがメチレン基の場合、Yはメチレン基を示す。]で表される化合物。
1a''で表されるC1-6アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが好ましく用いられる。とりわけ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが好ましく、なかでもエチル基などが好ましい。Ara'の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子または塩素原子が好ましい。Ara'の置換基であるC1-6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基などが挙げられ、メトキシ基などが好ましい。
(2)R1'が式:−OR1a'で表される基であり、R1a'がC1-6アルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが好ましく、なかでもエチル基などが好ましい。)で表される基であり、
式:
Figure 2007132825
で表される基が式:
Figure 2007132825
で表される基であり、
XおよびYが共にメチレン基であるか、またはXが酸素原子でYが−NH−であり、かつAr'が2個のハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましい。)を有していてもよいフェニル基(例、2−クロロ−4−フルオロフェニル基など)である化合物(II)。
(3)エチル 6-(ベンジルスルホニル)-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物1')、
エチル 6-[(4-メトキシベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物2')、
エチル 6-[(2,4-ジフルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物3')、
エチル 6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物4')、
エチル (-)-6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物5')、
エチル (+)-6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物6')、
エチル 3-[(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート(化合物7')、および
エチル 3-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート(化合物8')。
(4)エチル 6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物4')、
エチル (+)-6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物6')、および
エチル 3-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート(化合物8')。
式(I)、(II)で表される化合物において立体異性体が存在する場合は、それぞれの立体異性体並びにそれら立体異性体の混合物の何れもが本発明に包含されるものである。
さらに、式(I)で表される化合物が式(Icc)または(Inn)で表される化合物である場合及び式(II)で表される化合物の式(b)で表される基が式(b1)で表される基であり、sおよびtが1である場合は、それぞれシクロアルケンもしくはシクロヘキセン環内の不斉炭素に基づく、光学異性体が存在するが、それぞれの光学異性体ならびにそれら光学異性体の混合物のいずれもが本発明に包含されるものである。
本発明の医薬に用いられる式(I)及び式(II)で表される化合物(以下、これらをまとめて化合物A’と略記する)は、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などにすることができる。無機塩基との塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩などが用いられ、有機塩基との塩としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が用いられる。無機酸との塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が用いられ、有機酸との塩としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が用いられる。塩基性アミノ酸との塩としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が用いられ、酸性アミノ酸との塩としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が用いられる。
化合物A’またはその塩のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸などによる反応により化合物A’またはその塩に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解などを起こして化合物A’またはその塩に変化する化合物、胃酸などにより加水分解などを起こして化合物A’またはその塩に変化する化合物をいう。化合物A’またはその塩のプロドラッグとしては、化合物A’またはその塩のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、化合物A’またはその塩のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、2−ヒドロキシプロピオニル化、2−アセトキシプロピオニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);化合物A’またはその塩の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物A’またはその塩の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物A’またはその塩のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、化合物A’またはその塩のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);などが挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって、化合物A’またはその塩から製造することができる。
また、化合物A’またはその塩のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物A’またはその塩に変化するものであってもよい。
式(I)で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグは、自体公知の方法、例えば、WO99/46242に記載の製造法あるいはそれに準じる方法に従って、また式(II)で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグは、WO01/10826に記載の製造法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。
また、光学活性化合物またはその塩が、鏡像体を含んでいる場合には、これを通常の分離方法、例えば、光学活性酸(例、カンファースルホン酸など)または光学活性塩基(例、1−メチルベンジルアミンなど)との塩を生成させるジアステレオマー塩法や、光学活性なホスト分子(例、1,6-ビス(2-クロロフェニル)-1,6-ジフェニルヘキサ-2,4-ジイン−1,6−ジオール)を用いる包接化合物法や、各種クロマトグラフィー(例、光学活性カラムを用いる液体クロマトグラフィーなど)、分別再結晶などの分離手段によって、光学的に純粋な化合物を得ることができる。
化合物A’またはその塩あるいはそのプロドラッグ(以下、包括的に化合物Aという)は水和物であっても無水和物であってもよい。
また、化合物Aは同位元素(例、3H、14C、35S、125Iなど)などで標識されていてもよい。
本発明における化合物Aは、人体に対する安全性が高く、医薬(例えば、各種疾病の予防・治療剤)、動物薬などとして、哺乳動物(例、ラット、マウス、モルモット、サル、ウシ、イヌ、ブタ、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒト等)に用いられる。
本発明における化合物Aは、低毒性で一酸化窒素(NO)産生抑制作用、TNF−α、IL−1、IL−6などの炎症性サイトカイン産生抑制作用、TLRシグナル阻害作用(特に、TLR4シグナル阻害作用)などを有しており、
(i)哺乳動物(例えば、ネコ、ウシ、イヌ、ウマ、ヤギ、サル、ヒトなど)に対する冠動脈バイパス手術後の予後改善剤、虚血再潅流障害や手術後合併症、臓器移植後の組織障害および拒絶反応などの改善剤、なかでも冠動脈バイパス手術後の合併症(例えば、呼吸障害、腎不全、心不全、肝不全など)の予防・治療剤、
(ii)冠動脈バイパス手術患者用の心疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、中枢神経系疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療剤などとして使用することができる。
また、本発明における化合物Aは、例えば、冠動脈疾患、移植時の虚血再灌流傷害、術後合併症(例、endotoxemia,再灌流傷害)、臓器移植後の組織障害および拒絶反応、炎症性腸疾患(IBD)、急性肝炎、急性膵炎、ニューロパチーなどの予防・治療剤としても使用することができる。
冠動脈バイパス手術患者とは、冠動脈バイパス手術を受ける前の患者、冠動脈バイパス手術を受けた後の患者の何れであってもよい。
化合物Aは他の薬物と併用して併用剤として使用することができる。そのような併用薬物としては、例えば、抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、抗凝血薬、抗血小板薬、血栓溶解薬、メトヘモグロビン上昇防止薬、免疫調節薬、抗原虫薬、鎮咳・去たん薬、鎮静薬、麻酔薬、麻薬拮抗薬、抗潰瘍薬、高脂血症治療薬、動脈硬化症治療薬、HDL増加薬、不安定プラーク安定化薬、心筋保護薬、甲状腺機能低下症治療薬、ネフローゼ症候群治療薬、慢性腎不全治療薬、利尿薬、高血圧治療薬、心不全治療薬、筋弛緩薬、抗てんかん薬、強心薬、血管拡張薬、血管収縮薬、不整脈治療薬、糖尿病治療薬、冠動脈バイパス手術後の予後改善薬、昇圧薬、精神安定薬、抗精神病薬、制吐薬、アルツハイマー病治療薬、抗パーキンソン薬、筋萎縮性脊髄側索硬化症治療薬、神経栄養因子、抗うつ薬、精神***病治療薬、抗腫瘍薬、ビタミン薬、ビタミン誘導体、関節炎治療薬、抗リウマチ薬、抗アレルギー薬、抗喘息薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、頻尿・尿失禁治療薬、タンパク質分解薬、タンパク質分解酵素阻害薬、抗SIDS薬、抗セプシス薬、抗セプティックショック薬、エンドトキシン拮抗薬あるいは抗体、シグナル伝達阻害薬、炎症性メディエーター作用抑制薬、炎症性メディエーター作用抑制抗体、炎症性メディエーター産生抑制薬、抗炎症性メディエーター作用抑制薬、抗炎症性メディエーター作用抑制抗体、抗炎症性メディエーター産生抑制薬、α1アドレナリン作動薬、細胞障害抑制薬などが挙げられ、なかでも抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、抗凝血薬、細胞障害抑制薬、抗セプシス薬などが好ましい。具体的には以下のものが挙げられる。
(1)抗菌薬
(i)サルファ薬
スルファメチゾール、スルフィソキサゾール、スルファモノメトキシン、スルファメチゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン銀など。
(ii)キノリン系抗菌薬
ナリジクス酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トシル酸トスフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、フレロキサシンなど。
(iii)抗結核薬
イソニアジド、エタンブトール(塩酸エタンブトール)、パラアミノサリチル酸(パラアミノサリチル酸カルシウム)、ピラジナミド、エチオナミド、プロチオナミド、リファンピシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、サイクロセリンなど。
(iv)抗酸菌薬
ジアフェニルスルホン、リファンピシリンなど。
(v)抗ウイルス薬
イドクスウリジン、アシクロビル、ビタラビン、ガンシクロビルなど。
(vi)抗HIV薬
ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、硫酸インジナビルエタノール付加物、リトナビルなど。
(vii)抗スピロヘータ薬
(viii)抗生物質
塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、ゲンタマイシン、ジベカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、トブラマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セファロチン、セファピリン、セファロリジン、セファクロル、セファレキシン、セフロキサジン、セファドロキシル、セファマンドール、セフォトアム、セフロキシム、セフォチアム、セフォチアムヘキセチル、セフロキシムアキセチル、セフジニル、セフジトレンピボキシル、セフタジジム、セフピラミド、セフスロジン、セフメノキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフピロム、セファゾプラン、セフェピム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セフミノクス、セフォキシチン、セフブペラゾン、ラタモキナセフ、フロモキセフ、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキサラクタム、チエナマイシン、スルファゼシン、アズスレオナムまたはそれらの塩、グリセオフルビン、ランカシジン類〔ジャーナル・オブ・アンチバイオティックス(J.Antibiotics),38,877−885(1985)〕など。
(2)抗真菌薬
(i)ポリエチレン系抗生物質(例、アムホテリシンB、ナイスタチン、トリコマイシン)
(ii)グリセオフルビン、ピロールニトリンなど
(iii)シトシン代謝拮抗薬(例、フルシトシン)
(iv)イミダゾール誘導体(例、エコナゾール、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、ビホナゾール、クロコナゾール)
(v)トリアゾール誘導体(例、フルコナゾール、イトラコナゾール、アゾール系化合物
〔2−〔(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル〕−4−〔4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル〕−3(2H,4H)−1,2,4−トリアゾロン〕
(vi)チオカルバミン酸誘導体(例、トリナフトール)
(vii)エキノカンジン系誘導体(例、カスポファンジン、ミカファンジン、アニデュラファンジン)など。
(3)非ステロイド性抗炎症薬
アセトアミノフェン、フェナセチン、エテンザミド、スルピリン、アンチピリン、ミグレニン、アスピリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、ジクロフェナックナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、プラノプロフェン、フロクタフェニン、エピリゾール、塩酸チアラミド、ザルトプロフェン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、ウリナスタチン、コルヒチン、プロベネジド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、アロプリノール、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、塩酸モルヒネ、サリチル酸、アトロピン、スコポラミン、モルヒネ、ペチジン、レボルファイノール、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキシモルフォンまたはその塩など。
(4)ステロイド薬
デキサメサゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ベタメサゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プロピオン酸ベクロメタゾン、エストリオールなど。
(5)抗凝血薬
ヘパリンナトリウム、クエン酸ナトリウム、活性化プロテインC、組織因子経路阻害薬、アンチトロンビンIII、ダルテパリンナトリウム、ワルファリンカリウム、アルガトロバン、ガベキサート、クエン酸ナトリウムなど。
(6)抗血小板薬
オザクレルナトリウム、イコサペンタ酸エチル、ベラプロストナトリウム、アルプロスタジル、塩酸チクロピジン、ペントキシフィリン、ジピリダモールなど。
(7)血栓溶解薬
チソキナーゼ、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼなど。
(8)メトヘモグロビン上昇防止薬
メチレンブルー、アスコルビン酸など。
(9)免疫調節薬
シクロスポリン、タクロリムス、グスペリムス、アザチオプリン、抗リンパ血清、乾燥スルホ化免疫グロブリン、エリスロポイエチン、コロニー刺激因子、インターロイキン、インターフェロンなど。
(10)抗原虫薬
メトロニダゾール、チニダゾール、クエン酸ジエチルカルバマジン、塩酸キニーネ、硫酸キニーネなど。
(11)鎮咳・去たん薬
塩酸エフェドリン、塩酸ノスカピン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸イソプロテレノール、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノスカピン、アロクラマイド、クロルフェジアノール、ピコペリダミン、クロペラスチン、プロトキロール、イソプロテレノール、サルブタモール、テレプタリン、オキシペテバノール、塩酸モルヒネ、臭化水素酸デキストロペトルファン、塩酸オキシコドン、リン酸ジモルファン、ヒベンズ酸チペピジン、クエン酸ペントキシベリン、塩酸クロフェダノール、ベンゾナテート、グアイフェネシン、塩酸ブロムヘキシン、塩酸アンブロキソール、アセチルシステイン、塩酸エチルシステイン、カルボシステインなど。
(12)鎮静薬
塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピン、フェノバルビタール、バルビタール、アモバルビタール、ペントバルビタール、チオペンタールナトリウム、チアミラールナトリウム、ニトラゼパム、エスタゾラム、フルラザパム、ハロキサゾラム、トリアゾラム、フルニトラゼパム、ブロムワレリル尿素、抱水クロラール、トリクロホスナトリウムなど。
(13)麻酔薬
(13−1)局所麻酔薬
塩酸コカイン、塩酸プロカイン、リドカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸メピバカイン、塩酸ブピバカイン、塩酸オキシブプロカイン、アミノ安息香酸エチル、オキセサゼインなど。
(13−2)全身麻酔薬
(i)吸入麻酔薬(例、エーテル、ハロタン、亜酸化窒素、インフルラン、エンフルラン)、
(ii)静脈麻酔薬(例、塩酸ケタミン、ドロペリドール、チオペンタールナトリウム、チアミラールナトリウム、ペントバルビタール)など。
(14)麻薬拮抗薬
レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソンまたはその塩など。
(15)抗潰瘍薬
メタクロプロミド、塩酸ヒスチジン、ランソプラゾール、メトクロプラミド、ピレンゼピン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ウロガストリン、オキセサゼイン、プログルミド、オメプラゾール、スクラルファート、スルピリド、セトラキサート、ゲファルナート、アルジオキサ、テプレノン、プロスタグランジンなど。
(16)高脂血症治療薬
HMG-CoA還元酵素阻害薬(例、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチンなど)、フィブラート系薬剤(例、シンフィブラート、クロフィブラートアルミニウム、クリノフィブラート、フェノフィブラートなど)、胆汁酸吸着薬(例、コレスチラミンなど)、ニコチン酸製剤(例、ニコモール、ニセリトロール、ニコチン酸トコフェロールなど)、プロブコール及びその誘導体、多価不飽和脂肪酸誘導体(例、イコサペント酸エチル、ポリエンフォスファチジルコリン、メリナミドなど)、植物ステロール(例、ガンマ−オリザノール、ソイステロールなど)、エラスターゼ、デキストラン硫酸ナトリウム、スクワレン合成酵素阻害薬、スクワレンエポキシダーゼ阻害薬、CETP阻害薬、2−クロロ−3−〔4−(2−メチル−2−フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオン酸エチル〔ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレティン(Chem. Pharm. Bull),38,2792−2796(1990)〕、LDL受容体増加薬、コレステロール吸収阻害薬(Ezetimibeなど)、MTP阻害薬、回腸胆汁酸トランスポーター阻害薬、SCAPリガンド、FXRリガンドなど。
(17)動脈硬化症治療薬
MMP阻害薬、キマーゼ阻害薬、ACAT阻害薬(Avasimibe, Eflucimibeなど)、apoAI Milanoとその類似物質、スカベンジャー受容体阻害薬、15-リポキシゲナーゼ阻害薬、ホスホリパーゼA2阻害薬、ABCA1活性加薬、LXRリガンド、スフィンゴミエリナーゼ阻害薬、パラオキソナーゼ活性加薬、エストロジェン受容体作動薬など。
(18)HDL増加薬
スクワレン合成酵素阻害薬、CETP阻害薬、LPL活性化薬など。
(19)不安定プラーク安定化薬
MMP阻害薬、キマーゼ阻害薬、ACAT阻害薬、リピド・リッチ・プラーク退縮薬など。
(20)心筋保護薬
心臓ATP−K用口薬、エンドセリン拮抗薬、ウロテンシン拮抗薬など。
(21)甲状腺機能低下症治療薬
乾燥甲状腺(チレオイド),レボチロキシンナトリウム(チラージンS),リオチロニジンナトリウム(サイロニン、チロミン)など。
(22)ネフローゼ症候群治療薬
プレドニゾロン(プレドニン),コハク酸プレドニゾロンナトリウム(プレドニン),コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(ソル・メドロール),ベタメタゾン(リンデロン)など。
(23)慢性腎不全治療薬
利尿薬〔例、フロセミド(ラシックス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイアート)〕、降圧薬〔例、ACE阻害薬、マレイン酸エナラプリル(レニベース)、Ca 拮抗薬(マニジピン)、α受容体遮断薬、AII拮抗薬(カンデサルタン)〕など。
(24)利尿薬
サイアザイド系利尿薬(ベンチルヒドロクロロチアジド、シクロペンチアジド、エチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ペンフルチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジドなど)、ループ利尿薬(クロルタリドン、クロフェナミド、インダパミド、メフルシド、メチクラン、ソトラゾン、トリバミド、キネタゾン、メトラゾン、フロセミドなど)、カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン、トリアムテレンなど)。
(25)高血圧治療薬
(i)交感神経抑制薬
α刺激薬(例、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシン、メチルドパなど)、神経節遮断薬(例、ヘキサメトニウム、トリメタファンなど)、シナプス前遮断薬(例、アルサーオキシロン、ジメチルアミノレセルピナート、レシナミン、レセルピン、シロシンゴピンなど)、ニューロン遮断薬(例、ベタニジン、グアネチジンなど)、α遮断薬(例、ブナゾシン、ドキサゾシン、プラゾシン、テラゾシン、ウラピジルなど)、β遮断薬(例、プルプラノロール、ナドロール、チモロール、ニプラジロール、ブニトロロール、インデノロール、ペンブトロール、カルテオロール、カルベジロール、ピンドロール、アセブトロール、アテノロール、ビソプロロール、メトプロロール、ラベタロール、アモスラロール、アロチノロールなど)など。
(ii)血管拡張薬
カルシウムチャンネル拮抗薬(例、マニジピン、ニカルジピン、ニルバジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベニジピン、アムロジピン、アラニジピンなど)、フタラジン誘導体(例、ブトララジン、カドララジン、エカラジン、ヒドララジン、トドララジンなど)など。
(iii)ACE阻害薬
アラセプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、リジノプリル、テモカプリル、トランドラプリル、キナプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、ベリンドプリルなど。
(iv)AII拮抗薬
ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、フォラサルタンなど。
(v)利尿薬(例えば前述の利尿薬など)
(26)心不全治療薬
強心薬(例、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、ラナトシドC、プロスシラリジンなど)、α、β刺激薬(例、エピネフリン、ノルエピネフリン、イソプロテレノール、ドパミン、ドカルパミン、ドブタミン、デノパミンなど)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例、アムリノン、ミルリノン、塩酸オルプリノンなど)カルシウムチャンネル感受性増強薬(例、ピモベンタンなど)、硝酸薬(例、ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど)、ACE阻害薬(例えば前述のACE阻害薬など)、利尿薬(例えば前述の利尿薬など)、カルペリチド、ユビデカレノン、ベスナリノン、アミノフィリンなど。
(27)筋弛緩薬
プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウム、塩酸トルペリゾン、カルバミン酸クロルフェネシン、バクロフェン、クロルメザノン、メフェネシン、クロゾキサゾン、エペリゾン、チザニジンなど。
(28)抗てんかん薬
フェニトイン、エトサクシミド、アセタゾラミド、クロルジアゼポキシド、トリペタジオン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、スルチアム、パルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、ジアゼパム、ニトラゼパムなど。
(29)強心薬
トランスバイオキソカンファー、テレフィロール、アミノフィリン、エチレフリン、ドパミン、ドブタミン、デノパミン、アミノフィリン、ベシナリン、アムリノン、ピモベンダン、ユビデカレノン、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、ラナトシドC、G−ストロファンチンなど。
(30)血管拡張薬
オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリン、ヘキソベンジン、バメタン、クロニジン、メチルドパ、グアナベンズなど。
(31)血管収縮薬
ドパミン、ドブタミンデノパミンなど。
(32)不整脈治療薬
(i)ナトリウムチャンネル遮断薬(例、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、シベンゾリン、リドカイン、ジフェニルヒダントイン、メキシレチン、プロパフェノン、フレカイニド、ピルジカイニド、フェニトインなど)、
(ii)β遮断薬(例、プロプラノロール、アルプレノロール、プフェトロール、オクスプレノロール、アテノール、アセブトロール、メトプロロール、ビソプロロール、ピンドロール、カルテオロール、アロチロールなど)、
(iii)カリウムチャンネル遮断薬(例、アミオダロンなど)、
(iv)カルシウムチェンネル遮断薬(例、ベラパミル、ジルチアゼムなど)など。
(33)昇圧薬
ドパミン、ドブタミン、デノパミン、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、ラナトシドC、G−ストロファンチンなど。
(34)冠動脈バイパス手術後の予後改善薬
E-5564など。
(35)糖尿病治療薬
スルホニル尿素薬(例、トルブタミド、クロルプロパミド、グリクロピラミド、アセトヘキサミド、トラザミド、グリベンクラミド、グリブゾールなど)、ビグアナイド薬(例、塩酸メトホルミン、塩酸ブホルミンなど)、α−グルコシダーゼ阻害薬(例、ボグリボース、アカルボースなど)、インスリン抵抗性改善薬(例、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、トログリタゾンなど)、インスリン、グルカゴン、糖尿病性合併症治療薬(例、エパルレスタットなど)など。
(36)精神安定薬
ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、クロルジアゼポキシド、メダゼパム、オキサゾラム、クロキサゾラム、クロチアゼパム、ブロマゼパム、エチゾラム、フルジアゼパム、ヒドロキシジンなど。
(37)抗精神病薬
塩酸クロルプロマジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸ペルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、マレイン酸プロクロルペラジン、マレイン酸レボメプロマジン、塩酸プロメタジン、ハロペリドール、ブロムペリドール、スピペロン、レセルピン、塩酸クロカプラミン、スルピリド、ゾテピンなど。
(38)制吐薬
フェノリアジン誘導体、5-HT3受容体アンタゴニストなど。
(39)アルツハイマー病治療薬
(i)ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、TAK−147等のコリンエステラーゼ阻害薬、
(ii)イデベノン、メマンチン、ビンポセチン等の脳機能賦活薬など。
(40)抗パーキンソン薬
L−ドーパ、デプレニル、カルビドパ+レボドパ、ペルゴライド、ロピニロール、カベルゴリン、プラミペキソール、エンタカプロン、ラザベミドなど。
(41)筋萎縮性脊髄側索硬化症治療薬
リルゾール、メカセルミン、ガバペンチンなど。
(42)抗うつ薬
イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチリン、フェネルジン、塩酸アミトリプチリン、塩酸ノルトリプチリン、アモキサピン、塩酸ミアンセリン、塩酸マプロチリン、スルピリド、マレイン酸フルボキサミン、塩酸トラゾドンなど。
(43)精神***病治療薬
オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、イロペリドンなど。
(44)抗腫瘍薬
6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロール、ブレオマイシン、メトトレキサート、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、テトラヒドロフリル−5−フルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、レバミゾール、ベスタチン、アジメキソン、グリチルリチン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ヘプロマイシン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、塩酸イリノテカン、シクロフォスファミド、メルファラン、ズスルファン、チオテパ、塩酸プロカルバジン、シスプラチン、アザチオプリン、メルカプトプリン、テガフール、カルモフール、シタラビン、メチルテストステロン、プロピオン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、メピチオスタン、ホスフェストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸リュープリン、酢酸ブセレリンなど。
(45)ビタミン薬
(i)ビタミンA類:ビタミンA1、ビタミンA2およびパルミチン酸レチノール
(ii)ビタミンD類:ビタミンD1、D2、D3、D4およびD5
(iii)ビタミンE類:α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール
(iv)ビタミンK類:ビタミンK1、K2、K3およびK4
(v)葉酸(ビタミンM)
(vi)ビタミンB類:ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6およびビタミンB12
(vii)ビオチン(ビタミンH)など。
(46)ビタミン誘導体
ビタミンの各種誘導体、例えば、アスコルビン酸、5,6−トランス−コレカルシフェロール、2,5−ヒドロキシコレカルシフェロール、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロールなどのビタミンD3誘導体、5,6−トランス−エルゴカルシフェロール等のビタミンD2誘導体など。
(47)抗アレルギー薬
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、メトジラミン、クレミゾール、ジフェニルピラリン、メトキシフェナミン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノクス、イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジン、アセラスチン、エピナスチン、塩酸オザグレル、プランルカスト水和物、セラトロダストなど。
(48)抗喘息薬
塩酸イソプレナリン、硫酸サルブタモール、塩酸プロカテロール、硫酸テルブタリン、塩酸トリメトキノール、塩酸ツロブテロール、硫酸オルシプレナリン、臭化水素酸フェノテロール、塩酸エフェドリン、臭化イプロトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、テオフィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノン、イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジン、アゼラスチン、エピナスチン、塩酸オザグレル、プランルカスト水和物、セラトロダスト、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチアオン、プロピオン酸ベクロペタゾンなど。
(49)アトピー性皮膚炎治療薬
クロモグリク酸ナトリウムなど。
(50)アレルギー性鼻炎治療薬
クロモグリク酸ナトリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸アリメマジン、フマル酸クレマスチン、塩酸ホモクロルシクリジン、テルフェナジン、メキタジンなど。
(51)頻尿・尿失禁治療薬
塩酸フラボキサートなど。
(52)抗セプシス薬
rBPI-21(バクテリシダルパーミアビリティ インクリージング プロテイン)、BI-51017(アンチトロンビンIII)、SC-59735(rTFPI)、r-PAFアセチルヒドラーゼ、LY-203638(r-活性化プロテインC)、抗TNF−α抗体、抗CD14抗体、CytoFab、アルカリフォスファターゼ(LPS不活性化薬)等のペプチド性化合物、JTE-607、E-5531、E-5564、S-5920、FR-167653、ONO-1714、ONO-5046(sivelestat)、GW-273629、RWJ-67657、GR-270773、NOX-100、GR-270773、NOX-100、INO-1001(細胞障害抑制薬)等の非ペプチド性化合物など。
(53)その他
ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、ニセロゴリン、プロスタグランジン類など。
化合物Aと他の薬物とを併用した場合、次のような効果を有する。
(1)化合物Aや併用薬物を単独投与した場合よりも、これらの投与量を軽減することができる。
(2)相乗的な治療効果が得られる。
(3)菌感染などの疾患に伴い発症する種々の疾患に対して、広く治療効果を発揮する。(4)化合物Aの副作用を軽減できる。
併用に際しては、化合物Aと併用薬物の投与時期は限定されず、化合物Aまたはその医薬組成物(例えば後述の医薬組成物など、好ましくは後述の乳化組成物Aなど)と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
併用の投与形態は、特に限定されず、投与時に、化合物Aと併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)化合物Aまたはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)化合物Aまたはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)化合物Aまたはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)化合物Aまたはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)化合物Aまたはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、化合物Aまたはその医薬組成物;併用薬物またはその医薬組成物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
本発明の併用剤における化合物Aと併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における化合物Aの含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし99.8重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし99.8重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.98重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度である。
また、化合物Aおよび併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
化合物Aをヒトに投与する場合、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤などと混合し、経口投与製剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤など)、非経口投与製剤(例、注射剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮投与製剤など))、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)などの医薬組成物として経口的または非経口的に安全に投与することができる。
これらの製剤は、例えば、製剤の製造において通常一般に用いられる自体公知の方法を適用することにより製造することができる。製剤中の化合物Aの配合割合は、その形態によっても異なるが、例えば前記した経口投与製剤においては約10ないし約95重量%が好ましく、例えば前記した非経口投与製剤では約0.001ないし約95重量%が好ましい。
例えば注射剤は、化合物Aを可溶化剤(例、β−シクロデキストリン類など)、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO60(日光ケミカルズ製)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例,メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖など)などとともに常法に従って水性注射剤にすることもでき、あるいは植物油(例、オリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実油、コーン油など)、プロピレングリコールなどに、適宜溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形することもできる。
経口投与製剤は、化合物Aに、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000など)などを適宜添加して圧縮成形し、次いで必要に応じて、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のための自体公知の方法でのコーティングなどを施すことにより製造することもできる。コーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、プルロニック F68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギッド(ローム社製、西ドイツ、メタアクリル酸、アクリル酸共重合)、色素(例、酸化チタン、ベンガラなど)などが適宜用いられる。
化合物Aは、固状、半固状あるいは液状の外用剤としても用いることができる。
例えば、固状の外用剤は、化合物Aをそのまま、あるいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを添加、混合し、粉状の組成物とすることにより製造されることもできる。半固状の外用剤は、常法に従って製造し、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏剤として用いることが好ましい。液状の外用剤は、注射剤の製造に用いる手段あるいはそれに準じた手段により、油性あるいは水性の懸濁剤とすることにより製造されることもできる。
また、固状、半固状または液状の外用剤に、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを適宜加えてもよい。具体的には、例えばワセリン、ラノリンなどを基剤として、1gあたり化合物Aを通常約0.1乃至約100mg含有する軟膏剤として、用いることもできる。
化合物Aは、油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることもできる。坐剤を製造する際の油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセライド(例、カカオ脂、ウィテップゾール類(ダイナマイトノーベル社製)など)、中級脂肪酸(例、ミグリオール酸(ダイナマイトノーベル社製)など)、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが適宜用いられる。また水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレングリコールなどが用いられ、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが適宜用いられる。
本発明においては、化合物A(特に、参考例B66の化合物72(エチル(6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート)またはその塩あるいはそのプロドラッグ)を、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5(好ましくは約3.7〜約5.0、より好ましくは約4.0〜約5.0)に調整された乳化組成物(以下、乳化組成物Aと略記する)として使用するのが好ましい。
乳化組成物Aによれば、化合物Aを、乳化剤などを含んで構成された組成物の成分として有効に使用できる。
化合物Aは油相の中に液体状態または固体状態で存在していてもよく、乳化組成物Aは一般に水中油型(O/W型)またはS/O/W型の乳化組成物とすることができ、水中油型(O/W型)が好ましい。
乳化組成物Aは、例えば、緩衝剤、油成分、乳化剤、水およびその混合物などの成分を用いて製造することができ、具体的には、例えば、油成分、乳化剤、および化合物Aを含む分散相粒子と、この分散相粒子が分散された緩衝剤を含む水とで構成されているものが挙げられる。分散相粒子とは、互いに混ざり合わない2つの液体のうちの一方が、他方に微粒子として存在する分散相である。
ここに、一般に化合物A(特に、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグ)は酸性領域で安定な化合物である。
尚、本明細書において酸性領域で安定な化合物とは、pH約6を超える中性あるいは塩基性の領域では化合物の分解、類縁体の発生などが生じやすい一方で、酸性領域(pH約6以下)では上述した化合物の分解、類縁体の発生などが少なく、化合物の安定性が高い一群の化合物を総称する。より具体的には、酸性領域で安定な化合物とは、酸性領域の当該化合物と、中性あるいは塩基性領域の当該化合物を、同一の保存条件(温度、湿度、期間等)に保管後に、化合物の品質を調査し、酸性領域で化合物の分解や類縁体の発生がより少ない化合物をいう。
油成分としては、製薬技術分野における脂肪乳剤の調製に通常用いられる製薬上許容され得る全ての油脂類が使用可能である。油脂類としては、例えば、植物油、植物油の部分水素添加油、エステル交換反応で得られる油脂(単酸基グリセライド(simple glyceride)又は混酸基グリセライド(mixed glyceride))、および中鎖脂肪酸グリセリンエステルなどが挙げられ、植物油などが好ましい。
前記油脂類には、炭素数6〜30程度(好ましくは6〜22程度)の脂肪酸のグリセリンエステルが含まれる。前記脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタン酸、ドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸が例示される。
植物油のうち好ましい油成分には、例えば、大豆油、綿実油、ナタネ油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、米ヌカ油、コーン胚芽油、ヒマワリ油、ケシ油、オリーブ油などの植物油などが含まれる。これらの植物油のうち大豆油などが好ましく用いられる。
また、油脂類として、炭素数6〜14程度(好ましくは8〜12程度)の中鎖脂肪酸のトリグリセライドも使用可能である。好ましい中鎖脂肪酸グリセリンエステルには、例えば、「ミグリオール810」、「ミグリオール812」(ともにヒュルス(Huls)社製、ミツバ貿易(株)から入手できる)などのカプリル酸/カプリン酸トリグリセライド(Caprylic/Capric triglycerides)、例えば、「パナセート800」(日本油脂(株)製)などのカプリル酸トリグリセライド(グリセリントリカプリル酸エステル)などが含まれる。
乳化組成物Aにおける油成分の使用量は、組成物全体に対して、例えば、約1〜約30重量%、好ましくは約2〜約25重量%、さらに好ましくは約2.5〜約22.5重量%程度である。
前記乳化剤としては、製薬上許容されるいずれの乳化剤をも使用することができる。特に、製薬上許容されるリン脂質および非イオン性界面活性剤、なかでもリン脂質が好適である。乳化剤は、それぞれ単独で又は二種以上の混合物として使用できる。
リン脂質には、例えば、天然で得られるリン脂質(例えば、卵黄レシチン、大豆レシチンなど)、これらの水素添加生成物、又は合成的に得られるリン脂質(例えば、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン類、フォスファチジン酸、フォスファチジルセリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルグリセロールなど)などが含まれる。これらのリン脂質のうち、卵黄レシチン、大豆レシチン、卵黄および大豆由来のフォスファチジルコリン、フォスファチジルグリセロールが好ましく、卵黄レシチン、フォスファチジルグリセロール(中でも、後述のジミリストイルフォスファチジルグリセロールが好ましい)が特に好ましい。特に好ましいリン脂質はレシチンである。さらに合成リン脂質の中では、アニオン性リン脂質が好ましく、アニオン性合成リン脂質としては、具体的には、ジミリストイルフォスファチジルグリセロール、ジパルミトイルフォスファチジルグリセロール、ジステアロイルフォスファチジルグリセロール、ジオレオイルフォスファチジルグリセロール、オレオイルパルミトイルフォスファチジルグリセロール、ジオクタノイルフォスファチジン酸、ジデカノイルフォスファチジン酸、ジラウロイルフォスファチジン酸、ジミリストイルフォスファチジン酸、ジパルミトイルフォスファチジン酸、ジヘプタデカノイルフォスファチジン酸、ジステアロイルフォスファチジン酸、ジオレオイルフォスファチジン酸、アラキドニルステアロイルフォスファチジン酸、ジパルミトイルフォスファチジルセリン、ジオレオイルフォスファチジルセリン、ジミリストイルフォスファチジルイノシトール、ジパルミトイルフォスファチジルイノシトール、ジステアロイルフォスファチジルイノシトール、ジオレオイルフォスファチジルイノシトール、ジミリストイルフォスファチジルセリン、ジステアロイルフォスファチジルセリンなどのアニオン性合成リン脂質が用いられ、特にジミリストイルフォスファチジルグリセロールが好適である。
これらアニオン性合成リン脂質は、自体公知の方法を用いて化学合成することもできるし、精製により得ることもできる。
非イオン性界面活性剤としては、分子量800〜20000程度の高分子界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、硬化ヒマシ油ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートなどが挙げられる。
リン脂質および非イオン性界面活性剤の乳化剤は、それぞれ単独で又は二種以上の混合物として使用できる。また、市販されているリン脂質を使用しても良い。
乳化組成物Aにおける乳化剤の総使用量は、組成物全体に対して、通常約0.1〜約10%(W/V)、好ましくは約0.2〜約7%(W/V)、さらに好ましくは約0.5〜約5%(W/V)程度である。このうちアニオン性合成リン脂質は、組成物全体に対して約0.0001〜約5%(W/V)程度である。
乳化組成物Aにおいて、油成分に対する乳化剤の割合は、例えば、約0.1〜約150重量%、好ましくは約0.5〜約125重量%、さらに好ましくは約1〜約100重量%程度である。乳化剤は、油成分に対して、通常約1〜約15重量%、特に約1〜約10重量%程度使用される場合が多い。
本発明の乳化組成物Aで使用される水は、医薬品として許容されるものであれば、特に制限はなく、例えば精製水、注射用水(注射用蒸留水)などが挙げられる。医薬品以外を製する場合は、特に制限はない。
乳化組成物Aにおける水の使用量は、組成物全体に対して、通常約40〜約99%(W/V)、好ましくは約55〜約98.8%(W/V)程度である。
乳化組成物Aは、化合物A(主薬)、油成分および乳化剤からなる分散相成分を、水と混合して乳化することにより調製でき、緩衝剤は乳化前に水相に添加してもよく、乳化後に乳化組成物に添加してもよい。必要に応じて、前記主薬の安定性を向上させるための安定化剤、浸透圧を調整するための等張化剤、乳化力を向上させるための乳化補助剤、乳化剤の安定性を向上させるための乳化安定剤などの添加剤を添加してもよい。
安定化剤としては、例えば、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、トコフェロール、ソルビン酸、レチノールなど)、キレート剤(例えば、エデト酸、クエン酸、酒石酸など、およびその塩)などが挙げられる。安定化剤の使用量は、乳化組成物A全体に対して、通常約0.00001〜約10%(W/V)、好ましくは約0.0001〜約5%(W/V)程度である。
等張化剤には、例えば、グリセリン、糖アルコール、単糖類、二糖類、アミノ酸、デキストラン、アルブミンなどが含まれる。これらの等張化剤は一種又は二種以上混合して使用できる。
乳化補助剤としては、例えば、炭素数6〜30程度の脂肪酸、これら脂肪酸の塩、前記脂肪酸のモノグリセリドなどが挙げられる。前記脂肪酸には、例えば、カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタン酸、ドコサヘキサエン酸などが含まれ、脂肪酸の塩には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などが含まれる。
乳化安定剤としては、例えば、コレステロール、コレステロールエステル、トコフェロール、アルブミン、脂肪酸アミド誘導体、多糖類、多糖類の脂肪酸エステルの誘導体などが使用できる。
乳化組成物Aにおける化合物Aの濃度は、化合物の薬理活性又は血中動態により異なるが、通常、約0.001〜約5%(W/V)、好ましくは約0.01〜約2%(W/V)、さらに好ましくは約0.1〜約1.5%(W/V)程度である。また、乳化組成物Aにおける化合物Aの含有量を組成物100ml中、約1〜約5000mg、好ましくは約10〜約2000mg、好ましくは約100〜約1500mgに設定することもできる。また、化合物Aの含有量を組成物全体に対して、約0.001〜約95重量%、好ましくは約0.01〜約30重量%、さらに好ましくは約0.1〜約3重量%に調製することもできる。
また、油成分と乳化剤とで構成された分散相に対する化合物Aの割合(重量%)は、通常、約0.0047〜約24%、好ましくは約0.047〜約9.4%程度である。
乳化組成物Aは、pHが約3.7〜約5.5、好ましくは約3.7〜約5.0、より好ましくは約4.0〜約5.0に調整されているのが好ましい。
pHの調整剤としては、例えば、リン酸、炭酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなどが用いられるが、特に塩酸、水酸化ナトリウムなどが好ましい。
前記緩衝剤としては、製薬上許容されるいずれの緩衝剤も使用することができる。例えば、酢酸、氷酢酸、乳酸、クエン酸、リン酸、炭酸、ヒスチジン、グリシン、バルビタール、フタル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、グルタミン酸、安息香酸、アスパラギン酸およびその塩(例、カリウム、ナトリウムなど)、具体的には酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸1水素2ナトリウム、リン酸2水素1ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、さらに塩酸や水酸化ナトリウムなどを構成成分とする緩衝剤が好ましい。また、それぞれの緩衝剤を組み合わせて使用しても良い。特に、酢酸緩衝剤、氷酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤より選ばれる1または2以上の緩衝剤を使用することが好ましい。
緩衝剤としては、(i)酢酸または氷酢酸と酢酸ナトリウムの組合せ(酢酸緩衝剤または氷酢酸緩衝剤)、または(ii)乳酸と乳酸ナトリウムの組合せ(乳酸緩衝剤)を成分として含有するものなどが好ましく、特に酢酸と酢酸ナトリウムを成分として含有するものが好ましく用いられる。
なお、本明細書において「酢酸」には氷酢酸が含まれ、「酢酸緩衝剤」には氷酢酸緩衝剤が含まれる。
緩衝剤の濃度は、約100mM以下が好ましく、具体的には約0.1mM〜約100mM、好ましくは約0.2mM〜約50mM、より好ましくは約5mM〜約40mMである。
pH調整剤とは、溶液のpHを目標とするpHに調整するために、添加する酸あるいはアルカリの化合物である。
一般的に注射剤に配合するpH調整剤の配合量は、微量であり、日本で市販されている脂肪乳剤中のpH調整剤としての水酸化ナトリウムの配合量は約0.5mM以下が多い。溶液の調整時に目的としたpHに調整可能であるが、酸あるいはアルカリの追加により溶液のpHが変化し易く、pHを維持することは困難である。
緩衝剤とは、酸あるいはアルカリを添加した場合のpHの変化を緩める作用、すなわち緩衝作用を有している化合物である。多くの場合、弱酸とその塩、または弱塩基とその塩の混合溶液である。
乳化組成物Aでは、緩衝剤を配合することにより、遊離脂肪酸の発生に影響を受けず、高圧蒸気滅菌時、長期間保存時に、乳化組成物のpHを一定に維持することが可能である。
一般的な注射剤に使用される緩衝剤の配合量は、緩衝作用を目的とするため多く、例えば、日本で市販されている溶液注射剤中の酢酸緩衝剤の配合量は、約0.2mM〜約100mM程度である。
乳化組成物Aは、例えば、注射用組成物として使用するのが好ましい。
乳化組成物Aは、基本的には公知の方法又はそれに準じる方法に従って製造できる。特に、乳化には、慣用の乳化技術が利用できるが、化合物Aを予め油成分に溶解乃至分散させておくのが好ましい。すなわち、油成分と乳化剤とを含む分散相(1)と、化合物A(2)との混合液を、水中に分散することにより、O/W型またはS/O/W型乳剤で構成された組成物を製造できる。緩衝剤の添加は、乳化前に水相に加えても、乳化後に乳剤に加えても製造できる。
さらに好ましい方法には、例えば、主薬、油成分、乳化剤、必要によっては等張化剤などの添加剤を含む混合液と、緩衝剤を含む水との不均質混合液を、乳化機を用いて均質化処理して粗乳化液を調製し、必要に応じて水を添加し、更に上記乳化機を用いて均質化処理した後、フィルターなどの濾過手段で大粒子を除去することにより、水中油型組成物を調製する方法が含まれる。前記混合液は、加温、例えば、約30〜約90℃、好ましくは約40〜約80℃程度の温度に加温して主薬を溶解又は分散する場合が多い。また、前記混合液と水との不均質混合液を乳化するための乳化機としては、慣用の装置、例えば、加圧噴射型ホモジナイザー、超音波ホモジナイザーなどのホモジナイザー、高速回転型ミキサーなどのホモミキサーなどが使用できる。粒子径が約5μm以上の大粒子を除去するため、均質化処理した乳化液は、フィルターなどの濾過手段に供する場合が多い。
具体的には、例えば、油成分として大豆油、乳化剤としてリン脂質、水(特に、精製水)、等張化剤などとして用いられるグリセリンなどを用いて、上記の方法により好適に乳化組成物Aを製造することができるが、これに限定されない。
乳化組成物Aにおいて、化合物Aが溶解した分散相の粒度分布は、例えば、約0.01〜約7μm、好ましくは約0.02〜約5μm程度である場合が多い。さらに、エマルジョンの安定性および投与後の生体内分布の観点から、化合物Aが溶解した分散相粒子の平均粒子径は、好ましくは約0.025〜約0.7μm、さらに好ましくは約0.05〜約0.4μm程度である。
本明細書において使用される平均粒子径とは、体積分布に基づく平均粒子径を意味し、分散相粒子をレーザー回折・錯乱法を測定原理としてレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した平均粒子径である。
乳化組成物Aは、自体公知の方法を用いて、パイロゲンを除去することができる。
乳化組成物Aは、必要に応じて、窒素ガス置換した後、滅菌、密封される。
乳化組成物Aは緩衝剤を加えてpHを約3.7〜約5.5(好ましくは約3.7〜約5.0、より好ましくは約4.0〜約5.0)に調整させているので、オートクレーブ等で滅菌した後も、また長期間保存した後も、組成物のpHや分散相粒子の平均粒子径がほとんど変化せず安定であり、化合物Aおよび乳化組成物Aの安定性が優れている。また、乳化組成物Aは、オートクレーブ等で滅菌した後も、また長期間保存した後も、可視的に認められる遊離の油滴は生じず、分散相粒子とこの分散相粒子が分散された水とが相分離せず安定である。
さらに、乳化組成物Aは、化合物Aの濃度を高めることができるとともに、分散相粒子の粒子径を制御することにより、血液での滞留性、血管透過性および炎症部位に対する移行性を高めることができる。そのため、化合物Aの体内動態・体内分布を改善できるとともに、標的化が可能になり、より有効で副作用が抑制された薬物の投与が可能となる。従って、乳化組成物Aは、特に、静脈内投与により対象疾患を治療する上で有用である。
化合物Aの投与量は、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間などにより異なるが、例えば、冠動脈バイパス手術前または術後の患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、化合物Aとして1日約0.01ないし約1000mg/kg、好ましくは約0.01ないし約100mg/kg、より好ましくは約0.1ないし約100mg/kg、とりわけ約0.1ないし約50mg/kgを、なかでも約1.5ないし約30mg/kgを1日1回から数回に分けて経口または非経口投与される。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
特に、化合物Aとして、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(参考例B66の化合物72)またはその塩あるいはそのプロドラッグを用いる場合は、後述する単回投与、反復投与、持続点滴または単回投与と持続点滴との組み合わせで使用するのが好ましい。
本発明の併用剤の投与量は、化合物の種類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間などにより異なるが、例えば、冠動脈バイパス手術前または術後の患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、化合物Aおよび併用薬物として、それぞれ1日約0.01ないし約1000mg/kg、好ましくは約0.01ないし約100mg/kg、より好ましくは約0.1ないし約100mg/kg、とりわけ約0.1ないし約50mg/kgを、なかでも約1.5ないし約30mg/kgを1日1回から数回に分けて静脈投与される。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、同時期に投与してもよいが、併用薬物を先に投与した後、化合物Aを投与してもよいし、化合物Aを先に投与し、その後で併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に化合物Aを投与する方法が挙げられる。化合物Aを先に投与する場合、化合物Aを投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
さらに、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(参考例B66の化合物72)またはその塩あるいはそのプロドラッグ(以下、包括的に化合物Bと略記する)を用いて、心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックおよび冠動脈バイパス手術後の合併症を予防・治療する際の化合物Bの投与方法としては、以下のものが好ましい。
化合物Bを用いる場合の医薬組成物としては、前記した乳化組成物Aが好ましい。
1.単回投与
哺乳動物(例えば、ネコ、ウシ、イヌ、ウマ、ヤギ、サル、ヒトなど)に対して、化合物Bを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分、好ましくは約15分〜約120分投与する。
好ましくは、哺乳動物に対して、化合物Bを
(i)約0.2mg/kg体重〜約1.2mg/kg体重の割合で、約15分〜240分、好ましくは約15分〜60分、特に好ましくは約30分投与するか、あるいは、
(ii)約0.2mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重(好ましくは、約1.2mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重)の割合で、約60分〜240分、好ましくは約60分〜120分、特に好ましくは約90分投与する。
特に好ましくは、哺乳動物に対して、化合物Bを約0.2mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重、好ましくは約0.6mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重、より好ましくは約0.9mg/kg体重〜約1.2mg/kg体重、特に好ましくは約1.2mg/kg体重の割合で、約30分〜90分投与する。
2.反復投与
化合物Bを1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重、好ましくは約0.2mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重、より好ましくは約0.6mg/kg体重〜約1.2mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、好ましくは約15分〜約120分、より好ましくは約15分〜約90分、一日1回〜6回、好ましくは一日1回〜4回、より好ましくは一日2〜4回を1日〜1ヶ月、好ましくは1〜7日間、より好ましくは4〜6日間、特に好ましくは5日間投与する。
より好ましくは、哺乳動物に対して、化合物Bを1回あたり約0.6mg/kg体重〜約1.2mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、好ましくは約15分〜約120分、より好ましくは約15分〜約90分、一日2回〜4回を1日〜1ヶ月、好ましくは1〜7日間、より好ましくは4〜6日間、特に好ましくは5日間投与する。
さらに好ましくは、
(1)哺乳動物に対して、化合物Bを1回あたり約0.6mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約120分、より好ましくは約15分〜約90分、一日2回を1〜7日間、より好ましくは4〜6日間、特に好ましくは5日間投与する。
(2)哺乳動物に対して、化合物Bを1回あたり約0.9mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約120分、より好ましくは約15分〜約90分、一日2〜4回を1〜7日間、より好ましくは4〜6日間、特に好ましくは5日間投与する。
(3)哺乳動物に対して、化合物Bを1回あたり約1.2mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約120分、より好ましくは約15分〜約90分、一日2〜4回を1〜7日間、より好ましくは4〜6日間、特に好ましくは5日間投与する。
3.持続点滴
哺乳動物に対して、化合物Bを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間、好ましくは約0.05mg/kg体重/時間〜約0.15mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、好ましくは約1時間〜約168時間、より好ましくは約1時間〜約96時間、持続点滴する。
特に好ましくは、哺乳動物に対して、化合物Bを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で約1時間〜約96時間、好ましくは約54時間〜約96時間、持続投与する。
4.単回投与と持続点滴との組み合わせ
上記した単回投与を行った後、上記した持続点滴を行う。
具体的には、哺乳動物(例えば、ネコ、ウシ、イヌ、ウマ、ヤギ、サル、ヒトなど)に対して、化合物Bを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分、好ましくは約15分〜約120分投与した後(以上、単回投与)、次いで、化合物Bを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間、好ましくは約0.05mg/kg体重/時間〜約0.15mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、好ましくは約1時間〜約168時間、より好ましくは約1時間〜約96時間、持続点滴する。
より好ましくは、哺乳動物に対して、
(i)約0.2mg/kg体重〜約1.2mg/kg体重の割合で、約15分〜240分、好ましくは約15分〜60分、特に好ましくは約30分投与するか、あるいは、
(ii)約0.2mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重(好ましくは、約1.2mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重)の割合で、約60分〜240分、好ましくは約60分〜120分、特に好ましくは約90分投与した後(以上、単回投与)、
次いで、化合物Bを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で約1時間〜約96時間、好ましくは約54時間〜約96時間、持続投与する。
特に好ましくは、哺乳動物に対して、化合物Bを約0.2mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重、好ましくは約0.6mg/kg体重〜約1.8mg/kg体重、より好ましくは約0.9mg/kg体重〜約1.2mg/kg体重、特に好ましくは約1.2mg/kg体重の割合で、約30分〜90分投与した後(以上、単回投与)、次いで、化合物Bを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で約1時間〜約96時間、好ましくは約54時間〜約96時間、持続投与する。
上記した投与方法の中でも、単回投与と持続点滴との組み合わせが好ましい。すなわち、上記した特定の投与量および投与時間での単回投与により初期効果を向上させることができ、さらに上記した特定の投与量および投与時間での持続点滴により効果の持続と副作用の発現の軽減ができる。
化合物Bを投与する場合、前記した化合物Aを含有する製剤と同様にして、上記投与方法に適した製剤に調製して使用することができる。
また、化合物Bは前記と同様に、他の薬物と併用して使用することができる。
以下、参考例、実施例および試験例を記載し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1H−NMRスペクトルは、内部基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンジェミニ200(200MHz)型スペクトルメーターで測定し、全δ値をppm で示した。混合溶媒において( )内に示した数値は、各溶媒の容量混合比である。%は、特記しない限り重量パーセントを意味する。またシリカゲルクロマトグラフィーにおける溶媒の比は、混合する溶媒の容量比を示す。
高極性ジアステレオマーとは、同一条件下(例えば、溶媒として酢酸エチル/ヘキサンなどを用いることができる)で、順相薄層クロマトグラフィーのRf値を比較した場合にRf値が小さいほうのジアステレオマーを意味し、低極性ジアステレオマーとはRf値が大きいほうのジアステレオマーを意味する。
融点は柳本社製融点測定装置を用いて測定した。粉末X線結晶回折のデータは線源としてCu−Kα1線を用い、RINT2500型(理学電気(株))を用いて測定した。
実施例中の各記号は次のような意味を有する。
s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:クワルテット、dd:ダブルダブレット、tt:トリプルトリプレット、m:マルチプレット、br:幅広い、J:カップリング定数
以下の参考例AはWO99/46242の参考例に、参考例BはWO99/46242の実施例に、参考例CはWO01/10826の参考例に、参考例DはWO01/10826の実施例に従って製造できる。
〔参考例A〕
参考例A1 エチル 2-スルホ-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例A2 エチル 2-クロロスルホニル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例A3 エチル 2-クロロスルホニル-1-シクロペンテン-1-カルボキシラート
参考例A4 エチル 2-クロロスルホニル-1-シクロヘプテン-1-カルボキシラート
参考例A5 6-[N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボン酸 ナトリウム塩
参考例A6 1-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール
参考例A7 1-(4-アミノ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール
参考例A8 4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-クロロ安息香酸 メチルエステル
参考例A9 4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-クロロ安息香酸
参考例A10 tert-ブチルN-(4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-クロロベンゾイル)グリシナート
参考例A11 tert-ブチルN-(4-アミノ-3-クロロベンゾイル)グリシナート
参考例A12 6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボン酸
参考例A13 エチル 2-メルカプト-5-フェニル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例A14 エチル 2-クロロスルホニル-5-フェニル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例A15 エチル 5-tert-ブチル-2-メルカプト-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例A16 エチル 5-tert-ブチル-2-クロロスルホニル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例A17 エチル 5,5-ジメチル-2-メルカプト-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例A18 エチル 2-クロロスルホニル-5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
〔参考例B〕
参考例B1 エチル6-[N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物1)
参考例B2 エチル6-[N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチルスルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物2)
参考例B3 エチル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物3)
参考例B4 エチル6-[N-(2,6-ジイソプロピルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物4)
参考例B5 エチル6-[N-(4-ニトロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物5)
参考例B6 エチル6-(N-フェニルスルファモイル)-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物6)
エチル 2-(N-フェニルスルファモイル)-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物7)
参考例B7 エチル2-[N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物9)
参考例B8 2-(4-メトキシフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン 1,1−ジオキシド(化合物67)
エチル 2-[N-(4-メトキシフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物8)
参考例B9 エチル 6-[N-(2-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物10)
参考例B10 エチル6-[N-(3-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物11)
参考例B11 2−(4−フルオロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン 1,1−ジオキシド(化合物68)
エチル 6-[N-(4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物12)
エチル 2-[N-(4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物18)
参考例B12 エチル6-[N-(2,6-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物13)
参考例B13 エチル6-[N-(2,3-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物14)
参考例B14 エチル6-[N-(2,5-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物15)
参考例B15 エチル6-[N-(3,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物16)
参考例B16 エチル6-[N-(3,5-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物17)
参考例B17 l-エチル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物19)
d-エチル 6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物20)
参考例B18 エチル6-[N-(2-エトキシカルボニルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物21)
参考例B19 メチル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物22)
参考例B20 プロピル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物23)
参考例B21 メチル6-[N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物24)
参考例B22 イソプロピル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物25)
参考例B23 エチル6-[N-(2-メトキシカルボニルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物26)
参考例B24 エチル6-[N-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物27)
参考例B25 エチル6-[N-(2-クロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物28)
参考例B26 エチル6-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物29)
参考例B27 エチル6-[N-(4-クロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物 30)
参考例B28 エチル6-[N-(2,3,4-トリフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物31)
参考例B29 イソブチル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物32)
参考例B30 ブチル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物33)
参考例B31 エチル6-[N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物34)
参考例B32 エチル6-[N-(2,4-ジクロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物35)
参考例B33 エチル6-[N-(2-アセトキシフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物36)
参考例B34 エチル6-[N-(3-クロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物37)
参考例B35 エチル6-[N-(2,3-ジクロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物38)
参考例B36 エチル6-[N-(2-エチルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物39)
参考例B37 エチル6-[N-[4-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェニル]スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物40)
参考例B38 エチル6-[N-(2,5-ジクロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物41)
参考例B39 エチル6-[N-(2-トリフルオロメトキシフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物42)
参考例B40 エチル6-[N-(2,4,5-トリフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物43)
参考例B41 エチル6-[N-[4-(2H-テトラゾール-2-イル)フェニル]スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物44)
参考例B42 エチル6-[N-(2-クロロ-4-メチルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物45)
参考例B43 エチル6-[N-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物46)
参考例B44 エチル6-[N-(2,6-ジクロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物47)
参考例B45 エチル6-[N-[4-(1H-テトラゾール-1-イル)フェニル]スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物48)
参考例B46 エチル6-[N-(4-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物49)
参考例B47 エチル6-[N-(2-トリフルオロメチルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物50)
参考例B48 エチル6-[N-(4-メトキシカルボニルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物51)
参考例B49 ベンジル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物52)
参考例B50 エチル6-[N-[4-[2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニル)グアニジノメチル]フェニル]スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物53)
参考例B51 エチル6-[N-(2-クロロ-4-メトキシカルボニルフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物54)
参考例B52 エチル6-[N-(2-クロロ-4-シアノフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物55)
参考例B53 2-ヒドロキシエチル6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物56)
参考例B54 エチル6-[N-[2-フルオロ-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニル]スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物57)
参考例B55 エチル2-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロペンテン-1-カルボキシラート(化合物66)
エチル 5-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロペンテン-1-カルボキシラート(化合物58)
参考例B56 tert-ブチル[6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-イル]カルボニルオキシアセタート(化合物59)
参考例B57 [6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-イル]カルボニルオキシ酢酸(化合物60)
参考例B58 エチル7-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘプテン-1-カルボキシラート(化合物61)
参考例B59 エチル6-[N-[2-クロロ-4-(N-tert-ブトキシカルボニルメチルカルバモイル)フェニル]スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物62)
参考例B60 エチル6-[N-[2-クロロ-4-(N-エトキシカルボニルメチルカルバモイル)フェニル]スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物63)
参考例B61 エチル5-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロペンテン-1-カルボキシラート(化合物64)
参考例B62 2-[4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド (化合物69)
参考例B63 エチル7-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘプテン-1-カルボキシラート(化合物65)
参考例B64 2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5,6,7,7a-テトラヒドロ-1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド(化合物70)
参考例B65 エチル6-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物29)
参考例B66 エチル(6S)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(l-エチル6-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート)(化合物71)
エチル(6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(d-エチル 6-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート)(化合物72)
参考例B67 エチル 6-[N-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物73)
参考例B68 エチル 6-[N-(4-ブロモ-2-クロロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物74)
参考例B69 エチル 6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-3-フェニル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートの高極性ジアステレオマー(化合物75)および低極性ジアステレオマー(化合物76)
参考例B70 エチル 6-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-3-フェニル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートの高極性ジアステレオマー(化合物77)および低極性ジアステレオマー(化合物78)
参考例B71 エチル 6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-3-tert-ブチル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートの高極性ジアステレオマー (化合物79)および低極性ジアステレオマー (化合物80)
参考例B72 エチル 6-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-3-tert-ブチル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートの高極性ジアステレオマー (化合物81)および低極性ジアステレオマー (化合物82)
参考例B73 エチル 6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-3,3-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物83)
参考例B74 エチル 6-[N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-3,3-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物84)
参考例B75 エチル 3-ブロモ-6-[N-(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート (化合物85)
化合物1〜85の化学構造式を表1〜表12に示す。
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
〔参考例C〕
参考例C1 エチル 6-(ベンジルスルファニル)-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例C2 エチル 6-[(4-メトキシベンジル)スルファニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例C3 エチル 6-[(2,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例C4 エチル 6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルファニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート
参考例C5 エチル 5-ヒドロキシ-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート
参考例C6 エチル 5-スルファニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート
参考例C7 4-(エトキシカルボニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-スルホン酸
参考例C8 エチル 5-(クロロスルホニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート
〔参考例D〕
参考例D1 エチル 6-(ベンジルスルホニル)-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物1')
参考例D2 エチル 6-[(4-メトキシベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物2')
参考例D3 エチル 6-[(2,4-ジフルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物3')
参考例D4 エチル 6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物4')
参考例D5 エチル (-)-6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物5')
エチル (+)-6-[(2-クロロ-4-フルオロベンジル)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラート(化合物6')
参考例D6 エチル 3-[(2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート(化合物7')
参考例D7 エチル 3-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)スルファモイル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシラート(化合物8')
化合物1'〜8'の化学構造式を表13、表14に示す。
Figure 2007132825

Figure 2007132825

実施例1
Figure 2007132825
大豆油220gに化合物72を11g溶解し、卵黄レシチン13.2gおよびジミリストイルフォスファチジルグリセロール2.2gを溶解した。グリセリン24.7gを蒸留水に溶解し、最終濃度が酢酸11.2mM、酢酸ナトリウム8.8mMとなるように酢酸緩衝剤を混合溶解した。これらを混合し、粗乳化後、高圧ホモジュナイザーを用いて8000psiの圧力で、精乳化した。得られた乳化組成物を、20mL用バイアルに20mL充填後、窒素置換し、ゴム栓およびプラスチックキャップで密栓し、121℃以上で15分間以上オートクレーブ滅菌処理し、上記処方1の組成を有する乳化組成物を得た。
次に、対照として、大豆油340gに化合物72を17g溶解し、卵黄レシチン20.4gおよびジミリストイルフォスファチジルグリセロール3.4gを溶解した。グリセリン38.25gを蒸留水に溶解した。これらを混合し、粗乳化後、高圧ホモジュナイザーを用いて8000psiの圧力で、精乳化した。得られた乳化組成物を、20mL用バイアルに20mL充填後、窒素置換し、ゴム栓およびプラスチックキャップで密栓し、121℃以上で15分間以上オートクレーブ滅菌処理し、上記対照処方2の組成を有する乳化組成物を得た。
実施例2
実施例1で得られた処方1及び対照処方2の乳化組成物を、25℃に保存し、経時的に、性状、pH、平均粒子径を測定した。粒子径は、Malvern Mastersizer Sで測定した。その結果を、表16に示す。
酢酸緩衝剤を含む処方1では、滅菌前後でpHが変化せず、25℃での長期保存においても、pHがほとんど変化せず、処方1は性状、pH、平均粒子径とも安定であった。対照処方2では、滅菌前後でpHが、4.6から4.0に低下し、さらに25℃で3箇月の保存により、pHが3.6に低下した。pHの低下により、乳化組成物の不安定化が起こり、25℃で6箇月の保存により、分散相粒子と、分散相粒子が分散した水が、相分離を起こしたため性状が不適となり、平均粒子径が0.8μmに増加した。このように化合物72含有の乳化組成物に、酢酸緩衝剤を配合することにより、滅菌時のpH低下、長期保存時のpH低下を改善することが可能となった。
Figure 2007132825
実施例3
Figure 2007132825
大豆油12kgに化合物72を600g溶解し、精製卵黄レシチン720gおよびジミリストイルフォスファチジルグリセロール120gを50〜60℃で溶解した。蒸留水20kgにグリセリン1350gを溶解し、氷酢酸40.35g、酢酸ナトリウム・3水和物71.85gを50〜60℃で混合溶解した。これらを混合し、ホモジュナイザーポリトロンを用いて5分間粗乳化した。次に、高圧ホモジュナイザーを用いて8000psiの圧力、8パスで精乳化した。化合物72の溶解および乳化は、窒素気流下で実施した。得られた乳化組成物をポアサイズ4.5μmのメンブレンフィルターでろ過し、20mL用バイアルに20mL充填後、窒素置換し、ゴム栓およびプラスチックキャップで密栓した。これを121℃以上で15分間以上オートクレーブ滅菌処理し、上記組成を有する乳化組成物処方3を得た。
次に、対照として、大豆油12kgに化合物72を600g溶解し、精製卵黄レシチン720gおよびジミリストイルフォスファチジルグリセロール120gを50〜60℃で溶解した。蒸留水35kgにグリセリン1350gを50〜60℃で混合溶解した。これらを混合し、ホモジュナイザーポリトロンを用いて5分間粗乳化した。
次に、高圧ホモジュナイザーを用いて8000psiの圧力、8パスで精乳化した。化合物72の溶解および乳化は、窒素気流下で実施した。得られた乳化組成物をポアサイズ5μmのメンブレンフィルターでろ過し、20mL用バイアルに20mL充填後、窒素置換し、ゴム栓およびプラスチックキャップで密栓した。これを121℃以上で15分間以上オートクレーブ滅菌処理し、上記組成を有する乳化組成物の対照処方4を得た。
実施例4
実施例3で得られた処方3及び対照処方4の乳化組成物を、25℃に保存し、経時的に、性状、pH、平均粒子径を測定した。処方3の平均粒子径は、Malvern Mastersizer 2000、対照処方4はMalvern Mastersizer Sで測定した。
その結果を、表18に示す。酢酸緩衝剤を含む処方3では、乳化滅菌前後でpHが一定で、25℃で18箇月、さらに25℃で24箇月の長期保存後もpHが低下せず、性状および平均粒子径も変化はなく、非常に安定であった。
対照処方4では、25℃で3箇月保存後に、pHが低下し、25℃で6箇月保存後には乳化組成物表面に遊離の油滴を認めたため性状が不適となり、平均粒子径も3.6μmに増加した。したがって、このように化合物72含有の乳化組成物に、20mMの酢酸緩衝剤を配合することにより、乳化組成物の調製時、滅菌時、長期保存時にpHが低下しない乳化組成物を得ることができた。これにより、著しく安定な乳化組成物を調製することが可能となった。
Figure 2007132825
実施例5
化合物72、大豆油、卵黄レシチン、グリセリン、ジミリストイルフォスファチジルグリセロール、蒸留水を対照処方2と同一比率で含み、さらに種々の緩衝剤を含んでいる全量25mLの処方を調製するため、グリセリンと蒸留水からなる水相に、種々の濃度の緩衝剤を加えて溶解した。それぞれの緩衝剤の組成は、酢酸緩衝剤は酢酸と酢酸ナトリウム、乳酸緩衝剤は乳酸と乳酸ナトリウム、クエン酸緩衝剤はクエン酸とクエン酸ナトリウム、リン酸−クエン酸緩衝剤はリン酸1水素2ナトリウムとクエン酸、リン酸緩衝剤はリン酸2水素1ナトリウムとリン酸1水素2ナトリウム、炭酸緩衝剤は炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムからなり、表19−22に記載の濃度で配合した。次に、大豆油に、化合物72、卵黄レシチンおよびジミリストイルフォスファチジルグリセロールを溶解した。これらを混合し、ホモジュナイザーで粗乳化後、ソニケーターで乳化組成物を調製した。得られた乳化組成物をポアサイズ5μmのメンブレンフィルターでろ過し、20mL用バイアルに20mL充填後、窒素置換し、ゴム栓およびプラスチックキャップで密栓し、121℃以上で15分間以上オートクレーブ滅菌処理し、種々の緩衝剤を配合する乳化組成物を得た。各乳化組成物のpHを、オートクレーブ処理前および実施後で調査した。
その結果を表19〜22に示す。化合物72を配合する乳化組成物は、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸−クエン酸緩衝剤を5mMから32mMで配合することにより、高圧蒸気滅菌処理によりpHがほとんど変化しないpH4〜5の乳化組成物が得られた。
また、緩衝液を配合して乳化組成物のpHを6に調整した場合は、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤を使用した際でも、高圧蒸気滅菌処理によりpHが著しく低下した。炭酸緩衝剤では、高圧蒸気滅菌前においてpHが約7に変動した。
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
Figure 2007132825
比較例1
化合物72、大豆油、卵黄レシチン、グリセリン、ジミリストイルフォスファチジルグリセロール、蒸留水を対照処方2と同一比率で含み、さらにpH調整剤として水酸化ナトリウムを種々の濃度で含んでいる全量25mLの処方を調製するため、グリセリンと蒸留水からなる水相に、水酸化ナトリウムの最終濃度が0、0.5、0.75、1、1.5、2.0mMとなるようにそれぞれ溶解した。次に、大豆油に、化合物72、卵黄レシチンおよびジミリストイルフォスファチジルグリセロールを溶解した。これらを混合し、ホモジュナイザーで粗乳化後、ソニケーターで乳化組成物を調製した。得られた乳化組成物をポアサイズ5μmのメンブレンフィルターでろ過し、20mL用バイアルに20mL充填後、窒素置換し、ゴム栓およびプラスチックキャップで密栓し、121℃以上で15分間以上オートクレーブ滅菌処理し、pH調整剤として種々の濃度の水酸化ナトリウムを配合する乳化組成物を得た。各乳化組成物のpHを、オートクレーブ処理前および実施後で調査した。
その結果を表23に示す。化合物72を配合する乳化組成物は、無配合を含め、全ての濃度の水酸化ナトリウムを配合した場合に、滅菌後に著しいpHの低下を示した。
Figure 2007132825
本出願は、日本で出願された特願2006−135883を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
本発明がその好ましい態様を参照して提示又は記載される一方、本明細書中において、添付の請求の範囲で包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態や詳細の様々な変更をなし得ることは当業者に理解されるであろう。本明細書中に示され又は参照されたすべての特許、特許公報及びその他の刊行物は、参照によりその全体が取り込まれる。

Claims (23)

  1. 式(I):
    Figure 2007132825

    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
    環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
    Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は、式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
    式(II):
    Figure 2007132825

    [式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
    Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
    Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    sは0乃至2の整数を示し、
    tは1乃至3の整数を示し、
    sとtの和は4以下である;
    ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤。
  2. 式(I):
    Figure 2007132825

    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
    環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
    Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は、式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
    式(II):
    Figure 2007132825

    [式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
    Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    sは0乃至2の整数を示し、
    tは1乃至3の整数を示し、
    sとtの和は4以下である;
    ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる冠動脈バイパス手術患者用の心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療剤。
  3. 式(I)が、式(Ia):
    Figure 2007132825

    [式中、R1aはC1-6アルキル基を、R2aは水素原子またはC1-6アルキル基を、Arは1または2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示す。]であり、式(II)が、式(IIa):
    Figure 2007132825

    [式中、R1a’’はC1-6アルキル基を、Xはメチレン基または酸素原子を、Yはメチレン基または−NH−を、Ara’はハロゲン原子およびC1-6アルコキシ基からなる群より選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいフェニル基を示す。ただし、Xがメチレン基の場合、Yはメチレン基を示す。]である請求項1または2記載の剤。
  4. 抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、抗凝血薬、細胞障害抑制薬および抗セプシス薬からなる群より選ばれる少なくとも1種の薬物を組み合わせて使用する請求項1または2記載の剤。
  5. 哺乳動物に対して、式(I):
    Figure 2007132825

    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
    環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
    Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は、式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
    式(II):
    Figure 2007132825

    [式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
    Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
    Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    sは0乃至2の整数を示し、
    tは1乃至3の整数を示し、
    sとtの和は4以下である;
    ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法。
  6. 冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するための、式(I):
    Figure 2007132825

    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
    環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
    Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は、式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
    式(II):
    Figure 2007132825

    [式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
    Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
    Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    sは0乃至2の整数を示し、
    tは1乃至3の整数を示し、
    sとtの和は4以下である;
    ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの使用。
  7. 冠動脈バイパス手術患者に対して、式(I):
    Figure 2007132825

    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
    環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
    Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は、式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
    式(II):
    Figure 2007132825

    [式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
    Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
    Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    sは0乃至2の整数を示し、
    tは1乃至3の整数を示し、
    sとtの和は4以下である;
    ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療方法。
  8. 冠動脈バイパス手術患者用の心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシスまたはセプティックショックの予防・治療剤を製造するための、式(I):
    Figure 2007132825

    [式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1(式中、R1は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1bおよびR1cは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    0は水素原子または脂肪族炭化水素基を示すか、あるいはRとR0とは結合して結合手を形成し、
    環A1は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR11(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいシクロアルケンを示し、
    Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は、式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    nは1〜4の整数を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグ、または、
    式(II):
    Figure 2007132825

    [式中、R1'は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、式:−OR1a'(式中、R1a'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基または式:
    Figure 2007132825

    (式中、R1b'およびR1c'は同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基を示し、
    Xはメチレン基、NH、硫黄原子または酸素原子を示し、
    Yは置換基を有していてもよいメチレン基または置換基を有していてもよいNHを示し、環A’は(1)置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、(3)式:−OR2'(式中、R2'は水素原子または置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基および(4)ハロゲン原子からなる群より選ばれる1乃至4個の置換基を有していてもよい5ないし8員環を示し、
    Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、
    式:
    Figure 2007132825

    で表される基は式:
    Figure 2007132825

    で表される基を示し、
    sは0乃至2の整数を示し、
    tは1乃至3の整数を示し、
    sとtの和は4以下である;
    ただし、Xがメチレン基の場合、Yは置換基を有していてもよいメチレン基を示す。]で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの使用。
  9. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤。
  10. 哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法。
  11. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用。
  12. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、一日1回〜6回を1日〜1ヶ月投与するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤。
  13. 哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、一日1回〜6回を1日〜1ヶ月投与することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法。
  14. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、1回あたり約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、1回あたり約15分〜約240分、一日1回〜6回を1日〜1ヶ月投与するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用。
  15. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤。
  16. 哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法。
  17. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用。
  18. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与した後、次いで、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤。
  19. 哺乳動物に対して、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与した後、次いで、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴することを特徴とする心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療方法。
  20. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.2mg/kg体重〜約2.4mg/kg体重の割合で、約15分〜約240分投与した後、次いで、エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを約0.01mg/kg体重/時間〜約0.3mg/kg体重/時間の割合で、約1時間〜約1ヶ月、持続点滴するように調製された心疾患、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、炎症性疾患、セプシス、重症セプシス、セプティックショックまたは冠動脈バイパス手術後の合併症の予防・治療剤を製造するためのエチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグの使用。
  21. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5に調整された乳化組成物として使用する請求項9、12、15または18記載の剤。
  22. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5に調整された乳化組成物として使用する請求項10、13、16または19記載の方法。
  23. エチル (6R)-6-[(2-クロロ-4-フルオロアニリノ)スルホニル]-1-シクロヘキセン-1-カルボキシラートまたはその塩あるいはそのプロドラッグを、当該化合物および緩衝剤を含有するpHが約3.7〜約5.5に調整された乳化組成物として使用する請求項11、14、17または20記載の使用。
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