JPWO2007063619A1 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、回路規模を大きくすることなく、高精度の弾性率測定が可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。演算部3は、送受信部2からの信号を用いて、生体組織の運動速度、あるいは、移動変位、および、歪変化量を演算する。周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、および、移動変位の周波数解析を行う。応力歪および弾性波分離部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、心臓の拍動に起因する血圧変化による動脈壁の歪が発生する周波数成分、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズの周波数成分を分離する。弾性率演算部6は、演算部3で得られた生体組織の運動の演算結果などに基づき、生体組織の弾性率を演算する。

Description

本発明は、超音波を用いて、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置に関する。
生体内組織の性状を識別・同定する手段の一つとして、生体内組織を構成する弾性繊維、膠原線維、脂肪や血栓などによって、弾性率に相違があることを利用して、生体組織の識別・同定を行う手法が知られており、特許文献1に示すような、生体内組織に応力を加えたときの歪を計測し、応力と歪の関係から圧縮弾性率を求める手法、また、特許文献2、非特許文献1、非特許文献2、あるいは、非特許文献3に示されているように、生体組織内を伝搬する弾性波の伝搬特性を求め、伝搬特性から機械的なインピーダンス、あるいは、弾性率を求める手法が知られている。
また、複数の関心点、あるいは、関心領域のいずれかの運動速度、あるいは、移動変位にノイズが含まれると、演算される弾性率にもノイズの影響が現れるため、例えば、特許文献3、特許文献4、あるいは、特許文献5に示されているように、対象となる信号にノイズがあった場合に、ノイズを除去し、ノイズが発生した時刻の前後の時刻の値で補間する、あるいは、理想的な信号を予め用意し、近似する手法が知られている。
特開平10−5226号公報 特開昭62−172946号公報 特開平11−151242号公報 特開2000−201932号公報 特開2003−275211号公報 H.L.Oestreicher,「Field and Impedance of an Oscillating Sphere in a Viscoelastic Medium with an Application to Biophysics」, The Journal of the Acoustical Society of America, Vol.23, No.6, 1951. Y.Yamakoshi,J.Sato,T.Sato,「Ultrasonic Imaging of Internal Vibration of Soft Tissue under Forced Vibration」,IEEE Trans. UFFC, Vol.37, No.2, 1990. K.Sunagawa,H.Kanai,Y.Koiwa,M.Tanaka,「Time−Frequency Analysis of Vibration Propagation from Intima to Adventitia of Arterial Wall」, 2002 IEEE Ultrasonics Symposium Proceedings, Vol.2, 2002.
生体内組織に応力を加えたときの歪から弾性率いわゆる圧縮弾性率を求める手法は、例えば、動脈壁の圧縮弾性率を求める場合、特許文献1に示されているように、超音波診断装置による歪計測の手段と、血圧計による応力計測の手段の、複数の計測手段を必要し、複数の計測手段による計測できる部位が限られており、特に血圧計を適用できる生体の部位は上腕などに限定され、応力と歪の計測部位は同じ部位である必要があるため、超音波による歪計測を行う部位が、血圧計が適用できる部位に限定される。
また、特許文献2に示されているように、生体組織内を伝搬する弾性波の伝搬特性を伝達関数によって求め、伝搬特性から弾性率いわゆるずり弾性率を求める手法では、動脈壁や心筋壁などの部位では、心臓の拍動に起因する歪を伴う周期的な運動が存在するため、加振器などを用いて生体組織内に発生させた弾性波による運動との分離ができない場合がある。
特許文献3、4に示されているように、対象となる信号に関して、ノイズを判別する場合、予め比較のための理想的な信号を用意する手法は、被検体によって生体組織の運動状態が異なり、さらに、同一の被検体においても生体組織の状態が刻々と変化することから、膨大な理想的な信号を用意する必要があり、回路規模が大きくなってしまう。
また、生体組織の応力に対する生体組織の運動と、弾性波伝搬による運動の双方を用いて弾性率を求める場合、生体組織の応力に対する生体組織の運動と、弾性波伝搬による運動を併せた理想的な信号を用意する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、回路規模を大きくすることなく、高精度の弾性率測定が可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
一般的に、生体組織のような弾性体の運動の性質は、弾性体の弾性率、粘性率、密度、形状などに依存する。また、弾性体の運動としては、例えば、動脈壁のように血圧変化に伴う歪の発生、生体内部、あるいは、生体外部の加振源からの振動の伝搬(いわゆる弾性波の発生)などがある。例えば、動脈壁の場合、血圧変化に起因する歪を伴う運動と、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動が同時に存在する。
図4(a)は、動脈壁内膜および外壁の運動速度のパワースペクトルを示す模式図であり、図4(b)は、両パワースペクトルのパワー差を示す模式図である。
図4(a)に示すように、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルは、主に心臓の拍動に伴う直流から数十Hzの周波数帯域で最もパワーが大きくなり、周波数の増加に伴い、パワーは減少する性質を持っている。また、動脈壁振動の血圧変化による振動は動脈壁の歪を伴い、動脈壁内膜と外膜との間では振動成分の振幅に差が生じる。この血圧変化による動脈壁の歪を伴う運動の周波数成分は、直流から約数十Hzまでの周波数帯域であることが知られている。図4において、血圧変化による動脈壁の振動の周波数成分は、周波数帯域Aで示される。
動脈内腔に血液が流れることに起因する振動は、血圧変化による動脈壁の歪を伴う運動と比較して、振幅が微小であり、十数Hzから約百Hzまでの周波数帯域である。図4において、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分は、周波数帯域Bで示される。
この動脈壁内膜に発生した微小振動成分は、動脈壁内膜から外膜に向かって、ずり弾性波となって伝搬する。その減衰量αは周波数fの関数となることが知られており、位相量βも変化する。この減衰量α、位相量βと生体組織の弾性特性との間には関連性があり、生体組織内のずり弾性波の減衰量αと、位相量βは、ずり弾性率μ1、ずり粘性率μ2、生体組織の密度ρ、角周波数ωから(式1)で求められる(非特許文献1、非特許文献2)。
Figure 2007063619
ここで、角周波数ωは、周波数fを角度の次元にしたものであり、ω=2πfで求められる。πは円周率である。
また、生体組織のずり弾性率μ1とずり粘性率μ2は、生体組織内のずり弾性波の減衰量αと、位相量βから、(式2)で求められる(非特許文献1、非特許文献2)。
Figure 2007063619
ずり弾性波は、周波数の増加に伴い、減衰量αが増加するため、図4(b)に示すように、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルの差が、周波数の増加に伴って増加する(周波数帯域B参照)。
このずり弾性波の減衰量αが、周波数の増加に伴って、増加することを利用して、減衰量αから生体組織のずり弾性率μ1とずり粘性率μ2を近似的に求めることができる。
すなわち、(式1)の減衰量αの式の両辺を二乗すると、(式3)のようになり、ωμ2>>μ1となる周波数帯域においては、(式4)で近似できる。
Figure 2007063619
ここで、生体組織の密度ρ、ずり弾性率μ1、ずり粘性率μ2が周波数によらずに一定と仮定すると、(式4)は、(式5)に示すようなωに関する一次関数で表すことができる。
Figure 2007063619
そして、傾きA、及び切片Bを利用して、ずり弾性率μ1、ずり粘性率μ2を(式6)で求めることができる(非特許文献3参照)。
Figure 2007063619
図7に、一般的な生体組織の密度(ρ=1.1×103kg)、ずり弾性率(μ1=2.5kPa)、ずり粘性率(μ2= 15Pa・s)の場合のずり弾性波の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す。
図7からわかるように、生体組織では約50Hz以上の周波数帯域でずり弾性波減衰の周波数特性を一次関数で近似することが可能であり、本手法を用いることにより、ずり弾性波の減衰量のみの周波数特性から、生体組織のずり弾性率とずり粘性率を推定することが可能となる。
一方、ωμ2<<μ1となる周波数帯域においては、弾性波の減衰量の二乗値は、(式7)で表され、(式7)から(式4)に遷移する変曲点の角周波数ω0は、(式8)で表される。
Figure 2007063619
また、一般的なノイズである白色雑音の周波数スペクトルは、周波数に無関係に一定であり、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルが、ノイズレベルに近づくと、図4(b)に示すように、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルの差が、周波数の増加に伴って減少する。図4(b)において、主にノイズ成分である周波数成分は、周波数帯域Cで示される。
図4(b)に示すように、二つの関心点の間の、運動速度のパワースペクトルの差には、周波数帯域Aと周波数帯域Bの境界、および、周波数帯域Bと周波数帯域Cの境界で、変曲点が存在するので、この変曲点を求めることにより、A、B、およびCの周波数帯域を分離することが可能となる。変曲点は、パワースペクトルの差を微分し、ピークの発生した周波数を検出することで求めることができる。なお、ピーク検出において、予めあるレベルの閾値を設定しておいてもよい。
また、この二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差は、周波数帯域Aでは傾きがほとんど無く、周波数帯域Bでは傾きが負、周波数帯域Cでは傾きが正となることから、二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差の、周波数に対する傾きを求め、傾きの変化する周波数を検出することにより周波数帯域、A、B、およびCを分離することが可能となる。
なお、本説明では、動脈壁の運動速度を例に説明したが、動脈壁の運動速度の時間積分である動脈壁の移動変位においても、同様の周波数特性の結果が得られる。
本発明の超音波診断装置は、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、前記運動速度、または、前記移動変位に基づいて、前記生体組織の歪変化量を演算する歪変化量演算部と、前記生体組織に加わる応力変化量を検出する応力変化量検出部と、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の少なくとも一つについて、前記生体組織運動の応力変化による生体組織の運動に基づいた応力歪成分と生体組織内を伝搬する弾性波伝搬特性に基づく弾性波成分を分離する応力歪および弾性波分離部と、前記歪変化量、および、前記応力変化量に基づいて、応力変化による生体組織の運動に基づいた圧縮弾性率を演算するとともに、前記弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算する弾性率演算部と、を備えるものである。
本発明の超音波診断装置は、前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部が、前記生体組織内に設定した複数の関心点、あるいは、関心領域について、前記運動速度、移動変位、歪変化量の空間分布を求める機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部が、前記運動速度、移動変位、歪変化量の、空間的な平均値を求める機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記周波数解析部が、前記生体組織内の少なくとも二つ以上の関心点の間の、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、伝達関数の周波数特性を演算する機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記周波数解析部が、前記生体組織内の少なくとも二つ以上の関心点の間の、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値を演算し、さらに、前記パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値の周波数に対する傾きを演算する機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記応力歪および弾性波分離部が、前記パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値の周波数に対する傾きに基づき、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の前記応力歪成分と前記弾性波成分を分離し、さらに、ノイズ成分の除去を行うものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記応力歪および弾性波分離部が、帯域通過フィルタ、および/あるいは、帯域制限フィルタによって構成されているものを含む。
本発明の超音波診断装置は、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、前記生体組織運動の応力変化による生体組織の運動に基づいた応力歪成分と生体組織内を伝搬する弾性波伝搬特性に基づく弾性波成分を分離する応力歪および弾性波分離部と、前記弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算する弾性率演算部と、を備えるものである。
本発明の超音波診断装置は、さらに、前記弾性部の演算結果に基づく情報を表示する表示部を備えるものを含む。
本発明によれば、回路規模を大きくすることなく、高精度の弾性率測定が可能な超音波診断装置を提供することができる。また、本発明によれば、ずり弾性率、および、ずり粘性率計測を同時に実施することができ、例えば、ほぼ同じ圧縮弾性率、および、ずり弾性率である血栓と脂肪の識別のように、より詳細な生体組織の識別・同定を実現することができる。
本発明の実施の形態の超音波診断装置のブロック図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の演算部の構成を示すブロック図 超音波プローブで超音波を送受信し動脈壁の移動変位を計測し歪変化を演算する様子を示す模式図 動脈壁内膜および外壁の運動速度のパワースペクトルと、両パワースペクトルのパワー差を示す模式図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の応力歪および弾性波分離部を構成するフィルタのフィルタ特性の一例を示す図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の弾性率演算部の構成を示すブロック図 一般的な生体組織の一例のずり弾性波の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す図 28歳健常者男性の頸動脈壁の後壁内膜側から外膜側への振動伝搬の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す図
符号の説明
1 超音波プローブ
2 送受信部
3 演算部
4 周波数解析部
5 補正部
6 弾性率演算部
7 表示部
31 運動速度演算部
32 移動変位演算部
33 歪変化量演算部
61 圧縮弾性率演算部
62 ずり弾性率演算部
104 制御部
105 記憶部
106 応力検出部
201 生体組織表面
202 動脈
301 超音波ビーム
401a 動脈壁内膜の移動変位波形
401b 動脈壁外膜の移動変位波形
402 動脈壁の歪変化波形
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の超音波診断装置のブロック図である。図1の超音波診断装置20は、超音波プローブ1を用いて生体の形状特性または性状特性を測定するものであり、特に、生体組織の弾性率を測定するのに好適に用いられる。ここで、生体の形状特性とは、生体組織の形状、または、形状の時間変化による生体組織の運動速度やその積分値である移動変位、生体組織内に設定した2点間の歪変化量などをいう。生体の性状特性は、生体組織の弾性率などをいう。超音波診断装置20は、送受信部2、演算部3、周波数解析部4、応力歪および弾性波分離部5、弾性率演算部6、表示部7、制御部104、および、記憶部105を備えている。
超音波プローブ1は、測定対象である生体組織へ超音波を送信し、送信した超音波が生体組織において反射することにより得られる超音波エコーを受信するために用いられる。送受信部2は、超音波プローブ1を駆動する所定の駆動パルス信号を生成して超音波プローブ1に出力するとともに、超音波プローブ1で受信した超音波エコーを遅延合成する。
演算部3は、送受信部2で遅延合成した信号を用いて、生体組織の運動速度、あるいは、移動変位、および、歪変化量を演算する。周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、および、移動変位の周波数解析を行う。
応力歪および弾性波分離部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、心臓の拍動に起因する血圧変化による動脈壁の歪が発生する周波数成分、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズの周波数成分を分離する。弾性率演算部6は、演算部3で得られた生体組織の運動の演算結果などに基づき、生体組織の弾性率を演算する。表示部7は、弾性率演算部6で演算された生体組織の弾性特性を表示する。
制御部104は、送受信部2、演算部3、周波数解析部4、応力歪および弾性波分離部5、弾性率演算部6、および、表示部7の制御を行う。制御部104による制御のための各種情報は、記憶部105に記憶される。
応力検出部106は、生体組織内の関心点、あるいは、関心領域に加わる応力を検出する。図3に示した測定例のように、動脈壁に加わる応力を計測する場合は、血圧計が好適である。また、生体組織表面から応力を加える場合は、生体組織表面上に圧力センサを設置してもよい。
超音波診断装置20を利用して、生体組織の一例である動脈壁の形状特性、または、性状特性を測定する場合、図3に示すように、超音波プローブ1で超音波を送受信し動脈壁の移動変位を計測し歪変化を演算する。図3には、動脈壁の内膜と外膜に関心点を設定し、心拍動に伴う移動変位、および、歪を計測する様子、および、動脈壁内膜と外膜の移動変位と、動脈壁の歪量変化の模式図が示されている。
具体的には、生体組織表面201に設置された、超音波プローブ1から、生体組織内の動脈202に、超音波が送信され、動脈202で生じた超音波エコーが、超音波プローブ1で受信される。これら送信される超音波と受信される超音波は、超音波ビーム301を形成する。超音波ビーム301上に位置する動脈壁の内膜と外膜に関心点を設定した場合、演算部3で内膜の移動変位波形401aと外膜の移動変位波形401bの差を求め、心拍動による血圧変化に伴う動脈壁の歪変化量402を求めることができる。
図2は、演算部3のブロック図である。演算部3は、周波数解析部4、および、応力歪および弾性波分離部5に接続されており、運動速度演算部31、あるいは、移動変位演算部32のいずれか、および、歪変化量演算部33を備えている。
運動速度演算部31は、送受信部2を介して、生体組織内から得られた超音波エコーを利用して、生体組織内に設定した関心点、あるいは、関心領域の運動速度を求めるものである。運動速度演算部31における各関心点、あるいは、各関心領域の運動速度の検出は、一般的に用いられているFFTドップラー法、自己相関法など、どの手法を用いてもよく、移動変位演算部32で得られた移動変位を微分することによって求めてもよい。なお、関心点、あるいは、関心領域は、少なくとも2箇所設定されるので、運動速度の空間分布を求めることができる。また、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の運動速度を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。
移動変位演算部32は、送受信部2を介して生体組織内から得られた超音波エコーを利用して、生体組織内に設定した関心点、あるいは、関心領域の移動変位を求めるものである。移動変位演算部32における各関心点、あるいは、各関心領域の移動変位の検出は、一般的に用いられているFFTドップラー法、自己相関法など、どの手法を用いてもよく、運動速度演算部31で得られた運動速度を積分することによって求めてもよい。なお、関心点、あるいは、関心領域は、少なくとも2箇所設定されるので、移動変位の空間分布を求めることができる。また、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の移動変位を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。
歪変化量演算部33は、運動速度演算部31から得られた、超音波ビーム301上に設定した少なくとも2つ以上の関心点、または、関心領域の運動速度の差を積分することにより、あるいは、移動変位演算部32から得られた、超音波ビーム301上に設定した少なくとも2つ以上の関心点、または、関心領域の移動変位を利用することにより、歪変化量を求める。歪変化量演算部33における歪変化量の算出は、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の歪変化量を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。また、空間分布を求めてもよい。
周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、および、移動変位の周波数解析を行う。周波数解析部4は、生体組織の運動速度、および、移動変位等の生体信号の周波数スペクトルを求める周波数解析演算機能を備えている。
以下、図4を用いて、周波数解析部4の動作について説明する。
周波数解析部4は、動脈壁の内膜から外膜にかけての、少なくとも二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差を演算する。そして、前述したパワースペクトルの差の性質に基づき、図4に示すように、周波数帯域Aの、心臓の拍動に起因する血圧変化により動脈壁の歪が発生する周波数成分、周波数帯域Bの、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、周波数帯域Cの、ノイズの周波数成分に分離する。
具体的には、周波数解析部4は、パワースペクトルの差の周波数帯域Aと周波数帯域Bの境界の変曲点、および、周波数帯域Bと周波数帯域Cの境界の変曲点を求めることにより、A、B、およびCの周波数帯域に分離する。図4に示すように、二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差は、周波数帯域Aでは、傾きがほとんど無く、周波数帯域Bでは、傾きが負、周波数帯域Cでは、傾きが正となる。したがって、周波数解析部4は、二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差の、周波数に対する傾きを求めることにより、周波数帯域A、B、Cを分離することができる。すなわち、直流から周波数が高くなる方向の周波数軸において、傾きが負に変化する変曲点を周波数帯域AとBの境界と判断して、直流からこの変曲点までを周波数帯域Aとし、続けて傾きが負から正に変化する変曲点を周波数帯域BとCの境界と判断して、周波数帯域AとBの変曲点から周波数帯域BとCの変曲点までを周波数帯域Bとし、周波数帯域BとCの変曲点から高い周波数帯域を周波数帯域Cと判断する。
なお、この変曲点は、パワースペクトルの差を微分し、ピークの発生した周波数を検出することでも求めることができる。この場合、周波数帯域AとBの境界は負のピーク、周波数帯域BとCの境界は正のピークを検出することで求められる。
応力歪および弾性波分離部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、心臓の拍動に起因する血圧変化による動脈壁の歪が発生する周波数成分、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズの周波数成分を分離するものである。応力歪および弾性波分離部5は、フィルタによって構成されており、フィルタの定数は、主に周波数解析部4で判定された結果で自動的に設定される。
図5にフィルタ特性の一例を示す。図5(a)は、心臓の拍動に起因する血圧変化により動脈壁の歪が発生する周波数成分を分離するためのものであり、図5(b)は、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分を分離するためのものである。
なお、フィルタの定数は、操作者が任意に設定できるようにするのでもよく、さらに、予め複数のフィルタ定数を設定しておき、操作者が選択できるような構成にしておくことも好適である。
また、応力歪および弾性波分離部5において、生体組織の運動速度、および、移動変位にフィルタ処理を実施する場合、対象としている心周期より以前の心周期の周波数解析部4の判定結果を用いてフィルタ特性を決定する。このように、対象としている心周期のデータに対しフィルタ処理を実施する手法は、演算の遅れ時間が少ないので、リアルタイム処理にフィルタ処理時間が短時間で可能となるため好適である。
さらに、応力歪および弾性波分離部5において、対象としている心周期の、周波数解析部4の判定結果を用いて、当該心周期の生体組織の運動速度、および、移動変位にフィルタ処理を実施する手法は、演算に必要とされるデータ量が少ないので、診断が短時間で行えるリアルタイムに最適なフィルタ処理が可能となるため好適である。
図6は、弾性率演算部6のブロック図である。弾性率演算部6は、演算部3で得られた生体組織の運動の演算結果から、生体組織の弾性率を演算するものであり、圧縮弾性率演算部61、および、ずり弾性率演算部62を備えている。
圧縮弾性率演算部61は、心臓の拍動による動脈壁の歪が発生する周波数成分を用いて、生体組織内に設定した少なくとも2つ以上の関心点、あるいは、関心領域の歪変化量を同時刻の応力変化量で除算し、圧縮弾性率を求めるものである。一般的な生体組織の圧縮弾性率は、最大の歪変化量と最大の応力変化量から演算され、動脈壁の場合は、一心周期中の歪変化量と脈圧値(最大血圧−最小血圧)から計算される。なお、歪変化量は、歪変化量演算部33で求め、応力歪および弾性波分離部5で動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズ成分を除去したものである。また、応力変化量は、応力検出部106で検出され、応力歪および弾性波分離部5で、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズ成分を除去したものである。
ずり弾性率演算部62は、動脈内腔に血液が流れることによって発生した微小振動が、動脈壁内膜から外膜に向かって伝搬するずり弾性波の周波数成分を用いて、動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの間の伝達関数H(k)を求め、伝達関数H(k)の利得特性と位相特性から、ずり弾性率μ1、および/あるいは、ずり粘性率μ2を求める。伝達関数H(k)は、クロススペクトル法を用い、(式9)で計算できる。
Figure 2007063619
ここで、Xi(k)は入力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁内膜の移動変位401aの周波数スペクトル、Yi(k)は出力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁外膜の移動変位401bのスペクトルである。また、iはM個の心周期の中のi番目の心周期を示し、iは1・・・i・・・Mの値をとる。kは離散的周波数、*は複素共役、Eは心周期間の平均操作を意味する。
伝達関数H(k)は複素数であり、減衰(利得)特性α、および、位相特性βは、それぞれ伝達関数H(k)のkにexp(jω)を代入し、実部成分Re{H(jω)}、および、虚部成分Im{H(jω)}を求め、絶対値|H(jω)|と、角度∠H(jω)を(式10)、および、(式11)を用いて演算することで求められる。
Figure 2007063619
さらに、ずり弾性率演算部62は、(式9)から(式11)を用いて求めた伝達関数H(k)の利得特性から求められた減衰量αと、位相量βから、前述した(式2)を用いてずり弾性率μ1、および/あるいは、ずり粘性率μ2を求める。
以上のように、ずり弾性率演算部62では、伝達関数H(k)から求めた減衰量αと、位相量βから、ずり弾性率μ1、および/あるいは、ずり粘性率μ2を求めるため、ある任意の周波数(単周波数)の振動の計測のみで、生体組織の粘弾性を把握することが可能となる。
表示部7は、弾性率演算部6の弾性率演算結果に基づく情報、すなわち、弾性率演算部6で得られた生体組織の弾性特性を表示する。弾性率の表示は、一般的な超音波診断装置の表示機能であるBモード断層画像が示す生***置に対応させて表示するのが好ましい。その際、弾性率は数値で表示しても表示色を値に応じて変化させて表示してもよい。また、弾性率を示す情報は、Bモード断層画像と重畳させて表示してもよいし、別の画像として表示してもよい。超音波ビームを走査して、複数の関心点、あるいは、関心領域の弾性率が求められる場合は、Bモード断層画像上に、弾性率をカラー換算し、重畳させて表示させることも好適である。なお、表示させる弾性率は、心臓の拍動による動脈壁の歪から求められた圧縮弾性率と、動脈壁内膜から外膜に向かって伝搬するずり弾性波の伝搬特性によって求められたずり弾性率、および、ずり粘性率のいずれか一方とを重ねて表示してもよいし、ずり弾性率、および、ずり粘性率のいずれか一方のみを表示させてもよい。
以上の説明では、ずり弾性率演算部62でずり弾性率μ1、および/あるいは、ずり粘性率μ2を求めるに際して、伝達関数H(k)から求めた減衰量αと、位相量βを用いたが、減衰量αのみを用いて求めることも可能である。この演算は、ずり弾性波の減衰量αの二乗値がωμ2>>μ1となる周波数帯域において、(式3)から(式6)に示したような、一次関数に近似できることを利用するものである。
ずり弾性率演算部62は、動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの間の組織の振動速度のパワースペクトルの差から、ずり弾性波の減衰量αの二乗値の周波数に基づく一次直線を推定し、前述した(式5)および(式6)を用いて、ずり弾性率μ1、および/あるいは、ずり粘性率μ2を求める。このように、生体組織のずり弾性率μ1、および、ずり粘性率μ2の推定を、減衰量αのみを用いて行う場合、演算量を少なくてすることができる。
なお、ずり弾性波の減衰量αは、第一の実施例と同様に(式10)に示した伝達関数H(k)の絶対値の二乗値から求めてもよい。また、パワースペクトルの差、あるいは、伝達関数H(k)から、前記一次直線を求める場合、最小二乗法を用いるのが好適である。
図8に、28歳健常者男性の頸動脈壁の後壁内膜側から外膜側への(主にずり弾性波伝搬が主因である)振動伝搬の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す。図8から、約30〜100Hzの周波数帯域で、振動伝搬の減衰量の二乗値が、周波数の増加に伴って、線形的に増加していることがわかる。
図8に示した結果から、近似直線を求め、(式4)に基づき、ずり弾性率μ1とずり粘性率μ2を求めた結果は、μ1=22kPa、μ2=156Pa・sとなる。なお、(式7)から(式4)に遷移する変曲点の角周波数ω0は、ずり弾性率μ1とずり粘性率μ2の比から、23Hz付近に存在していることがわかる。
以上説明した超音波診断装置では、心臓の拍動による動脈壁の歪と応力変化から求める圧縮弾性率と、弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算したが、圧縮弾性率は演算せずに、ずり弾性率およびずり粘性率のいずれか一方のみを演算してもよい。その場合、図1に示した応力検出部106、図2に示した歪変化量演算部33、図6に示した圧縮弾性率演算部は、不要である。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2005年11月30日出願の日本特許出願(特願2005−345772)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明は、生体組織の形状特性または性状特性を測定する超音波診断装置に好適に用いられる。特に、動脈などの生体組織の弾性率を測定することによって生体組織の診断を行うことのできる超音波診断装置に好適に用いられる。
本発明は、超音波を用いて、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置に関する。
生体内組織の性状を識別・同定する手段の一つとして、生体内組織を構成する弾性繊維、膠原線維、脂肪や血栓などによって、弾性率に相違があることを利用して、生体組織の識別・同定を行う手法が知られており、特許文献1に示すような、生体内組織に応力を加えたときの歪を計測し、応力と歪の関係から圧縮弾性率を求める手法、また、特許文献2、非特許文献1、非特許文献2、あるいは、非特許文献3に示されているように、生体組織内を伝搬する弾性波の伝搬特性を求め、伝搬特性から機械的なインピーダンス、あるいは、弾性率を求める手法が知られている。
また、複数の関心点、あるいは、関心領域のいずれかの運動速度、あるいは、移動変位にノイズが含まれると、演算される弾性率にもノイズの影響が現れるため、例えば、特許文献3、特許文献4、あるいは、特許文献5に示されているように、対象となる信号にノイズがあった場合に、ノイズを除去し、ノイズが発生した時刻の前後の時刻の値で補間する、あるいは、理想的な信号を予め用意し、近似する手法が知られている。
特開平10−5226号公報 特開昭62−172946号公報 特開平11−151242号公報 特開2000−201932号公報 特開2003−275211号公報 H.L.Oestreicher,「Field and Impedance of an Oscillating Sphere in a Viscoelastic Medium with an Application to Biophysics」, The Journal of the Acoustical Society of America, Vol.23, No.6, 1951. Y.Yamakoshi,J.Sato,T.Sato,「Ultrasonic Imaging of Internal Vibration of Soft Tissue under Forced Vibration」,IEEE Trans. UFFC, Vol.37, No.2, 1990. K.Sunagawa,H.Kanai,Y.Koiwa,M.Tanaka,「Time−Frequency Analysis of Vibration Propagation from Intima to Adventitia of Arterial Wall」, 2002 IEEE Ultrasonics Symposium Proceedings, Vol.2, 2002.
生体内組織に応力を加えたときの歪から弾性率いわゆる圧縮弾性率を求める手法は、例えば、動脈壁の圧縮弾性率を求める場合、特許文献1に示されているように、超音波診断装置による歪計測の手段と、血圧計による応力計測の手段の、複数の計測手段を必要し、複数の計測手段による計測できる部位が限られており、特に血圧計を適用できる生体の部位は上腕などに限定され、応力と歪の計測部位は同じ部位である必要があるため、超音波による歪計測を行う部位が、血圧計が適用できる部位に限定される。
また、特許文献2に示されているように、生体組織内を伝搬する弾性波の伝搬特性を伝達関数によって求め、伝搬特性から弾性率いわゆるずり弾性率を求める手法では、動脈壁や心筋壁などの部位では、心臓の拍動に起因する歪を伴う周期的な運動が存在するため、加振器などを用いて生体組織内に発生させた弾性波による運動との分離ができない場合がある。
特許文献3、4に示されているように、対象となる信号に関して、ノイズを判別する場合、予め比較のための理想的な信号を用意する手法は、被検体によって生体組織の運動状態が異なり、さらに、同一の被検体においても生体組織の状態が刻々と変化することから、膨大な理想的な信号を用意する必要があり、回路規模が大きくなってしまう。
また、生体組織の応力に対する生体組織の運動と、弾性波伝搬による運動の双方を用いて弾性率を求める場合、生体組織の応力に対する生体組織の運動と、弾性波伝搬による運動を併せた理想的な信号を用意する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、回路規模を大きくすることなく、高精度の弾性率測定が可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
一般的に、生体組織のような弾性体の運動の性質は、弾性体の弾性率、粘性率、密度、形状などに依存する。また、弾性体の運動としては、例えば、動脈壁のように血圧変化に伴う歪の発生、生体内部、あるいは、生体外部の加振源からの振動の伝搬(いわゆる弾性波の発生)などがある。例えば、動脈壁の場合、血圧変化に起因する歪を伴う運動と、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動が同時に存在する。
図4(a)は、動脈壁内膜および外壁の運動速度のパワースペクトルを示す模式図であり、図4(b)は、両パワースペクトルのパワー差を示す模式図である。
図4(a)に示すように、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルは、主に心臓の拍動に伴う直流から数十Hzの周波数帯域で最もパワーが大きくなり、周波数の増加に伴い、パワーは減少する性質を持っている。また、動脈壁振動の血圧変化による振動は動脈壁の歪を伴い、動脈壁内膜と外膜との間では振動成分の振幅に差が生じる。この血圧変化による動脈壁の歪を伴う運動の周波数成分は、直流から約数十Hzまでの周波数帯域であることが知られている。図4において、血圧変化による動脈壁の振動の周波数成分は、周波数帯域Aで示される。
動脈内腔に血液が流れることに起因する振動は、血圧変化による動脈壁の歪を伴う運動と比較して、振幅が微小であり、十数Hzから約百Hzまでの周波数帯域である。図4において、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分は、周波数帯域Bで示される。
この動脈壁内膜に発生した微小振動成分は、動脈壁内膜から外膜に向かって、ずり弾性波となって伝搬する。その減衰量αは周波数fの関数となることが知られており、位相量βも変化する。この減衰量α、位相量βと生体組織の弾性特性との間には関連性があり、生体組織内のずり弾性波の減衰量αと、位相量βは、ずり弾性率μ、ずり粘性率μ、生体組織の密度ρ、角周波数ωから(式1)で求められる(非特許文献1、非特許文献2)。
Figure 2007063619
ここで、角周波数ωは、周波数fを角度の次元にしたものであり、ω=2πfで求められる。πは円周率である。
また、生体組織のずり弾性率μとずり粘性率μは、生体組織内のずり弾性波の減衰量αと、位相量βから、(式2)で求められる(非特許文献1、非特許文献2)。
Figure 2007063619
ずり弾性波は、周波数の増加に伴い、減衰量αが増加するため、図4(b)に示すように、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルの差が、周波数の増加に伴って増加する(周波数帯域B参照)。
このずり弾性波の減衰量αが、周波数の増加に伴って、増加することを利用して、減衰量αから生体組織のずり弾性率μとずり粘性率μを近似的に求めることができる。
すなわち、(式1)の減衰量αの式の両辺を二乗すると、(式3)のようになり、ωμ>>μとなる周波数帯域においては、(式4)で近似できる。
Figure 2007063619
ここで、生体組織の密度ρ、ずり弾性率μ、ずり粘性率μが周波数によらずに一定と仮定すると、(式4)は、(式5)に示すようなωに関する一次関数で表すことができる。
Figure 2007063619
そして、傾きA、及び切片Bを利用して、ずり弾性率μ、ずり粘性率μを(式6)で求めることができる(非特許文献3参照)。
Figure 2007063619
図7に、一般的な生体組織の密度(ρ=1.1×10kg)、ずり弾性率(μ=2.5kPa)、ずり粘性率(μ= 15Pa・s)の場合のずり弾性波の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す。
図7からわかるように、生体組織では約50Hz以上の周波数帯域でずり弾性波減衰の周波数特性を一次関数で近似することが可能であり、本手法を用いることにより、ずり弾性波の減衰量のみの周波数特性から、生体組織のずり弾性率とずり粘性率を推定することが可能となる。
一方、ωμ<<μとなる周波数帯域においては、弾性波の減衰量の二乗値は、(式7)で表され、(式7)から(式4)に遷移する変曲点の角周波数ω0は、(式8)で表される。
Figure 2007063619
また、一般的なノイズである白色雑音の周波数スペクトルは、周波数に無関係に一定であり、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルが、ノイズレベルに近づくと、図4(b)に示すように、動脈壁内膜の運動速度のパワースペクトルと、動脈壁外膜の運動速度のパワースペクトルの差が、周波数の増加に伴って減少する。図4(b)において、主にノイズ成分である周波数成分は、周波数帯域Cで示される。
図4(b)に示すように、二つの関心点の間の、運動速度のパワースペクトルの差には、周波数帯域Aと周波数帯域Bの境界、および、周波数帯域Bと周波数帯域Cの境界で、変曲点が存在するので、この変曲点を求めることにより、A、B、およびCの周波数帯域を分離することが可能となる。変曲点は、パワースペクトルの差を微分し、ピークの発生した周波数を検出することで求めることができる。なお、ピーク検出において、予めあるレベルの閾値を設定しておいてもよい。
また、この二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差は、周波数帯域Aでは傾きがほとんど無く、周波数帯域Bでは傾きが負、周波数帯域Cでは傾きが正となることから、二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差の、周波数に対する傾きを求め、傾きの変化する周波数を検出することにより周波数帯域、A、B、およびCを分離することが可能となる。
なお、本説明では、動脈壁の運動速度を例に説明したが、動脈壁の運動速度の時間積分である動脈壁の移動変位においても、同様の周波数特性の結果が得られる。
本発明の超音波診断装置は、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、前記運動速度、または、前記移動変位に基づいて、前記生体組織の歪変化量を演算する歪変化量演算部と、前記生体組織に加わる応力変化量を検出する応力変化量検出部と、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の少なくとも一つについて、前記生体組織運動の応力変化による生体組織の運動に基づいた応力歪成分と生体組織内を伝搬する弾性波伝搬特性に基づく弾性波成分を分離する応力歪および弾性波分離部と、前記歪変化量、および、前記応力変化量に基づいて、応力変化による生体組織の運動に基づいた圧縮弾性率を演算するとともに、前記弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算する弾性率演算部と、を備えるものである。
本発明の超音波診断装置は、前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部が、前記生体組織内に設定した複数の関心点、あるいは、関心領域について、前記運動速度、移動変位、歪変化量の空間分布を求める機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部が、前記運動速度、移動変位、歪変化量の、空間的な平均値を求める機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記周波数解析部が、前記生体組織内の少なくとも二つ以上の関心点の間の、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、伝達関数の周波数特性を演算する機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記周波数解析部が、前記生体組織内の少なくとも二つ以上の関心点の間の、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値を演算し、さらに、前記パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値の周波数に対する傾きを演算する機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記応力歪および弾性波分離部が、前記パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値の周波数に対する傾きに基づき、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の前記応力歪成分と前記弾性波成分を分離し、さらに、ノイズ成分の除去を行うものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記応力歪および弾性波分離部が、帯域通過フィルタ、および/あるいは、帯域制限フィルタによって構成されているものを含む。
本発明の超音波診断装置は、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、前記生体組織運動の応力変化による生体組織の運動に基づいた応力歪成分と生体組織内を伝搬する弾性波伝搬特性に基づく弾性波成分を分離する応力歪および弾性波分離部と、前記弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算する弾性率演算部と、を備えるものである。
本発明の超音波診断装置は、さらに、前記弾性部の演算結果に基づく情報を表示する表示部を備えるものを含む。
本発明によれば、回路規模を大きくすることなく、高精度の弾性率測定が可能な超音波診断装置を提供することができる。また、本発明によれば、ずり弾性率、および、ずり粘性率計測を同時に実施することができ、例えば、ほぼ同じ圧縮弾性率、および、ずり弾性率である血栓と脂肪の識別のように、より詳細な生体組織の識別・同定を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の超音波診断装置のブロック図である。図1の超音波診断装置20は、超音波プローブ1を用いて生体の形状特性または性状特性を測定するものであり、特に、生体組織の弾性率を測定するのに好適に用いられる。ここで、生体の形状特性とは、生体組織の形状、または、形状の時間変化による生体組織の運動速度やその積分値である移動変位、生体組織内に設定した2点間の歪変化量などをいう。生体の性状特性は、生体組織の弾性率などをいう。超音波診断装置20は、送受信部2、演算部3、周波数解析部4、応力歪および弾性波分離部5、弾性率演算部6、表示部7、制御部104、および、記憶部105を備えている。
超音波プローブ1は、測定対象である生体組織へ超音波を送信し、送信した超音波が生体組織において反射することにより得られる超音波エコーを受信するために用いられる。送受信部2は、超音波プローブ1を駆動する所定の駆動パルス信号を生成して超音波プローブ1に出力するとともに、超音波プローブ1で受信した超音波エコーを遅延合成する。
演算部3は、送受信部2で遅延合成した信号を用いて、生体組織の運動速度、あるいは、移動変位、および、歪変化量を演算する。周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、および、移動変位の周波数解析を行う。
応力歪および弾性波分離部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、心臓の拍動に起因する血圧変化による動脈壁の歪が発生する周波数成分、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズの周波数成分を分離する。弾性率演算部6は、演算部3で得られた生体組織の運動の演算結果などに基づき、生体組織の弾性率を演算する。表示部7は、弾性率演算部6で演算された生体組織の弾性特性を表示する。
制御部104は、送受信部2、演算部3、周波数解析部4、応力歪および弾性波分離部5、弾性率演算部6、および、表示部7の制御を行う。制御部104による制御のための各種情報は、記憶部105に記憶される。
応力検出部106は、生体組織内の関心点、あるいは、関心領域に加わる応力を検出する。図3に示した測定例のように、動脈壁に加わる応力を計測する場合は、血圧計が好適である。また、生体組織表面から応力を加える場合は、生体組織表面上に圧力センサを設置してもよい。
超音波診断装置20を利用して、生体組織の一例である動脈壁の形状特性、または、性状特性を測定する場合、図3に示すように、超音波プローブ1で超音波を送受信し動脈壁の移動変位を計測し歪変化を演算する。図3には、動脈壁の内膜と外膜に関心点を設定し、心拍動に伴う移動変位、および、歪を計測する様子、および、動脈壁内膜と外膜の移動変位と、動脈壁の歪量変化の模式図が示されている。
具体的には、生体組織表面201に設置された、超音波プローブ1から、生体組織内の動脈202に、超音波が送信され、動脈202で生じた超音波エコーが、超音波プローブ1で受信される。これら送信される超音波と受信される超音波は、超音波ビーム301を形成する。超音波ビーム301上に位置する動脈壁の内膜と外膜に関心点を設定した場合、演算部3で内膜の移動変位波形401aと外膜の移動変位波形401bの差を求め、心拍動による血圧変化に伴う動脈壁の歪変化量402を求めることができる。
図2は、演算部3のブロック図である。演算部3は、周波数解析部4、および、応力歪および弾性波分離部5に接続されており、運動速度演算部31、あるいは、移動変位演算部32のいずれか、および、歪変化量演算部33を備えている。
運動速度演算部31は、送受信部2を介して、生体組織内から得られた超音波エコーを利用して、生体組織内に設定した関心点、あるいは、関心領域の運動速度を求めるものである。運動速度演算部31における各関心点、あるいは、各関心領域の運動速度の検出は、一般的に用いられているFFTドップラー法、自己相関法など、どの手法を用いてもよく、移動変位演算部32で得られた移動変位を微分することによって求めてもよい。なお、関心点、あるいは、関心領域は、少なくとも2箇所設定されるので、運動速度の空間分布を求めることができる。また、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の運動速度を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。
移動変位演算部32は、送受信部2を介して生体組織内から得られた超音波エコーを利用して、生体組織内に設定した関心点、あるいは、関心領域の移動変位を求めるものである。移動変位演算部32における各関心点、あるいは、各関心領域の移動変位の検出は、一般的に用いられているFFTドップラー法、自己相関法など、どの手法を用いてもよく、運動速度演算部31で得られた運動速度を積分することによって求めてもよい。なお、関心点、あるいは、関心領域は、少なくとも2箇所設定されるので、移動変位の空間分布を求めることができる。また、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の移動変位を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。
歪変化量演算部33は、運動速度演算部31から得られた、超音波ビーム301上に設定した少なくとも2つ以上の関心点、または、関心領域の運動速度の差を積分することにより、あるいは、移動変位演算部32から得られた、超音波ビーム301上に設定した少なくとも2つ以上の関心点、または、関心領域の移動変位を利用することにより、歪変化量を求める。歪変化量演算部33における歪変化量の算出は、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の歪変化量を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。また、空間分布を求めてもよい。
周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、および、移動変位の周波数解析を行う。周波数解析部4は、生体組織の運動速度、および、移動変位等の生体信号の周波数スペクトルを求める周波数解析演算機能を備えている。
以下、図4を用いて、周波数解析部4の動作について説明する。
周波数解析部4は、動脈壁の内膜から外膜にかけての、少なくとも二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差を演算する。そして、前述したパワースペクトルの差の性質に基づき、図4に示すように、周波数帯域Aの、心臓の拍動に起因する血圧変化により動脈壁の歪が発生する周波数成分、周波数帯域Bの、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、周波数帯域Cの、ノイズの周波数成分に分離する。
具体的には、周波数解析部4は、パワースペクトルの差の周波数帯域Aと周波数帯域Bの境界の変曲点、および、周波数帯域Bと周波数帯域Cの境界の変曲点を求めることにより、A、B、およびCの周波数帯域に分離する。図4に示すように、二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差は、周波数帯域Aでは、傾きがほとんど無く、周波数帯域Bでは、傾きが負、周波数帯域Cでは、傾きが正となる。したがって、周波数解析部4は、二つの関心点の間の、運動速度、あるいは、移動変位のパワースペクトルの差の、周波数に対する傾きを求めることにより、周波数帯域A、B、Cを分離することができる。すなわち、直流から周波数が高くなる方向の周波数軸において、傾きが負に変化する変曲点を周波数帯域AとBの境界と判断して、直流からこの変曲点までを周波数帯域Aとし、続けて傾きが負から正に変化する変曲点を周波数帯域BとCの境界と判断して、周波数帯域AとBの変曲点から周波数帯域BとCの変曲点までを周波数帯域Bとし、周波数帯域BとCの変曲点から高い周波数帯域を周波数帯域Cと判断する。
なお、この変曲点は、パワースペクトルの差を微分し、ピークの発生した周波数を検出することでも求めることができる。この場合、周波数帯域AとBの境界は負のピーク、周波数帯域BとCの境界は正のピークを検出することで求められる。
応力歪および弾性波分離部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、心臓の拍動に起因する血圧変化による動脈壁の歪が発生する周波数成分、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズの周波数成分を分離するものである。応力歪および弾性波分離部5は、フィルタによって構成されており、フィルタの定数は、主に周波数解析部4で判定された結果で自動的に設定される。
図5にフィルタ特性の一例を示す。図5(a)は、心臓の拍動に起因する血圧変化により動脈壁の歪が発生する周波数成分を分離するためのものであり、図5(b)は、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分を分離するためのものである。
なお、フィルタの定数は、操作者が任意に設定できるようにするのでもよく、さらに、予め複数のフィルタ定数を設定しておき、操作者が選択できるような構成にしておくことも好適である。
また、応力歪および弾性波分離部5において、生体組織の運動速度、および、移動変位にフィルタ処理を実施する場合、対象としている心周期より以前の心周期の周波数解析部4の判定結果を用いてフィルタ特性を決定する。このように、対象としている心周期のデータに対しフィルタ処理を実施する手法は、演算の遅れ時間が少ないので、リアルタイム処理にフィルタ処理時間が短時間で可能となるため好適である。
さらに、応力歪および弾性波分離部5において、対象としている心周期の、周波数解析部4の判定結果を用いて、当該心周期の生体組織の運動速度、および、移動変位にフィルタ処理を実施する手法は、演算に必要とされるデータ量が少ないので、診断が短時間で行えるリアルタイムに最適なフィルタ処理が可能となるため好適である。
図6は、弾性率演算部6のブロック図である。弾性率演算部6は、演算部3で得られた生体組織の運動の演算結果から、生体組織の弾性率を演算するものであり、圧縮弾性率演算部61、および、ずり弾性率演算部62を備えている。
圧縮弾性率演算部61は、心臓の拍動による動脈壁の歪が発生する周波数成分を用いて、生体組織内に設定した少なくとも2つ以上の関心点、あるいは、関心領域の歪変化量を同時刻の応力変化量で除算し、圧縮弾性率を求めるものである。一般的な生体組織の圧縮弾性率は、最大の歪変化量と最大の応力変化量から演算され、動脈壁の場合は、一心周期中の歪変化量と脈圧値(最大血圧−最小血圧)から計算される。なお、歪変化量は、歪変化量演算部33で求め、応力歪および弾性波分離部5で動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズ成分を除去したものである。また、応力変化量は、応力検出部106で検出され、応力歪および弾性波分離部5で、動脈内腔に血液が流れることに起因する振動の周波数成分、および、ノイズ成分を除去したものである。
ずり弾性率演算部62は、動脈内腔に血液が流れることによって発生した微小振動が、動脈壁内膜から外膜に向かって伝搬するずり弾性波の周波数成分を用いて、動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの間の伝達関数H(k)を求め、伝達関数H(k)の利得特性と位相特性から、ずり弾性率μ、および/あるいは、ずり粘性率μを求める。伝達関数H(k)は、クロススペクトル法を用い、(式9)で計算できる。
Figure 2007063619
ここで、Xi(k)は入力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁内膜の移動変位401aの周波数スペクトル、Yi(k)は出力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁外膜の移動変位401bのスペクトルである。また、iはM個の心周期の中のi番目の心周期を示し、iは1・・・i・・・Mの値をとる。kは離散的周波数、*は複素共役、Eは心周期間の平均操作を意味する。
伝達関数H(k)は複素数であり、減衰(利得)特性α、および、位相特性βは、それぞれ伝達関数H(k)のkにexp(jω)を代入し、実部成分Re{H(jω)}、および、虚部成分Im{H(jω)}を求め、絶対値|H(jω)|と、角度∠H(jω)を(式10)、および、(式11)を用いて演算することで求められる。
Figure 2007063619
さらに、ずり弾性率演算部62は、(式9)から(式11)を用いて求めた伝達関数H(k)の利得特性から求められた減衰量αと、位相量βから、前述した(式2)を用いてずり弾性率μ、および/あるいは、ずり粘性率μを求める。
以上のように、ずり弾性率演算部62では、伝達関数H(k)から求めた減衰量αと、位相量βから、ずり弾性率μ、および/あるいは、ずり粘性率μを求めるため、ある任意の周波数(単周波数)の振動の計測のみで、生体組織の粘弾性を把握することが可能となる。
表示部7は、弾性率演算部6の弾性率演算結果に基づく情報、すなわち、弾性率演算部6で得られた生体組織の弾性特性を表示する。弾性率の表示は、一般的な超音波診断装置の表示機能であるBモード断層画像が示す生***置に対応させて表示するのが好ましい。その際、弾性率は数値で表示しても表示色を値に応じて変化させて表示してもよい。また、弾性率を示す情報は、Bモード断層画像と重畳させて表示してもよいし、別の画像として表示してもよい。超音波ビームを走査して、複数の関心点、あるいは、関心領域の弾性率が求められる場合は、Bモード断層画像上に、弾性率をカラー換算し、重畳させて表示させることも好適である。なお、表示させる弾性率は、心臓の拍動による動脈壁の歪から求められた圧縮弾性率と、動脈壁内膜から外膜に向かって伝搬するずり弾性波の伝搬特性によって求められたずり弾性率、および、ずり粘性率のいずれか一方とを重ねて表示してもよいし、ずり弾性率、および、ずり粘性率のいずれか一方のみを表示させてもよい。
以上の説明では、ずり弾性率演算部62でずり弾性率μ、および/あるいは、ずり粘性率μを求めるに際して、伝達関数H(k)から求めた減衰量αと、位相量βを用いたが、減衰量αのみを用いて求めることも可能である。この演算は、ずり弾性波の減衰量αの二乗値がωμ>>μとなる周波数帯域において、(式3)から(式6)に示したような、一次関数に近似できることを利用するものである。
ずり弾性率演算部62は、動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの間の組織の振動速度のパワースペクトルの差から、ずり弾性波の減衰量αの二乗値の周波数に基づく一次直線を推定し、前述した(式5)および(式6)を用いて、ずり弾性率μ、および/あるいは、ずり粘性率μを求める。このように、生体組織のずり弾性率μ、および、ずり粘性率μの推定を、減衰量αのみを用いて行う場合、演算量を少なくてすることができる。
なお、ずり弾性波の減衰量αは、第一の実施例と同様に(式10)に示した伝達関数H(k)の絶対値の二乗値から求めてもよい。また、パワースペクトルの差、あるいは、伝達関数H(k)から、前記一次直線を求める場合、最小二乗法を用いるのが好適である。
図8に、28歳健常者男性の頸動脈壁の後壁内膜側から外膜側への(主にずり弾性波伝搬が主因である)振動伝搬の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す。図8から、約30〜100Hzの周波数帯域で、振動伝搬の減衰量の二乗値が、周波数の増加に伴って、線形的に増加していることがわかる。
図8に示した結果から、近似直線を求め、(式4)に基づき、ずり弾性率μとずり粘性率μを求めた結果は、μ=22kPa、μ=156Pa・sとなる。なお、(式7)から(式4)に遷移する変曲点の角周波数ωは、ずり弾性率μとずり粘性率μの比から、23Hz付近に存在していることがわかる。
以上説明した超音波診断装置では、心臓の拍動による動脈壁の歪と応力変化から求める圧縮弾性率と、弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算したが、圧縮弾性率は演算せずに、ずり弾性率およびずり粘性率のいずれか一方のみを演算してもよい。その場合、図1に示した応力検出部106、図2に示した歪変化量演算部33、図6に示した圧縮弾性率演算部は、不要である。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2005年11月30日出願の日本特許出願(特願2005−345772)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明は、生体組織の形状特性または性状特性を測定する超音波診断装置に好適に用いられる。特に、動脈などの生体組織の弾性率を測定することによって生体組織の診断を行うことのできる超音波診断装置に好適に用いられる。
本発明の実施の形態の超音波診断装置のブロック図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の演算部の構成を示すブロック図 超音波プローブで超音波を送受信し動脈壁の移動変位を計測し歪変化を演算する様子を示す模式図 動脈壁内膜および外壁の運動速度のパワースペクトルと、両パワースペクトルのパワー差を示す模式図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の応力歪および弾性波分離部を構成するフィルタのフィルタ特性の一例を示す図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の弾性率演算部の構成を示すブロック図 一般的な生体組織の一例のずり弾性波の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す図 28歳健常者男性の頸動脈壁の後壁内膜側から外膜側への振動伝搬の減衰量の二乗値の周波数特性と一次関数で近似した場合の周波数特性を示す図
符号の説明
1 超音波プローブ
2 送受信部
3 演算部
4 周波数解析部
5 補正部
6 弾性率演算部
7 表示部
31 運動速度演算部
32 移動変位演算部
33 歪変化量演算部
61 圧縮弾性率演算部
62 ずり弾性率演算部
104 制御部
105 記憶部
106 応力検出部
201 生体組織表面
202 動脈
301 超音波ビーム
401a 動脈壁内膜の移動変位波形
401b 動脈壁外膜の移動変位波形
402 動脈壁の歪変化波形

Claims (9)

  1. 生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、
    生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、
    前記運動速度、または、前記移動変位に基づいて、前記生体組織の歪変化量を演算する歪変化量演算部と、
    前記生体組織に加わる応力変化量を検出する応力変化量検出部と、
    前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、
    前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の少なくとも一つについて、前記生体組織運動の応力変化による生体組織の運動に基づいた応力歪成分と生体組織内を伝搬する弾性波伝搬特性に基づく弾性波成分を分離する応力歪および弾性波分離部と、
    前記歪変化量、および、前記応力変化量に基づいて、応力変化による生体組織の運動に基づいた圧縮弾性率を演算するとともに、前記弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算する弾性率演算部と、
    を備える超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の超音波診断装置であって、
    前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部は、前記生体組織内に設定した複数の関心点、あるいは、関心領域について、前記運動速度、移動変位、歪変化量の空間分布を求める機能を有する超音波診断装置。
  3. 請求項1または2記載の超音波診断装置であって、
    前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部は、前記運動速度、移動変位、歪変化量の、空間的な平均値を求める機能を有する超音波診断装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記周波数解析部は、前記生体組織内の少なくとも二つ以上の関心点の間の、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、伝達関数の周波数特性を演算する機能を有する超音波診断装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記周波数解析部は、前記生体組織内の少なくとも二つ以上の関心点の間の、前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値を演算し、さらに、前記パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値の周波数に対する傾きを演算する機能を有する超音波診断装置。
  6. 請求項5記載の超音波診断装置であって、
    前記応力歪および弾性波分離部は、前記パワースペクトルの差、あるいは、減衰量の二乗値の周波数に対する傾きに基づき、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の前記応力歪成分と前記弾性波成分を分離し、さらに、ノイズ成分の除去を行う超音波診断装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記応力歪および弾性波分離部は、帯域通過フィルタ、および/あるいは、帯域制限フィルタによって構成されている超音波診断装置。
  8. 生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、
    生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、
    前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、
    前記運動速度、および、移動変位の少なくとも一つについて、前記生体組織運動の応力変化による生体組織の運動に基づいた応力歪成分と生体組織内を伝搬する弾性波伝搬特性に基づく弾性波成分を分離する応力歪および弾性波分離部と、
    前記弾性波伝搬特性に基づくずり弾性率、もしくは、ずり粘性率の少なくとも一方を演算する弾性率演算部と、
    を備える超音波診断装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    さらに、前記弾性率演算部の演算結果に基づく情報を表示する表示部を備える超音波診断装置。
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