JPWO2007004661A1 - 弾性表面波デバイス - Google Patents
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Abstract
課題SH波型表面波を用いたSAWデバイスのQ値を改善する手段を得る。解決手段カット角θをZ軸より反時計方向に−64.0°<θ<−49.3°とした回転Yカット水晶基板の結晶軸Xの垂直方向(Z’軸方向)沿って、少なくとも1つのIDT電極を配置すると共に、その両側にグレーティング反射器を配設し、該電極の膜厚Hを前記IDT電極の電極周期λで基準化して0.04<H/λ<0.12とし、前記IDT電極の交差幅をWとした弾性表面波デバイスにおいて、前記IDT電極の電極周期λで基準化した基準化交差幅W/λを20≦W/λ≦50として弾性表面波デバイスを構成する。
Description
本発明は、弾性表面波デバイス(SAWデバイス)に関し、特に弾性表面波デバイスのQ値改善に関する。
近年、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:以下、SAW)デバイスは通信分野で広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから、特に携帯電話、LAN等に多く用いられている。STカット水晶基板(結晶軸Xを回転軸としてXZ面(Y面)を結晶軸Zより反時計方向に42.75°回転した水晶基板)上をX軸方向に伝搬するレイリー波((P+SV)波)を用いて構成するSAWデバイスが広く用いられてきた。STカット水晶SAWデバイスの1次温度係数は零であるものの、2次温度係数は約−0.034(ppm/℃2)と比較的大きいので、広温度範囲の使用では周波数変動量が大きくなるという問題があった。
この問題を解決するものとして、Meirion Lewis,”Surface Skimming Bulk Wave,SSBW”,IEEE Ultrasonics Symp.Proc.,pp.744〜752(1977)や、特公昭62−016050号公報等に開示されたSAWデバイスがある。このSAWデバイスは、図3(a)に示すように回転Yカット水晶基板のカット角θを結晶軸Zより反時計方向に−50°回転(回転後の基板の軸をそれぞれX、Y’、Z’軸とする)し、X軸に対して垂直な方向(Z’軸方向)に伝搬するSH波を利用して構成したSH波型SAWデバイスである。なお、このカット角θをオイラー角で表示すると(0°,θ+90°,90°)=(0°,40°,90°)と表示できる。図3(b)は、回転Yカット水晶基板11の主表面上にZ’軸に沿ってIDT電極12と、その両側にグレーティング反射器13a、13bとを配置して構成したSH波型SAW共振子である。このSAWデバイスは、圧電基板の表面直下を伝搬するSH波型表面波をIDT電極12によって励起し、その振動エネルギーを電極(12、13a、13b)直下に閉じ込めるものである。SH波型SAWデバイスの周波数温度特性は3次曲線を呈し、広温度範囲で良好な周波数温度特性が得られる。
しかし、SH波型表面波は本質的に基板内部を潜って進んでいく波であるため、STカット水晶板に励起されるレイリー波のように圧電基板表面に沿って伝搬するSAWデバイスと比較して、グレーティング反射器による弾性表面波の反射効率が悪く、小型で高いQのSH波型SAWデバイスを実現することが難しいという問題があった。
この問題を解決すべく、特公平01−034411号公報では、図4に示すようにカット角θが−50°である回転Yカット水晶基板11上を、Z’軸方向に伝搬するSH波型表面波を用いたSAW共振子が開示されている。IDT電極14を800対±200対とし、グレーティング反射器を用いることなく、IDT電極14の電極指からの反射だけでSH波型表面波の振動エネルギーを閉じ込め、高Q化を図った所謂多対IDT電極型SAW共振子である。
しかし、この多対IDT電極型SAW共振子は、グレーティング反射器を用いたレイリー波型SAW共振子と比較してエネルギー閉じ込め効果が小さく、高いQ値を得るにはIDT電極対数が800対±200対と非常に多くの対数を必要とするので、STカット水晶SAW共振子よりも基板が大きくなり、ひいてはデバイスサイズが大きくなって、最近の小型化の要求に応えることができないという問題があった。
また、特公平01−034411号公報に開示されているSAW共振子では、IDT電極によって励振されるSH波型表面波の電極周期(波長)をλとしたとき、電極膜厚を2%λ以上、好ましくは4%λ以下とすることによりQ値を高めることができると記されている。例えば周波数を200MHzとした場合、基準化電極膜厚が4%λ付近でQ値が飽和し、STカット水晶SAW共振子と比較してもほぼ同等のQ値しか得られてない。この原因として、基準化電極膜厚が2%λ以上、4%λ以下の膜厚ではSH波型表面波が圧電基板表面に十分集まらず十分な反射効率が得られないので、Q値が大きくならないものと考えられる。
本願発明者らは先願の特願2004−108608号において上記課題を解決するため、Yカット水晶基板の回転角θを結晶軸Zより反時計方向に−64.0°<θ<−49.3°の範囲とし、結晶軸Xに対し90°±5°方向に伝搬するSH波型表面波を用い、基準化電極膜厚H/λを0.04<H/λ<0.12の範囲に設定することにより、高Qと良好な2次温度係数とが得られたこと示した。
図5は、図3(b)に示したSAW共振子の水晶基板11に−51°回転Yカット90°X伝搬水晶基板を用い、共振周波数を315MHz、IDT電極12の対数を100対、グレーティング反射器13a、13bの本数を各々100本とし、基準化電極膜厚H/λを0.03から0.15まで変化させたときのSAW共振子のQ値を測定した図である。基準化電極膜厚H/λを0.03から大きくするに応じてQ値も急激に増大し、基準化電極膜厚H/λが0.06近辺でQ値は最大値となり、さらに基準化電極膜厚H/λを大きくするとQ値は単調に減少することを示している。つまり、基準化電極膜厚H/λを0.04<H/λ<0.12の範囲に設定することにより、STカット水晶共振子のQ値(=15000)を上回る値が得られることを示した。更に、0.05<H/λ<0.10の範囲に設定することにより20000以上もの高いQ値が得られることが分かる。
また、図6は、図5と同じ定数を用い、SAW共振子の基準化電極膜厚H/λと2次温度係数との関係を示した図である。基準化電極膜厚H/λを高いQ値が得られる0.04<H/λ<0.12の範囲に設定することにより、STカット水晶共振子の2次温度係数−0.034(ppm/℃2)より良好な2次温度係数が得られることを、図6は示している。
また、特願2004−108608号によると、回転Yカット水晶基板のカット角θを結晶Z軸より反時計方向に−61.4°<θ<−51.4°に設定すれば、周波数温度特性の頂点温度を実用的な0〜70℃の間に設定することができることが開示されている。
特願2004−108608号に基づいて、1次−2次縦結合二重モードSAWフィルタ(以下、縦DMSフィルタと称す)を2段縦続接続したフィルタを試作した。縦DMSフィルタの構成は、図7の平面図に示すように圧電基板21の主表面上にZ’軸方向に沿って2つのIDT電極22、23を近接して配置し、その両側にグレーティング反射器24a、24bを配設して構成し、これを第1の縦DMSフィルタF1とする。なお、IDT電極22、23はそれぞれ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対の櫛形電極により形成される。第1の縦DMSフィルタF1と同様に、IDT電極22’、23’、グレーティング反射24’a、24’bからなる第2の縦DMSフィルタF2を同一の圧電基板21上に形成し、それぞれの縦DMSフィルタF1、F2の基板21中央寄りの対向するバスバー同士をリード電極にて接続し、2段縦続接続型縦DMSフィルタを構成した。
カット角θが−52°の水晶基板上に図7に示した2段縦続接続型縦DMSフィルタを構成し、中心周波数を315MHz、IDT電極22、23(22’、23’)の対数をそれぞれ45対、グレーティング反射器24a、24b(24’a、24’b)の本数をそれぞれ110本、基準化電極膜厚H/λを6%とし、交差幅Wを10λ、20λ(λは電極周期)とした場合のフィルタを試作し、そのフィルタ特性を測定した。図8は測定した通過域特性で、交差幅Wを20λとした場合が実線で、10λとした場合が破線である。
しかしながら、上記のように基準化膜厚を適切に設定して高Qと良好な2次温度係数とが得られ、カット角θを適切に設定して、周波数温度特性が呈する2次曲線の頂点温度が実用的な温度に設定できるというものの、図8に示した縦続接続型縦DMSフィルタのように、交差幅Wの値によりフィルタの挿入損失が大幅に変動する、つまり縦DMSフィルタを形成するSAW共振子のQ値が交差幅Wにより変動するという問題があった。
この問題を解決するものとして、Meirion Lewis,”Surface Skimming Bulk Wave,SSBW”,IEEE Ultrasonics Symp.Proc.,pp.744〜752(1977)や、特公昭62−016050号公報等に開示されたSAWデバイスがある。このSAWデバイスは、図3(a)に示すように回転Yカット水晶基板のカット角θを結晶軸Zより反時計方向に−50°回転(回転後の基板の軸をそれぞれX、Y’、Z’軸とする)し、X軸に対して垂直な方向(Z’軸方向)に伝搬するSH波を利用して構成したSH波型SAWデバイスである。なお、このカット角θをオイラー角で表示すると(0°,θ+90°,90°)=(0°,40°,90°)と表示できる。図3(b)は、回転Yカット水晶基板11の主表面上にZ’軸に沿ってIDT電極12と、その両側にグレーティング反射器13a、13bとを配置して構成したSH波型SAW共振子である。このSAWデバイスは、圧電基板の表面直下を伝搬するSH波型表面波をIDT電極12によって励起し、その振動エネルギーを電極(12、13a、13b)直下に閉じ込めるものである。SH波型SAWデバイスの周波数温度特性は3次曲線を呈し、広温度範囲で良好な周波数温度特性が得られる。
しかし、SH波型表面波は本質的に基板内部を潜って進んでいく波であるため、STカット水晶板に励起されるレイリー波のように圧電基板表面に沿って伝搬するSAWデバイスと比較して、グレーティング反射器による弾性表面波の反射効率が悪く、小型で高いQのSH波型SAWデバイスを実現することが難しいという問題があった。
この問題を解決すべく、特公平01−034411号公報では、図4に示すようにカット角θが−50°である回転Yカット水晶基板11上を、Z’軸方向に伝搬するSH波型表面波を用いたSAW共振子が開示されている。IDT電極14を800対±200対とし、グレーティング反射器を用いることなく、IDT電極14の電極指からの反射だけでSH波型表面波の振動エネルギーを閉じ込め、高Q化を図った所謂多対IDT電極型SAW共振子である。
しかし、この多対IDT電極型SAW共振子は、グレーティング反射器を用いたレイリー波型SAW共振子と比較してエネルギー閉じ込め効果が小さく、高いQ値を得るにはIDT電極対数が800対±200対と非常に多くの対数を必要とするので、STカット水晶SAW共振子よりも基板が大きくなり、ひいてはデバイスサイズが大きくなって、最近の小型化の要求に応えることができないという問題があった。
また、特公平01−034411号公報に開示されているSAW共振子では、IDT電極によって励振されるSH波型表面波の電極周期(波長)をλとしたとき、電極膜厚を2%λ以上、好ましくは4%λ以下とすることによりQ値を高めることができると記されている。例えば周波数を200MHzとした場合、基準化電極膜厚が4%λ付近でQ値が飽和し、STカット水晶SAW共振子と比較してもほぼ同等のQ値しか得られてない。この原因として、基準化電極膜厚が2%λ以上、4%λ以下の膜厚ではSH波型表面波が圧電基板表面に十分集まらず十分な反射効率が得られないので、Q値が大きくならないものと考えられる。
本願発明者らは先願の特願2004−108608号において上記課題を解決するため、Yカット水晶基板の回転角θを結晶軸Zより反時計方向に−64.0°<θ<−49.3°の範囲とし、結晶軸Xに対し90°±5°方向に伝搬するSH波型表面波を用い、基準化電極膜厚H/λを0.04<H/λ<0.12の範囲に設定することにより、高Qと良好な2次温度係数とが得られたこと示した。
図5は、図3(b)に示したSAW共振子の水晶基板11に−51°回転Yカット90°X伝搬水晶基板を用い、共振周波数を315MHz、IDT電極12の対数を100対、グレーティング反射器13a、13bの本数を各々100本とし、基準化電極膜厚H/λを0.03から0.15まで変化させたときのSAW共振子のQ値を測定した図である。基準化電極膜厚H/λを0.03から大きくするに応じてQ値も急激に増大し、基準化電極膜厚H/λが0.06近辺でQ値は最大値となり、さらに基準化電極膜厚H/λを大きくするとQ値は単調に減少することを示している。つまり、基準化電極膜厚H/λを0.04<H/λ<0.12の範囲に設定することにより、STカット水晶共振子のQ値(=15000)を上回る値が得られることを示した。更に、0.05<H/λ<0.10の範囲に設定することにより20000以上もの高いQ値が得られることが分かる。
また、図6は、図5と同じ定数を用い、SAW共振子の基準化電極膜厚H/λと2次温度係数との関係を示した図である。基準化電極膜厚H/λを高いQ値が得られる0.04<H/λ<0.12の範囲に設定することにより、STカット水晶共振子の2次温度係数−0.034(ppm/℃2)より良好な2次温度係数が得られることを、図6は示している。
また、特願2004−108608号によると、回転Yカット水晶基板のカット角θを結晶Z軸より反時計方向に−61.4°<θ<−51.4°に設定すれば、周波数温度特性の頂点温度を実用的な0〜70℃の間に設定することができることが開示されている。
特願2004−108608号に基づいて、1次−2次縦結合二重モードSAWフィルタ(以下、縦DMSフィルタと称す)を2段縦続接続したフィルタを試作した。縦DMSフィルタの構成は、図7の平面図に示すように圧電基板21の主表面上にZ’軸方向に沿って2つのIDT電極22、23を近接して配置し、その両側にグレーティング反射器24a、24bを配設して構成し、これを第1の縦DMSフィルタF1とする。なお、IDT電極22、23はそれぞれ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対の櫛形電極により形成される。第1の縦DMSフィルタF1と同様に、IDT電極22’、23’、グレーティング反射24’a、24’bからなる第2の縦DMSフィルタF2を同一の圧電基板21上に形成し、それぞれの縦DMSフィルタF1、F2の基板21中央寄りの対向するバスバー同士をリード電極にて接続し、2段縦続接続型縦DMSフィルタを構成した。
カット角θが−52°の水晶基板上に図7に示した2段縦続接続型縦DMSフィルタを構成し、中心周波数を315MHz、IDT電極22、23(22’、23’)の対数をそれぞれ45対、グレーティング反射器24a、24b(24’a、24’b)の本数をそれぞれ110本、基準化電極膜厚H/λを6%とし、交差幅Wを10λ、20λ(λは電極周期)とした場合のフィルタを試作し、そのフィルタ特性を測定した。図8は測定した通過域特性で、交差幅Wを20λとした場合が実線で、10λとした場合が破線である。
しかしながら、上記のように基準化膜厚を適切に設定して高Qと良好な2次温度係数とが得られ、カット角θを適切に設定して、周波数温度特性が呈する2次曲線の頂点温度が実用的な温度に設定できるというものの、図8に示した縦続接続型縦DMSフィルタのように、交差幅Wの値によりフィルタの挿入損失が大幅に変動する、つまり縦DMSフィルタを形成するSAW共振子のQ値が交差幅Wにより変動するという問題があった。
本発明に係る弾性表面波デバイスは、カット角θをZ軸より反時計方向に−64.0°<θ<−49.3°とした回転Yカット水晶基板の結晶軸Xの垂直方向(Z’軸方向)に沿って、少なくとも1つのIDT電極を配置すると共に、その両側にグレーティング反射器を配設し、該電極の膜厚Hを前記IDT電極の電極周期λで基準化して0.04<H/λ<0.12とし、前記IDT電極の交差幅をWとした弾性表面波デバイスにおいて、前記IDT電極の電極周期λで基準化した基準化交差幅W/λを20≦W/λ≦50として弾性表面波デバイスを構成したことを特徴とする。
また、前記IDT電極及び前記グレーティング反射器はAl、またはAlを主成分とする合金から形成されていることを特徴とする。
また、前述の弾性表面波デバイスを発振器やモジュールに用いたことを特徴とする。
また、前記IDT電極及び前記グレーティング反射器はAl、またはAlを主成分とする合金から形成されていることを特徴とする。
また、前述の弾性表面波デバイスを発振器やモジュールに用いたことを特徴とする。
図1は本発明に係る弾性表面波デバイスの一例としてのSH波型SAW共振子(以下、SAW共振子と称す)の実施の形態を示す平面図であって、圧電基板1の主表面上にSH波型表面波の伝搬方向(Z’軸方向)に沿ってIDT電極2を配置すると共に、その両側にグレーティング反射器3a、3bを配設してSAW共振子を構成する。なお、IDT電極2は互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対の櫛形電極より形成される。
圧電基板1は回転Yカット水晶基板を用い、カット角θを結晶軸Zより反時計方向に−64.0°<θ<−49.3°とし、結晶軸Xに対し垂直方向(Z’軸方向)に伝搬するSH波を利用する。SAW共振子が呈する周波数温度特性の頂点温度Tp(℃)を0℃≦Tp≦+70℃の範囲とするには、カット角θを−61.4°<θ<−51.1°に設定する必要がある。また、電極の材料としてはアルミニウム、あるいはアルミニウムを主とする合金を用い、電極周期λで基準化した基準化電極膜厚H/λを0.04<H/λ<0.12、好ましくは0.05<H/λ<0.10に設定することによりSTカット水晶SAWデバイスよりQ値が高いSAWデバイスが得られる。
図1に示すようにIDT電極2の交差幅WをIDT電極2の電極周期λ(励起されるSH波型表面波の波長)で基準化したW/λをパラメータとして、SAW共振子を試作し、そのQ値を測定した。カット角θが−52°の水晶基板上に図1に示したSAW共振子を構成し、周波数を620MHz、IDT電極2の対数を100対、グレーティング反射器3a、3bの本数をそれぞれ120本、基準化電極膜厚H/λを6%、IDT電極2やグレーティング反射器3a、3bのライン占有率mr(電極指幅/(電極指幅+電極指間のスペース))を60%とし、基準化交差幅W/λをパラメータとした。
図2は横軸に基準化交差幅W/λ、縦軸をQ値とし、基準化交差幅W/λを変化させたときのSAW共振子のQ値の変動を示す図である。図2から明らかなように基準化交差幅W/λが小さいと、IDT電極から水晶基板へSH型表面波の振動エネルギーが漏れ、Q値は劣化する。逆に基準化交差幅W/λが大きいと、高次横モードの主モードへの近接や、IDT電極のオーミックロスによりQ値は劣化する。高いQ値を得るには、基準化交差幅W/λを20≦W/λ≦50とすればよいことが判明した。この共振子を縦DMSフィルタに用いれば、低損失なフィルタ特性を得ことができる。
以上ではSH型SAW共振子について基準化交差幅W/λとQ値との関係を説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、1次−2次縦モード、1次−3次縦モードを利用した二重モードSAWフィルタ、縦多重モードを利用した縦結合多重モードSAWフィルタ、横多重モードを利用した横結合多重モードSAWフィルタにも適用できることは説明するまでもない。
また、本発明に係るSAWデバイスによれば、電極周期(波長)λで基準化した基準化交差幅W/λを20≦W/λ≦50の範囲内に設定したので、SAWデバイスのQ値が最大になるという利点がある。
また、コストも安価で容易に入手できるAlあるいはAlを主とする合金を電極に用いることにより、実用性のあるSAWデバイスを構成することができるという利点がある。
また、Q値の高いSAWデバイスを用いてモジュールや発振器を構成するので、例えばフィルタとして用いれば挿入損失の小さな、発振器として用いれば発振周波数の安定な発振器が構成できるという利点がある。
以上説明したように、本発明によれば、音叉型振動片に特定の角度で切り出されたGaPO4基板を用いることにより、安定した周波数温度特性を備えた音叉型振動片を得ることができ、複雑なモード結合を用いたり、あるいは複数個の振動片を用いたりせずに安定した周波数温度特性を備える小型な音叉型振動片を容易に提供することが可能となる。
圧電基板1は回転Yカット水晶基板を用い、カット角θを結晶軸Zより反時計方向に−64.0°<θ<−49.3°とし、結晶軸Xに対し垂直方向(Z’軸方向)に伝搬するSH波を利用する。SAW共振子が呈する周波数温度特性の頂点温度Tp(℃)を0℃≦Tp≦+70℃の範囲とするには、カット角θを−61.4°<θ<−51.1°に設定する必要がある。また、電極の材料としてはアルミニウム、あるいはアルミニウムを主とする合金を用い、電極周期λで基準化した基準化電極膜厚H/λを0.04<H/λ<0.12、好ましくは0.05<H/λ<0.10に設定することによりSTカット水晶SAWデバイスよりQ値が高いSAWデバイスが得られる。
図1に示すようにIDT電極2の交差幅WをIDT電極2の電極周期λ(励起されるSH波型表面波の波長)で基準化したW/λをパラメータとして、SAW共振子を試作し、そのQ値を測定した。カット角θが−52°の水晶基板上に図1に示したSAW共振子を構成し、周波数を620MHz、IDT電極2の対数を100対、グレーティング反射器3a、3bの本数をそれぞれ120本、基準化電極膜厚H/λを6%、IDT電極2やグレーティング反射器3a、3bのライン占有率mr(電極指幅/(電極指幅+電極指間のスペース))を60%とし、基準化交差幅W/λをパラメータとした。
図2は横軸に基準化交差幅W/λ、縦軸をQ値とし、基準化交差幅W/λを変化させたときのSAW共振子のQ値の変動を示す図である。図2から明らかなように基準化交差幅W/λが小さいと、IDT電極から水晶基板へSH型表面波の振動エネルギーが漏れ、Q値は劣化する。逆に基準化交差幅W/λが大きいと、高次横モードの主モードへの近接や、IDT電極のオーミックロスによりQ値は劣化する。高いQ値を得るには、基準化交差幅W/λを20≦W/λ≦50とすればよいことが判明した。この共振子を縦DMSフィルタに用いれば、低損失なフィルタ特性を得ことができる。
以上ではSH型SAW共振子について基準化交差幅W/λとQ値との関係を説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、1次−2次縦モード、1次−3次縦モードを利用した二重モードSAWフィルタ、縦多重モードを利用した縦結合多重モードSAWフィルタ、横多重モードを利用した横結合多重モードSAWフィルタにも適用できることは説明するまでもない。
また、本発明に係るSAWデバイスによれば、電極周期(波長)λで基準化した基準化交差幅W/λを20≦W/λ≦50の範囲内に設定したので、SAWデバイスのQ値が最大になるという利点がある。
また、コストも安価で容易に入手できるAlあるいはAlを主とする合金を電極に用いることにより、実用性のあるSAWデバイスを構成することができるという利点がある。
また、Q値の高いSAWデバイスを用いてモジュールや発振器を構成するので、例えばフィルタとして用いれば挿入損失の小さな、発振器として用いれば発振周波数の安定な発振器が構成できるという利点がある。
以上説明したように、本発明によれば、音叉型振動片に特定の角度で切り出されたGaPO4基板を用いることにより、安定した周波数温度特性を備えた音叉型振動片を得ることができ、複雑なモード結合を用いたり、あるいは複数個の振動片を用いたりせずに安定した周波数温度特性を備える小型な音叉型振動片を容易に提供することが可能となる。
Claims (3)
- カット角θをZ軸より反時計方向に−64.0°<θ<−49.3°とした回転Yカット水晶基板の結晶軸Xの垂直方向(Z’軸方向)に沿って、少なくとも1つのIDT電極を配置すると共に、その両側にグレーティング反射器を配設し、該電極の膜厚Hを前記IDT電極の電極周期λで基準化して0.04<H/λ<0.12とし、前記IDT電極の交差幅をWとした弾性表面波デバイスにおいて、
前記IDT電極の電極周期λで基準化した基準化交差幅W/λを20≦W/λ≦50としたことを特徴とする弾性表面波デバイス。 - 前記IDT電極及び前記グレーティング反射器はAl、またはAlを主成分とする合金から形成されていることを特徴とした請求項1に記載の弾性表面波デバイス。
- 前記弾性表面波デバイスを発振器やモジュールに用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の弾性表面波デバイス。
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