JPWO2006003871A1 - 昇圧ポンプおよびこれを備えた低温流体用貯蔵タンク - Google Patents

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卓伸 神谷
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Abstract

流体を加熱することなく、効率よく昇圧させることのできる昇圧ポンプおよびこれを備えた低温流体用貯蔵タンクを提供する。ピストンヘッドおよびピストンロッドを有するピストンと、前記ピストンヘッドを収容し、前記ピストンヘッドの一端面により流体が圧縮される加圧室を有するシリンダと、を備える昇圧ポンプであって、 前記ピストンヘッドには、前記加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とを分離するベローズが設けられていることを特徴とする。

Description

本発明は、低温の流体を圧縮して昇圧させる昇圧ポンプおよびこれを備えた低温流体用貯蔵タンクに関するものである。
従来、低温(例えば、−273℃から−0℃以下程度)の流体(例えば、水素や窒素、LNG等)を圧縮して昇圧させる(低温流体用)昇圧ポンプとしては、ピストンヘッドにピストンリングを有するものが知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
遠藤拓也ほか著、「新エネルギー自動車」、山海堂、1995年1月、p.221−222
しかしながら、このような従来の(低温流体用)昇圧ポンプでは、気密性を保つために、ピストンリングの外周面がシリンダの内周面に押しつけられながら摺動するようになっており、これらピストンリングとシリンダとの摩擦により発熱し、その熱により流体が温められてしまうといった問題点があった。特に、高圧を得ようとする場合には、ピストンリングの内周面側に流れ込んだ高圧の流体が、ピストンリングの外周面をシリンダの内周面にさらに強く押しつけられるように作用するため、これらピストンリングとシリンダとの摩擦が激しくなり、摩擦による発熱が著しく増加してしまうといった問題点があった。
また、ピストンリングの外周面とシリンダの内周面との間には、どうしても若干の隙間ができてしまい、この隙間から流体が漏れて(リークして)しまうため、圧縮効率が低下してしまうといった問題点があった。
さらに、このような従来の(低温流体用)昇圧ポンプでは、低温流体を圧縮する際、ピストンヘッドと駆動装置との間に位置するピストンロッドが圧縮力により座屈してしまわないように、ピストンロッドの径を大きくしなければならず、そのため、駆動装置からの熱がピストンロッドおよびピストンヘッドを介して低温流体に伝達され、低温流体が温められてボイルオフしてしまうといった問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、流体を加熱することなく、効率よく昇圧させることのできる昇圧ポンプおよびこれを備えた低温流体用貯蔵タンクを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用した。
本発明は、ピストンヘッドおよびピストンロッドを有するピストンと、前記ピストンヘッドを収容し、前記ピストンヘッドの一端面により流体が圧縮される加圧室を有するシリンダと、を備える昇圧ポンプであって、前記ピストンヘッドには、前記加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とを分離するベローズが設けられている昇圧ポンプを提供する。
本発明によれば、加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とがベローズにより分離されるようになっており、加圧室の内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)は有していないので、加圧室内における発熱が防止されるとともに、流体を加熱してしまうことが防止されることとなる。
また、ベローズにより加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とが、完全に分離されるようになっているので、加圧室のシリンダ側から加圧室のピストンロッド側への流体の漏れ(リーク)が防止され、ポンプ効率が向上されることとなる。
上記発明においては、前記ベローズの外表面と前記シリンダの内周面との間に存する空間を埋める充填材が配置されていることが好ましい。
これにより、ベローズの外表面と、加圧室の内周面との隙間が埋められて、加圧室の死容積が減少することとなり、ポンプ効率が向上させられることとなる。
上記発明においては、前記ベローズのピストンヘッド側の一端部に、リング状のシール部材が配置されていることが好ましい。
これにより、シール部材によりピストンヘッドの一端面側から他端面側への流体の漏れ(リーク)が低減され、ベローズの外周面に加わる圧力が低減されることとなるので、強度設計上シビアではない低圧用のベローズが使用でき、ピストンのストロークを大きくとることができて、圧縮効率(ポンプ効率)を上げることができる。
なお、このシール部材は、従来問題とされてきたピストンリングのような張力は有しておらず、また、ベローズによってピストンのストロークが大きく制限されている(ストロークが小さい)ため、ピストンリングのように発熱することはない。
上記発明においては、前記ピストンロッドが、中空で真空引きされた断熱真空構造とされていることが好ましい。
ピストンロッドが中空構造とされることによりピストンロッドの軽量化が図られ、低負荷でのピストンの押し上げが可能となり、かつその内部を真空状態とすることによりピストンロッドの断熱化が図られ、ピストンロッドから流体への熱の進入を減少させることができる。
本発明は、上記昇圧ポンプを少なくとも2台備えており、これら昇圧ポンプにより多段圧縮がなされる昇圧ポンプを提供する。
本発明によれば、例えば、2台の昇圧ポンプが具備されている場合には、1台を低圧用ポンプ、もう1台を高圧用ポンプとすることにより、低圧用ポンプでは低圧用のベローズを使用できるため、ピストンのストロークを大きくとることができて、流体を容易に低圧から中間圧に昇圧させることができ、また、高圧用ポンプでは高圧用のベローズを使用できるため、ピストンのストロークを大きくとることはできないが、流体を容易に中間圧から高圧に昇圧させることができるようになっている。
すなわち、1台の昇圧ポンプのみを用いて流体を低圧から高圧に一気に昇圧しようとすると、ベローズとして高圧用のベローズを用いなければならず、ストロークを大きくとることができないので、流体を所望の圧力(高圧)に昇圧することが難しかった。
これに対して、上述したように、流体を例えば2台のポンプを用いて二段圧縮することにより、流体を容易に所望の圧力にまで昇圧することができるようになっている。
本発明は、低温流体を低温のまま貯蔵する低温流体用貯蔵タンクであって、上記昇圧ポンプ、または上記昇圧装置と、低温流体が貯蔵される低温流体貯蔵槽と、前記昇圧ポンプまたは前記昇圧装置、および前記低温流体貯蔵槽が収容される低温容器とを具備してなる低温流体用貯蔵タンクを提供する。
本発明によれば、昇圧ポンプまたは昇圧装置が、低温容器内に配置されているので、昇圧ポンプまたは昇圧装置が強制的に冷却され、昇温し難くなっている。
上記発明においては、前記昇圧ポンプまたは前記昇圧装置が、前記低温流体貯蔵槽の下流側で、かつ前記低温流体貯蔵槽の外側に配置されていることが好ましい。
昇圧ポンプまたは昇圧装置が、低温流体貯蔵槽の外に配置されている(すなわち、低温容器の断熱真空槽内において低温流体貯蔵槽と分離して設けられている)ので、昇圧ポンプまたは昇圧装置の駆動源で発生した熱が低温流体貯蔵槽内に貯められた低温流体に伝達されるのが防止され、低温流体の温度上昇および蒸発が防止される。
上記発明においては、前記低温流体貯蔵槽内に、固液二相状態である低温スラッシュ状の流体が貯蔵されていることが好ましい。
低温流体貯蔵層内にスラッシュ状の低温流体(固状の低温流体と液状の低温流体とがシャーベット状に混合したもの)が貯蔵されているので、液状の低温流体のみが貯蔵されているものよりも蒸発し難く、昇圧ポンプまたは昇圧装置の吸込性能が向上し、低温流体の供給量が増加されることとなる。
上記発明においては、前記低温流体貯蔵槽の出口に、メッシュが配置されていることが好ましい。
スラッシュ状の流体のうち固状の低温流体はメッシュにより捕捉され、低温流体貯蔵槽の下流側に位置する昇圧ポンプまたは昇圧装置には、液状の低温流体のみが供給されるようになっていて、昇圧ポンプまたは昇圧装置の目詰まりが防止されるようになっている。
上記発明においては、前記低温流体貯蔵槽内に、ヒータが配置されていることが好ましい。
これにより、低温流体貯蔵槽内の固状の低温流体が、ヒータにより加熱されて液状の低温流体に変化させられた後、メッシュを通って昇圧ポンプまたは昇圧装置に供給されるようになっている。
上記発明においては、前記昇圧ポンプまたは前記昇圧装置の下流側に、熱交換器が配置されていることが好ましい。
これにより、熱交換器により昇圧ポンプまたは昇圧装置を通過した低温流体が、熱交換器により気化(ガス化)された後、下流側に位置するエンジン等に供給され、エンジン等ですみやかに消費されるようになっている。
上記発明においては、前記低温容器の内面に、輻射シールド板が設けられていることが好ましい。
これにより、輻射シールド板により低温容器の外部から内部への熱の進入が防止され、低温容器内の断熱真空層の温度上昇が防止されることとなる。
本発明は、内部に加圧室を有するシリンダブロックと、前記加圧室内に収容されるとともに、前記加圧室内を往復動するピストンヘッドとを備え、かつ前記ピストンヘッドの一端面により低温流体が圧縮される低温流体用昇圧ポンプであって、前記ピストンヘッドの一端面と、該一端面に対向して存する前記加圧室の内面との間に、前記ピストンヘッドの内周側の空間と外周側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材が設けられている低温流体用昇圧ポンプを提供する。
本発明によれば、ピストンヘッドが一方向に移動することにより仕切部材の内部空間(すなわち、ピストンヘッドの一端面、仕切部材の内周面、および加圧室の内面とで形成された空間)内に低温流体が吸入(供給)され、ピストンヘッドが他方向に移動することにより低温流体が所定圧力に圧縮(加圧)されることとなる。
すなわち、ピストンヘッドと加圧室の内周面との間、および仕切部材と加圧室の内周面との間には、互いに接触しながら動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室内における発熱を防止することができるとともに、低温流体を加熱してしまうことを防止することができる。
また、仕切部材により、加圧室の内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とが、完全に分離されているので、加圧室の内周側から加圧室の外周側(あるいは加圧室の外周側から加圧室の内周側)への低温流体の漏れ(リーク)を防止することができて、低温流体用昇圧ポンプの圧縮効率を向上させることができる。
上記発明においては、前記仕切部材の外側に、加圧された流体が充填されていることが好ましい。
仕切部材の外側に、例えば、ガス化された所定の圧力を有する低温流体が充填(供給)されており、仕切部材の内側と外側との圧力差が小さくなる(近づくこととなる)。
すなわち、仕切部材の外側(半径方向外側)には、例えば、熱交換器により温められてガス化されるとともに、圧力レギュレータによりその圧力が所定の圧力(例えば、本昇圧ポンプの昇圧力の半分等に調整した圧力)に調整された低温流体が存在することとなるので、仕切部材の内部空間に吸入された低温流体を圧縮する際の仕切部材の変形を低減させることができて、仕切部材の長寿命化を図ることができ、低温流体用昇圧ポンプの信頼性を向上させることができる。
上記発明においては、前記仕切部材の外側が、真空状態とされていることが好ましい。
すなわち、仕切部材とシリンダブロックとの間の空間が真空状態とされており、シリンダブロックに、仕切部材の内側の熱(すなわち、仕切部材の内側で圧縮される低温流体の熱)が伝達されることを防止している。
これにより、シリンダブロックの温度上昇が抑制されるとともに、加圧室内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
本発明は、駆動源に接続された駆動部により駆動されるピストンロッドと、前記ピストンロッドに接続されて、前記ピストンロッドとともに往復動するピストンヘッドと、前記ピストンヘッドを収容し、前記ピストンヘッドの一端面により低温流体が圧縮される加圧室を有するシリンダと、を備える低温流体用昇圧ポンプであって、前記ピストンヘッドの一端面の側に前記駆動部が配置され、低温流体を圧縮する際、前記ピストンロッドの軸部に、この軸部の延在方向と略同じ方向の引っ張り力が加わる低温流体用昇圧ポンプを提供する。
本発明によれば、ピストンロッドが駆動部の方に引っ張られることにより、ピストンヘッドの一端面により低温流体が圧縮されることとなる。すなわち、低温流体を圧縮する際に、ピストンロッドに圧縮力がかからないように構成されている。
これにより、ピストンロッドに圧縮力が加わる従来のピストンロッドよりもピストンロッドの径を小さくすることができるので、駆動源からの入熱を低減させることができるとともに、ピストンロッドの軽量化を図ることができて、ポンプ全体の軽量化を図ることができる。
また、低温流体を圧縮する際に、ピストンロッドに圧縮力がかからないように構成されていることにより、ピストンヘッドの径を大きくすることができる。すなわち、ピストンロッドに圧縮力が加わる従来のポンプでは、ピストンヘッドの径が、ピストンロッドの座屈を避けるために、例えば、直径40mmに制限されていた。そのため、従来のポンプでは、低温流体の流量を確保するのに、例えば、5気筒必要とされていたが、本発明のポンプでは、ピストンヘッドの径を、例えば、直径100mmとすることができるので、単気筒でも十分な流量を確保することができるようになっている。
これにより、本発明によるポンプでは、ポンプの構成を簡略化することができるとともに、ポンプ全体の軽量化および小径化を図ることができる。
上記発明においては、前記ピストンヘッドが、同心円を有する少なくとも二つ以上の部材に分割されており、低温流体が、これら分割されたピストンヘッドの一端面を順次通過することにより徐々に所望の圧力にまで昇圧される、多段圧縮構造とされていることが好ましい。
ピストンヘッドを、例えば、半径方向外側の部材と半径方向内側の部材との二つに分割し、半径方向外側の部材で一回目の圧縮(第一段圧縮)を行い、半径方向内側の部材で二回目の圧縮(第二段圧縮)を行うようして、低温流体を低圧から高圧に一気に昇圧しようとするのではなく、低温流体を一旦中間圧に加圧した後、その低温流体を所望の圧力(高圧)に加圧するようにしている。
これにより、ピストンヘッドのストロークを小さくすることができるので、ポンプ全体の縦方向の長さを短縮することができて、ポンプの小型化を図ることができる。
上記発明においては、前記ピストンヘッドの一端面側および他端面側に、前記加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材がそれぞれ設けられていることが好ましい。
加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とが仕切部材により分離されるようになっており、加圧室の内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)は有していないので、加圧室内における発熱が防止されるとともに、低温流体を加熱してしまうことが防止されることとなる。
また、仕切部材により加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とが、完全に分離されるようになっているので、加圧室のシリンダ側から加圧室のピストンロッド側への低温流体の漏れ(リーク)が防止され、圧縮効率が向上されることとなる。
上記発明においては、前記ピストンヘッドの他端面側に、前記加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材が設けられていることが好ましい。
これにより、可撓性を有する仕切部材のすべてが、ピストンヘッドの一端面(圧縮面)と反対側に設けられることとなるので、ポンプの高さ方向(長手方向)の長さを短くすることができ、ポンプの小型化を図ることができる。
また、ピストンヘッドの一端面(圧縮面)の面積を低温流体の圧縮に最大限利用することができるので、一度により多くの低温流体を圧縮することができて、ポンプの高効率化(高能力化)を図ることができる。
上記発明においては、前記シリンダの内部に予冷層が形成されていることが好ましい。
これにより、ポンプ始動前にポンプ全体を予め十分に冷却することができるので、ポンプに供給された低温流体のガス化(ボイルオフ)を低減させることができる。
また、ポンプ運転中においてもこの予冷層が断熱層の役目を果たすこととなるので、ポンプ運転中においても低温流体のガス化(ボイルオフ)を低減させることができる。
上記発明においては、前記駆動部と前記ピストンロッドとが、断熱接続部を介して連結されていることが好ましい。
駆動部とピストンロッドとが、例えば、転動体(例えば、玉やころ等)を介して点接触または線接触で連結されるようになっているので、駆動部(すなわち、駆動源)からピストンロッド(すなわち、ピストンヘッド)への熱の伝達(入熱)が大幅に遮断されることとなる。
上記発明においては、前記ピストンヘッドと前記ピストンロッドとが、断熱材を介して連結されていることが好ましい。
ピストンヘッドとピストンロッドとが、断熱材を介して連結されるようになっているので、仮に駆動部からピストンロッドへの熱の伝達(入熱)があったとしても、ピストンロッドからピストンヘッドへの熱の伝達(入熱)は、断熱材により遮断されることとなる。
上記発明においては、前記シリンダと前記ピストンロッドとの間に、前記ピストンロッドの軸部を案内するガイド部材が設けられていることが好ましい。
シリンダ内に収容されるとともに、当該シリンダ内を往復動するピストンロッドおよびピストンヘッド等が、シリンダの内壁面(シリンダ壁)に衝突しないように、ガイド部材が設けられている。
これにより、ピストンロッドやピストンヘッド等の往復動部材が、シリンダ内をぶれることなく、あるいは振動することなく往復動することとなり、往復動部材がシリンダの内壁面に衝突することを防止することができるとともに、往復動部材を最小限の動力でスムースに駆動させることができる。
上記発明においては、前記シリンダと前記ピストンロッドの軸部との間の空間が、真空状態となるように構成されていることが好ましい。
すなわち、シリンダとピストンロッドとの間の空間が真空状態とされており、シリンダに、ピストンロッドからの熱(すなわち、駆動源側からピストンロッド側に入ってきた熱)が伝達されることを防止している。
これにより、シリンダの温度上昇が抑制されるとともに、加圧室内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
上記発明においては、前記シリンダが、低温流体用貯蔵タンクの内部に貯蔵された低温流体中に浸かるとともに、前記低温流体用貯蔵タンクに対して着脱可能に構成されていることが好ましい。
これにより、シリンダおよびピストンヘッド等の低温流体を内部にて圧縮する部分を収容する部分の外部が低温流体中に浸されるとともに、常に低温状態に維持されることとなる。また、シリンダが、低温流体用貯蔵タンクの下部(底部)に交換容易な形態で設置されていることとなる。
前記駆動部および前記シリンダが、低温流体用貯蔵タンクの内部に貯蔵された低温流体中に浸かるとともに、前記低温流体用貯蔵タンクに対して着脱可能に構成されていることが好ましい。
これにより、シリンダおよびピストンヘッド等の低温流体を内部にて圧縮する部分を収容する部分を含めたポンプ全体の外部が低温流体中に浸されるとともに、常に低温状態に維持されることとなる。また、低温流体用昇圧ポンプが、低温流体用貯蔵タンクの下部(底部)に交換容易な形態で設置されていることとなる。
本発明は、上記低温流体用昇圧ポンプと、前記低温流体用昇圧ポンプにより昇圧された低温流体を溜めておくチャンバと、前記チャンバから低温流体が供給される燃料噴射装置と、を備えてなる低温流体供給装置を提供する。
本発明によれば、低温流体用昇圧ポンプにより所望の圧力に昇圧された低温流体は、低温流体用昇圧ポンプの下流側に位置するチャンバ内に一旦溜められた後、燃料噴射装置を通って、例えば、エンジン等の燃焼室内に噴射されることとなる。
上記発明においては、前記チャンバ内の低温流体を、液状化又はガス化して前記低温流体用昇圧ポンプの前記ピストンヘッドの他端面側に位置する前記シリンダ内に供給する昇圧流体供給部が設けられていることが好ましい。
これにより、ピストンヘッドの他端面側に位置するシリンダ内にチャンバ内の低温流体(あるいはチャンバ内の低温流体を、液状化又はガス化して、例えば、圧力レギュレータ等で減圧したもの)が供給されることとなり、ピストンヘッドの一端面(圧縮面)側の圧力と他端面側の圧力との差を小さくすることができて、耐圧性の低いベローズを使用することができる。
上記発明においては、前記チャンバ内の低温流体を、燃料噴射装置に至る経路上でガス化して、前記低温流体用昇圧ポンプの前記ピストンヘッドの他端面側に位置する前記シリンダ内に供給する昇圧流体供給部が設けられていることが好ましい。
これにより、ピストンヘッドの他端面側に位置するシリンダ内にチャンバ内の低温流体(あるいはチャンバ内の低温流体を、例えば、ガス化した状態で圧力レギュレータ等で減圧したもの)が供給されることとなり、ピストンヘッドの一端面(圧縮面)側の圧力と他端面側の圧力との差を小さくすることができて、耐圧性の低いベローズを使用することができる。
上記発明においては、前記チャンバに、リリーフ弁が設けられていることが好ましい。
これにより、低温流体が溜められたチャンバ内の圧力が所定の圧力を越える場合、リリーフ弁が作動して、チャンバの破損が防止される。リリーフ弁から噴き出した低温流体は、例えば、戻り配管を介してポンプの吸入側(あるいは別途燃料電池が設けられているものはその燃料電池)に戻されるように構成されている。
本発明は、内部に加圧室を有するシリンダブロックと、前記加圧室内に収容されるとともに、前記加圧室内を往復動するピストンヘッドとを備え、かつ前記ピストンヘッドの一端面により低温流体が圧縮される低温流体用昇圧ポンプであって、前記ピストンヘッドの他端面側に、前記加圧室の内周側の空間と外周側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材が設けられている低温流体用昇圧ポンプを提供する。
本発明によれば、ピストンヘッドが一方向に移動することにより加圧室内に低温流体が吸入(供給)され、ピストンヘッドが他方向に移動することにより低温流体が所定圧力に圧縮(加圧)されることとなる。
すなわち、ピストンヘッドと加圧室の内周面との間、および仕切部材と加圧室の内周面との間には、互いに接触しながら動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室内における発熱を防止することができるとともに、低温流体を加熱してしまうことを防止することができる。
また、仕切部材により、加圧室の内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とが、完全に分離されているので、加圧室の内周側から加圧室の外周側(あるいは加圧室の外周側から加圧室の内周側)への低温流体の漏れ(リーク)を防止することができて、低温流体用昇圧ポンプの圧縮効率を向上させることができる。
上記発明においては、前記仕切部材の内側に、加圧された流体が充填されていることが好ましい。
仕切部材の内側に、例えば、ガス化された所定の圧力を有する低温流体が充填(供給)されており、仕切部材の内側と外側との圧力差が小さくなる(近づくこととなる)。
すなわち、仕切部材の内側(半径方向内側)には、例えば、熱交換器により温められてガス化されるとともに、圧力レギュレータによりその圧力が所定の圧力(例えば、本昇圧ポンプの昇圧力の半分等に調整した圧力)に調整された低温流体が存在することとなるので、加圧室内に吸入された低温流体を圧縮する際の仕切部材の変形を低減させることができて、仕切部材の長寿命化を図ることができ、低温流体用昇圧ポンプの信頼性を向上させることができる。
上記発明においては、前記仕切部材の内側が、真空状態とされていることが好ましい。
これにより、例えば、仕切部材の内側に、ピストンヘッドに連結されたピストンロッド等が存する場合でも、このピストンロッドからの熱(例えば、駆動源側からピストンロッド側に入ってきた熱)が仕切部材の外側に伝達されることを防止している。
これにより、仕切部材の外側に位置するシリンダブロックの温度上昇が抑制されるとともに、加圧室内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
上記発明においては、前記シリンダブロックと前記ピストンヘッドとの間に、前記ピストンヘッドを案内するガイド部材が設けられていることが好ましい。
シリンダ内に収容されるとともに、当該シリンダ内を往復動するピストンロッドおよびピストンヘッド等が、シリンダの内壁面(シリンダ壁)に衝突しないように、ガイド部材が設けられている。
これにより、ピストンロッドやピストンヘッド等の往復動部材が、シリンダ内をぶれることなく、あるいは振動することなく往復動することとなり、往復動部材がシリンダの内壁面に衝突することを防止することができるとともに、往復動部材を最小限の動力でスムースに駆動させることができる。
上記発明においては、前記シリンダブロックが、低温流体用貯蔵タンクの内部に貯蔵された低温流体中に浸かるとともに、前記低温流体用貯蔵タンクに対して着脱可能に構成されていることが好ましい。
これにより、シリンダブロックおよびピストンヘッド等の低温流体を内部にて圧縮する部分を収容する部分の外部が低温流体中に浸されるとともに、常に低温状態に維持されることとなる。また、シリンダブロックが、低温流体用貯蔵タンクの下部(底部)に交換容易な形態で設置されていることとなる。
本発明によれば、流体を加熱することなく、効率よく昇圧させることができるという効果を奏する。
本発明による昇圧ポンプの第1実施形態を示す概略縦断面図である。 図1の要部を簡略化して拡大した要部拡大断面図である。 本発明による昇圧ポンプの第2実施形態を示す要部拡大断面図である。 本発明による昇圧ポンプの第3実施形態を示す要部拡大断面図である。 本発明による昇圧ポンプの第4実施形態を示す要部拡大断面図である。 本発明による昇圧ポンプの第5実施形態を示す要部拡大断面図である。 本発明による昇圧装置の一実施形態を示す要部概略構成図である。 図7に示す昇圧装置を用いてなされる二段圧縮を説明するためのグラフである。 本発明による低温流体用貯蔵タンクの一実施形態を示す概略構成図である。 本発明による低温流体用貯蔵タンクの他の実施形態を示す概略構成図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第6実施形態を示す概略縦断面図である。 図11のXII−XII矢視断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第7実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第8実施形態を示す概略縦断面図である。 図14のXV−XV矢視断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第9実施形態を示す要部拡大縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第10実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第11実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第12実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第13実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第14実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプに適用されるベローズの他の実施形態を示す拡大縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプに適用される断熱接続部の他の実施形態を示す拡大縦断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第15実施形態を示す概略縦断面図である。 図24のXXV−XXV矢視断面図である。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの第16実施形態を示す概略縦断面図である。
以下、本発明による(低温流体用)昇圧ポンプの第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る昇圧ポンプ1は、いわゆる斜板式(あるいはスワッシュ式)と呼ばれるもので、複数本(例えば、7本)のピストン11と、シリンダブロック12と、シリンダヘッド13と、ドライブシャフト14と、斜板(「ヨーク」ともいう)15とを主たる要素として構成されたものである。
各ピストン11は、一端部にピストンヘッド11aを有するとともに、他端部にピストンシュー11bを有する、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、後述するシリンダ12a内にそれぞれ往復動可能に収容されるものである。
ピストンヘッド11aは、このピストンヘッド11aとピストンシュー11bとを連結するピストンロッド11cの外径よりも大きな外径を有する、いわゆる拡径部とされた部分であり、その平坦な一端面(図1において上側の端面)により低温流体(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス、液化プロパンガス等)が圧縮されるようになっている。
ピストンシュー11bは、ピストンヘッド11aと同様に、ピストンロッド11cの外径よりも大きな外径を有する、いわゆる拡径部とされた部分であり、その端面側の一部が後述する斜板15のシュープレート15aとリテーナリング15bとの間に挟み込まれるようになっているとともに、その端面が斜板15の傾斜角(シュープレート15aとリテーナリング15bとの間に設けられたスラストローラベアリング16の摺動面P)に沿って摺動するように構成されている。
シリンダブロック12は、その内部にピストン11の数と同じ数だけ、長手方向(図1において上下方向)に沿って、かつ環状に穿設されたシリンダ12aを有するものであり、各シリンダ12a内には、ピストン11がそれぞれ一本ずつ収められている。
シリンダ12aの一端側(図1において上側)には、ピストンヘッド11aの外径よりも大きな内径を有する加圧室12bが設けられており、この加圧室12b内にピストンヘッド11aが収められるようになっている。
ここで、図1および図1の要部を簡略化して拡大した図2に示すように、加圧室12b内にはベローズ(bellows)17が設けられている。
このベローズ17は、ピストンヘッド11aよりもピストンシュー11b側(図1において下側)に位置する加圧室12bの内周側(ピストン11側)と外周側(シリンダブロック12側)とを仕切る(分離する)ものであり、その一端面はピストンヘッド11aの一端面と反対側の面(他端面)に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック12の内壁面に取り付けられている。
また、このベローズ17は、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
シリンダヘッド13は、シリンダブロック12の一端面(図1において上側の端面)を覆って、シリンダブロック12の内部に形成されたシリンダ12aの開口端(すなわち、加圧室12bの開口端)を塞ぐものである。
このシリンダヘッド13の一端面(図1において下側の端面)、すなわち、シリンダブロック12の一端面と対向する側の面には、各加圧室12bに対応して吸入ポート13aおよび吐出ポート13bがそれぞれ設けられている。これら吸入ポート13aおよび吐出ポート13bにはそれぞれ、ボール型チェックバルブ18(簡略化のためスプリングは図示していない)が設けられており、低温流体の吸入および吐出が制御されるようになっている。また、各吸入ポート13aは、シリンダヘッド13に穿孔された流体吸入路19と連通して設けられており、一方、各吐出ポート13bは、シリンダヘッド13およびシリンダブロック12に穿設された流体吐出路20と連通して設けられている。したがって、流体吸入路19から吸入ポート13aを通って加圧室12b内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド11aの一端面により圧縮されて加圧された後、吐出ポート13bから流体吐出路20を通って外部に導き出されるようになっている。
ドライブシャフト14は、図示しない駆動源(例えば、電動モータやエンジン等)からの駆動力を斜板15に伝達するものであり、ベアリング21を介してシリンダブロック12の他端部内部に回転自在に支持されている。
斜板15は、シュープレート15aとリテーナリング15bとを備え、これらシュープレート15aとリテーナリング15bとの間に設けられたスラストローラベアリング16の摺動面Pが、シリンダブロック12の長手方向軸線と直交する軸線に対して、例えば、1.43度傾斜するように構成されている。また、前述したピストンシュー11bの一部は、リテーナリング15bとスラストローラベアリング16との間に挟み込まれるようになっている。
一方、シュープレート15とシリンダブロック12との間にも、スラストローラベアリング22が設けられており、このスラストローラベアリング22により、軸方向(シリンダブロック12の長手方向)のスラスト(荷重)が受けられるようになっている。
これらシュープレート15a、リテーナリング15b、スラストローラベアリング16,22は、ドライブシャフト14とともに一体的に回転するようになっている。
したがって、ドライブシャフト14が駆動源によって(一方向に)回転させられると、ピストンシュー11bが摺動面Pに沿って摺動するとともに、ピストン11がシリンダ12内で往復運動させられて、加圧室12bに流入された低温流体がつぎつぎに圧縮されるようになっている。本実施形態において、ピストン11のストロークは、2mmに設定されている。
なお、図1中の符号23は、加圧室12bと昇圧ポンプ1の外部とを連通する連通孔であり、この連通孔23には配管24が接続されているとともに、この配管24の途中には開閉弁25が配置されている。
これら連通孔23、配管24、および開閉弁25は、低温流体が加圧室12b内に取り入れられる際に、ピストンヘッド11aの他端面側に存する低温流体を加圧室12b内から流出させて、ピストン11の駆動抵抗を減少させたり、あるいはピストンヘッド11aの他端面側に位置する加圧室12b内に滞留してしまった低温流体を加圧室12b内から流出させるのに使用されるものである。
したがって、開閉弁25は、圧縮行程時あるいは低温流体を加圧室12b内から流出させる必要のない時には閉じられている(閉鎖されている)。
本実施形態による昇圧ポンプ1によれば、加圧室12bの内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室12b内における発熱を防止することができるとともに、低温流体を加熱してしまうことを防止することができる。
また、ベローズ17により、ピストンヘッド11aよりもピストンシュー11b側に位置する加圧室12bの内周側と外周側とが、完全に分離されているので、加圧室12bの外周側から加圧室12bの内周側への低温流体の漏れ(リーク)を防止することができる。言い換えれば、低温流体が、加圧室12bの側からピストンシュー11bの側に、ピストンロッド11cに沿って流れ出てしまうのを防止することができる。これにより、昇圧ポンプ1の圧縮効率を向上させることができる。
本発明による(低温流体用)昇圧ポンプの第2実施形態を、図3を用いて説明する。
本実施形態における昇圧ポンプ2は、ベローズ17の外周面に、例えば、テフロン(登録商標)等の(極)低温で使用することのできる材料からなる(細い)線材(充填材)31が巻き付けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図3に示すように、ベローズ17の外表面と、加圧室12bの内周面との隙間をできるだけ埋めるよう、ベローズ17の外表面に線材31がぐるぐると巻き付けられている。
ここで注意すべき点は、ベローズ17の外表面に巻き付けた線材31の外表面が、加圧室12bの内周面と接触しないように、特に、ピストン11が後退して(図1において下方へ下がって)ベローズ17が縮んだ場合に接触しないようにすることである。
本実施形態による昇圧ポンプ2によれば、ベローズ17の外表面と、加圧室12bの内周面との隙間が埋められて、加圧室12bの死容積が減少するので、圧縮効率を上げることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明による(低温流体用)昇圧ポンプの第3実施形態を、図4を用いて説明する。
本実施形態における昇圧ポンプ3は、ベローズ17の外周面に、例えば、テフロン(登録商標)等の(極)低温で使用することのできる材料からなるスペーサ(充填材)41が設けられているという点で前述した第2実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図4に示すように、ベローズ17の外表面と、加圧室12bの内周面との隙間をできるだけ埋めるよう、ベローズ17の各谷部(ピストンロッド11cの側に凹んだ部分、すなわち、加圧室12bの内周面との距離が大きくなる部分)に、平面視略環状のスペーサ41が配置されている。このスペーサ41の断面形状は、ベローズ17の谷部の断面形状と略等しく、かつ、ベローズ17の伸縮を妨げない形状とされている。
ここで注意すべき点は、第2実施形態のところでも述べたように、ベローズ17の各谷部に配置されたスペーサ41の外表面が、加圧室12bの内周面と接触しないように、特に、ピストン11が後退して(図1において下方へ下がって)ベローズ17が縮んだ場合に接触しないようにすることである。

本実施形態による昇圧ポンプ3によっても、ベローズ17の外表面と、加圧室12bの内周面との隙間が埋められて、加圧室12bの死容積が減少するので、圧縮効率を上げることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明による(低温流体用)昇圧ポンプの第4実施形態を、図5を用いて説明する。
本実施形態における昇圧ポンプ4は、ベローズ17の外周面に、例えば、テフロン(登録商標)等の(極)低温で使用することのできる材料からなる粒子状の充填材51が充填されている点で前述した第2実施形態および第3実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図5に示すように、ベローズ17の外表面と、加圧室12bの内周面との隙間をできるだけ埋めるよう、ベローズ17の外表面と、加圧室12bの内周面との隙間に、粒子状の充填材51が充填されている。
また、ベローズ17の一端部には充填材51がピストンヘッド11aの一端面側に流出しないように、流出防止用のリング52が取り付けられている。このリング52は、その外径が加圧室12bの内径よりも小さくなるように形成されており、リング52の外周面が加圧室12bの内周面に沿って摺動しないようになっている。
なお、充填材51を構成する各粒子は、その外径がリング52の外周面と加圧室12bの内周面との間隙よりも大きくなるように形成されている。また、充填材51は、ベローズ17の伸縮を妨げないような量だけ充填されている。

本実施形態による昇圧ポンプ4によっても、ベローズ17の外表面と、加圧室12bの内周面との隙間が埋められて、加圧室12bの死容積が減少するので、圧縮効率を上げることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明による(低温流体用)昇圧ポンプの第5実施形態を、図6を用いて説明する。
本実施形態における昇圧ポンプ5は、ベローズ17の一端部外周面に、例えば、テフロン(登録商標)等の(極)低温で使用することのできる材料からなるシール部材61が取り付けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図6に示すように、ベローズ17の一端部には、低温流体によりベローズ17の外周面に加わる(かかる)圧力を低減するためのシール部材61が設けられている。このシール部材61は、その外径が加圧室12bの内径と略同じとなるように形成されており、リング52の外周面が加圧室12bの内周面に沿ってわずかに接触しながら動くようになっている。ただし、このシール部材61は、従来問題とされてきたピストンリングのような張力は有しておらず、また、ベローズ17によってピストン11のストロークが大きく制限されている(ストロークが小さい)ため、ピストンリングのように発熱することはない。
また、ピストンヘッド11aの他端面側に位置する加圧室12b内に滞留してしまった低温流体は、前述した連通孔23、配管24、および開閉弁25を介して一旦図示しないバッファ(チャンバ)に溜められた後、ガス化されて使用されたり、あるいは図示しない配管を介して昇圧ポンプ5の流体吸入路19に戻されて、再び圧縮されるようになっている。

本実施形態による昇圧ポンプ5によれば、シール部材61によりピストンヘッド11aの一端面側から他端面側への低温流体の漏れ(リーク)が低減され、ベローズ17の外周面に加わる圧力を低減することができるので、強度設計上シビアではない低圧用のベローズを使用でき、ピストン11のストロークを大きくとることができて、圧縮効率(ポンプ効率)を上げることができる。
また、シール部材61の外周面は、加圧室12bの内周面に沿ってわずかに接触しながら動くようになっており、加圧室12b内における発熱を大幅に低減させることができるので、低温流体の加熱を低減させることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
つぎに、上述した(低温流体用)昇圧ポンプのうちのいずれか一つを低圧用ポンプ6Lとして有するとともに、上述した(低温流体用)昇圧ポンプのうちのいずれか一つを高圧用ポンプ6Hとして有する(低温流体用)昇圧装置6について図7および図8を用いて説明する。
低圧用ポンプ6Lは、低圧の(体積弾性率が小さい)低温流体を中間圧まで圧縮するもので、そのベローズには中間圧に耐え得る、強度設計上シビアではない低圧用のベローズ17aが用いられている。
一方、高圧用のポンプ6Hは、低圧用ポンプ6Lで圧縮された中間圧の(体積弾性率が大きい)低温流体を高圧まで圧縮するもので、そのベローズには高圧に耐え得る、強度設計上シビアな高圧用のベローズ17bが用いられている。
このような昇圧装置6によれば、低圧用ポンプ6Lでは低圧用のベローズ17aが使用されているため、ピストン11のストロークを大きくとることができて、低温流体を容易に低圧から中間圧に昇圧させることができ、また、高圧用ポンプ6Hでは高圧用のベローズ17bが使用されているため、ピストン11のストロークを大きくとることはできないが、低温流体を容易に中間圧から高圧に昇圧させることができるようになっている。
すなわち、一つの昇圧ポンプのみを用いて低温流体を低圧から高圧に一気に昇圧しようとすると、ベローズとして高圧用のベローズ17bを用いなければならず、ストロークを大きくとることができないので、低温流体を所望の圧力(高圧)に昇圧することが難しかった。
これに対して、上述したように、低温流体を二つのポンプを用いて二段圧縮することにより、低温流体を容易に所望の圧力にまで昇圧することができるようになった。
(低温流体用)昇圧ポンプまたは(低温流体用)昇圧装置を備えた、低温流体用貯蔵タンクの一実施形態について図9を用いて説明する。
本実施形態における低温流体用貯蔵タンク7は、(低温流体用)昇圧ポンプ71または(低温流体用)昇圧装置72と、内部に断熱真空槽73aを有する低温容器73と、低温流体貯蔵槽74と、熱交換器75と、を主たる要素として構成されたものである。
昇圧ポンプ71または昇圧装置72は、低温流体を所望の圧力に昇圧するものであり、昇圧ポンプ71としては、例えば、上述した(低温流体用)昇圧ポンプ1,2,3,4,5のいずれか一つを適用することができ、また、昇圧装置72としては、例えば、上述した(低温流体用)昇圧装置6を適用することができる。
低温容器73は、その内部が真空とされ、かつその内面に、例えば、銅板等の輻射シールド板76が貼られた容器である。低温容器73の断熱真空槽73a内には、前述した昇圧ポンプ71または昇圧装置72、後述する低温流体貯蔵槽74、および熱交換器75が収容されるようになっている。
低温流体貯蔵層74は、その内部に低温(例えば、−253℃)の流体(例えば、液体水素)を貯蔵するものであり、内部に貯蔵された低温流体は、配管77を介して低温流体用昇圧ポンプ71または低温流体用昇圧装置72に導かれるようになっている。
熱交換器75は、その一端が低温容器73の内面(すなわち、輻射シールド板76の内面)に接しているとともに、昇圧ポンプ71または昇圧装置72により昇圧され、配管78を介して導かれた低温流体を低温容器73側と熱交換させて気化(ガス化)するものであり、熱交換器75で気化された低温流体(ガス)は、配管79を介してエンジン等に供給されるようになっている。また、熱交換器75で回収された寒冷は、前述した輻射シールド板76を冷却したり、あるいは断熱真空槽73内に納められた図示しない蓄冷材に貯められるようになっている。
このような低温流体用貯蔵タンク7によれば、図9に示すように、昇圧ポンプ71または昇圧装置72が、断熱真空槽73a内で、かつ低温流体貯蔵槽74の外に配置されている(すなわち、断熱真空槽73a内において低温流体貯蔵槽74と分離して設けられている)ので、昇圧ポンプ71または昇圧装置72が強制的に冷却され、昇温し難くなるとともに、駆動源で発生した熱が低温流体貯蔵槽74内に貯められた低温流体に伝達されるのを防止することができて、低温流体の温度上昇を防止することができる。
なお、昇圧ポンプ71または昇圧装置72は、運転前に十分に冷却されていることが望ましい。
(低温流体用)昇圧ポンプまたは(低温流体用)昇圧装置を備えた、低温流体用貯蔵タンクの他の実施形態について図10を用いて説明する。
本実施形態における低温流体用貯蔵タンク8は、(低温流体用)昇圧ポンプ81または(低温流体用)昇圧装置82と、内部に断熱真空槽83aを有する低温容器83と、低温流体貯蔵槽84と、ヒータ85とを主たる要素として構成されたものである。
昇圧ポンプ81または昇圧装置82は、低温流体を所望の圧力に昇圧するものであり、昇圧ポンプ81としては、例えば、上述した(低温流体用)昇圧ポンプ1,2,3,4,5のいずれか一つを適用することができ、また、(低温流体用)昇圧装置82としては、例えば、上述した(低温流体用)昇圧装置6を適用することができる。
低温容器83は、その内部が真空とされ、かつその内面に、例えば、銅板等の輻射シールド板86が貼られた容器である。低温容器83の断熱真空槽83a内には、前述した昇圧ポンプ81または昇圧装置82、および後述する低温流体貯蔵槽84が収容されるようになっている。
低温流体貯蔵層84は、その内部に低温(例えば、−260℃)スラッシュ状の流体(例えば、スラッシュ水素:固体水素と液体水素とがシャーベット状に混合したものであり、液体水素に比べて密度が大きく、保有する寒冷量が大きいもの)を貯蔵するものであり、内部に貯蔵された低温流体は、配管87を介して昇圧ポンプ81または昇圧装置82に導かれるようになっている。
なお、低温流体貯蔵層84内にスラッシュ水素が貯蔵される場合、そのスラッシュ水素は、この低温流体貯蔵層84内に設置された図示しないスラッシュ水素製造装置により製造されたり、あるいは低温容器83の外に別途用意されたスラッシュ水素製造設備88により製造されたものである。
配管86の内部にはメッシュ(スクリーン)89が設けられている。このメッシュ89は、液状の低温流体(例えば、液体水素)のみを通すように(すなわち、例えば、固体水素は通さないように)構成されたものであり、これにより下流側に位置する昇圧ポンプ81または昇圧装置82には、液状の低温流体のみが供給されるようになっていて、昇圧ポンプ81または昇圧装置82の目詰まりが防止されるようになっている。
ヒータ85は、固状の低温流体(例えば、固体水素)を液状の低温流体(例えば、液体水素)に変化させる(融解させる)ものである。
また、前述したような熱交換器75が、昇圧ポンプ81または昇圧装置82の下流側で、かつ低温容器83内(あるいは低温容器83の外)に設けられているとさらに好適である。
このような低温流体用貯蔵タンク8によれば、低温流体貯蔵層84内にスラッシュ状の低温流体が貯蔵されているので、液状の低温流体のみが貯蔵されているものよりも蒸発し難く、昇圧ポンプ81または昇圧装置82の吸込性能が向上し、低温流体の供給量を増加させることができる。
なお、図7および図8を用いて説明した実施形態では、2台のポンプを用いて二段圧縮するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3台のポンプを用いて三段圧縮したり、それよりも多い台数のポンプを用いて多段圧縮させることもできる。
また、このような多段圧縮は、複数のポンプを必ずしも必要とするものではなく、1台のポンプの中で多段圧縮させるようにすることもできる。
さらに、本発明による昇圧ポンプは、低温流体のみを昇圧するのに使用し得るものではなく、常温流体から高温流体まで、種々の温度を有する流体を昇圧するのにも使用することができる。
さらにまた、昇圧ポンプのピストンロッドが、中空で真空引きされた断熱真空構造とされていると好適である。このように、ピストンロッドが中空構造とされることにより、ピストンロッドの軽量化を図ることができ、低負荷でのピストンの押し上げが可能となる。また、ピストンロッドの内部を真空状態とすることにより、ピストンロッドの断熱化を図ることができ、ピストンロッドから流体への熱の進入を減少させることができる。
つぎに、本発明による低温流体用昇圧ポンプの第6実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図11に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ101は、駆動部111と、この駆動部111により駆動されるポンプ部112とを主たる要素として構成されたものである。
駆動部111は、ロッド115と、図示しない駆動源(例えば、電動モータやエンジン等)からの動力をロッド115に伝達する動力伝達部116とを備えたものである。
ロッド115は、動力伝達部116の下端面から下方に向かって延びる、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、その下端部には断熱接続部128が設けられている。
動力伝達部116は、図示しない駆動源からの動力によりロッド115を、例えば、2mmのストロークで上下方向(図11において矢印の方向)に直線的に往復動させるものである。
ポンプ部112は、ピストン121と、ピストンロッド122と、シリンダブロック123とを備えたものである。
ピストン121は、一つのピストン本体124と、一つまたは複数(本実施形態では四つ)のピストンヘッド125とを備えており、シリンダブロック123の内部に形成されたシリンダ126内に往復動可能に収容されている。
ピストン本体124は、概略円盤状を呈する部材であり、その中央部にはピストンロッド122の一端部が連結されているとともに、その外周部には各ピストンヘッド125の下端面とピストン本体124の上端面とをそれぞれ連結する四本のロッド127が設けられている。
四つのピストンヘッド125は、図12に示すように、等間隔(90°間隔)に配置されている。各ピストンヘッド125はそれぞれ、概略円盤状を呈する部材であり、その一端面(図11において上側の端面)により低温流体(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス等)、液化プロパンガス等が圧縮され得るようになっている。
ピストンロッド122は、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、その一端部は、前述したように、ピストン本体124の上端面に連結されているとともに、その他端部は、断熱接続部128を介してロッド115の先端部(図11において下側の端部)に接続されている。
断熱接続部128は、転がり軸受けのインナーレースと同様の形態を有するロッド115の先端部128aと、転がり軸受けのアウターレースと同様の形態を有するピストンロッド122の他端部128bと、これらロッド115の先端部128aとピストンロッド122の他端部128bとの間に配置された複数個(本実施形態では4個)の転動体(例えば、玉やころ等)128cとを有するものである。
これにより、ロッド115の先端部128aとピストンロッド122の他端部128bとが、転動体128cを介して点接触または線接触で連結されるようになっているので、ロッド115からピストンロッド122への熱の伝達(入熱)が大幅に遮断されるようになっている。
また、ピストンロッド122は、その長さが可能な限り長くなるように設計されているので、仮にロッド115からピストンロッド122への熱の伝達(入熱)があったとしても、ピストンロッド122からピストン本体124への熱の伝達(入熱)ができるだけ少なくなるようになっている。
シリンダブロック123の頂部中央部には、ロッド115が貫通する貫通孔123aが形成されており、また、シリンダブロック123の頂部内部には、貫通孔123aと連通するとともに断熱接続部128を収容する内部空間129が形成されている。
また、この内部空間129の下方に位置するシリンダブロック123の内部には、ピストンロッド122が貫通する貫通孔123bを介して内部空間129と連通するシリンダ126が、長手方向(図11において上下方向)に沿って穿設されている。シリンダ126の一端側(図11において上側)は、ピストンヘッド125の外径よりも大きな内径を有する加圧室126aとされており、この加圧室126a内にピストンヘッド125が収められるようになっている。
シリンダブロック123の側壁内部、底面内部、および上面内部はそれぞれ、符号123cで示すように、中空で真空引きされた断熱真空構造とされている。
一方、加圧室126aと内部空間129との間に位置するシリンダブロック123の内部で、かつピストンヘッド125の一端面側中央部と対向する位置にはそれぞれ、各加圧室126aと連通する吸入ポート123dおよび吐出ポート123eが設けられている。これら吸入ポート123dおよび吐出ポート123eにはそれぞれ、ボール型チェックバルブ130が設けられており、低温流体の吸入および吐出が制御されるようになっている。
各吸入ポート123dは、シリンダブロック123に穿孔された流体吸入路131と連通して設けられており、一方、各吐出ポート123eは、シリンダブロック123に穿孔された流体吐出路132と連通して設けられている。したがって、流体吸入路131から吸入ポート123dを通って加圧室126a内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド125の一端面により圧縮され、例えば、30MPaに加圧(昇圧)された後、吐出ポート123eから流体吐出路132を通ってシリンダブロック123の外部に導き出されるようになっている。
流体吐出路132を通ってシリンダブロック123の外部に導き出された低温流体は、配管133を介してチャンバ134内に一旦溜められる(貯溜される)。チャンバ134内に溜められた低温流体は、配管135を介して熱交換器136に導かれてガス化された後、その大部分は配管137を介して図示しない燃料噴射装置に供給されるようになっているとともに、その一部は配管138および圧力レギュレータ(減圧器)139を介してシリンダ126の内部(シリンダ126の他端側、すなわち、加圧室126aと反対側に位置する、ピストン本体124の他端部下面とシリンダ126の底面との間の空間)に導かれるようになっている。
なお、チャンバ134内には、例えば、30MPaに昇圧された低温流体が貯溜されている。
また、シリンダ126の内部には、圧力レギュレータ139により減圧された、例えば、15MPaのガス化された低温流体が供給されるようになっている。
加圧室126a内にはそれぞれ、ベローズ(仕切部材)140が設けられている。このベローズ(bellows)140は、ピストンヘッド125よりも上側(ピストン本体124と反対の側)に位置する加圧室126aの内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とを仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンヘッド125の一端面外周端部に取り付けられているとともに、その他端は吸入ポート123dおよび吐出ポート123eの半径方向外側に位置するシリンダブロック123の内壁面に取り付けられている。
また、ピストンロッド122の一端部の半径方向外側にもベローズ(仕切部材)141が設けられている。このベローズ(bellows)141は、ピストンロッド122の一端部においてその内周側(ピストンロッド122側)と外周側(シリンダブロック123側)とに仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストン本体124の上端面に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック123の内壁面に取り付けられている。
これらベローズ140,141はそれぞれ、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
なお、図11中の符号142,143,144はそれぞれ、平面視環状の(断熱用)シール部材である。
また、図12は図11のXII−XII矢視断面図である。
以上の構成から、駆動部111のロッド115が上下方向へ直線的に往復動すると、断熱接続部128を介してロッド115に連結されたピストンロッド122がピストン121とともに上下方向へ直線的に往復動し、吸入ポート123dから吸入された低温流体が、ピストンヘッド125の一端面により圧縮されて、加圧(昇圧)された後、吐出ポート123eから流体吐出路132を通ってシリンダブロック123の外部に導き出されるようになっている。
本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ101によれば、加圧室126aの内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室126a内における発熱を防止することができるとともに、低温流体を加熱してしまうことを防止することができる。
また、ベローズ140により、加圧室126aの内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とが、完全に分離されているので、加圧室126aの内周側から加圧室126aの外周側(あるいは加圧室126aの外周側から加圧室126aの内周側)への低温流体の漏れ(リーク)を防止することができて、低温流体用昇圧ポンプ101の圧縮効率を向上させることができる。
さらに、ベローズ140の外側(半径方向外側)には、熱交換器136によりガス化されるとともに、圧力レギュレータ139によりその圧力が所定の圧力(例えば、15MPa)に調整された低温流体が存在することとなるので、ベローズ140の内部に吸入された低温流体を圧縮する際のベローズ140の変形を低減させることができて、ベローズ140の長寿命化を図ることができ、低温流体用昇圧ポンプ101の信頼性を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ101によれば、ベローズ140の内部空間(ベローズ140の内周面、ピストンヘッド125の一端面、および加圧室126aの上面により形成された空間)内で低温流体が圧縮されるようになっているので、ピストンヘッド125とピストン本体124とを連結するロッド127の長さを短くすることができる。これにより、ポンプ部112の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができるとともに、ポンプ全体の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができて、ポンプの小型化および軽量化を図ることができる。
さらにまた、ピストンロッド122が駆動部111の方(図11において上方)に引っ張られることにより、ピストンヘッド125の一端面により低温流体が圧縮されるようになっている。すなわち、低温流体を圧縮する際に、ピストンロッド122に圧縮力がかからないようになっている。
これにより、ピストンロッドに圧縮力が加わる従来のピストンロッドよりもピストンロッド122の径を小さくすることができるので、駆動源からの入熱を低減させることができるとともに、ピストンロッド122の軽量化を図ることができて、ポンプ全体の軽量化を図ることができる。
さらにまた、断熱接続部128により、ロッド115からピストンロッド122への入熱を低減させることができて、駆動源からの入熱をさらに低減させることができる。
さらにまた、ピストンロッド122とピストンヘッド125との間にピストン本体124が設けられており、ピストンロッド122からの熱がピストン本体124を通過した後にピストンヘッド125に達するようになっているので、入熱量をさらに低減させることができる。
さらにまた、吸入ポート123dおよび吐出ポート123eが配置されている側(図11において上側)と同じ側に、動力伝達部116につながるロッド115が延びているので、ポンプ部112の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができるとともに、ポンプ全体の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができて、ポンプの小型化および軽量化を図ることができる。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第7実施形態を、図13を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ202は、いわゆる斜板式(あるいはスワッシュ式)と呼ばれるもので、駆動部261と、この駆動部261により駆動されるポンプ部262とを主たる要素として構成されたものである。
なお、前述した第6実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付している。
駆動部261は、ロッド265と、図示しない駆動源(例えば、電動モータやエンジン等)からの動力をロッド265に伝達する動力伝達部266とを備えたものである。
ロッド265は、動力伝達部266の下端面から下方に向かって延びる、断面視円形を呈する概略棒状の部材である。
動力伝達部266は、図示しない駆動源からの動力によりロッド265を一方向(図13において矢印の方向)に回転動させるものである。
ポンプ部262は、一本または複数本(本実施形態では四本)のピストン271と、斜板(「ヨーク」ともいう)272と、シリンダブロック273とを備えたものである。
各ピストン271は、一端部にピストンヘッド271aを有するとともに、他端部にピストンシュー271bを有する、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、シリンダ276内にそれぞれ往復動可能に収容されている。
ピストンヘッド271aは、このピストンヘッド271aとピストンシュー271bとを連結するピストンロッド271cの外径よりも大きな外径を有する、いわゆる拡径部とされた部分であり、その平坦な一端面(図13において上側の端面)により低温流体(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス等)、液化プロパンガス等が圧縮されるようになっている。
ピストンシュー271bは、ピストンヘッド271aと同様に、ピストンロッド271cの外径よりも大きな外径を有する、いわゆる拡径部とされた部分であり、その端面(図13において下側の面)が、傾斜角を有する斜板272の摺動面Pに沿って摺動するように構成されている。
シリンダブロック273は、その内部にピストン271の数と同じ数だけ、縦方向(図13において上下方向)に沿って穿設された加圧室126aを有するものであり、各加圧室126a内には、ピストンヘッド271aがそれぞれ一つずつ収められている。
シリンダ276の他端側(図13において下側)には、図13に示すように、ピストンシュー271bおよび斜板272が収められるようになっている。
また、シリンダブロック273の中央部には、ロッド265が貫通する貫通孔123aが形成されているとともに、シリンダブロック123の側壁内部、底面内部、および上面内部はそれぞれ、符号123cで示すように、中空で真空引きされた断熱真空構造とされている。
一方、シリンダブロック273の頂部内部で、かつピストンヘッド271aの一端面側中央部と対向する位置にはそれぞれ、各加圧室126aと連通する吸入ポート123dおよび吐出ポート123eが設けられている。これら吸入ポート123dおよび吐出ポート123eにはそれぞれ、ボール型チェックバルブ130が設けられており、低温流体の吸入および吐出が制御されるようになっている。
各吸入ポート123dは、シリンダブロック123に穿孔された流体吸入路131と連通して設けられており、一方、各吐出ポート123eは、シリンダブロック123に穿孔された流体吐出路132と連通して設けられている。したがって、流体吸入路131から吸入ポート123dを通って加圧室126a内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド271aの一端面により圧縮され、例えば、30MPaに加圧(昇圧)された後、吐出ポート123eから流体吐出路132を通ってシリンダブロック273の外部に導き出されるようになっている。
流体吐出路132を通ってシリンダブロック273の外部に導き出された低温流体は、配管133を介してチャンバ134内に一旦溜められる(貯溜される)。チャンバ134内に溜められた低温流体は、配管135を介して熱交換器136に導かれてガス化された後、その大部分は配管137を介して図示しない燃料噴射装置に供給されるようになっているとともに、その一部は配管138および圧力レギュレータ(減圧器)139を介して加圧室126aの内部(すなわち、ベローズ140と反対側に位置する、ピストンヘッド271aの他端面側の空間)に導かれるようになっている。
なお、チャンバ134内には、例えば、30MPaに昇圧された低温流体が貯溜されている。
また、加圧室126aの内部には、圧力レギュレータ139により減圧された、例えば、15MPaのガス化された低温流体が供給されるようになっている。
加圧室126a内にはそれぞれ、ベローズ(仕切部材)140が設けられている。このベローズ(bellows)140は、ピストンヘッド271aよりも上側(ピストンロッド271cと反対の側)に位置する加圧室126aの内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とを仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンヘッド271aの一端面外周端部に取り付けられているとともに、その他端は吸入ポート123dおよび吐出ポート123eの半径方向外側に位置するシリンダブロック273の内壁面に取り付けられている。
また、ピストンロッド271cの一端部の半径方向外側にもベローズ(仕切部材)280が設けられている。このベローズ(bellows)280は、ピストンロッド271cの一端部においてその内周側(ピストンロッド271c側)と外周側(シリンダブロック273側)とに仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンシュー271bの他端面(図13において上側の面)外周端部に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック273の内壁面に取り付けられている。
これらベローズ140,280はそれぞれ、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
なお、図13中の符号142,143,144はそれぞれ、平面視環状の(断熱用)シール部材であり、符号281,282はそれぞれ、スラストローラベアリングである。
以上の構成から、ロッド265が駆動源によって(一方向に)回転させられると、スラストベアリング281を介してピストンシュー271bが摺動面Pに沿って摺動するとともに、ピストン271がシリンダ276内で往復運動させられて、加圧室126aに流入された低温流体がつぎつぎに圧縮されるようになっている。本実施形態において、ピストン271のストロークは、例えば、2mmに設定されている。
本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ202によれば、加圧室126aの内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室126a内における発熱を防止することができるとともに、低温流体を加熱してしまうことを防止することができる。
また、ベローズ140により、加圧室126aの内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とが、完全に分離されているので、加圧室126aの内周側から加圧室126aの外周側(あるいは加圧室126aの外周側から加圧室126aの内周側)への低温流体の漏れ(リーク)を防止することができて、低温流体用昇圧ポンプ202の圧縮効率を向上させることができる。
さらに、ベローズ140の外側(半径方向外側)には、熱交換器136によりガス化されるとともに、圧力レギュレータ139によりその圧力が所定の圧力(例えば、15MPa)に調整された低温流体が存在することとなるので、ベローズ140の内部に吸入された低温流体を圧縮する際のベローズ140の変形を低減させることができて、ベローズ140の長寿命化を図ることができ、低温流体用昇圧ポンプ202の信頼性を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ202によれば、ベローズ140の内部空間(ベローズ140の内周面、ピストンヘッド271aの一端面、および加圧室126aの上面により形成された空間)内で低温流体が圧縮されるようになっているので、ピストンヘッド271aとピストンシュー271bとを連結するピストンロッド271cの長さを短くすることができる。これにより、ポンプ部262の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができるとともに、ポンプ全体の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができて、ポンプの小型化および軽量化を図ることができる。
さらにまた、ロッド265が一方向(図13において矢印の方向)に回転させられることにより、ピストンヘッド271aの一端面により低温流体が圧縮されるようになっている。すなわち、低温流体を圧縮する際に、ロッド265に圧縮力がかからないようになっている。
これにより、ロッドに圧縮力が加わる従来のピストンロッド式のものよりもロッド265の径を小さくすることができるので、駆動源からの入熱を低減させることができるとともに、ロッド265の軽量化を図ることができて、ポンプ全体の軽量化を図ることができる。
さらにまた、吸入ポート123dおよび吐出ポート123eが配置されている側(図13において上側)と同じ側に、動力伝達部266につながるロッド265が延びているので、ポンプ部262の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができるとともに、ポンプ全体の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができて、ポンプの小型化および軽量化を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、ピストンおよびシリンダをそれぞれ四つずつ備えた四気筒のものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、単気筒や、二気筒、三気筒、あるいは五気筒以上の構成とすることもできる。
また、第7実施形態のところで説明したスラストローラベアリング282は、図13に示すような斜板272の下面中央部を一点支持するものに限定されるものではなく、斜板272の下面全体を周方向に配置された複数個のスラストローラベアリングで支持させることも可能である。
さらに、この斜板272の角度が、アクチュエータ等を使用することにより変更可能に構成されていると、すなわち、可変容量式に構成されていると好適である。これにより、ポンプの駆動回転数を変更することなく、斜板272の角度を変更するだけでポンプの吐出量を変更することができる。
さらにまた、上述した実施形態では、吸入ポート123dおよび吐出ポート123eにそれぞれボール型チェックバルブ130が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内燃機関等のDOHCに見られるような強制駆動式とすることもできるし、リード弁、ポペット弁等のような構成とすることもできる。
さらにまた、上述した第6実施形態または第7実施形態においては、ベローズ140,280の外側に、熱交換器136によりガス化された低温流体が供給されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガス化された低温流体が供給されていた空間内を真空状態とすることもできる。
すなわち、ベローズ140,280とシリンダブロック123,273との間の空間を真空状態とし、シリンダブロック123,273に、ベローズ140,280の内側の熱(すなわち、ベローズ140,280の内側で圧縮される低温流体の熱)が伝達されることを防止している。
これにより、シリンダブロック123,273の温度上昇が抑制されるとともに、加圧室内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
なおこの際、図11および図13に示した配管138および圧力レギュレータ139は省略されることになる。
さらにまた、上述した第6実施形態においては、シリンダ内に収容されるとともに、当該シリンダ内を往復動するピストン本体やピストンヘッド等が、シリンダの内壁面(シリンダ壁)に衝突しないよう、例えば、ピストンロッド122とシリンダブロック123との間や、連結部材124とシリンダ126との間に、ガイド部材が設けられているとさらに好適である。
ガイド部材としては、例えば、ピストンロッド122とシリンダブロック123との間や、連結部材124の外周面とシリンダ126の内壁面との間に配置されたリニアベアリングや、連結部材124の下端面から下方に突出する円筒形の突起が、シリンダ126の底面中央部に形成された円筒形の凹所(窪み)に案内されるようなものを挙げることができる。
これにより、ピストン本体やピストンヘッド等の往復動部材が、シリンダ内をぶれることなく、あるいは振動することなく往復動することとなり、往復動部材がシリンダの内壁面に衝突することを防止することができるとともに、往復動部材を最小限の動力でスムースに駆動させることができる。
さらにまた、上述した第6実施形態または第7実施形態のそれぞれにおいては、これら実施形態にてガス化された低温流体が供給されていた空間内を真空状態とすることもできる。
これにより、シリンダブロックの温度上昇が抑制されるとともに、加圧室内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
なおこの際、図11、および図13に示した配管138および圧力レギュレータ139は省略されることになる。
さらにまた、上述した第6実施形態において、ピストンロッド122とシリンダブロック123との間に、その内部が真空状態とされた空間が形成されているとさらに好適である。
例えば、図11に示すピストンロッド122の他端部128bの下面と内部空間129の底部上面との間に、ピストンロッド122の内周側の空間と外周側の空間とを分離する、(ベローズ141と同様の)ベローズが設けられている。
すなわち、シリンダブロック123とピストンロッド122との間の空間が真空状態とされており、シリンダブロック123に、ピストンロッド122からの熱(すなわち、駆動部111側からピストンロッド122側に入ってきた熱)が伝達されることを防止している。
これにより、シリンダブロック123の温度上昇が抑制されるとともに、加圧室126a内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
つぎに、本発明による低温流体用昇圧ポンプの第8実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図14に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ301は、駆動部311と、この駆動部311により駆動されるポンプ部312とを主たる要素として構成されたものである。
駆動部311は、カム313と、往復動部314と、リニアベアリング315と、付勢部材316と、これら要素を収容するケーシング317とを備えたものである。
カム313は、図示しない駆動源(例えば、電動モータやエンジン等)の駆動軸318に固定された、例えば、2mmの最大揚程(最大リフト)を有する円弧カム(凸面カム)であり、駆動源が駆動されることにより回転する駆動軸318とともに一方向に回転するようになっている。
往復動部314は、その内部に内部空間が形成された概略円筒形の部材であり、内部空間内に転がり軸受け(ベアリング)319を有するとともに、その下端面から下方に向かって断面視円形を呈する概略棒状のロッド320が延設されたものである。
転がり軸受け319は、インナーレース(内輪)319aと、アウターレース(外輪)319bと、これらインナーレース319aとアウターレース319bとの間に配置された複数個の転動体(例えば、玉やころ等)319cとを有するものである。インナーレース319aは、往復動部314の内部空間に突設された軸314aに取り付けられており、アウターレース319bは、その外表面が、回転するカム313の外表面と線接触することにより、カム313とともに回転するようになっている。
リニアベアリング315は、往復動部314が上下方向へ直線的に往復動するように、往復動部314の半径方向外側の外周面をガイドするものであり、往復動部314の半径方向外側で、かつケーシング317の側方内壁面に取り付けられている。リニアベアリング315の内部には、複数個の転動体(例えば、玉やころ等)315aが配置されており、これにより往復動部314の上下方向への往復動が、円滑に(スムースに)行われるようになっている。
なお、リニアベアリング315の材質としては、例えば、樹脂、チタン、セラミック等を挙げることができる。
付勢部材316は、ケーシング317の上方内壁面に取り付けられているとともに、往復動部314の上側に配置されて往復動部314を下方へ付勢する、すなわち、転がり軸受け319のアウターレース319bの外表面をカム313の外表面に付勢する、例えば、圧縮バネである。
ケーシング317は、その内部にカム313、往復動部314、リニアベアリング315、および付勢部材316を収容するための内部空間が形成された概略円筒形の部材で、ポンプ部312の上方に配置されている。
以上の構成から、駆動源が駆動されて駆動軸318とともにカム313が回転すると、その外表面がカム313の外表面に押し付けられている転がり軸受け319が往復動部314とともに上下方向へ直線的に往復動し、それに伴ってロッド320もまた上下方向へ直線的に往復動するようになっている。
ポンプ部312は、ピストン321と、ピストンロッド322と、シリンダブロック323とを備えたものである。
ピストン321は、ピストン本体324と、ピストンヘッド325とを備えており、シリンダブロック323の内部に形成されたシリンダ326内に往復動可能に収容されている。
ピストン本体324は、概略コップ状を呈する有底中空の部材であり、その一端部(図14において上側の端部)にはピストンヘッド325が配置されているとともに、その他端部(底部)中央部にはピストンロッド322の一端部が貫通する貫通孔324aが形成されているとともに、断熱材327を介してピストンロッド322の一端部が取り付けられている。また、ピストン本体324の側壁内部は、符号324bで示すように、中空で真空引きされた断熱真空構造とされている。
ピストンヘッド325は、その中央部にピストンロッド322および後述する隔壁334が貫通する貫通孔325aが形成された、平面視環状(ドーナツ状)の部材であり、その平坦な一端面(図14において上側の端面)により低温流体(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス、液化プロパンガス等)が圧縮されるようになっている。
ピストンロッド322は、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、その一端部は、前述したように、ピストン本体324の他端部中央部に断熱材327を介して取り付けられているとともに、その他端部は、断熱接続部328を介してロッド320の先端部(図14において下側の端部)に接続されている。
断熱接続部328は、転がり軸受けのインナーレースと同様の形態を有するロッド320の先端部328aと、転がり軸受けのアウターレースと同様の形態を有するピストンロッド322の他端部328bと、これらロッド320の先端部328aとピストンロッド322の他端部328bとの間に配置された複数個(本実施形態では4個)の転動体(例えば、玉やころ等)328cとを有するものである。
これにより、ロッド320の先端部328aとピストンロッド322の他端部328bとが、転動体328cを介して点接触または線接触で連結されるようになっているので、ロッド320からピストンロッド322への熱の伝達(入熱)が大幅に遮断されるようになっている。
また、ピストンロッド322の一端部とピストン本体324の他端部中央部とが、断熱材327を介して連結されるようになっているので、仮にロッド320からピストンロッド322への熱の伝達(入熱)があったとしても、ピストンロッド322からピストン本体324への熱の伝達(入熱)は、断熱材327により遮断されるようになっている。
シリンダブロック323の頂部中央部には、ロッド320が貫通する貫通孔323aが形成されており、また、シリンダブロック323の頂部内部には、貫通孔323aと連通するとともに断熱接続部328を収容する内部空間329が形成されている。
また、この内部空間329の下方に位置するシリンダブロック323の内部には、ピストンロッド322が貫通する貫通孔323bを介して内部空間329と連通するシリンダ326が、長手方向(図14において上下方向)に沿って穿設されている。シリンダ326の一端側(図14において上側)は、ピストンヘッド325の外径よりも大きな内径を有する加圧室326aとされており、この加圧室326a内にピストンヘッド325が収められるようになっている。
シリンダブロック323の側壁内部、底面内部、および上面内部はそれぞれ、符号323cで示すように、中空で真空引きされた断熱真空構造とされている。
一方、加圧室326aと内部空間329との間に位置するシリンダブロック323の内部で、かつピストンヘッド325の一端面側周端部と対向する位置には、加圧室326aと連通する吸入ポート323dおよび吐出ポート323eが設けられている。これら吸入ポート323dおよび吐出ポート323eにはそれぞれ、弁体330aとスプリング330bとを有するポペット型チェックバルブ(またはボール型チェックバルブ、リードバルブ、強制駆動によるバルブ)330が設けられており、低温流体の吸入および吐出が制御されるようになっている。
吸入ポート323dは、シリンダブロック323に穿孔された流体吸入路331と連通して設けられており、一方、吐出ポート323eは、シリンダブロック323に穿孔された流体吐出路332と連通して設けられている。したがって、流体吸入路331から吸入ポート323dを通って加圧室326a内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド325の一端面により圧縮され、例えば、30MPaに加圧(昇圧)された後、吐出ポート323eから流体吐出路332を通ってシリンダブロック323の外部に導き出されるようになっている。
流体吐出路332を通ってシリンダブロック323の外部に導き出された低温流体は、配管333を介してチャンバC内に一旦溜められた後、配管335を介して図示しない燃料噴射装置に供給されるようになっている。
なお、チャンバC内には、例えば、30MPaに昇圧された低温流体が貯溜されている。
ピストンロッド322とピストン321との間には、ピストンロッド322の軸部外表面を覆うように隔壁334が設けられている。この隔壁334の内部は、符号334aで示すように、中空で真空引きされた断熱真空構造とされており、これにより、ピストンロッド322からの輻射熱が、ピストン321へ伝達されるのを防止している。
加圧室326a内にはベローズ(仕切部材)336が設けられている。このベローズ(bellows)336は、ピストンヘッド325よりもピストン本体324側(図14において下側)に位置する加圧室326aの内周側(ピストン321側)と外周側(シリンダブロック323側)とを仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンヘッド325の一端面と反対側の面(他端面)に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック323の内壁面に取り付けられている。
また、ピストンヘッド325の一端面よりも上方に位置する、隔壁334の半径方向外側にもベローズ(仕切部材)337が設けられている。このベローズ(bellows)337は、シリンダ326の上方を内周側(ピストンロッド322側)と外周側(シリンダブロック323側)とに仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンヘッド325の一端面に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック323の内壁面に取り付けられている。
これらベローズ336,337はそれぞれ、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
なお、図15は図14のXV−XV矢視断面図であり、図15中の想像線(二点鎖線)はベローズ337を示している。
また、図14中の符号338,339,340,341はそれぞれ、平面視環状の(断熱用)シール部材である。
以上の構成から、駆動部311のロッド320が上下方向へ直線的に往復動すると、断熱接続部328を介してロッド320に連結されたピストンロッド322がピストン321とともに上下方向へ直線的に往復動し、吸入ポート323dから吸入された低温流体が、ピストンヘッド325の一端面により圧縮されて、加圧(昇圧)された後、吐出ポート323eから流体吐出路332を通ってシリンダブロック323の外部に導き出されるようになっている。
本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ301によれば、ピストンロッド322が駆動部311の方(図14において上方)に引っ張られることにより、ピストンヘッド325の一端面により低温流体が圧縮されるようになっている。すなわち、低温流体を圧縮する際に、ピストンロッド322に圧縮力がかからないようになっている。
これにより、ピストンロッドに圧縮力が加わる従来のピストンロッドよりもピストンロッド322の径を小さくすることができる(例えば、ピストンロッド322をインコネルで作った場合、ピストンロッド322の径を、例えば、8mmとすることができる)ので、駆動源からの入熱を低減させることができるとともに、ピストンロッド322の軽量化を図ることができて、ポンプ全体の軽量化を図ることができる。
また、低温流体を圧縮する際に、ピストンロッド322に圧縮力がかからないように構成されているので、ピストンヘッド325の径を大きくすることができる(例えば、直径100mmとすることができる)。すなわち、ピストンロッドに圧縮力が加わる従来のポンプでは、ピストンヘッドの径が、ピストンロッドの座屈を避けるために、例えば、直径40mmに制限されていた。そのため、従来のポンプでは、低温流体の流量を確保するのに、例えば、5気筒必要とされていたが、本発明のポンプでは、ピストンヘッド325の径を、例えば、直径100mmとすることができるので、単気筒でも十分な流量を確保することができるようになっている。
これにより、本発明のポンプでは、ポンプの構成を簡略化することができるとともに、ポンプ全体の軽量化および小径化を図ることができる。
さらに、カム313と転がり軸受け319とが線接触となるように構成されているので、駆動源からの入熱をさらに低減させることができる。
さらにまた、断熱接続部328により、ロッド320からピストンロッド322への入熱を低減させることができて、駆動源からの入熱をさらに低減させることができる。
さらにまた、断熱材327により、仮にロッド320からピストンロッド322への熱の伝達(入熱)があったとしても、ピストンロッド322からピストン本体324への入熱を防止することができる。
さらにまた、ピストンロッド322とピストンヘッド325との間にピストン本体324が設けられており、ピストンロッド322からの熱がピストン本体324を通過した後にピストンヘッド325に達するようになっているので、入熱量をさらに低減させることができる。
さらにまた、ピストン本体324内が、中空で真空引きされた断熱真空構造とされているので、入熱量をさらに低減させることができる。
これにより、ピストンヘッド325への入熱量を低減させることができて、ピストンヘッド325の一端面により圧縮される低温流体のガス化(ボイルオフ)を低減させることができる。
また、本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ301によれば、加圧室326aの内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室326a内における発熱を防止することができるとともに、低温流体が加熱されてしまうことを防止することができる。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第9実施形態を、図16を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ402は、ピストンロッド322の一端部に、ピストンヘッド325が直接取り付けられているという点で前述した第8実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第8実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図16に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ402では、ピストンロッド322の長さが第8実施形態の約1/4とされ、ピストンロッド322の一端部が、断熱材327を介してピストンヘッド325の中央部に形成された貫通325bに直接取り付けられている。そのため、本実施形態では、第8実施形態におけるピストン本体324、隔壁334、およびベローズ336よりも下方に位置するシリンダ326が省略されており、その分、ポンプ全体の縦方向(図における上下方向)の長さが短くなっている。
なお、ピストン本体324および隔壁334を省略したことにより、駆動源からの入熱が問題となるようにも思われる。しかし、前述したように、カム313と転がり軸受け319とが線接触となるように構成されているとともに、断熱接続部328により、ロッド320の先端部328aとピストンロッド322の他端部328bとが、転動体328cを介して点接触または線接触で連結されるようになっているので、駆動源からの入熱はほとんど問題とはならない。
それよりも、ポンプ部412の縦方向の長さを大幅に短くすることができるということに非常に大きなメリットがあり、これにより、ポンプ全体の縦方向の長さを短縮することができて、ポンプの小型化を図ることができる。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第10実施形態を、図17を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ503は、ピストンヘッド525の外周縁側で一回目の圧縮(第一段圧縮)を行い、ピストンヘッド525の内周縁側で二回目の圧縮(第二段圧縮)を行うように構成されているという点で前述した第8実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第8実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図17に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ503では、ピストンヘッド525の外周縁側で一回目の圧縮が行われ、ピストンヘッド525の内周縁側で二回目の圧縮が行われるように構成されているとともに、シリンダブロック523内に駆動部311および低圧チャンバ534が設けられている。
本実施形態におけるピストン521は、ピストン本体524と、ピストンヘッド525とを備えており、シリンダブロック523の内部に形成されたシリンダ326内に往復動可能に収容されている。
ピストンヘッド525は、外周縁側の一端面(図17において上側の端面)に第1の圧縮面525aを有するとともに、内周縁側の一端面に第2の圧縮面525bを有する、平面視環状(ドーナツ状)の部材であり、これら平坦な圧縮面525a,525bにより低温流体(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス、液化プロパンガス等)が圧縮されるようになっている。
したがって、流体吸入路331から低圧側の吸入ポートP1を通って加圧室326a内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド525の第1の圧縮面525aにより圧縮され、例えば、5MPaに加圧(昇圧)された後、低圧側の吐出ポートP2から第1の連通路(低圧側の吐出ポートP2と低圧チャンバ534とを連通する流路)R1を通って低圧チャンバ534内に一旦溜められるようになっている。
低圧チャンバ534内に溜められた低温流体は、低圧チャンバ534から第2の連通路(低圧チャンバ534と高圧側の吸入ポートP3とを連通する流路)を通って高圧側の吸入ポートP3に導かれた後、加圧室326a内に導かれる。加圧室326a内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド525の第2の圧縮面525bにより圧縮され、例えば、30MPaに加圧(昇圧)された後、高圧側の吐出ポートP4から流体吐出路332を通ってシリンダブロック523の外部に導き出される。シリンダブロック523の外部に導き出された低温流体は、配管333を介してチャンバC内に一旦溜められた後、配管335を介して図示しない燃料噴射装置に供給されるようになっている。
本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ503によれば、ピストンヘッド525の第1の圧縮面525aにより低温流体を、例えば、5MPaに一旦加圧した後、ピストンヘッド525の第2の圧縮面525bによりさらに加圧して、低温流体を所望の圧力(例えば、30MPa)に加圧するようにしている。
すなわち、本実施形態では、低温流体を低圧から高圧に一気に昇圧しようとするのではなく、低温流体を一旦中間圧に加圧した後、その低温流体を所望の圧力(高圧)に加圧する、二段圧縮を採用している。
これにより、ピストン521のストローク(すなわち、カム313の最大揚程)を小さくすることができるので、ポンプ部512の縦方向の長さをさらに短くすることができ、ポンプ全体の縦方向の長さをさらに短縮することができて、ポンプのさらなる小型化を図ることができる。
また、ピストン521のストロークの減少に伴って、ベローズ336,337の伸縮率を小さくすることができる(すなわち、伸縮範囲を小さくすることができる)ので、これらベローズ336,337の寿命を延ばすことができて、ポンプの信頼性を向上させることができる。
その他の作用効果は、前述した第8実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第11実施形態を、図18を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ604は、ポンプ部612を構成するシリンダブロック623の断熱真空構造323cの内側に、予冷層630が設けられているという点で前述した第8実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第8実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図18に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ604には、シリンダブロック623の側壁内部、底面内部、および上面内部に予冷層630が設けられている。この予冷層630には、冷却剤入口管631および冷却剤出口管632が接続されており、冷却剤入口管631から予冷層630内に供給された冷却剤(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス、液化プロパンガス等の低温流体)は、冷却剤出口管632を通ってシリンダブロック623の外部に導き出されるようになっている。
このような予冷層630を設けることにより、ポンプ始動前にポンプ全体を予め十分に冷却することができるので、低温流体用昇圧ポンプ604に供給された低温流体のガス化(ボイルオフ)を低減させることができる。
また、ポンプ運転中においてもこの予冷層630が断熱層の役目を果たすこととなるので、ポンプ運転中においても低温流体のガス化(ボイルオフ)を低減させることができる。
その他の作用効果は前述した第8実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第12実施形態を、図19を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ705は、ベローズ337の代わりにベローズ737が設けられているという点で前述した第11実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第11実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図19に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ705のベローズ(仕切部材)737は、ピストンヘッド325よりもピストン本体324側(図19において下側)に位置する加圧室326a内で、かつベローズ336の半径方向内側に設けられており、その一端はピストンヘッド325の一端面と反対側の面(他端面)に取り付けられているとともに、その他端は隔壁334の舌部上面に取り付けられている。
ベローズ737は、前述したベローズ336,337と同様、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
このようにベローズ737をベローズ336と同じ側、すなわち、ピストンヘッド325の一端面(圧縮面)と反対側に設けることにより、ポンプの高さ方向(図において上下方向)の長さを短くすることができ、ポンプの小型化を図ることができる。
また、ピストンヘッド325の圧縮面の面積が、第11実施形態のものよりも増大することとなるので、一度により多くの低温流体を圧縮することができて、ポンプの高効率化(高能力化)を図ることができる。
その他の作用効果は前述した第11実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
なお、図中の符号712はポンプ部を示している。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第13実施形態を、図20を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ806は、ベローズ837がさらに設けられているという点で前述した第12実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第12実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図20に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ806には、ベローズ737の他端側(図において下側)にもう一つベローズ(仕切部材)837が設けられている。このベローズ837は、その一端が隔壁334の舌部下面に取り付けられているとともに、その他端がピストン本体324の他端部内壁上面に取り付けられたものである。そして、このベローズ837により、隔壁334の舌部下面とピストン本体324の他端部内壁上面との間の空間が、内周側(ピストンロッド322側)と外周側(シリンダブロック323側)とに仕切られる(分離される)ようになっている。
ベローズ837は、前述したベローズ336,337,737と同様、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
このようなベローズ837が設けられることにより、前述したシール部材341とベローズ837とで仕切られたピストンロッド322側の空間内の圧力が略大気圧に保たれることとなるので、ベローズ336,737,837の内周側の圧力と外周側の圧力との差(圧力差)を低減させることができて、これらベローズ336,737,837の高寿命化を図ることができて、ポンプの信頼性を向上させることができる。
その他の作用効果は前述した第11実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
なお、図中の符号812はポンプ部を示している。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第14実施形態を、図21を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ907は、昇圧流体供給部930が設けられているという点で前述した第8実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第8実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図21に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ907には、昇圧流体供給部930が設けられている。この昇圧流体供給部930は、チャンバCの内部とシリンダ326の内部(シリンダ326の他端側、すなわち、加圧室326aと反対側に位置する、ピストン本体324の他端部下面とシリンダ326の底面との間の空間)とを連通する連通管931と、この連通管931の途中に設けられた圧力レギュレータ(減圧器)932とを具備するものである。
このような昇圧流体供給部930を設けることにより、シリンダ326の内部に圧力レギュレータ932で減圧された、例えば、15MPaの低温流体を供給できるようになっているので、ピストンヘッド325の一端面(圧縮面)側の圧力と他端面側の圧力との差を小さくすることができて、耐圧性の低いベローズを使用することができる。
その他の作用効果は前述した第13実施形態の作用効果と同じであるので、ここではその説明を省略する。
なお、図中の符号912はポンプ部を示している。
本発明は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、ベローズ336,337,737,837として、図22に実線あるいは二点鎖線で示すような断面を有するものを採用することもできる。
すなわち、図22に実線で示す半径方向外側に一つの膨らみを有する、凸状のものとすることもできるし、図22に二点鎖線で示す半径方向内側に一つの凹みを有する、凹状のものとすることもできる。
また、断熱接続部128,328は、上述したようなものに限定されるものではなく、例えば、図23に示すようなものとすることもできる。
図23に示す断熱接続部428は、断面視T字状に形成されたロッド320の先端部428aと、同じく断面視T字状に形成されたピストンロッド322の他端部428bとの間に断熱材428cを介在させるとともに、これら部材を、例えば、ボルト・ナット等の締結部材Jで連結したものである。
さらに、図17を用いて説明した実施形態では、ピストンヘッド525の外周縁側と内周縁側とを用いて二段圧縮するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ピストンヘッドの一端面を同心円状にさらに細かく分割して、三段圧縮以上に圧縮できるような構成を採用することもできる。
さらにまた、上述したチャンバCおよび低圧チャンバ534にリリーフ弁が設けられているとともに、このリリーフ弁から噴き出した低温流体が、戻り配管を介してポンプの吸入側(あるいは別途燃料電池が設けられているものはその燃料電池)に戻されるようになっているとさらに好適である。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第15実施形態を、図24を用いて説明する。
図24に示すように、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ1008は、駆動部1111と、この駆動部1111により駆動されるポンプ部1112とを主たる要素として構成されたものである。
駆動部1111は、ロッド1115と、図示しない駆動源(例えば、電動モータやエンジン等)からの動力をロッド1115に伝達する動力伝達部1116とを備えたものである。
ロッド1115は、動力伝達部1116の下端面から下方に向かって延びる、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、その下端部には断熱接続部328が設けられている。
動力伝達部1116は、図示しない駆動源からの動力によりロッド1115を、例えば、2mmのストロークで上下方向(図24において矢印の方向)に直線的に往復動させるものである。
ポンプ部1112は、ピストン1121と、ピストンロッド1122と、シリンダブロック1123とを備えたものである。
ピストン1121は、一つの連結部材1124と、一つまたは複数(本実施形態では四つ)のピストンヘッド1125とを備えており、シリンダブロック1123の内部に形成されたシリンダ1126内に往復動可能に収容されている。
連結部材1124は、概略円盤状を呈する部材であり、その中央部にはピストンロッド1122の一端部が連結されているとともに、その外周部には各ピストンヘッド1125の下端面と連結部材1124の上端面とをそれぞれ連結する四本のロッド1127が設けられている。これら四本のロッド1127は、図25に示すように、等間隔(90°間隔)に配置されている。
各ピストンヘッド1125はそれぞれ、概略円盤状を呈する部材であり、その一端面(図24において上側の端面)により低温流体(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス等)、液化プロパンガス等が圧縮され得るようになっている。
ピストンロッド1122は、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、その一端部は、前述したように、連結部材1124の上端面に連結されているとともに、その他端部は、断熱接続部328を介してロッド1115の先端部(図24において下側の端部)に接続されている。
断熱接続部328は、転がり軸受けのインナーレースと同様の形態を有するロッド1115の先端部328aと、転がり軸受けのアウターレースと同様の形態を有するピストンロッド1122の他端部328bと、これらロッド1115の先端部328aとピストンロッド1122の他端部328bとの間に配置された複数個(本実施形態では4個)の転動体(例えば、玉やころ等)328cとを有するものである。
これにより、ロッド1115の先端部328aとピストンロッド1122の他端部328bとが、転動体328cを介して点接触または線接触で連結されるようになっているので、ロッド1115からピストンロッド1122への熱の伝達(入熱)が大幅に遮断されるようになっている。
また、ピストンロッド1122は、その長さが可能な限り長くなるように設計されているので、仮にロッド1115からピストンロッド1122への熱の伝達(入熱)があったとしても、ピストンロッド1122から連結部材1124への熱の伝達(入熱)ができるだけ少なくなるようになっている。
シリンダブロック1123の頂部中央部には、ロッド1115が貫通する貫通孔323aが形成されており、また、シリンダブロック1123の頂部内部には、貫通孔323aと連通するとともに断熱接続部328を収容する内部空間329が形成されている。
また、この内部空間329の下方に位置するシリンダブロック1123の内部には、ピストンロッド1122が貫通する貫通孔1123bを介して内部空間329と連通するシリンダ1126が、長手方向(図24において上下方向)に沿って穿設されている。シリンダ1126の一端側(図24において上側)は、ピストンヘッド1125の外径よりも大きな内径を有する加圧室1126aとされており、この加圧室1126a内にピストンヘッド1125が収められるようになっている。
シリンダブロック1123の側壁内部、底面内部、および上面内部はそれぞれ、符号1123cで示すように、中空で真空引きされた断熱真空構造とされている。
一方、加圧室1126aと内部空間329との間に位置するシリンダブロック1123の内部で、かつピストンヘッド1125の一端面側中央部と対向する位置にはそれぞれ、各加圧室1126aと連通する吸入ポート1123dおよび吐出ポート1123eが設けられている。これら吸入ポート1123dおよび吐出ポート1123eにはそれぞれ、ボール型チェックバルブ1130が設けられており、低温流体の吸入および吐出が制御されるようになっている。
各吸入ポート1123dは、シリンダブロック1123に穿孔された流体吸入路1131と連通して設けられており、一方、各吐出ポート1123eは、シリンダブロック1123に穿孔された流体吐出路1132と連通して設けられている。したがって、流体吸入路1131から吸入ポート1123dを通って加圧室1126a内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド1125の一端面により圧縮され、例えば、30MPaに加圧(昇圧)された後、吐出ポート1123eから流体吐出路1132を通ってシリンダブロック1123の外部に導き出されるようになっている。
流体吐出路1132を通ってシリンダブロック1123の外部に導き出された低温流体は、配管1133を介してチャンバ1134内に一旦溜められる(貯溜される)。チャンバ1134内に溜められた低温流体は、配管1135を介して熱交換器1136に導かれてガス化された後、その大部分は配管1137を介して図示しない燃料噴射装置に供給されるようになっているとともに、その一部は配管1138および圧力レギュレータ(減圧器)1139を介してシリンダ1126の内部(シリンダ1126の他端側、すなわち、加圧室1126aと反対側に位置する、連結部材1124の他端部下面とシリンダ1126の底面との間の空間)に導かれるようになっている。
なお、チャンバ1134内には、例えば、30MPaに昇圧された低温流体が貯溜されている。
また、シリンダ1126の内部には、圧力レギュレータ1139により減圧された、例えば、15MPaのガス化された低温流体が供給されるようになっている。
加圧室1126a内にはそれぞれ、ベローズ(仕切部材)1140が設けられている。このベローズ(bellows)1140は、ピストンヘッド1125よりも連結部材1124側(図24において下側)に位置する加圧室1126aの内周側(ロッド1127側)と外周側(シリンダブロック1123側)とを仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンヘッド1125の一端面と反対側の面(他端面)に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック1123の内壁面に取り付けられている。
また、ピストンロッド1122の一端部の半径方向外側にもベローズ(仕切部材)1141が設けられている。このベローズ(bellows)1141は、ピストンロッド1122の一端部においてその内周側(ピストンロッド1122側)と外周側(シリンダブロック1123側)とに仕切る(分離する)ものであり、その一端は連結部材1124の上端面に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック1123の内壁面に取り付けられている。
これらベローズ1140,1141はそれぞれ、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
なお、図24中の符号1142,1143,1144はそれぞれ、平面視環状の(断熱用)シール部材である。
また、図25は図24のXXV−XXV矢視断面図である。
以上の構成から、駆動部1111のロッド1115が上下方向へ直線的に往復動すると、断熱接続部328を介してロッド1115に連結されたピストンロッド1122がピストン1121とともに上下方向へ直線的に往復動し、吸入ポート1123dから吸入された低温流体が、ピストンヘッド1125の一端面により圧縮されて、加圧(昇圧)された後、吐出ポート1123eから流体吐出路1132を通ってシリンダブロック1123の外部に導き出されるようになっている。
本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ1008によれば、ピストンロッド1122が駆動部1111の方(図24において上方)に引っ張られることにより、ピストンヘッド1125の一端面により低温流体が圧縮されるようになっている。すなわち、低温流体を圧縮する際に、ピストンロッド1122に圧縮力がかからないようになっている。
これにより、ピストンロッドに圧縮力が加わる従来のピストンロッドよりもピストンロッド1122の径を小さくすることができるので、駆動源からの入熱を低減させることができるとともに、ピストンロッド1122の軽量化を図ることができて、ポンプ全体の軽量化を図ることができる。
また、加圧室1126aの内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室1126a内における発熱を防止することができるとともに、低温流体を加熱してしまうことを防止することができる。
さらに、ベローズ1140により、加圧室1126aの内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とが、完全に分離されているので、加圧室1126aの内周側から加圧室1126aの外周側(あるいは加圧室1126aの外周側から加圧室1126aの内周側)への低温流体の漏れ(リーク)を防止することができて、低温流体用昇圧ポンプ1008の圧縮効率を向上させることができる。
さらにまた、ベローズ1140の外側(半径方向外側)には、熱交換器1136によりガス化されるとともに、圧力レギュレータ1139によりその圧力が所定の圧力(例えば、15MPa)に調整された低温流体が存在することとなるので、ベローズ1140の内部に吸入された低温流体を圧縮する際のベローズ1140の変形を低減させることができて、ベローズ1140の長寿命化を図ることができ、低温流体用昇圧ポンプ1008の信頼性を向上させることができる。
さらにまた、断熱接続部328により、ロッド1115からピストンロッド1122への入熱を低減させることができて、駆動源からの入熱をさらに低減させることができる。
さらにまた、ピストンロッド1122とピストンヘッド1125との間に連結部材1124が設けられており、ピストンロッド1122からの熱が連結部材1124を通過した後にピストンヘッド1125に達するようになっているので、入熱量をさらに低減させることができる。
さらにまた、吸入ポート1123dおよび吐出ポート1123eが配置されている側(図24において上側)と同じ側に、動力伝達部1116につながるロッド1115が延びているので、ポンプ部1112の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができるとともに、ポンプ全体の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができて、ポンプの小型化および軽量化を図ることができる。
本発明による低温流体用昇圧ポンプの第16実施形態を、図26を用いて説明する。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプ2009は、いわゆる斜板式(あるいはスワッシュ式)と呼ばれるもので、駆動部2161と、この駆動部2161により駆動されるポンプ部2162とを主たる要素として構成されたものである。
なお、前述した第15実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付している。
駆動部2161は、ロッド2165と、図示しない駆動源(例えば、電動モータやエンジン等)からの動力をロッド2165に伝達する動力伝達部2166とを備えたものである。
ロッド2165は、動力伝達部2166の下端面から下方に向かって延びる、断面視円形を呈する概略棒状の部材である。
動力伝達部2166は、図示しない駆動源からの動力によりロッド2165を一方向(図26において矢印の方向)に回転動させるものである。
ポンプ部2162は、一本または複数本(本実施形態では四本)のピストン2171と、斜板(「ヨーク」ともいう)2172と、シリンダブロック2173とを備えたものである。
各ピストン2171は、一端部にピストンヘッド2171aを有するとともに、他端部にピストンシュー2171bを有する、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、シリンダ2176内にそれぞれ往復動可能に収容されている。
ピストンヘッド2171aは、このピストンヘッド2171aとピストンシュー2171bとを連結するピストンロッド2171cの外径よりも大きな外径を有する、いわゆる拡径部とされた部分であり、その平坦な一端面(図26において上側の端面)により(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス等)、液化プロパンガス等が圧縮されるようになっている。
ピストンシュー2171bは、ピストンヘッド2171aと同様に、ピストンロッド2171cの外径よりも大きな外径を有する、いわゆる拡径部とされた部分であり、その端面(図26において下側の面)が、傾斜角を有する斜板2172の摺動面Pに沿って摺動するように構成されている。
シリンダブロック2173は、その内部にピストン2171の数と同じ数だけ、縦方向(図26において上下方向)に沿って穿設された加圧室1126aを有するものであり、各加圧室1126a内には、ピストンヘッド2171aがそれぞれ一つずつ収められている。
シリンダ2176の他端側(図26において下側)には、図26に示すように、ピストンシュー2171bおよび斜板2172が収められるようになっている。
また、シリンダブロック2173の中央部には、ロッド2165が貫通する貫通孔1123aが形成されているとともに、シリンダブロック2173の側壁内部、底面内部、および上面内部はそれぞれ、符号1123cで示すように、中空で真空引きされた断熱真空構造とされている。
一方、シリンダブロック2173の頂部内部で、かつピストンヘッド2171aの一端面側中央部と対向する位置にはそれぞれ、各加圧室1126aと連通する吸入ポート1123dおよび吐出ポート1123eが設けられている。これら吸入ポート1123dおよび吐出ポート1123eにはそれぞれ、ボール型チェックバルブ1130が設けられており、低温流体の吸入および吐出が制御されるようになっている。
各吸入ポート1123dは、シリンダブロック2173に穿孔された流体吸入路1131と連通して設けられており、一方、各吐出ポート1123eは、シリンダブロック2173に穿孔された流体吐出路1132と連通して設けられている。したがって、流体吸入路1131から吸入ポート1123dを通って加圧室1126a内に導かれた低温流体は、ピストンヘッド2171aの一端面により圧縮され、例えば、30MPaに加圧(昇圧)された後、吐出ポート1123eから流体吐出路1132を通ってシリンダブロック2173の外部に導き出されるようになっている。
流体吐出路1132を通ってシリンダブロック2173の外部に導き出された低温流体は、配管1133を介してチャンバ1134内に一旦溜められる(貯溜される)。チャンバ1134内に溜められた低温流体は、配管1135を介して熱交換器1136に導かれてガス化された後、その大部分は配管1137を介して図示しない燃料噴射装置に供給されるようになっているとともに、その一部は配管1138および圧力レギュレータ(減圧器)1139を介して加圧室1126aの内部(すなわち、ベローズ1140と反対側に位置する、ピストンヘッド2171aの他端面側の空間)に導かれるようになっている。
なお、チャンバ1134内には、例えば、30MPaに昇圧された低温流体が貯溜されている。
また、加圧室1126aの内部には、圧力レギュレータ1139により減圧された、例えば、15MPaのガス化された低温流体が供給されるようになっている。
加圧室1126a内にはそれぞれ、ベローズ(仕切部材)1140が設けられている。このベローズ(bellows)1140は、ピストンヘッド2171aよりもピストンシュー2171b側(図26において下側)に位置する加圧室1126aの内周側(ピストンロッド2171c側)と外周側(シリンダブロック2173側)とを仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンヘッド2171aの一端面と反対側の面(他端面)に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック2173の内壁面に取り付けられている。
また、ピストンロッド2171cの一端部の半径方向外側にもベローズ(仕切部材)2180が設けられている。このベローズ(bellows)2180は、ピストンロッド2171cの一端部においてその内周側(ピストンロッド2171c側)と外周側(シリンダブロック2173側)とに仕切る(分離する)ものであり、その一端はピストンシュー2171bの他端面(図26において上側の面)外周端部に取り付けられているとともに、その他端はシリンダブロック2173の内壁面に取り付けられている。
これらベローズ1140,2180はそれぞれ、(極)低温で伸縮性を有する、例えば、ステンレス鋼やインコネルから作られている。
なお、図26中の符号1142,1143,1144はそれぞれ、平面視環状の(断熱用)シール部材であり、符号2181,2182はそれぞれ、スラストローラベアリングである。
以上の構成から、ロッド2165が駆動源によって(一方向に)回転させられると、スラストベアリング2181を介してピストンシュー2171bが摺動面Pに沿って摺動するとともに、ピストン2171がシリンダ2176内で往復運動させられて、加圧室1126aに流入された低温流体がつぎつぎに圧縮されるようになっている。本実施形態において、ピストン2171のストロークは、例えば、2mmに設定されている。
本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ2009によれば、ロッド2165が一方向(図26において矢印の方向)に回転させられることにより、ピストンヘッド2171aの一端面により低温流体が圧縮されるようになっている。すなわち、低温流体を圧縮する際に、ロッド2165に圧縮力がかからないようになっている。
これにより、ロッドに圧縮力が加わる従来のピストンロッド式のものよりもロッド2165の径を小さくすることができるので、駆動源からの入熱を低減させることができるとともに、ロッド2165の軽量化を図ることができて、ポンプ全体の軽量化を図ることができる。
また、加圧室1126aの内周面と接触して動く部分(例えば、従来のピストンリングのようなもの)がないので、加圧室1126a内における発熱を防止することができるとともに、低温流体を加熱してしまうことを防止することができる。
さらに、ベローズ1140により、加圧室1126aの内周側(半径方向内側)と外周側(半径方向外側)とが、完全に分離されているので、加圧室1126aの内周側から加圧室1126aの外周側(あるいは加圧室1126aの外周側から加圧室1126aの内周側)への低温流体の漏れ(リーク)を防止することができて、低温流体用昇圧ポンプ2009の圧縮効率を向上させることができる。
さらにまた、ベローズ1140の外側(半径方向外側)には、熱交換器1136によりガス化されるとともに、圧力レギュレータ1139によりその圧力が所定の圧力(例えば、15MPa)に調整された低温流体が存在することとなるので、ベローズ1140の内部に吸入された低温流体を圧縮する際のベローズ1140の変形を低減させることができて、ベローズ1140の長寿命化を図ることができ、低温流体用昇圧ポンプ2009の信頼性を向上させることができる。
さらにまた、吸入ポート1123dおよび吐出ポート1123eが配置されている側(図26において上側)と同じ側に、動力伝達部2166につながるロッド2165が延びているので、ポンプ部2162の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができるとともに、ポンプ全体の縦方向(軸方向)の長さを短くすることができて、ポンプの小型化および軽量化を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、ピストンおよびシリンダをそれぞれ四つずつ備えた四気筒のものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、単気筒や、二気筒、三気筒、あるいは五気筒以上の構成とすることもできる。
また、第16実施形態のところで説明したスラストローラベアリング2182は、図26に示すような斜板2172の下面中央部を一点支持するものに限定されるものではなく、斜板2172の下面全体を周方向に配置された複数個のスラストローラベアリングで支持させることも可能である。
さらに、この斜板2172の角度が、アクチュエータ等を使用することにより変更可能に構成されていると、すなわち、可変容量式に構成されていると好適である。これにより、ポンプの駆動回転数を変更することなく、斜板2172の角度を変更するだけでポンプの吐出量を変更することができる。
さらにまた、上述した実施形態では、吸入ポート1123dおよび吐出ポート1123eにそれぞれボール型チェックバルブ1130が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内燃機関等のDOHCに見られるような強制駆動式とすることもできるし、リード弁、ポペット弁等のような構成とすることもできる。
さらにまた、本発明は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、ベローズ1140,1141,2180として、図22に実線あるいは二点鎖線で示すような断面を有するものを採用することもできる。
すなわち、図22に実線で示す半径方向外側に一つの膨らみを有する、凸状のものとすることもできるし、図22に二点鎖線で示す半径方向内側に一つの凹みを有する、凹状のものとすることもできる。
さらにまた、図24に示す断熱接続部328は、上述したようなものに限定されるものではなく、例えば、図23に示すようなものとすることもできる。
さらにまた、上述したチャンバ1134にリリーフ弁が設けられているとともに、このリリーフ弁から噴き出した低温流体が、戻り配管を介してポンプの吸入側(あるいは別途燃料電池が設けられているものはその燃料電池)に戻されるようになっているとさらに好適である。
さらにまた、第8実施形態ないし第14実施形態における駆動部311は、図示したようなカム駆動のものに限定されるものではなく、ロッド320を強制的に駆動させる、例えば、クランク駆動等のものとすることもできる。
さらにまた、第15実施形態および第16実施形態において、ピストンロッド1122と連結部材1124とが、ロッド2165と斜板2172とがそれぞれ、第8実施形態ないし第14実施形態のところで説明した断熱材327を介して連結(接続)されているとさらに好適である。
さらにまた、上述した第8実施形態ないし第15実施形態のそれぞれにおいて、シリンダ内に収容されるとともに、当該シリンダ内を往復動するピストン本体やピストンヘッド等が、シリンダの内壁面(シリンダ壁)に衝突しないよう、例えば、ピストンロッド322,1122とシリンダブロック323,1123との間や、ピストン本体324,524とシリンダ326との間、あるいは連結部材1124とシリンダ1126との間に、ガイド部材が設けられているとさらに好適である。
ガイド部材としては、例えば、ピストンロッド322,1122とシリンダブロック323,1123との間や、ピストン本体324,524の外周面とシリンダ326の内壁面との間、あるいは連結部材1124の外周面とシリンダ1126の内壁面との間に配置されたリニアベアリングや、ピストン本体324,524の下端面から下方に突出する円筒形の突起が、シリンダ326,1126の底面中央部に形成された円筒形の凹所(窪み)に案内されるようなものを挙げることができる。
これにより、ピストン本体やピストンヘッド等の往復動部材が、シリンダ内をぶれることなく、あるいは振動することなく往復動することとなり、往復動部材がシリンダの内壁面に衝突することを防止することができるとともに、往復動部材を最小限の動力でスムースに駆動させることができる。
さらにまた、上述した第14実施形態ないし第16実施形態のそれぞれにおいては、これら実施形態にてガス化された低温流体が供給されていた空間内を真空状態とすることもできる。
これにより、シリンダブロックの温度上昇が抑制されるとともに、加圧室内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
なおこの際、図21、図24、および図26に示した配管931,1138および圧力レギュレータ1139は省略されることになる。
さらにまた、上述した実施形態において、ピストンロッド322,1122とシリンダブロック323,1123との間に、その内部が真空状態とされた空間が形成されているとさらに好適である。
例えば、図24に示す第15実施形態において、ピストンロッド1122の他端部328bの下面と内部空間329の底部上面との間に、ピストンロッド1122の内周側の空間と外周側の空間とを分離する、(ベローズ1141と同様の)ベローズが設けられている。
すなわち、シリンダブロック1123とピストンロッド1122との間の空間が真空状態とされており、シリンダブロック1123に、ピストンロッド1122からの熱(すなわち、駆動源1111側からピストンロッド1122側に入ってきた熱)が伝達されることを防止している。
これにより、シリンダブロック1123の温度上昇が抑制されるとともに、加圧室1126a内に流入する低温流体の温度上昇が抑制されることとなる。
本明細書中において使用した「低温」とは、−273℃〜0℃以下程度のことを指し、「高圧」とは、0.2MPa〜200MPaのことを指している。
また、本明細書中の「流体」には、「液体」、「気体」、「コロイド」が含まれる。

Claims (35)

  1. ピストンヘッドおよびピストンロッドを有するピストンと、
    前記ピストンヘッドを収容し、前記ピストンヘッドの一端面により流体が圧縮される加圧室を有するシリンダと、を備える昇圧ポンプであって、
    前記ピストンヘッドには、前記加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とを分離するベローズが設けられていることを特徴とする昇圧ポンプ。
  2. 前記ベローズの外表面と前記シリンダの内周面との間に存する空間を埋める充填材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の昇圧ポンプ。
  3. 前記ベローズのピストンヘッド側の一端部に、リング状のシール部材が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の昇圧ポンプ。
  4. 前記ピストンロッドが、中空で真空引きされた断熱真空構造とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の昇圧ポンプ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載する昇圧ポンプを少なくとも2台備えた昇圧装置であって、
    これら昇圧ポンプにより多段圧縮がなされることを特徴とする昇圧装置。
  6. 低温流体を低温のまま貯蔵する低温流体用貯蔵タンクであって、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の昇圧ポンプ、または請求項5に記載の昇圧装置と、
    低温流体が貯蔵される低温流体貯蔵槽と、
    前記昇圧ポンプまたは前記昇圧装置、および前記低温流体貯蔵槽が収容される低温容器とを具備してなることを特徴とする低温流体用貯蔵タンク。
  7. 前記昇圧ポンプまたは前記昇圧装置が、前記低温流体貯蔵槽の下流側で、かつ前記低温流体貯蔵槽の外側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の低温流体用貯蔵タンク。
  8. 前記低温流体貯蔵槽内に、固液二相状態である低温スラッシュ状の流体が貯蔵されていることを特徴とする請求項6または7に記載の低温流体用貯蔵タンク。
  9. 前記低温流体貯蔵槽の出口に、メッシュが配置されていることを特徴とする請求項8に記載の低温流体用貯蔵タンク。
  10. 前記低温流体貯蔵槽内に、ヒータが配置されていることを特徴とする請求項9に記載の低温流体用貯蔵タンク。
  11. 前記昇圧ポンプまたは前記昇圧装置の下流側に、熱交換器が配置されていることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の低温流体用貯蔵タンク。
  12. 前記低温容器の内面に、輻射シールド板が設けられていることを特徴とする請求項6から11のいずれか一項に記載の低温流体用貯蔵タンク。
  13. 内部に加圧室を有するシリンダブロックと、前記加圧室内に収容されるとともに、前記加圧室内を往復動するピストンヘッドとを備え、かつ前記ピストンヘッドの一端面により低温流体が圧縮される低温流体用昇圧ポンプであって、
    前記ピストンヘッドの一端面と、該一端面に対向して存する前記加圧室の内面との間に、前記ピストンヘッドの内周側の空間と外周側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材が設けられていることを特徴とする低温流体用昇圧ポンプ。
  14. 前記仕切部材の外側に、加圧された流体が充填されていることを特徴とする請求項13に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  15. 前記仕切部材の外側が、真空状態とされていることを特徴とする請求項13に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  16. 駆動源に接続された駆動部により駆動されるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドに接続されて、前記ピストンロッドとともに往復動するピストンヘッドと、
    前記ピストンヘッドを収容し、前記ピストンヘッドの一端面により低温流体が圧縮される加圧室を有するシリンダと、を備える低温流体用昇圧ポンプであって、
    前記ピストンヘッドの一端面の側に前記駆動部が配置され、低温流体を圧縮する際、前記ピストンロッドの軸部に、この軸部の延在方向と略同じ方向の引っ張り力が加わることを特徴とする低温流体用昇圧ポンプ。
  17. 前記ピストンヘッドが、同心円を有する少なくとも二つ以上の部材に分割されており、低温流体が、これら分割されたピストンヘッドの一端面を順次通過することにより徐々に所望の圧力にまで昇圧される、多段圧縮構造とされていることを特徴とする請求項16に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  18. 前記ピストンヘッドの一端面側および他端面側に、前記加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項16または17に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  19. 前記ピストンヘッドの他端面側に、前記加圧室のピストンロッド側の空間とシリンダ側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材が設けられていることを特徴とする請求項16または17に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  20. 前記シリンダの内部に予冷層が形成されていることを特徴とする請求項16から19のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  21. 前記駆動部と前記ピストンロッドとが、断熱接続部を介して連結されていることを特徴とする請求項16から20のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  22. 前記ピストンヘッドと前記ピストンロッドとが、断熱材を介して連結されていることを特徴とする請求項16から21のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  23. 前記シリンダブロックと前記ピストンロッドとの間に、前記ピストンロッドの軸部を案内するガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項16から22のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  24. 前記シリンダブロックと前記ピストンロッドの軸部との間の空間が、真空状態となるように構成されていることを特徴とする請求項16から23のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  25. 前記シリンダが、低温流体用貯蔵タンクの内部に貯蔵された低温流体中に浸かるとともに、前記低温流体用貯蔵タンクに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項16から24のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  26. 前記駆動部および前記シリンダが、低温流体用貯蔵タンクの内部に貯蔵された低温流体中に浸かるとともに、前記低温流体用貯蔵タンクに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項16から24のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  27. 請求項16から26のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプと、
    前記低温流体用昇圧ポンプにより昇圧された低温流体を溜めておくチャンバと、
    前記チャンバから低温流体が供給される燃料噴射装置と、を備えてなることを特徴とする低温流体供給装置。
  28. 前記チャンバ内の低温流体を、液状化又はガス化して前記低温流体用昇圧ポンプの前記ピストンヘッドの他端面側に位置する前記シリンダ内に供給する昇圧流体供給部が設けられていることを特徴とする請求項27に記載の低温流体供給装置。
  29. 前記チャンバと前記燃料噴射装置の間に、液体水素をガス化する熱交換器を設け、前記ガス化された水素を圧力調整し、前記低温流体用昇圧ポンプの前記ピストンヘッドの他端面側に位置する前記シリンダ内に供給する昇圧流体供給部が設けられていることを特徴とする請求項27に記載の低温流体供給装置。
  30. 前記チャンバに、リリーフ弁が設けられていることを特徴とする請求項27から29のいずれか一項に記載の低温流体供給装置。
  31. 内部に加圧室を有するシリンダブロックと、前記加圧室内に収容されるとともに、前記加圧室内を往復動するピストンヘッドとを備え、かつ前記ピストンヘッドの一端面により低温流体が圧縮される低温流体用昇圧ポンプであって、
    前記ピストンヘッドの他端面側に、前記加圧室の内周側の空間と外周側の空間とを分離する、可撓性を有する仕切部材が設けられていることを特徴とする低温流体用昇圧ポンプ。
  32. 前記仕切部材の内側に、加圧された流体が充填されていることを特徴とする請求項31に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  33. 前記仕切部材の内側が、真空状態とされていることを特徴とする請求項31に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  34. 前記シリンダブロックと前記ピストンヘッドとの間に、前記ピストンヘッドを案内するガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項16から26,31から33のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
  35. 前記シリンダブロックが、低温流体用貯蔵タンクの内部に貯蔵された低温流体中に浸かるとともに、前記低温流体用貯蔵タンクに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項13から15,31から34のいずれか一項に記載の低温流体用昇圧ポンプ。
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