JPWO2005111167A1 - 粘着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

耐久性と光漏れ防止性を良好に維持しつつ、ブリードをなくし、再剥離時の汚染や過酷な条件下での剥がれを抑制できる(メタ)アクリル系重合体を有する粘着剤組成物を提供することを目的とする。その(メタ)アクリル系重合体を有する粘着剤組成物は、少なくとも(メタ)アクリル系重合体と架橋剤からなる粘着剤組成物であって、該(メタ)アクリル系重合体が、要件(a)ないし(d)(a)重量平均分子量が80万以上(b)分子量30万以下の成分の含有量が、(メタ)アクリル系重合体全体に対して25質量%以上(c)横軸が分子量について線形目盛りの分子量分布チャートにおいて、分子量30万以下の部分の分子量分布曲線にあてはめた単回帰直線の傾きが0以上(d)前記単回帰直線における決定係数が0.8以上を満たすものであることを特徴とする。

Description

本発明は、粘着剤組成物に関するものであり、更に詳細には、耐久性と光漏れ防止性を両立しつつ、低分子量成分のブリードが生じない等の優れた物性を有し、光学フィルム等用の粘着剤として有利に用いられる粘着剤組成物に関するものである。
光学フィルム用の粘着剤には、高温高湿雰囲気下においても光学フィルムの発泡、浮き、ハガレ等が起こらないための耐久性や、高温雰囲気下における光学フィルムの寸法変化に柔軟に追従し、例えば光学フィルムが偏光フィルムの場合には、2枚の偏光フィルムを偏光軸を直角に粘着剤で粘着させ高温高湿下に放置した場合に光漏れを生じさせないための光漏れ防止性が必要とされている。また、光学フィルムを液晶パネル等の被着体へ粘着する時に、位置がずれてしまった場合でも、被着体を汚染させることなく、光学部材(光学フィルムの上に粘着剤を有するもの)を被着体から再剥離するためのリワーク性も求められている。
このような光学フィルム用の粘着剤としては、従来からアクリル系粘着剤が主に使用されている。そして、上記要求を満たすものとして、高分子量のアクリルポリマーと中低分子量体をブレンドし架橋したアクリル系粘着剤が知られている。これは、高分子量のアクリルポリマーを架橋することで凝集力を向上させ、浮き、ハガレが起きないような耐久性を付与し、さらに中低分子量体を含有させることで、光漏れが起きないようにするというものである。
しかしながら、近年のディスプレイの大型化に伴って、高温雰囲気下での光学フィルム特に偏光フィルムの寸法変化に起因する光漏れがより大きな問題となり、光学フィルム用の粘着剤には、更なる柔軟性が求められるようになってきている。また、過酷な条件下においては、光漏れ防止性を上げるために添加されている低分子量体がブリードし、再剥離時に被着体を汚染したり、ハガレが生じるという問題が生じている。
例えば、加熱耐久性、応力緩和性を改良するために、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)を4以上とする技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、分子量分布を考慮せずに、Mw/Mnを単に4以上とするだけでは、再剥離時の汚染や、温度差が極めて大きい等の過酷な使用環境下での剥がれを防止することはできなかった。また、分子量分布によっては、一般にMw/Mnが20以上になると発泡が生じやすくなるという問題点もあった。
また、この(メタ)アクリル系重合体として、重量平均分子量が20万以上のものと20万未満のものを混合して用いることによって、高温高湿下でのプラスチックへの密着性を向上させることも知られているが(特許文献2)、この方法では、重量平均分子量の小さい成分が表面にブリードし、上記した再剥離の汚染、過酷な使用環境下での剥離等の問題が解決できていなかった。
更に、高温高湿下での粘着性を維持し、剥がれの発生しにくい粘着剤組成物を与える(メタ)アクリル系重合体として、高分子量、中分子量、低分子量のものを混合して調製する方法も知られているが(特許文献3)、依然、上記の問題を解決するには至っていなかった。
特開2002−341141号公報 特開2002−107507号公報 特開2003−049141号公報
本発明はかかる技術背景に鑑みてなされたものであり、その課題は、耐久性と光漏れ防止性を良好に維持しつつ、ブリードをなくし、再剥離時の汚染や過酷な環境下での剥がれを抑制できる(メタ)アクリル系重合体を有する粘着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の条件を満たす(メタ)アクリル系重合体を選択、使用することによって、上記課題が解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、少なくとも(メタ)アクリル系重合体と架橋剤からなる粘着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル系重合体が、要件(a)ないし(d)
(a)重量平均分子量が80万以上
(b)分子量30万以下の含有量が、(メタ)アクリル系重合体全体に対して25質量%
以上
(c)横軸が分子量について線形目盛りの分子量分布チャートにおいて、分子量30万
以下の部分の分子量分布曲線にあてはめた単回帰直線の傾きが0以上
(d)前記単回帰直線における決定係数が0.8以上
を満たすものであることを特徴とする粘着剤組成物を提供するものである。
また、支持体上の少なくとも片面に、上記粘着剤組成物より得られる粘着剤層を設けた粘着シートを提供するものである。
更に、光学フィルムの少なくとも片面に、上記粘着剤組成物より得られる粘着剤層を設けた光学部材を提供するものである。
本発明によれば、耐久性と光漏れ防止性を両立しつつ、低分子量成分のブリードがなく、再剥離時の汚染、過酷な条件下での剥がれを抑制でき、リワーク性にも優れた粘着剤組成物を提供することができる。
本発明の粘着剤組成物は、少なくとも上記(a)ないし(d)の条件を全て満たす(メタ)アクリル系重合体と架橋剤から調製される。
この(メタ)アクリル系重合体が満たすべき要件(a)は、その重量平均分子量(以下、「Mw」と略記する)が80万以上であることである。好ましくは、90万以上である。特に、本発明の粘着性組成物を偏光フィルムの粘着に用いる場合には、80万〜150万が好ましい。Mwが80万未満の場合には、凝集力が不足し、耐久性が不充分となる場合がある。
また、(メタ)アクリル系重合体が満たすべき要件(b)は、当該重合体中の、分子量30万以下の成分の含有量が、(メタ)アクリル系重合体全体に対して、25質量%以上であることである。好ましくは、30質量%以上である。これに対し、分子量30万以下の含有量が25質量%未満だと、光漏れ防止性に問題がある場合がある。ここで、光漏れとは、2枚の偏光フィルムを互いに偏向面を直角にしてガラス等の基材の両面に粘着剤で粘着させ熱をかけたときに、本来ならば存在しないはずの透過光が観察できる現象をいい、光漏れ防止性とは、このような光漏れを防止しうる性能をいう。そして、熱による光学フィルムの収縮に粘着剤が追従できない場合に、上記光漏れ防止性が悪くなる。
更に、(メタ)アクリル系重合体が満たすべき要件(c)は、横軸が分子量について線形目盛りの分子量分布チャートにおいて、分子量30万以下の部分の分子量分布曲線にあてはめた単回帰直線の傾きが0以上であることである。
要件(c)と後述する要件(d)を判断するための分子量分布チャートを得る方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する)によって得られる。GPCカラム等の測定条件によって、分子量分布チャートの形状は一般には異なるが、本発明における単回帰直線の傾き、決定係数等は、実施例のGPC測定条件によって測定された分子量分布チャートに基づいて定義される。
また、要件(c)の判断において、「横軸が分子量について線形目盛りの分子量分布チャート」とは、横軸を分子量の表示等で汎用される対数目盛でなく、等間隔で目盛った分子量分布チャートをいう。この分子量分布チャートを得るに当たり、横軸の分子量は標準ポリスチレンなどでキャリブレートされ、また、単回帰直線は、常法に従い最小自乗法を用いて、曲線を直線で近似したときのその直線として求められる。
本発明においては、上記分子量範囲で最小自乗法を用いて得られた単回帰直線の傾きが0以上であることが必須である。傾きが0未満であるということは、分子量30万より低分子量側にも更にピークが存在することを意味し、このような(メタ)アクリル系重合体を使用すると、低分子量成分が表面にブリードし、再剥離時の汚染や冷熱サイクル時のハガレが発生する場合がある。
更にまた、(メタ)アクリル系重合体が満たすべき要件(d)は、前記単回帰直線における決定係数が0.8以上であることである。ここで決定係数とは、下記式(1)におけるrを意味し、最小自乗法で得られた単回帰直線の実際の分子量分布曲線からのずれの程度を1を上限として示す値である。
Figure 2005111167
ここで、Sは、式(2)で示される残差平方和であり、Syyは、測定値yについての式(3)で示される偏差平方和である。
Figure 2005111167
Figure 2005111167
Figure 2005111167
式(1)から明らかなように、決定係数が大きいほど得られた単回帰直線の実際の分子量分布曲線からのずれが小さいこと、すなわち分子量30万以下のGPCチャート曲線が直線に近いことを意味する。本発明では、式(1)で定義される決定係数が0.8以上であることが必須である。0.8未満だと、低分子量成分がブリードし、それによる悪影響が無視できないレベルになる場合があり、再剥離時の汚染、冷熱サイクル時のハガレ等の問題を生ずる場合がある。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系重合体は、上記要件(a)ないし(d)を全て満たすものであれば、それ以外は特に限定はない。このような(メタ)アクリル系重合体は、後記する方法により、通常用いられる(共)重合性(メタ)アクリル系モノマーを(共)重合させることによって得られる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系重合体の製造に使用される(メタ)アクリル系モノマーとしては特に限定はないが、具体的な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコールエステル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メチルフェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等の水酸基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、1,3−ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエーテル基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の有機ケイ素基含有モノマー;ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン含有モノマー;(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられ、これらは1種又は2種以上混合して用いられる。
上記の(メタ)アクリル系モノマーのうち、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸ベンジルなどのベンゼン環を有する(メタ)アクリル系モノマーを、(メタ)アクリル系モノマー全量の10〜70質量%、好ましくは30〜50質量%の割合で用いると耐光漏れ性が向上するため好ましい。
(メタ)アクリル系重合体の共重合成分として好ましくは、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能基含有(メタ)アクリル系モノマーの併用である。具体的には、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル等が用いられる。
(メタ)アクリル系重合体の共重合成分として、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能基含有(メタ)アクリル系モノマーを併用する場合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル59〜99.5質量%、官能基含有(メタ)アクリル系モノマー0.5〜40質量%を共重合させることが好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.5質量%、官能基含有(メタ)アクリル系モノマー0.5〜20質量%を共重合させることが更に好ましい。
また、(メタ)アクリル系重合体を構成する共重合成分としては、上記(メタ)アクリル系モノマー以外の共重合成分を用いることもできる。かかる共重合成分としては、スチレン、ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、tert−ブトキシスチレン、tert−ブトキシカルボニルスチレン、tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、α−メチルスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のビニル化合物;酢酸アリル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物;イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸等の酸無水物残基含有モノマー;ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、2−メトキシエトキシトリメトキシシラン等の有機ケイ素基含有モノマー;アクリルアミド等の酸アミド化合物などが挙げられる。これらは、(メタ)アクリル系重合体中、0〜10質量%の割合で、好ましく用いられる。
本発明の上記要件(a)ないし(d)を有する(メタ)アクリル系重合体は、以下の製造方法に限定されるものではないが、例えば、次の方法により製造することができる。
方 法 A:
常法に従って、複数の分子量を有するポリマーをそれぞれ別個に合成し、これらを前記(a)〜(d)の要件を満たすように配合する。配合するポリマーの数は複数であれば特に限定はないが、2〜10が好ましく、3〜5が特に好ましい。
具体的には例えば、100万〜150万に分子量ピークを有するポリマー、5万〜30万に分子量ピークを有するポリマー、1万〜4万に分子量ピークを有するポリマー及び500〜5000に分子量ピークを有するポリマーを、最終的に前記(a)〜(d)の要件を満たすようになるように、それぞれの重量で溶液中で混合する方法等が挙げられる。
この場合、分子量(重合度)が異なる各ポリマー成分によって、共重合成分やその成分比率が異なっていてもよく、また実質同一であっても良いが、好ましくは実質同一である。
方 法 B:
同一の重合装置内において、複数の反応条件により前記(a)〜(d)の要件を満たすように順次反応させ、(メタ)アクリル系重合体を得る。例えば、反応温度、重合開始剤の種類と量、連鎖移動剤の種類と量、モノマー濃度、重合時間を調整することによって反応条件を変化させ、多段階で重合させる方法等が挙げられる。具体的には、反応容器にモノマー、開始剤、要すれば溶媒を仕込み、反応容器を窒素置換した後、反応温度まで昇温し反応を開始する。モノマーの転化率(重合率)が、約30%〜70%になった時点で、開始剤を追加し、要すれば溶媒を滴下しながら反応を進行させ、モノマーの転化率(重合率)が、ほぼ100%となるまで、適宜、開始剤や連鎖移動剤の追加、反応温度、反応時間等の調整を行い、多段階で重合させる方法が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル系重合体は、常法により合成することができる。重合に当たっての重合反応の種類については特に限定はないが、ラジカル溶液重合が好ましい。また、重合後に残存モノマーがほとんど残らないことから、複数の分子量を有するポリマーを混合する方法よりも、多段階で重合させる方法の方が特に好ましい。
重合反応に用いられる重合開始剤についても、所望の重合率と重合度が得られるものならば特に限定はなく、汎用のものが好適に使用できる。重合開始剤は単独でも、複数種類を併用してもよいが、多段階で重合を行う場合には、初期開始剤としては、比較的分子量が大きく、分岐のないポリマー構造を形成するアゾ系開始剤を、追加開始剤としては、開始剤効率のよい過酸化物系開始剤を用いることが、凝集力の向上と重合率の向上のために好ましい。
さらに、必要に応じて、汎用の連鎖移動剤も使用することができる。また、重合温度、窒素置換等の重合条件も、前記(a)〜(d)の要件を満たすものが得られるならば特に限定はない。
なお、本発明においては、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(以下、「Mn」と略記する)で割った値Mw/Mnが、20以上であることが、低分子量体含有による光漏れ防止性を有しながら、ブリードによる汚染、冷熱サイクル時のハガレを防ぐために好ましい。特に好ましくは、30以上である。
また、本発明において、(メタ)アクリル系重合体のガラス転移点(以下、「Tg」と略記する)は、良好な粘着性を示す範囲であれば特に限定はないが、再剥離時の柔軟性を確保するために、0℃以下が好ましく、特に好ましくは、−70℃〜−20℃である。
一方、本発明粘着剤の別の必須成分である架橋剤は、(メタ)アクリル系重合体の有する官能基と反応又は相互作用し得る化合物である。この架橋剤としては、特に限定はないが、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が好ましく使用される。
このうちイソシアネート系架橋剤は、その分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的には、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物や、それらをトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の2価以上のアルコール化合物等に付加反応させたイソシアネート化合物、イソシアヌレート化物、ビュレット型化合物等が例示される。また、公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等にイソシアネート化合物を付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等も挙げられる。
また、エポキシ系架橋剤は、その分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物であり、具体的には、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N'−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの架橋剤は、1種又は2種以上混合して用いられる。
本発明の粘着剤組成物の製造における、(メタ)アクリル系重合体と架橋剤の配合比率は、特に限定はないが、(メタ)アクリル系重合体100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、0.005〜3が特に好ましい。そして、特にイソシアネート系架橋剤の場合は、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。また、エポキシ系架橋剤の場合は0.001〜0.5重量部が好ましく、0.005〜0.3重量部が特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物の製造には、上記必須成分のほかに必要に応じて、粘着付与剤、無機又は有機充填剤、増粘剤、発泡剤、染料、顔料、酸化防止剤、難燃剤等を配合することもできる。
以上のようにして得られる本発明の粘着剤組成物は、種々の用途に適用可能であるが、偏光フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、防眩シート等の液晶表示等に用いられる光学フィルム用の粘着シートに好適に用いられる。中でも偏光フィルム用の粘着シートに用いることが特に好ましい。
かかる粘着シートは、本発明の粘着剤組成物を、必要に応じ適切な支持体、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、不織布等に塗工し、要すれば溶剤を留去すると共に架橋反応を行わせて得ることができる。
更に、光学フィルムの少なくとも片面に、本発明の粘着剤組成物より得られる粘着剤層を設けた光学部材として用いることもできる。本発明において光学部材とは、偏光フィルム等の光学フィルムの表面に粘着剤を有するものを言う。光学部材は、粘着シートを光学フィルムに粘着させることによっても得られ、また光学フィルムの表面に粘着剤組成物を塗布し、その後に架橋反応等をさせても得ることができる。
以上説明した本発明の粘着剤組成物が、耐久性と光漏れ防止性を両立しつつ、低分子量成分のブリードがなく、再剥離時の汚染、過酷な条件下での剥がれを抑制できる等の性質を有する理由は明らかではないが、(メタ)アクリル系重合体が要件(a)ないし(d)を満たすことによって、高分子量から低分子量のポリマーが互いに隙間なく配置されるため、低分子量ポリマーが系内に保持されやすくなり、またこのような広範囲の分子量分布をもった(メタ)アクリル系重合体全体の相溶性を向上させ、過酷な条件下での低分子量成分のブリードを抑制できたと考えられる。またこのために、中低分子量成分比率を多くすることができ、耐久性、再剥離時の汚染抑制(リワーク性がよい)を維持しつつ、過酷な条件下での剥がれや光漏れを抑制できたものと考えられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を示す。
実 施 例 1
アクリル酸ブチル99部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル1部、酢酸エチル120部及びアゾ系重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(大塚化学株式会社製)(以下、「AIBN」と略記する)0.2部を反応容器に仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃に昇温した後、2時間反応させた。その後、酢酸エチル30部を滴下しながら、過酸化物系重合開始剤であるパーヘキシルPV(日本油脂株式会社製)(以下、「PHPV」と略記する)0.2部を添加し20分反応させ、次いでPHPV0.3部を添加し40分反応させ、更にPHPV1.0部を添加し3時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、重量平均分子量98万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液中の(メタ)アクリル系重合体(固形分)100部に対して、イソシアネート系架橋剤L−45(綜研化学株式会社製)2部、シランカップリング剤U−10(綜研化学株式会社製)0.05部を添加し、粘着剤組成物の溶液を得た。
この粘着剤組成物の溶液を剥離処理したポリエステルフィルムの表面に塗布して乾燥させることにより、厚さ25μmの粘着剤層を有する粘着シートを得た。この粘着シートを偏光フィルムの片面に貼り付け、温度23℃、湿度65%の条件で7日間熟成させて光学部材を得た。
実 施 例 2
実施例1において、アクリル酸ブチル99部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル1部をアクリル酸ブチル96部、アクリル酸4部に代えた以外は実施例1と同様にして、重量平均分子量110万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液を用い、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤L−45(綜研化学株式会社製)0.8部に、更にエポキシ系架橋剤E−5XM(綜研化学株式会社製)0.02部を加えた以外は、実施例1と同様にして光学部材を得た。
実 施 例 3
下記の方法でそれぞれ別途調製したポリマー溶液AないしDを、次の割合で混合することにより、重量平均分子量123万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
ポリマー溶液A :ポリマー(固形分)として 100部にあたる量
ポリマー溶液B :ポリマー(固形分)として 2部にあたる量
ポリマー溶液C :ポリマー(固形分)として 4部にあたる量
ポリマー溶液D :ポリマー(固形分)として 2部にあたる量
<ポリマー溶液Aの調製方法>
アクリル酸ブチル96部、アクリル酸4部、酢酸エチル120部及びAIBN0.2部を反応容器に仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃に昇温した後、4時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、重量平均分子量130万のポリマー溶液Aを得た。
<ポリマー溶液Bの調製方法>
アクリル酸ブチル96部、アクリル酸4部、トルエン120部及びAIBN0.2部を反応容器に仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら85℃に昇温した後、4時間反応させた。反応終了後、トルエンで希釈し、重量平均分子量10万のポリマー溶液Bを得た。
<ポリマー溶液Cの調製方法>
アクリル酸ブチル96部、アクリル酸4部、トルエン100部、AIBN2部及びα−メチルスチレンダイマー5部を反応容器に仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら110℃に昇温した後、4時間反応させた。反応終了後、トルエンで希釈し、重量平均分子量2万のポリマー溶液Cを得た。
<ポリマー溶液Dの調製方法>
アクリル酸ブチル96部、アクリル酸4部、トルエン100部、AIBN3部及びα−メチルスチレンダイマー15部を反応容器に仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら110℃に昇温した後、4時間反応させた。反応終了後、トルエンで希釈し、重量平均分子量3000のポリマー溶液Dを得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液を用い、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤L−45(綜研化学株式会社製)0.8部に、更にエポキシ系架橋剤E−5XM(綜研化学株式会社製)0.02部を加えた以外は、実施例1と同様にして光学部材を得た。
実 施 例 4
実施例1において、アクリル酸ブチル99部を、アクリル酸ブチル59部とアクリル酸フェノキシエチル40部に代え、初期仕込みの酢酸エチル120部を酢酸エチル140部に代えた以外は実施例1と同様にして、重量平均分子量116万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液を用い、イソシアネート系架橋剤L−45(綜研化学株式会社製)2部を、イソシアネート系架橋剤TD−75(綜研化学株式会社製)0.2部に代えた以外は実施例1と同様にして光学部材を得た。
実 施 例 5
実施例1において、アクリル酸ブチル99部を、アクリル酸ブチル64部とアクリル酸ベンジル35部に代え、初期仕込みの酢酸エチル120部を酢酸エチル80部に代えた以外は実施例1と同様にして、重量平均分子量95万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液を用い、イソシアネート系架橋剤L−45(綜研化学株式会社製)2部を、イソシアネート系架橋剤TD−75(綜研化学株式会社製)0.2部に代えた以外は実施例1と同様にして光学部材を得た。
比 較 例 1
実施例1において、最初に仕込んだ酢酸エチルの量を、120部から140部に代え、更にトルエン10部を加えた以外は実施例1と同様にして、重量平均分子量72万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液を用い、実施例1と同様にして光学部材を得た。
比 較 例 2
アクリル酸ブチル99部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル1部、酢酸エチル100部及びAIBN0.2部を反応容器に仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃に昇温した後、5時間反応させた。その後、酢酸エチル30部を滴下しながら、PHPV0.2部を添加し20分反応させ、次いでPHPV0.3部を添加して40分反応させ、更にPHPV1.0部を添加して4時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、重量平均分子量135万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液を用い、実施例1と同様にして光学部材を得た。
比 較 例 3
アクリル酸ブチル99部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル1部、酢酸エチル120部及びAIBN0.2部を反応容器に仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃に昇温した後、2時間反応させた。その後、酢酸エチル30部を滴下しながら、PHPV0.2部及びα−メチルスチレンダイマー5部を添加し、5時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、重量平均分子量106万の(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体溶液を用い、実施例1と同様にして光学部材を得た。
実施例1〜5、比較例1〜3で得られた(メタ)アクリル系重合体を、下記のGPC測定条件で測定して分子量分布曲線等を求めた。
<GPC測定条件>
測定装置 :HLC−8120GPC(東ソー社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー社製)
(1)TSK−GEL HXL−H (ガードカラム)
(2)TSK−GEL G7000HXL
(3)TSK−GEL GMHXL
(4)TSK−GEL GMHXL
(5)TSK−GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cm となるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒 :テトラヒドロフラン
流量 :1.0cm/min
カラム温度 :40℃
実施例1で製造した(メタ)アクリル系重合体の、分子量30万以下の部分のみの分子量分布チャートを図1に示す。また、実施例1〜5及び比較例1〜3で製造した(メタ)アクリル系重合体のGPC測定から得られた数値を表1に示す。
Figure 2005111167
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた光学部材を、240mm×140mm及び310mm×230mmの大きさにして、下記の評価方法により評価した。240mm×140mmの大きさの結果を表2に、310mm×230mmの大きさの結果を表3に示す。
<耐久性の評価方法>
光学部材を、無アルカリガラス板の片面にラミネーターロールを用いて貼着し、次いで、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して、試験板を作成した。
同様の試験板を2枚作成し、それぞれ、温度60℃、湿度95%RHの条件下で500時間放置、及び温度85℃の条件下で500時間放置し、以下の基準で、発泡、はがれ、亀裂の発生等を目視で観察し評価した。
○:発泡、はがれ、亀裂等の外観不良が認められなかった
×:発泡、はがれ、亀裂等の外観不良が認められた
<冷熱サイクル耐久性の評価方法>
光学部材を、無アルカリガラス板の片面にラミネーターロールを用いて貼着し、次いで、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して、試験板を作成した。
こうして作成した試験板をエスペック株式会社製 冷熱衝撃装置TSA−71L−Aを用いて、−40℃で30分、80℃で30分を1サイクルとする冷熱サイクルを200回繰り返し、光学部材の発泡、浮き、ハガレの有無を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:発泡、浮き、ハガレ等の外観不良が見られなかった
×:発泡、浮き、ハガレが確認された。
<光漏れ防止性の評価方法>
光学部材2枚を、無アルカリガラス板の表裏面に相互に直交ニコル位になるようにラミネーターロールを用いて貼着し、次いで、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して、試験板を作成した。
作成した試験板を、85℃の条件下で500時間放置し、光漏れ防止性を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:光漏れは全く見られなかった
○:光漏れはほぼ見られなかった
×:明らかな光漏れが見られた
<再剥離汚染性の評価方法>
光学部材を、無アルカリガラス板の片面にラミネーターロールを用いて貼着し、次いで、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持し、23℃、湿度65%の雰囲気下で24時間静置して試験板を作成した。
こうして作成した試験板から光学部材をはがし、被着体(無アルカリガラス板)の汚染を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:被着体に汚染が見られなかった
×:被着体に汚染が確認された
Figure 2005111167
Figure 2005111167
表2及び3から判るように、実施例1〜5の光学部材は、いずれの大きさにおいても、評価した全ての性能が優れていたのに対し、要件(a)ないし(d)の何れかを満たしていない比較例1〜3の光学部材は、評価した上記性能のうち何れかが劣っていた。
本発明によれば、耐久性と光漏れ性を両立しつつ、低分子量成分のブリードがなく、再剥離時の汚染、過酷な条件下での剥がれを抑制でき、リワーク性にも優れた粘着剤組成物を提供することができるので、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルム用粘着シート等種々の用途に適用可能である。
実施例1で得られた(メタ)アクリル系重合体の、分子量30万以下の部分の分子量分布曲線と、分子量分布曲線にあてはめた単回帰直線を示す図である。

Claims (7)

  1. 少なくとも(メタ)アクリル系重合体と架橋剤からなる粘着剤組成物であって、該(メタ)アクリル系重合体が、要件(a)ないし(d)
    (a)重量平均分子量が80万以上
    (b)分子量30万以下の成分の含有量が、(メタ)アクリル系重合体全体に対して25
    質量%以上
    (c)横軸が分子量について線形目盛りの分子量分布チャートにおいて、分子量30万
    以下の部分の分子量分布曲線にあてはめた単回帰直線の傾きが0以上
    (d)前記単回帰直線における決定係数が0.8以上
    を満たすものであることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. (メタ)アクリル系重合体が、少なくともアクリル酸アルキルエステル及び官能基含有(メタ)アクリル系モノマーを共重合成分として含むものである請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. (メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量を数平均分子量で割った値が20以上である請求項1又は請求項2記載の粘着剤組成物。
  4. 架橋剤が、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項記載の粘着剤組成物。
  5. 光学フィルムの粘着用である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項記載の粘着剤組成物。
  6. 支持体上の少なくとも片面に、請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の粘着剤組成物より得られる粘着剤層を設けたことを特徴とする粘着シート。
  7. 光学フィルムの少なくとも片面に、請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の粘着剤組成物より得られる粘着剤層を設けたことを特徴とする光学部材。
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