JPWO2005079845A1 - 片頭痛予防薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、5−HT2B及び5−HT7受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B及び5−HT7受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬に関する。これらの片頭痛予防薬は、5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗剤、又は5−HT7受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗剤を各々単独で用いた場合と比較して、良好な薬理作用を示したことから、片頭痛の予防効果に優れ、かつ既存の片頭痛予防薬に見られる副作用を低減させた薬剤として有用である。

Description

本発明は片頭痛の予防薬として有用な医薬組成物に関する。
片頭痛は周期的に起こる拍動性の頭痛であり、頭の片側又は両側に強い痛みが発生し数時間から3日間程度持続する疾患である。この片頭痛は次のような発症機序で病態が進行することが示唆されている。まず、5−HT(セロトニン)等の神経伝達物質の作用により硬膜血管がいったん収縮した後、再び拡張が起こり、この際CGRP等の血管作動性ペプチドや血漿蛋白を放出して炎症が進行し、頭痛への発症と繋がる。
片頭痛を標的とした医薬は、予防薬と治療薬に二分される。前者は発症前に予防的に連投することで、発作頻度を減らすことが目的であり、後者は発作発現後に服用し痛みを抑えることが目的である。特に予防薬としては、ロメリジン、フルナリジン等のCa拮抗剤、ピゾチフェン、メチセルジド等のセロトニン拮抗剤、プロプラノロール等のβ遮断薬等が一部の国で臨床に用いられているが、いずれも多くの副作用が報告されており、十分な臨床効果が得られていない。
上記の予防薬の中のセロトニン拮抗剤であるピゾチフェンに関しては、有効性が他剤と比較して高いものの、有効投与量で疲労感、眠気、めまい、体重増加などの副作用が見られることが問題となっている(J.Neurol.(1991)238,S45−S52)。当該化合物は、5−HT受容体サブタイプいずれに対しても親和性を有し、かつα、M及びD等の様々な受容体に対しても親和性が高いことが知られている。
5−HTはモノアミン神経伝達物質であり、5−HT受容体を介して様々な生理的作用を発現する。5−HT受容体は5−HTから5−HTの7つのファミリーに分類され、特に5−HT受容体は5−HT2A、5−HT2B及び5−HT2Cの三種類のサブタイプが知られている(Pharmacol.Rev.(1994)46,157−203)。片頭痛の発症についてはこの5−HTが深く関わっていることが示唆されている(Headache(1994)34,408−417)。さらに、5−HT受容体拮抗作用を有する薬剤が片頭痛の予防に有効である事が報告されている(Prog.Drug.Res.(1998)51,219−244)。
近年5−HT受容体サブタイプの薬理学的研究が進められてきた。例えば、5−HT2B受容体アンタゴニストはモルモットmCPP誘発硬膜血管外蛋白漏出を抑制すること(Cephalalgia(2003)23,117−123)が、また、血管平滑筋上に局在する5−HT2B受容体はNO遊離を引き起こし、NOは三叉神経からのCGRPやサブスタンスP等の神経ペプチドの遊離を促進すること(J.Biol.Chem.(2000)275,9324−9331、Circ.Res.(1992)70,1313−1319)が報告されている。更に、5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する化合物(RS−127445)を用いた動物モデルの試験で、片頭痛の予防作用を示唆する結果が得られている(D.W.Bonhaus著,Clustar Headache and Related Conditions,第9巻(英国)Oxford University Press(1999),278−286)。
また、5−HT受容体は三叉神経に存在し(Neurosci.Lett.(2001)302,9−12)、脳血管平滑筋において5−HTによる血管拡張に関与している(Eur.J.Pharmacol.(2002)439,1−11)、或いは硬膜血管外蛋白漏出促進作用に関与している(Regiona.l Anesth.(1996)21,219−225)との報告がある。
別の報告では、5−HT1D、5−HT2Bおよび5−HT受容体は硬膜血管に存在することが記載されている(FEBS Lett.(1995)370,215−221)。
既存の非選択的セロトニン拮抗剤を用いて、セロトニン受容体サブタイプへの親和性と片頭痛予防効果の関係が研究されている。例えば、片頭痛の予防効果は、5−HT2B及び5−HT2C受容体への親和性と相関することが報告されている(非特許文献2)。また、5−HT1A〜5−HTの8種類のサブタイプの中では5−HTとの相関が高いことが(非特許文献3)、5−HT2B、5−HT2C及び5−HTの3種類のサブタイプの中では、5−HTとの相関が高いことが(非特許文献4)報告されている。しかしながら、これらの報告に用いられている試験化合物は他の受容体に対しても作用を有する非選択的な拮抗化合物であるため、片頭痛予防に関与するサブタイプを明確に特定するには至っていない。
一方、米国特許第6440988号明細書(特許文献1)には、5−HT2B受容体選択的な拮抗化合物及び5−HT受容体選択的な拮抗化合物を併用して、あるいは両作用を併有する化合物を用いて、尿失禁を治療する方法に係る特許が公開されている。しかしながら当該特許には片頭痛に関する開示はない。また、国際公開第03/000252号パンフレット(特許文献2)には、5−HT及び5−HT受容体に親和性のある化合物が片頭痛を含めた多種の中枢性疾患の治療に有効であることが記載されている。一つの実施例化合物は5−HT、5−HT及び5−HT2B受容体に親和性を示している(20頁)。しかしながら、当該明細書には、片頭痛予防に関する当該出願化合物の効果について具体的な開示はない。
D・W・ボーンハウス著(D.W.Bonhaus),「クラスター・ヘッデイク・アンド・リレイテッド・コンディションズ(Clustar Headache and Related Conditions)」,第9巻,(英国),オックスフォード・ユニバーシティー・プレス(Oxford University Press),1999年,p.278−286 カリン・シュムック(Karin Schmuck),他4名,「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(Europian Journal of Neuroscience)」,(オランダ),1996年,第8巻,p.959−967 ホセ・A・テロン(Jose A.Terron),「プロシーディングス・オブ・ザ・ウェスタン・ファーマコロジカル・ソサエティー(Proceedings of the Western Pharmacological Society)」,(米国)1998年,第41巻,p.247−251 ホセ・A・テロン(Jose A.Terron),「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)」,(オランダ),2002年,第439巻,p.1−11 米国特許第6440988号明細書 国際公開第03/000252号パンフレット
本発明者等は、5−HT受容体サブタイプの拮抗剤と片頭痛の予防効果との関係につき鋭意検討した結果、広範なサブタイプの中でも特に5−HT2B受容体及び5−HT受容体が重要であること、実際にそれらの選択的拮抗化合物を同時に使用した場合に、単独で用いた場合と比較して大幅な活性の増強効果を示すこと、更に、選択的な5−HT2B受容体及び5−HT受容体阻害作用を併有する化合物を用いても同様の効果が確認できること、を知見して本発明を完成させた。即ち、本発明は、選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬に関する。本発明の片頭痛予防薬は、5−HT2B及び5−HT受容体以外の受容体拮抗作用が弱いことから、これらに起因する副作用が少ない。
更に詳しくは、(1)選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤が、a)第一成分として5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物と、b)第二成分として5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物を含有するものである、前記片頭痛予防薬、及び、(2)選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤が、5−HT2B及び5−HT受容体の両方に選択的な結合親和性を有する5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗化合物を含有するものである、前記片頭痛予防薬に関する。
また、a)第一製剤として5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤、及び、b)第二製剤として5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤からなる組合せ物であって、該第一及び第二製剤は同時にもしくは別々に投与されるものである片頭痛予防用組合せ物をも包含する。
更に、本発明は以下の態様をも包含する。
〔1〕片頭痛予防薬の製造のための、選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤の使用。
〔2〕選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬の製造のための、「5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物」の使用。
〔3〕選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬の製造のための、「5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物」の使用。
〔4〕選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤の有効量を患者に投与することを含む片頭痛の予防方法。
〔5〕5−HT2B選択的受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤と5−HT選択的受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤からなる組み合わせ物を、同時にもしくは別々に患者に投与することを特徴とする片頭痛予防方法。
〔6〕「5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物」を有効成分とする、片頭痛予防のために「5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物」の投与を受けている患者に対する片頭痛予防効果増強剤。
〔7〕「5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物」を有効成分とする、片頭痛予防のために「5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物」の投与を受けている患者に対する片頭痛予防効果増強剤。
図1は、試験方法(4)のモルモット片頭痛モデルにおいて、RS−127445投与時の蛋白漏出量を測定した結果を示すグラフである。統計的検定はダネット法により行い、は有意水準5%、**は1%を示す。
図2は、試験方法(4)のモルモット片頭痛モデルにおいて、SB−269970投与時の蛋白漏出量を測定した結果を示すグラフである。統計的検定はダネット法により行い、**は有意水準1%を示す。
図3は、試験方法(4)のモルモット片頭痛モデルにおいて、RS−127445及びSB−269970同時投与時の蛋白漏出量を測定した結果を示すグラフである。統計的検定はT検定により行い、は有意水準5%を示す。
図4は、試験方法(4)のモルモット片頭痛モデルにおいて、実施例3の化合物投与時の蛋白漏出量を測定した結果を示すグラフである。統計的検定はT検定により行い、は有意水準5%を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中、「片頭痛予防薬」とは、片頭痛患者と診断され定期的に片頭痛を発症する患者に対し処方される薬剤及び医薬組成物であり、発症頻度若しくは痛みの程度を減少させる為に発症前に投与されるものをいう。
「拮抗剤」とは作動薬に対し拮抗的に作用してその作用を減弱させる薬剤をいう。本発明において、「5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤」とは、作動薬であるセロトニンと拮抗的に作用して5−HT2B及び5−HT受容体の双方を介した作用を同時に減弱させる薬剤を意味し、両拮抗作用を併有する化合物を有効成分とする薬剤、及び、5−HT2B受容体拮抗作用を有する化合物と5−HT受容体拮抗作用を有する化合物の両方を有効成分とする合剤を包含する。
「結合親和性」とは受容体の一部に結合することができる能力を意味し、この評価は、後記の試験例のようにin vitroの受容体結合試験によって算出されるKi値、場合により同じ条件下で行われた受容体結合試験におけるIC50値を比較することにより行う。なお、受容体の結合試験において、一定の濃度で十分な阻害作用を示さずIC50値を算出できない場合には、その化合物のIC50値を当該濃度以上とみなすことがある。
「5−HT2B受容体拮抗化合物」、「5−HT受容体拮抗化合物」及び「5−HT2B及び5−HT受容体の二重拮抗化合物」として好ましくは、それぞれ選択的に結合する受容体への結合親和性を表すKi値が1μM以下、より好ましくは0.5μM以下、更に好ましくは、0.1μM以下、特に好ましくは、0.05μM以下である拮抗化合物である。
ある受容体への結合親和性が他の受容体と比較して「選択的」であるとは、当該受容体への結合親和性が「他の受容体」への結合親和性と比較して高い事を意味する。本発明において「選択的」とは、当該受容体への結合親和性を示すKi値若しくはIC50値が、「他の受容体」に対する値と比較して10分の1以下である場合を指し、より好ましくはこの値が50分の1以下、更に好ましくは100分の1以下、より更に好ましくは500分の1以下、特に好ましくは1000分の1以下である。
ここに、「他の受容体」としては、既存の非選択的セロトニン拮抗剤において報告される他の受容体であって、殊に好ましくない作用に関与する受容体である。
従って、具体的な「5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物(以下、5−HT2B選択的拮抗化合物と略記する)」としては、α、M及びD受容体に対して選択的な化合物であり、好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に、より好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2c、5−HT、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に対して選択的な化合物である。
「5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物(以下、5−HT選択的拮抗化合物と略記する)」としては、α、M及びD受容体に対して選択的な化合物であり、好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2B、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に、より好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2B、5−HT2c、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に対して選択的な化合物である。
「5−HT2B及び5−HT受容体への両方に選択的な結合親和性を有する5−HT2B及び5−HT受容体の二重拮抗化合物(以下、5−HT2B及び5−HT選択的二重拮抗化合物と略記する)」としては、α、M及びD受容体に対して選択的な化合物であり、好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT、5−HT及び5−HT受容体、より好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2c、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に対して選択的な化合物である。
また、本発明の「選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤」としては、α、M及びD受容体、好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT、5−HT及び5−HT受容体、より好ましくはα、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2c、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に対して、5−HT2B及び5−HT受容体に対する結合親和性(Ki値若しくはIC50値)が、10分の1以下、より好ましくは50分の1以下、更に好ましくは100分の1以下、より更に好ましくは500分の1以下、特に好ましくは1000分の1以下である、「5−HT2B選択的拮抗化合物と5−HT選択的拮抗化合物の合剤」若しくは「5−HT2B及び5−HT選択的二重拮抗化合物を有効成分とする5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤」である。
本発明における「5−HT2B選択的拮抗化合物」、「5−HT選択的拮抗化合物」、及び「5−HT2B及び5−HT選択的二重拮抗化合物」は、後記参考例に示すような方法で受容体親和性を大量の化合物についてスクリーニングすることにより、容易に見出すことができる化合物である。このような評価においては、HTS(ハイスループットスクリーニング)法が常套的かつ効率的な手段として用いられる。また、スクリーニングに用いることのできる被検化合物として、新規合成化合物、市販品又はケミカルライブラリに登録されている種々の活性については不明の公知化合物、コンビナトリアル・ケミストリー技術によって得られた化合物群を用いることができる。また、微生物の培養上清や、植物、海洋生物由来の天然成分、動物組織抽出物なども用いることができる。さらに、スクリーニングで見いだされた化合物を化学的に修飾した化合物も用いることができる。
本発明における「5−HT2B選択的拮抗化合物」は、例えば、後記参考例1及び3に記載の受容体親和性スクリーニング法、あるいはこれに類似する方法を実施することにより、見出すことができる。具体的な化合物としては、例えば、既知の5−HT2B選択的拮抗化合物である、RS−127445(British Journal Pharmacology(1999)127,1075−1082)、LY−266097(J.Serotonin Res.(1996)3,131)、SB−200646(J.Med.Chem.(1993)36,1104)、SB−204741(J.Med.Chem.(1995)38,855)、SB−206553(J.Med.Chem.(1996)39,2773)、SB−221284(9th RSC−SCI Medicinal Chemistry Symposium(1997)P1(Poster),7 Sep)、EGIS−7625(Cardiovascular Drugs and Therapy(2003)17,427−434、4−(チオ若しくはセレノキサンテン−9−イリデン)ピペリジン又はアクリジン誘導体(US2003166672)、2−オキサゾールアミン誘導体(WO2003068226)、2−チアゾールアミン誘導体(WO2003068227)等が挙げられるが、5−HT2B受容体選択的である化合物であればこの限りではない。
本発明における「5−HT選択的拮抗化合物」は、例えば、後記参考例2及び3に記載の受容体親和性スクリーニング法、あるいはこれに類似する方法を実施することにより、見出すことができる。具体的な化合物としては、例えば、既知の5−HT選択的拮抗化合物であるDR−4004(J.Med.Chem.(1999)42,533)、SB−269970(J.Med.Chem.(2000)43,342−345)、SB−691673(Bioorg.Med.Chem.(2003)13,1055−1058)、アミノトリアゾール誘導体(Bioorg.Med.Chem.(2004)14,4245−4248)、アミノテトラリン誘導体(J.Med.Chem.(2004)47,3927−3930)、アミノクロマン誘導体(J.Med.Chem.(2004)47,3927−3930)、11−フェニルアポモルフィン誘導体(J.Med.Chem.(2001)44,1337−1340)等が挙げられるが、同様に5−HT受容体選択的である化合物であればこの限りではない。
また、本発明における「5−HT2B及び5−HT選択的二重拮抗化合物」は、後記参考例1乃至3に記載の受容体親和性スクリーニング法を逐次実施することにより見出すことができる。例えば、具体的な化合物として、下記一般式(I)で示される化合物またはその塩が挙げられる。
Figure 2005079845
(式中の記号は以下の意味を示す。
及びR:同一又は互いに異なって、−R、低級アルケニル、低級アルキニル、ハロゲン、−OH、−O−R、−O−CO−R、−NH、−NR−R、−CN、−NO、−CHO、−CONH、−CO−NR−R、−COH、−CO−R、−CO−R、−NR−CO−R、−NR−CO−R、−O−CO−NR−R、−SH、−S(O)−R、−S(O)−NH、−S(O)−NR−R、−NR−S(O)−R、−R00−O−CO−R、−R00−NR−R、−R00−CN、−R00−CONH、−R00−CO−NR−R、−R00−COH、−R00−CO−R、−R00−CO−R、−R00−NR−CO−R、−R00−NR−CO−R、−R00−O−CO−NR−R、シクロアルキル又は含窒素飽和ヘテロ環。ここに当該含窒素飽和ヘテロ環は、低級アルキル、−OH、−O−R、−NH、−NR−R及びオキソ(=O)からなる群より選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい;
:同一若しくは互いに異なって、−OH、−O−C1−4アルキル、−NH、−NR−C1−4アルキル及びハロゲンからなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよい低級アルキル;
:同一若しくは互いに異なって、低級アルキル又はH;
00:同一若しくは互いに異なって、低級アルキレン;
p:0、1又は2;
n:0、1又は2;
m:0又は1;
及びR:同一又は互いに異なって、−H、−R、ハロゲン、−OH、−O−R、−NH、−NR−R、−NR−CO−R、−O−R00−OH、−O−R00−O−R、シクロアルキル、含酸素飽和ヘテロ環、或いはR及びRが一体となって、オキソ(=O)、=N−OH、=N−OR及びテトラヒドロピラニリデンからなる群より選択される基を形成してもよく、或いはR及びRが一体となって、−O−、−S(O)−、−NR−及び−CONR−からなる群より選択される1〜2個の基で中断されていてもよい低級アルキレンを形成し、結合するC原子とともに3〜8員環を形成してもよい;
Z:−NH−;
:−H又はR;及び
及びR:同一又は互いに異なって、−H、−R、−CO−R、−CO−R、或いはR及びRが一体となって二価基を形成し、R及びRが結合している−N−C−Z−基とともに5員ヘテロ環を形成してもよく、このときZは更に、−O−又はS−であってもよく、当該5員環は低級アルキル、−OH、−O−R、−NH、−NR−R、及びオキソ(=O)からなる1〜2個の置換基で置換されていてもよい。以下同様。)
ここで前記一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6(以後、C1−6と略す)の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」としては、炭素数C1−6のアルキルであり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルが好ましい。
「低級アルケニル」としては、C2−6のアルケニル基であり、好ましくはビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル及び3−ブテニル基である。「低級アルキニル」としては、C2−6のアルキニル基であり、好ましくは、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル及び1−メチル−2−プロピニル基である。
「低級アルキレン」としては、好ましくはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の直鎖状のアルキレン、及びメチルメチレン等の分枝状のアルキレンである。メチレン、エチレン及びトリメチレンが特に好ましい。
「ハロゲン」とは、F、Cl、Br又はIを示す。
「シクロアルキル」としては、架橋を有していてもよいC3−10のシクロアルキル基であり、好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基である。
「含窒素飽和ヘテロ環」としては、1つのN原子を含み、更にN、S及びOからなるヘテロ原子を1つ含んでいてもよい5〜8員飽和若しくは一部不飽和の単環ヘテロ環であり、好ましくは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル及びテトラヒドロピリジル基である。
「含酸素飽和ヘテロ環」としては、1つのO原子を含み、更にN原子を1つ含んでいてもよい5〜8員飽和若しくは一部不飽和の単環ヘテロ環であり、好ましくは、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル及びモルホリニル基である。
「置換されていてもよい」とは、「無置換」或いは「同一又は異なる置換基を1〜5個有していること」を示す。
例えば、「ハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル」とは、前記の低級アルキルに加え、1個以上のハロゲンで置換された低級アルキルであり、好ましくは、1〜5個のFを有するC1−2のアルキルであり、より好ましくはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルである。
「−O−、−S(O)−、−NR−及び−CONR−からなる群より選択される1〜2個の2価基で中断されていてもよい低級アルキレン」とは、低級アルキレン、或いは低級アルキレンの途中又は末端に−O−、−S(O)−、−NR−及び−CONR−からなる群より選択される基が1個又は2個が挿入された基を表す。例えば、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−O−、−(CH−O−(CH−、−(CH−S(O)−(CH−、−(CH−N(CH)−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−、−CH−S−CH−、又はCHCONHCH−等の基が挙げられ、好ましくは−(CH−、−S−(CH−S−、−(CH−O−(CH−、又は−(CH−O−である。
本発明医薬の有効成分である化合物の塩としては、製薬学的に許容される塩であり、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられる。また、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を含む無機塩基、あるいはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
本発明医薬の有効成分である化合物には、幾何異性体や互変異性体が存在する場合がある。例えば、前記式(I)で示される化合物中、Rが−Hである化合物においては以下の互変異性体が存在する。
Figure 2005079845
本発明医薬の有効成分は、このような互変異性体の一方、あるいは混合物を包含する。また、不斉炭素原子に基づく異性体が存在する場合、本発明医薬の有効成分はこれら光学異性体の混合物や単離されたものを包含する。また、置換基の種類によっては、N−オキシドを形成する場合もあり、これらのN−オキシド体も包含する。更に、各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
なお、本発明医薬の有効成分である化合物には、生体内において代謝されて式(I)で示される化合物又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて包含される。このプロドラッグを形成する基としては、Prog.Med.5:2157−2161(1985)に記載されている基や廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻 分子設計163−198に記載されている基が挙げられる。
以下、本発明医薬の有効成分である化合物につき、代表的な製造法を説明する。5−HT2B選択的拮抗化合物及び5−HT選択的拮抗化合物は下記文献を参照して製造することができる。
(5−HT2B選択的拮抗化合物) RS−127445:WO9744326、LY−266097:J.Med.Chem.(1996)39,2773−2780、SB−200646:J.Med.Chem.(1993)36,1104、SB−204741:J.Med.Chem.(1995)38,855、SB−206553:J.Med.Chem.(1996)39,2773、EGIS−7625:WO199744334、4−(チオ若しくはセレノキサンテン−9−イリデン)ピペリジン又はアクリジン誘導体:US2003166672、2−オキサゾールアミン誘導体:WO2003068226、2−チアゾールアミン誘導体:WO2003068227。
(5−HT選択的拮抗化合物)DR−4004:J.Med.Chem.(1999)42,533、SB−269970:J.Med.Chem.(2000)43,342−345、SB−691673:Bioorg.Med.Chem.(2003)13,1055−1058、アミノトリアゾール導体:Bioorg.Med.Chem.(2004)14,4245−4248、アミノテトラリン誘導体:J.Med.Chem.(2004)47,3927−3930、アミノクロマン誘導体:J.Med.Chem.(2004)47,3927−3930、11−フェニルアポモルフィン誘導体:J.Med.Chem.(2001)44,1337−1340。
また、式(I)で示される化合物は以下の製法により製造することが可能である。
(第一製法)
Figure 2005079845
(式中、Lは−OH若しくは−O−低級アルキル、又はハロゲン、−O−メタンスルホニル若しくは−O−p−トルエンスルホニル等の脱離基を示す。)
式(I)で示される化合物(以下、化合物(I)と略す)は、カルボン酸又はその反応性誘導体である(1)で示される化合物とアミン誘導体(2)とを、アミド化反応に付すことにより製造できる。反応はアミド化の常法に従えばよく、例えば東京化学同人1977年刊「生化学実験講座」第1巻 タンパク質の化学IV記載の方法を参照して実施することができる。
(第二製法)
Figure 2005079845
化合物(I)中、−CR−が−CH(OH)−で表される化合物(Ib)は、当該部位がカルボニル基である本発明化合物(Ia)を還元反応に付すことにより製造することができる。還元反応は、例えば「Comprehensive Organic Transformations」(1989年、VCH Publishers,Inc.)記載の方法を参照して実施することができる。
このようにして製造された化合物は、遊離のまま、又は常法による造塩処理施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば光学異性体は、ラセミ化合物を光学活性な有機酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導いた後に分別再結晶する方法、或いはキラル充填材を用いたカラムクロマトグラフィー等の手法により、各々分離精製することができる。また、光学活性化合物は適切な光学活性化合物を原料として用いることにより製造することもできる。尚、ジアステレオマーの混合物についても、分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離することができる。
本発明の「片頭痛予防用組合せ物」において、「組合せ物」とは、それぞれの成分が独立した製剤であって、併用療法に用いることができるものを意味し、それぞれを組合せて包装したもの(例えばキット等の形態)、又は併用投与用にそれぞれが独立して販売されるものであってもよい。ここに、「同時に」とは、第一製剤と第二製剤を一緒に投与することを意味し、「別々に」とは、第一製剤と第二製剤を同一若しくは異なる投与経路で、同一若しくは異なる投与頻度若しくは投与間隔で、別々に投与することを意味する。好ましくは、各製剤のバイオアベイラビリティー、安定性等を考慮し、それぞれの製剤に適した製剤処方、投与経路、投与頻度等の投与条件下にて、同時に若しくは別々に投与される。第一製剤及び第二製剤の有効成分の持続時間が同程度である場合には、これらを同時に、又は前後1時間以内に投与することが好ましい。同時に投与する場合には、別々に製剤化したものを使用時に希釈剤などを用いて混合して投与してもよい。
キットとしては、5−HT2B選択的拮抗化合物を含有する第一製剤と5−HT選択的拮抗化合物を含有する第二製剤を含み、所望によりプラセボ剤等のそれぞれの投与時期に合わせた投与を容易にする追加的な製剤や表示部材を含んでいてもよい包装品が挙げられる。
本発明における選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬、並びに、本発明の組合せ物を構成する前記第一製剤若しくは第二製剤は、当分野において通常用いられている薬剤用担体、賦形剤等を用いて通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、静注,筋注等の注射剤、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ローション剤、点眼剤、眼軟膏等の外用剤、坐剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を包含し、一般的に用いられる不活性な溶剤、例えば精製水、エタノール等を用いることができる。この組成物は不活性な溶剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を包含する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール,オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(局方名)等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
本発明の片頭痛予防薬は、通常、片頭痛の発症前に予防的に投与される。従って、発症頻度が高い間は持続的に服用することが好ましい。本発明の片頭痛予防薬が、第一成分の「5−HT2B選択的拮抗化合物」及び第二成分の「5−HT選択的拮抗化合物」を含有してなる拮抗剤の場合、各々の化合物の配合量は、各々単剤として処方した場合の臨床有効量の範囲において、患者個々の症状に応じて適宜決定される。
また、本発明の片頭痛予防薬が、5−HT2B及び5−HT選択的二重拮抗化合物を含有してなる拮抗剤である場合は、その1日の投与量は、通常、経口投与の場合、体重当たり約0.001から50mg/kg、好ましくは0.01〜30mg/kg、更に好ましくは、0.05〜10mg/kgが、静脈投与される場合、1日の投与量は、体重当たり約0.0001から10mg/kg、好ましくは0.001〜1.0mg/kgがそれぞれ適当であり、これを1日1回乃至複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
本発明の組合せ物を構成する前記第一製剤若しくは第二製剤における各々の有効成分である化合物の投与量は、各々単剤として処方した場合の臨床有効量の範囲において、患者個々の症状に応じて適宜決定される。
(製造例)
以下製造例に、本発明医薬の有効成分である式(I)で示される化合物の製造方法を具体的に説明する。なお、原料化合物の製造方法を製造参考例として示す。
製造参考例1−a
4−ブロモイソフタル酸 ジエチルエステルと2−メチルフェニルボロン酸、炭酸ナトリウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムとを、トルエン−エタノール−水中で加熱下反応させることにより、ジエチル 2’−メチルビフェニル−2,4−ジカルボキシラートを得た。FAB−MS:313(M+H)
製造参考例1−b
ジエチル 2’−メチルビフェニル−2,4−ジカルボキシラートのエタノール溶液を、1M水酸化ナトリウム水溶液で処理することにより、2’−メチルビフェニル−2,4−ジカルボン酸を得た。FAB−MS:257(M+H)
製造参考例1−c
2’−メチルビフェニル−2,4−ジカルボン酸をポリリン酸中で、加熱することにより、5−メチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボン酸を得た。FAB−MS:239(M+H)
製造参考例2
3’−メチルビフェニル−2,4−ジカルボン酸を製造参考例1−cと同様に処理した後、得られた固体を濃硫酸存在下、エタノール中で加熱することによりエステル化を行った。反応を処理した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、エチル 6−メチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラート[FAB−MS:267(M+H)]、及びエチル 8−メチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラート[FAB−MS:267(M+H)]を、各々得た。
製造参考例3
エチル 4−ブロモ−2−クロロ安息香酸及び2−ホルミルフェニルボロン酸より、製造参考例1−aと同様にしてエチル 3−クロロ−2’−ホルミルビフェニル−4−カルボキシラートを製造した。FAB−MS:288(M)
エチル 3−クロロ−2’−ホルミルビフェニル−4−カルボキシラートと過塩素酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、2−メチル−2−ブテンとを、tert−ブタノール−アセトニトリル−水中で室温で反応させることにより、3’−クロロ−4’−(エトキシカルボニル)ビフェニル−2−カルボン酸を得た。FAB−MS:305(M+H)
以後は製造参考例1−c及び製造参考例2と同様にしてエチル 1−クロロ−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラート[FAB−MS:287(M+H)]、及びエチル 3−クロロ−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラート[FAB−MS:287(M+H)]を、各々製造した。
製造参考例4−a
9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボン酸とメチルリチウムとをTHF中で、−20℃〜0℃で反応させることにより、9−ヒドロキシ−9−メチル−9H−フルオレン−2−カルボン酸を得た。FAB−MS:239(M−H)
製造参考例4−b
9−ヒドロキシ−9−メチル−9H−フルオレン−2−カルボン酸と炭酸水素ナトリウム、ヨウ化メチルとをDMF中で、室温で反応させることにより、メチル 9−ヒドロキシ−9−メチル−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:255(M+H)
製造参考例4−c
メチル 9−ヒドロキシ−9−メチル−9H−フルオレン−2−カルボキシラートと硝酸鉄とをメタノール中で、加熱下反応させることにより、メチル 9−メトキシ−9−メチル−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:269(M+H)
製造参考例5
メチル 9−ヒドロキシ−9−メチル−9H−フルオレン−2−カルボキシラートと水素化ナトリウム、メトキシメチルクロリドとをDMF中、室温で反応させることにより、メチル 9−メトキシメチル−9−メチル−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:298(M)
製造参考例6−a
THF中、3−クロロプロパン−1−オールにメチルマグネシウムブロミドを作用させ、マグネシウムオキシドとした後、金属マグネシウムを作用させグリニヤール試薬(ClMg(CHOMgBr)を調製した。これを製造参考例4−aと同様にして9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボン酸と反応させた後、得られた9−ヒドロキシ−9−ヒドキシプロピル−9H−フルオレン−2−カルボン酸を、製造参考例4−bと同様にヨウ化メチルと反応させることにより、メチル 9−ヒドロキシ−9−ヒドキシプロピル−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:297(M−H)
製造参考例6−b
メチル 9−ヒドロキシ−9−ヒドキシプロピル−9H−フルオレン−2−カルボキシラートをp−トルエンスルホン酸存在下で、トルエン中加熱下反応させることにより、メチル 4’,5’−ジヒドロ−3’H−スピロ[フルオレン−9,2’−フラン]−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:281(M+H)
製造参考例7−a
メチル 8−メチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとN−ブロモスクシンイミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルとを四塩化炭素中で、加熱下反応させることにより、メチル 8−ブロモメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。EI−MS:330(M)、332(M+2)
製造参考例7−b
メチル 8−ブロモメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとジメチルアミン(2M、メタノール溶液)、炭酸カリウムとをTHF中、室温で反応させることにより、メチル 8−ジメチルアミノメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:296(M+H)
製造参考例8−a
メチル 8−ブロモメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートと酢酸カリウムとをDMF中、室温で反応させることにより、メチル 8−アセトキシメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:311(M+H)
製造参考例8−b
メチル 8−アセトキシメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートと炭酸カリウムとをメタノール−THF中、室温で反応させることにより、メチル 8−ヒドロキシメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:269(M+H)
製造参考例8−c
メチル 8−ヒドロキシメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとヨウ化メチル、酸化銀とをアセトニトリル中、加熱下反応させることにより、メチル 8−メトキシメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:283(M+H)
製造参考例9
メチル 9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートと水素化ホウ素ナトリウムとをメタノール中、室温で反応させてカルボニル基を還元した後、得られた化合物と三フッ化ジエチルアミノ硫黄とを塩化メチレン中で、室温で反応させることにより、メチル 9−フルオロ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:243(M+H)
製造参考例10
プロピル 9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとエチレングリコール、p−トルエンスルホン酸とをベンゼン中で、加熱下反応させることにより、プロピル スピロ[1,3−ジオキソラン−2,9’−フルオレン]−2’−カルボキシラートを得た。FAB−MS:311(M+H)
製造参考例11
プロピル 9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとオルト蟻酸メチル、アセチルクロリドとをメタノール中で、室温で反応させることにより、プロピル 9,9−ジメトキシ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:313(M+H)
製造参考例12
5−フルオロ−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボン酸と1,2−エタンジチオール、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体とを酢酸中で、加熱下反応させることにより、5’−フルオロスピロ[1,3−ジチオラン−2,9’−フルオレン]−2’−カルボン酸を得た。ESI−MS:317(M−H)
製造参考例13−a
メチル 9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとヒドロキシルアミン塩酸塩とをピリジン中で、室温で反応させることにより、メチル (9EZ)−9−ヒドロキシイミノ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:254(M+H)
製造参考例13−b
メチル (9EZ)−9−ヒドロキシイミノ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートをジオキサン中、水素ガス雰囲気下、10%パラジウム炭素、無水酢酸で処理することにより、メチル 9−アセチルアミノ−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:282(M+H)
製造参考例14−a
2−ブロモビフェニルとn−ブチルリチウム(1.58M、ヘキサン溶液)とをTHF中で−78℃で反応させた後、シクロペンタノンのTHF溶液を加え、室温で反応させることにより、1−ビフェニル−2−イルシクロペンタノールを得た。EI−MS:238(M)
製造参考例14−b
1−ビフェニル−2−イルシクロペンタノールを蟻酸中で、加熱下反応させることにより、スピロ[シクロペンタン−1,9’−フルオレン]を得た。EI−MS:220(M)
製造参考例14−c
スピロ[シクロペンタン−1,9’−フルオレン]を用い、J.Am.Chem.Soc.,80,4327(1958)記載の方法で、ブロム化を行うことにより、2’−ブロモスピロ[シクロペンタン−1,9’−フルオレン]を得た。EI−MS:298(M)、300(M+2)
製造参考例14−d
2’−ブロモスピロ[シクロペンタン−1,9’−フルオレン]と青酸銅とをDMF中で、加熱下反応させることにより、スピロ[シクロペンタン−1,9’−フルオレン]−2’−カルボニトリルを得た。ESI−MS:246(M+H)
製造参考例14−e
スピロ[シクロペンタン−1,9’−フルオレン]−2’−カルボニトリルのエタノール溶液を8M水酸化カリウム水溶液と、加熱下反応させることにより、スピロ[シクロペンタン−1,9’−フルオレン]−2’−カルボン酸を得た。ESI−MS:263(M+H)
製造参考例15
2−ブロモ−4’−メチルビフェニルとテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンを原料として製造参考例14−a同様に反応を行い、4−(4’−メチルビフェニル−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール[EI−MS:268(M)]を得た後、製造参考例14−bと同様にして2−メチル−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[フルオレン−9,4’−ピラン][ESI−MS:251(M+H)]を製造した。これと過マンガン酸カリウムとをピリジン−水中で、加熱下反応させ、得られた粗精製物を硫酸存在下、メタノール中で、加熱下反応させることにより、メチル 2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[フルオレン−9,4’−ピラン]−2’−カルボキシラートを得た。ESI−MS:295(M+H)
製造参考例16−a
9H−フルオレン−9,9−ジイルジメタノールとメタンスルホニルクロリド、トリエチルアミンとを塩化メチレン中で、室温で反応させることにより、9H−フルオレン−9,9−ジイルジメチレン ジメタンスルホナートを得た。EI−MS:382(M)
製造参考例16−b
9H−フルオレン−9,9−ジイルジメチレン ジメタンスルホナートとヨウ化ナトリウムとをヘキサメチルリン酸トリアミド中で、加熱下反応させることにより、9,9−ビス(ヨードメチル)−9H−フルオレンを得た。これをエタノール中、加熱下、亜鉛で処理することにより、スピロ[シクロプロパン−1,9’−フルオレン]を得た(EI−MS:192(M))。以後は製造参考例14−c〜14−eと同様にしてスピロ[シクロプロパン−1,9’−フルオレン]−2’−カルボン酸を製造した。ESI−MS:235(M−H)
製造参考例17−a
2−ブロモ−9H−フルオレン及び[(2−クロロエトキシ)メチル]ベンゼンとを、tert−ブトキシカリウム存在下、DMSO中で加熱下反応させることにより、9,9−ビス[2−(ベンジルオキシ)エチル]−2−ブロモ−9H−フルオレンを得た。FAB−MS:535(M+Na),537(M+2+Na)
製造参考例17−b
9,9−ビス[2−(ベンジルオキシ)エチル]−2−ブロモ−9H−フルオレンのブロモ基を、製造参考例14−dと同様のシアノ化し、引き続き製造参考例14−eと同様の加水分解反応によりカルボキシル基へと変換し、更にヨウ化エチルを用いて製造参考例4−bと同様のエステル化反応を行うことにより、エチル 9,9−ビス[2−(ベンジルオキシ)エチル]−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:507(M+H)
製造参考例17−c
エチル 9,9−ビス[2−(ベンジルオキシ)エチル]−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとパラジウム炭素とを水素ガス雰囲気下、メタノール中で、室温で反応させることにより、エチル 9,9−ビス(2−ヒドロキシエチル)−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た(FAB−MS:327(M+H))。得られた化合物とp−トルエンスルホニルクロリドとを、トリエチルアミン存在下、塩化メチレン中、室温で反応させた後、得られた化合物とメチルアミン(40%メタノール溶液)を、炭酸カリウム存在下、ジオキサン中で、加熱下反応させることにより、メチル 1’−メチルスピロ[フルオレン−9,4’−ピペリジン]−2−カルボキシラートを得た。APCI:308(M+H)
製造参考例18−a
メチル 9H−フルオレン−2−カルボキシラート及びパラホルムアルデヒドとを、ナトリウムエトキシド存在下、DMSO中で室温で反応させることにより、メチル 9,9−ビス(ヒドロキシメチル)−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:284(M)
製造参考例18−b
メチル 9,9−ビス(ヒドロキシメチル)−9H−フルオレン−2−カルボキシラートとtert−ブチルジメチルシリルクロリドを、ピリジン中で室温で反応させることにより、メチル 9,9−ビス({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−9H−フルオレン−2−カルボキシラートを得た。FAB−MS:513(M+H)
製造参考例19
4−テトラヒドロ−2H−ピラニルマグネシウムクロリド(4−クロロテトラヒドロ−2H−ピランとマグネシウムから調製)と9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボン酸から製造参考例4−aと同様にして製造した9−ヒドロキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−9H−フルオレン−2−カルボン酸[FAB−MS:309(M−H)]とトリエチルシランをトリフルオロ酢酸中で室温で反応させることにより、9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−9H−フルオレン−2−カルボン酸を得た。FAB−MS:291(M−H)
製造参考例20
9−ヒドロキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−9H−フルオレン−2−カルボン酸と6M塩酸とをジオキサン中で加熱下反応させることにより、9−(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデン)−9H−フルオレン−2−カルボン酸を得た。FAB−MS:294(M)
製造参考例21−a
2−フルオロ−6−ニトロフェニル トリフルオロメタンスルホナートと4−メチルフェニルホウ酸から製造参考例1−aと同様に反応を行い2−フルオロ−4’−メチル−6−ニトロビフェニル[FAB−MS:232(M+H)]を得、このニトロ基を接触還元し(6−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)アミン[EI−MS:201(M)]へと導き、さらにザンドマイヤー反応を行い、2−ブロモ−6−フルオロ−4’−メチルビフェニルを得た。EI−MS:266(M),268(M)
製造参考例21−b
2−ブロモ−6−フルオロ−4’−メチルビフェニルとテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンとをt−ブチルリチウム(1.48M、ペンタン溶液)を用いて製造参考例14−aと同様に反応を行ない、4−(6−フルオロ−4’−メチルビフェニル−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール[EI−MS:286(M)]を得、更に製造参考例14−bと同様に反応を行ない、5−フルオロ−2−メチル−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[フルオレン−9,4’−ピラン]を得た。FAB−MS:268(M)
製造参考例21−c
5−フルオロ−2−メチル−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[フルオレン−9,4’−ピラン]、N−ブロモスクシンイミド及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを四塩化炭素中で加熱下反応させ、得られた粗精製物をアセトン−水中で硝酸銀と反応させることにより、5−フルオロ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[フルオレン−9,4’−ピラン]−2−カルボアルデヒド[FAB−MS:283(M+H)]を得た。更にこの化合物を、過塩素酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム及び2−メチル−2−ブテンと、tert−ブタノール−アセトニトリル−水の混合溶媒中、室温で反応させることにより、5−フルオロ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[フルオレン−9,4’−ピラン]−2−カルボン酸を得た。FAB−MS:299(M+H)
以上の製造参考例と同様にして製造参考例22〜111の化合物を製造した。それらの構造式と物理学的性状を後記Table 1〜6に示す。
製造例1
5−フルオロ−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボン酸400mgのDMF20ml溶液に、CDI402mgを加え、50℃にて1時間攪拌した。室温まで放冷後、グアニジン炭酸塩743mgを加え、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去後、水を加え、析出した固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロマトレックス(登録商標)、メタノール/クロロホルム)で精製することにより、N−(ジアミノメチレン)−5−フルオロ−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド434mgを黄色固体として得た。
製造例2
9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボン酸3.35gのジメチルホルムアミド(DMF)60ml溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール2.67gを加え、室温にて2.25時間攪拌した。この溶液をグアニジン 塩酸塩7.16gのDMF20ml溶液に水素化ナトリウム3.00gを加え、室温にて1.5時間攪拌した溶液に氷冷下にて加え、室温にて1.5時間攪拌した。溶媒を留去後、水、酢酸エチルを加え、析出した固体をメタノールで洗浄することにより、N−(ジアミノメチレン)−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド3.00gを黄色固体として得た。
製造例3
N−(ジアミノメチレン)−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド400mgのメタノール溶液19mlに、水素化ホウ素ナトリウム110mgを加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を留去後、クロロホルム、1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、析出した固体をエタノール30mlに溶解し、4M塩化水素−酢酸エチル溶液0.2mlを加え、室温で1.5時間攪拌した。生じた固体を濾取し、N−(ジアミノメチレン)−9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド塩酸塩380mgを白色固体として得た。
製造例4
N−(ジアミノメチレン)−9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド480mgの塩化メチレン懸濁液20mlに、スルホニルクロリド1.0gを加え、室温で30分間攪拌した。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、メタノール/クロロホルム)で精製することにより、9−クロロ−N−(ジアミノメチレン)−9H−フルオレン−2−カルボキサミド155mgを得た。
製造例5
製造例1と同様にして製造したtert−ブチル(2−{[(ジアミノメチレン)アミノ]カルボニル}−9H−フルオレン−9−イル)カルバマート170mgのメタノール溶液10mlに、4M 塩化水素−酢酸エチル溶液2mlを加え、60℃で20分間攪拌した。そのまま熱時濾過し、得られた固体を熱エタノールで洗浄することにより、9−アミノ−N−(ジアミノメチレン)−9H−フルオレン−2−カルボキサミド2塩酸塩83mgを得た。
製造例6
N−(ジアミノメチレン)−9,9−ビス({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−9H−フルオレン−2−カルボキサミド490mgのメタノール溶液5mlに、4M 塩化水素−メタノール溶液1mlを加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルで洗浄し、N−(ジアミノメチレン)−9,9−ビス(ヒドロキシメチル)−9H−フルオレン−2−カルボキサミド塩酸塩250mgを得た。
製造例7
N−(ジアミノメチレン)−8−ヒドロキシメチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド55mgのピリジン溶液3mlに、ヒドロキシルアミン塩酸塩20mgを加え、室温で10時間攪拌した。溶媒を留去後、水−エタノールを加え、析出した固体をクロマトレックス(メタノール/クロロホルム)で精製することにより、(9EZ)−N−(ジアミノメチレン)−9−ヒドロキシイミノ−8−ヒドロキシメチル−9H−フルオレン−2−カルボキサミド14mgを白色固体として得た。
製造例8
N−(ジアミノメチレン)−9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド470mgのDMF溶液8mlに、(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタン酸420mg、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド400mg 4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン22mgを加え、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去後、クロロホルム、飽和重曹水を加え不溶物を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた化合物270mgをエタノール10mlに溶解し、4M 塩化水素−酢酸エチル溶液2mlを加え、40℃で終夜攪拌した。溶媒を留去後、2−プロパノールから再結晶を行うことにより、9−ヒドロキシ−N−[(2EZ,4S)−4−イソプロピル−5−オキソイミダゾリン−2−イリデン−9H−フルオレン−2−カルボキサミド塩酸塩30mgを得た。
製造例9
グアニジン 塩酸塩1.38gのDMF8ml溶液にナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28%)2.99mlを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にエチル 6−メチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキシラート350mgのDMF4ml溶液を加え、100℃にて3時間攪拌した。室温まで放冷し、溶媒を留去後、メタノール、水、1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、析出した固体をメタノール5mlで洗浄し、N−(ジアミノメチレン)−6−メチル−9−オキソ−9H−フルオレン−2−カルボキサミド215mgを黄色固体として得た。
以上の製造例と同様にして製造例10〜110の化合物を製造した。それらの構造式と物理学的性状を後記Table 7〜18に示す。また、後記Table 19及びTable 20の化合物は前記製造例や製造参考例に記載の方法とほぼ同様にして、或いはそれらの方法より当業者に自明な若干の変法を適用することにより、容易に製造することができる。
尚、後記表中の製造例56a及び56b、60a及び60b、78a及び78bの6化合物は、ラセミ体として製造した製造例56、60及び77の各化合物を光学活性カラムを用いて分割することにより製造した。以下に使用カラム及び移動相として用いた溶媒を示す。
製造例56a及び56b
使用カラム:CHIRALPAK AD−H、移動相:メタノール/ジエチルアミン。
製造例60a及び60b
使用カラム:CHIRALPAK OJ、移動相:エタノール/ジエチルアミン。
製造例78a及び78b
使用カラム:CHIRALPAK AD−H、移動相:ヘキサン/エタノール/トリエチルアミン。
製造例111
2−アミノ−4−(4−フルオロナフト−1−イル)−6−イソプロピルピリミジン(以下RS−127445と略記する)を国際公開第97/44326号公報記載の方法により、また(R)−3−(2−(2−(4−メチルピペリジン−1−イル)エチル)ピロリジン−1−スルホニル)フェノール(以下SB−269970と略記する)を国際公開第97/48681号公報記載の方法により、それぞれ製造した。
表中の記号は以下の意味を有する。置換基の前の数字は置換位置を示す。
Me:メチル、Et:エチル、Bu:ノルマルブチル、REx:製造参考例番号、Ex:製造例番号、Cmp:化合物番号、RSyn及びSyn:製造法(数字は同様に製造した製造参考例番号及び製造例番号を示す。)、Str:構造式、Sal:塩(無記載:フリー体;HCl:塩酸塩;数字は酸成分のモル比を示し、例えば、2HClは二塩酸塩を意味する。)、Dat:物理化学的性状(FAB:FAB−MS、ESI:ESI−MS、EI:EI−MS、NMR:核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d,TMS内部標準)の代表的なピークのδ値。
尚、表中の置換基に「」を付記した化合物は、当該置換基の結合した炭素の不斉に基づく光学異性体を分離した片方の異性体であることを示す。また、表中に示す以下の記号は高速液体クロマトグラフィーによる分析条件を示す。Proc.A:(カラム:CHIRALPAK AD−H[0.46cm I.D.x25cm]、移動相、メタノール/ジエチルアミン=100/0.1、流速:0.5ml/min、温度:20℃、波長:260nM)、
Proc.B:(カラム:CHIRALPAK OJ[0.46cm I.D.x25cm]、移動相、エタノール/ジエチルアミン=100/0.1、流速:0.3ml/min、温度:40℃、波長:264nM)、
Proc.C:(カラム:CHIRALPAK AD−H[0.46cm I.D.x25cm]、移動相、ヘキサン/エタノール/トリエチルアミン=50/50/0.05、流速:1.0ml/min、温度:25℃、波長:257nM)。
Figure 2005079845
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以下、実施例により本発明の片頭痛予防薬を説明する。また、受容体親和性の試験結果を参考例に示す。
参考例1 5−HT2B受容体結合実験
(i)膜標品調製
ヒト5−HT2B受容体発現細胞は文献(FEBS Letters(1994)342,85−90)に従って作製した。遺伝子導入細胞にHEK293−ENBA細胞を用いた。
培養したヒト5−HT2B受容体発現HEK293−EBNA細胞をPBS(−)で洗浄した。PBS(−)存在下スクレーパーで細胞を剥がし、遠心処理(1,000rpm,10min,4℃)により細胞を回収した。5mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液存在下Polytron(PTA10−TS)でホモジナイズし、遠心処理(40,000xg,10min,4℃)した。50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液存在下ホモジナイザーで懸濁させた。遠心処理(40,000xg,10min,4℃)を行い、50mM Tris−HCl(pH7.4)中に懸濁し、−80℃で保存した。
(ii)受容体結合実験
50mM Tris−HCl,4mM CaCl(pH7.4)緩衝液、ヒト5−HT2B受容体発現HEK293−EBNA細胞膜標品、ラジオリガンド[H]Mesulergine(3.1TBq/mmol;)を含む総量500μlを25℃で1時間インキュベーションした。化合物は100%DMSOに溶解し、各濃度に希釈した。非特異的結合は、1μM ritanserin存在下での結合量とし、全結合量から、非特異的結合量を差し引いたものを特異的結合量とした。50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)4mLを加えて、GF/Bグラスフィルターで減圧濾過し、フィルターを同じ緩衝液で洗浄(4mLx3)した。グラスフィルターを5mLの液体シンチレータ(Aquasol−2)に浸し、液体シンチレーションカウンターで放射能量を測定した。受容体結合を50%阻害する化合物濃度、IC50値は、SAS(ver.6.11)を用いて非線形回帰分析により求め、受容体に対する親和性を表すKi値は、Cheng & Prussoffの式;Ki=IC50/(1+[L]/[Kd])([L]:リガンド濃度、[Kd]:解離定数)を用いて算出した。
前記製造例3の化合物は1.8nMのKi値を示した。また、製造例4、7、8、34、38、56、56a、56b、59、60、60a、60b、63、71、72、77、78a、78b、85及び87の化合物は0.1〜350nMのKi値を示した。
参考例2 5−HT受容体結合実験
(i)膜標品調製
ヒト5−HT受容体発現細胞は文献(J.Biol.Chem.(1993)268,31,23422−23426,Br.J.Phaemacol.(1997)122,126−132)に従って作製した。遺伝子導入細胞にCHO細胞を用いた。
培養したヒト5−HT受容体発現CHO細胞をPBS(−)で洗浄した。PBS(−)存在下スクレーパーで細胞を剥がし、遠心処理(1,000rpm,10min,4℃)により細胞を回収した。5mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液存在下Polytron(PTA10−TS)でホモジナイズし、遠心処理(40,000xg,10min,4℃)した。50mM Tris−HCl(pH7.4)緩衝液存在下ホモジナイザーで懸濁させた。遠心処理(40,000xg,10min,4℃)を行い、50mM Tris−HCl(pH7.4)中に懸濁し、−80℃で保存した。
(ii)受容体結合実験
50mM Tris−HCl,4mM CaCl(pH7.4)緩衝液、ヒト5−HT受容体発現CHO細胞膜標品、ラジオリガンド[H]5−HT(3.40TBq/mmol)を含む総量500μlを25℃で1時間インキュベーションした。化合物は100%DMSOに溶解し、各濃度に希釈した。非特異的結合は、10μM metergoline存在下での結合量とし、全結合量から、非特異的結合量を差し引いたものを特異的結合量とした。50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)4mLを加えて、GF/Bグラスフィルターで減圧濾過し、フィルターを同じ緩衝液で洗浄(4mLx3)した。グラスフィルターを5mLの液体シンチレータ(Aquasol−2)に浸し、液体シンチレーションカウンターで放射能量を測定した。受容体結合を50%阻害する化合物濃度、IC50値は、SAS(ver.6.11)を用いて非線形回帰分析により求め、受容体に対する親和性を表すKi値は、Cheng & Prussoffの式;Ki=IC50/(1+[L]/[Kd])([L]:リガンド濃度、[Kd]:解離定数)を用いて算出した。
前記製造例3の化合物は17.6nMのKi値を示した。また、製造例4、7、8、34、38、56、56a、56b、59、60、60a、60b、63、71、72、77、78a、78b、85及び87の化合物は0.4〜310nMのKi値を示した。
参考例3 他の受容体に対する親和性
製造例3の化合物の5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2C、5−HT、5−HT、5−HT、α、M及びD受容体への親和性を、公知の手法(Journal of Neurochemistry(1986)47,529−540;Molecular Pharmacology(1982)21,301−314;European Journal of Pharmacology(1985)106,539−546;Journal of Pharmacology Experimental Therapy(1992)263,1127−1132;British Jouurnal of Pharmacology(1993)109,618−624;Molecular Pharmacology(1993)43,320−327;Molecular Pharmacology(1989)35,324−330;Cellular Molecular Neurobiology(1988)8,181−191;European Journal of Pharmacology(1988)173,177−182)を用いて確認した。その結果、本化合物のIC50値は5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2c、5−HT、5−HT、5−HT、α、M及びDの各受容体について全て1μM以上であった。また、前記製造例56、59、60、71、72、77及び85の化合物についてα、M及びDの各受容体への親和性を上記の手法を用いて確認した結果、これらの化合物のα、M及びD受容体に対する5−HT2B及び5−HT受容体選択性は100倍以上であった。
以上の結果より、本製造例化合物は5−HT2B及び5−HT受容体の両方に選択的な結合親和性を有することが示された。
なお、下記実施例1に記載したRS−127445(2−Amino−4−(4−fluoronaphth−1−yl)−6−isopropylpyrimidine)及びSB−269970((R)−3−(2−(2−(4−Methylpiperidin−1−yl)ethyl)pyrrolidine−1−sulfonyl)phenol)の各受容体への親和性は公知であり、RS−127445に関しては、例えばBritish Journal of Pharmacology(1999)127,1075−1082より、当該化合物の5−HT2B受容体へのpKiは9.5であり、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2c、5−HT、5−HT、5−HT、α、M及びD受容体等に対して1000倍以上5−HT2B受容体選択的であることが報告されている。また、SB−269970に関しては、例えばJ.Med.Chem.(2000)43,342−345により、当該化合物の5−HT2B受容体へのpKiは8.9であり、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2B、5−HT2c、5−HT、5−HT、α、及びD受容体等に対して250倍以上5−HT受容体選択的であることが報告されている。
モルモット片頭痛モデルにおける予防効果
片頭痛発症において、5−HTにより硬膜血管から漏出する炎症性蛋白が関与することが示唆されている。本試験系は、被験化合物の存在下にこの漏出蛋白量を測定することにより、片頭痛の予防効果を評価したものであり、Rachel A.Spokes,Vicki C.Middlefell、European Journal of Pharmacology(1995)281,75−79記載の手法を一部改変して実施した。
ハートレー雄性モルモット(250−350g)にウレタン(1.5g/kg)を腹腔内投与(i.p.)し、麻酔した。伏在静脈に簡易カニュレーションを施し、蛍光蛋白(FITC−BSA)50mg/kgを静脈内投与(i.v.)し、5分後に生理食塩水あるいは5−HT1μMを静脈内投与した。15分後に生理食塩水で環流を行い、血液を洗い流した。RS−127445、SB−269970及び実施例3の化合物は腹腔内に、その他の実施例化合物は経口にてそれぞれ蛍光蛋白投与30分前に投与した。頭蓋を取り外し、硬膜を取り出しエッペンチューブ中pH11の生理食塩水存在下で37℃で16時間インキュベーションした。遠心操作し、上清をプレートに分注した。蛍光プレートリーダー(励起波長485nm,吸収波長530nm)にて蛍光強度を測走した。硬膜重量を量り、硬膜蛋白mgあたりの蛍光強度を算定した。
各化合物の投与時及び非投与時において測定した蛍光強度の値を図1〜図4に示す。いずれも横軸は化合物の投与量を、縦軸は硬膜血管1mgあたりの蛍光強度を示す。コントロールとは5−HT非添加時の蛍光強度、すなわち基準値を示す。
図1に示すように、5−HT2B選択的拮抗化合物であるRS−127445は3mg/kgで漏出蛋白量の減少作用を示したものの、3mg/kgから10mg/kgに投与量を増加しても標準値まで下げる事は無かった。
また、図2に示すように、5−HT選択的拮抗化合物であるSB−269970も10mg/kgから作用を示したが、これを30mg/kgに投与量を増加しても漏出蛋白量を標準値まで下げる事は無かった。
一方、図3に示すように、RS−127445及びSB−269970の両化合物を同時に投与した場合、相乗的な効果が得られることが分った。すなわち、図1及び図2に示されるように、本モデルにおいて両化合物が最大の薬効を示す最低量は、RS−127445については3mg/kg、SB−269970については10mg/kgであることが示されたが、同じ投与量で両化合物を同時に投与した場合、漏出蛋白量は標準値までほぼ完全に抑制されることが明らかとなった。この結果は、5−HT2B受容体及び5−HT受容体の両機能を同時に阻害した場合に、一方の選択的受容体の阻害では成し得ない優れた効果が得られることを示している。
この効果は、選択的に5−HT2B受容体拮抗作用と5−HT受容体拮抗作用を併有する本発明化合物を用いても同様であった。すなわち、前記製造例3の化合物は、図4に示すように3mg/kgの腹腔内投与で漏出蛋白量をほぼ完全に抑制した。
また、前記製造例56、56a、59、60、60a、60b、71、72、77、78b、85及び87の化合物も、10mg/kg若しくは30mg/kgの経口投与において、蛋白漏出をほぼ完全に抑制した。
以上の結果より、本発明の片頭痛予防薬は5−HT2B受容体拮抗作用及び5−HT受容体拮抗作用を併せ持つことにより、炎症性蛋白の漏出量を完全に抑制できることが示された。従って、本発明の片頭痛予防薬は片頭痛の発症を効果的に抑制できる可能性があり、一方の選択的受容体拮抗剤と比較して優れた片頭痛予防効果を有するものであることがわかる。
本発明の片頭痛予防薬は、5−HT2B及び5−HT受容体の機能を同時に阻害することにより優れた片頭痛の予防効果を発揮するものであり、また、既存薬に報告される5−HT2B及び5−HT受容体以外の受容体拮抗に起因する副作用が低減されることから、効果の優れる安全性の高い片頭痛予防薬として有用である。

Claims (10)

  1. 選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬。
  2. 選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤が、a)第一成分として5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物と、b)第二成分として5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物を含有するものである、請求の範囲1記載の片頭痛予防薬。
  3. 選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤が、5−HT2B及び5−HT受容体の両方に選択的な結合親和性を有する5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗化合物を含有するものである、請求の範囲1記載の片頭痛予防薬。
  4. 第一製剤として5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤、及び、b)第二製剤として5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤からなる組合せ物であって、該第一及び第二製剤は同時にもしくは別々に投与されるものである片頭痛予防用組合せ物。
  5. 5−HT2B及び5−HT受容体に対する結合親和性が、各々α、M、D、5−HT1A、5−HT1B、5−HT2A、5−HT2c、5−HT、5−HT及び5−HT受容体に対して、いずれも100分の1以下である、請求の範囲1記載の片頭痛予防薬。
  6. 片頭痛予防薬の製造のための、選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤の使用。
  7. 選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬の製造のための、「5−HT2B受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT2B受容体拮抗化合物」の使用。
  8. 選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤を有効成分とする片頭痛予防薬の製造のための、「5−HT受容体に選択的な結合親和性を有する5−HT受容体拮抗化合物」の使用。
  9. 選択的な5−HT2B及び5−HT受容体二重拮抗剤の有効量を患者に投与することを含む、片頭痛の予防方法。
  10. 5−HT2B選択的受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤と5−HT選択的受容体拮抗化合物を有効成分とする製剤からなる組み合わせ物を、同時にもしくは別々に患者に投与することを特徴とする片頭痛予防方法。
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