本発明は、放送波を受信して映像等を表示する放送受信端末、及びその放送波を送出する放送装置に関する。
近年のデジタル化の流れに従い、BS(Broadcasting Satellite)放送及びCS(Communication Satellite)放送に続き、地上波放送においても、デジタル放送が実施されようとしている。地上波デジタル放送では、BS放送及びCS放送との大きな違いとして、同一周波数において、異なる変調方式を適用することが可能となるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用していることが挙げられる。地上波デジタル放送がOFDM方式を採用することにより、異なる変調方式、すなわち、データ伝送レートは高いが、安定した電波状態が要求される変調方式と、データ伝送レートは低いが、比較的不安定な電波状態においても安定した受信が可能となる変調方式とを混在させることが可能となる。このため、地上波デジタル放送では、前者の変調方式を用いた据え置き型の放送受信端末向けの放送と、後者の変調方式を用いた携帯型の放送受信端末向けの放送を同時に実施することが想定されている。
ここで、放送受信端末は、ユーザがデジタル放送を視聴するために、デジタル放送波として受信した映像データのデコードを行うビデオデコーダや、映像を表示するディスプレイに、常に電力を供給しなければならない。即ち、デジタル放送を視聴するためには、多くの電力を消費することになり、特に限られたバッテリーで動作する携帯型の放送受信端末において、省電力化を実現することは重要である。
そこで、従来の技術として、デジタル放送波に制御プログラムを多重化して送信する放送装置と、そのデジタル放送波を受信してデジタル放送波に多重化された制御プログラムに従って、ビデオデコーダやディスプレイへの電力供給を停止する放送受信端末とが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−78840号公報
しかしながら、上記特許文献1の放送受信端末及び放送装置では、十分に省電力化を図ることができないという問題がある。
即ち、上記特許文献1の放送受信端末は、デジタル放送波により伝送される制御プログラムのみに従って電力供給の制御を行っている。その結果、ユーザはデジタル放送の番組の一場面のみを見たいにも関わらず、制御プログラムにしたがってディスプレイに映し出される番組の全てを見ていなければその一場面を見逃すこととなる。これにより、放送受信端末では番組を映し出すためのデコードなどの画像処理を長時間に渡って行う必要があり、省電力化を十分に図ることができないのである。言い換えれば、上記特許文献1の放送受信端末では、デジタル放送を視聴するユーザは、その放送受信端末に対して省電力状態への遷移を選択することができず、電力供給の制御のタイミングは、ユーザにとって必ずしも適切なタイミングとはいえない。
また、デジタル放送波の受信機能を有する携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)などの放送受信端末では、機能の多様化及び高度化が進んでいる。携帯電話機においては、基本となる通話機能だけでなく、メール機能や、JAVA(登録商標)に代表されるアプリケーションプログラムの実行機能、カメラ機能などが標準で実装されている。ユーザは、このような携帯電話機などの多機能な放送受信端末を、デジタル放送の視聴のみを目的として所持、携帯しているわけではなく、多くの時間、デジタル放送波の受信機能以外の別の機能を利用している可能性が高い。そのため、ユーザはメールなどの他の機能を使用している間に、見たい番組を、もしくは、番組中の見せ場を見逃してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図った放送受信端末及び放送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る放送受信端末は、放送波を受信して放送内容を表示する放送受信端末であって、前記放送波は、放送内容を示すストリーム情報と、前記放送内容の概要を示す概要情報とを含み、前記放送受信端末は、前記放送波を受信する受信手段と、前記放送内容を表示するための表示手段と、ユーザの操作に基づいて、前記放送内容を表示すべきか否かを判別する判別手段と、前記判別手段で放送内容を表示すべきと判別されたときには、前記受信手段で受信された放送波のストリーム情報に対して画像処理を行って、放送内容を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記判別手段で放送内容を表示すべきでないと判別されたときには、前記放送内容と同期するように、前記受信手段で受信された放送波によって伝送される概要情報の示す概要を提示する概要提示手段とを備えることを特徴とする。例えば、前記概要提示手段は、前記表示手段に概要を文字列で表示させる。
例えば番組などの放送内容を示すストリームに対してデコードなどの画像処理を行うには、多大な電力を消費してしまう。
したがって本発明に係る放送受信端末では、番組の表示と、その番組の概要の表示とがユーザの操作に基づいて切り換えられるため、例えばユーザにとって関心のない場面が放送されているときには、ユーザは放送受信端末を操作して、概要だけを表示させておけば、表示制御手段による画像処理が行われず、省電力化を図ることができる。また、番組が表示されていなくても、その番組に同期した概要が表示されているので、ユーザは、その概要を見ることにより、ユーザにとって関心のある場面が放送されているか否かを知ることができる。そして、ユーザは、放送受信端末を操作すれば、その関心のある場面を表示手段に表示させることができ、関心のある場面を見逃してしまうのを防ぐことができる。即ち、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができる。
ここで、前記放送受信端末は、さらに、ユーザの操作に応じて所定の機能を起動及び終了させる機能処理手段を備え、前記判別手段は、前記所定の機能が起動しているときには、前記放送内容を表示すべきでないと判別し、前記所定の機能が終了しているときには、前記放送内容を表示すべきと判別することを特徴としても良い。
例えば電子メールの機能が所定の機能として起動しているときには、番組などの放送内容が表示されずに概要が表示され、電子メールの機能が終了しているときには番組が表示されるため、ユーザは、番組の関心のある場面を見逃すことなく電子メールを利用することができ、ユーザの使い勝手を向上しながら省電力化を図ることができる。
また、前記概要提示手段は、前記概要情報により示される概要を音声でユーザに通知することを特徴としても良い。
これにより、番組などの放送内容の概要が音声で通知されることにより、その概要が文字列で表示される場合に比べて、ユーザは放送受信端末に注目しておく必要がなく、ユーザの使い勝手をさらに向上することができる。
また、前記概要情報は、前記概要が提示されるべき時刻を示す時刻情報を含み、前記概要提示手段は、現在時刻が前記時刻情報の示す時刻と一致するときに前記概要を提示することを特徴としても良い。
これにより、現在時刻が時刻情報の示す時刻と一致するときに概要が提示されるため、放送内容に対して容易に同期させることができる。
また、前記概要提示手段は、前記判別手段で放送内容を表示すべきでないと判別されたときには、さらに、前記受信手段で受信された放送波のストリーム情報に対して画像処理を行い、前記表示制御手段によって表示される放送内容よりも描画精度を落とした動画像を、前記表示手段に表示させることを特徴としても良い。
これにより、動画像が表示されるため、ユーザはどのような番組が放送されているかを容易に知ることができる。また、ここで表示される動画像は、表示制御手段によって表示される放送内容よりも描画精度が劣るため、その動画像を得るために行われる画像処理に要する電力は、表示制御手段により行われる画像処理に要する電力よりも少なく、省電力化を図ることができる。
また、前記放送受信端末は、ユーザの操作に応じて第1及び第2の形状に変形自在に構成されており、前記判別手段は、前記放送受信端末が第1の形状であるときには、前記放送内容を表示すべきと判別し、前記放送受信端末が第2の形状であるときには、前記放送内容を表示すべきでないと判別することを特徴としても良い。例えば、前記表示手段は、前記放送受信端末が第1の状態であるときに表面に現れる第1の表示手段と、前記放送受信端末が第2の状態であるときに表面に現れる第2の表示手段とを備え、前記表示制御手段は、前記第1の表示手段に放送内容を表示させ、前記概要提示手段は、前記第2の表示手段に概要を表示させる。
これにより、放送受信端末が例えば展開された第1の形状であるときには、番組などの放送内容が表示され、放送受信端末が例えば折畳まれた第2の形状であるときには、番組の概要がその番組に同期して表示されるため、ユーザはその放送受信端末を変形させることにより、番組の表示と、概要の表示とを自在に切り換えることができる。
ここで、本発明に係る放送装置は、放送波を送出する放送装置であって、前記放送波の放送内容の概要を示す概要情報を生成する概要情報生成手段と、前記概要情報の示す概要が放送内容に同期するように前記概要情報を放送波に含めて送出する送出手段とを備えることを特徴とする。
これにより、概要情報が放送内容に同期するように放送波に含めて送出されるため、この放送波を受信する放送受信装置は、例えばユーザの操作に応じて、その放送内容の表示と、その放送内容に同期した概要の表示とを切り換えることができ、放送受信装置に対してユーザの嗜好を反映させて省電力化の向上を図ることができる。
なお、本発明は、このような放送受信端末及び放送装置として実現することができるだけでなく、それらが行う動作の方法やプログラム、そのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。
本発明の放送受信端末及び放送装置は、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができるという作用効果を奏する。
[図1]図1は、本発明の実施の形態における放送システムの構成を示す構成図である。
[図2]図2は、同上の放送装置の構成を示すブロック図である。
[図3]図3は、同上のデジタル放送波の一部のデータ構造を示す図である。
[図4]図4は、同上の放送受信端末の構成を示すブロック図である。
[図5]図5は、同上の表示部の画面表示の一例を示す図である。
[図6]図6は、同上の放送受信端末の処理の流れを示すフロー図である。
[図7]図7は、同上の放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
[図8]図8は、同上の変形例1に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
[図9]図9は、同上の変形例1に係る表示部とサブ表示部の表示画面の一例を示す図である。
[図10]図10は、同上の変形例1に係る放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
[図11]図11は、同上の変形例2に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
[図12]図12は、同上の変形例2に係る表示部の画面表示の一例を示す図である。
[図13]図13は、同上の変形例2に係る放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
[図14]図14は、同上の変形例3に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
[図15]図15は、同上の変形例3に係る放送受信端末のバックグラウンド状態における動作を示すフロー図である。
[図16]図16は、同上の変形例4に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
[図17]図17は、同上の変形例4に係る放送受信端末の放送受信機能がバックグラウンド状態であるときの様子を説明するための説明図である。
[図18]図18は、同上の変形例5に係る放送受信機能がバックグラウンド状態にあるときの表示部の表示画面の一例を示す図である。
[図19]図19は、同上の変形例6に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
[図20]図20は、同上の変形例6に係る放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
符号の説明
100 放送受信端末
110 第1処理部
111 受信部
112 状態管理部
113 提示制御部
120 表示部
130 第2処理部
200 放送装置
201 ストリーム生成部
202 データカルーセル生成部
203 情報生成部
205 送信部
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における放送システムの構成を示す構成図である。
本実施の形態の放送システムは、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ったものであって、放送受信端末100と放送装置200とを備えている。
放送装置200は、デジタル放送の番組内容(放送内容)を示すデジタル放送波に、その番組内容のアウトラインを示すリアルタイム番組情報(概要情報)を多重化する。そして、放送装置200は、リアルタイム番組情報が多重化されたデジタル放送波を送出する。
放送受信端末100は、例えば携帯電話機であって、放送装置200が送出したデジタル放送波を受信して番組内容を映し出すための放送受信機能と、電子メールを編集及び送受信するためのメール機能、及び電話を行うための通話機能などの付属機能とを有する。
このような放送受信端末100は、付属機能を起動又は実行している際に、リアルタイム番組情報の示す番組内容のアウトラインをその番組内容に同期するようにユーザに提示することを特徴とする。
なお、図1には、1つの放送受信端末100のみを示したが、複数の放送受信端末100が放送装置200からのデジタル放送波を受信してもよい。
図2は、本発明の実施の形態における放送装置200の構成を示すブロック図である。
放送装置200は、図2に示すように、ストリーム生成部201と、データカルーセル生成部202と、情報生成部203と、送信部205とを備えている。
ストリーム生成部201は、デジタル放送の番組内容の映像や音声などを示すストリーム情報を生成し、生成したストリーム情報を出力する。
データカルーセル生成部202は、デジタル放送における、データ放送番組のコンテンツ情報を生成し、そのコンテンツ情報をデータ放送伝送方式であるデータカルーセルに符号化して出力する。
情報生成部203は、ストリーム情報及びデータカルーセルを参照して、映像、音声及びデータ放送によるデジタル放送の番組内容に同期したリアルタイム番組情報を生成し、その生成したリアルタイム番組情報を出力する。
送信部205は、ストリーム生成部201から出力されたストリーム情報と、データカルーセル生成部202から出力されたデータカルーセルと、情報生成部203から出力されたリアルタイム番組情報を取得し、そのストリーム情報とデータカルーセルとリアルタイム番組情報とを多重化してデジタル放送波を生成する。そして送信部205はそのデジタル放送波を変調して送出する。
図3は、本発明の実施の形態におけるデジタル放送波の一部のデータ構造を示す図である。
リアルタイム番組情報は、図3に示すように、デジタル放送波の汎用イベントメッセージ記述子D1のプライベート領域D2に格納されている。例えば、リアルタイム番組情報は、「松井が打席にはいりました」という文字列を示すテキストデータである。また、プライベート領域D2は、例えば8×N(Nは自然数)ビットの大きさを有する。
なお、情報生成部203において生成されるリアルタイム番組情報の符号化には、リアルタイム番組情報が独自の形式で直接TS(トランスポートストリーム)パケットに符号化される場合と、リアルタイム番組情報を一旦セクション形式に変換してからTSパケットに符号化される場合とが考えられる。さらに、セクション形式に変換する手法には、モジュールとしてリアルタイム番組情報を形式化してデータカルーセル方式で伝送する手法と、汎用イベントメッセージ記述子D1のプライベート領域D2に格納する手法とがある。
図4は、本発明の実施の形態における放送受信端末100の構成を示すブロック図である。
放送受信端末100は、表示部120と、第1処理部110と、第2処理部130とを備えている。
表示部120は、文字や画像などを表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)のなどで構成される。
第2処理部130は、機能処理手段として構成され、上述の付属機能、例えば、メール機能、通話機能、JAVA(登録商標)アプリケーション機能、WEBブラウザ機能、PIM(Personal Information Manager)機能、カメラ機能、及びメニューランチャー機能に基づく動作を実行し、それらの機能に基づく画面を表示部120に表示させる。ここで、メニューランチャー機能とは、放送受信端末100が有する各機能を提示して、ユーザに選択された機能を起動させるものである。
第1処理部110は、放送受信機能を有し、放送装置200からのデジタル放送波を受信し、受信したデジタル放送波から抽出したストリーム情報やリアルタイム番組情報に基づき、表示部120の表示を制御する。
このような第1処理部110は、受信部111と、状態管理部112と、提示制御部113とを備える。
状態管理部112は、判別手段として構成され、第2処理部130による付属機能の動作状況に基づいて、放送受信機能が通常提示状態にあるべきかバックグラウンド状態にあるべきかの判別を行い、その判別した状態を受信部111と提示制御部113に通知する。
ここで、放送受信機能が通常提示状態であるとは、放送受信機能によって表示部120が使用され、表示部120に番組内容が映し出される状態であることをいう。また、放送受信機能がバックグラウンド状態であるとは、放送受信機能の起動によって第1処理部110がデジタル放送波を受信しているが、付属機能によって表示部120が使用され、表示部120に番組内容が映し出されない状態であることをいう。
受信部111は、ユーザの操作に基づきデジタル放送波を受信する。このようなデジタル放送波の受信により放送受信機能が起動する。
ここで、受信部111は、放送受信機能が通常状態にあるべきとの通知を状態管理部112から受けると、受信したデジタル放送波からストリーム情報及びデータカルーセルを抽出し、それぞれに対してデコードやレンダリング等の処理を行う。そして受信部111は、処理されたストリーム情報及びデータカルーセルを提示制御部113に出力する。また、受信部111は、放送受信機能がバックグラウンド状態にあるべきとの通知を状態管理部112から受けると、受信したデジタル放送波からリアルタイム番組情報のみを抽出して提示制御部113に出力する。
提示制御部113は、状態管理部112からの通知に基づいて表示部120の表示形式を制御する。即ち、提示制御部113は、バックグラウンド状態であるべき旨の通知を受けると、受信部111によって抽出されたリアルタイム番組情報の内容を表示部120に表示させる。このとき、提示制御部113は、表示部120の表示画面のピクト領域にその内容を表示させる。一方、通常提示状態であるべき旨の通知を受けると、提示制御部113は、ストリーム情報やデータカルーセルの内容を表示部120のピクト領域以外の部分に表示させる。
このような受信部111及び提示制御部113によって表示制御手段及び概要提示手段が構成される。
なお、ピクト領域とは、放送受信端末100の状態を図形などを用いて表すために、放送受信端末100の動作に関わらず表示部120の表示画面に常に割り当てられた一部の領域である。
このような第1処理部110の全体的な動作について説明する。
例えば、第2処理部130は、付属機能の例えばメール機能を起動し、表示部120にそのメール機能に基づく画面を大きく表示させようとする。さらに、第2処理部130は、付属機能が起動したこと、つまり表示部120がメール機能により使用されることを状態管理部112に通知する。
第2処理部130からの通知を受けた状態管理部112は、放送受信機能が通常提示状態になっていれば、その放送受信機能の状態をバックグラウンド状態にしなければならないと判別する。そして、状態管理部112は、バックグラウンド状態にすべき旨を受信部111と提示制御部113とに通知する。
状態管理部112からの通知を受けた受信部111は、デジタル放送波からのストリーム情報の抽出を停止、又はストリーム情報のデコードを停止する。さらに、受信部111は、デジタル放送波からのデータカルーセルの抽出を停止、又はデータカルーセルからのモジュールの復元を停止する。また、受信部111は、デジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出し、抽出したリアルタイム番組情報を提示制御部113に出力する。
提示制御部113は、状態管理部12からバックグラウンド状態の通知を受けると、受信部111から出力されたリアルタイム番組情報を表示部120のピクト領域に提示させる。
ここで、例えば、第2処理部130は、メール機能を終了すると、その終了を状態管理部112に通知する。
第2処理部130からの通知を受けた状態管理部112は、放送受信機能の状態を通常提示状態にしなければならないと判別する。そして、状態管理部112は、通常提示状態にすべき旨を受信部111と提示制御部113とに通知する。
状態管理部112からの通知を受けた受信部111は、デジタル放送波からストリーム情報を抽出し、そのストリーム情報をデコードする。さらに、受信部111は、デジタル放送波からデータカルーセルを抽出し、そのデータカルーセルからモジュールを復元する。また、受信部111は、デジタル放送波からのリアルタイム番組情報の抽出を停止する。
提示制御部113は、状態管理部112から通常提示状態の通知を受けると、受信部111によってデコードされたストリーム情報の内容、及び復元されたモジュールを表示部120の表示画面に表示させる。
図5は、表示部120の画面表示の一例を示す図である。
表示部120の表示画面は、図5に示すように、放送受信端末100が備えている放送受信機能や付属機能が通常使用するメイン領域122と、起動中の機能に関係なく常に放送受信端末100の状態を示す上述のピクト領域121と、放送受信端末100の操作の簡単な説明を表示するガイダンス領域123との3つの領域を有する。
なお、ここでは表示部120が3つの領域を有するとしたが、4つ以上の領域や2つ以下の領域を有しても良い。例えば、特定の機能が起動中の場合には、表示部120は、ピクト領域を表示せず、領域の数を2つにする。
第2処理部130は、図5の(a)に示すように、放送受信機能が起動していない状態、つまり第1処理部110がデジタル放送波を受信していない状態で、メニューランチャー機能を起動すると、表示部120のメイン領域122にメニューを表示させる。
例えば、このような表示が行われている状態で、ユーザは放送受信端末100を操作して、「TV」と表示されたTVボタンb1を選択する。
TVボタンb1が選択されると、放送受信機能が起動して通常提示状態となり、表示部120は、図5の(b)に示す画面を表示する。
即ち、第2処理部130は、TVボタンb1の選択に応じて、メニューランチャー機能を終了させ、その終了とTVボタンb1の選択とを第1処理部110に通知する。その結果、第1処理部110は、放送受信機能を起動することにより、デジタル放送波を受信して、デジタル放送の番組内容を表示部120のメイン領域122に映し出させる。
このとき、表示部120は、メニューの画面に戻るためのメニューボタンb2と、デジタル放送波の受信及び番組内容の表示を終了するためのTV終了ボタンb3とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb3が選択されると、第1処理部110は、放送受信機能を終了、つまりデジタル放送波の受信及びストリーム情報の抽出等の処理を終了する。これにより、表示部120は、予め設定されている待ち受け画面などをメイン領域122に表示する。
ユーザの操作によりメニューボタンb2が選択されると、放送受信機能がバックグラウンド状態となり、表示部120は、図5の(c)に示す画面を表示する。
即ち、第2処理部130は、メニューランチャー機能を起動し、その起動を第1処理部110に通知する。そして、第2処理部130は、メニューランチャー機能の起動によって、メニューを表示部120のメイン領域122に表示させる。
メニューランチャー機能の起動の通知を受けた第1処理部110は、デジタル放送波からのストリーム情報の抽出等の処理を停止する一方、デジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出して、そのリアルタイム番組情報の内容(アウトライン)を、表示部120のピクト領域121の一部である情報提示領域121aに文字列で表示させる。第1処理部110は、そのアウトラインである文字列を例えば左右又は上下方向にスクロールさせる。
またこのとき、表示部120は、メニューの表示を終了するためのメニュー終了ボタンb4と、デジタル放送波の受信及びアウトラインの表示を終了するためのTV終了ボタンb5とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりメニュー終了ボタンb4が選択されると、放送受信機能が通常提示状態となり、表示部120は、図5の(b)に示す画面を表示する。
即ち、第1処理部110は、デジタル放送波からのストリーム情報の抽出等の処理を開始する一方、デジタル放送波からのリアルタイム番組情報の抽出等の処理を停止する。その結果、第1処理部110は、表示部120のメイン領域122にデジタル放送の番組内容を表示させる。
また、ユーザの操作によりTV終了ボタンb5が選択されると、第1処理部110は放送受信機能を終了する。その結果、図5の(a)に示すように、表示部120の情報提示領域121aに表示されていたアウトラインは表示されなくなる。
図6は、本発明の実施の形態の放送受信端末100の処理の流れを示すフロー図である。
まず、放送受信端末100は、TVボタンb1の選択により、放送受信機能を起動する(ステップS100)。
放送受信端末100は、デジタル放送波を受信することが不能か否か、及びTV終了ボタンb5の選択により放送受信機能の終了が指示されたか否かを判別する(ステップS102)。
ここで、受信不能、又は終了が指示されたと判別したときには(ステップS102のY)、放送受信端末100は、放送受信機能を終了する(ステップS104)。なお、デジタル放送波を受信することが不能である時には、エラーを通知してもよい。
一方、受信可能、又は終了が指示されていないと判別したときには(ステップS102のN)、放送受信端末100は、付属機能の動作状況に基づき、放送受信機能がバックグラウンド状態であるべきか通常提示状態であるべきかを判別する(ステップS104)
ここで、通常提示状態であるべきと判別したときには、放送受信端末100は、デジタル放送波からストリーム情報及びデータカルーセルを抽出し、それらに対してデコードやレンダリング処理などを行う(ステップS106)。そして、放送受信端末100は、上記処理が行われたストリーム情報及びデータカルーセルにより示されるデジタル放送の番組内容を表示部120のメイン領域122に映し出す(ステップS108)。
一方、バックグラウンド状態であるべきと判別したときには、放送受信端末100は、デジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出する(ステップS110)。そして、放送受信端末100は、抽出されたリアルタイム番組情報により示される番組内容のアウトラインを文字列で表示部120のピクト領域121(情報提示領域121a)に表示する(ステップS112)。
図7は、本実施の形態における放送受信端末100の放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100の放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、例えばメニューボタンb2の選択によりメニューランチャー機能が起動すると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、例えばメニュー終了ボタンb4の選択によりメニューランチャー機能が終了すると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
なお、上述の例では、メニューランチャー機能の起動及び終了に基づいて放送受信機能の状態が遷移したが、他の付属機能の起動及び終了に基づいて遷移しても良い。
このように、本実施の形態では、番組内容の表示と、その番組内容のアウトラインの表示とが、ユーザの操作に基づく付属機能の起動又は終了により切り換えられる。したがって、例えばユーザにとって関心のない場面が放送されているときには、ユーザは放送受信端末を操作してメール機能などの付属機能を起動し、アウトラインだけを表示させておけば、ストリーム情報に対するデコードなどが行われず、省電力化を図ることができる。また、番組内容が表示されていなくても、その番組内容に同期したアウトラインが表示されているので、ユーザは、そのアウトラインを見ることにより、ユーザにとって関心のある場面が放送されているか否かを知ることができる。そして、ユーザは、放送受信端末を操作すれば、その関心のある場面を表示部120に表示させることができる。したがって、ユーザがメールやゲームなどに熱中していても、関心のある番組や場面を見逃してしまうのを防ぐことができる。即ち、ユーザが自らの好む番組や場面を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができる。
(変形例1)
ここで、通常提示状態とバックグラウンド状態との間における遷移のトリガについての変形例について説明する。
上記実施の形態では、付属機能の起動又は終了をトリガに、上記各状態間の遷移を行った。
本変形例では、放送受信端末の形状の変化をトリガに、上記各状態間の遷移を行う。
即ち、本変形例に係る放送受信端末は、その形状が変形自在に構成されており、変形することにより表示部の表示画面が隠れた時に、放送受信機能を通常提示状態からバックグラウンド状態に遷移させることを特徴とする。
図8は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
放送受信端末100aは、例えば折畳み自在に構成された携帯電話機であって、表示部120と、第1処理部110aと、第2処理部130と、形状管理部131と、サブ表示部132とを備えている。
表示部120は、放送受信端末100が折畳まれたときには、その表示画面が隠れるような位置に取り付けられている。
サブ表示部132は、表示部120と同様、LCDなどで構成されており、放送受信端末100aが折畳まれたときには、その表示画面が表面に現れるような位置に取り付けられている。
なお、ここでは、サブ表示部132の数を1つとしたが、2つ以上であってもよい。この場合、形状の変化に応じて、複数のサブ表示部132の中から、ユーザへ提示可能なサブ表示部132を選択するなどの制御が行われる。
形状管理部131は、放送受信端末100aの形状を監視し、その形状を第1処理部110aに通知する。例えば、形状管理部131は、放送受信端末100aが折畳まれている形状(折畳み形状)であることや、広げられている形状(展開形状)であることを通知する。
第1処理部110aは、受信部111と提示制御部113aと状態管理部112aとを備える。
状態管理部112aは、形状管理部131からの通知に基づいて、放送受信機能が通常提示状態にあるべきかバックグラウンド状態にあるべきかの判別を行う。そして状態管理部112aは、その判別した放送受信機能の状態を受信部111と提示制御部113aに通知する。
例えば、状態管理部112aは、形状管理部131から折畳み形状の通知を受けると、放送受信機能がバックグラウンド状態であるべきと判別する。また、状態管理部112aは、形状管理部131から展開形状の通知を受けると、放送受信機能が通常提示状態であるべきと判別する。
提示制御部113aは、状態管理部112aからの通知に従って、表示部120及びサブ表示部132の表示を制御する。即ち、提示制御部113aは、放送受信機能の起動時に、通常提示状態であるべき旨の通知を受けると、表示部120のメイン領域122にデジタル放送の番組内容を映し出し、バックグラウンド状態であるべき旨の通知を受けると、サブ表示部132にリアルタイム番組情報のアウトラインを文字列で表示させる。
図9は、表示部120とサブ表示部132の表示画面の一例を示す図である。
ユーザは、放送受信端末100aを展開形状にして、例えばTVボタンb1を選択することにより、放送受信機能を起動させる。その結果、第1処理部110aは、放送受信機能の起動時に、形状管理部131から展開形状の通知を受けるため、図9の(a)に示すように、表示部120のメイン領域122にデジタル放送の番組内容を映し出す。このとき、放送受信機能は通常表示状態である。
ここで、ユーザは、放送受信端末100aを折畳み形状に変形する。その結果、第1処理部110aは、放送受信機能の起動中に、形状管理部131から折畳み形状の通知を受けるため、図9の(b)に示すように、サブ表示部132のメイン領域132aにリアルタイム番組情報のアウトラインを文字列で表示させる。第1処理部110aは、そのアウトラインである文字列を例えば左右又は上下方向にスクロールさせる。このとき、放送受信機能はバックグラウンド状態である。
図10は、本変形例に係る放送受信端末100aの放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100aの放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、放送受信端末100aの形状が展開形状から折畳み形状に変化すると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、放送受信端末100aの形状が折畳み形状から展開形状に変化すると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えば所定のボタンの選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
このように、本変形例では、放送受信端末100aが展開形状であるときには、番組内容が表示部120に表示され、放送受信端末100aが折畳み形状であるときには、番組内容のアウトラインがその番組内容に同期してサブ表示部132に表示される。したがって、ユーザはその放送受信端末100aを変形させることにより、番組内容の表示と、アウトラインの表示とを自在に切り換えることができ、消費電力を抑えることができる。
(変形例2)
ここで、通常提示状態とバックグラウンド状態との間における遷移のトリガについての他の変形例について説明する。
上記実施の形態では、付属機能の起動又は終了をトリガに、上記各状態間の遷移を行った。
本変形例では、放送受信機能の状態に対する直接的なユーザの指示をトリガに、上記各状態間の遷移を行う。
図11は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
放送受信端末100bは、表示部120と、第1処理部110bと、第2処理部130bと、ユーザ入力処理部133とを備えている。
ユーザ入力処理部133は、ユーザによる操作に基づいて、放送受信機能を通常提示状態とするかバックグラウンド状態とするかについての指示を受け付ける。そしてユーザ入力処理部133は、受け付けた指示内容を第1処理部110b及び第2処理部130bに通知する。
第2処理部130bは、ユーザの操作に応じて付属機能を起動及び終了させるとともに、第1処理部110b及びユーザ入力処理部133からの通知に基づいて、起動中の付属機能に基づく画面の表示及び非表示について表示部120を制御する。
例えば第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133から通常提示状態の通知を受けると、付属機能を起動していても、第1処理部110bによる表示部120の使用を認めて、表示部120に対してその付属機能に基づく画面を表示させない。一方、第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133からバックグラウンド状態の通知を受けると、起動中の付属機能に基づく画面を表示部120に表示させる。
第1処理部110bは、受信部111と提示制御部113と状態管理部112bとを備える。
状態管理部112bは、放送受信機能の起動及び終了を第2処理部130bに通知するとともに、ユーザ入力処理部133からの通知を受け取ると、その通知内容に基づいて放送受信機能を通常提示状態とすべきかバックグラウンド状態とすべきかを判別する。そして状態管理部112bは、その判別した状態を受信部111及び提示制御部113に通知する。なお、状態管理部112bは、放送受信機能が起動したときには、初期設定として、ユーザ入力処理部133からの通知がなくても、通常提示状態にすべき通知を受信部111及び提示制御部113に対して行う。
図12は、表示部120の画面表示の一例を示す図である。
図5の(a)に示す状態からTVボタンb1が選択されると、放送受信機能が起動して通常提示状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(a)に示すような画面となる。
即ち、第1処理部110bは、放送受信機能を起動することによりデジタル放送波を受信して、デジタル放送の番組内容を表示部120のメイン領域122に映し出させる。そして、第1処理部110bは、放送受信機能の起動を第2処理部130bに通知する。
第2処理部130bは、第1処理部110bからの放送受信機能の起動の通知を受けると、メニューランチャー機能を終了させずに、表示部120に対してメニューの表示を停止させる。
このとき、表示部120は、メニューの画面に戻るためのバックボタンb11と、デジタル放送波の受信及び番組内容の表示を終了するためのTV終了ボタンb12とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb12が選択されると、放送受信機能が終了し、表示部120に表示される画面は、図5の(a)に示す画面に戻る。
即ち、第1処理部110bは、放送受信機能を終了、つまりデジタル放送波の受信及びストリーム情報の抽出等の処理を終了し、その終了を第2処理部130bに通知する。第2処理部130bは、第1処理部110bからの放送受信機能の終了の通知を受けると、起動中のメニューランチャー機能に基づくメニューを表示部120のメイン領域122に表示させる。
ユーザの操作によりバックボタンb11が選択されると、放送受信機能がバックグラウンド状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(b)に示すような画面となる。
即ち、ユーザ入力処理部133は、バックボタンb11の選択に基づいて、放送受信機能をバックグラウンド状態にすべき指示を受け付け、その指示内容を第1処理部110b及び第2処理部130bに通知する。第1処理部110bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、表示部120のメイン領域122への番組内容の映し出しを停止させ、表示部120のピクト領域121(情報提示領域121a)に、リアルタイム番組情報の内容(番組内容のアウトライン)を文字列で表示させる。第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、起動中のメニューランチャー機能に基づくメニューを表示部120のメイン領域122に表示させる。
このとき、表示部120は、番組内容を映し出すためのTV表示ボタンb13と、デジタル放送波の受信及びアウトラインの表示を終了するためのTV終了ボタンb14とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりTV表示ボタンb13が選択されると、放送受信機能が通常提示状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(a)に示すような画面となる。
即ち、ユーザ入力処理部133は、TV表示ボタンb13の選択に基づいて、放送受信機能を通常提示状態にすべき指示を受け付け、その指示内容を第1処理部110b及び第2処理部130bに通知する。第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、メニューランチャー機能を終了させずに、表示部120に対してメニューの表示を停止させる。第1処理部110bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、表示部120の情報提示領域121aへのアウトラインの表示を停止させ、表示部120のメイン領域122に番組内容を映し出させる。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb14が選択されると、上述と同様、放送受信機能が終了し、表示部120に表示される画面は、図5の(a)に示す画面に戻る。即ち、第1処理部110bは、放送受信機能を終了、つまりデジタル放送波の受信及びリアルタイム番組情報の抽出等の処理を終了し、表示部120の情報提示領域121aへのアウトラインの表示を停止させる。
また、メニューに含まれる各機能に応じたボタンのうちメールボタンb15がユーザにより選択されると、表示部120に表示される画面は、図12の(c)に示す画面となる。
即ち、第2処理部130bは、メニューランチャー機能を終了させて、その代わりにメール機能を起動させる。その結果、第2処理部130bは、メール機能に基づくメール編集画面を表示部120のメイン領域122に表示させる。このとき、放送受信機能は、バックグラウンド状態にあり、第1処理部110bは表示部120のピクト領域121(情報提示領域121a)にリアルタイム番組情報のアウトラインを文字列で表示させている。
このときにも表示部120は、上述のTV表示ボタンb13及びTV終了ボタンb14と、メール機能を終了させるためのキャンセルボタンb16とを、ガイダンス領域123に表示している。
ユーザの操作によりTV表示ボタンb13が選択されると、上述と同様、放送受信機能が通常提示状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(a’)に示す画面となる。
ユーザの操作によりキャンセルボタンb16が選択されると、表示部120に表示される画面は、図12の(b)に示す画面に戻る。即ち、第2処理部130bは、メール機能を終了させて、その代わりにメニューランチャー機能を起動させる。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb14が選択されると、第1処理部110bは放送受信機能を終了し、表示部120の情報提示領域121aへのアウトラインの表示を停止させる。
また、表示部120に表示される画面が、上述のように図12の(a’)に示す画面となったときに、バックボタンb11がユーザの操作により選択されると、放送受信機能がバックグラウンド状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(c)に示すような画面となる。つまり、前に表示されていたメール編集画面が表示部120のメイン領域122に表示され、リアルタイム番組情報のアウトラインが文字列で表示部120のピクト領域121に表示される。
図13は、本変形例に係る放送受信端末100bの放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100bの放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、例えばユーザによりバックボタンb11が選択されると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb14の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、例えばユーザによりテレビ表示ボタンb13が選択されると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えばTV終了ボタンb14の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
このように本変形例では、放送受信機能を通常提示状態とするかバックグラウンド状態とするかについての指示をユーザから受け付けて、その受け付けられた指示に基づいて放送受信機能の状態を遷移させる。したがって、ユーザはその放送受信端末100bに対して指示することにより、番組内容の表示と、アウトラインの表示とを自在に切り換えることができ、消費電力を抑えることができる。
(変形例3)
ここで、本実施の形態におけるリアルタイム番組情報の取得と、そのリアルタイム番組情報の内容の提示とのタイミングについての変形例について説明する。
本実施の形態では、放送受信端末100はリアルタイム番組情報を取得すると、直接的に、そのリアルタイム番組情報の内容を提示するための提示処理を行ってその内容を提示した。
本変形例に係る放送受信端末は、提示すべき時刻を示す時刻情報を含むリアルタイム番組情報を取得し、その時刻情報により示される時刻に、提示処理を行ってリアルタイム番組情報の内容を提示することを特徴とする。一方、本変形例に係る放送装置200の情報生成部203は、ストリーム生成部201のストリーム情報及びデータカルーセル生成部202のデータカルーセルを参照して、それらのアウトラインが提示されるべき時刻を特定する。そして、情報生成部203は、その時刻を示す時刻情報をリアルタイム番組情報に含めて出力する。
図14は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る放送受信端末100cは、表示部120と、第1処理部110cと、第2処理部130と、時刻計測部134とを備えている。
時刻計測部134は、現在時刻を計時しており、その現在時刻を第1処理部110cに通知する。
第1処理部110cは、受信部111cと提示制御部113と状態管理部112と情報記憶部114とを備える。
情報記憶部114は、リアルタイム番組情報を記憶するための領域を有する。
受信部111cは、放送受信機能がバックグラウンド状態であるときに、デジタル放送波を受信すると、そのデジタル放送波から時刻情報を含むリアルタイム番組情報を抽出してこれを情報記憶部114に記憶させる。そして、受信部111cは、時刻計測部134から通知される現在時刻と、情報記憶部114に記憶されているリアルタイム番組情報の時刻情報が示す時刻とを比較する。その時刻情報が示す時刻が現在時刻と等しければ、受信部111cは、その時刻情報を含んでいるリアルタイム番組情報を、情報記憶部114から読み出して提示制御部113に出力する。
提示制御部113は、受信部111cからリアルタイム番組情報を取得すると、そのリアルタイム番組情報の示すアウトラインを文字列で表示部120に表示させる。またこのとき表示されるアウトラインは、デジタル放送波の番組内容と同期している。
図15は、本変形例に係る放送受信端末100cのバックグラウンド状態における動作を示すフロー図である。
まず、放送受信端末100cは、放送受信機能の起動によりデジタル放送波を受信し、そのデジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出する(ステップS120)。そして、放送受信端末100cは、その抽出したリアルタイム番組情報を情報記憶部114に格納する(ステップS122)。
リアルタイム番組情報を格納した放送受信端末100cは、そのリアルタイム番組情報に含まれる時刻情報の示す時刻が、現在時刻と一致するか否かを判別する(ステップS124)。
ここで、一致しないと判別したときには(ステップS124のN)、放送受信端末100cは、例えば1秒や5秒などの所定時間だけ計時を行い(ステップS126)、その所定時間経過後に再びステップS124の処理を実行する。
一方、一致すると判別したときには(ステップS124のY)、放送受信端末100cは、情報記憶部114に格納されたリアルタイム番組情報を読み出し(ステップS128)、そのリアルタイム番組情報の内容(アウトライン)を表示部120に表示する(ステップS130)。
なお、本変形例では、リアルタイム番組情報に時刻情報を含ませたが、これを含ませなくても良い。即ち、放送装置200は、アウトラインを提示するように促すメッセージを、デジタル放送波に含めて送出する。放送受信端末100cの受信部111cは、上記メッセージを受けると、既に情報記憶部114に格納されているリアルタイム番組情報を読み出して提示制御部113に出力する。そして提示制御部113は、受信部111cからリアルタイム番組情報を取得すると、そのリアルタイム番組情報の示すアウトラインを文字列で表示部120に表示させる。
また、本変形例では、リアルタイム番組情報の示すアウトラインを、デジタル放送波の番組内容と同期するように表示させたが、同期させなくても良い。例えば、放送受信端末100cは、デジタル放送波に多重化されて送出されるリアルタイム番組情報を随時、情報記憶部114に格納しておく。そして、放送受信端末100cは、ユーザからアウトラインの表示を促す指示を受け付けると、情報記憶部114に格納されているリアルタイム番組情報を読み出して、そのアウトラインを表示部120に表示する。これにより、ユーザは、どのような番組が放送されていたかを、表示部120に表示されるアウトラインから事後的に知ることができる。
(変形例4)
ここで、本実施の形態におけるリアルタイム番組情報の内容の提示方法に関する変形例について説明する。
本実施の形態では、放送受信端末100はリアルタイム番組情報の内容を文字列として表示部120に表示した。
本変形例に係る放送受信端末は、リアルタイム番組情報の内容を音声で提示する。
図16は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る放送受信装置100dは、表示部120と、第1処理部110dと、第2処理部130と、音声出力部135とを備えている。
第1処理部110dは、受信部111dと、状態管理部112と、提示制御部113dと、音声制御部115とを備える。
受信部111dは、デジタル放送波から抽出したストリーム情報とデータカルーセルとを提示制御部113dに出力し、デジタル放送波から抽出したリアルタイム番組情報を音声制御部115に出力する。
提示制御部113dは、放送受信機能がバックグラウンド状態のときには、表示部120に対する表示画面の制御を停止する。即ち、提示制御部113dは、上述の提示制御部113のようにリアルタイム番組情報の内容を表示部120に表示させることを行わない。
音声制御部115は、放送受信機能がバックグラウンド状態のときには、受信部111dからリアルタイム番組情報を取得し、そのリアルタイム番組情報の内容(番組内容のアウトライン)を解析する。そして、音声制御部115は、音声合成により、その内容を示す音声信号を生成して、その音声信号を音声出力部135に出力する。
音声出力部135は、例えばスピーカなどからなり、音声信号を第1処理部110dから取得して、その音声信号の示す音声を出力する。
図17は、放送受信端末100dの放送受信機能がバックグラウンド状態であるときの様子を説明するための説明図である。
例えば、放送受信端末100dは、携帯電話機として構成されており、放送受信機能がバックグラウンド状態であるときに、メール機能に基づくメール編集画面を表示部120に表示している。このような場合、放送受信端末100dは、リアルタイム番組情報の内容として例えば「松井が打席に入りました」といった音声を音声出力部135から出力する。
このように、本変形例では、番組内容のアウトラインが音声で通知されることにより、そのアウトラインが文字列で表示される場合に比べて、ユーザは放送受信端末100dに注目しておく必要がなく、ユーザの使い勝手をさらに向上することができる。
なお、本変形例では、リアルタイム番組情報をテキストデータとして構成し、放送受信端末100dに音声合成をさせたが、リアルタイム番組情報を音声信号として構成しても良い。この場合、音声制御部115は、受信部111dから取得したリアルタイム番組情報に対して、音声合成などの処理を行うことなく、そのリアルタイム番組情報を音声出力部135に出力する。これにより、音声制御部115の処理負担を軽減することができる。
また、本変形例では、リアルタイム番組情報の内容、つまり番組内容のアウトラインを音声で出力したが、例えば「ピー」といった音や「見所です」といった音声を出力しても良い。例えば、ユーザが好む番組や場面が放送されるときに、放送受信端末100dは上述の音を鳴らす。ここで、放送受信端末100dは、例えば予め登録されている番組や場面に基づいて、デジタル放送波の番組内容がユーザの好みの番組や場面であるか否かを判別する。また、放送受信端末100dは、デジタル放送波に含まれるフラグなどに基づいて、デジタル放送波の番組内容がユーザの好みの番組や場面であるか否かを判別する。
また、本変形例では、バックグラウンド状態では、番組内容のアウトラインを音声で出力したが、番組内容の音声を出力しても良い。例えば、放送受信端末100dは、バックグラウンド状態において、番組内容の音声を解析することにより、例えばその音声に含まれるキーワード(重要ポイント)のみを出力したり、そのキーワードを他の音声よりも大きな音量で出力したりする。ここで、放送受信端末100dは、例えば予め登録されているキーワードに基づいて、番組内容の音声からそのキーワードを特定する。また、放送受信端末100dは、デジタル放送波に含まれるフラグなどに基づいて、番組内容の音声から上記キーワードを特定する。
さらに、本変形例では、番組内容のアウトラインを音声で出力したが、音声で出力するとともに、アウトラインを文字列で表示部120に表示させても良い。
(変形例5)
ここで、本実施の形態におけるリアルタイム番組情報の内容の提示方法に関する他の変形例について説明する。
本実施の形態では、放送受信端末100はリアルタイム番組情報の内容を文字列として表示部120に表示させた。
本変形例に係る放送受信端末は、リアルタイム番組情報の内容を文字列と比較的小さな動画像で提示する。
図18は、放送受信機能がバックグラウンド状態にあるときの表示部120の表示画面の一例を示す図である。
本変形例に係る放送受信端末の第1処理部は、放送受信機能がバックグラウンド状態にあるときには、リアルタイム番組情報の内容を文字列で表示部120に表示させるとともに、デジタル放送波からストリーム情報を抽出してそのストリーム情報をデコードする。ここで行われるデコードでは、通常提示状態で行われるデコードよりも、描画精度が劣り、消費電力が小さい。例えば、第1処理部は画質が粗くなるようにデコードする。そして、第1処理部は、図18に示すように、デコードされたストリーム情報の内容を動画像(簡易画像)P1として表示部120の情報提示領域121aに小さく表示させる。
このように、本変形例では、バックグラウンド状態では描画精度を落とした簡易画像P1と文字列を番組内容のアウトラインとして表示するため、ユーザは放送受信端末の放送受信機能をバックグラウンド状態としておけば、放送受信端末の消費電力を抑えることができるとともに、ユーザの好む場面を見逃してしまうことを防ぐことができる。
なお、本変形例の放送受信端末は、ストリーム情報を用いて情報提示領域121aに小さな簡易画像P1を表示させたが、リアルタイム番組情報を用いて簡易画像P1を表示させても良い。即ち、リアルタイム番組情報には、アウトラインを示すテキストデータと、上記簡易画像P1を表示するための画像データが含まれている。例えば、その画像データは、GIF(Graphic Interchange Format)、MNG(Multiple−Image Network Graphics)の形式で構成されている。バックグラウンド状態では、放送受信端末は、リアルタイム番組情報の画像データに対してデコードなどの画像処理を行う。そして放送受信端末は、そのリアルタイム番組情報のテキストデータに基づく文字列と、リアルタイム番組情報の画像データに基づく簡易画像P1とを、表示部120の情報提示領域121aに表示する。また、放送受信端末は、簡易画像P1を静止画像として表示しても良い。この場合、画像データは、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、PNG(Portable Network Graphics)の形式で構成されている。
また、本変形例では、番組内容のアウトラインを簡易画像P1で提示したが、ユーザにとって興味のある番組や場面などをバイブレーションなどで提示しても良い。
また、本変形例では、バンクグランド状態において簡易画像P1と文字列によるアウトラインとを表示したが、簡易画像P1のみを表示しても良い。
(変形例6)
ここで、本実施の形態における放送受信端末の放送受信機能の状態遷移についての変形例について説明する。
本実施の形態における放送受信端末は、起動された放送受信機能の状態を、通常提示状態とバックグラウンド状態との間でのみ遷移させた。
本変形例に係る放送受信端末は、さらに、起動された放送受信機能の状態を後述する禁止状態へも遷移させる。
また、本変形例に係る放送装置は、放送受信端末の放送受信機能を禁止状態に遷移させるための禁止フラグと、禁止状態の放送受信機能を他の状態に遷移させるための解除フラグとをデジタル放送波に含める。そして放送装置は、このようなデジタル放送波を送出する。
図19は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る放送受信端末100eは、表示部120と、第1処理部110eと、第2処理部130とを備える。
第1処理部110eは、受信部111eと、状態管理部112eと、提示制御部113とを備える。
受信部111eは、放送受信機能の起動によりデジタル放送波を受信すると、そのデジタル放送波に禁止フラグ又は解除フラグが含まれているか否かを判別する。含まれていると判別したときには、受信部111eは、禁止フラグ又は解除フラグが含まれていることを、状態管理部112eに通知する。
状態管理部112eは、放送受信機能が通常提示状態であるときに、受信部111eから禁止フラグについての通知を受けると、第2処理部130が付属機能を起動しようとするのを禁止する。このように、デジタル放送波を受信してデジタル放送の番組内容を映し出しているときに、第2処理部130の付属機能の起動が禁止され、番組内容が継続して表示される状態を禁止状態という。
一方、状態管理部112eは、受信部111eから禁止フラグについての通知を受けた後に解除フラグについての通知を受けると、上記第2処理部130に対する禁止を解く。
図20は、本変形例に係る放送受信端末100eの放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100eの放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13と、禁止状態St14とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、例えばメニューボタンb2の選択によりメニューランチャー機能が起動すると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。さらに、通常提示状態St12は、禁止フラグが取得されると禁止状態St14に遷移する。
禁止状態St14は、解除フラグが取得されると通常提示状態St12に遷移し、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、例えばメニュー終了ボタンb4の選択によりメニューランチャー機能が終了すると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
本発明の放送受信端末及び放送装置は、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができるという効果を奏し、その放送受信端末は、例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)、デジタルカメラなどに適用することができる。
本発明は、放送波を受信して映像等を表示する放送受信端末、及びその放送波を送出する放送装置に関する。
近年のデジタル化の流れに従い、BS(Broadcasting Satellite)放送及びCS(Communication Satellite)放送に続き、地上波放送においても、デジタル放送が実施されようとしている。地上波デジタル放送では、BS放送及びCS放送との大きな違いとして、同一周波数において、異なる変調方式を適用することが可能となるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用していることが挙げられる。地上波デジタル放送がOFDM方式を採用することにより、異なる変調方式、すなわち、データ伝送レートは高いが、安定した電波状態が要求される変調方式と、データ伝送レートは低いが、比較的不安定な電波状態においても安定した受信が可能となる変調方式とを混在させることが可能となる。このため、地上波デジタル放送では、前者の変調方式を用いた据え置き型の放送受信端末向けの放送と、後者の変調方式を用いた携帯型の放送受信端末向けの放送を同時に実施することが想定されている。
ここで、放送受信端末は、ユーザがデジタル放送を視聴するために、デジタル放送波として受信した映像データのデコードを行うビデオデコーダや、映像を表示するディスプレイに、常に電力を供給しなければならない。即ち、デジタル放送を視聴するためには、多くの電力を消費することになり、特に限られたバッテリーで動作する携帯型の放送受信端末において、省電力化を実現することは重要である。
そこで、従来の技術として、デジタル放送波に制御プログラムを多重化して送信する放送装置と、そのデジタル放送波を受信してデジタル放送波に多重化された制御プログラムに従って、ビデオデコーダやディスプレイへの電力供給を停止する放送受信端末とが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−78840号公報
しかしながら、上記特許文献1の放送受信端末及び放送装置では、十分に省電力化を図ることができないという問題がある。
即ち、上記特許文献1の放送受信端末は、デジタル放送波により伝送される制御プログラムのみに従って電力供給の制御を行っている。その結果、ユーザはデジタル放送の番組の一場面のみを見たいにも関わらず、制御プログラムにしたがってディスプレイに映し出される番組の全てを見ていなければその一場面を見逃すこととなる。これにより、放送受信端末では番組を映し出すためのデコードなどの画像処理を長時間に渡って行う必要があり、省電力化を十分に図ることができないのである。言い換えれば、上記特許文献1の放送受信端末では、デジタル放送を視聴するユーザは、その放送受信端末に対して省電力状態への遷移を選択することができず、電力供給の制御のタイミングは、ユーザにとって必ずしも適切なタイミングとはいえない。
また、デジタル放送波の受信機能を有する携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)などの放送受信端末では、機能の多様化及び高度化が進んでいる。携帯電話機においては、基本となる通話機能だけでなく、メール機能や、JAVA(登録商標)に代表されるアプリケーションプログラムの実行機能、カメラ機能などが標準で実装されている。ユーザは、このような携帯電話機などの多機能な放送受信端末を、デジタル放送の視聴のみを目的として所持、携帯しているわけではなく、多くの時間、デジタル放送波の受信機能以外の別の機能を利用している可能性が高い。そのため、ユーザはメールなどの他の機能を使用している間に、見たい番組を、もしくは、番組中の見せ場を見逃してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図った放送受信端末及び放送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る放送受信端末は、放送波を受信して放送内容を表示する放送受信端末であって、前記放送波は、放送内容を示すストリーム情報と、前記放送内容の概要を示す概要情報とを含み、前記放送受信端末は、前記放送波を受信する受信手段と、前記放送内容を表示するための表示手段と、ユーザの操作に基づいて、前記放送内容を表示すべきか否かを判別する判別手段と、前記判別手段で放送内容を表示すべきと判別されたときには、前記受信手段で受信された放送波のストリーム情報に対して画像処理を行って、放送内容を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記判別手段で放送内容を表示すべきでないと判別されたときには、前記放送内容と同期するように、前記受信手段で受信された放送波によって伝送される概要情報の示す概要を提示する概要提示手段とを備えることを特徴とする。例えば、前記概要提示手段は、前記表示手段に概要を文字列で表示させる。
例えば番組などの放送内容を示すストリームに対してデコードなどの画像処理を行うには、多大な電力を消費してしまう。
したがって本発明に係る放送受信端末では、番組の表示と、その番組の概要の表示とがユーザの操作に基づいて切り換えられるため、例えばユーザにとって関心のない場面が放送されているときには、ユーザは放送受信端末を操作して、概要だけを表示させておけば、表示制御手段による画像処理が行われず、省電力化を図ることができる。また、番組が表示されていなくても、その番組に同期した概要が表示されているので、ユーザは、その概要を見ることにより、ユーザにとって関心のある場面が放送されているか否かを知ることができる。そして、ユーザは、放送受信端末を操作すれば、その関心のある場面を表示手段に表示させることができ、関心のある場面を見逃してしまうのを防ぐことができる。即ち、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができる。
ここで、前記放送受信端末は、さらに、ユーザの操作に応じて所定の機能を起動及び終了させる機能処理手段を備え、前記判別手段は、前記所定の機能が起動しているときには、前記放送内容を表示すべきでないと判別し、前記所定の機能が終了しているときには、前記放送内容を表示すべきと判別することを特徴としても良い。
例えば電子メールの機能が所定の機能として起動しているときには、番組などの放送内容が表示されずに概要が表示され、電子メールの機能が終了しているときには番組が表示されるため、ユーザは、番組の関心のある場面を見逃すことなく電子メールを利用することができ、ユーザの使い勝手を向上しながら省電力化を図ることができる。
また、前記概要提示手段は、前記概要情報により示される概要を音声でユーザに通知することを特徴としても良い。
これにより、番組などの放送内容の概要が音声で通知されることにより、その概要が文字列で表示される場合に比べて、ユーザは放送受信端末に注目しておく必要がなく、ユーザの使い勝手をさらに向上することができる。
また、前記概要情報は、前記概要が提示されるべき時刻を示す時刻情報を含み、前記概要提示手段は、現在時刻が前記時刻情報の示す時刻と一致するときに前記概要を提示することを特徴としても良い。
これにより、現在時刻が時刻情報の示す時刻と一致するときに概要が提示されるため、放送内容に対して容易に同期させることができる。
また、前記概要提示手段は、前記判別手段で放送内容を表示すべきでないと判別されたときには、さらに、前記受信手段で受信された放送波のストリーム情報に対して画像処理を行い、前記表示制御手段によって表示される放送内容よりも描画精度を落とした動画像を、前記表示手段に表示させることを特徴としても良い。
これにより、動画像が表示されるため、ユーザはどのような番組が放送されているかを容易に知ることができる。また、ここで表示される動画像は、表示制御手段によって表示される放送内容よりも描画精度が劣るため、その動画像を得るために行われる画像処理に要する電力は、表示制御手段により行われる画像処理に要する電力よりも少なく、省電力化を図ることができる。
また、前記放送受信端末は、ユーザの操作に応じて第1及び第2の形状に変形自在に構成されており、前記判別手段は、前記放送受信端末が第1の形状であるときには、前記放送内容を表示すべきと判別し、前記放送受信端末が第2の形状であるときには、前記放送内容を表示すべきでないと判別することを特徴としても良い。例えば、前記表示手段は、前記放送受信端末が第1の状態であるときに表面に現れる第1の表示手段と、前記放送受信端末が第2の状態であるときに表面に現れる第2の表示手段とを備え、前記表示制御手段は、前記第1の表示手段に放送内容を表示させ、前記概要提示手段は、前記第2の表示手段に概要を表示させる。
これにより、放送受信端末が例えば展開された第1の形状であるときには、番組などの放送内容が表示され、放送受信端末が例えば折畳まれた第2の形状であるときには、番組の概要がその番組に同期して表示されるため、ユーザはその放送受信端末を変形させることにより、番組の表示と、概要の表示とを自在に切り換えることができる。
ここで、本発明に係る放送装置は、放送波を送出する放送装置であって、前記放送波の放送内容の概要を示す概要情報を生成する概要情報生成手段と、前記概要情報の示す概要が放送内容に同期するように前記概要情報を放送波に含めて送出する送出手段とを備えることを特徴とする。
これにより、概要情報が放送内容に同期するように放送波に含めて送出されるため、この放送波を受信する放送受信装置は、例えばユーザの操作に応じて、その放送内容の表示と、その放送内容に同期した概要の表示とを切り換えることができ、放送受信装置に対してユーザの嗜好を反映させて省電力化の向上を図ることができる。
なお、本発明は、このような放送受信端末及び放送装置として実現することができるだけでなく、それらが行う動作の方法やプログラム、そのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。
本発明の放送受信端末及び放送装置は、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができるという作用効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における放送システムの構成を示す構成図である。
本実施の形態の放送システムは、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ったものであって、放送受信端末100と放送装置200とを備えている。
放送装置200は、デジタル放送の番組内容(放送内容)を示すデジタル放送波に、その番組内容のアウトラインを示すリアルタイム番組情報(概要情報)を多重化する。そして、放送装置200は、リアルタイム番組情報が多重化されたデジタル放送波を送出する。
放送受信端末100は、例えば携帯電話機であって、放送装置200が送出したデジタル放送波を受信して番組内容を映し出すための放送受信機能と、電子メールを編集及び送受信するためのメール機能、及び電話を行うための通話機能などの付属機能とを有する。
このような放送受信端末100は、付属機能を起動又は実行している際に、リアルタイム番組情報の示す番組内容のアウトラインをその番組内容に同期するようにユーザに提示することを特徴とする。
なお、図1には、1つの放送受信端末100のみを示したが、複数の放送受信端末100が放送装置200からのデジタル放送波を受信してもよい。
図2は、本発明の実施の形態における放送装置200の構成を示すブロック図である。
放送装置200は、図2に示すように、ストリーム生成部201と、データカルーセル生成部202と、情報生成部203と、送信部205とを備えている。
ストリーム生成部201は、デジタル放送の番組内容の映像や音声などを示すストリーム情報を生成し、生成したストリーム情報を出力する。
データカルーセル生成部202は、デジタル放送における、データ放送番組のコンテンツ情報を生成し、そのコンテンツ情報をデータ放送伝送方式であるデータカルーセルに符号化して出力する。
情報生成部203は、ストリーム情報及びデータカルーセルを参照して、映像、音声及びデータ放送によるデジタル放送の番組内容に同期したリアルタイム番組情報を生成し、その生成したリアルタイム番組情報を出力する。
送信部205は、ストリーム生成部201から出力されたストリーム情報と、データカルーセル生成部202から出力されたデータカルーセルと、情報生成部203から出力されたリアルタイム番組情報を取得し、そのストリーム情報とデータカルーセルとリアルタイム番組情報とを多重化してデジタル放送波を生成する。そして送信部205はそのデジタル放送波を変調して送出する。
図3は、本発明の実施の形態におけるデジタル放送波の一部のデータ構造を示す図である。
リアルタイム番組情報は、図3に示すように、デジタル放送波の汎用イベントメッセージ記述子D1のプライベート領域D2に格納されている。例えば、リアルタイム番組情報は、「松井が打席にはいりました」という文字列を示すテキストデータである。また、プライベート領域D2は、例えば8×N(Nは自然数)ビットの大きさを有する。
なお、情報生成部203において生成されるリアルタイム番組情報の符号化には、リアルタイム番組情報が独自の形式で直接TS(トランスポートストリーム)パケットに符号化される場合と、リアルタイム番組情報を一旦セクション形式に変換してからTSパケットに符号化される場合とが考えられる。さらに、セクション形式に変換する手法には、モジュールとしてリアルタイム番組情報を形式化してデータカルーセル方式で伝送する手法と、汎用イベントメッセージ記述子D1のプライベート領域D2に格納する手法とがある。
図4は、本発明の実施の形態における放送受信端末100の構成を示すブロック図である。
放送受信端末100は、表示部120と、第1処理部110と、第2処理部130とを備えている。
表示部120は、文字や画像などを表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成される。
第2処理部130は、機能処理手段として構成され、上述の付属機能、例えば、メール機能、通話機能、JAVA(登録商標)アプリケーション機能、WEBブラウザ機能、PIM(Personal Information Manager)機能、カメラ機能、及びメニューランチャー機能に基づく動作を実行し、それらの機能に基づく画面を表示部120に表示させる。ここで、メニューランチャー機能とは、放送受信端末100が有する各機能を提示して、ユーザに選択された機能を起動させるものである。
第1処理部110は、放送受信機能を有し、放送装置200からのデジタル放送波を受信し、受信したデジタル放送波から抽出したストリーム情報やリアルタイム番組情報に基づき、表示部120の表示を制御する。
このような第1処理部110は、受信部111と、状態管理部112と、提示制御部113とを備える。
状態管理部112は、判別手段として構成され、第2処理部130による付属機能の動作状況に基づいて、放送受信機能が通常提示状態にあるべきかバックグラウンド状態にあるべきかの判別を行い、その判別した状態を受信部111と提示制御部113に通知する。
ここで、放送受信機能が通常提示状態であるとは、放送受信機能によって表示部120が使用され、表示部120に番組内容が映し出される状態であることをいう。また、放送受信機能がバックグラウンド状態であるとは、放送受信機能の起動によって第1処理部110がデジタル放送波を受信しているが、付属機能によって表示部120が使用され、表示部120に番組内容が映し出されない状態であることをいう。
受信部111は、ユーザの操作に基づきデジタル放送波を受信する。このようなデジタル放送波の受信により放送受信機能が起動する。
ここで、受信部111は、放送受信機能が通常状態にあるべきとの通知を状態管理部112から受けると、受信したデジタル放送波からストリーム情報及びデータカルーセルを抽出し、それぞれに対してデコードやレンダリング等の処理を行う。そして受信部111は、処理されたストリーム情報及びデータカルーセルを提示制御部113に出力する。また、受信部111は、放送受信機能がバックグラウンド状態にあるべきとの通知を状態管理部112から受けると、受信したデジタル放送波からリアルタイム番組情報のみを抽出して提示制御部113に出力する。
提示制御部113は、状態管理部112からの通知に基づいて表示部120の表示形式を制御する。即ち、提示制御部113は、バックグラウンド状態であるべき旨の通知を受けると、受信部111によって抽出されたリアルタイム番組情報の内容を表示部120に表示させる。このとき、提示制御部113は、表示部120の表示画面のピクト領域にその内容を表示させる。一方、通常提示状態であるべき旨の通知を受けると、提示制御部113は、ストリーム情報やデータカルーセルの内容を表示部120のピクト領域以外の部分に表示させる。
このような受信部111及び提示制御部113によって表示制御手段及び概要提示手段が構成される。
なお、ピクト領域とは、放送受信端末100の状態を図形などを用いて表すために、放送受信端末100の動作に関わらず表示部120の表示画面に常に割り当てられた一部の領域である。
このような第1処理部110の全体的な動作について説明する。
例えば、第2処理部130は、付属機能の例えばメール機能を起動し、表示部120にそのメール機能に基づく画面を大きく表示させようとする。さらに、第2処理部130は、付属機能が起動したこと、つまり表示部120がメール機能により使用されることを状態管理部112に通知する。
第2処理部130からの通知を受けた状態管理部112は、放送受信機能が通常提示状態になっていれば、その放送受信機能の状態をバックグラウンド状態にしなければならないと判別する。そして、状態管理部112は、バックグラウンド状態にすべき旨を受信部111と提示制御部113とに通知する。
状態管理部112からの通知を受けた受信部111は、デジタル放送波からのストリーム情報の抽出を停止、又はストリーム情報のデコードを停止する。さらに、受信部111は、デジタル放送波からのデータカルーセルの抽出を停止、又はデータカルーセルからのモジュールの復元を停止する。また、受信部111は、デジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出し、抽出したリアルタイム番組情報を提示制御部113に出力する。
提示制御部113は、状態管理部12からバックグラウンド状態の通知を受けると、受信部111から出力されたリアルタイム番組情報を表示部120のピクト領域に提示させる。
ここで、例えば、第2処理部130は、メール機能を終了すると、その終了を状態管理部112に通知する。
第2処理部130からの通知を受けた状態管理部112は、放送受信機能の状態を通常提示状態にしなければならないと判別する。そして、状態管理部112は、通常提示状態にすべき旨を受信部111と提示制御部113とに通知する。
状態管理部112からの通知を受けた受信部111は、デジタル放送波からストリーム情報を抽出し、そのストリーム情報をデコードする。さらに、受信部111は、デジタル放送波からデータカルーセルを抽出し、そのデータカルーセルからモジュールを復元する。また、受信部111は、デジタル放送波からのリアルタイム番組情報の抽出を停止する。
提示制御部113は、状態管理部112から通常提示状態の通知を受けると、受信部111によってデコードされたストリーム情報の内容、及び復元されたモジュールを表示部120の表示画面に表示させる。
図5は、表示部120の画面表示の一例を示す図である。
表示部120の表示画面は、図5に示すように、放送受信端末100が備えている放送受信機能や付属機能が通常使用するメイン領域122と、起動中の機能に関係なく常に放送受信端末100の状態を示す上述のピクト領域121と、放送受信端末100の操作の簡単な説明を表示するガイダンス領域123との3つの領域を有する。
なお、ここでは表示部120が3つの領域を有するとしたが、4つ以上の領域や2つ以下の領域を有しても良い。例えば、特定の機能が起動中の場合には、表示部120は、ピクト領域を表示せず、領域の数を2つにする。
第2処理部130は、図5の(a)に示すように、放送受信機能が起動していない状態、つまり第1処理部110がデジタル放送波を受信していない状態で、メニューランチャー機能を起動すると、表示部120のメイン領域122にメニューを表示させる。
例えば、このような表示が行われている状態で、ユーザは放送受信端末100を操作して、「TV」と表示されたTVボタンb1を選択する。
TVボタンb1が選択されると、放送受信機能が起動して通常提示状態となり、表示部120は、図5の(b)に示す画面を表示する。
即ち、第2処理部130は、TVボタンb1の選択に応じて、メニューランチャー機能を終了させ、その終了とTVボタンb1の選択とを第1処理部110に通知する。その結果、第1処理部110は、放送受信機能を起動することにより、デジタル放送波を受信して、デジタル放送の番組内容を表示部120のメイン領域122に映し出させる。
このとき、表示部120は、メニューの画面に戻るためのメニューボタンb2と、デジタル放送波の受信及び番組内容の表示を終了するためのTV終了ボタンb3とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb3が選択されると、第1処理部110は、放送受信機能を終了、つまりデジタル放送波の受信及びストリーム情報の抽出等の処理を終了する。これにより、表示部120は、予め設定されている待ち受け画面などをメイン領域122に表示する。
ユーザの操作によりメニューボタンb2が選択されると、放送受信機能がバックグラウンド状態となり、表示部120は、図5の(c)に示す画面を表示する。
即ち、第2処理部130は、メニューランチャー機能を起動し、その起動を第1処理部110に通知する。そして、第2処理部130は、メニューランチャー機能の起動によって、メニューを表示部120のメイン領域122に表示させる。
メニューランチャー機能の起動の通知を受けた第1処理部110は、デジタル放送波からのストリーム情報の抽出等の処理を停止する一方、デジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出して、そのリアルタイム番組情報の内容(アウトライン)を、表示部120のピクト領域121の一部である情報提示領域121aに文字列で表示させる。第1処理部110は、そのアウトラインである文字列を例えば左右又は上下方向にスクロールさせる。
またこのとき、表示部120は、メニューの表示を終了するためのメニュー終了ボタンb4と、デジタル放送波の受信及びアウトラインの表示を終了するためのTV終了ボタンb5とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりメニュー終了ボタンb4が選択されると、放送受信機能が通常提示状態となり、表示部120は、図5の(b)に示す画面を表示する。
即ち、第1処理部110は、デジタル放送波からのストリーム情報の抽出等の処理を開始する一方、デジタル放送波からのリアルタイム番組情報の抽出等の処理を停止する。その結果、第1処理部110は、表示部120のメイン領域122にデジタル放送の番組内容を表示させる。
また、ユーザの操作によりTV終了ボタンb5が選択されると、第1処理部110は放送受信機能を終了する。その結果、図5の(a)に示すように、表示部120の情報提示領域121aに表示されていたアウトラインは表示されなくなる。
図6は、本発明の実施の形態の放送受信端末100の処理の流れを示すフロー図である。
まず、放送受信端末100は、TVボタンb1の選択により、放送受信機能を起動する(ステップS100)。
放送受信端末100は、デジタル放送波を受信することが不能か否か、及びTV終了ボタンb5の選択により放送受信機能の終了が指示されたか否かを判別する(ステップS102)。
ここで、受信不能、又は終了が指示されたと判別したときには(ステップS102のY)、放送受信端末100は、放送受信機能を終了する(ステップS104)。なお、デジタル放送波を受信することが不能である時には、エラーを通知してもよい。
一方、受信可能、又は終了が指示されていないと判別したときには(ステップS102のN)、放送受信端末100は、付属機能の動作状況に基づき、放送受信機能がバックグラウンド状態であるべきか通常提示状態であるべきかを判別する(ステップS104)
ここで、通常提示状態であるべきと判別したときには、放送受信端末100は、デジタル放送波からストリーム情報及びデータカルーセルを抽出し、それらに対してデコードやレンダリング処理などを行う(ステップS106)。そして、放送受信端末100は、上記処理が行われたストリーム情報及びデータカルーセルにより示されるデジタル放送の番組内容を表示部120のメイン領域122に映し出す(ステップS108)。
一方、バックグラウンド状態であるべきと判別したときには、放送受信端末100は、デジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出する(ステップS110)。そして、放送受信端末100は、抽出されたリアルタイム番組情報により示される番組内容のアウトラインを文字列で表示部120のピクト領域121(情報提示領域121a)に表示する(ステップS112)。
図7は、本実施の形態における放送受信端末100の放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100の放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、例えばメニューボタンb2の選択によりメニューランチャー機能が起動すると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、例えばメニュー終了ボタンb4の選択によりメニューランチャー機能が終了すると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
なお、上述の例では、メニューランチャー機能の起動及び終了に基づいて放送受信機能の状態が遷移したが、他の付属機能の起動及び終了に基づいて遷移しても良い。
このように、本実施の形態では、番組内容の表示と、その番組内容のアウトラインの表示とが、ユーザの操作に基づく付属機能の起動又は終了により切り換えられる。したがって、例えばユーザにとって関心のない場面が放送されているときには、ユーザは放送受信端末を操作してメール機能などの付属機能を起動し、アウトラインだけを表示させておけば、ストリーム情報に対するデコードなどが行われず、省電力化を図ることができる。また、番組内容が表示されていなくても、その番組内容に同期したアウトラインが表示されているので、ユーザは、そのアウトラインを見ることにより、ユーザにとって関心のある場面が放送されているか否かを知ることができる。そして、ユーザは、放送受信端末を操作すれば、その関心のある場面を表示部120に表示させることができる。したがって、ユーザがメールやゲームなどに熱中していても、関心のある番組や場面を見逃してしまうのを防ぐことができる。即ち、ユーザが自らの好む番組や場面を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができる。
(変形例1)
ここで、通常提示状態とバックグラウンド状態との間における遷移のトリガについての変形例について説明する。
上記実施の形態では、付属機能の起動又は終了をトリガに、上記各状態間の遷移を行った。
本変形例では、放送受信端末の形状の変化をトリガに、上記各状態間の遷移を行う。
即ち、本変形例に係る放送受信端末は、その形状が変形自在に構成されており、変形することにより表示部の表示画面が隠れた時に、放送受信機能を通常提示状態からバックグラウンド状態に遷移させることを特徴とする。
図8は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
放送受信端末100aは、例えば折畳み自在に構成された携帯電話機であって、表示部120と、第1処理部110aと、第2処理部130と、形状管理部131と、サブ表示部132とを備えている。
表示部120は、放送受信端末100が折畳まれたときには、その表示画面が隠れるような位置に取り付けられている。
サブ表示部132は、表示部120と同様、LCDなどで構成されており、放送受信端末100aが折畳まれたときには、その表示画面が表面に現れるような位置に取り付けられている。
なお、ここでは、サブ表示部132の数を1つとしたが、2つ以上であってもよい。この場合、形状の変化に応じて、複数のサブ表示部132の中から、ユーザへ提示可能なサブ表示部132を選択するなどの制御が行われる。
形状管理部131は、放送受信端末100aの形状を監視し、その形状を第1処理部110aに通知する。例えば、形状管理部131は、放送受信端末100aが折畳まれている形状(折畳み形状)であることや、広げられている形状(展開形状)であることを通知する。
第1処理部110aは、受信部111と提示制御部113aと状態管理部112aとを備える。
状態管理部112aは、形状管理部131からの通知に基づいて、放送受信機能が通常提示状態にあるべきかバックグラウンド状態にあるべきかの判別を行う。そして状態管理部112aは、その判別した放送受信機能の状態を受信部111と提示制御部113aに通知する。
例えば、状態管理部112aは、形状管理部131から折畳み形状の通知を受けると、放送受信機能がバックグラウンド状態であるべきと判別する。また、状態管理部112aは、形状管理部131から展開形状の通知を受けると、放送受信機能が通常提示状態であるべきと判別する。
提示制御部113aは、状態管理部112aからの通知に従って、表示部120及びサブ表示部132の表示を制御する。即ち、提示制御部113aは、放送受信機能の起動時に、通常提示状態であるべき旨の通知を受けると、表示部120のメイン領域122にデジタル放送の番組内容を映し出し、バックグラウンド状態であるべき旨の通知を受けると、サブ表示部132にリアルタイム番組情報のアウトラインを文字列で表示させる。
図9は、表示部120とサブ表示部132の表示画面の一例を示す図である。
ユーザは、放送受信端末100aを展開形状にして、例えばTVボタンb1を選択することにより、放送受信機能を起動させる。その結果、第1処理部110aは、放送受信機能の起動時に、形状管理部131から展開形状の通知を受けるため、図9の(a)に示すように、表示部120のメイン領域122にデジタル放送の番組内容を映し出す。このとき、放送受信機能は通常表示状態である。
ここで、ユーザは、放送受信端末100aを折畳み形状に変形する。その結果、第1処理部110aは、放送受信機能の起動中に、形状管理部131から折畳み形状の通知を受けるため、図9の(b)に示すように、サブ表示部132のメイン領域132aにリアルタイム番組情報のアウトラインを文字列で表示させる。第1処理部110aは、そのアウトラインである文字列を例えば左右又は上下方向にスクロールさせる。このとき、放送受信機能はバックグラウンド状態である。
図10は、本変形例に係る放送受信端末100aの放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100aの放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、放送受信端末100aの形状が展開形状から折畳み形状に変化すると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、放送受信端末100aの形状が折畳み形状から展開形状に変化すると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えば所定のボタンの選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
このように、本変形例では、放送受信端末100aが展開形状であるときには、番組内容が表示部120に表示され、放送受信端末100aが折畳み形状であるときには、番組内容のアウトラインがその番組内容に同期してサブ表示部132に表示される。したがって、ユーザはその放送受信端末100aを変形させることにより、番組内容の表示と、アウトラインの表示とを自在に切り換えることができ、消費電力を抑えることができる。
(変形例2)
ここで、通常提示状態とバックグラウンド状態との間における遷移のトリガについての他の変形例について説明する。
上記実施の形態では、付属機能の起動又は終了をトリガに、上記各状態間の遷移を行った。
本変形例では、放送受信機能の状態に対する直接的なユーザの指示をトリガに、上記各状態間の遷移を行う。
図11は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
放送受信端末100bは、表示部120と、第1処理部110bと、第2処理部130bと、ユーザ入力処理部133とを備えている。
ユーザ入力処理部133は、ユーザによる操作に基づいて、放送受信機能を通常提示状態とするかバックグラウンド状態とするかについての指示を受け付ける。そしてユーザ入力処理部133は、受け付けた指示内容を第1処理部110b及び第2処理部130bに通知する。
第2処理部130bは、ユーザの操作に応じて付属機能を起動及び終了させるとともに、第1処理部110b及びユーザ入力処理部133からの通知に基づいて、起動中の付属機能に基づく画面の表示及び非表示について表示部120を制御する。
例えば第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133から通常提示状態の通知を受けると、付属機能を起動していても、第1処理部110bによる表示部120の使用を認めて、表示部120に対してその付属機能に基づく画面を表示させない。一方、第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133からバックグラウンド状態の通知を受けると、起動中の付属機能に基づく画面を表示部120に表示させる。
第1処理部110bは、受信部111と提示制御部113と状態管理部112bとを備える。
状態管理部112bは、放送受信機能の起動及び終了を第2処理部130bに通知するとともに、ユーザ入力処理部133からの通知を受け取ると、その通知内容に基づいて放送受信機能を通常提示状態とすべきかバックグラウンド状態とすべきかを判別する。そして状態管理部112bは、その判別した状態を受信部111及び提示制御部113に通知する。なお、状態管理部112bは、放送受信機能が起動したときには、初期設定として、ユーザ入力処理部133からの通知がなくても、通常提示状態にすべき通知を受信部111及び提示制御部113に対して行う。
図12は、表示部120の画面表示の一例を示す図である。
図5の(a)に示す状態からTVボタンb1が選択されると、放送受信機能が起動して通常提示状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(a)に示すような画面となる。
即ち、第1処理部110bは、放送受信機能を起動することによりデジタル放送波を受信して、デジタル放送の番組内容を表示部120のメイン領域122に映し出させる。そして、第1処理部110bは、放送受信機能の起動を第2処理部130bに通知する。
第2処理部130bは、第1処理部110bからの放送受信機能の起動の通知を受けると、メニューランチャー機能を終了させずに、表示部120に対してメニューの表示を停止させる。
このとき、表示部120は、メニューの画面に戻るためのバックボタンb11と、デジタル放送波の受信及び番組内容の表示を終了するためのTV終了ボタンb12とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb12が選択されると、放送受信機能が終了し、表示部120に表示される画面は、図5の(a)に示す画面に戻る。
即ち、第1処理部110bは、放送受信機能を終了、つまりデジタル放送波の受信及びストリーム情報の抽出等の処理を終了し、その終了を第2処理部130bに通知する。第2処理部130bは、第1処理部110bからの放送受信機能の終了の通知を受けると、起動中のメニューランチャー機能に基づくメニューを表示部120のメイン領域122に表示させる。
ユーザの操作によりバックボタンb11が選択されると、放送受信機能がバックグラウンド状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(b)に示すような画面となる。
即ち、ユーザ入力処理部133は、バックボタンb11の選択に基づいて、放送受信機能をバックグラウンド状態にすべき指示を受け付け、その指示内容を第1処理部110b及び第2処理部130bに通知する。第1処理部110bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、表示部120のメイン領域122への番組内容の映し出しを停止させ、表示部120のピクト領域121(情報提示領域121a)に、リアルタイム番組情報の内容(番組内容のアウトライン)を文字列で表示させる。第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、起動中のメニューランチャー機能に基づくメニューを表示部120のメイン領域122に表示させる。
このとき、表示部120は、番組内容を映し出すためのTV表示ボタンb13と、デジタル放送波の受信及びアウトラインの表示を終了するためのTV終了ボタンb14とを、ガイダンス領域123に表示する。
ユーザの操作によりTV表示ボタンb13が選択されると、放送受信機能が通常提示状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(a)に示すような画面となる。
即ち、ユーザ入力処理部133は、TV表示ボタンb13の選択に基づいて、放送受信機能を通常提示状態にすべき指示を受け付け、その指示内容を第1処理部110b及び第2処理部130bに通知する。第2処理部130bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、メニューランチャー機能を終了させずに、表示部120に対してメニューの表示を停止させる。第1処理部110bは、ユーザ入力処理部133からの通知を受けると、表示部120の情報提示領域121aへのアウトラインの表示を停止させ、表示部120のメイン領域122に番組内容を映し出させる。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb14が選択されると、上述と同様、放送受信機能が終了し、表示部120に表示される画面は、図5の(a)に示す画面に戻る。即ち、第1処理部110bは、放送受信機能を終了、つまりデジタル放送波の受信及びリアルタイム番組情報の抽出等の処理を終了し、表示部120の情報提示領域121aへのアウトラインの表示を停止させる。
また、メニューに含まれる各機能に応じたボタンのうちメールボタンb15がユーザにより選択されると、表示部120に表示される画面は、図12の(c)に示す画面となる。
即ち、第2処理部130bは、メニューランチャー機能を終了させて、その代わりにメール機能を起動させる。その結果、第2処理部130bは、メール機能に基づくメール編集画面を表示部120のメイン領域122に表示させる。このとき、放送受信機能は、バックグラウンド状態にあり、第1処理部110bは表示部120のピクト領域121(情報提示領域121a)にリアルタイム番組情報のアウトラインを文字列で表示させている。
このときにも表示部120は、上述のTV表示ボタンb13及びTV終了ボタンb14と、メール機能を終了させるためのキャンセルボタンb16とを、ガイダンス領域123に表示している。
ユーザの操作によりTV表示ボタンb13が選択されると、上述と同様、放送受信機能が通常提示状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(a’)に示す画面となる。
ユーザの操作によりキャンセルボタンb16が選択されると、表示部120に表示される画面は、図12の(b)に示す画面に戻る。即ち、第2処理部130bは、メール機能を終了させて、その代わりにメニューランチャー機能を起動させる。
ユーザの操作によりTV終了ボタンb14が選択されると、第1処理部110bは放送受信機能を終了し、表示部120の情報提示領域121aへのアウトラインの表示を停止させる。
また、表示部120に表示される画面が、上述のように図12の(a’)に示す画面となったときに、バックボタンb11がユーザの操作により選択されると、放送受信機能がバックグラウンド状態となり、表示部120に表示される画面は、図12の(c)に示すような画面となる。つまり、前に表示されていたメール編集画面が表示部120のメイン領域122に表示され、リアルタイム番組情報のアウトラインが文字列で表示部120のピクト領域121に表示される。
図13は、本変形例に係る放送受信端末100bの放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100bの放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、例えばユーザによりバックボタンb11が選択されると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb14の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、例えばユーザによりテレビ表示ボタンb13が選択されると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えばTV終了ボタンb14の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
このように本変形例では、放送受信機能を通常提示状態とするかバックグラウンド状態とするかについての指示をユーザから受け付けて、その受け付けられた指示に基づいて放送受信機能の状態を遷移させる。したがって、ユーザはその放送受信端末100bに対して指示することにより、番組内容の表示と、アウトラインの表示とを自在に切り換えることができ、消費電力を抑えることができる。
(変形例3)
ここで、本実施の形態におけるリアルタイム番組情報の取得と、そのリアルタイム番組情報の内容の提示とのタイミングについての変形例について説明する。
本実施の形態では、放送受信端末100はリアルタイム番組情報を取得すると、直接的に、そのリアルタイム番組情報の内容を提示するための提示処理を行ってその内容を提示した。
本変形例に係る放送受信端末は、提示すべき時刻を示す時刻情報を含むリアルタイム番組情報を取得し、その時刻情報により示される時刻に、提示処理を行ってリアルタイム番組情報の内容を提示することを特徴とする。一方、本変形例に係る放送装置200の情報生成部203は、ストリーム生成部201のストリーム情報及びデータカルーセル生成部202のデータカルーセルを参照して、それらのアウトラインが提示されるべき時刻を特定する。そして、情報生成部203は、その時刻を示す時刻情報をリアルタイム番組情報に含めて出力する。
図14は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る放送受信端末100cは、表示部120と、第1処理部110cと、第2処理部130と、時刻計測部134とを備えている。
時刻計測部134は、現在時刻を計時しており、その現在時刻を第1処理部110cに通知する。
第1処理部110cは、受信部111cと提示制御部113と状態管理部112と情報記憶部114とを備える。
情報記憶部114は、リアルタイム番組情報を記憶するための領域を有する。
受信部111cは、放送受信機能がバックグラウンド状態であるときに、デジタル放送波を受信すると、そのデジタル放送波から時刻情報を含むリアルタイム番組情報を抽出してこれを情報記憶部114に記憶させる。そして、受信部111cは、時刻計測部134から通知される現在時刻と、情報記憶部114に記憶されているリアルタイム番組情報の時刻情報が示す時刻とを比較する。その時刻情報が示す時刻が現在時刻と等しければ、受信部111cは、その時刻情報を含んでいるリアルタイム番組情報を、情報記憶部114から読み出して提示制御部113に出力する。
提示制御部113は、受信部111cからリアルタイム番組情報を取得すると、そのリアルタイム番組情報の示すアウトラインを文字列で表示部120に表示させる。またこのとき表示されるアウトラインは、デジタル放送波の番組内容と同期している。
図15は、本変形例に係る放送受信端末100cのバックグラウンド状態における動作を示すフロー図である。
まず、放送受信端末100cは、放送受信機能の起動によりデジタル放送波を受信し、そのデジタル放送波からリアルタイム番組情報を抽出する(ステップS120)。そして、放送受信端末100cは、その抽出したリアルタイム番組情報を情報記憶部114に格納する(ステップS122)。
リアルタイム番組情報を格納した放送受信端末100cは、そのリアルタイム番組情報に含まれる時刻情報の示す時刻が、現在時刻と一致するか否かを判別する(ステップS124)。
ここで、一致しないと判別したときには(ステップS124のN)、放送受信端末100cは、例えば1秒や5秒などの所定時間だけ計時を行い(ステップS126)、その所定時間経過後に再びステップS124の処理を実行する。
一方、一致すると判別したときには(ステップS124のY)、放送受信端末100cは、情報記憶部114に格納されたリアルタイム番組情報を読み出し(ステップS128)、そのリアルタイム番組情報の内容(アウトライン)を表示部120に表示する(ステップS130)。
なお、本変形例では、リアルタイム番組情報に時刻情報を含ませたが、これを含ませなくても良い。即ち、放送装置200は、アウトラインを提示するように促すメッセージを、デジタル放送波に含めて送出する。放送受信端末100cの受信部111cは、上記メッセージを受けると、既に情報記憶部114に格納されているリアルタイム番組情報を読み出して提示制御部113に出力する。そして提示制御部113は、受信部111cからリアルタイム番組情報を取得すると、そのリアルタイム番組情報の示すアウトラインを文字列で表示部120に表示させる。
また、本変形例では、リアルタイム番組情報の示すアウトラインを、デジタル放送波の番組内容と同期するように表示させたが、同期させなくても良い。例えば、放送受信端末100cは、デジタル放送波に多重化されて送出されるリアルタイム番組情報を随時、情報記憶部114に格納しておく。そして、放送受信端末100cは、ユーザからアウトラインの表示を促す指示を受け付けると、情報記憶部114に格納されているリアルタイム番組情報を読み出して、そのアウトラインを表示部120に表示する。これにより、ユーザは、どのような番組が放送されていたかを、表示部120に表示されるアウトラインから事後的に知ることができる。
(変形例4)
ここで、本実施の形態におけるリアルタイム番組情報の内容の提示方法に関する変形例について説明する。
本実施の形態では、放送受信端末100はリアルタイム番組情報の内容を文字列として表示部120に表示した。
本変形例に係る放送受信端末は、リアルタイム番組情報の内容を音声で提示する。
図16は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る放送受信装置100dは、表示部120と、第1処理部110dと、第2処理部130と、音声出力部135とを備えている。
第1処理部110dは、受信部111dと、状態管理部112と、提示制御部113dと、音声制御部115とを備える。
受信部111dは、デジタル放送波から抽出したストリーム情報とデータカルーセルとを提示制御部113dに出力し、デジタル放送波から抽出したリアルタイム番組情報を音声制御部115に出力する。
提示制御部113dは、放送受信機能がバックグラウンド状態のときには、表示部120に対する表示画面の制御を停止する。即ち、提示制御部113dは、上述の提示制御部113のようにリアルタイム番組情報の内容を表示部120に表示させることを行わない。
音声制御部115は、放送受信機能がバックグラウンド状態のときには、受信部111dからリアルタイム番組情報を取得し、そのリアルタイム番組情報の内容(番組内容のアウトライン)を解析する。そして、音声制御部115は、音声合成により、その内容を示す音声信号を生成して、その音声信号を音声出力部135に出力する。
音声出力部135は、例えばスピーカなどからなり、音声信号を第1処理部110dから取得して、その音声信号の示す音声を出力する。
図17は、放送受信端末100dの放送受信機能がバックグラウンド状態であるときの様子を説明するための説明図である。
例えば、放送受信端末100dは、携帯電話機として構成されており、放送受信機能がバックグラウンド状態であるときに、メール機能に基づくメール編集画面を表示部120に表示している。このような場合、放送受信端末100dは、リアルタイム番組情報の内容として例えば「松井が打席に入りました」といった音声を音声出力部135から出力する。
このように、本変形例では、番組内容のアウトラインが音声で通知されることにより、そのアウトラインが文字列で表示される場合に比べて、ユーザは放送受信端末100dに注目しておく必要がなく、ユーザの使い勝手をさらに向上することができる。
なお、本変形例では、リアルタイム番組情報をテキストデータとして構成し、放送受信端末100dに音声合成をさせたが、リアルタイム番組情報を音声信号として構成しても良い。この場合、音声制御部115は、受信部111dから取得したリアルタイム番組情報に対して、音声合成などの処理を行うことなく、そのリアルタイム番組情報を音声出力部135に出力する。これにより、音声制御部115の処理負担を軽減することができる。
また、本変形例では、リアルタイム番組情報の内容、つまり番組内容のアウトラインを音声で出力したが、例えば「ピー」といった音や「見所です」といった音声を出力しても良い。例えば、ユーザが好む番組や場面が放送されるときに、放送受信端末100dは上述の音を鳴らす。ここで、放送受信端末100dは、例えば予め登録されている番組や場面に基づいて、デジタル放送波の番組内容がユーザの好みの番組や場面であるか否かを判別する。また、放送受信端末100dは、デジタル放送波に含まれるフラグなどに基づいて、デジタル放送波の番組内容がユーザの好みの番組や場面であるか否かを判別する。
また、本変形例では、バックグラウンド状態では、番組内容のアウトラインを音声で出力したが、番組内容の音声を出力しても良い。例えば、放送受信端末100dは、バックグラウンド状態において、番組内容の音声を解析することにより、例えばその音声に含まれるキーワード(重要ポイント)のみを出力したり、そのキーワードを他の音声よりも大きな音量で出力したりする。ここで、放送受信端末100dは、例えば予め登録されているキーワードに基づいて、番組内容の音声からそのキーワードを特定する。また、放送受信端末100dは、デジタル放送波に含まれるフラグなどに基づいて、番組内容の音声から上記キーワードを特定する。
さらに、本変形例では、番組内容のアウトラインを音声で出力したが、音声で出力するとともに、アウトラインを文字列で表示部120に表示させても良い。
(変形例5)
ここで、本実施の形態におけるリアルタイム番組情報の内容の提示方法に関する他の変形例について説明する。
本実施の形態では、放送受信端末100はリアルタイム番組情報の内容を文字列として表示部120に表示させた。
本変形例に係る放送受信端末は、リアルタイム番組情報の内容を文字列と比較的小さな動画像で提示する。
図18は、放送受信機能がバックグラウンド状態にあるときの表示部120の表示画面の一例を示す図である。
本変形例に係る放送受信端末の第1処理部は、放送受信機能がバックグラウンド状態にあるときには、リアルタイム番組情報の内容を文字列で表示部120に表示させるとともに、デジタル放送波からストリーム情報を抽出してそのストリーム情報をデコードする。ここで行われるデコードでは、通常提示状態で行われるデコードよりも、描画精度が劣り、消費電力が小さい。例えば、第1処理部は画質が粗くなるようにデコードする。そして、第1処理部は、図18に示すように、デコードされたストリーム情報の内容を動画像(簡易画像)P1として表示部120の情報提示領域121aに小さく表示させる。
このように、本変形例では、バックグラウンド状態では描画精度を落とした簡易画像P1と文字列を番組内容のアウトラインとして表示するため、ユーザは放送受信端末の放送受信機能をバックグラウンド状態としておけば、放送受信端末の消費電力を抑えることができるとともに、ユーザの好む場面を見逃してしまうことを防ぐことができる。
なお、本変形例の放送受信端末は、ストリーム情報を用いて情報提示領域121aに小さな簡易画像P1を表示させたが、リアルタイム番組情報を用いて簡易画像P1を表示させても良い。即ち、リアルタイム番組情報には、アウトラインを示すテキストデータと、上記簡易画像P1を表示するための画像データが含まれている。例えば、その画像データは、GIF(Graphic Interchange Format)、MNG(Multiple-Image Network Graphics)の形式で構成されている。バックグラウンド状態では、放送受信端末は、リアルタイム番組情報の画像データに対してデコードなどの画像処理を行う。そして放送受信端末は、そのリアルタイム番組情報のテキストデータに基づく文字列と、リアルタイム番組情報の画像データに基づく簡易画像P1とを、表示部120の情報提示領域121aに表示する。また、放送受信端末は、簡易画像P1を静止画像として表示しても良い。この場合、画像データは、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、PNG(Portable Network Graphics)の形式で構成されている。
また、本変形例では、番組内容のアウトラインを簡易画像P1で提示したが、ユーザにとって興味のある番組や場面などをバイブレーションなどで提示しても良い。
また、本変形例では、バンクグランド状態において簡易画像P1と文字列によるアウトラインとを表示したが、簡易画像P1のみを表示しても良い。
(変形例6)
ここで、本実施の形態における放送受信端末の放送受信機能の状態遷移についての変形例について説明する。
本実施の形態における放送受信端末は、起動された放送受信機能の状態を、通常提示状態とバックグラウンド状態との間でのみ遷移させた。
本変形例に係る放送受信端末は、さらに、起動された放送受信機能の状態を後述する禁止状態へも遷移させる。
また、本変形例に係る放送装置は、放送受信端末の放送受信機能を禁止状態に遷移させるための禁止フラグと、禁止状態の放送受信機能を他の状態に遷移させるための解除フラグとをデジタル放送波に含める。そして放送装置は、このようなデジタル放送波を送出する。
図19は、本変形例に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る放送受信端末100eは、表示部120と、第1処理部110eと、第2処理部130とを備える。
第1処理部110eは、受信部111eと、状態管理部112eと、提示制御部113とを備える。
受信部111eは、放送受信機能の起動によりデジタル放送波を受信すると、そのデジタル放送波に禁止フラグ又は解除フラグが含まれているか否かを判別する。含まれていると判別したときには、受信部111eは、禁止フラグ又は解除フラグが含まれていることを、状態管理部112eに通知する。
状態管理部112eは、放送受信機能が通常提示状態であるときに、受信部111eから禁止フラグについての通知を受けると、第2処理部130が付属機能を起動しようとするのを禁止する。このように、デジタル放送波を受信してデジタル放送の番組内容を映し出しているときに、第2処理部130の付属機能の起動が禁止され、番組内容が継続して表示される状態を禁止状態という。
一方、状態管理部112eは、受信部111eから禁止フラグについての通知を受けた後に解除フラグについての通知を受けると、上記第2処理部130に対する禁止を解く。
図20は、本変形例に係る放送受信端末100eの放送受信機能の状態遷移図である。
放送受信端末100eの放送受信機能の状態には、その機能に基づく動作が実行されていない停止状態St11と、上述の通常提示状態St12及びバックグラウンド状態St13と、禁止状態St14とがある。
例えばTVボタンb1の選択により放送受信機能が起動すると、その状態は、停止状態St11から通常提示状態St12に遷移する。
通常提示状態St12は、例えばメニューボタンb2の選択によりメニューランチャー機能が起動すると、バックグラウンド状態St13に遷移する。また、通常提示状態St12は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。さらに、通常提示状態St12は、禁止フラグが取得されると禁止状態St14に遷移する。
禁止状態St14は、解除フラグが取得されると通常提示状態St12に遷移し、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
バックグラウンド状態St13は、例えばメニュー終了ボタンb4の選択によりメニューランチャー機能が終了すると、通常提示状態St12に遷移する。また、バックグラウンド状態St13は、例えばTV終了ボタンb3の選択により放送受信機能が終了すると、停止状態St11に戻る。
本発明の放送受信端末及び放送装置は、ユーザが自らの好む放送内容を見逃してしまうことなく省電力化の向上を図ることができるという効果を奏し、その放送受信端末は、例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)、デジタルカメラなどに適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態における放送システムの構成を示す構成図である。
図2は、同上の放送装置の構成を示すブロック図である。
図3は、同上のデジタル放送波の一部のデータ構造を示す図である。
図4は、同上の放送受信端末の構成を示すブロック図である。
図5は、同上の表示部の画面表示の一例を示す図である。
図6は、同上の放送受信端末の処理の流れを示すフロー図である。
図7は、同上の放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
図8は、同上の変形例1に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
図9は、同上の変形例1に係る表示部とサブ表示部の表示画面の一例を示す図である。
図10は、同上の変形例1に係る放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
図11は、同上の変形例2に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
図12は、同上の変形例2に係る表示部の画面表示の一例を示す図である。
図13は、同上の変形例2に係る放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
図14は、同上の変形例3に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
図15は、同上の変形例3に係る放送受信端末のバックグラウンド状態における動作を示すフロー図である。
図16は、同上の変形例4に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
図17は、同上の変形例4に係る放送受信端末の放送受信機能がバックグラウンド状態であるときの様子を説明するための説明図である。
図18は、同上の変形例5に係る放送受信機能がバックグラウンド状態にあるときの表示部の表示画面の一例を示す図である。
図19は、同上の変形例6に係る放送受信端末の構成を示すブロック図である。
図20は、同上の変形例6に係る放送受信端末の放送受信機能の状態遷移図である。
符号の説明
100 放送受信端末
110 第1処理部
111 受信部
112 状態管理部
113 提示制御部
120 表示部
130 第2処理部
200 放送装置
201 ストリーム生成部
202 データカルーセル生成部
203 情報生成部
205 送信部