JPWO2005053790A1 - 非薬理的な生殖機能の制御方法及びその装置 - Google Patents

非薬理的な生殖機能の制御方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

非薬理的に雄性動物の生殖機能を治療又は改善する方法もしくは性行動を制御する方法である。電極を前記雄性動物に対して非接触にして、低周波交流電界を前記雄性動物の全体又は一部に曝露する。上記電界の曝露は、1日のうち一定時間だけ前記電界を曝露し、これを毎日繰り返す。

Description

本発明は、非薬理的な雄性動物の生殖機能の制御方法及びその装置に関する。
統計的に、通常の生活の中で2年以上子供ができない夫婦は、不妊症の可能性が高いとされている。不妊で悩む夫婦は我が国で180万人と推定され、増加する傾向にある。このうち男性不妊に由来するものは約70万人(約40%)といわれている。性機能障害には***障害や***障害、または***の減退、絶頂感の欠除などがあげられるが、その主たるものは***障害である。***障害はストレスなどが原因でおこる心因性***障害と糖尿病や骨盤内手術後などに起こる器質性***障害とに分けられる。
中でも、***障害の患者は日本で約980万人いると推定されているが、実際に医療機関を受診し、治療を受けているのはその約3%にしかすぎず、やはり男性にとってはかなり受診しにくい疾患である。なお、ヒトの***障害に対する治療薬として、特許文献1に記載の治療薬が知られている。
特開平11−263728公報
また、ヒトに限らず、競走馬を含むウマやウシなどの家畜の繁殖においても、交配率の低下は馬主や酪農家にとって深刻な問題であり、繁殖能力を向上させる方法が望まれている。
上述のように、***障害の治療において、治療薬を投薬する方法が採られている。しかし、治療薬に起因する副作用の問題は皆無ではなかった。そのため、別途の性機能障害を改善又は治療する方法が望まれてきた。また、動物の性行動を制御(促進)して繁殖能力を向上させる方法も望まれてきた。
本発明の目的は、非薬理学的手法により性機能を制御する方法を提供することにある。また本発明の目的は、非薬理学的手法により性機能を治療又は改善する方法あるいは性行動を制御する方法及びその装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、非薬理的に雄性動物の生殖機能を制御する方法であって、電極を前記雄性動物に対して非接触にして、電界を前記雄性動物の全体又は一部に曝露する非薬理的な雄性動物の生殖機能の制御方法を提供できる。
なお、本件発明において「非接触」とは、2つ以上の電極間において、電流を通じるところの接触がないことをいう。従って、両方の電極に雄性動物が接触しないことのみならず、一方の電極に接触しているが、他方の対電極に接触しない場合や、複数の同一の電極に接触しているが他方の対電極に接触していない場合も含むものである。なお、両方の電極に雄性動物が接触しない「非接触」が望ましい。
本発明に係る治療又は改善方法は、雄性動物に電界を曝露して生殖機能の制御し、性機能障害を治療又は改善する方法である。電界と生殖機能との関係はまだ詳しく解明されていないが、電界の曝露により、生殖機能に深く関与しているといわれている血中のNO濃度が増加すると考えられる。NOは血管中の弛緩効果が明らかにされており、NOによる弛緩は尿道海綿体小柱筋(trabecular smooth muscle)の隙間を生じさせて周辺静脈を圧し、また海綿体(corpus cevernosum)内細動脈の拡張が血流の量を上げるため***(penile erection)が起こると考えられる。
また、男性の第二次性徴の発現や維持に欠かせないテストステロンや、ストレスの指標と知られているコルチゾール、ACTH、また交配行動の促進に関与していると考えられるホルモンの分泌が促進され、性機能障害が治療や改善されるとも考えられる。
本発明は、電流を流す方法ではなく、電界を曝露させる方法であるので、電極と雄性動物とを非接触にするものである。
なお、前記電界が低周波交流電界であることが好ましい。
また、電界は少なくとも前記雄性動物の生殖器に曝露することが望ましい。
したがって、雄性動物の生体内部への電界の浸透を考慮すると、交流電界であって周波数が低周波であることが好ましく、また、生殖機能の制御し、***障害の治療又は改善には少なくとも生殖器に電界を曝露可能であることが好ましい。
曝露は、1日のうち一定時間だけ前記電界を曝露し、これを毎日繰り返すことが望ましい。1日のうち一定時間だけ前記電界を曝露し、これを毎日繰り返すことにより、生殖機能の制御することができ、性機能障害の治療又は改善が得られる。
生殖機能の制御して生殖機能を治療又は改善するが、その障害としては***障害、***障害、***の減退又は絶頂感の欠如が含まれる。
電界の曝露により、血中のNO濃度の増大やホルモン分泌の促進が図られると考えられ、***障害、***障害、***の減退又は絶頂感の欠如に対して有効な方法である。なお、雄性動物はヒトを含む動物でありその種を選ばないが、ヒトの他、競走馬を含むウマやウシやブタなどの家畜に特に有効である。
また本発明の他の態様は、上述のいずれかに記載の生殖機能の制御方法を用いて動物の性行動を制御する方法を提供することができる。
例えば、動物の性行動を制御する方法であって、電界を前記動物の全体又は一部に曝露する性行動の制御方法である。また雄雌両方に同時に曝露して雄性動物の性行動を制御する方法を採用することもできる。
これらの方法により、動物の性行動を制御(促進)することができる。電界の曝露によりホルモンの分泌が促進されると考えることから、雌雄を問わず動物に対して電界を曝露することにより、当該動物の性行動が制御できる。例えば、競走馬を含むウマやウシやブタなどの家畜に対して電界を曝露し、繁殖能力の向上させることができる。
また本発明の他の態様としては、雄性動物の性機能障害を治療又は改善する生殖機能の制御装置であって、前記雄性動物の全体又は一部に対して電界を曝露可能な一対の電極と、前記一対の電極に電圧を印加する電源とを備えた生殖機能の制御装置である。
これにより、雄性動物の生殖機能を制御することができ、性機能障害を治療又は改善する装置とすることができる。
さらに本発明の態様として、前記雄性動物またはその一部を配置せしめ得るように所定間隔を隔てて配置された一対の電極対と、前記電極対に所定の電圧を印加して前記電極対間に電界を発生させるための電源とを備えていることが好ましい。
本装置は、一対の電極に電圧を印加し、当該電極間に発生する電界を雄性動物に曝露する装置である。上述のように、電界と生殖機能との関係があると考えられ、雄性動物の性機能障害を治療又は改善に効果がある。
さらに、本装置において、前記電界が低周波交流電界であることが好ましい。
また本装置において、少なくとも印加電圧、周波数、曝露時間の1つが制御可能な電源制御部を更に備えていることが好ましい。
また少なくとも前記雄性動物の生殖器に前記電界が曝露可能な装置が好ましい。
雄性動物の生体内部への電界の浸透を考慮すると、交流電界であって周波数が低周波であることが好ましく、***障害の治療又は改善には少なくとも生殖器に電界を曝露可能である装置が好ましい。また、電界を曝露する雄性動物の大きさや体重に応じて、少なくとも印加電圧(被爆電界強度)、周波数、曝露時間の1つが制御可能であることが好ましい。
前記性機能障害としては、***障害、***障害、***の減退又は絶頂感の欠如を含まれる。
上述のように、電界の曝露により、血中のNO濃度の増大やホルモン分泌の促進が図られると考えられるため、***障害、***障害、***の減退又は絶頂感の欠如の治療又は改善に効果がある装置である。
なお、本装置においては、前記一対の電極は、前記雄性動物に対して非接触に配置されることが望ましい。
電界を曝露させる装置であるので雄性動物に電流を流す必要はなく、電極と雄性動物とを非接触にすることができる。そのため、当該雄性動物を電極により拘束する心配がない。
また本装置は、前記雄性動物としてヒト、哺乳動物に適用でき、特に哺乳動物としてウマ、ウシ、ブタ、マウスに適用される。
すなわち、雄性動物はヒトを含む動物でありその種を選ばないが、ヒトの他、競走馬を含むウマやウシやブタなどの家畜(哺乳動物)に特に有効である。
本装置は、前記雄性動物の全体又は一部を安定状態に戴置可能な戴置台を更に備えることが好ましい。
安定状態に戴置可能な戴置台を付加することにより、対象となる雄性動物の拘束せずに移動を最小限に抑えることができる。その結果、当該雄性動物を挟む電極を必要最小限にすることができる。
本装置は、前記雄性動物がヒトであって、前記戴置台は前記ヒトが着座可能な背凭れ部、座板部および足置き部を備えた椅子であることが好ましい。
また本装置において、前記一対の電極の一方は、前記椅子の背凭れ部から延びる電極支持部により前記ヒトの頭部の上方に配置され、前記一対の電極の他方は前記足置き部に配置されることが好ましい。
雄性動物がヒトである場合、ヒトが着座可能な椅子を備えた装置であると、着座した状態でリラックスして性機能障害を治療又は改善することが可能である。特に、頭部の上方と足置き部に電極を配置することにより、ヒトの頭部から足部にかけて電界を曝露することができ、効果的に性機能障害を治療又は改善を行う装置とすることができる。
これらの装置は、動物の性行動を制御(促進)する装置である。電界の曝露によりホルモンの分泌が促進されると考えることから、動物(雌雄を問わない)に対して電界を曝露することにより、当該動物の性行動が制御できる装置である。例えば、競走馬を含むウマやウシやブタなどの家畜に対して電界を曝露し、繁殖能力の向上させることができる。
本発明に係る前記方法及び前記装置は、雄性動物に電界を曝露する非薬理学的方法により、雄性動物の生殖機能の制御する方法である。したがって、投薬による副作用が発生することなく、雄性動物の性機能障害を治療又は改善する方法として適用でき、性機能障害を治療又は改善できる。また、電界と生殖機能との関係において、動物(雌雄を問わない)の性行動を制御することも可能となる。
本発明に係る電界治療改善装置の一例を示す概略図である。 実施例1に使用した本発明に係る電界治療改善装置を示す概略図である。 実施例1における曝露群、対照群それぞれのC57BL/6J系マウスの日数に対する体重の推移を示すグラフである。 実施例2に使用した本発明に係る電界治療改善装置を示す概略図である。 実施例2に使用した本発明に係る電界曝露ケージを示す概略図である。 実施例2における電界曝露日数に対する交尾率を示すグラフである。
符号の説明
1a、1b 電極
2 交流電源
3 制御部
5 椅子(戴置台)
以下、図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る方法に使用される電界治療改善装置の一例を示す。図において、背凭れ部5a、足置き部5b及び座板部5cを備えた椅子5(戴置台)に着座したヒトH(オス)に電界を曝露する装置である。足置き部5bの内部には一対の電極の一方1aが配置されている。背凭れ部5aから延びる電極支持部6に一対の電極の一方1bが取り付けられている。すなわち、ヒトHの頭部と電極1bとの間には空隙があるので接触せず、電極1aは足置き部5bの内部にあるのでヒトHの足部と接触しない。よって、一対の電極1はヒトHに対して非接触に配置されている。
一対の電極1a、1bに交流電源2からの電圧を印加することにより、一対の電極1の間に電界が発生する。かかる電極1の配置により、生殖器のみならずヒトHの頭部から足部にかけて電界を曝露することができる。また、交流電源2は制御部3により、周波数、印加電圧、曝露時間などを制御することができ、ヒトHの身長や体重に応じて、これらの値を制御することができる。なお、ヒトH内部への電界の浸透を考慮すると、電界は低周波交流電界であることが好ましい。
上述したように電界と生殖機能との関係は詳しく解明されていないが、電界の曝露により、ヒトHの血中のNO濃度が増加し、又は/及び交配行動の促進に関与していると考えられるホルモンなどの分泌が促進されと考えられ、ヒトHの性機能障害が治療又は改善される。また、1日のうち一定時間だけ電界を曝露し、これを毎日繰り返すことにより、徐々にホルモン分泌が促進されと考えられ、治療(改善)効果が現れる。
ヒトに対する方法及び装置を説明したが、一対の電極1を適切な大きさにし、適切な間隔に配置することにより、他の雄性動物、例えば、競走馬を含むウマやウシやブタなどの家畜に対しても治療や改善が可能となる。また、電界曝露により交配行動の促進に関与していると考えられるホルモンなどの分泌が促進されると考えられることから、動物(雌雄を問わない)の性行動を制御(促進)することもできる。以下、実施例において、本発明に係る方法及び装置について説明する。
(実施例1)
本発明の電界曝露による性機能障害治療及び改善方法の有効性を確認するために、マウスによる実験を行った。C57BL/6J系雄性マウス(5週齢、体重:17〜20g)60匹、同系の雌性マウス(7週齢、体重:18〜21g)60匹を日本クレア株式会社より入手した。SPF(Specific Pathogen Free)室(温度:25±5℃、湿度:50±5%、明期:07:00〜19:00)にて馴化させた後に実験に供した。
なお、発明者らは、これに先立ち、ICR系雄性マウスとC57BL/6J系雌性マウス、C57BL/6J系雄性マウスとC57BL/6J系雌性マウスの2組に対する交配実験を行った。実験結果を示す表1によれば、ICR系雄性マウスと比較して、C57BL/6J系雄性マウスは交尾率が低い。よって、同マウスの交尾率が向上すれば、本発明に係る性機能障害治療及び改善方法は有効であるといえる。
雄性マウス(C57BL/6J系)と雌性マウス(C57BL/6J系)の馴化期間はそれぞれ19日(8週齢)と29日(11週齢)とした。
電界曝露には図2に示すマウス用電界曝露装置(電界治療改善装置)を用いた。一対の電極1a、1bに交流電源2からの電圧が印加される。電極1aはステンレス鋼(SUS)の板で、電極1bは通気性のためのメッシュ状を有し、いずれの電極の大きさも60cm四方である。電極1a、1b間の略中央にはアクリル製の円筒状スペーサ4(直径20cm、高さ20cm)が挿入され、スペーサ4内に雄性マウスMが置かれる。したがって、マウスMに対して、電極が非接触の状態で一様な電界を曝露することができる。
曝露条件は周波数50Hz、電界強度45kV/m、曝露時間30分/日で、曝露時間帯は10:30〜14:00とし、これらの条件は制御部3によって制御される。対照群は電界曝露を0kV/mとする以外、全て曝露群と同様に扱った。
11日間の電界曝露後、電界曝露群と対照群の雄性マウスは、11日目の17:00より同系の雌性マウスと翌日9:00まで(16時間)同居させた。雌性マウスには、過***処理の為、交配2日前に妊馬血清性性腺刺激ホルモン(5IU)、交配直前にヒト胎盤性性腺刺激ホルモン(5IU)をそれぞれ腹腔内投与した。交尾翌日の09:00より交尾成立の有無を膣栓検査で確認し、同日18:00より雌性マウスを頸椎脱臼後、卵管を採取し、卵管還流によって卵を回収した。回収した卵の前核期細胞の有無(受精の有無)を確認した。この実験は、曝露群10匹、対照群10匹を用いて3回繰り返しおこなった(実験1〜3)。
肉眼による観察では、電界曝露中及び前後に行動学的異常を含む実験区間の差異は観察されなかった。図3に曝露群、対照群それぞれのC57BL/6J系マウスの体重推移における電界曝露の影響を示している。11日間の電界曝露期間における体重推移を平均値で示した。個体数nは30である。
図3によれば、群間の体重変動にほとんど差は認められず、同時に両群とも正常に体重増加を示していることから、本実験で用いた電界曝露はマウス個体の成長に影響を及ぼしていないことが認められる。
交尾の成立率(総合評価)を表2に示す。表3は実験1〜3の各実験における交尾の成立結果を示している。交尾成立の翌日に交尾成立を認めた雌性マウスの割合は、電界曝露群90%に対し、対照群63%を示した(student’s t test,P<0.05)。
なお、表2及び表3中、電界曝露群及び対照群のそれぞれについての交尾成立、交尾不成立の固体数を示しており、括弧内は同固体数のそれぞれの割合(比率)を示している。
受精卵率(総合評価)を表4に示す。表5は実験1〜3の各実験における受精卵率を示している。表4より、交尾日の翌日に受精卵子が得られた雌性マウス割合は、電界曝露群86.7%に対し、対照群56.7%を示した(student’s t test,P<0.05)。
(実施例2)
C57BL/6J系雄性マウス(7週齢)、同系の雌性マウス(7週齢)、ICR系雄性マウス(7週齢)を業者より入手した。これらのマウスは全てポリカーボネートのケージに入れて特定の病原菌のない状態で飼育した。照明を調整(7:00〜19:00まで点灯)し、空調で温度・湿度(温度24±1℃、湿度50±10%)を調整した。これらのマウスは、電界曝露時間を除いては自由に行動させ、帯広畜産大学の実験動物ガイドラインに従い飼育された。
図4に、本実施例に使用した電界曝露システムを示す。電界曝露システムは高電圧ユニット(ヘルストロン、最大出力9000V、株式会社白寿生科学研究所製、日本国東京)、定電圧ユニット(東京精電社製、日本国東京)、電界曝露ケージの3つの主要な部分から構成される。図5に示すように電界曝露ケージは円筒状のプラスチックケージ(直径200mm、高さ200mm)、プラスチックケージの上下においたステンレススチール製の2つの電極(400×400mm)を含んでいる。円筒状のケージには5mm間隔でスリットがついている(長さ:100mm、幅:5mm)。スリットは、安定した電界形成の妨げとなる糞便や唾液などの汚れを防止する。ケージに電界(50Hz、45kV/m)を発生させるため、安定した交流(50Hz、9000V)が上電極に供給されるようにした。
(実験手順)
雄性マウス(30匹)を電界ケージに入れ、1日30分、計11日間にわたり50Hz、45kV/mにて電界曝露させた。最終的な電界曝露の後、雄性マウスを過***処理した雌性マウス(30匹)のケージに入れ、交尾させた。交配2日前に5IUの妊馬血清性性腺刺激ホルモン(eCG;Serotrophin、帝国臓器製薬社製、日本国東京)、交配直前に5IUのヒト胎盤性性腺刺激ホルモン(hCG;Puberogen、三共株式会社社製、日本国東京)をそれぞれ雌性マウスの腹腔内に投与し、過***を誘引した。コントロールとして、雄性マウスを1日30分計11日間、電界曝露していない状態の電界ケージに入れた後、過***処理した雌性マウス(30匹)と交尾させた。交尾の成立は交尾の翌朝、膣栓の有無をチェックして確認した。
(統計分析)
本実施例のデータをカイ二乗法により統計的に分析した。全ての統計テストにおいて、p<0.05の場合、有意差があるとした。
(実験結果)
電界曝露がない場合、C57BL/6J系の雄性マウスと過***処理された雌性マウスとの交尾率は、ICR系の雄性マウスと過***処理された雌性マウスとの交尾率に比較して有意に低かった。すなわち、ICR系の雄性マウスと過***処理された雌性マウスとを交尾させると、C57BL/6J系の雌性マウス全てに膣栓が確認された。一方、C57BL/6J系の雄性マウスと交尾させたC57BL/6J系の雌性マウスのうち、約半数(51%)において膣栓が確認された。これらの結果は、C57BL/6J系マウスにおける交尾率の低さの原因は、メスよりもむしろオスの生殖能力によることは、明らかである。
電界曝露によるC57BL/6J系の雄性マウスと過***処理された雌性マウスとの交尾率への効果は、顕著であった。表6に示すように、交尾の前に50Hzの電界曝露を11日間行い、過***処理された雌性マウスのケージに入れると交尾成功率は90%であった。コントロール(電界曝露しない)のC57BL/6J系の雄性マウスと一緒に入れた過***処理されたメスの63%に膣栓があった。この差は、統計的に有意である(P<0.05)。
なお、本実施例に使用された雄性マウスは、電界曝露中及び曝露後において、病気の兆候や異常な行動をみせなかった。膣栓ポジティブの雌性マウスにおいて見られた卵母細胞における受精率は実験グループ間(電界曝露の有無)で統計上誤差はなかった(P>0.05)。
交尾率を改善するため必要な電界曝露時間を特定するために、C57BL/6J系の雄性マウスを50Hz、45kV/mの電界に1日30分計1、3、11日曝露させた。その後、過***されたC57BL/6J系の雌性マウスと交尾させた。図6によれば、C57BL/6J系の雄性マウスが11日間電界曝露されたとき、表6に示した結果と同様に、C57BL/6J系の雌性マウスとの交尾率は著しく改善された(P<0.05)。しかし、、C57BL/6J系の雄性マウスへの1日、3日の電界曝露は、電界曝露しなかった場合と比較しても、過***されたC57BL/6J系の雌性マウスとの交尾率を著しく改善するものではなかった。この結果は、過***された雌性マウスとC57BL/6J系の雌性マウスとの交尾率の改善には電界曝露の累積的効果が必要であることを示唆している。
過***されたC57BL/6J系の雌性マウスと一緒にしたC57BL/6J系の雄性マウスにおいて見受けられた低い交尾率が、自然に***したメスと一緒にした場合には見出せなかった理由はいまだに解明されていない。しかしながら、この低い成功率は発生学、生物発生学における研究の向上同様、卵母細胞、胚の十分な採集における困難性の一理由である。本発明において、C57BL/6J系の雄性マウスへの電界曝露が過***された雌性マウスとの交尾率を改善させたことを明確化した(表6、図6)。
電界曝露は細胞シグナル同様、内分泌機能、免疫機能に影響を及ぼすことが示唆されている。電界を利用する種々の医療機器が広範に使用されていることから、経皮の電気的神経刺激が、軟組織に働きかけて慢性腰痛などの患者に有益であることが示唆されてきた。さらに皮膚への機械による振動(5〜50Hz)が刺激部位に応じて主要な皮質ニューロンを活性化することが報告された。さらには、より最近の事例であるが、頭痛、肩こり、腹痛などの種々の痛みに対する電界治療の改善的な効果は、1000以上の臨床事例にて報告されている。しかしながら、生殖機能における電界曝露の効果に関しては、一部の毒物研究を除いてはいままで報告がなかった。表6及び図6に示すようにC57BL/6J系の雄性マウスを電界曝露することで、その累積的な効果から、過***されたマウスとの交尾率が著しく改善した。この結果は、電界曝露の治療が加齢や慢性疾患による男性の性的機能の向上に寄与する可能性を示唆している。
電界曝露のC57BL/6J系の雄性マウスにみられた生殖能力の改善がおきるメカニズムを明確にするには、さらなる研究が必要である。種を超えた研究も種全体に効果があるのか特定の条件下のマウスにのみ効果があるのか見極める上で重要である。種全体に効果がある場合は、電界曝露のヒトへの応用の可能性がある。
以上より、電界曝露群では対照群と比較して統計学的に有意な交尾成立を観察した。すなわち、交尾率が低いC57BL/6J系雄性マウスに対して、電界曝露による交配行動の増加及び受精卵率を示した。したがって、本発明に係る性機能障害治療及び改善方法は有効であるといえる。
本発明は、電界曝露による非薬理学的手法により雄性動物の性機能を制御することができ、性機能障害を治療又は改善することができ、並びに動物の性行動を制御することが可能となる。従って、ヒトのみならず、ウマ、マウスなどの雄性動物の性機能障害を治療又は改善することができる。また、雄雌問わず、当該動物の繁殖を制御することができる。

Claims (20)

  1. 非薬理的に雄性動物の生殖機能を制御する方法であって、電極を前記雄性動物に対して非接触にして、電界を前記雄性動物の全体又は一部に曝露する非薬理的な雄性動物の生殖機能の制御方法。
  2. 前記電界が低周波交流電界である請求の範囲第1項に記載の非薬理的な雄性動物の生殖機能の制御方法。
  3. 少なくとも前記雄性動物の生殖器に前記電界を曝露する請求の範囲第1項に記載の非薬理的な雄性動物の生殖機能の制御方法。
  4. 1日のうち一定時間だけ前記電界を曝露し、これを毎日繰り返す請求の範囲第1項に記載の非薬理的な雄性動物の生殖機能の制御方法。
  5. 前記性機能の制御は、***障害、***障害、***の減退又は絶頂感の欠如の治療又は改善を含む請求の範囲第1項に記載の非薬理的な雄性動物の生殖機能の制御方法。
  6. 請求の範囲第1項に記載の生殖機能の制御方法を用いて動物の性行動を制御する方法。
  7. 雄性動物の性機能障害を治療又は改善する生殖機能の制御装置であって、前記雄性動物の全体又は一部に対して電界を曝露可能な一対の電極と、前記一対の電極に電圧を印加する電源とを備えた生殖機能の制御装置。
  8. 前記雄性動物またはその一部を配置せしめ得るように所定間隔を隔てて配置された一対の電極対と、前記電極対に所定の電圧を印加して前記電極対間に電界を発生させるための電源とを備えていることを特徴とする、請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  9. 前記電界が低周波交流電界である請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  10. 少なくとも印加電圧、周波数、曝露時間の1つが制御可能な電源制御部を更に備えた請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  11. 少なくとも前記雄性動物の生殖器に前記電界が曝露可能な請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  12. 前記性機能障害は、***障害、***障害、***の減退又は絶頂感の欠如を含む請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  13. 前記一対の電極は、前記雄性動物に対して非接触に配置された請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  14. 前記雄性動物がヒトである請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  15. 前記雄性動物が哺乳動物である請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  16. 前記哺乳動物がウマである請求の範囲第15項に記載の生殖機能の制御装置。
  17. 前記哺乳動物がマウスである請求の範囲第15項に記載の生殖機能の制御装置。
  18. 前記雄性動物の全体又は一部を安定状態に戴置可能な戴置台を更に備えた請求の範囲第7項に記載の生殖機能の制御装置。
  19. 前記雄性動物がヒトであって、前記戴置台は前記ヒトが着座可能な背凭れ部、座板部および足置き部を備えた椅子である請求の範囲第18項に記載の生殖機能の制御装置。
  20. 前記一対の電極の一方は、前記椅子の背凭れ部から延びる電極支持部により前記ヒトの頭部の上方に配置され、前記一対の電極の他方は前記足置き部に配置された請求の範囲第19項に記載の生殖機能の制御装置。
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