JPWO2005052064A1 - シアニン色素 - Google Patents

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Abstract

可視領域における吸光特性と溶剤への溶解性に優れ、かつ、有機色素化合物が適用される新分野の要請に応じた熱特性を発揮する新規な有機色素化合物を提供することによって、吸光材料として選択し得る有機色素化合物の幅を広げることを課題とし、同一分子内において、特定の原子団を1又は複数有するシアニン色素を提供することによって前記課題を解決する。

Description

この発明は新規なシアニン色素に関するものであり、とりわけ、光記録媒体において有用なシアニン色素とその用途に関するものである。
情報化時代の到来に伴い、可視光を吸収する有機色素化合物の需要が急増している。その用途は、今や、フィルター用材におけるがごとく、有機色素化合物が可視光を吸収し、遮断する性質を利用する用途から、有機色素化合物を介して可視光のエネルギーを積極的に利用する情報記録、太陽光発電などの分野へと拡がることとなった。
斯かる用途へ適用される有機色素化合物が具備すべき特性としては、可視領域における吸光特性が良好であること、溶剤への溶解性が良好であること、そして、用途に応じた熱特性を発揮することなどが挙げられる。これまでに提案された代表的な有機色素化合物としては、例えば、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、シアニン色素などが挙げられるけれども(例えば、特開平11−116611号公報、特開2002−202592号公報及び特開2003−167343号公報を参照)、このうち、アントラキノン系色素は吸光特性に難があり、また、フタロシアニン系色素については、吸光特性は良好であるものの、溶剤への溶解性に難があるとされている。シアニン色素は、これまで、吸光特性、溶解性ともに比較的良好であるものの、熱特性に難があるとされていた。
斯かる状況に鑑み、この発明は、可視領域における吸光特性と溶剤への溶解性に優れ、かつ、有機色素化合物が適用される新分野の要請に応じた熱特性を兼備する新規な有機色素化合物を提供することによって、上記したごとき分野において、吸光材料として選択し得る有機色素化合物の幅を広げることを課題とする。
本発明者が、従来、熱特性に難があるとされていたシアニン色素に着目し、鋭意研究し、検索したところ、インドレニン環の窒素原子へハロゲン化脂肪族炭化水素基が結合してなるトリメチン系シアニン色素のあるものは、緑色乃至赤色域の可視光を効率良く吸収するとともに、諸種の有機溶剤において実用上支障のない溶解性を発揮し、しかも、270℃を越える分解温度を示すなど、熱特性にも優れていることを見出した。然して、斯かるシアニン色素は、可視光を吸収することによって、これを遮断したり、可視光のエネルギーを利用する新規な吸光材料として、斯かる性質を具備する有機色素化合物を必要とする多種多様の分野において有利に用い得るものであることが判明した。
すなわち、この発明は、同一分子内において、一般式1で表される原子団を1又は複数有するシアニン色素を提供することによって前記課題を解決するものである。
一般式1:
Figure 2005052064
(一般式1において、R及びRは脂肪族炭化水素基又はハロゲン化脂肪族炭化水素基を表し、そのうち、少なくとも一方はハロゲン化脂肪族炭化水素基を有する。Rは水素原子又は置換基を表す。)
発明の実施の形態
既述したとおり、この発明は、同一分子内において、一般式1で表される原子団を1又は複数有するシアニン色素に関するものである。
一般式1:
Figure 2005052064
一般式1において、R及びRは脂肪族炭化水素基又はハロゲン化脂肪族炭化水素基を表し、そのうち、少なくとも一方はハロゲン化脂肪族炭化水素基を有する。斯かる脂肪族炭化水素基としては、通常、炭素数8までの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。R及びRにおけるハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられ、用途にもよるけれども、情報記録などの分野で頻用される有機溶剤における溶解度の点で、水素原子の25%以上、通常、50%以上が弗素原子により置換された弗素化脂肪族炭化水素基が好ましい。斯かる弗素化脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、パーフルオロメチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフロオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロsec−ブチル基、パーフルオロtert−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、4−トリフルオロメチル−2,2,3,3,5,5,5−へプタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロドデシル基などが挙げられる。RとRとは互いに同じものであっても異なるものであってもよいけれども、原料化合物の入手し易さ、反応の工程数、目的とするシアニン色素の収率などを重視する場合には、互いに同じものとするのがよい。
一般式1におけるRは水素原子か、あるいは、適宜の置換基を表す。Rにおける置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などの芳香族炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基などのエーテル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基などのアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、キノリル基などの複素環基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、さらには、それらの組み合わせによる置換基が挙げられる。なお、一般式1で表される原子団において、トリメチン鎖は、エチレン性二重結合などの不飽和構造を少なくとも一つ有し、その不飽和結合がトリメチン鎖の一部として電子共鳴する、例えば、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロオクタジエン環、ベンゼン環、ナフタレン環などの環状構造を含んでなるものであってもよい。
一般式1で表される原子団の対イオンとなる一価又は多価の陰イオンとしては、用途にもよるけれども、有機溶剤におけるシアニン色素の溶解度や安定性などを勘案しながら、例えば、斯界において汎用されるもののなかから適宜のものを選択すればよい。斯かる陰イオンの具体例としては、例えば、弗素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン、過塩素酸イオン、過沃素酸イオン、六弗化燐酸イオン、六弗化アンチモン酸イオン、六弗化錫酸イオン、燐酸イオン、硼弗化水素酸イオン、四弗硼素酸イオンなどの無機酸イオン、チオシアン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ナフタレンジスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、トリハロアルキルカルボン酸イオン、アルキル硫酸イオン、トリハロアルキル硫酸イオン、ニコチン酸イオンなどの有機酸イオン、さらには、有機金属錯体イオンなどが挙げられる。
有機金属錯体イオンとしては、金属原子を中心原子とする有機金属錯体の一価又は多価の陰イオンであって、この発明によるシアニン色素の分子内において、正に荷電する一般式1で表される原子団へイオン結合する一価又は多価の陰イオンを意味する。斯かる有機金属錯体イオンとしては、例えば、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、カドミウム、水銀などの周期律表における第3乃至11族の遷移元素を中心原子とする、例えば、アゾ系、チオカテコールキレート系、チオビスフェノレートキレート系、ビスジチオール−α−ジケトン系、ビスフェニルジチオール系のものが挙げられる。シアニン色素の用途にもよるけれども、製造コストと取扱い易さの点では、コバルト、ニッケル又は銅を中心原子とするものが好ましく、また、生体へ直接接触する可能性がある物品へ適用するシアニン色素においては、安全性の点で、銅を中心原子とするものが好ましい。断るまでもないけれども、同一分子内において、一般式1で表される原子団を複数有するシアニン色素は、上記したごとき無機酸イオン、有機酸イオン又は有機金属錯体イオンの多価陰イオンを配することによって得ることができる。
この発明によるシアニン色素の具体例としては、例えば、化学式1乃至10で表されるものが挙げられる。これらは、いずれも、500nmより長波長、通常、550乃至650nm付近に吸収極大を有し、吸収極大波長における分子吸光係数も5×10以上、通常、1×10以上と著しく大きいことから、緑乃至赤色域の可視光を効率良く吸収することとなる。同一分子内において、一般式1で表される原子団を複数有する、例えば、化学式9及び10で表されるシアニン色素は、一般式1で表される原子団をただ一つ有するものと比較して、可視光に対する1分子当たりの吸光能が大きいという特徴がある。
化学式1:
Figure 2005052064
化学式2:
Figure 2005052064
化学式3:
Figure 2005052064
化学式4:
Figure 2005052064
化学式5:
Figure 2005052064
化学式6:
Figure 2005052064
化学式7:
Figure 2005052064
化学式8:
Figure 2005052064
化学式9:
Figure 2005052064
化学式10:
Figure 2005052064
この発明によるシアニン色素は諸種の方法により合成できるけれども、経済性を重視するのであれば、活性メチレン基と適宜の脱離基との求核置換反応を利用する方法が好適である。この方法によるときには、例えば、一般式1に対応するRを有する一般式2で表される原子団を有する化合物と、一般式1に対応するR及びRを有する一般式3で表される原子団を有する化合物とを反応させるか、あるいは、一般式1に対応するRを有する一般式4で表されるオルト蟻酸エステルの存在下、一般式2で表される原子団を有する化合物と、一般式1に対応するRを有する一般式5で表される原子団を有する化合物とを反応させる工程を経由することによって、同一分子内において、一般式1で表される原子団を1又は複数有するこの発明のシアニン色素を好収率で得ることができる。なお、一般式3及び4におけるL及びMは、それぞれ、例えば、フェニルアミノ基などの適宜の脱離基か、エトキシ基などのエーテル基を表す。また、一般式1において、R及びRが互いに同じハロゲン化脂肪族炭化水素基である原子団を有するシアニン色素を合成する場合には、上記した反応方法のうち、後者のものを採用するのが有利である。
一般式2:
Figure 2005052064
一般式3:
Figure 2005052064
一般式4:
Figure 2005052064
一般式5:
Figure 2005052064
合成に当たっては、反応容器に一般式2及び3で表される原子団を有する化合物か、あるいは、一般式4で表される化合物とともに、一般式2及び5で表される原子団を有する化合物をそれぞれ適量とり、必要に応じて、適宜溶剤に溶解し、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジン、ピリジン、ピロリジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどの塩基性化合物、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの酸性化合物、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化錫、四塩化チタンなどのルイス酸性化合物を加えた後、加熱環流などにより加熱・撹拌しながら周囲温度か周囲温度を上回る温度で反応させる。
溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、α−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化物、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、フェノール、ベンジルアルコール、クレゾール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類及びフェノール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどのエーテル類、酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸、酢酸エチル、炭酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド、燐酸トリメチル、燐酸トリエチルなどの酸及び酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫化合物、水などが挙げられ、必要に応じて、これらは組み合わせて用いられる。
溶剤を用いる場合、一般に、溶剤の量が多くなると反応の効率が低下し、反対に、少なくなると、均一に加熱・撹拌するのが困難になったり、副反応が起こり易くなる。したがって、溶剤の量を重量比で原料化合物全体の100倍まで、通常、5乃至50倍にするのが望ましい。原料化合物の種類や反応条件などにもよるけれども、反応は10時間以内、通常、0.5乃至5時間で完結する。反応の進行は、例えば、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどの汎用の方法によってモニターすることができる。この発明によるシアニン色素は、この方法によるか、この方法に準じて所望量を製造することができる。なお、一般式2、3、5で表される原子団を有する化合物は、いずれも、例えば、速水正明監修、『感光色素』、産業図書株式会社、1997年10月17日発行、24乃至30頁などに記載された、類縁化合物を合成するための汎用の方法に準じて得ることができ、市販品がある場合には、必要に応じて、これを精製して用いればよい。また、原料化合物の種類や反応条件によって、所望の陰イオン以外の陰イオンを対イオンとするシアニン色素が生成した場合には、これを通常のイオン交換反応へ供することによって、所期の陰イオンを対イオンとするこの発明のシアニン色素を得ることができる。
斯くして得られるシアニン色素は、用途によっては反応混合物のまま用いられることもあるけれども、通常、使用に先立って、例えば、溶解、分液、傾斜、濾過、抽出、濃縮、薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、蒸留、昇華、結晶化などの類縁化合物を精製するための汎用の方法により精製され、必要に応じて、これらの方法は組み合わせて適用される。シアニン色素の種類や用途にもよるけれども、例えば、情報記録や太陽光発電などへ適用する場合には、使用に先立って、例えば、蒸留、昇華、結晶化などの方法により高度に精製しておくのが望ましい。
この発明によるシアニン色素は、既述したとおり、500nmより長波長、通常、550乃至650nm付近に吸収極大を有し、吸収極大波長における分子吸光係数(以下、吸収極大波長における分子吸光係数を「ε」と略記することがある。)も5×10以上、通常、1×10以上と著しく大きいことから、緑色乃至赤色域の可視光を効率良く吸収する。しかも、この発明のシアニン色素は、例えば、情報記録、太陽光発電をはじめとする諸分野で頻用される、例えば、アミド系、アルコール系、ケトン系、ニトリル系、ハロゲン系の有機溶剤に対して実用上支障のない溶解性を発揮するうえに、270℃を越える分解点、通常、有機色素化合物が適用される新分野で要請される280乃至300℃に急峻な分解点を示すなど、熱特性にも優れている。例えば、化学式5及び9で表されるこの発明のシアニン色素は頗る急峻に分解し、分解の半値幅、すなわち、一定の割合で昇温しながら分解させたとき、分解しはじめから半量が分解するまでの温度上昇幅が50℃以下と甚だ狭く、特に好ましいシアニン色素である、化学式5で表されるものの半値幅は10℃を優に下回ることとなる。周知のとおり、有機化合物における分解点と分解の半値幅は熱特性の指標とされており、分解点が高いものほど熱安定性が大きく、また、分解の半値幅が小さいものほど光応答性が良いとされている。然して、この発明のシアニン色素は、可視光を吸収することによって、これを遮断したり、可視光のエネルギーを利用する吸光材料として、例えば、情報記録、太陽光発電、電気機械器具、電気通信器具、光学器具、衣料、建寝装用品、保健用品、農業資材をはじめとする多種多様の分野において極めて有用である。ちなみに、シアニン色素などの有機色素化合物の分解点は、例えば、汎用の示差走査熱量分析(以下、「DSC分析」と略記する。)により決定することができる。
すなわち、この発明によるシアニン色素は、情報記録の分野において、可視光を吸収し、光カード、製版、熱転写記録、感熱記録などに用いられる重合性化合物や重合開始剤などを増感することによって、重合を促進するための増感剤又は光熱交換剤として有用である。同じく情報記録の分野において、この発明によるシアニン色素は、情報の書込、読取に波長650又は780nm付近のレーザーを光源とし、記録層を構成する有機色素化合物が斯かるレーザーを吸収し、熱分解する際に発生する熱によって、基板上へ情報に対応するピットを形成する、例えば、DVD−R、CD−Rなどの高密度光記録媒体において有用である。増感剤としての別の用途としては、例えば、太陽光発電の分野において、この発明によるシアニン色素を色素増感型湿式太陽電池の半導体電極へ担持せしめるときには、可視光に対する半導体電極の感度が向上し、太陽電池の光電変換効率を著明に改善することができる。この発明によるシアニン色素は、自然光、人工光などの環境光に対して実用上支障のない耐光性を発揮することから、この発明によるシアニン色素を光増感剤とする太陽電池は、長期間用いても、光増感剤に起因する起電力の低下を招来し難い実益がある。
電気通信器具、電気機械器具、光学器具の分野においては、この発明によるシアニン色素をフィルター用材として、例えば、撮像管、半導体受光素子、光ファイバーなどへ適用するときには、可視光に由来する雑音や、輻射される熱線により周囲の温度が上昇するのを低減したり、視感度を所望のレベルに調節することができる実益がある。フィルター用材としての別の用途としては、農業資材の分野において、例えば、温室用のガラス板や、シート若しくはフィルム状の基材に形成したビニルハウス用プラスチック製基材へ塗布することによって、果樹、穀物、野菜、花卉をはじめとする観賞植物、食用植物などの有用植物へ到達する光の波長分布を調節し、植物の生育を制御することができる。
以上の用途に加えて、この発明によるシアニン色素と、必要に応じて、紫外領域、可視領域及び/又は赤外領域の光を吸収する他の材料の1又は複数とともに、遮光剤、熱線遮断剤、断熱剤、保温蓄熱剤などとして衣料一般、とりわけ、保温蓄熱繊維や、赤外線による偵察に対して偽装性能を有する繊維を用いる衣料や、衣料以外の、例えば、ドレープ、レース、ケースメント、プリント、ベネシャンブラインド、ロールスクリーン、シャッター、のれん、毛布、布団、布団地、布団カバー、シーツ、座布団、枕、枕カバー、クッション、マット、カーペット、寝袋、窓ガラス、建造物、車輌、電車、船舶、航空機などの内外装材、ウインドガラスなどの建寝装用品、紙おむつ、おむつカバー、眼鏡、モノクル、ローネットなどの保健用品、靴の中敷き、靴の内張り地、鞄地、風呂敷、傘地、パラソル、ぬいぐるみ、照明装置、サングラス、サンバイザー、サンルーフ、電子レンジ、オーブンなどの覗き窓、さらには、これらの物品を包装、充填又は収容するための包装用材、充填用材、容器などに用いるときには、不必要な温度変化や、可視光が病因となる眼精疲労、視細胞の老化、白内障をはじめとする生物や物品の障害や不都合を防止したり、低減することができるだけではなく、物品の色度、色調、色彩、風合などを整えたり、物品から反射したり透過する光を所望の色バランスに整えることができる実益がある。なお、この発明のシアニン色素は、可視光を吸収する従来公知の有機色素化合物と同様に、改竄防止用インキ、改竄偽造防止用バーコードインキ、吸光インキ、吸光塗料、写真やフィルムの位置決め用マーキング剤、プラスチックをリサイクルする際の仕分け用染色剤、PETボトルを成形加工する際のプレヒーティング助剤、さらには、可視光に感受性があるとされている腫瘍一般を治療するための医薬品の有効成分や、有効成分の働きを助ける成分としても有用である。
以下、この発明の実施の形態につき、実施例を挙げて説明する。
実施例1:シアニン色素
反応容器にアセトニトリルを30mlとり、化学式11で表される化合物14.98gと、化学式12で表される化合物14.33gとを加え、さらに、無水酢酸4.28mlを添加した後、トリエチルアミン5.06mlを滴々加えながら1時間加熱環流させて反応させた。反応混合物を室温まで冷やした後、析出した結晶を濾取し、イソプロピルアルコールにより再結晶させたところ、化学式5で表されるこの発明によるシアニン色素の輝緑色結晶が15.17g得られた。
化学式11:
Figure 2005052064
化学式12:
Figure 2005052064
結晶の一部をとり、DSC分析により融点及び分解点を測定したところ、本例のシアニン色素は281.8℃付近で融点と判別できない急峻な分解点(分解の半値幅が約3℃)を示した。さらに、常法によりメタノール溶液における可視吸収スペクトルを測定したところ、本例のシアニン色素は波長590nm付近に吸収極大を示した(ε=1.06×10)。また、クロロホルム−d/メタノール−d溶液におけるH−核磁気共鳴スペクトル(以下、「H−NMRスペクトル」と略記する。)を測定したところ、化学シフト(ppm、TMS)が2.18(12H、s)、4.99(2H、t)、5.08(2H、q)、6.39(1H、tt)、6.66(2H、d)、6.71(1H、d)、7.51乃至7.60(2H、m)、7.69乃至7.73(2H、m)、8.02乃至8.06(4H、m)、8.19乃至8.22(2H、m)及び8.89(1H、t)の位置にピークが観察された。
一般式1におけるR及びRがいずれも弗素化脂肪族炭化水素基であり、かつ、R及びRにおける弗素原子による水素原子の置換率がいずれも25%を越える本例のシアニン色素は、可視光を効率良く吸収し、熱特性にも優れていることから、例えば、情報記録、太陽光発電、電気機械器具、電気通信器具、光学器具、衣料、建寝装用品、保健用品、農業資材をはじめとする諸分野において、可視光を吸収することによって、可視光を遮断したり、可視光のエネルギーを利用する吸光材料として有用である。
実施例2:シアニン色素
反応容器にオルト蟻酸トリエチルを75.1gとり、化学式12で表される化合物200gとピリジン82mlとを加えた後、2時間加熱環流させて反応させた。反応混合物を室温まで冷やした後、析出した結晶を濾取し、酢酸エチルにより再結晶させたところ、化学式6で表されるシアニン色素の緑色結晶が167g得られた。
次いで、反応容器にN,N−ジメチルホルムアミドを600mlとり、上記で得られた化学式6で表されるシアニン色素83gを加え、100℃で加熱撹拌しながら溶解させた後、ナフタレンジスルホン酸ナトリウムの10%水溶液400mlを滴々加え、同じ温度でさらに30分間加熱撹拌させて反応させた。反応混合物を室温まで冷やした後、水及びメタノールをこの順序でそれぞれ適量加え、析出した結晶を濾取したところ、化学式9で表されるこの発明のシアニン色素の輝緑色結晶が77g得られた。
結晶の一部をとり、DSC分析により融点及び分解点を測定したところ、化学式9で表わされる本例のシアニン色素は278.5℃付近で融点と判別できない急峻な分解点(分解の半値幅が約36℃)を示した。さらに、常法によりメタノール溶液における可視吸収スペクトルを測定したところ、本例のシアニン色素は波長590nm付近に吸収極大を示した(ε=2.13×10)。また、常法により、情報記録の分野などで頻用される有機溶剤の1種である2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(以下、「TFP」と略記する。)における20℃の溶解度(溶剤100gに溶解する溶質の量)を測定したところ、1.85gであった。
一般式1におけるR及びRがいずれも弗素化脂肪族炭化水素基であり、かつ、R及びRにおける弗素原子による水素原子の置換率がいずれも25%を越える本例のシアニン色素は、可視光を効率良く吸収し、熱特性にも優れていることから、例えば、情報記録、太陽光発電、電気機械器具、電気通信器具、光学器具、衣料、建寝装用品、保健用品、農業資材をはじめとする諸分野において、可視光を吸収することによって、可視光を遮断したり、可視光のエネルギーを利用する吸光材料として有用である。
この発明によるシアニン色素は、構造によって仕込条件や収率に若干の違いはあるものの、例えば、上記以外の化学式1乃至10で表されるものを含めて、いずれも、実施例1又は2の方法によるか、あるいは、それらの方法に準じて所望量を得ることができる。
〈比較例:シアニン色素の物性〉
実施例1の方法に準じて合成した化学式13乃至16で表される類縁化合物につき、実施例1における同様にして可視吸収スペクトルを測定したところ、これらの類縁化合物は化学式5で表されるこの発明のシアニン色素とほぼ同様の吸光特性を示した。ところが、常法によりTFPにおける20℃の溶解度を測定したところ、化学式5で表されるシアニン色素の溶解度が5.76gであったのに対して、化学式13乃至16で表される類縁化合物の溶解度は、いずれも、1gを下回っていた。さらに、DSC分析により融点及び分解点を測定したところ、化学式13乃至16で表される類縁化合物においては、融点と分解点とが明確に分離し、しかも、分解が400℃を越えても完了しないほど緩慢な様相を呈することとなった。化学式13乃至16で表される類縁化合物のうちでも、例えば、化学式16で表される類縁化合物は、化学式5で表されるこの発明のシアニン色素と比較して、分解点が有意に低く、高々263.6℃程度であった。ちなみに、一般式1におけるRが炭素数3の鎖長を有し、R及びRが、いずれも、弗素原子による水素原子の置換率が25%を下回る弗素化脂肪族炭化水素基である化学式4で表されるこの発明のシアニン色素は、化学式5で表されるものと比較すると、化学式13乃至16で表されるものほどではないものの、TFPへの溶解性と熱特性がやや劣っていた。
化学式13:
Figure 2005052064
化学式14:
Figure 2005052064
化学式15:
Figure 2005052064
化学式16:
Figure 2005052064
これらの結果は、一般式1で表される原子団において、R及びRとして、ハロゲン化脂肪族炭化水素基、とりわけ、水素原子の25%以上が弗素原子により置換された弗素化脂肪族炭化水素基であって、そのうち、いずれか一方は炭素数が2を越える鎖長を有するものをそれぞれ配することによって、TFPなどの溶剤への溶解性と、分解点が高く、急峻に分解する熱特性に優れたシアニン色素をデザインし得ることを物語っている。また、本比較例の結果と、実施例1及び2の結果を総合して判断すると、溶解性、熱特性が一層優れたシアニン色素をデザインするには、一般式1におけるR及びRとして、互いに異なるハロゲン化脂肪族炭化水素基を配するのが望ましいと言える。
実施例3:光記録媒体
TFPを適量とり、光吸収剤として化学式5で表されるシアニン色素を濃度2重量%になるように加え、暫時加熱した後、超音波を印加して溶解した。常法にしたがって、この溶液を膜濾過した後、トラックの内周へ同期信号並びにトラック及びセクターの番地を表示する凹部(トラックピッチ0.74μm、幅0.03μm、深さ76nm)を射出成形により転写しておいたポリカーボネート製のディスク状基板(直径12cm、厚さ0.6mm)の片面へ均一に回転塗布し、乾燥して厚さ100nmの記録層を形成した。その後、基板へ銀を30乃至100nmの厚さになるように蒸着して記録層に密着する反射層を形成し、さらに、その反射層へ公知の紫外線硬化樹脂(商品名『ダイキュアクリアSD1700』、大日本インキ化学工業株式会社製造)を均一に回転塗布し、光照射して反射層に密着する保護層を形成した。その後、同様にして記録層、反射層及び保護層を順次積層した一対の基板をとり、汎用の接着剤を用い、保護層同士を密着させて貼合せることによって光記録媒体を作製した。
感度、解像度、ジッターなどの電気特性に優れた本例の光記録媒体は、いずれも、片面当り4GBを越える記録容量を有し、波長700nm以下の可視光、とりわけ、波長630乃至680nm付近のレーザー光による光ピックアップを用いることにより、大量の文字情報、画像情報、音声情報及びその他のデジタル情報を高密度に書き込むことができる。なお、発振波長658nmの半導体レーザー素子を用いて情報を書き込んだ本例の光記録媒体の記録面を電子顕微鏡で観察したところ、ピット長が1μmを下回る微小なピットが1μmを下回るトラックピッチで高密度に形成されていた。
実施例4:光記録媒体
光吸収剤として化学式5で表されるシアニン色素に代えて化学式9で表されるシアニン色素を用いた以外は実施例3におけると同様にして光記録媒体を作製した。
感度、解像度、ジッターなどの電気特性に優れた本例の光記録媒体は、いずれも、片面当り4GBを越える記録容量を有し、波長700nm以下の可視光、とりわけ、波長630乃至680nm付近のレーザー光による光ピックアップを用いることにより、大量の文字情報、画像情報、音声情報及びその他のデジタル情報を高密度に書き込むことができる。なお、発振波長658nmの半導体レーザー素子を用いて情報を書き込んだ本例の光記録媒体の記録面を電子顕微鏡で観察したところ、ピット長が1μmを下回る微小なピットが1μmを下回るトラックピッチで高密度に形成されていた。
なお、一般式1において、R及びRが、2,2,2−トリフルオロエチル基、メチル基、エチル基又はブチル基であり、対イオンが四弗化硼素酸イオン、六弗化燐酸イオン又はコバルトを中心原子とするアゾ系有機金属錯体イオンであるこの発明のシアニン色素を用いた場合も、上記と同様にして光記録媒体を作成することができる。
産業上の利用の可能性
この発明は、文献未記載の、全く新規なシアニン色素の創製に基づくものである。この発明によるシアニン色素は緑色乃至赤色域の可視光を効率良く吸収するとともに、諸種の有機溶剤に対して実用上支障のない溶解性を発揮し、しかも、270℃を越える分解温度を示すなど、熱特性にも優れていることから、可視光を吸収することによって、これを遮断したり、可視光のエネルギーを利用する吸光材料として、例えば、情報記録、太陽光発電、電気機械器具、電気通信器具、光学器具、衣料、建寝装用品、健康用品、農業資材をはじめとする多種多様の分野において極めて有用である。

Claims (4)

  1. 同一分子内において、一般式1で表される原子団を1又は複数有するシアニン色素。
    一般式1:
    Figure 2005052064
    (一般式1において、R及びRは脂肪族炭化水素基又はハロゲン化脂肪族炭化水素基を表し、そのうち、少なくとも一方はハロゲン化脂肪族炭化水素基を有する。Rは水素原子又は置換基を表す。)
  2. 一般式1におけるR及び/又はRが、水素原子の25%以上が弗素原子によって置換されている弗素化脂肪族炭化水素基である請求の範囲第1項に記載のシアニン色素。
  3. 示差走査熱量分析による分解点が270℃を越え、かつ、分解の半値幅が50℃以下である請求の範囲第1項又は第2項に記載のシアニン色素。
  4. 請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載のシアニン色素を含んでなる光記録媒体。
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