JPWO2004079275A1 - 加熱装置およびそれを用いた衛生洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

ケース本体部に直線型シーズヒータが略平行に配置される。シーズヒータの外周面の両端部近傍は弾性保持部材によりそれぞれ軸方向に可動に保持されている。シーズヒータの外周面とケース本体部との間には、円筒状の空間がそれぞれ形成されている。円筒状の空間を連通させる空間が設けられている。

Description

本発明は、加熱装置およびそれを備えた衛生洗浄装置に関する。
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、人体に不快感を与えないようにするため洗浄に用いる洗浄水を適切な温度に調整する加熱装置が備えられている。このような加熱装置には、主に貯湯式衛生洗浄装置または瞬間加熱式衛生洗浄装置がある。
貯湯式衛生洗浄装置は、予め所定量の洗浄水を貯えるとともに内蔵した加熱ヒータにより洗浄水を所定の温度に加熱する温水タンクを備え、人体の局部を洗浄する際に、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の水道圧を利用するか、もしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
この貯湯式衛生洗浄装置においては、人体の局部を洗浄する際まで、予め温水タンク内の洗浄水を所定の温度に維持し続けなければならない。そのため、加熱装置に常時電力を供給する必要があることから消費電力が大きくなる。また、複数の人が連続して局部を洗浄し、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の量以上を使用した際、温水タンク内の洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えてしまう。
一方、瞬間加熱式衛生洗浄装置は、人体の局部を洗浄する際に、洗浄水を昇温速度に優れたセラミックヒータ等の加熱装置により所定の温度に瞬間的に加熱し、水道圧を利用するかもしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
そのため、瞬間加熱式衛生洗浄装置においては、予め洗浄水を所定の温度に維持し続ける必要がなく、使用時のみ加熱装置に電力を供給すればよいので消費電力を抑制することができる。また、長時間の洗浄や、トイレの連続使用等により多量の洗浄水を人体の局部の洗浄に用いた際でも、洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えることを防止することができる(特開平10−160249号公報参照)。
通常、加熱装置は、発熱体がケース体内に保持された構造を有する。このような加熱装置を用いて洗浄水を瞬間的に加熱する場合には、発熱体が瞬間的に熱膨張し、加熱終了後に熱収縮する。それにより、ケース体に瞬間的に大きな応力が加わることとなる。その結果、発熱体またはケース体が破損または変形するおそれがある。
本発明の目的は、発熱体が熱膨張または熱収縮した場合でも発熱体およびケース体の変形および破損が防止された加熱装置およびそれを用いた衛生洗浄装置を提供することである。
本発明の一局面に従う加熱装置は、ケース体と、一端部および他端部を有し、ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、発熱体の一端部をケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、発熱体の他端部をケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えたものである。
この加熱装置においては、ケース体に貫通するように発熱体が設けられ、発熱体の一端部が第1の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持され、発熱体の他端部が第2の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持される。
この場合、発熱体が軸方向に熱膨張または熱収縮した場合に一端部および他端部が第1および第2の保持部材に対して摺動する。それにより、発熱体およびケース体には応力が作用しないため、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。
ケース体と発熱体の外周面との間に流体が流動可能な流路が形成されてもよい。
この場合、ケース体と発熱体の外周面との間に流体が流動することにより、流体と発熱体との接触面積が大きくなる。それにより、流体が効率よく加熱される。また、発熱体の外周部がケース体に接触していないので、発熱体が径方向に熱膨張または熱収縮しても発熱体およびケース体に応力が作用せず、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。さらに、流路を形成するための部材が不要となるため、部品点数を削減でき、組み立て時間を削減することができる。
流路に連通する第1の流体口および第2の流体口がケース体に形成されてもよい。
この場合、流路に連通する第1の流体口および第2の流体口がケース体に形成されているので、組み立て時間を削減することができる。
ケース体の第1の流体口は発熱体の中心軸に対して扁心する位置に設けられてもよい。
この場合、第1の流体口から供給された流体が発熱体の外周面に沿って円周方向に旋回するように流れる。それにより、発熱体の表面での攪拌効果により発熱体から流体への熱の伝達を効率よく行うことができる。その結果、高い熱交換効率を得ることができる。したがって、加熱装置の小型化が図れる。
加熱装置は、ケース体の第2の流体口の近傍に設けられた温度検出器をさらに備えてもよい。
この場合、第2の流体口から流出する洗浄水の温度を測定することができる。それにより発熱体により加熱された洗浄水の温度を適切に制御することができる。
加熱装置は、第2の流体口に連通するように設けられた温度緩衝部をケース体にさらに備えてもよい。
この場合、発熱体により加熱された洗浄水の温度変動を抑制することができる。それにより、洗浄水の温度を一定にすることが可能となる。
発熱体は、柱状に形成されてもよい。この場合、発熱体の構造が単純となるため製造が容易となる。また、熱膨張または熱収縮による変形がほぼ軸方向に限られる。したがって、熱膨張または熱収縮による発熱体の変形を第1および第2の保持部材に対する両端部の摺動により効果的に吸収することができる。
発熱体は、シーズヒータを含んでもよい。この場合、破損し難い加熱装置を安価に作製することができる。
発熱体は、セラミックヒータを含んでもよい。この場合、信頼性の高い加熱装置を作製することができる。
発熱体は、略直線状の複数の発熱体を含み、複数の発熱体がケース体を貫通するように並列に設けられてもよい。
この場合、発熱量の大きい加熱装置をコンパクトに形成することができるとともに、複数の発熱体の通電制御を行うことによりフリッカーノイズを低減することができる。
第1および第2の保持部材は弾性体からなってもよい。この場合、発熱体の両端部近傍が、それぞれ弾性体からなる第1および第2の保持部材により保持される。それにより、発熱体の両端部が確実に摺動可能に保持される。その結果、発熱体は摺動可能に保持される。
ケース体は、複数のケース部分が一体化されることにより形成されてもよい。この場合、加熱装置の組み立て時間を削減することができるとともに組み立てが容易になる。それにより、自動組み立てを行うことが可能となる。
複数のケース部分は樹脂により形成され、溶着により接合されることにより一体化されてもよい。この場合、組み立て時間を削減することができるとともに低コスト化を図ることができる。
加熱装置は、発熱体の過熱防止のための過熱防止器をさらに備えてもよい。この場合、発熱体が異常に過熱することが防止され、安全性が向上する。
本発明の他の局面に従う衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体の被洗浄部に噴出する衛生洗浄装置であって、給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する加熱装置と、加熱装置により加熱された洗浄水を人体に噴出する噴出装置とを備え、加熱装置は、ケース体と、一端部および他端部を有し、ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、発熱体の一端部をケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、発熱体の他端部をケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えたものである。
この衛生洗浄装置においては、給水源から供給される洗浄水が加熱装置により流動されつつ加熱され、噴出装置により加熱装置により加熱された洗浄水が人体に噴出される。
この場合、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱が行われるので、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を蓄える貯水タンクが不要となるため、省スペース化が実現される。さらに、洗浄時間が長くなった場合でも、洗浄水の温度低下を防止することができる。
また、この加熱装置においては、ケース体に貫通するように発熱体が設けられ、発熱体の一端部が第1の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持され、発熱体の他端部が第2の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持される。
この場合、発熱体が軸方向に熱膨張または熱収縮した場合に一端部および他端部が第1および第2の保持部材に対して摺動する。それにより、発熱体およびケース体には応力が作用しないため、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。
図1は、本発明の実施例の衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図、
図2は、図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図、
図3は、本発明の一実施例の衛生洗浄装置の本体部の構成を示す模式図、
図4は、熱交換器の構造の一例を示す平面図、
図5は、図4に示す熱交換器の内部構造を説明するための図、
図6は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面図、
図7は、熱交換器のさらに他の例を示す分解斜視図、
図8は、ポンプの構造の一例を示す断面図、
図9は、アンブレラパッキンの動作を説明するための模式図、
図10は、図8のポンプの各部の圧力変化を示す図、
図11は、切替弁の縦断面図であり、(b)は(a)の切替弁のA−A線断面図であり、(c)は(a)の切替弁のB−B線断面図、
図12は、図11の切替弁の動作を示す断面図、
図13は、図3のノズル部のおしりノズルの断面図、
図14は、図13のおしりノズルの動作を説明するための断面図、
図15は、洗浄開始時において熱交換器から排出される洗浄水およびおしりノズルから噴出される洗浄水の温度変化を示す図、
図16は、熱交換器において瞬間的な温度変動が発生した場合に熱交換器から排出される洗浄水およびおしりノズルから噴出される洗浄水の温度変化を示す図である。
以下、本発明の実施例の衛生洗浄装置について説明する。
図1は本発明の実施例の衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
図1に示すように、便器610上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器610内に洗浄水を供給する。
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部200の制御部は、後述するように遠隔操作装置300により送信される信号に基づいて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400に内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御も行う。
図2は図1の遠隔操作装置300の一例を示す模式図である。
図2に示すように、遠隔操作装置300は、複数のLED(発光ダイオード)301、複数の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308を備える。
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。刺激スイッチ304を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺激を与える洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
また、乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置100の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。
使用者が、調整スイッチ302を押下操作することにより、図1の衛生洗浄装置100の本体部200のノズル部30の位置が変化したり、ノズル部30より噴出される洗浄水の温度が変化したり、ノズル部30より噴出される洗浄水の圧力が変化する。また、調整スイッチ302の押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301が点灯する。
以下、本発明の一実施例の衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本発明の一実施例の衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,サーモスタット12b、温度ヒューズ12c、ポンプ13、切替弁14およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12bおよびポンプ13が介挿されている。
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
また、ポンプ13と切替弁14との間にはリリーフ管204が接続され、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、逃がし水配管205が接続されている。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。一方、定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に測定流量値を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。サーモスタット12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、所定の温度を超過した場合に、制御部4に温度超過信号を与える。制御部4は熱交換器11への電力供給を遮断する。温度ヒューズ12cは、熱交換器11のシーズヒータの温度を検知し、所定の温度を超過した場合に熱交換器11のシーズヒータへの電力供給を遮断する。
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基づいて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つより洗浄水が噴出される。
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、流量センサ10から与えられる測定流量値、温度センサ12aから与えられる温度測定値およびサーモスタット12bから与えられる温度超過信号に基づき止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
図4は熱交換器11の構造の一例を示す平面図である。
図4に示すように、熱交換器11は、主に直方体形状のケース本体部600、直線型シーズヒータ505aおよび505b、プレートP1,P2および端面部材600a,600bから構成される。
熱交換器11のケース本体部600の一端側の上面には、配管202から供給される洗浄水を受け入れるための洗浄水入口511および加熱された洗浄水をポンプ13に送り出すための洗浄水出口512が設けられる。
また、洗浄水出口512の近くには、温度センサ12aおよびサーモスタット12bが設けられる。また、シーズヒータ505aの他端側に温度ヒューズ12cが設けられる。
ケース本体部600の両端面には、それぞれプレートP1,P2を介して端面部材600a,600bが取り付けられる。それにより、後述するケース本体部600の両端の開口部とシーズヒータ505a,505bとの隙間が閉塞される。
次に、図5は、図4に示す熱交換器11の内部構造を説明するための図である。図5(a)は、図4の熱交換器11のX−X線断面を示し、図5(b)は、図5(a)の熱交換器11のY−Y線断面を示し、図5(c)は、図5(a)の熱交換器11のZ1−Z1線断面を示し、図5(d)は、図5(a)の熱交換器11のZ2−Z2線断面を示す。
ケース本体部600の内部に貫通するように直線型シーズヒータ505a,505bが略平行に配置される。シーズヒータ505a,505bの外周面とケース本体部600との間には、円筒状の空間510a,510bがそれぞれ形成されている。また、円筒状の空間510a,510bを連通させる空間510cが設けられている。
ケース本体部600の両端面とプレートP1,P2との間にそれぞれOリングP3,P4が設けられ、端面部材600a,600bとプレートP1,P2との間にOリングP5,P6が設けられている。それにより、ケース本体部600の両端面と端面部材600a,600bとの接合部から洗浄水が流出することが防止される。
また、シーズヒータ505a,505bの外周面の両端部近傍は弾性保持部材P5,P6によりそれぞれ軸方向に可動に保持されている。ここで、軸方向に可動に保持された状態とは、例えばゴムからなる弾性保持部材P5,P6のたわみによりシーズヒータ505a,505bが軸方向に可動に保持されている状態、またはゴムからなる弾性保持部材P5,P6の表面とシーズヒータ505a,505bの表面との摺動によりシーズヒータ505a,505bが軸方向に可動に保持されている状態がある。シーズヒータ505a,505bの外周面の両端部近傍は、発熱体として用いられるニクロム線の部分ではなく、ニクロム線に接続された金属端子の部分に相当する。そのため、シーズヒータ505a,505bの両端部近傍は高温とならない。したがって、弾性保持部材P5,P6が溶融することはない。
図3の制御部4は、温度センサ12aより与えられる温度測定値に基づいて、熱交換器11のシーズヒータ505a,505bの温度をフィードバック制御する。円筒状の空間510bには、サーモスタット12bの検知部が挿入されている。制御部4は、サーモスタット12bより与えられる温度超過信号に基づいて、熱交換器11のシーズヒータ505a,505bへの電力供給およびその遮断を制御する。
温度ヒューズ12cは、シーズヒータ505bの温度が、所定の温度を超過した場合、シーズヒータ505a,505bへの電力供給を遮断する。温度センサ12aは洗浄水出口512の近くに設けられているので、おしりノズル1に供給される洗浄水の温度を正確に制御することができる。さらに、シーズヒータ505a,505bが異常に過熱することが防止され、安全性が向上する。
また、制御部4がサーモスタット12bも温度センサ12aと同じように洗浄水出口512の近くに設けられるので、おしりノズル1に供給される洗浄水の温度を正確に制御することができる。
洗浄水が、図5(c)の熱交換器11の一端側に設けられた洗浄水入口511からシーズヒータ505aの周囲に形成された円筒状の空間510aに供給される。ここで、洗浄水入口511は、円筒状の空間510aの軸心に対して扁心した位置に設けられている。そのため、洗浄水は、円筒状の空間510a内のシーズヒータ505aの外周面に沿って円周方向に流れる。それにより、シーズヒータ505aからの熱を効率よく洗浄水に伝達することが可能となる。
また、図5(d)に示すように、空間510cが円筒状の空間510a,510bの軸心に対して扁心した位置に設けられている。そのため、円筒状の空間510aを流れる洗浄水が、円筒状の空間510b内のシーズヒータ505bの外周面に沿って円周方向に流れる。それにより、シーズヒータ505a,505bの表面での攪拌効果によりシーズヒータ505a,505bから流体への熱の伝達を効率よく行うことができる。それにより、シーズヒータ505bからの熱を効率よく洗浄水に伝達することが可能となる。
円筒状の空間510a中を流れる間に、シーズヒータ505aにより効率よく加熱された洗浄水は、空間510cを通ってシーズヒータ505bの周囲の空間510bに供給される。そして、円筒状の空間510b中を流れる間に、シーズヒータ505bによりさらに効率よく加熱された洗浄水は、洗浄水出口512から排出される。
この場合、シーズヒータ505a,505bが軸方向に熱膨張または熱収縮した場合でも、熱膨張または熱収縮による変形がほぼ軸方向に限られる。したがって、熱膨張または熱収縮によるシーズヒータ505a,505bの変形を弾性保持部材P5,P6に対する両端部の摺動により効果的に吸収することができる。それにより、シーズヒータ505a,505bおよび直方体形状のケース本体部600には応力が作用しないため、シーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600の破損および変形が防止される。
また、シーズヒータ505a,505bの外周部が直方体形状のケース本体部600に接触していないので、シーズヒータ505a,505bが径方向に熱膨張または熱収縮してもシーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600に応力が作用せず、シーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600の破損および変形が防止される。
なお、本実施例では、制御部4がフィードバック制御により熱交換器11のシーズヒータ505a,505bの温度を制御することとしたが、これに限定されず、フィードフォワード制御によりシーズヒータ505a,505bの温度を制御してもよく、あるいは、温度上昇時にはフィードフォワード制御によりシーズヒータ505aおよび505bを制御し、正常時には、フィードバック制御によりシーズヒータ505aおよび505bを制御する複合的な制御を行ってもよい。
さらに、複数のシーズヒータ505a,505bの通電量をトライアック素子により制御してもよい。例えば、複数のシーズヒータ505a,505bに応じてデューティ比を設定し、そのデューティ比に応じて交互に通電するよう制御してもよい。その結果、フリッカーノイズ等の発生を抑制することが可能となる。
なお、本実施例においては、安価で破損し難い2本の直線型シーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、他の任意の数の直線型シーズヒータを用いてもよい。さらに、本実施例においては、円柱状のシーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、三角柱、四角柱または多角柱状のシーズヒータを用いてもよい。
また、本実施例においては、シーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、シーズヒータ505a,505bと同様の円筒状の形状を有するセラミックヒータを用いてもよい。
次に、図6は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面図である。図6(a)は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面であり、図6(b)は、図6(a)の熱交換器のY−Y線断面を示し、図6(c)は、図6(a)の熱交換器のZ−Z線断面を示す。図6に示す熱交換器11aが図5に示す熱交換器11と異なるのは以下の点である。
図6に示すように、円筒状の空間510bと洗浄水出口512との間に温度緩衝部504aが直方体形状のケース本体部600と一体的に形成されている。それにより、円筒状の空間510a,510bおよび510cにおいて加熱された洗浄水が温度緩衝部504aに一時的に蓄えられることにより、温度変動が抑制された洗浄水をポンプ13に与えることができる。
次に、図7は、熱交換器のさらに他の例を示す分解斜視図である。
図7に示すように、熱交換器11bは、上ケース本体部600c、下ケース本体部600d、弾性保持部材であるOリングP5,P6、プレートP1,P2およびシーズヒータ505a,505bにより構成される。
図7に示すように、シーズヒータ505aおよび505bにプレートP1,P2およびOリングP5,P6を装着し、シーズヒータ505a,505bを上ケース本体部600cと下ケース本体部600dとで挟み込む。その後、超音波溶着器Hを用いて上ケース本体部600cと下ケース本体部600dとを溶着する。
この場合、上ケース本体部600cおよび下ケース本体部600dは、超音波溶着が可能な耐熱性樹脂により形成される。例えば、アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンからなるABS樹脂とガラス強化繊維とを含む熱可塑性樹脂であってもよい。
それにより、容易に熱交換器11aの組み立て時間を削減することができるとともに組み立てが容易になる。また、自動組み立てを行うことが可能となり、低コスト化を図ることができる。
図8はポンプ13の構造の一例を示す断面図である。図8のポンプは複動型レシプロポンプである。
図8において、本体部138内には、円柱状空間139が形成されている。円柱状空間139内には圧送ピストン136が設けられている。圧送ピストン136の外周部には、X字パッキン136aが装着されている。圧送ピストン136により円柱状空間139がポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。本体部138の一側部には洗浄水入口PIが設けられ、他側部には洗浄水出口POが設けられている。洗浄水入口PIには図3の配管203を介して熱交換器11が接続され、洗浄水出口POには配管203を介して切替弁14が接続される。
洗浄水入口PIは、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに連通するとともに、内部流路P2、小室S2および小室S4を介してポンプ室139bに連通している。
ポンプ室139aは、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POに連通している。ポンプ室139bは、小室S6、小室S8および内部流路P4を介して洗浄水出口POに連通している。
小室S3、小室S4、小室S7および小室S8には、それぞれアンブレラパッキン137が設けられている。
モータ130の回転軸にギア131が取り付けられ、ギア131にギア132が噛合っている。また、ギア132には、クランクシャフト133の一端が一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト133の他端には、ピストン保持部134およびピストン保持棒135を介して圧送ピストン136が取り付けられている。
図3の制御部4により与えられる制御信号に基づいて、モータ130の回転軸が回転すると、モータ130の回転軸に取り付けられたギア131が矢印R1の方向に回転し、ギア132が矢印R2の方向に回転する。これにより、圧送ピストン136が図中の矢印Zの方向に上下運動する。
図9はアンブレラパッキン137の動作を説明するための模式図である。例えば、図8の圧送ピストン136が、下方向に移動し、ポンプ室139aの容積を増加させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(b)に示すように変形する。その結果、洗浄水入口PIから供給された洗浄水が、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに流入する。この場合、小室S7の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、洗浄水がポンプ室139a内へ流入したり、逆に洗浄水出口POより吐出されることもない。
一方、図8の圧送ピストン136が、上方向に移動し、ポンプ室139aの容積を減少させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が高くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(a)に示す状態のまま変形しない。その結果、小室S1内の洗浄水が、ポンプ室139aに流入しない。この場合、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(b)に示すように変形する。そのため、ポンプ室139a内の洗浄水が、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POから吐出される。
なお、小室S4内に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図9(b)に示すように変形し、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図9(a)に示す状態のまま変形しない。一方、小室S8に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図9(a)に示す状態のまま変形せず、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図9(b)に示すように変形する。それにより、ポンプ室139a内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出されるときに、ポンプ室139b内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入し、ポンプ室139a内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入するときに、ポンプ室139b内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出される。
図10は図8のポンプ13の各部の圧力変化を示す図である。図10の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
図10に示すように、ポンプ13の洗浄水入口PIに圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図9の圧送ピストン136が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力Paは、点線のように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の圧力Pbは、破線のように変化する。ポンプ13の洗浄水出口POより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pcを中心として上下に周期的に変化する。
このように、ポンプ13においては、圧送ピストン136が上下運動を行うことにより、ポンプ室139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交互に圧力が加えられ、洗浄水入口PIの洗浄水が昇圧されて洗浄水出口POから吐出される。
図11(a)は切替弁14の縦断面図であり、図11(b)は図11(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図11(c)は図11(a)の切替弁14のB−B線断面図である。
図11に示す切替弁14は、モータ141、内筒142および外筒143により構成される。
外筒143内に内筒142が挿入され、モータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。モータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて回転動作を行う。モータ141が回転することにより内筒142が回転する。
図11(a),(b),(c)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142fが設けられている。孔142eの周辺には、図11(b)に示すように、面取り部が形成されている。内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっている。
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、おしりノズル1が接続され、洗浄水出口143cには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143dには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
図12は図11の切替弁14の動作を示す断面図である。
図12(a)に示すように、モータ141が回転せず、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143dと同じ側にある場合、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143b,143cのいずれにも対向せず、かつ内筒142の孔142fが外筒143の洗浄水出口143dに対向しない。したがって、洗浄水が洗浄水出口143b,143c,143dのいずれからも流出しない。
次に、図12(b)に示すように、モータ141が内筒142を45度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから流出する。
また、図12(c)に示すように、モータ141が内筒142を90度回転させた場合には、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143bから流出する。
さらに、モータ141が内筒142を270度回転させた場合には、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して洗浄水出口143cから流出する。
また、モータ141が内筒142を180度回転させた場合には、内筒142の孔142fが外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して洗浄水出口143dから流出する。
以上のように、制御部4からの制御信号に基づいてモータ141が回転することにより内筒142の孔142e,142fのいずれかが外筒143の洗浄水出口143b〜143dのいずれかに対向した場合には洗浄水が流出し、内筒142の孔142e,142fのいずれもが外筒143の洗浄水出口143b〜143dのいずれにも対向しない場合には洗浄水が流出しない。
次に、図3のノズル部30のおしりノズル1について説明する。図13は図3のノズル部30のおしりノズル1の断面図である。なお、図3のノズル部30のビデノズル2の構成および動作は図13のおしりノズル1と同様である。
図13に示すように、おしりノズル1は、円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シールパッキン22およびスプリング23により構成される。
ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26が設けられている。また、ストッパ部26には、シールパッキン22が装着されている。ピストン部20の内部には、後端面から噴出孔25に連通する流路27が形成されている。
一方、シリンダ部21は、先端側の径小部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と径大部分との間に、ストッパ部26がシールパッキン22を介して当接可能なストッパ面21bが形成されている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24が設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28となる。洗浄水入口24は、シリンダ部21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24は、図3の切替弁14の洗浄水出口143bに接続されている。
ピストン部20は、ストッパ部26が温度変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入されている。
さらに、スプリング23は、ピストン部20のストッパ部26とシリンダ部21の開口部21aの周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。
ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
次いで、図13のおしりノズル1の動作について説明する。図14は図13のおしりノズル1の動作を説明するための断面図である。
まず、図14(a)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水が供給されない場合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ部21の開口部21aより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部28が形成されない。
次いで、図14(b)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部28が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が流入する。
洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部は、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出される。
ピストン部20がさらに前進すると、図14(c)に示すように、ストッパ部26がシールパッキン22を介してシリンダ部21のストッパ面21bに水密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間からピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。したがって、温度変動緩衝部28の洗浄水が、ピストン部20内の流路27を通して噴出孔25のみから噴出される。
上記のように、図3の熱交換器11から供給される洗浄水がシリンダ部21内の温度変動緩衝部28内に貯えられた後に、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出されるので、温度変動緩衝部28内で洗浄水の温度変動が緩衝される。それにより、噴出孔25から噴出される洗浄水の温度変動が平滑化されて急激な温度変動が抑制される。
特に、洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28内で洗浄水が渦巻状に還流する。それにより、洗浄水の温度変動が効果的に緩衝される。したがって、温度変動緩衝部28の容積が小さい場合でも、洗浄水の温度変動の高い緩衝効果が得られる。
図15は洗浄開始時において熱交換器11から排出される洗浄水およびおしりノズル1から噴出される洗浄水の温度変化を示す図であり、図16は熱交換器11において瞬間的な温度変動が発生した場合に熱交換器11から排出される洗浄水およびおしりノズル1から噴出される洗浄水の温度変化を示す図である。
図15および図16においては、縦軸が洗浄水の温度を示し、横軸が時間を示す。また、図15および図16においては、破線が熱交換器11の排出口512から排出される洗浄水の温度T1を示し、実線がおしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2を示す。
洗浄開始時に、図15に示すように、熱交換器11の排出口512から排出された洗浄水の温度T1は、設定温度Tqを超過して、大きくオーバーシュートを起こす。そして、一定時間Tc2経過後、ほぼ設定温度Tqで安定する。一方、温度変動緩衝部28により温度変動が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2は、時間Tc2よりも短い時間Tc1においてほぼ設定温度Tqで安定する。
熱交換器11の温度が瞬間的に大きく変動すると、図16に示すように、熱交換器11の排出口512から排出された洗浄水の温度T1が瞬間的に大きく変動する。この場合、熱交換器11の排出口512から排出される洗浄水の温度は、制御部4の制御による応答遅れ時間T経過後、ほぼ設定温度Tqで安定する。
一方、温度変動緩衝部28により温度変動が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2は、ほとんど変化せず、ほぼ設定温度Tqで安定している。
なお、熱交換器11により加熱された洗浄水に突発的な温度上昇が生じても、おしりノズル1の噴出孔25から高温水が噴出することを確実に防止するためには、シリンダ部21内の温度変動緩衝部28の容積を、制御部4の応答遅れ時間Tと、単位時間当りに配管203内を流れる洗浄水の最大流量Qmaxとの積以上に設定することが好ましい。ここで、応答遅れ時間Tは、熱交換器11により加熱された洗浄水の温度が所定値以上に上昇してから、温度センサ12bが熱交換器11から排出される洗浄水の温度を検出し、制御部4の制御により止水電磁弁9が洗浄水の供給を停止するまでの時間である。
以上のことにより、本実施例の熱交換器11,11a,11bにおいては、発熱体が熱膨張または熱収縮した場合でも発熱体およびケース体の変形および破損を防止することができる。
また、本実施例の熱交換器11,11a,11bを用いた衛生洗浄装置100においては、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱が行われるので、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を蓄える貯水タンクが不要となるため、省スペース化が実現される。
また、衛生洗浄装置100の不使用時には、熱交換器11に電力を供給する必要がないので消費電力が低減される。さらに、熱交換器11の円筒状の空間510a,510bおよび510cに洗浄水を流しつつ加熱するので、洗浄水の使用量が多い場合でも洗浄水の温度の低下が生じない。
また、洗浄水を貯留した状態で長時間保温する必要がないので、衛生洗浄装置100の使用時に、常に新鮮な洗浄水を噴出することができる。したがって、衛生上好ましい。
なお、本実施例においては、熱交換器11,11a,11bを瞬間加熱式衛生洗浄装置に用いる場合について説明したが、これに限定されず、貯湯式衛生洗浄装置に用いてもよい。
本実施例においては、直方体形状のケース本体部600、端面部材600a,600b、上ケース本体部600c、下ケース本体部600dがケース体に相当し、シーズヒータ505a,505bが発熱体に相当し、弾性保持部材であるOリングP5が第1の保持部材に相当し、弾性保持部材であるOリングP6が第2の保持部材に相当し、円筒状の空間510a,510b,510cが流動可能な流路に相当し、洗浄水入口511が第1の流体口に相当し、洗浄水出口512が第2の流体口に相当し、温度センサ12aが温度検出器に相当し、温度緩衝部504aが温度緩衝部に相当し、弾性保持部材P5,P6が第1の弾性体および第2の弾性体に相当し、サーモスタット12bまたは温度ヒューズ12cが過熱防止器に相当し、熱交換器11,11a,11bが加熱装置に相当し、おしりノズル1、ビデノズル2、ノズル洗浄用ノズル3およびノズル部30が噴出装置に相当する。
なお、本実施例においては、ポンプ13として、複動型レシプロポンプを用いる場合について説明したが、これに限定されず、回転型ポンプまたは他の往復型ポンプを用いてもよい。
【書類名】 明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置およびそれを備えた衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、人体に不快感を与えないようにするため洗浄に用いる洗浄水を適切な温度に調整する加熱装置が備えられている。このような加熱装置には、主に貯湯式衛生洗浄装置または瞬間加熱式衛生洗浄装置がある。
【0003】
貯湯式衛生洗浄装置は、予め所定量の洗浄水を貯えるとともに内蔵した加熱ヒータにより洗浄水を所定の温度に加熱する温水タンクを備え、人体の局部を洗浄する際に、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の水道圧を利用するか、もしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
【0004】
この貯湯式衛生洗浄装置においては、人体の局部を洗浄する際まで、予め温水タンク内の洗浄水を所定の温度に維持し続けなければならない。そのため、加熱装置に常時電力を供給する必要があることから消費電力が大きくなる。また、複数の人が連続して局部を洗浄し、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の量以上を使用した際、温水タンク内の洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えてしまう。
【0005】
一方、瞬間加熱式衛生洗浄装置は、人体の局部を洗浄する際に、洗浄水を昇温速度に優れたセラミックヒータ等の加熱装置により所定の温度に瞬間的に加熱し、水道圧を利用するかもしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
【0006】
そのため、瞬間加熱式衛生洗浄装置においては、予め洗浄水を所定の温度に維持し続ける必要がなく、使用時のみ加熱装置に電力を供給すればよいので消費電力を抑制することができる。また、長時間の洗浄や、トイレの連続使用等により多量の洗浄水を人体の局部の洗浄に用いた際でも、洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えることを防止することができる(特開平10−160249号公報参照)。
【0007】
通常、加熱装置は、発熱体がケース体内に保持された構造を有する。このような加熱装置を用いて洗浄水を瞬間的に加熱する場合には、発熱体が瞬間的に熱膨張し、加熱終了後に熱収縮する。それにより、ケース体に瞬間的に大きな応力が加わることとなる。その結果、発熱体またはケース体が破損または変形するおそれがある。
【発明の開示】
本発明の目的は、発熱体が熱膨張または熱収縮した場合でも発熱体およびケース体の変形および破損が防止された加熱装置およびそれを用いた衛生洗浄装置を提供することである。
【0008】
本発明の一局面に従う加熱装置は、ケース体と、一端部および他端部を有し、ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、発熱体の一端部をケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、発熱体の他端部をケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えたものである。
【0009】
この加熱装置においては、ケース体に貫通するように発熱体が設けられ、発熱体の一端部が第1の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持され、発熱体の他端部が第2の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持される。
【0010】
この場合、発熱体が軸方向に熱膨張または熱収縮した場合に一端部および他端部が第1および第2の保持部材に対して摺動する。それにより、発熱体およびケース体には応力が作用しないため、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。
【0011】
ケース体と発熱体の外周面との間に流体が流動可能な流路が形成されてもよい。
【0012】
この場合、ケース体と発熱体の外周面との間に流体が流動することにより、流体と発熱体との接触面積が大きくなる。それにより、流体が効率よく加熱される。また、発熱体の外周部がケース体に接触していないので、発熱体が径方向に熱膨張または熱収縮しても発熱体およびケース体に応力が作用せず、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。さらに、流路を形成するための部材が不要となるため、部品点数を削減でき、組み立て時間を削減することができる。
【0013】
流路に連通する第1の流体口および第2の流体口がケース体に形成されてもよい。
【0014】
この場合、流路に連通する第1の流体口および第2の流体口がケース体に形成されているので、組み立て時間を削減することができる。
【0015】
ケース体の第1の流体口は発熱体の中心軸に対して扁心する位置に設けられてもよい。
【0016】
この場合、第1の流体口から供給された流体が発熱体の外周面に沿って円周方向に旋回するように流れる。それにより、発熱体の表面での攪拌効果により発熱体から流体への熱の伝達を効率よく行うことができる。その結果、高い熱交換効率を得ることができる。したがって、加熱装置の小型化が図れる。
【0017】
加熱装置は、ケース体の第2の流体口の近傍に設けられた温度検出器をさらに備えてもよい。
【0018】
この場合、第2の流体口から流出する洗浄水の温度を測定することができる。それにより発熱体により加熱された洗浄水の温度を適切に制御することができる。
【0019】
加熱装置は、第2の流体口に連通するように設けられた温度緩衝部をケース体
にさらに備えてもよい。
【0020】
この場合、発熱体により加熱された洗浄水の温度変動を抑制することができる。それにより、洗浄水の温度を一定にすることが可能となる。
【0021】
発熱体は、柱状に形成されてもよい。この場合、発熱体の構造が単純となるため製造が容易となる。また、熱膨張または熱収縮による変形がほぼ軸方向に限られる。したがって、熱膨張または熱収縮による発熱体の変形を第1および第2の保持部材に対する両端部の摺動により効果的に吸収することができる。
【0022】
発熱体は、シーズヒータを含んでもよい。この場合、破損し難い加熱装置を安価に作製することができる。
【0023】
発熱体は、セラミックヒータを含んでもよい。この場合、信頼性の高い加熱装置を作製することができる。
【0024】
発熱体は、略直線状の複数の発熱体を含み、複数の発熱体がケース体を貫通するように並列に設けられてもよい。
【0025】
この場合、発熱量の大きい加熱装置をコンパクトに形成することができるとともに、複数の発熱体の通電制御を行うことによりフリッカーノイズを低減することができる。
【0026】
第1および第2の保持部材は弾性体からなってもよい。この場合、発熱体の両端部近傍が、それぞれ弾性体からなる第1および第2の保持部材により保持される。それにより、発熱体の両端部が確実に摺動可能に保持される。その結果、発熱体は摺動可能に保持される。
【0027】
ケース体は、複数のケース部分が一体化されることにより形成されてもよい。この場合、加熱装置の組み立て時間を削減することができるとともに組み立てが容易になる。それにより、自動組み立てを行うことが可能となる。
【0028】
複数のケース部分は樹脂により形成され、溶着により接合されることにより一体化されてもよい。この場合、組み立て時間を削減することができるとともに低コスト化を図ることができる。
【0029】
加熱装置は、発熱体の過熱防止のための過熱防止器をさらに備えてもよい。この場合、発熱体が異常に過熱することが防止され、安全性が向上する。
【0030】
本発明の他の局面に従う衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体の被洗浄部に噴出する衛生洗浄装置であって、給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する加熱装置と、加熱装置により加熱された洗浄水を人体に噴出する噴出装置とを備え、加熱装置は、ケース体と、一端部および他端部を有し、ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、発熱体の一端部をケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、発熱体の他端部をケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えたものである。
【0031】
この衛生洗浄装置においては、給水源から供給される洗浄水が加熱装置により流動されつつ加熱され、噴出装置により加熱装置により加熱された洗浄水が人体に噴出される。
【0032】
この場合、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱が行われるので、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を蓄える貯水タンクが不要となるため、省スペース化が実現される。さらに、洗浄時間が長くなった場合でも、洗浄水の温度低下を防止することができる。
【0033】
また、この加熱装置においては、ケース体に貫通するように発熱体が設けられ、発熱体の一端部が第1の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持され、発熱体の他端部が第2の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持される。
【0034】
この場合、発熱体が軸方向に熱膨張または熱収縮した場合に一端部および他端部が第1および第2の保持部材に対して摺動する。それにより、発熱体およびケース体には応力が作用しないため、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施例の衛生洗浄装置について説明する。
【0036】
図1は本発明の実施例の衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
【0037】
図1に示すように、便器610上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器610内に洗浄水を供給する。
【0038】
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
【0039】
本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部200の制御部は、後述するように遠隔操作装置300により送信される信号に基づいて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400に内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御も行う。
【0040】
図2は図1の遠隔操作装置300の一例を示す模式図である。
【0041】
図2に示すように、遠隔操作装置300は、複数のLED(発光ダイオード)301、複数の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308を備える。
【0042】
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
【0043】
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。刺激スイッチ304を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺激を与える洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
【0044】
また、乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置100の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。
【0045】
使用者が、調整スイッチ302を押下操作することにより、図1の衛生洗浄装置100の本体部200のノズル部30の位置が変化したり、ノズル部30より噴出される洗浄水の温度が変化したり、ノズル部30より噴出される洗浄水の圧力が変化する。また、調整スイッチ302の押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301が点灯する。
【0046】
以下、本発明の一実施例の衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本発明の一実施例の衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
【0047】
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,サーモスタット12b、温度ヒューズ12c、ポンプ13、切替弁14およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
【0048】
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12bおよびポンプ13が介挿されている。
【0049】
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
【0050】
また、ポンプ13と切替弁14との間にはリリーフ管204が接続され、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、逃がし水配管205が接続されている。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。一方、定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
【0051】
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に測定流量値を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0052】
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。サーモスタット12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、所定の温度を超過した場合に、制御部4に温度超過信号を与える。制御部4は熱交換器11への電力供給を遮断する。温度ヒューズ12cは、熱交換器11のシーズヒータの温度を検知し、所定の温度を超過した場合に熱交換器11のシーズヒータへの電力供給を遮断する。
【0053】
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基づいて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つより洗浄水が噴出される。
【0054】
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、流量センサ10から与えられる測定流量値、温度センサ12aから与えられる温度測定値およびサーモスタット12bから与えられる温度超過信号に基づき止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
【0055】
図4は熱交換器11の構造の一例を示す平面図である。
【0056】
図4に示すように、熱交換器11は、主に直方体形状のケース本体部600、直線型シーズヒータ505aおよび505b、プレートP1,P2および端面部材600a,600bから構成される。
【0057】
熱交換器11のケース本体部600の一端側の上面には、配管202から供給される洗浄水を受け入れるための洗浄水入口511および加熱された洗浄水をポンプ13に送り出すための洗浄水出口512が設けられる。
【0058】
また、洗浄水出口512の近くには、温度センサ12aおよびサーモスタット12bが設けられる。また、シーズヒータ505aの他端側に温度ヒューズ12cが設けられる。
【0059】
ケース本体部600の両端面には、それぞれプレートP1,P2を介して端面部材600a,600bが取り付けられる。それにより、後述するケース本体部600の両端の開口部とシーズヒータ505a,505bとの隙間が閉塞される。
【0060】
次に、図5は、図4に示す熱交換器11の内部構造を説明するための図である。図5(a)は、図4の熱交換器11のX−X線断面を示し、図5(b)は、図5(a)の熱交換器11のY−Y線断面を示し、図5(c)は、図5(a)の熱交換器11のZ1−Z1線断面を示し、図5(d)は、図5(a)の熱交換器11のZ2−Z2線断面を示す。
【0061】
ケース本体部600の内部に貫通するように直線型シーズヒータ505a,505bが略平行に配置される。シーズヒータ505a,505bの外周面とケース本体部600との間には、円筒状の空間510a,510bがそれぞれ形成されている。また、円筒状の空間510a,510bを連通させる空間510cが設けられている。
【0062】
ケース本体部600の両端面とプレートP1,P2との間にそれぞれOリングP3,P4が設けられ、端面部材600a,600bとプレートP1,P2との間にOリングP5,P6が設けられている。それにより、ケース本体部600の両端面と端面部材600a,600bとの接合部から洗浄水が流出することが防止される。
【0063】
また、シーズヒータ505a,505bの外周面の両端部近傍は弾性保持部材P5,P6によりそれぞれ軸方向に可動に保持されている。ここで、軸方向に可動に保持された状態とは、例えばゴムからなる弾性保持部材P5,P6のたわみによりシーズヒータ505a,505bが軸方向に可動に保持されている状態、またはゴムからなる弾性保持部材P5,P6の表面とシーズヒータ505a,505bの表面との摺動によりシーズヒータ505a,505bが軸方向に可動に保持されている状態がある。シーズヒータ505a,505bの外周面の両端部近傍は、発熱体として用いられるニクロム線の部分ではなく、ニクロム線に接続された金属端子の部分に相当する。そのため、シーズヒータ505a,505bの両端部近傍は高温とならない。したがって、弾性保持部材P5,P6が溶融することはない。
【0064】
図3の制御部4は、温度センサ12aより与えられる温度測定値に基づいて、熱交換器11のシーズヒータ505a,505bの温度をフィードバック制御する。円筒状の空間510bには、サーモスタット12bの検知部が挿入されている。制御部4は、サーモスタット12bより与えられる温度超過信号に基づいて、熱交換器11のシーズヒータ505a,505bへの電力供給およびその遮断を制御する。
【0065】
温度ヒューズ12cは、シーズヒータ505bの温度が、所定の温度を超過した場合、シーズヒータ505a,505bへの電力供給を遮断する。温度センサ12aは洗浄水出口512の近くに設けられているので、おしりノズル1に供給される洗浄水の温度を正確に制御することができる。さらに、シーズヒータ505a,505bが異常に過熱することが防止され、安全性が向上する。
【0066】
また、制御部4がサーモスタット12bも温度センサ12aと同じように洗浄水出口512の近くに設けられるので、おしりノズル1に供給される洗浄水の温度を正確に制御することができる。
【0067】
洗浄水が、図5(c)の熱交換器11の一端側に設けられた洗浄水入口511からシーズヒータ505aの周囲に形成された円筒状の空間510aに供給される。ここで、洗浄水入口511は、円筒状の空間510aの軸心に対して扁心した位置に設けられている。そのため、洗浄水は、円筒状の空間510a内のシーズヒータ505aの外周面に沿って円周方向に流れる。それにより、シーズヒータ505aからの熱を効率よく洗浄水に伝達することが可能となる。
【0068】
また、図5(d)に示すように、空間510cが円筒状の空間510a,510bの軸心に対して扁心した位置に設けられている。そのため、円筒状の空間510aを流れる洗浄水が、円筒状の空間510b内のシーズヒータ505bの外周面に沿って円周方向に流れる。それにより、シーズヒータ505a,505bの表面での攪拌効果によりシーズヒータ505a,505bから流体への熱の伝達を効率よく行うことができる。それにより、シーズヒータ505bからの熱を効率よく洗浄水に伝達することが可能となる。
【0069】
円筒状の空間510a中を流れる間に、シーズヒータ505aにより効率よく加熱された洗浄水は、空間510cを通ってシーズヒータ505bの周囲の空間510bに供給される。そして、円筒状の空間510b中を流れる間に、シーズヒータ505bによりさらに効率よく加熱された洗浄水は、洗浄水出口512から排出される。
【0070】
この場合、シーズヒータ505a,505bが軸方向に熱膨張または熱収縮した場合でも、熱膨張または熱収縮による変形がほぼ軸方向に限られる。したがって、熱膨張または熱収縮によるシーズヒータ505a,505bの変形を弾性保持部材P5,P6に対する両端部の摺動により効果的に吸収することができる。それにより、シーズヒータ505a,505bおよび直方体形状のケース本体部600には応力が作用しないため、シーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600の破損および変形が防止される。
【0071】
また、シーズヒータ505a,505bの外周部が直方体形状のケース本体部600に接触していないので、シーズヒータ505a,505bが径方向に熱膨張または熱収縮してもシーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600に応力が作用せず、シーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600の破損および変形が防止される。
【0072】
なお、本実施例では、制御部4がフィードバック制御により熱交換器11のシーズヒータ505a,505bの温度を制御することとしたが、これに限定されず、フィードフォワード制御によりシーズヒータ505a,505bの温度を制御してもよく、あるいは、温度上昇時にはフィードフォワード制御によりシーズヒータ505aおよび505bを制御し、正常時には、フィードバック制御によりシーズヒータ505aおよび505bを制御する複合的な制御を行ってもよい。
【0073】
さらに、複数のシーズヒータ505a,505bの通電量をトライアック素子により制御してもよい。例えば、複数のシーズヒータ505a,505bに応じてデューティ比を設定し、そのデューティ比に応じて交互に通電するよう制御してもよい。その結果、フリッカーノイズ等の発生を抑制することが可能となる。
【0074】
なお、本実施例においては、安価で破損し難い2本の直線型シーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、他の任意の数の直線型シーズヒータを用いてもよい。さらに、本実施例においては、円柱状のシーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、三角柱、四角柱または多角柱状のシーズヒータを用いてもよい。
【0075】
また、本実施例においては、シーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、シーズヒータ505a,505bと同様の円筒状の形状を有するセラミックヒータを用いてもよい。
【0076】
次に、図6は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面図である。図6(a)は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面であり、図6(b)は、図6(a)の熱交換器のY-Y線断面を示し、図6(c)は、図6(a)の熱交換器のZ-Z線断面を示す。図6に示す熱交換器11aが図5に示す熱交換器11と異なるのは以下の点である。
【0077】
図6に示すように、円筒状の空間510bと洗浄水出口512との間に温度緩衝部504aが直方体形状のケース本体部600と一体的に形成されている。それにより、円筒状の空間510a,510bおよび510cにおいて加熱された洗浄水が温度緩衝部504aに一時的に蓄えられることにより、温度変動が抑制された洗浄水をポンプ13に与えることができる。
【0078】
次に、図7は、熱交換器のさらに他の例を示す分解斜視図である。
【0079】
図7に示すように、熱交換器11bは、上ケース本体部600c、下ケース本体部600d、弾性保持部材であるOリングP5,P6、プレートP1,P2およびシーズヒータ505a,505bにより構成される。
【0080】
図7に示すように、シーズヒータ505aおよび505bにプレートP1,P2およびOリングP5,P6を装着し、シーズヒータ505a,505bを上ケース本体部600cと下ケース本体部600dとで挟み込む。その後、超音波溶着器Hを用いて上ケース本体部600cと下ケース本体部600dとを溶着する。
【0081】
この場合、上ケース本体部600cおよび下ケース本体部600dは、超音波溶着が可能な耐熱性樹脂により形成される。例えば、アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンからなるABS樹脂とガラス強化繊維とを含む熱可塑性樹脂であってもよい。
【0082】
それにより、容易に熱交換器11aの組み立て時間を削減することができるとともに組み立てが容易になる。また、自動組み立てを行うことが可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0083】
図8はポンプ13の構造の一例を示す断面図である。図8のポンプは複動型レシプロポンプである。
【0084】
図8において、本体部138内には、円柱状空間139が形成されている。円柱状空間139内には圧送ピストン136が設けられている。圧送ピストン136の外周部には、X字パッキン136aが装着されている。圧送ピストン136により円柱状空間139がポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。本体部138の一側部には洗浄水入口PIが設けられ、他側部には洗浄水出口POが設けられている。洗浄水入口PIには図3の配管203を介して熱交換器11が接続され、洗浄水出口POには配管203を介して切替弁14が接続される。
【0085】
洗浄水入口PIは、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに連通するとともに、内部流路P2、小室S2および小室S4を介してポンプ室139bに連通している。
【0086】
ポンプ室139aは、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POに連通している。ポンプ室139bは、小室S6、小室S8および内部流路P4を介して洗浄水出口POに連通している。
【0087】
小室S3、小室S4、小室S7および小室S8には、それぞれアンブレラパッキン137が設けられている。
【0088】
モータ130の回転軸にギア131が取り付けられ、ギア131にギア132が噛合っている。また、ギア132には、クランクシャフト133の一端が一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト133の他端には、ピストン保持部134およびピストン保持棒135を介して圧送ピストン136が取り付けられている。
【0089】
図3の制御部4により与えられる制御信号に基づいて、モータ130の回転軸が回転すると、モータ130の回転軸に取り付けられたギア131が矢印R1の方向に回転し、ギア132が矢印R2の方向に回転する。これにより、圧送ピストン136が図中の矢印Zの方向に上下運動する。
【0090】
図9はアンブレラパッキン137の動作を説明するための模式図である。例えば、図8の圧送ピストン136が、下方向に移動し、ポンプ室139aの容積を増加させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(b)に示すように変形する。その結果、洗浄水入口PIから供給された洗浄水が、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに流入する。この場合、小室S7の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、洗浄水がポンプ室139a内へ流入したり、逆に洗浄水出口POより吐出されることもない。
【0091】
一方、図8の圧送ピストン136が、上方向に移動し、ポンプ室139aの容積を減少させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が高くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(a)に示す状態のまま変形しない。その結果、小室S1内の洗浄水が、ポンプ室139aに流入しない。この場合、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(b)に示すように変形する。そのため、ポンプ室139a内の洗浄水が、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POから吐出される。
【0092】
なお、小室S4内に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図9(b)に示すように変形し、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図9(a)に示す状態のまま変形しない。一方、小室S8に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図9(a)に示す状態のまま変形せず、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図9(b)に示すように変形する。それにより、ポンプ室139a内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出されるときに、ポンプ室139b内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入し、ポンプ室139a内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入するときに、ポンプ室139b内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出される。
【0093】
図10は図8のポンプ13の各部の圧力変化を示す図である。図10の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0094】
図10に示すように、ポンプ13の洗浄水入口PIに圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図9の圧送ピストン136が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力Paは、点線のように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の圧力Pbは、破線のように変化する。ポンプ13の洗浄水出口POより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pcを中心として上下に周期的に変化する。
【0095】
このように、ポンプ13においては、圧送ピストン136が上下運動を行うことにより、ポンプ室139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交互に圧力が加えられ、洗浄水入口PIの洗浄水が昇圧されて洗浄水出口POから吐出される。
【0096】
図11(a)は切替弁14の縦断面図であり、図11(b)は図11(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図11(c)は図11(a)の切替弁14のB−B線断面図である。
【0097】
図11に示す切替弁14は、モータ141、内筒142および外筒143により構成される。
【0098】
外筒143内に内筒142が挿入され、モータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。モータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて回転動作を行う。モータ141が回転することにより内筒142が回転する。
【0099】
図11(a),(b),(c)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142fが設けられている。孔142eの周辺には、図11(b)に示すように、面取り部が形成されている。内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっている。
【0100】
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、おしりノズル1が接続され、洗浄水出口143cには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143dには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
【0101】
図12は図11の切替弁14の動作を示す断面図である。
【0102】
図12(a)に示すように、モータ141が回転せず、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143dと同じ側にある場合、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143b,143cのいずれにも対向せず、かつ内筒142の孔142fが外筒143の洗浄水出口143dに対向しない。したがって、洗浄水が洗浄水出口143b,143c,143dのいずれからも流出しない。
【0103】
次に、図12(b)に示すように、モータ141が内筒142を45度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから流出する。
【0104】
また、図12(c)に示すように、モータ141が内筒142を90度回転させた場合には、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143bから流出する。
【0105】
さらに、モータ141が内筒142を270度回転させた場合には、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して洗浄水出口143cから流出する。
【0106】
また、モータ141が内筒142を180度回転させた場合には、内筒142の孔142fが外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して洗浄水出口143dから流出する。
【0107】
以上のように、制御部4からの制御信号に基づいてモータ141が回転することにより内筒142の孔142e,142fのいずれかが外筒143の洗浄水出口143b〜143dのいずれかに対向した場合には洗浄水が流出し、内筒142の孔142e,142fのいずれもが外筒143の洗浄水出口143b〜143dのいずれにも対向しない場合には洗浄水が流出しない。
【0108】
次に、図3のノズル部30のおしりノズル1について説明する。図13は図3のノズル部30のおしりノズル1の断面図である。なお、図3のノズル部30のビデノズル2の構成および動作は図13のおしりノズル1と同様である。
【0109】
図13に示すように、おしりノズル1は、円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シールパッキン22およびスプリング23により構成される。
【0110】
ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26が設けられている。また、ストッパ部26には、シールパッキン22が装着されている。ピストン部20の内部には、後端面から噴出孔25に連通する流路27が形成されている。
【0111】
一方、シリンダ部21は、先端側の径小部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と径大部分との間に、ストッパ部26がシールパッキン22を介して当接可能なストッパ面21bが形成されている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24が設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28となる。洗浄水入口24は、シリンダ部21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24は、図3の切替弁14の洗浄水出口143bに接続されている。
【0112】
ピストン部20は、ストッパ部26が温度変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入されて
いる。
【0113】
さらに、スプリング23は、ピストン部20のストッパ部26とシリンダ部21の開口部21aの周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。
【0114】
ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0115】
次いで、図13のおしりノズル1の動作について説明する。図14は図13のおしりノズル1の動作を説明するための断面図である。
【0116】
まず、図14(a)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水が供給されない場合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ部21の開口部21aより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部28が形成されない。
【0117】
次いで、図14(b)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部28が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が流入する。
【0118】
洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部は、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出される。
【0119】
ピストン部20がさらに前進すると、図14(c)に示すように、ストッパ部26がシールパッキン22を介してシリンダ部21のストッパ面21bに水密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間からピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。したがって、温度変動緩衝部28の洗浄水が、ピストン部20内の流路27を通して噴出孔25のみから噴出される。
【0120】
上記のように、図3の熱交換器11から供給される洗浄水がシリンダ部21内の温度変動緩衝部28内に貯えられた後に、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出されるので、温度変動緩衝部28内で洗浄水の温度変動が緩衝される。それにより、噴出孔25から噴出される洗浄水の温度変動が平滑化されて急激な温度変動が抑制される。
【0121】
特に、洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28内で洗浄水が渦巻状に還流する。それにより、洗浄水の温度変動が効果的に緩衝される。したがって、温度変動緩衝部28の容積が小さい場合でも、洗浄水の温度変動の高い緩衝効果が得られる。
【0122】
図15は洗浄開始時において熱交換器11から排出される洗浄水およびおしりノズル1から噴出される洗浄水の温度変化を示す図であり、図16は熱交換器11において瞬間的な温度変動が発生した場合に熱交換器11から排出される洗浄水およびおしりノズル1から噴出される洗浄水の温度変化を示す図である。
【0123】
図15および図16においては、縦軸が洗浄水の温度を示し、横軸が時間を示す。また、図15および図16においては、破線が熱交換器11の排出口512から排出される洗浄水の温度T1を示し、実線がおしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2を示す。
【0124】
洗浄開始時に、図15に示すように、熱交換器11の排出口512から排出された洗浄水の温度T1は、設定温度Tqを超過して、大きくオーバーシュートを起こす。そして、一定時間Tc2経過後、ほぼ設定温度Tqで安定する。一方、温度変動緩衝部28により温度変動が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2は、時間Tc2よりも短い時間Tc1においてほぼ設定温度Tqで安定する。
【0125】
熱交換器11の温度が瞬間的に大きく変動すると、図16に示すように、熱交換器11の排出口512から排出された洗浄水の温度T1が瞬間的に大きく変動する。この場合、熱交換器11の排出口512から排出される洗浄水の温度は、制御部4の制御による応答遅れ時間T経過後、ほぼ設定温度Tqで安定する。
【0126】
一方、温度変動緩衝部28により温度変動が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2は、ほとんど変化せず、ほぼ設定温度Tqで安定している。
【0127】
なお、熱交換器11により加熱された洗浄水に突発的な温度上昇が生じても、おしりノズル1の噴出孔25から高温水が噴出することを確実に防止するためには、シリンダ部21内の温度変動緩衝部28の容積を、制御部4の応答遅れ時間Tと、単位時間当りに配管203内を流れる洗浄水の最大流量Qmaxとの積以上に設定することが好ましい。ここで、応答遅れ時間Tは、熱交換器11により加熱された洗浄水の温度が所定値以上に上昇してから、温度センサ12bが熱交換器11から排出される洗浄水の温度を検出し、制御部4の制御により止水電磁弁9が洗浄水の供給を停止するまでの時間である。
【0128】
以上のことにより、本実施例の熱交換器11,11a,11bにおいては、発熱体が熱膨張または熱収縮した場合でも発熱体およびケース体の変形および破損を防止することができる。
【0129】
また、本実施例の熱交換器11,11a,11bを用いた衛生洗浄装置100においては、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱が行われるので、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を蓄える貯水タンクが不要となるため、省スペース化が実現される。
【0130】
また、衛生洗浄装置100の不使用時には、熱交換器11に電力を供給する必要がないので消費電力が低減される。さらに、熱交換器11の円筒状の空間510a,510bおよび510cに洗浄水を流しつつ加熱するので、洗浄水の使用量が多い場合でも洗浄水の温度の低下が生じない。
【0131】
また、洗浄水を貯留した状態で長時間保温する必要がないので、衛生洗浄装置100の使用時に、常に新鮮な洗浄水を噴出することができる。したがって、衛生上好ましい。
【0132】
なお、本実施例においては、熱交換器11,11a,11bを瞬間加熱式衛生洗浄装置に用いる場合について説明したが、これに限定されず、貯湯式衛生洗浄装置に用いてもよい。
【0133】
本実施例においては、直方体形状のケース本体部600、端面部材600a,600b、上ケース本体部600c、下ケース本体部600dがケース体に相当し、シーズヒータ505a,505bが発熱体に相当し、弾性保持部材であるOリングP5が第1の保持部材に相当し、弾性保持部材であるOリングP6が第2の保持部材に相当し、円筒状の空間510a,510b,510cが流動可能な流路に相当し、洗浄水入口511が第1の流体口に相当し、洗浄水出口512が第2の流体口に相当し、温度センサ12aが温度検出器に相当し、温度緩衝部504aが温度緩衝部に相当し、弾性保持部材P5,P6が第1の弾性体および第2の弾性体に相当し、サーモスタット12bまたは温度ヒューズ12cが過熱防止器に相当し、熱交換器11,11a,11bが加熱装置に相当し、おしりノズル1、ビデノズル2、ノズル洗浄用ノズル3およびノズル部30が噴出装置に相当する。
【0134】
なお、本実施例においては、ポンプ13として、複動型レシプロポンプを用いる場合について説明したが、これに限定されず、回転型ポンプまたは他の往復型ポンプを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】 図1は、本発明の実施例の衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図、
【図2】 図2は、図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図、
【図3】 図3は、本発明の一実施例の衛生洗浄装置の本体部の構成を示す模式図、
【図4】 図4は、熱交換器の構造の一例を示す平面図、
【図5】 図5は、図4に示す熱交換器の内部構造を説明するための図、
【図6】 図6は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面図、
【図7】 図7は、熱交換器のさらに他の例を示す分解斜視図、
【図8】 図8は、ポンプの構造の一例を示す断面図、
【図9】 図9は、アンブレラパッキンの動作を説明するための模式図、
【図10】 図10は、図8のポンプの各部の圧力変化を示す図、
【図11】 図11は、切替弁の縦断面図であり、(b)は(a)の切替弁のA−A線断面図であり、(c)は(a)の切替弁のB−B線断面図、
【図12】 図12は、図11の切替弁の動作を示す断面図、
【図13】 図13は、図3のノズル部のおしりノズルの断面図、
【図14】 図14は、図13のおしりノズルの動作を説明するための断面図、
【図15】 図15は、洗浄開始時において熱交換器から排出される洗浄水およびおしりノズルから噴出される洗浄水の温度変化を示す図、
【図16】 図16は、熱交換器において瞬間的な温度変動が発生した場合に熱交換器から排出される洗浄水およびおしりノズルから噴出される洗浄水の温度変化を示す図
である。
【書類名】 明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置およびそれを備えた衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、人体に不快感を与えないようにするため洗浄に用いる洗浄水を適切な温度に調整する加熱装置が備えられている。このような加熱装置には、主に貯湯式衛生洗浄装置または瞬間加熱式衛生洗浄装置がある。
【0003】
貯湯式衛生洗浄装置は、予め所定量の洗浄水を貯えるとともに内蔵した加熱ヒータにより洗浄水を所定の温度に加熱する温水タンクを備え、人体の局部を洗浄する際に、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の水道圧を利用するか、もしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
【0004】
この貯湯式衛生洗浄装置においては、人体の局部を洗浄する際まで、予め温水タンク内の洗浄水を所定の温度に維持し続けなければならない。そのため、加熱装置に常時電力を供給する必要があることから消費電力が大きくなる。また、複数の人が連続して局部を洗浄し、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の量以上を使用した際、温水タンク内の洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えてしまう。
【0005】
一方、瞬間加熱式衛生洗浄装置は、人体の局部を洗浄する際に、洗浄水を昇温速度に優れたセラミックヒータ等の加熱装置により所定の温度に瞬間的に加熱し、水道圧を利用するかもしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
【0006】
そのため、瞬間加熱式衛生洗浄装置においては、予め洗浄水を所定の温度に維持し続ける必要がなく、使用時のみ加熱装置に電力を供給すればよいので消費電力を抑制することができる。また、長時間の洗浄や、トイレの連続使用等により多量の洗浄水を人体の局部の洗浄に用いた際でも、洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えることを防止することができる(特開平10−160249号公報参照)。
【0007】
通常、加熱装置は、発熱体がケース体内に保持された構造を有する。このような加熱装置を用いて洗浄水を瞬間的に加熱する場合には、発熱体が瞬間的に熱膨張し、加熱終了後に熱収縮する。それにより、ケース体に瞬間的に大きな応力が加わることとなる。その結果、発熱体またはケース体が破損または変形するおそれがある。
【発明の開示】
本発明の目的は、発熱体が熱膨張または熱収縮した場合でも発熱体およびケース体の変形および破損が防止された加熱装置およびそれを用いた衛生洗浄装置を提供することである。
【0008】
本発明の一局面に従う加熱装置は、ケース体と、一端部および他端部を有し、ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、発熱体の一端部をケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、発熱体の他端部をケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えたものである。
【0009】
この加熱装置においては、ケース体に貫通するように発熱体が設けられ、発熱体の一端部が第1の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持され、発熱体の他端部が第2の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持される。
【0010】
この場合、発熱体が軸方向に熱膨張または熱収縮した場合に一端部および他端部が第1および第2の保持部材に対して摺動する。それにより、発熱体およびケース体には応力が作用しないため、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。
【0011】
ケース体と発熱体の外周面との間に流体が流動可能な流路が形成されてもよい。
【0012】
この場合、ケース体と発熱体の外周面との間に流体が流動することにより、流体と発熱体との接触面積が大きくなる。それにより、流体が効率よく加熱される。また、発熱体の外周部がケース体に接触していないので、発熱体が径方向に熱膨張または熱収縮しても発熱体およびケース体に応力が作用せず、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。さらに、流路を形成するための部材が不要となるため、部品点数を削減でき、組み立て時間を削減することができる。
【0013】
流路に連通する第1の流体口および第2の流体口がケース体に形成されてもよい。
【0014】
この場合、流路に連通する第1の流体口および第2の流体口がケース体に形成されているので、組み立て時間を削減することができる。
【0015】
ケース体の第1の流体口は発熱体の中心軸に対して扁心する位置に設けられてもよい。
【0016】
この場合、第1の流体口から供給された流体が発熱体の外周面に沿って円周方向に旋回するように流れる。それにより、発熱体の表面での攪拌効果により発熱体から流体への熱の伝達を効率よく行うことができる。その結果、高い熱交換効率を得ることができる。したがって、加熱装置の小型化が図れる。
【0017】
加熱装置は、ケース体の第2の流体口の近傍に設けられた温度検出器をさらに備えてもよい。
【0018】
この場合、第2の流体口から流出する洗浄水の温度を測定することができる。それにより発熱体により加熱された洗浄水の温度を適切に制御することができる。
【0019】
加熱装置は、第2の流体口に連通するように設けられた温度緩衝部をケース体にさらに備えてもよい。
【0020】
この場合、発熱体により加熱された洗浄水の温度変動を抑制することができる。それにより、洗浄水の温度を一定にすることが可能となる。
【0021】
発熱体は、柱状に形成されてもよい。この場合、発熱体の構造が単純となるため製造が容易となる。また、熱膨張または熱収縮による変形がほぼ軸方向に限られる。したがって、熱膨張または熱収縮による発熱体の変形を第1および第2の保持部材に対する両端部の摺動により効果的に吸収することができる。
【0022】
発熱体は、シーズヒータを含んでもよい。この場合、破損し難い加熱装置を安価に作製することができる。
【0023】
発熱体は、セラミックヒータを含んでもよい。この場合、信頼性の高い加熱装置を作製することができる。
【0024】
発熱体は、略直線状の複数の発熱体を含み、複数の発熱体がケース体を貫通するように並列に設けられてもよい。
【0025】
この場合、発熱量の大きい加熱装置をコンパクトに形成することができるとともに、複数の発熱体の通電制御を行うことによりフリッカーノイズを低減することができる。
【0026】
第1および第2の保持部材は弾性体からなってもよい。この場合、発熱体の両端部近傍が、それぞれ弾性体からなる第1および第2の保持部材により保持される。それにより、発熱体の両端部が確実に摺動可能に保持される。その結果、発熱体は摺動可能に保持される。
【0027】
ケース体は、複数のケース部分が一体化されることにより形成されてもよい。この場合、加熱装置の組み立て時間を削減することができるとともに組み立てが容易になる。それにより、自動組み立てを行うことが可能となる。
【0028】
複数のケース部分は樹脂により形成され、溶着により接合されることにより一体化されてもよい。この場合、組み立て時間を削減することができるとともに低コスト化を図ることができる。
【0029】
加熱装置は、発熱体の過熱防止のための過熱防止器をさらに備えてもよい。この場合、発熱体が異常に過熱することが防止され、安全性が向上する。
【0030】
本発明の他の局面に従う衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体の被洗浄部に噴出する衛生洗浄装置であって、給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する加熱装置と、加熱装置により加熱された洗浄水を人体に噴出する噴出装置とを備え、加熱装置は、ケース体と、一端部および他端部を有し、ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、発熱体の一端部をケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、発熱体の他端部をケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えたものである。
【0031】
この衛生洗浄装置においては、給水源から供給される洗浄水が加熱装置により流動されつつ加熱され、噴出装置により加熱装置により加熱された洗浄水が人体に噴出される。
【0032】
この場合、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱が行われるので、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を蓄える貯水タンクが不要となるため、省スペース化が実現される。さらに、洗浄時間が長くなった場合でも、洗浄水の温度低下を防止することができる。
【0033】
また、この加熱装置においては、ケース体に貫通するように発熱体が設けられ、発熱体の一端部が第1の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持され、発熱体の他端部が第2の保持部材によりケース体に軸方向に可動に保持される。
【0034】
この場合、発熱体が軸方向に熱膨張または熱収縮した場合に一端部および他端部が第1および第2の保持部材に対して摺動する。それにより、発熱体およびケース体には応力が作用しないため、発熱体およびケース体の破損および変形が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施例の衛生洗浄装置について説明する。
【0036】
図1は本発明の実施例の衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
【0037】
図1に示すように、便器610上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器610内に洗浄水を供給する。
【0038】
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
【0039】
本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部200の制御部は、後述するように遠隔操作装置300により送信される信号に基づいて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400に内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御も行う。
【0040】
図2は図1の遠隔操作装置300の一例を示す模式図である。
【0041】
図2に示すように、遠隔操作装置300は、複数のLED(発光ダイオード)301、複数の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308を備える。
【0042】
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
【0043】
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。刺激スイッチ304を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺激を与える洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
【0044】
また、乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置100の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。
【0045】
使用者が、調整スイッチ302を押下操作することにより、図1の衛生洗浄装置100の本体部200のノズル部30の位置が変化したり、ノズル部30より噴出される洗浄水の温度が変化したり、ノズル部30より噴出される洗浄水の圧力が変化する。また、調整スイッチ302の押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301が点灯する。
【0046】
以下、本発明の一実施例の衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本発明の一実施例の衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
【0047】
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,サーモスタット12b、温度ヒューズ12c、ポンプ13、切替弁14およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
【0048】
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12bおよびポンプ13が介挿されている。
【0049】
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
【0050】
また、ポンプ13と切替弁14との間にはリリーフ管204が接続され、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、逃がし水配管205が接続されている。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。一方、定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
【0051】
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に測定流量値を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0052】
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。サーモスタット12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、所定の温度を超過した場合に、制御部4に温度超過信号を与える。制御部4は熱交換器11への電力供給を遮断する。温度ヒューズ12cは、熱交換器11のシーズヒータの温度を検知し、所定の温度を超過した場合に熱交換器11のシーズヒータへの電力供給を遮断する。
【0053】
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基づいて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つより洗浄水が噴出される。
【0054】
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、流量センサ10から与えられる測定流量値、温度センサ12aから与えられる温度測定値およびサーモスタット12bから与えられる温度超過信号に基づき止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
【0055】
図4は熱交換器11の構造の一例を示す平面図である。
【0056】
図4に示すように、熱交換器11は、主に直方体形状のケース本体部600、直線型シーズヒータ505aおよび505b、プレートP1,P2および端面部材600a,600bから構成される。
【0057】
熱交換器11のケース本体部600の一端側の上面には、配管202から供給される洗浄水を受け入れるための洗浄水入口511および加熱された洗浄水をポンプ13に送り出すための洗浄水出口512が設けられる。
【0058】
また、洗浄水出口512の近くには、温度センサ12aおよびサーモスタット12bが設けられる。また、シーズヒータ505aの他端側に温度ヒューズ12cが設けられる。
【0059】
ケース本体部600の両端面には、それぞれプレートP1,P2を介して端面部材600a,600bが取り付けられる。それにより、後述するケース本体部600の両端の開口部とシーズヒータ505a,505bとの隙間が閉塞される。
【0060】
次に、図5は、図4に示す熱交換器11の内部構造を説明するための図である。図5(a)は、図4の熱交換器11のX−X線断面を示し、図5(b)は、図5(a)の熱交換器11のY−Y線断面を示し、図5(c)は、図5(a)の熱交換器11のZ1−Z1線断面を示し、図5(d)は、図5(a)の熱交換器11のZ2−Z2線断面を示す。
【0061】
ケース本体部600の内部に貫通するように直線型シーズヒータ505a,505bが略平行に配置される。シーズヒータ505a,505bの外周面とケース本体部600との間には、円筒状の空間510a,510bがそれぞれ形成されている。また、円筒状の空間510a,510bを連通させる空間510cが設けられている。
【0062】
ケース本体部600の両端面とプレートP1,P2との間にそれぞれOリングP3,P4が設けられ、端面部材600a,600bとプレートP1,P2との間にOリングP5,P6が設けられている。それにより、ケース本体部600の両端面と端面部材600a,600bとの接合部から洗浄水が流出することが防止される。
【0063】
また、シーズヒータ505a,505bの外周面の両端部近傍は弾性保持部材P5,P6によりそれぞれ軸方向に可動に保持されている。ここで、軸方向に可動に保持された状態とは、例えばゴムからなる弾性保持部材P5,P6のたわみによりシーズヒータ505a,505bが軸方向に可動に保持されている状態、またはゴムからなる弾性保持部材P5,P6の表面とシーズヒータ505a,505bの表面との摺動によりシーズヒータ505a,505bが軸方向に可動に保持されている状態がある。シーズヒータ505a,505bの外周面の両端部近傍は、発熱体として用いられるニクロム線の部分ではなく、ニクロム線に接続された金属端子の部分に相当する。そのため、シーズヒータ505a,505bの両端部近傍は高温とならない。したがって、弾性保持部材P5,P6が溶融することはない。
【0064】
図3の制御部4は、温度センサ12aより与えられる温度測定値に基づいて、熱交換器11のシーズヒータ505a,505bの温度をフィードバック制御する。円筒状の空間510bには、サーモスタット12bの検知部が挿入されている。制御部4は、サーモスタット12bより与えられる温度超過信号に基づいて、熱交換器11のシーズヒータ505a,505bへの電力供給およびその遮断を制御する。
【0065】
温度ヒューズ12cは、シーズヒータ505bの温度が、所定の温度を超過した場合、シーズヒータ505a,505bへの電力供給を遮断する。温度センサ12aは洗浄水出口512の近くに設けられているので、おしりノズル1に供給される洗浄水の温度を正確に制御することができる。さらに、シーズヒータ505a,505bが異常に過熱することが防止され、安全性が向上する。
【0066】
また、制御部4がサーモスタット12bも温度センサ12aと同じように洗浄水出口512の近くに設けられるので、おしりノズル1に供給される洗浄水の温度を正確に制御することができる。
【0067】
洗浄水が、図5(c)の熱交換器11の一端側に設けられた洗浄水入口511からシーズヒータ505aの周囲に形成された円筒状の空間510aに供給される。ここで、洗浄水入口511は、円筒状の空間510aの軸心に対して扁心した位置に設けられている。そのため、洗浄水は、円筒状の空間510a内のシーズヒータ505aの外周面に沿って円周方向に流れる。それにより、シーズヒータ505aからの熱を効率よく洗浄水に伝達することが可能となる。
【0068】
また、図5(d)に示すように、空間510cが円筒状の空間510a,510bの軸心に対して扁心した位置に設けられている。そのため、円筒状の空間510aを流れる洗浄水が、円筒状の空間510b内のシーズヒータ505bの外周面に沿って円周方向に流れる。それにより、シーズヒータ505a,505bの表面での攪拌効果によりシーズヒータ505a,505bから流体への熱の伝達を効率よく行うことができる。それにより、シーズヒータ505bからの熱を効率よく洗浄水に伝達することが可能となる。
【0069】
円筒状の空間510a中を流れる間に、シーズヒータ505aにより効率よく加熱された洗浄水は、空間510cを通ってシーズヒータ505bの周囲の空間510bに供給される。そして、円筒状の空間510b中を流れる間に、シーズヒータ505bによりさらに効率よく加熱された洗浄水は、洗浄水出口512から排出される。
【0070】
この場合、シーズヒータ505a,505bが軸方向に熱膨張または熱収縮した場合でも、熱膨張または熱収縮による変形がほぼ軸方向に限られる。したがって、熱膨張または熱収縮によるシーズヒータ505a,505bの変形を弾性保持部材P5,P6に対する両端部の摺動により効果的に吸収することができる。それにより、シーズヒータ505a,505bおよび直方体形状のケース本体部600には応力が作用しないため、シーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600の破損および変形が防止される。
【0071】
また、シーズヒータ505a,505bの外周部が直方体形状のケース本体部600に接触していないので、シーズヒータ505a,505bが径方向に熱膨張または熱収縮してもシーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600に応力が作用せず、シーズヒータ505a,505bおよびケース本体部600の破損および変形が防止される。
【0072】
なお、本実施例では、制御部4がフィードバック制御により熱交換器11のシーズヒータ505a,505bの温度を制御することとしたが、これに限定されず、フィードフォワード制御によりシーズヒータ505a,505bの温度を制御してもよく、あるいは、温度上昇時にはフィードフォワード制御によりシーズヒータ505aおよび505bを制御し、正常時には、フィードバック制御によりシーズヒータ505aおよび505bを制御する複合的な制御を行ってもよい。
【0073】
さらに、複数のシーズヒータ505a,505bの通電量をトライアック素子により制御してもよい。例えば、複数のシーズヒータ505a,505bに応じてデューティ比を設定し、そのデューティ比に応じて交互に通電するよう制御してもよい。その結果、フリッカーノイズ等の発生を抑制することが可能となる。
【0074】
なお、本実施例においては、安価で破損し難い2本の直線型シーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、他の任意の数の直線型シーズヒータを用いてもよい。さらに、本実施例においては、円柱状のシーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、三角柱、四角柱または多角柱状のシーズヒータを用いてもよい。
【0075】
また、本実施例においては、シーズヒータ505a,505bを用いているが、これに限定されず、シーズヒータ505a,505bと同様の円筒状の形状を有するセラミックヒータを用いてもよい。
【0076】
次に、図6は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面図である。図6(a)は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面であり、図6(b)は、図6(a)の熱交換器のY-
Y線断面を示し、図6(c)は、図6(a)の熱交換器のZ-Z線断面を示す。図6に示
す熱交換器11aが図5に示す熱交換器11と異なるのは以下の点である。
【0077】
図6に示すように、円筒状の空間510bと洗浄水出口512との間に温度緩衝部504aが直方体形状のケース本体部600と一体的に形成されている。それにより、円筒状の空間510a,510bおよび510cにおいて加熱された洗浄水が温度緩衝部504aに一時的に蓄えられることにより、温度変動が抑制された洗浄水をポンプ13に与えることができる。
【0078】
次に、図7は、熱交換器のさらに他の例を示す分解斜視図である。
【0079】
図7に示すように、熱交換器11bは、上ケース本体部600c、下ケース本体部600d、弾性保持部材であるOリングP5,P6、プレートP1,P2およびシーズヒータ505a,505bにより構成される。
【0080】
図7に示すように、シーズヒータ505aおよび505bにプレートP1,P2およびOリングP5,P6を装着し、シーズヒータ505a,505bを上ケース本体部600cと下ケース本体部600dとで挟み込む。その後、超音波溶着器Hを用いて上ケース本体部600cと下ケース本体部600dとを溶着する。
【0081】
この場合、上ケース本体部600cおよび下ケース本体部600dは、超音波溶着が可能な耐熱性樹脂により形成される。例えば、アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンからなるABS樹脂とガラス強化繊維とを含む熱可塑性樹脂であってもよい。
【0082】
それにより、容易に熱交換器11aの組み立て時間を削減することができるとともに組み立てが容易になる。また、自動組み立てを行うことが可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0083】
図8はポンプ13の構造の一例を示す断面図である。図8のポンプは複動型レシプロポンプである。
【0084】
図8において、本体部138内には、円柱状空間139が形成されている。円柱状空間139内には圧送ピストン136が設けられている。圧送ピストン136の外周部には、X字パッキン136aが装着されている。圧送ピストン136により円柱状空間139がポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。本体部138の一側部には洗浄水入口PIが設けられ、他側部には洗浄水出口POが設けられている。洗浄水入口PIには図3の配管203を介して熱交換器11が接続され、洗浄水出口POには配管203を介して切替弁14が接続される。
【0085】
洗浄水入口PIは、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに連通するとともに、内部流路P2、小室S2および小室S4を介してポンプ室139bに連通している。
【0086】
ポンプ室139aは、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POに連通している。ポンプ室139bは、小室S6、小室S8および内部流路P4を介して洗浄水出口POに連通している。
【0087】
小室S3、小室S4、小室S7および小室S8には、それぞれアンブレラパッキン137が設けられている。
【0088】
モータ130の回転軸にギア131が取り付けられ、ギア131にギア132が噛合っている。また、ギア132には、クランクシャフト133の一端が一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト133の他端には、ピストン保持部134およびピストン保持棒135を介して圧送ピストン136が取り付けられている。
【0089】
図3の制御部4により与えられる制御信号に基づいて、モータ130の回転軸が回転すると、モータ130の回転軸に取り付けられたギア131が矢印R1の方向に回転し、ギア132が矢印R2の方向に回転する。これにより、圧送ピストン136が図中の矢印Zの方向に上下運動する。
【0090】
図9はアンブレラパッキン137の動作を説明するための模式図である。例えば、図8の圧送ピストン136が、下方向に移動し、ポンプ室139aの容積を増加させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(b)に示すように変形する。その結果、洗浄水入口PIから供給された洗浄水が、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに流入する。この場合、小室S7の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、洗浄水がポンプ室139a内へ流入したり、逆に洗浄水出口POより吐出されることもない。
【0091】
一方、図8の圧送ピストン136が、上方向に移動し、ポンプ室139aの容積を減少させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が高くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(a)に示す状態のまま変形しない。その結果、小室S1内の洗浄水が、ポンプ室139aに流入しない。この場合、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図9(b)に示すように変形する。そのため、ポンプ室139a内の洗浄水が、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POから吐出される。
【0092】
なお、小室S4内に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図9(b)に示すように変形し、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図9(a)に示す状態のまま変形しない。一方、小室S8に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図9(a)に示す状態のまま変形せず、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図9(b)に示すように変形する。それにより、ポンプ室139a内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出されるときに、ポンプ室139b内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入し、ポンプ室139a内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入するときに、ポンプ室139b内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出される。
【0093】
図10は図8のポンプ13の各部の圧力変化を示す図である。図10の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0094】
図10に示すように、ポンプ13の洗浄水入口PIに圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図9の圧送ピストン136が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力Paは、点線のように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の圧力Pbは、破線のように変化する。ポンプ13の洗浄水出口POより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pcを中心として上下に周期的に変化する。
【0095】
このように、ポンプ13においては、圧送ピストン136が上下運動を行うことにより、ポンプ室139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交互に圧力が加えられ、洗浄水入口PIの洗浄水が昇圧されて洗浄水出口POから吐出される。
【0096】
図11(a)は切替弁14の縦断面図であり、図11(b)は図11(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図11(c)は図11(a)の切替弁14のB−B線断面図である。
【0097】
図11に示す切替弁14は、モータ141、内筒142および外筒143により構成される。
【0098】
外筒143内に内筒142が挿入され、モータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。モータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて回転動作を行う。モータ141が回転することにより内筒142が回転する。
【0099】
図11(a),(b),(c)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142fが設けられている。孔142eの周辺には、図11(b)に示すように、面取り部が形成されている。内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっている。
【0100】
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、おしりノズル1が接続され、洗浄水出口143cには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143dには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
【0101】
図12は図11の切替弁14の動作を示す断面図である。
【0102】
図12(a)に示すように、モータ141が回転せず、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143dと同じ側にある場合、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143b,143cのいずれにも対向せず、かつ内筒142の孔142fが外筒143の洗浄水出口143dに対向しない。したがって、洗浄水が洗浄水出口143b,143c,143dのいずれからも流出しない。
【0103】
次に、図12(b)に示すように、モータ141が内筒142を45度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから流出する。
【0104】
また、図12(c)に示すように、モータ141が内筒142を90度回転させた場合には、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143bから流出する。
【0105】
さらに、モータ141が内筒142を270度回転させた場合には、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して洗浄水出口143cから流出する。
【0106】
また、モータ141が内筒142を180度回転させた場合には、内筒142の孔142fが外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して洗浄水出口143dから流出する。
【0107】
以上のように、制御部4からの制御信号に基づいてモータ141が回転することにより内筒142の孔142e,142fのいずれかが外筒143の洗浄水出口143b〜143dのいずれかに対向した場合には洗浄水が流出し、内筒142の孔142e,142fのいずれもが外筒143の洗浄水出口143b〜143dのいずれにも対向しない場合には洗浄水が流出しない。
【0108】
次に、図3のノズル部30のおしりノズル1について説明する。図13は図3のノズル部30のおしりノズル1の断面図である。なお、図3のノズル部30のビデノズル2の構成および動作は図13のおしりノズル1と同様である。
【0109】
図13に示すように、おしりノズル1は、円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シールパッキン22およびスプリング23により構成される。
【0110】
ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26が設けられている。また、ストッパ部26には、シールパッキン22が装着されている。ピストン部20の内部には、後端面から噴出孔25に連通する流路27が形成されている。
【0111】
一方、シリンダ部21は、先端側の径小部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と径大部分との間に、ストッパ部26がシールパッキン22を介して当接可能なストッパ面21bが形成されている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24が設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28となる。洗浄水入口24は、シリンダ部21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24は、図3の切替弁14の洗浄水出口143bに接続されている。
【0112】
ピストン部20は、ストッパ部26が温度変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入されて
いる。
【0113】
さらに、スプリング23は、ピストン部20のストッパ部26とシリンダ部21の開口部21aの周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。
【0114】
ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0115】
次いで、図13のおしりノズル1の動作について説明する。図14は図13のおしりノズル1の動作を説明するための断面図である。
【0116】
まず、図14(a)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水が供給されない場合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ部21の開口部21aより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部28が形成されない。
【0117】
次いで、図14(b)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部28が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が流入する。
【0118】
洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部は、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出される。
【0119】
ピストン部20がさらに前進すると、図14(c)に示すように、ストッパ部26がシールパッキン22を介してシリンダ部21のストッパ面21bに水密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間からピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。したがって、温度変動緩衝部28の洗浄水が、ピストン部20内の流路27を通して噴出孔25のみから噴出される。
【0120】
上記のように、図3の熱交換器11から供給される洗浄水がシリンダ部21内の温度変動緩衝部28内に貯えられた後に、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出されるので、温度変動緩衝部28内で洗浄水の温度変動が緩衝される。それにより、噴出孔25から噴出される洗浄水の温度変動が平滑化されて急激な温度変動が抑制される。
【0121】
特に、洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28内で洗浄水が渦巻状に還流する。それにより、洗浄水の温度変動が効果的に緩衝される。したがって、温度変動緩衝部28の容積が小さい場合でも、洗浄水の温度変動の高い緩衝効果が得られる。
【0122】
図15は洗浄開始時において熱交換器11から排出される洗浄水およびおしりノズル1から噴出される洗浄水の温度変化を示す図であり、図16は熱交換器11において瞬間的な温度変動が発生した場合に熱交換器11から排出される洗浄水およびおしりノズル1から噴出される洗浄水の温度変化を示す図である。
【0123】
図15および図16においては、縦軸が洗浄水の温度を示し、横軸が時間を示す。また、図15および図16においては、破線が熱交換器11の排出口512から排出される洗浄水の温度T1を示し、実線がおしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2を示す。
【0124】
洗浄開始時に、図15に示すように、熱交換器11の排出口512から排出された洗浄水の温度T1は、設定温度Tqを超過して、大きくオーバーシュートを起こす。そして、一定時間Tc2経過後、ほぼ設定温度Tqで安定する。一方、温度変動緩衝部28により温度変動が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2は、時間Tc2よりも短い時間Tc1においてほぼ設定温度Tqで安定する。
【0125】
熱交換器11の温度が瞬間的に大きく変動すると、図16に示すように、熱交換器11の排出口512から排出された洗浄水の温度T1が瞬間的に大きく変動する。この場合、熱交換器11の排出口512から排出される洗浄水の温度は、制御部4の制御による応答遅れ時間T経過後、ほぼ設定温度Tqで安定する。
【0126】
一方、温度変動緩衝部28により温度変動が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度T2は、ほとんど変化せず、ほぼ設定温度Tqで安定している。
【0127】
なお、熱交換器11により加熱された洗浄水に突発的な温度上昇が生じても、おしりノズル1の噴出孔25から高温水が噴出することを確実に防止するためには、シリンダ部21内の温度変動緩衝部28の容積を、制御部4の応答遅れ時間Tと、単位時間当りに配管203内を流れる洗浄水の最大流量Qmaxとの積以上に設定することが好ましい。ここで、応答遅れ時間Tは、熱交換器11により加熱された洗浄水の温度が所定値以上に上昇してから、温度センサ12bが熱交換器11から排出される洗浄水の温度を検出し、制御部4の制御により止水電磁弁9が洗浄水の供給を停止するまでの時間である。
【0128】
以上のことにより、本実施例の熱交換器11,11a,11bにおいては、発熱体が熱膨張または熱収縮した場合でも発熱体およびケース体の変形および破損を防止することができる。
【0129】
また、本実施例の熱交換器11,11a,11bを用いた衛生洗浄装置100においては、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱が行われるので、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を蓄える貯水タンクが不要となるため、省スペース化が実現される。
【0130】
また、衛生洗浄装置100の不使用時には、熱交換器11に電力を供給する必要がないので消費電力が低減される。さらに、熱交換器11の円筒状の空間510a,510bおよび510cに洗浄水を流しつつ加熱するので、洗浄水の使用量が多い場合でも洗浄水の温度の低下が生じない。
【0131】
また、洗浄水を貯留した状態で長時間保温する必要がないので、衛生洗浄装置100の使用時に、常に新鮮な洗浄水を噴出することができる。したがって、衛生上好ましい。
【0132】
なお、本実施例においては、熱交換器11,11a,11bを瞬間加熱式衛生洗浄装置に用いる場合について説明したが、これに限定されず、貯湯式衛生洗浄装置に用いてもよい。
【0133】
本実施例においては、直方体形状のケース本体部600、端面部材600a,600b、上ケース本体部600c、下ケース本体部600dがケース体に相当し、シーズヒータ505a,505bが発熱体に相当し、弾性保持部材であるOリングP5が第1の保持部材に相当し、弾性保持部材であるOリングP6が第2の保持部材に相当し、円筒状の空間510a,510b,510cが流動可能な流路に相当し、洗浄水入口511が第1の流体口に相当し、洗浄水出口512が第2の流体口に相当し、温度センサ12aが温度検出器に相当し、温度緩衝部504aが温度緩衝部に相当し、弾性保持部材P5,P6が第1の弾性体および第2の弾性体に相当し、サーモスタット12bまたは温度ヒューズ12cが過熱防止器に相当し、熱交換器11,11a,11bが加熱装置に相当し、おしりノズル1、ビデノズル2、ノズル洗浄用ノズル3およびノズル部30が噴出装置に相当する。
【0134】
なお、本実施例においては、ポンプ13として、複動型レシプロポンプを用いる場合について説明したが、これに限定されず、回転型ポンプまたは他の往復型ポンプを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】 図1は、本発明の実施例の衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図、
【図2】 図2は、図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図、
【図3】 図3は、本発明の一実施例の衛生洗浄装置の本体部の構成を示す模式図、
【図4】 図4は、熱交換器の構造の一例を示す平面図、
【図5】 図5は、図4に示す熱交換器の内部構造を説明するための図、
【図6】 図6は、図5に示す熱交換器の他の例を示す断面図、
【図7】 図7は、熱交換器のさらに他の例を示す分解斜視図、
【図8】 図8は、ポンプの構造の一例を示す断面図、
【図9】 図9は、アンブレラパッキンの動作を説明するための模式図、
【図10】 図10は、図8のポンプの各部の圧力変化を示す図、
【図11】 図11は、切替弁の縦断面図であり、(b)は(a)の切替弁のA−A線断面図であり、(c)は(a)の切替弁のB−B線断面図、
【図12】 図12は、図11の切替弁の動作を示す断面図、
【図13】 図13は、図3のノズル部のおしりノズルの断面図、
【図14】 図14は、図13のおしりノズルの動作を説明するための断面図、
【図15】 図15は、洗浄開始時において熱交換器から排出される洗浄水およびおしりノズルから噴出される洗浄水の温度変化を示す図、
【図16】 図16は、熱交換器において瞬間的な温度変動が発生した場合に熱交換器から排出される洗浄水およびおしりノズルから噴出される洗浄水の温度変化を示す図
である。

Claims (15)

  1. ケース体と、
    一端部および他端部を有し、前記ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、
    前記発熱体の一端部を前記ケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、
    前記発熱体の他端部を前記ケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えた、加熱装置。
  2. 前記ケース体と前記発熱体の外周面との間に流体が流動可能な流路が形成された、請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記流路に連通する第1の流体口および第2の流体口が前記ケース体に形成された、請求項1記載の加熱装置。
  4. 前記ケース体の前記第1の流体口は前記発熱体の中心軸に対して扁心する位置に設けられた、請求項1記載の加熱装置。
  5. 前記ケース体の前記第2の流体口の近傍に設けられた温度検出器をさらに備えた、請求項1記載の加熱装置。
  6. 前記第2の流体口に連通するように設けられた温度緩衝部を前記ケース体にさらに備えた、請求項1記載の加熱装置。
  7. 前記発熱体は、柱状に形成された、請求項1記載の加熱装置。
  8. 前記発熱体は、シーズヒータを含む、請求項1記載の加熱装置。
  9. 前記発熱体は、セラミックヒータを含む、請求項1記載の加熱装置。
  10. 前記発熱体は、略直線状の複数の発熱体を含み、
    前記複数の発熱体が前記ケース体を貫通するように並列に設けられた、請求項1記載の加熱装置。
  11. 前記第1および第2の保持部材は弾性体からなる、請求項1記載の加熱装置。
  12. 前記ケース体は、複数のケース部分が一体化されることにより形成された、請求項1記載の加熱装置。
  13. 前記複数のケース部分は樹脂により形成され、溶着により接合されることにより一体化された、請求項12記載の加熱装置。
  14. 前記発熱体の過熱防止のための過熱防止器をさらに備えた、請求項1記載の加熱装置。
  15. 給水源から供給される洗浄水を人体の被洗浄部に噴出する衛生洗浄装置であって、
    前記給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置により加熱された洗浄水を前記人体に噴出する噴出装置とを備え、
    前記加熱装置は、
    ケース体と、
    一端部および他端部を有し、前記ケース体に貫通するように設けられた発熱体と、
    前記発熱体の一端部を前記ケース体に軸方向に可動に保持する第1の保持部材と、
    前記発熱体の他端部を前記ケース体に軸方向に可動に保持する第2の保持部材とを備えた、衛生洗浄装置。
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