JPWO2004077871A1 - 基地局、端末、および通信システム - Google Patents
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Abstract
Description
HSDPAの技術的特徴として適応変調方式がある。適応変調方式は、端末が変調方式や符号化率等を現在の伝播状態に最適なものに切り替えてパケット送信する方式であり、これにより効率的な高速伝送が可能になる。基地局は、端末より、現在の伝播状態に応じた品質情報CQI(Channel Quality Indicator)を定期的に受信し、それに基づいて最適な変調方式、符号化率を判断する。
セル内に多数存在する端末から基地局への品質情報CQIの送信は一定周期で行われる。この周期はk={0,1,5,10,20,40,80}×2msの中から選択され、基地局から各端末に通知される。しかし、周期kの多くは5の倍数に設定されているため、端末間で品質情報の送信タイミングの衝突が一度発生すると、以後、周期の公倍数の間隔をおいて定期的に衝突が発生する可能性が高い。送信タイミングの衝突が発生すると、特定時期での送信が集中して干渉量が増大する。CDMA方式においては、干渉量が増大するとシステムの容量が制限され、無線資源の利用効率が下がってしまう。そのため、できる限り干渉量を平均化し、低く抑えることが望ましい。
なお、従来の移動体通信システムにおける、基地局と端末間の制御情報の送受信による干渉の発生を防ぐ技術として、例えば、特開平8−51665号公報に開示された無線電話装置においては、基地局は、移動局の待ち受け動作時に移動局へ送信する制御情報の送信タイミングを動的に変化させ、一方移動局は、基地局側での送信タイミングの動的な変化に対応して制御情報の受信タイミングを動的に変化させている。
また、従来の移動体通信システムにおける、各基地局への制御用スロット割当処理の開始タイミング決定の方法の例として、特開平8−191477号公報に開示された技術がある。この技術では、複数の無線基地局をグループ分けし、異なるグループに所属する複数の基地局に並列的に制御用スロットの割当て処理を実行させる。各グループ内では、ローカル基地局番号に従って順次に制御用スロットの割当処理が実行され、各基地局が一旦稼働状態に移行した後、スロットの再割当処理を繰り返すことによって、最終的に他局との干渉のない制御用スロットを確保する方法が開示されている。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、端末から基地局へ送信される周期情報の衝突の減少を実現し、通信の干渉を出来る限り抑えられる基地局および端末を得ることを目的とする。
このことによって、端末から基地局へ送信される周期情報の衝突の減少を実現し、通信の干渉を出来る限り抑えられる。
この発明に係る端末は、基地局から指定された基準周期に可変な時間オフセットを付加し、送信タイミングを決定する周期処理部と、周期処理部により決定された送信タイミングに基づいて、周期的に送信される周期情報を基地局へ送信する送信部とを備えたものである。
このことによって、端末から基地局へ送信される周期情報の衝突の減少を実現し、通信の干渉を出来る限り抑えられる。
この発明に係る基地局は、周期の長短によって分類された複数の基準周期の組から、1つの組を端末に対して割り当て、端末から受信した周期情報に基づいて、割り当てられた組の中から周期情報報告周期を選択する周期処理部と、選択された周期情報報告周期を端末に送信する送信部とを備えたものである。
このことによって、限られたビット数の中で周期を変更できる。
第2図は、HS−DPCCHで送信されるフレームのフォーマットを示す図である。
第3図は、この発明の実施の形態1による基地局の構成を示す図である。
第4図は、この発明の実施の形態1による移動局の構成を示す図である。
第5図は、HSDPAによる通信処理における品質情報報告周期の例を示すタイムチャートである。
第6図は、HSDPAによる通信処理における品質情報報告周期にオフセットを追加した場合のタイムチャートである。
第7図は、この発明の実施の形態1による、送信タイミングの決定処理のフローチャートである。
第8図は、HSDPAによる通信処理における品質情報の送信タイミングの例を示すタイムチャートである。
第9図は、実施の形態2による、オフセットに限界値を設けて送信タイミングを算出する処理のフローチャートである。
第10図は、実施の形態2の変形例による、正規乱数を利用してオフセットを算出する処理のフローチャートである。
第11図は、実施の形態2の変形例による、SFNを利用して、擬似乱数発生用のカウンタを取得する処理のフローチャートである。
第12図は、実施の形態2の変形例による、上りスクランブリングコードを利用して、擬似乱数発生用のカウンタを取得する処理のフローチャートである。
第13図は、実施の形態2の変形例による、周期関数を利用してオフセットを算出する処理のフローチャートである。
第14図は、実施の形態2による、端末と基地局間での、品質情報、および報告周期kの通知のシーケンス図である。
第15図は、実施の形態3による、報告周期kの組と周期群の作り方の例を示す図である。
第16図は、実施の形態3による、各端末に対する報告周期の割り当て方を説明する図である。
第17図は、実施の形態3による、基地局による端末に割り当てる報告周期kの組の決定処理のフローチャートである。
第18図は、実施の形態3による、基地局による報告周期kの周期群および報告周期kの決定処理のフローチャートである。
第19図は、実施の形態3による、端末と基地局間での、報告周期kの周期群、組および報告周期kの通知のシーケンス図である。
第20図は、実施の形態3による周期群割当て処理のフローチャートである。
第21図は、実施の形態5による移動局の構成を示す図である。
実施の形態1.
第1図は、HSDPAをサポートするW−CDMAシステムの基地局と端末との間のチャネル構成図である。図中、BCH(Broadcast Channel)、HS−SCCH(High Speed Shared Control Channel)、およびHS−DSCH(High Speed Downlink Shared Channel)は下りチャネルであり、セル内の各端末に対して共通で利用される。HS−DPCCH(High Speed Dedicated Physical Control Channel for HS−DSCH)は上りチャネルである。また、DPCH(Dedicated Physical Channel)は、基地局と個々の端末との通信のために個別に設定されるチャネルであり、通信時には上り下り両方に設定される。DPCHは、音声等のユーザデータ通信や上位レイヤのシグナリングのために双方向で利用される。なお、基地局は、システムによっては無線通信の終端点となる基地局装置とそれを制御するための基地局制御装置に分かれることがあるが、ここでは両者を合わせて基地局101と呼ぶ。
次に、基地局101と端末100の通信処理の流れを簡単に説明する。
基地局101は、セル内に存在する各端末に対して、BCHにより各種情報を報知している。BCHで伝送されるフレームには、SFN(System Frame Number)と呼ばれる基地局と端末間で同期をとるためのカウンタ値が埋め込まれており、セル内の全端末はこのSFNを受信している。
基地局101は、HS−DSCHを利用してセル内の端末100に対し、パケットデータを送信する。このとき、基地局101は、HS−SCCHを利用してパケット制御情報を送信する。このパケット制御情報には、HS−DSCHを利用して送信するパケットデータの復調に必要な変調方式、符号化率等を表す情報が含まれている。セル内の各端末はこれらの情報を受け取り、自分宛てのものであれば、受け取った制御情報を利用してパケットデータの復調を開始する。また、自分宛てのものでない場合は無視する。端末100は、受け取ったパケットデータを復調したら、復調したデータの誤り検出を行う。端末100は、データに誤りがなければ、HS−DPCCHを利用して、基地局101にACKを送信する。データに誤りがある場合には、NACKを送信する。
また、端末100は、基地局101に対しHS−DPCCHを利用して、下り回線の伝播状況に基づいて測定した品質情報CQIを定期的に送信する。基地局101は、受け取った品質情報CQIに基づいて、変調方式、符号化率等を伝播状況に応じた最適な値に切り替える。
ここで、HS−DPCCHで伝送されるフレームのフォーマットを第2図に示す。HS−DPCCHは、1回の送信に3スロット利用する。図に示すように、1スロットはACK/NACK送信用に利用され、2スロットは品質情報CQI送信用に利用される。ただし、これら2つは必ずしも同時に送信されるとは限らない。両方あわせた3スロットをサブフレームと呼ぶ。1フレームは15スロット存在するので、1フレーム内には5サブフレームが配置される。
次に、基地局101内部の動作について説明する。第3図は、この発明の実施の形態1による基地局101の構成を示す図である。第3図を用いて、基地局101のデータ送信時の動作について説明する。
SFNカウンタ200は、BCHを利用して送信される同期用のカウンタ値をカウントする。カウンタは1フレームを送信するたびにカウントアップされ、2フレームごとにBCHを利用して送信される。HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)処理部201は、HS−DSCHを利用して送信されるパケットデータ、およびHS−SCCHで送信されるパケットデータの復調情報を生成する。これらの各チャネルによって送信されるデータは、変調部202において、チャネライゼーションコード発生器203、およびスクランブリングコード発生器204から出力されたコードによって変調される。周波数変換部205は、変調部202で変調されたデータ信号の周波数を、搬送可能な値にまで上げる。電力増幅部206は、搬送可能な周波数に変換された信号の電力を所望の電力まで増幅させる。電力増幅されたデータ信号は、アンテナ207を介して送信される。
次に、基地局101のデータ受信時の動作について説明する。アンテナ207(受信部、送信部)を介して端末等からの信号が受信されると、低雑音増幅部208において微弱な信号の増幅が行われる。周波数変換部209においては、増幅された信号の周波数を下げる処理が行われる。チャネライゼーションコード発生器211、およびスクランブリングコード発生器210では、送信元の端末で変調に使われたものと同一のコードが生成される。復調部212においては、チャネライゼーションコード発生器211、およびスクランブリングコード発生器210で生成されたコードを用いて逆拡散および合成を行い、信号を各チャネルに分離する。分離された各チャネルのうち、HS−DPCCHに載せられたHSDPAの制御情報は、復号化部213で復号される。応答信号判定部214では、復号されたHSDPAの制御情報のうち、端末100から送信されたパケットが正常に受信できているかどうかを表す信号(ACKまたはNACK)を判定し、判定結果に基づいてHARQ処理部201に対し、パケット再送が必要かどうかを通知する。また、品質情報判定部215においては、HSDPAの制御情報のうち、端末100から送信された品質情報CQIが判定される。変調・符号化選定部216は、品質情報判定部215における判定結果に基づいて、次のパケットに必要な変調方式等を決定し、各部に通知する。これらの結果を用いてHARQ処理部201は必要に応じた再送処理を行う。品質情報周期処理部217(周期処理部)は、品質情報判定部215による品質情報判定結果に基づいて、品質情報報告周期k(基準周期)を決定する。また、品質情報周期処理部217は、後述する処理によって品質情報報告周期kに付加する時間オフセットを算出し、品質情報CQIの受信タイミングを算出する。算出した受信タイミングは、上位レイヤ(基地局制御装置)へ通知され、端末ごとに管理される。
復号化部213は、品質情報周期処理部217が算出した受信タイミングに基づいて、該当チャネル(HS−DPCCH)の信号から品質情報CQIを復号する。すなわち、復号化部213は品質情報報告周期kに時間オフセットが負荷された受信タイミングに従って、この受信タイミングで受信された信号を該当端末の品質情報CQIとして復号する。
以上のように処理することにより、基地局101は、品質情報の報告周期が実質的に可変となっても品質情報CQIを得ることができる。
次に、移動局100内部の動作について説明する。第4図は、この発明の実施の形態1による端末100の内部構成を示す図である。まず、端末100の送信時の動作について説明する。HS−DPCCH処理部300より出力されたHS−DPCCHデータと、他のチャネルのデータとが変調部301においてチャネライゼーションコード発生器302、スクランブリングコード発生器303から生成されるコードを利用して変調される。周波数変換部304は、変調されたデータの周波数を搬送可能な値にまで上げる。電力増幅部305は、周波数変換されたデータ信号の電力を所望の電力に増幅する。電力増幅された信号は、アンテナ306(送信部)を介して送信される。
次に、端末100の受信時の動作について説明する。アンテナ306を介して基地局101からのデータを受信すると、低雑音増幅部307において微弱な信号が増幅される。周波数変換部308においては、周波数が下げられる。チャネライゼーションコード発生器311、およびスクランブリングコード発生器310では、基地局101で変調に使われたものと同一のコードが生成される。復調部309においては、チャネライゼーションコード発生器311、およびスクランブリングコード発生器310で生成されたコードを用いて、逆拡散、合成が行われ、信号は各チャネルに分離される。分離された各チャネルのうち、BCHの受信結果は、SFNカウンタ312に入力される。SFNカウンタ312は、受信したカウンタ値に基づいて基地局101と同期の取れたSFNカウンタを生成する。
HS−SCCHの受信結果は、復号器313に入力され、自端末宛ての制御信号が取り出される。復号器313で取り出された制御信号から、HS−DSCHによって送信された信号の復調のためのパラメータが取り出され、復調部309、および復号器314へセットされる。これらのパラメータは、基地局101での変調時に使われた変調方式、および符号化率等である。
HS−DSCHの受信結果は、復号器314においてセットされた変調方式、および符号化率等のパラメータに従って復号される。HS−DSCHによって送信された信号の復号の結果、エラーが検出されない場合には、応答信号生成部315においてACK信号が、エラーが検出された場合にはNACK信号が生成される。また復号されたHS−DSCHのユーザデータは上位レイヤへ渡される。
また、伝播品質推定部316においては、復調部309における受信レベルに基づいて伝播路の状態が推定される。品質情報信号生成部317は、推定された伝播路の状態に基づいて品質情報CQIを生成する。品質情報周期処理部318(周期処理部)は、品質情報信号生成部317に対し、品質情報信号の送信タイミングを指示する。品質情報周期処理部318が、品質情報CQIの送信を指示すると、品質情報CQIはHS−DPCCH処理部300を介して送信される。なお、品質情報周期処理部318における送信タイミングの決定処理については後述する。
背景技術に関連して述べたように、品質情報CQIは、基地局から端末に対して通知された周期で、端末から基地局に送信される。第5図は、HSDPAによる通信処理における品質情報報告周期の例を示す図である。ここでは、セル内の4台の移動端末が品質情報CQIを送信する場合を示している。サブフレーム番号は時間とともに更新される。図に示すように、品質情報CQIの報告周期k(CQI Feedbackcycle)は、送信開始位置から次の送信までの間を指す。各端末の品質情報送信開始時は基地局からのSFNカウンタ値に基づいて端末ごとに決定される。品質情報CQIは、周期kが変更されるまで基準周期kに基づく可変周期で送信される。なお、品質情報CQI値の詳細については、3GPP TS 25.214 V5.2.0、6A.2章に記載されている。
品質情報CQIの報告周期kが短すぎると、通信の干渉を増大させることになる。逆に、周期kが長すぎると、品質情報が古くなる。品質情報が古くなると、実際の伝播状態と一致しなくなり、基地局側で最適な変調方式および符号化率等が設定出来なくなる。よって、HS−DSCH上のパケットデータの復号エラーが引き起こされるおそれがある。そこで、基地局により伝播状態の変化に応じて適切な周期kを設定し、各端末に通知するようになっている。
次に、実施の形態1による、品質情報CQIの送信タイミング決定方法について説明する。実施の形態1では、端末ごとに設定されたアルゴリズムに従ってオフセットを算出し、品質情報報告周期kにそのオフセット値を追加する。これにより送信タイミングにゆらぎを与え、衝突による干渉を回避する。
第6図は、HSDPAによる通信処理における品質情報報告周期にオフセットを追加した場合の例を示す図である。各端末に設定されたアルゴリズムによりオフセットを算出し、元の周期による送信タイミングに各オフセットを加算して、この結果得られた新たなタイミングで品質情報を通知している。
次に、第7図を用いて送信タイミング決定処理を説明する。第7図は、品質情報周期処理部318による送信タイミング決定処理のフローチャートである。まず、品質情報周期処理部318は、始めて乱数を利用するかどうかをチェックする(ステップST100)。ステップST100で初めて乱数を利用すると判定された場合は、品質情報周期処理部318は乱数の初期化をする(ステップST101)。
ステップST100で乱数の利用が初めてではないと判定された場合は、品質情報周期処理部318は乱数を発生させる(ステップST105)。ここで発生させる乱数は、周期kよりも小さい値であり、通常はkの1/2以下である。ここでは、例として0〜k/4もしくはk/8を使用するが、周期報告に支障のない周期とすることができれば、乱数の発生範囲はどのような値でもよい。
次に、品質情報周期処理部318は、ステップST105で得られた乱数をオフセットとして元の送信タイミングに加え、新たな送信タイミングを得る(ステップST107)。これにより、送信報告周期が大きく変わらない範囲で送信タイミングをずらすことが出来る。
このように、端末100が品質情報周期処理部318により乱数を利用してオフセットを算出し、得られたオフセット値を基地局101に通知すると共に、得られたオフセット値を品質情報の送受信周期に付加するようにしたので、端末100から基地局101へ送信される品質情報の衝突の減少を実現し、通信の干渉を出来る限り抑えられるという効果がある。
なお、上述の説明では、オフセットの算出を端末100の品質情報周期処理部318が行い、このオフセットに基づいた周期報告を基地局101へ送信するが、基地局101でオフセット値を上述のように算出し、端末100へ送信するようにしてもよい。この場合、品質情報周期処理部217は、変調部202やアンテナ207を介して、算出したオフセット値を毎回端末100へ送信する。ただし、端末100側でもオフセット値を算出している場合で、算出されるオフセット値が同系列で同期している場合には、オフセット値を送信しなくともよい。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1と異なるオフセット値の決定方法を用いる。乱数の生成方法は、公知のさまざまな乱数生成方法を使用することができるが、生成される乱数の上限値が高い場合、品質情報の送信は、例えば第8図に示すような送信タイミングとなる。図中、端末1は送信タイミングにオフセットを加算しない場合である。端末2についてはオフセットを加算した結果、報告の間隔が短くなりすぎてしまっている。また、端末3については、オフセットを加算した結果、報告の間隔が離れすぎてしまっている。
そこで、周期報告が所定期間内に必ずあることを保証するために、乱数が所望の範囲内で生成されない場合には、オフセット値に限界値k_limitを設定し、適切な範囲のオフセットを算出するようにすることができる。
第9図は、オフセットに限界値を設けて算出する処理のフローチャートである。ここでは、オフセットの算出は、端末100の品質情報周期処理部318が行い、得られた結果を基地局101に報告するが、逆に基地局101がオフセットを算出して端末100に報告するようにしてもよい。また、オフセットの算出に乱数を利用するが、乱数発生方法としては線形合同法を用いてもよいしその他の方法でもよい。
まず、品質情報周期処理部318は、初めて乱数を利用するかどうかをチェックする(ステップST100)。ステップST100で初めて乱数を利用すると判定された場合は、乱数の初期化をし、k_limit値を計算する(ステップST101、ステップST102)。ここで、ステップST102においては、k_limit値は例えば周期kの1/4程度の値を設定することにより、最悪の場合においても周期kの半周期を越えない範囲とすることが出来る。
ステップST100で乱数の利用が初めてではないと判定された場合は、周期kが新規に与えられたものか、または変更されているかどうかを判定する(ステップST103)。ステップST103で、周期kが新規または変更されていると判定された場合には、ステップST102でk_limit値を計算する。
また、ステップST103において、周期kが新規または変更されていないと判断された場合には、復調部309から受け取った干渉量の情報に基づいて、干渉量の偏りの程度を判定する(ステップST104)。ステップST104で干渉量の偏りが少ないと判断されれば、ステップST102でk_limit値を計算する。干渉量が少なければ、k_limit値を周期kの1/8程度にすることでゆらぎの量を必要最小限に押さえることができる。
ステップST104で干渉量の偏りが多いと判断された場合には、乱数を発生させて取得する(ステップST105)。乱数を取得したら、次に、取得した乱数がk_limit値を超えていないかどうか判断する(ステップST106)。ステップST106で乱数がk_limit値を超えていると判断された場合には、ステップST105に戻り、再度乱数を発生させて取得する。
ステップST106で乱数がk_limit値を超えていないと判断された場合には、得られた乱数をオフセットとして元の送信タイミングに加え、新たな送信タイミングを得る(ステップST107)。これにより、送信報告周期が大きく変わらない範囲で送信タイミングをずらすことが出来る。
このように、端末100が品質情報周期処理部318により乱数を利用してオフセットを算出し、得られたオフセット値を基地局101に通知すると共に、得られたオフセット値を品質情報の送受信周期に付加するようにしたので、端末100から基地局101へ送信される品質情報の衝突の減少を実現し、通信の干渉を出来る限り抑えられるという効果がある。
また、求めるオフセット値に限界値を設定するようにしたので、極端に周期が短くなりすぎたり、あるいは長くなりすぎたりすることを防ぐことができる。
また、乱数の発生に、第10図に示すような正規乱数を用いてもよい。図において、横軸はオフセット量として用いられる乱数値であり、縦軸はその発生確率を示している。正規乱数は、発生分布が正規分布N(m,σ2)になっており、平均mが一番発生しやすく端にいくに従って発生確率が下がる。このため、標準偏差σの値を制御することにより乱数のとり得る範囲を指定することができる。例えば、ゆらぎの程度をより大きくしたい場合は標準偏差σを大きく指定し、ゆらぎの程度を小さくしたい場合は標準偏差σを小さく指定すればよい。
このように、オフセット算出に正規乱数を用いることにより、標準偏差σの値を変えることで、算出されるオフセット値の範囲を調節できる。
なお、端末100と基地局101の間では、品質情報CQIの送信タイミングと受信タイミングを同期させる必要がある。上述のように、乱数によってゆらぎのあるオフセットを発生させた場合、端末100は、算出した乱数を品質情報CQI送信の度に基地局101に通知する必要がある。しかし、報告周期の最小単位である1サブフレームが2msであることを考慮すると、乱数の通知は、物理レイヤにおいて信号を直接フレームに埋め込むことにより行う必要がある。これは、ユーザのデータ以外に、シグナリング用の余分なビットを常につけることになり、通信の無駄を生じる。
この問題を解決するため、オフセットの算出アルゴリズムに乱数ではなく擬似乱数を利用してもよい。この方法を用いれば、基地局と端末で同じ系列の擬似乱数のアルゴリズムを実装することにより、端末と基地局間で乱数を発生するたびに同期を取る必要がないという利点がある。
擬似乱数発生に利用するカウンタ値としては、基地局と端末において同期が取れているものが望ましい。第11図は、SFNに基づく値をカウンタ値として利用する場合のフローチャートを示す。以下のオフセット算出処理は、端末100の品質情報周期処理部318と、基地局101の品質情報周期処理部217において同様に行う。
まず、SFN値を読み取る(ステップST200)。ただし、このままではセル内におけるすべての端末において同一のSFN値になるため、端末に固有の端末ID値を加える(ステップST201)。さらに、カウンタ値が指定された範囲の値になるように限定して最終的なカウンタ値を得る(ステップST202)。次に、元の送信タイミングにこの値を加えて送受信タイミングを得る(ステップST204)。
このように、基地局101の品質情報周期処理部217と端末100の品質情報周期処理部318が、同じアルゴリズムを用いて発生させた擬似乱数を利用してオフセット値を算出するようにしたので、オフセット値の通知を行う必要がなく、通信量を削減することができる。
また、擬似乱数を発生する際に、基地局101と端末100で同期の取れたカウンタ値として、SFNを利用するようにしたので、カウンタ値の通知を行う必要がない。
擬似乱数発生に利用するカウンタ値として、上りスクランブリングコードを利用してもよい。上りスクランブリングコードは、特定の基地局と端末の組で同期の取れた同一コードが利用されている。さらに、端末を区別するためにセル内の端末ごとに値が異なっていることから、擬似乱数発生に利用するカウンタ値として望ましい。第12図に、上りスクランブリングコードを利用して、擬似乱数発生用のカウンタを取得する処理のフローチャートを示す。以下の処理は、端末100の品質情報周期処理部318と、基地局101の品質情報周期処理部217において同様に行う。
まず、スクランブリングコードを読み取るタイミングを決定する(ステップST300)。次に、決定されたタイミングでスクランブリングコードを読み取る(ステップST301)。次に、カウンタ値が指定された範囲の値になるように限定して最終的なカウンタ値を得る(ステップST302)。次に、元の送信タイミングにこの値を加えて送受信タイミングを得る(ステップST303)。
このように、基地局101の品質情報周期処理部217と端末100の品質情報周期処理部318は、擬似乱数を発生する際に、基地局101と端末100で同期の取れたカウンタ値として、スクランブリングコードを利用するようにしたので、カウンタ値の通知を行う必要がない。
また、オフセット算出のアルゴリズムに乱数ではなく周期関数を利用してもよい。この方法を用いると、基地局101から端末100に初期値を与えれば、その後は毎回カウンタ値を送らなくても基地局101と端末間100で同じカウンタ値を発生させることができ、シグナリングを簡易化することができる。第13図に、周期関数を利用してオフセットを算出する処理のフローチャートを示す。以下の処理は、端末100の品質情報周期処理部318と、基地局101の品質情報周期処理部217において同様に行う。ただし、初期値は、基地局101から端末100に通知される。
まず、カウンタの初期状態をチェックする(ステップST400)。判断の結果、初期化されていなかった場合は、初期値を取得する(ステップST401)。その後、カウンタ値を1増加する(ステップST402)。ステップST400でカウンタが初期化されていると判断された場合は、ステップST402でカウンタ値を1増加する。次に、カウンタ値を求めるオフセットの範囲の値で剰余演算し、剰余の値を取得する(ステップST403)。次に、元の送信タイミングにこの値を加えて送受信タイミングを得る(ステップST404)。このように、求めるオフセットの範囲でカウンタ値を割って剰余を得ることにより、限界値を超えたオフセット量が算出されることがない。
ここで、報告周期kの値、および、オフセット算出に周期関数を用いる場合の初期値を通知するシーケンスを第14図に示す。図中、基地局装置は、基地局内で無線通信の終端点として端末と通信を行う部分を指し、基地局制御装置は、基地局内で基地局装置を制御するための処理部を指す。
まず、(1)周期関数を用いる場合には、基地局制御装置より端末に対し、基地局装置経由で初期値が通知される。なお、(1)は、初期値が必要となる場合のみ追加されるシーケンスである。次に、(2)端末から基地局装置へ周期的に品質報告が通知される。端末からの品質報告により、報告周期kの値に変更が必要な場合は、(3)基地局から基地局制御装置に対して報告周期kの値の変更要求が通知される。(4)基地局制御装置が報告周期kの値を決定して、基地局経由で端末に通知する。
このように、基地局101の品質情報周期処理部217と端末100の品質情報周期処理部318が、同じ周期関数を用いてオフセット値を算出するようにしたので、基地局101と端末100間で初期値の通知さえ行えば、オフセット値を毎回通知する必要はないという効果がある。
実施の形態3.
実施の形態3では、品質情報の報告周期kの組を複数準備し、それぞれの組をkの値によって複数の周期群に分類する。セル内の各端末に対して周期群を指定し、指定した群に属するkの組を割り当てる。これにより各端末の報告周期kの選択肢が増えるので、衝突を回避することができる。
品質情報の報告周期は、伝播品質が良好で変化が少ない場合には長間隔でよく、一方、伝播品質の変化が激しい場合は短い間隔にする必要がある。特に、ソフトハンドオーバ状態においては変化が激しいため短い間隔での品質情報CQIの報告が必要になる。
第15図は、実施の形態3における報告周期kの組と周期群の作り方の例を示すものである。図に示すように、#1から#9までの報告周期kの組は、周期の長短によって、3つの周期群に分類される。
とり得るkの値の組が従来のようにk={0,1,5,10,20,40,80}の1種類しかない場合、短い周期k(例えば一桁の値)として選択可能なものは{1,5}の2つしかない。短い報告周期kが必要な場合に、例えば図中の#1(k={0,1,2,4,6,8,10})のように、小さな値のkのみからなる組の中から選択するようにすれば、より細かい分解能で報告周期kを設定することができる。逆に、長い報告周期kでよい場合には、例えば#7(k={0,20,40,80,120,160,200})のように大きな報告周期kの組の中からkを設定するようにすればよい。
また、各端末に対して、異なったkの組を割り当てることによって、品質情報報告の衝突を減らす効果がある。第16図にこの場合の例を示す。図に示すように、端末1にはkの組として#1(k={0,1,2,4,6,8,10})を割り当て、端末2に対しては#2(k={0,1,3,5,7,9,10})を割り当てる。このように、それぞれの組の間で、kの値が若干ずれるように設定されていると、各端末において、それぞれt1,t2のタイミングでkの値を切り替えても、端末間での衝突が発生しにくい。
第17図に、この発明の実施の形態3による基地局101の品質情報周期処理部217による端末に割り当てる報告周期kの組の決定方法のフローチャートを示す。まず、現在設定されている周期群に属する各組について、各端末への割り当て状況を得る(ステップST500)。
次に、ステップST500で得られた結果を基に、最も割り当て回数が小さい組を選択する(ステップST501)。割り当て回数が最も小さい組が複数存在する場合には、乱数を発生させることにより1つを選択する(ステップST502、ステップST503)。
次に、選択した組の使用回数を1加算し、割り当て状況を更新する(ステップST504)。次に、目的の端末に対し、決定したkの組を通知する(ステップST505)。このようにして、端末に割り当てるkの組が決定される。
kの周期群は、端末から報告される品質情報の内容や後述する他の条件等によって、適切な周期群に変更される。第18図に、実施の形態3による基地局101によるkの周期群およびkの決定方法のフローチャートを示す。
基地局101は、各端末からの品質情報報告を受信し、保管する(ステップST600)。次に、以前受信した品質情報と最新の品質情報との差分を取り変化を調べる(ステップST601)。次に、品質情報の変化の程度を確認する(ステップST602)。変化がない場合はそのまま変更を行わずに終了する。
一方、小さな変化がある場合は、現在設定されているkの組の中からより大きいkの値を選択する(ステップST604)。ステップST604で選択する周期kの条件に合うものが、kの組の中で1つだけしかない場合には、kの周期群を1段階大きいものに変更する(ステップST605、ステップST606)。周期群を変更した場合には、第17図で示した処理によって、kの組を決定する。
ステップST604で選択できるkが、現在設定されている組に2つ以上ある場合には、当該組の中から新たな周期kを選択する。
また、ステップST602で、品質情報に大きな変化があると判断された場合には、kの組の中から、1つ小さい周期のkを選択する(ステップST607)。
ステップST607において、kの組の中から選択したkの値が、当該kの組に属するkの最大値の1/5以下である場合には、kの周期群を小さいものに変更する(ステップST608、ステップST609)。周期群を変更した場合には、第17図で示した処理によって、kの組を決定する。
ステップST607で選択されたkの値が当該kの組に属するkの最大値の1/5よりも大きい場合は、当該組のなかから新たな周期kを選択する。
基地局101は、選択された新たな報告周期kを目的の端末へ通知する。さらに周期群に変更がある場合には新たな周期群も合わせて通知する(ステップST610)。
第19図に、kの周期群、組および値を変更する際のシーケンスを示す。図中、基地局装置は、基地局内で無線通信の終端点として端末と通信を行う部分を指し、基地局制御装置は、基地局装置を制御するための処理部を指す。まず、(1)端末から基地局装置へ周期的に品質報告が通知される。基地局装置は、(2)端末から通知された品質報告に基づいて、報告周期kの変更が必要であると判断した場合には、基地局制御装置に対してkの値の変更要求を通知する。
もし、(3)kの周期群も変更する必要がある場合には、基地局制御装置はkの周期群を決定して、基地局装置経由で端末に通知する。さらに、(4)基地局制御装置はkの組も決定して、基地局経由で端末に通知する。最後に、(5)基地局制御装置は、変更後のkの値を基地局装置経由で端末に対して通知する。
変更指示の通知を受けた端末は、基地局より指定されているkの周期群の中のkの組を選択し、kの値を参照可能な状態とする。その後、限定されたビット数のシグナリング値を元に参照可能なkの組の中から実際に利用するkの値を読み出し、指定された周期kの組に属する報告周期kを設定する。
以上のように、この実施の形態3によれば、周期の長短により分類した報告周期kの組を複数設け、各組を周期群に分類した。基地局101は、端末100から通知された品質情報に基づいて端末100に通知するkの周期群、組および周期kを切り替えるようにしたので、同じ周期群を利用する端末間であっても品質情報報告の衝突を減らすことができる。
一般に、パラメータ指定時のシグナリングに用いることができるビット数は、シグナリング時の転送量削減のため限定したビット数となっている。実施の形態3では、報告周期kの組を複数用意することにより、限られたビット数で、より多くの種類のkを指定することができる。
なお、端末100に割り当てる周期群の決定は、端末100の品質情報以外の基準に基づいて行ってもよい。
例えば、基地局101は、端末100と基地局101との距離に応じて、端末100に割り当てる周期群を決定してもよい。
第20図は、局側の装置で実行される周期群の割り当て処理のフローチャートである。この処理は、基地局101または基地局制御装置単独で行ってもよいし、基地局101および基地局制御装置の両者で行うようにしてもよい。
まず、局側装置(基地局101および基地局制御装置)は基地局101と端末100との距離Dを調査する(ステップST700)。次に、局側装置は予め決められた距離Th1,Th2と比較することにより、距離Dが短距離、中距離、遠距離のいずれであるかを判断する(ステップST701)。
端末100までの距離が遠距離(Th1<D)と判断されたときは、例えば、端末100が基地局101のセルエッジにある場合である。この場合には、基地局101は、端末100に短い周期で周期報告を行わせるために、短周期群を端末100に対して割り当てる(ステップST702)。
一方、端末100までの距離が中距離(Th2<D≦Th1)と判断されたときは、基地局101は端末100に中周期群を割り当てる(ステップST703)。また、端末100までの距離が短距離と判断されたときは、端末100に長周期群を割り当てる(ステップST704)。
周期群を割り当てたら、第17図で示した手順に従って、割り当てられた周期群に属する報告周期の組の中から1つの組を割り当てる。さらに、その組に含まれる複数の周期の中から1つの周期kを選択し、端末100に割り当てる(ステップST705)。
このように、端末への周期群の割り当てを、基地局からの距離に基づいて行うことにより、比較的通信の品質が悪くなりやすい遠距離の場合や品質が良い近距離の場合の報告周期を適切に割り当てることができる。
なお、端末100の位置を測定する方法としては、端末100がGPS(Global Positioning System)受信機を備えている場合には、GPS衛星からの電波に基づいて位置を特定する方法を採用してもよい。また、基地局101から端末100に発信される電波に基づいて位置を特定してもよい。
また、端末100が複数の基地局から信号を受信し、これら複数の信号に基づいて各基地局までの距離を判別するようにしてもよい。例えば、端末100はソフトハンドオーバをする場合に準じて、複数の基地局から近づく電波状態が互いに同品質であった場合には、自端末がセルエッジ、すなわち遠距離にいると判断することができる。また、基地局101が端末100からの送信信号の電波強度や信号対雑音比などを基に距離を判断してもよい。
また、端末100に割り当てる周期群を端末の移動速度に応じて決定してもよい。例えば、端末100の移動速度が速い場合には、基地局101は短周期群に属する報告周期の組#1〜3のいずれか1つの組を、端末100に割り当てる。一方、移動速度が中程度の場合には、中周期群の組を割り当て、低速度の場合には長周期群の組を割り当てる。
端末の移動速度を測定する方法としては、基地局101からの信号のドップラーシフトを端末側で計測する方法や、端末100に備えられたGPS受信機の位置情報を連続して計測し、移動座標に基づいて移動速度を算出する方法等がある。また、自動車に取り付けられた端末の場合には、自動車に搭載された速度計から速度情報を取得し、基地局101へ送信するようにしてもよい。その他、速度の計測については、どのような測定方法や方法を用いてもよい。
また、間欠受信等で利用される着信群が決められている場合、基地局101は端末100の属する着信群に従って周期群を定め、その周期群から報告周期の組を選択してもよい。
また、W−CDMAにおいては、各チャネルのキャリアは1つしかないが、次世代の通信方式であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用いる場合には、1つのチャネルに複数のサブキャリアが割り当てられる。その場合、サブキャリアごとにそれぞれの品質報告が求められるため、端末100は各サブキャリアの品質を測定し、基地局101に測定した品質を報告する。局側装置は、各サブキャリアの品質変化の速度に基づき、品質変化の早いサブチャネルには短周期群に属する組を割り当て、変化の早さが中程度のサブチャネルには中周期群の組を、また変化の遅いサブチャネルに対しては長周期群に属する組を割り当てるようにしてもよい。
また、端末100が複数のチャネルを持つ場合、各チャネルの許容遅延量に応じて周期群を割り当ててもよい。すなわち、基地局101は、そのチャネルの許容遅延量が小さい場合にはそのチャネルに対して短周期群に属する組を割り当て、許容遅延量が大きい場合には、そのチャネルに長周期群の組を割り当てる。このとき、許容遅延に基づく割り当てを端末100を単位として行うこともできる。例えば、端末100のチャネルの中で最も許容遅延量が少ないチャネルや、最も優先度の高いチャネル等代表的なチャネルに基づいて、端末100に割り当てるチャネルを決定してもよい。
なお、上述した様々な周期群割り当て方法は、第20図に示した処理において、ステップST700で各方法に対応した決定基準(端末の移動速度等)を調査し、ステップST701における各方法に対応した判定処理の結果に基づいてステップST702〜ステップST704のいずれかの割り当て処理を行うことにより実現される。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、品質情報CQIの報告周期を様々な方法で決定した。実施の形態4では、同様の構成で、品質情報以外の周期的に通知が必要な情報の報告周期の決定を行う。
例えば、基地局101への周期的な報告が必要な例として、端末100のバッファ量が考えられる。端末100は、実施の形態1〜3と同様の処理により決定された受信タイミングに従って、端末100のバッファ量を基地局101に通知してもよい。基地局101は、決定された受信タイミングで受信した信号から、端末100のバッファ量情報を取得し復号する。
端末100のバッファ量は、送信しきれずにバッファに残っている端末100の送信データの量である。バッファ量を周期的に報告することにより、基地局101では報告されたバッファ量に基づいて上り方向の通信のスケジューリングを行うことができる。特に、蓄積型のデータ送信方法であるパケット送信においては有効である。
また、他の例として、端末100に端末100の移動速度を計測する手段がある場合には、実施の形態1〜3と同様の処理に従って、端末100の移動速度を通知するようにしてもよい。
移動速度は伝播状況に影響を与えるため、この情報を基地局101が知ることにより、基地局側では適切な変調方式、符号化レート等の選択を行うことができる。
また、他の例として、端末100がGPS受信機を備える場合には、GPS受信機で測定した端末100の位置情報を基地局101へ周期的に送信してもよい。端末100の位置情報により、セルとの伝播ロスを推定できるため、基地局101は端末100に対してビーム方向の決定や初期の送信レベルの決定に利用することができる。
また、端末100で測定したブロックエラーレートを周期的に報告してもよい。
さらに、以上の例はW−CDMA方式における例であるが、本発明は、他の通信方式における周期報告に対しても適用できる。例えば、CDMA2000(1xDV)やFDM(Frequency Division Multiplexing)、OFDMにも適用できる。
実施の形態5.
実施の形態1の第3図および第4図に示した基地局101および端末100の構成は一例であり、他にも多様な構成の装置を使用することができる。特に、基地局101の品質情報周期処理部217や端末100の品質情報周期処理部318は、専用回路だけでなく、汎用のプロセッサを用いて構成することができる。
汎用プロセッサは、品質情報周期処理部217,318だけでなく、プログラムで処理可能な他の構成をも兼ねることができる。
また、汎用プロセッサに変調部等の他の回路の動作をコントロールさせ、基地局101または端末100の全体の動作を制御させることも可能である。
第21図は、マイクロプロセッサユニット319を用いた端末100の構成例を示す図である。第4図と同一の符号は、同一または相当の要素を表している。
第21図に示した端末100は、複数の衛星から信号を受信するGPSアンテナ321と、GPSアンテナ321の受信信号に基づいて、端末100の位置を特定するGPS受信機320を備えている。
マイクロプロセッサユニット319は、GPS受信機320からの位置情報を用いて、基地局101からの距離や、速度情報を生成することができる。
ここでは、実施の形態1の処理は、マイクロプロセッサユニット319とマイクロプロセッサユニット319の動作を制御するプログラムによって実現することができる。プログラムは、コンピュータで読取可能な記憶媒体から読み込むようにしてもよいし、通信回線を介して送信するようにしてもよい。
また、例えば、応答信号判定部214や応答信号生成部315のように、高速な処理を行う必要がある構成要素には、DSP(Digital Signal Processor)のような信号処理専用のプロセッサを用いてもよい。
以上のように、この発明に係る端末は、端末から基地局へ送信される品質情報の衝突の減少を実現し、通信の干渉を出来る限り抑えるのに適している。
Claims (12)
- 端末から基地局へ周期的に送信される周期情報を受信する受信部と、
上記周期情報の受信タイミングに対し、可変な時間オフセットを算出して付加する周期処理部を備えた基地局。 - 周期処理部は、端末の周期処理部と同一のアルゴリズムにより発生させた擬似乱数を用いて時間オフセットを算出することを特徴とする請求の範囲第1項記載の基地局。
- 周期処理部は、周期的な送信の基準周期に基づいて、上記基準周期に従って変化する限界値内で時間オフセットを決定し、この時間オフセットを用いて上記基準周期を調整することにより受信タイミングを変更することを特徴とする請求の範囲第1項記載の基地局。
- 周期の長短によって分類された複数の基準周期の組から、1つの組を端末に対して割り当て、上記端末から受信した周期情報に基づいて、上記割り当てられた組の中から周期情報報告周期を選択する周期処理部と、
選択された周期情報報告周期を上記端末に送信する送信部とを備えた基地局。 - 周期処理部は、各端末から受信する周期情報の報告周期の組が重複しないように、各端末に対して周期情報報告周期の組を割り当てることを特徴とする請求の範囲第4項記載の基地局。
- 周期処理部は、周期の長短によって分類された複数の報告周期群を有し、少なくとも1つの報告周期群に対して複数の周期情報報告周期の組を備えたことを特徴とする請求の範囲第4項記載の基地局。
- 基地局から指定された基準周期に可変な時間オフセットを付加し、送信タイミングを決定する周期処理部と、
上記周期処理部により決定された送信タイミングに基づいて、周期的に送信される周期情報を上記基地局へ送信する送信部とを備えた端末。 - 基準周期は、基地局から受信した周期であり、送信部は、制御情報を送信するチャネルを用いて、周期情報を送信することを特徴とする請求の範囲第7項記載の端末。
- 周期情報は、基地局との通信状態を表す品質情報であり、周期処理部は、上記品質情報を送信する度に時間オフセットを変更することを特徴とする請求の範囲第7項記載の端末。
- 周期処理部は、時間オフセットの生成に乱数を用いることを特徴とする請求の範囲第7項記載の端末。
- 周期処理部は、基地局側の周期処理部と同一系列の時間オフセットを生成する関数に基づいて、時間オフセットを生成することを特徴とする請求の範囲第7項記載の端末。
- 互いに異なる分解能を有する複数の報告周期の組から、1つの組を端末に対して割り当て、上記端末から受信した周期報告に基づいて、上記割り当てられた組の中から報告周期を選択する周期処理部と、上記周期処理部が選択した報告周期を上記端末に通知する送信部を有する局側装置と、
上記局側装置から通知された報告周期に基づく送信タイミングで、上記周期報告を送信する送信部を有する端末とを備えた通信システム。
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