JPWO2004073566A1 - 医療用被覆材 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規な材料からなる医療用被覆材を提供すること、中でも、皮膚呼吸が可能で、ムレの発生が抑制されると共に、外部からの細菌等による感染が可及的に防止され、また、接着剤を塗布することなく、それ自身で接着し得る自己粘着性を有し、更に、被覆状態下においても、人体の被覆部位の目視観察が可能な透明性を有している医療用部材を提供することを解決課題とし、重合性不飽和結合と共に、ポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマーを必須の重合成分として結合含有し、且つ、含水率が10%未満となる実質的な非含水性と自己粘着性とを有する重合体から、透明な医療用被覆材10を、作製した。

Description

本発明は、医療用被覆材に係り、特に、骨折等における患部の固定、また、怪我の防止や治療のために関節や筋肉等にテーピングを施したり、創傷部をカバーしたりする際などに有利に用いられ得ると共に、被覆状態下において、人体の被覆部位の目視観察が可能な医療用被覆材に関するものである。
従来より、人体の所定部位を被覆する医療用被覆材として、種々のタイプの包帯が知られている。例えば、現在、一般的に使用されている包帯としては、綿等の天然材料や、ナイロン、ポリエステル等の合成材料の糸から作られた織布や不織布、順応性合成ポリマーフィルム等からなるものが挙げられるが、その他にも、ゲル状を呈する包帯等も、実用化されるに到っている。また、骨折時の被覆材としては、通常、ギブスが使用されており、その材料としては、一般に、石膏が用いられてきている。
ところで、上述せる如き材料からなる包帯や、ギブスにあっては、その構成材料の如何によって、各種の問題が内在しているのである。具体的には、ガーゼ等の織布製の包帯や、ギブスにあっては、不透明であるところから、患部を被覆した状態下において観察することが出来ず、患部を観察する必要が生じる度に、包帯等を除去乃至は剥離しなければならない。また、そのような包帯は、傷の癒合を妨げること無く取り外すのが難しく、その取り外し作業によって、患部に損傷等を与えるだけでなく、再び傷を癒して患部が完治するのに多くの時間を要する等の問題を内在している。また、ゲル状の包帯にあっては、患部から除去乃至は引き剥がす際に、包帯自身が破断し易いといった欠点を有している。更に、それら織布製の包帯やゲル状の包帯は、何れも、空気感染を防ぐための創傷部の閉鎖という点では、充分な効果を期待することが出来ないのである。
このため、上記した各種の問題を解消するべく、特開平5−123353号公報においては、透湿性・水不透過性の裏打ちシートと、吸収性・膨潤性・水溶性物質を分散させたポリマー母材を含む吸収層と、創傷部周囲への接着用の接着コーティングとを備えた半透明乃至は透明な閉鎖包帯が提案され、かかる吸収層にて、創傷部からの滲出液が吸収され、また、裏打ちシートを通じて湿気が透過されると共に、包帯を装着した状態において、創傷部の観察が可能となるように構成されている。しかしながら、このような包帯は、感圧接着剤等の接着剤が塗布されてなる接着コーティング層の接着力をもって、患部への固定が実現されているところから、そのような包帯を引き剥がす際に、接着コーティング層との接触部分において、苦痛に因るストレスが生じる恐れがある。また、酸素透過性が低い材料が用いられているところから、被覆部分の皮膚呼吸が困難となるといった欠点も内在している。
また、他のタイプの医療用被覆材として、所定長さの接着テープの中央部位に、ガーゼ等の吸収パッドが配置されると共に、その接着面の全面がペーパーやライナー等の剥離可能な層によって覆われてなる構造の、自己接着性タイプの包帯が、用いられている。このタイプの包帯としては、様々な形状や大きさの物が市販されており、安価であると共に、貼用可能であるため、広く普及している。しかしながら、この種の包帯は、ガーゼ部分が創傷滲出液で飽和され易く、創傷部が感染を極めて受け易い状態となると共に、ガーゼ部分に吸収された創傷滲出液が乾燥すると、ガーゼ部分と創傷部がくっつき、そのために、包帯を引き剥がす際に、苦痛を伴うのみならず、創傷部に形成された新しい細胞組織までもが剥離されて、治癒過程が阻害されることとなる。
このため、特開平5−184621号公報には、創傷滲出液やその他の体液を充分に吸収するヒドロゲル層を有する自己接着性タイプの包帯、更には、包帯を取り除くことなく、包帯が貼着された状態で、創傷の目視検査が可能な包帯が提案されているのであるが、その提案された包帯にあっては、創傷滲出液等の体液を吸収する部位がヒドロゲル層に限定されてしまうこととなるところから、患部の大きさによっては使用することが出来なくなるばかりでなく、非患部からの汗等の体液によって、容易に剥れてしまう危険性も内在しているのである。
さらに、特表平10−508520号公報には、透湿性裏材層とアクリレート系ゴム弾性感圧接着剤微小球の粒状接着剤層とを有して構成される創傷用包帯が提案され、そこでは、充分な初期接着力や、患部から外す際に皮膚に重大な損傷を与えることのない、即ち、皮膚への負荷が少ない低外傷性が実現されているのであるが、この包帯にあっても、接着剤をコーティングして、包帯に接着性を付与しているところから、包帯を患部から剥離する際に、苦痛を伴う恐れが完全には払拭されていないと共に、製造工程が煩雑となる等の問題を内在している。
更に、その他、医療用被覆材として、特開平10−263006号公報には、透明な水蒸気通気性弾性薄膜と、感圧接着剤層、保護剥離ライナ、多孔質背面層を有して構成される包帯が提案され、また、特表平8−508911号公報には、整形外科用ギブスとして使用される、硬化性樹脂や充填剤を含む複合物品が提案されている。
加えて、特表平1−503072号公報には、(A)少なくとも1種のアミドアクリル、(B)少なくとも1種のビニルカルボン、(C)所定の構造を有するメタクリロキシ−X−ポリシロキサン、(D)少なくとも1種のフルオル化アルキルメタクリレート、(E)少なくとも1種のアクリルアルカノール、(F)少なくとも1種の性質改変剤である共重合し得るビニル単量体、(G)架橋単量体を、所定の配合割合において共重合して得られる材料からなる、火傷及び怪我の包帯用の人工皮膚膜が提案され、また、特表平6−503103号公報には、シリコーン含有マクロモノマーを重合成分として用いた共重合体からなる含水性組成物が提案され、その用途の一つとして、創傷包帯が指摘されている。しかしながら、それら特表平1−503072号公報及び特表平6−503103号公報の人工皮膚膜や創傷包帯は、含水性であるところから、材料自体に微生物が繁殖する恐れがあった。また、何れも、コンタクトレンズの形成材料としても使用され得る共重合体からなるものであるため、自己粘着性は全くなく、そのような人工皮膚膜又は創傷包帯は、何等かの方法で固定されなければならないものであった。
このように、従来より提案されている医療用被覆材にあっては、それぞれ、長所短所があり、創傷等の疾病の種類や程度、或いは使用目的等に応じて、適宜に選択されて用いられているのであるが、近年においては、癒着が防止されて治癒過程が阻害されず、また、被覆した状態においても、患部の目視観察が可能である、透明性に優れたものが、望まれてきているのである。
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、新規な材料からなる医療用被覆材を提供することにあり、中でも、皮膚呼吸が可能で、ムレの発生が抑制されると共に、外部からの細菌等による感染が可及的に防止され、また、接着剤を塗布することなく、それ自身で接着し得る自己粘着性を有し、更に、被覆状態下においても、人体の被覆部位の目視観察が可能な透明性を有している医療用部材を提供することにある。
また、別の課題とするところは、上述せる如き材料に、吸水性を付与することで、創傷部等の患部からの滲出液を充分に吸収することが可能な医療用被覆材を提供することにある。
そして、本発明は、上述の如き課題を解決すべく、重合性不飽和結合と共に、ポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマーを必須の重合成分として結合含有し、且つ、含水率が10%未満となる実質的な非含水性と自己粘着性とを有する重合体から形成された、透明な材料からなることを特徴とする医療用被覆材を、その要旨とするものである。
すなわち、かくの如き本発明に従う医療用被覆材にあっては、それを構成する重合体の必須の重合成分として、従来よりプラスチック材料のガス透過性を向上せしめるために用いられている有機シリコーン成分のうちの一つである、重合性不飽和結合と共にポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマーが採用されて、それが重合体中に結合,含有せしめられているところから、かかる重合成分に起因して、酸素や水蒸気を始めとする気体(ガス)の透過性が高くなっており、皮膚呼吸に必要な高い酸素透過性、及び、汗等によるムレを防止するための透湿性が高度に確保されたものとなっているのである。
また、そのような所定のシリコーン含有モノマーを少なくとも結合含有する重合体は、実質的に非含水(含水率が10%未満)で、且つ、自己粘着性を有するものでもあるところから、その非含水特性によって、全体が含水性を有する従来のものに比して、細菌等の微生物が繁殖し難く、外界からの細菌の感染を防止乃至は抑制する非感染性が向上せしめられると共に、適用面に感圧接着剤等の接着剤をコーティングしなくても、自己粘着性によって、被覆材同士が重なり合うように、指や腕等に巻回すれば、その重ね合わせ部分で被覆材同士を貼着せしめることが可能となるのである。尤も、かかる所定のシリコーン含有モノマーを少なくとも結合含有する重合体の自己粘着性は、皮膚に対する接着を実現するものではないところから、そのような重合体からなる材料を、包帯等の医療用被覆材として人体に適用しても、適用面が、創傷部や健全な皮膚に貼り付いてしまうようなことは有利に回避され、従って被覆材を取り外す際の皮膚への負荷も可及的に小さく為され得ることとなるのである。
加えて、本発明に従う医療用被覆材は、前記重合体を用いて、透明な材料として形成されているところから、被覆状態下においても、人体の被覆部位の目視観察が可能となり、以て、創傷等の治癒過程で、被覆部の経過観察を行なう際に、医療用部材を一々取り外す必要がなくなって、その取り外しによる手間や苦痛等の低減が有利に図られ得る特徴も有している。
なお、かかる本発明に従う医療用被覆材の特に好ましい態様によれば、前記材料は、フィルム状、シート状又はテープ状の形態を呈していることが望ましく、このような形態にて医療用被覆材を構成すれば、優れた取扱性や成形性が実現され得ることは勿論、被覆部への巻回数を増加すれば、高い強度や剛性も確保され得るようになる。例えば、骨折等の治療において、患部を固定する場合には、上記テープ状のものの中でも、比較的に厚手のものを用意し、患部への巻回数を増加させることで充分な固定が可能となる。
また、本発明に従う医療用被覆材の好ましい態様の他の一つによれば、前記シリコーン含有モノマーとして、少なくとも1つ以上の重合性不飽和結合を有する、数平均分子量が2000〜100000のシロキサンマクロモノマーが、有利に採用され得るのであり、更に、そのようなシロキサンマクロモノマーは、前記重合性不飽和結合が、(メタ)アクリロイルオキシ基によって導入されるものが、望ましい。このようなシロキサンマクロモノマー(シリコーン含有マクロモノマー)を採用すれば、自己粘着性がより一層向上せしめられ、それに伴って、医療用被覆材のより強固な接着が可能となるのである。
さらに、本発明に従う医療用被覆材の別の好ましい態様の一つによれば、前記重合体として、下記一般式(I)にて示される脂肪酸ビニルエステルを共重合成分として結合含有するものが、有利に用いられることとなる。
Figure 2004073566
[但し、式中、Rは、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は水素原子の一部若しくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜15のハロゲン化アルキル基を示す。]
加えて、本発明に従う医療用被覆材の更に別の好ましい態様によれば、前記材料を構成する、前記シリコーン含有モノマーと前記脂肪酸ビニルエステルとを少なくとも結合含有する前記重合体に対して、加水分解処理が施されているもの、中でも、そのような加水分解処理により、前記材料が部分的に多孔質化せしめられて、該材料内に多孔質層と非多孔質層とが形成されているものが、好適に採用され得るのである。このように、加水分解処理によって多孔質化せしめられた材料からなる医療用被覆材にあっては、多孔質層によって、材料に吸収性乃至は吸水性が付与され得るところから、創傷部等の患部からの滲出液等を充分に吸収することが可能となるのである。中でも、同一材料内に多孔質層と非多孔質層とを有するものにあっては、多孔質層によって、患部からの体液や創傷滲出液を充分に吸収することが出来ると共に、非多孔質層によって、外部からの細菌等の感染を効果的に防止することが出来るのである。
また、本発明の別の好ましい態様の他の一つによれば、前記加水分解処理に先立って、UV光又はエキシマ光が前記材料を構成する前記重合体に照射されて、表面改質が行なわれていることが望ましい。このような光照射による表面改質によって、材料の親水性が向上して水濡れ性が付与されると共に、かかる親水性の向上により、改質した部分における加水分解反応が促進されるようになる。
なお、本明細書において採用した、「(メタ)アクリロイル・・・」なる表記は、「アクリロイル・・・」及び「メタクリロイル・・・」を含む総称として用いられていることが、理解されるべきである。また、その他の(メタ)アクリル誘導体についても同様である。
第1図は、本発明に従う医療用被覆材の一例を示す斜視説明図である。
第2図は、本発明に従う医療用被覆材の具体例を示す部分拡大断面説明図であって、(a)は、非多孔質の透明な材料からなる医療用被覆材を示す一方、(b)は、加水分解処理により、材料が部分的に多孔質化せしめられて、多孔質層と非多孔質層とが形成されている、透明な材料からなる医療用被覆材を示している。
第3図は、本発明に従う医療用被覆材の別の具体例を示す部分拡大断面説明図であって、多孔質層と非多孔質層が結合剤を介して積層された状態を示している。
第4図は、本発明に従う医療用被覆材の更に別の一例を示す平面説明図である。
ところで、第1図には、本発明に従う医療用被覆材の一例を具体的に説明するために、医療用被覆材の全体の斜視図が、概略的に示されている。そして、この第1図において、10は、本発明に従う医療用被覆材の一具体例たる包帯であって、皮膚等を被覆するための長尺な薄肉のテープ12が、厚紙等の形状保持性のある比較的硬質な芯体14に、多重に巻回せしめられてなる構造とされているのであり、ここでは、かかる包帯10(具体的には、薄肉のテープ12)が、本発明に従って、医療用被覆材としては新規な材料を用いて、形成されているのである。
すなわち、そのようなテープ12(包帯10)は、重合性不飽和結合と共に、ポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマーを必須の重合成分として結合含有し、且つ、実質的に非含水(含水率:10%未満)で、自己粘着性を有する重合体からなる、透明な材料にて形成されており、そこに、本発明の大きな特徴が存しているのである。
具体的には、上述せる如き必須の重合成分であるシリコーン含有モノマーは、ポリシロキサン単位を有しているところから、得られる材料に、酸素や水蒸気等のガス透過性を付与して、皮膚呼吸を行なうための酸素透過性や、汗等によるムレを防止するための透湿性が、何れも、高度に発現され、医療用被覆材において望まれる特性を有利に実現し得るようになっているのである。
なお、そのようなシリコーン含有モノマーとしては、重合性不飽和結合と共に、ポリシロキサン単位が導入されてなるものであれば、特に限定されるものではないのであるが、医療用被覆材に必要とされる機械的強度や柔軟性、形状回復性等の特性を良好に確保すること等を勘案して、少なくとも1つ以上の重合性不飽和結合を有し、且つ、数平均分子量が2000〜100000のシロキサンマクロモノマーが、好適に用いられることとなる。何故なら、かかるシリコーン含有モノマーの数平均分子量が2000〜100000の範囲にあると、得られる材料に優れた柔軟性が付与され、人体の被覆部位へのフィッティングに優れた被覆材となるからである。加えて、このようなシロキサンマクロモノマーを採用すれば、得られる材料に、材料同士が貼着可能な自己粘着性や、伸縮性、可撓性等の特性も有利に付与されることとなる。
また、そのようなシロキサンマクロモノマーの中でも、重合性不飽和結合を2つ以上有するシロキサンマクロモノマーにあっては、重合操作を行なった後において、未重合のまま残存するものが少なく、また、過度な粘着性が発現したり、安全性に問題が生じたりするようなことも、極めて有利に防止され得るところから、より好適に用いられるのであり、更に、そのようなシロキサンマクロモノマーの中でも、[−NH−CO−O−]にて示されるウレタン結合(ウレタン基)を有するものが、好適に採用されることとなる。何故なら、シロキサンマクロモノマーは、一般に、透湿を促進する特性たる水濡れ性に劣ると共に、そのようなシロキサンマクロモノマーを単独で重合せしめた場合には、充分な伸縮性や可撓性が得られなくなるといった傾向があるが、ウレタン結合を有する場合には、得られる医療用被覆材に対して、所望とする伸縮性や可撓性を共に付与することが出来るからである。
なお、そのようなウレタン結合は、シロキサンマクロモノマーの1分子中に、平均2個以上、好ましくは平均4個以上において、存在せしめられていることが望ましい。また、そのようなウレタン結合が導入され過ぎると、得られる重合体の柔軟性が低下する恐れがあるところから、ウレタン結合は、シロキサンマクロモノマーの1分子中に、平均20個以下、好ましくは14個以下において、存在せしめられることが望ましい。
また、そのようなシロキサンマクロモノマーの具体例としては、特に、下記一般式(II)や一般式(V)にて示される、重合性不飽和結合がウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているものを例示することが出来る。
<シロキサンマクロモノマーの具体例1>
Figure 2004073566
なお、かかる一般式(II)において、A及びAは、それぞれ独立して、以下の如き重合性不飽和基(重合性不飽和結合を有する官能基)を示す。
すなわち、A及びAにて示される重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基やビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルカルバメート基等を挙げることが出来、これらの中でも、好ましくは、アクリロイルオキシ基やビニル基、更に好ましくは、アクリロイルオキシ基が望ましい。なお、かかるA及びAは、上記した(メタ)アクリロイル基やビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルカルバメート基等の重合性二重結合を有する官能基に、更に、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10のアルキレン基又は炭素数が1〜20、好ましくは1〜10のアルキレングリコール基が付加されたものであっても良い。
また、前記した一般式(II)において、nは、0又は1〜10、好ましくは0又は1〜5の整数であり、Uは、両隣のA及びSと、或いは、S及びSとウレタン結合を形成するジウレタン性基である一方、Uは、両隣のA及びSと、或いは、S及びSとウレタン結合を形成するジウレタン性基である。また、Uは、両隣のS及びAとウレタン結合を形成するジウレタン性基である。
さらに、前記した一般式(II)において、S及びSは、それぞれ独立して、下記一般式(III)にて表わされる基である。
Figure 2004073566
[かかる一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基であり、また、R,R,R,R,R及びRは、それぞれ独立して、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換された直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基又は下記一般式(IV)にて表わされる基であり、中でも、炭素数1〜5のアルキル基が望ましい。更に、xは、1〜1500、好ましくは1〜500の整数、yは、0又は1〜1499、好ましくは0又は1〜499の整数であり、x+yは、1〜1500、好ましくは1〜500の整数である。]
Figure 2004073566
[かかる一般式(IV)中、Aは、重合性不飽和基であり、そのような重合性不飽和基としては、上記一般式(II)のAやAと同様なものを例示することが出来る。なお、かかる重合性不飽和基が、アルキレン基やアルキレングリコール基を有する場合、アルキレン基やアルキレングリコール基の炭素数は1〜20、特に、1〜10であることが望ましい。また、Uは、両隣のA及びRとウレタン結合を形成するジウレタン性基である。更に、R及びRは、それぞれ、上記一般式(III)のR及びRと同様である。]
<シロキサンマクロモノマーの具体例2>
Figure 2004073566
なお、かかる一般式(V)において、B及びBは、それぞれ独立して、以下の如きウレタン結合を有する重合性不飽和基を示す。
すなわち、B及びBにて示されるウレタン結合を有する重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイルイソシアネート基や(メタ)アクリロイルオキシイソシアネート基、アリルイソシアネート基、ビニルベンジルイソシアネート基等を挙げることが出来る。
また、前記した一般式(V)において、Sは、前記した一般式(II)のSやSと同様に、上記一般式(III)にて表わされる基である。
而して、本発明においては、上述せる如き一般式(II)や一般式(V)にて示されるポリシロキサンマクロモノマーを始めとするシリコーン含有モノマーのうちの1種或いは2種以上が、適宜に選択されて、用いられることとなるが、それらの中でも、得られる材料に対して、適度な柔軟性を実現して、形状回復性を付与すると共に、機械的強度や伸縮性、可撓性等の特性の付与効果が大きいという点から、好ましくは、上記一般式(II)において、(−U−S−)の繰り返し数が、0又は1〜4の整数である下記一般式(VI)又は一般式(VII)で示されるもの、更に好ましくは、下記一般式(VIII)にて示されるシロキサンマクロモノマーが、特に好適に採用されることとなる。
Figure 2004073566
[但し、一般式(VI)中のA,A,U,U及びSは、前記一般式(II)と同じ。]
Figure 2004073566
[但し、一般式(VII)中のA,A,U,U,U,S及びSは、前記一般式(II)と同じであり、n′は、1〜4の整数を示す。]
Figure 2004073566
[但し、一般式(VIII)中、aは、20〜50の整数を示す。]
また、そのようなシリコーン含有モノマーは、少なくとも全重合成分の15重量%以上の割合において、好適には、全重合成分の20〜80重量%となる割合において用いられて、医療用被覆材たる包帯10(テープ12)の材料を構成する重合体中に結合含有せしめられることが、望ましいのである。なお、かかるシリコーン含有モノマーの配合割合が過小である場合には、所望とするガス透過性が充分に確保され得なくなる恐れがあると共に、機械的強度の低下を招来する恐れがある。また、80重量%を超えるようになると、得られる材料の柔軟性が低下する傾向がある。
ところで、本発明に従う医療用被覆材を与える重合体を得る場合には、上述せるように、所定のシリコーン含有モノマーを少なくとも必須の重合成分として含む原料組成物が、適宜に調製されることとなるのであるが、上記したシリコーン含有モノマー以外に、かかる原料組成物には、前記一般式(I)にて示される脂肪酸ビニルエステルが、上述せる如きシリコーン含有モノマーの共重合成分として、含有せしめられることが望ましく、そのような脂肪酸ビニルエステルを重合体中に結合含有せしめることによって、得られる重合体、ひいては、そのような重合体から形成される材料に、形状回復性や親水性等の特性が付与されることとなる。また、所定の脂肪酸ビニルエステルを結合含有する重合体に対して、後述する加水分解処理(ケン化処理)を施すことにより、脂肪酸ビニルエステル単位中のエステル結合が加水分解せしめられて、ビニルアルコール単位[−CH−CH(OH)−]が形成され、これにて、表面の親水性が更に向上されて、表面水濡れ性及び透湿性が向上され得るようになる。更に、加水分解処理の条件を適宜に調整すれば、重合体の表面だけでなく、一定の深さまで加水分解が行なわれて、エステル結合を形成していた脂肪酸が外れ、処理部分が多孔質化せしめられるようになるのである(第2図(b)参照)。
ここにおいて、上記した脂肪酸ビニルエステルとしては、前記一般式(I)におけるRが、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は水素原子の一部若しくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜15のハロゲン化アルキル基であるものが採用され、例えば、ギ酸ビニルや、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、モノフルオロ酢酸ビニル、トリクロロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等を例示することが出来るのであるが、それらの中でも、加水分解処理の深さを制御,管理したり、得られる材料の自己粘着性を調整することが可能である点から、好ましくは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、更に好ましくは、酢酸ビニルが採用されることとなる。
そして、そのような脂肪酸ビニルエステルの配合割合としては、全重合成分の5〜50重量%となる割合が、好適に採用されることとなる。なお、かかる脂肪酸ビニルエステルの配合割合が、5重量%に満たない場合には、脂肪酸ビニルエステルによって付与される効果が充分に発揮されず、形状回復性や親水性等の特性の付与が期待できなくなる恐れがあり、また、50重量%を超えるようになると、柔軟性やガス透過性が低下すると共に、親水性が高くなり過ぎて、目的とする非含水特性が確保され得なくなるのである。
また、医療用被覆材たる包帯10(テープ12)の材料を構成する重合体には、必須成分であるシリコーン含有モノマーや、上記の一般式(I)にて表わされる脂肪酸ビニルエステルの他にも、別の重合性モノマー(以下、任意重合成分と呼称する)や架橋剤(架橋性モノマー)が結合含有せしめられても良く、そのような任意重合成分や架橋剤が適宜に選択されて、重合体を与える原料組成物に配合されることとなる。
ここにおいて、任意重合成分や架橋剤としては、前記シリコーン含有モノマーに共重合可能な重合成分であれば、特に限定されるものではないのであるが、任意重合成分としては、ケイ素含有(メタ)アクリル系モノマーやケイ素含有スチレン誘導体等のケイ素含有モノマーや、フッ素含有(メタ)アクリル系モノマー等のフッ素含有モノマー、ケイ素及びフッ素を含有しない炭素数が1〜15の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることが出来る。
より具体的には、上例の任意重合成分のうち、ケイ素含有モノマーは、得られる材料の酸素透過性や透湿性を更に向上せしめるために用いられる成分であり、ケイ素含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチルテトラメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート等のケイ素含有(メタ)アクリレートが挙げられる一方、ケイ素含有スチレン誘導体としては、例えば、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ジメチルシリルスチレン、トリメチルシリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シロキサニルジメチルシリルスチレン、[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキサニル]ジメチルシリルスチレン、ペンタメチルジシロキサニルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘンエイコサメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコサメチルトリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコンタメチルペンタデカシロキサニルスチレン、トリメチルシロキシペンタメチルジシロキシメチルシリルスチレン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、[トリス(トリメチルシロキシ)シロキサニル]ビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、メチルビス(ヘプタメチルトリシロキシ)シリルスチレン、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、トリメチルシロキシビス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチルシロキシ)トリシロキサニルスチレン、トリス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、[トリス(トリメチルシロキシ)ヘキサメチルテトラシロキシ][トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]トリメチルシロキシシリルスチレン、ノナキス(トリメチルシロキシ)テトラシロキサニルスチレン、メチルビス(トリデカメチルヘキサシロキシ)シリルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサニルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリプロピルテトラメチルシクロテトラシロキサニルスチレン等の下記一般式(IX)にて表わされるものが挙げられ、これらのケイ素含有モノマーを単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。これらの中でも、好ましくは、ケイ素含有(メタ)アクリレート、更に好ましくは、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアクリレートが採用され得る。
Figure 2004073566
[但し、一般式(IX)中、pは1〜15の整数、qは0又は1、rは1〜15の整数を示す。]
また、上例の任意重合成分のうち、フッ素含有モノマーは、得られる材料の酸素透過性や透湿性を向上せしめると共に、脂質等の汚れに対する耐汚染性を付与するために用いられる成分であり、例えば、フッ素含有(メタ)アクリル系モノマーとして、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−t−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−t−ヘキシル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2,2′,2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等の他、下記一般式(X)にて示される、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートを挙げられる。
Figure 2004073566
[但し、一般式(X)式中、R11は炭素数3〜15のフルオロアルキル基、R12は水素原子又はメチル基を示す。]
そして、これらのフッ素含有モノマーの中でも、酸素透過性や柔軟性、耐脂質汚染性等の各種の特性を考慮すると、医療用被覆材に対して、柔軟性を付与する効果が良好なフルオルアルキルアクリレート、その中でも、上記一般式(X)において、R11が、炭素数3〜15、好ましくは3〜8、更に好ましくは4〜6のパーフルオロアルキル基であって、R12が水素原子である、水酸基を有するフルオロアルキルアクリレートが、好適に用いられることとなる。
さらに、上例の任意重合成分のうち、ケイ素及びフッ素を含有しない炭素数が1〜15の(メタ)アクリル酸エステルは、得られる重合体の粘着性、機械的強度等を調整するために用いられる成分であり、代表的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート等を挙げることが出来る。
そして、本発明においては、目的とする医療用被覆材に必要とされる特性に応じて、上述せる如きケイ素含有(メタ)アクリル系モノマーやケイ素含有スチレン誘導体等のケイ素含有モノマーや、フッ素含有(メタ)アクリル系モノマー等のフッ素含有モノマー、ケイ素及びフッ素を含有しない炭素数が1〜15の(メタ)アクリル酸エステル等、任意重合成分のうちの1種又は2種以上が適宜に選択されて、用いられ得るのである。また、これらの任意重合成分が使用される場合には、それらの合計量において、全重合成分の70重量%以下、好ましくは20〜60重量%となる割合において、有利に用いられ得るのである。何故ならば、それらの任意重合成分のうち、ケイ素含有モノマーやフッ素含有モノマーの配合割合が多くなり過ぎると、柔軟性や機械的強度が悪化する等の問題が惹起される恐れがあり、また、それらの任意重合成分のうち、(メタ)アクリル酸エステルの配合割合が過大になると、ガス透過性が低下する恐れがあるからである。
一方、架橋剤は、よく知られているように、高分子材料に橋かけ結合を形成せしめるための成分であって、得られる材料に、透明性等の光学特性を付与したり、機械的強度を付与する等の作用を奏するものである。なお、そのような架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシジエチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(m−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン等を例示することが出来、これらのうちの1種を単独で用いたり、或いは、2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
また、上述せる如き架橋剤の中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸ジアリル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、また、それらの中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアリルエーテルにあっては、得られる材料に優れた透明性を実現し得ると共に、良好な機械的強度を付与する等の作用を極めて効果的に発揮することが出来、また、取扱いが容易であるところから、特に好適に採用され得ることとなる。
さらに、上述せる如き架橋剤が使用される場合には、全重合成分の10重量%以下、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜10重量%となる配合割合が、好適に採用されることとなる。なぜならば、かかる配合割合が10重量%を超えると、得られる重合体が硬くなって、柔軟性や強度が悪化する等の問題が惹起される恐れがあるからであり、また、かかる配合割合が過小である場合には、架橋剤を添加することによって得られる効果が充分に確保され得られなくなるからである。
そして、上述せる如き各種の重合成分を、目的とする医療用被覆材の用途等に応じて、それぞれ、所期の含有割合となるように適宜に配合せしめ、更に、それら全重合成分に対して、所定の重合開始剤を適宜に添加して、従来から公知の各種の手法にて重合させることにより、目的とする本発明に従う医療用被覆材を与える重合体が得られるのである。
なお、本発明に従う医療用被覆材を与える重合体には、更に必要に応じて、各種の添加剤、例えば、医療用被覆材に抗菌性や殺菌性等の特性を付与するために、金属フタロシアニン化合物(金属フタロシアニンやその誘導体)、酸化チタン微粒子等を、原料組成物中に添加せしめることにより、重合体中に導入し、構成成分の一つとすることも可能である。但し、それらの添加剤は、本発明の目的を阻害しないものであり、また阻害しない量的範囲において、用いられることとなることは、勿論、言うまでもないところである。
ここにおいて、上記した金属フタロシアニン化合物は、酸化還元能を有する触媒として作用することが知られており、この酸化力により、病原性微生物等の殺菌乃至は消毒を行なうこと等が可能であることが知られている。このため、金属フタロシアニン化合物を、医療用被覆材を構成する材料中に分散,含有せしめれば、被覆状態下において、医療用被覆材に対して、光を照射したり、又は単に太陽光や照明光等の光の下に晒すことにより、優れた殺菌乃至は消毒効果を発現することが可能となるのである。また、かかる金属フタロシアニン化合物を材料全体に均一に分散せしめれば、光の受光時に金属フタロシアニン化合物の発揮する酸化力に基づいて、殺菌乃至は消毒作用が、医療用被覆材の適用面全体に、効果的に作用せしめられることとなる。尤も、かかる金属フタロシアニン化合物は、それ自体が細菌等の微細物に直接作用するのではなく、触媒として機能するものであるから、分解、消失するようなことはなく、このため、優れた殺菌乃至は消毒効果が、長期に亘って、永続的に確保され得るのであり、このような金属フタロシアニン化合物によって、抗菌性及び殺菌性を充分に且つ容易に実現することが出来るのである。
ここにおいて、上記した金属フタロシアニン化合物を材料中に含有せしめるに際して、その濃度としては、使用する金属フタロシアニン化合物の種類に応じて、適宜に決定されることとなるが、一般に、1〜1000ppm、好ましくは10〜500ppmとされる。なぜならば、金属フタロシアニン化合物の添加量が、1000ppmを超えると、得られる材料に色が着き過ぎて、透明性等の光学的特性の低下が惹起される恐れがあるからであり、1ppm未満の場合には、金属フタロシアニン化合物の添加による、殺菌乃至は消毒効果が充分に得られないからである。
また一方、酸化チタン微粒子にあっても、酸化還元能を有する触媒として作用することが知られており、上記金属フタロシアニン化合物と同様な理由から、医療用被覆材を構成する材料中に分散,含有せしめることが出来る。そして、医療用被覆材に光が照射せしめられると、光を受けた材料中の酸化チタンの発揮する酸化力に基づく殺菌作用若しくは消毒作用が効果的に発揮されることとなる。この酸化チタン微粒子にあっても、それ自体が細菌等の微生物に直接作用するのではなく、触媒として機能するものであるところから、分解されたり消失したりすることがなく、優れた殺菌乃至は消毒効果は長期間に亘り、永続的に持続され得る。このため、医療用被覆材が、例えば、包帯である場合には、その包帯を繰り返して使用することも可能となる。従って、酸化チタン微粒子を材料中に含有せしめるだけで、人体の被覆部の殺菌乃至は消毒処理を充分に且つ容易に、また経済的に実施することが出来るのである。
そして、そのような酸化チタン微粒子を材料中に含有せしめるに際して、その添加量としては、殺菌乃至は消毒効果が得られるように適宜に設定されるが、一般に、1〜1000ppm、好ましくは10〜500ppmの割合となる量が採用される。なぜならば、酸化チタン微粒子の添加量が1ppm未満の場合には、添加による効果が充分に得られないからであり、また、1000ppmを超える場合には、材料の透明度が低くなり、ひいては、殺菌乃至は消毒効果が低下する傾向があるからである。
ところで、本発明に従う医療用被覆材を与える重合体の重合手法としては、従来から公知の手法が採用され、特に限定されるものではないものの、一般に、重合性不飽和基にラジカルを発生せしめて重合反応に供する、ラジカル重合法が採用されることとなる。具体的には、ラジカル重合開始剤を重合成分に添加した後、該重合成分を室温〜約130℃の温度範囲で徐々に或いは段階的に加熱して重合せしめる熱重合法や、マイクロ波、紫外線、放射線(γ線)等の電磁波を照射して重合せしめる光重合法等が挙げられる。また、重合開始剤を添加することなく、電子線(EB)による重合も可能である。更に、その他の各種の手法が採用されても、何等差支えない。
なお、ラジカル重合開始剤としては、採用する重合手法に見合ったものを、適宜選択すれば良く、一般に、熱重合の場合には、熱重合開始剤が使用される一方、光重合の場合には、光重合開始剤や、必要に応じて、光増感剤が使用されることとなる。
具体的には、熱重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドが挙げられる一方、光重合開始剤としては、例えば、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン等のフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;ジベンゾスバロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジル等が挙げられる。更に、光増感剤としては、1,2−ベンゾアントラキノン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;トリ−n−ブチルホスフィン;アリルチオ尿素;s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート;ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。
そして、上述せる如きラジカル重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることが出来、その添加量としては、充分な速度で重合反応を進行させるために、全重合成分の100重量部に対して、0.002重量部以上、より好適には、0.01重量部以上の割合となるように調節することが望ましく、また、得られる医療用被覆材に気泡が発生するといった問題を防止するために、重合開始剤の添加量の上限としては、全重合成分の100重量部に対して、通常、10重量部以下、より好ましくは、2重量部以下の割合となるように調整することが望ましい。
而して、上述せる如くして、原料組成物中の重合成分が重合せしめられることにより、目的とする医療用被覆材を与える重合体が得られるのである。
なお、特に、このようにして得られた重合体中に、前記した脂肪酸ビニルエステルが結合含有せしめられている場合には、かかる重合体に対して、加水分解処理を施すことが望ましく、この加水分解処理によって、脂肪酸ビニルエステル単位中のエステル結合が加水分解せしめられて、ビニルアルコール単位[−CH−CH(OH)−]が形成され、これにて、親水性が更に向上されて、より一層優れた表面水濡れ性及び透湿性が実現され得るようになるのである。
なお、加水分解処理としては、酸性化合物による加水分解処理と、アルカリ性化合物による加水分解処理(ケン化処理)が挙げられるが、前者の酸による加水分解は、加水分解速度が遅く、また均一なものが得られ難く、副反応が惹起される等といった欠点があるところから、本発明においては、後者のアルカリ性化合物による加水分解処理が、好適に採用されることとなるのである。そして、そのような加水分解処理によって、医療用被覆材を構成する材料表面に、親水性を付与するだけでなく、被処理部分の多孔質化を実現することが可能となって、透湿性の向上、更には、創傷部等からの体液吸収性を付与せしめることが出来るようになる。
なお、上述せる如きケン化処理に採用されるアルカリ性化合物としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、具体的には、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を例示することが出来、これらの中でも、水酸化ナトリウムが、特に好適に用いられ得る。また、これらのアルカリ性化合物は、一般に、固体であるため、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、水等の溶媒に溶解せしめられ、アルカリ性溶液として用いられるのであり、そして、そのようなアルカリ性溶液中に、重合体が浸漬されることによって、加水分解処理(ケン化処理)が施されるのである。なお、かかるアルカリ性溶液の中でも、アルコール類を用いたアルカリアルコール溶液が好ましく、加水分解処理をより一層有利に実施するためには、その中でも、メタノール水溶液、特に、メタノール/水=30/70〜90/10(体積比)の溶液が好ましく、また、水酸化ナトリウムの濃度としては、0.01〜10mol/Lである溶液が、好適に用いられる。
また、加水分解処理の温度としては、特に限定はないものの、一般に、10〜80℃の範囲の温度に適宜に設定されるが、加水分解処理の効率を上げるためには、20〜70℃程度の温度範囲に設定することが好ましい。更に、加水分解処理の時間にあっては、アルカリ性化合物や酸性化合物の種類、アルカリ性化合物や酸性化合物の濃度、加水分解処理温度等に応じて、適宜に設定されることとなるが、医療用被覆材の親水性を効果的に向上せしめると共に、その表面を多孔質化せしめるには、5分以上、好ましくは10分以上であることが望ましく、また、上限としては、白濁する等して透明性が低下したり、機械的強度が低下する等して、医療用被覆材として不適切な材料となる他、時間が掛かり過ぎて作業性が悪くなる恐れを無くすために、16時間以下、好ましくは12時間以下であることが望ましい。
かくして、このようにして加水分解処理が施された重合体は、その表面や内部に、アルカリ性化合物等が残留しているところから、加水分解処理後に、水や生理食塩水で洗浄すること等によって、中和処理や滅菌処理が適宜に施されるのである。
ところで、上述せる如き加水分解処理を行なうに際しては、そのような加水分解処理に先立って、加水分解処理が施される面や部位等に、UV光又はエキシマ光等による光照射処理が施されることが望ましく、そのような光照射によって、得られる医療用被覆材表面が改質せしめられ、水濡れ性がより一層向上せしめられることとなり、これにより、医療用被覆材の創傷部等への過度な貼り付き乃至は吸着を、極めて効果的に防止し得るのである。また、加水分解処理に先立って、このような医療用被覆材の改質を行なえば、後の加水分解処理において、その反応速度が高められて、加水分解処理をより短時間で行なうことが可能となったり、多孔質化が促進せしめられるといった利点も享受されるようになる。
そして、上述せる如き重合体から、第1図に示される如き長尺で透明なテープ状の医療用被覆材(包帯10)が形成されることとなるのであるが、そのような形状や形態の医療用被覆材を成形する方法(加工方法)としては、従来から公知の手法が何れも採用され得るのである。中でも、得られる医療用被覆材を最大限に活用することが可能であるという点から、重合後において重合体からの剥離が可能なポリマーシート等の保持体上で、所定の厚さとなるように、前記した重合成分を重合した後、所望の形状や大きさとなるようにカッティングを行なう手法や、所望とする形状を与える鋳型を用意し、この型内で前記した重合成分の重合を行なって成形物を得る鋳型(モールド)法、また、加熱延伸法等の手法が好適に採用され得る。また、得られたテープ状の材料(テープ12)は、芯体14に巻回されることにより、第1図に示される如き円柱形状とされ、このようにして製造された医療用被覆材(包帯10)は、適用面が自己接着性を保持したまま、使用に供されるまで、巻回状態で保管されることとなる。
尤も、本発明に従う医療用被覆材は、第1図に示されるテープ状の包帯10の他にも、フィルム状やシート状等の形態のものであっても良く、また、そのような医療用被覆材の厚さや長さ、幅にあっても特に制限されるものではなく、テーピングや創傷被覆、骨折等の患部固定等の使用目的や、創傷や火傷、骨折等の疾患の種類、また、その大きさ等に応じて、適当な形態や形状、サイズのものが用いられることとなるのである。特に、医療用被覆材の厚さ(第1図では、テープ12の厚さ)としては、一般に、0.05〜5.0mm程度、より好ましくは0.05〜1.0mm程度が好適に採用されることとなる。何故なら、上述せる如き重合体から形成される医療用被覆材の厚みが、0.05mm未満の場合には、強度を充分に維持することが出来なくなる恐れがあるからであり、また、厚くなり過ぎると、人体に適用する際に、フィッティングが悪くなる傾向があると共に、酸素透過性や透湿性が低下するようになるからである。なお、特に、骨折等の患部固定を目的として使用する場合等においては、患部への巻回数の低減を図るために、上記した範囲の中でも、1.0〜5.0mm程度の厚さが好適に採用され、かかる医療用被覆材の厚みが5.0mmを超えると、巻回が困難となる。
ところで、第2図には、第1図に示される包帯10(テープ12)の部分拡大断面説明図が、2つの形態において示されている。即ち、第2図(a)には、非多孔質の透明な材料からなるテープ12の断面図が、また、第2図(b)には、上述せる如き加水分解処理により、一方の表面が多孔質化せしめられ、多孔質層16と非多孔質層18を有する、透明な材料からなるテープ12の断面図が示されている。
これら第2図(a)及び(b)に示されるテープ12は、何れも、本発明に従って、上述せる如き原料組成物を重合して得られる重合体から形成される、透明な材料にて作製されているところから、被覆状態下においても、人体の被覆部位の目視観察を容易に行なうことが出来、これにより、創傷等の治癒過程を、テープ12(包帯10)を取り除くことなく、観察することが可能となる。また、酸素透過性に優れると共に、透湿性も改善されているところから、被覆部位において、皮膚呼吸が良好に行なわれ得るようになっていると共に、汗等によるムレの発生も有利に防止され得るのである。
さらに、材料中の非多孔質な部位は、実質的に非含水(含水率が10%未満)であるところから、含水性材料のみからなる従来の包帯等に比して、細菌等の繁殖が抑制され、また、外部からの細菌の感染も有利に防止され、以て、優れた非感染性が付与されているのである。
しかも、テープ12は、自己粘着性を有しているところから、人体への適用面に感圧接着剤等の接着剤からなる層を設けなくても、テープ12同士を重なり合うように巻回すれば、その重ね合わせ部分でテープ12同士を接着せしめることが可能となり、また、その重ね合わせ部の面積に応じて、接着強度を適宜に調整することが出来るのである。尤も、かかるテープ12の自己粘着性は、皮膚に対する貼着を実現するものではないところから、適用面が皮膚に貼りつくことはなく、取り外し時に、外傷や苦痛を惹起せしめたりするようなことも、有利に回避され得るのである。
また、特に、第2図の(b)に示されるテープ12にあっては、一方の表面に、複数の微細な孔が形成されてなる多孔質層16が設けられているところから、そのような多孔質層16の形成された面を皮膚に適用すれば、かかる多孔質層16によって、テープ12に吸水性が付与され、人体の被覆部位からの汗の他にも、創傷や火傷等の患部からの滲出液が吸収され得るようになるのである。
なお、かかる多孔質層16において、孔の大きさや数等は、人体の被覆部位からの汗や滲出液等を吸収することが可能であれば、特に限定されるものではないものの、孔の大きさとしては、100μmを超えるようになると、テープ12の透明性が著しく低下するようになるところから、一般に、100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは10μm以下であることが望ましい。また、孔は、汗や滲出液等の吸収能力を向上させるために、孔と孔とが離れず、連続して形成されることが望ましい。更に、多孔質層16の深さ乃至は厚さにあっても、所望とする吸収能力乃至は吸水能力が実現され得るように、適宜に設定されるものの、一般に、30〜300μm程度が望ましい。
ここにおいて、上記した多孔質層16の吸収能力としては、一般に、多孔質層の重量の100〜400%程度の重量の汗や滲出液を吸収する吸収率を有していることが望ましい。その理由は、100%未満の場合には、人体の被覆部位から発せられる汗や滲出液を充分に吸収することが出来なくなる恐れがあるからであり、また、400%を超えるように多孔質層16を形成せしめると、テープ12が所望とする形状を保持し得なくなって、人体の被覆部を圧迫する等の問題が生じる恐れを内在するからである。
そして、上述せる如き医療用被覆材(包帯10)は、怪我の防止や治療のために関節や筋肉等にテーピングを施したり、創傷部をカバーしたり、骨折部位を固定したりする際などに有利に用いられ得るのであるが、その適用方法としては、テープ12が自己粘着性を有しているところから、テープ12同士が重なり合うように巻回し、その重ね合わせ部分で接着する手法が好適に採用され得る。例えば、適用部が、指や腕の場合、テープ12を1周以上巻回した後、テープ12同士を重ね合わせて接着させるのである。この際、巻回数を少なくすれば、テープ12の柔軟性が損なわれること無く、指や腕の動作に抗するストレスを低減させることが出来る一方、逆に、巻回数を多くすれば、指や腕を固定することが可能となる。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、第2図(b)に示される実施形態では、非多孔質である重合体の一方の表面を加水分解処理によって、所定の厚さで多孔質化せしめることにより、同一材料内に、多孔質層16と非多孔質層18とが形成されていたが、それら多孔質層と非多孔質層とを、異なる材料からそれぞれ作製し、それらを積層せしめてなる構造も有利に採用され、そのような構造の医療用被覆材にあっても、上記と同様な種々の効果が享受され得ることとなる。なお、積層構造の医療用被覆材を作製する手法としては、例えば、予め多孔質のフィルムを用意した後、その多孔質フィルム上に、原料組成物を流延、重合することにより、多孔質層と非多孔質層とを積層したり、或いは、第3図に示されるように、多孔質フィルム20と非多孔質フィルム22をそれぞれ別個に作製し、それらを、適当な結合剤(接着剤)24にて結合して、積層する手法等が挙げられる。
また、多孔質層は、人体への適用面の全面に設けられている必要はなく、例えば、フィルム状の被覆材の場合には、第4図に示されるように、創傷部等の血液等が滲出する部位に位置せしめられるように、中央部のみに多孔質部26が設けられ、その他の部位は非多孔質部28とされていても良い。
さらに、第2図(a)に示されるテープ12や、第2図(b)の非多孔質層18等には、かゆみやムレの発生を最小限にすべく、必要に応じて、創傷等との接触部位を除く部位に、厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられても良く、更には、メッシュ状にすることも可能である。
加えて、医療用被覆材には、使用前に汚染物質が接触することを防止するために、従来と同様に、少なくとも、創傷や火傷等の患部に適用する面に、剥離ライナーが取り付けられていてもよい。例えば、人体への適用面に剥離ライナーを取り付けて、第1図に示されるように巻回すれば、重ね合わせ部分において、剥離ライナーが医療用被覆材の両面に位置せしめられることとなる。なお、かかる剥離ライナーとしては、医療用被覆材の使用時に、容易に剥離することが出来るものであれば、脂肪族フルオロケミカルやシリコーン等による表面加工の施された紙製ライナーや樹脂製フィルムライナー等、従来から公知のものが何れも採用され得るのである。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、下記表1に示される配合組成となるように、各種の重合成分や、架橋剤、重合開始剤、金属フタロシアニン化合物、二酸化チタン等を適宜に配合して、均一に混合せしめ、実施例1〜9に係る原料組成物(但し、実施例4と実施例9は、同一の配合組成)を調製した。
Figure 2004073566
なお、重合成分としては、下記一般式(XI)にて示されるシロキサンマクロモノマー(数平均分子量:5500〜7000)、酢酸ビニル、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート(架橋剤)、ジエチレングリコールジアリルエーテル(架橋剤)を準備した。
Figure 2004073566
また、ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤である、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを準備する一方、抗菌性を付与するための添加剤として、金属フタロシアニン化合物である、テトラ−(4−メタクリルアミド)銅フタロシアニン及び青色404号(フタロシアニンブルー)と、酸化チタンを準備した。
一方、長さ:約100mm×幅:約30mm×厚さ:約0.5mmのフッ素樹脂製シートの中央部を、長さ:約90mm×幅:約20mmの大きさとなるように、矩形状に切り取って除去し、この中央部に矩形状の穴が設けられたフッ素樹脂製シートをスペーサとし、この両側の面をポリエチレンテレフタレート製のシートで挟持し、更にその外側をガラス板で挟んで固定すると共に、このスペーサ内に、上記で得られた各原料組成物を、それぞれ、流し込んだ。
次いで、原料組成物に対して、波長:360nmのUV光(5mW/cm)を、約10分間照射して、重合を行なって、実施例1〜8については、厚さが約0.48mm、実施例9については、厚さが約2.0mmのフィルム状の各共重合体を得た。そして、得られたフィルム状の各共重合体を切断することにより、長さ:約8mm×幅:約15mm×厚さ:約0.48mm又は約2.0mmのテープ状に成形した。
また、そのようにして得られたテープ状の共重合体に、紫外線洗浄装置(ウシオ電気(株)製エキシマ光照射装置UER−172)を用いて、5分間照射せしめることにより、共重合体表面の改質を行なった。次いで、共重合体中に含まれる未重合成分等を除去するために、UV光照射後の共重合体をメタノールに浸漬した後、3mol/Lの水酸化ナトリウムのメタノール60%水溶液(25℃)中に、テープ状の共重合体の一方の面が漬かるように、2時間浸漬して、加水分解処理を行なった。その後、加水分解処理の施された共重合体を、蒸留水に浸漬した後、121℃で20分間オートクレーブ処理し、乾燥機で充分に乾燥させて、供試用の実施例1〜9に係る材料(試験片)を得た。
そして、得られた供試用材料について、以下の▲1▼〜▲8▼の評価を行ない、得られた結果を下記表2に併せ示した。
▲1▼透明性
分光光度計(島津製作所製、UV−2200)を用いて、約0.48mm又は約2.0mmでの380〜780nmにおける光線透過率を測定した。
▲2▼酸素透過係数
GTG(GAS to GAS)ANALYZER(米国:REHDER DEVELOPMENT COMPANY製)を用いて、測定時間3分にて測定し、その得られた測定値を、ISO 9912−2にて規格化されたメニコンEX(Dk=64)を用いて換算して、Dk値を求めた。なお、Dk値は、酸素透過係数の値[(cm/sec)・(mLO/mL×mmHg)]を意味し、特に、酸素透過係数の値に1011を乗じた数値である。
▲3▼粘着力
2枚の試験片を貼り合わせて接触させた後、ピンセットで剥離した際の試験片の状態を観察し、以下の評価基準に基づいて評価を行なった。なお、以下の評価基準A〜Fのうち、C及びDの評価の試験片が医療用被覆材として適している。
A:試験片同士が粘着しない。
B:試験片同士が僅かに粘着するが、容易に剥離する。
C:試験片同士が良好に粘着し、剥離の際に容易に剥離する。
D:試験片同士が粘着し、剥離に多少時間を要する。
E:試験片同士が強固に粘着し、剥離が極めて困難である。
F:試験片同士が完全に粘着してしまい、剥離が不可能である。
▲4▼透湿性
サンプル瓶に蒸留水を適量入れ、サンプル瓶の開口部を試験片で覆って密閉した。そして、サンプル瓶を加熱し、瓶内を水蒸気にて飽和させて、一晩放置し、フィルム状共重合体に水滴が付着したかどうかを、肉眼で観察し、以下のように評価した。
○:水滴の付着が確認されない。
△:僅かに水滴の付着が確認される。
×:水滴の付着が多数確認される。
▲5▼表面多孔性
SEM観察を実施し、表層における多孔構造を確認し、孔の大きさと、多孔質層の深さを測定した。
▲6▼吸水率
加水分解処理によって多孔質層が形成された供試用材料について、その全体の吸水率を求めると共に、表面の多孔質層のみの吸水率を、以下のようにして求めた。
(1)供試用材料全体の吸水率
乾燥機にて充分に乾燥せしめた供試用材料の重量:M(g)を測定すると共に、25℃の蒸留水に24時間浸漬した後、平衡状態にするために2時間煮沸処理を行なって吸水した供試用材料の重量:M(g)を測定し、それらの値を用いて、次式により、供試用材料全体の吸水率:Wを算出した。
(%)=[(M−M)/M]×100
(2)多孔質部の吸水率
予め、加水分解処理を実施する前の供試用材料全体の吸水率:Wを、上記(1)と同様にして求めると共に、SEM観察により多孔質層の厚さ(深さ)を求めて多孔質層の体積百分率と非多孔質層の体積百分率を求め、それらの値を用いて、次式により、多孔質部の吸水率(表面吸水率):Wを算出した。
(%)=(W−W×非多孔質層の体積百分率)/多孔質層の体積百分率
▲7▼伸び率
供試用材料を、幅:2mm×長さ:15mmとなるようにカットして、短冊状試験片とし、これを、インストロン製万能引張試験機を用いて、引張せしめて、破断時の伸び率(%)を測定した。
▲8▼抗菌性
金属フタロシアニン化合物若しくは酸化チタンが含有された実施例3,7,8に係る供試用材料に対して、約10cfu/mLの大腸菌(Escherichia coli IFO 3972)を100μL接種し、UV光(360nm)照射下で4時間培養した。培養後、供試用材料をSCDLP培地で洗浄し、洗浄培地中の生菌数を測定した。そして、この生菌数から、菌減少数(log reduction)を下記の式に従って求めた(JIS−Z−2801)。
菌減少数(log reduction)=log(コントロールの残存生菌数)
−log(培養後、供試用材料の残存生菌数)
Figure 2004073566
上記表2の結果から明らかなように、シロキサンマクロモノマーを結合含有する重合体からなる、実施例1〜9に係る供試用材料にあっては、光線透過率が高く優れた透明性が確保されていると共に、酸素透過性(Dk値)が高く、被覆部においても皮膚呼吸が可能となる。また、粘着性の評価もC又はDとなっており、医療用被覆材に求められる自己粘着性が実現され得ている。更に、良好な透湿性や伸縮性も付与されていることが分かる。加えて、重合体に加水分解処理を施すことにより、材料表面が親水性化せしめられると共に、多孔質化せしめられ、以て、吸水性が付与されることも、認められるのである。
また、金属フタロシアニン化合物や酸化チタンが含有せしめられた実施例3,7,8にあっては、菌減少数が3.21より大きく、抗菌性が有利に付与されていることが、分かる。
以上の説明から明らかなように、本発明に従う医療用被覆材にあっては、所定のシリコーン含有モノマーを必須の重合成分として結合含有する重合体から形成されているところから、酸素透過性が高く、皮膚呼吸が有利に実現され得ると共に、透湿性が改善され、汗等によるムレの発生も有利に防止され得るのである。また、医療用被覆材を与える重合体は、非含水性と自己粘着性をも有しているところから、かかる非含水性によって、細菌等の繁殖が最小限に抑えられ得ると共に、外部からの細菌等による感染も可及的に防止され、また、自己粘着性によって、接着剤を用いなくても患部等を被覆して固定することが可能であると共に、剥離する際には苦痛を惹起せしめることもない。しかも、本発明に従う医療用被覆材は、透明であるところから、被覆状態下においても、人体の被覆部位の目視観察が可能となっているのである。
また、そのような医療用被覆材を与える重合体中に脂肪酸ビニルエステルを結合含有せしめて、加水分解処理を実施すれば、同一材料内に多孔質層を形成せしめることが出来、これにて、医療用被覆材に対して、吸水性を、更に付与することが可能となる。

Claims (8)

  1. 重合性不飽和結合と共に、ポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマーを必須の重合成分として結合含有し、且つ、含水率が10%未満となる実質的な非含水性と自己粘着性とを有する重合体から形成された、透明な材料からなることを特徴とする医療用被覆材。
  2. 前記材料が、フィルム状、シート状又はテープ状の形態を呈する請求の範囲第1項に記載の医療用被覆材。
  3. 前記シリコーン含有モノマーが、少なくとも1つ以上の重合性不飽和結合を有する、数平均分子量が2000〜100000のシロキサンマクロモノマーである請求の範囲第1項又は第2項に記載の医療用被覆材。
  4. 前記重合性不飽和結合が、(メタ)アクリロイルオキシ基によって導入される請求の範囲第3項に記載の医療用被覆材。
  5. 前記重合体が、下記一般式(I)にて示される脂肪酸ビニルエステルを共重合成分として結合含有する請求の範囲第1項乃至第4項の何れかに記載の医療用被覆材。
    Figure 2004073566
    [但し、式中、Rは、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、又は水素原子の一部若しくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜15のハロゲン化アルキル基を示す。]
  6. 前記材料を構成する前記重合体に対して、加水分解処理が施されている請求の範囲第5項に記載の医療用被覆材。
  7. 前記加水分解処理により、前記材料が部分的に多孔質化せしめられて、該材料内に多孔質層と非多孔質層とが形成されていることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の医療用被覆材。
  8. 前記加水分解処理に先立って、UV光又はエキシマ光が前記材料を構成する前記重合体に照射されて、表面改質が行なわれている請求の範囲第6項又は第7項に記載の医療用被覆材。
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