JPWO2004034447A1 - 極短紫外線光学系用反射ミラー、極短紫外線光学系、極短紫外線光学系の使用方法、極短紫外線光学系の製造方法、極短紫外線露光装置、及び極短紫外線露光装置の使用方法 - Google Patents

極短紫外線光学系用反射ミラー、極短紫外線光学系、極短紫外線光学系の使用方法、極短紫外線光学系の製造方法、極短紫外線露光装置、及び極短紫外線露光装置の使用方法 Download PDF

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Abstract

低熱膨張ガラス製の基板上1にTaNからなる薄膜抵抗体層2が形成されている。薄膜抵抗体層2に通電するために、その両端に接するように厚さ100nmのAlからなる電極層3が設けられている。薄膜抵抗体層2の上に厚さ300nmのSiO2からなる絶縁層4が形成されている。そして、その上に、反射体となる周期長6.7nm、積層数50層対のMo/Si多層光学膜5が形成されている。多層光学薄膜5と薄膜抵抗体層2とは絶縁層4により電気的に絶縁されている。薄膜抵抗体層2には、所望の発熱分布を得るために幅10μm程度の切り込み21が設けられている。切り込み21の配置を工夫することにより、EUV光照射時の、光吸収による発熱とほぼ同一の発熱分布を得ることが可能になる。これにより、光学特性の測定状態においても、実際の使用状態に近い光学的特性が得られるような極短紫外線光学系用反射ミラーを提供することができる。

Description

本発明は極短紫外線露光装置(EUVL)等に用いられる極短紫外線(EUV:波長4.5nm〜30nmの光)光学系用反射ミラー、極短紫外線光学系、極短紫外線光学系の使用方法、極短紫外線光学系の製造方法、極短紫外線露光装置、及び極短紫外線露光装置の使用方法に関するものである。
半導体製造用の露光装置においては、物体面としてのマスク面上に形成された回路パターンを、結像光学系を介してウェハ等の基板上に投影転写する。基板にはレジストが塗布されており、露光することによってレジストが感光し、レジストパターンが得られる。
露光装置の解像度wは、主に露光波長λと結像光学系の開口数NAで決まり、次式で表される。
w=kλ/NA k:定数
従って、解像度を向上させるためには、波長を短くするかあるいは開口数を大きくすることが必要となる。現在、半導体の製造に用いられている露光装置は主に波長365nmのi線を使用しており、開口数約0.5で0.5μmの解像度が得られている。開口数を大きくすることは、光学設計上困難であることから、今後、解像度を更に向上させるためには、露光光の短波長化が必要となる。
i線より短波長の露光光としては、例えばエキシマレーザーがあげられ、その波長はKrFエキシマレーザーで248nm、ArFエキシマレーザーで193nmであるため、開口数を0.5とした場合、KrFエキシマレーザーでは0.25μm、ArFエキシマレーザーでは0.18μmの解像度が得られる。そして、露光光としてさらに波長の短い極短紫外線光(以下、「EUV光」と称することがある。)を用いると、例えば波長13nmで0.1μm以下の解像度が得られる。
従来の露光装置は、主に光源と照明光学系と投影結像光学系で構成される。投影結像光学系は複数のレンズあるいは反射鏡等で構成され、マスク上のパターンをウェハ上に結像するようになっている。
一方、より高い解像度を得るために、EUV用の投影光学系を設計しようとすると、視野が小さくなってしまい、所望の領域を一括で露光できなくなってしまう。そこで、露光の際に、マスクとウェハを走査することにより、小さな視野の投影光学系で20mm角以上の半導体チップを露光する方法が採用されている。このようにすることで、極短紫外線投影露光装置でも、所望の露光領域を露光することができる。例えば、波長13nmのEUV光で露光する場合、投影光学系の露光視野を輪帯状にすることで、高い解像度を得ることができる。
極短紫外線投影露光装置の一部の概略図を図8に示す。装置は、主にEUV光源21および照明光学系22とマスク24のステージ25、投影光学系23、ウェハ26のステージ27で構成される。マスク24には描画するパターンの等倍あるいは拡大パターンが形成されている。投影光学系23は複数の反射鏡23a〜23d等で構成され、マスク24上のパターンをウェハ26上に結像するようになっている。反射鏡23a〜23dの表面には反射率を高めるための多層光学薄膜が形成されている。
投影光学系23は輪帯状の視野を有し、マスク24の一部をなす輪帯状の領域のパターンを、ウェハ26上に転写する。マスク24も反射型のものが用いられる。露光の際は、EUV光源21よりのEUV光28aを照明光学系22によって照明用EUV光28bとし、マスク24上に照明用EUV光28bを照射し、その反射EUV光28cを、投影光学系23を通してウェハ26上に入射させる。マスク24とウェハ26を一定速度で同期走査させることで、所望の領域(例えば、半導体チップ1個分の領域)を露光するようになっている。
このように、極短紫外線投影光学系をはじめとする極短紫外線光学系においては、透明な硝材が得られないため、光学系はミラーを中心として構成されている。現在では、極短紫外線投影露光装置の投影光学系においては、図8に示すものと異なり6枚のミラーが使用されるようになってきている。
このような極短紫外線光学系においては光学特性(例えばシュトレール強度、波面収差、ディストーション、像面湾曲)を所定の範囲のものとする必要がある。そのためには、このような光学系において、これらの値が所定の範囲に入るように、ミラー等の光学要素の形状や配置を決める設計計算を行う必要がある。
図7に従来の極短紫外線光学系の光学設計のプロセスを示す。まず、ステップS21において設計パラメータの初期値を決める。設計パラメータとは投影系の光学設計を表現する数値の集まりであり、具体的には、反射ミラーについては、各面の形状を表現する曲率半径、非球面係数、各面の相対位置を表現する面間隔等であり、この他、光学系の開口数を決める絞りの位置、大きさ等が含まれる。
次に、これらの設計パラメータで表現された光学系の光学特性の計算を行い(ステップS22)、光学設計の評価を行う。光学特性とは、シュトレール強度、波面収差、ディストーション、像面湾曲などの光学系の基本的な数値から、特定の照明条件で特定のマスクパターン(ライン&スペース、孤立線、コンタクトホールなど)を転写したときに形成されるパターンの精度などが、使用目的にかなうか否かを判定するための具体的なデータまで多岐に亘る。
シュトレール強度や波面収差などの基本的評価項目については、Code−V(Optical Research Associates社)等の市販の光学計算ソフトウェアを使用して最適化することができる。
そして、ステップS23で所望の光学特性が得られたかどうかを判断し、得られた場合は、設計条件が確定されたとして処理を終了する。得られない場合は、ステップS24に移行し、設計パラメータの修正を行う。そして、修正された設計パラメータを使用して、再びステップS22に移行し、光学特性の計算を行う。このようにして、繰り返し計算により、所望の光学特性を有する設計条件が決定される。
従来は、図7に示したような従来の極短紫外線光学系の設計においては、極短紫外線光学系の使用状態におけるミラー等の光学要素の熱変形を考慮していなかった。
しかしながら、後述するように、極短紫外線光学系の使用状態においては、ある程度のミラーの温度上昇は避けられず、この温度上昇によって発生するミラーの熱変形により、実際に使用される状態における光学特性が、前述のような方法で設計された光学特性と異なってくる。
よって、正確に設計された条件に基づいて製造された極短紫外線光学系においても、使用状態において所望の特性が得られず、そのために、再調整が必要となるという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、実際の使用条件において所望の特性が得られるような極短紫外線光学系用反射ミラー、このような反射ミラーを使用した極短紫外線光学系、このような極短紫外線光学系の製造方法と使用方法、このような極短紫外線光学系を用いた極短紫外線露光装置、及び極短紫外線露光装置の使用方法を提供することを第1の目的とする。
また、このような極短紫外線光学系においては、実際の使用条件において所望の特性が得られるような設計ができたとしても、実際に組み立てた状態で、光学特性(例えばシュトレール強度、波面収差、ディストーション、像面湾曲)を所定の範囲のものとする必要がある。そのためには、このような光学系について、組み立てが終了した状態で、これらの特性を測定し、もし、所定値以内に入っていないような場合には、各光学素子(ミラー等)の形状を修正したり、各光学素子の取り付け方を変更する必要がある。よって、なんらかの方法により極短紫外線光学系の特性を測定することが求められる。
極短紫外線光学系のシュトレール強度、波面収差、ディストーション、像面湾曲を測定する方法としては、一般的に干渉計を用いる方法が採用されている。この他、ディストーションについては、基準パターンを結像面に結像させることにより、像面湾曲については、基準パターンを結像面の位置を変えて結像面に結像させ、それらを比較することによっても求められる。
これらの測定においては、実際に使用されるEUV光よりも弱いEUV光を、測定用の光として使用して測定が行われている。一方、前述のように、ミラーとしては、凹面や凸面を形成するように加工されたガラスや石英の表面に、多層光学薄膜を成膜して反射特性を持たせたものが使用されている。一般に用いられている多層光学薄膜は、MoとSiを交互に積層したものであり、一例として、6.7nm厚のMoとSiを交互に50層積層し、全体として335nmの膜厚としたものが使用される。
しかしながら、このような多層光学薄膜を使用したミラーでも、その反射率はたかだか70%程度である。よって、入射するEUV光のエネルギーのうち30%がミラー表面において熱に変換される。このため、ミラーには冷却装置が取り付けられているが、極短紫外線光学系の使用状態においては、ある程度のミラーの温度上昇は避けられない。よって、ミラーの形状は、この温度上昇を考慮して決定され、使用状態の温度において所定の光学特性が出せるように設計することが好ましい。
ところが、極短紫外線光学系の組み立て調整工程において、ミラーの光学特性を測定する場合、前述のように、実際に使用されるEUV光よりも弱いEUV光、又は可視光、紫外光等を、測定用の光として使用して測定が行われている。よって、光学的特性を測定するときのミラーの温度上昇と、実際の使用状態おけるミラーの温度上昇が異なってくる。この温度上昇の違いに起因して、光学特性の測定状態と実際の使用状態におけるミラーの形状が異なり、これによってミラーの光学特性が異なってくる。なお、この問題は、使用状態の温度において光学系が所定の光学特性となるように設計されていない場合にも同様に問題となる。
従って、ミラーの光学特性を測定して、それに基づいてミラーの再加工や極短紫外線光学系の組み立て調整を行っても、実際の使用状態において、所望の光学特性が得られない可能性が生じる。
本発明はこのような事情にも鑑みてなされたもので、実際の使用状態におけるEUV光よりも弱い光を使用して光学特性の測定を行った場合でも、実際の使用状態と同じか実際の使用状態に近い光学的特性が得られるような極短紫外線光学系用反射ミラー、このような反射ミラーを使用した極短紫外線光学系、このような極短紫外線光学系の製造方法と使用方法、このような極短紫外線光学系を用いた極短紫外線露光装置、及び極短紫外線露光装置の使用方法を提供することを第2の目的とする。
前記目的を達成するための第1の発明は、構成要素である光学要素が露光時に熱変形したときに、光学特性が最適化されるように、各光学要素の形状と配置を決定する工程を有することを特徴とする極短紫外線光学系の製造方法である。
本発明においては、構成要素である光学要素の使用時における熱変形を考慮して、各光学要素の形状と配置が決定されるので、設計結果に基づいて各光学要素の形状と配置を決定し、それに基づいて製造するようにすれば、使用時において要求される光学特性が得られるようになり、たとえ得られない場合でも微調整で、要求される光学特性が得られるようにすることができる。
前記目的を達成するための第2の発明は、前記第1の発明であって、前記各光学要素の機械的な拘束条件を考慮して、各光学要素の形状と配置を決定することを特徴とするものである。
本発明においては、光学要素の熱変形を求めるとき、光学要素の機械的な拘束条件を考慮して求めるようにしている。光学要素は、拘束条件によって変形が妨げられるだけでなく、拘束物体への熱伝達によっても熱変形が異なってくる。本手段においては、これらを考慮しているので、より正確に設計と、これに基づく製造を行うことができる。
前記目的を達成するための第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明であって、前記各光学要素の機械的な拘束条件を考慮して、各光学要素の形状と配置を決定することを特徴とするものである。
温度的な拘束条件とは、光学要素に許される温度の上下限値のことである。本発明においては、光学要素の温度的な拘束条件を考慮して、各光学要素の形状と配置を決定するようにしている。よって、実際の使用状態において、光学要素が、許される温度の制約条件を超える可能性を少なくすることができる。
前記目的を達成するための第4の発明は、前記第1の発明から第3の発明のいずれかであり、前記光学要素が反射ミラーを含む極短紫外線光学系の製造方法であって、加熱手段により、前記反射ミラーを加熱しながら、前記反射ミラー又は前記反射ミラーを含む極短紫外線光学系の光学特性を測定し、その測定結果に基づいて、当該極短紫外線光学系の組み立て調整を行う工程を有することを特徴とするものである。
本発明においては、その光学特性を測定するとき、使用状態に近い反射ミラーの変形状態で測定を行うことができる。よって、製造時における組み立て調整を容易にかつ正確に行うことができる。
前記目的を達成するための第5の発明は、前記第4の発明であって、前記加熱手段により発生する熱による反射ミラーの温度分布が反射ミラーが使用状態にあるときとほぼ同じ温度分布となるように加熱されることを特徴とするものである。
本発明においては、その光学特性を測定するとき、使用状態とほぼ同じ反射ミラーの変形状態で測定を行うことができる。よって、製造時における組み立て調整を容易にかつ正確に行うことができる。
前記目的を達成するための第6の発明は、極短紫外線光学系に使用される反射ミラーであって、その表面部分に発熱装置が設けられていることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラーである。
本発明においては、反射ミラーの表面部分に発熱装置が設けられているので、この発熱装置により熱を発生させ、反射ミラーを使用時における温度に近い温度まで上昇させることができる。よって、この状態で光学特性の測定を行うことにより、使用時に近いミラーの変形状態のもとで測定ができるので、使用時に近い光学特性を測定することができる。
なお、「表面部分」とは、表面及び表面直下の部分のことである。具体的には反射ミラーの表面に成膜される多層光学薄膜の部分から、ミラー基板の表面までの間である。この部分に発熱装置が設けられるので、EUV光を照射したときに近い状態で熱を発生させることができる。
前記目的を達成するための第7の発明は、前記第6の発明であって、前記発熱装置が、前記反射ミラーの有効領域のみに設けられていることを特徴とするものである。
ここで「有効領域」とは、使用時に実際にEUV光が照射される部分のことである。使用時における熱はこの部分で発生する。本発明においては、発熱装置が、前記反射ミラーの有効領域のみに設けられているので、より使用時に近い熱発生を行わせることができる。
前記目的を達成するための第8の発明は、前記第6の発明又は第7の発明であって、前記発熱装置が薄膜抵抗体からなり、反射ミラーの有効領域においては、反射体を構成する多層光学薄膜の裏側に設けられていることを特徴とするものである。
本発明においては、発熱装置が薄膜抵抗体からなるので、多層光学薄膜を成膜するのと同じプロセスにより、発熱装置を反射ミラーの表面に形成することも可能となる。また、多層光学薄膜の機能を妨げることなく、反射ミラーの表面を加熱することができる。
前記目的を達成するための第9の発明は、前記第8の発明であって、前記薄膜抵抗体に切り込みが設けられ、この切り込みにより、前記薄膜抵抗体又は多層光学薄膜が分割されて、連続した帯状の発熱体とされていることを特徴とするものである。
本発明においては、後に発明の実施の形態の欄で説明するように、前記薄膜抵抗体に切り込みが設けられ、この切り込みにより、前記薄膜抵抗体が分割されて、連続した帯状の発熱体とされている。よって、この連続して帯状に分割された薄膜抵抗体の両端に電圧を印加することにより、薄膜抵抗体を発熱させることができる。そして、この帯状部分の幅を場所により変え、さらにこれに加え、必要に応じて流す電流値を制御すること等により、発熱量を場所により変えることができ、望ましい温度分布を反射ミラーに与えることができる。
前記目的を達成するための第10の発明は、前記第6の発明又は第7の発明であって、前記発熱手段が、反射体を構成する多層光学薄膜であることを特徴とするものである。
本発明は、発熱手段として反射体を構成する多層光学薄膜を使用している。よって、前記第8の発明と同じ作用効果が得られる。さらに、反射体を構成する多層光学薄膜そのものを発熱装置として用いているので特別な発熱装置を設ける必要がない。
前記目的を達成するための第11の発明は、前記10の発明であって、前記多層光学薄膜に切り込みが設けられ、この切り込みにより、多層光学薄膜が分割されて、連続した帯状の発熱体とされていることを特徴とするものである。
本発明は、前記第9の発明と同じ作用効果を奏する。
前記目的を達成するための第12の発明は、前記第6の発明から第11の発明のいずれかであって、前記発熱手段により発生する熱による反射ミラーの温度分布が、当該反射ミラーが使用状態にあるときとほぼ同じ温度分布となるように前記発熱手段が形成されていることを特徴とするものである。
発熱装置の厚さや幅や形状を反射ミラーの各部分で変えること等により、反射ミラーの各部分で発生する熱量を調整することができる。この調整により、発熱装置により発生する熱による反射ミラーの温度分布が、当該反射ミラーが使用状態にあるときとほぼ同じ温度分布となるようにすれば、使用状態に近いミラーの変形量のもとで、光学特性を測定することができる。なお、「ほぼ」とは、ミラーの変形量の使用状態との違いが、光学特性の測定精度上問題とならないような範囲をいう。
前記目的を達成するための第13の発明は、極短紫外線を射出する光源と、前記光源からの極短紫外線をマスク上に導く反射ミラーを有する照明光学系と、反射ミラーを有し前記マスクの像を感応基板上に投影結像させる投影光学系と、前記反射ミラーのうち少なくとも一つの反射面を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする極短紫外線露光装置であって、前記反射ミラーの少なくとも一つが、前記第6の発明から第12の発明のいずれかであることを特徴とするものである。
本発明においては、前記第6の発明から第12の発明のいずれかの極短紫外線光学系用反射ミラーを有するので、その光学特性を測定するとき、使用状態に近い反射ミラーの変形状態で測定を行うことができる。よって、組み立て調整を容易にかつ正確に行うことができる。
前記目的を達成するための第14の発明は、前記第13の発明である極短紫外線露光装置の使用方法であって、運転開始に際し、加熱手段により、前記反射ミラーを加熱する工程を有することを特徴とするものである。
本発明においては、運転開始に際し、発熱装置により、反射ミラーを加熱する。これにより、反射ミラーが早期に実際の使用状態に近い温度になって、その形状が安定するので、EUV光により加熱されて安定状態になるのを待つより、早期に使用を開始することができる。尚、加熱手段としては前述の発熱手段の他にもレーザーや赤外線ランプ等他の加熱手段を用いることも可能である。
前記目的を達成するための第15の発明は、反射ミラーを含む極短紫外線光学系の製造方法であって、加熱手段により、反射ミラーを加熱しながら、反射ミラー又は反射ミラーを含む極短紫外線光学系の光学特性を測定し、その測定結果に基づいて、当該極短紫外線光学系の組み立て調整を行う工程を有することを特徴とするものである。
本発明においては、その光学特性を測定するとき、使用状態に近い反射ミラーの変形状態で測定を行うことができる。よって、製造時における組み立て調整を容易にかつ正確に行うことができる。
前記目的を達成するための第16の発明は、前記第15の発明であって、前記加熱手段により発生する熱による反射ミラーの温度分布が反射ミラーが使用状態にあるときとほぼ同じ温度分布となるように加熱されることを特徴とするものである。
本発明においては、その光学特性を測定するとき、使用状態とほぼ同じ反射ミラーの変形状態で測定を行うことができる。よって、製造時における組み立て調整を容易にかつ正確に行うことができる。
前記目的を達成するための第17の発明は、構成要素である光学要素が露光時に熱変形したときに、光学特性が最適化されるように、各光学要素の形状と配置が決定されていることを特徴とする極短紫外線光学系である。
本発明においては、従来の極短紫外線光学系と異なり、構成要素である光学要素が露光時に熱変形したときに、光学特性が最適化されるように、各光学要素の形状と配置が決定されているので、実際の使用時に必要とされる光学特性が得られる。
前記目的を達成するための第18の発明は、前記第17の発明である極短紫外線光学系の使用方法であって、前記光学要素が反射ミラーを含み、運転開始に際し、加熱手段により、前記反射ミラーを加熱する工程を有することを特徴とするものである。
本発明においては、運転開始に際し、発熱装置により、反射ミラーを加熱する。これにより、反射ミラーが早期に実際の使用状態に近い温度になって、その形状が安定するので、EUV光により加熱されて安定状態になるのを待つより、早期に使用を開始することができる。
前記目的を達成するための第19の発明は、前記第17の発明である極短紫外線光学系を有することを特徴とする極短紫外線露光装置である。
本発明においては、前記第17の発明である極短紫外線光学系を有するので、露光時に、構成要素である光学要素が熱変形したときに、光学特性が最適化されるように、各光学要素の形状と配置が決定されている。よって、実際の使用時に必要とされる光学特性が得られる。
図1は、本発明の第1の実施の形態である極短紫外線光学系の設計方法の概要を示すフローチャートである。
図2は、本発明の第2の実施の形態である極短紫外線光学系用反射ミラーを示す概要図である。
図3は、抵抗の幅を変えることによって温度分布を形成する原理を示す図である。
図4は、本発明の第3の実施の形態である極短紫外線光学系用反射ミラーを示す概要図である。
図5は、本発明の第4の実施の形態である極短紫外線光学系を示す概要図である。
図6は、本発明の第5の実施の形態である極短紫外線光学系を示す概要図である。
図7は、従来の、極短紫外線光学系の設計方法の概要を示すフローチャートである。
図8は、従来の極短紫外線投影露光装置の一部の概要を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の第1の例である極短紫外線光学系の製造方法中の1つの工程である設計方法の概要を示すフローチャートである。
まずステップS11において、従来の方法と同じように、設計パラメータの初期値を与える。次に、ステップS12において極短紫外線光学系を構成する各ミラーの露光時の熱変形を計算する。
熱変形の計算は次のようにして行う。まず、光源の発光強度、波長分布と光学系全体(照明系、フィルター、マスク、投影系)の構成から、投影系の各ミラーへ入射する光(その大半はEUV光)の強度分布を算出する。次に、ミラー表面での光の吸収エネルギー(照射光のエネルギーの30%程度)を求め、それをミラー表面に配置された発熱源とする。
有限要素法による計算を行うために、ミラーをモデル化する(メッシュで分解されたセルの集合として表現する。)。ミラーは何らかの形でホールドされており、また冷却機構が設けられている。これらを、機械的拘束および温度拘束の境界条件とする。
有限要素法により、このモデルの温度分布を計算し、それによる熱変形を算出する。各ミラーの熱変形を計算したら、ステップS13に移行し、その面形状を用いて光学特性の計算を行う。
そして、ステップS14で所望の光学特性が得られたかどうかを判断し、得られた場合は、設計条件が確定されたとして処理を終了する。得られない場合は、ステップS15に移行し、光学特性を改善するように設計パラメータの修正を行う。そして、修正された設計パラメータを使用して、再びステップS12に移行し、熱変形計算を行う。このようにして、繰り返し計算により、所望の光学特性を有する設計条件が決定される。
光学特性を改善するような設計パラメータの修正とは、具体的には以下に例として示すようなものである。ミラーの表面付近が温度上昇により膨張するので、凹面は曲率半径が大きくなるように、凸面は曲率半径が小さくなるように変形する。曲率半径の変化は上記の熱変形計算の結果からわかっているので、これを相殺するように(すなわち、熱変形した後に設計値の曲率半径になるように)設計パラメータを修正する(曲率半径または面間隔を変える。)。熱変形は温度分布だけでなく機械的拘束条件にも依存する。よって、必要に応じて、ミラーのホールド条件にも修正を加える。
このようにして最適化された光学設計解は、室温では最適化されていないが、実際の使用状態においては、EUV光の吸収によりミラー温度が上昇して定常状態に達したときに最適化された状態となる。
最終的な形状測定を確認する際には、ミラーの温度が露光時と同じになるように加熱した状態で測定することにより、設計通りに反射ミラーの形状が制作されているかどうかを確認することができる。
図8に示すような極短紫外線露光装置及びその光学系用のミラーを、上記のように設計し、使用状態において熱変形を起こした状態で所望の光学特性が得られるように形成すれば、所定の性能の極短紫外線露光装置及びその光学系を得ることができる。
図2は本発明の第2の実施の形態である極短紫外線光学系用反射ミラーを示す概要図であり、(b)は平面図、(a)は(b)におけるA−A断面図である。この実施の形態においては、多層光学薄膜の下に設けられた薄膜抵抗体層に通電することによりジュール熱を発生する発熱機構を設けている。
低熱膨張ガラス製の基板上1に厚さ100nmのTaNからなる薄膜抵抗体層2が形成されている。薄膜抵抗体層2は、ミラーの有効領域とほぼ一致する領域に形成されている。薄膜抵抗体の材料はTaNに限定されない。例えば、NiCr合金やTa−SiOサーメット薄膜などを用いてもよい。使用状態の実際の温度上昇に近い温度上昇分布を形成するためには、このように、薄膜抵抗体層2や、他の発熱手段を、ミラーの有効領域とほぼ一致する領域に形成することが好ましいが、ミラーの全面に設けても、ミラーの温度を上昇させることはできるので、ある程度の効果を得ることができる。このことは、後に述べる第3の実施の形態においても同じである。
薄膜抵抗体層2に通電するために、その両端に接するように厚さ100nmのAlからなる電極層3が設けられている。薄膜抵抗体層2の上に厚さ300nmのSiOからなる絶縁層4が形成されている。そして、その上に、反射体となる周期長6.7nm、積層数50層対のMo/Si多層光学膜5が形成されている。多層光学薄膜5と薄膜抵抗体層2とは絶縁層4により電気的に絶縁されている。
実際には、多層光学薄膜5は、ミラーの有効領域(反射面として使用する領域)を含む領域に形成されているが、簡単化のために図2ではミラーの全面に設けられているように描いている。薄膜抵抗体層2も、多層光学薄膜5が設けられている部分のみに設けるようにすることが好ましい。
薄膜抵抗体層2には、所望の発熱分布を得るために幅10μm程度の切り込み(部分的に発熱抵抗体が除去されている部分)21が設けられている。発熱抵抗体の幅の広い箇所では抵抗が小さいので発熱は小さく、幅の狭い箇所では抵抗が大きいので発熱は大きくなる。切り込み21の配置を工夫することにより、EUV光照射時の、光吸収による発熱とほぼ同一の発熱分布を得ることが可能になる。
図3に発熱分布の制御方法の原理を説明する。薄膜抵抗体の左側には切り込みが無く、右側には図示したような切り込みを設ける。この薄膜抵抗体の両端に電圧をかけて左から右へ電流を流す場合を考える。切り込みの無い左側の電気抵抗は小さく、切り込みのある右側の電気抵抗は大きい。発熱量はI2R(I:電流、R:電気抵抗)に比例するので、左側では小さく右側では大きい。発熱量は電気抵抗に比例するので、切り込みの入れ方を変えて薄膜抵抗体の太さを調整すれば、任意の発熱量分布を実現することができる。
切り込み21の加工には、例えば、レーザ光を集光して照射して、レーザーアブレーションにより薄膜抵抗体層を局所的に除去する方法を用いることができる。この他に、切り込みとなる位置に予めレジスト等によるパターンを形成しておき、その上に薄膜抵抗体層を形成して、後からレジストとその上に形成された薄膜抵抗体層を除去する、いわゆるリフトオフ法を用いてもよい。
発熱抵抗体層2に設けられた切り込み21による段差の影響で、その上に形成される多層光学薄膜5に段差が形成されないように、発熱抵抗体層2の上に設けられた絶縁体層4の表面は平坦化されている。平坦化の例としては、まず発熱抵抗体層2全体の表面上に、厚さ500nmのSiOの絶縁体層4を形成する。この状態では、発熱抵抗体層2に設けられた切り込み21による段差の影響で、絶縁体層4の表面には段差が形成されている。そこで、絶縁体層4の厚さが300nmになるまで研磨を行い、表面を平坦化する。これにより、絶縁体層4の厚さは、薄膜抵抗体層2の切り込み21の部分では厚さ400nm、電極層3の部分では厚さ200nmになる。
そして、平坦化された絶縁体層4の上に、従来技術と同じ方法により多層光学薄膜5を積層して形成する。
ミラーの有効領域外の電極層3上の絶縁層4には、電極層3を露出させるために穴41が設けられている。ここから電極層3に電気配線6が接続されており、電気配線6は電源7に接続されている。
図ではわかりやすくするために基板1の厚さに対して各層の厚さを拡大して示してあるが、実際には基板1の厚さが約50mm程度以上であるのに対して薄膜抵抗体層2から多層光学薄膜5まで含めた厚さは1μm以下なので、EUV光照射時と同様にミラーの表面が加熱される。従って、本ミラーは、両電極3間に所定の電流を流すことにより、露光時と同じ熱変形を示す。
薄膜抵抗体2の電気抵抗は温度によって変化するので、通電時の電流電圧から薄膜抵抗体の抵抗温度係数(TCR:Thermal Coefficient of Resistance)を用いて発熱温度を求めることが可能である。あるいは、赤外線放射温度計等を用いて、予め電流値に対する発熱温度分布を測定してデータを収集しておけば、所望の温度になるよう電流量による温度調整が可能になる。
図4は本発明の第3の実施の形態である極短紫外線光学系用反射ミラーを示す概要図であり、(b)は平面図、(a)は(b)におけるA−A断面図である。
本実施の形態では、多層光学薄膜自身を発熱機構として使用し、ジュール熱を発生させている。すなわち、多層光学薄膜自体が、第1の実施の形態における薄膜抵抗体2の役割を果たす。
低熱膨張ガラス製のミラー基板1上に周期長6.7nm、積層数50層対のMo/Si多層光学薄膜5が設けられている。多層光学薄膜5はミラーの有効領域とほぼ一致する領域に形成されている。
多層光学薄膜5に通電するために、その両端に接するように厚さ100nmのAlからなる電極層3が設けられている。電極層3と多層光学薄膜5の一部は重なるように形成される。重なり部分はどちらが上でも構わない。(図4では多層光学薄膜5が上に描いてある。)
多層光学薄膜5には、所望の発熱分布を得るために幅10μm程度の切り込み(部分的に多層光学薄膜が除去されている部分)51が設けられている。幅の広い箇所では抵抗が小さいので発熱は小さく、幅の狭い箇所では抵抗が大きいので発熱は大きくなる。切り込み51の配置を工夫することにより、EUV光照射時の光吸収による発熱とほぼ同一の発熱分布を得ることが可能になる。
切り込み51部分はEUV光を反射しないが、ミラーの有効領域の面積と比べて切り込み全体の面積は無視し得る程度に小さいので、光学特性に悪影響を与えることはほとんどない。
切り込み21の加工には、例えば、レーザ光を集光して照射して、レーザーアブレーションにより薄膜抵抗体層を局所的に除去する方法を用いることができる。この他に、切り込みとなる位置に予めレジスト等によるパターンを形成しておき、その上に薄膜抵抗体層を形成して、後からレジストとその上に形成された薄膜抵抗体層を除去する、いわゆるリフトオフ法を用いてもよい。
図ではわかりやすくするために基板の厚さに対して各層の厚さを拡大して示してあるが、実際には基板の厚さが約50mm程度以上であるのに対して多層光学薄膜の厚さは0.4μm以下なので、EUV光照射時と同様にミラーの表面が加熱される。従って、本ミラーは、両電極間に所定の電流を流すことにより、露光時と同じ熱変形を示す。
多層光学薄膜の電気抵抗は温度によって変化するので、通電時の電流電圧から多層光学薄膜の抵抗温度係数(TCR)を用いて発熱温度を求めることが可能である。あるいは、赤外線放射温度計等を用いて予め電流値に対する発熱温度分布を測定してデータを収集しておけば、所望の温度になるよう電流量による温度調整が可能になる。
図5は本発明の第4の実施の形態である極短紫外線光学系を示す概要図である。図5で破線で囲まれる部分が極短紫外線光学系であり、具体的には、EUV露光装置の投影光学系である。
この実施の形態においては、EUV露光装置の投影光学系は、前記第2の実施の形態、又は第3の実施の形態で示された反射ミラーを主要構成部品として使用している。すなわち、各ミラーM1〜M6の反射面には、第2の実施の形態、又は第3の実施の形態で示されたような発熱機構が設けられている。各ミラーの発熱機構には、通電するための定電流電源7が電気配線6によりそれぞれ接続されている(電気配線6は光線を遮らないように配置されていることは言うまでも無い。)。各定電流電源の出力は制御用コンピュータ8により制御されている。
投影系の波面計測を行う際に、各定電流電源から所定の電流を流して各ミラーを発熱させる。EUV露光装置に搭載して露光を行う際の各ミラーM1〜M6表面のEUV光吸収による発熱分布は、EUV露光装置に搭載される光源の強度と光学系(照明系、フィルター、マスク、投影系)の構成から計算により算出することができる。これと同一の発熱分布を実現する条件で各ミラーに通電する。
ミラーを発熱させると投影系の波面は大きく変化する。発熱した状態で波面収差が最小になるよう、各ミラーの位置、姿勢を調整した後、それを固定して投影系の組み立て調整作業を完了する。その後、ミラーの発熱を停止すると波面は再び大きく変化して波面収差は増大する。
この投影系をEUV露光装置に搭載した露光シミュレーションを行った(ミラーに通電はしない。)。露光開始直後に露光したウェハでは、解像力、ディストーションともに設計値に満たない露光性能しか示さなかったが、露光を継続していくと露光性能が徐々に改善され、露光を開始して5時間後には設計値通りの解像力、ディストーションを発揮するようになり、その後さらに露光を継続しても露光特性の劣化は生じなかった。
この結果は、露光開始直後の室温の状態では投影系の波面収差が大きいために露光特性が悪いが、投影系の温度が上昇して定常状態になった時点で波面収差が最小になるために露光特性が改善されたことを示している。
次に、露光開始直後に投影系の各ミラーに通電しながら露光シミュレーションを行った。電圧電流からミラー表面温度を計測し、定常状態とほぼ同じ温度になるように電流値を制御した。前記のように通電しない場合には露光特性が安定するまでに5時間を要したが、この場合は15分後には設計値通りの露光性能を示した。露光によるミラーの加熱が進むにつれて、ミラーの温度制御により電流値は徐々に低下し、露光特性が安定した時点ではいずれのミラーの電流値もほぼゼロになっていた。その後はミラーへの通電は停止した。以上のように、露光開始直後に投影系を構成する各ミラー表面を発熱させることにより、露光性能が安定するのに要する時間を大幅に短縮することができた。
なお、運転開始(露光開始)の前に予めミラーに熱を加えておいても、露光性能が安定するまでに要する時間を短縮させることができる。
図6は本発明の第5の実施の形態である極短紫外線光学系を示す概要図である。図6において破線で囲まれる部分が極短紫外線光学系であり、具体的には、EUV露光装置の投影光学系である。本実施の形態の極短紫外線光学系の基本構成は図5に示すものと変わりはないが、本実施の形態においては、各反射ミラーM1〜M6の表面部分に発熱機構が設けられておらず、代わりに赤外線源A〜Eが設けられて、各反射ミラーM1〜M6の有効領域を赤外線で照射していることが異なっている。
よって、各反射ミラーM1〜M6の有効領域は赤外線で加熱され温度が上昇する。図示を省略しているが、各反射ミラーM1〜M6の温度を測定し、これらが所定温度になるように、各赤外線源A〜Eの赤外線放出量を制御するようにしてもよい。このようにして、図5に示した実施の形態と同じように、各反射ミラーM1〜M6に、使用時と同等の温度分布を与え、各反射ミラーM1〜M6の熱変形を使用時とほぼおなじにすることができる。赤外線源の代わりにレーザや他の加熱手段を熱線放出源として用いてもよい。
なお、図5、図6においては、全ての反射ミラーに発熱機構を設けたり、全ての反射ミラーを赤外線で加熱するようにしているが、一部の反射ミラーのみについてこのような手段により加熱を行うようにしてもよい。また、一部の反射ミラーを発熱機構で加熱し、他の一部の反射ミラーを熱線(赤外線)で加熱する等、種々の組み合わせを採用することができる。また、以上の実施の形態においては、加熱機構として発熱機構や赤外線を使用しているが、ミラーを加熱できる手段であれば、この他の加熱手段を任意に選んで使用することができる。
本発明の実施の形態である極短紫外線露光装置の基本的な構成は、図8に示した従来の極短紫外線露光装置と変わるところがない。
以上、実施の形態の例を用いて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、当業者によって変更あるいは追加可能なあらゆる例を含むものである。

Claims (19)

  1. 構成要素である光学要素が露光時に熱変形したときに、光学特性が最適化されるように、各光学要素の形状と配置を決定する工程を有することを特徴とする極短紫外線光学系の製造方法。
  2. 前記各光学要素の機械的な拘束条件を考慮して、各光学要素の形状と配置を決定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の極短紫外線光学系の製造方法。
  3. 前記各光学要素の温度的な拘束条件を考慮して、各光学要素の形状と配置を決定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の極短紫外線光学系の製造方法。
  4. 前記光学要素が反射ミラーを含み、加熱手段により、前記反射ミラーを加熱しながら、前記反射ミラー又は前記反射ミラーを含む極短紫外線光学系の光学特性を測定し、その測定結果に基づいて、当該極短紫外線光学系の組み立て調整を行う工程を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の極短紫外線光学系の製造方法。
  5. 前記加熱手段により発生する熱による反射ミラーの温度分布が反射ミラーが使用状態にあるときとほぼ同じ温度分布となるように加熱されることを特徴とする請求の範囲4項に記載の極短紫外線光学系の製造方法。
  6. 極短紫外線光学系に使用される反射ミラーであって、その表面部分に発熱手段が設けられていることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラー。
  7. 請求の範囲第6項に記載の極短紫外線光学系用反射ミラーであって、前記発熱手段が、前記反射ミラーの有効領域のみに設けられていることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラー。
  8. 請求の範囲第6項に記載の極短紫外線光学系用反射ミラーであって、前記発熱手段が薄膜抵抗体からなり、反射ミラーの有効領域においては、反射体を構成する多層光学薄膜の裏側に設けられていることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラー。
  9. 請求の範囲第8項に記載の極短紫外線光学系用反射ミラーであって、前記薄膜抵抗体に切り込みが設けられ、この切り込みにより、前記薄膜抵抗体又は多層光学薄膜が分割されて、連続した帯状の発熱体とされていることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラー。
  10. 請求の範囲第6項に記載の極短紫外線光学系用反射ミラーであって、前記発熱手段が、反射体を構成する多層光学薄膜であることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラー。
  11. 請求の範囲第10項に記載の極短紫外線光学系用反射ミラーであって、前記多層光学薄膜に切り込みが設けられ、この切り込みにより、多層光学薄膜が分割されて、連続した帯状の発熱体とされていることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラー。
  12. 請求の範囲第6項に記載の極短紫外線光学系用反射ミラーであって、前記発熱手段により発生する熱による反射ミラーの温度分布が、当該反射ミラーが使用状態にあるときとほぼ同じ温度分布となるように前記発熱手段が形成されていることを特徴とする極短紫外線光学系用反射ミラー。
  13. 極短紫外線を射出する光源と、前記光源からの極短紫外線をマスク上に導く反射ミラーを有する照明光学系と、反射ミラーを有し前記マスクの像を感応基板上に投影結像させる投影光学系と、前記反射ミラーのうち少なくとも一つの反射面を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする極短紫外線露光装置であって、前記反射ミラーの少なくとも一つが、請求の範囲第6項に記載の反射ミラーであることを特徴とする極短紫外線露光装置。
  14. 運転開始に際し、加熱手段により、前記反射ミラーを加熱する工程を有することを特徴とする請求の範囲第13項に記載の極短紫外線露光装置の使用方法。
  15. 反射ミラーを含む極短紫外線光学系の製造方法であって、加熱手段により、反射ミラーを加熱しながら、反射ミラー又は反射ミラーを含む極短紫外線光学系の光学特性を測定し、その測定結果に基づいて、当該極短紫外線光学系の組み立て調整を行う工程を有することを特徴とする極短紫外線光学系の製造方法。
  16. 前記加熱手段により発生する熱による反射ミラーの温度分布が反射ミラーが使用状態にあるときとほぼ同じ温度分布となるように加熱されることを特徴とする請求の範囲15項に記載の極短紫外線光学系の製造方法。
  17. 構成要素である光学要素が露光時に熱変形したときに、光学特性が最適化されるように、各光学要素の形状と配置が決定されていることを特徴とする極短紫外線光学系。
  18. 前記光学要素が反射ミラーを含み、運転開始に際し、加熱手段により、前記反射ミラーを加熱する工程を有することを特徴とする請求の範囲第17項に記載の極短紫外線光学系の使用方法。
  19. 請求の範囲第17項に記載の極短紫外線光学系を有することを特徴とする極短紫外線露光装置。
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